「篠田麻里子はAKS社長の愛人」などと報じた「週刊文春」(文藝春秋)を相手取り、AKB48の運営会社・AKSが損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は3日、「記事の一部は社長とメンバーが愛人関係にあるとの印象を与えるが、不適切な関係があったと推認することは難しい。問題になった部分のほとんどは真実ではなく、真実と信じる理由もない」として、文春側に165万円の支払いを命じた。 問題となったのは、2010年2月18日号の記事「AKB48は社長の『喜び組』」。記事によれば、プロデューサーの秋元康氏と、オフィス48の芝幸太郎社長が始めたAKB48だが、当初は資金調達に難航。そこに電子部品製造業を営む資産家の御曹司である窪田康志氏が、父親から借りた約20億円を提供し、受け皿会社として3人の頭文字を取ったAKSを設立。窪田氏が社長に就いた。 窪田社長は、気に入ったAKB48のメンバーを呼んでは、高価なバッグやアクセサリーをプレゼントしていたといい、中でも一番のお気に入りだった篠田は、同じマンションの別の部屋に住ませ、クレジットカードを自由に使わせていたと報じられた。 記事が出た当時、テレビや多くの出版社などは、AKBを起用したいがためにこの疑惑をスルー。芸能誌やファッション誌などを持っていない文春ならではのスクープと言われた。AKSは損害賠償約1億1,000万円と、謝罪広告の掲載を求める訴えを起こし、通称「AKB喜び組裁判」が幕を開けた。 今年4月23日、証言台に立った窪田社長は、「今までAKBを作ってきて、すべてを否定されたようなことに憤りを感じた」と、文春の記事を全面否定。篠田と同じマンションの別の部屋に住んでいたことは認めたが、篠田の部屋に行ったりすることは「ないです」と否定した。 また、「AKBのメンバーから食事などに誘われることはあっても、自分から誘ったことはない」「別の事業もやっているので、僕も暇じゃない」と、プライベートでのメンバーとの交流に消極的な姿勢を見せたが、「月に十数回はメンバーと食事をしていた。月に数回は篠田と食事をしていた」と一転する証言も飛び出した。 さらにメンバーを「娘みたいなもの」を話し、なぜか続けて「混浴に行けば、一緒に温泉に入れる仲」と爆弾発言も。法廷内は失笑に包まれたという。 「4月に、文春がスクープしたAKB卒業前の河西智美と窪田社長の“お泊まり愛”が、今回の裁判に影響するとの見方もありましたが、ひとまず結果はAKSの勝訴。ほかにも数々のAKB関連のスキャンダルを報じてきた文春としては、篠田の記事が事実と認められることで、ほかの記事の信用度も上がる。文春は『記事内容が一部認められなかったのは、承服できない』と控訴する構えを見せていますから、まだ結果は分かりません」(芸能記者) これまで窪田社長の野球賭博疑惑、芝社長の過去の違法ビジネス、指原莉乃の“ファン食い騒動”、増田有華とISSAとの“不倫愛”、峯岸みなみとGENERATIONS・白濱亜嵐との“お泊まり愛”、柏木由紀のJリーガーらとの“深夜合コン”、選抜総選挙前々日のメンバーらによる“男性ストリップ泥酔”現場……と、スクープを連発してきた文春。一流週刊誌としてのプライドを賭けた争いは、今後どうなっていくのだろうか?Mariko Shinoda.netより
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セブン-イレブンが業者と契約解除でノウハウを横取り!? 原告は「セブンは強奪者」とまで…
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セブン-イレブンが業者と契約解除でノウハウを横取り!? 原告は「セブンは強奪者」とまで… - Business Journal(3月18日)
ニュースサイト「マイニュースジャパン」を中心に、企業のパワハラ問題や労働争議を追いかけ、常に弱者の立場にたった取材を続けるジャーナリストの佐々木奎一。独自のルートで取材した、企業裁判のか中にある人々の声を世間に届ける! セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン)の都内23区の店舗と、クリーニング・サービスの提携をしていたCK社(仮名)が、一方的に契約を打ち切られた。契約打ち切り後、セブンは、ほかの会社と提携しており、それまで6年間にわたって築いたノウハウを横取りされたCK社が、セブンを相手取り、東京地裁に損害賠償請求等を求める訴訟を起こした。そして今年1月の一審判決で、セブンの一部敗訴判決が下った。マスコミが報じないこの事件の真相を、裁判資料に基づき詳報する。 原告の戸賀直樹氏(仮名)は、大学卒業後の1960年代後半に西友に入社。80年代後半に、ファミリーマートに転籍し、営業部長、営業企画部長を経て、00年代には、その後の人生を賭けた取り組みとなる「コンビニでのクリーニングサービス」を企画立案し、ファミリーマート社内で試行した。しかし、この事業の拡大には別会社の必要性を感じ、会社に2度提案したが、採用されなかった。そこで戸賀氏は、それを実現するため、長年勤めたファミリーマートを退職したのである(起業はセブンとの契約の後)。 コンビニでのクリーニング・サービスは、どの会社もことごとく失敗してきた。戸賀氏の10年7月時点での陳述書によると、ローソンは過去20年で何度も失敗。セブンも過去2度失敗。サークルKサンクスでは、クリーニング機器の設置面積が10平方メートル以上とスペースを広く取り過ぎで拡大できていないのだという。 それに比べて、戸賀氏が考案した機器の面積は、たったの0.9平方メートル。それが売りだった。 この事業の成功を信じていた戸賀氏は、03年4月に自身の企画をセブン本部の商品雑貨部ECサービス担当であるKというチーフマーチャンダイザーに持ちかけたところ、「コンビニのクリーニングサービスはお客様のニーズが高く、利便性を提供できる。収益性が上がるビジネスモデルにしたい」とK氏は快諾したという。この時期、戸賀氏は、「クリーニング取次仕様提案書」をセブンに提出。担当K氏から「良くできた提案書。ビジネスモデル特許出願は早くした方がいい。『特許出願中』と言えば、社内稟議が通りやすい」と、アドバイスを受け、戸賀氏は特許の取得もしている。 03年11月14日、K氏は「方針稟議が決済された」と言い、鈴木会長から「全国展開の際、工場のネットワークが組織できるのか?」「日販の目標はどのくらいか?」「失敗を恐れず、積極的にチャレンジすること」と話があったという。 04年2月16日、株式会社 CKクリーニング(仮名、以下、CK社)を設立。戸賀氏は社長に就任。同年5月4日、セブンと「約定書」を締結。これはCK社がセブンのベンダーとなる契約書だった。 そしてついに、04年6月21日から、1カ月間に、24店舗でクリーニング取次サービスを開業した。 戸賀氏の考案したクリーニング取次サービスは評判がよく、開業から3カ月で、目標とする平均日販4000円を超えた。すると翌05年1月6日、セブン本部雑貨部統括マネージャーM氏から「鈴木会長から、300店を都内で展開することの内諾を得たので、今後スピードを上げて実行する。重点商品として育てたい」と言われたという。 こうして本格展開したクリーニング・サービスだったが、その後は、思い通りにことが運ばなかった。「城東、城北地区はブルーカラーの居住者が多く、クリーニングの利用者が少なく、販売額が低い店舗が発生した」と戸賀氏は振り返っている。 それは数字にも如実に表れている。取扱店舗数の推移(各年12月時点)は、04年27店、05年81店、06年245店、07年212店、08年212店、09年209店、2010年(4月)204店と、06年をピークに下り坂をたどっている。全国展開はおろか、300店すら達成していない。 09年12月25日、CK社は、セブン本部から、こう告げられた。 「中央ベンダーには、一部上場会社の伊藤忠食品(株)が51%出資している(株)カジタケで行く。経営財務基盤が盤石で、ノウハウもある。CK社には資金と人がなく、投資、運営は無理」 また、「CK社は専用ベンダーではないため、いつでも取引停止できる」とも告げたのだという。 それに対し、戸賀氏は「わかりましたと即刻回答はできない」「ゼロから開発してきたノウハウや7年の実績を評価してもらえないのか?」と反論し、翌年の10年2月4日、「契約終了に伴う、営業補償とライセンス料について協議したい」と申し入れた。 するとセブン本部からは、「営業補償やライセンス料は存在しないと考えている」と回答を受けた。さらに3月15日、戸賀氏はセブン社長の井坂隆一氏から「契約期間満了のご通知」という書類を受領した。 こうして契約解除後、セブンは、戸賀氏が企画・立案して意匠登録したバッグや、規約、伝票、マニュアル類、フリーダイヤルシステムなどのサービスをそのまま継続利用していた。 それについて戸賀氏は「セブンの行いは、開発者であり著作者である弊社及び私を排除し、そのビジネスモデルをコピーして利用する強奪者であり、社会的な企業として許されるべき行為ではありません。(略)弊社を切り捨て、弊社のこれまでの努力とその成果を略奪するに等しい暴挙と言わざるを得ず、断じて許すことができません」とつづっている。 こうして2010年7月14日、戸賀氏はセブンを相手取り提訴した。訴えの内容は次の通り。 1 平成22年3月15日付「契約満了のご通知」が無効であることを確認する。 2 原告が平成17年6月27日締結の契約書に基づく契約上の地位にあることを確認する。 その後、原告側は、「本件契約は終了しておらず存続する」として、「385,737,675円を支払え」との一文を請求に追加した。 コレに対し、セブン側は、原告の訴えを否定した。 こうして審議を重ね、2013年1月21日、ついに一審判決があり、東京地裁民事33部の小林久起裁判長は、「被告は原告に対し、2592万1572円を支払え」「原告のその余の請求をいずれも棄却する」との判決を下した。 判決文では、原告が当初提案した収入計画に比べ、実際の店舗数は伸び悩んでいた点に言及。契約終了までの6年間の累計も6995万円の赤字で、構造的な不採算事業になっていたとも指摘し、セブン本部は、自由な判断により、契約を終わらせることができる、と結論付けた。 しかし、同時に、契約書には、「クリーニング取次サービス」について、原告と被告が共同開発したものである、と契約書にうたっていることに言及し、こう述べている。 「本契約が終了した場合、被告は、契約期間中におけるその仕組みの確立、発展の成果を基に、更に発展させてその果実を享受することができる。これに対して、コンビニ店舗を自らの支配下におけない原告は、一から出直しとなることが避けられない。共同開発の仕組みでありながら、その仕組みを生かす不可欠の前提であるコンビニ店舗に対する支配的な地位において、契約当事者間に格差があるために、契約終了後における過去の成果の配分に著しい不平等が生じるときは民法248条が(略)物の所有権を失ったことによって損失を受けた者が、これにより所有権を取得した者に対して、(略)不当利得返還請求の規定に従い償金を請求することができる(略)あるいは、(略)相手方に不利な時期に委任の解任をしたときは、その当事者の一方は相手方の損害を賠償しなければならないと定めている趣旨などに照らして(略)被告は共同開発してきた仕組みを使い続けることによって受ける利益の範囲内において、契約が更新されずに終了することによる原告の損失を補償する義務があると解するのが相当である」 こうして、契約終了に伴う原告の損失の補償として2592万1572円の償金を支払うよう命じた。この判決に対し、原告、被告とも、主張の通らなかった点を控訴している。 この判決について、原告側はノーコメント。一方、セブンに対して以下のように質問した。 「クリーニングサービス事業は、直近の数字で、どのエリアに何店舗で行っているのでしょうか?」 「一審判決に対する、御社の見解をお聞かせ願います」 すると、セブンからこういう回答がきた。 「クリーニング取次サービスについて→現在、東京都23区内の約200店舗で実施しています。」 「弊社の見解について→一審判決は、当社からの契約の終了を正当なものと認めました。しかしながら、本件クリーニング取次サービスのノウハウについては、もとより当社が有していたノウハウであるにもかかわらず、当社に原告に対する損失補償金の支払いを命じたため、当社はこれを不服として控訴をしました。現在、本件については控訴審で係争中です」 回答は以上だった。 控訴審の行方にも注目したいが、一審で下された判例は、とくに独自の企画、アイデアで大企業と取引をしている中小零細企業や個人事業主、セブンのクリーニング・サービスのユーザー、そして、セブンのほかの商品の消費者も心に留めておいた方がよさそうだ。 (文=佐々木奎一/ジャーナリスト) ■おすすめ記事 キンタロー。最近男性との自宅デートで告白したが「big face」とフラれる コンピュータの発達でなくなる仕事、残る仕事 アベノミクスはやっぱり負の面ばかり!? 物価上昇で給料は増えず貧困層が急増 未使用テレカで電話料金を支払える! 使用済みは使えない不思議をNTTに直撃! がん保険は本当に必要か?“カラクリ”をライフネット生命岩瀬大輔が解説セブン-イレブンに設置されている
クリーニング機器。
元裁判官が語る「えん罪や、検察のねつ造が生まれるカラクリ」
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元裁判官が語る「えん罪や、検察のねつ造が生まれるカラクリ」 - Business Journal(10月5日)
41年間にわたり裁判官を務め、現在は慶応義塾大学大学院法務研究科で教鞭を執っている原田國男氏の著書『逆転無罪の事実認定』(勁草書房)が話題になっている。 原田氏は、裁判官時代、主に刑事裁判を手がけ、東京高等裁判所部総括判事時代の8年間で、20件以上の逆転無罪判決を出したことで有名である。1審で有罪判決が下された事件の控訴審で、無罪判決が出ている割合はわずか0.3%。全国の裁判所の全事件をかき集めても、せいぜい年間20件くらいしか出ていないというのが、日本の刑事裁判の現状だ。 その原田氏に、 「知られざる裁判、法廷、そして裁判官の実態」 「えん罪や、検察による調書ねつ造が生まれる理由」 「判決を出すということの難しさと重さ」 などについて聞いた。 ――まず初めに、原田さんが検事や弁護士ではなく、裁判官になられた理由をお聞かせください。 原田國男氏(以下、原田氏) そうですねえ。これといった決定的な理由があるわけではありませんが、強いて言えば、修習で裁判官と接してみたら、それまで抱いていたイメージとはいい意味で大きく違った、ということくらいですかね。私は親戚にも知り合いにも一切裁判官はいませんでしたから、修習で初めて生身の裁判官と接したわけですが、「融通が利かなくて暗い、冷たい、勉強ばかりしている人たち」というイメージを漠然と持っていたのに、実際に接してみたら極めて普通だった。人柄もいいし、明るい、ざっくばらんで魅力的な人たちでした。 ――裁判官は、司法修習生の中で、特に成績がいい順に裁判所から声をかけられてなるものだというのは、本当でしょうか? 原田 昔はそうでしたけど、今は変わってきていますよ。昔は修習期間が長かったですし、大規模な弁護士事務所が優秀な修習生を狙って青田買いに動く、なんてこともありませんでした。ですから、修習の最後に受ける試験の結果を見て、成績優秀者に裁判所が声をかける時間的余裕もあったんです。 でも、今は修習へ行く前に就職先を決めてしまう修習生もいますから、最後の試験の成績を見てから声をかけるなんて悠長なことは裁判所もやってられません。もちろん成績は大前提ではありますから、司法試験の点数くらいは見ていますが、人物を見るウェイトは、昔よりもはるかに高まっていると思いますよ。 ――裁判官は法廷で名前も顔も、被告やその家族に知られます。逆恨みをされて嫌な思いをされたりすることなどはありますか? 原田 被告から脅迫状めいたものをもらったことはありますよ。 ●批判されやすい無罪判決 ――足利事件の菅家利和さん、厚労省の村木厚子さんの事件などで、えん罪は社会的にも注目されていますね。 原田 裁判は証拠で争うものです。「証拠から合理的に判断すると、この被告は犯人じゃない可能性がある」と裁判官が思うような立証しか、検察ができていないのであれば、無罪にしなければいけません。つまり、「合理的疑いを差し挟む余地がない」だけの立証を検察ができないのであれば、有罪にしてはいけないのです。無実の人に刑罰を科すことは、同時に真犯人を野放しにすることにもなります。 ただ、無罪判決を出しやすい裁判官は、批判の対象になりやすいんですよ。「言い逃れをする被告人を、きちんと有罪にしてほしい」という思いが社会には根本的にありますから、社会の敵を野放しにしていると見られてしまうのです。菅家さんのような悲惨な例が出てきて初めて、えん罪の存在を社会は知るのです。無罪判決が多い裁判官は変人扱いですよ。 ――日本の刑事裁判の有罪率の高さから考えると、確かに原田さんは異色の裁判官と見られるかもしれません。平均より多くの無罪判決を出すことで、どこからか不当な圧力をかけられたりということはありませんでしたか? 原田 実は世間の人が思うよりも、はるかに裁判官は自由なんです。民間企業のサラリーマンなら指揮命令系統がはっきり決まっていて、上司の許可がなければ、ものごとを判断できませんよね。検察もそうです。でも、裁判官は違います。新人といえども、上司の指導を仰ぐことはあっても、判断は自分でします。所属する裁判所に対して、判決内容の事後報告すらしません。裁判官は本当に政治からも捜査機関からも、そして他の裁判官からも完全に独立した存在ですから、不当な圧力がかけられるということはありません。 ――厚労省の村木さんの事件では、検察調書のねつ造が問題になりましたね。検察調書がねつ造されたものかどうかというのは、裁判官にはわかるものなのでしょうか? 原田 検察官が自分の意見を押しつけているな、という印象を受ける調書は確かにありますね。被告に有利な重要な証拠を1審で出さず、控訴審になって、裁判官から要求したら出してきた、ということもあります。ただ、私が逆転無罪にしたケースは、やっぱり被告本人が無罪を主張しているケースが多いんですよ。最初から一貫して無罪を主張しているケースもあれば、自白調書を取られているのに、控訴審から無罪を主張し始めたケースもあります。前者は自白調書すらない。後者は自白調書はあるけれど、やっぱり自分はやってないと主張している。そうなると、どちらにしても客観証拠の問題になるんです。 ――一方、前出の菅家さんの事件では、被告である菅家さんは、自分が犯人ではないのに、犯人だと言ってしまっていました。こうしたケースはよくあるのですか? 原田 ごく普通に生活している人にとってはピンとこないかもしれませんが、警察、そして検察の取り調べを受けると、多くの被告は極限状態に追い込まれます。そうなると、被告は自分に不利なことでも事実と異なる証言をすることがあるのです。 「いくら事実を話しても検察が取り合わず、検察の作文で作成された調書への署名を強要されて反論する気力を失う」 「絶望する」 「執行猶予が付くことは確実だから、認めてさっさと終わらせたい」 などなど動機はさまざまです。弁護士すら自分の無実を信じてくれず絶望する、ということもあります。でも、そのままでは真実は闇から闇に葬られてしまいます。 そもそも裁判官と被告人は最もコミュニケーションを取ることが困難な関係にあるのですから、少しでも被告が法廷で真実を話す環境づくりができれば、より真実に近づけるんじゃないかと。 被告のウソを見破る ――被告が、自分が犯人ではないのに犯人だとウソをついているというのは、どのように見破るのですか? 原田 ある裁判で、権利告知をしたら、被告はあっさり「自分は犯人である」と認めました。でも、席に戻ろうとする被告人ののど仏が異常に上下するのを見て、不審に思いました。そこで、もういちど証言台に戻らせて本当に犯人なのかと聞いたら、しばらく黙っていたけれど、犯人ではないと言いだしたことがありました。 そのときの弁護人は国選だったんですが、弁護人もびっくりですよ。だからあらためて期日を入れ、審理を尽くした結果無罪になり、検察側の控訴もなく確定しました。この事件は詐欺事件で、凶悪犯罪ではなく、執行猶予が付くことはほぼ確実でしたので、被告人は安易に認めてしまったようです。このときまでは、私も、「あなたには黙秘権、つまり自分に不利だと思う質問には答えないでよいという権利があります」と告げる権利告知に特別神経を使うということはしていませんでしたが、この事件で権利告知の重要性を痛感しました。 (構成=伊藤歩/金融ジャーナリスト) ■おすすめ記事 野村社員「部下は監禁・罵倒し、顧客に損さてもノルマは死守」 サイバーエージェント、ネット風評対策サービスを開始 日本では報じられない、イチロー移籍の本当の理由とは? 「納期は死守!」アップルを支える過酷な生産現場 トヨタにドコモ、日立も 中国系ファンドに買われた日本企業238社の行方「Thinkstock」より
司法はいったい誰の味方? 被害者の個人情報を加害者に開示してしまう裁判所の愚行

ブログ作成者が使っていたIPを管理する企業に
接続業者から届いた同意を確認する通知文書。
請求者名に野村総研代理人の名前があるのがわかる。
本サイトでもたびたび報じてきた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」(記事参照)。日本を代表するシンクタンク企業、野村総合研究所(以下、野村総研)の元上海支社副社長のY田氏が、取引先の女性社員に強引に性行為を迫るなどのわいせつ行為を働き、被害者女性の友人有志らがこれをブログなどで告発したところ、野村総研側は「ブログの内容はデマで名誉棄損」として、被害者女性本人を相手取り、1,000万円の損害賠償訴訟を昨年5月に提訴。ところが、女性本人はブログ作成に一切関わっていないため、今回の提訴が「素人女性の恫喝を目的とした典型的なブラック企業の手口」(ブラック企業アナリストの新田龍氏)として一部から批判を呼んでいる。
よりによって被害者女性を被告に立てて訴訟を始めてしまった野村総研だが、その裁判が提訴から9カ月経過した今も一向に進展していないのは前回報じた通り(記事参照)。行き詰った野村総研側の弁護士が、今度はブログ作成者のIPアドレス開示を求める裁判を別途起こし、これを認める判決が先ごろ出てしまったことから、問題が「企業幹部の性犯罪」から「個人情報の開示」へと飛び火する騒ぎとなっている。
一般に、ネット上の個人情報の開示については、いわゆる「プロバイダ責任制限法」に基づき、記載内容が事実誤認で関係者の権利が侵害されたことが明らかな場合などに原則的に限られている。開示までの流れはおおむね以下の通りだ。
まず、情報請求者がブログ作成者の情報開示を求める場合、ブログサービスを提供している会社(例:Yahoo!JAPANや楽天、Amebaなど)にIPアドレスの開示を請求する。多くの場合はこれが拒否されるため、請求者はサービス提供会社を被告に立てて開示請求の訴訟を起こし(現状は、まずは仮処分の申し立てを行うのが一般的)、権利侵害が明らかであることが立証できれば、裁判所はサービス提供会社に対してIPの開示命令を出す。
IPを開示してもらった請求者は、次にこのIPを解析して接続業者(プロバイダ)を独力で探し出す。接続業者にたどりつけたら、「このIPの人物の住所・氏名を教えなさい」とする通知を送付。これを受けた接続業者は、ブログ作成者本人に「こういう通知が届いていますが同意しますか」と通知する。たいていはブログ作成者がこれを拒否するので、次に請求者は接続業者を被告に立てて、前回と同様に開示請求訴訟を起こす。裁判所が「権利侵害が明らかである」ことを認めれば、個人情報は開示されることになる。ちなみに今回の場合は、接続業者からブログ作成者が使っていたIPを管理する企業に同意を確認する通知が届いた段階だという。
以上は簡単な流れだが、肝心なのは、プロバイダ責任制限法で開示を認めている基準は、記載内容が事実誤認であるなどして、権利侵害が明らかな場合に限られるという点だ。仮に、野村総研のY田氏が、身に覚えのない性犯罪行為をデタラメに書かれたのであれば、権利を侵害されたとしてIP開示は当然だろう。今回のブログはその点でどうなのだろうか。作成に携わった一人は「全て事実」と断言する。
「あそこに書かれているのは、野村総研に対して照会確認までしている事実や、すでに裁判やニュースで公になっている情報を転用したものです。今回、裁判所がIP開示を認めたということは、書かれている内容が事実誤認で野村総研の名誉を棄損していると認めてしまったことになります。裁判所は性犯罪被害者より、加害者である大企業の味方なのでしょう。そもそも、今回の個人情報の特定も目的が見えません。なぜなら、我々は最初から連絡先住所も明記した上で野村総研に通知書や照会確認書を送っていますし、反論があるならそこへ対して訴えるようにも通知しているんです。それもしないでおいて何をしたいのか。要するに、個人への嫌がらせをしたいだけなのでしょうね」
それにしても、裁判所はなぜあっけなく開示を認めてしまったのか。今回の訴訟を見続けている司法関係者も、この裁判所の判断を「ありえない」と否定的だ。
「IP開示を認めたということは、ブログが野村総研の名誉を棄損していると裁判所が判断したことになるわけですが、本筋の裁判でまだ結論も出ていないどころか、裁判長に"注意"まで受けるほど野村総研側が追い詰められている段階なのに、ここで開示を認めてしまうのは一般的な感覚から見てもおかしい話です。ましてや、今回のように企業幹部の性犯罪が告発されているような場合は、個人情報の開示には慎重になるべきです」
ここでいう、野村総研が裁判長から受けた"注意"とは何なのか。先の傍聴人が公判の模様を説明する。
「野村総研はブログの内容が事実誤認だとして訴訟を起こしたのだから、さっさと『ここがデマだから立証しろ!』と攻撃すべきなのに、その指摘を全くしない。理由は明らかで、ブログの内容が全部本当だからでしょう。被告側が証拠をそろえているのを勘づいているので、『立証せよ!』なんていって本当に立証されたら困るわけです。かといって今さら裁判を取り下げることもできない。完全に手詰まりの中で、前回公判では、野村総研の代理人の森・濱田松本法律事務所の高谷知佐子弁護士が、見かねた裁判長から『このままでは裁判は継続できませんよ』と、異例の注意まで受けています。つまり、ブログの中身はそれほど信憑性が高いということです」
そうした中で野村総研側が苦し紛れに起こしたIPの開示訴訟を、"もう一つの"裁判はあっけなく認めてしまったわけである。開示基準はいったいどこにあるのか。プロバイダ責任制限法に詳しい別の弁護士は、同法のあいまいさを問題視する。
「『権利侵害が明らかな場合に開示は認められる』といいますが、何をもって権利侵害というのかという基準がすごくあいまいなんです。ひどいストーカー被害を何年も受けている女性の開示請求を認めないこともあるのに、今回みたいに性犯罪行為を繰り返す側に、あっけなく開示してしまう場合もある。しかもそういうパターンが増えています。裁判所でも法の運用が固まっていないんですよ。特に最近はネット掲示板やSNSなどの書き込み被害が多いので、一部の裁判官たちの間でネットへのイメージが悪化していて、開示のハードルが下がっている。結局は裁判官の個人的な心証で決まってしまう場合が多いんです」
たしかに、デマや誹謗中傷で特定の個人を貶める行為がネット上に氾濫していることは大きな問題だが、今回のように裁判官の個人的な心証で簡単にIPが開示されてしまうのであれば、社会的立場の弱い個人が巨悪を告発する道が閉ざされることにもなりかねない。根拠となる法律の解釈が極めてあいまいである現状について、行政はどう考えるのか。プロバイダ責任制限法の監督官庁である総務省に聞くと、なぜか終始半笑いの答えが返ってきた。
「そうですねぇ(笑)、情報開示については裁判所のご判断ですので......(笑)。法解釈のあいまいさが指摘されていると言われましても、うーん、まぁ、さようでございますか、としかお答えのしようがないといいますか(笑)」(消費者行政課)
司法も行政も、守るべき対象と基準を見誤っているのではなかろうか。
(文=浮島さとし)
野村総研の提訴は被害者女性への恫喝が目的? 公判3回目も具体的主張はゼロ

公判が開かれた東京地方裁判所
(Wikipediaより)。
日本を代表するシンクタンク「株式会社野村総合研究所」(以下、野村総研)の上海支社副社長(当時)が2007年12月、取引先企業の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働いた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」(※記事参照)。被害者女性の友人有志らがこれを告発したところ、野村総研が名誉を棄損されたとして、この友人の一人と被害者女性に1,000万円の損害賠償を求める"逆ギレ提訴"をした裁判の第3回公判が、11月18日東京地裁で開かれた。裁判までのいきさつは以下の通りである。
07年の事件発生以来、被害者女性の友人らはその女性が受けた強制わいせつ行為の他にも、他の女性らが元上海支社副社長から受けた過去の強姦や強制わいせつ、さらには業務上の背任未遂、脅迫行為、上海ミスコン出場者の個人旅行への同伴要求、マカオでの集団買春などの行いを、一次証言を元にブログや文書を通して厳しく批判してきた。
これに対し野村総研側は、こうした批判行為による「有形無形の損害」(訴状より)が「少なくとも1,000万円を下らない」(同)として、1,000万円の損害賠償を求める民事訴訟を今年5月に提訴したのである(※記事参照)。
一般に裁判で名誉棄損を主張する場合、原告は被告の主張が事実と反していることなどを指摘し、その上で賠償額を積算して請求するのが基本。これに対し、訴えられた被告は自身の主張の正当性を、証拠をそろえて立証するというのが基本的な流れだ。ところが、今回の裁判では、野村総研側が本来すべきである原告としてのそうした指摘をほとんど行わないため、裁判が一向に進まない状況にあるのだという。1回目の公判から傍聴を続けている関係者は言う。
「本来、原告の野村総研側が取るべき態度は『強制わいせつは事実ではない。もし事実と言い張るなら立証しろ』とか、『業務上の背任行為なんてうそだから証明せよ』とか次々に指摘して、それに対して被告が証拠をそろえて立証し、それを裁判官が判断して黒白つけるというのが流れなんですが、今回は野村総研がそうした具体的な反証をほとんど行っていないんです。だから被告も、訴訟を起こされただけで、裁判所で何もやりようがないという、異常な状態が続いているわけです」
また、企業犯罪に詳しい都内法律事務所のT氏は、野村総研が訴状の中で、元上海支社副社長の潔白を、積極的に主張してきていないことにも注目している。
「本来なら『事実無根だ!』と強く主張すべきところなんでしょうが、一切していません。野村総研の主張をかみ砕くと、『事実かどうかもまだ分からないのに、決まったかのような表現は世の中に誤解を与える。だから名誉棄損だ』と、恐ろしく弱気なんですね(笑)。おそらく、被告側が証人や証拠をがっちり押さえているのを知っているので、立証しろなんて言うと本当に立証されてしまうと恐れている。なので、この時点で『やりました』と言ってるようなもんですけどね」
野村総研側がこれまで行っている唯一の反論らしい行為として、元上海支社副社長の行為を被害者側が告発し続けてきたブログのプロバイダー「livedoor」に対して、「当社を『強姦企業』などの過激な言葉で不当におとしめて」いるなどとして削除要請を行い(livedoorは9月に削除)、その後、同様のブログをアップしているもうひとつのプロバイダー「FC2」(拠点はアメリカ)にも同じく削除要請を行っている(現在も運営中)。
であるならば、裁判の過程でも「ブログのどの部分が事実と反するか」を指摘すべきところであるが、これについても過去2回の公判では、なぜか一度も主張がされていない。注目された3回目も新たな主張や証拠は一切示されることはなかった。傍聴席にいた他の関係者があきれ気味に言う。
「性犯罪行為を批判されたら『うそつきだ! 名誉棄損だ!』と逆ギレして裁判を起こし、かといって裁判で『事実無根だ』とも主張しない。この野村総研の弁護士はいったい何がしたいんでしょうか(笑)。裁判が始まって半年近く経つのに、具体的な指摘すら何ひとつ出せない。この時点で犯罪を認めていると言われても仕方ない」
ここでいう「野村総研の弁護士」とは、当サイトが先日「オリンパス代理人の"あの"弁護士に市民団体が懲戒請求!」で報じた高谷知佐子弁護士(※記事参照)のことである。日本の四大法律事務所のひとつと呼ばれる「森・濱田松本法律事務所」(東京都千代田区丸の内)において会社法務を専門としているが、記事にあるとおり市民団体から懲戒請求が出されるなど、その強引な手口はしばしば注目を集めてきた。同じく高谷氏が代理人を務める光学機器メーカーのオリンパスが、高裁判決で先ごろ敗訴となった際には、産業医を悪用した高谷氏の手法に関係者が批判の声を上げている(※記事参照)。
また、野村総研が今回、一般女性を相手に1,000万円を求める訴訟を起こした行為そのものを批判する意見もある。公判に先立つ11月14日に、東京都の世田谷区議会へ「恫喝訴訟防止法案」の成立を求める請願が出されており(※記事参照)、請願の中で今回の野村総研の"逆ギレ1,000万円訴訟"が、恫喝訴訟の象徴的なサンプルとして紹介されているのである。
恫喝訴訟とは、資本力のある大企業などが不都合な事実を隠ぺいするために、社会的に立場の弱い個人への嫌がらせを目的に起こす高額な損賠賠償訴訟を指す。訴訟の勝ち負けにかかわらず、多額の訴訟費用や精神的苦痛により、被告は窮地へ追い込まれることになる。海外では多くの国や地域で規制法が制定されているが、規制がない日本では事実上の野放し状態となっている。
同請願を中心になって進めた、「みんなの党」の衆議院東京都第6区支部長の落合貴之氏は、「今回の請願で(野村総研などの)具体的な事例の存在を知り、問題の根深さを再認識している。今後も国に働きかけていく」とコメント。野村総研が被害者女性に1,000万円の損害賠償を恫喝的に求めるという一連の行為が、政治の世界でも注目され始めていることをうかがわせた。
■裁判官の弁護士事務所への天下りは当たり前!?
いずれにせよ、原告が具体的な主張を一切しないために進展しないこの裁判。そんな中で興味深い(?)"事件"がひとつ起こっていた。被告が裁判書面の中で、一部の裁判官らが「森・濱田松本法律事務所」に天下っている実態を指摘し、この構造を高谷弁護士が裁判進行に利用しようとしていると疑義を呈したのだが、その際に被告が根拠として添付した報道資料が、当サイトが10月3日付で報じた記事「グルになってダマす!? 弁護士と裁判官の"不適切な"関係」だったのである(※記事参照)。以下、被告の裁判書面から関係する部分を抜粋する。
「原告の代理人の森・濱田松本法律事務所の高谷知佐子については、報道資料(乙26)の通り、大手法律事務所への裁判官の天下りをちらつかせ、不当に司法の公正さを歪め、利得を得ようとした実態が報道されている」
ここでいう報道資料「乙26」がサイゾーの記事というわけだが、原告側はこれに対し、書面の中で「裁判官の優遇を得るために天下りをしている実態はない」と陳述。この表現が天下りそのものは否定をしていないとも受け取れるためか、裁判官から「今回の公判とは直接関係性がない」との要請で、疑義・陳述ともに削除されている。これについて、ある法律関係者は「削除の要請は裁判ではよくあること」としながら、「できれば今回は削除してほしくなかった」と説明する。
「裁判所では毎日、膨大な数の事件を扱っていますので、問題を広げすぎると事件を裁ききれない。だから、ちょっと本筋とズレたことが書面にあると、どんどん削られます。結果的に、訴状に残された狭い範囲の論点に絞ってやり合うことになる。でも本来、それでは事件の本質は見えてこない。今回で言えば、大手法律事務所への裁判官の天下りは公然の事実ですし、実際、原告の陳述は『便宜はないけど天下り自体はある』と受け取れる内容です。削除するほど関係ない話ではないとも言えます」
また、別の法曹関係者は司法の権威に関わるより深刻な問題点を指摘する。
「高谷氏は今回の裁判で、実は弁護士としての仕事を全然していません。他の弁護士から笑いものになっているとのウワサも耳にします。ただ、訴訟を起こして時間を稼いでいるだけで、5カ月も経つのに何ひとつ立証していない。こういうふざけた行為を横行させないために『裁判迅速化法』があるのだから、本来なら裁判官の権限で即日棄却されてもおかしくない。それができないのは『森・濱田松本』が業界最大手だからと見られても仕方ありませんよ」
それにしても、野村総研は仮にも1,000万円もの損害賠償金を一般女性に要求している以上、事実関係の立証に、いいかげん本気で取り組む姿勢が求められるだろう。先の傍聴人が「何がしたいか分からない」と指摘した通り、このままでは被害者女性を追い詰めるための「恫喝訴訟」と取られても仕方がない。次回12月2日の公判における野村総研弁護団の動きが注目される。
(文=浮島さとし)
グルになって原告をダマす!? 弁護士と裁判官の"不適切な"関係

東京地方裁判所。裁判官自ら同所内を
ガイドしてくれるツアーも実施している。
(画像はウィキペディアより)
「あなたね、私にこの証拠資料を全部読めって言うんですか? そんな暇ないですよ! 和解って言ったら、和解なんですよ!」
数年前にA氏(原告)が不当配置転換取り消しを求めて、勤務先である某大手メーカー(被告)を相手に起こしたある民事訴訟。A氏は、第1回と第2回口頭弁論の間に行われた裁判官、原告、弁護士による会議(後述参照)で、裁判官から和解を促されたが、「何とか判決を出してほしい」と嘆願していた。すると裁判官がバンバン机をたたきながら声を荒げ発したのが、冒頭の言葉である。A氏はその姿を見て、それまで抱いていた「冷静かつ公平な裁判官」というイメージが、一気に崩れたという。
ローソン子会社訴訟(5月判決)【註1】、JR西日本訴訟(7月判決)【註2】、オリンパス訴訟(8月判決)【註3】など、社員が勤務先の会社を相手に起こした民事訴訟で、原告側が勝訴する例が相次いでいる。しかし、これらのように原告の主張が認められ無事勝訴に至ることは未だに少なく、「その裏では、多くの原告が不条理ともいえる裁判の犠牲となり、泣き寝入りを強いられるケースが多い」(労働組合幹部)という。
その実態を探るため、前述のA氏の民事裁判を取材すると、そこには、裁判官と弁護士の"不適切"ともいえる関係が垣間見えてきた(なお、A氏のプライバシー保護のため、以降、一部曖昧な表現があることをご容赦いただきたい)。
まず、この裁判が始まって間もなく原告のA氏は、依頼人であるA氏の意向をことごとく無視する弁護士の姿勢に疑念を抱いたという。
「私の主張は、とにかく会社が私に行った一連の非人道的な行為の非を認めてもらいたい、不当配置転換を取り消して欲しいという点だけでした。ですので、それをA社が認めない限り、和解【編註:原告側と被告側が互いに譲歩し、争いを止める合意をすること。勝訴/敗訴の判決は出ない】などで妥協する気はまったくありませんでした。もちろん弁護士にも、その強い意向を伝えていましたが、弁護士はことあるごとに私に、『訴訟が公になったことで、あらぬ風評被害を会社側へ与え、ブランドを傷つけたことを詫びる』『配置転換を受け入れる』『和解金は受け取らない』という一方的に会社側が有利な内容で和解をするよう促してきました」(A氏)
こうして、原告と弁護士の意思疎通がぎくしゃくしたまま始まった裁判の途中で、弁護士は原告に対し、「和解は判決で勝訴を得るためのステップですので、戦略的に一旦和解しましょう」と提案してきた。A氏は「判決での勝訴を目指すのであれば」と、弁護士の言葉を信じて、その方向で裁判は進んだが、のちに弁護士は信じられない行為に及んだという。
「実は弁護士が和解して裁判を終わらせようとしていたことが判明し、弁護士に抗議しましたが、なんと弁護士は私の許可なく勝手に和解案を作成して、裁判官にFAXで送付するという暴挙に出たのです【編註:民事訴訟法上、和解が成立した時点で裁判は終了してしまうため、「和解成立後に再度判決を得るのは、実務上極めて困難」(労働問題に詳しい弁護士)】。正式な和解申し入れではなかったため、結局成立には至りませんでしたが、自分の味方をしてくれるはずの弁護士、裁判官、そしてもちろん被告側の全員が敵だと分かったときは、本気で自殺を考えました」(A氏)
そしてA氏は裁判を通じて、裁判官の驚くべき実態も知ることになる。
民事裁判は、原告と被告、及び両者の弁護士が裁判官をはさみ、法廷で主張や事実内容を争う「口頭弁論」が数回行われた後、最後の口頭弁論=結審を経て、通常その1〜2ヵ月後に判決が出される。実際にはその口頭弁論とは別に、法廷外の会議室などで、裁判官、原告、弁護士で裁判の争点や証拠の整理を行う会議(弁論準備手続きなど。通常、原告側と被告側に分けて別々に実施される)が開催される。第1回と第2回口頭弁論の間に実施された最初の会議で、裁判官もA氏に対してしきりに和解を勧めた。しかしその内容は、「配置転換を受け入れる」など到底合意できない内容であったため、A氏は和解ではなく判決を出してもらうよう求めたときの光景は、すでに冒頭で述べたとおりである。
「弁護士の『一旦和解』という偽りの戦術に乗ってしまったため、原告と被告双方が和解する前提で裁判が進み、結審を迎えようとしていました。しかし、弁護士にだまされていたことに気づいた私は、結審数日後に開かれた最後の会議で、和解を拒否し判決を求めたため、会議は大混乱となりました」(A氏)
A氏の話をもとに、その混乱模様を以下に再現してみよう。
裁判官(以下、裁)「それで、やはり和解はしないのですか?」
弁護士(以下、弁)「Aさんも十分に言いたいことは言いましたし、反省もしていますので、和解ということで......」
Aさん(以下、A)「ですから、和解はしません。判決を出してください」
裁「(裏返った声で)わがままを言うのも、いい加減にしなさい!」
弁「(Aをにらみ、机をたたきながら)ですから、和解! 和解しかないんですよAさん!」
A「裁判官、この人は私のただの代理です! 話を聞く必要はまったくありません! 今ここでクビにします! 私の話だけを聞いてください!」
弁「結構です。私は代理人を降ろさせていただきます!」
裁「(弁護士をにらみつける)」
弁「いや、ですから、そう意味ではなくて、降りるというのは撤回します......」
その後弁護士は、原告が裁判当初から何度も「払わせてくれ」とお願いしても、なぜか受け取りを拒んでいた着手金を、判決日直前にいきなり請求し、判決日の法廷に姿を現すことはなかった。もちろん判決の結果はいわずもがなであった。
ちなみに後日、裁判所に提出した証拠資料などを別の弁護士に見せたところ、「和解前提ではなく、判決で勝訴を得るための戦術を立てて普通に戦えば、間違いなく勝てたでしょう」と言われたという。
■大手弁護士事務所は裁判官の"天下り先"!?
それにしても、なぜ裁判官と弁護士が一緒になって原告に和解を迫るなどという事態が起こるのだろうか? 不当解雇などの労働法関連の裁判に詳しい労働組合幹部と、企業のコンプライアンス制度に詳しい経営コンサルタントに尋ねると、「よくあることですよ」と口をそろえ、その理由を教えてくれた。
「社員対会社というA氏の事例のような労働法関連の裁判は、社員側が勝訴になる確率が低い上、たとえ勝訴しても賠償金は数百万円程度なので、弁護士にとってみればたいしたカネになりません。また、勝訴しても被告が控訴すれば、再びカネにならない裁判が延々続くので、判決まで行かずにさっさと和解で終わらせてしまった方が都合がいいのです。一方の裁判官も、労働法がらみの裁判は、判決を出しても負けた方が控訴するケースが少なくなく、控訴審で自分の判決を覆される可能性も出てくるため、できるだけ判決を出さずに済ませたい。結果として、裁判官と弁護士の利益が一致してしまうのです」(同労働組合幹部)
これでは、双方の弁護士と裁判官がグルになって、原告の訴えを潰そうとしていると言われてもおかしくない。そもそも、原告の利益を最大限優先するのが弁護士の使命ではないか?
「弁護士も裁判所あっての弁護士ですから。特に経験の浅い弁護士は、裁判官の機嫌を損ねてしまうと、裁判で必要以上に書類提出を求められたり、しつこく書類や手続きの不備をネチネチ指摘されたりといった意地悪をされてしまいます。また、裁判官の間で『アイツは勝たせてやらない』と裏でささやかれ、以降の裁判でなかなか勝てなくなってしまうこともあります」(同経営コンサルタント)
まるでテレビドラマでよく見る、お局様が新人OLをイジメる風景とまったく変わらないではないか......。
上記のような実態は果たして本当なのか? 裁判所職員OBのB氏に尋ねてみると「まー裁判官も人間ですからね」と答え、その背景にある現行の司法自体が抱える問題について説明してくれた。
「00〜10年の間、合格者の大幅増を目的のひとつとした新司法試験制度(06年開始)の影響もあり、弁護士の数は1.7倍に増えた一方、裁判官は1.3倍しか増えていません。加えて、06年以降消費者金融への過払い請求訴訟が急増し、扱わなければならない裁判の件数は、完全に裁判所の処理能力を超えています。例えば東京地裁の裁判官は、結論(判決、和解など)を出さなければならない事案が1人あたり月間平均40件もあり、みなさん土日も出勤して判決文を書いたりしています」
B氏によると、このように裁判官が激務を強いられている現状が、裁判官と大手弁護士事務所の癒着を生み出していると指摘する。
「はっきり言うと、裁判官は証拠資料をすべて読む時間的な余裕がないので、今回のAさんの裁判のように、原告と被告の主張が真っ向から対立する場合、会社側の代理人に大手弁護士事務所の弁護団がつくと、『大手だから信用できるだろう』と、安易に会社側の主張や証拠資料に基づいた事実認定【編註:証拠に基づき、判決を出すための事実を認定すること】を進めてしまいやすい。そして大手弁護士事務所側は、事務所のブランド力を高めるために毎年定年後の裁判官を一定数受け入れていますが、裁判を有利に進めるため、裁判官に定年後の"見返り"をちらつかせることもあります」
B氏によると、意外とこの方法は効くという。
「定年がない弁護士や、将来ヤメ検弁護士として活躍する道がある検察官と違い、裁判官の定年後の選択肢は狭い。そんな彼らにとって、大手弁護士事務所は、数少ない"おいしい"再就職先のひとつ。恥ずかしい話ですが、"天下り先"に目がくらみ、裁判官が裁判の過程でいろいろな手心を加えてしまうケースがあることは否定できません」
これから訴訟を起こそうと考えている人たちは、よく肝に命じておかなければならない。野田佳彦総理の大好きな相田みつを氏の言葉を借りるまでもなく、「"裁判官だって"人間だもの」という事実を。
(文=編集部)
【註1】 ローソンの完全子会社、九九プラスが運営する安売りコンビニエンスストア「SHOP99」の元店長が、権限のない「名ばかり管理職」として残業代なしの過酷な長時間労働で健康を壊したとして、未払い残業代と慰謝料の支払いを求めた訴訟。
【註2】 JR西日本が業務でミスをした運転士らを対象に行った「日勤教育(通常勤務から外れ、再発防止を教育する取り組みの通称)」で精神的苦痛を受けたとして、同社の運転士と車掌計258人が、同社に対し、損害賠償を求めた訴訟。
【註3】 社内のコンプライアンス窓口に通報したため不当に配置転換されたとして、オリンパスの社員が配転の無効確認などを求めた訴訟の控訴審。
パフォーマンスの勝利か 東村山「セクハラ捏造・職業差別」を仕掛けた市議が再選

"風俗マニア"呼ばわりされた薄井政美氏。
東京・東村山市で起きた「セクハラ捏造・職業差別事件」から、早くも4年が経過しようとしている。この事件は2007年春、同市議の矢野穂積氏と朝木直子氏(草の根市民クラブ)が、新任市議の薄井政美氏が以前、風俗店や飲食店の情報などを扱う出版社で編集等の仕事をしていた職歴を取り上げ、「超セクハラ」「風俗マニア」「女性蔑視」「違法セクハラ活動家」などと攻撃したことに始まった。だが、薄井氏自身が違法および公序良俗に反するような行為をした事実は一切無く、矢野氏と朝木氏による事実無根の言い掛かりであることは明らかだった。
これに対して、08年4月に薄井氏は根拠のない誹謗中傷によって名誉を棄損されたとして、矢野氏と朝木氏に対して損害賠償などを求める裁判を起こした。そして、10年3月8日、東京地裁立川支部は矢野氏と朝木氏に200万円の損害賠償と矢野氏自らが運営するFMラジオ局での謝罪放送などを命じる、薄井氏勝訴の判決を下した。
これを受けて、矢野氏と朝木氏はただちに控訴するも、11年3月16日、東京高裁もまた矢野氏と朝木氏に対して100万円の損害賠償などを命じる判決を言い渡し、薄井氏の主張をほぼ認めた。どこから見ても、矢野氏と朝木氏の敗訴であることは明白だった。
ところが控訴審判決後、矢野氏と朝木氏は自らが運営するサイト「東村山市民新聞」において、「『エロライター』裁判で、薄井市議が、東京高裁でまた敗訴!」などという奇妙な記事をアップする。その記事を読むと、薄井氏が裁判で主張した数多くの矢野氏と朝木氏によるものとされる誹謗中傷の類についての、裁判所によるこれまた数多い判断の中の「『まるでエロライター』等の記事は名誉毀損にはあたらない」という、ごく一部分だけを取り出して「薄井は敗訴した」などと、まったくの虚偽のプロパガンダを行った。
しかも、矢野氏と朝木氏は「薄井は敗訴」とアナウンスしているにもかかわらず、この裁判では控訴審判決後に上告していたことも判明した。なぜ相手が「敗訴した」のに上告するのか、実に奇妙奇天烈と言わざるを得ない。
実はこの矢野氏と朝木氏、議会ではあれこれといわく付きの人物で、ほかにも自らに対して議員辞職を求める請願を出した市民を裁判に訴える行為も行っている。これはいわば、市民の当然の権利である請願に対して因縁まがいの言い掛かりをつけているに等しい。
また矢野氏と朝木氏は、最近特にその名が知られるようになった民族派を自称する一派、すなわち、在日特権を許さない市民の会(在特会)や、主権回復を目指す会、日本を護る市民の会(日護会)などといった団体とそのメンバーが、矢野氏と朝木氏による間違った主張をそのまま街宣活動などの際に繰り返したり、主張に従って行動したりする例が何度も確認されている。
そしてこの矢野氏および朝木氏、先の統一地方選において、東村山市議として再選を果たしてしまった。一方、両氏から言いがかりともいえる「セクハラ捏造・職業差別」を吹っかけられた薄井政美氏は次点で落選するという結果になったのである。
すると、両氏の再選について、保守・民族派を自認し、自らジャーナリストと称する瀬戸弘幸氏が、自身のブログ「日本よ何処へ」において、「創価の牙城で草の根会派が議席を死守」というエントリーをアップ、矢野氏と朝木氏の再選を「ご当選おめでとう御座います。今後のご活躍を期待しております」などと絶賛。「4年間に及ぶ汚い攻撃に遭いながらも、正義を貫き反創価学会の旗を鮮明に揚げ続けて来た事が多くの市民の共感を得たものと思います」とコメントした。
だが、この数年にわたり、矢野氏と朝木氏が具体的に創価学会を糾弾するような活動をしたという形跡は一切無く、「両市議の反創価学会というアナウンスは、単なる人気取り」という声が少なくない。
実際、草の根会派、特に矢野氏は人目を引くパフォーマンスにたけており、つい最近も「私は『原発いらないネット東村山』代表として、原発事故の記事が新聞に出るたびに、地元FMラジオ局のニュース解説番組『ニュースワイド多摩』で、原発は不完全な商品、廃棄物処理ができない『トイレのないマンション』、『高速道路を暴走するブレーキのない車』だと、繰り返していい続けてきました」などと発言している。
しかし、地元住民に聞くと、「矢野さんが反原発なんて言ったのは聞いたことがない」という声がほとんどで、実際に矢野氏がそのような発言をした形跡もまた、まったく認められない。そもそも、『原発いらないネット東村山』なる活動も、その実態がどこにも確認できない。
矢野氏はほかにも、『宗教法人問題を考える草の根市民の会』『東村山市民オンブズマン』『ストップ!ザ「政教一致」市民実行委員会』その他にかかわっていると自称しているが、いずれも活動実態があるかどうか、まったく分からないものばかりである。
さて、いかに疑問符が多く付せられる人物であっても、当選してしまえば「議員」という地位と権力、そして非常に安定した身分が与えられてしまうのが日本の現状である。こうした現状をどう理解するかは、今後の課題ともなろう。
(文=橋本玉泉)
大阪地検FD改ざん事件 震災報道の裏で検察が繰り広げる"茶番劇"

日本中の関心が震災の被災者と原発事故に集まり、大手メディアの報道もが震災一色になっている裏で、とんでもない茶番劇が繰り広げられている。
それは、厚労省元局長の村木厚子さんが逮捕・起訴された郵便不正事件の捜査の主任検事で、押収証拠のフロッピーディスク(FD)を改ざんしたとして証拠隠滅罪で逮捕・起訴された前田恒彦元検事の裁判だ。
大阪地裁で行われている裁判で、前田元検事は起訴事実を認めたため、裁判は2回の公判で結審。検察側は、懲役2年を求刑した。これは証拠隠滅罪の上限。震災の真っただ中で、多くのメディアはこの部分しか報道せず、検察側が厳しい対応をしているような印象を受けている人も少なくないだろう。
ところが、実際に裁判を傍聴していると、検察側は矛盾に満ちた説明をする前田元検事を追及するわけでもなく、実に予定調和的な、もっと率直に言えば、出来レースとしか思えないような対応をしている。
改ざんしたFDは、公的証明書を偽造して自称障害者団体「凛の会」に渡した厚労省元係長の自宅で押収された。そこに保管されていた証明書のデータの最終更新日時は「2004年6月1日午前1時20分6秒」となっていた。この日時は、元係長本人の記憶とも合致している。
一方、検察の筋書きでは、元係長は6月上旬に村木さんの指示を受けてから作成した、ということになっていた。FDによれば、指示の前に文章は出来上がっていたことになる。にもかかわらず、前田元検事は「この証拠があっても、村木さんの関与を否定するものではない」と強弁する。
本来、このFDは事件に直結する重要な証拠で、裁判所に提出するか検察で保管し、弁護人にも開示しなければならないはずのもの。なのに前田元検事は、このFDを元係長に還付することにした。「このFDの証拠価値は高くないと思った」というのがその理由。
ところが、筋書きと矛盾するFDは「嫌らしい証拠」だとも思って手放したくなった、という。還付した後、元係長が後で更新日時などを見るかもしれない、と心配になり、改ざんを思い立った、と説明している。
大したことがない証拠なら、なぜ改ざんまで心配するのか。その点についての彼の説明は実に分かりにくい。
「村木さんの無罪を決定づける証拠ではないが、読みようによっては公判が紛糾することがありうる」
このような説明を、検察はちっとも追及しせず、被告人質問で全く問い正さない。
そして、自分のパソコンに外付けのFDドライブを接続し、ファイル管理ソフトを利用して、最終更新日時を「2004年6月8日午後9時10分56秒」とした。
これなら検察の筋書きに合う。元係長の弁護人がFDをチェックしても、その筋書きのおかしさには気づかない。かなり巧妙な改ざんだ。
しかし、前田元検事はそういう巧妙さは否定。「改変にあたって調書を読み返したわけでもなく、もうザクッとした改変になっています」という。
そんないかにも不自然な説明を、検察はこれまた放置した。
前田元検事は当初、書き換えは意図的な改ざんではなくミスによるもの、と嘘の弁明をしていたが、それは上司の指示だったと主張。改ざんに至る背景としても、上司が強気一点張りで、慎重な意見を述べると激しく怒る人であり、プレッシャーが大きかった、と述べている。そのために、FDの日付を巡る問題などは上司に報告せず、「(日付の問題が)発覚して上司の叱責を受けるのを避けたかった」というのも改ざんの一因だと説明している。
聞いていると、責任の一端を上司に転嫁しようとしているようにも思えてくる。しかし、この点について検察は目をつぶった。
なぜ、このようなことになるのか。
実は、この事件では検察側と被告人側の利害は一致している。FD改ざんはよくなかったが、それ以外の捜査や公判については、問題はないという前田元検事の主張は、事件をFD改ざんに矮小化して組織として行った行為の正当化を図りたい組織としては大いに助かる。さらに、前田元検事のFD改ざんを隠蔽したとして、上司2人が犯人隠避罪で逮捕されたが、2人とも一貫して否認。すでに起訴したこの2人を有罪に持ち込むためには、前田元検事は最も重要な検察側の証人となる。
そんなこんなで、検察側は前田元検事の主張を限りなく尊重してやる結果になる。
しかも、弁護側が請求した証拠の3分の2は、郵便不正事件の調書類。いずれも村木さんが関与しているという筋書きに沿って作られたものだ。村木さんの裁判で、証拠としての信用性がない、と判断されたものまで含まれている。検察は反対せず、裁判所が職権で拒否することもなく、すんなりと採用されてしまった。
おそらく、平時であれば大きく報道され、厳しい批判を受けることになるだろう。しかし今は詳しい裁判報道がないため、このような茶番劇が平然と行われている。
検察の不祥事を検察が糾弾できるはずもなく、最も解明されるべき、捜査や公判の問題点は放置されたままだ。それを、ほとんどの国民が知る術もない。そのことが本当にやりきれない。
(文=江川紹子)
不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』

初めて裁判所を訪れたタモツ(設楽統)は傍聴マニア(螢雪次朗)のレクチャーを受け、裁判の面白さにハマっていく。原作者の北尾トロ氏いわく「初めての傍聴は、窃盗など身近なものの初公判を選ぶとよい。殺人とか大変そうなものは避けたほうが無難」とのことだ。
(c)2010「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」
法廷映画と言えば、シドニー・ルメット監督の古典的名作をベースに現代ロシアの社会事情を盛り込んだリメイク版『12人の怒れる男たち』(07)、オカルト裁判の行方を描いた『エミリー・ローズ』(05)、現在も係争中の冤罪事件の真相に迫った高橋伴明監督の『BOX 袴田事件 命とは』(10)など緊張感溢れる第一級のサスペンス作品が並ぶ。裁く側、裁かれる側の生き様がぶつかり合うことから、脚本の構成力、監督の演出力、通常の映画よりもかなり多くなるキャスト陣の巧みな交通整理が求められるハードルの高いジャンルだ。そんな法廷ものの中に、裁く側でも裁かれる側でもない、第3の視点による新しい作品が誕生した。傍聴席に佇む傍聴人の立場から裁判を描いた豊島圭介監督の『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』がそれだ。面白そうな裁判を見つけては傍聴席に陣取る傍聴マニアのワクワク目線で、実際に起きた珍事件の数々をウォッチングしていく。
原作は傍聴ブームの先駆けとなった北尾トロ氏の『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』と続編『裁判長!これで執行猶予は甘くないすか』(ともに文藝春秋)。どちらも「裏モノJAPAN」(鉄人社)に連載されたもの。オウム事件、音羽幼女殺害事件、清水健太郎の被告席での気になるファッションなど、ニュース番組やワイドショーを賑わした裁判についても触れているが、北尾氏の筆が走っているのは、有名人がらみでも、世間を驚かせた大事件でもない、誰も知らない小さな事件の数々だ。歯が痛かったからという理由で、執行猶予中に覚醒剤に手を出してしまった女性。スピードオーバーでバイクをはね飛ばしてしまった男は謝罪しているものの、着ているトレーナーの背中がドクロマーク入りで心証が台無しなしだ。また、北尾氏の興味対象は被告だけではない。女子高生の集団が社会見学のために傍聴席に並んだ途端、やたらテンションが高くなる裁判官や検事。お金がなくて入れ歯が買えないのか、前歯3本が欠けてフガフガ状態で法廷に立つ迫力のない女弁護士。法廷映画や2時間ドラマが取り上げることのない、あまりに人間臭すぎる裁判所内部の様子を北尾氏は生き生きとスケッチしている。

被告席で無駄に泣き叫ぶ痴漢の常習犯(バナナ
マン日村勇紀)。見苦しく泣きわめくのは、
傍聴人だけでなく裁判官の心証も悪くするので
気をつけたい。
映画『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』で主役に起用されたのは、お笑い芸人バナナマンの設楽統。芝居のうまさはコントや『流星の絆』(TBS系)で実証済みだが、本職の俳優ではないというユルい立場が傍聴人役にぴったり。これが高田純次やアンタッチャブル山崎だとあまりに無責任感が漂いすぎだろう。映画初主演ということで設楽が主人公を神妙に演じているところが、いい案配だ。売れない放送作家のタモツ(設楽)は映画プロデューサー(鈴木砂羽)に法廷映画の脚本を書くことを命じられ、シナリオハンティングのため裁判所に通い始める。初めての裁判所に戸惑うタモツだが、百戦錬磨の傍聴マニアたち(螢雪次朗、村上航、尾上寛之)と知り合い、裁判の楽しみ方を伝授される。傍聴席にギャラリーがいることで裁判に緊張感が与えられること、ディープな裁判でヘコんだときは簡易裁判所がおススメなこと、そして美人検事(片瀬那奈)の裁判は人気が高いこと。タモツは脚本の取材であることを忘れ、裁判の面白さにハマっていく。
劇中で取り上げられる裁判は、原作もしくは脚本を担当したアサダアツシ氏が取材中に実際に出くわした実在の事件がモデルとなっている。被害者がいることを考えるとゲラゲラと大笑いできないのだが、ベテラン傍聴マニア(螢雪次朗)いわく"所詮、他人の人生ですから"、思わずニヤッと笑ってしまう。本作は不謹慎なる実録社会派エンタテイメントなのだ。
ただし、映画を作劇する上で大きな問題が生じる。事件をただ高見の見物しているだけでは映画の主人公に成り得ないからだ。主人公自身がリスクを冒し、事件の渦中で悶え苦しみ、その結果として解決策を見出して行動を起こさないことには劇映画(=ドラマ)として成立しない。そこで本作は"傍聴人がいることで裁判に緊張感を与えることができる"という部分に着目し、原作にはない意外な展開をクライマックスに用意している。美人検事(片瀬那奈)から「さぞかし楽しいでしょうね、他人の人生を高見の見物して」と罵られたタモツは一念発起。冤罪と目されている放火事件で逆転無罪を勝ち取るため、傍聴人として出来うる最大限の行動に打って出る。まず地味な弁護士に派手なパフォーマンス術、衣装コーディネイト術をレクチャー。さらに被告の母親に毎日朝と晩に無罪を訴えるチラシを裁判所の前で配らせて、裁判官の心情に訴える。そして裁判当日は他の傍聴マニア(阿曽山大噴火)たちにも呼び掛け、傍聴席を満席にして検察側に無言のプレッシャーを掛ける。傍聴人としての全力を尽くしたタモツ。0.1%の確率と言われる奇跡の逆転無罪はあり得るのか......。
ここまで読まれた方は、映画だけでなく傍聴そのものにかなり関心を抱いているのではないだろうか。そんな方たちのために、原作者である北尾トロ氏に"初心者向け傍聴の心得"についてコメントをもらった。ありがとうございます、北尾さん。
──裁判関係者は美人が多いと原作本で書かれていますが、女優・タレントに例えるとどういうタイプでしょうか?

SMの女王様ばりにキリリとした表情で被告人を
責める美人検事(片瀬那奈)。原作によると、
裁判関係者は大人なムードの知的美女が多いらしい。
北尾 検事や判事は、派手派手しくなくクールな感じの人が多い(例えると、堀北真希のような人)。対して、弁護士はメイクも派手でケバケバしい感じの人が多い(例えると、沢尻エリカのような人)。裁判官は、知的で、30代以上のベテランの人(例えば、天海祐希のような人)が多いですね。
──検事・堀北真希、弁護士・沢尻エリカ、裁判官・天海祐希! これは是非とも傍聴したい! でも、殺人事件などの裁判を傍聴して、ヘコみませんか? そういう場合はどうすればいい?
北尾 ヘコみます。そういう場合はまっすぐ家に帰らず、喫茶店でも飲み屋でもいいのでブレイクを入れて平常心を取り戻すこと。悪いものを持ち帰らないようにすることです。
──映画のように傍聴人がいるのと、いないのでは裁判が変わってくるもの?
北尾 変わります。たとえ一人でも傍聴人がいると緊張感が出るので、弁護人でも検察でもヘタなことができなくなる。身内だけの裁判はどうしてもダレるので、傍聴人はいたほうがいいんです。
また、北尾氏によると、裁判員制度が始まったことで、検察官や弁護人の尋問の仕方は法律用語ではなく、分かりやすい普通の言葉を使い、身振り手振りでいかに裁判員たちの心を掴むかを意識するようになっているとのこと。なるほど、そう聞くと裁判所がぐ~んと身近に感じられる。被告席はご勘弁だが、一度は裁判所を体験してみるのも楽しげではないか。裁判に興味を持つこと自体は不謹慎じゃないよね?
(文=長野辰次)
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』
原作/北尾トロ 脚本/アサダアツシ 監督/豊島圭介 出演/設楽統、片瀬那奈、螢雪次朗、村上航、尾上寛之、鈴木砂羽、木村了、堀部圭亮、斎藤工、徳永えり、大石吾朗、前田健、廣川三憲、佐藤真弓、阿曽山大噴火、日村勇紀、竹財輝之助、杉作J太郎、千葉雅子、市川しんペー、モト冬樹、平田満 配給/ゼアリスエンタープライズ 11月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー <http://www.do-suka.jp>
裁判長!ここは懲役4年でどうすか―100の空論より一度のナマ傍聴 どうすか?
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PJミカジョンも民事で訴える!? 「押尾は10年ブチ込む」を信じた遺族の憤り

野口美佳公式ブログより
元俳優の押尾学被告に対する懲役2年6カ月という判決に、被害者の田中香織さんの遺族が「あまりにも軽い判決」とショックを受けて、母親は寝込んでしまったという。
「田中さんの両親は法廷で証人に立って、押尾には"最高の罪で香織の死を償って欲しい"と訴えたんです。それには、根拠があったんです」と言うのは、遺族と親しい銀座のクラブ関係者。
「捜査を担当した警視庁捜査一課は、遺族に『押尾を10年ブチ込む』と言ったんです。また、起訴後検察も『保護者責任遺棄致死罪で20年を求刑する』と遺族に意気込みを語っていたんです」
ところが、検察の求刑は懲役6年と予想外の求刑だった。
「求刑の短さについては、司法関係者からも批判を浴びたんです。検察は遺族に慰めのつもりかも知れませんが、『求刑より重い判決が出る』と遺族に言った。冗談じゃありませんよ。2年6カ月。遺族は検察に裏切られたと言う気持ちでいっぱいです」(前出のクラブ関係者)
それでも押尾被告は「供述を信用してもらえなかった」と即日、東京高裁に控訴した。
「検察も遺族の感情を考えて、控訴の動きを見せています」(司法記者)
一方、遺族は押尾被告と部屋を提供した下着通販会社「ピーチ・ジョン」の野口美佳社長を民事訴訟で損害賠償を求める準備をしている。
「裁判では弁護人と検察で密約があったのか、事件現場になった部屋を提供した野口社長のことは一切、触れられなかった。民事で真相を明らかにして欲しいですよ」(夕刊紙記者)
遺族の戦いはこれからのようだ。
愛と勇気 ......があるなら謝罪の一言があってもいいよね?
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