
『風立ちぬ』公式サイトより

来年3月に開催予定のアニメの国際見本市・東京国際アニメフェア(通称:TAF)と、アニメコンテンツエキスポ(通称:ACE)が合併することが、関係者への取材を通じて明らかとなった。 そもそも、東京国際アニメフェアから半ば分裂する形でアニメコンテンツエキスポが誕生したのは、2011年のこと。2010年、マンガやアニメの「表現の自由」を抑圧するとして、出版社を中心に反対運動が行われた東京都青少年健全育成条例の改定が原因だ。2010年12月の都議会での改定案可決を受けて、コミック10社会に加盟する出版社は、東京都が主催する東京国際アニメフェアのボイコットを表明。これを受けて、東京国際アニメフェアの実行委員会事務局を務める日本動画協会が、同フェアの開催について「実行不能な事態になる」との声明を発表する事態になった。 その渦中で、角川書店をはじめとするコンテンツ関連企業が開催を発表したのが、アニメコンテンツエキスポである。このイベントはアニメフェアと同日の2011年3月26日、27日の2日間、幕張メッセを会場に開催すると発表。この日程は、幕張メッセが空いていたためであったが、アニメフェアと同日の開催であり事実上の分裂となったのである。 ところが、2011年3月11日の東日本大震災によって両イベントは共に開催中止。その後、2012年、2013年は日程を一週間ずらして2つのイベントが共存することになった。 開催の経緯から業界の分裂とみられている両イベントだが、アニメ業界の見方はまったく違った。2012年に筆者の取材にこたえた、アニメコンテンツエキスポを担当する、アニメ製作会社・アニプレックスのプロデューサーである高橋祐馬氏は次のように答えている。 「分裂開催とかいわれていますけれど、アニメフェアを潰すことが目的で開催するのではありません。その都度、コンテンツエキスポ側の関係者と連絡を取りながら準備を進めています」 また、アニメフェア事務局のチーフプロデューサー・鈴木仁氏は「アニメフェアでは家族連れの来場者と、一部のイベントを目当てに殺到するオタクという2つの層が、混在しており、いずれは会場スペースを分離することも考えていた」とし、経緯はともかく「住み分け」が実現し、業界としてはプラスの方向へ働く見通しを示していた。 こうした中、2013年にはコミック10社会に所属している小学館、集英社の作品を扱う小学館集英社プロダクションがアニメフェアに出展するなど、歩み寄りとも思われる動きも見られていた。そんな中、関係者によれば、来年3月に開催予定の両イベントは統合して開催されることになるという。 今回、統合に至った経緯を関係者は次のように語る。 「直接の原因は経済産業省の行っている“コンテンツ産業強化対策支援事業(アニメ産業を中核とするコンテンツ産業国際展開促進事業)」に係る委託先の公募”だと思います。この事業では1億円あまりの助成が予定されていますが、事業内容は国際見本市の設置・運営です。年度内に、このような事業を行えるのはアニメフェアとコンテンツエキスポしかありません。そのため、両者は統合の良い機会と考えたようなのです」 なお、両者から統合に関する公式な発表はいまだなされておらず、イベントがどのような形になるかは未定だ。 (取材・文=昼間 たかし)「アニメコンテンツエキスポ2013」のHPより。
アニメファン恒例の真夏の祭典といえば、コミケ。そして「Animelo Summer Live」(以下、アニサマ)だ。 アニサマとは、もはや言わずもがな。アニメソングシンガー、声優が一堂に会しアニソンを歌いまくる国内最大規模のアニメソングイベントだ。9年目を迎えた今年は、「Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE-」と題し、8月23日から25日の3日間、さいたまスーパーアリーナにて開催。連日およそ2万7000人の観客を集めるという、過去最大規模のイベントとなった。 出演者も水樹奈々、田村ゆかり、宮野真守といった人気声優から山本正之、串田アキラといったレジェンドクラスのアニソンシンガー。果てはももいろクローバーZ、中川翔子、土屋アンナといった、常にホットな話題を提供してくれるJ-POPシンガーやアイドルが集結。まさに「アニソンの祭典」と呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せた。 そんなイベントだけあって、観客もほかのイベントにはない熱狂ぶりだった。というわけで、今回はアニサマで出会った素敵なアニソンファンの皆さんの姿をレポートしてみたい。 まず、筆者が最寄駅のさいたま新都心駅に降り立った時に目についたのが、全身にサイリウムを装着したフルアーマーヲタのお兄さんである。肩にたすき掛けしたベルトや、額・腰・腕・足に巻いたベルトに無数のサイリウムを装着し、完全武装。例えるならば、まさに敵陣に突入する直前のランボーだ。彼を目にした瞬間、誰もがこう思っただろう。「そうだ。これからの3日間はただのライブじゃない。戦争だ!」と……。 事実、連日5時間強の長丁場となった今年のアニサマ。その間、ずっと腕を振りっぱなし、立ちっぱなし、声援を送りっぱなし。中盤には20分の休憩が挟まれたものの、その間もアニソンカバーバンド・流田Projectのライブが生中継されたり、新作アニメの告知ムービーやら声優のトークが流されていたので、観客は片時も気が抜けないのである。俺たちにとってアニサマは遊びじゃないんだよ! ということだ。 というわけで、スタートした初日。この日の目玉は、なんといっても「アニサマ捕物帳 in DAYS of DASH」だ。鈴木このみが登場し、『さくら荘のペットな彼女』EDテーマ「DAYS of DASH」がスタートすると、アリーナ後方からステージに向かって通路を全力ダッシュする集団が出現! もちろん警備スタッフは黙っちゃいない。疾走感満点のポップチューン「DAYS of DASH」をBGMに、無数のウルトラオレンジのサイリウムが暗闇の中を縦横無尽にダッシュ(実際は、警備スタッフとサイリウムを持った輩が追いかけっこをしていたわけだが)。その様子は、スタンド上方の座席からもよく見えていた。なお、この捕物帳は次の曲「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」が終わる頃には終了。犯人たちは、もれなく場外に追放された模様。 ちなみに翌日以降、アリーナはブロックごとに厳重なチケット確認が行われるようになったそうだ。 また2日目には、水泳アニメ『Free!』OPテーマ「Rage on」を歌うODCODEXが登場した際、それまでヲタ芸を打っていた男性の観客が突然床に寝そべり、クロールを始めるという異常事態も発生していたという。そして3日目は、『うたのプリンスさまっマジLOVE2000%』に出演するイケメン男性声優による劇中アイドルユニット・ST☆RISH登場に会場のテンションは最高潮に。特に一十木音也役の寺島拓篤らが、アニメの映像同様にAメロで腰をクイクイ前後運動するシーンでは女性ファンの黄色い声というか、悲鳴というか奇声が、さいたまスーパーアリーナにこだましたのは印象深い。 そんな感じでステージの上下を問わず、さまざまな出来事が起きたアニサマ2013。きっと来年も、数え切れないほどのドラマが各所で生まれることだろう。 個人的には、キタエリ(喜多村英梨)の「ハピハピガー」が最高に楽しかったです! (文=龍崎珠樹)イメージ画像
2011年4~6月にフジテレビ・ノイタミナ枠などで放送されたアニメ、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(通称『あの花』)。見たことはなくとも、タイトルだけは聞いたことがあるという人も、少なくないのでは? 登場するのは、子どもの頃に仲の良かった6人組。小学生のときにそのうちのひとりが事故で亡くなり、疎遠になってしまっていた彼ら。しかし、死んだはずの女の子・めんま(本間芽衣子)が、元リーダーじんたん(宿海仁太)の前だけに現れたことをきっかけに、高校生になった5人は再会。押し込めていた想いを解放していく物語だ。 一方通行の恋心、仲間への嫉妬心、取り戻せないあの日……。若者の心情が痛々しく描かれるアニメでありながら、それでも少しずつ前に進む彼らを丁寧に描いたことで共感と評判を呼び、深夜にもかかわらず、大ヒット。Blu-rayとDVDの累計出荷本数は27万本を記録した。あれから2年。テレビシリーズを再編集し、彼らの1年後の新規エピソードを加えた『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が、夏の終わりに公開される。監督は、テレビシリーズ『あの花』はもちろん、『とらドラ!』や『とある科学の超電磁砲』シリーズも手がけた長井龍雪。次世代を担うアニメ監督である長井監督にとっての『あの花』とは? そしてアニメの可能性とは? たっぷりと話を聞いた。 ――『劇場版 あの花』、今まさに制作中ですか? 長井龍雪(以下、長井) はい、まさに真っ最中です(笑)。ほかの作品もやっているので、そっちもやりつつですが(編注:取材時は『とある科学の超電磁砲S』放送中だったため)。さすがに年齢的に徹夜はキツいので、適度に睡眠を取りながら頑張っているところです。 ――それでは、渦中だからこそのお話をいろいろ聞かせてください(笑)。2011年春にテレビ放送された『あの花』は、その面白さがクチコミで広がり、普段あまりアニメを見ない人も見るほどブームになりましたね。 長井 まさかこんなに喜んでいただけるなんて、スタートしたときは全然思ってなかったんです。もちろん自分としての満足度は高かったけど、それとお客さんが満足してくれるかはまた別なので。自信を持って面白いと思って作っていましたけど、なんせ地味な話なので。正直売れる気はまったくしませんでしたね。 ――地味かもしれないですが、見た人たちの心には確実に刺さったと思いますよ。 長井 そう言っていただけるとうれしいですね。飛び道具的な部分はあったにせよ、淡々と続く地味な話だと思うので。 ――劇場版の話はいつ出たんですか? 長井 テレビシリーズが終わって、しばらくたってからですね。放送中はなかったです。 ――そうなんですね。放送後、物語の舞台となった埼玉県秩父市でファンイベントを行っていたので、放送中から大ヒットの手応えは感じていたのかと。 長井 でも、あのイベントは早い段階から仕込んでいましたから。秩父でやるって話を最初にされたとき、「みんな、何言ってるんだろう?」って思いましたもん(笑)。「なんで秩父に、そんなに人が集まると思うんだ!?」って、完全に引いてました。アニメ業界一、照れ屋だといわれる長井監督。
――結果、イベントは大成功でしたよね。そもそも『あの花』って、どの年代をターゲットにしていたんでしょうか? ノイタミナ枠だったので、20~30代ぐらいなのかと思ってましたが。
長井 いや、もうちょっと若い世代ですね。作ってる僕が30代後半だから、その年代の雰囲気は出ちゃうんですけど、30代が懐かしがるものって、ちょっと気持ち悪いなって思って(笑)。もうちょっと若い人たちが何かを感じられるように、とは考えてました。
――でも、フタを開けてみれば30~40代の人たちにも支持されました。世代というより、あまり明るい青春を送れなかった人たちからも共感を得られたというか。
長井 そうですね。僕も、そんなキラキラ光る青春時代はなかったですから。でもじんたんたちって、物語中でキラキラして見えるんですけど、やってること自体はすごく鬱々としてる。鬱々していてもいいんだよっていう、自己肯定の話なのかなって。
――そんな裏テーマがあったんですか!?
長井 今にして思えばですけどね(笑)。作っている最中はわりと入り込んでるので、キャラクターがつらいときは「つらいよね」って思いながら作ってたりもするんです。終わって、いい作品だと捉えてくれるお客さんがいて初めて、そういうふうにも見てくれてたんだって思えるんですよ。
――監督としては、何にポイントを置いて演出をしていたんでしょうか?
長井 やはり感情表現が一番の土台になっていますね。もともとの企画が、「小学生の頃に仲良かった友達って、大人になると疎遠になるよね」というところから始まったんです。関係性の話を根っこにして、各キャラクターの気持ちの動きが見えるようにしたいと思って作ってました。
――事故で死んでしまった女の子・めんまをここまで前面に出すことは、最初から決めていたんですか?
長井 いえ、最初の設定では狂言回しみたいな役割だったんですよ。それが話を進めるにつれて、重要度がどんどん増していった。正直「じんたんって、そんなにめんまのこと好きだったのか」って僕らが思うぐらい(笑)。「小学生のときの話だぞ!?」って思いながらも、そうなっていったんですよね。最初は第1話みたいにふわっと現れてふわっと消えるぐらいの予定だっためんまが、ふわっとは消えられない感じになってきた。そういう意味ではとてもライブ感のある作品でしたし、そこに役者さんの声と芝居が入ることで、性格的な部分がさらに膨らみました。
――じんたんについては、どう捉えていましたか? 最初は学校にも行かず家に引きこもっているという、主人公らしからぬ主人公でしたが。
長井 序盤の、彼が鬱々としてるときはとても共感できたんです(スタッフ一同笑)。でも「なんかこいつカッコイイな」って思いだしたら、僕とは距離ができてしまいましたね(笑)。じんたんは一番成長が見えるキャラクター。乗っかりやすい、見えやすいキャラクターではありました。
――『あの花』は、普段アニメを見ない人も見やすい作品です。深夜アニメ慣れしたファンに向けた作品と、区別をしていたんですか?
長井 いや、僕は、間口は広く取りたいな、といつも思ってるんです。実は、僕の奥さんがアニメを全然見ないんですよ。ですから常に、うちの奥さんでも見られるアニメを作る、というのは意識してます。逆に言うと、アニメファンだけに向けて作ることはあまり考えてないですね。でもうちの奥さんにとっては、『あの花』でさえアニメってだけでハードル高いらしくて。どんな話なのって聞かれて説明しても、最中に『やっぱりいいわ』って遮られるし、まず褒めてはくれないですしね(一同苦笑)。なんだろう、このつらい話……愚痴ではないですよ(笑)。
――確かに、深夜アニメの存在すら知らない人も多いですからね。
長井 はい。そういう人たちがいるんだなってことを、常に意識させられてます(笑)。
――長井監督は、アニメだから表現できるものって、なんだと思いますか?
長井 アニメのいいところは、全部を自分たちでコントロールできること。コントロールしないと何も起きない、まったくもって作為しかない世界。そういう部分が、怖くもあり面白い部分だと思います。アフレコなので、役者さんの芝居の間すら自分たちで決めることもできる。それは緊張もするし、ハマったときにはとても満足度が高いんです。
――逆に、アニメで表現できないものは?
長井 僕は、最終的にはないと思ってます。もちろんできる部分とできない部分はある。たまたまカメラに鳥が映り込むというような偶然の奇跡は、アニメだと起こり得ない。それはもどかしくもあります。だけど、いろんな人の手を経てできていくので、その中での驚きというのがあります。だからこそ、手を尽くしさえすれば、表現できない部分はないと信じてます。今はできないことも、いつかできるって思って作っていますね。
――長井監督の武器はなんですか?
長井 なんだろう……特にないんですよね。コンテを描いてしまったら、もう僕の中ではそうあるべきって決まっちゃうんですけど、そういう良くも悪くも周りが見えなくなるのがいいところなのかなぁ……。人の迷惑も顧みずに大変なカットを作ったり。あんまりよくないですね(笑)。
――長井監督の絵コンテが素晴らしいという話は、あちこちで見聞きしますよ。
長井 そんなに大したことはなくて、なるべく伝わりやすいものを作ろうとしてるだけです。『あの花』のようなオリジナル作品は無から作っていくので、イメージをスタッフにどれだけしっかり伝えられるかが大事。あまり口が上手くないので、見てわかってもらえるようにコンテはなるべくちゃんと描こう、丁寧に描こうと思ってやっているだけなんです。
――作品のメッセージがまずあり、監督はそれをどれだけ表現できるかというお仕事ということですね。最後に、読者に向けて『劇場版 あの花』の見どころをお願いします。
長井 テレビシリーズを見ていただいた方には、感謝の気持ちを込めて作りました。テレビシリーズから1年後の物語ですが、キャラクターが成長した部分または成長しなかった部分を見ていただけたらと思います。そんなに構えて見る作品ではないと思うので、初めて見てくれるお客さんも気楽に楽しんでいただけたらうれしいですね。
(取材・文=大曲智子/撮影=尾藤能暢)
●『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』
監督/長井龍雪 脚本/岡田麿里 キャラクターデザイン/田中将賀 声の出演/入野自由 茅野愛衣 戸松遥 櫻井孝宏 早見沙織 近藤孝行
8月31日より全国ロードショー
(c)ANOHANA PROJECT
<http://www.anohana.jp/>
●ながい・たつゆき
1976年、新潟県生まれ。サラリーマンを経て、アニメ業界に入る。数々のアニメの演出を手がけ、06年『ハチミツとクローバーⅡ』で初監督。08~09年に放送された『とらドラ!』が大ヒットし、その名が一躍広まる。そのほかの主な監督作品に、『とある科学の超電磁砲』(09~10年)、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(11年)、『あの夏で待ってる』(12年)、『とある科学の超電磁砲S』(13年)などがある。
女子高校生たちが泥まみれになってサバイバルゲームに燃える青春模様が話題を呼び、一説には世間に「サバゲー女子」なる存在を生み出しつつあるというアニメ『ステラ女学院高等科C3部』。以前、この連載でもリアルなサバゲーシーンが見どころだと書きましたが、物語も折り返し地点を過ぎたあたりで、本作は主人公・大和ゆらの見せる「自己承認欲求がもたらす危うさ」という意外なメッセージを発し始めました。 ゆらはもともと極度の引っ込み思案、かつ妄想癖のある性格で、どちらかというとコミュ障的な要素を持つ内気な少女でした。しかし、そんな自分を変えようとステラ女学院に入学。そしてサバゲーを行う「C3部」に入部し、新たな自分に出会っていくという成長ドラマが本作の一つのテーマとなっています。 当初はBB弾飛び交う戦場に恐れをなして、身動きが取れなかったりあっさり敵に投降したりと、内気な性格が災いしてチームに迷惑をかけていたゆらですが、長かった髪を切り、心機一転。サバゲーに真面目に取り組むようになってからは、目覚ましい成長を遂げ始めます。果敢に敵陣に飛び込み、情け容赦なく敵を一掃していくなど、一気にエースクラスの活躍を繰り広げ、たちまちチームの中核的存在となると同時に、どんどん社交的な性格になっていきます。 ここまでなら、いわゆる「内気な少年・少女が意外な才能を発揮して自己実現を達成する成長譚」という、割とよく見る展開なのですが、そんなゆらの戦いぶりにC3部の先輩・鹿島そのらだけは何か思うところがある模様。そんな彼女の目線に気づいた視聴者は、ゆらの抱える危うさに直面することになります。 それまでは内気な性格もあってか、深く他人と接することもなく、それゆえに誰かを傷つけるような行動は見せなかったゆらですが、サバゲーの才能を発揮し始めると、徐々に好戦的(もしくは無鉄砲な)な側面を見せます。その片鱗が見えたのは第5話。他校とのゲームに勝利し、C3部一同はゆらを中心に喜びを分かち合いますが、そのらだけは、勝利しか目に入っていない言動を見せたゆらにどこか不安そうな表情。続く第6話では文化祭の出し物として、部員同士によるゲームを披露することになりますが、そこでもゆらはギャラリーを巻き込みかねない危険なプレースタイルでそのらに勝ってしまいます。 エースである先輩に勝てたことを純粋に喜ぶゆらと、ただ勝利の美酒の味のみを求める彼女を危惧するそのら。回を追うごとに、ゆらの持つ危うさは増していくように見えます(しかし、ゆらはそれを自覚してはいません)。 それまで、他者に認めてもらうことがなかったゆら。そんな彼女にとってサバゲーとは、初めて見つけた「自分が主役になれる」世界なのでしょう。劇中のゆらは、際限なく肥大化していく自己承認欲求に憑りつかれているかのようです。そんなゆらの無鉄砲さは、7話において、ついにそのらのケガ、そして入院という形で目に見える形で悪影響を及ぼし始めます。この一件に責任を感じてしまったゆらは、そのらの代わりになるべく孤軍奮闘。C3部のスパルタ教育を開始します。 しかし、責任感のあまりにゲームの勝利以外に価値を見出そうとしないゆらと、サバゲーを楽しみたいほかの部員との間でも徐々にすれ違いが生まれつつあるような……。今後の展開に一抹の不安を感じずにはいられません。果たしてゆらは、このまま勝利のみを追求するサバゲーの鬼になるのか? はたまた、仲間と共にサバゲーを楽しむ気持ちを取り戻すことができるのでしょうか? 単純にサバゲーの楽しさや、才能を発揮していくゆらのサクセスストーリーだけではなく、その裏にはらむ少女のダークサイドも隠すことなく描く『ステラ女学院高等科C3部』は、ポップなビジュアルとは裏腹にかなり骨太なテーマを内包しているのです。思わぬところでハラハラする展開になってきた同作から、今後も目が離せません! (文=龍崎珠樹)『ステラ女学院高等科C3部』公式HPより
日本アニメ映画界の巨匠・宮崎駿監督の5年ぶりの新作劇場映画、スタジオジブリ製作の『風立ちぬ』(東宝)が、7月20日の公開から23日間で累計動員450万人、興収55億円をそれぞれ突破し、大ヒット上映中だ。 そんな『風立ちぬ』内で頻出するタバコの描写に対し、NPO法人・日本禁煙学会(以下、学会)が苦言を呈し、波紋を呼んでいる。 学会が8月12日付で制作担当者へ送付した要望書「映画『風立ちぬ』でのタバコの扱いについて(要望)」によれば、「教室での喫煙場面、職場で上司を含め職員の多くが喫煙している場面、高級リゾートホテルのレストラン内での喫煙場面など、数え上げれば枚挙にいとまがありません」と具体的にシーンを列挙し、主人公が病室で結核患者の妻の横で喫煙するシーンや、学生が“もらいタバコ”をするシーンを特に問題視している。そして「さまざまな場面での喫煙シーンがこども達に与える影響は無視できません」「映画制作にあたってはタバコの扱いについて、特段の留意をされますことを心より要望いたします」と、制作側へ求めている。 つづきを読む「風立ちぬ 公式サイト」より
10月よりTOKYO MX、YTV、AT-X、ニコニコ動画で放送開始予定の新アニメ『世界でいちばん強くなりたい!』の「悶絶プロモーションビデオ」と称されるPVが、YouTubeのポリシーに違反しているという理由から削除され、アニメファンの間で物議を醸している。 『世界でいちばん強くなりたい!』は、すでにアニメ化済みの『てーきゅう』『まんがーる!』などを掲載する「コミック アース・スター」(アース・スター エンタテイメント)の連載コミックであり、初の30分枠アニメ化作品である。 国民的アイドルグループ「Sweet」のセンターボーカルの座を、4度の「国民投票」で獲得したトップスター・萩原さくらが、いきなりプロレスラーに転向。プロレス界でも頂点を目指すという作品だ。 今年引退したグラビアアイドル兼女子プロレスラー・愛川ゆず季の活躍に代表されるように、実力、ビジュアルともに向上著しい近年の女子プロレスと、全盛期から成熟期へと移行し始めた感のあるアイドル業界ネタを融合した本作は、秋クールアニメの注目作のひとつである。 そんな本作のスタッフとして、キャラクターデザイン・りんしん×アニメ制作・アームスという『クイーンズブレイド』『百花繚乱 サムライガールズ』『百花繚乱 サムライブレイド』などを手掛けた作画チームの名が並ぶほか、女子高生に転生した三国志の英傑たちがセクシーに戦うOVA『一騎当千 集鍔闘士血風録』を彼らと共に制作した久城りおん監督が登板。 このラインナップからすでに「アレ」なノリを期待せざるを得ないのだが、問題の「悶絶プロモーションビデオ」の仕上がりは予想通りというか、予想の斜め上というか。 ちなみに映像の内容は、対戦相手に技をかけられるさくら(声・竹達彩奈)が、あえぎ声を上げながら延々と番組のPRをするというもの。あずにゃん(中野梓)やきりのん(高坂桐乃)などオタ人気の高いヒロインを多数演じ、なおかつ本人も写真集、イメージビデオなどを発売するアイドル声優・竹達が(プロレス技をかけられて)あえぎ声を上げているなんて! シチュエーションを考えれば、エロ要素は皆無のはずなのだが、どうやらYouTubeの担当者の劣情を催してしまったらしく、速攻で削除の憂き目に遭ってしまった。その後、ファン有志によってミラー動画がYouTubeやニコニコ動画にアップされており、非公式ながら閲覧は現在も可能である。この映像にエロスを感じるのか。はたまた痛めつけられる女子の姿に、新たな性癖を見だしてしまうのか。それはあなた次第。児ポ法やら表現規制問題に直面する昨今のオタク事情を考える上で、気になる人は一度動画を見てみてはいかがだろうか。 個人的には、こういうおバカなノリのエロネタは全然アリだと思うし、何度も言うが、動画にはエロ要素は皆無。これがエロなら女子プロ自体がエロいということになるぞ! ネット上では「新手の炎上商法」的な言及をするアニメファンも少なからず存在するが、その真実は闇の中である。 いずれにせよ、このバカエロテイストがアニメ本編ではどのように描かれるのか、という期待感を煽る動画であることは変わりません。『世界でいちばん強くなりたい!』、楽しみにしています。 (文=龍崎珠樹)テレビアニメ『世界でいちばん強くなりたい!』
父親の再婚で、突然ヒロイン・朝日奈絵麻に13人の兄弟ができてしまった! イケメンの兄弟に囲まれて、ドキドキの共同生活を送ることになった絵麻の日常を描くアニメが、現在放送中のアニメ『BROTHERS CONFLICT』(TOKYO MXほか)です。医師、弁護士、作家、美容師、サラリーマン、アイドル、声優、スポーツマン、男の娘、お坊さんなどなど濃すぎるキャラ設定の兄弟が、機関銃のようにノンストップで甘いセリフをヒロインにささやく本作は、ある種、乙女系アニメの最先端をいく作品の一つといえます。 しかし、本作は突然変異的に生まれたわけではありません。 『BROTHERS COFLICT』の原作ノベルを連載する少女漫画雑誌「シルフ」は、アスキー・メディアワークスから刊行されていますが、同社は90年代後半に「電撃G’sマガジン」誌上にて、全国に散らばる幼なじみの美少女との恋模様を描く伝説的恋愛ゲーム『センチメンタルグラフティ』と連動した小説を掲載。 厳密には同作は電撃系作品ではないのですが、『センチメンタルグラフティ』以降、同誌はその影響を大きく受けた主人公一人に対し複数人のヒロイン(しかも、わりと異常な人数と設定の)を用意。さらに読者も参加できるインタラクティブな企画をコンスタントに発表し続けています。 『BROTHERS CONFLICT』は、それまで男性向けに展開していた同社の誌上企画としては初の女性向けコンテンツとなります。ちなみに男性向けの従来路線の最新作は『ラブライブ!』です)。男性向けに展開していた「萌え」メソッドが、そのまま女性にも通用するのか。という挑戦ともいえる本作の出現は、一つの歴史的大事件といえます! そこで今回は、『BROTHERS CONFLICT』に至るまで数多く制作された「電撃系読者企画」作品の中から、個人的に特に印象深かった作品と共に、同社が追求してきた「○○萌え」の歴史を振り返ってみたいと思います! ■『センチメンタルグラフティ』(1997年頃) 幼い頃より親の都合で、日本各地を転々としていた主人公。高校生になったある日、差出人不明の「あなたに会いたい」という手紙を受け取ります。そこで主人公は、平日はバイトにいそしみ、週末は日本全国に散らばる12人の心当たりあるヒロインたちに会いに行く超ハードスケジュールを送るというトンデモな内容と、キャラデザを手がけた甲斐智久による魅力的なヒロインに話題が集中。一大ムーブメントを巻き起こしました。 「地方キャラ萌え」「幼なじみ萌え」属性作品とでもいうべきでしょうか。この作品がなければ、のちの萌え系コンテンツの多様性は生まれなかった! というのは言いすぎではないはず。 ■『シスター・プリンセス』(99~03年) 12人の妹、という史上最強のコンセプトを生み出し、ゼロ年代におけるオタクシーンの想像力に最大のパラダイムシフトを引き起こした大ヒット作。雑誌連載企画からスタートし、コミック、アニメ、ゲーム、水樹奈々も所属した声優ユニット・Pritsと、さまざまなメディア展開をしました。 「お兄ちゃん」「おにいたま」「兄ちゃま」「兄くん」「兄や」などなど、12種類の「兄」のバリエーションに日本語の持つ豊かさを感じたものです。本作で「妹萌え」に目覚めた読者も少なくないはず! ■『双恋』(02~05年) 5組10人の双子姉妹が登場する、「双子萌え」作品。基本的に、主人公と双子姉妹の三角関係を維持することが最大の目的にして至上のジャスティスという、前代未聞の二股推奨コンテンツ。誌上ゲーム企画やコンシューマゲーム版では、いかに姉妹のどちらかに肩入れしないようにするかのバランス感覚が要求されました。 アニメ化もされましたが、第2作目『フタコイ オルタナティブ』は探偵の主人公と敵組織の戦いを中心とした、ファンもびっくりの内容。今を時めくアニメスタジオ・ユーフォーテーブルが初期に手掛けたタイトルでもあります。 ■『ウルトラC!』(03~04年) 富豪の4姉妹の誰かと結婚しなくてはいけなくなった主人公。しかし、その中の一人は男の娘かもしれない! という「姉妹萌え」と思わせて、「男の娘萌え」を追求した、かなり時代の先をいっていた意欲作。 ただのヒロイン選びに終わらせたくない! というスタッフのサービス精神とアイデアが、三回転半くらいしちゃった感のあるアクロバチックな設定が素敵です。まさにウルトラCな作品でした。 ちなみに読者投票の結果、金髪ツインテのロリキャラ・ひじりが男の娘に決定しました。 ■『Baby Princess』(09~13年) 電撃系読者企画の最終兵器ともいえるのが本作です。幼い頃に生き別れになった母親と再会した主人公は、19人の姉妹との共同生活をスタート。仲を深めていくというストーリーです。 上は18歳から下は0歳という、幅広すぎる年齢層のヒロインたちに誰もが衝撃を受けました。果たして僕らは、何歳までの女子を「妹萌え」の対象とすることができるのか。「幼女萌え」の先をいく「新生児萌え」はあり得るのか――という「萌え」の限界に挑む野心作でした。 ちなみに0歳児の末っ子・あさひちゃんの誕生日には、公式ブログ上で「0歳のお誕生日おめでとう!」という、深く考えると頭が痛くなるようなコメントが掲載され、話題を呼びました。 今回取り上げたタイトルのほかにも、多数の作品が生まれ、そして作品ごとに「新たな萌え」に果敢に挑み続けてきた電撃系読者企画シリーズですが、その最先端『BROTHERS CONFLICT』。そして今後のタイトルでは、どんな「萌え」の最先端を提案してくれるのでしょうか。これからも目を離すことができませんね!テレビアニメ『BROTHERS CONFLICT』公式サイトより
地味で非モテな中学生時代を送っていたが、女子高校生になればバラ色のモテモテライフが始まるはず! ……そう信じていたものの、相変わらず男子どころか友達すらできずに一人二次元の世界に逃避しつつ、世のリア充どもを敵視しまくる(けど、決して表には出さずに、話しかけるとキョドってしまう)「モテない女」──いわゆる喪女である黒木智子の、笑えるけど切ないコメディアニメ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(『ワタモテ』)が、アニメファンの間で大きな話題となっています。 高校生活が始まってはや2カ月。彼氏どころかクラスメイトと会話したことすらない智子は、「これはやばい!」と一念発起。なんとかモテるための努力を開始するものの、基本的に家族以外と会話できない彼女は、学校の先生に挨拶するだけでも一苦労。かわいくなろうと一生懸命おしゃれしようにも、めったに自分の姿を鏡で見ることがないため、自分の姿にゲロを吐いてしまう始末です。さらに中学時代の数少ない友達だった同じオタク趣味のゆうちゃんは、高校デビューに成功。オタク趣味を持ちながらも恋人を作り、リア充ライフを満喫。弟はサッカー部のレギュラーを務め、風邪をひいた日にはクラスメイトの女子がお見舞いに来るのに、自分が学校を休んでも誰も気にかけてくれない。そしてふてくされて部屋で一人、恋愛ゲームに没頭し二次元の恋人との刹那的な逢瀬を重ね、現実から逃避する日々……。 この「周りはどんどん前に進んでいるのに、自分だけ世界から取り残されている感覚」は、はっきり言って心臓に悪いです。というか、ずっと鍵をかけたまま放置していた、心のトラウマ部屋をバンバン開放されていくような気分です。大なり小なり、似たようなシチュエーションを経験したことのあるオタク趣味人は多いのではないでしょうか? そんな古傷を自らえぐる自虐的な笑いが魅力の本作ですが、原作コミック、アニメと同じくらい、いやそれ以上に面白く、心理的ダメージを与えてくれるのが、WEBラジオ『ワタモテRADIO』です。 この番組は、アニメ『ワタモテ』と連動したいわゆるアニラジで、パーソナリティを務めるのは黒木智子を演じる声優・橘田いずみ。原作、アニメ自体がトラウマ発動スイッチなだけあって、リスナーの投稿もトラウマ告白ネタ中心ですが、それに負けじと橘田も、毎回これでもかとトラウマを告白。 先日公開された第3回放送では、 「ツインテールとロリータ服で大学に通っていたけど、普通に友達とは付き合えているつもりだったし、『かわいい』って言われていたからみんなに好かれていると思っていたの。でも卒業した後、一番仲の良かった子から“みんなから裏で『超イタい』『オタク』だって言われていたのを、私が仲良くしてあげていたんだよ”って言われて……」(要約) と衝撃のエピソードを公開。この番組のすごいところは、橘田の単独パーソナリティであるため、たとえこんなデカいネタが飛び出したとしても誰も彼女をフォローする人物がいないという点で、原作、アニメ本編同様「誰も彼女の自虐ネタや失敗談を笑ってくれない」絶望感と途方に暮れる感覚が満点です。 橘田といえば声優としてデビューする以前はレースクイーン、グラビアアイドルとして活躍していたこともある長身のモデル系美人といったビジュアル系声優です。近年は声優ユニット「ミルキィホームズ」やバラエティ番組でも活躍するなど一見華やかなイメージの持ち主ですが、この番組の中では次々と彼女の抱える心の闇が晒されていきます。 誰もが楽しい思い出作りにいそしむこの夏(もちろん夏コミ、アニサマなどのオタ系イベントも含まれます!)、部屋にこもって一人きりの夏を謳歌するのもいいんじゃないでしょうか? そのお供には、ぜひ『ワタモテ』。そして『ワタモテRADIO』がおススメだと思います! (文=龍崎珠樹)『ワタモテRADIO』
1000年に一度の猛暑だとか、世界で一番アツい夏とか、とにかくハンパない暑さになると予測されている2013年の夏ですが、見よ! 7月スタートの夏アニメは赤く燃えて……いや、萌えている! というわけで、今クールの新アニメは女子校生(こう書くと、なんかいかがわしい映像のジャンルみたいですね)ものアニメが大豊作。ハードなロボット&SFアニメが並んだ春アニメとは対照的です。しかし、女子校生ものアニメとはいえ「美少女が出てきて、キャッキャウフフするだけのアニメでしょ?」とは思うなかれ。数が増えれば増えるだけ、個性的な作品が揃うというものです。そこで、今回は第1話から第2話放送時点で、筆者的にビビッときた女子校生ものアニメをピックアップしてみます。レディーゴオオゥ! ■『ステラ女学院高等科C3部』(原作:いこま、漫画:みどりとももか/「月刊ヤングマガジン」連載) まずはこちら。『新世紀エヴァンゲリオン』『天元突破グレンラガン』『めだかボックス』を手掛けたGAINAX製作の、青春サバゲーアニメです。「サバイバルゲーム」、通称「サバゲー」とは敵味方に分かれた参加者がBB弾を発射するエアガンを撃ち合い、規定の勝利条件を満たした側が勝利となる、いわゆる「大人のごっこ遊び」もしくは「競技」のこと。ミリタリ的な要素が多分に含まれるジャンルであるため、かつては男性プレイヤーの比率が非常に高かったといわれていますが、ここ数年はカジュアル化が進み、女性愛好家も増加しつつある模様です。 そんな中で登場した本作。中学校時代は引っ込み思案な性格だった主人公・大和ゆらは、憧れの女子校「ステラ女学院」に入学。心機一転し、華麗な高校デビューを目指す、というところから物語は幕を開けます。 ある出来事をきっかけに、女子サバイバルゲーム部である「C3部(しーきゅーぶ)」に勧誘され部室に連れてこられてしまったゆらは、いきなりお茶とケーキで誘惑されます。……あれ? これ、どこかの軽音アニメで見た光景じゃない? という具合に、ゆる~いデジャヴから第1話はスタート。これは、「サバゲー」を題材にしつつも、ガールズトークがメインになっちゃったりするのか……? と、序盤はそこはかとない不安を感じたりもしましたが、そこはアクションに強いGAINAX。Bパートで描かれるサバゲーシーンの描写の細かいことといったら! ゆらを歓迎するべく一対多のハンデ戦を行うことになったC3部。一人でゆらたちの相手をする初瀬カリラは、プレイヤーたちの裏をかくおとり戦術で複数の敵を翻弄します。対する陸奥ほのかと霧島れんとは、セル(2~3人の集団行動)でカリラに迫ります。一方が前進する間は、もう一方が遮蔽物の陰から援護射撃。そしてもう一方が前進する時は、先行する一方が援護射撃……。という具合に、無駄のない動きでカリラを追い詰める2人。その華麗な姿はゆらを、そして視聴者を魅了します。 このアニメはガチです。ガチでサバイバルゲームを描こうとしています。昨年放送され、大ヒットを記録した『ガールズ&パンツァー』に続くミリタリ系女子アニメとして、大きな期待がかかる、といったところです。 ■『恋愛ラボ』(原作:宮原るり/「まんがタイムスペシャル」連載) 私立藤崎女子中学生徒会執行部で繰り広げられる「恋愛」についての研究をコミカルに描く、四コマ漫画原作の本作。放送開始前は『ゆるゆり』的なほのぼの百合系萌えアニメと思われていた節もあったようですが、その実態は、恋に恋する女子たちによる恋愛研究&実践コメディでした。 清楚キャラで校内女子の憧れの的となっている生徒会長・真木夏緒が、抱き枕にキスの練習をしているところを目撃してしまった、ワイルドキャラでこれまた女子の憧れの存在となっている倉橋莉子。モテモテで恋愛経験豊富……と思われている莉子に恥ずかしい姿を見られてしまった夏緒は、彼女に恋愛指南を申し込みます。が、莉子もまたその性格が災いして、恋愛経験ゼロ。しかし、流れで生徒会長補佐として生徒会入りし、夏緒と恋愛研究にいそしむ羽目になる、という本作。 とにかく夏緒の天然キャラと小説や映画などから得たと思われる、恋愛に対する偏った理想と、それにツッコむ莉子のやりとりが最高にハイテンションで微笑ましい限り。恋に恋する女子たちの愛らしい姿にニヤニヤしつつ、テンポのいいボケ&ツッコミに思わず吹き出してしまうこと必至の王道ギャグアニメだといえます。 ■『きんいろモザイク』(原作:原悠衣/「まんがタイムきららMAX」連載) 主人公・大宮忍と、彼女のクラスに転校してきたイギリス人少女のアリス・カータレットを中心とした、ほのぼの日常系アニメです。第1話では物語の前日譚にあたる忍のイギリス留学からスタート。言葉が通じないながらも、ホームステイ先で繰り広げられる忍とアリスの交流が丁寧に描かれていきます。微笑ましい異文化交流の果てに、やがて訪れる忍の帰国。帰国前日の夜のシーンから、もう筆者の涙腺が崩壊しまくりです。そして最後は「ハロー!」(忍)、「こんにちは!」(アリス)とお互いの言葉を誤用しつつ、別れを告げる2人。ここでついに号泣。いや~、いい最終回でした。 というのが、第1話の中盤まで。終盤からは高校生になった忍の日常が描かれ、そこにアリスが転校してきたところで次回へ続く。第1話にして、いきなり続編アニメが始まったようなお得感です。さらに画面全体に漂う優しく穏やかな空気感から、さわやかな感動が描かれる期待感が募ります。感情移入してアニメを見ちゃうタイプの方には、たまらないものがあるんじゃないでしょうか。 というわけで、この夏に見ておきたい「女子校生ものアニメ」3作品をピックアップしてみました。夏の暑さに負けず元気な女子たちの姿を見れば、きっと皆さんも元気になるはず! パワフル&キュートな二次元女子を見て、この夏を乗り切りましょう! (文=龍崎珠樹)左から『ステラ女学院高等科C3部』『恋愛ラボ』『きんいろモザイク』
(それぞれ公式サイトより)
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