みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」(後編)

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■前編はこちらから ■中編はこちらから ――支配は終わりました?  だいぶ自分でコントロールできるようになって。オナニーだって3回に分けたりするよ。 ――えっ、どういうことですか?  だから、途中でやめたりできるようになったんです。サイコキネシス。「あ、ここら辺でやめとこうかな」って。その前はゲロを使い分けて吐けるようになったんですよ。前に電車とかタクシーでやってえらい金とられたことが何回もあるんで、突発性なことも分けていこうと思って。小さく落としていく、みたいな。 ――コゲロが点々と落ちてるわけですか、器用ですね!  そうです。そのオナニー版ができるようになった。 ――人間はいろんなことができるようになるんですね。  できるんです! 歳を取ったといっても、可能性はあるんです! あと、女の人にも優しいですよ。前は体しか見ていなかったですから。10年くらい前にあなたに会ってたら、すぐに電話番号聞いてましたよ。「なんかいいことあるんじゃないの?」「あの人やらしいこと言うからヤレるんじゃない?」って。 ――でも、今でもみうらさんに抱かれたい女は列をなして待っていると聞きますよ。先日もそんな人に会いましたし。  ......キツイでしょ? その人。 ――サブカルスタンプラリーというか、サブカル界で有名な誰々に行って、次は誰々に行って、ラストはみうらさんでゴール! みたいな感じで頑張ってる方でした。  88カ所回ってきて、全部スタンプ押されて......なるほどな。後腐れなかったらいいんですけどね。後腐れで痛い目にあっているからなぁ。中途半端に優しいところがあるんですよ。そこがたまに傷ですよね、ははは! ――ははは......えーっと、ちなみに、私は芸歴9年目なんですけれど、みうらさんが9年目のころってどんなでしたか?  僕が9年っていうと31歳くらいか。辛かったですよ、どうしたらいいか分からないし、ケツ出しても誰も喜ばないし、悔しいじゃないですか! ――そりゃ、31歳男性にケツ出されても喜ばないですよ!  でも、まだアナルが残ってる。アナルは出していいんだもの、生殖器じゃないから。......アナドルっていうのは、いないんだよ? ――出したくないです。  俺は一人者になれると思うんだ。グラビアでアナルを出したら。アナルでも、いいなと思うアナルと悪いなと思うアナルがあるよ。こちとら長いことAV見てきてるから、「うわ、これはイヤなアナルだな~」とかありますよ。出せばいいってもんじゃないですよ。「こいつのアナル、いいな」っていうアナドルがいれば、いいなって思うな。 ――でも、私はアナルを出したくないです。  まあ、そうですよね。俺が言われてもしないもの。自分がやらないことを人に押し付けるのは良くないですよね。 ――隙間を埋めようとすればいいってものじゃないですよ、みうらさん。  ええ。隙間じゃないけど、芸能界って椅子の数が昔から決まっているでしょ? 僕はサングラスかけているじゃないですか。昔、サングラス席には野坂昭如さんが座っていたんです。んで、その人がいない間に座ってしまえばいいんですけど、何故か席が何席か無いんですよ。んで、ふっと見るとサンプラザ中野くんとかが座ってました。でも、いい歳こいてサングラスの奴がずいぶん欠落してきている。でも、ずっと座ってないと誰かが座っちゃうから退けない。タレントでもいるじゃん? 「○○マニア」と言いながらたいしたことない奴。一線にいるときは言わないけど、落ち込み始めてから言い始める奴。 ――家電芸人とか、餃子の王将芸人とか、「○○芸人」も多いですよね。  だったら辞めて、電器屋とか王将に勤めればいいじゃんって思うんだよ。手ぬるいんですよ。ああいうことを必死に言う奴って、小バカにされるんだって。サブカルの弱いところってすぐ必死になるところだよね。俺はそこが嫌で外れようとしてたんだ。 ――それなのにサブカルキングになってしまいましたね......。  あんなのはまぁ、アレでしょ。風評でしょ。差別されてる。だって、俺、スライドショーで武道館とかやったのにさ。 武道館やっている奴なんてサブカルじゃないじゃん。でも誰も書いてくれないんだ。「今度ロフトプラスワンで発売記念をなんちゃら」とか書いて、「お前はこっちだろ?」って言ってくるんだよ。とりあえずは中野・高円寺から離れないといけない。中野とか高円寺は震源地だもん! そこから半径50kmは全部サブカル。 ――なんたる風評被害!  ああいう場所に若いときから行っていると、そういうにおいが付きますよ。 ――もう付いちゃったかな......。  今だったら脱出できるかも。最終的には杉作J太郎の映画に出なきゃいけなくなるでしょ。でも、それでいいっていう人がやっている世界だから、そういう覚悟ですよね。 ――そんな大きな覚悟、背負えない!! 私はただちょっと知名度を上げたり、たまに明るい場所に出たりしたいだけなんです!!  だから、知名度、アナルで上がるよ。 ――嫌ですよ!! 要するに私を『グラビアン魂』に出してくれってことですよ。  えっ、もしかして、今、交渉に入っているんですか? ――そうです。なんとか頼みます。そこそこ脱げますから!  やっぱりサブカル臭がするのがちょっとなぁ......。サブカルはもういいでしょ、次からはもっと、なんとかヒロとかと対談しなよ。薄めなきゃ、中野の沼のにおいを。 ――ヒロ? 水嶋......かな? あはは! サイゾーには出てくれないですよ(笑)!  それは出ている俺に失礼だろ! あとファンキーモンキーベイビーズとか、EXILEとか、とりあえず全然興味ない人たちがいい。あと、あのブサイクな......(テーブルの雑誌をいじりながら) ――最後、誰!? ちょっと、あからさまに飽きないでください!! (取材・文=小明) ●みうら・じゅん 1958年、京都府生まれ。マンガ家・イラストレーターなど。80年、「ガロ」(青林堂)誌上でマンガ家デビュー。テレビ、ラジオ、スライドショーなど幅広い活動を展開している。DVD『みうらじゅんの正しい保健体育』(キュリオスコープ)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
みうらじゅんの正しい保健体育 [DVD] 「これから始まる授業は、義務教育では決してありません」 性のカリスマ伝道師、みうらじゅん氏による、正しい保健体育の授業が幕を開ける! 累計10万部を突破した幻の名著「正しい保健体育」(イースト・プレス社)がついにDVD化!! 「どうしてセックスしてはいけないの?」「『恥ずかしい』というセンス」「童貞期に学ぶべきこと」――青少年期に誰もが抱える悩みの数々。若者に伝えるべき本当の「セックス」とは何か? 性のカリスマ"みうらじゅん"が放つ、童貞時代を生き抜くスタンダードDVDがついに完成!! 授業を担当するのは、教育実習生の柏木美里先生。赤裸々な「保健体育」の授業を真剣に生徒達に語りかる。 さらに、「正しい保健体育」の中でも重要な「自分塾」という考え。 この自分塾塾長が語るバカバカしいけど"目から鱗"な話も満載。 充実の特典映像は、ノリノリで収録に挑むみうらじゅんによる「自分塾塾長みうらじゅんの『正しいアテレコ』」。 さらには原作者と主演の2人の本音!? が分かる「対談:みうらじゅん×柏木美里 正しい性教育の現場」や、柏木先生の「NGテイク集」などを多数を収録!! 大好評発売中!!2,625円(税込) 2011年/本編48分+特典47分/カラー/16:9/ステレオ 出演: みうらじゅん 柏木美里 福島勝美 ディレクター: 西巻正和   エグゼクティブプロデューサー: 市村亮 発売・販売元: 株式会社キュリオスコープ 販売代理: 有限会社アルドゥール (C)CURIOUSCOPE amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」(中編)

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■前編はこちらから  俺の連載だって安いもん。 ――みうらさんで安いなら私はもっとですよ。  高い雑誌はもう無いんじゃない? どこも売れてないでしょう。サイゾーはけっこうくれるでしょ? ――サイゾーは、えーと、今より下がらないのを望むだけです! みうらさんはめちゃめちゃいろんなところで執筆されてますけど、大変じゃないですか? 原稿を断ったりもするんでしょうか?  断るときは「原稿料1億円」とか言っといた方がいいよ、キチガイだと思ってシューッと居なくなるから。 ――私がそんなことしたらキチガイの評判が広まってどこからも仕事もらえないですよ!  キチガイじゃないですもんね。 ――この業界でキチガイって言われる人たちって、みんな振り切れてて才能があるじゃないですか。私は妙に常識的でそっち側ではないし、だからといって優等生みたいにいろいろこなせるタイプでもない。中途半端なんです。だから仕事もパッとしないし、「SPA!」(扶桑社)の『グラビアン魂』にも呼ばれないのかなって......。  ゾンビとかやってたら呼ばないでしょ! ――ゾンビだけど水着でギャップ萌え......みたいのは?  どんどん抜けない方向へいくじゃないですか! ――そうですよね~、もうどうしたらいいか......。自分ではグラビアも頑張りたいと思ってるんですけど、どうも男の人は私にグッと来ないみたいなんですよ。  そういうわけじゃないですよ。あなたは中途半端に頭が良くて、面白いことを考えちゃうんですよ。面白くなくていいですよ。面白くない方がいい。面白くないとチンポは勃ってくるもので、面白いと萎えるんですよ。面白い人はだめですよ、グラビアは。男を勃てなきゃいけないの。 ――男を"立てる"じゃなくて"勃てる"だったんだ......! でも、フリーで6年やっていて、その間グラビアはもちろんAVのオファーすらないっていうのは、よほど男の人のおちんちんが反応しないんだな、と。何が足りないと思いますか?  足りないというか、しゃべりすぎる。男って口が立つ女の人が怖いんだよ。「ほぇ~?」とか言ってヨダレ垂れてるくらいの奴の方がいいんだよ。 ――そんなの若いうちだけじゃないですか! ......(持参した自分エロスクラップを開いて真顔で)抜けませんかね?  いや、抜けないことはないと思う。キレイな人じゃん。何かがそれを阻止してる。邪悪な何かが。 ――邪悪って......。  下地が沼だもの。中野とか「タコシェ」とか行ってるようじゃ。今はその沼で拾った本がいっぱい体に付いてるから、沼の匂いがするんだよ。そういう女性はいっぱい僕のところにも来たよ。割ときれいだった。 ――みんなどうなったんですか?  「こんなはずじゃなかったのに」って言いながら死んでいったよ。 ――死んでいったか......。  面白いこと言ってる奴にはチンポが勃たない。面白い人になっちゃダメ。......でも、前はエロ本の表紙になったりしていたんだから、もう上がりじゃないですか? ――グラビア界での上がりは「ヤングジャンプ」(集英社)とか「ヤングマガジン」の表紙になって、服を着ててもテレビに出られるところですよ! 私はそこに一向に行けずにフェードアウトして、気づいたらゾンビや幽霊になってかわいいアイドルを引き立てていました。その禍々しさたるや、まるで四天王に踏まれる邪鬼ですよ。  でも、そんな風に虐げられるのが好きなんでしょ? アイドルって偶像って意味だから、初めから形は無いじゃないですか。形がないなら、何してもいいんじゃないですか? きっとあなたがアイドルだと思えば、ゾンビだってアイドルなんじゃないですか? ちょっと、あなたは考えすぎていますよね。頭が先にたっちゃうからしんどいんじゃない? ――確かにしんどいです......。  だったら考えない方がいいですよ。もうちょっと自分をバカにした方がいい。「すごいことができるはず」と思っているからしんどいんですよ。えー、できないです!(きっぱり) ――悟りの境地......! 私は今26歳なんですけど、みうらさんは26歳のころからそういう青年だったんでしょうか?  いや、SEXばっかりしてましたよ。SEXができたのがうれしくて。うれしいじゃないですか、ずっとやりたかったから。ははは。 ――いや、ちょっと分からないですけど......。でも『よりみちパン!セ』(理論社)で書かれた『正しい保健体育』もDVDになりましたし、そのころの経験が活きたのかも! あのDVDは勉強になりました。  文化系の性教育でしょ? 体育会系のことはわからないから。あのDVD、誰が見てるんだろう......。 ――みうらさんのファンと主演の柏木美里さんのファンと、あとはすさまじい性欲に苦しんでる若者たちじゃないですか?  若いときは金玉に洗脳されているというか、支配されているので、自分ではどうしようもないんですよね。 (後編につづく/取材・文=小明) ●みうら・じゅん 1958年、京都府生まれ。マンガ家・イラストレーターなど。80年、「ガロ」(青林堂)誌上でマンガ家デビュー。テレビ、ラジオ、スライドショーなど幅広い活動を展開している。DVD『みうらじゅんの正しい保健体育』(キュリオスコープ)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
みうらじゅんの正しい保健体育 [DVD] 「これから始まる授業は、義務教育では決してありません」 性のカリスマ伝道師、みうらじゅん氏による、正しい保健体育の授業が幕を開ける! 累計10万部を突破した幻の名著「正しい保健体育」(イースト・プレス社)がついにDVD化!! 「どうしてセックスしてはいけないの?」「『恥ずかしい』というセンス」「童貞期に学ぶべきこと」――青少年期に誰もが抱える悩みの数々。若者に伝えるべき本当の「セックス」とは何か? 性のカリスマ"みうらじゅん"が放つ、童貞時代を生き抜くスタンダードDVDがついに完成!! 授業を担当するのは、教育実習生の柏木美里先生。赤裸々な「保健体育」の授業を真剣に生徒達に語りかる。 さらに、「正しい保健体育」の中でも重要な「自分塾」という考え。 この自分塾塾長が語るバカバカしいけど"目から鱗"な話も満載。 充実の特典映像は、ノリノリで収録に挑むみうらじゅんによる「自分塾塾長みうらじゅんの『正しいアテレコ』」。 さらには原作者と主演の2人の本音!? が分かる「対談:みうらじゅん×柏木美里 正しい性教育の現場」や、柏木先生の「NGテイク集」などを多数を収録!! 大好評発売中!!2,625円(税込) 2011年/本編48分+特典47分/カラー/16:9/ステレオ 出演: みうらじゅん 柏木美里 福島勝美 ディレクター: 西巻正和   エグゼクティブプロデューサー: 市村亮 発売・販売元: 株式会社キュリオスコープ 販売代理: 有限会社アルドゥール (C)CURIOUSCOPE amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」(前編)

mj_akari001.jpg  モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第28回のゲストは、DVD『みうらじゅんの正しい保健体育』を発売された、みうらじゅんさんです! [今回のお悩み] 「もう芸歴が9年目でして......」 ――まさかみうらじゅんさんに人生相談できる日が来るなんて......感激です! はじめまして、アイドルライターの小明です!  アイドルライターってなんなの? ――昔、エプドルというか、エプロンアイドルというのをやってまして、それから......。  エプロンアイドルってなんなの? ――えーとですね、社長の趣味というか、ちょっと説明が難しいんですが、いろいろと長い道のりがあって......あっ! みうらさんはエロ本をスクラップするのが趣味ですよね!? 私のグラビアなんて絶対に知らないだろうと思って、デビューから今までの私のグラビアをスクラップしてきたので、良かったら!  見せてー! (スクラップをめくりながら)......これ、どこの? ――多分「プレイボーイ」(集英社)かな?  「プレイボーイ」は貼ってると思うんだけどなぁ。これ、「スコラ」(辰巳出版)のホワイトビキニーズ? ホワイトビキニーズも結構とってあるはずですけど、えーと、ちょっと待てよ?(ページがだんだんおかしな着エロへ) ――すみません、なにぶんちっとも売れませんで、えへへ......。  良い感じに落ちましたね、これ! いい落ち方じゃないですか! あ!! これ、貼ってありますね!! ――本当に? やったー!! うれしい!!  おお、これも、これも貼ってあります!! ――感激です!! ピークの時より落ちてからの方が目に止まっていたなんて! どの写真ですか? ......全然顔が写ってないグラビアばかりですけど、うれしいです! ありがとうございます!!  いやいや、ストーリーが付けられるのを貼ってるんですよ。お、これも貼ってあるな。 ――顔がなくてもうれしい! その後は『アイドル墜落日記』という本を洋泉社から出したり、『小明の感じる仏像』(エースデュース)っていう、私が仏像を見に行くだけのDVDを3本ほど出したり......これは恐らくみうらさんの『見仏記』(ジェネオン エンタテインメント)のパクリだと思うんですが......。  アレはあなたか! そうか、そうか。分かった分かった。もう、モロですよね! ――いやぁ、すいませんでした......。  いやいや、仏像は僕のものじゃないですから。 ――で、最近の仕事としては、ゾンビになって「映画秘宝」(洋泉社)の表紙をやらせてもらったり......。  そうか、コレもあなたか! 分かったぞ! いろんなところに手を出し過ぎているな!? ――ええ、まさに......! しかも、私、全部にわかなんですよ。すべてにおいて詳しくないし、すべてブームの後乗り。  1個にした方がいいよぉ。 ――貧乏性なのか、仕事が来たら断れないんです。仏像もまったく知らないけど受けちゃったし、ゾンビはたまたまジョージ・A・ロメロの映画を見たら盛り上がってしまってゾンビのメイクの練習をしていたら仕事が来るようになって......仏像もゾンビも好きなんですけど、うんちくが語れるほどではないという半端さ......。  ちょっと新しくて、ちょっと古いね、やってることが。時代とマッチしすぎてるんだよ。もっと、"天狗"とか訳分かんないこと言わないと。 ――......天狗ですか?  そう、天狗。とりあえずゾンビの田んぼは結構やられてますよ! マイケル・ジャクソンだってやってるんだから! ――でも、こういう姿にならないと雑誌に載れないんです!  確かに、ちょっと変わったことしないとね。もう、どっちかですよね。カルトと言われる路線にズッポリ行くか、今日から辞めるかですよ。 ――今日から辞めた場合、このサイゾーの連載も終わってしまいそうです。食いっぱぐれます。  サイゾーの連載は、こっち寄りなんですか? ――今までお話をうかがったのは、杉作J太郎さんに、玉袋筋太郎さんとか、伊集院さんとか......。  伊集院だって、静じゃないでしょう? 光でしょう? ――もちろん! 「今、あなたは死にたいと思っているけど、それはもう直らないよ」って言われてちょっと楽になりました。  死にたいと思っているの? ――死にたいというか、他人も信じられないし、何より自分が一番信じられない陰鬱な性格で......生きづらいので、いっそ何かを信仰したいくらいです。  I don't believe me! 自分なんて信じちゃダメ! どこか宗教みたいのに入ればいいじゃん、すぐ入れるよ! ――そうかな!? ちょうど本名も青木小明(あお・き・あか・り)な色とりどりで縁起が良さそうですし! でも友だちが少なすぎてどこからも誘われないです。唯一誘われたのは、20歳の誕生日に何もすることがなくてうろうろしていたら、手相の勉強をしている人に声をかけられて、うれしくて見てもらった時くらい。  人としゃべりたいものね......。分かりますよ、僕も気づいたら消火器を買ってたことありますもん。 ――消火器はまだ使えるから良いじゃないですか。私は入会費が64万円と言われて現実に戻りました。勧誘してきた女の子もかわいかったし、安ければ入ってましたよ。  そういうところはかわいい子が多い! みんな美人だとついて行くからね。だから、勧誘する方法としてはうまいよ。あなたも入ったらそうなれるよ。 ――えへへ、そうかな。私を勧誘した人は「定職についてないからローン組めないし貯金もない」というのを察して去って行きましたけど。お金が無い人間に用はないみたい。  それはそうだ、そんな人を救ってる場合じゃないもんね。 ――私、安い仕事しかしてないですし、普通にそんな額ポイッと払えないですよ。 (中編につづく/取材・文=小明) ●みうら・じゅん 1958年、京都府生まれ。マンガ家・イラストレーターなど。80年、「ガロ」(青林堂)誌上でマンガ家デビュー。テレビ、ラジオ、スライドショーなど幅広い活動を展開している。DVD『みうらじゅんの正しい保健体育』(キュリオスコープ)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
みうらじゅんの正しい保健体育 [DVD] 「これから始まる授業は、義務教育では決してありません」 性のカリスマ伝道師、みうらじゅん氏による、正しい保健体育の授業が幕を開ける! 累計10万部を突破した幻の名著「正しい保健体育」(イースト・プレス社)がついにDVD化!! 「どうしてセックスしてはいけないの?」「『恥ずかしい』というセンス」「童貞期に学ぶべきこと」――青少年期に誰もが抱える悩みの数々。若者に伝えるべき本当の「セックス」とは何か? 性のカリスマ"みうらじゅん"が放つ、童貞時代を生き抜くスタンダードDVDがついに完成!! 授業を担当するのは、教育実習生の柏木美里先生。赤裸々な「保健体育」の授業を真剣に生徒達に語りかる。 さらに、「正しい保健体育」の中でも重要な「自分塾」という考え。 この自分塾塾長が語るバカバカしいけど"目から鱗"な話も満載。 充実の特典映像は、ノリノリで収録に挑むみうらじゅんによる「自分塾塾長みうらじゅんの『正しいアテレコ』」。 さらには原作者と主演の2人の本音!? が分かる「対談:みうらじゅん×柏木美里 正しい性教育の現場」や、柏木先生の「NGテイク集」などを多数を収録!! 大好評発売中!!2,625円(税込) 2011年/本編48分+特典47分/カラー/16:9/ステレオ 出演: みうらじゅん 柏木美里 福島勝美 ディレクター: 西巻正和   エグゼクティブプロデューサー: 市村亮 発売・販売元: 株式会社キュリオスコープ 販売代理: 有限会社アルドゥール (C)CURIOUSCOPE amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」(後編)

IMG_4286_.jpg前編はこちらから ――あの、ちなみに、もう聞かれ飽きたとは思うんですが、麻木さんと大桃さんのあの騒動で世間を賑わせていた時は、「ジゴロ」とか「ヒモ」とか、本業の戦場ジャーナリストとはまったく関係ないひどい話題で週刊誌にバンバン出てましたけど、書いてあることがほとんどデマだったっていうのは本当ですか? 山路 そうですね、それはもう、僕の不徳の致すところでもあって......。というか、ああいうことが起こると、あらためて「これをしゃべったのはあいつで、こっちの記事はあいつだな」っていうのが分かるなぁと思いました。要は、モテる奴はそういうことをしゃべらない。「どうしようもないな」って奴に限って、ベラベラしゃべるわけ。自分が不幸を背負ってると、人の不幸で笑いたくなるんですよねー。 ――耳が痛いです! 私も完全に他人を妬んでひがんで生きている側の人間ですけど、さすがにデマをリークしたりはしないですよ! ひがむだけで足は引っ張らないのがポリシーですので!! 山路 ただ、今までの人生を振り返って、僕はわりかし同性からは嫌われてるんですよ。例えば僕が『ニュースステーション』(テレビ朝日系)にいた時は久米宏さん、『ニュース23』(TBS系)の時は筑紫哲也さんや鳥越俊太郎さん、そういう目上の人たちが僕をかわいがってくれて、引き上げてくれたのね。それが同世代の人たちは気に入らないみたいですよ、何でかね? 僕なんかいつも自分のことで精いっぱいで、わざわざ他人に関心をもつ余裕も時間もないですよ。だって、つまらないでしょ? 他人のことなんて。 ――まぁ、自分の人生がつまらなすぎると、人の不幸に乗っかるという嫌な遊びをするようになるんですよ、心の貧しい人は......。それにしたって、ミャンマーで身柄拘束までされてたのに、ぜんぜん関係ないところで話題になってびっくりされたんじゃないですか? 山路 そうですよ、本業の方がずっと公益性が高い内容なのに、そっちはほとんど報道してくれなくて、僕らの個人的な、まったくもって下世話な、犬も食わないようなものばかりを(笑)。 ――テレビの前でせんべい食べながら「最低~」って言いやすいからでしょうね。まぁ、私も見てたんですが。 山路 ははは。でも、そういう「最低~」って言ってホッとしたり、ストレスを解消したりする人が少なからずいるってことですからね。メディアというのは、世の中を映す鏡ですし、それが今の日本なのかな......。 ――特に「週刊文春」(文藝春秋)は「最低の戦場ジャーナリスト」なんて言ってずいぶんいろんなバッシングをしてましたけれど、コンビニの18禁棚にあるゴシップ誌ならまだしも、あんなしっかりとした名前のある雑誌に書かれたら、つい信じてしまいますよ! 山路 週刊誌はね、多かれ少なかれそういうところはありますよ。でも、これも経験だなって。テレビもそうですよ。報道番組でも「あ、そんないいかげんなこと言うんだ」ってこともありますし。痴漢の冤罪なんかもそうですよね。裁判官が下した有罪判決が間違いということは、被告にしか分からない。だから、僕が最近思うのは、すべてのストレスや悩みの根源は、「自分を分かってもらえない」という部分が大多数なんですよ。「分かってほしい」「なのに分かってくれない」という気持ち。恋人同士や家族にしても、個人と世間にしても、もう「分かってもらう」ってこと自体が無理。そういう気持ちを捨てたら、ものすごく楽になりますよ! ――うーん、でも、そんなに簡単に捨てられますか? それってすごく難しくて寂しいような......。 山路 だって、いくら説明したって分かんないことは分かんないし、分かり合えないのが当たり前なんだから、その中でどう共存していくかを考えないと。 ――割り切った上で、どう居心地良く共存するかですね。やっぱり難しそう......。けど、そう考えると山路さんはあの騒動以降、バラエティーに出たりしていい具合にメディアと共存していますね! バラエティー番組でいじられることに対して、抵抗はなかったんでしょうか? 山路 前に『サンジャポ』(TBS系)に出た時、爆笑問題の太田光さんとエレベーターが一緒になって、太田さんに「山路さん、よく出ましたねぇ、『サンジャポ』」って言われてね。「バラエティーが怖いようでは戦場には行けないですよ」って答えましたよ(笑)。バラエティー出るなんて、戦場でぶっ殺されるかもしれない怖さに比べたらなんてことないですよ! ――そんな危険地帯と比べられたら、もう何も言えないですよ! 山路 僕も今まで、2回3回仕事の現場で死にかけたのね。銃口を突き付けられて、「もうダメだ」っていう瞬間に何をイメージしたかって言うと、自分が撃たれて倒れてる姿と、「え? 俺の人生ここで終わるの? カウントダウン? まだ何もしてないのに!!」っていうことなわけ。僕はその時点で、番組を作ったり本が売れたり、かなり他の人とは違う経験をしてきたはずだよ。なのにそう思うってことは、どんなに素晴らしい人生を送っても、最期はそう思うものなんだよ。だから、あんまり小さいことにこだわってウジウジしていると、前に進めないどころか、自分の人生を台無しにしてしまうよ。それなら、僕は自分の身に起きることをすべて人生のスパイスとして楽しんでしまおうと思うしかなくてね。あの騒動があって、このまましゅんとして、「不倫ジャーナリスト」「ヒモ」「ジゴロ」と言われたままにしていたら、そこで終わっちゃうわけでしょ? ――確かに、ワイドショーや週刊誌は、そういうおいしいところだけ騒いで、悪いイメージだけ残して撤収するけど、山路さんはテレビにも雑誌にもネットにも残ってるというか、むしろ出まくってますよね。 山路 バラエティーだって何だって、面白そうじゃない? 多少は遊ばれたりいじられたりするんだろうなって思うけど、僕は自分がテレビを作ってきた人間だから、自分がどう演じたらいいか分かるし、どうやったら視聴者が喜ぶかも、何となく見えるし。おかしな仕事がたくさんあるんだけれど、そういうものも含めて楽しんじゃう。 ――なんだかすごい人生になってきましたね! 山路 そもそも、僕は計画的に人生を歩んでこなかったから、それが良かったのかもそれないね。もし一流大学を出て官僚になって、政治家になるのを夢見てきた人だったら、あの騒動の時に「俺、終わったな」って思うだろうね。でも、元から計画してない僕の場合は「悪いけど、俺はそんなもんじゃないよ!」って自分でチャンスに変えたり、踏み台にして大きくなることも出来るわけですよ。何かトラブルや大きな出来事があった時こそ、何かを学んで成長できるんだから、無計画なのも悪いことじゃないんだよ。そのぶん人生のアップダウンは激しいけど、楽しいよ! ――山路さんのはレアケースすぎますけどね! しかし、本当にエンジョイしていらっしゃって、お話しているだけで元気が出てきました! トラブルを利用して成長かぁ。実践したいけど、今のところ人生が平坦すぎて......ちょっとその辺のホテル街を一緒に腕くんで歩いてもらって良いですか? 多分すぐに誰かが「山路徹が女とホテル街に!!」って、Twitterにアップしてくれますから、売名させてください。 山路 ははは! 最近は写真まで貼られるからね! 面白そうだ、いつでも協力しますよ! ――女性的にも大桃さんに麻木さんっていういい女の次はかなりプレッシャーですが、次回の結婚のご予定はないんですか? 山路 結婚はいつだって視野に入れてるよ。たいてい「いやぁ、もうしばらくはちょっと......」って言うでしょ? そんなの、つまんないですよ! 今までがどうかは関係ないって! 魅力は人それぞれ違うもんね! ――じゃあ、そのうち私も、猫耳つけて傷だらけのメイクで自宅前に行き倒れに行くので、ちゃんと保護してくださいね! 山路 はいはい、喜んで(笑)。 (取材・文=小明) ●やまじ・とおる 1961年、東京都生まれ。ジャーナリスト。テレビ番組制作会社を経て、92年に独立系通信社「APF通信」を設立し、同代表取締役に就任。世界各国の紛争地域を中心に精力的に取材している。近年はワイドショー、バラエティー番組にも多数出演中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
ゴン太ごめんね、もう大丈夫だよ! 小さな命も大事な命。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」(前編)

IMG_4309_.jpg  モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第27回のゲストは、福島第一原発周辺で「犬猫救出プロジェクト」活動を行っている戦場ジャーナリスト・山路徹さんです! [今回のお悩み] 「もう私も保護してください......」 ――初めまして! Twitterで『原発20キロ圏内 犬猫救出プロジェクト』を見させていただいてます! 私の家にも犬と猫がいるので、残された犬や猫のことはずっと気になっていたんですけれど、知識も経験もないのでボランティアに行っても邪魔になるだろうと、ただ余震に震えるばかりで......山路さんの行動力には本当に頭が下がります! 山路徹氏(以下、山路) だいたいみんな、いろいろ考えて「どうしよう、どうしよう」って言ってるうちに事態が変わっていっちゃうからね。 ――そうなんですよ。で、「私、結局募金くらいしかしなかったな......」って自己嫌悪が......。 山路 そうなっちゃうわけですよね。でも、それも十分立派なことですよ。 ――でも、山路さんは専門的な知識もないのに行かれたじゃないですか。しかも原発から20キロ圏内に。 山路 目的が分かっていれば、知識とかは関係ないもんね。自分にできないことは人にやってもらえばいいわけだし。 ――専門家の方も山路さんのTwitterを見て来てくれたんですよね! そしてまず「犬猫と仲良くなるにはどうしたらいいんですか?」と聞いたという......。専門家の方も「え? そこから!?」って驚いてましたよね(笑)! 山路 いやぁ、怖い柴犬がいてさ、僕も自分なりに考えて、ムツゴロウさんみたいにゴローンって寝転がってお腹を出してみたりしたんだけど、ダメだねぇ。餌は食いに来るけど、そのご家庭の事情もあったりして、なかなか保護が出来ない。浪江町の20キロ圏内の誰もいないところで、僕たちはひたすら"ムツゴロウさん作戦"をやってるわけですよ。 ――な、なかなかシュールな絵面ですね......。山路さんの救出チームが書かれた『ゴン太ごめんね、もう大丈夫だよ!』(光文社)を読んだんですけど、やっぱり怪我をしながらも残された牛と鶏を守っていた犬のゴン太には、涙が止まりませんでした。うちにもゴールデンレトリバーがいるんですけど、すごく優しくておとなしくて......。ある晩、家に泥棒が入って、偶然トイレに起きた私が部屋のドアをガラッと開けたらちょうど廊下で泥棒とご対面っていうことがあって......。 山路 ......え? あなたが? 犬は? ――おとなしく寝てました......。なので、こういう感動的な犬の話を読むたびに、「うちのは駄目だ......!」って思います。だから、より一層守らねば、と、こういう災害時は極端なくらい気にしてしまっています。 山路 ははは! でも本当にね、ちっちゃな命を救えない社会が、なんで人間を救えるんだって話だよね。僕らは、社会が真価を問われていると思ってますから。自分たちで行動を起こすことで、「社会は大丈夫だ」ってアピールしなきゃいけない。3月11日から、もうずいぶん時間も経ってるでしょ? そうすると、これから起きる事態は人災ですよ。人間の責任としてやらなきゃいけない。現地の犬や猫たちは当然お腹が空いてるわけですよ。だから餌を出すんだけど、すぐには餌に行かないんだよね。まずは人恋しいから僕らから離れない。「分かったから、食え食え!」って言って、やっと食べて、不安そうな顔でこっちを見て、車に乗せてあげると、みんな安心して眠っちゃうの。イビキなんかかいたりして。 ――おお......先日、同じく日刊サイゾーの企画で、作家の町田康さんにお話をうかがう機会があったんですけど、あの方も保護団体から猫をたくさん預かって、総勢10匹の猫と暮らしてるんですって。山路さんもこんな怯えただけの女でなく、町田さんと対談にすれば良かったのに、こんな女で申し訳ないですよ......! 山路さんも、保護された猫ちゃんと暮らしてるんですよね。 山路 うちの猫ちゃんかわいいよ! ホラ、これがとら。南相馬から連れてきて、医者にも「今日明日の命です」って言われて、朦朧として真っ直ぐ歩けない状態だったから、いま元気になったことも信じられない。けど、それを僕がTwitterでつぶやいてたら、皆が見守ってくれて、応援してくれて、とても力になりましたよ。こっちが神奈川で保護された捨て猫のマロ。毎日写真をTwitterにアップしててね、うふふ......。 ――ギャー! かわいい!! 山路 そう! もう食べちゃいたいの! これがピアノの上に載ってるマロで、これはいたずらを怒られて反省中の......(略)。 ――溺愛しまくりじゃないですか! いいですね、なんか、私も山路さんに保護されたいですよ......。 山路 えー? 何を言ってんのよ(笑)! ――やっぱりモテる理由が分かるっていうか......。なんというか、山路さんは愛が多そうですよね。 山路 そんなことないですよ! 例えばどのへん? ――麻木久仁子さんと大桃美代子さんの際の会見で、どちらも傷付けず、後々どちらの言い分にも合わせられるように気を使って、いろいろ黙っているように見えたもので。 山路 まぁそうですよ、会見の時もお互いの言ってることが180度違ったからね(笑)。あれは僕が受け止めないと。だって、最初の記者会見もその反論も、僕はテレビでじーっと見てたんですよ。「あー、こんなことまで言い出した。これはモメるなぁ......」って。次は俺のところに来るっていうのは目に見えてたから、逃げずに全て吸収して、皆なんとなく納得したような、しないような......。 ――でも本当にすごかったですよ! どちらの女性も系統が全く違うじゃないですか! 山路 君、するどいね! 「同じようなタイプ」ってよく言われるけど、ぜんぜん違うの! ――ですよね! 私はどっちかと言うと、メンタルが弱めの大桃さんタイプで......。 山路 さびしんぼうなのねー。 ――次の結婚をしてることを言わないのは山路さんの優しさなんだけど、それが逆に残酷で......あんな形で知ったらTwitterでうっかり狼狽するのも仕方ないですよー! 山路 ねー、うふふふ。まあね、でもね、うん......。 ――でも、それもミャンマーで拘束さえされなければ分からなかったんですよね。 山路 そうなんだよなー、なんであれで出ちゃったかねー? ――Twitterって、怖いですよね......。 山路 怖いねー......。 ――......でもそのTwitterのおかげで犬猫救出も本当に広まったというか、えーと! ね! 山路 ね! やっぱりね、そういう新しいツールを、どうやって生かすかですよね! ははは! (後編につづく/取材・文=小明) ●やまじ・とおる 1961年、東京都生まれ。ジャーナリスト。テレビ番組制作会社を経て、92年に独立系通信社「APF通信」を設立し、同代表取締役に就任。世界各国の紛争地域を中心に精力的に取材している。近年はワイドショー、バラエティー番組にも多数出演中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」(後編)

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前編中編はこちらから 玉袋 芸能界でいったらスキャンダルだから。そっから立ち直る人は大変だよ、これ。海老蔵どころの騒ぎじゃないよ、これ。 ──そこから立ち直れたら相当タフになれますね! しかし、久しぶりに地元に帰って、そうやってウンコ漏らしたりウンコ爆発させてたバカな男子たちが、ものすごいちゃんとした大人になっていた時の焦燥感といったら......! 「仕事何やってんの?」って聞かれて、「いや~アイドルやって売れないまま9年目!」なんて言えませんよ。いくつだよって話ですよ。バカにしていたはずが、自分が一番のバカになっているんです。 玉袋 へっへっへって、笑うしかねぇよな。そうだよな。俺もそうだもん。若いころの遊びとかを、もっともっと取り返そうと思ってるもん。俺は小学校の時はいたずらっ子なんだけど、中学校になったら、もうすごいヤンキーブームで、周りみんな不良になってるわけよ。俺は、それはカッコ悪いと思ってやってなくて、遊びも何もしない暗い中学時代だったんだよね。それで高校時代もずっと耐えててさ、この歳になってものすごい遊んでるんだよ。いろんな悪さしちゃってるわけ。 ──やっぱり遅咲きっていうのは後を引きますよね。そしてまだ、思春期にちゃんと青春を送れてた人たちを敵だと思っています。 玉袋 絶対、それはあるね。俺は中学の体育の授業なんか全部出なくて、1年から3年までオール1だったの。で、輝いてた運動部のヤツとか、その時流行ってたヤンキーとかも、嫌で嫌でしょうがなかったんだけど、たまにバッタリ会うんだよね。そうすると、その輝いてた、キレイな体してたヤツが120キロぐらいになってたりして。だからそいつ見て「今は俺の勝ちだ」と思いながらも「お前そんな体じゃなかったろ、ピッカピカだったじゃないかよ!」って。あと、中学の時にシンナーやってた不良3人組がいたんだけど、俺、わざとそいつらにいじめられてやってたんだよね。ちょっかい出してくるからさ、プロレスラーみたいに派手にリアクションしてやるわけよ。そっちの方がおもしれえじゃん? こないだ友達の母ちゃんの葬式があった時、知り合いに「あの3人はどうなってるの?」って聞いたんだよ。そしたら、2人は覚せい剤で捕まって、もう1人はヤクザになって、組長の命取りに行けってピストル渡されて、気が狂っておかしくなったって。 ──......えええ!? 新宿、怖すぎ!! やっぱり田舎とは、グレた後に敷かれてるレールが違いますね......。 玉袋 だろ? けどさ、シンナーが覚せい剤にバージョンアップしてるだけなんだよ。カッコ悪いじゃん。まだマジメになってる方がカッコいいと思うんだけど。 ──ですねぇ......。でも、玉袋さんも梶原一騎先生とか、そういうかっこいい不良漫画が好きだったじゃないですか。どうして中学で不良にならなかったんですか? 玉袋 やっぱ、殿のラジオを聞いたからじゃないかな。あいつらが憧れてたのは横浜銀蝿だからさ。殿の方がずっと不良だもん。俺はそっちに憧れてたから。マイノリティーだったけど、入ってくるんだよな、ザラついたところにさ。埋めてくれるんだよ。コンパウンドみたいなもんだよ。車が傷いっちゃってるところをワックス塗ったら直っちゃうみたいな。心のリペアをしてくれるよ。 ──私も中学校の時は周りがヤンキーばっかりで、ひきこもりだったんですよ。「もう死にたい死にたい、生まれてごめんなさい」っていう思春期で、寺山修司さんとか読むようになって。 玉袋 またすごいとこいったね! ──『青少年のための自殺学入門』(土曜美術社)って本に衝撃を受けて......。その本に「心中は人生の一点豪華主義だ」っていう一節があって、「なるほど、私はコンプレックスだらけのダメな人間だけど、心中が出来たら勝ちだな!」と思って。悲しいまま人生を終えたくないんですよ。心中に限らず、むせかえるような幸せの中で死んで勝ち逃げしたい。「アイドルは売れないし引退します」って言うのは、負けてしっぽ巻いて逃げる状態じゃないですか。負けたまま終わると、その後の人生ずっと負ける気がして、せめて一花咲かすまで......と続けてたら精神を病んだんですが。 玉袋 そりゃあそうだ。そのまま続けて80歳で心中したりしてな。「それ寿命じゃねえか!」ってのが良いけどな。でも、いつかのための、押すボタンは用意してあるわけね。そんなにすぐ押しちゃダメだぞ。一回フタを開けるボタンとか、フタを割ってから押すボタンじゃないと。あと緊急脱出ボタンも必要だな。 ──うっかり幸せを感じた時、「私は今、本当に幸せか? いや待て、そこまでじゃないな」みたいな。そうすれば中島みゆきさんの歌みたく、自然と幸せの後ろに別れがついてきますから(笑)。そうやってなんとか頑張って踏ん張ってやっていく。玉袋さんは、今、かつての不良や輝いてたヤツらとかに勝ってますけど、私は今がまだダメだから、「ウン爆」させてたヤツらとか、シンナーで歯が溶けてた女子とかに「小明も頑張りなよー(笑)」とか言われると、もう立っているのがやっと......という感じに......。 玉袋 いや、ダメだってまだ分かんねぇぞ。俺なんか、そんなヤツらと一緒になったら、しょんべんひっかけてやるよ! しょんべんシャンプーしてやるよ! ──かっこいい! でも女子は構造上、よほど工夫しないとムリ! あと人前で放尿とかもムリ! 私も小学校2~3年までは平気で外でおしっこ出来たんだけどなぁ~。  玉袋 あるある。俺もいまだに立ちションも野グソもしてるしな! ──えっ! 野グソはやめましょうよ! 玉袋 何もない野原だから仕方ないじゃない。 ──ですよねぇ。 玉袋 トイレ貸してくれるコンビニも何もないんだからさぁ~。あんたならどうする? ――仕方ないです。 玉袋 でしょ? 男は「ちょっとキジを撃ちに行ってくるわ!」。女は「ちょっと花を摘んできます...」でいいのよ! ──モノは言いようですよねぇ... 玉袋 でしょ!? 俺、すごいよ、テクニック。土日とか、八百屋のおじちゃんと、メダカとかナマズとか捕まえに川とか行ってんだよ。何にもねぇから、「おじちゃんトイレどうしよう?」って言ったら、「そこらへんにしろ、バカヤロウ」とか言われてさ、最初は山の傾斜のところに入ったんだけど、それでウンコすると、傾斜だから流れてきちゃうんだよ。んで「汚ねぇ汚ねぇ」ってなっちゃって。で、上級者になってくると、山向きに、こう、角度が自然になってくる(しゃがんで実演しながら)。完璧だ......と。こないだなんてもっと完璧な......。 ──こないだ!? 玉袋 そう、こないだ。先週の日曜。新しい野グソを開発したわけよ。田んぼの中にU字溝があるの。そこに水が流れてるの。「おじちゃん、これまたいでしゃがんだらウンコできるじゃん! 中国みたいでいいよ!」って。そしたら「バカ、そうじゃねぇよ、U字溝はまたぐんじゃなくて......U字溝の中に入っちゃえよ」って。水の中に尻まで入れてウンコする。そしたらジャーって流れてっちゃうし、おしっこも流れてくし、肛門もきれいで、素晴らしい。水洗なの、水洗。すっげぇ気持ちいいんだよ、それが。(やっぱりしゃがんで実演しながら) ──ナチュラルウォシュレット......ちなみに、それどこでやってるんですか? 玉袋 埼玉。 ──普通に関東圏じゃないですか! 玉袋 そうなんだよ。いや~ついに到達したんだよ、完璧な野グソ。田んぼに汲み上げられるんだったらちゃんと肥やしにもなるし、ものすごいいいことだろ? エコロジーですよ! エセエコの野郎もいるけどさ、本物のエコ! ......なんなんだ、俺。ウンコの話に終始してるよ。 ──本当ですよ......なんだろう、相談したいことはたくさんあったのに、すべてがウンコ色に......あっ、そうだ! 玉袋さんのご実家って元々は雀荘で、それがインベーダーゲームの流行でお客さんがゲームセンターに流れて、そのせいで雀荘が傾いてホモスナックになったじゃないですか。そんな切ないエピソードがあるのに、小学生時代の玉袋さんたちはすごく楽しくインベーダーゲームをやってて、小説のタイトルも『新宿スペースインベーダー』なんですね。もっとインベーダーを憎んでも良いと思うんですけど、そういう複雑な思いはなかったんですか? 玉袋 これがまたね、バカだったね、俺も。本当、親の心子知らずなんだよな。そうやって傾いてる原因のところにお金つぎ込んでるんだからさ。でも、この『新宿スペースインベーダー』の意味っちゅうのはさ、一生懸命インベーダーを打って、みんなで侵略者をやっつけてるわけだよね。で、うまいヤツなんて100円でずーっとできるわけよ。でも最終的には家に帰んなきゃいけないから、自爆して死ななきゃいけない。だから、結局ぜんぜん勝てねぇんだよ、俺たちは。新宿っていう街は、いろんな人間が集まる場所じゃない? そういう新しく来るヤツらに侵略されて、俺たちの居場所がなくなったっていうテーマなんだよ、これは。 ──切ないですね......。そしてそれぞれが新しい自分の居場所をつくっていかなきゃならないわけだし、玉袋さん世代に限らず、もっと若い世代の課題でもありますよ。 玉袋 そうだな!小明ちゃん、加齢していけばスナックのママになれそうだ! マスター! ──いや! そこは別に目指してないです(笑)! でも、ありがとうございました!! (取材・文=小明) ●たまぶくろ・すじたろう 1967年、東京都生まれ。86年にビートたけしに弟子入りし、87年、水道橋博士と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。初の自伝的小説『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(武田ランダムハウスジャパン)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」(中編)

tamabukuro_03.jpg前編はこちらから ──芸人さんも良く本を書いて、当たれば映画化だったり監督デビューだったりで、きっとガッポガッポなことでしょう。以前、(品川庄司の)品川さんにも一回お話聞いてるんですけど......。 玉袋 まぁ、あれだな。あいつとはファイトスタイルが違うんだよな。あいつが大振りで当てていくなら、俺はカウンターを当てにいくんだよ、カウンター! ──玉袋さんの、そういう芸人さんとしての姿勢ってすごいです! 玉袋 ブレないな。 ──本当にブレてないです! 玉袋 偉いだろ? もっと褒めろ! ──小説に出てくる少年時代の玉袋さんも悪巧みのクオリティーがやたらと高くて、本当に子どものいたずら心を持ち続けて大人になった感じがすごいです! 玉袋 「カツラKGB」とかな! これは「カツラをガンガンばらす」の略だぞ! そういえば「週刊文春」(文藝春秋)がさ、ある大物司会者にインタビューしちゃってるわけよ。「カツラKGBの浅草キッドが○○さんはカツラだって言うんですけど、どうなんですか?」って。なんでそこで俺たちの名前出すんだよ。博士は番組で共演して、俺はしてねぇけどさ、会いづれぇじゃん。やだなー。 ──「僕が言ってるんじゃなくって浅草キッドが......」って保身しながらなんて攻めるなんて卑怯だ! 玉袋 卑怯だよ、「週刊文春」。やめてくれねぇかな。 ──ちなみに、その方に会ったら、聞けます? 玉袋 いや、俺はね、聞かないな。爆笑問題の太田が本番中にズバリと言ってて、まぁ、あれも彼のテクニックだろうけど、またそれとも違った落とし穴を掘っていった方がいいよな。俺たちがやるんだったら、共演者に植毛の人を入れとくとか。○○さんがいて、植毛の人がいて、俺たちがいる、みたいな。 ──ちょ、確信犯すぎます! 玉袋 見てる方は「やべーよ、やべーよ」ってなるけど、選手には分からない。プロレスみたいに、レフリーが試合を作るようなものだから。で、見てる方に、「これ本当にやってんだ!」みたいに思わせるのがテクニックかな。 ──いろいろ参考にしたかったんですけど、そんなテクニック、一朝一夕じゃ無理ですよね......。 玉袋 できるできる! スナック行って、いい気になってるオヤジの横で、オヤジにずっとしゃべらせとくとかさ。 ──でも、前に深夜ドラマでキャバクラ嬢役をやる機会があって、「よーし練習だ!」と、キャバクラに体験入店をしてみたんですけど、やっぱりコミュニケーション能力が足りなくてスーパーヘルプでしたよ。 玉袋 まぁ、キャバクラは時間で区切られちゃうけど、スナックは客もギラギラしてるから面白いよ。スナックでも、自慢話で来る人とか嫌な客いるじゃん? そういう客は嫌いなんだよね。「なぁちょっと、ママ聞いてよ」って、失敗から入ってくる人の話を聞くとかな。「俺が俺が」って奴の自慢話に同調しないでダメなトークで広げてくとか、そういうテクニックだな。だから、まず働くことだ。スナックにアルバイトとして入って潜入捜査! ──それならうっかり同業者やファンの方を接客して身バレしても、「今、潜入捜査中だから......シーッ」って言えてかっこいいかも! あと、幅広い年齢層と話を合わせられるようになりそうです。『新宿スペースインベーダー』も、いま40代の人の懐かしいワードが詰まった小説だから、どうしても世代の違いで分からない言葉が出てくるんですよ。それがもったいないなって。 玉袋 そう、だから俺、どういうふうに受け取られるかなぁと思ってたんだよ。今までけっこう取材を受けてるけど、だいたいインタビュアーは40代の男で、「分かる分かる」って感じなんだけど、やっぱり分からないアイコンが出てくるでしょ? ──インベーダーゲームも、野球の話も、ヤミ金の杉山会長も、梶原一騎先生の漫画も、一応知識として多少は知ってて、小説を「面白かったー!!」って読めても、どうしてもその世代の人が味わえる「懐かしくて仕方ない!」っていう感覚までは味わえないので、それは残念ですよね。 玉袋 ああ、それはあるかもしれねぇな。 ──でも、嫌いな不良に陰で変なあだ名つけたり、ウンコに爆竹さして飛ばしたり、大都会新宿でも千葉の片田舎でも、バカな男子のやることは一緒でした! 玉袋 略して「ウン爆」な! ──PSPとかそういうものがない時代の子どもは、とんでもないもんで遊びますよね! 少年時代の玉袋さんの友達で、タカシっていう貧乏な子が出てくるじゃないですか? 基本、もらい物ばっかりだったり、同級生におごってもらったり、落としたアイスキャンディーを洗って食べてるところを見られてバカにされてたり......。そういうエピソードが自分の小さいころと同じで......。私は落ちてるチョコボールを食べたんですよ。それを同級生に見られて、「あいつウンコを食べた!」って言われて。 玉袋 へっへっへ。小学生からスカトロ女優として(笑)。 ──エリート過ぎますよ! 私、名字が青木なんですけど、そこから「青木菌」って呼ばれるようになって、それが「青金玉」に変化して、最終的には陰で「金玉」って呼ばれてました......。 玉袋 そういう隠れたあだ名って、なぜかバレてんだよな。でもいいじゃない、金玉でも。俺だって玉袋だよ。 ──本当だ! おそろいですね! うふふ! 玉袋 同じだよ! どうってことないよ! ハッハッハッ! ──玉袋さんは"玉袋筋太郎"っていう、一見ハイリスクな名前をすごく気に入っているんですよね。 玉袋 好きだよ。自分の本名よりもなげぇ付き合いだし。 ──玉袋歴23年ですもんね。でも、前にキッドさんの本で「父親の名前が玉袋だから、子どもの授業参観や運動会に行けない」ってエピソードを書かれていて、そこがすごく切なくて泣けました。子どもって、ひょんなことでいじめに発展しますもんね。 玉袋 そこだけだな。こっちは他の親父と同じようにカメラもって追っかけたくてしょうがねぇんだから。 ――玉袋さんの家庭の話は切なさだったりオチがついてたりするので、安心して聞けるし読めるんです。ひねくれてるなぁ、私。 玉袋 変節したくねぇし、変わらねえってことだな。結婚したって俺のまんまだし、子どもいたってまんまだし、そのスタイルを変えるのがあんま好きじゃないんだよ。 ──やっぱり、基本スタイルは「ウンコ・チンチン!」なんですね! 見習わねば! ......そうだ! ウンコと言えば、私も小学校のときに体育のバスケットで、運動神経が本当になかったのでドリブルがうまく出来なくて、つま先にボールが当たってびよーんって校庭の外まで飛ばしちゃって、怒られて取りに行ったらボールに緩い犬のウンコがベッタリ付いてて......。先生に「すみません、ウンコが付きました」って報告して「バカ野郎! 洗ってこい!」ってまた怒られて、水道にウンコが詰まるといけないからまずは手でウンコを取ったときのあのベタッとした感触......。 玉袋 いいねぇ! いや、経験してないやつが多いから、ウンコの件に関しては。ものすごいマイノリティだけど、選ばれし人だから。だって俺も小学3年生の時にクラスでウンコ漏らしてさ、それまで人気者だったけど、そっからリスタートだよ。そっから3年間つらいよ? 中学行てもみんなに言われちゃうし。 ──ウンコ漏らしてからまた人気者になるっていうのは相当ハードル高いですよ。私も尿までですよ、学校で漏らしたのは。 (後編に続く/取材・文=小明) ●たまぶくろ・すじたろう 1967年、東京都生まれ。86年にビートたけしに弟子入りし、87年、水道橋博士と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。初の自伝的小説『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(武田ランダムハウスジャパン)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第26回のゲストは、自伝的小説『新宿スペースインベーダー』(武田ランダムハウスジャパン)を上梓された浅草キッド・玉袋筋太郎さんです! [今回のお悩み] 「コミュニケーション能力が低いです......」 ──うおー! この連載は26回目なんですが、やっとたけし軍団の方にたどり着きました! やりました! 玉袋筋太郎(以下、玉袋) おめでとう! ......ぜんぜんめでたくねぇだろう、それ! ――昔、草野仁さんとキッドさんの『草野キッド』(テレビ朝日系)って番組に出そびれたんですよ。アイドルがファンに乗っかって騎馬戦する企画だったんですけど、騎馬になるファンが集まらなくて......。 玉袋 さみしい! さみしいねー! 3人だよ、騎馬戦って。3人集まらないって、なかなかいい経験だよ! ――戦場にすら上がれなかった悲しい思い出で......。あと、初めて握手してもらった芸能人がつまみ枝豆さんで、初めてVシネマお世話になったのが「〆さば」の〆さばヒカルさんでした! 玉袋 ヒカルは......死んじゃった方か。 ――亡くなっちゃいましたね......。めちゃくちゃ良い人で、売れて欲しいなぁと思いつつ、あの人がテレビに出てるのを見たのは、深夜におちんちんにスッポンが食い付いて、すごいもがき方をしているところだけでした......浮かばれない! 玉袋  『朝までたけし軍団』(テレビ朝日系)だな。もうできねぇな、あれは。井手さんが土佐犬に犯されて......最高だったよな! ──もう伝説の番組ですよね! 〆サバさんの後は、レギュラーは脱落したんですけど、北京ゲンジさん司会のミニスカポリスにちょっとだけ出て、それから深夜番組『ド・ナイト』(テレビ朝日系)で、やっと浅草キッドさんとご一緒できて! 玉袋 おお、取材行ったの? 俺と行ってないでしょ? ──行ってますよ!! 博士も玉袋さんも一度ずつご一緒させていただいて、玉袋さんはなぜか楽屋で「江頭と一緒にいろんな風俗で出禁になってる」っていう話をしてくれました。 玉袋 あ、そうそう、本番強要して池袋あたりで出禁。ヒドイ話だね、わざと女性に好かれないようにしてるね。そこらへんの話をポーンとして、乗っかってくるか嫌な顔するか、リトマス試験紙として人を見てるんだよ、俺たち。それは結構あるんだよ。 ──そんな話題に乗るの、十代そこらの女子には無理ですよ! 玉袋 ハッハッハッ、それは失礼したね(笑)。 ──あの番組は玉袋さんや博士さんがいろんなジャンルの成功者にお話を聞きにいく番組だったじゃないですか? 私も今、たまたまこうして対談をさせていただく機会が増えて、いろんなジャンルの方とお話しさせていただくんですけど、もう、ひどいんですよ、コミュニケーション能力の低さが。 玉袋 そう? もう十分つかんでるじゃん。 ──全然! 前回は前田健さんだったんですけど、実は結構な惨敗で......。私の中の前田さんの知識っていうのが、あややのモノマネとゲイってこと、あとはキッドさんのDVDで、前田さん含む各業界のホモであろう人たちを集めてサイコロトークをさせるんですけど、そのサイコロに「ウンコが漏れそうだった話」しかないっていう......。あれはすごい緊張感で......! 玉袋 それ、単にホモ疑惑のある人にホモの話を追求してくっていう話だよね。 ──はい! 一人が「ウン漏れ話」をしちゃうと、もう王様ゲームのような空気で全員がしなきゃ寒くなるから、もちろん前田さんも苦笑いでとびっきりの「ウン漏れ話」をしてくれてたんですけど、いざ対談になって、前田さんを目の前にしたら、「無理! 私、そんなこと聞けない!」と怯んで、ずいぶんと小ギレイなインタビューをしてしまって......。 玉袋 なんだよ、そこで肛門の話しなきゃ! それがいかに気持いいか、そういう話しないとさぁ。 ──そういうふうに、一歩踏み込むタイミングを逃して怯んで退散っていうのをずっと繰り返してしまって......。せっかくの対談だというのに、ウィキペディアに載ってるようなことを聞いても意味がないじゃないですか! それがもうずっと悩みで......。 玉袋 『潮騒』じゃないけど、「その火を飛び越えてこい」ってことだよ。うちの相棒なんかひどいよ。野球のカネヤン(金田正一氏)いるだろ? 400勝の、日本一の大投手だよ? だけど、会って第一声「400勝、ウソでしょ」って。カネヤンが「んんっ!? 何を言う、この小童!!」って。小童って久しぶりに聞いたよ! いきなり博士の先制パンチだよね。ズッコケたよ、俺も。 ──入り口から失礼って、相当勇気がいる行為ですよね! 私はその勇気がない上に緊張しいなので、後で原稿にしながら「この人はこんなに良いことを言ってくれてるのに、私なんで違う話してるんだろう」ってことがすっごく多くて。キッドさんの著書に『みんな悩んで大きくなった!』(ぶんか社/99年刊)があるじゃないですか。 玉袋 あのオナニーの話の本ね。 ──まさかオナニーの話とは思わず読みましたけど、すごく面白かったです。対談やインタビューって、特に何も用意しなくてもその場の雰囲気やアドリブでうまく転がしたり、吉田豪さんみたいに完璧な下調べで味方ですよって顔で相手の懐に入り込んでしゃべらせたり、いろいろな手法があるじゃないですか。 玉袋 ハッハッハッ、吉田豪ちゃんに書かれたら最終的には敵になるのにね! ──アハハ! ある漫画家さんがしゃべりすぎて原稿になるのを恐れて「吉田豪さん死なないかなぁ」ってTwitterでつぶやいてました! キッドさんの対談は、また全然違う切り口でやられてるので、是非参考にさせていただきたいと思いまして! 玉袋 どうなんだろうね。懐に入るってのは大事だよな。アウトボクシングもいいけれど。ライターの本橋(信宏)さんが「どんな偉い人と会っても緊張しないインタビュー術がある」って言ってて、それは、ヤクザの親分とか、そういうすごい人をインタビューする時に、その人がクンニをしてる顔を想像するんだって。この人もクンニしてるんだからと思うと全然緊張しなくなるんだって。で、俺も100人近くインタビューしたけど、「なんだよ、お前クンニしてんじゃねえか」って思うと全然平気。そこらの飲み屋のおやじと変わんねぇから。 ──ギャハ! ひどい! でも、ホリエモンの対談の時にそれを聞きたかったです。あの時は完全に萎縮してしまって......いやー怖かったです。偉い人だったし。 玉袋 偉くも何ともねえよ、あんな野郎。 ──でも、六本木ヒルズのすっごい上の方で対談したんですよ! 玉袋 それが偉いと思っちゃうのがだめなんだよ。豆腐一丁作れない野郎が社長だとか言ってんだから、たいしたことねえよ。もちろん緊張する人はいるよ。いるけど、やっぱりそのクンニ作戦はいいよなぁ。今後使ってください、本当に。 ――分かりました! さっそく今日からクンニ作戦! 玉袋とかクンニとか、なんか完全に痴女みたい! えっと、キッドさんのお仕事では、生前の水野晴郎先生に堂々とホモ疑惑をかけていったのも、すごすぎました。本人を良い気持ちにさせたまま外堀がどんどん埋められていくんですよ。 玉袋 まぁね。褒め殺しでいくんだよね。「最高ですね!」って話から入って、潜入捜査的に「もしかしたらこいつらもその気あるんじゃねぇか?」って思わせるのも大事だよな。まぁ下調べはしてたけど、知ってても仮面かぶって、知らんぷりしてやるから、それがまた良いんだよな。きたねぇテクニックだよな。知らねえふりして、わざとそっちの話させるように持ってって、「え! そうなんですか!?」って大げさなリアクション。 ──なるほど! 確かに『ド・ナイト』でも「そうなんですか!?」ってやってました! 本当は誘導してたんだ! 玉袋 こっちは全部知ってるんだから。『アサ秘ジャーナル』(TBS系)の時も、"ヨイショ付きの政見放送"って呼んでたんだよね。俺も博士も全部読んでるわけよ、その政治家のスキャンダルから何から。全部大宅文庫で分厚いのが来て、もう憂鬱だったんだけど、それを知らんぷりして、うま~く分かるやつに向けてボールを投げる。「おっ、わざと踏まないでその話聞いてるな?」みたいな。ある政治家がAV男優騒動とかあったじゃない? そんな時、わざと駅弁の話したりさ。「昔、私は駅弁を売ってたんです」って。「駅弁ですかぁ、こうやってですか?」(腕を腰の前でハッスルさせながら)「そう、こうやって」って、その人にポーズさせて「勝ち!」みたいな。分からない落とし穴をいっぱい掘っといて、相手がそれにズボッと落ちた時、心の中でガッツポーズする。 ──意地悪!! 完全に落とし穴を掘ってから始まってるんですね!! 玉袋 落とす落とす。それがテクニックだな! ハッハッハッ! ──鬼畜ー! そんな玉袋さんの自伝的な童貞小説『新宿スペースインベーダー』を読ませてもらったんですけど、昭和の悪ガキたちが不良やホームレスと交流しながら成長していく、みたいな良い話も多くて、NHKの連ドラに出来そうじゃないですか? 玉袋 ハッハッハッ! ダメだろ、それ! だって××××にセックス教わった話とかあるんだよ、無理に決まってんだろ! ──ものすごく大雑把にジャンル分けすると『三丁目の夕日』とか『東京タワー』的な雰囲気は醸してるんですけどね......。 玉袋 あれらは違うんだよね、俺。あっちの『三丁目』だとか『東京タワー』だとか、俺は読んでねぇんだよ。ずっと鎖国してたんだよ、この何年間。文化とか映画とか、見ないようにしたの。影響とか受けたら悔しいじゃん。 ──良い話の中に「完全にダメだろ......その話題......」みたいなショッキングなエピソードをがんがん入れ込まれてましたね! 知的障害の子の性描写とか、びっこのお婆ちゃんとか、子ども心に「踏み行っちゃいけない一歩」みたいなのをいつの間にか越えちゃって、後で暗くなるような、そういうデリケートな部分の気まずさを思い出しました。 玉袋 あえてだよね。あえて「ウンコチンチン!」してるって感じがねぇと、やなんだよね、そんなの。 ──でも、ちょっとそっちに寄れば、莫大なお金が儲かったりしますよ。映画化とかドラマ化とかで。 玉袋 あ、そうなの? ......バカだったな、俺。 (中編に続く/取材・文=小明) ●たまぶくろ・すじたろう 1967年、東京都生まれ。86年にビートたけしに弟子入りし、87年、水道橋博士と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。初の自伝的小説『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(武田ランダムハウスジャパン)発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

「出会い系からオナカップまで」合理化が加速する"セックスメディア"は今後どうなる!?

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 荻上チキ氏と言えば『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『社会的な身体』(講談社現代新書)などでネット・カルチャーを主なフィールドとする気鋭の批評家だ。そんな彼が新たに目を向けたのが出会い系サイトなどアダルト産業。一見、これまでの仕事とはかけ離れた分野なようだが、これまで一貫して「メディア」に関心を寄せ続けてきた荻上氏だけに、新著『セックスメディア30年史』(ちくま新書)では、出会い系サイトからオナカップ・ラブドールといったものを遡上に乗せ、第一人者のインタビューを織り交ぜて、その興隆の秘密を解き明かしている。  同書では、第3章を『何がエロ本を「殺した」か?』というタイトルにしているが、ここで思い出されるのが、2006年に刊行された、安田理央氏・雨宮まみ氏による共著『エロの敵』(翔泳社)である。安田氏は、この本のあとがきで、「エロの最大の敵は、エロが『価値を失ってしまうことだ』」と綴っていた。  あれから5年を経て、エロの世界はどう変わったのか。そして、荻上氏の「セックスメディア」と安田氏の「エロ」の意味の違いは何か。荻上氏と安田氏に、じっくり膝を突き詰めて語って頂いた。 ――そもそも荻上さんがアダルト産業にご興味を持たれた理由は何でしょう? 荻上 「だって男の子だもん」というのが第一の理由ですが(笑)、メディアそのものの栄枯盛衰がクリアに見えるのが何より面白いですね。安田さんの本からもすごく勉強させて頂きました。この30年、安田さんが書かれたように、雑誌のようにエロが衰退していく面もあれば、動画サイトのように、注目を集めてより発展していく部分もあった。僕自身、高校生まではエロ本を見てましたが、インターネットをはじめるとエロ本はほとんど読まなくなりました。そうした自分が見てきた風景、アダルト産業の移り変わりを、まずは当事者に聞きつつ、その背景にある産業構造を解き明かしたいという動機で『セックスメディア30年史』を書きました。 ――安田さんは、荻上さんの本をお読みになられてどういう感想を持たれましたか? 安田 僕が不思議だったのは、何で雑誌を取り上げたのか、ということですね。他のものは発展途上なのに、雑誌だけ「終わった」話なので......。他の章は面白く読めたのですが、そこだけ悲しいんですよね。 荻上 確かに。ただ、「何が、何に変わったのか」という、機能の移り変わりを見るためには雑誌は欠かせなかったんです。今回の本では、意識的にコンテンツの話はせず、メディアやプラットフォームの話に特化しています。この本の構成は、第1章のテレクラと第2章の出会い系サイトが対応していて、第3章のエロ雑誌と第4章のアダルトサイトを対応させていて、プラットフォームとしてのエロ本だけに特化させていました。 安田 テレクラは出会い系サイトに発展しているからね。
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荻上チキ氏。
荻上 そうですね。しかも、同じ業者が業種替えしたケースが多い。一方で、雑誌はサイトを作らないじゃないですか。サイト経由でも売れないという話ですし、版元のサイトにも宣伝ページすらないものさえ多い。だから、ビフォアーとアフターでうまくジャンプできたケースと、そうでないケースとして、悲しいけれど歴史として雑誌のことを取り上げる必要がありました。ただ、元気のないものの代表として出したのではなく、雑誌が今後を模索することに対する希望が、個人的に込められていたりするんです。 安田 実は『エロの敵』を書いていた時に、エロ本のところを書いていたら、全然明るい話がなかったんですよ。本当に辛かったね。どう考えても光明が見えないんだよ。 荻上 それでは、エロで文章を書く、という仕事もかなり影響があったのではないでしょうか? 安田 僕も風俗ライターは5年くらい前に廃業しているんですね。風営法の改正で風俗がデリヘルばかりになって、お店のシステムもほぼ一緒だし、書くことがなくなっちゃったんです。女の子のことだけになるとカタログ記事だけでいいし。 荻上 松沢呉一さんも、随分まえに「廃業」を宣言しましたね。エロサイトのレビューでも、これまでのライターとは違う文脈の人が書いていますし、CGMで情報が共有されるようになっていますからね。 安田 DMMアダルトのレビューでも同じだよね。一つの動画にたくさんレビューが掲載されているから、自分に合った情報を見つければいいだけで。 荻上 DMMアダルトには映画と同じく、「ネタバレ注意」というのがあって、動画のどこで何をしてるのか全部フローが書いてあるものもありますね。風俗店やAVメーカーのサイトも、女の子にブログ書かせたり動画を載せたり、メルマガで情報発信するようになっている。自前でなんでも用意できちゃうんですよね。 安田 ライターの居場所がなくなっちゃったんだよね。 ――パソコン通信のころからネットの世界を知っていらっしゃって、ブログも人気の安田さんから見て、出会い系サイトやアダルトサイトはどう映っていらっしゃるのでしょう? 安田 さっき荻上さんがおっしゃっていたけれど、雑誌以外のところにはコンテンツがないんだよね。例えば「動画ファイルナビゲーター」の話も、メーカーが作ったものをもらってくるわけで。僕はエロコンテンツに興味があるんだよね。だから、出会い系も、どんなことがあったかという話が好きであって、データだけが欲しいわけじゃないんです。昔、松沢呉一さんと話していて、「風俗の仕事をやらなくなったら行かなくなるだろうな」と言われて「ええっ」と思ったけれど、実際に自分も仕事をやめたら行かなくなったんだよね。 荻上 なるほど。つまり、「抜き」より「語り」の方がウエイトが高かったんですね。 安田 そうなんだよね。結局、自腹で遊びに行ってもネタとして書きたいというのがあったので、ユーザーとはちょっと違ったんだな、と。僕の中でセックスメディアとして出会い系は入ってこないですね。セックスメディアとエロメディアでは全然違うじゃない? 荻上 実のところタイトルはずっと「アダルトメディア」と書いていたんですけれど、編集に「セックスと入れると売れますよ、と言われて変えたんですが(笑)。 安田 でも「セックスメディア」が正しいよね。 荻上 僕の本は、アダルトな隠微さを求めているひとの話ではたぶんないんですよね。快楽もさわやかな快楽で、TENGAも情報の透明化をしようという話がベースだったので、物語としても猥雑さをむしろ取っていく話でもありますね。 安田 言ってみれば、『エロの敵』は物語が死んでいく話で、荻上さんの本はエロから物語を切り離して軽やかになっていく話なんじゃないかな。荻上さんの本を読んで思ったんだけど、みんな「損したくない」というのがユーザーにありますよね。僕は古い世代の一番最後に属する人間だと思うんだけど、エロっていかがわしくて損をするのも含めてという意識がありますね。 荻上 例えば今では、「漫画実話ナックルズ」(ミリオン出版)などでは、こんな風俗嬢が出てきてがっかり、みたいな話がまだありますが、そういうのは少なくなりましたね。
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安田理央氏。
安田 女の子の話はそんなに面白くない。ひっかかる男の話の方が好きなんだよね(笑)。それで、僕が風俗ライターやめようかな、と思ったのは、編集者に「もっと読者に得になることを書いて下さい」って言われたんですよ。僕らとしてはひどい目にあった方が面白いじゃん、と思っていたんだけれど、編集者や読者ニーズは変わっていて、06年や雑誌も得するとか損しないとかいうことばかりになっていた。 荻上 サイトでも雑誌でも、クーポンとかQRコードと連動とかが当たり前になっていますね。情報の透明化と、媒体のカタログ化が進んできた。 安田 どんどん合理化しているけれど、書く側からは面白くない。今、エロならエロのコアの部分だけでいい、と。これは、アダルト産業すべてに起こっていることで、そうするとライターはいらなくなる。まぁ、ライターだけで食べていくということは他の分野でも難しいことですけれどね。 荻上 しかしそれは、多くのユーザーにとってはいいことだった。自分にとってベストマッチされるニーズになっていったんだから、市場が求めていることですよね。これは悲しむこともできるし、肯定することもできる。年長のライターの方々はコンテンツに思い入れがあるけれど、僕はメディアそのものの便利さなどにも愛着があるため、本には、その両方の思いを乗せてみたかったんですよね。 ――市場のニーズが変わってメディアが追従していくのか、それともメディアの変化で市場が変化したのか、どちらなんでしょう? 安田 いいプラットフォームが出来るかという話だよね。受け入れられないとニーズがないということだから。それで消えていたプラットフォームがたくさんあるわけで......。 荻上 ニーズを上手く汲み取ったプラットフォームがさらに市場を拡大していく、という循環運動だけがあるんじゃないでしょうか。99年にできた「動ナビ」はサンプルサイトを紹介することが重大だった。そうした動ナビに多くの人が集まり、サンプル文化がますます成長していった。といっても、動ナビには実は雑誌文化的なところも内在されていて、雑多なニュースコーナーも人気でしたよね。情報が拾われることで数十万人に広がることがあった。 安田 自分のブログも取り上げられたことあるけれど、あそこで紹介されるとえらいことになるんだよね(笑)。 荻上 化け物サイトでしたからね(笑)。本の中で繰り返し書いたのは、一つの理由で産業が変わるということはないのだけど、必ず複数の理由でビジネスを継続していこうとする、ということですね。 安田 あと、エロは状況やメディアの形によって内容がすごく変わるんですよね。例えば、エロ本でもシール留めが義務付けられると表紙に本の内容を全部書いちゃうとか。あまり抵抗しないで、適応していこうというのがエロの業界の基本です。 荻上 まさに適応の好例と悪例の歴史ですよね。ここ20年は不況が続いていて、金がなくても出来るエロというものに最適化した産業がたまたまいくつかあった。廉価なオナカップだったり、無料サイトだったり、上手くいけばタダでできる出会い系サイトだったり。ユーザーマインドと市場の形が循環的にシフトしたんですよね。 ――それでは、最後にお二人の今後のセックスメディアに対する向き合い方をお聞かせ頂ければと思います。 荻上 今回は「利用する男側の歴史」、しかも主にマスターベーションに重きを置いたものでしたが、次は出会い系サイトなどでの売春婦調査を元に、性を売る女性の話を書くつもりです。いろいろな書き手の方がこの分野から撤退した今だから、「アフター」の話を書きつらねていきたい。 安田 僕はエロ本には最後までつきあって、死を看取ることになるのだと思いますけれど、そうじゃない方法を模索はしたいんですよね。本当はエロのフィールドから出たくないんだけども(笑)。でも、従来のエロライターみたいなことをやりたければ趣味でやるしかないとは思っています。 (構成=ふじい・りょう) ●おぎうえ・ちき 1981年生まれ。メディアから社会問題まで幅広く調査・分析する批評家。思想系メールマガジン「αシノドス」編集長。著書に『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『いじめの直し方』(共著/朝日新聞出版)、『ダメ情報の見分け方』(共著/NHK出版)など。 ●やすだ・りお 1967年、埼玉県生まれ。雑誌編集プロダクション勤務、コピーライター業を経て、94年よりエロ系フリーライターとして独立。風俗、AVなどのアダルト系記事を中心に、一般週刊誌からマニア誌まで、幅広く執筆。その一方で、AV監督やハメ撮りカメラマンとしても活動する。主な著作に「デジハメ娘。」(マドンナ社、03年)、『日本縦断フーゾクの旅』(二見書房、04年)、『エロの敵~今、アダルトメディアに起こりつつあること~』(翔泳社、06年)など。
セックスメディア30年史 人類の歴史。 amazon_associate_logo.jpg
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前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」(後編)

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前編はこちらから 前田 えっ、そうなの? でも、日本なんて特に美醜で判断されすぎだよ。美しくて得してる人がすごくいる。 ──前田さんはお芝居をずっと勉強されているから、余計に気になりそうですよね。 前田 そう。ずるいと思ってるの、女の子。世の中の男性がみんな女の方を向いてるから、やっぱりヤキモチっていうか、ありますよね。 ──アハハ! 正直! あの、ちょっと話が変わるんですが、昔から海外で勉強するほどの演劇少年で、今は小説を書いたり映画監督をしたり振付師をされたりしてますけど、その中で、"モノマネ芸人"って部分だけちょっと異質ですよね。どういう流れで芸人さんを志されたんですか? 前田 やっぱりねぇ、役者になりたくてずっと勉強してたんですけど、有名な人の息子でも、美しいわけでもないので、世の中の流れにつかまるフックがなかったんです。だからそのフックは何だろう? と思って鏡を見たら、「僕は面白い顔をしてるし、ふざけたことをやって人を笑わせたらいいんだろうな」と思った。それでイッセー尾形さんの一人芝居みたいに一人コントを長年やってたんですけど、全然売れなくて......。その時、うちの事務所の原口(あきまさ)さんがさんまさんのモノマネで、タモリさんをやってるコージー(冨田)さんと組んですごく売れたんです。それで「モノマネが出来る人はオーディションに行ってください」ってなって、僕は高い声が出たり、メイクがうまかったり、あと踊りが踊れたので、松浦亜弥ちゃんのモノマネをやらせてもらったんです。無名の人間が人に見てもらうためには有名な人のモノマネをするのが一番てっとり早い。逆算なんです。「世の中に出たい→人から見てもらうにはどうしたらいいか?→有名な人のマネをしよう」っていう、それだけです。毎週毎週いろんな地方で営業やってるうちに、歌いながら「俺、松浦亜弥ちゃんよりも『Yeah! めっちゃホリディ』歌ってるかもしれないな」って思ってたよ(笑)。 ──その後、はるな愛さんの"エアあやや"が出てきて......。 前田 ごっちゃになって、いまだに「エアあややの前田健さん!」って言われることありますよ。「こっちはエアじゃねえよ!」って思うんだけど。......そうだね、確かにそこだけ経歴で異色だよね。 ──そうなんですよ。だから私も、初めは前田さんって完全にモノマネ芸人さんだと思ってましたもん。 前田 それだけ、世の中との接点を作るため頑張っていたのかもね。今はその活動をきっかけにいろんなお仕事をさせてもらえるようになって、小説も映画も自分で100%やらせていただけた、ということです。 ──こんなに珍しい道のりで監督デビューした人は初ですよ! ところで、ご自分の映画に出演しようとは思わなかったんですか? 何でも好きな役ができるのに、もったいない! 前田 ダメダメ! 自分にOK出せないもん! 意識だけ生意気に高いの! 自分が演じてしまうと、「あー下手だなー」ってモニター見て思うんだけど、僕が「うまいなー」って思う人をキャスティングすると、自分の作品なのに自分の演技力より素晴らしい作品が残せるわけですよ。それって悦ですよ。自分が演じても表現できない美も、麻生祐未さんにやっていただければ表現できるわけですからね。 ──なぜそこでご自分に麻生祐未さんの役をチョイスしたのかは置いといて、やっぱり自己評価の低い人間特有の自重癖みたいなのもあるんでしょうか? 気にせず出てしまえばいいのに!! でも、単身でアメリカに行って4年もダンスや演劇を学んだり、俳優からモノマネを始めたり、自重しながらもすごい行動力だと思います。その貪欲さはどこから?  前田 そうですね、アメリカではダンスを中心に、歌とお芝居のワークショップにも行ってました。ウエイターのアルバイトで生きていくためのヒアリングも勉強したし......やっぱり欲張りだし、目的達成意欲がすごく強くて。自分が嫌いだから、余計に「今は自分はこうだけど、こうなりたい→じゃあとりあえずこれを埋めていこう」っていう、やっぱり逆算の考え方が強く根付いてるんですね。だから、いつも何か企んでるんです。 ──行動にちゃんと計画性が備わってるってうらやましいなぁ。私は以前、アメリカじゃなく台湾に武者修行に行ったんですけど、計画性がなさ過ぎて引きこもって終わったし......。前田さんはいつからそういう逆算の考え方になったんですか? 前田 いつぐらいかな? 僕には兄と弟がいて、真ん中の子だったんですけど、上と下って仲良くなりがちでしょ? 自分は孤立してたんで、何でも自分で決めて、事後報告して、たくましい性格だったと思います。 ──そうやって兄弟間で孤立してると、上や下が親に構ってもらってたり、甘えてたりするのがうらやましくなりますよね。その名残なのか分からないけど、どこかしらでいつも「誰かー! もっと愛してー!」って思ってる気がする。 前田 そうだね、渇いていますね。 ──そういう渇きはどうやって補充されてますか? 前田 補充はできてません! 今でも渇いたままです! 渇きをガソリンに動いてます! その分、愛されたいという行動として作品を作って、人にうんとかすんとか言ってもらいたいなと思っている最中です。だから埋まったら書かなくなるかもしれないですし......。「悲しい歌手の方がラブソングをうまく歌える」って、よく言うんですけど、そういう感じかもしれないですね。 ──今まで書けなくなったことはありますか? 前田 ないない! 満たされたことがないから! ──えー! じゃあ、今までの人生の中で両想いだったことは? 前田 うーん、うーんとね、あんまりない......かな。かすかに、ぐらいしかない。その時も「足りてないな」って思ってたから。ぬくぬくしたことはないです。 ──うへえ! 貪欲ですねぇ! 前田 貪欲。過剰に貪欲。「結局どうなれば気が済むの?」って思うぐらい、他者を好き過ぎてしょうがないです。 ──前田さんの小説にセックス依存症の女性の話がありますけど、そういう、どうしても何かに依存してしまう方も、根本にすごい渇きや寂しさがあるんでしょうね。 前田 そうそう、抱かれてる間はね、寂しいってこと忘れられるから。だから過剰なんですよ、僕は。求める愛情も与える愛情も、あふれ出て止められないくらい過剰だってことが分かっているの。小説の女の人は子どもができてその渇きから抜け出すけど、僕なんか相手も男で、子ども作らないからさ......セックスって快楽100%なんだよね! ──それは......ゴールが見えない!! セックス依存症とは対極ですけれど、小説にある、「私とつきあっても、行き止まりなの」っていうアセクシャルの女の人の話が興味深かったです。私も異性と楽しく話すのは好きだけど、性的な目で見られると一気に引いてしまって、「デートはいいけど泊まるのはちょっと......」みたいなのを続けていたら自然とフラれますよね。でも、ひとりは寂しいという矛盾!  前田 あ、それアセクシャルかもよ? 僕は専門に研究してるわけじゃないから、そういうサイトとかに行って、同じような悩み持ってる人の話とか読んでみるといいかも! ──検索して認めるのもなんだかつらいような! だって、前田さんの書くセクシャル・マイノリティーの人たちって、結末が幸せなものが少ないじゃないですか? 前田 そうそう。女性の話の中でいくつか幸せなラストはあるけど、結構救いのない話が多いというか。 ──マイノリティだと、それだけ恋愛で幸せになりづらいってことですよね。 前田 なりづらいよ~。生きづらいよ~。僕は結構エッチが好きなので、アセクシャルは一番わかりえないキャラクターだったんだけど、自分の友達に何人かいて、小説や映画でもそういうものを打ち出してる人がいなかったから、友達とよく話して、勘違いのないようにデリケートに書きました。 ──あ、確かに小説も映画も、全体的に文句のつけようがないデリケートさでした。 前田 僕はね、デリケートなんです。うふふ。 ──デリケートだと、自分の発言に気をつけてる分、他人のちょっとした言葉で傷つくことも多くないですか? 前田 ありますよ。なんだかんだ人に言われる仕事を選んでしまったので、メンタルを強く持つしかないんですけど......。でも、2ちゃんとかそういうところを見てさ、自分の悪口とか読んじゃうんだよね~! ──精神衛生上よくないですよ! 私も昔は2ちゃんで自分の外見も内面もコテンパンにたたかれて、「早くAVいけ」って書かれてるのを見て鬱に拍車を掛けてましたけど、最近はたまに知人に見てもらって「どう? どう? 荒れてない?」って(笑)。「荒れてるどころか過疎ってるけど、あんた大丈夫?」って言われて、それはそれでピンチなんですが。 前田 ふーん......。でも、もしそのままグラビアアイドルでいて、良い線いってたとしても、満たされてはなかったでしょう? ──いやー、それはわからないですよ。どんなにやめたくても「ひと花咲かすまではやめられん! やめるなら売れて惜しまれながら......」みたいな感じで、とにかく誰かの記憶にとどまりたくて続けてたら辞め時を逃して、いまだにそのまま迷走してる状態で......。ひと花咲かすどころか、私はなんかの草だったようです。 前田 なるほどね。大丈夫です。枯れたり腐ったりしなければいつか咲くから。 ──若干根腐れ起こしてるけど、がんばります! 咲くって、つまり、いかに充実感を得られるかですよね。待ってるだけじゃ咲かないんだな、動かないと。ちなみに前田さんの咲いてる瞬間っていつですか? 前田 うん、やっぱり僕は子どもを産まないから、子どもの代わりに作品を産んでるんです。僕は自分の作品を作る時、自分の身を切り取って、鶴が機を織るみたいにしてやっているので、そういった作品で人が心を動かしてくれた時は「生まれて良かったな」って思えて......。だから、そういう時、「ちょっと咲いてるかな?」って思えるような気がします。 ──素晴らしく謙虚な締め! 前田さんの切り身(?)、しかと頂きました! 今日はたくさん勉強になりました、本当にありがとうござ...... 前田 (遮って)だけど、本当は何もしてない僕を抱きしめてくれたり、チュウしてくれたりするような、パーソナルな受け入れも欲しいな(笑)。本当は一人にガッツリ愛されたいけど、それがないから、こうやってみんなからちょっとずつ愛されたい!! ──ひー! 今後も適度に渇きながら走ってください! 応援してます! (取材・文=小明) ●前田健(まえだ・けん) 1971年、東京都生まれ。高校卒業後にダンスと歌の修行のために渡米。94年にデビューし、松浦亜弥の完コピモノマネなどでブレイク。2005年にゲイであることをカミングアウトしている。初の原作・脚本・監督映画『それでも花は咲いていく』公開中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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●『それでも花は咲いていく』 テアトル新宿、キネカ大森にて公開中、ほか全国順次ロードショー! 公式サイト:<http://www.soredemohanawasaiteiku.com> 芸人・前田健が贈る、心に響く渾身のヒューマンドラマ誕生!  ものまね芸人として、また最近では俳優として活躍する前田健。彼が2009年に初めて書き下ろした処女小説『それでも花は咲いていく』(幻冬舎)は、従来のタレント本とは違い、セクシャル・マイノリティーの人々をテーマに、本格的な小説として大きな話題を呼んだ。そして今度は、彼自身が初の脚本・監督として、自身の小説で描いた9つの短編の中から、人には言えない心の悩みを持つ3人の男たちの姿を描いた3編、「エーデルワイス」「ヒヤシンス」「パンジー」を映画化。原作者である前田健自らが監督したことで、原作が持つ世界観を壊すことなく、見事に映像化し、見る者の心に響き共感する、渾身のヒューマンドラマが誕生した。  過去に小学生の教え子にしてはいけないことを起こした罪を背負いながら、自分の許されない恋愛に悩む元有名進学塾の講師だった男(仁科貴)。容姿の醜さから人に拒絶されて以来、人を避けながら他人の部屋に侵入することに生きがいを感じる男(滝藤賢一)。そして最愛の母親を突然失い、呆然とした時間を過ごしながら過去の母親に思いをはせる男(平山浩行)。一見否定されそうな癖を持つ3人の男たちの、ナイーブでデリケートな問題を描きながらも、それが異常ではなく、誰にでもある心の中に隠されている悩みや問題として投影され、やがてそれが切ない気持ちにさせていく。まさに今を生きるあなたに問いかける、心の物語である。  主演の3人の男たちには、『アキレスと亀』の仁科貴、『クライマーズ・ハイ』の滝藤賢一、『ROOKIES -卒業-』の平山浩行といった映画・テレビドラマで活躍するバイプレーヤーの面々が初主演を果たし、心の中に悩みを持ち葛藤する男たちを見事に演じている。また彼らを支える助演陣には、南野陽子、麻生祐未、小木茂光、酒井敏也、佐藤二朗、カンニング竹山、ダンカンといった、演技に定評のある面々が顔をそろえている。 <監督コメント>  この映画は2009年に私、前田健が発表した同名の小説『それでも花は咲いていく』を私自らが脚本、監督をした作品です。私は「ゲイであること」をカミングアウトしたタレントでもあります。その「セクシャルマイノリティー」が今作のテーマになっています。人と変わった愛の形を抱えたまま、誰に打ち明けることも叶わず、生きづらいこの世界を健気に、必死に生きていこうとする人たちの姿を3編のオムニバスで描いている。監督・前田健の視点と、そこから見える今のこの世界。そして「それでも生きていかなくてはいけない」という、人の弱さと強さ、幸せと不幸せ、といった相反するものを同時に感じることができる、他に類を見ない作品と言えるものができたと思います。3編の物語の細やかな心情を見事に演じ切った俳優陣(仁科貴、滝藤賢一、平山浩之、他)にもぜひ注目していただきたいです。日陰であろうと、崖であろうと、一生懸命に咲こうとする花のような、みっともなくも美しい人間の姿を、あなたもぜひ、映画館で体感していただきたいと思います。 前田健 原作・脚本・監督:前田健『それでも花は咲いていく』(幻冬舎刊) 出演:仁科貴、滝藤賢一、平山浩行 南野陽子、冨家規政、カンニング竹山、佐藤二朗、ダンカン、酒井敏也、小木茂光、麻生祐未 配給:ケイダッシュ ステージ、リンクライツ (c)2011「それでも花は咲いていく」フィルムパートナーズ
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