
仲介会社などを通し、不特定多数の人に業務を発注できるクラウドソーシングの世界で、今、最もニーズの高い業務がWEBライティングの仕事だという。作業内容はクラウドソーシング会社から依頼されるさまざまなWEBサイトの記事や文章の作成を行うこと。家にいながら仕事をすることが可能で、働く意志はあれど、家事や育児で通勤が困難な主婦たちの新しい在宅ワークのひとつとして注目を集めている。
このクラウドソーシングを通じたWEBライティングは、キャリアやコネクションがなくても技術さえ身につければ全くの未経験者でも仕事が行えるのがメリット。そんな未経験者らを支援する目的で、昨年、一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会がスタートさせたのが「WEBライティング技能検定講座」という資格だ。この講座を通じて、文章作成技術や働くために必要なビジネスマナーが習得でき、資格取得者にはその後、仕事依頼の窓口ともなる複数のクラウドソーシング会社が特典を受けることができる。
今回はその「WEBライティング技能検定講座」を発行する一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会事務局の赤澤潤氏と、主婦で、本資格の合格者第一号であるWEBライターの小祝可奈子さんを直撃。子育てのかたわら行う、WEBライティングの仕事の魅力について話を聞いて来た。
──まず、クラウドソーシングのシステムについて簡単に教えてください。
赤澤 今、国内で行われているクラウドソーシングというのは、大まかに言うとクラウドソーシングを行う会社がクライアントから発注された仕事を、自社で抱える複数の登録者に振って、そこで出来上がった仕事をクライアントに戻すというイメージです。クラウドソーシングを介して登録者とクライアントがつながることができます。このようなクラウドソーシングという働き方が、注目を集めています。
──中でもWEBライティングの仕事の需要がたいへん高まっている。
赤澤 そうです。いろいろと業務がある中で、今一番多いのがWEBライティングの仕事だと思います。例えばこういったWEBライターの発注に独自のルートを持たない一般の会社が、自社のホームページの文章を少し足したいとか、ちょっとした商品のコラムを作りたいなと思ったときに、クラウドソーシングの会社に発注をかけ、自社で探さなくとも文章の書き手を簡単に見つけるというのも、クラウドソーシングの利点と言えます。
──そのWEBライティングの仕事をする人を支援するために作られたのが、この「WEB ライティング技能検定講座」だと聞きました。
赤澤 はい。WEBライティングの仕事では、知識や技術の指標がなく、ライティング技術を判断しがたいという問題があります。そこで、文章作成技術だけでなく、クラウドソーシングを利用してWEBライティング業務を行うためのビジネスマナーや知識に関する検定試験を設けることにより、受注者(WEBライター)側にも発注者側(クライアント)にも、WEBライティング業務の力量を判断できるようになるかと思います。
──クラウドソーシングのWEBライターは、基本的にはどんなジャンルの書き物をすることが多いのでしょうか?
赤澤 ビジネス的な文書であったり、商材の紹介などが多いと思います。ジャンルはクライアントによってさまざまです。
──小祝さんは、この資格の取得者第一号。なぜ、この資格を取ろうと思われたのですか?
小祝 もともと美容師とヘアメイクの仕事をずっとやっていたんです。でも、結婚して2人の子を出産して、仕事を続けるのが困難になって、一度は主婦に。でも、その後も何かやりたいという気持ちを捨てきれなくて、主人に相談したら、主人が協会のことを知っていて「ライターの資格を取って、家でやってみれば」って薦めてくれたんです。去年の10月末の試験で合格をもらって、資格の取得は11月くらいだったと思います。始めてみてよかったと思っています。
──もともと書き物が好きとか、ライターになる下地のようなものはあったのですか?
小祝 文章を書くこと自体は嫌いではなかったですね。ヘアメイクや仕事についてのブログも書いていましたし。でも、それぐらいしか……。

──小祝さんのようなライター経験のない方が資格を取得して、一線でバリバリと仕事ができるようになるというのはすごいことですね。
赤澤 クラウドソーシングを通じたWEBライターの仕事は、スキルがゼロの方でも熱意と向上心があれば誰でも参入できます。一般のフリーランスライターの方と違って、自分でクライアントを開拓していく手間はありませんし、クラウドソーシング会社の紹介するさまざまな仕事から、自分のスキルにあった仕事を選ぶことも可能なんです。我々の実感として、ゼロから始められる方でも優秀な方はたくさんいます。そういう方にとって、このシステムを利用することでチャンスはどんどん広がっていくと思います。
──仕事をある程度選べるということは、小祝さんに関して言えば、美容やヘアメイクに絡んだ、得意なジャンルの仕事を率先して行うこともできるわけですね。
小祝 そうですね。だから美容系の仕事が来るようにって自分でも動いています。意外と美容系出身のライターは少ないので、チャンスかなと思っています。
赤澤 クラウドソーシング会社のサイトの中で、求人広告のようにいろいろなジャンルの募集がかかっているので、その中からできそうなものを選んで受注するというシステムになっているんです。
──教材や試験の内容を僕も少し拝見させてもらったんですが、プロのライターでも場合によっては試験に落ちるなと思うくらい、結構高度で、勉強になる内容でした。
赤澤 ありがとうございます。一般的にそのレベルに到達できれば、どのジャンルでも書けますよというふうに試験の問題は作ってあるんです。
──小祝さんはどのくらい勉強されて資格を取得したんですか?
小祝 わたしは3カ月くらいです。試験は書く問題と選択の問題があって、選択の方はしっかり勉強すればすぐにできるなって。でも書く問題の方はやっぱり難しかった。指定されたキーワードを使って文章を書くとか、そういう問題が出るんですが、選択の問題と違って、そういうものは(勉強を)見てくれる人もなかなか周りにいなくて、参考書を見ながら自分でやるしかなかったんです。でも、勉強するのは高校以来。文章を学ぶ作業は、自分にとってすごく楽しい作業でした。
──試験に合格して、仕事を受けるようになって、今どうですか? WEBライターの仕事は楽しいですか?
小祝 やっとおもしろくなってきたという感じです。仕事量的にはまだ主婦の合間でできる範囲でしかできていないんです。2,000文字くらいの仕事を月に10本とか。報酬はスキルによって上がっていくという感じ。頑張ればもっと増やせるなと自分では感じています。子どもも大きくなればもっと仕事に時間を割けるし、収入も増えていくんじゃないかって。
赤澤 合格者特典というのがあって、いい案件を紹介されたり、ボーナス報酬が2倍になったりするなどの特典も設けています。そういうものを使っていただけると、効率よく稼いでいけると思います。いい仕事をするようになると、クライアントから逆に指名ももらえるような場合もあるようです。
──受講する方は何歳くらいの方が多いのですか?
赤澤 現状ですと、女性の30代の方が多いですね。上はもちろん50代から60代の人もいます。主婦の人は、なかなかアルバイトやパートだと拘束時間というものがあるし、移動の時間もあったりで、大変なんです。そういう方にクラウドソーシングの仕事はすごく取り組みやすい仕事だと思います。我々もこの仕事が主婦の方たちにもっと広がっていけばいいなと考えています。出だしは女性が多かったですけど、男性も増えています。働く年齢も問わないし、向上心さえあれば誰も夢を叶えることができます。

──小祝さんはこの仕事、どういう人が向いていると思いますか?
小祝 わたしも、何にも知らない人でも興味がある人ならできると思います。わたしも書くことはもちろん、パソコンの操作すらよくわからなかったんです。働く環境としても、主婦の人は絶対に仕事がしやすいと思います。わたしは下の子どものお昼寝の時間や、2人の子どもが夜、寝てからの時間を見計らって仕事をしています。仕事をする時間も自分のしやすいタイミングで選ぶことができるんです。あと、クライアントに関しても、クラウドソーシングの会社を通すことで何のコネクションがなくても仕事をすることができます。年齢を問わないところもいいと思います。わたしも40歳で始めたんです。その年齢で始められる仕事は、クラウドソーシング以外では、なかなかないと思います。
──小祝さんの今後の目標は?
小祝 ライターとしてしっかり稼ぎたいですね。将来的には主人の給料を超えられるくらい(笑)。
──クラウドソーシングのWEBライターって、ちなみにどのくらい稼げるものなんですか?
小祝 人によってまちまちだと思います。私の場合は育児の合間の時間を使って、月5~6万円程度ですが、1日をフルに使える人ならば、フリーとして独立できるくらいの収入がある人もいるそうです。
参考:WEBライティング技能検定取得してクラウドソーシングで5万円稼いでいます!の主婦ブログ
http://ameblo.jp/koiwaikana/entry-12197960671.html
──すごいですね! あと、この資格取得ですが、受講料はどのくらいかかるのでしょうか?
赤澤 講座の料金が3万2,000円です。試験が6,000円。合格後の手数料・登録料は3,000円です。その後は一切お金はかかりません。
──そんなに高額でもないですね。クラウドソーシングということで、仕事をし始めて支払いの面でもトラブルは少なそうですし。
小祝 その点はわたしもすごく安心できるなと思っています。
赤澤 まずは一度、協会のホームページを見てもらいたいです。クラウドソーシングを通じて、我々はもっと多くの方に人生の向上のお役に立てればと思っています。
(取材・文=名鹿祥史)
一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会 公式ホームページ
https://crowd-kentei.or.jp/
ヒューマンアカデミー たのまな WEBライティング技能検定講座ペ―ジ
http://www.tanomana.com/SHOP/1153T020.html