
『機動戦士ガンダムAGE』公式サイトより
2011年10月、ゲーム界のヒットメーカー「レベルファイブ」とアニメ制作会社「サンライズ」がタッグを組み、鳴り物入りでスタートした『ガンダム』シリーズ最新作『機動戦士ガンダムAGE』(MBS・TBS系)の不振が止まらない。
『ガンダムAGE』は放送開始当初より、高年齢層のガンダムファンに向けた歴代ガンダムをオマージュしたような設定やストーリーが繰り広げられる一方、子ども向けを狙ったキャラクターとシリアスなキャラが同居するちぐはぐな画面や、ご都合主義な展開や矛盾点が多数。大人向けと子ども向けの“いいとこ取り”を狙いつつも、いまひとつ練り込みの足りない作品の仕上がりに、熱心なガンダムファンから多くの批判と落胆の声が上がっていた。
しかし、小学生男児向けの漫画雑誌「コロコロコミック」(小学館)とのタイアップを行っていることからもうかがえるように「従来のガンダムファンから子どもまで幅広い層をターゲットとしたガンダム」という路線を打ち出す同作だけに、ネット上では「大人のガンダムファンではなく子どもに受けているはず!」と主張する擁護派と批判派の対立がしばしば発生している。
ところが実際に量販店や模型店を覗いてみると、どの店頭でも『ガンダムAGE』関連のプラモデルやおもちゃの箱がうず高く積み上げられており、『ガンダムAGE』のプラモデル「アドバンスドグレード」をゲーム筺体にセットすることで対戦が楽しめるゲーム機「ゲイジングバトルベース」は常にガラガラ。子どもに大ヒットしているとは言い難い光景が繰り広げられている。
だが、1月4日にはフジテレビ系列の情報バラエティ番組『めざにゅ~』にて、「日経トレンディ」誌の編集者・渡辺敦美氏が「2012年にヒットするグッズ」の一つとして、プラモデル「アドバンスドグレード」を挙げていたことから、「もしかして本当は『ガンダムAGE』は売れているのか?」といった戸惑いがネット上で噴出していた。
また、レベルファイブ社長兼シリーズ構成の日野晃博氏による、ガンダムファンを挑発するようなツイートもしばしば炎上。アニメ放送開始から半年近くが経過しながらも、アニメ本編よりも周辺事情のほうが「面白い」という本末転倒な状況が長らく続いている。
■低迷するソフト売上
そんな『ガンダムAGE』論争に大きな波紋をもたらしたのが、2月10日に発売された初回限定生産のBlu-ray『機動戦士ガンダムAGE 第1巻 【豪華版】』の売り上げ枚数である。3,000~4,000枚売れればヒットといわれるアニメのBlu-ray&DVD市場において、常に数万枚規模の初動売り上げを記録し続けるドル箱的存在の『ガンダム』テレビシリーズ作品だが、Blu-ray『機動戦士ガンダムAGE 第1巻 【豪華版】』はなんと初動売上枚数1,991枚を記録。累計枚数も2300枚超と見事に大コケしてしまったのだ。
また、某レンタルチェーン店関係者は、
「通常『ガンダム』シリーズのタイトルは非常に高い回転率を記録するため、かなりの本数を各店舗に入荷しますが、『ガンダムAGE』はあまり入荷しませんでした。ランクとしてはほとんど回転しない、マニア向けアニメと同じくらいですね。それでも商品が足りないという意見は聞きません」
とコメント。その滑りっぷりは相当深刻なようだ。
■子どもの意見が反映された第2部
玩具やプラモデルなどのグッズ販促番組としての性格が強い子ども向けアニメは、ソフト売り上げがそのまま作品の人気につながっているとは言い難い。逆にいうと、いくら高い年齢層のアニメファンにソフトが売れたとしても、メインターゲットたる子どもたちに受けて、彼らにグッズを買ってもらえなければ、そのコンテンツが成功したとはいえないのだ。
しかし『ガンダムAGE』の世代別視聴率を見てみると、4~12歳の男女を対象としたKID層は常に低く、「測定不能」を記録することもしばしば。お世辞にも「『ガンダムAGE』が子どもに受けている」とは言い難い状況である。
実際のところ、玩具やプラモデルなどグッズの売り上げも不振らしく、メインスポンサーたる株式会社バンダイも『ガンダムAGE』の展開にかなりの危機感を放送開始直後より察知。かなり早い段階でKID層の子どもたちに「『ガンダムAGE』がなぜ面白くないのか」というアンケートを取っていたそうだ。
「メインターゲットである子どもたちに受けていないのは、放送開始直後から感じていました。そこで、実際にアンケートを取ってみたのですが、子どもたちからは『そもそも戦争という題材がよく理解できない』『コロニーや宇宙での生活というものに親しみが持てない』という意見が多く出てきたんです」(『ガンダムAGE』制作関係者)
この「戦争がわからない」「コロニーや宇宙での生活というものに親しみが持てない」という子どもたちの意見を受けて生まれたのが、第2部冒頭に盛り込まれた学園ドラマだという。
「学園ドラマを描くことで、子どもたちが主人公の生活に親しみを持ってほしい」というスタッフの思惑が、そこにはあったそうだが視聴率は相変わらず低迷。KID層の支持も上向いているとは言い難い状況は続いている。
■求められる「異端のガンダム」
そもそも「戦争」や「コロニー」「宇宙」というキーワードは「ガンダム」という作品を形成する重要な概念である。
それらが子どもたちに受け入れられなくなりつつある、ということは「ガンダム」というブランドが今後子どもたちに受け入れられなくなる、という可能性も示唆しているともいえる。
時代性を取り入れつつ、シーズンごとにドラスティックな変化を続けるゼロ年代以降の『仮面ライダー』シリーズのように、『ガンダム』シリーズも変革をする時が近づいているのではないだろうか。
これまでも「ガンダム」シリーズが低迷した時、格闘技を取り入れた熱血少年マンガ風なストーリーが展開した『機動武闘伝Gガンダム』、世界名作劇場を思わせる牧歌的な世界観で深い人間ドラマを描いた『ターンエーガンダム』など、異端と呼ばれる「ガンダム」が、ガンダムファンに衝撃をもたらし、新たな「ガンダム像」を提示しシリーズを存続させてきた。
「ガンダム」というタイトルに思い入れのない子どもたちが増えつつある今、旧態依然とした「ガンダム」を提示する『ガンダムAGE』が彼らに受け入れられないのは当然ともいえる。
そんな子どもたちに「ガンダム」をアピールするために、そして今後も「ガンダム」ブランドを存続させるためにも、今こそ新たな「異端のガンダム」が求められているのかもしれない。
(文=龍崎珠樹)
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不況時代に強い!? 『お願い!ランキング』『お試しかっ!』に見るテレ朝の企画力

テレビ朝日『お願い!ランキング』より
番組改編期になると、テレビ朝日でよく放送される「懐かしアニメ」系の番組。最近は、三ツ矢雄二などの声優が多数出演するのも、ひとつのパターンになっている。
でも、そもそもテレビ朝日のアニメといえば、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』くらいで、王道アニメは他局の借り物がほとんど。ところが、声優を使えば他局のアニメでも素材を借りずに成立するだけに、権利関係の予算よりも返って安上がりだったりするのだろうか。
ある放送作家は言う。
「テレ朝ではアニメ系のランキング番組を昔からやっていますが、ジブリなど素材が使えないものは除外してきましたし、たとえば自分の局の『ドラえもん』でも、昔の素材は使えないなどの制約がかなりあるんですよ。それが『お願い!ランキング』でアニメの回をやった際に三ツ矢(雄二)さんらを起用したところ大当たりしたので、特番でも声優を集めてやろうということになったのだと思います」
とはいえ、『お願い!ランキング』自体も“深夜番組”というお金がない時間帯の発想から生まれたものであり、企画の面白さ+「時間帯にちょうどいい温度感」がウケたのではないかと分析する。
「『お願い!ランキング』では、これまでバラエティではイジらなかった“企業”をイジってみたところ、これが大成功しました。あえて酷評することでそれが宣伝になると今では企業側もわかっていますが、以前は企業モノは持ち上げるのが普通であって、最初は交渉がきつかったと思いますよ」(同)
企業を扱うものとしては、『お試しかっ!』の人気企画「帰れま10」などもおなじみだ。これらの背景には、やはりテレビ朝日の企画の立て方があるのだろうか。テレビ朝日関係者は言う。
「局の規模として、フジテレビや日本テレビは予算規模が大きく、かつてはその下にTBS、テレ朝、テレビ東京が続きました。テレ朝はもともとお金をかけられないという歴史があり、派手にタレントをたくさん呼ぶような“タレント頼み”の番組ができないだけに、企画力でどうにかしようという面はあります。テレ朝はタレントとのコネが圧倒的に弱いですからね(苦笑)。たとえば、タレントのブッキング力が大きいのはフジテレビで、テレ朝がブッキングできるのは昔から石原軍団くらいでした。今でこそジャニーズをブッキングできるようになりましたが」
そういえば、“イケメンシェフ”川越達也も“美人料理研究家”森崎友紀も、ブレイクのきっかけは『お願い!ランキング』だった。
「タレントをブッキングできないから新たなスターを発掘できる、という点はあると思います。芸人に関しても、昔は若手芸人をたくさん使う番組なども深夜にやっていましたが、なかなかブレイクせず、ずっと地道にやり続けて最近ようやく花開いた人たちがたくさんいますからね」(同テレ朝関係者)
予算の縮小などから、高額なギャラを支払い、たくさんのタレントを集めて作る番組は成立しづらくなっている昨今。「ブッキング力が弱い」歴史の中で地道に企画を練り続けてきたテレ朝が、ちょうど不況の時代にピタリとハマッてきているのかも。
不況時代に強い!? 『お願い!ランキング』『お試しかっ!』に見るテレ朝の企画力

テレビ朝日『『お願い!ランキング』より
番組改編期になると、テレビ朝日でよく放送される「懐かしアニメ」系の番組。最近は、三ツ矢雄二などの声優が多数出演するのも、ひとつのパターンになっている。
でも、そもそもテレビ朝日のアニメといえば、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』くらいで、王道アニメは他局の借り物がほとんど。ところが、声優を使えば他局のアニメでも素材を借りずに成立するだけに、権利関係の予算よりも返って安上がりだったりするのだろうか。
ある放送作家は言う。
「テレ朝ではアニメ系のランキング番組を昔からやっていますが、ジブリなど素材が使えないものは除外してきましたし、たとえば自分の局の『ドラえもん』でも、昔の素材は使えないなどの制約がかなりあるんですよ。それが『お願い!ランキング』でアニメの回をやった際に三ツ矢(雄二)さんらを起用したところ大当たりしたので、特番でも声優を集めてやろうということになったのだと思います」
とはいえ、『お願い!ランキング』自体も“深夜番組”というお金がない時間帯の発想から生まれたものであり、企画の面白さ+「時間帯にちょうどいい温度感」がウケたのではないかと分析する。
「『お願い!ランキング』では、これまでバラエティではイジらなかった“企業”をイジってみたところ、これが大成功しました。あえて酷評することでそれが宣伝になると今では企業側もわかっていますが、以前は企業モノは持ち上げるのが普通であって、最初は交渉がきつかったと思いますよ」(同)
企業を扱うものとしては、『お試しかっ!』の人気企画「帰れま10」などもおなじみだ。これらの背景には、やはりテレビ朝日の企画の立て方があるのだろうか。テレビ朝日関係者は言う。
「局の規模として、フジテレビや日本テレビは予算規模が大きく、かつてはその下にTBS、テレ朝、テレビ東京が続きました。テレ朝はもともとお金をかけられないという歴史があり、派手にタレントをたくさん呼ぶような“タレント頼み”の番組ができないだけに、企画力でどうにかしようという面はあります。テレ朝はタレントとのコネが圧倒的に弱いですからね(苦笑)。たとえば、タレントのブッキング力が大きいのはフジテレビで、テレ朝がブッキングできるのは昔から石原軍団くらいでした。今でこそジャニーズをブッキングできるようになりましたが」
そういえば、“イケメンシェフ”川越達也も“美人料理研究家”森崎友紀も、ブレイクのきっかけは『お願い!ランキング』だった。
「タレントをブッキングできないから新たなスターを発掘できる、という点はあると思います。芸人に関しても、昔は若手芸人をたくさん使う番組なども深夜にやっていましたが、なかなかブレイクせず、ずっと地道にやり続けて最近ようやく花開いた人たちがたくさんいますからね」(同テレ朝関係者)
予算の縮小などから、高額なギャラを支払い、たくさんのタレントを集めて作る番組は成立しづらくなっている昨今。「ブッキング力が弱い」歴史の中で地道に企画を練り続けてきたテレ朝が、ちょうど不況の時代にピタリとハマッてきているのかも。
【TAF2012】フランスパンが武器? チュニジアから来たスーパーヒーロー「キャプテンゴブザ」

海外からの出展者が目立った東京国際アニメフェア(以下、TAF)2012。その中でも、一際目を引いたのが、チュニジア大使館のブースだ。
ほかの出展国を見てみると、フランス・スイス・フィンランドとそれなりにアニメ産業もあり、日本に売り込むコンテンツもあるだろうと納得がいく。しかし、チュニジアとアニメーションは、これまでの経験則ではまったく結びつかない。いったい、どんなコンテンツを持っているのか、早速ブースを訪問してみた。
まず目を引いたのが、ブース内のテーブルに置かれたお菓子である。ほかの国のブースでも、スイスではチョコレート、フィンランドではキシリトールのお菓子を配ったりしていた。ところが、チュニジアのブースは、テーブルの上の大皿に大学芋のような謎のお菓子が半分ラップを開いた状態で山盛りである(ちなみにマクロードというナツメヤシのペーストを使った揚げ菓子であった)。こういうフランクな国は、筆者の最も好むところである。ブースで説明をしてくれたチュニジア大使館のモハメッド・トラベルシ氏が「これが、今チュニジアで最も人気のあるキャラクターです」と示したのは、覆面姿に長いフランスパンを背負った謎の男。そのキャラクターの名は「Captain 5obza(キャプテンゴブザ)」。昨年のジャスミン革命をきっかけに生まれたスーパーヒーローだという。ブースの壁には、フランスパンを手にデモをする民衆のイラストも。

これがマクロード。一皿丸ごとでもいけそうだ……。
「明日(ブースを訪れたのは1日目)のシンポジウムでは制作者も講演するし、英語字幕のものを上映しますよ」
というので、翌日ワクワクしながらシンポジウム「チュニジア革命:表現の自由とアニメの創造に対する影響」の会場へと足を運んだ。
■革命で得た言論の自由がここにある
このキャラクターの生みの親、メヒディ・ラルゲッシュ氏はまず、キャプテンゴブザ誕生までの経緯を説明。ラルゲッシュ氏は、2007年にチュニジアでクリエイター集団「Atelier 216」を設立し、ウェブサイトやアニメーションの制作などさまざまなITサービスを提供している人物。政治にも関心があり、前政権時代はFacebookのアカウントを削除されたこともあるラルゲッシュ氏は、昨年の革命の際に広く報道された一枚の写真に衝撃を受ける。それは、老人がフランスパンを手に機動隊と対峙している写真だった。
自身もデモに参加していたラルゲッシュ氏は、その写真からキャプテンゴブザというキャラクターを生み出したのだという。
そして、いよいよ上映開始。“スーパーヒーロー”と聞いていたのだが、イメージとはちょっと違った。劇中、寒波が来てチュニジアの人々が困っているのに、無意味な議論ばかりを続けている国会議員を批判したり、アメリカのオバマ大統領から「よう、新しいイスの座り心地はどうだい? ところで、シリア大使の追放の件、わかってるんだろうな」と半ば脅しの電話を受けて右往左往する現大統領(モンセフ・マルズーキ氏)を描く。……念のため記しておくが、このシンポジウムはチュニジア大使館の主催である。
キャプテンゴブザは現政権にもシニカルな批判をぶつける、これまでにないヒーローだったのだ。さらに、彼が批判するのは政府だけではない。寒波で困る民衆を描いた作品は、チュニジアでは有名なテレビレポーターに「よく似た人物」たちが民衆の困っている姿だけを撮影し、援助物資が届いた途端に引き揚げていくというストーリーだ。
この皮肉の効いた作品が、今年1月からはテレビ番組として放送されているという。チュニジアの国民が革命を通じて得た「言論の自由」の大きさ、さらには、革命後の諸外国からの干渉に対するチュニジア民衆の意識を見事に描写している作品といえるだろう。

メヒディ・ラルゲッシュ氏は1979年生まれの若い世代のクリエイターだ。
シンポジウム後、取材に応じてくれたラルゲッシュ氏にまず聞いたのは、「言論の自由」を獲得したとはいえ、これほど皮肉の効いた作品に対して弾圧はないのかということだ。これに対してラルゲッシュ氏は次のように話してくれた。
「どこの国でも左翼、中道、右翼、それぞれの政治勢力があり、気に入らない作品もあるでしょう。しかし、脅迫や暴力は一度もありません。我々も、ただやみくもに批判をするのではなく、“口汚く罵ることはしない”“ちょっとした笑いを誘う作品に仕上げる”など、線引きはしていますけどね」
ラルゲッシュ氏の発言からは、獲得した「言論の自由」「表現の自由」を錦の御旗にするのではなく、責任を持って防衛し、成長させていきたいという意志が感じられる。さらに、ラルゲッシュ氏は、こう続ける。
「扉は開かれたのだから、閉じさせるわけにはいけません。この作品を続けていくためには、自分の中に越えてはいけない一線を持つ必要もあると思っています。もちろん、時には弁護士に相談することもありますけどね」
キャプテンゴブザを通じて、ラルゲッシュ氏が目指しているのは、若い世代が「言論の自由」の下にクリエイティブな活動が行われていることを知って、それを継承し、よりよい作品づくりをする人々が育っていくことだという。
惜しむらくは、FacebookやYouTubeなどで見ることのできるキャプテンゴブザの作品が、ほぼアラビア語のものしかないこと。せめて英語字幕版は作ってほしいところだ。
「みんなそう言います(笑)。今、ボランティアでやってくれている人もいるけど……日本語字幕でも見られるようにするので、私の会社に投資してくれませんか? それと、(通訳に)あなたも手伝ってヨ!」
おそらくは、日本人のほとんどは「カルタゴの遺跡があるところ」程度の知識しかないチュニジア。昨年の革命も、やはりどこか遠い国の出来事という意識だったろう。日本からみればつながりが希薄に感じられる国で、こんな新たなスーパーヒーローが存在していた! それを知ることができただけ、今回のTAF2012は「国際」の文字を冠しているだけの価値はあったと感じることができた。
■アニメ以上にチュニジア人は魅力的
キャプテンゴブザのみならず、チュニジアでは『ドラゴンボール』をはじめ、日本のアニメが既に知られているし、現地でもアニメーション制作は盛んに行われているという。

左がズハイエール・マヒジューブ氏。
中央は通訳の鵜野孝紀さん。
シンポジウムに登壇したアニメーション作家、マルサ・アニメーション映画および関連芸術振興協会代表のズハイエール・マヒジューブ氏によれば、チュニジアにおけるアニメーション制作の始まりは1960年代からだという。マヒジューブ氏をはじめ、当時の制作者はブルガリア、ルーマニア、チェコなどの東欧諸国でアニメーションの制作を学び、セル、切り絵、パペットなどの手法でチュニジアや、アラブ・イスラム圏などの民話を題材にするものが多かったという。1990年代に入ると西欧で技術を習得し、アマチュアのアニメーションサークルも設立され、現在に至っているそうだ。現在のチュニジアは、ヨーロッパで技術を学んだ人々によるアート志向のアニメーションと、カートゥーンアニメとが交じり合って存在しているといってよい。第一世代であるマヒジューブ氏は違和感があるのか、「最近の若い世代は、制作技術を知らずに日本風のアニメキャラクターのようなものを作ることに熱中しているのです」と批判的とも取れる発言もしていた。けれども、日本のアニメを嫌っているのではない。
「チュニジアではアニメーションの道へ進みたい人は増えているが、専門教育の場が少ないのが現状です。その意味で、日本のアニメシリーズの監督術、レイアウト、キャラの動かし方、背景技術、アニメシリーズの専門的な領域のノウハウは非常に有益です。ぜひ、両国でワークショップを定期的に開催していきたい」(マヒジューブ氏)
マヒジューブ氏は専門領域のみならず、アフリカ諸国でも定期的に子ども向けのアニメーション制作を利用したワークショップを行っているそうで、シンポジウム後のインタビューでは、内戦のあったコートジボアールで行った、戦争で荒んだ心を氷解させた子ども向けワークショップの成功例(戦争を生き抜いた子どもたちと「和解」をテーマに行うという趣旨のもの)を熱く語ってくれた。
日本に対してもワークショップの開催を呼びかけるのは、単に技術交流だけが目的ではない。
「チュニジアの若者は、日本に対してまじめでしっかりした国民性、民主主義の確立した国であることをイメージしています。ぜひ、日本の若者にもチュニジアに来て、新しい民主主義を見てもらい、その目にどう映るかを聞きたいと思っているんです。それに、日本人なら、キャプテンゴブザのようなキャラクターをどのように創るかも知りたいと思っているんです」
資料によれば、マヒジューブ氏は2006年、スタジオジブリの高畑勲氏を招いて日本のアニメーション映画を紹介する初めての試みを行うなど、かなりアクティブに活動している様子。こうした文化交流が、新たな両国のアニメーション制作者にとって創作のヒントになる可能性は高いだろう。ただやはり、惜しむらくは、日本ではチュニジアのアニメーションに触れる機会がほとんどないこと。その旨をマヒジューブ氏に話したところ、3本の短編アニメーションが収録されたDVDをプレゼントしてくれた。取材終了後、さっそく観賞してみたのだが、言葉はわからずとも(字幕がフランス語なので、筆者の語学力だと読んでいる間に話が先に……)、これまでに見たことのない新たな文化に触れワクワク感が止まらなかった。
ワクワク感といえば、チュニジアのブースでビデオ上映していた『Chateaux de sable(砂の城)』という短編作品も、実写とアニメーションを融合しながらチュニジアの歴史を描いていくという内容で、これまた日本では見たことのない表現の固まりであった。この作品の制作者であるムスタファ・タイエブ氏も、シンポジウムの登壇者に名前が記載されていたのだが「シャイなので……(通訳・談)」という理由で、なぜか舞台に上がらず撮影をしていた。てっきり気むずかしいアーティストかと思ったら、シンポジウム後に一緒にタバコを吸いながら、「昨日はメイド喫茶に行ったよ」という話から、革命におけるアメリカをはじめとした諸国の帝国主義的な干渉の問題まで、話の尽きない人物であった。
アニメも魅力的だが、人々も魅力的。がぜん興味を持ってしまった。美人も多いらしいので(ラルゲッシュ氏・談)一度は訪問してみたい!
(取材・文=昼間たかし/今回の取材は鵜野孝紀さんの通訳に大変助けられました。ありがとうございました)
【TAF2012】フランスパンが武器? チュニジアから来たスーパーヒーロー「キャプテンゴブザ」

海外からの出展者が目立った東京国際アニメフェア(以下、TAF)2012。その中でも、一際目を引いたのが、チュニジア大使館のブースだ。
ほかの出展国を見てみると、フランス・スイス・フィンランドとそれなりにアニメ産業もあり、日本に売り込むコンテンツもあるだろうと納得がいく。しかし、チュニジアとアニメーションは、これまでの経験則ではまったく結びつかない。いったい、どんなコンテンツを持っているのか、早速ブースを訪問してみた。
まず目を引いたのが、ブース内のテーブルに置かれたお菓子である。ほかの国のブースでも、スイスではチョコレート、フィンランドではキシリトールのお菓子を配ったりしていた。ところが、チュニジアのブースは、テーブルの上の大皿に大学芋のような謎のお菓子が半分ラップを開いた状態で山盛りである(ちなみにマクロードというナツメヤシのペーストを使った揚げ菓子であった)。こういうフランクな国は、筆者の最も好むところである。ブースで説明をしてくれたチュニジア大使館のモハメッド・トラベルシ氏が「これが、今チュニジアで最も人気のあるキャラクターです」と示したのは、覆面姿に長いフランスパンを背負った謎の男。そのキャラクターの名は「Captain 5obza(キャプテンゴブザ)」。昨年のジャスミン革命をきっかけに生まれたスーパーヒーローだという。ブースの壁には、フランスパンを手にデモをする民衆のイラストも。

これがマクロード。一皿丸ごとでもいけそうだ……。
「明日(ブースを訪れたのは1日目)のシンポジウムでは制作者も講演するし、英語字幕のものを上映しますよ」
というので、翌日ワクワクしながらシンポジウム「チュニジア革命:表現の自由とアニメの創造に対する影響」の会場へと足を運んだ。
■革命で得た言論の自由がここにある
このキャラクターの生みの親、メヒディ・ラルゲッシュ氏はまず、キャプテンゴブザ誕生までの経緯を説明。ラルゲッシュ氏は、2007年にチュニジアでクリエイター集団「Atelier 216」を設立し、ウェブサイトやアニメーションの制作などさまざまなITサービスを提供している人物。政治にも関心があり、前政権時代はFacebookのアカウントを削除されたこともあるラルゲッシュ氏は、昨年の革命の際に広く報道された一枚の写真に衝撃を受ける。それは、老人がフランスパンを手に機動隊と対峙している写真だった。
自身もデモに参加していたラルゲッシュ氏は、その写真からキャプテンゴブザというキャラクターを生み出したのだという。
そして、いよいよ上映開始。“スーパーヒーロー”と聞いていたのだが、イメージとはちょっと違った。劇中、寒波が来てチュニジアの人々が困っているのに、無意味な議論ばかりを続けている国会議員を批判したり、アメリカのオバマ大統領から「よう、新しいイスの座り心地はどうだい? ところで、シリア大使の追放の件、わかってるんだろうな」と半ば脅しの電話を受けて右往左往する現大統領(モンセフ・マルズーキ氏)を描く。……念のため記しておくが、このシンポジウムはチュニジア大使館の主催である。
キャプテンゴブザは現政権にもシニカルな批判をぶつける、これまでにないヒーローだったのだ。さらに、彼が批判するのは政府だけではない。寒波で困る民衆を描いた作品は、チュニジアでは有名なテレビレポーターに「よく似た人物」たちが民衆の困っている姿だけを撮影し、援助物資が届いた途端に引き揚げていくというストーリーだ。
この皮肉の効いた作品が、今年1月からはテレビ番組として放送されているという。チュニジアの国民が革命を通じて得た「言論の自由」の大きさ、さらには、革命後の諸外国からの干渉に対するチュニジア民衆の意識を見事に描写している作品といえるだろう。

メヒディ・ラルゲッシュ氏は1979年生まれの若い世代のクリエイターだ。
シンポジウム後、取材に応じてくれたラルゲッシュ氏にまず聞いたのは、「言論の自由」を獲得したとはいえ、これほど皮肉の効いた作品に対して弾圧はないのかということだ。これに対してラルゲッシュ氏は次のように話してくれた。
「どこの国でも左翼、中道、右翼、それぞれの政治勢力があり、気に入らない作品もあるでしょう。しかし、脅迫や暴力は一度もありません。我々も、ただやみくもに批判をするのではなく、“口汚く罵ることはしない”“ちょっとした笑いを誘う作品に仕上げる”など、線引きはしていますけどね」
ラルゲッシュ氏の発言からは、獲得した「言論の自由」「表現の自由」を錦の御旗にするのではなく、責任を持って防衛し、成長させていきたいという意志が感じられる。さらに、ラルゲッシュ氏は、こう続ける。
「扉は開かれたのだから、閉じさせるわけにはいけません。この作品を続けていくためには、自分の中に越えてはいけない一線を持つ必要もあると思っています。もちろん、時には弁護士に相談することもありますけどね」
キャプテンゴブザを通じて、ラルゲッシュ氏が目指しているのは、若い世代が「言論の自由」の下にクリエイティブな活動が行われていることを知って、それを継承し、よりよい作品づくりをする人々が育っていくことだという。
惜しむらくは、FacebookやYouTubeなどで見ることのできるキャプテンゴブザの作品が、ほぼアラビア語のものしかないこと。せめて英語字幕版は作ってほしいところだ。
「みんなそう言います(笑)。今、ボランティアでやってくれている人もいるけど……日本語字幕でも見られるようにするので、私の会社に投資してくれませんか? それと、(通訳に)あなたも手伝ってヨ!」
おそらくは、日本人のほとんどは「カルタゴの遺跡があるところ」程度の知識しかないチュニジア。昨年の革命も、やはりどこか遠い国の出来事という意識だったろう。日本からみればつながりが希薄に感じられる国で、こんな新たなスーパーヒーローが存在していた! それを知ることができただけ、今回のTAF2012は「国際」の文字を冠しているだけの価値はあったと感じることができた。
■アニメ以上にチュニジア人は魅力的
キャプテンゴブザのみならず、チュニジアでは『ドラゴンボール』をはじめ、日本のアニメが既に知られているし、現地でもアニメーション制作は盛んに行われているという。

左がズハイエール・マヒジューブ氏。
中央は通訳の鵜野孝紀さん。
シンポジウムに登壇したアニメーション作家、マルサ・アニメーション映画および関連芸術振興協会代表のズハイエール・マヒジューブ氏によれば、チュニジアにおけるアニメーション制作の始まりは1960年代からだという。マヒジューブ氏をはじめ、当時の制作者はブルガリア、ルーマニア、チェコなどの東欧諸国でアニメーションの制作を学び、セル、切り絵、パペットなどの手法でチュニジアや、アラブ・イスラム圏などの民話を題材にするものが多かったという。1990年代に入ると西欧で技術を習得し、アマチュアのアニメーションサークルも設立され、現在に至っているそうだ。現在のチュニジアは、ヨーロッパで技術を学んだ人々によるアート志向のアニメーションと、カートゥーンアニメとが交じり合って存在しているといってよい。第一世代であるマヒジューブ氏は違和感があるのか、「最近の若い世代は、制作技術を知らずに日本風のアニメキャラクターのようなものを作ることに熱中しているのです」と批判的とも取れる発言もしていた。けれども、日本のアニメを嫌っているのではない。
「チュニジアではアニメーションの道へ進みたい人は増えているが、専門教育の場が少ないのが現状です。その意味で、日本のアニメシリーズの監督術、レイアウト、キャラの動かし方、背景技術、アニメシリーズの専門的な領域のノウハウは非常に有益です。ぜひ、両国でワークショップを定期的に開催していきたい」(マヒジューブ氏)
マヒジューブ氏は専門領域のみならず、アフリカ諸国でも定期的に子ども向けのアニメーション制作を利用したワークショップを行っているそうで、シンポジウム後のインタビューでは、内戦のあったコートジボアールで行った、戦争で荒んだ心を氷解させた子ども向けワークショップの成功例(戦争を生き抜いた子どもたちと「和解」をテーマに行うという趣旨のもの)を熱く語ってくれた。
日本に対してもワークショップの開催を呼びかけるのは、単に技術交流だけが目的ではない。
「チュニジアの若者は、日本に対してまじめでしっかりした国民性、民主主義の確立した国であることをイメージしています。ぜひ、日本の若者にもチュニジアに来て、新しい民主主義を見てもらい、その目にどう映るかを聞きたいと思っているんです。それに、日本人なら、キャプテンゴブザのようなキャラクターをどのように創るかも知りたいと思っているんです」
資料によれば、マヒジューブ氏は2006年、スタジオジブリの高畑勲氏を招いて日本のアニメーション映画を紹介する初めての試みを行うなど、かなりアクティブに活動している様子。こうした文化交流が、新たな両国のアニメーション制作者にとって創作のヒントになる可能性は高いだろう。ただやはり、惜しむらくは、日本ではチュニジアのアニメーションに触れる機会がほとんどないこと。その旨をマヒジューブ氏に話したところ、3本の短編アニメーションが収録されたDVDをプレゼントしてくれた。取材終了後、さっそく観賞してみたのだが、言葉はわからずとも(字幕がフランス語なので、筆者の語学力だと読んでいる間に話が先に……)、これまでに見たことのない新たな文化に触れワクワク感が止まらなかった。
ワクワク感といえば、チュニジアのブースでビデオ上映していた『Chateaux de sable(砂の城)』という短編作品も、実写とアニメーションを融合しながらチュニジアの歴史を描いていくという内容で、これまた日本では見たことのない表現の固まりであった。この作品の制作者であるムスタファ・タイエブ氏も、シンポジウムの登壇者に名前が記載されていたのだが「シャイなので……(通訳・談)」という理由で、なぜか舞台に上がらず撮影をしていた。てっきり気むずかしいアーティストかと思ったら、シンポジウム後に一緒にタバコを吸いながら、「昨日はメイド喫茶に行ったよ」という話から、革命におけるアメリカをはじめとした諸国の帝国主義的な干渉の問題まで、話の尽きない人物であった。
アニメも魅力的だが、人々も魅力的。がぜん興味を持ってしまった。美人も多いらしいので(ラルゲッシュ氏・談)一度は訪問してみたい!
(取材・文=昼間たかし/今回の取材は鵜野孝紀さんの通訳に大変助けられました。ありがとうございました)
【TAF2012】『巨人の星』だけじゃない!? インド市場が秘めるポテンシャルに大注目!

3月22日、東京国際アニメフェア2012(TAF)のシンポジウム会場で「クール・ジャパン・フェスティバル -インドにおけるコンテンツビジネスの可能性-」が開催された。このシンポジウムは、インド向けにローカライズされた『巨人の星』のテレビ放映が予定されるなど、活況を見せているインドの市場を紹介するとともに、新たなコンテンツビジネスの可能性を探るというものだ。
シンポジウムではまず、登壇者から株式会社LA DITTA代表取締役の小里博栄氏が、市場としてのインドの魅力と、直近のビジネス的なアプローチについて解説した。小里氏によれば、現在のインドは人口の50%が25歳以下という若い国であること、さらに地理的にヨーロッパにもアフリカにも近いという魅力があることを紹介した。
そんなインドの中で、金融センターとして商業の中心となるとともに、映画産業を軸に文化レベルが高い都市がムンバイである。TAFに先立ち、3月15日~18日にはムンバイ市内のショッピングモールで「クール・ジャパン・フェスティバル」が開催されたが、1万人程度の動員を見込んでいたところ、なんと6万人を超える人々が会場を訪れたのだという(初のコスプレイベントも行われて多数の観客が訪れたとのこと)。
非常に多くの人々がコンテンツに限らず、日本の製品に興味を持っていることは確かだ。そこで、現在調査が進んでいるのは「インドでは、日本のどういった製品が売れ筋になるのか」ということだ。小里氏によれば、ムンバイ市内のモールで、醤油や味噌にアニメキャラクターのカードをオマケでつけて販売する。あるいは、玩具店に日本製の玩具を陳列する棚を設ける。さらに、日本では当たり前のように存在する「アイデア雑貨」などをテスト販売してみるといった形で、「売れ筋」の調査はかなり熱心な様子だ。
「今回のフェスティバルには30社あまりが参加しましたが、大半の会社は可能性があると見込んでいます。インドにはポテンシャルがあることは間違いありません。元気がある国ですから、ぜひお越しいただきたい」
と話す小里氏自身も、既に月の半分をインドで過ごしているという。日本に比べて、いまだ経済は発展途上といえるインドだが、やはり経済成長の進展と人口の大きさは魅力だ。
「冷蔵庫の普及率は人口の8%ですが、インドの人口は約11億人。つまり、既に日本の人口に匹敵しています。もっとも需要の高いテレビはソニー製ですし、コンテンツから耐久消費財までビジネスの可能性は高いと思われます。また、物価は安いのですが、中間層は価値を認めれば高くてもお金を払う人々ですし、購買力も高いのが特徴です。今後の10年、15年は非常に面白いと思います」(小里氏)
■インドには海賊版がほとんどない
そんな期待の大きなインド市場に、コンテンツ産業の中からいち早く進出を決めたのが講談社だ。インドにおける『巨人の星』のローカライズとテレビ放映事業を進めてきた講談社の国際事業局担当部長の古賀義章氏は、この作品の可能性を次のように話す。
「インドではまだ日本の漫画は進出しておらず、アニメーションが先行しています。今回のローカライズにおいて扱うクリケットは、現地では大変人気の高いスポーツで、インド対パキスタンの試合では視聴率が85%に達したこともあります。さらに、この作品はインド国内のみならず、パキスタン、スリランカなどをはじめクリケットの人気が高い国へ進出していくことができると考えています」
日本では、ほとんど知られていないクリケットだが、イギリス発祥のこのスポーツは、イギリスの植民地だった国々では人気が高い。そして何より、野球に似たスポーツなので『巨人の星』をもとにしてローカライズしやすいといった点も挙げられる。シンポジウムでは初めて作品のPVが公開されたが、物語はムンバイの少年を主人公にしたストーリー。当然、大リーグボールのクリケット版も登場するし花形や左門にあたるライバルも、主人公の前に立ちはだかる予定だ。ただ、食べ物に関しては冗談の通じない国なので、『巨人の星』で誰もが思い浮かべるちゃぶ台返しは「一回だけ、食事用のプレートをひっくり返す」という形で落ち着いているそうだ。
さらに、単にアニメの放映だけにとどまらず、作品中に登場する商品やスタジアムの看板などに企業のロゴを入れるタイアップなども行う予定だという。
日本製コンテンツの海外進出にあたっては、海賊版と、性・暴力表現に関する表現の意識の違いは大きな問題だ。ところが、登壇者の七丈直弘早稲田大学高等研究所准教授は、この点でもインドは問題の少ない国だという。
「ムンバイ市内を見た限り、海賊版を扱っているのは路上販売の店舗程度しかありません。それもキャラをTシャツに使っている程度でソフト販売は見当たりません。これは、ほかのアジア諸国には見られない風景です。また、宗教的な規制が厳しく『クレヨンしんちゃん』もお尻を丸出しにするシーンはカットされたような国ですが、近年ではバラエティ番組でお色気シーンも登場するなど、伝統的価値観が急速に変わってきている印象です」
海賊版があまり見られないのは、まだ日本のアニメが普及していないことと、モラルの高さと2つの理由があるようだ。
今年、日本とインドは国交樹立60周年を迎えるが、今後はアニメの分野においてもビジネスパートナーとしてよりよい関係が築いていけそうだ。
(取材・文=昼間たかし)
ビジネス志向へと大きく変化? 【東京国際アニメフェア2012】
昨年は東日本大震災の余波で開幕直前に中止となった東京国際アニメフェア(以下、TAF)が22日より4日間の日程で開催された。22日と23日は商談を目的としたビジネスデー、24日と25日の2日間は、一般客向けのパブリックデーとしてスケジュールされた。
東京都が主催するイベントであるTAFは、昨年、東京都の“表現弾圧条例”こと「東京都青少年健全育成条例改正案」に反発した出版社10社が加盟する「コミック10社会」がボイコットを宣言。TAFの実行委員会事務局を務める日本動画協会が「実質的に実行不能な事態」と声明を出す中、角川書店らがTAFと同じ日程で幕張メッセにて「アニメコンテンツエキスポ」(以下、ACE)の開催を表明し“分裂”による混乱が取り沙汰されたが、震災が原因で両イベントとも開催を中止する結果となった。
以来、2012年はどのような形で開催されるのか注目を集めていたが、昨年10月にACE側はTAFの開催日から一週間後の開催を発表。この発表の直後に筆者が取材したフジテレビのアニメ深夜枠「ノイタミナ」の山本幸治プロデューサーは以下のように語った。
「今年の同日開催は正直“やめてよ”と思いましたよ。現場ではどちらにつけばよいのか混乱しましたし、お客さんが右往左往する事態になっていたと思います。今回は日程がずれたことで、最悪の事態は回避されたのではないかと思っています」

ビジネス目的の来場者で、ところどころ混雑しているところも。
そもそもTAF側もACE側も昨年の騒動を“分裂”とは口が裂けてもいわない。むしろ、ファミリー向けのコンテンツが多いTAFとオタク向けコンテンツの多いACEとに“棲み分け”をするいい機会となったと捉える向きもある。
「2010年のTAFは13万人の来場者がありました。ですので、今回は両方のイベントで16万人来場すれば成功だと考えています」
とは、昨年取材した際のTAF事務局のチーフプロデューサー・鈴木仁氏の言葉だ。
一年の空白期間を経て再開されたTAFの会場で目立ったのは、海外からの出展者であった。とくに広い面積を占めていたのは、中国のアニメ企業による「チャイナアニメーションズ」と名付けられたスペースだ。ここには、40を超える中国のアニメ産業に関わる企業や大学などが出展し、中国におけるアニメ産業の巨大さを示していた。ただ、中国が巨大なアニメの生産国であり市場でもあることが広く知られるようになった現在では、目新しさを感じるものはない。

ぜひ本編を見てみたくなるチュニジアのアニメーション。
海外の出展者の中でも目を引いたのは「オーバーシーズパビリオン」と名付けられた一角である。ここには、フランス・スペイン・ハンガリー・ブルガリア・チュニジアなどのアニメ企業や大使館などが出展している。そこで展示されているのは各、々の国で制作されているアニメーションやキャラクターである。各国とも、自国で生産しているアニメーションやキャラクターの日本への売り込みを図るという、これまであまり見られなかった形が見られるようになってきている。中でも異色だったのは、チュニジアのブース。ここでは、チュニジアで今もっとも人気のあるアニメとして、「キャプテン・ゴブザ」というキャラクターが活躍する作品が紹介されていた。これは、ヒーローや民衆がバゲット(長いフランスパン)を武器に武装警官と戦う作品だというが、そんなキャラクターを大使館自らが売り込むことに「本当に革命が起こったのだな」と実感させられる。これら海外ブースは日本語が話せるスタッフがおらず、共通言語が英語だったことも、TAFがビジネス寄りの路線を志向していることを感じさせた。
■ビジネスイベントへ舵を切ったTAF

「石ノ森萬画館」の復興は全国のファンからも注目を集める。
海外からの出展とともに目立ったのは、東北の被災地関係の出展だ。津波で被災した宮城県石巻市の「石ノ森萬画館」の復興活動に関する展示のほか、「宮城・仙台アニメーショングランプリ」のブースでも復興と絡めた企画が紹介されていた。被災地に限らず、地方で開催されている各種イベント関連の展示も目立っており、漫画・アニメを使った地域振興が、全国の津々浦々で行われていることを如実に示していた。
このように、今回のTAFで目立ったのは、新たなビジネスパートナーを求めたり、ライセンスの売り込みを図ったりするBtoBの出展が多いことだ。対して、既に発表されているACEの出展概要を見ると、一般の来場者に主眼を置いた出展者が多い。このことからも、(意図しているか否かは別として)TAFはACEとの棲み分けを模索していると見ることができる。単に目当ての作品やキャラクター関連のブースに行列し、グッズを買い求めるのではなく、アニメ産業の全体を俯瞰できるイベントとなったといってよいだろう。一年の空白を経て、多くのバイヤーが集うアニメの市場としてTAFは、大きく舵を切ったと見てよいだろう。今後、ACEとの再統合が行われるか否かはわからないが、一般客が集うイベントとしての価値以上に、市場としての価値が高まっていくと、予測することができる。
ビジネスデーに開催されたイベントに関しては、別に報告していきたい。
(取材・文=昼間 たかし)
アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
3月も下旬に突入し、最終回を迎えるTVアニメも数知れず。我々視聴者を楽しませてくれたアニメが次々と完結するということで寂しい気もするが、4月に入れば新作アニメとの出会いが待っている。そんな出会いと別れの季節に身もだえするアニメファンも多いことだろう。
4月からスタートする新作アニメのタイトルを見てまず気付くのが、「分割2クール作品」が深夜アニメに多いという点だ。
「分割2クール作品」とは、放送前の時点で2クール(およそ24~26話)分の放送が決定しておきながら、前半と後半を1クールごとに区切って、一定の期間をあけて放送するという放送形態のアニメのことである。
今春スタートする分割2クール作品は以下の通り。
・『Fate/Zero』
・『めだかボックス』
・『君と僕2』
・『ヨルムンガンド』
・『緋色の欠片』
このほかにも、夏クールからスタートする分割2クール作品として、『輪廻のラグランジェ』『境界線上のホライズン』の2タイトルがすでに判明している。
2000年代後半頃より、各クールに1~2タイトル程度は存在していた分割2クール作品だが、なぜここに来て爆発的にその数が増えたのだろうか。その理由を、とあるアニメ関係者はこう語る。
「1クールごとに新作アニメを作るという早いサイクルに、業界がついていけなくなってきて、以前より問題となっていたネタ切れが深刻になってきたんです。そこで分割2クールアニメを制作して、一つの作品の寿命を長引かせたいという業界全体の思惑があります」
畳みかけるような勢いで新作を発表し、それに付随するDVD、アニメソングCDといったパッケージ商品や、関連書籍やフィギュアなどのグッズを売りさばくというビジネスモデルの深夜アニメには、とりわけパッケージ商品の購買力が高い20~30代のアニメファンが多い。
2000年代後半より1クールで完結する作品が増え、どんどんと新たな作品が発表されてきたが、この流れはそういった「太い客」に、間断なく新たなグッズを買わせ続けるためでもある。
しかし、あまりにも作品の入れ替わりのサイクルが早くなってしまったため、アニメ化できる原作や企画が枯渇し始めたというのだ。
また、別のアニメ関連の音楽制作関係者は次のように分析する。
「ここ数年の不景気のせいで、DVDやCDといった深夜アニメでもっとも重要な資金源となるパッケージ商品が売れなくなってきたんです。2000年代中盤以降、DVDやCDをグッズ感覚で気軽に買うライト・ユーザーが増えたのですが、昨年あたりから彼らの財布の紐が堅くなってきました。その一方で、『アニメのDVD、CDならどんなタイトルでも絶対に買う』というコアなアニメファンが、一定数いることも事実です。そこで、今後はそういったコア・ユーザーに細く長くパッケージ商品を買ってもらえるような分割2クール作品が増えていくと思います」
このように、アニメ業界に蔓延するネタ切れと、アニメファン向けにパッケージ商品を売るためのアニメを作る、という90年代以来のビジネスモデルの崩壊という深刻な問題が分割2クール作品の増加という現象の裏にあるようだ。
とくに「コア・ユーザー向けの作品を細く長く」という前出の音楽制作関係者の話が事実だとすると、深夜アニメはよりアニメファン向けに先鋭化していく可能性もある。その結果、いわゆる「オタク向け」アニメが増加し、よりマニアックな、一部のアニメファンのみが楽しめる偏ったタイトルが続出することにはならないだろうか。
確かにもともとアニメはマニアックな要素の強いメディアではあるが、近年のアニメブームを通じてアニメに興味を持ったライト層を取りこぼす事になってはあまりにももったいない。
一方で分割2クール作品が増えることで、作品のボリュームが増加。1クールの作品では描ききれないような見応えのある作品が生まれる可能性もある。
このようにアニメの作劇やメディア展開といったさまざまな部分に大きな影響を与えうる「分割2クール作品」の増加現象だが、一アニメファンとしては単純に2クール分の内容に水増ししただけの作品ばかりが増えないことを願うばかりである。
(文=龍崎珠樹)
機動戦士ガンダムAGE 第1巻
2クールだったらまだ……?

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『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』オールナイト上映会を“めっちゃ”レポート!

4月4日から放送が始まる、人気ライトノベル『これはゾンビですか?』(木村心一、富士見ファンタジア文庫)のアニメ化第2弾作品『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』。
昨今のゾンビブームの中でも異臭……もとい、異彩を放つこの作品を、放送前に6話まで先行上映してしまうという、脅威のオールナイトイベント「『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』 宇宙最速!めっちゃ6話までダンシンオールナイト!」が3月9日、角川シネマ新宿にて開催された。
あいにくの大雨に見舞われたものの、会場にはおよそ300人の熱い『これゾン』ファンが大集合。上映前には、“仮面P”こと蜂屋誠一プロデューサーを司会に、ヒロイン・ハルナ役の野水伊織、ユー役の月宮みどり、サラス役の合田彩、アンダーソン(下村)役の瀧澤樹ら本作に出演する声優陣によるトークショーが行われた。本作では声優として参加している芸人のイッキ(元・東京タイツ)も途中から加わり、会場の空気は一気にヒートアップしていった。
上映会は、『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』の前に、アニメ第一期『これはゾンビですか?』の1話、12話(最終話)の「絶叫上映」からスタート。
「絶叫上映」とは、作品の上映中にスクリーンに向けて感想を叫んだり、ツッコミを入れたりする特殊な上映形態のこと。近年、劇場アニメの本数が増える中、新たな楽しみ方として発見されてきた。今回の上映でも、「かわいいよー!」といった歓声を上げたり、劇中のライブシーンに合わせてサイリウムを振ったりと、客席は盛り上がりを見せた。
その後の『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』先行上映は通常の上映形態で、2話ごとに15分の休憩を挟みつつ上映していく流れ。安定したクオリティでテンポの良いフィルムに、客席からはたびたび大きな笑い声が起こった。
4話と5話の間には、シリーズ構成の上江洲誠、脚本を担当する森田繁、待田堂子、関根聡子、原作者の木村心一が登壇。上江洲の乾杯の音頭からトークショーへ。
「(続編が決まったときの率直な感想は)しんどいなー、と思った(笑)。パート1が本当に全力で、続編のことなんか考えずにシリーズ構成をして最終回まで書ききったので」(上江洲)
「(続編が決まって)(声優の)金元(寿子)さんにまた会えると思った」
「原作のセリフはじぇ~んじぇん使ってくれへん……それが正しいとは思ってるけども」
「最近清水愛さんの声がエロい」(木村)
……などなど、終始息のあったやりとりで、ぶっちゃけ発言が次々と飛び出し、会場は爆笑の渦に巻き込まれた。
最後には、サプライズ的に『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』第0話の上映もあり、お客さんも大満足の内容でイベントは締めくくられた。今後も、9月23日にディファ有明でメインキャスト総登場のビッグイベント 「『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』 めっちゃフェスティボー!」の開催が決定しているほか、『これゾン』のイベント攻勢はまだまだ続きそうだ。本編とイベントあわせて、今年は大いに『これゾン』の世界を堪能してほしい!
(取材・文=前田久)
●『これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド』
<http://kadokawa-anime.jp/zombie/>
特撮ヒーローのエッセンスが満載! インドネシア式ファンタジー

「An Old Apartment Of Coaliti」(c)Eko Nugroho
『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。
第25回
アーティスト
エコ・ヌグロホ(Eko Nugroho)
インドネシアのジョグジャカルタに生まれ、現在もそこをベースに活動するアーティスト、エコ・ヌグロホ。大小さまざまな島から成るインドネシアの国土の東西幅は、実はなんとアメリカ合衆国の国土よりも長い。それぞれの島や土地に独自の文化や風習があり、特にエコが住むジョグジャカルタは、王宮文化が色濃く残る、今でも舞踏や影絵、楽団などの伝統芸能が盛んな国際都市だ。豊かな文化に恵まれたインドネシアにいることの恩恵を感じているというエコのルーツは、ジャワ文化。彼によれば、これはかなりパワフルなもので、彼の作品にも強い影響を与えているという。

「1919-13」(c)Eko Nugroho

「Generasi Monoton」(c)Eko Nugroho
「インドネシアの政治状況は昔も今も変わらず“サイテー”ですが、そこに暮らす人々は、笑顔を絶やすことがない。庶民の暮らしだって、決していいとは言えない状態だけど、みんなものを分け合い、助け合っている。それが僕にとっては本当に美しいと感じることなんです」
エコは、絵画だけでなく、刺繍で作った絵画や、等身大の彫刻、影絵や巨大壁画など、身の回りのさまざまなメディアを自在に繰りながら、自分の世界を作り上げている。彼の作品にしばしば登場するのは、体の一部がモンスターや、ほかの物体に変形した人間(?)。それは進化の過程なのか、何者かに侵略されてしまった姿なのか……。現実と空想世界が渾然一体となった作品は、常に「人間の本質は何か」と、問いかけているようだ。
それにしてもこの、不気味なのにちょっと愛嬌もあり、寂しげにも見えるモンスターたち、どこかでお目にかかったような、懐かしさを感じるのだが……?

「Dungu」(c)Eko Nugroho

「I Was Politician」(c)Eko Nugroho
「子どものころに体験したファンタジーが、僕の作品に強い影響を与えているのは確かです。もちろん、日本からのものも多いですよ。遠い昔、僕が6歳のときに、近所の人がベータ・ビデオのプレイヤーを持っていて、日本のヒーローものをそれはたくさん見せてもらったんです」
『宇宙刑事ギャバン』『超電磁マシーンボルテスV』『怪傑ライオン丸』『メガロマン』……次から次へとタイトルが出てくる。どうやらその頃の彼の脳味噌は、日本のヒーローアニメや怪獣ものに、かなり“侵略”されていたようだ。
「僕の中では、奇怪な容貌を持つキャラクターや、お面をつけたキャラクターが、地域社会でみんなと一緒に普通に生活している、という、極めて不思議な物語の数々が始終渦巻いていました」
最近は、植田まさしの漫画にハマっており、大好きなジブリ作品のサウンドトラックを聞きながら楽しんでいるという。

(c)Eko Nugroho
現在、パリ市立近代美術館で個展(http://www.mam.paris.fr/fr/expositions/eko-nugroho)が開催されており、続いて今年中には、ベルリンのARNDTギャラリーでも個展をする予定だという。海外での活動も多く、インドネシアではすでにベテラン・アーティストとして評価されているエコだが、実際は苦闘の毎日らしい。
「インドネシアで“アーティスト”になると決意すること自体、まったく普通じゃありえないことです。アーティストの生活がどんなに困難を伴うものか、みんな知っていますからね。政府からの支援もなく、いいアート施設や美術館もない。孤軍奮闘の厳しさも感じています」
それでも、エコがインドネシアをベースにアーティストとして活動するのは、普通の人々の生活に、美しさを感じているから。彼は、地域社会で暮らすことこそが、作品を生み出すプロセスの大切な要素だと繰り返す。そして、そんなリアルな生活に根ざした「インドネシア式ファンタジー」に溢れる彼の作品こそが、私たちが待ち望んでいるものなのだ。
●エコ・ヌグロホ
1977年、インドネシア、ジョグジャカルタ生まれ。インドネシアン・インスティテュート・オブ・アート(ジョグジャカルタ)を2006年に卒業後、インディペンデントのアーティストとして活動を開始する。これまでに、ニューヨーク、ベルリン、北京、パリ、アムステルダム、ヘルシンキ、日本などでの国際展に参加。作品は、TROPENMUSEUM(アムステルダム)、シンガポール美術館(シンガポール)、ギャラリー・オブ・モダンアート(GOMA/ブリスベン)、アジア・ソサエティ・ミュージアム(ニューヨーク)、パリ市立近代美術館(パリ)、アート・ギャラリー・オブ・サウス・オーストラリア(AGSA/アデレード)に所蔵されている。
<http://ekonugroho.or.id>
●なかにし・たか
アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com >
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