「お前ら許さんぞ!」“性の喜びおじさん”、YouTuberと若者にモノ申す!!

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「性の喜びを知りやがって、許さんぞ!」 「自分たちばっかし、俺にもさせろよ!」 ……などと電車の中で叫びまくる動画がネットにアップされ、一躍人気者(?)となった「性の喜びおじさん」。
YouTube「JAPAN NEWS」より
 確かに、見ていると目が離せなくなってしまう衝(笑)撃的な内容なのだが、わざと撮影させてネットで話題になろうとしたのか? 本当にヤバイ人を盗撮したものなのか? いろいろと謎が多い動画でもあるのだ。  そんな性の喜びおじさんが、サイゾー編集部のある渋谷にやたら出没しているというウワサを聞きつけたので、編集部・K女史に「性の喜びおじさんを見かけたら、取材オファーしておいて!」と頼んだら、本当にオファー成功!  サイゾー編集部にやってきた性の喜びおじさんは、いきなりメチャクチャ酒臭い状態……。  不安いっぱい、気になることいっぱいのまま、突撃取材スタート!
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■TSUTAYAの前で「I want to make love」って声をかけている

――まず聞きたいんですけど、例のネットに上がっている動画って、誰かに撮ってもらったものなんですか? それとも盗撮? おじさん 盗撮だよ、許さんぞ! 撮られていることも知らなかったし、動画自体、この間のテレビ(BSスカパー!『BAZOOKA!!!』)に出たときに初めて見せてもらったもん。あれヤバイな、ガッハッハ! ――ヤバイですよ(笑)。わざとやっていたんじゃないとしたら、電車の中で、なぜあんなことを? おじさん 酒を飲んで独り言をブツブツ言ってるのを、撮られちゃったんだろうな。全然記憶にないけどさぁ~。23年間決まった恋人がいないと、いろいろと鬱憤がたまって、ああいう言葉が出きちゃうわけだよ。 ――独り言にしては、声がデカすぎますけどね。外が明るかったですけど、飲んだ帰りの朝とか? おじさん さすがに朝まで飲まないよ、ヤバイいじゃん。俺は昼間しか飲まないんだから! ――昼間のほうがヤバイですよ! あの動画が話題になって、外ですごく声をかけられるようになったんじゃないですか? おじさん でも、声かけられるだけだもん、写真撮っておしまい。要するに、珍獣見てるようなもんでしょ? 迷惑とまでいかないけど、面倒くさいだけだよね。 ――「センター街でよく見かける」って目撃情報があったから、わざわざ声をかけられようと繁華街に行ってるのかと思ってたんですけど。 おじさん それ以前から、渋谷にはしょっちゅう来てるよ。学生時代に渋谷で遊んでたから、安心できるんだよね。それに今、仕事もしてないからヒマじゃん? ――渋谷で何してるんですか? おじさん TSUTAYAの前に立って、声かけてる。「I want to make love」とか「I want to feel extasy」「long long ago no make love」(いずれも、おじさんなりの英語)とかね。 ――……なぜ英語で? おじさん 日本語でそんなこと言ってたらヤバイじゃん! だから、あの動画では日本語で偉そうなこと言ってるから恥ずかしいんだよ! ――どっちもどっちだけどなぁ……。
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■連絡先を聞きたくて、20数万円の洋服を買ってあげた

――長年、彼女がいないということですけど、好みの女性はどんなタイプなんですか? 例えば、芸能人でいうと……。 おじさん 芸能人はなぁ……最近は女優さんでも、卓越した人って少ないよね。グラドルだったらいるんだけど。篠崎愛ちゃんね。ポッチャリしてて、顔はロリでさぁ。体つきがいやらしいよね。 ――巨乳好きなんですか? おじさん まあ、グラマラスなほうが好きですね。今の子は、みんなスレンダーでしょ? 別にダメなわけじゃないけど、ポッチャリ体形のほうがそそりますよね。だから、ビヨンセとかマライヤ・キャリーとか。……マライヤの体って、いやらしいよね! ――マライヤをそんな目で見ている人、初めて会いましたよ! でもおじさん、顔の彫りが深いし、若い頃はモテてたようにも見えますけどね。 おじさん いや、全然。高校時代は女性と付き合ったことないもん。文学少年で、休み時間も文庫本読んでるような、おとなしいタイプだったから。今はずうずうしいおっさんになっちゃったけどさぁ、ワッハッハ! 俺って、好きになりすぎてヤバイ系なんだよ。自分から好きにならないとダメなんだけど、好きになるとヤバイ! ――どうなるんですか? おじさん 緊張して話せなくなる。だから、脈絡なく、いきなり「愛してるんだ」とか言っちゃって、「何この人」って顔されてたよ。今でこそ、こんなにベラベラしゃべれるけどさ、学生時代これくらいしゃべれたらねー……。友達とは話せたけど、女性には弱かったね。 ――今はメチャクチャしゃべれてますけど、それでも、彼女は作れませんか? おじさん 2年くらい前だけど……声をかけた女性とデートしたら、だまされたんだよ。20数万取られちゃった。例のごとくTSUTAYA前で声かけて、ソフトクリーム店さんに行ったり、食事したりしてさぁ。 ――これはもうヤレるんじゃないかと! おじさん いや、いきなりヤルなんて……連絡先だけでも交換できれば、って思ってたのよ。 ――あ、そこはピュアなんですね。 おじさん それから、神南のあたりにファッションの路面店があるでしょ? そこに行ったら、女性が試着を始めたんだよ。もちろん自分から「買ってくれ」とは言わんわけよ、試着をして「これいいよねー」とか言うだけで。……そういう作戦じゃん。俺もその時は、オヤジの遺産でもらった株を売ったりとかして金持ってたからさ、つい口をすべらして「買ってあげるから、名前と連絡先教えて」って言っちゃったわけよ。そしたら5着か6着で、20数万円して! ……仕方なく払いましたよ。 ――思い切りましたねー。結局、連絡先は聞けたんですか? おじさん 聞けた。それで「これから恵比寿に行く」って言うから駅で別れて、後で電話かけてみたら……出ないの。 ――あー……。やっぱりおじさん、純情ですよね。普通、そんなの引っかからないですよ。 おじさん 警察にも相談したんだけど、「これは詐欺的ではあるけれど、詐欺にはなりませんね。相手の連絡先を聞きたいがために、買ってあげただけでしょ?」って言われたんですよ。ずっと恋愛してないんで、そういう駆け引きみたいなものがわからないんだよね。俺が、おとなしめで従順な女性よりは、ちょっとわがままな、小悪魔的な女性が好きっていうのもあって、痛い目に遭うのかもしれないけど。それは俺の性分だから仕方ないよね。
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■だんまりスケベのほうがヤバイ! 俺は正直に言う!

――そういう経験がたまりにたまって、電車の中での「性の喜びを知りやがって、許さんぞ! 自分たちばっかり……」とか叫んじゃったんですかね? おじさん たまってるよ、鬱憤も性欲も! そりゃそうだよ。風俗は恋愛じゃないでしょ? 彼女がいないから、しょうがなく行っとるんだから。できれば風俗なんて行きたくないよ、恋人がいれば。  今の若い子たちってさ、どういうことでそういう関係になるのかワケわからんね。この間、テレビで「セックスの相手には困らない」みたいなことを言ってるヤツがいたけどさ。俺の世代にも、そういうのはいたけど、それは完全にワンナイトラブ的なことだったんだよ。でも、今の若いヤツはもっとカジュアルに、友達ともセックスしたりしてるんでしょ? どういうことですか!? ――俺に怒られても困りますよ! おじさん そういう気持ちがたまってるから、ああいうこと言っちゃうわけですよ。世に言うだんまりスケベ――本当はスケベなのに、ひた隠しにしているような人間じゃないんだ俺は。正直に言うわけだ! ――言うにしても、声が大きすぎますよ! おじさん 言うことによって解消できるんだよ、少しは。だんまりスケベのほうがヤバイでしょ? まあ、真の意味で相思相愛の恋愛をしたことがないのが、コンプレックスなんだろうな。車だって、女性を乗せたことがないもん。 ――今回わかったのは、おじさんが求めているのは「ヤリたい」じゃなくて「彼女が欲しい、結婚したい」という、結構ピュアな方向性だったということですね。 おじさん ヤリたいはヤリたいですけど、それ以上に恋愛したいんですよ。でも、仕事とかスポーツって、自分が努力すればある程度、成果出るけど、恋愛は相手があることだから難しいよね。
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■基本的に、言ってることは正論!

――ネットに上げられている写真なんかを見ると、かわいい子とも一緒に写真撮ってるじゃないですか。そこから恋愛には発展しない? おじさん いや、かわいいとかそういうことじゃなくてさ、ある程度話してみないとわからないでしょ、内面は。恋愛するって、そういうことだから。 ――まっとうな意見! それじゃ、この間の『BAZOOKA!!!』で「このおじさん、面白いからコーナー持たせよう」みたいなことを言われていましたけど、タレント的な活動には興味ないんですか? ちょうど仕事もしていないし、モテそうじゃないですか。 おじさん 興味なくはないけどさぁ……。テレビというのは、要するに使い捨てでしょ? 日本エレキテル連合とか、もう見ないじゃん。ギター侍も、本人が残念になっちゃってるしさ。ピコ太郎もすぐ消えるでしょ? エド・はるみなんてさぁ……小池百合子の政治塾に行ってるんだよ。選挙出たいの? ふざけなさんな! 「グー! グー!」言ってるだけのおばさんが。 ――ホント、言うことが基本的に正論ですよね。 おじさん 俺なんかもYouTubeで火がついて、若い子から「おじさんはいいですね、有名になって」なんて言われるけど、うれしくもなんともないもんな。有名になれればなんでもいいっていう考えはおかしい。だから、おでんをつんつんしたり、ドローン飛ばしたりするヤツがいるんだよ。スポーツなり仕事なりをやり続けて、それで有名になるんだったらいいよ。でも、そういう裏付けもなく、ただ有名になったって意味ないでしょ? ――ザ・正論! でも、おじさんも頼まれたらテレビに出たり取材受けたりはしちゃうという……出たがりなのか、出たがりじゃないのかが、よく分からないですよ。 おじさん それはね、会話に飢えてるんだよ。女にも飢えてるけど、会話にも飢えてるんだよ! だから、この間もニコニコ動画をやっているっていうヤツに「話を聞かせてください」って声かけられて一緒にカラオケに行ったんだけど、それを隠し撮りしてネットに上げられてたんだよ。許さんぞ! ――おじさんよりも、それを隠し撮りして勝手にネットにアップしてるヤツのほうがまずいですよね。 ***  取材スタート時は、メチャクチャ酒臭くて少々ヤバイ状態だったおじさんだが、取材が進むにつれ(3時間しゃべりっぱなし!)酔いも覚めたのか、すんごくまっとうなことばっかり言うように。  たぶん、酔っぱらってさえなければ、すごく真面目でいい人なんだろうなぁ~……。もう、酒飲んで電車乗らないほうがいいよ!  そして盗撮はダメ、絶対!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) 『突撃取材野郎!』過去記事はこちらから

ハロプロ愛が爆発しすぎてヲタに嫌われちゃった“紙芝居おじさん”は、やっぱりヤバかった

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ビジュアル的にはキチガイ感もないし、マイルドな雰囲気ですが、話しだすと本当にヤバかった「おに山田」
 アイドル好きで、紙芝居屋で、画伯でホームレスという謎の男・おに山田が、ゴールデン街で「現代エロ画展」なるアヤシイ展覧会を開催しているという。  情報量がいろいろと多すぎてワケがわからないが、どうにも気になってしまう人だ。  ちょいとブログを読んでみたら(ホームレスなのに、ブログやってるんだ!)ハロプロ愛が爆発しまくった結果、少々キチガイ感がにじみ出ちゃっている文章が書き殴られていたし……。  本格的にヤバイ人だったらイヤだけど、思い切って「現代エロ画展」最終日に会いに行ったところ、予想外に人当たりはいい。……でも、ある意味では、予想以上にヤバイ人だったよ! ■どっちの意味でも、子どもが好き! ――おに山田さん。そもそも、いったい何者なんだ!? という感じなんですが、肩書としては……? 山田 ハロプロをもっと盛り上げるため、ライブ会場の前で紙芝居をやっているおじさんです。……売名目的でもありますけど。ハロプロも売れて自分も有名になって、一挙両得じゃないですか。 ――はあ……。ハロプロでいうと、どのあたりが好きなんですか? 山田 今はJuice=Juiceとか、カントリー・ガールズですね。℃-uteとかモーニング娘。'16に関しては、だいぶ冷めてきました。やっぱり、メンバーが年を取ってくると、どうしても興味が薄れてくるというのはありますね。 ――ああー……。何歳くらいがストライクゾーンなんですか? 山田 14歳が一番好きな年齢です! 18~19歳までは、ギリ大丈夫ですけど。 ――そこでギリギリかー。ちなみに、山田さんは何歳なんですか? 山田 43歳になりました。ハロプロ研修生43期生です! ……こういうことを言うから、ハロヲタの人たちに嫌われるんですけど。 ――絵は、いつ頃から描いているんですか? 山田 絵はずっと描いてましたね。ボク、絵本を描きたくて、1999年に奈良から東京に出てきて持ち込みをしていたんですけど、まったく相手にされなくて……。 ――こんな感じの絵柄で!? 山田 そうですね。タッチは、あんまり変わってないです。だから、持ち込みしても嫌がられ、「向いてないんじゃない?」とか言われ続けて……。ごくたま~に、気に入ってくれる編集者さんもいるんですど、その人が企画会議にかけてくれても全然ダメで。 ――絵本というよりは、いわゆる「ガロ」「アックス」系の漫画のほうが向いていると思いますけど、絵本にこだわりが? 山田 その頃は「絵本しかない!」って、思い込んでましたね。「ダメだ」とか言われると、悔しいじゃないですか。それで、しつこく行ってたというか……やめ時を失いましたね。 ――何か好きな絵本に影響を受けたとか? 山田 絵本は好きですけど、特にこの作者っていうのはないですね。やっぱり子どもが好きなんで……どっちの意味でも。 ――どっちの意味でも! 山田 子どもと、すごく話が合うんですよ……14歳くらいまでの子と。絵本を描けば、子どもを相手にできるというのがいいなって。 ――今までの話を聞いていると、自分の子どもは絶対に相手をさせたくないですね。 山田 そうそう、そこがジレンマでした。そういう意味もあるけど、そういう意味じゃない部分もあるから難しいんですよね。男女かかわらず、子どもは好きなんですけどね……。でも、絵本を描いて子どもに読ませても、全然ウケなくて。 ――このテイストじゃあ、なかなか子どもの心に響かなそうですよね。
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山田さんの描く絵は、こんな感じ
■最終的には、ハロプロと同じ舞台に立ちたい ――絵本から紙芝居に行ったきっかけは? 山田 絵本をいくら描いても出版してもらえないんで。だったら、紙芝居も似たようなもんじゃないですか。子どもの前ですぐにやれるし。それで紙芝居を作って、道や公園でやり始めたんですけど、なぜかすぐに止められちゃうんですよ。 ――うーん……まあ、止めますよね。 山田 仕方ないので、当時住んでいたところの商店街に頼みに行ったら「下北沢一番街商店街」のガレージのところが空いているっていうんで、しばらくそこでやらせてもらっていました。そうしたら結構、子ども連れの親子が見てくれるようになって……。だったら大人も楽しめる紙芝居にしようと思って、下ネタの紙芝居を始めたんですけど。 ――なんでそこで下ネタに行っちゃうの!? 山田 それなら大人も楽しめるから、子連れじゃない人や、若い人たちが見てくれるじゃないですか。 ――でも、子連れはいなくなりますよね? 山田 まあ、いなくなりましたね。でも、幸いに、商店街の人たちは面白がってくれたんですよね。それで調子に乗っちゃって、「ここじゃなくても、やれるんじゃないか?」と考えて、ハロプロのライブの開場前に、紙芝居をやるようになったんです。みんなヒマしてますからね。 ――ああ、ここで「売名」という気持ちが出てくるわけですね。 山田 ボクも有名になるし、ハロプロも売れるしで、最高じゃないかと思ったんですけどね。結果、どっちもパッとしてないですけど。ある意味、有名ヲタにはなれましたけどね。……嫌われてますけど。 ――ハロプロヲタの人たちは、どんな反応だったんですか? 山田 最初にやった時はものすごく怖がられて、Twitterでエゴサしたら「会場前にキチガイがいた!」とか書かれていましたね。そのうち、キチガイではないということをわかってもらえて、みんな集まってくれるようになり……。まあ、集まってくる人たちもキチガイじみてましたけど。 ――それが、どうして嫌われてしまったんですか? 山田 ちょっと有名になったと思って、調子に乗っちゃったんですよね。Twitterに運営に対しての不平不満を書いたり。決定的だったのは、宮本佳林ちゃん(Juice=Juice)のスクール水着の写真がプリントされたTシャツを作って、握手会に参加したことが……。 ――なんでそんなことを!? 山田 本人に見せたら、面白がってくれるかと思って。そしたら、佳林ちゃんは大丈夫だったんですけど、隣にいた高木紗友希さんに「気持ち悪くない?」とか言われて、握手を拒否されちゃって。それを狼(ハロプロ@2ちゃんねる掲示板)に書かれちゃったんです。思いの外「なんてことをするんだ!」みたいなことになってしまいましたね。 ――そういうTシャツを見せて、アイドルから認知されたいという気持ちもあったんですか? 山田 それはないんですよ、本当に。紙芝居で有名になって、最終的にはハロプロと同じ舞台に立ちたいと思っているんで、それまでにファンとして認知されてもうれしくないです。Tシャツに関しては、本当に遊び心で「こんなのを作ったんだよ」という気持ちだったんですけど、それをきっかけにヲタクたちから嫌われてしまいましたね。
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一見、いい絵っぽく見えるんだけど、よく見るとヤバイ。ある意味、天才!
■これからは、アプガの現場で頑張ります!? ――さて、今回の「現代エロ画展」という展覧会は、どうしてやることになったんですか? 山田 今年5月に「現代アイドル画展」というのをやって、その時はみんなが絵をバンバン買ってくれたので、“これはいけるぞ”という感じがあったんですね。 ――結構、いい収入になった? 山田 はい、ちゃんと熊本地震にも募金しましたし。ただ、今回の「現代エロ画展」のほうは……今日が最終日なんですけど、今のところ赤字ですね。というか、一日で巻き返せるとも思いませんし。 ――「現代アイドル画展」では、そのアイドルのファンたちが買ってくれたというのも、あるんじゃないですか? 山田 そうですね。「あの子を描いています」とは明確には言ってないんですけど、まあ、それらしくは描いているので、ファンの方が買ってくれていましたね。それに、ハロプロのライブで知り合ったヲタの人たちが、わりと来てくれたんですよ。でも今回は、ハロプロ関係の知り合いは、まだ1人だけですね……。 ――やっぱり、スクール水着Tシャツ事件が尾を引いて……? 山田 それはないと思いたいですけど……それかもしれませんね。あとは、研修生のヲタの人たちとTwitterでケンカしたりもあったんで、それもあるかも。 ――山田さん、もうTwitterやめたほうがいいですよ! 最近は、ハロプロ現場で紙芝居はやってるんですか? 山田 やってるんですけど、冷たくはなってますよね、反応が。誰も集まってこないし、Twitterで話題にもならないし。 ――それだけ、根が深い問題だったんですね。ほかの現場にくら替えしたりとかは考えてないんですか? 山田 うん、だから最近アップアップガールズ(仮)に行ってます。アプガの前ではまだ紙芝居はやってないんですけど、そのうちやるつもりです。 ――じゃあ、アプガの現場で、温かく迎えてもらえたらいいですね。 山田 だといいんですけど……すぐもめちゃうんで……。 ――紙芝居自体の評判はよかったんですから、たぶん紙芝居以外の部分がすごく悪いんだと思いますよ。 山田 ……性格かな? だとしたら、最悪ですね。 ――まあ、今後はアプガの現場で頑張っていこうと。 山田 別にハロプロでもやりますけどね。 ――ファンに嫌われても、ハロプロ愛は揺るがない? 山田 なんか、腹が立つじゃないですか! 負けた感じになるのがイヤなんで。あっちは気にしてもないと思いますけど。
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最後に「せっかくだから」と紙芝居を披露してくれたんですが、マンツーマンで紙芝居を見るのは正直、キツかったっす!
■まずは、住むところを探さないと…… ――じゃあ最後に、ハロプロと同じ舞台に立つために、計画しているこれからのビジョンを教えてもらいたいんですけど。 山田 やることはいっぱいありますよ。まず、今ホームレスですからね。会社の事務所の一角に住み着いているんで、住むところを探すところから始めないと。 ――長い道のりだな~……。 山田 何かすごい賞を獲ったら、一気に行けるかなとも思ってるんですけどね。賞を獲って、権威を手に入れたいです! ――権威を手に入れて、自分を嫌ったヲタたちを見下したいとか? 山田 そうですね。いいですね、それ! ――それで調子に乗って転落する姿が目に浮かびますよ!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ◆『突撃取材野郎』過去記事はこちらから◆

荒ぶる漢たちのリアル! 現役土建屋社長と石丸元章が立ち上げた「土木建築マガジン」編集部に潜入

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ここが編集部のハズなんだけど……
 作家の石丸元章が、「BLUE'S MAGAZINE(ブルーズマガジン)」なるフリーペーパーを作っているらしい。テーマはなんと「土木建築系総合カルチャーマガジン」。ど……土木建築!? 石丸さんって、ドラッグ小説とか書いてる人じゃなかったっけ? それがどうして、土木建築のフリーペーパーを!  ……というわけで今回は、「ブルーズマガジン」の制作現場である感電社の編集部に突撃した……のだが、もらった住所にたどり着いても、年代物のアパートが建っているだけで、フリーペーパーの編集部がありそうな雰囲気はゼロ。
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あ、本当にここなんだ
 まさか、このアパートの中が会社なんてことは……あった! しかも「いろいろなものをこじらせたひとり暮らしの男子大学生の部屋」感あふれる、どーかした内装の部屋が編集部。「ザ・秘密基地」といった感じのこの部屋から生み出されている「ブルーズマガジン」について、主筆の石丸元章と、編集長の雨森諭司に話を訊いた。 ■土建は都市的で荒ぶる男たちの世界だ ――この感電社は「ブルーズマガジン」を作るために、現役土建会社社長の柳知進さんと石丸さんたちが立ち上げた会社なんですよね? 石丸 そうです。今日は柳も同席する予定だったんですけど、現場でトラブルがあったということで、そっちに行ってしまって。でも、今日みたいなものすごく暑い日に、現場で汗を流して働いているやつらがいる。そこで感じた心情をダイレクトに出せる雑誌を作りたいということで、僕のTwitterにメッセージをくれたんです。土建の現場で見たり感じたりしていること、起きている物語……そういうものが雑誌にもテレビにも、どこにも出てこないので、思うところがあったみたいですね。 ――石丸さんが土建フリーペーパーを作っていると聞いて意外でした。それまで、土建関係に興味は? 石丸 全然なかった。ダンプとトラックの違いも、シャベルとスコップの違いもわからなかったですもん。でも土建はね、荒ぶる男たちの世界じゃないですか。そして彼らは、極めて都市的な文化を持った人たちなんですよね。そこには興味を引かれました。土建の現場って、実は青山とか渋谷とか、都市の風景の中に溶け込んでいますから。 ――ああー、確かに工事が多く行われているのは、田舎じゃなくて都会ですよね。 石丸 だから、都市で暮らして、都市で稼いで、都市で遊んで……っていう人たちが働いている。そういう意味で、この雑誌のことを「土木建築系総合カルチャーマガジン」と呼んでいます。 ――土建でバイトをして稼いだ金で、演劇やバンドを頑張っているという若者も多そうですよね。 石丸 やっぱり、稼ぎって大事ですから。ただ、今は「本当は演劇やバンドをやりたいけど、我慢の期間として土建をやっているんだ」という人は意外と少ないんですよ。表現活動は表現活動としてやるけど、職人としても誇りを持ってやっているという人が多い。イースタンユースのドラムの田森篤哉さんは庭屋さんなんですが、「本当にこの仕事をやっていてよかった」と言っていますからね。「すごくクリエイティブだし、たくさん稼げる」と。イースタンの吉野(寿)さんと出会ったことと同じくらい、今の仕事に出会ったことは大きいと考えているようです。
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「BLUE'S MAGAZINE」主筆の石丸元章氏と、編集長の雨森諭司氏
■迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要 ――土建という未知の世界に触れて、一番興味を引かれたのは、どういうポイントですか? 石丸 やっぱり現場ですね。土建の現場って、写真や映像で見ると、うるさくて汚くて危なくて……っていうイメージじゃないですか? でも、自分で足を踏み入れてみると、必ずしもそうじゃない部分も見えてくるんですよ。解体の現場なんて、これから命を失っていく建物の大きさとか荘厳さとか、すごく心を打つものがありますよ。これは、表現の領域で人に伝えるべきだと思いました。 雨森 そういう現場を、石丸さんはすごく文学的に表現するんですよ。「さながら戦場のような……」みたいに。実際に、その現場はすごかったんですけど、職人さんにチェックしてもらったら「戦場のような」はやめてくれと。 石丸 「ウチは安全第一なんだ」って(笑)。 ――現場の迫力を伝えるための文章だけど、現場の人からすると、その表現はダメなんですね。 雨森 現場の人にとっては、迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要ですから。「そこに赤字入るんだ!?」って新鮮でしたね。もちろん、職人さんたちも同じように現場で「すごい!」とか「キレイ!」と感じることはあるみたいですけど、それを人に伝えることはしないんですよね。「ブルーズマガジン」では、そういう部分に光を当てたいという気持ちもあります。 石丸 雨森くんはね、現場と編集部をつなぐ役というか、職人さんたちと一番ぶつかる役だから大変だと思うよ。 雨森 すごくしっかりした人たちなんで、ちょっとした言葉遣いや、少し時間に遅れただけで怒られますから。礼節関係や冠婚葬祭、記念行事とかを、ものすごい大事にするんですよ。 ――ライターなんかやってると、年賀状とか気にしないですからね。 雨森 ですよね。一番そこを怒られるんですよ。あいさつ、コーヒーの出し方、差し入れのタイミング……そういうことをキッチリやれるようになると、「わかってるな、お前」ということで、やっとフレンドリーに話ができるようになるんです。 石丸 この人の役割はデカイですよ。現場の人たちに取材のオッケーをもらうのって、すごく難しいから。
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ザ・秘密基地感あふれる編集部。トレーニング器具は「いつでも現場で働けるように」とのこと
――ある意味、雑誌に出ても得はないですからね。仕事の発注が増えるわけでもないし。 雨森 そういう状態だったのが、ようやく「ウチをぜひ取材してください」と声をかけてもらえるようになったのがうれしいですね。自分たちの仕事が雑誌の取材対象になるなんて思ってもいなかったのに、「ブルーズマガジン」を読んだら、自分たちと同じような業種が取り上げられている。じゃあ、ウチも取材してもらおうと思ってくれているようです。 石丸 見本誌を持っていくと、職人さんたちがすっごく喜んでくれるんだよね。自分たちの方法論が間違ってなかったんだ、職人さんたちの心に触れるようなものが作れて、本当によかったなって思います。 ――少し前から、町工場など「ものづくり」の現場が注目されるようになりましたけど、土建の現場も注目されるようになってほしいですよね。 石丸 『プロジェクトX~挑戦者たち~』(NHK)みたいな大きなプロジェクトは注目されるけど、穴掘ったり、コンクリートの型枠を組んだりする職人さんが注目されるような時代は、まだまだ来てないでしょ。プロの開削師が手掘りで掘った穴って、すっごくキレイで感動しますけどね。板前の切った刺し身のように、穴の角度がバシッと決まってて。でも、その穴って必ず埋められちゃう。 雨森 夜、穴を掘って作業して、朝までに埋めて、次の日の夜、また掘り返してから作業という繰り返しなんです。 ――それでも、キレイに掘る必然性がある? 石丸 あるんですよ。ああいう工事って、掘ったところ、埋めたところ、作業したところ……っていう過程を一つ一つ写真に収めて、役所の人が確認するんですよ。よくボードを持って写真を撮ってるでしょ? 地面の中で水道管換えたかどうかなんて、わからないじゃないですか。でも、役所の人がつきっきりで監視しているわけにもいかないから、写真を見て確認するわけです。写真がお金になるんですよ。 ――写真で見せる用の、キレイな穴なんですね。 石丸 あとは、職人のプライドもあるでしょうね。
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  ■実際に現場で働きながら写真を撮るカメラマン ――この時代、フリーペーパーで発行し続けるというのは大変そうですけど、戦略はあったんですか? 石丸 書籍にするとか、ムック本にするとか、いろいろな方法があったと思うんですけど、なんでフリーペーパーにしたのかというと、GoogleでもTwitterでも、ネットって全部フリーサービスじゃないですか。フリーメディアには、新しい可能性があると思ったんですよね。だから「フリーでやる」という前提で、編集部をどこに構えるのか、何人で作るのか、流通をどうするのかというのを決めていきました。 ――採算ラインから逆算して成り立つ家賃の場所、人件費でやろうと。 石丸 とはいえ、なかなか大変ね。Twitter社も赤字なくらいだから。それでも応援してくれる人たちがいるから、やれていますけど。   雨森 ウチで撮ってもらっている、カメラマンの菊池(茂夫)さんによく言われるんですよ。菊池さんはコレを始めてから、実際に現場で働きながら撮影もしたりしていてるんで、本当にリアルなものを撮るっていう部分に貪欲なんですよね。だから「お前も、いつ現場に入るの?」ってよく言われています。 ――菊池さんはライブやバンド写真で有名な方だから、やはり現場でのライブ感覚を重視してるんですね。 石丸 菊池さんは現場に入って働いている人の目線で写真を撮り、自分は書き手の立場で現場に入る人でいたいと思います。シャベルを持たないほうがわかることも、あると思いますよ。
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■最新号は新企画満載!   ――「ブルーズマガジン」の今後の展望を聞きたいんですが、どんな企画をやっていこうと思っていますか? 石丸 これまでは、自分たちもまだまだ土建について知らないことが多いので、現場にあるものを取材していたんですが、最新号の7号特集は「未来土木」ということで、ようやく未来を語れるようになりました。月面のプラントとかね。 ――いきなり月! 土建に対する理解が深まったからこそ、未来に行けたと。 石丸 もちろん、まだまだわかってない部分も多いんだけど、土建の未来に対して想像力が働くようになったということですね。ほかにも、7号は新企画満載なんで、楽しみにしてほしいですね。「飯場」ってあるでしょ? 住み込みで働く。昔は汚いプレハブで、カバンひとつでやって来て「今日から働かせてください」みたいなところだったけど、今はちゃんとした寮のようになってるんですよ。まあ、三畳一間だけど。   「TATTOO BURST」(コアマガジン)の編集長だった川崎美穂さんと自分が、そこに行って一泊する「飯場探訪記」という企画をやっています。食堂で一緒に酒飲んで一緒に風呂に入って……これは面白いですよ(笑)。飯場には高齢の人も多いんですけど「女の人とお風呂に入ったのは20年ぶりだ」って拝んでたもんね。 雨森 北村さんも行きましょうよ! ――それは行きたいですねー。働くのはムリですけど……。東京オリンピックが控えていて建築ラッシュなんていわれていますが、土建業界に活気は感じますか? 石丸 よく聞くのは「人手が欲しい」ということですね。それだけ仕事が多いってことなんでしょうね。まあ、東京オリンピックをピークに一段落するんだとは思いますが、アスファルトにしてもなんでも、東京って新陳代謝がすごいじゃないですか。都会においては、土木建築っていうのは、これからもある一定の活況というのは続いていくと思います。 雨森 逆に被災地に取材に行ったときは、復興特需で盛り上がっているのかと思ったら、全然違いましたね。 石丸 地方だと、一回造っちゃったら、何十年も建て替えることなんてないから。 雨森 復興特需の中で稼げるだけ稼いだら、その先、仕事が減っちゃうんですよね。 ――最後に、「ブルーズマガジン」を、どんな人に読んでもらいたいですか? 石丸 土建をやっている人たちももちろんそうなんですけど、まったく別の仕事をしていて、現場のことをひとつも考えたことのない人にも読んでもらいたいですね。マニュアルに縛られたアルバイトとかをやっていて、生きているという実感を持てない人たちに土建の世界を知ってもらいたい。今、「生きている実感がない」とか言って、IS(イスラム国)にいきなり行っちゃったりするわけじゃないですか。そうやって極端な方向に行っちゃう若者がいるけど、そりゃ冷暖房の効いたところでマニュアル仕事をやってたら、生きている実感なんてないよ。    土木建築の世界って非常に厳しいし、人付き合いも難しい。でも、激しい仕事であるからこそ、生きている実感の塊だから。そういう若者に「こういう世界はどう?」って見せたいという気持ちもあります。「ブルーズマガジン」を読むと、風景が変わって見えてくると思うんですよ。何も考えずに水道水を飲んでいたら「塩素の入った水だ」くらいにしか思わないけど、水道を造っている人の話を読むと、水道に味がする気がするじゃないですか。同じように道路だってビルだって、周りのものすべてを実は人間が造っているんだなって思うと、感動しますよ。 ――高速道路を走っていると「これを造った人がいるのかー」って、気が遠くなりますよね。 石丸 予算の消化で造ってるんじゃないんです、ちゃんと人間が心を込めて造ってるんです! それを「ブルーズマガジン」を通して感じてほしいです。都市って、無機質なつまらないところじゃないんです。
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ●株式会社感電社ホームページ(ブルーズマガジン発行元) http://kandensha.com/ ・お取り寄せが可能です(有料)。ホームページからお問い合わせください。 ・配布店はホームページをご確認ください。

荒ぶる漢たちのリアル! 現役土建屋社長と石丸元章が立ち上げた「土木建築マガジン」編集部に潜入

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ここが編集部のハズなんだけど……
 作家の石丸元章が、「BLUE'S MAGAZINE(ブルーズマガジン)」なるフリーペーパーを作っているらしい。テーマはなんと「土木建築系総合カルチャーマガジン」。ど……土木建築!? 石丸さんって、ドラッグ小説とか書いてる人じゃなかったっけ? それがどうして、土木建築のフリーペーパーを!  ……というわけで今回は、「ブルーズマガジン」の制作現場である感電社の編集部に突撃した……のだが、もらった住所にたどり着いても、年代物のアパートが建っているだけで、フリーペーパーの編集部がありそうな雰囲気はゼロ。
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あ、本当にここなんだ
 まさか、このアパートの中が会社なんてことは……あった! しかも「いろいろなものをこじらせたひとり暮らしの男子大学生の部屋」感あふれる、どーかした内装の部屋が編集部。「ザ・秘密基地」といった感じのこの部屋から生み出されている「ブルーズマガジン」について、主筆の石丸元章と、編集長の雨森諭司に話を訊いた。 ■土建は都市的で荒ぶる男たちの世界だ ――この感電社は「ブルーズマガジン」を作るために、現役土建会社社長の柳知進さんと石丸さんたちが立ち上げた会社なんですよね? 石丸 そうです。今日は柳も同席する予定だったんですけど、現場でトラブルがあったということで、そっちに行ってしまって。でも、今日みたいなものすごく暑い日に、現場で汗を流して働いているやつらがいる。そこで感じた心情をダイレクトに出せる雑誌を作りたいということで、僕のTwitterにメッセージをくれたんです。土建の現場で見たり感じたりしていること、起きている物語……そういうものが雑誌にもテレビにも、どこにも出てこないので、思うところがあったみたいですね。 ――石丸さんが土建フリーペーパーを作っていると聞いて意外でした。それまで、土建関係に興味は? 石丸 全然なかった。ダンプとトラックの違いも、シャベルとスコップの違いもわからなかったですもん。でも土建はね、荒ぶる男たちの世界じゃないですか。そして彼らは、極めて都市的な文化を持った人たちなんですよね。そこには興味を引かれました。土建の現場って、実は青山とか渋谷とか、都市の風景の中に溶け込んでいますから。 ――ああー、確かに工事が多く行われているのは、田舎じゃなくて都会ですよね。 石丸 だから、都市で暮らして、都市で稼いで、都市で遊んで……っていう人たちが働いている。そういう意味で、この雑誌のことを「土木建築系総合カルチャーマガジン」と呼んでいます。 ――土建でバイトをして稼いだ金で、演劇やバンドを頑張っているという若者も多そうですよね。 石丸 やっぱり、稼ぎって大事ですから。ただ、今は「本当は演劇やバンドをやりたいけど、我慢の期間として土建をやっているんだ」という人は意外と少ないんですよ。表現活動は表現活動としてやるけど、職人としても誇りを持ってやっているという人が多い。イースタンユースのドラムの田森篤哉さんは庭屋さんなんですが、「本当にこの仕事をやっていてよかった」と言っていますからね。「すごくクリエイティブだし、たくさん稼げる」と。イースタンの吉野(寿)さんと出会ったことと同じくらい、今の仕事に出会ったことは大きいと考えているようです。
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「BLUE'S MAGAZINE」主筆の石丸元章氏と、編集長の雨森諭司氏
■迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要 ――土建という未知の世界に触れて、一番興味を引かれたのは、どういうポイントですか? 石丸 やっぱり現場ですね。土建の現場って、写真や映像で見ると、うるさくて汚くて危なくて……っていうイメージじゃないですか? でも、自分で足を踏み入れてみると、必ずしもそうじゃない部分も見えてくるんですよ。解体の現場なんて、これから命を失っていく建物の大きさとか荘厳さとか、すごく心を打つものがありますよ。これは、表現の領域で人に伝えるべきだと思いました。 雨森 そういう現場を、石丸さんはすごく文学的に表現するんですよ。「さながら戦場のような……」みたいに。実際に、その現場はすごかったんですけど、職人さんにチェックしてもらったら「戦場のような」はやめてくれと。 石丸 「ウチは安全第一なんだ」って(笑)。 ――現場の迫力を伝えるための文章だけど、現場の人からすると、その表現はダメなんですね。 雨森 現場の人にとっては、迫力のある表現より、危機管理や安全管理が重要ですから。「そこに赤字入るんだ!?」って新鮮でしたね。もちろん、職人さんたちも同じように現場で「すごい!」とか「キレイ!」と感じることはあるみたいですけど、それを人に伝えることはしないんですよね。「ブルーズマガジン」では、そういう部分に光を当てたいという気持ちもあります。 石丸 雨森くんはね、現場と編集部をつなぐ役というか、職人さんたちと一番ぶつかる役だから大変だと思うよ。 雨森 すごくしっかりした人たちなんで、ちょっとした言葉遣いや、少し時間に遅れただけで怒られますから。礼節関係や冠婚葬祭、記念行事とかを、ものすごい大事にするんですよ。 ――ライターなんかやってると、年賀状とか気にしないですからね。 雨森 ですよね。一番そこを怒られるんですよ。あいさつ、コーヒーの出し方、差し入れのタイミング……そういうことをキッチリやれるようになると、「わかってるな、お前」ということで、やっとフレンドリーに話ができるようになるんです。 石丸 この人の役割はデカイですよ。現場の人たちに取材のオッケーをもらうのって、すごく難しいから。
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ザ・秘密基地感あふれる編集部。トレーニング器具は「いつでも現場で働けるように」とのこと
――ある意味、雑誌に出ても得はないですからね。仕事の発注が増えるわけでもないし。 雨森 そういう状態だったのが、ようやく「ウチをぜひ取材してください」と声をかけてもらえるようになったのがうれしいですね。自分たちの仕事が雑誌の取材対象になるなんて思ってもいなかったのに、「ブルーズマガジン」を読んだら、自分たちと同じような業種が取り上げられている。じゃあ、ウチも取材してもらおうと思ってくれているようです。 石丸 見本誌を持っていくと、職人さんたちがすっごく喜んでくれるんだよね。自分たちの方法論が間違ってなかったんだ、職人さんたちの心に触れるようなものが作れて、本当によかったなって思います。 ――少し前から、町工場など「ものづくり」の現場が注目されるようになりましたけど、土建の現場も注目されるようになってほしいですよね。 石丸 『プロジェクトX~挑戦者たち~』(NHK)みたいな大きなプロジェクトは注目されるけど、穴掘ったり、コンクリートの型枠を組んだりする職人さんが注目されるような時代は、まだまだ来てないでしょ。プロの開削師が手掘りで掘った穴って、すっごくキレイで感動しますけどね。板前の切った刺し身のように、穴の角度がバシッと決まってて。でも、その穴って必ず埋められちゃう。 雨森 夜、穴を掘って作業して、朝までに埋めて、次の日の夜、また掘り返してから作業という繰り返しなんです。 ――それでも、キレイに掘る必然性がある? 石丸 あるんですよ。ああいう工事って、掘ったところ、埋めたところ、作業したところ……っていう過程を一つ一つ写真に収めて、役所の人が確認するんですよ。よくボードを持って写真を撮ってるでしょ? 地面の中で水道管換えたかどうかなんて、わからないじゃないですか。でも、役所の人がつきっきりで監視しているわけにもいかないから、写真を見て確認するわけです。写真がお金になるんですよ。 ――写真で見せる用の、キレイな穴なんですね。 石丸 あとは、職人のプライドもあるでしょうね。
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  ■実際に現場で働きながら写真を撮るカメラマン ――この時代、フリーペーパーで発行し続けるというのは大変そうですけど、戦略はあったんですか? 石丸 書籍にするとか、ムック本にするとか、いろいろな方法があったと思うんですけど、なんでフリーペーパーにしたのかというと、GoogleでもTwitterでも、ネットって全部フリーサービスじゃないですか。フリーメディアには、新しい可能性があると思ったんですよね。だから「フリーでやる」という前提で、編集部をどこに構えるのか、何人で作るのか、流通をどうするのかというのを決めていきました。 ――採算ラインから逆算して成り立つ家賃の場所、人件費でやろうと。 石丸 とはいえ、なかなか大変ね。Twitter社も赤字なくらいだから。それでも応援してくれる人たちがいるから、やれていますけど。   雨森 ウチで撮ってもらっている、カメラマンの菊池(茂夫)さんによく言われるんですよ。菊池さんはコレを始めてから、実際に現場で働きながら撮影もしたりしていてるんで、本当にリアルなものを撮るっていう部分に貪欲なんですよね。だから「お前も、いつ現場に入るの?」ってよく言われています。 ――菊池さんはライブやバンド写真で有名な方だから、やはり現場でのライブ感覚を重視してるんですね。 石丸 菊池さんは現場に入って働いている人の目線で写真を撮り、自分は書き手の立場で現場に入る人でいたいと思います。シャベルを持たないほうがわかることも、あると思いますよ。
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■最新号は新企画満載!   ――「ブルーズマガジン」の今後の展望を聞きたいんですが、どんな企画をやっていこうと思っていますか? 石丸 これまでは、自分たちもまだまだ土建について知らないことが多いので、現場にあるものを取材していたんですが、最新号の7号特集は「未来土木」ということで、ようやく未来を語れるようになりました。月面のプラントとかね。 ――いきなり月! 土建に対する理解が深まったからこそ、未来に行けたと。 石丸 もちろん、まだまだわかってない部分も多いんだけど、土建の未来に対して想像力が働くようになったということですね。ほかにも、7号は新企画満載なんで、楽しみにしてほしいですね。「飯場」ってあるでしょ? 住み込みで働く。昔は汚いプレハブで、カバンひとつでやって来て「今日から働かせてください」みたいなところだったけど、今はちゃんとした寮のようになってるんですよ。まあ、三畳一間だけど。   「TATTOO BURST」(コアマガジン)の編集長だった川崎美穂さんと自分が、そこに行って一泊する「飯場探訪記」という企画をやっています。食堂で一緒に酒飲んで一緒に風呂に入って……これは面白いですよ(笑)。飯場には高齢の人も多いんですけど「女の人とお風呂に入ったのは20年ぶりだ」って拝んでたもんね。 雨森 北村さんも行きましょうよ! ――それは行きたいですねー。働くのはムリですけど……。東京オリンピックが控えていて建築ラッシュなんていわれていますが、土建業界に活気は感じますか? 石丸 よく聞くのは「人手が欲しい」ということですね。それだけ仕事が多いってことなんでしょうね。まあ、東京オリンピックをピークに一段落するんだとは思いますが、アスファルトにしてもなんでも、東京って新陳代謝がすごいじゃないですか。都会においては、土木建築っていうのは、これからもある一定の活況というのは続いていくと思います。 雨森 逆に被災地に取材に行ったときは、復興特需で盛り上がっているのかと思ったら、全然違いましたね。 石丸 地方だと、一回造っちゃったら、何十年も建て替えることなんてないから。 雨森 復興特需の中で稼げるだけ稼いだら、その先、仕事が減っちゃうんですよね。 ――最後に、「ブルーズマガジン」を、どんな人に読んでもらいたいですか? 石丸 土建をやっている人たちももちろんそうなんですけど、まったく別の仕事をしていて、現場のことをひとつも考えたことのない人にも読んでもらいたいですね。マニュアルに縛られたアルバイトとかをやっていて、生きているという実感を持てない人たちに土建の世界を知ってもらいたい。今、「生きている実感がない」とか言って、IS(イスラム国)にいきなり行っちゃったりするわけじゃないですか。そうやって極端な方向に行っちゃう若者がいるけど、そりゃ冷暖房の効いたところでマニュアル仕事をやってたら、生きている実感なんてないよ。    土木建築の世界って非常に厳しいし、人付き合いも難しい。でも、激しい仕事であるからこそ、生きている実感の塊だから。そういう若者に「こういう世界はどう?」って見せたいという気持ちもあります。「ブルーズマガジン」を読むと、風景が変わって見えてくると思うんですよ。何も考えずに水道水を飲んでいたら「塩素の入った水だ」くらいにしか思わないけど、水道を造っている人の話を読むと、水道に味がする気がするじゃないですか。同じように道路だってビルだって、周りのものすべてを実は人間が造っているんだなって思うと、感動しますよ。 ――高速道路を走っていると「これを造った人がいるのかー」って、気が遠くなりますよね。 石丸 予算の消化で造ってるんじゃないんです、ちゃんと人間が心を込めて造ってるんです! それを「ブルーズマガジン」を通して感じてほしいです。都市って、無機質なつまらないところじゃないんです。
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ●株式会社感電社ホームページ(ブルーズマガジン発行元) http://kandensha.com/ ・お取り寄せが可能です(有料)。ホームページからお問い合わせください。 ・配布店はホームページをご確認ください。

横浜名物“帽子おじさん”のヤバすぎる過去にギョーテン!

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珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第22回は、横浜名物の帽子おじさんに会ってきました。  横浜近辺のイベントなどによく行く人だったら、一度は目撃したことがあるんじゃないかという名物「帽子おじさん」。  お手製の派手すぎる帽子をかぶって街中を練り歩いているんですが、インパクトありすぎなビジュアルだけに、遭遇してもちょっと話しかけづらい……。  そんなおじさんが、生誕80年を記念して個展『頭上ビックバン!帽子おじさん宮間英次郎 80歳記念大展覧会』を恵比寿のNADiff Galleryで開催中(現在は終了)ということで、ボクが代わりに帽子おじさんこと宮間英次郎さんに直撃取材してきました! あの愉快な帽子誕生の裏には、意外な事件があった!? ■内向的な子どもだったね ――「横浜の帽子おじさん」としておなじみですけど、生まれは三重県なんですよね。 「うん、伊勢のほうね。あの辺は旅館が多かったから、ウチの親父は戦前、女中さんたち相手に小間物屋というか、今でいう化粧品屋みたいなことやってたんだよ。でも、戦争で呉の海軍に徴兵されちゃって。広島に原爆が落ちた時には、たまたま鳥取だか島根だかに軍の物資を取りに行ってて助かったんだけど、ほかの人たちはほとんど死んじゃったらしいよ」 ――いきなり意外すぎる話からスタートしましたね。おじさんは、どんな子どもだったんですか? 「終戦して親父が帰ってきても、もう小間物屋なんて商売にならないから、夏はアイスキャンデーを売ったり、冬は水飴を売ったり、なんでもやってたんだよね。親がそういうことをやってるのって、子どもたちからすると、からかいの対象になっちゃうでしょ? おじさん、子どもの頃は体も小さかったから、いじめに遭ってたんだよ。もう学校もイヤになっちゃって、いつも下を向いているような内向的な子どもだったね」 ――内向的!? 今はこんな格好してるのに! 「いじめるほうは面白いだろうけど、いじめられるほうとしては本当にツラかった。だから、早く大人になって仕事をしたいと思ってたね。勉強もできなかったし、社会に出て自由になりたかったんだよ。それで中学を出たんだけど、まだ15歳だから何をしたらいいかわからなくて、最初はイヤイヤ親父がやっていた行商の仕事を手伝ってたんだけどね。それから17~8の頃、名古屋に出て行って……やっぱり若い頃ってバーテンとかが格好いいと思うでしょ? それでバーで働くことになったんだけど、なぜかボーイをやらされて」 ――バーテンじゃないじゃないですか。 「最初っからボーイをやらせるつもりだったのかなあ~? まあ当時は水商売やってる連中なんて、まともな人はいないわけよ。住み込みだったんだけど、布団がカビてるようなひどい部屋で……。すぐ辞めて『人生は、なんて厳しいんだ!』って思ったね」 ――いきなり挫折しましたね! 「それで、今度は自衛隊でも入ろうかって、京都の宇治駐屯地に入って訓練を受けたんだよ。体は細かったけど、それなりに体力はあったから、鉄砲の撃ち方とか、ほふく前進とかはついていけたんだけど、勉強が苦手でね……。ヤードやらフィートやら山の中で自分の居場所が確認できるかとか……いくら訓練を頑張っても、試験に受からないといつまでたっても二等兵なんだよ。それでイヤになって辞めちゃって」 ――挫折しますねぇ~。……それからどうしたんですか? 「実家に帰って、しばらくブラブラしていたんだけど“やっぱり仕事ないしなー”って、また自衛隊に入ろうかって思ったんだけど、入隊試験に学科があるから自信がなくて……」 ――えっ、一回受けた試験なんですよね? 「それでも自信なかったからさぁ~。弟を隣に座らせてカンニングしながら受験して、なんとか合格したんだけど、25歳の年齢制限に引っかかって入れなかったんだよね」 ――それ、受ける段階でわからなかったんですかね? 「数字弱いのに、わかるはずがないよ! それから大阪の西成に行って、日雇い仕事をやってブラブラしてたんだよね。当時は景気もよかったから、仕事がいっぱいあったんだ。一日働いたら疲れちゃうんだけど、日雇いだから次の日休んでも構わないし。あの頃、一日働けば8,000円くらいもらえて、西成のドヤは1泊550円とかだったから、たまに働くだけで全然生活できるんだよ。そんな自堕落な生活をしているうちに、競艇を覚えて……。西成から住之江に行ったり、尼崎に行ったり、琵琶湖に行ったり、グルグル回ってたね」
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3月21日~ 4月24日まで恵比寿のNADiff Galleryで行われた「頭上ビックバン!帽子おじさん宮間英次郎 80歳記念大展覧会」。どうにもこうにも目がチカチカします……
■痴漢をやめて帽子の世界へ ――それがいくつくらいの頃なんですか? 「30歳くらいかな? そんなことをやっているうちに、ちょっと道を踏み外しちゃってね。おじさん、子どもの頃から奥手だったから、ずーっと友達がいなかったんだよ。友達がいれば、道を外れそうになっても『そんなこと、やめたほうがいいよ』とかいさめてくれるじゃん。でも、友達いなかったら関係ないからね」 ――で、どんな道を外れたことをやってたんですか? 「要するに……痴漢だね」 ――痴漢! 「こう見えて昔は、結構いい男でモテたわけよ。中村錦之助とかそういう、のっぺりした顔が美形ってことになってたんでね。だから、映画俳優にでもなれるんじゃないかと思ってたの。でも蓄膿症の手術したら、顔の形が変わっちゃって……。映画俳優になっていじめていた奴を見返してやろうと思っていたのに、これから青春だっていう時期に、醜い顔になっちゃったんだよね。女だったら自殺しているよ。元の顔に戻らないとわかった時点で、自暴自棄になっちゃったんだ」 ――だから、痴漢しちゃったってことですか? 「まあそうだね。心が弱かったから仕方ないやな。この頃から、人生あきらめていたと思う。ギャンブルやって負けたら、次の日働かなきゃいけないでしょ? 心がカサカサしちゃうのね。あと、若い頃の性欲の勢いに負けてしまったんだろうね」 ――……。 「それから、東京の山谷、大阪の西成、名古屋の笹島、横浜の寿町……ってドヤ街を転々としながら日雇いをやって、痴漢もやって。旅の恥はかき捨てっていうじゃん。そういう感覚だったね」 ――痴漢で捕まったりはしなかったんですか? 「捕まった! うすうす警察にマークされていそうな感じはしていたけど、警戒心が足りなかった。目白だか高田馬場だかの駅で捕まって。“もうこんなことしてちゃダメだ”って、60歳手前くらいでキッパリ足を洗ったから」 ――随分長いこと痴漢してましたねぇ! 「捕まった後は本当に死ぬほど悩んで後悔して、一生後ろ指さされ、さらし者になって生きるよりも死んだほうがましだと思ったけど、なかなか自分の命を絶つことはできない……。ただ、悪いことは悪いことだけど、人を殺したわけじゃないからね。女の人から忌み嫌われるのはわかるけど……男の人なら少しはわかるでしょう?」 ――ま……まあ~。 「まあ、そういうことで痴漢からはキッパリ足を洗って、それから、こういう格好をするようになったんだよ」 ――!? 唐突すぎて意味がわかりませんけど、痴漢の代わりに帽子をかぶりだしたと? 「死ぬ度胸がなければ、いっそ開き直って? それまでは悪いことしてたけど、いまは更生している。これからは真面目にやろうという意思表示だよね。まあ、逆効果かもしれないけど」 ――は? 真面目にやろうという意思表示!? 「帽子おじさんをやりだしてから、初めのうちは『ちんどん屋』なんて呼ばれていたけど、だんだんと帽子が複雑になっていってからは、芸術的になったってわけじゃないんだろうけど、ちょっと上品な感じになってきたのか、悪口は少なくなってきたね」
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せっかくなので、記念撮影
■帽子は土日祭日、イベント時限定 ――最初の頃は、どんな帽子だったんですか? 「最初はもう簡単に、拾ったカップラーメンとかヤキソバの丼をかぶってみたりさ。それから、造花とか刺してみたり、もうちょっと派手にするなら土台が必要だなと思って、蛍光灯のかさとかを使うようになって……。アレだったらいっぱい載せられるでしょ? さらに金魚鉢をくっつけてみたり、いろんなことをやったね」 ――横浜近辺でよく見かけますけど、普段からこの格好をして出歩いているんですか? 「普段はしてないですよ。土日祭日とか 野毛の大道芸とか、隅田川の花火とか、そういうイベントの時にならするけど」 ――あ、そういうもんなんですね。最近、横浜にもうひとりの帽子おじさんが出没しているって知ってますか?
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おじさんの帽子コレクション
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「あー、知ってる知ってる。アレは私より10歳くらい若いヤツでしょ? アレはホント、パフォーマンス、目立ちたがりだな。自分の自慢しか言わないの。帽子も、ちんどん屋みたいに派手で、着物なんか着て自転車に乗っているよ」 ――やっぱり、真似されたなっていう意識はあるんですか? 「それはあるわな。なにしろ、目立ちたがりだもん。おじさんは、写真を撮りたければ別にいいですよっていう感じだけど、アレの場合は自分から積極的に写真撮られに行ってるから!」 ――おじさんの場合は、目立ちたいということでやっているわけではない? 「目立ちたいのも半分くらいあるけど、みんなに楽しんでもらいたいとか、まあいろいろと複雑な感情があるわな。でも、アレほど目立ちたがりじゃないですよ」 ――ちなみに、帽子の数はいくつくらいあるんですか? 「十何個とかかなぁ~? 今まで30くらいは作ってるけど、作っては壊しってしてるから残ってないんだよな」 ――この帽子が、海外とかではアートとして見られているということに関しては、どう思いますか? 「アートっていうのは申し訳ないね。そもそも、アートが何なのかわらないからね。周りの人たちがアートだって言ってくれるけど、コレが『アット』驚くような面白いもんかなー? ……って。まあ、自分からアートだって大声で言わけじゃないけど、周りが言ってくれる分には構わないよね」 ――それじゃ最後に、これから作ってみたい帽子は? 「いや、もうネタ切れだな。もう限界でしょ、これくらいで。これ以上いろいろと載っけたら、重くなりすぎちゃってかぶっていられないもん。まあ、あくまでも材料がそろったら作るっていう感じだね。できたら作るし、できなければ自然消滅ですね。そんなことより、競艇で金儲けて、世界一周とまでは言わないけど、アジア旅行くらい行きたいね!」 ***  痴漢をやめたから帽子を作りだした……という理屈はまったくわからないけれど、それが海外でアートとして認められちゃうというのはスゴイ。「天然」な人のすごみを感じますな。 「キンキンも石原裕次郎も同級生だけど、みんな死んじゃった」という帽子おじさんですが、まだまだお元気そう。競艇もいいけど、帽子の新作もドンドン作ってもらいたいところです!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン)

女装おじさん主催の封印漫画『キャンディ・キャンディ』展!

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珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第21回は、知る人ぞ知る女装おじさんに会ってきました。 ■ファン主催の『キャンディ・キャンディ』展  ちょっと前、「Business Journal」の記事(「あの名作マンガはなぜ買えない? 創作者に"ものすごい"力を許す著作権の常識」)でも話題になっていたが、知名度はすさまじく高いのに原作者の水木杏子と作画家のいがらしゆみことの間でトラブルが起こりまくり、大人の事情によって出版することができなくなっている封印漫画『キャンディ・キャンディ』。少女漫画史に残る名作ということで、読んでみたいと思っている若い人も少なくないとは思うが、読むためには、結構なプレミア価格のついた古本を買うしかない。  そんな現状を憂えた『キャンディ・キャンディ』ファンが、個人で所有するキャンディ・グッズを大放出し展覧会を開催しているという。……もはや作者や出版社、アニメ会社主催では開催不可能な状態にある『キャンディ・キャンディ』展だが、あくまでファンが個人的に行う非営利展覧会ということで強行開催しているという。そりゃあよっぽど熱いファンがやってるんだろうな、と思い見に行ってきたのですが、主催者は……女装したおっちゃんでした。
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この人が主催者さんです。
■キャンディおじさん、著作権問題を憂える!  こちらが『キャンディ・キャンディ』コレクション展の主催者であるキャンディ・H・ミルキィさん。フリフリの衣装にリボン&カチューシャという完全なる女装をしているわりに、顔はまるっきりおっさん。原宿などでもフツーにこの格好で歩いているため「キャンディおじさん」などと呼ばれ、名物おじさん化しているお方だ。  このキャンディおじさんの存在は知ってたけど、キャンディ・キャンディ・コレクターだったとは知らなかった。まあ、考えてみれば「キャンディ」って名前はそのまんまだしね。
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オネエ言葉を使うわけでもないから、余計にインパクト大なんですよ。
――やっぱりその女装も『キャンディ・キャンディ』の影響から? 「いや、女装は『キャンディ・キャンディ』と出会う前からです。子どもの頃から姉の洋服とか着てましたから。女装はただの病気です。そして『キャンディ・キャンディ』は宗教だと思ってます」 ——―それじゃ『キャンディ・キャンディ』との出逢いは? 「大人になってからなんですよ。確か27~28歳の頃。昭和59年くらいだと思いますが、アニメの再放送を見たら『キャンディ・キャンディ』って、こんなにいい話だったんだ……と」 ——―少女漫画には、もともと興味があったんですか? 「いや、全然ないですよ。今も『キャンディ・キャンディ』以外の少女漫画には興味ないですから。水木先生、いがらし先生の、ほかの作品も読んでませんもん」 ――あ、そうなんですね。じゃあ、それまでは普通に少年漫画とかを……? 「戦闘機マニアなんで『紫電改のタカ』(ちばてつや先生の戦争漫画)とかが大好きでした。でも『キャンディ・キャンディ』ってストーリーも壮大だし、第一次世界大戦時を舞台にしてて、当時の戦闘機がリアルに描かれているんですよ。いがらし先生の画力のおかげだと思いますけど、これはソッピースキャメルだ、フォッカーDr.1だ……ってちゃんと分かるくらい正確に描かれているんですね。アレは男も狂わせますよ」 ――それでハマッて、グッズのコレクションを始めたと。 「いや、特にグッズには興味がなかったんですけどね。時を同じくして、初めて女装趣味の人たちが集まる女装クラブに行きまして……」 ――おっと、話が急展開しましたね。 「そこで女装ネームをつけることになり、どうしようかなー……と考えた時に思いついたのが『キャンディ』っていう名前だったんですよ。そのクラブには『加賀美あつ子』(ひみつのアッコちゃん)とか、漫画の名前をつけてる人も多かったんで。で、そういう名前をつけてると、周りが、好きでしょ? って『キャンディ・キャンディ』グッズをくれるようになるんですよ。もともとコレクター気質はあったんで、ちょっと数が揃ってくるとハマッちゃうんですね。それから、自分でも買い集めるようになりました。だから、ボクのコレクションはリアルタイムで買ったものではなくて、後から中古で買ったものばかりなんですよ」 ――この『キャンディ・キャンディ』コレクション展はもう何回も開催されているそうですが、なぜ始めようと思ったんですか? 「それはやっぱり、『キャンディ・キャンディ』を読みたくても読めない現状を、なんとかしたいと思ってるからです。これだけ多くの読者にとって思い入れがある作品を、作者たちのトラブルで勝手に封印されちゃ困るんですよ! 今、コミックスもビデオも手に入らないし、倉敷にある『いがらしゆみこ美術館』にも『キャンディ・キャンディ』の展示はないんです。原作者と作画家が揉めたせいで、出版社やテレビ局も触れられない、こんなアンタッチャブルな作品になっちゃった。じゃあどうすればいいかと考えたら、ファンが非営利で勝手にやるしかないんですよ。これで『キャンディ・キャンディ』を盛り上げていって、水木先生といがらし先生に和解してくれとは言いいませんが、せめて復刊のオッケーは出してもらって、誰でも気軽に読める状態に、後世に伝えられる状態にしてもらいたいですね」
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著作権問題を真面目に訴えるキャンディおじさん。
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紙芝居にして、著作権問題を分かりやすく解説しているそうです。
  ■グッとくるコレクションたち  藤子不二雄のコンビ解消後、著作権の複雑さから、長らく『オバケのQ太郎』が封印状態となっていた(現在は『藤子・F・不二雄全集』で復刻済み)時期を知る藤子ファンのボクとしても、読みたい漫画を簡単に読むことのできないつらさはすごく分かる。  出版社もテレビ局もビビッてもう触れようともしない『キャンディ・キャンディ』だが、水木、いがらし両先生とも、コミックスの復刊に関しては交渉をする気がないわけではないらしい。どこか勇気のある出版社が手を挙げれば、可能性も……。タブーに切り込むサイゾーさん、どーですかね!?  ま、それはそうとして、展示されていたキャンディおじさんのコレクションたちがなかなかすごかったので、最後にそちらも紹介させてもらいましょう。
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連載当時の「なかよし」や単行本。グッズがギッシリ!
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あんまり似てない当時モノのキャンディ人形たち。
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こちらも造形がヤバイ! キャンディ・シャンプー。
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もはや誰だか分からないキャンディふりかけ。
そばかすというか、クリリンのお灸の跡ですよ。
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ダン池田と近江俊郎……キャンディ要素が薄すぎる「スターカラオケ歌合戦」。
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申し訳程度にテーマ曲が入ってるけど……
ピンク・レディーのグッズをシール貼り替えただけでしょ!?
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尋常じゃない感じの刺繍が入ったキャンディ水着。
当時はパチモンも多かったらしいですから……。
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キャンディおじさんいわく「いがらし先生の名前を先に表記しているのは、
オフィシャル商品じゃない可能性が高いです」とのこと。
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取材を終えると、キャンディおじさんはコレクション展の宣伝と
著作権問題のアピールのために、街に繰り出していきました。
i01candycandy.jpg (取材・文・写真・イラスト=北村ヂン) 「突撃取材野郎!」過去記事はこちらから

新しくなった東京拘置所でムショ飯を食う

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やって来たぜ、東京拘置所!
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第19回は、「東京拘置所」に行ってきました。 ■拘置所の敷地内に入れるイベントが!  拘置所や刑務所に対して、どんなイメージを持っているだろうか?  拘置所、刑務所なんて、安部譲二の小説『塀の中の懲りない面々』や花輪和一の漫画『刑務所の中』、はたまた映画『ショーシャンクの空に』など、小説や漫画、映画の世界では結構なじみがあるものの、普通に生活している一般人にとってはまず縁のない世界だろう。とはいえ、ちょっと魔が差したりしたらイヤでも入れられてしまうんだけど。まさに日常と壁一枚へだてたワンダーランドだ。  そんな拘置所や刑務所の中に入ることのできる機会があったとしたら……イヤイヤ、ガチで収監されるのはイヤだけど、ちょろっと中をのぞける機会があったら、のぞいてみたいでしょ?  つーわけで、今年の3月に新庁舎が完成したばかりの東京拘置所の敷地内に一般人が入ることができる初のイベント「東京拘置所矯正展」が開催されると聞きつけ、早速突撃してきた。 ■チー様に拘置所が熱狂  大幅な改修工事後「周囲に威圧感を与えないように」ということで外塀が取り払われており、かなり開放的な印象……だが、肝心の庁舎自体は脱走等をガッチリ防げそうな、ズドーンとそびえ立つ「要塞」といった感じの建物。うーん、カッコイイ! 普通に観光スポットとしても成り立ちそうなほどナイスな建造物だ。
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まさに要塞……カッコイイ。
 さて、この「矯正展」だが、全国の刑務所で受刑者が制作した「刑務所作業製品」の展示・即売などを行うことによって、拘置所や刑務所といった矯正施設への理解を深めてもらうためのイベント……という情報を聞いていたので、わりと真面目でおごそかなイベントなのかなと予想しながらやって来たのだが、到着した会場は妙な熱気でムンムンだった!
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拘置所でのイベントなのに大熱狂。
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イベントの趣旨が……。
 集まった来場者たちからは「千春ーッ!」「チー様!」といった声援が上がっているし……。そう、今回の矯正展ではオープニング・テープカットのゲストとして歌手の松山千春さんが招かれていたのだ(しっかし松山千春のこと、ファンは「チー様」って呼ぶんだねぇ)。
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松山千春が登場! 連行されてるわけじゃないよ。
「いやー暑いですね、お前らは髪の毛があるからいいけど、オレは直接日光が当たるから暑くて暑くて……」  お上の施設でやってるイベントとは思えない、いきなりのツルッパゲ・ジョークで会場は、はやくもつかみはオッケーのドッカンドッカン状態。たたみかけるようにチー様は、 「今日は別に、オレが収容されるってわけじゃないですからね」 「この新しくなった東京拘置所も、塀もなくなって気軽に立ち寄れるようになってね……気軽に立ち寄っちゃマズイか」  などと、職員たちがビミョーに苦い表情を浮かべる中、拘置所ギャグを飛ばしまくり。ご機嫌になったチー様は、唐突に名曲「大空と大地の中で」をアカペラで歌い上げる。
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チー様熱唱!
「いつの日か幸せを自分の腕をつかむよう〜♪」  予定していなかった歌の披露にちょっといい雰囲気にはなったものの、そこまでのトークをフォローしきれてはいなかった気が……。  その後、チー様が各ブースを回って刑務所作業製品を視察するという予定になっていたのだが、ウワーッと殺到した熱狂的なファンたちで大混乱状態に。途中で中止となり、早々に帰っていった。普段、受刑者たちをビシビシ仕切っている職員さんたちも、熱狂的なファンには勝てなかったようで。
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ザ・パニック
■受刑者のアイドル・オン・ステージ  もちろん、チー様が帰ってからもみどころは満載。まず向かったのが、メインステージで行われていたPaix2(ぺぺ)という女性デュオのライブ。なんでも、刑務所などへの慰問活動(プリズンコンサート)をメインに活動しており「受刑者のアイドル」なんて呼ばれているんだとか。シャバでライブを観る機会はあまりなさそうだし、これは観るしかッ!
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「Live in Tokyo」の間違いじゃないの? と思いきや、
「Live in 東拘(東京拘置所)」ってことか。
 ……と、思ったもののPaix2のライブ時間になった途端、急に大雨が降り出したのだ。野外ステージ前で待機していた観客たちも屋根のある場所に避難してしまい、ステージ前はガラガラに。タイムテーブルは決まっちゃってるので、そんな状況でもライブをはじめるしかないのだけれど、さすがにコレはやりづらい。
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突然のどしゃ降りだが……。
 しかしそこは、さらにライブをやりづらい刑務所での慰問で鍛えられているふたり(刑務所では座席を立つことも、声を出すことも禁止されてるらしいから……)。大雨などモノともせず、満面の笑みで元気いっぱいライブを開始。「テントの中からでもいいから手拍子して下さ〜い!」などと盛り上げていく。  やがて雨も収まっていき、ステージ前にお客さんが少しずつ戻ってきた。そこで最後の曲。刑務所でもいつも歌っているというキラーチューン「元気だせよ」。……刑務所で元気だせるかなぁ?
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げーんーきーだーせーよー!
 ところでライブ中、すごく気になったのはステージ前に陣取って振り付けを完全コピーしているおじいちゃんがいたこと。ま……まさか塀の中でライブを観てファンになった方なのではッ!? ■オレんちの食事よりもウマいぞ「プリズン弁当」  続いてのお目当ては、この手のイベントでの定番「B級グルメ」。最近のブームのせいで、どこのお祭りに行ってもいろんな地方のB級グルメの屋台が出ているが、さすが東京拘置所でのイベント、ほかでは絶対にお目にかかれないB級グルメ(?)が販売されていた。その名も「プリズン弁当」!
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 おそらく、刑務所内で受刑者たちが食べているメニューを模した弁当ということなのだろう。麦まじりのご飯に豚の味噌焼き、切り干し大根、漬け物と、町のお弁当屋さんでもかなりオカズが豪華になっている昨今において、相当ショボイ。350円と安めな値段であることを考えても、町中で売られていたらおそらく買わないであろう内容。  ところが、完全にネーミングの勝利! ほかの有名B級グルメを差し置いて、信じられないような大行列ができていた。えーっ、みんなあのショボイ弁当(失礼)そんなに食いたいの!? まあ、ボクも「プリズン弁当」という名前のみに惹かれて30分並んで買ったけどね。(「何かくれるの? 何かくれるの?」と、タダで何かもらえると勘違いして並んでたオバハンも結構いたけど)
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すさまじい行列が……ショボイ弁当なのに。
 さて、肝心の味はというと……見た目のショボさに反してすごく美味しいの。本当にこの通りのメニューが刑務所内で出されているのかどうか定かではないけど、このレベルのメシがコンスタントに出てくるなら「とりあえず屋根があってメシが出てくるから……」と何度も犯罪を繰り返して刑務所に戻ってきてしまう人がいるっていうのもちょっと納得してしまう。  ……だって、ビンボー男子のひとり暮らしの食生活なんて、コレよりはるかに悲惨よ。
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これが「プリズン弁当」だ!
■ボクの犯罪的な性格が白日の下に……!?
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各刑務所で製作された「刑務所作業製品」が販売されている。
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こんな芸術的な製品も。サイズ等、オーダーメイドできるらしいですよ。
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どさくさに紛れて自動車も売られていたけど……
コレは刑務所関係ないよね?
 ブランニュー・東京拘置所の初イベントということで、かなり気合いを入れて開催された「矯正展」だけに、ほかにもいろんな催し物が盛りだくさんだったのだが、中でも特に心をわしづかみにされたのが「性格検査体験コーナー」。  要は、受刑者の性格診断で使用されているのと同じ検査方法によって自分の性格を知ることができるということなんだけど、コレ、心の中のものすごーくヤバイ部分が白日の下にさらされちゃったりするんじゃないの!? こ……怖いわー!
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せ……性格検査……。
 知りたいような、知りたくないような自分の心の中。でもまあ、取材だからと覚悟を決めて検査を受けてみることに。  検査の方法は、「どんなひどいことをされても相手をうらまない」「どんなに腹が立ってもいつもニコニコしている」といった質問に対し、マークシートで「はい」「いいえ」「?」を選んでいくというもの。コレ、「いいえ」にマークしたら明らかに結果が性格悪い方向に行くと思うんだけど……でも「どんなひどいことをされても相手をうらまない」「どんなに腹が立ってもいつもニコニコしている」ヤツなんているか!?  そんな感じで「こっちにマークしたら性格悪いことにされるだろうなぁ……」と思いつつも、正直にマークしていく。さて、その結果は……コレがなかなか出てこなかったんだ。マークシートを読み込む係の人が機械に慣れてないんだか、機械が調子悪いんだかで全然結果をもらえやしない! イライライライラ! 会場を再び一回りして戻ってきてもまだ結果が出ていない。結局、1時間近く待たされてやっと結果の紙をもらうことができた。……ったく! ……ったく!  そんで、その結果は……。
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「怒りっぽさ」「良く見せたい気持ち」が最高レベル……当たってるやんけ!
 とまあ、いろいろな催し物があって予想外に楽しめた「東京拘置矯所正展」。ただひとつ残念だったのは、拘置所の敷地内や周辺施設には入ることができたものの、肝心の庁舎や受刑者が収容されている部屋に入ることができなかったということ。まあ、セキュリティーとかいろいろ問題があんでしょうけど、それでもせっかく東京拘置所でやってるイベントなんだから、そこまで見たいよ!  うーん、やっぱりさらに詳しく中までウォッチするためには実際に収容されるしか……それはイヤだーっ。
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こんな模型は展示してありましたけど、やっぱり実物が見たいよ!
i01kouchisyo.jpg (取材・文・写真・イラスト=北村ヂン) ●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第18回】想像を超えるミラクル・ショー! ロボットレストランに潜入 【第17回】東京に宇宙人がいた!? 宇宙村レポート 【第16回】東京スカイツリー開業! その時、東京タワーは…… 【第15回】着ぐるみってどうやって作ってるの? 着ぐるみ制作会社に潜入! 【第14回】プロマイドの殿堂・マルベル堂で俺プロマイドを作る 【第13回】名古屋駅より徒歩5分。1泊1,500円〜のバカ安ホテルに泊まる 【第12回】大阪にそびえ立つ変な形の謎タワーに登ろうとしてきた! 【第11回】藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市! 【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた 【第9回】男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい! 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

想像を超えるミラクル・ショー! ロボットレストランに潜入

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ロボットレストランとは一体……!?
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第18回は、話題沸騰中の「ロボットレストラン」に行ってきました。 ■うわさのロボットレストランとは……?  先日からネットを騒がせている、とあるレストランをご存じだろうか。料理が激ウマ? 雰囲気がすごくイイ? 超リーズナブル? ……そういう類の話題ではない。そのレストラン、とにかくいろんな意味で相当どーかしているらしいのだ。その名も「ロボットレストラン」! ロボットが料理を作ってくれるのか、ウェイトレスがロボットなのか、はたまたレストラン自体が変形してロボットになってしまったりするのか……店名からして謎は深まるばかり。  7月18日のオープンに先駆け、超爆乳の巨大女ロボットを搭載したトレーラーが都内各所に出没して「なんだアレは!?」と、Twitter上などで話題騒然となっていた「ロボットレストラン」だが、その宣伝方法だけではなく、お店自体もメガトン級にスゴイらしいのだ。こ……コレは行くっきゃ騎士(ナイト)!
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看板もすさまじいインパクト。
 さて、問題の「ロボットレストラン」があるという新宿・歌舞伎町へやって来たところ、この不景気な時代にあって、依然ネオンがギラギラビカビカで活気のある不夜城・歌舞伎町の中でもケタ外れにビッカビカなお店が。ムムム、ここかッ!? うわさによると、総工費100億円をつぎ込んだともいわれている、この「ロボットレストラン」。一体、いかなる店なのか!?
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『スター・ウォーズ』のストーム・トルーパーっぽい人が
客引きをしていた(ロボットではないよね?)
■いきなりギラギラ&ビカビカ過ぎ!  店内に足を踏み入れると、いきなり上半身が爆乳ギャル、下半身がロボットという、21世紀のマーメイドとでもいうべき巨大なロボット女がお出迎え。このロボ女、機械化された下半身に取り付けられたタイヤで、縦横無尽に動き回ることができる『装甲騎兵ボトムズ』のアーマードトルーパーもビックリなマシーンなのだ。
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高さ約3メートルほどの巨大ロボ女が!
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待合室からもう、狂おしいまでにギラギラ!
 そして、いよいよショーがスタート! 爆音で流れる和風アレンジのロックと共に、おっぱいをブルンブルン振り乱したギャルたちが登場し、和太鼓&ドラム、マーチングバンド、フラッグ・パフォーマンスを繰り広げる。中でも圧巻だったのが、ターンテーブルの上に乗せられた4台のドラムがグルングルン回転しながらの演奏。もちろん照明は、そこいら中がギラギラのビカビカで、調子悪い人が来たら泡吹いてぶっ倒れちゃうんじゃないかというくらいのド派手っぷり。
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爆音と共に飛び出してきたおっぱいギャルたち。
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パフォーマンスのテーマは「女戦」。
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4台のドラムセットがグルングルン周りながら演奏を繰り広げる。
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ホール中を舞い踊る龍!
 
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なぜかマーチングバンドまで登場。
 パフォーマンスの完成度も高く、オリエンタルな雰囲気で外国人が見たら大喜びしそうな内容ではあったものの、ここまでロボット要素は一切ナシ。あれ、ロボットは? ロボットレストランなのに……!? ■遂にロボットが登場  結局、ロボットの出番はないままに前半のショーが終了。これはもしかして、客引きのために店先に鉄道模型は置いてあるものの、そのほかには鉄道要素がまったくない「鉄道喫茶」的なことなのか? ……と若干不安になっていると、スタッフから「この前をロボットが通りますんで、少し後ろに下がって下さい」との指示が。うおおおおっ! 遂に出てくるのか、ロボットッ!
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動くぞ、コイツ!?
 再びBGMが爆音で流れ出すと、巨大女ロボにギャル(ホントの人間ね)が2人、タンデム状態で乗り込み、動き出したッ! これはまさに「巨大女ロボ、大地に立つ!!」。もしくは、ギャル(ロボ)、ギャル、ギャルのギャル三連星だ。  目がチカチカするほどの照明の中、巨大女ロボが客席の前をグイングイン動き回り、ももいろクローバーZの「Z伝説〜終わりなき革命〜」……っぽいBGM(絶対インスパイアされてるハズ!)に合わせてギャルたちが踊りまくる! 現実離れしまくった光景は、エレクトリカルな竜宮城とでもいうべきか。うーん、ここは天国……!? 想像を遙かに上回るショーに思考回路はショート寸前。の……脳がしびれるッ!
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ロボット自体も電飾でビッカビカ!
 さらにたたみかけるように突入した「戦争ダンス」(なんちゅう名前だ!)なるパフォーマンスは、アーミー風のセクシー衣装のギャルが踊り狂う中、第二次世界大戦中のアメリカ軍主力爆撃機・B-29を思わせる戦闘機が動き出す……ギャルを鈴なり状態でぶら下げて。
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うわーっ! 店内でバイクを乗り回すアーミーギャル。
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B-29(?)に鈴なり状態でギャルがぶら下がって登場。
 驚いているヒマもなく、ステージ後方の扉がバカーンと開き、電飾全開の戦車まで登場。当然こちらもギャルを満載! まさに『馬鹿が戦車でやってくる』ならぬ「ギャルが戦車でやってくる」状態だ。
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ギャルが戦車でやってくる!
 お客さんたちの頭上を通り過ぎるB-29&鈴なりギャルズ(尻がホント頭のすぐ上に!)、そして目の前のフロアを進んでいくエレクトリカル戦車。さらに客席を取り巻くように小型ロボに乗ったギャル達もギュンギュン回る。BGMはもちろん(?)「檄!帝国華撃団」(『サクラ大戦』の主題歌)……これが「鋼鉄に武装する乙女」ってヤツか!? 戦争……というよりは、もはやハルマゲドンだよ!
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小型ロボットに乗ったギャルも。
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いいなぁ~、このロボット。
■総工費100億円ってホント!?  しかし、バブル全盛期ならともかく、こんだけ不景気だといわれている時代に、総工費100億円(!?)のバブリーにもほどがあるお店をどうして作ってしまったのだろうか!? お店のスタッフさんを直撃してみた。 「さまざまなエンタメ系飲食店を手がけてきたオーナーが、その総決算としてやりたいことをすべて詰め込んだのがこのロボットレストランなんです」  確かに、ロボット、おっぱい、バイク、戦車、飛行機と、男の夢とロマンが過剰なまでに詰め込まれているすさまじいショーだった。ところで、総工費100億円というのはホントなの? 「このビルを建てるための用地の買収や、建設費などを含めての値段ですが、確かにそれくらいはかかっていると聞いています」  ちなみに、あの巨大女ロボットは1台数千万クラスの開発費がかかっているとのこと。これだけお金をかけたショーを、フード、ドリンク付き3,000円で見られるというのは明らかに安い! ……というか、採算取れているのか心配になってしまうほどだけど。  さ、最後にお願いがあるんですけど……。このロボット、乗っちゃダメっすか? 「いいですよー!」
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う……うれしいッ! この日ほど、ライターになって
よかったと
思った日はありませんでしたよ。
■ロボットレストラン 住所:東京都新宿区歌舞伎町1ー7ー1 新宿ロボットビルB2F 電話:03-3200-5500(予約 9:00〜24:00) 営業日、ショーのスケジュールなどはサイトを参照して下さい。 <http://www.shinjuku-robot.com/> i01roboto.jpg (取材・文・写真・イラスト=北村ヂン) ●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第17回】東京に宇宙人がいた!? 宇宙村レポート 【第16回】東京スカイツリー開業! その時、東京タワーは…… 【第15回】着ぐるみってどうやって作ってるの? 着ぐるみ制作会社に潜入! 【第14回】プロマイドの殿堂・マルベル堂で俺プロマイドを作る 【第13回】名古屋駅より徒歩5分。1泊1,500円〜のバカ安ホテルに泊まる 【第12回】大阪にそびえ立つ変な形の謎タワーに登ろうとしてきた! 【第11回】藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市! 【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた 【第9回】男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい! 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

想像を超えるミラクル・ショー! ロボットレストランに潜入

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ロボットレストランとは一体……!?
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第18回は、話題沸騰中の「ロボットレストラン」に行ってきました。 ■うわさのロボットレストランとは……?  先日からネットを騒がせている、とあるレストランをご存じだろうか。料理が激ウマ? 雰囲気がすごくイイ? 超リーズナブル? ……そういう類の話題ではない。そのレストラン、とにかくいろんな意味で相当どーかしているらしいのだ。その名も「ロボットレストラン」! ロボットが料理を作ってくれるのか、ウェイトレスがロボットなのか、はたまたレストラン自体が変形してロボットになってしまったりするのか……店名からして謎は深まるばかり。  7月18日のオープンに先駆け、超爆乳の巨大女ロボットを搭載したトレーラーが都内各所に出没して「なんだアレは!?」と、Twitter上などで話題騒然となっていた「ロボットレストラン」だが、その宣伝方法だけではなく、お店自体もメガトン級にスゴイらしいのだ。こ……コレは行くっきゃ騎士(ナイト)!
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看板もすさまじいインパクト。
 さて、問題の「ロボットレストラン」があるという新宿・歌舞伎町へやって来たところ、この不景気な時代にあって、依然ネオンがギラギラビカビカで活気のある不夜城・歌舞伎町の中でもケタ外れにビッカビカなお店が。ムムム、ここかッ!? うわさによると、総工費100億円をつぎ込んだともいわれている、この「ロボットレストラン」。一体、いかなる店なのか!?
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『スター・ウォーズ』のストーム・トルーパーっぽい人が
客引きをしていた(ロボットではないよね?)
■いきなりギラギラ&ビカビカ過ぎ!  店内に足を踏み入れると、いきなり上半身が爆乳ギャル、下半身がロボットという、21世紀のマーメイドとでもいうべき巨大なロボット女がお出迎え。このロボ女、機械化された下半身に取り付けられたタイヤで、縦横無尽に動き回ることができる『装甲騎兵ボトムズ』のアーマードトルーパーもビックリなマシーンなのだ。
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高さ約3メートルほどの巨大ロボ女が!
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待合室からもう、狂おしいまでにギラギラ!
 そして、いよいよショーがスタート! 爆音で流れる和風アレンジのロックと共に、おっぱいをブルンブルン振り乱したギャルたちが登場し、和太鼓&ドラム、マーチングバンド、フラッグ・パフォーマンスを繰り広げる。中でも圧巻だったのが、ターンテーブルの上に乗せられた4台のドラムがグルングルン回転しながらの演奏。もちろん照明は、そこいら中がギラギラのビカビカで、調子悪い人が来たら泡吹いてぶっ倒れちゃうんじゃないかというくらいのド派手っぷり。
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爆音と共に飛び出してきたおっぱいギャルたち。
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パフォーマンスのテーマは「女戦」。
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4台のドラムセットがグルングルン周りながら演奏を繰り広げる。
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ホール中を舞い踊る龍!
 
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なぜかマーチングバンドまで登場。
 パフォーマンスの完成度も高く、オリエンタルな雰囲気で外国人が見たら大喜びしそうな内容ではあったものの、ここまでロボット要素は一切ナシ。あれ、ロボットは? ロボットレストランなのに……!? ■遂にロボットが登場  結局、ロボットの出番はないままに前半のショーが終了。これはもしかして、客引きのために店先に鉄道模型は置いてあるものの、そのほかには鉄道要素がまったくない「鉄道喫茶」的なことなのか? ……と若干不安になっていると、スタッフから「この前をロボットが通りますんで、少し後ろに下がって下さい」との指示が。うおおおおっ! 遂に出てくるのか、ロボットッ!
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動くぞ、コイツ!?
 再びBGMが爆音で流れ出すと、巨大女ロボにギャル(ホントの人間ね)が2人、タンデム状態で乗り込み、動き出したッ! これはまさに「巨大女ロボ、大地に立つ!!」。もしくは、ギャル(ロボ)、ギャル、ギャルのギャル三連星だ。  目がチカチカするほどの照明の中、巨大女ロボが客席の前をグイングイン動き回り、ももいろクローバーZの「Z伝説〜終わりなき革命〜」……っぽいBGM(絶対インスパイアされてるハズ!)に合わせてギャルたちが踊りまくる! 現実離れしまくった光景は、エレクトリカルな竜宮城とでもいうべきか。うーん、ここは天国……!? 想像を遙かに上回るショーに思考回路はショート寸前。の……脳がしびれるッ!
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ロボット自体も電飾でビッカビカ!
 さらにたたみかけるように突入した「戦争ダンス」(なんちゅう名前だ!)なるパフォーマンスは、アーミー風のセクシー衣装のギャルが踊り狂う中、第二次世界大戦中のアメリカ軍主力爆撃機・B-29を思わせる戦闘機が動き出す……ギャルを鈴なり状態でぶら下げて。
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うわーっ! 店内でバイクを乗り回すアーミーギャル。
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B-29(?)に鈴なり状態でギャルがぶら下がって登場。
 驚いているヒマもなく、ステージ後方の扉がバカーンと開き、電飾全開の戦車まで登場。当然こちらもギャルを満載! まさに『馬鹿が戦車でやってくる』ならぬ「ギャルが戦車でやってくる」状態だ。
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ギャルが戦車でやってくる!
 お客さんたちの頭上を通り過ぎるB-29&鈴なりギャルズ(尻がホント頭のすぐ上に!)、そして目の前のフロアを進んでいくエレクトリカル戦車。さらに客席を取り巻くように小型ロボに乗ったギャル達もギュンギュン回る。BGMはもちろん(?)「檄!帝国華撃団」(『サクラ大戦』の主題歌)……これが「鋼鉄に武装する乙女」ってヤツか!? 戦争……というよりは、もはやハルマゲドンだよ!
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小型ロボットに乗ったギャルも。
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いいなぁ~、このロボット。
■総工費100億円ってホント!?  しかし、バブル全盛期ならともかく、こんだけ不景気だといわれている時代に、総工費100億円(!?)のバブリーにもほどがあるお店をどうして作ってしまったのだろうか!? お店のスタッフさんを直撃してみた。 「さまざまなエンタメ系飲食店を手がけてきたオーナーが、その総決算としてやりたいことをすべて詰め込んだのがこのロボットレストランなんです」  確かに、ロボット、おっぱい、バイク、戦車、飛行機と、男の夢とロマンが過剰なまでに詰め込まれているすさまじいショーだった。ところで、総工費100億円というのはホントなの? 「このビルを建てるための用地の買収や、建設費などを含めての値段ですが、確かにそれくらいはかかっていると聞いています」  ちなみに、あの巨大女ロボットは1台数千万クラスの開発費がかかっているとのこと。これだけお金をかけたショーを、フード、ドリンク付き3,000円で見られるというのは明らかに安い! ……というか、採算取れているのか心配になってしまうほどだけど。  さ、最後にお願いがあるんですけど……。このロボット、乗っちゃダメっすか? 「いいですよー!」
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う……うれしいッ! この日ほど、ライターになって
よかったと
思った日はありませんでしたよ。
■ロボットレストラン 住所:東京都新宿区歌舞伎町1ー7ー1 新宿ロボットビルB2F 電話:03-3200-5500(予約 9:00〜24:00) 営業日、ショーのスケジュールなどはサイトを参照して下さい。 <http://www.shinjuku-robot.com/> i01roboto.jpg (取材・文・写真・イラスト=北村ヂン) ●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第17回】東京に宇宙人がいた!? 宇宙村レポート 【第16回】東京スカイツリー開業! その時、東京タワーは…… 【第15回】着ぐるみってどうやって作ってるの? 着ぐるみ制作会社に潜入! 【第14回】プロマイドの殿堂・マルベル堂で俺プロマイドを作る 【第13回】名古屋駅より徒歩5分。1泊1,500円〜のバカ安ホテルに泊まる 【第12回】大阪にそびえ立つ変な形の謎タワーに登ろうとしてきた! 【第11回】藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市! 【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた 【第9回】男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい! 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

東京に宇宙人がいた!? 宇宙村レポート

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宇宙村村長の、カゲローカッパこと景山さん……
キャラ強すぎるよ!
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第17回は、摩訶不思議な宇宙村に行ってきました。 ■謎すぎる……宇宙人の経営する店「宇宙村」
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コレが宇宙村の中枢部。な……謎すぎる!
 東京に宇宙人がいた! こんな衝撃的なレポートを「月刊ムー」ではなく「日刊サイゾー」で書くことになろうとは……。  UFOと遭遇したというコンタクティや、宇宙人とコミュニケーションを取ることができるチャネラーなどの話は時々聞くことがあるが(たいていは、ただ単にオーバードライブ気味な脳の持ち主なんだけど)、宇宙人自体が東京にやって来ていたなんて……。その昔、岡本太郎がデザインした宇宙人・パイラ人が大活躍する『宇宙人東京に現わる』という映画があったけど、「現わる」どころの騒ぎじゃない。だって、宇宙人が東京に住んでるんだもん。しかも、お店までやっているらしいのだ。  オリオン座大星雲M42α-α-α(住所らしい)からやって来たという問題の宇宙人「カゲローカッパ」が経営するお店は、東京・新宿御苑近くにある「宇宙村」。「宇宙」から感じる壮大かつ未来的な響きと「村」という言葉の持つ牧歌的なイメージ、あまりにも食い合わせの悪いワードをムリヤリくっつけた「宇宙村」とは一体いかなるお店なのか!?
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思ってたんと違う!
 新宿通りに面したビルの一階という、かなりの一等地に存在する「宇宙村」だが、ショーウィンドウをのぞき込むと、古そうなツボやら仏像やらがズラズラーッと陳列されており、「宇宙村」というよりは古美術商や骨董品屋といった風情。しかも看板には「願いが叶う隕石」「流れ星パワーお守り・シール」などの文字が並べられ、印象としては……ワンワードで表現するならば「アヤシイ!」、ツーワードならば「チョー・アヤシイ!」としか言いようがない感じ。
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古美術? 骨董? 仏像? 流れ星パワー?
■宇宙人・カゲローカッパとご対面  少々、デンジャラスなニオイを感じ取りながら、おずおずと店に入ると、いきなりファンキー&エキセントリックなファッションのおっちゃんが出迎えてくれた。 「んんーっ、誰ぇ~? えっ、取材? そんなの聞いてないなぁ~。あ、電話くれた? そうだっけぇ~?」  イヤイヤイヤイヤ、取材が来るの分かってるから、そうやって衣装を着て待っててくれたんでしょう!? そんな人を煙に巻きまくるトークでウェルカムしてくれたこのおっちゃんこそ、自称宇宙人・カゲローカッパこと景山八郎さん。う……宇宙人……!?
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宇宙村……?
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……というよりは古美術商、もしくは物産展といった趣が。
 それにしても「宇宙村」なんてスペイシーかつコズミックな名前がつけられているわりに、店内は仏像や変な形をした石ばかりで、スペースシャトルもUFOもありゃしない。一体、コレのどこが宇宙だっていうんだろーか? 「あ、その石、宇宙から落ちてきた隕石!」  へ、コレが!?
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仏像たちに混じってシレッと置かれている隕石。
 子どもの頃から天文学に興味を持っていたという景山さんは、その後ロケットを作ったり、人工衛星関連の仕事に就いたりと、宇宙を研究し続けていたのだが、ある時「宇宙のことを知るためには、ロケットを飛ばすよりも隕石を調べたほうがいいッ! だって宇宙にあったんだから!」と悟り、隕石のコレクションを開始。やがて隕石に人の願いを叶えるパワーがあることを発見して、その幸せパワーをみんなに分けてあげるために、この「宇宙村」を始めたのだという。
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若かりし日のおっちゃん。こんなロケットを作っていたらしい。
スゲエ!
「こんな大きくてイイ隕石は普段は売らないんだけどねぇ、アンタになら売ってもイイよぉ~、560万円! どう、買わない? こんなのタダみたいなモンだよぉ。自分でロケット打ち上げて宇宙に隕石を取りに行くことを考えたら……」
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この隕石が560万円だ! ……安い?
 あ、はい……確かにロケット打ち上げることを考えれば560万円なんてタダみたいなモンだけど、ロケットを打ち上げる気がない身としては560万円は560万円だからねぇ……。えーっと、じゃあ隕石に関してはひとまずいいとして、この大量の仏像たちは……コレも宇宙から来たの? 「そんなワケないでしょぉ~、バカタレ。仏教でもキリスト教でも、死んだら天国に行くっていうでしょ? 天国っていうのは要するに宇宙のことなんだよぉ~。だから、仏像でもなんでも、みんな宇宙と関係があるんだよぉ~」 ■宇宙パワーに頭クラクラ
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隕石パワーを注入されているという「宇宙パワーシール」(1組100円~)。
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お手頃な小さい隕石も販売中(500円~)。
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なんと隕石で作ったナイフなんだとか(価格不明)。
 隕石や仏像に、パワーシール……ボクのような凡人の脳には負荷が高すぎるアイテムばかりで知恵熱出そう。さらに、たたみかけるように水(?)らしきものを差し出してきた。 「コレ飲んでけぇ~。隕石パワーが入った水!」  い、隕石パワー……水……?
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隕石パワー水! フツーの水にしか見えないけど……?
「隕石パワーで水の粒子が小さくなってるから、どんどん身体にしみこんでいろんな病気に効果があるんだよぉ~」  味がまろやかになる、と言われ飲んでみると……まあ、そう言われればそう感じるような感じないような? そもそも「まろやか」ってどんな味!? バカ舌なんであんまよく分からないけど……。  ところでこの隕石パワー水、どのようにして作られているかというと、ペットボトルに入れた水を隕石の近くに置いておくだけ! これによって隕石から発せられるミラクルパワーで水が変質するのだとか。ちなみに、「下町のナポレオン」でお馴染みの焼酎「いいちこ」も、隕石の近くに置いておくことによって特級酒のようになる(「特級酒」って、日本酒の等級だったような……)らしいぞ。
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「売るとしたら3億5,000万円」という貴重な隕石の上に
下町のナポレオンが……。
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金属質と石質が混ざっているためスライスするとこんな
感じに。「イミラック」という珍しい隕石らしいです。
「糖尿病って、下が勃たなくなっちゃうでしょ? でもコレ飲んだお客さんが一発で治って、硬くなったって喜んでたよぉ~。飲むだけじゃなくて、肌に塗っても効果があるからね。ワタシなんか毎日塗ってるから、75歳だけどアンタより肌キレイだよ。足の裏だってアンタの顔よりキレイだよぉ~。身体が中から外からキレイになっちゃうんだよぉ~」  足の裏より汚い顔扱いされ、いささかショックを隠しきれないものの、そんなにスゴイスゴイと言われると、ちょっと隕石にも興味が出てくるってもの。
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確かに75歳にしてはすごく血色いい!
 ま、基本的にスピリチュアルなものに対しては眉唾眉唾というポジションで接しているし、出雲大社あたりのパワースポットで諸手を広げ「パワーの充電! 充電!」とか叫んでいる頭も股もユルユルそうな女には「何が充電じゃ! お前はエネループか、ダボ!」くらいのことは言ってやりたいと思っているボクですが、こういう変わり者のおっちゃんがニコニコ説明してくれると、一応話だけでも聞いてみようかという気になってしまうのだ。
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これらの人形やぬいぐるみにもパワーが注入されているらしいぞ。
「アンタ、体調悪いところあるでしょ?」  いやぁ~、最近肩こりが……。 「あー治る! 隕石パワーですぐ治るよぉ~! ……アンタ、結婚は?」  いやぁ~、まだ独身で……。 「ダメだよぉ~、早く結婚しなきゃぁ。隕石パワーで運を引き寄せないと」  肩こりから結婚問題まで解決してくれるのか、なんちゅうオールマイティな石。いわゆる通販とかでよく見る「パワーストーン」とかの類なのかな? と思い訊いてみると、おっちゃんは「あんなのはただの地球上の石でしょぉ? 何にも効果ないよぉ~。ウチにあるのは正真正銘の宇宙から来た隕石だから!」とバッサリ。
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よく見る「パワーストーン」と呼ばれる石たち。
「商売だから置いてるけど、効果ないよぉ〜」とのこと。
 宇宙パワーがあるのかどうかは知らないけど、とりあえず、この「宇宙村」にある石は、宇宙から落下してきた隕石を拾い集める「隕石ハンター」と呼ばれる人たちに、かなりの大金を支払って買い付けていることは間違いないらしい。隕石の中には、地球上に存在しない物質が含有されており、そこから未知のパワーが発せられている(おっちゃん談)とかいないとか。ま、確かに本物の隕石なら、放射線とかいろいろ出てそうだけど。 「隕石からパワーが出てるから、この店、冬でも暖房いらないもん。ポカポカしてるんだよぉ~」  だったら真夏はさぞかし激暑なんじゃないか……という気もしなくもないものの、おっちゃんに言われるがまま、「おさわり自由」な隕石をペタペタしていると、ひどかった肩こりが若干緩和されたような気がするのだ。  ま、世の中、勘違いと思い込みでその気になっちゃえば意外とうまく回るような気もするし、思い込みでもなんでも、症状が治るんなら儲けものでしょ?  ……というわけで、効果の程は未知数ではあるが、話のタネにもなるし、ひとつ隕石のかけらを買って帰ろうとすると、 「ひとつでいいなんて……そんな自分のことしか考えないからダメなんだよぉ~。家族の分も買ってけぇ~」  なんだかんだでいろいろ買わされて、3000円近く買い物をしてしまった。エキセントリックなことを言いながら、なかなか商売上手な宇宙人である。まあ、3000円で肩こりが治って結婚できれば安いもんだが、果たして……!?
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0.1グラム単位までキッチリ計量して隕石のかけらを
売ってくれました。意外と細かい!
■宇宙村 住所:東京都新宿区四谷4-28-20 パレ・エテルネル1F 電話:03-3341-5239 営業時間:10:00~18:00 元旦から大晦日まで年中無休 <http://www.uchumura.co.jp/> i01mokuyou.jpg (取材・文・写真・イラスト=北村ヂン) ■イベントやります! 020mokuyou.jpg 7月8日(日)に東京カルチャーカルチャーで「へんてこナイト」というイベントをやります。ボクが普段追いかけている珍スポットや珍おじさんなど、とにかく「へんてこ」なものを紹介しまくるイベントです! Open 18:30 Start 19:00 End 21:00 (予定) 前売券2,000円・当日券2,500円 詳細はこちらから <http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_120617203955_1.htm ●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第16回】東京スカイツリー開業! その時、東京タワーは…… 【第15回】着ぐるみってどうやって作ってるの? 着ぐるみ制作会社に潜入! 【第14回】プロマイドの殿堂・マルベル堂で俺プロマイドを作る 【第13回】名古屋駅より徒歩5分。1泊1,500円〜のバカ安ホテルに泊まる 【第12回】大阪にそびえ立つ変な形の謎タワーに登ろうとしてきた! 【第11回】藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市! 【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた 【第9回】男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい! 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』