4年ぶりの完全新作『亡国のアキト』から『反逆のルルーシュ』劇場版まで!!

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 1月12日、東京都内で行われた『コードギアス ニュープロジェクト発表会』において、『コードギアス』シリーズが同時多方面展開されることが明らかになった。  ソーシャルゲーム『コードギアス 反逆のルルーシュ mobage』のサービス開始、舞台版(LIGHT ACT)『コードギアス 反逆のルルーシュ 騒乱 前夜祭(イヴ)』、それに男性キャストのみのミュージカル版『コードギアス 反逆のルルーシュ 魔神に捧げるプレリュード』の上演、40ページの絵本付きOVA(Blu-ray&DVD)『コードギアス 反逆のルルーシュ ナナリー in ワンダーランド』の発売などが発表されたが、中核となるのは新作アニメーション『コードギアス 亡国のアキト』だ。  近年では希少になりつつあるオリジナルアニメの傑作として人気を博した『反逆のルルーシュ』が2006年から07年、『反逆のルルーシュR2』が08年に放映されて以来、続編が途絶えていたが、今年初夏に新作『亡国のアキト』を全国10館でイベント上映する。上映時間は公表されなかったが、数本を制作する予定だという。
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 本邦初公開となった1分半のPVに映し出されたのは、過激なフリージャズ調のBGM(音楽は橋本一子)が彩る、まったく新しいキャラクターとメカニック群だった(ナイトメアフレームは3DCG)。キャラクターデザイン原案をCLAMP、キャラクターデザインを木村貴宏、ナイトメアデザインを安田朗が担当するなどメインスタッフの大部分は『反逆のルルーシュ』を継承しているが、監督の谷口悟朗とシリーズ構成の大河内一楼は原作という立場に一歩引き、赤根和樹監督が指揮を執る。  サンライズの河口佳高プロデューサーによれば「『コードギアス』という大きな世界のなかで、『反逆のルルーシュ』という世界をつくった。今回は『亡国のアキト』という世界をつくりたい」。大きな志が秘められているようだ。  『亡国のアキト』では『反逆のルルーシュ』1期と2期の間の時間軸を描く。日本を舞台にとった『反逆のルルーシュ』に対して『亡国のアキト』は欧州、架空のE.U.(ヨーロッパ連合)を舞台としている。
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(C)SUNRISE/PROJECT GEASS
Character Design
(C)2006- 2011 CLAMP
 赤根和樹監督は言う。 「ヨーロッパのフランス革命が先鋭化し、ナポレオンが皇帝とならずにギロチン台に送られた、その後のifの世界を描きたいと思った」  時は皇暦2017年。圧倒的な武力で侵攻するブリタニア帝国に対し、敗色濃厚なE.U.軍では、E.U.人のバックアップと日本人の少年少女のみで構成されたナイトメア部隊からなる特殊部隊「W-0」が、生還の確率が低い無謀な作戦に投入されていた──というストーリー。  主人公の日本人パイロット、日向アキトを入野自由、W-0の司令官で元ブリタニア貴族の少女、レイラ・マルカルを坂本真綾が演じる。また坂本真綾は主題歌『モア・ザン・ワーズ』を歌うことも明らかになった。デビュー曲『約束はいらない』と同じく菅野よう子作曲、岩里祐穂作詞。同曲がOPを飾った『天空のエスカフローネ』は赤根和樹監督作品だったという縁がある。  赤根監督は挨拶の中で「『エスカフローネ』以来の新鮮さで、新人になった気持ちで取り組んでいる。期待は裏切りません」と決意を示した。『コードギアス』シリーズの新作を担うプレッシャーをしっかりと受け止めるかのような発言が心強い。  『亡国のアキト』が上映されれば、『反逆のルルーシュ R2』からおよそ4年ぶりの"復活"となる。ここまで温められてきた様々なプロジェクトを含め、ファンにはたまらない一年となりそうだが、なんとその先もあるかもしれないという雲行きになってきた。  というのも、発表会の最後に、河口プロデューサーとバンダイビジュアルの湯川淳プロデューサーの口から仰天発言が飛び出したからだ。
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(C)SUNRISE/PROJECT GEASS
Character Design
(C)2006-2011 CLAMP
「(ニュープロジェクトの)その先にも、我々には夢があります」  スクリーンに映し出されたのは「反逆のルルーシュ劇場版 企画始動決定!!」という文字だった。  テレビシリーズが終わったとき、谷口悟朗監督は「これはまだ点である。点を増やして線に、面にしていきたい」と言ったが、それは多面展開のことなのだろうと思ったと、河口プロデューサーは振り返る。  その一環である『亡国のアキト』がスクリーンにかかるならば、いつかは『反逆のルルーシュ』も劇場で観たい、というのが「夢」の意味であるようだ。  発表会終了後の囲み取材で尋ねたところでは、具体的にはこれから相談していくが「谷口監督と大河内さんには既にオファーをし、前向きな返答をいただいている」と言う。  夢の続きに期待したい。 (取材・文=後藤勝)
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桜庭ななみ、着物姿で松山洋監督と『ドットハック セカイの向こうに』ヒット祈願!

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 1月12日、東京・神楽坂の赤城神社にて、21日から公開される3DCGアニメーション映画『ドットハック セカイの向こうに』のヒット祈願が行われ、松山洋監督と主演女優の桜庭ななみが参拝した。  スーツを着た松山監督と和服に身を包んだ桜庭みなみは、ともに「畏み畏み......」と奏上される祝詞に神妙な面持ち。およそ15分の祈願を終えて表に姿を現した2人が取材に応えた。  今年初めて着物を着たという桜庭ななみは「やっぱり着物で神社に来るのはうれしいですね」と笑みをたたえると、『ドットハック』で演じた主人公、福岡県・柳川に暮らす「有城そら」と自身の共通点について語った。 「アフレコの前に監督が人物像を書いてくださっていたんですが、それがすごく私に似ていて。好きな色だったり、よく行くお店も細かく書いてくださっていたんですが、それが全部私に当てはまってました。流行りに疎いとか(笑)。そういうところもすごく似ています」    松山洋監督が補足する。
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「今回はゲームをやらない女の子が主人公なんですね。桜庭さんご自身もゲームに慣れていないというお話をうかがっていましたので、性格も含めてぴったりだなと思ってお願いしました。主人公の有城そらが劇中で初めてゲームで遊ぶときにドギマギするんですが、桜庭さんは『私はそういうゲームをやったことがないけど、もし自分がゲームをやったら、まったく同じ気持ちで同じリアクションになるんじゃないかな』と。まさに主人公そのものだと思いました」  映画『ドットハック セカイの向こうに』は2002年以来、ゲーム、アニメ、マンガなど多メディア展開で人気シリーズとなった『.hack』の最新版。  『.hack』シリーズでは常に架空のオンラインゲーム『THE WORLD』を舞台としたストーリーが語られてきたが、映画『ドットハック』ではゲーム世界のパートが占める割合は半分以下に抑制されており、どちらかといえば現実世界における中学生の生活描写が要となっている。  また、立体視的な深みでいえば、リアルパートでは人間の裸眼で見た世界の像に近い画質であるのに対し、ゲームパートはより3DCGとしてエッジをきかせた立体感が得られるようにと、描き分けも計算し尽くされている。ごまかしのきかないゲーム制作で鍛え上げられた3DCGのすごみが映画的演出の中に溶け込んでいるという印象がある。  物語は全世界規模でオンラインゲーム『THE WORLD』が大流行し、老若男女すべてが夢中になっている近未来の日本が舞台。
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(C)2012.hack Conglomerate
 その流行に無頓着だった主人公の有城そら(桜庭ななみ)は、2人のクラスメイト、田中翔(松坂桃李)、岡野智彦(田中圭)と、『THE WORLD』を通じて関係を深めていく。やがて『THE WORLD』のシステムダウンが現実にまで悪影響をおよぼすようになり、そらは世界を救うために立ち上がる──。  そらたちが住む福岡・柳川の、古きよき日本と現代テクノロジーが共存する近未来像も映画『ドットハック』を貫く要素のひとつ。  その観点から、近頃リニューアルされた赤城神社における祈願は、シンクロするところがあったようだ。 「赤城神社は初めてだったんですが、映画本編と同じようにノスタルジックなずっと変わらないものと、近代的に変わってきているものの融合を、すごく感じる神社だなと。ハイブリッド感というか。今回、『ドットハック』をつくっていても、そこはすごく意識をしてきているんですね。12年後の未来を描く上で、もっと便利になる部分と、10年、20年経っても変わらないだろうよさ、その2つをまるでこの映画と同じように併せ持った神社だなと感じました」(松山監督)  ヒロインのそら同様に未来を担うだろう桜庭ななみは、今年を「チャレンジの年にしたい」と意気込んでいる。 「今までは学生の役が多かったのですが、昨年高校を卒業して、これからは学生じゃない私も見てもらえるようにお芝居を頑張っていきたいと思います」(桜庭)
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 今年20歳を迎える桜庭だが、「10代のうちにやっておきたいことは?」という質問には、次のように答えた。 「ハタチは自分の中ではオトナのイメージだったので、まだ自分がハタチになるという実感がないんですよね。オトナの自分になれるように、撮影の現場で周りに気配りができるようになりたい。よく10代のうちにやっておきたいことは何かと聞かれるんですけど、いま10代なので、何をやっていいのか分からない(笑)。10代のうちにやっておいたほうがいいことってなんですか?」  この桜庭の"逆質問"は松山監督を苦笑いさせたが、 「ハタチになったらお酒が飲めるようになったりするし、ほかにもいろいろなことにチャレンジできるようになると思うんです。実家に帰ったときに、友だちが車を運転できるようになっていて、びっくりしたんです。私は高校入学と同時に上京したので、運転している友だちっていうのが信じられなくて、置いていかれるんじゃないかと不安になりました。だから私も、10代のうちに取れたら免許を取りたいです。あと、ハタチになったらお酒を飲む!」  と、お酒や自動車免許が気になるお年ごろのよう。桜庭ななみのほんわか加減が3DCGににじみ出てのヒットとなるか!? 『ドットハック セカイの向こうに』は21日からテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国3Dロードショー。 (取材・文・写真=後藤勝)
劇場用3Dアニメーション ドットハック セカイの向こうに O.S.T 1月25日発売。 amazon_associate_logo.jpg
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「大リーグボールはどうなる!?」野球からクリケットへ『巨人の星』インドでリメーク


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『巨人の星(1)』(講談社)
 元祖"スポ根"野球マンガ『巨人の星』(梶原一騎原作、川崎のぼる作画)のリメーク版『ライジング・スター(仮)』がインドで放映されることが分かり、話題となっている。  基本的なプロットは原作に沿って制作されるものの、インドでは肝心の野球の人気があまりないため、クリケットに置き換えたアニメーションにリメーク。建設ラッシュに沸く巨大都市ムンバイを舞台に、貧しい主人公が努力してクリケットのスター選手になる成功物語が描かれるという。  今回のインドでの放映は、星飛雄馬が生まれ育った日本の高度成長期と、発展著しい現在のインドの社会状況が似ていることから企画されたという。 「インドでは数年前から『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』をはじめとする日本のアニメが大人気で、昨年9月には日本のアニメなどを紹介するインドで初の大規模イベントが首都デリー近郊で開催され話題になりました。それに加え、経済成長期のインドでは、豊かな生活を目指して努力することが美徳とされています。そのため、このインド版『巨人の星』も広く受け入れられるのでは」(アニメライター)   インドの文化や習慣、宗教観などに合わせて制作される今作、おなじみの父の「ちゃぶ台」返しは、食べ物を粗末にするのは反感を買うということからお盆をひっくり返すという設定に変更されたり、リメーク版ならではのみどころも満載のようだ。 「クリケットは、日本国内での競技人口は2,000人にも満たないマイナースポーツですが、インドでは絶大な人気があります。『巨人の星』といえば"大リーグボール養成ギプス"といった独特のガジェットや、それによって主人公が会得してゆく"大リーグボール1号"などのド派手な魔球が持ち味ですが、そうしたシーンがクリケットでどう再現されるのかも注目したいですね」(同アニメライター)  世界各国に進出している日本のアニメだが、プロットを変えずにローカライズするというこの手法が今後、新たなビジネスチャンスになるのかもしれない。
巨人の星(1) やっぱりエンディングはみんなでダンス? amazon_associate_logo.jpg
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計7時間!!『境界線上のホライゾン』にXmasイブイブの夜が燃えた!

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(C)川上稔/アスキー・メディアワークス/境界線上のホライゾン製作委員会
 Blu-rayの売上が好調、一気に秋アニメの主役に躍り出た『境界線上のホライゾン』。その第1期終了を飾る、1話から12話までのオールナイト一挙上映+最終13話先行上映会「境界線上のホライゾン オールナイト上映会~きみとあさまで~」が、12月23日の23時から翌朝の6時まで、東京・新宿の角川シネマ新宿 シネマ1にておこなわれた。  『境界線上のホライゾン』は川上稔の同名ライトノベル(電撃文庫/アスキー・メディアワークス刊、キャラクターデザイン原案:さとやす[TENKY])を原作としたテレビアニメ。原作小説は既に一定の認知度を得ていたが、平成の三国志演義とでも言うべき登場人物の多さ、世界設定の複雑さ、本の厚さから、原作になじみのない新規視聴者に理解を得られるかを危ぶむ声も放送開始以前にはあった。  しかし実際にはこの23日のイベント中、MCが「アニメから入った人はどのくらいいますか」と訊ねた際に、7割から8割に迫る観客が挙手をしたことによっても裏付けられるように、独特の作品世界に魅了された新規ファンが続出。Blu-rayのAmazonランキング上位進出につながっていた。  オリコンチャート初登場となった12月21日付のBlu-ray総合デイリーランキングでは『境界線上のホライゾン 1【初回限定版】』が安室奈美恵の『namie amuro LIVE STYLE 2011』を抑えて2位にランクイン。1位の『TIGER & BUNNY 8(初回限定版)』とともにサンライズ/バンダイビジュアル勢のアニメ作品がワンツーフィニッシュを果たした。  思えば『タイバニ』もノーマークの状態から大ヒットアニメへと躍進した先例。同一レーベルから一年に2作ものサクセスストーリーが誕生したことはたいへんな驚きと言える。  深夜アニメの世界ではBlu-rayのセールスが1万枚を超えるとヒット作、と言われるが、『境界線上のホライゾン』はまさにそうしたタイトルのひとつになった。  クリスマス三連休初日の夜遅く、総計7時間にも及ぶ長丁場のイベントにもかかわらず、会場はチケットを握りしめたファンで満席に。著名声優のトークショーがおこなわれること、同好の士と一気に全話を観られる、とりわけ最終話を世界の誰よりも早く観られることが、人々の心を揺り動かしたようだ。  開演に先立ち、まずサウンドトラックの発売日が1月25日に変更された旨が告知されたあと、注意事項のアナウンスの際、MCからこんなひとことが。 「お分かりの場合はJud.(ジャッジ)で答えていただければと思います。Tes.(テス)は認めません」  「Jud.」も「Tes.」も『境界線上のホライゾン』の舞台となる架空世界で通用する、了解に似た応答の言葉だが、「Tes.」は主人公と対立する勢力のもの。観衆はこれを了承して、一つひとつに「Jud.」と答える。この辺りの雰囲気は会場内架空貨幣が流通するSFコンベンションの類にも似てノリがいい。  トークショーにはホライゾン・アリアダスト役の茅原実里(写真左)、葵・喜美役の斎藤千和(中)、インノケンティウス役の中田譲治が登壇した。  挨拶の際に中田譲治は「今日、出がけにはスカートをはいてこようかなーと思ったけど、あんまり寒いんでパンツで来た人いますか」と魅惑の低音で問い、反応を探ったあとに怒声で「女なら女らしい恰好をしろ!」とキレ芸を演じる。これで場内のテンションがかなり上がった。  また、最終回にあたっての気持ちについて訊かれると「ぼくは昨日のおかずも思い出せない。キャラがいっぱい出るじゃないですか、だからあれ、これだっけ、と考えながら、なかなか筋に集中できなかったんですけれども。あらためて観直してみると、一人ひとりが個性的で、とってもかわいくて、ああこういう話だったんだ、このキャラいいじゃんというような発見がいくつもあったので、きょうは睡魔と戦って最後まで観ていただければ」とコメントした。  もう上映会が始まりそうな雰囲気だが、じつはトークショーはまだまだ続いた。 ・MIC(もっとも印象に残ったキャラクター=Most Impression Character)は誰 ・今後期待のキャラクター ・アフレコ中もっとも輝いていたキャストは誰 ・全話観直すならこの瞬間を見逃すな  MCがお題を出すたびに3人が答えていく。中田譲治の回答が軒並み長いうえ、ひとつに絞り切れないことがしばしばだったが、これは原作を読み込み、すっかりファンになっているからでもあるのだろう。  斎藤千和は見どころに関して「(自らが演じる喜美の)1話の......をノーカットで余すことなく聞いていただくことができる(※テレビ放送ではピー音になっていた部分の規制がBlu-rayでは外れている)、そこを楽しんでいただきたいです」「戦闘のシーンは本当に細かいところまで描かれています。ちょっと歩くだけでおっぱいが揺れたり(笑)。みんなが驚いているのに喜美だけ全然驚いていないとか、愚弟の行動に喜美だけ肯定的な表情をしている。それも見逃さずに。だから私は(台本に)一同と書いてあっても入れないことが多いんですよ。一同が驚いていても喜美だけ驚かないので。余裕を持った表情をしていたりするので、ぜひ大画面で観ていただきたいです」と語った。作り込みの細かさはたしかに『境界線上のホライゾン』のストロングポイント。その質が人気の源なのかもしれない。  このあと第2期放映時期が2012年夏に決まったと、PV内で発表。中田譲治は暗転時にアドリブで「Coming soon...」と重ねてノリノリだった。  2期への意気込みは、という質問に対して茅原実里は「1クールのアフレコが終わりまして。ここから物語が動くというか、始まる。(1クールかけて序章だった、とMCに答えられ)そうなんですよ。本当にそう思います。だから2期が私自身も楽しみです。いまお休みが寂しくて。毎週毎週、たくさんのみなさんに会ってアフレコさせていただいていたので。早く次のアフレコが始まらないかなという気持ちでいっぱいです」と答え、早くもやる気をみなぎらせている。  最後に最速先行上映された第13話には、弘中・隆包(CV:安元洋貴)、江良・房栄(CV:浅野真澄)、フアナ(CV:田中理恵)、フローレス・バルデス(CV:三瓶由布子)、ペデロ・バルデス(CV:川原慶久)といった「三征西班牙」の新キャラクターが登場。2期への布石が打たれた。  1期が序章に感じられる原作の長大なボリューム、1万枚を突破しそうなBlu-rayの売れ行きを考えれば、先々への期待も高まる。  プレゼント大会もあり、眠気にも負けずに盛り上がった上映会。納得感のある心地よい疲弊と2期への渇望を携えて大勢のファンは24日の日の出を迎えた。 (取材・文=後藤勝)
境界線上のホライゾン 〔Horizon on the Middle of Nowhere〕 2 1月27日発売! amazon_associate_logo.jpg
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"AKB商法"が的中!? 『映画けいおん!』はコケまくり松竹の救世主か

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『映画けいおん!』公式サイトより
 3月に発生した東日本大震災は国内の産業に多大なる損失をもたらしたが、映画産業もその例外ではなかったようだ。 「各社ともラインナップが弱かったのもあるだろうが、震災後の入場者が大幅に減った。邦画で興行収入が50億を突破した作品はゼロ。公開が終了した作品の中でトップがジブリアニメの『コクリコ坂から』(42.9億円)。実写版だと人気コミックを映画化した『GANTZ』(34.0億円)。老舗の大手3社(東宝・東映・松竹)の中で毎年ひとり勝ちが続く東宝ですら、8年連続で興収が500億円を突破したにもかかわらず、前年比2割減まで落ち込みそう」(映画ライター)  そんな3社の中で、そこそこの話題作をそろえながら"ひとり負け"となってしまったのが松竹だった。 「10月末時点での興収は東宝が約500億、東映が約140億だったが、松竹は東映のほぼ半額の約71億。年間で100億に届くかどうか微妙だった」(同)  今年の松竹の公開作品を見てみると、井上真央主演で4月に公開された『八日目の蝉』は11.3億円とそこそこヒット。しかし、以後の公開作品はさっぱり振るわず、ダウンタウンの松本人志監督作品『さや侍』は6.3億円、SMAP香取慎吾主演の『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』は8.3億円、市川海老蔵と瑛太がW主演の『一命』と鈴木京香主演の『セカンドバージン』、公開中の『アントキノイノチ』はいずれも5億程度にとどまりそうだという。 「『こち亀』なんかはTBS系でドラマ化されたが視聴率が振るわず、最初にジャニーズべったりの東宝に映画化が打診されたが、東宝が断ったため松竹に回ってきた。東宝は計算高く、ヒットの見込みのない作品は手掛けない。弁護士出身で、副社長時代にはらつ腕をふるって経営の建て直しを図った松竹の迫本淳一社長だが、クリエイティブのセンスがなく、現場からは不満の声が続々とあがっている。今年の興収は前年比の約6割程度で、最終赤字は38億円になる見通しで、有利子負債は840億円まで膨れあがったため、このままだと社長の進退問題に発展しかねない」(松竹関係者)  なんとも、穏やかではない話だが、そんな松竹にとって"救世主"となったのが公開中の『映画けいおん!』だという。 「原作は4コママンガで、TBSでアニメ化され人気に火がついた、軽音楽部に所属する女子高生を描いた部活もの。わずか137スクリーンで今月3日から公開されたが、公開2日間の興収は約3.2億で、その週のランキングで1日に公開されたスピルバーグ作品『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』を上回った。『八日目の蝉』の興収を軽く超え、松竹の今年度ナンバー1に躍り出ることはほぼ確実」(映画会社関係者)  実は、このヒットの裏には、総選挙の投票権や握手会の抽選券を付けてCDを売りまくるAKB48の"AKB商法"まがいの戦略があり、それが功を奏したようだ。 「春先から何種類もの特典付き前売り券を売ったり、半券3枚ごとにおまけをつけたりしてファンの購買意欲をあおれるだけあおっている。そのおまけがネットオークションに出品されて高値をつけているあたりも"AKB商法"そっくり」(同)  ようやく年末で2本目のヒット作が生まれた松竹。こうした"急場しのぎ"の戦略に未来があるとも思えないが......。
映画「けいおん!」オリジナルサウンドトラック 買っても買っても、出てくる出てくる。 amazon_associate_logo.jpg
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狂気とポップカルチャーが融合!? 香港のアーティストが追求する"不完全な美"

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"the 161 series" (c)Tore
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第22回 アーティスト Tore Cheung (トーレ・チョン)  香港のアーティスト、Tore(トーレ)は現在27歳。絵はまったくの独学だが、大学卒業後、フリーで活動を始めると、すぐにその才能が認められ、イラストレーターとして雑誌や新聞で活躍するようになる。本人は「ビギナーズ・ラックだった」というが、その作風には、技術を超えた個性が際立っている。
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『おにいさまへ...DVD-BOX1』
(パイオニアLDC)
 少女漫画のようにきらきら星の目を持つ女の子たち。はっきりとした明るい色づかい。しかし、ポップだからこそ逆に危険な香りが際立つ背景の中で描かれた彼女たちの表情は、深い狂気をはらんでいる。  幼いころ、朝ご飯のときに必ずテレビで見ていたアニメ、『おにいさまへ...』(NHK、出崎統監督)。 「なんでその番組がついていたのかよく分からないんですが......とにかく毎日、朝ご飯を食べながらショックを受けていました」  自殺やドラッグ、レズビアンや暴力など、およそ子ども向けとはいえない要素がてんこもりだったそのアニメは、幼いトーレに、朝っぱらから大変な恐怖を与えたという。 「きれいで痩せっぽちで、イノセントな瞳を持つ女の子たち、クラシックでアンティークな装い......夢見るような美しさの裏には、暗いメッセージが隠されていたんです」
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"illustration for Jet Magazine" (c)Tore
 しかしそれは逆に、彼の世界観を広げることにもなる。 「人生っていろいろあるんだなと。僕が"かわいい、でも怖い"という矛盾したテーマを選ぶのは、この原体験がもたらしたものだと思います」  幼児期に既に「人生の暗い部分」を疑似体験した彼の1990年代は、日本のポップ・カルチャーとともにあった。カヒミ・カリィ、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ。内田有紀や、ともさかりえ、広末涼子、PUFFY......「Zipper」(祥伝社)や「CUTiE」(宝島社)といった女性向けファッション誌は、安くなった古本を買い込み、サンリオが発行する「いちご新聞」(一体どこで手にいれたのか?)まで購読していたという。こうした「渋谷系」のアーティストと「ポップ・スター」やおしゃれガール雑誌は、日本がはじけていた頃の象徴でもある。トーレは「日本のカラフルで楽しいグラフィックやイラストを見るのが大好きだった」という。
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"Joystick_sticker project 2" (c)Tore
 その後、大人になったトーレが追いかけたのは、一転して「日本のダークサイドもの」。荒木経惟の写真、寺山修司の映画、椎名林檎や戸川純の音楽、丸尾末広の漫画、大竹伸朗のコラージュ......。 「僕の作風は、子どもの頃に体験した明るくてスィートな日本と、大人になって知ったダークな日本が混合したものなんです」  トーレの作品は、香港ではどのように受けとめられているのだろう。トーレによれば「香港人は、分かりやすいものにひかれる傾向がある」という。
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"new substance" (c)Tore
「アーティストにとってそういう状況は、複雑なアイデアを分かりやい表現に落とし込むという、挑戦しがいのある状況でもあります。ちょうどいいバランスに到達するのは、かなり難しいことだから」  つまりトーレは、そうした微妙なバランス感覚に優れた表現者なのだ。  最近、日本の「わびさび」に関する本を読んで感動したという。 「日本人が、"不完全で、永遠のものではない"美をいかに表現するのか、ということに、すごくインスピレーションを受けました」  かわいさ、怖さ、わびさび......。「来年は個展を開きたい」というトーレは、これからも絶妙なバランスの上で、その作風をより深化させていくのだろう。 tore-portrait.jpg●Tore Cheung 1984年香港生まれ。ドローイング、ペインティング、コラージュを制作するトーレは、香港理工大学でヴィジュアル・コミュニケーションを学び、その後フリーランスとして活動。雑誌やファッション、音楽などの分野で作品を発表している。現在は香港のファッションブランド、Daydream Nationでテキスタイル・デザインも担当。初の作品集は、2009年に出版された『Mexican Bun Crumbs』。 <http://tearmeboreyou.temptemps.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
おにいさまへ...DVD-BOX1 アニメの枠を超えたアニメです。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.21】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

狂気とポップカルチャーが融合!? 香港のアーティストが追求する"不完全な美"

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"the 161 series" (c)Tore
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第22回 アーティスト Tore Cheung (トーレ・チョン)  香港のアーティスト、Tore(トーレ)は現在27歳。絵はまったくの独学だが、大学卒業後、フリーで活動を始めると、すぐにその才能が認められ、イラストレーターとして雑誌や新聞で活躍するようになる。本人は「ビギナーズ・ラックだった」というが、その作風には、技術を超えた個性が際立っている。
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『おにいさまへ...DVD-BOX1』
(パイオニアLDC)
 少女漫画のようにきらきら星の目を持つ女の子たち。はっきりとした明るい色づかい。しかし、ポップだからこそ逆に危険な香りが際立つ背景の中で描かれた彼女たちの表情は、深い狂気をはらんでいる。  幼いころ、朝ご飯のときに必ずテレビで見ていたアニメ、『おにいさまへ...』(NHK、出崎統監督)。 「なんでその番組がついていたのかよく分からないんですが......とにかく毎日、朝ご飯を食べながらショックを受けていました」  自殺やドラッグ、レズビアンや暴力など、およそ子ども向けとはいえない要素がてんこもりだったそのアニメは、幼いトーレに、朝っぱらから大変な恐怖を与えたという。 「きれいで痩せっぽちで、イノセントな瞳を持つ女の子たち、クラシックでアンティークな装い......夢見るような美しさの裏には、暗いメッセージが隠されていたんです」
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"illustration for Jet Magazine" (c)Tore
 しかしそれは逆に、彼の世界観を広げることにもなる。 「人生っていろいろあるんだなと。僕が"かわいい、でも怖い"という矛盾したテーマを選ぶのは、この原体験がもたらしたものだと思います」  幼児期に既に「人生の暗い部分」を疑似体験した彼の1990年代は、日本のポップ・カルチャーとともにあった。カヒミ・カリィ、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ。内田有紀や、ともさかりえ、広末涼子、PUFFY......「Zipper」(祥伝社)や「CUTiE」(宝島社)といった女性向けファッション誌は、安くなった古本を買い込み、サンリオが発行する「いちご新聞」(一体どこで手にいれたのか?)まで購読していたという。こうした「渋谷系」のアーティストと「ポップ・スター」やおしゃれガール雑誌は、日本がはじけていた頃の象徴でもある。トーレは「日本のカラフルで楽しいグラフィックやイラストを見るのが大好きだった」という。
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"Joystick_sticker project 2" (c)Tore
 その後、大人になったトーレが追いかけたのは、一転して「日本のダークサイドもの」。荒木経惟の写真、寺山修司の映画、椎名林檎や戸川純の音楽、丸尾末広の漫画、大竹伸朗のコラージュ......。 「僕の作風は、子どもの頃に体験した明るくてスィートな日本と、大人になって知ったダークな日本が混合したものなんです」  トーレの作品は、香港ではどのように受けとめられているのだろう。トーレによれば「香港人は、分かりやすいものにひかれる傾向がある」という。
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"new substance" (c)Tore
「アーティストにとってそういう状況は、複雑なアイデアを分かりやい表現に落とし込むという、挑戦しがいのある状況でもあります。ちょうどいいバランスに到達するのは、かなり難しいことだから」  つまりトーレは、そうした微妙なバランス感覚に優れた表現者なのだ。  最近、日本の「わびさび」に関する本を読んで感動したという。 「日本人が、"不完全で、永遠のものではない"美をいかに表現するのか、ということに、すごくインスピレーションを受けました」  かわいさ、怖さ、わびさび......。「来年は個展を開きたい」というトーレは、これからも絶妙なバランスの上で、その作風をより深化させていくのだろう。 tore-portrait.jpg●Tore Cheung 1984年香港生まれ。ドローイング、ペインティング、コラージュを制作するトーレは、香港理工大学でヴィジュアル・コミュニケーションを学び、その後フリーランスとして活動。雑誌やファッション、音楽などの分野で作品を発表している。現在は香港のファッションブランド、Daydream Nationでテキスタイル・デザインも担当。初の作品集は、2009年に出版された『Mexican Bun Crumbs』。 <http://tearmeboreyou.temptemps.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
おにいさまへ...DVD-BOX1 アニメの枠を超えたアニメです。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.21】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「ラジオドラマはぜひCDにしてほしい!」MCを担当する4人の乙女に直撃インタビュー

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 8月27日から配信を開始した、シミュレーションRPG『ラグナロク~光と闇の皇女~』の応援番組『全力応援!ラジヒカ』が25日の配信でついに最終回を迎える。  本家のオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』は熱い対戦ゲームとして知られているが、そちらとは異なる世界観でコンソール用のシミュレーションRPGに生まれ変わったPSPタイトルが『ラグナロク~光と闇の皇女~』、通称ラグヒカ。  業界初、無料でエンディングまで行ける体験版『The First Ending版』の配信で話題となったが、実はWebラジオで応援番組の配信にも乗り出していた。しかも、出演するMCはゲームのキャストではない。オリジナルキャストが素の声優としてトークを繰り広げつつ、物語の舞台となるグランツリッター半島に暮らす少女たちに扮し、『ラグナロク~光と闇の皇女~』のあれこれを生アフレコ風ドラマで紹介していくもの。応援番組でありながら独自のコンテンツとしても楽しめるという、この一風変わった取り組みに挑んだ4人のキャストが、最終回記念ということでインタビューに応じてくれた。 ──本日は『ラジヒカ』及び全14回の連続ラジオドラマ『おいでませラグヒカ』がまもなく最終回ということで、キャストのみなさんにお出でいただきました! 早速ですが、ここまでやってみての率直な感想はいかがですか?
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仁後真耶子
(『THE IDOLM@STER』高槻やよい役)
仁後真耶子(まやちゃん) 出演していない作品だったので、世界観など知らないことが多くて最初は少し戸惑いましたが、ラジオや生ドラマを収録しながら作品のことを知っていって、体験したことをそのまま話せるのは、逆によかったんじゃないかと思いました。初めてのことだったので、すごく新鮮でしたっ。 福原香織(かおりん) 私はパーソナリティーのみんなと初対面だったので、どんなラジオになるのかドキドキだったんですけど、とっても楽しい雰囲気で収録しています。もう終わっちゃうと思うと寂しいです。 高森奈津美(なっつん) ゲームのサポーターとしてラジオをやらせていただくのは初めてだったのですが、4人でワイワイといつも楽しく収録することができました。 片岡あづさ(あづちゃん) ゲームに出演していない上に、普段あまりゲームをやらないので......(笑)。正直かなりドキドキしていたのですが、『ラグナロク』はすごく面白いゲームだったので、心から応援することができました!!  生アフレコ風は、本当に最初から最後まで通して録音してるんですよ~。 ──ラジオドラマについてですが、設定が少ない中で、みなさんキャラクターをどうやって膨らませたんですか? 福原 設定が少ないからこそ、自由にやらせていただいちゃいました。最初は探りながらでしたが(笑)。 高森 そうですねー。実際にドラマを収録しながら、どんどん新しい個性を発見できていったと思います。 仁後 設定は少ないんですけど、4人の関係がはっきり分かる台本だったので、自然とローズマリー(仁後の担当キャラ)はこうだろう! となっていった気がします。 片岡 脚本家さんがラジオを細かく聴いてくださっていたみたいで、だんだん本人たちに寄ってきた部分もあるので、回を重ねるごとに成長していった感じです。あと、わたしはセリフを言うのが一番最後だったので、3人は元気な感じだし、落ち着く場所があってもいいかなと思い、おっとりにしました。 ──素のMCとしてはいかがですか? 回を重ねて、お互いの印象はどのように変わってきましたか?
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福原香織
(『らき☆すた』柊つかさ役)
片岡 まやちゃんは、初めもいまもかわいくて優しい、"THEお姉ちゃん"。かおりんは、初めはクールな印象があったのですが、お茶目でキュートな親しみやすい印象に変わりましたね。なっつんは唯一、前から知り合いではあったのですが......普段よりキリッとしていたかも? 高森 本当に4人とも個性がバラバラで。このラジオを通してわたしのツッコミのスキルはかなり上がったのではないかと思います(笑)。ドラマはぜひドラマCDにしていただきたいです! ──商魂たくましいですね(笑)。お話をうかがっているとユニットっぽい雰囲気も出てきているみたいですが。 福原 はい。それぞれきちんと役割分担のようなものがあって、意外にも絶妙なバランスだと思います。3人ともとても優しくてかわいい方たちです。 仁後 たしかに。それぞれが、それぞれらしい感じになってきたので、「収録してます!」というより、「お茶飲みながらおしゃべりしてます♪ 」という感じになったんじゃないかなぁと思いました。 ──そういえば第1回でみなさん、ご自身が担当されているキャラクターのイラストをお描きになっていましたが、いちばん絵がうまいのはどなたなんですか? 高森 まやちゃんの絵がとても個性的でかわいらしくて、すごく好きです! 誰がうまいかというと......判断しにくい気がします(笑)。 仁後 絵の経験はありません。いちばんすごいのは、なっつん!! 片岡 小学校のころ、イラストクラブでした。それぐらいです(笑)。だから、わたしの絵のテイストはなんとなく古い気が......。上手なのは、ダントツなっつんでしょう!! 福原 そうですね。私はちゃんとマンガの勉強をしたわけではないのですが、絵を描くことは好きなので、家でたまに描いたりします。一応、ペンタブとかは持っています。 ──せっかく特技のお話が出たのでちょっとお聞きしたいんですが、絵を描くこと以外の特技をゲーム中のスキル風に言うと何になりますか。
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高森奈津美
(『放課後のプレアデス』すばる役)
仁後 "ニッティング"とか。編み物が得意なので。 福原 特技は、字を習っていたので硬筆初段のスキルがあります。あとはアロマテラピー検定2級を持っているので、みんなのHPを回復するスキルですかね。 高森 わたしのスキルは「ロンリーバッター」です! バッティングセンターに行くことが得意(?)です。 ──それ得意技って言うんでしょうか(笑)。片岡さんは? 片岡 うーん、マッシュルームアイ。街中に生えてるきのこを見つけるのが得意です。 ──みなさんゲームはお得意ですか? 仁後 苦手です。『ラグヒカ』のようなゲームも、あまりやったことがないのですが、少しずつ慣れてきたので、ちゃんと全部クリアできるんじゃないかと思ってます。 福原 ゲームは好きなのですが、RPGはほとんど経験がないので、『ラグヒカ』のプレイには苦戦しました。でも、ゲーム中に分かりやすい説明も出てくるし、パーソナリティーのみんなにいろいろ教えてもらったりして頑張っています! 高森 ゲームは大好きです! 1周目でプレイに慣れ、2周目で本格的に頑張り始めます。
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片岡あづさ
(『侵略!?イカ娘』斉藤渚役)
片岡 だいたいラスボスまでいけません(笑)。でも、ラグヒカはトレーネ編クリアしました! 大進歩! RPGは勝敗がはっきりしているのでスカッとしますね!! ──個々に差はあれど『ラグヒカ』に慣れてきたところで、もうラジオはクライマックスなわけですが......。 仁後  14回ってあっという間ですね(笑)。少し寂しいですが。 ──最終回に向けて、一言お願いできますか。 仁後 はい。『ラジヒカ』を聴いてくださってるみなさん、どうもありがとうございます! 最後まで楽しい番組にしたいと思っていますので、ぜひぜひ聞いてくださいっ。あと、『ラグナロク~光と闇の皇女~』はいろいろなストーリーがあってたくさんたくさん遊べるゲームなので、ぜひぜひプレイしてくださいね♪ そのときにはぜひ、ローズマリーたちも......です。ではでは『ラジヒカ』最後までどうぞよろしくお願いします! ありがとうございました!! 福原 最後まで応援してくださってありがとうございました! ラジオ、セカンドシーズンとかやりたいです。もしまた機会があったら、よろしくお願いします。『ラグヒカ』、これからも応援してくださいね! 高森 あっという間に最終回です。あっという間だったと思えるのは、このラジオに関わってくださったみなさんがほんとうに素敵な人たちばかりだったからです。最終回も4人ではじけて楽しい放送をお届けできたらいいなと思います。ラジヒカ最高ー!!! ありがとうございました!! 片岡 最終回もビックリするくらい、いつも通りです(笑)。みなさまもぜひ、くつろぎながら聴いてください。ラストまで全力応援よろしくお願いします!! ......あれ? なんか矛盾してますね? とにかくお楽しみに♪
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【関連記事】 「いまだからできる叫びを届けたい」"熱い男"保志総一朗&緑川光が降臨! 豪華声優陣が競演! 『モーレツ宇宙海賊』アフレコ中の小松未可子&花澤香菜を直撃!! 【東京国際アニメ祭2011秋】革命的アニメ『TIGER & BUNNY』大ブレークの種明かし

「いまだからできる叫びを届けたい」"熱い男"保志総一朗&緑川光が降臨!


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 11月20日、東京・シネマサンシャイン池袋にてアニメ『スクライド オルタレイション TAO』のイベント上映が行われ、声優の保志総一朗と緑川光が登壇した。演者としての作品へのシリアスな言及から、笑いを催す軽妙なやり取りの数々までを披露。『スクライド』に対する思いを存分に語った。  『スクライド』は10年前の2001年7月から放映された全26話のテレビアニメーション。『コードギアス 反逆のルルーシュ』の鬼才・谷口悟朗が監督した"熱い男の燃えるアニメ"として口コミでその勇猛さ、特異さが語られ、いまや伝説的な作品と化している。  そして今年、10周年記念作品として『スクライド オルタレイション』が制作された。これはテレビシリーズ全話をベースに新作パートを追加して再構成したもの。オリジナルキャストによる全編新規アフレコ(!)を行い、さらにHDデジタルリマスター化を施した全2部作のスペシャルエディションとなっている。11月19日から前編『TAO』が上映中で、2012年3月10日からは後編『QUAN』の公開が予定されている。 scride002.jpg  脚本に『機動戦士ガンダムOO』の黒田洋介、キャラクターデザインに『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司が参加するなどメインスタッフも豪華だが、とにかく熱い物語だけに、キャストの演技がクローズアップされた作品でもあった。そして、その中心にいたカズマ役の保志、劉鳳役の緑川がそろって現れるという話を聞きつけて、女性ファンのみならず、生ける伝説を目撃しようという男性ファンまでもが詰めかけ、会場は異様な熱気に包まれた。  全編新規アフレコということで、10年前との違いは歴然としている。熱いふたりを演じた保志と緑川は今回の収録にどのように立ち向かったのかが、トークの焦点となった。  開演前から会場の雰囲気が温まっていたこともあり、開口一番、カズマの声をつくって始めようとした保志に対し、場内からはさっそく笑いが漏れる。思わず緑川が「大丈夫だから。普通にね」とツッコむと、保志は普段の声に戻って「(高い声は)きついですね」とひとこと。 「監督からは、『あのころのスクライドは尊重するが、同じことをやっても仕方がない。それを超えるものをつくりたい』と漠然とした指示をいただきました」笑いを誘った保志は、現在の声でどう挑んだのか。 「前作の若さには勝てないので。熱さと勢いも前作......いやでもね、熱さだけは、気持ちだけは負けないように。熟成したこのカズマの声で、いまだからできるカズマを意識して、叫びました」  一方の緑川は10年ぶりの劉鳳役に対して「まあ正直、怖かったですね」と、重々しく語り始めた。 「10年前でさえ、劉鳳の叫びはちょっと無理をすると、すぐに喉をやってしまう感じだった。ウソ偽りなく叫ぶ作品だったので、叫ぶのがメインのキャラクターはこれで仕事納め、くらいの気持ちで頑張ってやったんですよ。それだけの価値があると思っていたし、自分の中できれいに完結していたのに、(アフレコをやり直すと言われて)『えっ!? うっそーん! 僕、もうそういう気持ちになれないんですけど......』と、そこから始まった」  一度完全燃焼したものを超えられるのか、喉が持つのかと、他の役柄にはない怖ろしさが脳裏をよぎったようだ。 「絶対に当時よりも喉の疲れは早く訪れるだろうし、何より保志くんに迷惑をかけたくなかったので、ペース配分にすごく気をつけてやりました」  トークが進んだところで、緑川がちょっとしたイタズラ。名ゼリフの数々に話が及んだとき、「『カズマくん、私の同志にならないか』というセリフがあったよね」と保志に語りかけたのだ。きょとんとした顔の保志が必死に思い出し、「あー、なんかあった!」と言った途端に「ないよ!」とダウトの判定。  ガガーンとショックの面持ちの保志に「いままでそうやって生きてきたでしょ。適当にノッかって(笑)」と追い打ちをかける。ふたりのコンビが良好であるからこそのやり取りだが、これで会場の雰囲気はさらにほぐれた。その場で再現する名ゼリフのリクエストを募ると男性ファンから「ビッグマグナム(立浪ジョージ)!」と威勢のいい声が上がる。これに緑川は快く応えて「暴れっぱなしなんだよぉ!(※若干イントネーションに差異はあるかもしれない)」とノリノリで演じ、ボルテージは最高潮に達した。  最後に保志は「次回(QUAN)の収録を考えたくないほど消耗した」と言いつつも、いまだからできる叫びをお届けしたいと、後編への意気込みを語った。対して緑川は甘い声をつくって「僕は保志さんよりもだいぶ歳をとっているので......」とおどけつつ、ペース配分を守っていい演技をお届けしたいとこちらは安全宣言。  新規カットも予想され、声優陣にどのような負担が求められるかは未知数だが、今秋と来春の上映が、伝説の暴れん坊アニメを良質の新録で楽しめるまたとない機会であることは確かなようだ。 (取材・文=後藤勝)
スクライド Blu-ray BOX キターーー!! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 豪華声優陣が競演! 『モーレツ宇宙海賊』アフレコ中の小松未可子&花澤香菜を直撃!! 【東京国際アニメ祭2011秋】革命的アニメ『TIGER & BUNNY』大ブレークの種明かし 人気漫画家が連載の合間にアニメを自主制作!? 少人数×3DCGアニメの可能性

「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学"

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「Talk is not talk」(c) Graphicairlines
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第21回 アート・ユニット Graphicairlines(グラフィックエアラインズ)  膨らんだほっぺと、どこを見つめているのか分からない小さな瞳。ふてぶてしさと諦観を同居させたような、でもどこか憎めないキャラクター「Fat Face(ファット・フェイス)」が香港の街中に現れたのは、数年前。小さな虫のようにFat FaceにまとわりつくMeaty(ミーティ)と一緒に、グラフィティとして路上をにぎわせ、フィギュアになり、グッズになり、さらにはペインティングやインスタレーションとなって、ギャラリーやメディアで紹介されると、香港であっという間に話題となった。そしてFat Face+Meatyは、今ではおなじみのご近所さんのようにローカルの若者に親しまれている。  このキャラクターの生みの親、Graphicairlines(グラフィックエアラインズ)は、Tat(タット)とVi(ヴィ)の2人組のアート・ユニット。香港の人気コミック・アーティスト、Tak(※記事参照)も彼らの大ファンで、地元の雑誌の連載記事で、彼らのスタジオ訪問をしているほど。そのイラストレポートには、日本の漫画がぎっしり詰まった本棚が......「私たち、オタクなので」。
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『46億年物語』
 ふたりとも、子どものころから日本のアニメを見て、漫画を読んで、ゲームで遊んで過ごしたという。 「子どものころは完全にゲームオタクだった」  Tatがハマったのは、『スーパマリオブラザーズ』に『ドラゴンクエスト』、『ファイナル・ファンタジー』『夢工場ドキドキパニック』『忍者龍剣伝』『スーパーロボット大戦』。Viは、ツウ好み(?)の名作『46億年物語』。 「生物の進化が体験できるんですよ! 一番のお気に入りでした」  ゲームやアニメは、ふたりにファンタジーの世界をもたらしたという。それらは自分たちと一緒に成長し、彼らの生活にとってなくてはならないものになった。 「日本の作品は、キャラクターデザインが非常に優れていますよね。キャラクターを使って、物語や作家のメッセージを伝えるのがとてもうまい。わたしたちも多くのキャラクターを作っていますが、そういう影響は受けていると思います」
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「Speak is not speak」「Tell is not tell」(c) Graphicairlines
 彼ら自身は、自分たちのキャラクターにどんなメッセージを込めているのだろう。Viによると、Fat Faceの膨らんだほっぺたは「欲望の膨張」の現れだという。 「私たちは、常に、あらゆることを"もっと、もっと"と欲しています。富を増やし、強い権力を望み、より高いビルを建てたいと競い、大量のモノを買って、消費する......そんな人間の貪欲さが、ほっぺたをどんどん膨らませてしまうんです」  そしてFace Faceの周りでうろちょろしているMeatyは、Fat Faceのお肉で、体の中にひそむ欲望や貪欲さが視覚化されたものだ。  お世辞にも「きれい」とは言えないこのキャラだが、これをさまざまなメディアに落とし込み、表現することによって、Tat とViは「醜さの美学」を追求しているという。
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「live in 25sq.ft.」「alter_boy」「Beautiful freaks」(c) Graphicairlines
「私たちは完璧な絵画の技術を持っているわけではありません。自分たちのスタイルは未熟で、不完全だということも分かっています。でも私たちは、醜さの中には、ある種の美しさがあると信じているんです。メインストリームの市場には、美しさにおける一定の"基準"があるけど、私たちにとっての"醜さの美学"というのは、メインストリームから外れたところにあるものだと思っています」  これから、ドローイングやペインティングを含め、自分たちの満足のいく作品をもっともっと作っていきたいというTatとVi。  「毎年、新作を作って個展を開きたい。それに、自分たちの作品を香港だけではなく、他の国でも紹介したいと思っています」とVi。そして「アート活動以外に、GLA GLA DI GUOというバンドもやっているので、もっと面白いパフォーマンスや音楽も作っていきたいですね」と口をそろえる。  彼らのこんな「欲望」を聞けば、Fat Faceも頬を膨らますのをやめて、微笑みだすに違いない。 (取材・文=中西多香[ASHU]) gal_portrait.jpg ●Graphicairlines TatとViのふたりによるアート・ユニット。香港をベースに、2002年にタッグを組み、香港のストリート・アート・シーンでデビュー、話題をさらう。出版活動や展覧会を通して作品を発表するかたわら、2006年からはオリジナルのデザイン・グッズなどの制作も開始。グッズは、香港のデザインショップや、彼らのウェブで購入可能。 <http://www.graphicairlines.com/galnew/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
46億年物語 懐かしい。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢