「恋愛禁止ルール緩和へ?」"おニャン子の夫"秋元康がGoogle+でAKB48恋愛タブーに切り込む


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 プリクラ流出などで過去の恋愛が発覚したAKB48メンバーは少なくない。そのため、彼女たちに対するファンからの恋愛ネタの言及はタブーとなっている。そんな中、過去にスキャンダルのあったメンバーにプロデューサー秋元康が自ら切り込み、話題を呼んでいる。  AKB48メンバーの多くはSNSサイト「Google+」のアカウントを所有し、日々、ファンに公開する形でコメントのやり取りをしている。メンバーのみならず秋元康もほぼ毎日のように顔を出し、メンバーとの掛け合いをなごやかに繰り広げている。1月15日、このサイトで秋元氏が、彼氏とのプリクラが流出した経験のあるメンバー・松井咲子に向けて「今まで、どんな恋愛をして来たんですか?」と無茶振りを仕掛けたのだ。  このコメントによって、ファンの間には一気に緊張が走り、松井がどのような返信をするのかに注目が集まった。秋元氏のコメントから30分後、松井は「完全に黒歴史です、本当にありがとうございました」とのコメントと共に、件のプリクラを連想させるイラストを投下した。  松井の対応にネット上のファンは「この潔さはすがすがしい」「ネタにできるぐらい強くなったんだね、感慨深い」、秋元氏も「さすが、見事な返し」と絶賛。しかし秋元氏はその後、松井の恋愛スキャンダルを知らなかったとした上で「デリカシーに欠けた質問」だったと釈明した。 「秋元氏がスキャンダルを知らずに発言したというのは考えにくいです。Google+上でネタとして消化してしまうことで、過去の恋愛については処分しないということを、ファンに対して暗に示したかったのではないでしょうか。恋愛禁止のルールを緩くするための布石ではないかという見方もあります」(芸能雑誌関係者)  "黒歴史"と自らの恋愛を称したメンバーに対して「歴史に白黒つけるのは、100年後」との名言でこの騒動を収めた秋元康。彼はその後AKB48ファンから、ある意味で黒歴史である、妻の高井麻巳子との馴れ初めを質問された。自身がプロデュースしていたおニャン子クラブのメンバーと結婚し、当時大きな話題を呼んだこの件について、彼は「奥さんは元気ですよ。普通の主婦をやっています」と言及するに留まった。前述の名言は、過去に起こした自らの恋愛スキャンダルに対して言い聞かせていたのかもしれない。 (文=佐々木智花)
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「サウンドより商才?」低迷Jポップ界を救う"ポスト秋元康"は誰だ

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"金満体質"なんて陰口たたかれちゃう
こともある秋元先生ですが......。
 AKB48の大ブレークであらためて注目を集めているのが、総合プロデューサー秋元康の存在だ。秋元康といえば、作詞家として30年近い経歴を持ち、ヒット曲も多数世に送ってきた大御所。しかし、1990年代から2000年代半ばまでは、音楽業界で「ひと昔前の大物」とも言われていたという。 「Jポップという言葉が定着した90年代半ばくらいから、バンドや歌手が自分たちで歌詞や曲を作るスタイルが主流となり、秋元さんのような職業作詞家の出番はどんどん減っていきました。また、小室哲哉やつんく♂のような歌詞と曲を両方作れるタイプの音楽プロデューサーが台頭してきたことも、秋元さんのような作詞家の仕事を奪っていました。実際、当時の秋元さんの仕事は今ほど人気のなかったアニソンや、売れなくなった歌謡歌手への作詞提供がほとんどでしたね」(音楽関係者)  現在では、Jポップ系のバンドや歌手のCD売り上げが伸び悩む一方、CDやコンサートチケットを売るための仕掛けを満載した秋元ワークは絶好調。音楽ビジネスのキーマンであるプロデューサーの世界でも、秋元康は一人勝ちの様相であるが、彼のライバルとなる人物はいないのか。 「Perfumeを手掛けている中田ヤスタカ、EXILEに曲を提供しているJin Nakamuraなど、売れっ子のサウンドプロデューサーはいます。しかし彼らはあくまでサウンド職人で、ユニットの方向性やコンセプトについてアイデアを出すタイプじゃない。今は映像との連動はもちろん、イベントや物販でいかに利益を上げるかが大切な時代ですから、サウンドプロデューサーだけでは音楽界のキーマンとなり得ないのです」(前出の関係者)  そんな中で再び脚光を浴びているのが、現在執行猶予中の身でもある小室哲哉。彼は作詞・作曲からコンセプト立案まですべてをこなす万能型で、音楽配信など流通の変化についても関心が深い。 「エイベックスが小室哲哉の再ブレークに向けて本腰を入れ始めましたね。豪華ゲストを集めてソロアルバムを作らせる一方、AKB48の新ユニットDiVAへの曲提供と、大きな仕事が増えてきました。彼の強みはあらゆるタイプの歌手、パフォーマーに対応できること。いずれは東方神起などのKポップアーティストのプロデューサーへの就任も検討されているといいます」(前出の関係者)  ポスト秋元康は小室哲哉――。二人とも50代の大ベテランという点が、人材難のJポップ界を表しているのかもしれない。 (文=外場林太郎)
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『もしドラ』とAKB48の相関関係 岩崎夏海が明かすAKB48大ブレイクの真相(後編)

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岩崎氏も大島優子の逆転Vにはビックリ!?
前編はこちら ――AKB48の人気の重大なファクターの一つが握手会。やはり、ブレイクしてもなお、"会いに行けるアイドル"であることにこだわって、幕張メッセや東京ビッグサイトの会場を借りてまでも行うのは驚異です。 岩崎 握手会がこれほど受けるとは実は思っていなかったんですよ。開催しているうちにファンの受けがいいというのが分かって、握手会の役割が強まっていったんですね。そもそも、秋元さんは"握手会"なんて言葉も知らなかったと思いますね。握手のためにCDを100枚買うなんてスタッフもレコード会社も想像だにしたことがなかったと思いますよ。1人で2枚買うことすらも考えてなかったかのではないですかね。 ――活動初期の花やしきイベント、「軽蔑していた愛情」発売当時の水泳大会のほか、最近のチームシャッフル、移籍先が決まってなかった正規メンバー全員の所属事務所発表など、さまざまな仕掛けや"サプライズ"もAKB48の話題性の一つだと思います。 岩崎 既成概念を作らないのを心がけていましたよね。"AKB48らしさ"ができた瞬間に終わる、と。それは、ほかの歌手の方とお付き合いしていく中で、秋元さんの歌詞に「これは私が歌うべき歌詞じゃないわ」とおっしゃる方もいる。それでも秋元さんは手直しするんですが、そういう言い方をする歌手はつぶれていきますね。AKB48は変化していくこと、らしさを作らないことが大事。「あれは止めておいたほうがいい」と周りが言うことがよくあるんですが、それで失敗があっても、失敗を恐れてはすぐ飽きられる。終わるのは早いですからね。常に細心の注意を払って、裏切りを続けていかなきゃいけないという脅迫観念にも似た思いがあると思います。意外なことですが、おニャン子クラブは2年半しか活動していない。AKB48はすでにその倍やってますからね。長く続けることにこだわっている。 ――では、そのサプライズの中でも、特に「選抜総選挙」はエポックメイキングで、世間を圧倒しました。初めてこの企画を聞かれた時はどう思われました? 岩崎 まさに、秋元さんらしいなと思いましたね。ファンの間でメンバーをランク付けする"AKB48ソート"があるのを秋元さんはご存知なんですよ。アンケートサイトにメンバー人気ランキングのような投票があるのも知っていると思います。そんな中、選抜が固定していることに批判が多く、「なんで前田敦子がセンターなんだ?」という声があるのも把握していて、秋元さんもファンに委ねた場合の順位を見てみたかったのでは。そのため、昨年の選挙で、運営が選んだ選抜と大差なくて秋元さんが一番ほっとしたんじゃないでしょうかね。 ――今年の「選抜総選挙」はまさかの大島優子1位という波乱の展開となりました。感想を教えていただけますか? 岩崎 優子の1位は2位からの躍進ですから、一般的に言えば「まさか」というほどではないかと思いますが、それでもやっぱり「まさか」という思いはありますね。というのも優子はどちらかというとマイナー志向というか、野球で言えば"月見草"と言われた野村克也さんみたいな魅力を持っている存在。僕にとってもそれが魅力なのですが、"ひまわり"と言われた長嶋茂雄さん的な魅力を持っている前田には、人気では敵わないだろうと思っていたからです。だから、僕は今でもなぜ優子が人気があるのか、1位になったのか、本当のところは分からないくらいなんです。それでも、優子が「アイドルの仕事というのは人気を得ることもそのうちの一つ」と考え、昨年の2位のという順位を受け、1位を目標にあらゆる努力を惜しまなかったことは想像に難くありません。今回の結果は、その努力のたまものと考えると、彼女の生き方には心から頭の下がる思いです。また、AKB48全体にとって今回の選挙は、「不動の1位に変動があった」という意味でとても歓迎すべき事態だと思います。変化していくこと、成長していくことが、AKB48のみならずあらゆるものにとって大きな魅力の一要素でありますから、今回の順位変動は、さらに多くのファンの関心・興味を引きつけることになるのではないでしょうか。 ――前田と優子はライバル同士でありながら同じ太田プロ所属で、仲も良く、信頼関係があります。その点はどう見ていらっしゃいますか? 岩崎 前田と優子は何から何まで全く違うので、"ライバル"というのはピンと来ません。でも、2人とも女優志望だし、1位2位を2年連続で争うところだけ共通しているのが面白いですね。その意味では、強烈な刺激を与え合っている存在だとも思います。違うけど競い合う部分があるというのは、同じ事務所の同僚としては、理想的な関係ではないでしょうか。2人が同じ事務所というのは、もちろん秋元さんはそれを考慮してそうしたのだと思いますけど、とても運が良かったことだと思います。 ――さて、今後のAKB48はどのようになっていくと推察されますか? 岩崎 中興の祖というか、現状を大きく変化させる新メンバーが出てくると、もっと変わっていくと思いますね。現時点では、女優の堀北真希さんのような映画、連続ドラマで主演を張れるような存在が出てきていない。今なら前田でそれができるかもしれないけど、それよりも新メンバーでそのぐらいの人気・実力のある子が出てきてほしい。今のAKB48の状況は、上がつかえていますからね。その序列を秋元さんは本当に崩したくてしょうがないと思いますよ。 ――『マジすか学園』(テレビ東京系)の「世代交代は近いぜ!」ですね。やっぱり、渡辺麻友か松井珠理奈あたりが次世代のセンターになるんでしょうか? あるいは、最近では、9期研究生が前座ガールズや、「プレイボーイ」「ヤングジャンプ」(集英社)の表紙に起用されています。 岩崎 渡辺は一番特別な存在かな。秋元さんは、珠理奈を前田を追い抜かすぐらいの存在にしたかったけど、現時点では、まだファンがそこまでのいい反応していないようですね。前田もいきなりトップに立たされて、苦労もしていたと思います。でも、チャンスがあれば、秋元さんは本当に序列が崩れることを期待していますよ。 ――最後に改めて、ここまで人々を魅了し、そして、魅きつけて離さないAKB48とは一体なんなんでしょうか? 岩崎 AKB48は、言うなれば、子どもたちのリアリティー。AKBには、本当に人間的にいい子が多い。これほどよくできた子たちが同時多発的に集まるって信じられないぐらい。学級委員になるような子が、AKB48には10人ぐらいいる。そこが現代の時代を反映してるように思います。今の子どもたちは家庭や社会のさまざまな状況の中で、"いい子"であらざるを得ない。特に高橋を見ている中で、今の時代が何かということを学ばせてもらいました。現代の世相を反映した、世相を映す鏡とも言えますね。 ――メンバーたちは、歌手、女優、モデル、タレントなど異なる夢を持っていて、将来なりたい方向性は異なるけれど、共に歌い、踊る中で絆を深め、切磋琢磨される姿に魅かれるファンも多いと思います。 岩崎 それは初めから意図していたわけではなく、結果的にそういう子たちが集まってきて、特に優子は、「AKBに入ったら刺激的なメンバーがたくさんいて、抜けられないなと思った。ここでがんばろうと思った」と話していました。切磋琢磨しようと思って入ってきたわけじゃないけど、結果的にそうなる状況になって、それに揺るがない子たちが残ってますね。高橋は人間的にできている反面、負けず嫌いで、コンペティティブ(競争心が強い)。前回の総選挙のベスト10の選抜メンバーで負けず嫌いじゃない子は一人もいないですよ。絶対自分が一番だと思ってるけど、だからといって他人を蹴落とそうとは思っていない。蹴落とそうとしたら、自分も足引っ張られますからね。 ――そんなメンバーたちが『もしドラ』の"マネジメント"の発想に触れれば、さらに成長できると思います。『もしドラ』は、AKB48へのメッセージでもあるのでしょうか? 岩崎 峯岸を始めとして、何人かは本を読んでくれているみたいですね。スタッフとして近くにいた僕が作家として世に出られたのは、彼女たちのおかげでもある。僕自身が高橋、優子、秋元才加らを見ていて、「負けられない」と思って奮起して書いた部分もあります。僕もAKB48のライバルでありたい。このままだと抜かされそうで、偉そうなことが言えなくなるぐらいの危機感すら抱いていますね。 (取材・文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>) ●岩崎夏海(いわさき・なつみ) 1968年7月生まれ。東京藝術大学美術学部建築科卒。大学卒業後、作詞家・秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)などテレビ番組に制作に参加。AKB48のプロデュースにも携わり、ゲームやウェブコンテンツの開発会社を経て、2009年4月、株式会社吉田正樹事務所に入社。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』出版を機に、現在は所属作家として活動中。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら AKBとドラッカーがつながるとは......。 amazon_associate_logo.jpg
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『もしドラ』とAKB48の相関関係 岩崎夏海が明かすAKB48大ブレイクの真相(前編)

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師匠はあの秋元康氏!
 高校野球の物語に"経営の神様"ピーター・ドラッカーの"マネジメント"の概念を巧みに織り込んだ大胆な発想で、60万部を超えるベストセラーとなった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)の著者・岩崎夏海氏。作詞家・プロデューサーの秋元康氏の事務所にかつて所属し、放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系)などにも参加した彼だが、アイドルグループ・AKB48に立ち上げ当初から2007年までプロデュースに携わっていたことを知る人は少ないだろう。そこで今回、3作連続でシングルチャート1位を記録し、"時代の寵児"となったAKB48の大ブレイクの真相を岩崎氏に直撃。秋元氏のそばにいたからこそ語れるヒットまでの道程、AKBメンバーたちの知られざる素顔、さらに話題をさらった選抜総選挙の印象、『もしドラ』とAKB48の関連性も語っていただいた。その模様を前後編に分けてお届けする。 ――岩崎さんはAKB48に関わられていた当時は、AP(アシスタントプロデューサー)としてクレジットされていましたが、具体的にどのようなことをされていたのでしょうか? 岩崎夏海(以下、岩崎) 秋元さんの補佐役ですね。秋元さんは、総合プロデューサーなので、その仕事は多岐にわたっていて、作詞はもちろんのこと、公演の楽曲の選定、衣装のアドバイス、振付師に踊りのイメージを伝える、レコード会社とのプロモーションの打ち合わせ、事務所との折衝、コンサート、テレビの打ち合わせなど、すべて一度は秋元さんが目を通します。その全般で、秋元さんの側近として現場にはすべていましたね。特に僕は、ネットに強かったので、ファンの公演の感想やリアクションを、ブログや2ちゃんねるにどんなことを書いているかをリサーチして伝えていました。その後、07年の年末に秋元康事務所を辞めることになったのですが、その12月31日、AKB48初の『紅白歌合戦』(NHK総合)出演を果たしました。最後に『紅白』によって、AKB48が一つ先のステップに進んだ瞬間を目撃できたのは非常に印象的でしたね。 ――秋元先生の事務所には17年在籍されたそうですが、改めてその間に見た秋元先生の人物像とは? 岩崎 秋元さんは顧客指向が強い方ですね。作詞家、プロデューサーとしての力量は、世間では評価されていますが、僕からすればまだまだ評価が低いぐらい。アイドルを女の子中心に見るのは当然ですが、アイドルを輝かせるために、歌詞がどれだけの役割を果たすのか考えると、秋元さんの力が大きいはずです。 ――秋元先生は現在、AKB48の3チーム、さらにSKE48、SDN48があり、各公演が16曲で合計80曲、さらにノースリーブス、渡り廊下走り隊など別働ユニットもあり、年間100曲程度AKB48関連の作詞をしていますね。そこまでの原動力は何だと推察されますか? 岩崎 秋元さんは、例えるなら競走馬。競争心がものすごく強いと思います。実は、長年ヒットアイドルを作れなかったことに忸怩たる思いがあり、いつかそれをやり遂げるようとされていたのでは。80年代のおニャン子クラブ以降、推定少女(秋元氏が作詞を担当)、チェキッ娘(秋元康事務所として番組制作に参加)があっても、おニャン子に匹敵するものが作れなかった。だから、直接聞いたことはありませんが、モーニング娘。がヒットしていた状況に悔しい思いはあったと思いますよ。 ――では、今回の本題であるAKB48がここまで大ブレイクを成し遂げた理由は一体何なんでしょうか? 岩崎 理由は、いくつかあると思いますが、窪田さん(AKB48運営会社・AKSの窪田康志社長)というパートナーの存在が大きいと思います。AKB48は、秋元さんが資金を出すわけではないので、やはりパートナーが必要。パートナー次第で秋元さんのクリエイティブを生かすも殺すもできるんです。そのためこれまでに、パートナー次第で失敗したプロジェクトも多々あります。でも、窪田さんは基本的に制作にはノータッチで、秋元さんに全幅の信頼を置いて、お任せになっている。なかなかそう割り切ってできる人はいないですよね。お金を出す人は自分の意見を反映させたがるし、秋元さんもスポンサーには強く出れないので、その方のご意見をお聞きしてモノ作りをする。そうすると、混じりっけのあるものができてしまう。 ――やはり、スポンサーになると口を出したくなりますよね。 岩崎 秋元さんはクリエーターとしては超一流で歴史に残る方だと思いますが、失礼ながらプロデューサーとして秋元さんは一流ではあるけど、超一流ではないと思います。自分で資金を調達する部分は苦手なところがあると思います。それを一緒にやってくれるパートナーが参加したのが非常に大きい。 ――そのほか、やはりAKB48は常時1,000曲あるとされているストックの中から選んでいるという楽曲の良さもほかのアイドル、アーティストと一線を画す点では? 岩崎 そう。楽曲のすばらしさ。やはり歌詞がいいので、メンバーたちは歌詞の意味を感じ取って、その歌詞に影響されて、テンションが上がったり、感性が研ぎ澄まされていったと思います。特に「夕陽を見ているか?」(名曲の呼び声高い07年10月発売の6thシングル)は、『もしドラ』のモチーフにもしたメンバーの峯岸みなみの当時の心境とシンクロしていて、峯岸は「歌うたびに涙が出た」と言ってましたね。涙を流しながらAKB48劇場の公演で歌うというのは、観ているファンに対しても何らかのインプレッションを与えたでしょうし、そんな感情の連鎖がメンバーの感性をさらに研ぎ澄ませて、成長させたと思います。チームB3rdの「初日」もすばらしい楽曲。当時、菊地あやかが「先輩たちには負けたくない」と話していて、普段そんなこと言う子じゃないので、どうしたのかと思っていたら、初日の歌詞にその内容があり、やはり秋元さんの歌詞はメンバーに多大な影響与えるようです。それから、チームKの3rd公演『脳内パラダイス』がチームKに与えていた影響は計り知れないですね。 ――K3rdは、楽器ができるメンバーが多いことから生まれたバンド形式の「友よ」で始まり、ユニットでも「泣きながら微笑んで」「MARIA」「君はペガサス」など各メンバーの個性を多大に反映した楽曲が次々に生まれましたね。 岩崎 あの公演から特に、Kは体育会系の特別なチームワークを持ち、Kのスタンスが確立されたことで、チームA独自のカラーが生まれて、チ-ムBは"末っ子だけど元気"という路線も生まれたと思います。『脳内パラダイス』がAKBに与えた影響は大きかったですね。各チームの公演によって印象は違いますが、それもAKBの一つのドラマを作っています。秋元さんはいろんな可能性を試されるので、間口を広げるための狙いの一つですね。 ――メンバーそれぞれの個性もAKB48の大きな魅力だと思います。 岩崎 僕が一番尊敬するメンバーは高橋みなみですね。高橋がいなかったら、AKB48ってどうなっていたんだろう? と考えるんですよ。高橋の役割を担うメンバーはいたのかもしれないけど、高橋ぐらいの高いレベルでリーダーシップを発揮できたかはわからない。AKBの濃いファンならわかると思いますけど、彼女の存在がAKBというアイドルに与えた意味は大きい。僕自身が芸能界を見ていて、「この人には敵わない。イメージの遥か上を行く」と思ったのは、とんねるずの石橋貴明さんと高橋だけしかいない。それほどスゴイ存在。ひまわり2nd公演で、当時研究生として加入したばかりだった宮崎美穂が高橋のアンダーで、最初宮崎は踊れなくて、高橋がミラーになって(自分の踊りを左右反転させて)、振り付けを教えていたんです。あの姿は壮絶でしたね。そこまで熱心に後輩の練習に付き合うのは高橋ぐらい。それは「今、AKBの公演を成立させるためには、宮崎をちゃんと踊らせるしかない」「ファンにAKB48として恥ずかしいものを見せるわけにはいかない」という高橋の強固な使命感が集約された行動だったと思います。 ――高橋の存在は『もしドラ』にも、影響を及ぼしたそうですね。 岩崎 これはインタビューでも初めてお話するんですが、前田敦子が握手会で嫌なことがあって、一人で、控え室で泣いているときがあったんですよ。そこに、遅れて高橋が入ってきて、泣いている前田を見つけると、隣に座って、何をするでもなく、何か聞くわけでもなく、前田の髪をただなでていた。女の子は泣いている女の子を見ると、こうやって慰めるんだと強いインプレッションになりました。それを今回、『もしドラ』で、夕紀が文乃を慰めるシーンで使いました。まさに前田と高橋を見なければ、書けなかったシーンですね。その文乃は実は、渡辺麻友がモデル。渡辺は今でこそ堂々としていますが、AKB48加入当初は、子鹿のようにビクビクしていて、誰かに何か言われると「え? あ? ハイ」みたいな調子。それが印象的で。実は渡辺は誰よりも負けず嫌いだと思うんですが、それなのにそんなオドオドした面も持っているのが面白いなと思っていました。 ――これは、渡辺のファンには衝撃だと思います。今ではアニヲタキャラ全開で、総選挙でも向上心むき出しのコメントが印象的でしたが、「僕の太陽」「夕陽を見ているか?」では、チームBから彼女だけが選抜に選ばれて、確かに子鹿のようになっていましたね。ほかにも、メンバーがモデルになっていたりするんでしょうか? 岩崎 夕紀は大島優子がモデル。優子は、ダンスの面でも病気になるようなギリギリのところまで自分を追い込むんですよね。力の加減を一番知らない。その部分がファンに魅力として映ってると思うけど、本人はそんなことは意識してはいない。彼女も競走馬みたいなものですね。やるからには一生懸命やらざるを得ないという特性を持っている。秋元才加も高橋も努力家で知られていますが、リミットを越えてまでは、がんばりはしない。優子だけが限界を軽々と超えて、あとでバッタリ倒れる。彼女のそこまで命を完全燃焼させるかのような生き方にも感銘を受けましたね。火の玉が飛んでいくような優子の生き方そのもの。主人公・みなみは峯岸みなみの弱いところに共感を抱いて描いていて、その3人だけはメンバーから『もしドラ』のモチーフにしました。  * * *  『もしドラ』とAKB48の意外な関係性も次々につまびらかになっていった岩崎氏のインタビュー。さらに、後半では、AKB48名物のサプライズの真相、"政権交代"が実現した総選挙から見る今後の展開、そして、岩崎氏だから知るメンバーたちの真の魅力にも迫っていく。AKB48ファン必読の後半をお楽しみに。 (後編に続く/取材・文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>) ●岩崎夏海(いわさき・なつみ) 1968年7月生まれ。東京藝術大学美術学部建築科卒。大学卒業後、作詞家・秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)などテレビ番組に制作に参加。AKB48のプロデュースにも携わり、ゲームやウェブコンテンツの開発会社を経て、2009年4月、株式会社吉田正樹事務所に入社。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』出版を機に、現在は所属作家として活動中。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら すげぇよ、AKBって。 amazon_associate_logo.jpg
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