と学会が「嫌韓・嫌中論争」に参戦! トンデモ本から読み解く、“真実”の日中韓関係と歴史

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『日・韓・中 トンデモ本の世界』(サイゾー)
 世の中、嫌韓・嫌中ブームである。書店へ行くと、韓国と中国の悪口本が山のように出ている。売れているのだ。中韓の日本嫌いは凄まじいが、これまではネット以外でこの2カ国の反日文化を知ることは難しかった。その実態を知らせるべく多くの本が書かれている。  しかし反日の実態がわかればわかるほど、疑問が浮かぶ。  彼らの反日は、日本人の知る日本やアジアの歴史とはあまりにもかけ離れている。従軍慰安婦や領土問題などの高度に政治的な案件はともかく、桜や剣道の起源は韓国だという韓国起源説、いわゆるウリジナルや日本を軍国主義化していると批判しながらチベットやウイグルを弾圧する中国の姿勢は、日本人からすると意味不明、トンデモな話である。  しかもそうした現状を知っているだろう日本の政治家や財界の大物たちが、過剰なほど中韓に肩入れをしているのだ。日本にもまた、トンデモない価値観の人たちがいるらしい。  トンデモのことはトンデモ本に訊け! 中韓を巡るトンデモ言説の真相を、日・韓・中3カ国のトンデモ本から解き明かそうとしたのが『日・韓・中 トンデモ本の世界』(と学会、水野俊平、百元籠羊/サイゾー刊)である。  韓国で政治問題にまで発展した超絶“嫌日”本(『悲しい日本人』)、悪名高き統一教会の教祖による丸ごと一冊自画自賛本(『平和を愛する世界人として 文鮮明自伝』)、敵が真っ赤っかな韓国の反北朝鮮アニメ(『ロボット王シャーク』)、さらには幸福の科学の教祖・大川隆法が北朝鮮の現在の首領・金正恩の守護霊を呼び出し、秘密のベールに隠された北朝鮮の「真実」を暴き出した一冊(『金正恩の本心直撃!』)など日・韓・中にまたがって、互いに互いがトンデモないことになっている本や映画を発掘し、その裏側にある民族的メンタリティを掘り下げる。そこでは歪んだ妄想が合わせ鏡のように増幅し合い、もう笑うしかない異様な価値観を生み出しているのだ。 『平和を愛する世界人として 文鮮明自伝』のパートを読むと、韓国人の唱える反日が理屈ではなく、宗教であることがよくわかる。  合同結婚式や開運壺売りで社会問題化した統一教会。彼らは、韓国を「防共の砦(とりで)」とする西側諸国の戦略に乗って勢力を拡大したが、そのバックに故・笹川良一など日本の右派がいたことは公然の秘密だろう。しかしその教祖の故・文鮮明が日本で早稲田高等工学校を卒業していたことや、反共を唱えながらも北朝鮮出身だったことは、評者はこの解説で初めて知った。  彼は韓国の反日思想を、神からの教えとして信者に伝えているらしい。『平和を愛する世界人として 文鮮明自伝』によると、日本は海に浮かぶ島国なので女性を表し、「世界の中でエバ国(母の国)の使命」(p.33)を担う。だから「世界の母として、たとえ飢えたとしても世界の国々を保護」(同)しなければならないという。ずいぶんな話である。  エバ国があるならアダム国(父の国)もあるだろう。それが韓国だ。その証拠に半島は男性を表す大陸から突き出している。その形は男性自身を表しているという。  たしかに大陸から朝鮮半島は突き出てはいるが、角度的には元気の尽きた老人のようだ。反日は、彼らにとってバイアグラなのか?  文鮮明いわく、エバはアダムに仕えなくてはならない。だから日本は日韓併合の贖罪として南北朝鮮の統一のために「生きなければならない」(同)。世界中に慰安婦像を建てるようなメチャクチャができるのは、それが宗教行為だからなのだ。  宗教といえば日本も負けてはいない。『金正恩の本心直撃!』で呼び出された金正恩の霊(本人が生きていても霊を呼び出せる、それが大川隆法流である)は、台湾が繁栄している理由を、南にあって「バナナがいっぱいとれる」(p.166)からと言い、父だった金正日を「注射を打てば死ぬでしょう」(p.170)と暗殺したことを認め、「君らの敵は、われわれじゃなくて、税務署だ」(p.180)と、幸福の科学の税金の心配までするのだ。  戦前の朝鮮と日本が同じ起源を持つという日韓同祖論(だから日本は朝鮮を併合していいという屁理屈である)は、日本にも(『韓国人は何処から来たか』)、韓国にも(『日本語の正体 — 倭の大王は百済語で話す』)あり、そのベクトルが真逆になっているのが面白い。前者では日韓は同じ民族が日本と韓国に分かれたといい(そして韓国だけが堕落したのだという)、後者では韓国から日本へと民族が移動したという(だから日本は韓国の亜流で二流)。日韓同祖論者の日韓同祖史観というべき独特の考え方が、この2つのパートを読むと理解できる。そして、そんなトンデモ説を掲げて朝鮮併合を行なった当時の日本の姿が、その向こう側に透けて見えるのだ。  トンデモ本を読むのは、多くの場合、苦行以外の何ものでもない。こういっては申し訳ないが、冗長で退屈で、正直、まったく面白くない作品が多いのだ。だが、と学会の面々がそんなトンデモ本のエッセンスを抽出し、こねくり回すとあら不思議、ゲラゲラ笑いながら読み進むうちに、トンデモ説の持つ視点のユニークさに気が付き、トンデモを生み出した背景を知ることができるのだ。  嫌中・嫌韓本のさらに先には、アジア3国の濃密な関係と隠された史実がある。その端っこを覗き見る、入門書としてぜひ一読をオススメしたい。 (文=コタロー)

友好か忠誠か――『レッド・ファミリー』北朝鮮スパイ一家が問いかける“家族の意味” 

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 美しい妻、頼りがいのある夫、優しい祖父、かわいい娘。一見、誰もがうらやむ理想的な仲良し家族なのだが、彼らの正体は家族を演じる4人の北朝鮮スパイだ。互いの行動を監視し合いながら、脱北して韓国へ逃げた裏切り者を抹殺する任務を日々遂行していた。  そんなニセ家族の隣家で暮らしているのは、自分勝手な夫、金遣いの荒い妻、疲れきっている祖母、いじめられっ子の息子という、韓国のリアルを表現したかのようなダメ家族。夫婦はいつもケンカばかりしており、その怒号はニセ家族の家にまで響くほどだった。しかし、ダメ家族が起こすトラブルに巻き込まれていくうちに、4人のスパイたちには少しずつ変化が生まれていく。本物の家族の絆が芽生えようとしていたのだ。そんな中、4人に下ったミッションは、隣の家族の暗殺だった――。  斬新な設定と先が読めないストーリー展開で観客の心をわしづかみにし、「第26回東京国際映画祭」(2013)で観客賞に輝いた韓国映画『レッド・ファミリー』。製作・脚本・編集を手がけたのは異端作で数々の映画賞を受賞した鬼才キム・ギドクだが、監督としてメガホンを握ったのは新鋭イ・ジュヒョンだ。フランスで映画とデジタル・アートを学んだイ・ジュヒョンは、『レッド・ファミリー』が長編映画監督デビュー作となったが、完成した本作を見たキム・ギドクは「私が予想した以上の出来栄え」と絶賛。韓国映画界の次代を担う人物と期待が高まっている。そんなイ・ジュヒョン監督に、本作の見どころや制作秘話、そして朝鮮半島の分断問題や日韓関係について、幅広く話を聞いた。 ――監督は「最初に脚本を読んだときに大きな感動があった」そうですが、その“感動”はどんなところから受けたのでしょうか? イ・ジュヒョン監督 初めて脚本を読んだとき、この物語の中心テーマは“人間味”だと思いました。ほかの監督が撮っていたら、思想の問題を押し出した作品にしたかもしれませんが、体制の中の人間はどうやって体制に抵抗するのかということに主眼を置きました。そこに生きる“人間”を描きたかったんです。例えば劇中で北のスパイたちは、北に残してきた自分の家族のために演技をしていて、自分たち同士で互いに何かをしてあげたくても、そこに愛情が生まれていても、そうではないように振る舞う。生まれ育った“体制”がそうさせるんです。  すべての人間は、何か見えない共同体の体制や思想の中にいると思います。宗教、差別を受けるようなシステム……その中で葛藤し、あるいは抜け出そうともします。そんなところに“人間味”があると思うんですよ。 ――劇中、北のスパイは残虐でありながらも、コミカルな一面も見せていますよね。例えば、言葉遣いも、自分たち同士でしゃべっている時は北朝鮮風の発音ですが、外で話すときは韓国風の発音に変わっています。 イ監督 彼らは家の外に一歩出たら、仲良し家族としての演技をしています。でも、家の中に入れば豹変する。体制の中の人間になるわけです。同じハングルでも、発音やしゃべり方は南北で違いますからね。この作品で俳優たちは、演技に演技を重ねています。南の家族を真似する最後のシーンなんて、演技の演技の演技をしていることになりますよね。個人的にはそういう構造が好きなので、観客のみなさんには注目してほしいところです。
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――北のスパイを描くに当たって、監督自身、取材などをしたのでしょうか? イ監督 まず、資料集めをたくさんしました。北朝鮮のスパイがどうやって韓国で活動したのかという事例を探して。最近の事例は、国家情報院が明かさないからわからない(笑)。でも、昔の資料は多いんです。70年代には、偽装夫婦のスパイもいました。そういう人たちが武器をどこに隠していたか、どうやって本国と連絡を取っていたかを調べたわけです。映画でも描写しましたが、本国からの連絡は、ラジオの周波数を合わせて暗号を受け取っていました。「1、10、8……」などと、数字がたくさん送られてくる。それが暗号になっているのです。一般の人がラジオをいじっていたら、たまたまそれが聞こえたなんてこともあったそうです。  また、資料の調査だけでなく、脱北者の人たちにも協力してもらいました。男性1人、女性1人。その男性は、北朝鮮で軍隊にも入っていた方です。軍隊の話や、敬礼の仕方なども教えてもらいました。 ――敬礼といえば、北のスパイが表彰されるシーンで出てきますよね。あの「万歳!」の場面は、コミカルで笑ってしまいました。
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イ監督 もちろん、笑うところですよ。ありえないシーンですからね。でも、ヨーロッパの映画祭で上映したら、誰も笑ってくれず……。みんな深刻そうに見ていました(笑)。そういう文化の違いは、どうしようもないですよね。でも、ただ笑わそうとして撮ったわけではありません。あの空間は徹底的に北朝鮮でなければならなかったし、体制の空気が感じられなければなりませんでした。一歩ドアを開けたら、外は資本主義の空気。その違いを明白に出すためのシーンでもあったんです。 ――なるほど。撮影中、どんな苦労がありましたか? イ監督 一番危惧したのは、映る空間が限定的になってしまうというところです。ほぼ二つの家が舞台になっていますからね。観客の中には、それが窮屈と感じる人もいるかもしれません。だから、なるべく演劇を眺めているような構図で撮るようにしたし、そうできる家を探しました。家自体が演劇の舞台に見えるような。  あと家探しで気をつけたのは、二つの家族の家の間にある垣根の高さです。映画の中では、その垣根が南北を分断する軍事境界線を意味しています。だから、あまりに低いとおかしい。簡単に越えられそうでは、現実の南北関係の現状と合いませんから。かといって、高すぎてもまったく交流ができないので、それもダメ。ちょうどいい高さの垣根を苦労して探しましたよ。実際には微妙な高さの垣根も、劇中では南北を隔てる高い壁に見えると思います。でも、二つの家族は垣根越しに会話をして、次に物や鳥が垣根を越えていき、最後には人が越えていきます。みんなが軍事境界線を越えていくんです。 ――あの垣根は軍事境界線……。だから、それを越えた北の家族は処罰されてしまう、と。 イ監督 そうです。映画を見た人は、「なぜ、彼らはあんなひどい処罰を受けるのか」と思うかもしれませんが、4人はとんでもないことをしていたわけです。南北を混ぜてしまったのですから。最後には、二つの家族が島にキャンプしにいきますよね。そこには、もはや“境界線”はありません。  島のシーンは本当に苦労して撮影しました。映画で流れている映像と、まったく同じ順序で撮影したんです。俳優たちが自らテントを張って、海で遊んで……。だから彼らは十分、感情移入できたと思いますし、撮影では本当に嗚咽していました。カメラを回していて、私自身も本当に悲しかった。北の家族が船に乗せられるシーンは、本当に処刑場に連れて行かれているように見えました。船のシーンなので、何人かのスタッフは島に残ったのですが、彼らも「本当に死にに行くようだ……」と話していましたね。撮影現場全体が軽口を叩ける雰囲気ではなかったから、とても印象に残っています。
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――南と北の家族は、最初から仲が良かったわけではありません。でも、若い二人(チャンスとミンジ)をきっかけに、お互いのことを知っていきます。その設定には、何か意図があるように見えますが……。 イ監督 若い人は南北の対話や交流を望んでいる、というように見せようとしました。チャンスとミンジは、すべての登場人物の中で、最もイデオロギーから自由なんです。単純に、若くて幼いからです。彼らには、まだ白紙の部分がある。私は、軍事政権時代に思想教育をたくさん受けた世代です。でも、最近の若い世代は、そういう教育をあまり受けていません。純粋なチャンスとミンジが成長したら、もっといい世の中を望むだろう。そんなメッセージを込めました。  映画の序盤に、窓に激突して死んだ鳥が出てきます。そのとき、スパイの老人が「死んだ鳥が自分の姿と重なる」とつぶやきますが、実はあのシーン、物語の結末の伏線になっているんですよ。鳥が幻を見ながら死んだように、虚像に向かって走り続けた、人はみな最後は死ぬ。ただ、その鳥を埋めてあげるのは、チャンスとミンジです。思想教育を受けた世代、つまり虚像に向かって走り続けた人たちを慰安するのは、若い世代なんです。 ――『レッド・ファミリー』は、理念を超えた家族愛が一つのテーマだと思います。南北関係、日韓関係はともにギスギスしていますが、それを変えるためのヒントがあるようにも感じました。 イ監督 南北関係については、ただただ平和的な統一を願っています。南北が分断したのは、理念の違いに原因があると思うんです。でも反省しなければならないのは、一つの失敗で生まれたトラウマは、何十年、何百年と続くということ。日本が戦争で受けた核の痛みは、今も続いていると思います。私たちも植民地時代のトラウマが続いています。もちろん、韓国が加害者として誰かを傷つけたこともあるでしょう。いわば“苦痛のモンスター”がたくさんいるわけです。その痛みの起源がどこにあるのかはわかりません。でも、確実に起源はあります。トラウマが続かないように、その起源にまでさかのぼって、最大限に解消すべきです。痛みの中で生きていくなんて、かわいそうじゃないですか。  私が『レッド・ファミリー』でイデオロギーを解体させたかった理由も、現代は大切な個々人が見失われる時代だと思ったからです。世の中が発達して、便利な生活が送れるようになったと感じていても、変化したことは何もないように思う。だって、今も世界中で戦争が続いているんですよ。それは、とても恐ろしいことです。いずれにしても今は、すべての国がもっと反省しなければならない時代なのではないでしょうか。でも、誰か一人が反省したら、その人が弱者になってしまうジレンマがある。日韓関係においても、もしかしたらそんなジレンマがあるのかもしれない。 ――『レッド・ファミリー』は、本当にいろんなことを感じさせてくれる映画だと思います。これから見ようと考えている人は、どんなことを知っておくべきでしょうか? イ監督 いやいや、何も考えずに見てほしいですね。色眼鏡をかける必要はないと思います。なぜなら、偏見を捨てる映画なのだから。見る人にも偏見を捨てて見てほしいです。断っておきますが、この作品はあくまでも娯楽映画ですからね(笑)。重いといえば重いですが、力まずに見てもらえればうれしいですね。 (取材・文=呉承鎬) redmain.jpg ●『レッド・ファミリー』 監督:イ・ジュヒョン エグゼクティブ・プロデューサー/脚本/編集:キム・ギドク プロデューサー:キム・ドンフ  キャスト:キム・ユミ ソン・ビョンホ チョン・ウ パク・ソヨンほか 10月4日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開 (c) 2013 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved. 公式サイト <http://redfamily.gaga.ne.jp/>

5億円詐欺騒動で注目される、かつての大物“ヨン様”ペ・ヨンジュンの現在

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『ペ・ヨンジュン写真&映像集 PREMIUM DAYS -思い出の14日間-』(BOF international)
 ドラマ『冬のソナタ』などで一世を風靡し、第一次韓流ブームを牽引した“ヨン様”こと俳優のペ・ヨンジュンが詐欺容疑で告訴され、韓国で大騒ぎになっている。  ヨン様を訴えたのは、韓国の健康補助食品製造業のコジェ社。ヨン様が大株主のゴリラライフウェイ社(以下、ゴリラ社)が、コジェ社が扱う高麗人参製品の日本国内での独占販売契約を締結したにもかかわらず、日本での販売努力を怠っただけでなく、前払い金も該当用途に使わないといった欺瞞行為により被害を受けた、というのがコジェ社の主張だ。 「要は、“やらずぶったくり”だったということですね。契約金は50億ウォン(約5億2,000万円)で、そのうちの半分の25億ウォンを日本での市場調査費や流通会社との契約金などの名目で、先払いしたそうです。コジェ社がヨン様側にクレームをつけたところ、残りの25億ウォンが支払われていないことを理由に契約を解除するなどと恫喝された、とも主張しているようです。コジェ社は、ソウルの三成洞にあるヨン様の所属事務所本社や、城北洞にあるヨン様の自宅前、さらに最高裁判所の前などで処罰を求めるデモも行っており、韓国では大騒動に発展しています」(韓流エンタメ誌編集者)  こうしたコジェ社の訴えに対して、ゴリラ社は「非常に悪意のある行為だ」「法的にきっぱりと対応する」とコメントしており、所属事務所は「現在、確認中で、内容を整理して公式発表する」と説明している。すっかり“疑惑の人”となってしまったヨン様の近況だが、2007年の時代劇ドラマ『太王四神記』を最後に俳優活動はほとんど行っておらず、11年に自身がプロデュースしたドラマ『ドリームハイ』に特別出演した程度。 「『ドリームハイ』のDVD発売イベントで来日したときには、羽田空港に約4,500人のファンが集まったといいますから、ブームが過ぎたとはいえ日本ではさすがの人気です。しかし、韓国ではすでに盛りを過ぎた“かつての”大物。芸能人というよりは投資家、ビジネスマンとしてのイメージが強いんです。そもそも『冬のソナタ』は韓国で02年に放送されましたが、その後、映画界に進出したものの芳しい成果を挙げられず、再びテレビ界へ戻ってドラマに1本主演しただけ。日本では韓流ブームのおかげで華々しく芸能活動を行っていたように感じますが、韓国では芸能活動のブランクが10年近くある“過去の遺物”というのが実際のところ。最近では、韓国の中堅財閥LSグループの令嬢との結婚が取り沙汰される程度でしたが、今回の告訴騒ぎで、あらためて注目が集まった格好です」(同)  “元”大物芸能人の悲しさか、韓国のネット掲示板では今回の騒動でヨン様へのブーイングが相次いでいる。「眼鏡を外せば詐欺も通じない。ただ笑って手を振れば、日本人がお金をくれる。韓国では、特別なものの何もない普通の人だけど」「ペ・ヨンジュンで良いニュースを見ないね」「韓国人ならみんな知ってる、ペ・ヨンジュンの性格の悪さ。日本人に見抜かれないようにしろ。国の恥さらしである」「日本が育ててあげた俳優なのに、日本で詐欺ばかりしてるよね。恩知らず野郎」「日本のおばさんたちの財布ばかり狙って恥ずかしい」といった具合。  第一次韓流ブームの立役者だったヨン様のスキャンダルは、今さらながらブームの終焉を印象付けるような気がしてならない。

“性産業大国”の汚名返上のはずが……施行から10年、韓国「性売買特別法」の功罪

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イメージ画像 photo by Chris from flickr.
 性産業大国――。その汚名を返上すべく、韓国政府が施行したのが「性売買特別法」だ。同法は、去る9月23日に施行“10周年”を迎えており、この10年間、韓国国内では風俗店に対する厳しい取り締まりが続いている。例えば、大田の風俗店は、2009年の263軒から今年6月までに160軒へと縮小。現在、閉鎖の危機に追い込まれているのは、大邱市中区桃園洞の風俗街だ。日本統治時代に誕生し、100年の歴史を持つ韓国の代表的な風俗街なのだが、最近、地元市民団体らが協力して圧力を加えており、閉鎖は時間の問題とささやかれている。  そもそも韓国の風俗店は、02年当時、5万軒あまりあったといわれていた。刑事政策研究院の「性売買経済規模全国調査」によると、売春婦は最低でも33万人で、性産業の総売上規模は24兆ウォン(約2兆4,000億円)。当時の国内総生産(GDP)の4.1%を占めており、これは農林漁業とほぼ同規模だったというのだから驚く。そんな性産業を抑圧しようと韓国政府が04年に施行したのが性売買特別法なのだが、同法の施行以降、07年には風俗店が4万6,000軒、売春婦は26万人、売上規模は14兆ウォン(韓国女性政策研究院などによる「全国性売買実態調査」参照)に減少した。10年になると、性産業の売り上げは6兆8,600億ウォン(ソウル大女性研究所の調査)と、02年当時の30%ほどの規模にまで縮小している。  統計を見る限り、まさに絶大な効果を発揮している性売買特別法。だが、実態ははなはだ怪しい。というのも、まず性売買の舞台が国内から海外へと移ったという指摘があるからだ。例えば、09年の海外性売買に関連する検挙者数は128人だったが、13年は496人と4倍近くまで増加。検挙者が性売買を行っていた国としては、61%の日本が最多であり、フィリピン、アメリカ、オーストラリアなどが続いている。  そして、国内の風俗事情が“進化”を遂げていることも見逃せない。ルームサロン(ホステス付きの個室クラブ)などの売春行為の温床となっている“飲み屋”は、04年当時3万軒に過ぎなかったが、現在は4万5,000軒と1.5倍に増加。個室にカラオケやシャワーを完備した“ホテル型風俗店”の数も増えており、その摘発数は昨年11月からの3カ月間に975件に上り、前年同時期の441件を大幅に更新している。女性とキスを楽しめる“キス部屋”などの新型風俗店の摘発数も上昇。警察の資料によると、10年の2,068件から13年は4,706件に、今年も7月までに3,620件が摘発されている。  さらに問題なのは、そうした新型風俗店には、営業停止や閉鎖などの行政処分が下せないという点だ。食品衛生法や公衆衛生管理法などの違法事実が確認できれば刑事処罰も下るが、新型風俗店はそもそも登録や届け出をしていないケースが多く、行政処分を下す根拠がないという。そのため事業主の名前だけ変えて営業を再開するケースも珍しくなく、いつまでたっても根絶に向かわないのだ。    施行から10年を迎えた韓国の性売買特別法。「性売買は犯罪」という認識を広く韓国人に与えたという点では意義もあったが、同時に韓国の性産業をさらに多様化・巧妙化させるという反作用も生まれている。性産業大国の汚名を返上するための道のりは、まだまだ厳しそうだ。

朝日新聞の誤報・謝罪に韓国が反撃! 米中を巻き込み「慰安婦キャンペーン」を展開中

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韓国・国会議事堂(wikipediaより)
 朝日新聞の慰安婦をめぐる誤報の余波は、広がる一方だ。日本では、安倍首相がNHKの番組で「世界に向かって、しっかりと取り消していくことが求められている」と述べるなど、慰安婦問題を根底から見直すべきとの議論も少なくない。だが、その大誤報に敏感に反応したのは、ほかならぬ韓国だ。  韓国メディアは、「吉田(清治)証言は慰安婦動員の強制性を立証する唯一の証言ではない。河野談話も彼の発言を根拠としていない」などと反論しつつも、「日本の代表的な進歩新聞である朝日新聞が、誤報の波紋によって孤立すると、保守メディアと右翼勢力が“慰安婦強制動員はうそ”との主張を繰り返している」「“朝日新聞殺し”は日本国内の世論を急激に保守化している」などと論点のすり替えに奔走。ついには、「“日本の良心”を代弁する朝日新聞、大きな拍手を受けなければ」という社説を掲載する媒体もあったほどだった。朝日新聞の慰安婦をめぐる記事の取り消し、撤回が遅れたことに対する謝罪は、やはり韓国にも大きな衝撃を与えていたのだ。    韓国は現在、根底から揺らいでいる慰安婦問題の犯罪性をアピールしようと、徹底抗戦の構えを見せている。  例えば、市民団体「太平洋戦争犠牲者遺族会」は、“河野談話”の作成過程で日本政府が行った韓国の元慰安婦への聞き取り調査の映像を一部公開。同団体は、聞き取り調査時、映像を公開しないことで日本側と合意していたが、その合意を反故にした形だ。21年の時を経て初公開された映像を確認すると、日本側の5人と元慰安婦3人が向かい合って話している映像や、元慰安婦が証言の書かれた紙に捺印している場面などが映っており、実に生々しい。同団体は、今後の日本政府の態度次第では、映像を追加公開すると主張している。    ただ、本当に目を向けるべきは、韓国国内よりも海外での動きかもしれない。というのも、アメリカと中国では過剰なまでの“慰安婦キャンペーン”を繰り広げているからだ。  まず、ロサンゼルスを中心とした在米韓国人らは現在、“世界1億人署名運動”を展開中。従軍慰安婦問題の解決を通じて、被害者たちの名誉回復と女性の人権を回復させるということを目的に、「LAナビ(蝶)USA」という団体が主導している。その署名運動はネット上でも展開されており、専用ウェブサイトでは署名者数が156万人(9月17日12時現在)を突破している。  さらに、「韓米公共政策委員会(KAPAC)」は9月18~20日、ニューヨーク州のホフストラ大学で慰安婦問題に関するシンポジウムを開催すると発表。ある韓国メディアは、同大学の日本人教授・テラザワユキ氏に電話取材を行っており、同教授の発言として「慰安婦という表現は被害者が(日本兵に)同情したように聞こえて、正確な表現ではない。“性奴隷”または“強姦生存者”という表現を使うべき」と報じた。  アメリカに続けと言わんばかりに、中国にも動きが。9月27日~10月15日に行われる中国国際漫画祝祭では、去る1月にフランスのアングレーム国際漫画祭で話題となった“慰安婦漫画”が展示される予定だ。ちなみに中国では9月18日、慰安婦を題材にした映画『黎明之眼』が公開される。韓国メディアが大々的に報じたのは、同映画の記者会見でお披露目された“慰安婦像”についてだ。中国で初めて慰安婦像が作られた事例となり、韓国、アメリカに続いて、中国も慰安婦像設置国家となった。  韓国国内のみならず、米中を巻き込んで繰り広げられている“慰安婦キャンペーン”。朴槿恵大統領も、「われわれが望んでいるのは元慰安婦被害者への謝罪のほか、元慰安婦の名誉回復措置を取るための日本の政治指導者の勇気ある決断だ」と語気を強めるばかりで、進展の糸口は見えていない。いずれにせよ、朝日新聞の誤報によって、慰安婦問題がますます混沌としてきたことだけは間違いなさそうだ。

日本以上に無法地帯!? IT先進国・韓国でSNS“人違い”公開処刑が横行中

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 最近、他人を盗撮してTwitterなどのSNSにアップする行為が問題となっている。被害者は芸能人・有名人ばかりでなく、一般人にも及んでおり、つい先日も電車内の女性を盗撮して「とびきりのブス」などとツイートした男子高校生が話題となっていた。  IT先進国を自称する韓国でも、そういった罪のない一般人の“公開処刑”が問題となっている。例えば、ある男性が「これが現実の4G時代、会話なんてない」などという文章とともに、電車のイスに並んで腰掛けている5人を盗撮してSNSにアップ。盗撮された5人は、みな一様にスマートフォンをいじっているだけだ。ほかにも、喫茶店で自分撮りしている女性を盗撮し、「自撮りしているところを眺めている。私もあんなふうに見られているのか。もうちょっと密かに撮らないとね」とアップする女性も。また、ふくよかな女性の盗撮画像をアップして「目、鼻、口も太っている」「(太っているから)胸なのかなんなのかわからない」などと貶め合うヤカラもいる。  しかし、韓国のSNSは、日本以上に無法地帯となっているといえそうだ。というのも、SNSを利用して、私怨を晴らすケースもあるからだ。一例を挙げると、彼女にフラれたある男性は「お金も貸してあげて、浮気したことも一度我慢してくれたが、彼女は私を捨てて他の男に会った」と書き込み、彼女の写真をアップ。さらに「この文章を見た人たちは“いいね!”を押して、世の中に広がるようにしてくれ」と要求しているのだから驚きだ。晒された女性は数日後に「事実と違う」と弁明を書き込んだが、時すでに遅し。「ひどい女」というレッテルを貼られただけでなく、彼女の画像は今でも簡単に検索することができる。  勝手に写真を撮られて晒された人にとって、韓国はまさに地獄。というのも、韓国のネットユーザーたちにとって、個人情報を晒す“身元暴き”は日常茶飯事になっているからだ。韓国インターネット振興院(KISA)が3,000人を対象にしたアンケートによると、「身元暴きをしたことがある」と答えたネットユーザーは、なんと67%に当たる2,010人。“ネット自警団”などと呼ばれる一部の人たちが個人情報を暴くことの多い日本とは、晒されたときのリスクが桁違いなのだ。  個人情報を勝手に晒すということ自体が犯罪なのだが、さらに迷惑なのは、韓国では“特定”する相手を間違うケースが非常に多いということ。例えば、忠清道のある女学生の自殺をめぐっては、“彼女を自殺に追い込んだ担任教師”を特定したとして、まったく別の教師の写真や個人情報が流出。同じく“加害者学生の学生証”として、無関係の学生の連絡先やブログが晒されることもあった。そのブログには1,000以上の非難コメントが書き込まれ、母親は「あまりに驚いて、子どもが死にたいと言っている」と嘆いていた。昨年も、検察総長の隠し子とささやかれた児童の特定が始まり、ある児童の写真や個人情報が一気に拡散。しかし、後になってその出回った写真の児童は赤の他人であることが判明している。“特定”の間違いが2次被害、3次被害へとつながることは、容易に想像できるだろう。  盗撮画像のアップや個人の特定の無法さにおいては、まさに“先進国”といえそうな韓国。昨今の日本のネット関連の乱れを見ると、韓国と同じ道を歩んでいるようにも見えるが……。

「慰安婦問題を声高に訴える一方で……」韓国人男性の海外買春で急増する“コピノ”問題

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イメージ画像 photo by Chelsea Marie Hicks from flickr 
 訪韓したローマ法王が元慰安婦と対面するなど、慰安婦問題を国際社会に訴えることに余念がない韓国。だが、国内の性関連の厄介事からは目を背けているように見える。  というのも、韓国人男性とフィリピン女性の間に生まれた“コピノ”(コリアン+フィリピーノの造語)が急増しているからだ。その数、実に推定3万人。問題は、その多くのコピノを韓国人男性が見捨てているということ。フィリピン女性を妊娠・出産させても、養育費どころか連絡さえ絶ってしまう韓国人男性が多いという。最近、ソウル家庭裁判所では、とある韓国人男性がフィリピン女性に訴えられ、2人のコピノの養育費の支払いが義務付けられる判決が出ている。ただ、コピノ問題の取り扱いはあくまで限定的で、韓国国内で社会問題化しているとは言えない。あまりに恥ずかしい実態だけに、真相解明がしづらいのだろうか。  そもそもフィリピンを訪れる韓国人観光客は、ここ5年で約2倍に増加し、年間100万人を突破。海外旅行者の全体数も増えているのだが、特にフィリピンには50代以上の韓国人男性が多く訪れている。彼らがフィリピンを好む理由とは? ある韓国メディアは、内情を次のように明かす。 「50代中年男性が中心となっている東南アジアのゴルフ旅行は、すでに“海外遠征性売買ツアー”と変わりのない扱いを受けている。その中でもフィリピンは、韓国の中年男性に圧倒的な人気を誇っている。比較的近い距離と整備されたゴルフ場、カジノ産業の発達などが人気の理由だが、本当は一緒に遊べる“若い女性”が多いという点が大きい」  つまり、フィリピンを訪れる多くの韓国人男性の目的が“買春”にあるという指摘だ。その報道によると、フィリピンでは「30~50万ウォン(約3~5万円)ほど握らせれば、希望するレベルの女性を自由にできる」という。廉価でフィリピン女性を買い、一時の快楽を堪能して、あとは出産しようが知らん顔。そんな一部の自分勝手な韓国人男性が増えたことで、父親に捨てられたコピノが増加しているというわけだ。  韓国中年男性が海外買春へと走る背景には、2004年9月の“性売買特別法”の施行があると考えられる。韓国国内で性売買に関わることは重罪で、たとえば性売買の斡旋は3年以下の懲役、または3000万ウォン(約300万円)以下の罰金に処される。要するに、国内の取り締まりが厳しくなったことで、性売買を国外に求めるようになったというわけだ。日本では、韓国人売春婦の海外進出がクローズアップされることが多いが、女性に負けじと韓国人男性の中にも“海外派”が増えているのである。  同じく“ジャパニーズ・フィリピーノチルドレン”(俗称ジャピーノ)問題を抱えている日本では、国籍法改正などの対策が取られたが、現在までに韓国政府はコピノ問題に対してなんら手をつけていない。慰安婦問題を国際社会に訴えることに忙しく、足元を見ない現状が続くようだと、見捨てられるコピノは今後も増加しそうだ。 

女性の中に潜む少女性とおばはん的要素の妙味。『怪しい彼女』の“妖女”に男はみんな首ったけ!

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外見は20歳、中身は70歳のオ・ドゥリ(シム・ウンギョン)。オールディーズなファッションと情感たっぷりな歌唱力で男たちを魅了する。
 ひとりの女性の中には幾つもの人格が潜んでいる。少女のような純真な笑みを浮かべたと思いきや、次の瞬間には狙撃手のような冷たい横顔を見せる。あるときはコールガールのような思わせぶりな視線を送ったかと思えば、バーゲンセールに突撃するおばはんのようなしたたさを垣間見せる。まるでネコのようにクルクルと性格が変わる女性に振り回された経験を、多くの男性が持っているのではないだろうか。『サニー 永遠の仲間たち』(11)が日本でもロングランヒットしたシム・ウンギョン主演作『怪しい彼女』は、そんな女性ならではの特性を存分に楽しませてくれるエンターテイメント快作だ。『サニー』や『王になった男』(12)の大ヒットで韓国を代表する若手演技派女優となったシム・ウンギョンが、見た目は20歳の生娘だが、中身は70歳の毒舌ババアという怪しすぎるヒロインを実に楽しげに演じている。  『怪しい彼女』は藤子不二雄ワールドや楳図かずお先生の若き頃の傑作コミック『アゲイン』などを彷彿させるファンタジードラマだ。ヒロインは70歳になる鼻つまみ者のバーサンことオ・マルスン(ナ・ムニ)。ひとり息子を苦労して育てたが、その息子が大学教授となり、老人たちの溜まり場・シルバーカフェでいつもその自慢ばかりしている。自宅に帰れば、息子の嫁に小言の連射砲を浴びせまくり、病院送りにしてしまう。老害をまき散らし、周囲は大迷惑。ある日、家族が集まって自分を介護施設に入居させる相談しているのを耳にし、ショックを受けたマルスンは夜の街を徘徊する。行き場のないマルスンの目に留まったのは「青春写真館」という看板を掲げた小さな写真スタジオ。ショーウインドウに飾られたオードリー・ヘップバーンら往年のハリウッド女優たちのスチールにうっとりするマルスン。こんな私にだって輝いていた時分があったんだよ。そうだ、どうせもうしばらくしたら天国からお迎えが来ることだし、今のうちに葬式用の遺影を撮ってもらおうかね。あの嫁に任せたら、とんでもない写真を使われそうだしね。  「50歳、若くしてあげますよ」と写真館の主人は営業トークがうまい。気分よくマルスンがカメラに向かって笑顔を見せると異変が起きた。写真館を出たマルスンを街のチャラ男がナンパしてくる。「一体、70歳のバーさんを口説くなんて、この国はどうなったんだい?」と驚くマルスンは鏡に映った自分の姿を見て、さらにびっくり。なんと20歳の頃の姿(シム・ウンギョン)になっているではないか。再び手に入れた青春を思いっきり謳歌するマルスン。大好きだったオードリー・ヘップバーンにちなんで名前をオ・ドゥリと変え、第2の人生を歩み始める。シルバーカフェに行ってもオ・ドゥリがオ・マルスンだとは誰も分からない。懐かしのヒット曲をカラオケで歌うと、お客たちはやんやの大喝采を送る。20歳の女の子が人生の哀歓を込めて情感たっぷりにオールディーズソングを歌い上げるからだ。メタル系のバンドを組んでいる孫息子のジハ(ジニョン)が祖母だとは気づかずに「ボーカリストになってくれ」と声を掛けてきた。かわいい孫の頼みは断れない。かくして、メタル系バンドのボーカルを務めることになった、見た目20歳/実は中身70歳のおばあちゃん。テレビの音楽番組のオーディションを受けることになり、オ・ドゥリの快進撃が止まらない。
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女手ひとつで息子を育て上げたオ・マンス(ナ・ムニ)だが、気がついたらおばあちゃんになっていた。叶えられなかった夢が胸に去来する。
 オ・ドゥリの豪快な弾けっぷりには理由があった。若くして結婚したものの、愛する夫は出稼ぎ先で事故死。お腹に子どもを宿していた彼女はそれからは死にもの狂い働き続けた。子どもを食べさせることを優先させ、自分の靴や衣服を買う余裕はなかった。子どもの進学のために、世話になった人を裏切って後ろ指をさされる汚いまねもやった。子どもが一人前になり、ようやく首が回るようになったと思えば、もう自分はすっかりおばあちゃんになっていた。オ・ドゥリがステージで歌う曲には、人生の重みと青春のはかなさが込められている。  20歳に若返っても頭はおばさんパーマのままというシム・ウンギョンのコメディエンヌぶりが冴え渡る。かわいい顔して、口から出てくるのはおばはん言葉の大洪水。「噓ついたら、その口を引き裂くよ」なんてバイオレンスな台詞が平気で飛び出す。テレビ局の独身プロデューサー、ハン・スンウ(イ・ジヌク)と2人っきりでいいムードになったときは「好きな男性のタイプ? しっかり家族のために稼いでくれて、夜は強いほうがいいねぇ」とイヒヒと笑う。下ネタも全然OK! 見た目のかわいさと中身とのギャップに周囲の男たちは散々振り回される。でも、男たちはそんな彼女に振り回されるのが楽しくて仕方ない。  主人公が若返って人生をやり直すという物語は、『アゲイン』をはじめこれまでに幾多もあったが、『怪しい彼女』が特別な作品となっているのは、シム・ウンギョンという生身の女優が20歳のオ・ドゥリ、70歳のオ・マンスンという2つのキャラクターを見事に同居させながら演じていることに尽きるだろう。本作の大きな見せ場である歌唱シーンは、製作サイドは当初は吹替えを用意するつもりだったが、シム・ウンギョンが自分で歌うことを申し出た。歌唱トレーニングの効果もあるのだろうが、人生の酸いも甘みも嗅ぎ分けたベテランのシャンソン歌手のような堂々とした存在感で、青春まっさかりのアイドルみたいにキャピキャピッと歌い上げる。ひとつの曲を歌い上げる中で、メロディと歌詞の間を様々な時間が流れ、そして交差していく。ステージシーンは、まるでシム・ウンギョンが自分の人生をタイムトラベルしている様子を見ているかのようでもある。
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障害児の性的虐待を描いた実録衝撃作『トガニ 幼き瞳の告発』(11)のファン・ドンヒョク監督が一転してコメディに挑戦。監督の二面性もすごい!
 『怪しい彼女』を観て思うのは、女性という生物の摩訶不思議さだ。そして女優とは、女性ならではの特性を最大限に発揮してみせる職種なのだろう。ひとつの個体の中に眩しい生命力とその裏には見る見るうちに変貌していく退廃美が隠されている。女の子の中にはキラキラとした輝きと同時に、自分の人生をすでに全部見通してしまったかのようなクールさと大胆さも備わっている。多分、オ・ドゥリはスクリーンの中だけの存在ではない。あなたの目の前にいる女性の中にも、きっと彼女は潜んでいるはずだ。そう、すべての女性はみんな『怪しい彼女』なのだ。 (文=長野辰次) ayakano04.jpg 『怪しい彼女』 監督/ファン・ドンヒョク 出演/シム・ウンギョン、ナ・ムニ、パク・イナン、ソン・ドンイル、イ・ジヌク、ジニョン(BIA4) 配給/CJ Entertainment Japan 7月11日(金)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国順次ロードショー  (c)2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved http://ayakano-movie.com

IT恐竜の上陸、中国ドラマの韓流化……韓国で“嫌中”が広がるワケ

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『最後の晩餐』(TCエンタテイメント)
 3日、中国の習近平国家主席が訪韓したが、これにより中国と韓国の関係は、ますます蜜月となったように映る。“反日国家”と呼ばれて久しい両国がさらに連携を深めたことで、うんざりした気持ちになっている人も多いのではないだろうか。  だが、中韓の良好関係は、どうやらパク・クネ大統領をはじめとする政治家だけに限った話のようだ。というのも、ごく普通の韓国人は年々、中国人嫌いになっているとのデータがあるからだ。韓国のテレビ局SBSによると、ここ10年で「韓国人が嫌いな国」に変化が見られるという。嫌いな国1位は相変わらず日本(44.1%)なのだが、ここ10年で2位はアメリカから中国に変わった。しかも、韓国人の中国嫌いは加速度的で、10年前と比較すると4.6%から19.1%に跳ね上がっている。嫌いな国3位の北朝鮮(11.7%)、4位のアメリカ(4.8%)を大きく突き放しているのだ。それほど韓国国内で“嫌中”が広がっているのである。  韓国人が中国人を嫌うワケは、さまざまに考えられる。例えば、経済的な面だ。韓国メディアが「中国IT恐竜たちが韓国に上陸」と危機感を訴えたように、韓国のIT業界やゲーム業界に次々と中国企業が参入している。世界のスマホ市場においても中国企業がシェアを伸ばしており、サムスンやLGを追撃。成長が止まった韓国のメーカーは、中国企業に追い詰められている状況だ。今回の中韓首脳会談では経済協力の合意がなされたが、各企業レベルで見ると予断を許さない状況に変わりはない。  また、エンタメ面からも「中国ドラマが“韓国ドラマ化”してきている」との声が。韓国ドラマといえば、財閥2世、出生の秘密、三角関係、記憶喪失など、どの作品にもほぼ必ず登場するキーワードがあるのだが、その十八番が最近の中国ドラマにも多く取り入れられているという。さらに、「韓国人のように化粧法・スタイルまで変えている」といった指摘も。いわゆる韓流が中国人に“パクられてる”と感じているのかもしれない。ほかにも、ベトナムの反中デモで韓国企業約50社が中国企業に間違えられて攻撃を受けたことなど、中国を嫌いになるきっかけは一つや二つではないのだろう。  それでも一番の原因は、やはり中国人観光客の増加にあると考えられる。韓国を訪れる中国人は、いまや年間400万人以上。ここ数年で、爆発的に増えているのだ。ソウル在住のある韓国人は、「少し前までは街中を歩いていると日本語が聞こえてきたが、今は中国語ばかりがやかましく聞こえてくる。彼らはどこに行ってもいる」とこぼしていた。当然、多くの中国人が入国しているため、彼らが起こす事件や問題も増えている。  要するに、すっかり中国との距離が縮まったことで、相手の本当の姿が見えてきたということだろう。その結果、中国を嫌う韓国人が増えていき、現在の嫌中ムードにつながっているというわけだ。それにしても、この“距離が近づいたことで相手国を嫌いになる”という流れ、どこかで見たような気がするが……。

「クビにしたけど、やっぱり辞めないで!」パク政権のドタバタ人事で“反日キャンペーン”が過激化する!?

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「Newsweek 日本版」2014年6/3号(阪急コミュニケーションズ)
 パク・クネ大統領の“見る目”のなさに、韓国国民が失望している。  4月末に、セウォル号沈没事故の責任を取ってチョン・ホンウォン首相が辞任を表明したのだが、その後釜となる首相候補者が2人も続けて辞退した。チョン首相の辞任表明から60日後、回り回って、再びチョン首相が就任するというドタバタ劇が繰り広げられたのだ。国民はあきれ返っており、パク大統領の支持率は、6月4週に否定評価が50.0%を記録(肯定評価は43.4%)。就任後、初めて不支持が上回ることとなった。  今回のドタバタ劇は、まず首相候補として指名された検察OBで元最高裁判事のアン・デヒ氏から始まった。候補に指名された直後は「不正腐敗を清算して、国家と社会の基本を正します」と意気込んでいたが、退官後に大企業の顧問弁護士として、高額報酬を得ていたことが明らかに。「私が弁護士活動をした約1年間で、財産が11億ウォン(約1億円)増えたと思う」などと語り、指名からわずか6日後に辞退した。  その後に、パク大統領から指名を受けたムン・チャングク氏は、さらに問題が大きい。大手紙「中央日報」の主筆を務めたこともある同氏は、以前「日本の植民地支配は“神の意思”」と発言していたことが発覚し、韓国国民から“親日派”と総スカンを食うこととなった。そして、指名から14日後に「今の時点では私が辞退することがパク大統領のためになると判断した」と話し、あっさりと辞退してしまった。もはや候補者がいなかったのか、パク大統領の「懇切な訴えがあって」、再びチョン首相が就任することが決まっている。  あまりにお粗末なパク大統領の人事なのだが、なぜか本人は謝罪していない。それどころか6月30日には、「高い検証基準を通過できる人を探すことが、現実的に非常に難しかった」と話し、首相候補が次々と脱落することになったのは、まるで世論のせいと言わんばかりだ。さらに、「国政の空白と国論分裂が深刻化していることを、これ以上放置することができず、先週、チョン・ホンウォン首相の留任を決定した」と明かし、セウォル号事故の責任については一言も言及せず。その厚顔ぶりが国民の支持を受けるわけがなく、否定評価が50%台に跳ね上がったのは、当然の結果だろう。  パク大統領の支持率に関して、特に注目したいのは、20代大学生からの支持だ。青年政策研究センターが大学生1,695人にアンケートした結果によると、「最も好きな政治家」でパク大統領を選んだのは、わずか1.4%。ソウル市長のパク・ウォンスン(15.6%)、12年の大統領選でパク大統領に敗れたムン・ジェイン(8.6%)よりも圧倒的に低いのだ。  辞意を表明した首相を留任させるという異例事態となった韓国。無能ぶりをアピールするだけになってしまったパク政権は、果たして汚名返上できるのだろうか? これまでのパク大統領の行動パターンを踏まえると、国民の不満をそらすための“反日キャンペーン”がさらに過激になる恐れも否定できない。