ボクシング井岡一翔 3階級制覇の野望を支える「アマチュア時代の辛酸」と「井岡家の看板」

20140916_300.jpg  2014年5月、IBF世界フライ級王者アムナット・ルエンロン戦で、判定の末に敗北した井岡一翔。彼にとって、プロ転向後、15戦目にして初の敗戦であり、ミニマム級、ライトフライ級と王座に君臨してきたボクサーによる無敗での3階級制覇の野望が見送られた瞬間だった。  だが、これは一翔にとって初めての敗戦ではない。プロ転向以前、彼は敗北の辛酸をなめ尽くしてきた。  元フェザー級ボクサーである井岡一法を父に持ち、叔父は世界2階級を制した井岡弘樹。彼らからトレーニングを受けた一翔は、しばしば「サラブレッド」ともてはやされている。  しかし、アマチュア時代の彼は負けの連続だった。中学時代にボクシングを始めた一翔。当初から、彼の目標は「世界チャンピオン」ただひとつだった。しかし、高校1年生で出場したインターハイ予選、一翔はまさかの敗北を喫する。まだ全国大会ですらない、近畿大会での出来事だ。 「負けて泣くな! 泣くんやったら勝って男泣きしろ! 世界チャンピオンになるって言ったんちゃうんか!」(『今をブレない。』講談社)  父は一翔の涙に激怒し、ボクシングを辞めさせようとした。しかし、一翔はその叱咤に再び立ち上がると、史上3人目の高校6冠を達成。そして、ボクシングの名門として知られる東京農業大学に進学する。住み慣れた大阪の地を離れ、北京オリンピックを目標に据えた厳しい練習を行っていく。  だが、オリンピック日本代表選考会を兼ねた全日本アマチュアボクシング選手権大会決勝、一翔は1ポイント差で判定負けを喫し、オリンピック出場の夢は閉ざされた。金メダルを獲得し、鳴り物入りでプロデビューを飾るという夢が散った瞬間だった。そして、翌年の同大会でも判定負けの準優勝に終わった一翔は、大学を中退してプロに転向することを決意する。これ以上、大学に在籍していることは、大学生活に甘えているだけなのではないかと感じたのだ。だが、それはチームメイトたちへの裏切りを意味することとなる。 「僕は部員全員に憎まれてもしょうがないと覚悟していた」(同)  こうして、一翔は、挫折の末にプロへとたどり着いたのだった。  そして、プロに転向すると、一翔の快進撃は続いた。09年1月にプロテストに合格すると、4月にプロデビュー。3戦目には世界ランカーを打ち倒し、6戦目には日本ライトフライ級王座を獲得、7戦目には夢だったWBC世界ミニマム級王者を獲得する。しかし、その喜びは一瞬のうちに消えてしまった。 「ひとしきり喜びを噛みしめたあとはもう、自分が世界チャンピオンになれたことよりも、やっとスタートラインに立てたという意識のほうが強かった」(同)  夢だった世界チャンピオンになった瞬間、夢は通過点に変わった。さらに3回の防衛に成功し、ライトフライ級に転向。ここでもチャンピオンに輝いた一翔は3回の防衛戦を勝ち抜き、さらに上のフライ級へと転向する。そして、14年5月、アムナット・ルエンロンに破れ、タイトル獲得に失敗したのだ。  一翔の原点となっているのは、アマチュア時代に経験した105戦だ。ボクシングの世界では、プロに比較しても遜色ないほど、アマチュアのレベルは高い。プロよりもラウンド数が少ないため、試合序盤から相手の様子をうかがう余裕はなく、トップギアで打ちながら、相手の弱点を見抜いていかなければならない。そんな経験を実践で叩き込まれたことが、一翔がプロとして活躍できた一因だ。  そして、一翔を支えるもう一つの大きな柱が、「井岡」という看板だ。父と叔父が背負ってきた看板を、一翔はいま、一身に背負っている。彼に課せられた使命は、その名に傷をつけず、さらにその看板を磨き上げること。現在、一翔が目標としている3階級制覇は、叔父でありジムの会長である弘樹がついに果たせなかった夢なのだ。  プロとして初の敗戦から4カ月。9月16日には、後楽園ホールでコロンビアの世界ランカーとの再起戦を行う。プロとして初の敗北を喫した後だけに、この試合の成否が今後の一翔の方向を決めることになるだろう。井岡ジム会長である父は、これに勝利した後の大みそか、一翔を再び世界3階級制覇に挑戦させる意向を示している。

水泳・平泳ぎの北島康介 ハゲしい脱毛で「競技に影響ない植毛」を検討中か

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北島康介公式ブログより
 "絶対王者"のイメージが強いスイマー北島康介に、意外な悩みが浮上している。  先日、上海で行われた競泳・世界選手権では、男子平泳ぎ100メートルで4位。200メートルではかろうじて銀メダルを獲得したものの、五輪3大会連続金メダルの偉業が懸かるロンドン五輪を前に、肩を落としていた北島。  不調の原因は、加齢による衰えや、歴戦による肉体疲労説など諸説あるが、北島をもうひとつ悩ませているのが"頭髪"だと関係者が明かしている。 「1年前の写真と見比べれば分かります」  関係者が出したのは、昨年8月のパンパシフィック選手権後の一時帰国した成田空港での写真。ここに今回の世界選手権時の写真を並べると一目瞭然、生え際が「Mの字」化しているのだ。 「たった1年でこれですから、本人も気にしているようです。知人の専門家に植毛について問い合わせたりしているとも聞きました」(同関係者)  水泳が頭髪に与える影響は大きくはないと思われるが、「キャップを長時間かぶると蒸れますし、着脱の際に髪の毛を引っ張って抜けてしまうこともある」と関係者。  そこで北島が検討しているのが植毛だという。近年、著名人の間でも密かに流行しており、頭髪の後退が著しいことで有名なジャニーズタレントが植毛後、多用していた帽子を外してフサフサになった頭 髪を露にするようになった例もある。芸能人との交遊も盛んな北島だけに、そうした対処法を学んだのかもしれないが、前出関係者によると北島がすぐに植毛できない理由があるという。 「キャップを着用するとはいえ、泳ぐときの先端となる競泳選手の頭部は重要な体のパーツですから、植毛による影響を懸念しているようなんです。タレントと違って激しく動くわけですし、泳いだ後にキャップを脱いで跡が見えてしまう心配や、体温低下や寝不足などがあるという事例もあってコンディション調整に影響してしまう可能性があります」  とはいえ、ロンドン五輪ではまた注目の的となることは間違いない北島。1年後、さらに後退した頭髪に観衆の目が向けられるということも考えられる。五輪への本格始動はまだ先のようだが、"ハゲしい脱毛"をどうするかは悩ましいところだろう。 (文=鈴木雅久)
前に進むチカラ 坊主にすりゃいいじゃん。 amazon_associate_logo.jpg
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