学校からの帰り道、狂気の刃物男とのすれ違いが青年の夢を絶った……

mikaiketsu0715.jpg
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  第18回 京都精華大学生通り魔殺人事件 (2007年1月)  2007年1月15日午後7時50分ごろ、京都市左京区岩倉幡枝町の歩道で、当時20歳の千葉大作さんが、小型の鋭利な刃物で胸など全身を刺されて死亡した。刺し傷は十数カ所あり、きわめて残忍で強い殺意を感じさせる犯行だった。    事件当時、千葉さんは京都精華大学マンガ学部マンガ学科の1年生。仙台に育った千葉さんは、漫画家になる夢を抱き、1年の浪人生活を経て世界初のマンガ学部として知られる同大学の同学部に合格。将来への希望あふれる大学生活をスタートさせてから間もない悲劇だった。事件は、千葉さんが学校から友人宅に向かう途中の午後7時40分ごろ、自転車で学校の駐輪場を出た直後に起こった。  現場は京都市の北部、鞍馬山の麓に位置する叡山電鉄鞍馬線・木野駅から南に約100メートル、京都精華大学から南東に約600メートルの場所。周辺は一戸建て中心の住宅街で、周辺には田畑が多いのどかな光景で、とても残忍な事件が起きるとは思えない閑静な場所である。  千葉さんと同じく、刺した犯人も自転車に乗っていた。畑に沿った歩道で、千葉さんと犯人が自転車ですれ違った直後、事件は起きた。第一発見者の男性が現場を通りがかった際、「畑で倒れている千葉さんと、歩道に座り込んでいる若い男を見た」という。男は、顔を見られたくないかのように俯き、その隣には自転車があった。発見者の男性は一度通り過ぎたものの、不審に思って再び現場に戻ると、男性と反対の方向に逃げたためか、犯人の姿はなく、自転車も消えていた。歩道には、大量の血を流しながらも携帯電話で友人に助けを求めるメールを打つ千葉さんがしゃがみ込んでいて、畑の中には千葉さんの自転車とカバンが落ちていた。千葉さんは、全身十数カ所を刺されながらも、まだ意識があり、「通報してほしい......」と力を振り絞って発見者に懇願した。京都府警によると、通報があったのは午後7時52分。しばらくして救急隊員が到着し、千葉さんは病院に搬送されたが、直後に帰らぬ人となってしまった。  一体、何がきっかけで千葉さんは凶行に巻き込まれてしまったのだろうか? 千葉さんは、救助に当たった救急隊員に、「知らない男に刺された」と話している。また、事件が起こる直前、現場で犯人と千葉さんが口論しているところも目撃されている。犯人は上半身を左右に揺すりながら、「アホ!」「ボケ!」と言い放ち、関西弁をまくし立てながら激高していたという。千葉さんのカバンに入った財布には現金が残されていたため、金品目的の犯行ではなかったと見られている。  京都府警の調べでは、現場には2台の自転車の急ブレーキ跡があったことが判明。現場の歩道は自転車がすれ違うためのギリギリの幅しかなく、犯人と千葉さんのトラブルになった原因は、自転車同士がすれ違う際の接近や接触によるものではないかという見方も強い。しかし、普段から刃物を持ち歩き、突然の路上でのトラブルで殺人に及んだ犯人の"異常性と凶暴性"を考えれば、事件のきっかけにどれだけの意味があるだろうと思わざるを得ない。何かのトラブルや口論があったとしても、千葉さんに命を奪われる理由は微塵もないのだ。  千葉さんは明るく温厚な性格で、人望も厚かったという。友人や大学の講師は、「彼が恨まれるわけがない」と口をそろえる。また、「絵が抜群にうまく、とにかく研究熱心だった」という。事件から約1年後、京都精華大学で千葉さんを指導した講師が、「事件を風化させてはいけない」と、千葉さんが殺害された状況や犯人の特徴をマンガとして描いた小冊子を作成。遺族や友人たちと街頭で配布し、情報提供を呼び掛けている(現在、この小冊子のマンガはインターネットでも公開されている)。  現在も京都府警は数十人体制で捜索を行っているが、凶悪犯はまだ野に放たれたままだ。事前に準備された犯行ではなく、自転車に乗っていたことを考えても、犯人は現場からそう遠くない場所に住む人間であることは間違いない。それだけに、近隣住民の不安は尋常ではないだろう。  将来のある青年の夢を奪った凶行を、我々は忘れてはならない。漫画家の夢が潰えた千葉さんに、犯人が逮捕されたという報告ができる日を待ち望みたい。 (取材・文=神尾啓子) <情報> 【犯人の特徴】 ・20~30歳 ・身長170~180cm ・髪はセンター分け(ボサボサ) ・上下黒っぽい服装 ・黒っぽいママチャリ風の自転車に乗っている ・興奮すると顔や上半身を左右に振り言葉尻に「アホ」「ボケ」を連発し、目の焦点が合わない <連絡先> 京都府下鴨警察署 「左京区岩倉幡枝町における殺人事件捜査本部」 TEL.075-703-0110(代表) TEL.0120-230-663(フリーダイヤル/24時間受付)
未解決事件ファイル 真犯人に告ぐ 告ぐ。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第17回】10年前、白昼の繁華街で消えた"美人"女子高生 背景に複数の「疑問点」が浮上......!! 【第16回】飲みかけのココアを残し、消えた少女......奇妙な「怪文書」が示唆する事件の真相とは!? 【第15回】 胸と内臓を刃物でえぐり取られ......切断された島根の女子大生殺害事件から1年 【第14回】 "栃木女児殺害事件"発生から5年 7歳少女の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性 【第13回】 15歳ハーフ美少女が夏祭りの夜に失踪 3日後、見知らぬ町で変わり果てた姿に...... 【第12回】 "白昼の惨殺劇"母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘...... 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている

10年前、白昼の繁華街で消えた"美人"女子高生 背景に複数の「疑問点」が浮上……!!

muroranjiken.jpg
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  第17回 北海道室蘭女子高生失踪事件 (2001年3月)  2001年3月6日の白昼、北海道室蘭市の繁華街で高校1年生の千田麻未さん(当時16歳)の行方が分からなくなった。自宅からアルバイト先に向かう途中、一体彼女の身に何が起きたのか?  失踪した麻未さんは、学校でファンクラブが結成されるほどの"美人"女子高生であったことや、人通りの多い繁華街で発生した失踪事件、アルバイト先の関係者に対する警察の捜査が報道されたことで、この事件は世間からの注目を集めることとなる。  麻未さんの通う北海道立室蘭栄高校は、室蘭市のなかでも一番の進学校。彼女はとても勉強熱心で、成績は常にトップクラスだった。事件が発生した3月6日は平日だったが、公立高校の入試日のため、麻未さんの通う学校も休みとなっていた。  室蘭市白鳥台の自宅は、両親と弟の家族4人暮らし。近くの大型スーパー内にあるパン屋でアルバイトをしていた麻未さんは、自宅から7kmほど離れたパン屋の本店に赴き、コーヒーの入れ方を学ぶ講習を受けることになっていたという。正午過ぎ、彼女はパン屋の本店に「午後1時過ぎに行きます」と電話をかけている(電話に出たのは同店の従業員)。そして、彼女は自宅を発った。  この日の麻未さんの服装は、ジーンズにベージュのブレザー、バーバリーのマフラーという、どこにでもいる女子校生風のファッション。途中でコンビニに立ち寄ったあと、彼女は市内を走る循環バスに乗車した。このときの友人の目撃証言によれば、バスに乗った麻未さんが自分に向かって後部座席から手を振っていたという。  このあと、関係者の証言が"すべて"事実だとすれば、麻未さんは非常に奇妙な行動をとったことになる。目的地のパン屋の本店に向かうのであれば下車すべきバス停「東通」で降りなかったのだ。  約束の午後1時頃、「東通」から3つ先の停留所「東町2丁目」で下車した麻未さんを、同級生の男子生徒2人が見かけ、道路越しに挨拶をしたという。その後、麻未さんはスーパー「室蘭サティ」に立ち寄り、午後1時26分から化粧品売り場で15分ほど過ごしているのを、店の防犯カメラが記録している。そして、この映像が麻未さんの最後の"目撃情報"となってしまった。  午後1時42分、麻未さんの交際相手が、彼女のPHSに電話をかけている。そのとき、麻未さんは交際相手に「下に着いた」と話したという。"下"とは、地元で繁華街周辺を指す呼称のこと。おそらく麻未さんは、「室蘭サティ」を出てバスに乗り、ようやく目的地のある「東通」に到着したと見られている(PHSの交信記録からも、アンテナの中継場所が「東通」付近だったことが判明)。  午後1時46分、再びかかってきた交際相手からの電話に出た麻未さんは、「いま話せないから、あとでかけ返す」と通話を切った。このとき、自分の身に危害が及びつつあったことに気付いて、交際相手に伝えることができていたなら、この事件はもしかしたら"未遂"で済んだかもしれない。  そして、麻未さんは忽然と消えてしまった。  しかし、いくつかの疑問が残る。なぜ麻未さんは、目的地の最寄りのバス停で降りなかったのか? それに、予定時刻を過ぎているにもかかわらず、なぜスーパーの化粧品売り場に行ったのだろうか? このことについて、彼女の性格を知る友人たちは、「律儀な麻未さんがそんなことをするわけがない」と口を揃えて語っている。それならば、約束の時間は証言した関係者の記憶違いだったのだろうか......。 ここで、麻未さんと会う予定だったパン屋の店長の証言が重要性を帯びてくる。 「麻未さんが昼過ぎに来ると思い、午後1時30分まで店で待ったが、来ないので外出した」 「その後、体調がすぐれなかったので、自宅で寝ていた」  北海道警は、麻未さんと「コーヒー講習」の約束をし、最後に会った可能性がある、同店長に疑いの目を向けた。3日間にわたって任意で取り調べを行い、所有する車両を押収し、自宅と店舗を捜索した。しかし、事件との結びつきは一切見つからなかった。  麻未さんの失踪から、もうすぐ10年を迎えようとしている。事件発生から道警は捜査員を延べ2,000人以上を投入し、徹底した捜索体制を敷いてきた。市民からは1,000件以上の情報が寄せられるなど、世間の注目度も高かった。しかし、生きていれば26歳となっているはずの彼女の発見には、未だ結びついていない。それでも彼女の家族は、麻未さんがどこかの場所で生きていることを信じ、待ち続けている。そう、いつの日か、元気な声で自宅に電話がかかってくることを......。 (取材・文=神尾啓子) <被害者の情報> 名前:千田麻未さん(ちだ・あさみ さん/当時16歳/室蘭栄高校1年生) 身長:153cm 体型:痩せ形 頭髪:ストレートの黒髪 服装:紺色のジーンズ、ベージュ色のブレザー、バーバリー製のチェック柄マフラー、緑色の革靴 <連絡先> 連絡先:室蘭警察署刑事第一課 TEL:0143-46-0110
未解決事件ファイル 真犯人に告ぐ 告ぐ。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第16回】飲みかけのココアを残し、消えた少女......奇妙な「怪文書」が示唆する事件の真相とは!? 【第15回】 胸と内臓を刃物でえぐり取られ......切断された島根の女子大生殺害事件から1年 【第14回】 "栃木女児殺害事件"発生から5年 7歳少女の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性 【第13回】 15歳ハーフ美少女が夏祭りの夜に失踪 3日後、見知らぬ町で変わり果てた姿に...... 【第12回】 "白昼の惨殺劇"母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘...... 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている

飲みかけのココアを残し、消えた少女……奇妙な「怪文書」が示唆する事件の真相とは!?

yukiphoto.jpg
加茂前ゆきちゃん(8歳)。
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  【第16回】 三重小2女児失踪事件 (1991年3月)  三重県四日市市富田浜町。付近を流れる十四川(じゅうしがわ)の両岸には、春先に約600本のソメイヨシノが咲き並び、川沿いでは毎年恒例の「桜祭り」が行われる。しかし、事件の関係者にとっては20年もの間、祭りの喧噪に耳を傾けることもできないまま、空白の時間が続いている。  1991年3月15日、板金工場に勤める加茂前芳行さんの三女・ゆきちゃん(当時8歳)が、学校から帰宅して間もなく、忽然と姿を消した。まだ桜の蕾も開かない、肌寒い季節の出来事だった。  失踪当時、ゆきちゃんは四日市市立富田小学校の2年生。卒業式シーズンだったため、学校が終わるのが早く、この日も午後2時頃には自宅に帰っていた。  工場で夜勤の仕事をしていた父・芳行さんは就寝中で、母・市子さんはパートに出かけ、小学6年生と高校生の2人の姉はまだ学校から帰っていなかった。  ゆきちゃんは午後2時頃に友達と別れる際、友達に「これから約束がある」と伝え、遊びの誘いを断って帰宅。眠っていた芳行さんは、彼女が帰ったことに気付かなかったという。  午後2時半頃、パート先の市子さんが自宅に電話をかけ、ゆきちゃんの声を聞いている。これが母と娘の最後の会話になってしまった。  午後4時、次女が家に帰ると、ゆきちゃんが外出する際に着ていたピンク色のジャンパーが残され、外には自転車が置かれたまま。テーブルには、まだ温かい飲みかけのココアが残っていた。ココアが大好きだったという彼女は、普段から自分で作って飲んでいたという。  午後4時半に起床した芳行さんは、「外に遊びに出かけているのだろう」と思い、ゆきちゃんがいないことも気にかけず、この日も平常通り、夜勤の仕事に出かけている。しかし、午後8時になってもゆきちゃんは家に帰らず、異変に気付いた母親が警察に捜索願を出し、失踪事件として取り扱われることとなった。  一体、ゆきちゃんが友達の誘いを断った「約束」とは何だったのだろうか? なぜ、ゆきちゃんは作ったばかりの飲み物を残したまま、3月の寒空の下にジャンパーも着ないで出かけたのだろうか?  警察の聞き込みにより、ゆきちゃんが家から1kmほど離れた「近鉄富田駅で見かけた」という多くの目撃証言のほか、「十四川付近で遊んでいた」「白いライトバンの運転手と話していた」などの証言が寄せられた。  しかし、彼女の身を案じる家族の思いも虚しく、延べ500人の捜査員を動員した三重県警の捜査は実らず、ゆきちゃんは現在もまだ行方不明のままである。  そして、失踪から3年後の1994年の春、事件は奇妙な展開を見せる。加茂前さん宅に「加茂前秀行(芳行さんの誤字と思われる)様」と宛てられた奇妙な封筒が届いたのだ。  手紙は3枚の紙に綴られ、鉛筆書きの上からボールペンでなぞられていた。  その内容は、まさに"怪文書"というべきものである。  以下、全文を掲載する。 ミゆキサンにツイテ ミユキ カアイソウ カアイソウ おっカアモカアイソウ お父もカアイソウ コンナコとヲシタノハ トミダノ股割レ トオモイマス 股ワレハ 富田デ生レテ 学こうヲデテ シュンガノオモテノハンタイノ、パーラポウ ニツトめた イつノ日か世帯ヲ持チ、ナンネンカシテ 裏口ニ立ツヨウニナッタ イまハー ケータショーノチカクデ 四ツアシヲアヤツツテイル ツギニ スズカケのケヲ蹴落シテ、荷の向側のトコロ アヤメ一ッパイノ部ヤデ コーヒーヲ飲ミナ ガラ、ユキチヲニギラセタ、ニギッタノハ  アサヤントオもう。 ヒル間カラ テルホニハイッテ 股を大きく ワッテ 家ノ裏口ヲ忘レテ シガミツイタ。 モウ股割レハ人ヲコえて、一匹のメス  にナッテイタ。 感激ノアマリアサヤンノイフトオリニ動い  タ。ソレガ大きな事件トハシラズニ、又カム チャッカノハクセツノ冷タサモシラズニ、ケッカハ ミユキヲハッカンジゴクニオトシタノデアル モウ春、三回迎エタコトニナル サカイノ クスリヤの居たトコロデハナイカ トオモウ ダッタン海キョウヲ、テフがコエタ、コンナ 平和希求トハチガウ ミユキノハハガカ弱イハネヲバタバタ ヒラヒラ サシテ ワガ子ヲサガシテ、広い ダッタンノ海ヲワタッテイルノデアル 股割れは平気なそぶり 時ニハ駅のタテカンバンニ眼ヲナガス コトモアル、一片の良心ガアル、罪悪ヲ カンズルニヂカイナイ ソレヲ忘レタイタメニ股を割ってクレル オスヲ探しツヅケルマイニチ 股ワレワ ダレカ、ソレハ富田デ生レタ コトハマチガイナイ 確証ヲ掴ムマデ捜査機官に言フナ キナガニ、トオマワシニカンサツスルコト 事件ガ大キイノデ、決シテ イソグテバナイトオモウ。 ヤツザキニモシテヤリタイ 股割レ。ダ。ミユキガカアイソウ 我ガ股ヲ割ルトキハ命ガケ コレガ人ダ コノトキガ女ノ一番 トホトイトキダ  この禍々しさの滲み出る手紙を手にした家族の心の痛みは、相当なものだったろう。  誰が何の目的で、このような怪文書を送ってきたのだろうか? わざわざ比喩的な表現を多く用いることに、何か意味はあるのだろうか?  私は、この怪文書を以下のように読んだ。 「この事件を起こしたのは、富田に住む性風俗産業に従事する女性(股割レ)だと思います。鈴鹿(スズカケのケヲ蹴落シテ)で自らが好意をもつ暴力団員(アサヤン=ヤーサン)にそそのかされ、加茂前ゆきちゃん失踪事件の実行犯となったのだろう」  この手紙が悪戯だとしたら、あまりに手の込んだ悪戯であり、ただただ家族の神経を逆撫でしただけである。しかし、あくまで個人的な希望ではあるが、この怪文書が、ゆきちゃん失踪の真相を知る者が、良心の呵責に耐えかねて送ってきたものであると信じたい。もし、そうであるならば、まだ少しは解決の糸口が残されているということだからである。  奇妙な出来事は、さらに続いた。  事件から12年以上経った2003年10月、加茂前さん宅に不審な男から電話がかかってきたのだ。その男は話のなかで、自らの特徴を「パンチパーマ」と語った。  この電話のことを聞いた捜査関係者は、驚きを隠せなかったという。実は事件発生当初、捜査関係者がマークしていた白いライトバンの男の特徴は、パンチパーマだったからである。そして、これは関係者のみが知りうる情報であり、このことが明るみにされるまで、一切報道はされていないのだ。  これらの、あまりに不気味な出来事は、「加茂前ゆきちゃんは生きている」という犯人からの暗黙のメッセージかもしれない。  事件から約20年が過ぎ、誘拐が"時効"となった今でも、家族や関係者は、いつまでもゆきちゃんが帰ってくるのを祈り続けている。 (取材・文=神尾啓子) <被害者の情報>※すべて失踪当時のもの 名前:加茂前ゆきちゃん(8歳) 身長:身長130cm 体重:38kg 特徴:長髪(肩から下20cmぐらい) 服装:水色地に水玉模様の長袖ブラウス、薄茶色のスカート、黒色のビニール靴 <連絡先> 連絡先:三重県四日市北警察署 TEL:0593-66-0110
怪文書 謎、深まる。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第15回】 胸と内臓を刃物でえぐり取られ......切断された島根の女子大生殺害事件から1年 【第14回】 "栃木女児殺害事件"発生から5年 7歳少女の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性 【第13回】 15歳ハーフ美少女が夏祭りの夜に失踪 3日後、見知らぬ町で変わり果てた姿に...... 【第12回】 "白昼の惨殺劇"母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘...... 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている

胸と内臓を刃物でえぐり取られ……切断された島根の女子大生殺害事件から1年

matsumoto1108.jpg
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  【第15回】 女子大学生被害死体遺棄等事件 (2009年10~11月)  2009年11月6日、広島県北広島町東八幡原の臥龍(がりゅう)山中の崖下で、前月の26日夜から行方不明になっていた島根県立大総合政策学部1年生・平岡都さん(当時19歳)に酷似した若い女性の頭部が発見された。第一発見者は山にキノコ狩りに来ていた男性で、頭部が落ち葉の上に置かれていたのを見つけて警察に通報。駆けつけた警察によると、セミロングの髪型が判別でき、首には刃物で切断されたような跡があったという。  島根・広島の両県警は、殺人・死体損壊遺棄事件として捜査を始めた。  翌7日、DNA鑑定により、被害者を前述の都さんと断定。また、司法解剖の結果、顔面には殴打された形跡があり、内出血していたことも発表された。  最初の頭部発見以降、7日に林道入り口近くの雑木林から左大腿骨の一部、8日には頭部発見現場の近くで両手足のない胴体部分、9日には左足首、19日には林道付近に落ちていた動物の排泄物から被害者の爪が発見され、後日、すべて都さんの遺体の一部であることが確認された。  それぞれ遺体の状況は、通常の感覚を持つ人間ならば直視することすらできない残忍なものだった。都さんはバラバラに解体されただけでなく、きわめて"猟奇的"な手が加えられていたのだという。その一例を上げると、胴体部分の胸は刃物によってえぐり取られ、腹部は内臓の大部分が取り出されていた。あまりの残忍さに、警察の捜査でも「被害者は人間以外の動物に食いちぎられたのではないか」という意見が出たほどである。また、胴体全体に焚き火などにより焼けた跡があり、顔には殴打された痕、左頬には足で踏まれた跡が付いていた。  日本の犯罪史上でも類例のない、人間の所業とは思えぬ凄惨な猟奇殺人事件である。  一体、彼女の身に何が起こったのだろうか──。  香川県坂出市出身の都さんは、09年春に県立高松商業高校を卒業し、島根県立大に入学。夢を抱いて進学し、学生寮で一人暮らしを始めてようやく半年が経ったばかりの惨劇だった。  遺体発見の前月10月26日。彼女は大学の授業に出席したあと、午後4時30分から島根県浜田市港町のショッピングセンター内にあるアイスクリーム店でアルバイトをしていた。午後9時15分頃、アルバイトを終えてショッピングセンターを出る都さんの姿が店内の防犯カメラに映っていたが、自宅に向かう道路沿いに設置された複数の防犯カメラに姿は捉えられておらず、寮には帰宅した形跡もない。  翌27日の午後5時半頃、都さんの母親が携帯電話にメールや電話をしたものの、連絡が取れず、28日のアルバイトにも出勤しなかったため、都さんの家族により、島根県警浜田署に捜索願いが提出された。  アルバイト先と都さんの寮は約2kmの距離しかなく、徒歩で移動していたと見られている。しかし、その一帯は夜になると真っ暗になって人通りもほとんどなく、周辺住民からも危険とされているエリアである。実際、帰路に不安を感じた都さんは、友人が店を辞めたことをきっかけに、自分も10月28日に辞めることを決めていた。あと数日早ければ、都さんが被害に遭うこともなかったかもしれないと思うと、残念でならない。  行方不明時の服装は、白と黒のボーダーのワンピース。決して派手ではなく、犯罪を誘発する性質の服装でもない。寮の部屋は荒らされておらず、彼女の銀行口座から現金が引き出された形跡もなかった。  ボランティアサークルに所属していた都さんは真面目な性格で、授業の欠席はほとんどなく、成績も優秀。将来は英語を活用できる仕事を目指し、海外留学の夢もあったという。  しかし、無限の可能性が広がる彼女の未来は、決して許すことのできない残忍で身勝手な犯罪者の手により、19歳の若さで絶たれてしまった。  アイスクリーム店を辞めたあとにアルバイトをする予定だった居酒屋の面接では、「親に負担をかけたくない」と語っていたという。そんな親孝行の優しい気持ちなど、女性の顔を踏みつけるような犯人には分かるまい。  事件発生から1年。警察はこれまで延べ6万人もの捜査員を動員したものの、現場に残された物証はほとんどなく、不審な車や人物などの情報も捜査線上から次々と消えてしまった。猟奇的趣味を持つ周辺の人間を徹底的に探るべく、島根・広島全域のレンタルビデオ店の会員リストまで調べたと言われているが、捜査は依然として難航......。都さんの無念は晴らされないまま、臥龍山の発見現場を彷徨っている。  島根県立大学では、校内に都さんの慰霊のために花壇を設置。英語が得意で海外留学を目指していた彼女の想いを引き継ぐ意味を込め、その花壇は"Garden of Hope(希望の花園)"と名付けられた。  都さんの家族や友人が、一刻も早く墓前に犯人逮捕の報告できるよう、そして少しでも笑顔を取り戻せるように、心から祈りたい。 (取材・文=神尾啓子) <被害者の情報> 名前:平岡都さん(当時19歳) 学校:島根県立大学総合政策学部(当時1年生) 特徴:147cmぐらいの細身、セミロング 被害当時の服装・所持品: 白黒のボーダー模様のフード付きワンピース、黒色のレギンス、黒色の靴、黒色のバッグ <情報> 捜査特別報奨金:上限300万円(2011年2月25日まで)※延長の可能性あり <連絡先> 島根県警察・広島県警察合同捜査本部 TEL.0120-385-301(フリーダイヤル)
なぜ、バラバラ殺人事件は起きるのか? その心情、理解できない。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第14回】 "栃木女児殺害事件"発生から5年 7歳少女の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性 【第13回】 15歳ハーフ美少女が夏祭りの夜に失踪 3日後、見知らぬ町で変わり果てた姿に...... 【第12回】 "白昼の惨殺劇"母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘...... 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている

"栃木女児殺害事件"発生から5年 7歳少女の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性

yoshidayuki01.jpg
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  【第14回】 栃木・茨城にまたがる女子児童殺人・死体遺棄事件 (2005年12月)  2005年12月1日午後3時頃、栃木県今市市(いまいちし/現在の日光市)の小学校から下校途中の1年生・吉田有希ちゃん(当時7歳)が行方不明となり、家族が近所の駐在所に捜索願を提出。すぐに通学エリアを中心に捜索が開始されたものの、発見には至らなかったため、翌日には栃木県警が公開広域捜査を開始。同日午後2時頃、茨城県常陸大宮市の山林で野鳥ウォッチングをしていた老人3人が身元不明の少女の全裸遺体を発見。致命傷となった鋭利な刃物による多数の刺し傷のほか、顔には何度も激しく殴打された痕が残っていたため判別が困難だったが、有希ちゃんの家族が確認した結果、本人であることを断定。栃木県警・茨城県警は合同捜査本部を設置し、行方不明現場、そして遺体発見現場付近での目撃情報を関係者や周辺住民に呼びかけるため、ポスターやチラシ約1万枚を配布。翌06年8月1日からは上限200万円(その後300万円に増額)の公的懸賞金がかけられたものの、現在も被疑者・犯人の検挙には至っていない。  この事件がもたらした影響は、意外なところにまで及んだ。まずは、有希ちゃんの通っていた市立大沢小学校で緊急保護者会が開かれ、児童の車での送迎が義務化。さらに同市の教育委員会は公立の小・中学校に通う児童・生徒の携帯電話の持ち込みを解禁。これを機に、全国でも同様の形態をとる自治体が急速に増えていった。ある一定の年齢以上の日本人ならば誰でも知っている事件、1988~89年の宮崎勤(08年6月17日死刑執行)による「連続幼女誘拐殺害事件」の記憶が未だ鮮明に残っているため、同種の事件への国民のアレルギー反応は強い。しかし、それでも惨劇は繰り返されているのが現状だ。  鑑識の結果、有希ちゃんの遺体の胸部・腹部から男性の"唾液"が検出された。まさに、異常者による犯行であることを裏付けるには決定的な証拠だと言える。そして、DNA鑑定を行った捜査本部は、前代未聞の行動に出た。「週刊新潮」(新潮社)06年11月9日号の記事によると、東京・秋葉原の電気街でアキバ系ファッションに扮装した捜査員が潜入捜査を行い、"フィギュア愛好家"のリストを入手しようと試みたというのだ。これには、大勢の同愛好家をはじめ、いわゆるオタク系の趣味を持つ輩から批判が殺到。捜査の結果、被疑者の特定はおろか、事件と繋がる情報も一切得られなかったという。しかも、09年には前述の"唾液"が捜査員(元県警幹部)のものであったことが判明したため、当初「冷酷で残忍な男」と書かれていた情報提供のポスター・チラシから同記述が消されるという信じがたい捜査ミスを平然と露呈した。  有希ちゃんが連れ去られたと思われる現場には、事件発生以前から"全裸"や"局部むき出し"の変態男がたびたび目撃されている。また、事件の約2週間前に市内のスーパー「さがみや」大沢店の駐車場で、有希ちゃんらしい女の子に声をかけたクリーニング店の女性によれば、その少女は「目のきれいなお兄ちゃんと待ち合わせをしている」と話したという。遠く離れた東京に出向いて蟻の巣をつつくような無駄な捜査などに力を入れず、地元の変質者を洗い出す方が遥かに有効な捜査に思えるのだが......。  痛ましい事件から、早くも5年が経とうとしている。当時の同級生らの記憶は、年を重ねるごとに劣化しているだろう。それは、証言能力の信頼性についても同じである。犯人は、衝動的に有希ちゃんを連れ去り、命を奪ったのだろうか? あるいは、品定めをするかのように、同じ年頃の子どもたちに近付いたりしていたのではないか。だとしたら、犯人を目撃したのは1人や2人ではないかもしれない。そして、"目のきれいなお兄ちゃん"とは一体誰なのか!? 通常、見知らぬ人間の印象を表すとしたら、髪型や体型を真っ先に挙げるものだ。それ以上に"目"に強いインパクトを感じたのは、何か特徴的な印象を受けたからだろうか。例えば、際立った二重まぶた、アイライン、カラーコンタクト......考えれば考えるほど、謎は深まる。  わずか7歳の女の子の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性は、普段の生活において到底隠し切れるものではない。一刻も早く検挙されることを願いつつ、2人目の犠牲者が出ないことを祈ろう。 (取材・文/神尾啓子) yoshidayuki02.jpg <被害者の情報> 名前:吉田有希ちゃん(当時7歳) 学校:今市私立大沢小学校(当時1年生) 身長:120cm 特徴:痩せ型、おかっぱ頭、 服装:通学ベレー帽(黄色)、メガネ(薄いピンク色の縁)、フード付きパーカー(グレー/背中に女の子の絵)、トレーナー(白色)、ジーパン(紺色)、運動靴(ピンク色/『とっとこハム太郎』の絵) 所持品:ランドセル(赤色/黄色のカバー付き)、防犯ブザー(青色)、キーホルダー3点(ミッキーマウス、熊、猫) <情報> 私的懸賞金:300万円(2011年7月1日まで)※延長の可能性あり <連絡先> 栃木県今市警察署 TEL.0288-23-0110 TEL.0120-701-578(フリーダイヤル) 茨城県大宮警察署 TEL.0295-52-0110 TEL.0120-200-457(フリーダイヤル)
幼児殺人の快楽心理―FBI心理分析官ファイル 理解できません。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第13回】 15歳ハーフ美少女が夏祭りの夜に失踪 3日後、見知らぬ町で変わり果てた姿に...... 【第12回】 "白昼の惨殺劇"母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘...... 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている

“白昼の惨殺劇”母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘……

hannin01.jpg
長女・やす子さんの証言をもとに作成された犯人
の似顔絵
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  【第12回】 堺市西区神野町における母娘殺傷事件(2006年1月)  2006年1月10日午後2時50分頃、弁理士・沢喜代治さん(当時58歳)の留守中に自宅玄関のベルが鳴り響いた。妻・真喜子さん(当時51歳)がドアを開けると、見知らぬ背の高い痩せた男が立っていた。「どちらさまですか?」「何かご用かしら?」......おそらく、真喜子さんはこのような問いかけをしたのではないだろうか。しかし、すぐに異常事態であることに気付く。男の手に握られていた衣類の中から、鈍く光る刃物が覗いていたのだ! 「キャアーーーーッ!!」  真喜子さんの悲鳴を聞き、トイレの中にいた次女・やす子さん(当時21歳)が驚いてドアを開けると、真喜子さんの上に覆いかぶさって刃物を振りかざす男の姿が見えた。やす子さんの視線に気付いた男は、すぐに立ち上がってトイレの方に駆け寄り、持っていた刃物でやす子さんの顔を切りつける。恐怖と痛みから無我夢中でトイレのドアを再び閉めたやす子さんは、そのあと悪夢のような時間を過ごすことになる。男の気が逸れた瞬間、真喜子さんは力を振り絞って立ち上がり、何とか逃げ出そうと試みたが、執拗に追い回され、やがて力尽きてしまう......。その一部始終をドア1枚隔てた狭いトイレの中で聞くしかなかったやす子さんの胸中を察すると、心が痛んで仕方がない。  やがて物音がしなくなり、やす子さんが恐る恐る外に出てみると、玄関先で血だらけになって倒れている真喜子さんを見つけた。玄関に鍵をかけ、真喜子さんに近寄ると、かすかに息があった。やす子さんはすぐに119番通報して救急車を呼んだが、病院に運ばれてから約1時間後、真喜子さんは帰らぬ人となってしまった......。やす子さんも顔に切り傷・刺し傷など全治10日間の傷を負ったが、それ以上に心に負った傷は当事者にしか計れないほど深いだろう。  その後の警察の調べで、庭先から刃渡り17cmの包丁、家の中からは包丁をくるんでいたと思われるグレーのトランクスが発見された。包丁は刃と柄の間に粘着テープが何重にも巻かれていたことから、人を刺したときに自分の手を傷付けないように細工していたことが窺え、一部計画的な犯行だったことを裏付けている。しかし、やす子さんの証言から犯人が素手だったことも分かっており、粘着テープからは複数の指紋、トランクスに付着していた垢からはDNAが検出され、持ち主の血液型がAB型であることが判明するなど、かなり大雑把な性格と見て取れる。また、母娘2人の傷跡が身体の右側に集中していることから、犯人が左利きである可能性が高いと判断されている。  これだけの証拠や犯人特定に繋がる情報が多数揃っているにもかかわらず、未だ犯人逮捕には至っていない。実は事件現場付近では、以前から刃物を持った男の姿が度々目撃されていて、被害者の家族も身を震わせていたという。しかしながら、警察は有効な対策を取らず、犯人を野放しにしていたと言っても過言ではない。もう少しパトロールを厳重に行ってもらえていれば、近隣住民への警戒の呼びかけが浸透していれば......そう思うと歯痒さが止まらない。返り血を浴びた犯人は、昼間の住宅街を誰にも目撃されることなく去って行ったのだから。  警察が威信をかけて捜査を継続し、犯人が逮捕され、法で裁かれ、遺族の心が少しでも安らぐ日が訪れるのを待ち続けたい。 (取材・文=神尾啓子)
haninin03.jpg
犯人が現場に残していったトランクス
(コンバース/グレー/Mサイズ)
<情報> 【犯人の特徴】 ・20~30歳代 ・身長約170cm ・痩せ型 ・ボブカット ・色白、ひげが濃い ・頬がこけている 【犯人の服装】 ・薄手のジャンパー(ベージュ) ・ジャンパーの袖を絞っている ・スウェットのようなズボン ・運動靴 【遺留品】 ・包丁(刃渡り17cm/100円ショップなどで販売) ・コンバースのトランクス(グレー/Mサイズ) <連絡先> 大阪府西堺警察署捜査本部 TEL 072-274-1234(内線615/617番) FAX 072-273-2230
未解決事件ファイル 真犯人に告ぐ 逃げられないんだから。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている