恐怖の向こう岸で待っているのは一体何なのか? シャマラン監督が導き出した回答『スプリット』

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ジェームズ・マカヴォイが多重人格者を演じた『スプリット』。24番目の人格が現われたとき、想像を絶する恐怖が訪れる。
 グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきんちゃん」を“無縁社会”という現代的キーワードで解釈し直したホラーサスペンス『ヴィジット』(15)で復活を果たしたM・ナイト・シャマラン監督。大ヒット作『シックス・センス』(99)は現代版『雨月物語』、『ヴィレッジ』(04)はレイ・ブラッドベリの古典的SF小説のオマージュ作として楽しむことができる。ネタそのものは昔からあるものを、新しい視点で描くことに優れた演出家だ。そんなシャマラン監督が新たに再発見したのが“多重人格”。ハリウッドでは『イブの三つの顔』(57)をきっかけに度々取り上げられてきた題材だが、シャマラン監督は密室サスペンス『スプリット』を極めてオーソドックスに、かつ新解釈を交えてスリリングな物語へと昇華させている。  幼少期に虐待されたなどのトラウマによって人格分裂が生じると言われる多重人格(解離性同一性障害)。これまでに『サイコ』(60)ではアンソニー・パーキンス、『真実の行方』(96)ではエドワード・ノートン、NHKドラマ『存在の深き眠り』(96)では大竹しのぶ、といった実力派俳優たちが多重人格者役を熱演してきた。『スプリット』で多重人格者に挑んだのはジェームズ・マカヴォイ。『ナルニア国物語/第1章 ライオンと魔女』(05)の“半神半獣”タムナスさんから、『フィルス』(13)で演じたコカイン中毒の悪徳刑事、『X-MEN』シリーズの超人たちを束ねるプロフェッサーXまで、作品ごとに異なるキャラクターを演じ、多重人格者にはうってつけ。本作では23もの人格をもつ主人公を演じている。  シャマラン作品でおなじみフィラデルフィアが舞台。郊外にあるショッピングモールを発端に事件が起きる。友達のいないコドクな女子高生ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)は同級生クレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)のお誕生会にお情けで呼ばれるが、誰とも馴染めないまま時間を過ごしていた。クレアの父親に声を掛けられ、クレア、クレアの親友マルシア(ジェシカ・スーラ)と共に車で自宅へ送ってもらうことになったケイシーだったが、見知らぬ男が現われ、クレアの父親が襲われる。ケイシーたちは男から催眠スプレーを吹きかけられ意識を失い、気がつくとそこは男が用意していた監禁部屋だった。
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女子高生3人は多重人格者を相手に戦うことに。温厚な人格かどうかを冷静に見極めなくてはいけない。
 どうすれば、この密室から脱出できるか。ドアの向こうからは3人を拉致したケビン(ジェームズ・マカヴォイ)の他に、女性の声や子どもの声も聞こえてくる。観察眼の鋭いケイシーは、ケビンが複数の人格を持つ多重人格者であることに気づく。見るからにヤバそうなケビンが相手では、女子高生3人がかりでも勝てそうにない。そこでケイシーは攻撃的な人格ではないタイミングを見計らい、友好的な人格を手なづけ、出口を見つけようとする。だが、いつ凶暴なケビンに人格交替するか予測できない。ケイシーたち女子高生3人は、23人もの人格を持つ犯罪者を相手に心理戦を繰り広げることになる。  デヴィッド・フィンチャー監督の『ファイトクラブ』(99)をはじめ、90年代~00年代には多重人格をネタにしたサイコサスペンスが量産された。多くの作品は、凶悪犯罪を起こした真犯人は自分の中にいるもうひとりの自分でしたというオチとして多重人格という設定を利用したものだった。その点、本作では早い段階でケビンは多重人格であることが明かされ、ジェームズ・マカヴォイが凶暴な男ケビン、人当たりのよい好青年バリー、優雅な女性パトリシア、9歳児のヘドウィグ……と演じ分けるシーンが見どころとなっている。ケイシーたちが閉じ込められている密室のドアが開く度に、別人格が現われる。人懐っこい少年ヘドウィグによれば、現在は23人格だが、もうすぐ最後の人格となる24番目の人格が現われ、そいつはとてつもなく恐ろしいモンスターだという。ケイシーたちは、モンスターの生贄となってしまうのか?  人格障害と考えられてきた多重人格(解離性同一性障害)だが、シャマラン監督は従来の映画とは異なる形で解釈している。ダニエル・キイスのノンフィクション小説『24人のビリー・ミリガン』(早川書房)では多重人格者は人格交替によって性格が変わるだけでなく、顔つきや口調も変わり、学んだことのない言語を操り、驚異的な腕力や芸術的な才能を発揮することにも触れていた。シャマラン監督はこの点をクローズアップし、多重人格を生きづらい社会に適応するために生じた人間の未知なる能力として捉えようとしている。多重人格は精神病ではなく、隠された能力への目覚めではないのかと。
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ケイシー役のアニヤ・テイラー=ジョイ。デビュー作『ウィッチ』(日本では7月公開)が話題を呼んだ米国注目の若手女優。
 物語の後半、23人もの人格に分裂したケビンだけでなく、彼によって拉致されたケイシーも幼少期に体験した恐ろしいトラウマを抱えていることが明るみになっていく。ケイシーは偶発的にケビンに拉致されたのではなく、お互いに共鳴しあうようにして引き寄せられていたのだ。そして物語のラスト、ケイシーはケビンの中にいる24番目の人格とついに遭遇することになる。それはケイシーにとって、過去のトラウマさえも上回る最上級の恐怖だった。  本作を最後まで見届け、ふと思い出したのはシャマラン監督のデビュー作『翼のない天使』(98)だ。幼い主人公が神さまを探し求める非ホラー系感動作『翼のない天使』の原題は「Wide awake」だった。監督デビューから19年の歳月を掛けてシャマラン監督が辿り着いた『スピリット』もまた、人類の大いなる目覚めが最後に待っている。恐怖を克服したケイシーは、長く苦しめられたトラウマから解放された自分がいることに気づく。 (文=長野辰次) 監督・脚本・製作/M・ナイト・シャマラン 出演/ジェームズ・マカヴォイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ジェシカ・スーラ 配給/東宝東和 5月12日(金)よりロードショー (c)2017 UNIVERSAL STUDIOS.All Rights Reserved. http://split-movie.jp

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鈴木清順、若松孝二の“遺伝子”を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』

鈴木清順、若松孝二の遺伝子を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』の画像1
有森也実が大胆な濡れ場を演じたことで話題の『いぬむこいり』。南の島を舞台に、奇想天外なファンタジーが繰り広げられる。
 人間が人間ならざるものと交わり、新しい世界を築いていく異類婚姻譚。現在大ヒット中のミュージカル映画『美女と野獣』や日本神話のひとつ「豊玉姫」など、様々なケースが古くから世界各地に言い伝えられている。そんな異種婚伝説をモチーフにした官能ファンタジーが有森也実主演作『いぬむこいり』だ。人気ドラマ『東京ラブストーリー』(91年、フジテレビ系)でブレイクし、清純派の印象が強かった有森だが、本作では犬男を相手に大胆な濡れ場を繰り広げ、過去のイメージを一掃してみせている。上映時間は4時間5分という超大作で、さらに共演陣は、石橋蓮司&緑魔子夫妻(劇団『第七病棟』!)、「頭脳警察」のPANTA、ジャズパンクバンド「勝手にしやがれ」のボーカル・武藤昭平といった異色の顔ぶれ。どんな物語が展開されるのか予測不能な本作を撮り上げた片嶋一貴監督に、作品に込めた想いを聞いた。  片嶋監督はこれまでもパンクな映画を撮り続けてきた。高校生テロリストたちの暴走を描いた代表作『アジアの純真』(11)は国内外で大いに物議を醸した。小栗旬主演作『ハーケンクロイツの翼』(04)ではアナーキーな青春が描かれ、ブラックコメディ『小森生活向上クラブ』(08)では古田新太がテロリストとして覚醒していった。『いぬむこいり』もまた、アラフォーの元小学校教師・梓(有森也実)が神のお告げから南の島へと渡り、あらゆる世間の常識から身も心も解放されていく物語となっている。なぜゆえ、片嶋監督はパンクな映画を撮り続けるのだろうか?
鈴木清順、若松孝二の遺伝子を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』の画像2
ロケ地の鹿児島でモニターを確認する片嶋一貴監督(右側)と撮影監督たむらまさき氏。
「確かに『アジアの純真』のときは“こんな世界をひっくり返してやりたい”という強い気持ちで撮っていました。でも、常にパンクな映画を撮ろうと意識しているつもりはなく、自分ではいろんなタイプの映画を撮りたいと考えているんです。まぁ、オリジナルストーリーで作品をつくっていると、自分の中にあるものがどうしようもなく表に出てきてしまうようです(笑)。今回は脚本家の中野太から勧められ、芥川賞を受賞した多和田葉子さんの短編小説『犬婿入り』(講談社)を読んだところ、すごく面白かったので、ドイツにいる多和田さんに連絡して映画化の話を進めていたんです。残念なことに映画化権が手に入らず、それならと多和田さんも読んだであろう『犬のフォークロア 神話・伝説・昔話の犬』(成文堂新光社)という本を参考にして、オリジナルのストーリーを考えたわけです。異類婚姻譚って世界各地にある民間伝承であり、人間の中にある多様性を認識し、新たな再生を願うというもの。でも、今の世界情勢は多様性を認めようとする流れとは逆に向かっている。現代の異類婚姻譚を描くことで、物語そのものがメッセージになりうると考えたんです」
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「勝手にしやがれ」のボーカル・武藤昭平がメインキャストに。ひょうひょうとした味わいの演技を見せている。
■精神的にギリギリまで追い詰められた有森也実  4時間超の大作『いぬむこいり』に主演した有森也実は2015年の8月~9月をロケ地の鹿児島で過ごしているが、クランクアップの際に「一年間はこの映画の話はしたくない」と口にし、最近のトークイベントでも「女優をやめようと思った」と振り返っている。相当にハードな撮影だったようだが、主演女優を追い詰めたものは何だったのだろう。 「有森さんにとっては、本当につらい現場だった。有森さんが演じた主人公・梓は狂言回し的な立場で、熱演すればOKという役ではなく、素の姿でカメラの前に立つことが求められたんです。俳優って、役を演じているほうが楽ですから。撮影期間は1カ月半ほどでしたが、だんだん精神的に苦しくなっていったようです。僕はキャストに対して優しい言葉を掛けるタイプの監督ではありませんし、ヌードになることも大きな負担だったと思います。有森さんは僕が撮った『たとえば檸檬』(12)では依存症の女性を演じてもらったんですが、彼女の出演パートが終わる直後に東日本大震災が起きている。あのときも大変でしたが、今回もいろんなことが重なったみたいですね。ここ3年の間に、ご両親も亡くされたとのことでした。ポスプロ作業が終わって、映画が完成したら、有森さんも元気になるかなと思っていたんですが、初号試写のときはまだ完全復活はしていなかった。その後、いろいろ取材を受けて、インタビューを重ねていくうちに元気になっていった。映画って作品として完成すれば終わりではなく、お客さんに観てもらうことと同じくらい、取材を受けたり、レビューを書いてもらうことも大切。監督の僕もそうなんですが、インタビューに受け答えすることで、自分の内面を言葉として整理することができるし、いろんなレビューが出ることで、自分が気づかなかった視点も発見できるものなんです」  有森也実演じるアラフォーの元教師・梓があらゆる世間の常識から解き放たれていく壮大なファンタジー大作『いぬむこいり』。ベテラン俳優の柄本明は三線の演奏と渋い歌声を披露し、島の女王に扮した緑魔子は生尻を振りながら妖艶なダンスを舞う。女王と対立する部族の王様は「頭脳警察」のPANTA。また、梓と行動を共にするオフビートなペテン師・アキラには、ジャズパンクバンド「勝手にしやがれ」が結成20年を迎えた武藤昭平が配役されている。異色なキャスティングの舞台裏についても聞いた。 「石橋蓮司さんは前半、緑魔子さんは後半、と同じシーンには出ていませんが、ひとつの作品に夫婦で出演するのは、すごく珍しいこと。石橋蓮司さんはゴロツキの革命家の役で早めに出演の承諾をいただいていたんですが、女王役はなかなか決まらなかった。それで僕が緑魔子さんの大ファンだったこともあって、蓮司さん繋がり(2人は同じ事務所)で、お願いして出てもらいました。『盲獣』(69)や『あらかじめ失われた恋人たちよ』(71)などに出ていた1960年代~70年代の魔子さんは本当に素敵です(笑)。『いぬむこいり』の魔子さんの宮殿のシーンだけ別の映画のようだと言われます。魔子さんが女王役に決まり、美術や衣装だけでなくダンスの振付けも入って、魔子さんもノリノリで演じてくれた。僕から『お尻を出して踊ってください』とはさすがに頼んではいませんよ。ダンスの練習をしているときに『このシーン、お尻を出しましょうか』と魔子さんから言ってくださった(笑)。お蔭で70歳を過ぎているとは思えない魔子さんの妖しいダンスシーンを撮ることができた。武藤昭平はミュージシャン役でちょっと映画に出たことはあるけど、ここまでのメインを演じるのは初めて。昭平が芝居できるかどうかは分からなかったけど、きっと行けるなという確信が自分の中にあって、以前も彼の主演ドラマの企画を考えていたんです。その企画は流れちゃいましたけどね。今回、昭平の芝居を初めて見たけど、なかなか達者。演技をしているというよりは、役に自分をうまく当てはめている。ミュージシャンは芝居がうまい。パフォーマーとして、役者と通じるものがあるんだと思いますよ」
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キョラ族の女王を演じた緑魔子。アングラ演劇界に君臨したスター女優の貫禄は健在!
■混沌化していくこれからの時代への祈り 『いぬむこいり』の最終舞台となる「イモレ島」では、米兵や武器商人たちが入り交じっての戦乱が絶えない。実際のロケ地は鹿児島県だが、第二次世界大戦時に日本で唯一の地上戦が繰り広げられた沖縄の過去の悲劇を彷彿させると同時に、軍事基地の整備が進むこれからの沖縄を幻視したかのようでもある。 「沖縄にあれだけ米軍基地があるという現実があるわけで、何かしら物語を考える上でインスパイアされていると思います。物語の中ではキョラ族とナマ族がずっと対立しているんですが、これはイスラエルとパレスチナの関係を投影したもの。また、島から鉱石が採れ、地下資源をめぐっても争うことになる。経済・宗教・政治とすべてが交じった欲望の島で、戦争が絶えず続いている。いわば世界の縮図です。そんな世界の縮図を舞台にして、おかしな革命家たちが出てきて大騒ぎし、梓は巻き込まれていく。そして、その中で自分にとっての大切な“宝物”とは何かを探すことになる。ソビエト連邦が崩壊し、EUも解体に向かうかもしれない。これからの東アジアもどうなるか分からない。そんな状況の中で自分たちはどんな社会を築いていくべきなのか、どうやって生きていけばいいのか、また幸せの在り方も変わってくるはず。混沌としたこれからの時代に対する祈りみたいなものを、『いぬむこいり』には込めたつもりです」  片嶋監督は若松孝二監督の『寝盗られ宗介』(92)の助監督を務め、また鈴木清順監督の『ピストルオペラ』(01)と『オペレッタ狸御殿』(05)のプロデューサーも経験している。パンクな作風は、2人の巨匠からの影響も強くあるようだ。 「若松孝二監督と鈴木清順監督の影響を感じるとはよく言われますが、うれしく思う反面、ちょっと複雑な気持ちですね(笑)。若松さんからは映画づくりのあり方や姿勢を学んだんですが、実は僕はそれほど若松映画のファンというわけではありません。現場で若松さんを見ていても、これでいいのかなあと疑問に思っていたこともありました。反面教師ですね(苦笑)。でも、なんだかんだ言われながらも、晩年に『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)を完成させた。『実録・連合赤軍』は本当にすごい作品。逆に鈴木清順監督に対しては作品のスタイルから美的センスまで、すべて尊敬していました。清順監督の作品は若い頃に撮った『悪太郎』(63)、『春婦伝』(65)、『けんかえれじい』(66)なども素晴しいし、『ツィゴイネルワイゼン』(80)と『陽炎座』(81)は大傑作。清順監督本人は喰えないジジイでしたが、最後の2本の作品に関わることができてラッキーでした。清順監督は政治的な発言はいっさいしなかったけれど、作品はどれも反権威的な匂いのするものばかり。清順さんもまた、映画で何かしらの革命を起こそうと本気で考えていた人だったと思います」  映画界の革命家たちの薫陶を受けた片嶋監督が全力を投じた破天荒なパンク映画『いぬむこいり』は5月13日(土)より開幕する。 (取材・文=長野辰次)
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『いぬむこいり』 監督/片嶋一貴 脚本/中野太、片嶋一貴 撮影/たむらまさき 出演/有森也実、武藤昭平、江口のりこ、尚玄、笠井薫明、山根和馬、韓英恵、 ベンガル、PANTA、緑魔子、石橋蓮司、柄本明  配給/太秦 R15 5月13日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開 (c)2016INUMUKOIRI PROJECT http://dogsugar.co.jp/inumuko.html

鈴木清順、若松孝二の“遺伝子”を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』

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有森也実が大胆な濡れ場を演じたことで話題の『いぬむこいり』。南の島を舞台に、奇想天外なファンタジーが繰り広げられる。
 人間が人間ならざるものと交わり、新しい世界を築いていく異類婚姻譚。現在大ヒット中のミュージカル映画『美女と野獣』や日本神話のひとつ「豊玉姫」など、様々なケースが古くから世界各地に言い伝えられている。そんな異種婚伝説をモチーフにした官能ファンタジーが有森也実主演作『いぬむこいり』だ。人気ドラマ『東京ラブストーリー』(91年、フジテレビ系)でブレイクし、清純派の印象が強かった有森だが、本作では犬男を相手に大胆な濡れ場を繰り広げ、過去のイメージを一掃してみせている。上映時間は4時間5分という超大作で、さらに共演陣は、石橋蓮司&緑魔子夫妻(劇団『第七病棟』!)、「頭脳警察」のPANTA、ジャズパンクバンド「勝手にしやがれ」のボーカル・武藤昭平といった異色の顔ぶれ。どんな物語が展開されるのか予測不能な本作を撮り上げた片嶋一貴監督に、作品に込めた想いを聞いた。  片嶋監督はこれまでもパンクな映画を撮り続けてきた。高校生テロリストたちの暴走を描いた代表作『アジアの純真』(11)は国内外で大いに物議を醸した。小栗旬主演作『ハーケンクロイツの翼』(04)ではアナーキーな青春が描かれ、ブラックコメディ『小森生活向上クラブ』(08)では古田新太がテロリストとして覚醒していった。『いぬむこいり』もまた、アラフォーの元小学校教師・梓(有森也実)が神のお告げから南の島へと渡り、あらゆる世間の常識から身も心も解放されていく物語となっている。なぜゆえ、片嶋監督はパンクな映画を撮り続けるのだろうか?
鈴木清順、若松孝二の遺伝子を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』の画像2
ロケ地の鹿児島でモニターを確認する片嶋一貴監督(右側)と撮影監督たむらまさき氏。
「確かに『アジアの純真』のときは“こんな世界をひっくり返してやりたい”という強い気持ちで撮っていました。でも、常にパンクな映画を撮ろうと意識しているつもりはなく、自分ではいろんなタイプの映画を撮りたいと考えているんです。まぁ、オリジナルストーリーで作品をつくっていると、自分の中にあるものがどうしようもなく表に出てきてしまうようです(笑)。今回は脚本家の中野太から勧められ、芥川賞を受賞した多和田葉子さんの短編小説『犬婿入り』(講談社)を読んだところ、すごく面白かったので、ドイツにいる多和田さんに連絡して映画化の話を進めていたんです。残念なことに映画化権が手に入らず、それならと多和田さんも読んだであろう『犬のフォークロア 神話・伝説・昔話の犬』(成文堂新光社)という本を参考にして、オリジナルのストーリーを考えたわけです。異類婚姻譚って世界各地にある民間伝承であり、人間の中にある多様性を認識し、新たな再生を願うというもの。でも、今の世界情勢は多様性を認めようとする流れとは逆に向かっている。現代の異類婚姻譚を描くことで、物語そのものがメッセージになりうると考えたんです」
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「勝手にしやがれ」のボーカル・武藤昭平がメインキャストに。ひょうひょうとした味わいの演技を見せている。
■精神的にギリギリまで追い詰められた有森也実  4時間超の大作『いぬむこいり』に主演した有森也実は2015年の8月~9月をロケ地の鹿児島で過ごしているが、クランクアップの際に「一年間はこの映画の話はしたくない」と口にし、最近のトークイベントでも「女優をやめようと思った」と振り返っている。相当にハードな撮影だったようだが、主演女優を追い詰めたものは何だったのだろう。 「有森さんにとっては、本当につらい現場だった。有森さんが演じた主人公・梓は狂言回し的な立場で、熱演すればOKという役ではなく、素の姿でカメラの前に立つことが求められたんです。俳優って、役を演じているほうが楽ですから。撮影期間は1カ月半ほどでしたが、だんだん精神的に苦しくなっていったようです。僕はキャストに対して優しい言葉を掛けるタイプの監督ではありませんし、ヌードになることも大きな負担だったと思います。有森さんは僕が撮った『たとえば檸檬』(12)では依存症の女性を演じてもらったんですが、彼女の出演パートが終わる直前に東日本大震災が起きている。あのときも大変でしたが、今回もいろんなことが重なったみたいですね。ここ3年の間に、ご両親も亡くされたとのことでした。ポスプロ作業が終わって、映画が完成したら、有森さんも元気になるかなと思っていたんですが、初号試写のときはまだ完全復活はしていなかった。その後、いろいろ取材を受けて、インタビューを重ねていくうちに元気になっていった。映画って作品として完成すれば終わりではなく、お客さんに観てもらうことと同じくらい、取材を受けたり、レビューを書いてもらうことも大切。監督の僕もそうなんですが、インタビューに受け答えすることで、自分の内面を言葉として整理することができるし、いろんなレビューが出ることで、自分が気づかなかった視点も発見できるものなんです」  有森也実演じるアラフォーの元教師・梓があらゆる世間の常識から解き放たれていく壮大なファンタジー大作『いぬむこいり』。ベテラン俳優の柄本明は三線の演奏と渋い歌声を披露し、島の女王に扮した緑魔子は生尻を振りながら妖艶なダンスを舞う。女王と対立する部族の王様は「頭脳警察」のPANTA。また、梓と行動を共にするオフビートなペテン師・アキラには、ジャズパンクバンド「勝手にしやがれ」が結成20年を迎えた武藤昭平が配役されている。異色なキャスティングの舞台裏についても聞いた。 「石橋蓮司さんは前半、緑魔子さんは後半、と同じシーンには出ていませんが、ひとつの作品に夫婦で出演するのは、すごく珍しいこと。石橋蓮司さんはゴロツキの革命家の役で早めに出演の承諾をいただいていたんですが、女王役はなかなか決まらなかった。それで僕が緑魔子さんの大ファンだったこともあって、蓮司さん繋がり(2人は同じ事務所)で、お願いして出てもらいました。『盲獣』(69)や『あらかじめ失われた恋人たちよ』(71)などに出ていた1960年代~70年代の魔子さんは本当に素敵です(笑)。『いぬむこいり』の魔子さんの宮殿のシーンだけ別の映画のようだと言われます。魔子さんが女王役に決まり、美術や衣装だけでなくダンスの振付けも入って、魔子さんもノリノリで演じてくれた。僕から『お尻を出して踊ってください』とはさすがに頼んではいませんよ。ダンスの練習をしているときに『このシーン、お尻を出しましょうか』と魔子さんから言ってくださった(笑)。お蔭で70歳を過ぎているとは思えない魔子さんの妖しいダンスシーンを撮ることができた。武藤昭平はミュージシャン役でちょっと映画に出たことはあるけど、ここまでのメインを演じるのは初めて。昭平が芝居できるかどうかは分からなかったけど、きっと行けるなという確信が自分の中にあって、以前も彼の主演ドラマの企画を考えていたんです。その企画は流れちゃいましたけどね。今回、昭平の芝居を初めて見たけど、なかなか達者。演技をしているというよりは、役に自分をうまく当てはめている。ミュージシャンは芝居がうまい。パフォーマーとして、役者と通じるものがあるんだと思いますよ」
鈴木清順、若松孝二の遺伝子を継ぐ男の咆哮!! 上映時間4時間超のパンクオペラ『いぬむこいり』の画像4
キョラ族の女王を演じた緑魔子。アングラ演劇界に君臨したスター女優の貫禄は健在!
■混沌化していくこれからの時代への祈り 『いぬむこいり』の最終舞台となる「イモレ島」では、米兵や武器商人たちが入り交じっての戦乱が絶えない。実際のロケ地は鹿児島県だが、第二次世界大戦時に日本で唯一の地上戦が繰り広げられた沖縄の過去の悲劇を彷彿させると同時に、軍事基地の整備が進むこれからの沖縄を幻視したかのようでもある。 「沖縄にあれだけ米軍基地があるという現実があるわけで、何かしら物語を考える上でインスパイアされていると思います。物語の中ではキョラ族とナマ族がずっと対立しているんですが、これはイスラエルとパレスチナの関係を投影したもの。また、島から鉱石が採れ、地下資源をめぐっても争うことになる。経済・宗教・政治とすべてが交じった欲望の島で、戦争が絶えず続いている。いわば世界の縮図です。そんな世界の縮図を舞台にして、おかしな革命家たちが出てきて大騒ぎし、梓は巻き込まれていく。そして、その中で自分にとっての大切な“宝物”とは何かを探すことになる。ソビエト連邦が崩壊し、EUも解体に向かうかもしれない。これからの東アジアもどうなるか分からない。そんな状況の中で自分たちはどんな社会を築いていくべきなのか、どうやって生きていけばいいのか、また幸せの在り方も変わってくるはず。混沌としたこれからの時代に対する祈りみたいなものを、『いぬむこいり』には込めたつもりです」  片嶋監督は若松孝二監督の『寝盗られ宗介』(92)の助監督を務め、また鈴木清順監督の『ピストルオペラ』(01)と『オペレッタ狸御殿』(05)のプロデューサーも経験している。パンクな作風は、2人の巨匠からの影響も強くあるようだ。 「若松孝二監督と鈴木清順監督の影響を感じるとはよく言われますが、うれしく思う反面、ちょっと複雑な気持ちですね(笑)。若松さんからは映画づくりのあり方や姿勢を学んだんですが、実は僕はそれほど若松映画のファンというわけではありません。現場で若松さんを見ていても、これでいいのかなあと疑問に思っていたこともありました。反面教師ですね(苦笑)。でも、なんだかんだ言われながらも、晩年に『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)を完成させた。『実録・連合赤軍』は本当にすごい作品。逆に鈴木清順監督に対しては作品のスタイルから美的センスまで、すべて尊敬していました。清順監督の作品は若い頃に撮った『悪太郎』(63)、『春婦伝』(65)、『けんかえれじい』(66)なども素晴しいし、『ツィゴイネルワイゼン』(80)と『陽炎座』(81)は大傑作。清順監督本人は喰えないジジイでしたが、最後の2本の作品に関わることができてラッキーでした。清順監督は政治的な発言はいっさいしなかったけれど、作品はどれも反権威的な匂いのするものばかり。清順さんもまた、映画で何かしらの革命を起こそうと本気で考えていた人だったと思います」  映画界の革命家たちの薫陶を受けた片嶋監督が全力を投じた破天荒なパンク映画『いぬむこいり』は5月13日(土)より開幕する。 (取材・文=長野辰次)
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『いぬむこいり』 監督/片嶋一貴 脚本/中野太、片嶋一貴 撮影/たむらまさき 出演/有森也実、武藤昭平、江口のりこ、尚玄、笠井薫明、山根和馬、韓英恵、 ベンガル、PANTA、緑魔子、石橋蓮司、柄本明  配給/太秦 R15 5月13日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開 (c)2016INUMUKOIRI PROJECT http://dogsugar.co.jp/inumuko.html

『無限の住人』惨敗は想定内!? 木村拓哉と嵐・二宮和也、“共演作”発表の裏側

『無限の住人』惨敗は想定内!? 木村拓哉と嵐・二宮和也、共演作発表の裏側の画像1
 元SMAPの木村拓哉が、来年公開の映画『検察側の罪人』(原田眞人監督)に主演し、嵐の二宮和也と初共演することが3日、各スポーツ紙で報じられた。  キムタクといえば、ドラマ・映画版がいずれもヒットした人気シリーズ『HERO』での型破りな検事役がおなじみだが、同作で演じるのも検事役。雫井脩介氏が2013年に発表した小説が原作で、東京地検刑事部に配属された正義感の強い新人検事・沖野啓一郎(二宮)と、有能なエリート検事・最上毅(木村)が同じ部署に配属。ある金貸しの殺人事件をきっかけに、次第に2人の考え方はすれ違い、いつしか敵同士になって対決する姿を描いたサスペンス作品だという。 「主演はキムタクだが、相手は演技力には定評がある二宮。脚本次第では二宮が主演に見えてしまうこともありそうで、キムタクにとっては、なかなかリスクのある作品。しかし、ジャニーズ事務所の幹部としては、SMAP解散で事務所内の“派閥”が解消したことをアピールする格好の機会として、2人の共演作を実現することになった」(芸能デスク)  このニュースの前日の2日夕方、4月29日と30日の全国週末興行成績(興行通信社提供)が発表された。29日に全国331スクリーンで公開されたキムタクの主演映画『無限の住人』は、オープニング2日間で動員14万5,000人、興収1億8,900万円で6位という成績。同日公開の菅田将暉主演の『帝一の國』の4位を下回ったどころか、最終興収46.7億円を記録した『HERO』の初週成績を大きく下回る結果になってしまった。 「キムタク史上最大規模の大プロモーションを展開したにもかかわらず、いわば惨敗の成績。とはいうものの、マスコミ向けの試写会などでの下馬評は『帝一』のほうが上回っていたため、おそらく、ジャニーズの幹部もある程度、結果は予測できていたのだろう。『無限』の結果が記事にならないように、二宮との共演作を翌日付の紙面で仕込んでいたようだ。そのおかげで、『無限』の惨敗ぶりを報じたのは、一部のネットメディアのみだった」(映画業界関係者)  5月17日から開幕するカンヌ映画祭の「アウト・オブ・コンペティション部門」では、『無限の住人』が上演される。おそらく、各メディアはキムタクをこれでもかというぐらい持ち上げまくることになりそうだ。

嫌な予感しかしない東京で見つけたささやかな灯り 石井裕也監督『夜はいつでも最高密度の青色だ』

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石橋静河、池松壮亮主演映画『夜はいつでも最高密度の青色だ』。五輪開催に向けて変わりゆく東京で暮らす若者たちの不安感が描かれる。
 自由を手に入れるということは、孤独さを受け入れるということでもある。都会で暮らす若者たちのそんな自由気ままさと背中合わせの孤独さを、繊細な映像を積み重ねることで描いてみせたのが、石井裕也監督の最新作『夜はいつでも最高密度の青色だ』。石井裕也監督(1983年生まれ)とはほぼ同世代である詩人・最果タヒ(1986年生まれ)の詩集『夜はいつでも最高密度の青色だ』(リトルモア)からの引用やアニメーションを散りばめながら、2020年の五輪開催に向けて再開発が進む東京の景観と時流に迎合できずにいる若者たちの屈折した心情をスクリーンに映し出していく。  大阪芸術大学の卒業制作『剥き出しにっぽん』(05)で監督デビューを果たし、満島ひかり主演作『川の底からこんにちは』(10)がスマッシュヒット。さらに『舟を編む』(13)で国内の映画賞を総なめした石井裕也監督。満島ひかりとの共同生活は5年ほどでピリオドを打つことになったが、3年ぶりの劇場公開作となる『夜はいつでも最高密度の青色だ』は第二のデビュー作と呼びたくなるほど瑞々しい作品となっている。  これまでの石井裕也監督は、『川の底からこんにちは』では“中の下”を自認するヒロインが開き直りパワーで潰れかけていた会社を立て直して疑似家族化していき、『舟を編む』では奥手な編集者が時間を費やして下宿先や職場の仲間たちと新しい家族になっていく様子を描いてきた。『ぼくたちの家族』(14)ではバラバラだった一家が母親の入院をきっかけに再生を目指し、ビッグバジェットが投じられた『バンクーバーの朝日』(14)ではカナダで暮らす日系二世たちが野球を通して結束力のあるコミュニティーとなっていった。新しい時代の新しい家族像を、石井裕也監督は映画製作の中で模索し続けてきた。  新しい家族が生まれていく過程を一貫して描いてきた石井裕也監督だが、今回はひとりの女性とひとりの男性が街で出逢うという極めてシンプルな物語となっている。ヒロインである美香に抜擢されたのは、新人女優の石橋静河。現在公開中の『PARKS パークス』にも出演しているが、まだ演技キャリアは浅く、本作では固い表情を見せているシーンが多い。でも、そんな頑な横顔は、美香が周囲にうまく合わせることができずにいる不器用さと重なり合う。石橋凌と原田美枝子の娘という芸能一家の血筋であり、長年モダンバレエをやっていたこともあって、背筋がピンと伸びた立ち姿は人混みの中でも妙に目立ってしまう。そんな彼女が纏う違和感に引き寄せられるようにして夜の街で出逢うのが、池松壮亮演じる慎二だ。
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建設現場の日雇い労働者として働く慎二(池松壮亮)にとって、年上の同僚・智之(松田龍平)は気が許せる少ない仲間だった。
「俺って変だから」 「へぇ、じゃあ私と同じだ」  昼は看護士、夜はガールズバーで働く美香と工事現場の日雇い労働者である慎二は偶然が重なり、度々顔を合わせることになる。憎まれ口を叩くこともあるが、お互いの心の空虚さを認め合い、少しずつ距離を縮めていくことになる。  左目の視力がない慎二だが、その分勘が無駄に鋭い。「嫌な予感がする」と口にする度に、仕事仲間の智之(松田龍平)たちを閉口させてしまう。でも、残念なことに慎二の予感は的中し、慎二の周囲には次々と死が訪れる。雇用条件も不安定だし、東京五輪が終わった後の未来に明るい希望を感じることは難しい。看護士である美香も勤務先の病院で、どうしようもなく死の床に就く患者たちを見送ることになる。美香も慎二も、幼少期に母親と死別し、多感な中学生の頃に地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災を経験した石井裕也監督の内面世界を反映したキャラクターだ。どこにも安心していられる居場所を見つけることができずにいる美香と慎二だが、夜の街で共に青い月を見上げる瞬間がある。同じ月を見て、「きれい」と感じられる相手がいることが2人にはうれしく感じられる。ほんのささやかだが、暗い心の中に小さな灯りが点される。
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ガールズバーで出逢っていた美香(石橋静河)と慎二だが、しばらくして喪服姿で再会することになる。
 カメラマン・鎌苅洋一が映し出した東京の夜景は、まるで深い海のようだ。慎二の吸うタバコの火が、美香が手にしたスマホの灯りが、発光する深海魚のようにゆらりゆらりと淡い光を放っている。そんな暗い深海の底で、2人は出逢うことができた。ただの偶然の出逢いが、2人の間でコミュニケーションが始まることで色鮮やかな奇跡へと変色を果たしていく。 「嫌な予感がする」と何度も口にしていた慎二だが、美香と一緒に過ごすようになり、「何が起きてもおかしくない」と言葉のニュアンスが少しだけ変わっていく。嫌なことはこれからも起きるかもしれないけど、逆にすごくいいことだって起きるかもしれない。片目でしか世界を眺めることができなかった慎二だが、慎二の傍らを美香が歩くことで、視界が大きく開けていく。新しいステージに向けて走り出した石井裕也監督、撮影現場で何度もペチャンコになりながらも最後までガッツを見せた石橋静河、そんな石橋を支えるように安定した芝居を見せた池松壮亮、ストリートシンガー役の野嵜好美ら、本作に関わったスタッフ&キャストのこれからが楽しみだ。 (文=長野辰次)
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映画『夜はいつでも最高密度の青色だ』 原作/最果タヒ 監督・脚本/石井裕也 出演/石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン、市川実日子、松田龍平、田中哲也 配給/東京テアトル リトルモア 5月13日(土)より新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペースにて先行公開 5月27日(土)より全国ロードショー (c)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会 http://www.yozora-movie.com

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キム・ギドクが福島原発事故を描いた超問題作!『STOP』の日本での劇場公開がついに実現へ

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原発事故によって福島から東京へと避難する若い夫婦。様々な情報が錯綜し、出産をめぐって疑心暗鬼に陥る。
 日本での公開は難しいと思われていた韓国の鬼才キム・ギドク監督の『STOP』が、5月13日(土)より劇場公開されることになった。『STOP』はキム・ギドク監督が脚本&プロデュースに加え、撮影・照明・録音も兼任し、2015年に日本でロケ撮影を行なったインディーズ作品。原発事故によって福島から東京へと避難してきた若い日本人夫婦が出産をめぐって葛藤するサスペンスドラマだ。カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭での受賞歴があるキム・ギドク監督の作品は、性器切断などハードな描写が多いことでも知られているが、本作でも妊婦の出産シーンは思わず目を覆いたくなる。来日したキム・ギドク監督に日本ロケを敢行した本作の製作内情について尋ねた。 ──キム・ギドク作品は“痛み”を感じさせる作品ばかりですが、今回の『STOP』はこれまで以上に大きな痛みを感じさせます。 キム・ギドク 私たちはみんな、福島で起きた原発事故についてよく知っていますし、日本には被害者の方が大勢います。被災地の方たちと同じように大きな痛みを感じる人は多いと思います。それにこの作品は痛みだけでなく、恐怖も描いています。それもあって、そのように感じたのではないでしょうか。私はこれまで20本以上の映画を撮ってきましたが、私の良心に誓って、誰かを傷つけたり、苦しみを与えようと思って映画を撮ったことはありません。傷を負っている人がいれば、その傷を癒してあげたいという気持ちでこれまで映画を撮ってきました。今回の『STOP』は同じような原発事故が再び起きることを防ぎたい、新しい傷を負わずに済むようにしたいという想いから撮ったものです。 ──2011年の東日本大震災のニュースを、キム・ギドク監督はどのような想いで接したのでしょうか? キム・ギドク 津波が町を呑み込んでいく様子がニュース映像としてテレビから流れ、その映像は今も強く脳裏に焼き付いています。それから福島第一原発が続けて爆発する映像も流れ、本当に恐ろしくなりました。でも、これですべてだろうか、原発事故は1回だけで済むのだろうかと、他の人たちと同じような気持ちでニュースを見て、ショックを受けました。また、人間は本当に弱い存在だと感じました。大自然の前では、人間はとてもちっぽけな存在だと。人間が考え出した原発という大きな装置も大自然の前では簡単に壊れてしまい、またそれによってさらに大きな災害を招くことを改めて知ったわけです。ショックと恐怖を同時に感じながら、自分はひとりの人間として何ができるだろうかと考えました。同じような災害が再び起きることを防ぐような映画をつくりたい、地震を防ぐことはできなくても人間が生み出した原発による事故は防ぐことはできるはずだと。それが映画監督である自分の役目ではないかと思ったんです。
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キム・ギドク監督自身が自主配給することで、問題作『STOP』の日本での劇場公開が決まった。
■自分ひとりで責任を負うという覚悟 ──脚本とプロデューサーだけでなく、撮影・録音・照明も自分ひとりでやることは早くから決めたんでしょうか? キム・ギドク 最初はシナリオを書きながら、日本の整った製作条件の中で撮れればいいなと思いましたし、きっと日本で震災を題材にした映画がいろいろ製作されるに違いないとも思いました。でも、なかなかそういった作品は日本からは現われませんでした。もちろん園子温監督の『希望の国』(12)のような作品もありますが、原発問題に率直に向き合い、問題の解決の糸口を提示するような作品は少ないように私には思えました。日本の映画監督たちがとても慎重になっている状況を見て、日本の製作条件で自分が思ったような映画を撮ることは難しそうだと分かり、それだったら自分ひとりで責任を負う形で撮ろう、スタッフなしで映画を撮ろうと決心したんです。 ──原発事故によって日本中が心理的パニックに陥った状況が低予算作品ながらリアルに再現されていますが、謎めいた政府のエージェントが福島から避難してきた若い夫婦に中絶を強要し、警戒区域内で捕まえた動物を精肉にして東京に卸す個人業者が現われたりとフィクションも交えた作品となっています。現実とフィクションの兼ね合いはどのように図ったのでしょうか。 キム・ギドク 確かに政府のエージェントや肉を卸す業者はフィクションです。今回のシナリオを書くにあたって、この問題は福島だけに限ったものではないと思ったんです。もっと大きな事故になっていた可能性もあるという前提で、シナリオを書きました。もっと大量の放射能が漏れていたら、どんな事態になっていただろうと私の想像力を働かせて書いたのが、政府のエージェントや汚染肉の業者です。チェルノブイリ原発事故の後、周辺国で奇形児が生まれたことは事実です。奇形児が次々と生まれるような事態になれば、政府は何らかの形で動くのではないでしょうか。 ──妊婦から奇形児が生まれてくるシーンのショッキングさから、劇場公開を躊躇した日本の配給関係者もいると思います。その点に関してはどのように考えていますか? キム・ギドク 映画が恐怖心を与えることは絶対によくないと思います。でも、だからと言って恐ろしい現実を隠すことも、よくないのではないでしょうか。原発事故後も警戒区域内にずっと残っていた妊婦が奇形児を産むシーンが中盤にありますが、放射能事故によって奇形児が生まれるということはチェルノブイリ事故後に現実に起きています。福島では実際にはみなさん警戒区域から退去されているので、『STOP』で描かれている状況とは異なります。それに奇形児のエピソードが物語のエンディングなら問題だと思いますが、『STOP』のラストは人類にとって新しい希望を感じさせるものにしたつもりです。
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原発事故の裏側では闇ビジネスが蔓延っていた。警戒区域内で野放し状態の動物を捕まえ、精肉化する闇の業者。
■キム・ギドクが日本ロケで感じたこと ──日本での撮影はかなり大変だったと思います。 キム・ギドク 通常の映画なら、助監督や撮影・照明・録音にもそれぞれアシスタントが就くわけですが、全部ひとりでやらなくてはならず、あらゆることに気を配らなくていけないので、本当に大変でした(苦笑)。それで今回はひとりで撮影もでき、照明を当て、録音もできるような新しい機材を手作りで用意したんです。少し水準は下がるかもしれませんが、何とか一人でやることができました。スタッフは私ひとりだったので、その分日本人キャストのみなさんには大変助けられました。俳優のみなさんが演出部の役割まで買って出てくれたんです。 ──都内でのロケだけでなく、キム・ギドク監督は福島にも向かったと聞いていますが……。 キム・ギドク ロケハンの際に、ひとりで福島まで行きました。ですが、警戒区域内は許可なしでは入れないので、撮影はせずに警戒区域の近くまで行っただけです。実際の撮影は新宿などの都内と福島の警戒区域の雰囲気に似ている場所を千葉県で見つけて撮影しました。東京タワーでも撮影しています。2回、3回とリテイクすることなく、1回だけでの撮影で終えることが多かったですね。周囲の人たちの迷惑にならないよう気をつけて撮影しましたが、一度だけ住宅街での撮影でひとりの主婦から「うるさい」と抗議されたことがありました。そのときは日本の俳優たちがみんなで私の前に立ち、私の代わりに頭を下げて「すみません」と謝ってくれたんです。韓国から来た私のことを庇う、日本人キャストのみなさんのこのとっさの行動には、本当に心を打たれました。韓国ではよく使われる言葉に「恨」と「情」があります。「恨」は感情が心の中に連なっていくことを表していますが、今回の日本での撮影ほど「情」を感じたこともありません。 ──日本語によるドラマということで、演出上の難しさはありませんでしたか? キム・ギドク もちろん、あったと思います。でも今回は韓国語で書いたシナリオを丁寧な日本語にした翻訳版を用意し、その翻訳版は各キャラクターの感情が反映されたものになっていました。また、日本のキャストのみなさんは『STOP』を自分たち自身の物語だという気持ちで、誠意を込めて演じてくれました。『STOP』が無事に完成したのは、しっかりした翻訳版があったことと、日本人キャストのみなさんの力のお陰です。
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主人公のカメラマンは、福島の警戒区域内で暮らす妊婦が子どもを産む瞬間に立ち会うが……。
■キム・ギドク監督の作風が変わった理由 ──以前のキム・ギドク作品は、ひとりの人間が抱える普遍的な悩みを題材にしたものが目立ちましたが、近年は本作も含め、『殺されたミンジュ』(14)、『The NET 網に囚われた男』(16)など現代社会の問題を描くようになってきました。監督の中で心境の変化があったのでしょうか? キム・ギドク 最近は私のことを多くの人に知ってもらうようになりましたが、知られる前は私の個人的な悩みや考えを映画の中で描いてきたわけです。でも、多くの人に知ってもらえるようになり、自分には社会的責任があるのではないかと思うようになってきました。それもあって個人として何か発信するよりも、社会に向けて発信することを考えるようになったんです。それで政治的問題を扱った『殺されたミンジュ』、南北問題を扱った『The NET』、そして『STOP』のような作品を撮るようになったのでしょう。多くの人に自分の名前を知られるようになったことで、社会に対して発言する資格を手に入れたと同時に責任も生じたと考えています。もうひとつ考えられることとして、私は年齢を重ねることでひ弱になってきたということです。映画を撮り始めた頃は自分は強い人間だと思っていたので、作品も強さを感じさせるものが多かったと思います。でも、だんだんと社会の中で暮らしていくうちに、自分は社会の中では弱い人間ではないかと思うようになってきたんです。政治問題や南北問題など扱うことで、自分は危険な目に遭うのではないか、殺されるのではないかという恐怖を感じるこ ともありますし、もちろん大災害によって死ぬこともあるかもしれません。以前はそんなことを想像しても怖いとは思わなかったのですが、今はとても怖いと感じるようになりました。それもあって、安全に暮らしたい、恐怖に打ち克ちたいというメッセージを込めた作品を撮るようになってきたようです。 ──今のキム・ギドク作品は、責任感と恐怖心が映画づくりの原動力になっているわけですね。低予算で撮られた『STOP』ですが、キム・ギドク作品に共通する“生きる上での痛み”や“贖罪”といったテーマがくっきりと浮かび上がっていることも印象的です。 キム・ギドク そういうふうに感じてもらえると、とてもうれしいです。最後にもうひとつ言わせてください。私は韓国の監督として福島の原発事故を映画にしましたが、本当に私が撮ってもよかったのか、この映画を撮る資格が私にはあったのかと今でも自分に問い掛けています。でも、私は決して日本のことを嫌悪して、この映画を撮ったわけではありません。そのことが気がかりです。『STOP』は日本人や韓国人であるということを抜きにして、地球上に生きているひとりの人間として撮るべきだと思い、全力で撮った作品です。もし、この映画を観て、少しでもつらい思いをしたり、トラウマを感じる人がいれば申し訳なく思います。原発は日本だけでなく、世界中でこれからますます増えていくことになります。『STOP』が原発問題を再度考えるきっかけになれば本望です。 (取材・文=長野辰次) 『STOP』 監督・撮影・照明・録音・編集/キム・ギドク プロデューサー/キム・ギドク、合アレン 出演/中江翼、堀夏子、武田裕光、田代大悟、藤野大輝、合アレン 配給/Kim Kiduk Film、Allen Ai Film 5月13日(土)より新宿K’s シネマ、キネカ大森、6月24日(土)より横浜ジャック&ベティほか順次ロードショー ※作品収益の一部は震災被害のあった福島、熊本に寄付されることが決まっている。 (c)2017 by Allen Ai Film https://www.stop-movie.com ●キム・ギドク 1960年韓国・慶尚北道奉化郡生まれ。1996年に『鰐 ワニ』で監督デビュー。『魚と寝る女』(00)と『受取人不明』(01)が2年連続でベネチア映画祭コンペ部門に選ばれ、欧州での評価が高まる。『悪い男』(01)はベルリン映画祭コンペ部門に選出。『サマリア』(04)はベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)、『うつせみ』(04)はベネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)、セルフドキュメンタリー『アリラン』はカンヌ映画祭ある視点部門の作品賞を受賞し、韓国人として初の世界三大映画祭受賞監督となった。『嘆きのピエタ』(12)はベネチア映画祭金獅子賞(最高賞)を受賞。その他の主な監督作に『春夏秋冬そして春』(03)、『弓』(05)、『絶対の愛』(06)、『ブレス』(07)、『悲夢』(08)、『メビウス』(13)など。脚本&プロデュース作に『映画は映画だ』(08)や『レッド・ファミリー』(13)がある。事故で韓国に流された北朝鮮の漁師の理不尽な運命を描いた『The NET 網に囚われた男』は日本で今年1月に公開されたばかり。

『無限の住人』PRで木村拓哉“大安売り”! さらに、ジャニーズが圧力で『銀魂』公開日を動かした!?

『無限の住人』PRで木村拓哉大安売り! さらに、ジャニーズが圧力で『銀魂』公開日を動かした!?の画像1
 4月29日に公開される主演映画『無限の住人』のPRのため、連日、木村拓哉の全国行脚が続いている。  これまでのキムタクなら考えられない番組や媒体にまで登場するバーゲンセール状態に、業界内でも驚きの声が上がっているが、ジャニーズサイドがここまで必死になっているのには、ワケがあるという。 「実は、大手広告代理店の事前調査では、映画は大コケ濃厚という結果だった。というのも、三池崇史監督の個性でもあるグロいシーンが大量にあって、子どもにはとても見せられない。正直、R-15でもおかしくない内容です。キムタクが、とにかく敵を斬りまくるだけですからね。一部では、娘を海外に音楽留学させるのに合わせて、木村も海外に移住し、国外での活動にシフトするという話も浮上していましたが、妻の工藤静香がテロを懸念し、国内に留まることが決まった。“海外逃亡”ができなくなったことで、絶対にコケられなくなったのも安売りの理由のようです」(スポーツ紙デスク)  それ以前から、キムタクに恥をかかせられないとばかりに、ジャニーズはある別の映画作品にも強権を発動していたという。 「7月公開の『銀魂』ですよ。実は、当初『銀魂』もGWに公開予定だった。映画にはKinKi Kidsの堂本剛が出演しているのですが、ジャニーズが全圧力をかけて公開日を動かしたとささやかれているんです。『銀魂』と『無限の住人』は共にハチャメチャな時代劇という意味では設定が似ている。原作のメジャー度でいえば『銀魂』のほうが上ですから、ガチンコなら負けていたでしょうからね」(映画ライター)  あらゆる手を使ったキムタクとジャニーズが底力を見せるのか、それとも醜態をさらすことになるのか。結果はまもなく出そうだ。

異例のビッグキャスト! 朝ドラ女優&大河主演がそろった『DESTINY 鎌倉ものがたり』打ち上げ模様

異例のビッグキャスト! 朝ドラ女優&大河主演がそろった『DESTINY 鎌倉ものがたり』打ち上げ模様の画像1
映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』公式サイトより
「その年の朝ドラの主役と大河ドラマの主演がそろった映画は、そうないと思いますよ。かなりの期待作ですから、興収も30億円を最低ラインとしているようです」(映画関係者)  昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』で主演を務めた堺雅人と、昨年上半期の朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で主演を務めた高畑充希が共演する映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』の打ち上げが、先日行われた。 「監督とスタッフは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督とそのメンバーが集まりました。監督が挨拶で『堺雅人さんと仕事をしたかった』と言えば、堺さんも『山崎監督と仕事をしたかった』と相思相愛でしたね。会場でも2人は、じっくりと話し込んでいる様子でした」(芸能事務所関係者)  会場には200名近くが集まり、豪華景品があたるビンゴ大会も行われた。 「その中でも、なぜか一番はしゃいでいたのが、安藤サクラさんでしたね。妊娠していて食欲があるのか、叙々苑の券が当たって『肉だ! 肉だ!』と騒いでました(苦笑)。会の最後には、CGを作る前の編集されたVTRを見て大歓声が上がる場面も。堺さんは、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を取るためにこの作品を選んだといわれていますし、すでに続編の話も出ています。そのためにも興収は『ALWAYS 三丁目の夕日』くらいはいってもらいたいですね」(映画スタッフ)  超豪華キャストたちの結果やいかに――。

異例のビッグキャスト! 朝ドラ女優&大河主演がそろった『DESTINY 鎌倉ものがたり』打ち上げ模様

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映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』公式サイトより
「その年の朝ドラの主役と大河ドラマの主演がそろった映画は、そうないと思いますよ。かなりの期待作ですから、興収も30億円を最低ラインとしているようです」(映画関係者)  昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』で主演を務めた堺雅人と、昨年上半期の朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で主演を務めた高畑充希が共演する映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』の打ち上げが、先日行われた。 「監督とスタッフは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督とそのメンバーが集まりました。監督が挨拶で『堺雅人さんと仕事をしたかった』と言えば、堺さんも『山崎監督と仕事をしたかった』と相思相愛でしたね。会場でも2人は、じっくりと話し込んでいる様子でした」(芸能事務所関係者)  会場には200名近くが集まり、豪華景品があたるビンゴ大会も行われた。 「その中でも、なぜか一番はしゃいでいたのが、安藤サクラさんでしたね。妊娠していて食欲があるのか、叙々苑の券が当たって『肉だ! 肉だ!』と騒いでました(苦笑)。会の最後には、CGを作る前の編集されたVTRを見て大歓声が上がる場面も。堺さんは、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を取るためにこの作品を選んだといわれていますし、すでに続編の話も出ています。そのためにも興収は『ALWAYS 三丁目の夕日』くらいはいってもらいたいですね」(映画スタッフ)  超豪華キャストたちの結果やいかに――。

大泉洋『探偵はBarにいる3』打ち上げは大盛り上がりも、俳優としては正念場!?「評価は高いのに、興収が……」

大泉洋『探偵はBarにいる3』打ち上げは大盛り上がりも、俳優としては正念場!?「評価は高いのに、興収が……」の画像1
「第1作が興収12億円で、第2作目が9億円と減少してるので、今作の目安は10億円としているようです。ただ、主演の大泉さんは『第4弾のためにもヒットさせたい!』と意気込んでました」(映画スタッフ)  大泉洋主演の人気映画シリーズの最新作『探偵はBarにいる3』の打ち上げが先日都内で行われた。 「撮影は3月末にクランクアップして、すぐに打ち上げも行われました。大泉さんは、とにかく会場を盛り上げてました。メイキングの映像も流れたんですけど、実は大泉さんのお父さんも出演してるんです。そのシーンでは、さすがの大泉さんも顔を真っ赤にして照れてましたね」(芸能事務所関係者)  挨拶でも終始、ほかの出演者からイジられていた大泉。 「前田敦子さんからは“北海道の王”と言われてました(笑)。ロケ中に札幌のいろんなお店を紹介してもらったようで、感謝してましたね。そんな大泉さんですが、実はこの作品が俳優として正念場といわれています。昨年主演した『アイアムアヒーロー』は興収16億円とまずまずだったのですが、制作費の割にあまり伸びなかったと、業界評はイマイチです。一昨年主演した『駆込み女と駆出し男』も、日本アカデミー賞にノミネートされるなど、作品としての評価は高かったのですが、最終興収は9億円と2ケタに届きませんでした。大泉さんの作品はいつも評価は高いのですが、なかなか興収に結びつかないんです。業界としては、主演である程度数字が見込め俳優さんという認識なのですが、肝心の数字がついてこないとなるとスポンサーが嫌がりますからね。ここで前作の汚名返上をしてもらいたいですね」(映画関係者)  名実ともに“北海道の王”となれるか?