違法アップロードで中学生も逮捕! ネット時代の知的財産権を学ぶ

chiteki.jpg
国家試験も存在。"初音ミク"とコラボしていたり
とおもしろい試みも実施されています。
──「日刊サイゾー」で話題のあの記事をただ読む以上に、さらなる知識を知りたいそんなアナタのために、話が100倍(当社比)膨らむ" プレミアム"な記事をサイゾー目線で厳選レビュー!  今月14日、YouTube上に人気マンガのアップロードを繰り返していたとして14歳の中学生が逮捕されました。今回の逮捕は、YouTubeへの違法アップロードによる初の逮捕者、加えてそれが未成年者ということでインターネット上でも話題に。この犯行による被害額は一部報道によると推定20憶円ともいわれており、"若気の至り"では到底すまされない規模のものでした。こうした著作権侵害がインターネット上で横行しているのはみなさんすでにご存知でしょう。Winnyなどのファイル共有ソフトが槍玉に挙げられ、現在では著作権に関するネットリテラシーを高めるべきだという意見はあちらこちらで聞かれます。  しかし一方では、著作権を管理する団体にもなにやら黒い噂が...... 真相を確かめるべく、日刊サイゾーでは社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に対して怒りを露にするドラマー・ファンキー末吉氏へインタビューを敢行。氏の主張は、JASRACの包括契約による不透明なお金の流れに対し、透明化を求めるというものでした。日刊サイゾーではその後JASRACへの直撃取材を行うなど、徹底的にこの問題を追求して注目を集めました。このように利用者側、管理者側問わず多くの人が関心を寄せる著作権をめぐる騒動ですが、こうした揉め事はなにも著作権に限ったものではないのです。  そもそも著作権とは知的財産権の一部。著作権のほかに知的財産権に含まれるものとしては、特許や商標などの「産業財産権」、人格権やパブリシティ権に基づく「肖像権」などがあります。こうした知的財産権は現在、ネットの出現によって次々と不具合が生じてきているのです。ネット上にアップされる有名人の顔写真をすべてを取り締まっていてはキリがなく、グレーゾーンであった二次創作物が爆発的に増加し表面化するなど、問題は山積み。従来の知的財産権ではカバーしきれない部分も出てきています。そう、今やネットと知的財産権は切っても切れない複雑な関係にあるのです。  こうした新しい時代に必要とされるネットリテラシー。サイゾー読者様はもちろんいちはやく習得しているとは思いますが、確認の意味を込め、あらためてネット時代の知的財産権について考えてみてはいかがでしょう。ということで、今回の「レベルアップ案内」では、ジャニーズの写真がネットNGの理由、JASRACが勝手に登録しちゃったあの人気歌姫、ネットで広がる新しい価値観"フリー"とは!? ......といった記事をそろえてみました。これさえ読めば、あなたも知的財産権を"知的"に語れるようになること間違いなし!? 【日刊Pick Up記事】 JASRACに激怒するファンキー末吉に突撃取材!! 著作権料徴収法と分配法への緊急提言 2010年6月17日付 JASRACに突撃取材!! 著作物使用料の徴収方法と分配方法の真実(前編) 2010年6月18日付 JASRACに突撃取材!! 著作物使用料の徴収方法と分配方法の真実(後編) 2010年6月19日付 ネットで瓦解寸前!? 今さら聞けない知的財産権のあれこれ プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:あなたの身近な著作権侵害] 違法ダウンロードサイトでマンガの未来がわかる!! 2010年5月号(プレミアサイゾー) 違法ダウンロード、ダメ、ゼッタイ。 [レベル2:JASRACの傲岸不遜さ] 初音ミクJASRAC騒動に見る、著作権処理の問題点 2008年1月30日付 (日刊サイゾー) 気軽に歌詞も書けないこんな世の中じゃ。 [レベル3:至る所に存在する著作権] リストラ暴露ブログ「リストラなう」がコメントの著作権をめぐって大混乱 2010年6月8日付 (日刊サイゾー) 気軽なコメント、重たい著作権。 [レベル4:権利を死守しようとする企業連] 藤原紀香の「顔」は誰のものだ !? あの"音事協"に聞く肖像権の行方 2009年1月号(プレミアサイゾー) "有名税"なんて言ってたら訴えられちゃう!? [レベル5:ジャニーズが必死になる理由] ジャニーズ"肖像権タブー"の正体 ネットNGの理由を代理人に直撃!! 2009年6月号(プレミアサイゾー) ジャニーズの修正写真、シュールで好きです。 [レベル6:しかし、時代の流れには抗えず] ジャニーズ画像ついにネット解禁!? ドラマサイトが続々"イラスト→実写"に 2010年1月19日付 (日刊サイゾー) ジャニーズの写真が見れるのはサイゾーだけ! ......じゃないみたい。 [レベル7:著作権の歪んだ使い方を知る] 読売新聞による"言論弾圧"著作権裁判が始まる! 2008年4月21日付 (日刊サイゾー) 著作権の裏技? 良い子は真似しちゃダメ。 [レベル8:ネットで更新される価値観] "ネット発"若手ミュージシャンtofubeatsに聞く同人音楽と著作権問題 2009年12月号 (プレミアサイゾー) デジタルネイティブの感覚、付いていけてる? [レベル9:二次創作に協力する企業] テレビを捨てネット配信へ 次々に成功する Webアニメ 2009年12月号 (プレミアサイゾー) これもお得意、"メディアミックス"の一環かもね。 [レベル10:著作権を飛び越えた先にあるビジネスモデル] 高城剛を小林弘人が直撃!! 必聴! ハイパーすぎる「FREE」論 2010年7月号(プレミアサイゾー) この夫婦は色々と"フリー"すぎ。 プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/
Free Culture 次世代のキーワードは"フリー"! amazon_associate_logo.jpg

JASRACに突撃取材!! 著作物使用料の徴収方法と分配方法の真実(後編)

前編はこちら ――さて、巷で話されている都市伝説の真偽を教えてください。「筋肉少女帯の大槻ケンヂが自分のエッセイに自身が作詞した筋少の曲『高円寺心中』の歌詞を載せたところ、JASRACから歌詞の著作物使用料を徴収されてしまい、しかもその金額が印税としてまったく還元されなかった」というウワサがあります。2008年にこれは大槻さん自身が、雑誌「ぴあ」で単なるウワサだと否定しましたが、一般的にこのような事例はありえるのでしょうか? また、本に歌詞をどの程度引用した場合から申請が必要になるのでしょうか? JASRAC 出版物に歌詞を載せる場合、歌詞を書いた方が自身の曲を載せたとしても、著作権の手続きを取らなければならないのは、出版の責任者である出版社になりますので、ご自身が著作物使用料の請求を受けることはありません。歌詞の「引用」などは、法律上認められています。引用の判断は、著作権法の第32条に「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」という引用の規定があります。歌詞を1行ならいい、2行ならいいという話ではなく、引用の仕方が問題で、この対応はケースバイケースにならざるを得ません。でも、丸ごと歌詞を載せる、楽譜を載せる場合は、通常の利用になるので手続きは間違いなく必要です。このような引用の問題については、個別の具体事例を法文上に盛り込むことはできませんから、裁判で争われることもあります。 ――「Twitterで歌詞をつぶやいたら、著作物使用料が発生する」とニコニコ動画のニコニコ生放送でJASRACの菅原常務理事が発言されました。今後、Twitterにはどのような対応を取られるのでしょうか? JASRAC Twitterについては現在検討中です。管理する可能性もあります。 ――使用料を徴収するとしたら運営会社でしょうか? 個人でしょうか? JASRAC どなたに手続きをお取りいただくかは、未定です。でも、個人の方にお願いするのは難しいでしょうね。 ――既存のネットサービスにはどのように対応されているのでしょう? JASRAC ネットで許諾を得ていない歌詞が掲載されている場合はJASRACで調査し、見つけたものには連絡して、契約の手続きを求めています。個人でホームページに歌詞を載せる場合は、1曲あたり1カ月150円、1年の契約で1200円で掲載することが可能です。 ――JASRACは権利者のことを考えて公明正大に職務を全うされているように思えます。ですが、世間のJASRACを見る目は非常に厳しい。この点はどのようにお考えですか? JASRAC 飲食店などの社交場の契約で、支払いを長年にわたって拒否されていた利用者の方が、法的措置になった場合に多額の金額を徴収された、という報道に対して反感を持たれてしまっているように思います。Aという店には長年支払ってもらっているのに、その隣にある店のBが拒否されては、Aとの公平性を欠くのでBを放置できません。社交場から著作物使用料を支払ってもらうのは、粘り強く交渉するしかありません。実は、JASRACの職員が著作物使用料の徴収に出向いて、危険な目にも遭うことがあります。それでも、権利者に著作物使用料を分配することが目的なので、著作物使用料の支払いを拒否している人を放って置くわけにはいきません。 ――ネットユーザーというのは、YouTube、ニコニコ動画など、無料で音楽・動画を利用することに慣れています。包括契約で、ニコニコ動画やYouTubeはJASRACに支払う契約を結んでいますが、今後、Twitter、USTREAMなどさらに新たなネットサービスが台頭することは予測されます。この状況の中でJASRACはどのような対応を取っていくのでしょうか? JASRAC ネットでの音楽配信などのビジネスが成り立たないと、今後、音楽業界は崩壊する可能性があります。JASRACのような管理事業者が著作物使用料を決める場合には、著作権等管理事業法にもとづいて、利用者団体などからあらかじめ意見を聴取するよう努めなければなりませんので、こちらで勝手に届けを出して、勝手に管理することはできません。NMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)などネットを使った新しいビジネスを行う人達と、意見交換できる窓口は常に設けているので、スピーディーに決めていきたいと考えています。そのほか、ネット配信で著作物使用料を正当に評価できる仕組みを考えないと、最終的にユーザーが不利益をこうむることになります。 ――やはりもっと、JASRACの職務内容を世間に周知徹底する必要がありますね。 JASRAC ユーザーに著作権の大切さをどう理解してもらうか、広報していくかは常に模索しています。役員がニコニコ動画に出演したり、誰もが来てもらえる公開シンポジウムを開いたり、努力はしている。ほかにも、ラジオCMを流しているほか、中学生、高校生の訪問を受け入れたり、大学の講座で話もしています。若年層に向けたアプローチを今後もっと考えていこうと思っています。  * * *  作詞、作曲者が作った楽曲がテレビ、映画、カラオケなどで利用された際に、その利用者から著作物使用料を徴収し、その作家に正当に分配するJASRACの存在は、作詞、作曲者には非常に貴重な存在だ。音楽を愛する人であれば、自分が利用した音楽の著作物使用料が作詞家、作曲家に分配されるなら文句を言う人はいないだろう。だが、JASRACの著作物使用料の徴収方法などはまだまだ世間に浸透しておらず、今後もJASRACのあり方については、時代に即した制度にするべく議論が必要だ。JASRACによって、日本の音楽文化がさらに発展することを願いたいものだ。  そんな中、今回のファンキー末吉とJASRACの議論を記事にするのは、今回の取材をもって終結させようとしていた矢先、ファンキーがまたも自身のブログで激昂した。「今回の私の申し出をJASRACが断ったとしたら、お話しには行きたいが、客を入れたりネット中継されるのは勘弁してくれ、と言うならば!! そしたらワシはJASRACに出向いて行こう!! 来てくれないならワシから出向いて行くしかない!! ワシは著作権料を支払いたいのだ!!」(文章一部略)  どうやらファンキー氏、JASRACに自ら乗り込むつもりだという。JASRAC VS ファンキー末吉、第2章。事態の進捗にご期待あれ。 (文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)
JASRAC概論―音楽著作権の法と管理 著作権って、大事なのよ。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 JASRACに激怒するファンキー末吉に突撃取材!! 著作権料徴収法と分配法への緊急提言 「ヤクザのみかじめと同じ」人気ドラマー・ファンキー末吉がJASRACに激怒! JASRACに激怒するドラマー・ファンキー末吉 料金徴収法に"公開討論会"を提言

JASRACに突撃取材!! 著作物使用料の徴収方法と分配方法の真実(前編)

JASRAC.jpg
JASRAC公式サイトより
 一般社団法人日本音楽著作権協会JASRAC。音楽の著作権の許諾・徴収・分配を行っている団体であることは知られているが、実際、その詳細を明確に説明できる人は僅少だろう。前回の取材で、音楽バー「Live Bar X.Y.Z.→A」への著作物使用料の徴収方法とその分配方法に疑問を呈するドラマーのファンキー末吉が「JASRACとの公開討論を望む」と発言。彼の声を直接届けるべく、日刊サイゾー記者・本城零次と編集SがJASRACを訪問し、直撃インタビューを行った。 ファンキーの意向を伝えたが、「個別の交渉を公の場で議論するのは、プライバシー、個人情報保護などの観点からも不可能」とJASRACから"公開討論"の要望は断固拒否されてしまった。だが、そこで引き下がる我々ではない。あくまで、「一般論として」という形式ではあるが、JASRACの著作権の徴収と分配の実態、さらに、都市伝説として知られる"オーケン事件"の真相、著作権制度とネット社会のあり方を2時間に及んで取材した。 ――改めて読者に向けて、JASRACとはどういう団体なのか説明していただけますでしょうか? JASRAC JASRACは、著作権等管理事業法という法律に則った音楽の著作権を管理する事業者です。ほかにも音楽の分野で12社の著作権管理事業者があり、それらは営利法人ですが、JASRACは非営利で、手数料以外はすべて権利者に分配しています。事業目的は著作権の保護、利用の円滑を図り、音楽文化の発展に寄与すること。国内の作詞者、作曲者、音楽出版者など1万5000者以上の権利者と信託契約を結んで著作権の管理を受託しているほか、JASRACの管理曲を利用する場合には、利用者にJASRACの許諾を取っていただいて、著作物使用料をお支払いいただいています。海外の管理団体、84カ国、地域、114の管理団体と相互管理契約を結んでいるので、日本でビジネスとして流通している楽曲のほとんどと言っていいかもしれません。国内で利用実績のある日本曲120万曲、外国曲149万曲計269万曲をデータベースで管理し、ホームページで公表しています。また、文化事業として、著作権の講座を複数の大学に設けているほか、新人アーティストの支援ライブなどの事業も展開。JASRACの管理事業を通じて、権利者の著作権が保護され、利用される方が、適正な料金で使えることを通じて、音楽文化が普及発展するよう事業を進めています。 ――もし仮に、JASRACがなくなると、世の中にどのような影響がありますか? JASRAC もし、JASRACがなければ、権利者1万5000者がそれぞれ著作権を管理することになり、利用者はコンサートやカラオケなどで楽曲を利用する際に、毎回、各権利者に許諾を求め、使用料を決めて、権利者と交渉することになります。これは双方にとって不都合なことで、合理的ではありません。特に、外国の団体と相互管理契約を結んでいるのは日本ではJASRACだけなので、外国曲も直接海外に許諾を得ないと使えなくなります。例えば、100曲を掲載した歌集(歌本)を作る際に、全てJASRACの管理楽曲であれば、JASRACにだけ届ければ許諾を得られますが、100曲で作詞、作曲者が違えば、200人に許諾を取ることになり、手続きが大変煩雑になります。 ――ドラマーのファンキー末吉氏がマネジャーを務めている音楽バーにJASRACから著作物使用料の要求が来て、徴収方法とその分配方法に疑問を呈し、JASRACと交渉を続けています。JASRACはこの一件をどのように捉えていらっしゃいますか?  JASRAC やはり個別の交渉を公の場で議論するのは不可能です。ここで、著作物使用料の請求の現状について説明させていただければと思います。 社交場での演奏というと、カラオケ、生演奏、ディスコなどのレコード演奏があります。全国に飲食店は70万~80万店程度あり、その中で音楽を使っているかどうかをJASRACが調査して、利用形態に応じた形で著作物使用料を支払っていただいています。音楽を使っている飲食店は約20万店強。カラオケは約18万店、生演奏が約1万店、そのほか、旅館などがあります。カラオケは全店舗中90%の管理率、ライブハウスなどの生演奏の店が70%ぐらいの管理率です。カラオケは通信システムなので、全曲曲目を捕捉可能で、管理楽曲は年間トータルで40億~50億回使われて、使われた回数通りに権利者に分配されます。 ――では、著作物使用料の分配についてさらに詳しく教えてください。 JASRAC 分配には、曲ごとに徴収した著作物使用料を基に行う曲別分配、演奏会や映画など年間の包括利用許諾契約を結び、全量報告を基に行うセンサス分配、それからサンプリング分配があります。現在、サンプリング分配を行っているのは、テレビなどにおけるレコード放送(テレビ番組の背景音楽としての利用)、社交場の生演奏、レンタルCD、有線放送等の4つの利用区分のみ。テレビなどにおけるレコード放送、レンタルCDは技術的に今後、どの曲が何回使われたのか、捕捉が可能になっていきます。 生演奏で利用した楽曲をすべて報告するのは、利用者(ライブハウスなどの経営者)の負担が大きく、また、曲の正確な題名、作詞、作曲者も分からない場合があり、そのためサンプリングにならざるを得ません。でも、ライブハウスなどにも曲目をJASRACに提出してもらうように要請はしてます。サンプリングのモニター店は、統計学の観点から選んだ全国800店舗(年間)で実施しています。  800店は順次変わり、地域、規模もそれぞれ異なる店を統計手法に基づきランダムに選んでいます。サンプリングは全国を対象に行っているので、効率良く実施するために統計調査を専門とする外部の社団法人に委託しています。そこでの調査結果と、ライブハウスから提出された曲目リストの報告も加味して、著作物使用料を分配しています。でも、サンプリングなのでやはり、もれてしまう可能性はあります。100%と言えないのは確か。今後はさらに、サンプリングの精度を上げることが課題ですね。 ――著作物使用料を分配する際には、手数料を取っていらっしゃるんですよね? JASRAC 手数料は、権利者に分配する段階で控除させていただいています。手数料率の平均は、一昨年度では12.1%です。この数字は、外国の著作権管理団体と比べてかなり低い数値です。JASRACは、非営利の法人であり、ほかの公益法人のように国からの補助金なども一切受けていません。 ――その手数料というのは、妥当な数字だとお考えですか? JASRAC 迅速で公正な管理を行う上で、可能な限り低い料率と考えています。ただし今後、さらに合理的な管理方法を実現することで手数料が下がることはあるでしょう。特にインターネットの楽曲の利用は数が膨大で、利用者も曲目を報告するのが煩雑なため、利用申請の簡素化を図る「一般社団法人 著作権情報集中処理機構(CDC)」という団体を作り、申請の権利処理を早くするようにしています。 (後編に続く/文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)
JASRAC概論―音楽著作権の法と管理 著作権って、大事なのよ。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 JASRACに激怒するファンキー末吉に突撃取材!! 著作権料徴収法と分配法への緊急提言 「ヤクザのみかじめと同じ」人気ドラマー・ファンキー末吉がJASRACに激怒! JASRACに激怒するドラマー・ファンキー末吉 料金徴収法に"公開討論会"を提言

JASRACに激怒するファンキー末吉に突撃取材!! 著作権料徴収法と分配法への緊急提言

funkysueyoshi.jpg
"音楽業界のタブー"JASRAC問題に噛みついたファンキー末吉氏。
 爆風スランプで活躍し、LOUDNESSの二井原実、筋肉少女帯の橘高文彦らとのバンド・X.Y.Z.→Aのほか、中国でも演奏活動を行うドラマーのファンキー末吉。そんな彼がブッキングマネジャーを務める音楽バー「Live Bar X.Y.Z.→A」に社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)から著作権料の支払いを求める書類が届くが、ファンキーはJASRACの料金徴収法とその分配法に疑問を呈した。  飲食店やライブハウスの場合、面積によって著作権料を徴収する包括的利用許諾契約を取っているが、どのアーティストの楽曲を使用したかについては不明なまま料金を徴収している。JASRACはモニター店でサンプリングしたデータを元に、使用料を割り出して還元しているが、ファンキーは「X.Y.Z.→Aの曲は、それが1円も還元されていない」と主張。「いつでも著作権料はお払い出来ます。ただそれをどこに分配するのかちゃんと説明して下さい」と分配の明確化を求めて、JASRAC側と数カ月にも渡る交渉を行っている。  彼がブログに綴った「これではヤクザのみかじめと同じである」というインパクトある一文をフィーチャーしつつ、昨年11月に日刊サイゾーでその情報を報じたところ(参照記事12)、ネットを中心に一大センセーションを巻き起こした。そこで、現在も交渉継続中のファンキーに単独インタビューを敢行。爆風スランプの代表曲「Runner」の作曲家として莫大な印税を得るというJASRACの恩恵も享受しながら、一方、著作権料を支払う側の心境も理解する彼ならではの主張を明かしてくれた。 ――アーティストでここまで明確に、JASRACにモノを申した方は史上初だと思います。それはなぜでしょうか? ファンキー 印税をもらう側の立場で言うと、JASRACからの印税は、アーティストが売れてない時は当然ほとんどもらえないから、別に争いを起こさない。仮に争いを起こしても、もらえる額は少ない。でも売れてからは、(サンプリングの特質上)印税は事実上支払われているから争いを起こす必要がない。売れてから「もらいすぎだ」と思っても、楯突くともらえなくなる可能性があるから、もらう側はこれまで文句を言う必要がなかった。テレビやラジオで曲が流れても必ず印税が入るわけではなく、レイティング週(3カ月に1~2週間のサンプリング調査期間)だけに調査したものをJASRACが払っているという話は知っていた。 ――サンプリングによって、対象外になったものはゼロになり、対象内となったものにはよりバイアスがかかって、印税額が加算されるのが現行のシステムです。さて、X.Y.Z.→Aの場合は、各地のライブハウスで演奏を行っているのに、その項目の印税が入ってこないという話ですが......。 ファンキー X.Y.Z.→Aは音楽出版も自分が管理していて、自分で印税の明細を打ち込んでいるから全部分かる。曲の利用形態には、有線ラジオ、社交場(カラオケ、生演奏、ライブハウスもここに該当)、インタラクティブ配信(iTunes、着うた)などの項目があるが、社交場からの項目の金額が一切ない。X.Y.Z.→Aは結成10年で累計300本ぐらいライブハウスでライブをしていて、毎回20曲演奏しているから、約6,000曲分の印税が1回も来ていない。多いときは年間100本ライブをやっていて、各店舗が包括契約でお金を払っているはずなのに、(印税が)ない。これはおかしい。X.Y.Z.→Aは売れてないから印税が来ないのか? でも、それでいいの? 包括契約でライブハウスからお金を取っているが、どのように配分しているのかは不明瞭。包括契約以外にも方法はあると言うが、BGMの著作権料は徴収しなかったり、それはそれで問題がある。それらを全て公の場でちゃんと説明してくれと言うと、密室じゃないとダメだと言う。こちらはちゃんと分配されるということをクリアにしてほしいだけ。 ――JASRACとはどういう形で交渉を行っているのでしょうか? ファンキー JASRACの担当者が店に来て、支払いの督促をしてくるが、必ず密室に追い込む。担当の方は人を説得するプロなんだけど、いい人で高圧的ではないし、話も聞いてくれるから、こちらが相手をイジメている気分になって辛い。だからヘトヘトになる。向こうはこの交渉が仕事で金をもらっているけど、こっちは無償で1時間犠牲にしている。JASRACはJASRACの言い分を言っているだけで、こちらは分配の仕組みのブラックボックスを明らかにしたいだけだから、話はいつも平行線になってしまう。料金徴収が難しいということは本当によく分かるんだけどね。JASRACとしてもやりようがないのも分かる。 ――ファンキーさんは、中国映画『瘋狂的石頭(クレイジーストーン)』の音楽を担当されるなど、中国でも演奏活動をされています。中国の著作権事情は? ファンキー まあ、中国は海賊版だらけですよね。中国のトップは頭いいと思う? 悪いと思う? 海賊版を本気でなくそうとしたら1週間でできると思わない? 中国はなんで海賊版だらけなのか? 国家主席が取り締まろうと思えば、取り締まることもできる。でも、それをやると海外に莫大な著作権料を支払わなければならない。だから、今は音楽CDも映画のDVDも海賊版だらけにしている。映画のDVDは100円ぐらいだから、世界で一番中国人が映画を観ている。だから今はそれを利用して若手クリエイターを育て、(彼らが成長し)中国が海外から著作権料をドーンと取れるようになってから、海賊版を取り締まるだろう。そうすれば、「アメリカさんお金をください」って莫大な額が取れる。これは笑い話なんだけど、著作権の一つの側面を象徴している。 ――さて、ファンキーさんほど一時代を築いた人が、このJASRACとの闘争にどう落とし前をつけるのか、世間も注目していると思います。今後はどうしていくお考えですか? ファンキー このケンカは見ている方は面白い。JASRACも労力をかけて損したし、僕も多大な損をした。僕はプール金よりも多大な労力を払っていると思う。この交渉は、言ってみればネットを使った"劇場戦争"。観客は、JASRACが激怒して僕をブタ箱に入れるのを見たいだけ。でも僕は分配をはっきりしてほしいだけで、JASRACの根本を変えてやろうとは思ってない。もしそれをやるなら、そのためには政治に出馬しなけりゃならない。僕もこの人(記者)が記事にしたおかげで、上げたコブシを降ろせなくなっている。JASRACから「契約してください」と言われても、納得してないからするわけにいかない。契約する条件を明確にしてください、という話をするしかない。これはもう、僕の上げたコブシではなくなっている。「明確にしろ」という、国民の声が後ろについている。そう言いながら、契約にハンコ押したら私はこの国で生きていけません。万全な解決は無理で、それは法律を変えなきゃいけない。だからJASRACとの交渉を密室ではなく、"公開討論"でやろうと。著作権の意識を国民がより深めていくためにも意義があることだと思う。 ――その公開討論は、ファンキー末吉VS.JASRACではなくて、専門家のジャーナリストや一般の商店主などの論客も参加して、『朝まで生テレビ!』風にやるのはどうでしょうか? ファンキー そうそう、それがいいね。それをやれば、僕がアンチJASRACじゃないことがよく分かると思う。JASRACを擁護する発言が意外に多いことに見た人はびっくりすると思う。ライブハウスの店長に出てもらって「1曲ずつ報告する? そんなことできるか」って一喝してもらったり、「有線放送はどうやっているんですか?」と一つ一つ解き明かしていく。そんな議論を重ねていって、包括契約の全貌が見えて、どのように分配して、手数料をいくら取っているかをJASRACの口から明らかにしてもらう。さらに別の徴収方法の問題点とかも徐々に明らかになって、出来れば時代に合った新たな徴収方法の模索が始まりさえすれば、「自分のところに還元されなくても納得しました」という風になるかも知れないし、見ている人全員に全貌が明らかになる。 ――そのプロセスから明確化していくと。 ファンキー そう。そのプロセスを見せて、密室をやめればいい。例えて言えば、空気にお金をつけて、「その空気を集めてやってるんだから文句言うなよ」っていうのがJASRACの基本的な立場。それは著作権者もよく分かっている。JASRACはがんばっているけど、分配法が不透明。透明にするにはお金が掛かるけど、それは新聞広告を打つよりも意義があるんじゃなかと私は思う。自分の払った著作権料が自分には返ってこなくても、ジョン・レノンのところに行ったとか、どのアーティストのところに行ったのかがはっきり分かれば「JASRACはいい仕事をしてるな」ってなるはず。公開する場所は、USTREAMでもいいし、ニコニコ動画でもいい。雑誌や日刊サイゾーで月1でやってもいいし。それもエンタテインメントにしませんか?  * * *  遠藤真志というアーティストにカバーされた爆風スランプの「Runner」が、ダイハツ「ムーブカスタム」CMに2年間起用され、そこで得た印税額は「トータルで八王子に家が買えるぐらい」だったことも明かしてくれたファンキー。作詞家、作曲家ら著作権者からすれば、テレビ、ラジオ、カラオケなどで使用された楽曲からも印税を分配するJASRACは、非常に有益な存在と言えるだろう。だが、ひとたびその著作権使用料を支払う側となると、ファンキーが語るように使用料の計算方法、そして、包括契約の場合の分配方法には疑問が残る。事態の解決の糸口を見つけるためにも公開討論を提案するファンキー。このオファーにJASRACはどのような反応を示すのか? 完全スルーか、まさかの合意もありえるのか!? 日刊サイゾーがJASRACに質問状を送り、疑問を突きつける衝撃の2時間インタビューを敢行。その模様は近日公開予定。刮目して待て!! (文=本城零次) ●ファンキー末吉(ふぁんきー・すえよし) 1959年7月13日生まれ、香川県出身。ドラマー。84年、サンプラザ中野、パッパラー河合、江川ほーじんと爆風スランプとしてデビュー。江川の脱退、バーベQ和佐田の加入もありながら、爆風スランプは「Runner」「リゾ・ラバ」「大きな玉ねぎの下で」「旅人よ~The Longest Journey」などをヒットさせた。1998年のバンド活動休止後は、LOUDNESSの二井原実、筋肉少女帯の橘高文彦、バーベQ和佐田とX.Y.Z.→Aを結成し、08年には全米デビューも果たしている。
JASRAC概論―音楽著作権の法と管理 話せば、分かりあえると思うよ。人間だもの。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「ヤクザのみかじめと同じ」人気ドラマー・ファンキー末吉がJASRACに激怒! JASRACに激怒するドラマー・ファンキー末吉 料金徴収法に"公開討論会"を提言 警官の"勇み足"職質に浜崎あゆみのバンドメンバー・エンリケがブログで激怒!