スペイン人も大好きな名作に溢れる古き良き少年マンガ・イズム

アイドルと学ぶ"二次元作品"魅惑の世界──。アニメ、マンガにゲームまで、SKE48の舞台裏講座が開講です! 今月の教材 『るろうに剣心─明治剣客浪漫譚─』
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左から平松可奈子/松下唯/古川愛李/中西優香
(写真/有高唯之)
──前々回にご登場いただいた、チームSの松下唯さんを再びお迎えしております。今回の教材は、「週刊少年ジャンプ」発の名作『るろうに剣心─明治剣客浪漫譚─』(共に集英社/以下、るろ剣)。アニメ化されてから今年で15周年ということで、それを記念したプロジェクトも進行中です。平松さんは歴史モノ好きですから、当然、『るろ剣』も知ってますよね!? 平松可奈子(以下、) もちろんです。作者の和月伸宏先生は、編集者さんに「『ジャンプ』で歴史モノは受けない」と散々言われてたんですけど、見事ヒットさせたんですよ。 中西優香(以下、) それ、そっくりそのままウィキペディアに書いてありましたけど(笑)。  えへへ 実は『るろ剣』のこと、よく知らないんです。ファンの方から「可奈ちゃんの好きな新撰組も出てくるし、面白いよ」って勧めていただいたりもしたんですけど、まだ読めていなくて。 ──だからって知ったかぶりしなくても......。まぁ15年前だと、平松さんはまだ45歳ですから、致し方ないですね。当時、『るろ剣』はすごく人気があって、アニメの主題歌になった曲が次々ヒットしたんです。JUDY AND MARY の『そばかす』(エピックレコード)とか。  えっ!? もしかして、カラオケで『そばかす』を入れると、自動的に流れてくるアニメが『るろ剣』? 古川愛李(以下、) それすら知らないレベルだったとは......。ウチはT.M.Revolutionさんの曲がめっちゃ好きだったなぁ。あと、ブレイク前のL'ArcenCielさんも歌ってましたよね。 松下唯(以下、) あいりん、よく覚えてるね。すごい!  再放送をずっと観てたんで。でも、正直、話には入り込めなかったです。今観たら違うと思うんですけど。当時は......あのー、名前なんでしたっけ? ショタっぽい子【1】。あの子のかわいらしさだけが目的でした。 ──そういえば、古川さんはショタもイケるんですよね。松下さんはどんなキャラに萌えます?  ドS!  今、言い方に一切迷いがなかったね(笑)。じゃあ、『るろ剣』のキャラは微妙?  んでも、剣心【2】はかっこいいと思うよ。見た目は(笑)。実を言うと、ジャンプ作品って『テニスの王子様』【3】とか『BLEACH』【4】(共に集英社)はわかるんだけど、『るろ剣』の頃の作品には全然馴染みがないんだよね......。なんか"男の子が読むもの"っていう感じがして。
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福祉から無視され続ける社会的弱者としての売春少女たち【前編】

若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言
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■今回の提言 「就学期間中に社会へ包摂し、売春に落ちる子を救い出す」 ゲスト/鈴木大介[ルポライター] ──今月のゲストは、裏社会の住人たちを中心に、ディープな"現場"での取材を続けるルポライターの鈴木大介氏。大メディアでは取りあげられることのほとんどない、路上に生きる女性たちによる"売春"という問題をテーマに据えて、同じく売春の量的調査を進めるチキさんと、がっぷり四つで論じてもらいました。 荻上 この連載では前々回、自殺の問題を取り上げました。昨今、自殺、ホームレス、ネットカフェ難民、失業による貧困化といった問題を、いかに社会的に解決していくのか、ということがようやくテーマに挙げられるようになっています。それ自体は前進であるものの、こうした問題は、その多くを「男性」が占めるものであり、社会問題化のジェンダーギャップがあるのもまた事実です。では、女性の場合、同種の問題がどこに表れているか。そのひとつに、昨今ではなかなか語られることのない、(風俗系ではない)「売春」の問題があります。典型的なケースでいえば、貧困、厳しい家庭環境、教育からの排除などを背景に、仕事も得られず、加えて精神疾患などを併発している女性が一定のボリュームで存在している。そうした女性が、政策的なケアを受けられず、社会的包摂から外れていった挙げ句、風俗産業の外にある売春行為に陥っていくというルートが存在しています。  僕は今、出会い系・テレクラ・出会い喫茶などを主なチャンネルとして、現代日本の売春についての量的調査や聞き取り調査を進めていますが、今回は、『出会い系のシングルマザーたち』などの著作でいち早くこの現実に注目されてきた、ルポライターの鈴木大介さんをお招きしました。対象にがっつり密着し、より不可視化された層へディープに切り込んでいく鈴木さんの取材アプローチは僕とは全く異なり、とてもまねできるものではありませんが、それでも見ている風景、伝えようとしている事実はかなり一致しています。  この数十年、売春という問題は、抽象的な自由や権利を絡めた象徴闘争の場ではあっても、それ自体を分析し、実態を明らかにしなくてはならないという対象からは外されていました。そこで、最前線で取材を続ける鈴木さんとの情報交換も兼ね、現状への理解を共有できればと思っています。 鈴木 最近では、「別冊宝島」に向けて、知的障害を持っていて路上生活をしながら売春をしている子を3人取材しました。ひとりは、「彼氏」と一緒にカラオケボックスで生活してる子。なぜその子を取材しようと思ったかというと、サイトで「車の中でフェラチオして2000円」という募集をしてたんですね。毎日何回かそれを書いていて、明らかに価格設定もおかしいのでアクセスしみたら、案の定、障害を持っていた。  何度かアタックしてみたところ、その子の彼氏と称する男からサイトを通して直接電話がかかってきた。会ってみて驚きましたね。最初は、ヒモ男のように売春させてるのかと思ったんですが、本当にカップルなんですよ。カラオケで話をしたら、女の子のほうはかなり重度の知的障害で、ほぼ日本語が通じないというか語る気力もなさそうな感じで、そのうち彼氏の膝枕で寝始めちゃって(笑)。それでほとんど彼氏のほうに話してもらう取材になりました。
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東電の情報公開はネットの勝利なのか? 政治の本質を無視した集合知の幻想を暴く!!

国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか......気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。
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今月の副読本 『社会契約論』 ルソー著/岩波文庫(54年)/720円 フランス革命の原動力になったとも言われる、ジャン=ジャック・ルソーの代表作。一般意思を説きながらも、政治の本質を強調し、肯定する同書の思想は、現代までにつながる民主主義に多大な影響を与えた。  前回は、インターネットを通じた情報の暴露や漏洩が、政治にどのような影響をもたらすのかを考えました。ウィキリークスのような暴露サイトまで存在するようになったことで、各国の政府は今後、情報の公開を前提として行動せざるを得なくなります。たとえ特定の情報を機密にするにしても、政府はなぜその情報が機密扱いとなったのかを潜在的には説明する責任を負わなくてはならなくなりました。機密情報もまた、常に暴露や漏洩によって公開される可能性にさらされているからです。  このことは各国政府に限った話ではありません。社会的な影響力を持つ民間企業も、政府と同じように情報の公開を前提とせざるを得ない状況に置かれつつあります。2010年11月には、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ氏が、次のターゲットは米国のメガバンクだ、と米経済誌「フォーブス」のインタビューで語ったことを受け、そのターゲットだと憶測されたバンク・オブ・アメリカの株価が下落しました。  もちろんこうした状況は、ウィキリークスに狙われようが狙われなかろうが変わりません。典型的なのは、今回の福島第一原発事故で見せた東京電力の対応です。3月27日に東電は、福島第一原発2号機のタービン建屋内にたまった水から通常の炉内の1000万倍の放射能を検出したと発表しました。これが本当なら非常に危険な状態です。しかし夜になり東電は「違う物質と間違えた」とその発表を訂正。武藤栄副社長は、分析内容の吟味が十分ではなかったと、その理由を釈明しました。つまり東電は、十分な分析を行うよりも情報の公表を優先させたわけですね。それが日本だけでなく世界を震撼させるような誤報につながりました。このときの誤報で東電の広報担当者が漏らした言葉が、問題の本質を表しています。「測定結果が不確実な可能性があっても、公表しなければ、後から『隠していた』と批判を浴びる」(朝日新聞の記事より)。変に情報を操作するより、初めからバレるものとして情報を開示しておくほうがリスクが少ない。経済産業省の原子力安全・保安院も、同じ理由で公表を優先したということです。
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誰も言わない「日本一愛のある」サッカー日本代表戦予測

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 今月11日、ついにW杯南アフリカ大会が開催されるーー。そんな中、国際親善試合が5月30日、今月4日に行われた。だが、イングランド戦では、先制点を決め、「あわや大金星か!?」と思われたが、結果はオウンゴール2発で自爆。今月4日に行われたコートジボアール戦では2-0と完敗......。 「日本は試合、相手は練習」(ニッカンスポーツ.com)、「イングランド善戦も、根本的な問題は解消していない」「攻撃の致命的な欠点」(共にスポルティーバ)など、専門サイトでは辛口の評価が並んだ。また、最終調整の試合とはいえ、本大会に向け絶望的な気分になったファンも多いだろう。  ......が! しかし!! 物事を斜めに見ちゃうニュースサイト『プレミアサイゾー』では「日本一愛のあるW杯日本代表戦予測」と題して、日本代表戦予選突破の方法をナナメから検証しちゃっています。注目は、各界サッカーのご意見番たちによる他じゃ読めない"裏"予測! 元サッカー日本代表・北澤豪 「3連勝もあり得る」 サッカー番長ことスポーツジャーナリスト・杉山茂樹 「カメルーンは情緒不安定」 お笑い界きってのサッカー通・土田晃之 「オランダ代表は明石家さんまさん、日本代表は若手芸人(笑)」  もちろん南アフリア"夜の歩き方"やナイトライフを満喫中の某チームに起こったアレコレなど "夜はボランチ?" なネタもご用意!  岡ちゃんへの苦言は(当然)掲載されていますが、既存のサッカー専門誌の予測に飽きた方は、ぜひご一読を!
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プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/  プレミアサイゾーでは6月6日までに「3か月会員コース」をお申込みの方全員に金の「サイゾーキューピー」プレゼントキャンペーンを実施中!詳細はプレミアサイゾーで。

【プレミアサイゾー】残すところあと1日!サイゾーキューピー全員プレゼントキャンペーン実施中 

"視点をリニューアルする情報誌"「月刊サイゾー」の全記事が、525円ですべて読めるサイト「プレミアサイゾー」。そんな同サイトがiPhoneとiPod touchに対応しました!  と、いうことで、これを記念してプレミアサイゾー限定の「サイゾーキューピー」を3カ月会員様全員にプレゼントさせていただいておりましたが......ついに! ご好評いただいた同キャンペーンも残すところあと1日となりました! 
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 最近、編集部内で「サイゾーキューピーを携帯に付けてからいいことがあった!」という人が続出!......とまではいっておりませんが、日々のちょっとした癒しとして、活躍している模様。  サイゾー女子編集者&デザイン部女子デザイナーが、愛と真心を込めてつくったサイゾーキューピーをご希望の方は、明日6月6日(日)24時までに、 「プレミアサイゾー限定キューピー」3カ月会員様全員プレゼントのお知らせ をご覧下さい!!!  皆様のご登録、お待ちしております!

【プレミアサイゾー】1週間延長決定!サイゾーキューピー全員プレゼントキャンペーン実施中 

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 気になりつつも迷われていたアナタに! 今度こそ本当~に最後のチャンスです!  サイゾー女子編集者&デザイン部女子デザイナーが、愛と真心を込めてつくったサイゾーキューピーをご希望の方は、6月6日(日)までに、 「プレミアサイゾー限定キューピー」3カ月会員様全員プレゼントのお知らせ をご覧下さい!!!  皆様のご登録、お待ちしております!

【プレミアサイゾーiPhone対応記念】サイゾーキューピー全員プレゼント!

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"視点をリニューアルする情報誌"「月刊サイゾー」の全記事が、525円ですべて読めるサイト「プレミアサイゾー」。そんな同サイトがiPhoneとiPod touchに対応しました!  同機種でスム〜ズにサクサクっと読めるようになったワケですが、これを記念してプレミアサイゾー限定の「サイゾーキューピー」を3カ月会員様全員にプレゼントしちゃいます!!
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 サイゾー女子編集者&デザイン部女子デザイナーが、愛と真心を込めてつくったサイゾーキューピーをご希望の方は、 「プレミアサイゾー限定キューピー」3カ月会員様全員プレゼントのお知らせ をご覧下さい!!!  皆様のご登録、お待ちしております!

日本版FBI──東京地検特捜部は本当に”正義の味方”なのか?

──2006年でいえばライブドア事件や村上ファンド事件、ここ最近でも、緑資源機構の談合事件、朝鮮総連本部をめぐる事件など、テレビのトップニュースや新聞の1面になる重大事件を手がけ続ける東京地検特捜部。マスコミには「最強の捜査機関」などと称され、彼ら自身「巨悪に次々にメスを入れる不偏不党の正義の機関」を自認しているという。ところが一方では、時の政権の意向を受けた「国策捜査」と揶揄されたり、およそ「最強」とは言い難い強引かつずさんな捜査な内容についても指摘されている。本当に東京地検特捜部は「正義」と言えるのか? 彼らは、一体いかなる組織なのだろうか?(本記事は「月刊サイゾー」2007年8月号に掲載されたものを、再構成したものです)
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 東京地検特捜部(以下、特捜部)の特異性を理解する前に、まずは特捜部が所属する検察の役割をおさらいしておこう。一般的に検察の仕事とは、警察から送られてきた刑事事件を裁判にかけること。  刑事事件が発生した際、まず警察が捜査し、被疑者を検挙して取り調べを行う。その後警察は、被疑者、証拠や調書等の資料を検察に送る(これを送検という)。  事件を受け取った検察は再度取り調べを行い、証拠やその他の資料を吟味した上で、起訴して裁判にかけるか、お咎めなしの不起訴処分や起訴猶予処分を下すかするのだ。  この起訴する権限は、検察官にしかない。つまり、検察官が首を縦に振らない限り、法廷の場に持ち込むことすらできないのだ。  以上が検察の一般的な役割だが、東京、大阪、名古屋の各地方検察庁にある特別捜査部、いわゆる特捜部の役割は、これとは異なる。政治犯や巨額経済犯罪などについて、警察を介することなく独自に捜査、摘発するのが役割だ。特に東京地検特捜部は、中央政界や財界へメスを入れ続けてきた。  扱う案件の話題性や国民の関心度は抜群で、当然メディアの扱いも大きい。組織図上では単なる地方検察庁(上に高等検察庁、最高検察庁がある)の一部門にすぎない特捜部が「検察の顔」などといわれるのはこのためだ。  次に組織の位置付けだ。検察庁は法務大臣の管轄だが、政治的圧力を受けないよう、ある程度独立が保障されてはいる。  しかし、法務大臣は検察庁のトップである検事総長に対する指揮権を有している。1954年の造船疑獄事件(造船・海運業界による政界への贈収賄事件で、吉田茂内閣が失脚する契機となった)では、この指揮権発動により、当時自由党幹事長だった佐藤栄作ほか、大物政治家を追い詰めつつあった特捜部の捜査が頓挫した。指揮権の発動はこの時一回きりだが、依然、検察が法務省の強い影響下にあることは間違いない。

“エセ経済学者”に踊らされないために必要なことってなんだろう?【前編】

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──若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言 ■今回の提言 「専門家よ。書を手に、街へ出よ!」 ゲスト/安田洋祐 [経済学者、政策研究大学院大学助教授] ──政治経済から社会のインフラ、インターネットの使われ方まで、あちこちガタの来てる日本社会。そんな状況を打破すべく、これから躍進が期待される若手論客たちが、自身の専門領域から日本を変える提言をぶっ放す新連載がスタート。第一回は、ゲーム理論を使って日本のシステム更新をはかる安田洋祐さんから、同胞たる専門家たちへの提言です。 荻上 さまざまなシステム不全を起こしている現代社会に切り込むべく始まったゲスト対談連載「新世代リノベーション作戦会議──若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言」、ホストの荻上です。第1回のお相手は、経済学者の安田洋祐さん。誰もが認める経済学界のサラブレッドにして、日本におけるメカニズムデザイン理論・ゲーム理論研究の先駆者です。  安田さんの専門であるゲーム理論は、ミクロ経済学、広くとらえれば社会科学の中でも特に重要なセオリーといえるもの。「囚人のジレンマ」で知られるように、まず市場なり社会状況なりをシンプルな「ゲーム」に見立てます。そして、それぞれのインセンティブ(誘引)に基づいて行動するプレイヤーたちが、「ゲーム」のルール(制約)の中で戦略的な行動を取るさまを分析する。1950年代冷戦体制下の軍略分析、たとえば核抑止議論などで注目されていたのが有名ですが、この数十年での発達も目覚ましいと伺っています。  社会科学の目的はいろいろですが、人間集合の行動原理を明らかにした上で、より多数の人が満足できるような社会への最適な道筋を考察する、という理念が薄ぼんやりとあるようには思います。社会科学といっても幅が広すぎなので、怪しいのもたくさんありますけど(笑)、中でもインセンティブ体系に注目し、その設計にもアプローチできるゲーム理論は、数ある理論の中でも非常に「使える」ツールです。 安田 あらゆるものを数値や合理性に還元して進める経済学者の議論は、一般的には「冷たい」とも言われがちですが、その分、ほかの社会科学に比べ、論点や現状をクールダウンして整理するのに長けています。理由はいくつかありますが、ひとつは立脚すべきデータがはっきり取れるため。そしてもうひとつは、対象を素朴に観察して解釈しようとするのではなく、数字という汎用性の高い表現に落としこむ作業を挟むためです。ゲーム理論も、こうした利点を備えた優れたアプローチですね。 荻上 数値データを共有してから議論をするので、実証性も高く、解釈対象もはっきりしているので論点がクリアになるんですね。僕も著書などで携わっている、「いじめ」に関する議論を例に取ってみます。  多くのいじめ論は、いじめっ子やいじめられっ子の資質、たとえばソーシャルスキルの有無であるとか道徳性の欠如などに注目してしまいます。しかしゲーム理論的な見方をすれば、そこにいるプレイヤーに何かしらの「いじめをしたくなるインセンティブ」が存在していることを見いだせる。そして、その「ゲーム」のあり方を変えてあげることで「いじめを直す」という発想ができるようになる。導かれる具体的な方法としては、ペナルティを用意するとか、学校選択制などによりゲームから降りやすくすることで、プレイヤーの振る舞いを変えてあげるなどですね。  いじめをめぐる議論は象徴的ですが、社会科学が取り扱うテーマの多くは、議論への参入障壁が著しく低い一方で、炎上係数がとにかく高い。語り手の内面やイデオロギー、信仰などが密接にかかわるため、とてもホットになりやすい。そうした議論に対して、ゲーム理論的な思考は、議論そのものをクールダウンさせると同時に、具体的にどの方法が効果的なのかという議論へとスムーズに移らせることができる。 安田 そうですね。客観性と論理性は、ゲーム理論の大きな武器だと思います。ゲーム理論は、数学者フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンの共同研究によって20世紀半ばに生まれた、かなり新しい学問分野です。"ゲーム"理論と聞くと、「ゲーム=遊戯=子供の遊び」というような連想で、何やら大人が真剣に分析する学問対象に思えないかもしれませんが、彼らのアプローチは非常に画期的でした。それは、「複数の参加者(プレイヤー)が独自に戦略を決定し、その戦略の組み合わせに応じた得点(「利得」)が各プレイヤーにもたらされる」というゲームの基本構造が、ジャンケンやチェスなど、僕たちがイメージするいわゆる"ゲーム"を超えて、さまざまな社会・経済現象に対応している、というものです。

三井・三菱からライオンまで”エコ”の実態はゴマカシだらけ!?

"温室効果ガス削減""持続可能な資源開発"──エコが叫ばれる昨今、巷には「地球に優しい」「環境に優しい」を標榜する"エコ商品"があふれている。しかし、企業が声高に叫ぶその言葉の裏に、欺瞞・偽善はないだろうか? 財閥系の商社から人気のアウトドアブランドまで、有名企業の「エコ活動」に対する信頼度を徹底検証!!
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 鳩山由紀夫首相が、国連本部で開かれた気候変動首脳会合において、「2020年までに温室効果ガスを90年比で25%削減する」とブチ上げたのは、昨年9月のこと。以降も、エコポイント対象家電の購入期限延長など、エコ関連のニュースが続き、環境とのコラボを掲げた音楽・スポーツイベントなど、巷もエコの話題であふれている。  もちろん企業も、空前のエコブームに乗り遅れまいと躍起だ。あらゆる企業が、とにかく「エコ」の名さえ冠しておけば損はないとばかりに、「地球に優しい」を前面に打ち出した商品やサービスを続々とリリースし、さらには本業分野以外でも、さまざまなエコ活動に取り組んでいる。官も民も、まさにエコ一色といった状況だ。  大手企業の多くは、そうした自社のエコ活動を、企業統治や法令遵守などの項目と併せ、「CSR(Corporate Social Responsibility)報告書」という独自の資料にまとめ、発行している。その内容はといえば、おおむねどの企業のものも、環境にとっていいことずくめ。日本の名だたる企業がこれほど真剣にエコ活動に取り組んでいるのなら、地球環境の未来も、それほど暗くないに違いない──。CSR報告書だけを読めば、多くの人がそう感じることだろう。  しかし、実際のところはどうなのだろうか? ある環境団体の関係者は言う。 「確かに、CSR報告書の通り、頑張ってエコに取り組んでいる企業もあります。しかしその一方で、いわゆる"グリーンウォッシュ"もたくさんあるんです」