日本は格差社会ではなく、すでに階級社会だった!? 『愚行録』が暴くこの国の見えないヒエラルヒー

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映像化は困難とされた貫井徳郎作品の初映画化『愚行録』。週刊誌記者の田中(妻夫木聡)はエリート一家惨殺事件の真相を探る。
 慶應大学には付属校から上がった内部生と大学から入った外部生との間に見えない溝が存在し、早稲田大学では一流企業に就職するための猛烈なコネづくりが行なわれている──。有名大学のえげつない内情を克明に描いた貫井徳郎のミステリー小説『愚行録』(東京創元社)が、妻夫木聡&満島ひかり主演作として映画化された。本作で長編デビューを果たしたのは、ポーランド国立映画大学で演出を学んだ新鋭・石川慶監督。にこやかな表情を浮かべながらも、いっさい本音を吐くことのないエリート階級の人々の腹黒い内面を、乾いた映像で切り取ってみせ、魅力的なドス黒系エンターテイメントに仕立てている。  誰からも愛された美男美女のエリート夫婦とその娘が新築されたばかり自宅で刺殺されるという陰惨な事件が起き、犯行から1年が経っても犯人の手掛かりはつかめない。週刊誌記者の田中(妻夫木聡)はエリート夫婦の過去を知る関係者たちへの取材を始める。被害者夫婦の友人たちは「あんないい人がなぜ?」と首を傾げるが、その言葉の裏側から被害者夫婦の意外な素顔が浮かび上がってくる。さらに田中が取材を進めていくと、今の日本は格差社会どころか、歴然とした階級社会であることを思い知らされる。実の妹・光子(満島ひかり)が我が子をネグレクトしていた疑いで拘置所送りとなっている田中にとって、エリート階級とその階級に憧れる人々たちの言動はあまりにも虚しく感じられた。  直木賞候補にもなった原作小説を1時間57分に収めるために、映画ではぎゅっと絞った形となっているが、登場キャラクターたちの腹黒さや浅はかさが次々とスクリーンに映し出されていく。本人たちはそのことに気づいていない分、取材記者・田中の目を通して見る我々には、よりイタくてキモいキャラクターに映る。中でも極めつけなのが、殺されることになる夏原友季恵(松本若菜)だ。美人でファッションセンスに優れている友季恵は、学生の頃から人気者だった。大学から入った外部生ながら、華やかさと育ちの良さから内部生とのランチに呼ばれ、あっさりと学内カーストを駆け上がっていく。クラスメイトの誰とも明るく接するが、ダサくて取り柄もない外部生を内部生に紹介することは決してしない。友季恵をライバル視する同級生の淳子(臼田あさ美)は目障りなので、淳子の彼氏・尾形(中村倫也)を思わせぶりな態度で奪い取ってしまう。尾形が淳子から自分に乗り換える様子を見て、友季恵はにっこりと微笑む。
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外部生ながら、真っ先に内部生グループに昇格した夏原友季恵(松本若菜)。誰とでも気さくに接し、育ちの良さを感じさせる人気者だった。
 友季恵には自分がえげつないことをしているという自覚はまるでなく、自分が欲しいものは素直に手に入れ、逆らう者は容赦なく叩き潰すという行為が無意識レベルでできてしまう。多分、友季恵は自分がなぜ殺されたのか、その理由を知らないまま死んでいったはずだ。殺人鬼から愛する我が子を最期まで庇おうとした悲劇のヒロインとして、同窓生たちの記憶に残ることになる。生まれつきの悪女である友季恵役にオーディションで選ばれたのは松本若菜。成海璃子主演の官能作『無伴奏』(16)では池松壮亮の美しい姉を演じており、二面性のある美女役でこれから活躍の場を増やしてきそうだ。  週刊誌記者として事件の真相を追っていく主人公役の妻夫木聡とその妹役の満島ひかりは演技力に定評があるが、友季恵と一緒に殺されることになる大手不動産会社勤務の夫・田向役の小出恵介、田向にとって“都合のいい女”である恵美役の市川由衣ら助演陣も、実に素晴しく腹黒い人間像をはつらつと演じてみせる。彼らの生き生きとした悪人顔を見ていると、俳優として裏表のあるキャラクターのほうが薄っぺらい善人役よりも演じがいがあることが、とてもよく分かる。
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事件を追う田中にとって、気がかりな存在である妹の光子(満島ひかり)。兄妹とも、家族に関しては苦い思い出しかなかった。
 人間のドロドロした嫌な部分を描きながらも、本作を魅力的なエンターテイメント作品に押し上げている要因に、端正なカメラワークと湿度の低い映像も挙げられる。石川監督がポーランド国立映画大学に留学した際、撮影科にいた同期生のポーランド人ピオトル・ニエミイスキを日本に招き、撮影監督を任せている。石川監督によると、日本とポーランドは1本あたりの映画製作の予算規模が似ており、ピオトルの異文化に対するオープンな性格もあって、限られたスケジュールの中でもスムーズに撮影が進んだとのこと。日本の知られざるヒエラルヒー社会を、異邦人の乾いた目線で見つめるような冷ややかな味わいが本作にはある。  原作では慶應大学となっていた大学名は、映画では文應大学となっているが、多分どのキャンパスにも夏原友季恵によく似た女性がいたはずだ。とても美しい上に頭もキレ、彼女が現われただけでパッと場が明るくなる。多くの人の目には社交的な性格に映るが、でもごく自然に自分の周囲にいる人間をコマのように扱うことに優れている無慈悲な女王さま。それが夏原友季恵という女だ。愚かなことに、男たちはそんな女王さまに尽くすことに喜びを感じてしまう。人間はどうしようもなく愚かな生き物であることを、『愚行録』は思い出させてくれる。 (文=長野辰次)
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『愚行録』 原作/貫井徳郎 脚本/向井康介 監督・編集/石川慶 出演/妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美、市川由衣、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、濱田マリ、平田満 配給/ワーナー・ブラザーズ映画、オフィス北野  2月18日(土)より全国ロードショー (c)2017「愚行録」製作委員会 http://gukoroku.jp

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足立梨花「24歳でJKは無理」どころじゃない!? 人気俳優たちの“年齢ギャップ”配役事情

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 タレントで女優の足立梨花が4日、主演映画『傷だらけの悪魔』の初日舞台挨拶に登壇した。24歳の足立は、本作で女子高生役を演じている。マスコミ向け試写会では「もう制服を着ることはないと思います」と述べていたが、この日も制服姿で登場。だが、司会者からそのことについて訊ねられると「もうダメ。24だもん」と、“JK役”へのギブアップ宣言をした。  足立に限らず、役者は実年齢と離れた役を演じることも多い。黒澤明の映画『生きものの記録』(1995)では、35歳の三船敏郎が70歳の老人役を演じた。ただ、これはメイクや衣装で工夫をこらしたものである。役者自身が素の姿をさらす場合はどうだろうか? 「2000年の映画『バトル・ロワイアル』では、撮影時に25歳だった山本太郎と安藤政信が15歳の中学生役を演じたことで話題となりました。16年に放送されたNHKの朝ドラ『べっぴんさん』では、28歳の古川雄輝が15歳の役を演じています」(芸能記者)  男性の場合、15歳といえば、顔や体が子どもから大人へ移り変わるタイミングでもある。役柄や設定などにもよるが、10歳くらいのギャップならば、なんとか演じられるのかもしれない。 「濱田岳は13年の映画『みなさん、さようなら』で、団地で生まれ育ち、そこから出ることなく生活を続ける男性を演じました。作中では、13歳から30歳までの経過が描かれました。撮影時、濱田は24歳でしたから、ちょうど10年前後ギャップのある年齢を演じたことになります。またV6の岡田准一は、昨年12月に公開された『海賊とよばれた男』で20代から90代をひとりで演じて話題になりました」(同)  足立は2007年に『ホリプロスカウトキャラバン』でグランプリを獲得して芸能界にデビュー。すでにキャリア10年のベテランである。今回の発言がきっかけとなり、今後、さらにギャップのある役柄に挑むこともありそうだ。 (文=平田宏利)

27歳で夭折したA・イェルチン主演作が日本公開!! 『グリーンルーム』に登場するネオナチが怖すぎ

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パンクバンドのベーシスト役を演じたアントン・イェルチン。作品選びがユニークで、さらなるブレイクが期待されていたが……。
『スター・トレック』シリーズ、『ターミネーター4』(09)などのハリウッド超大作に出演する一方、カルト的人気の高い『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』(13)や音楽ドラマ『君が生きた証』(14)といった通好みな作品でも活躍した若手俳優のアントン・イェルチンが亡くなったのは2016年6月。自身が運転していたジープと自宅の門柱に挟まれての事故死だった。27歳の若さで亡くなったアントンの主演映画『グリーンルーム』が2月11日(土)より日本で公開される。売れないパンクバンドがド田舎のライブハウスまで足を伸ばしたところ、地元のネオナチ集団に襲撃されるというバイオレンススリラーで、パンクバンドのメンバー役のアントンは全身血まみれになりながら迫真の演技を見せている。  米国では2015年に公開され、No.1ヒットを記録した本作。グリーンルームとはライブハウスにある出演者たちのための楽屋のこと。ベーシストのパット(アントン・イェルチン)らパンクバンド「エイント・ライツ」のメンバーは移動車のガソリン代にも困るほどの極貧ツアーを続けていた。ようやくギャラを払ってもらえそうなライブハウスの出演にありつけるが、そこはオレゴン州の僻地にある盛り場で、スキンヘッドのゴロツキたちがたむろする超ヤバい店だった。最悪の雰囲気の中で何とかライブを済ませた一行は速攻で引き揚げようとするが、たまたまバックステージで起きた殺人事件を目撃。パットたちは楽屋に押し止められ、警察はいくら待っても現われない。実はこの店のオーナーであるダーシー(パトリック・スチュワート)はネオナチ集団のボスであり、「目撃者は全員消せ」という命令が手下たちに下されていた。かくしてステージ上で反体制ソングを演奏しまくっていたパットらは、ネオナチを相手に楽屋での籠城戦を強いられる。パンクス魂だけで、果たして武装集団に対抗できるのか?  パンクス版『ダイ・ハード』(88)とも、現代版『わらの犬』(71)ともいえる本作を生み出したのは鬼才ジェレミー・ソルニエ監督。“21世紀のサム・ペキンパー”と称されるほどバイオレンス描写を得意とし、連鎖する暴力のおぞましさを描いた前作『ブルー・リベンジ』(15)はカンヌ映画祭で国際映画批評家連盟賞など5つの賞を受賞した。本作でも米国の田舎町にはびこる排他的な不穏な空気や逃げ場のない楽屋に立て篭るバンドメンバーの絶望感など、観る者の皮膚感覚に強烈に訴え掛けてくるものがある。それまでビンボーながらも自由を謳歌していたパンクバンドのメンバーがひとり、またひとりとネオナチの犠牲者となっていく展開は、右傾化する現代社会の写し鏡として背筋が寒くなる。
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ネオナチのボスを演じるのは『X-MEN』シリーズのプロフェッサーXでおなじみパトリック・スチュワート。貫禄の演技で米国の狂気を体現!
 本作を買い付けたのは配給会社トランスフォーマー。『ムカデ人間』三部作(09~15)など、エクストリーム系の作品を日本でもスマッシュヒットさせてきた実績を持つ。本作の見どころを同社の國宗陽子さんはこう語る。 「前作『ブルー・リベンジ』で米国の病んだ部分をえぐってみせたジェレミー・ソルニエ監督が、人気キャストを得て製作したのが本作。繊細なイメージのあるアントン・イェルチンが必死にサバイバルする姿に注目してください。実はアントンが演じたパットという役は、ジェレミー監督の姿を投影したキャラクターでもあるんです。ジェレミー監督は若い頃はパンクスで、かつての自分と決別するために撮った作品が『グリーンルーム』であり、監督自身の青春時代への惜別の想いが込められた作品になっています。単なるバイオレンス映画ではなく、痛みと苦味を伴った青春映画として楽しめるはずです」
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事件に巻き込まれる地元の女の子アンバー役は売れっ子女優のイモージェン・プーツ。アントンとは『フライトナイト 恐怖の夜』でも共演。
 アントン・イェルチン出演作として、今年1月に米国で公開されたSFミステリー『Rememory』、完成したばかりのサイコスリラー『Thoroughbred』、ラブロマンスもの『Porto』、シリアスな家族もの『We Don’t Belong Here』などが残っているが、日本で公開されるかどうかは未定。主演作としてはズーイー・デシャネルと共演した『ロスト・エリア 真実と幻の出逢う森』(15)と犯罪ドラマ『約束の馬』(15)もあるが、こちらは日本ではDVDスルー扱いとなっている。アントンの最期の代表作といえる『グリーンルーム』が日本で劇場公開されることを切なくも喜びたい。  俳優業と並行してバンド活動も行なっていたことから、本作ではベース演奏を、『君が生きた証』ではギターの腕前を披露してみせたアントン・イェルチン。夭折したカート・コバーン、エイミー・ワインハウスら有名アーティストたちと同じく「27クラブ」の仲間入りしてしまったことが惜しまれる。 (文=長野辰次)
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『グリーンルーム』 監督・脚本/ジェレミー・ソルニエ  出演/アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、メイコン・ブレア 配給/トランスフォーマー 2月11日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー (c)2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved. http://www.transformer.co.jp/m/greenroom

『山田孝之のカンヌ映画祭』山下敦弘監督&松江哲明監督が激白!「冗談でやってるわけじゃない」

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 俳優の山田孝之がプロデューサーとなり、カンヌ国際映画祭で賞を獲りたいと奔走するテレビ東京のドキュメンタリードラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』の山下敦弘監督と松江哲明監督が4日、都内で行われた映画『エリザのために』公開記念記念トークショーに出演した。 『エリザのために』は第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞した人間ドラマ。監督のクリスティアン・ムンジウはルーマニア人で、本作以外にも2007年に『4ヶ月、3週と2日』で同賞のパルム・ドールを、12年には『汚れなき祈り』で脚本賞を受賞するなど、カンヌで3度の受賞を果たした名監督。  松江監督は「去年の夏にカンヌについてリサーチをして『カンヌに好かれる映画』の法則が、だいたいわかってきたところなんですけど、この作品を観たときに、まさにこれだって」と本作についてコメント。 「フレームの外を常に意識させる作品です。日本映画をディスるみたいに思わないでほしいですけど、日本映画はフレームの中で全部説明しようとする。でもこの作品はフレームの外に何かがある。映っていないところから何か事件が起きる、不穏な緊張感がフレームの外から入ってくる。そこがすごくカンヌ好み」と本作を紹介。  山下監督も「演出が丁寧。ルーマニアの人たちの生活を描きながらも、実はそれが緻密に計算されている。キャスティングも素晴らしい」と絶賛。 『山田孝之のカンヌ映画祭』に話題が及ぶと、山下監督は山田について「僕よりも年下だけど、リーダーというか座長タイプ。普通は映画の現場では監督の名前をとって『山下組』とかやるんですけど、この番組では、まさに『山田組』という感じ」としみじみ。
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 松江監督も「あの番組では突飛なことをしているようですけど、山田くんがやっていることは、意外とカンヌの監督たちと大きくかけ離れていない。例えば脚本もないのに、なんでこんなことやっているんだって思われるかもしれないけど、実はウォン・カーウァイも、そういうスタイルでやっていたりする。嗅覚や勘がすごくいい」とコメント。  松江監督はまた、山田がいかに“もっている男”かも力説し、「たまたまカンヌの事務局に行ったらスタッフと会えるとか、そういういい偶然を呼ぶ人っているんです。カメラが回っているときに奇跡を起こせない人もいる中で、山田孝之は、まさにそれを起こせる人。プロデューサーとしてもすごい」と断言。
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 2人とも、番組の中だけでなく、実際に本気でカンヌを目指しているといい、山下監督が「自分もカンヌ映画祭を獲ることを目標に掲げて今やっている」と話せば、松江監督も「番組をネタだと思っている人がいるんですけど、僕ら冗談でやっているわけじゃないですよ」とニヤニヤ。  カンヌを獲る秘訣についても、山下監督は「魂を込めたもの、作り手の思いというか、これしかできないというか……。そんな、監督のある種の思いがないとまず響かないでしょう」と分析。 「あと、カンヌに実際に行って感じたのは、やっぱり何かしらのコネクションも必要だということ。それは別にいやらしいコネクションという意味ではなくて、外に対する開き方の問題。海外の人はそれが独特で素晴らしい。やっぱり自分から歩み寄っていかないと。日本人はそれが下手ですね」と笑顔で話していた。 (取材・文=名鹿祥史)

矢口史靖監督流“楽しい”ディザスタームービー!『サバイバルファミリー』が描く電気のない世界

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謎の原因で電気が使えなくなってしまう『サバイバルファミリー』。サイバー攻撃でも起きうる、かなりリアルな設定だ。
 2016年は『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』など想定外の大災害にどう向き合うかをテーマにした作品が大きな反響を呼んだが、矢口史靖監督のオリジナル脚本作『サバイバルファミリー』もその流れの一本に加えることになりそうだ。もしも、まったく電気が使えない状況になったら、どーなる!? 灯りが消え、パソコンも電化製品もいっさい使えなくなり、街全体がパニックに陥る中、ごく平凡な一家・鈴木家の人々は東京から鹿児島までの道程1,400キロを自転車で走破しようとする。スマホでの位置確認はできず、コンビニでの食料補給も叶わない中、鈴木家の人々はいかにしてサバイバルツアーを続けるのか。コメディを得意とする矢口監督ならではの明るいサバイバルムービーの始まりだ。  矢口監督にとって、本作は10年ごしの企画だった。実話を題材にした『ウォーターボーイズ』(01)をロングランヒットさせた矢口監督が、次回作として考えていたのがパソコンやケータイなどのデジタルツールが使えなくなるというSFパニックものだった。折しも2003年には北米で原因不明の大停電が起き、NYが大騒ぎになっている様子がニュース映像で伝えられた。矢口監督は電気のない世界を、デジタルツールが苦手な人々(矢口監督がそう)にとっての楽園として描くことを考えていたが、スケールが大きな割りには映画としては地味なことから、矢口監督がホームグランドにしているアルタミラピクチャーズではこの企画は凍結扱いに。ところが2011年に福島第一原発事故に伴う計画停電が全国的に実施され、“電気が使えなくなる”という状況がとても身近なものとして浮上してきた。矢口監督にとって初となるパニック映画『サバイバルファミリー』はこうして動き出した。  スマホをはじめとする便利な電子機器に依存しがちな現代社会を風刺した本作だが、矢口監督らしくパニックに陥った街の様子を事細かくシュミレーションしてみせる。突然電気が使えなくなったことで、コンピューターで制御されていた水道やガスといったライフライン、さらには交通機関や流通機能も停止。テレビやラジオも点かないので、政府による公式見解もわからない。会社や学校はお休み状態だし、スーパーやコンビニで売っている飲料水や食料もあっという間に売り切れてしまう。いつまで待てば電気が復旧するのか見通しも立たないため、いつも威張っているくせに頼りないお父さん(小日向文世)はお母さん(深津絵里)の実家のある鹿児島へ向かおうと言い出す。普段は父親の存在を無視しまくっていた大学生の息子(泉澤祐希)と高校生の娘(葵わかな)も仕方なく従うことに。鈴木家の人々は自転車を必死に漕いで、遥か九州の最南端を目指す。当然ながら、矢口監督のデビュー作『裸足のピクニック』(93)のように、鈴木家の人々は行く先々で悲惨な目に遭遇し続ける。
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お父さん(小日向文世)をはじめとする鈴木家の人々は空腹のあまり、野ブタを捕まえようとするが……。
『ウォーターボーイズ』では妻夫木聡、玉木宏たちがシンクロナイズドスイミングの特訓に明け暮れ、『スウィングガールズ』(04)では上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカたちがジャズ演奏に励み、そんなアナログな世界で若者たちが成長していく過程をドキュメンタリータッチで描いてきた矢口監督。今回もCGに頼らない、ドキュメンタリー的手法が大いに活かされている。自転車を漕ぎ続け、汗まみれになっていく鈴木家の人々。空腹のあまり野ブタを捕獲しようとするが、お父さん役の小日向文世は慣れないアクションシーンにあばらを強打。橋のない川を渡るシーンでは、身を切るような冷たい川の中へと全身浸かり、ガチで顔の表情が歪んでいく。2カ月半に及ぶ地方ロケは、かなりしんどいものだったらしい。だが、主演俳優たちが悲惨な目に遭えば遭うほど、矢口作品は俄然面白みを増していく。  大震災がきっかけでGOサインが出たディザスタームービーながら、矢口監督が撮ると明るくユーモラスなものになっていく。電気が使えなくなり、首都として機能しなくなった東京だが、パソコンもテレビも動かないことから暇を持て余した鈴木家の人々がマンションのベランダに出ると、夜空には今まで見たことのない大きな天の川が広がっている。息子や娘は初めて見る天の川の美しさに思わず感激する。車が走らなくなった高速道路を自転車で疾走するのは、なかなか気持ちがいい。サバイバルツアー中に出逢うアウトドア志向の夫婦(時任三郎、藤原紀香)は電気のない生活を喜び、とても生き生きとしている。スマホやパソコンが使えなくなったことで、逆に鈴木家の人々は自分たちの肉体を通していろんなことに気づくようになる。バッテリー補充液(精製水)は飲料水代わりになる、ネコ缶は生臭さを我慢すれば食べることができる、食料よりも体温保持や水の確保のほうが重要……そんなサバイバルライフに関するハウツーも散りばめられ、さいとう・たかをの人気コミック『サバイバル』を読んで育った世代には懐かしく感じられる。
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旅先で遭遇するアウトドア志向のファミリー(時任三郎、藤原紀香)。いけすかないけど、鈴木家にとっては大切な出会いだった。
 新しい環境に柔軟に対応するようになっていく息子と娘に対し、サバイバル能力のない父親が足手まといになっていく展開は、舞台出身の演技派・小日向文世の巧みなダメ人間ぶりもあって、苦い切実さがある。そんなダメ親ながら旅を続けていく中で、父親は自分のかっこ悪さを受け入れ、ダメ親なりに家族のために懸命に体を張る。電気が使えた頃はバラバラだった家族が、サバイバルツアーを通してゼロから再構築されていく。利便性のみを追求する現代人への社会風刺に加え、これまで若者の成長談を描いてきた矢口監督が“家族の再生”をテーマに新しいステージに上がってきたことを感じさせる出来映えだ。  まったくの余談だが、大停電や大災害が起きて、しばらくするとその地域では出生率が上昇すると米国では言い伝えられている。電気が使えないことから、長い夜を持て余した男女のコミュニケーション時間が増えるに違いないという発想から生まれた都市伝説なわけだが、本作でも夫婦役を演じた小日向文世と深津絵里との闇夜のラブシーンがあってもよかったと思う。電気のない世界、意外と楽しいかもしれない。 (文=長野辰次)
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『サバイバルファミリー』 原案・脚本・監督/矢口史靖 出演/小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな、時任三郎、藤原紀香、大野拓朗、志樽淳、渡辺えり、宅麻伸、柄本明、大地康雄 配給/東宝 2月11日(土)より全国ロードショー (c)2017 フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ http://www.survivalfamily.jp

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矢口史靖監督流“楽しい”ディザスタームービー!『サバイバルファミリー』が描く電気のない世界

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謎の原因で電気が使えなくなってしまう『サバイバルファミリー』。サイバー攻撃でも起きうる、かなりリアルな設定だ。
 2016年は『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』など想定外の大災害にどう向き合うかをテーマにした作品が大きな反響を呼んだが、矢口史靖監督のオリジナル脚本作『サバイバルファミリー』もその流れの一本に加えることになりそうだ。もしも、まったく電気が使えない状況になったら、どーなる!? 灯りが消え、パソコンも電化製品もいっさい使えなくなり、街全体がパニックに陥る中、ごく平凡な一家・鈴木家の人々は東京から鹿児島までの道程1,400キロを自転車で走破しようとする。スマホでの位置確認はできず、コンビニでの食料補給も叶わない中、鈴木家の人々はいかにしてサバイバルツアーを続けるのか。コメディを得意とする矢口監督ならではの明るいサバイバルムービーの始まりだ。  矢口監督にとって、本作は10年ごしの企画だった。実話を題材にした『ウォーターボーイズ』(01)をロングランヒットさせた矢口監督が、次回作として考えていたのがパソコンやケータイなどのデジタルツールが使えなくなるというSFパニックものだった。折しも2003年には北米で原因不明の大停電が起き、NYが大騒ぎになっている様子がニュース映像で伝えられた。矢口監督は電気のない世界を、デジタルツールが苦手な人々(矢口監督がそう)にとっての楽園として描くことを考えていたが、スケールが大きな割りには映画としては地味なことから、矢口監督がホームグランドにしているアルタミラピクチャーズではこの企画は凍結扱いに。ところが2011年に福島第一原発事故に伴う計画停電が全国的に実施され、“電気が使えなくなる”という状況がとても身近なものとして浮上してきた。矢口監督にとって初となるパニック映画『サバイバルファミリー』はこうして動き出した。  スマホをはじめとする便利な電子機器に依存しがちな現代社会を風刺した本作だが、矢口監督らしくパニックに陥った街の様子を事細かくシュミレーションしてみせる。突然電気が使えなくなったことで、コンピューターで制御されていた水道やガスといったライフライン、さらには交通機関や流通機能も停止。テレビやラジオも点かないので、政府による公式見解もわからない。会社や学校はお休み状態だし、スーパーやコンビニで売っている飲料水や食料もあっという間に売り切れてしまう。いつまで待てば電気が復旧するのか見通しも立たないため、いつも威張っているくせに頼りないお父さん(小日向文世)はお母さん(深津絵里)の実家のある鹿児島へ向かおうと言い出す。普段は父親の存在を無視しまくっていた大学生の息子(泉澤祐希)と高校生の娘(葵わかな)も仕方なく従うことに。鈴木家の人々は自転車を必死に漕いで、遥か九州の最南端を目指す。当然ながら、矢口監督のデビュー作『裸足のピクニック』(93)のように、鈴木家の人々は行く先々で悲惨な目に遭遇し続ける。
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お父さん(小日向文世)をはじめとする鈴木家の人々は空腹のあまり、野ブタを捕まえようとするが……。
『ウォーターボーイズ』では妻夫木聡、玉木宏たちがシンクロナイズドスイミングの特訓に明け暮れ、『スウィングガールズ』(04)では上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカたちがジャズ演奏に励み、そんなアナログな世界で若者たちが成長していく過程をドキュメンタリータッチで描いてきた矢口監督。今回もCGに頼らない、ドキュメンタリー的手法が大いに活かされている。自転車を漕ぎ続け、汗まみれになっていく鈴木家の人々。空腹のあまり野ブタを捕獲しようとするが、お父さん役の小日向文世は慣れないアクションシーンにあばらを強打。橋のない川を渡るシーンでは、身を切るような冷たい川の中へと全身浸かり、ガチで顔の表情が歪んでいく。2カ月半に及ぶ地方ロケは、かなりしんどいものだったらしい。だが、主演俳優たちが悲惨な目に遭えば遭うほど、矢口作品は俄然面白みを増していく。  大震災がきっかけでGOサインが出たディザスタームービーながら、矢口監督が撮ると明るくユーモラスなものになっていく。電気が使えなくなり、首都として機能しなくなった東京だが、パソコンもテレビも動かないことから暇を持て余した鈴木家の人々がマンションのベランダに出ると、夜空には今まで見たことのない大きな天の川が広がっている。息子や娘は初めて見る天の川の美しさに思わず感激する。車が走らなくなった高速道路を自転車で疾走するのは、なかなか気持ちがいい。サバイバルツアー中に出逢うアウトドア志向の夫婦(時任三郎、藤原紀香)は電気のない生活を喜び、とても生き生きとしている。スマホやパソコンが使えなくなったことで、逆に鈴木家の人々は自分たちの肉体を通していろんなことに気づくようになる。バッテリー補充液(精製水)は飲料水代わりになる、ネコ缶は生臭さを我慢すれば食べることができる、食料よりも体温保持や水の確保のほうが重要……そんなサバイバルライフに関するハウツーも散りばめられ、さいとう・たかをの人気コミック『サバイバル』を読んで育った世代には懐かしく感じられる。
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旅先で遭遇するアウトドア志向のファミリー(時任三郎、藤原紀香)。いけすかないけど、鈴木家にとっては大切な出会いだった。
 新しい環境に柔軟に対応するようになっていく息子と娘に対し、サバイバル能力のない父親が足手まといになっていく展開は、舞台出身の演技派・小日向文世の巧みなダメ人間ぶりもあって、苦い切実さがある。そんなダメ親ながら旅を続けていく中で、父親は自分のかっこ悪さを受け入れ、ダメ親なりに家族のために懸命に体を張る。電気が使えた頃はバラバラだった家族が、サバイバルツアーを通してゼロから再構築されていく。利便性のみを追求する現代人への社会風刺に加え、これまで若者の成長談を描いてきた矢口監督が“家族の再生”をテーマに新しいステージに上がってきたことを感じさせる出来映えだ。  まったくの余談だが、大停電や大災害が起きて、しばらくするとその地域では出生率が上昇すると米国では言い伝えられている。電気が使えないことから、長い夜を持て余した男女のコミュニケーション時間が増えるに違いないという発想から生まれた都市伝説なわけだが、本作でも夫婦役を演じた小日向文世と深津絵里との闇夜のラブシーンがあってもよかったと思う。電気のない世界、意外と楽しいかもしれない。 (文=長野辰次)
矢口史靖監督流楽しいディザスタームービー!『サバイバルファミリー』が描く電気のない世界の画像4
『サバイバルファミリー』 原案・脚本・監督/矢口史靖 出演/小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな、時任三郎、藤原紀香、大野拓朗、志樽淳、渡辺えり、宅麻伸、柄本明、大地康雄 配給/東宝 2月11日(土)より全国ロードショー (c)2017 フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ http://www.survivalfamily.jp

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『パンドラ映画館』電子書籍発売中! 日刊サイゾーの人気連載『パンドラ映画館』が電子書籍になりました。 詳細はこちらから!

テレ朝『相棒15』大誤算! “禁じ手”の及川光博&六角精児投入も、視聴率振るわず……『劇場版』は大丈夫?

テレ朝『相棒15』大誤算! 禁じ手の及川光博&六角精児投入も、視聴率振るわず……『劇場版』は大丈夫?の画像1
テレビ朝日系『相棒15』番組サイトより
 テレビ朝日系の鉄板ドラマ『相棒season15』(水谷豊主演/水曜午後9時~)が、“禁じ手”ともいえる卒業した“2代目相棒”神戸尊(及川光博)と、名物鑑識官・米沢守(六角精児)を投入するも、その効果はほとんどなく、大誤算の結果となってしまった。  来たる11日に、映画『相棒-劇場版IV-』が公開されるが、そのプロモーションの一環として、ドラマ版の第13話(1日)、第14話(8日)が前後編として特別編成された。両話には、『season7』最終回から『season10』まで相棒を務めた及川、そして『season14』で卒業した六角が出演し、『相棒』ファンを狂喜させるはずだった。  ところが、はじき出された第13話の視聴率は14.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とイマイチ振るわなかったのだ。これが、ほかのドラマなら上々なのだが、高視聴率を記録し続けてきた『相棒』では、なんとも物足りない数字だ。  今シ-ズンは初回15.5%と厳しいスタートとなり、第5話では13.6%、第9話では12.9%まで落ち込んだ。「元日スペシャル」(第10話)は17.3%まで上げたが、第11話は14.6%、第12話は13.3%と伸び悩んでいる。及川と六角を投入した第13話は、前回より1.3ポイント上げたのは確かだが、第11話と同視聴率にとどまった。 「成宮寛貴(甲斐亨)が“3代目相棒”を務めた『season13』までは、高い視聴率をキープしていましたが、“相棒”が反町隆史(冠城亘)に変わった『season14』から低迷しており、テレ朝も水谷も頭を悩ませています。今シーズンも低調で、もはや15%割れが当たり前になってきました。劇場版はともかく、ドラマにまで卒業した及川や六角を登場させるのは“禁じ手”ともいえましたが、それをやっても、ほとんど数字が伸びなかったのですから事態は深刻。テレ朝としては、最低ノルマを“15%超え”に設定していたはずで、そのショックは計り知れなく大きいでしょう。これじゃ、ドラマはもちろんですが、劇場版は大丈夫なのか?と心配になってきます」(テレビ関係者) “4代目相棒”反町の不人気で、視聴者の“『相棒』離れ”が顕著になっている。次回も及川と六角が出演するが、そこでも平凡な視聴率に終わるようなら、ドラマの今シーズンも劇場版も、高望みはできないだろう。 (文=田中七男)

テレ朝『相棒15』大誤算! “禁じ手”の及川光博&六角精児投入も、視聴率振るわず……『劇場版』は大丈夫?

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テレビ朝日系『相棒15』番組サイトより
 テレビ朝日系の鉄板ドラマ『相棒season15』(水谷豊主演/水曜午後9時~)が、卒業した“2代目相棒”神戸尊(及川光博)と、名物鑑識官・米沢守(六角精児)を投入するも、その効果はほとんどなく、大誤算の結果となってしまった。  来る11日に、映画『相棒-劇場版IV-』が公開されるが、そのプロモーションの一環として、ドラマ版の第13話(1日)、第14話(8日)が前後編として特別編成された。両話には、『season7』最終回から『season10』まで相棒を務めた及川、そして『season14』で卒業した六角が出演し、『相棒』ファンを狂喜させるはずだった。  ところが、はじき出された第13話の視聴率は14.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とイマイチ。これが、ほかのドラマなら上々なのだが、高視聴率を記録し続けてきた『相棒』では、なんとも物足りない数字だ。  今シ-ズンは初回15.5%と厳しいスタートとなり、第5話では13.6%、第9話では12.9%まで落ち込んだ。「元日スペシャル」(第10話)は17.3%まで上げたが、第11話は14.6%、第12話は13.3%と伸び悩んでいる。及川と六角を投入した第13話は、前回より1.3ポイント上げたのは確かだが、第11話と同視聴率にとどまった。 「成宮寛貴(甲斐亨)が“3代目相棒”を務めた『season13』までは高い視聴率をキープしていましたが、反町隆史(冠城亘)に替わった『season14』から低迷しており、テレ朝も水谷も頭を悩ませています。今シーズンも低調で、もはや15%割れが当たり前になってきました。劇場版はともかく、ドラマにまで卒業した及川や六角を登場させるのは“禁じ手”ともいえましたが、それをやってもほとんど数字が伸びなかったのですから、事態は深刻。テレ朝としては、最低ノルマを“15%超え”に設定していたはずで、そのショックは計り知れなく大きいでしょう。これでは、ドラマはもちろん、劇場版は大丈夫なのか? と心配になってきます」(テレビ関係者)  反町の不人気で、視聴者の“『相棒』離れ”が顕著になっている。次回も及川と六角が出演するが、そこでも平凡な視聴率に終わるようなら、ドラマの今シーズンも劇場版も、高望みはできないだろう。 (文=田中七男)

「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は“元アウトローのカリスマ”瓜田純士の心を動かすか

「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は元アウトローのカリスマ瓜田純士の心を動かすかの画像1
 新宿の片隅に生きる“元アウトローのカリスマ”こと作家の瓜田純士(37)が、世の中のありとあらゆる事象に対し、歯に衣着せぬ批評を行う不定期連載。今回は、大ヒット中のアニメ映画『この世界の片隅に』を鑑賞してもらい、率直な感想を語ってもらった。
「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は元アウトローのカリスマ瓜田純士の心を動かすかの画像2
(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
 昨年11月に公開されて以来、SNSや口コミで評判が広がり、先月末には観客動員数が120万人を突破した話題作『この世界の片隅に』(監督:片渕須直、原作:こうの史代)。今後も上映館は増加する見込みらしく、その勢いはとどまるところを知らない。  だが、年末年始は執筆に追われ、インターネットをほとんど遮断していた瓜田は、本作のことを「まったく知らないし、興味もないし、予習もしてない」という状態で劇場に現れた。  しかも、この日の瓜田は体調不良で不機嫌そのもの。「熱があるので行けないかも」というメールが前日に届いていたのだが、「前売りのチケットを購入済みなので、できれば来てほしい」と返信したところ、これが癇に障ったらしい。会うなり記者に絡み始めたのだ。 「普通、体調が悪いってメールが来たら、『じゃあ、無理せず延期しましょう』と返すでしょう。前売りチケットを買ったからって、『這ってでも来い』ってのは冷た過ぎるし、ケチ過ぎやしませんか? わざと救急車に乗って点滴打ちながら来てやろうかと思ったぐらい、ムカつきましたよ。え? もう始まるの? そんなに急かさないでくださいよ。どうせ子ども向けのアニメでしょ? 15分や20分遅れたところで問題ないじゃないですか」  不満タラタラの瓜田をどうにかこうにかなだめつつ、劇場内に送り込んだのだが、実はこの先にもう一つ、彼の神経を逆撫でしそうな要素があることは、怖くて言い出せなかった。そう、瓜田の指定席は、映画が一番見づらいと言われる「最前列の一番端」。人気作、しかも土曜日だったため、その1席しかチケットが売れ残っていなかったのだ。  これで映画がつまらなかったら、終わったあとに怒られるのは確実である。以前、テレビアニメの『おそ松さん』を無理やり鑑賞してもらったときの乱心ぶりが記憶に新しいだけに(記事参照)、記者はハラハラしながらロビーで待機。そして、約2時間後、鑑賞を終えて劇場から出てきた瓜田に恐る恐るインタビューを行った。
「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は元アウトローのカリスマ瓜田純士の心を動かすかの画像3
「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は元アウトローのカリスマ瓜田純士の心を動かすかの画像4
(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
――いかがでしたか……? 瓜田 いやぁ、よかったです。敬礼もんですよ。映画のタイトルとポスターの絵を最初に見た瞬間、どうせメンヘラ女が主人公の作品だろ、と思ったんですよ。自分探しの心の旅が延々と続くような、夢見がちなオタク向けのスーパーつまんない作品なんだろうと思ってた。ところが、いざ見始めたら、小姑との確執を描いた橋田寿賀子的ドラマのアニメ版か? という展開になりつつも、中盤あたりからは、いやこれ、冷やかしちゃいけないようなスーパーヘビーな内容じゃねえか、となって、終わったときにはスクリーンに向かって思わず敬礼してましたよ。すげえいい映画でした。37度3分の熱がある俺が言うんだから間違いないです。 ――どこがよかったですか? 瓜田 まず、心の機微の捉え方がめちゃくちゃ上手い。普段はおっとりしてる主人公のすずが、何度か感情的になる場面がありましたよね。「帰る」と言い出したり、消火しようとムキになったり、自分で髪を切ったり、サギを追いかけたり……。あんな風に感情がスパークする瞬間って、どんな一般ピープルにも必ずあるじゃないですか。その切り取り方と表現方法が非常に巧み。途中、不倫っぽくなるシーンもあったけど、あのときの男女の心理描写も生々しくてよかったです。 ――どんな描写に生々しさを感じましたか? 瓜田 初恋の人に再会し、そのもどかしさを旦那のせいにしてキレる嫁もリアルだったし、心配しつつも信頼したくて嫁を納屋に送り出した旦那の気持ちや、幼馴染の前だといつもの嫁じゃなくなることに対する旦那のヤキモチの焼き方とかも、同じ男として「わかる!」って感じの絶妙さ。アニメとは思えないというか、終始、役者の芝居を見てるようでした。声優の力も大きいのかな。特にすずの声を担当した声優が、マジですごい! あの朴訥とした語り口で、食べ物の名前をつぶやくだけで、美味しさと貴重さがじんわりと伝わってくるというね。 ――あれ、「のん」こと能年玲奈の声です。 瓜田 へぇ、そうなんですか。あの広島弁がとにかく神がかってて、ただごとじゃなかったですね。のんに限らず、声優陣はみんなよかった。難しいと思うよ、あの時代の広島弁って。
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(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
――絵についてはどのような印象を? 瓜田 長編のアニメってたいてい、絵は変わらないまんま誰もしゃべらず音楽だけ流れるシーンとかがあって、どうしても退屈しちゃうんだけど、この作品に関しては、飽きることはまったくなかったですね。常に誰かがしゃべってるか、何かが動いてる。だけど不思議と、目は疲れない。絵のタッチはシンプルだけど、動作や表情の変化をきめ細かく描き、そこに濃厚な会話とリアルな効果音を加えることで実写のように見せてしまうんだからすごい。アニメだからこそ実現できた素敵なシーンも数多くありましたね。 ――それは、たとえば? 瓜田 木にブラ下がってた障子のマス目に、ずすの成長期を追う絵がポッポッポッと浮かんでくる場面なんかは、グッとくるものがありました。あそこですずが発する言葉がまた、心の成長を表してて感動的なんですよ。心の動きってことで言うと、すずと小姑の関係性の変化も丁寧に描かれててよかった。で、一瞬平和な空気が流れた直後に、あることが起きるわけですが、あの場面は登場人物も、見てる観客も、同じように驚いたんじゃないでしょうか。平和な時代に生まれてよかった。鑑賞中、何度もそう思いましたし、あの時代を生きたすべての日本人に改めて敬意を払いたくなりましたね。 ――今のところベタ褒めですが、気に入らなかった点は? 瓜田 ちょっと時間が長かったかな。ちゃんと、おしっこしてから見るべきでした。 ――本作を総括すると? 瓜田 これはきっと戦争映画じゃなくて、その時代に広島の呉に嫁いだ、絵を描くことしか取り柄のない、ごくごく普通の女の子の物語なんだと思います。嫁いだ先でいろいろあったけど、逃げずに健気に生き抜いた。そこを捉えて、そこだけで物語にしたのがすごいなと思いますね。
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――見てよかったですか? 瓜田 よかったです。最初は「よりによって体調の悪い俺を、一番前の一番見づらい場所に座らせやがって!」という怒りがあったし、「あとで必ずケツを取ってやる!」と思ってたけど、途中から物語に没頭し、そういう感情を忘れてしまった。こんな良質な映画を見せられたら、そりゃ人をイジメようっていう気持ちは消えてなくなりますよ。  * * *  瓜田から爆弾を落とされることを覚悟していた記者だが、映画があまりにも素晴らしかったため、運よく難を逃れたのであった。 (取材・文=岡林敬太) ※瓜田純士&麗子 Instagram https://www.instagram.com/junshi.reiko/ ※日刊サイゾーでは瓜田純士の最新情報をほぼ月イチペースでお届けしています。 http://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/ ●『この世界の片隅に』 原作/こうの史代 監督・脚本/片渕須直 音楽/コトリンゴ 出演/のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、藩めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外 配給/東京テアトル 全国公開中 (c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会 http://konosekai.jp

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 新宿の片隅に生きる“元アウトローのカリスマ”こと作家の瓜田純士(37)が、世の中のありとあらゆる事象に対し、歯に衣着せぬ批評を行う不定期連載。今回は、大ヒット中のアニメ映画『この世界の片隅に』を鑑賞してもらい、率直な感想を語ってもらった。
「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は元アウトローのカリスマ瓜田純士の心を動かすかの画像2
(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
 昨年11月に公開されて以来、SNSや口コミで評判が広がり、先月末には観客動員数が120万人を突破した話題作『この世界の片隅に』(監督:片渕須直、原作:こうの史代)。今後も上映館は増加する見込みらしく、その勢いはとどまるところを知らない。  だが、年末年始は執筆に追われ、インターネットをほとんど遮断していた瓜田は、本作のことを「まったく知らないし、興味もないし、予習もしてない」という状態で劇場に現れた。  しかも、この日の瓜田は体調不良で不機嫌そのもの。「熱があるので行けないかも」というメールが前日に届いていたのだが、「前売りのチケットを購入済みなので、できれば来てほしい」と返信したところ、これが癇に障ったらしい。会うなり記者に絡み始めたのだ。 「普通、体調が悪いってメールが来たら、『じゃあ、無理せず延期しましょう』と返すでしょう。前売りチケットを買ったからって、『這ってでも来い』ってのは冷た過ぎるし、ケチ過ぎやしませんか? わざと救急車に乗って点滴打ちながら来てやろうかと思ったぐらい、ムカつきましたよ。え? もう始まるの? そんなに急かさないでくださいよ。どうせ子ども向けのアニメでしょ? 15分や20分遅れたところで問題ないじゃないですか」  不満タラタラの瓜田をどうにかこうにかなだめつつ、劇場内に送り込んだのだが、実はこの先にもう一つ、彼の神経を逆撫でしそうな要素があることは、怖くて言い出せなかった。そう、瓜田の指定席は、映画が一番見づらいと言われる「最前列の一番端」。人気作、しかも土曜日だったため、その1席しかチケットが売れ残っていなかったのだ。  これで映画がつまらなかったら、終わったあとに怒られるのは確実である。以前、テレビアニメの『おそ松さん』を無理やり鑑賞してもらったときの乱心ぶりが記憶に新しいだけに(記事参照)、記者はハラハラしながらロビーで待機。そして、約2時間後、鑑賞を終えて劇場から出てきた瓜田に恐る恐るインタビューを行った。
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(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
――いかがでしたか……? 瓜田 いやぁ、よかったです。敬礼もんですよ。映画のタイトルとポスターの絵を最初に見た瞬間、どうせメンヘラ女が主人公の作品だろ、と思ったんですよ。自分探しの心の旅が延々と続くような、夢見がちなオタク向けのスーパーつまんない作品なんだろうと思ってた。ところが、いざ見始めたら、小姑との確執を描いた橋田寿賀子的ドラマのアニメ版か? という展開になりつつも、中盤あたりからは、いやこれ、冷やかしちゃいけないようなスーパーヘビーな内容じゃねえか、となって、終わったときにはスクリーンに向かって思わず敬礼してましたよ。すげえいい映画でした。37度3分の熱がある俺が言うんだから間違いないです。 ――どこがよかったですか? 瓜田 まず、心の機微の捉え方がめちゃくちゃ上手い。普段はおっとりしてる主人公のすずが、何度か感情的になる場面がありましたよね。「帰る」と言い出したり、消火しようとムキになったり、自分で髪を切ったり、サギを追いかけたり……。あんな風に感情がスパークする瞬間って、どんな一般ピープルにも必ずあるじゃないですか。その切り取り方と表現方法が非常に巧み。途中、不倫っぽくなるシーンもあったけど、あのときの男女の心理描写も生々しくてよかったです。 ――どんな描写に生々しさを感じましたか? 瓜田 初恋の人に再会し、そのもどかしさを旦那のせいにしてキレる嫁もリアルだったし、心配しつつも信頼したくて嫁を納屋に送り出した旦那の気持ちや、幼馴染の前だといつもの嫁じゃなくなることに対する旦那のヤキモチの焼き方とかも、同じ男として「わかる!」って感じの絶妙さ。アニメとは思えないというか、終始、役者の芝居を見てるようでした。声優の力も大きいのかな。特にすずの声を担当した声優が、マジですごい! あの朴訥とした語り口で、食べ物の名前をつぶやくだけで、美味しさと貴重さがじんわりと伝わってくるというね。 ――あれ、「のん」こと能年玲奈の声です。 瓜田 へぇ、そうなんですか。あの広島弁がとにかく神がかってて、ただごとじゃなかったですね。のんに限らず、声優陣はみんなよかった。難しいと思うよ、あの時代の広島弁って。
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――絵についてはどのような印象を? 瓜田 長編のアニメってたいてい、絵は変わらないまんま誰もしゃべらず音楽だけ流れるシーンとかがあって、どうしても退屈しちゃうんだけど、この作品に関しては、飽きることはまったくなかったですね。常に誰かがしゃべってるか、何かが動いてる。だけど不思議と、目は疲れない。絵のタッチはシンプルだけど、動作や表情の変化をきめ細かく描き、そこに濃厚な会話とリアルな効果音を加えることで実写のように見せてしまうんだからすごい。アニメだからこそ実現できた素敵なシーンも数多くありましたね。 ――それは、たとえば? 瓜田 木にブラ下がってた障子のマス目に、ずすの成長期を追う絵がポッポッポッと浮かんでくる場面なんかは、グッとくるものがありました。あそこですずが発する言葉がまた、心の成長を表してて感動的なんですよ。心の動きってことで言うと、すずと小姑の関係性の変化も丁寧に描かれててよかった。で、一瞬平和な空気が流れた直後に、あることが起きるわけですが、あの場面は登場人物も、見てる観客も、同じように驚いたんじゃないでしょうか。平和な時代に生まれてよかった。鑑賞中、何度もそう思いましたし、あの時代を生きたすべての日本人に改めて敬意を払いたくなりましたね。 ――今のところベタ褒めですが、気に入らなかった点は? 瓜田 ちょっと時間が長かったかな。ちゃんと、おしっこしてから見るべきでした。 ――本作を総括すると? 瓜田 これはきっと戦争映画じゃなくて、その時代に広島の呉に嫁いだ、絵を描くことしか取り柄のない、ごくごく普通の女の子の物語なんだと思います。嫁いだ先でいろいろあったけど、逃げずに健気に生き抜いた。そこを捉えて、そこだけで物語にしたのがすごいなと思いますね。
「知らないし、興味もない」──『この世界の片隅に』は元アウトローのカリスマ瓜田純士の心を動かすかの画像7
――見てよかったですか? 瓜田 よかったです。最初は「よりによって体調の悪い俺を、一番前の一番見づらい場所に座らせやがって!」という怒りがあったし、「あとで必ずケツを取ってやる!」と思ってたけど、途中から物語に没頭し、そういう感情を忘れてしまった。こんな良質な映画を見せられたら、そりゃ人をイジメようっていう気持ちは消えてなくなりますよ。  * * *  瓜田から爆弾を落とされることを覚悟していた記者だが、映画があまりにも素晴らしかったため、運よく難を逃れたのであった。 (取材・文=岡林敬太) ※瓜田純士&麗子 Instagram https://www.instagram.com/junshi.reiko/ ※日刊サイゾーでは瓜田純士の最新情報をほぼ月イチペースでお届けしています。 http://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/ ●『この世界の片隅に』 原作/こうの史代 監督・脚本/片渕須直 音楽/コトリンゴ 出演/のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、藩めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外 配給/東京テアトル 全国公開中 (c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会 http://konosekai.jp