第二次世界大戦時中に知り合い、叶わぬ恋と知りながら愛し合った日本人女性と中国人民解放軍兵士だった男性が、60年の時を超え、中国武漢において合葬されていたことが明らかになった。「武漢晩報」などが4月5日付で報じた。 そこには壮絶なストーリーがあった。日本人女性の名前は溝脇千年さん。中国軍人の名前は杜江群さん。世紀をまたいで続いた2人の“愛情”は、ついに宿願が叶ったのだ。 1944年、中国東北地方(当時の満州国)で暮らしていた15歳の溝脇さんは、中国で生活に苦しむ人々の現状を目の当たりにし、ボランティアとして八路軍(当時の中国共産党軍。現在の人民解放軍の前身)に加入。間もなく日本は敗戦を迎えたが、彼女は中国に残り、南下する八路軍とともに軍看護師として10年間、在籍し続けた。 中華人民共和国成立後の52年の夏、彼女と7人の日本人看護師は広西省南寧軍事区にある303医院から湖北省羊楼洞の療養所へ異動となった。そこで当時、結核の療養をしていた杜さんと知り合う。 29歳の杜さんは学校で政治を教える教員で、以前は共産党でスパイとして活動したこともあった。病状は重かったものの、楽観的な性格だったという。外国籍の看護師に対して粗暴な態度を取る患者も多かったが、杜さんが一声かけると皆、素直に従ったので、溝脇さんは安心して仕事をすることができたという。 当時の羊楼洞は水不足で、杜さんが高熱でうなされた時に溝脇さんが氷を買ってきて処置したこともあった。良心的な看護を受け、散歩などで言葉を重ねるうち、徐々に2人の距離は縮まっていったが、一緒にいられる時間は長く続かなかった……。 53年になると、溝脇さんは湖北省で武漢に次ぐ大都市である襄陽の軍医院へ異動となってしまう。彼女は杜さんに宛てた手紙と花の刺繍をあしらったハンカチ、枕カバーを彼の枕元へ忍ばせ、羊楼洞を後にしたという。54年の秋にはさらに武漢東湖の療養院へと異動になり、距離は遠くなる一方だった。 杜さんの結核の病状は徐々に悪化していったが、溝脇さんは日本の家族から帰国の催促を受けていた。彼女の父と兄は太平洋戦争で亡くなっており、当時、彼女の母親は一人で3人の孫娘を育てていた。 別れの手紙を受け取った杜さんは、溝脇さんと離れ離れになることを恐れたが、彼女と家族の幸せを願って「日本に帰るように」との手紙を送った。 55年に溝脇さんが帰国することになると、杜さんは病を押して担架で武漢の埠頭まで彼女を見送りに訪れた。帰国後、2人は手紙で連絡を取り続けていたが、彼女が武漢を離れてから1年が過ぎたころ、33歳の杜さんは病状の悪化で帰らぬ人となったのだった。 溝脇さんは杜さんが亡くなったことを知った後、家の客間に杜さんの写真を掲げ、毎日食事を作り、お茶と花を供えた。命日には粥を作った。亡くなる直前には、杜さんが粥しか食べられなくなっていたからだ。溝脇さんは杜さんと別れる際に3つの約束をしたという。それは帰国後、日本共産党に入党すること。医療の仕事を続けること。日中の国交が正常化したら必ず帰ってくること――。 溝脇さんはこの約束を守り続け、32年後の87年に、やっと中国へ戻ることができた。各地を回って杜さんの親戚や戦友に連絡を取り、杜さんの墓参りをしたいと告げた。しかし、文化大革命など国内で起こったさまざまな混乱が原因で、杜さんの墓を探し出すことも困難であることがわかった。そこで溝脇さんはあらためてお墓を建て、杜さんを供養することにした。墓碑に溝脇さんが刻ませた言葉は「永遠の友」だったという。88年に墓が完成すると、溝脇さんは日本から白い蘭を送り、2人の写真を印刷した陶器とともに墓の中へ入れたという。 その後も溝脇さんはたびたび武漢へ墓参りに訪れ、杜さんに関わる人々と連絡を取り続けた。そして、幾度となく訪中を続けた溝脇さんは2012年、83歳で亡くなった。彼女の遺言は、「遺骨の一部を中国に眠る杜江群と一緒に合葬してほしい」というものだった。 こうして14年6月、溝脇さんの遺灰と遺品は武漢へ送られ、杜さんが眠る墓に葬られた。60年間、離れ離れになった2人が、こうしてようやく結ばれたのだった。終戦直後、中国にいた一部の日本兵が中国にとどまって国共内戦に参加していた話などが伝えられているが、溝脇さんのように看護師として従軍した日本人女性もいたのだ。激動の時代がもたらした2人の数奇な運命に、多くの中国人は感動したようだ。唯一存在する2人の写真
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中国人は「死んでもなお、パクる」!? パクリ建築だらけの豪華共同墓地をめぐるドタバタ劇
中国人は死んでもなお、パクリ文化の底なし沼から逃れることはできないようだ――。 武漢の北東に位置する新洲の農村に、中国の名勝・名刹をパクった豪華な共同墓地が建設され、注目を集めている。北京の天壇公園や山西省の応県木塔、海南省三亜の南海観音を模した四面観音像などの建築物が節操なく配置され、墓地内はまさにパクリのオンパレード。 管理員によれば、墓地の面積は約27万平方メートルにも及ぶ広大なもので、2010年に地元自治体の許可を得て施工されたという。同地は8億元、日本円にして160億円の投資マネーが集まり、今年にも落成する予定だという。北京にある有名な天壇……ではない
これも、どこかで見覚えのあるような建築だ
確かに豪華に見えるが、価格帯は一般の市民層を狙っており、想像するほど高くないはない。0.2平米ロッカー型の納骨棚が40万個あり、一基当たりの価格(永代使用権)は1万元(約20万円)からスタートする予定。場所によっては倍の2万元する墓地もあるそうだが、1万元を下回る墓地もあるという。 さて、この墓地の外観写真が出回り、北京故宮のような朱塗りの建築物、イスラムのモスクを想像させる内観など続々と公開されるや、中国国内では「墓までパクリ建築物なのか」と批判する声が上がっている。その一方で、この墓地をめぐっては、さらにキナ臭い話が飛び交っているのだ。武漢市に住む日本人駐在員は言う。パクリ建築の墓地に眠らされる故人の気持ちを思うと、気の毒だ
墓地の内部にあるロッカー式の納骨スペース
「こっちではニュースになってますよ。現地の農民からは不満の声が漏れているみたいです。というのも、もともとこの墓地は建設業者と結託した地元政府が補償費用を払って農民を立ち退かせたんですが、用地買収をめぐり地元政府が近くの湖から引いていた灌漑の水路を絶ち、稲が育たなくなってしまった。用地買収に応じなかった農民への嫌がらせだったんでしょう」 農民たちの怒りが噴出する中、建設業者側は「もともとゴミ捨て場と9つの養殖場、数百の墓石が並ぶ土地で、農地として使用されている部分は少なかった」として、地元政府と契約し、支払いを済ませた後に施工を強引に開始したという(「法治周末」2013年8月14日付)。将来的には明清代の皇帝が眠る十三陵のような観光地として、リゾートホテルなども建設予定であり、農地を奪われた現地の農民たちとの不和は広がりそうだ。それにしても、墓地を観光地化するというのもヒドい話である。 内陸部ではまだまだ公営墓地の整備が追いつかず、代々使われている無許可の集落の墓地が主流。公営墓地の建設ラッシュが続く中国では、今後もヘンな墓が続々と出現することが予測される。 (文=棟方笙子)一見、中国のよくあるテーマパークに見えるが
機内フェラに制服自慰まで!? 中国航空会社CAエロ画像に、ネット民が大騒ぎ
4月8日、中国版Twitter「微博」に、衝撃的な2枚の写真が投稿された。1枚目には、非常口横のジャンプシートに座るCAが、ワイシャツにスラックス姿の男性の下半身あたりで何かを口に含んでいる様子が、そして2枚目には、機内でほほえむ美人CAが写っていたのだった。 投稿主によって「深セン航空CAの規格外サービス」というタイトルが付けられたこの組み写真は、ネット上で瞬く間に拡散。さらにネット民たちの“人肉捜査”(匿名報道された個人情報の割り出しや、事件の真相を暴く行為)により、CAの個人名までが特定された。 さらに、やはり制服姿の女性が、ホテルの一室の鏡の前で股間をまさぐる動画も、同一のCAによるものとしてネット上に投下され、ネット上はお祭り状態となった。初めに拡散された組み写真。さすがに機内でこの行為は不可能では……。さらに、それぞれの写真に写る女性が同一人物である確証もない。
ところがその後、CA本人を名乗る微博アカウントで、「ビルの屋上に座っているけど、もう強くなれない」「あなたたちの悪辣さにありがとう。もう私に会うことはないでしょう」などといった、遺書めいた書き込みがなされ、一部メディアも「渦中のCA自殺か!?」などと報じた。 翌9日、深セン航空は騒動に関する公式コメントを発表。人肉捜査によって特定された名前の女性は確かに同航空会社に在籍しているものの、1枚目の写真の女性は別人で、写真自体も合成。ホテルの一室の動画も別人という内容だった。 さらに彼女は、自殺はしていないものの、精神的ショックが大きく、勤務ができない状態にあることも伝えられた。 実際、1枚目の写真はあまりにも現実離れしたシーンであり、誰が撮ったのかという疑問も残る。2枚目の写真のCAと同一人物であるとする根拠も乏しい。また、動画については、この件とまったく無関係の女装家が、過去にネット上で公開していたものであったことが判明している。 しかし、こうして公式に否定された後も、彼女のものとされる新たな写真や動画が多数出現。さらに、「本物に違いない」と固く信じているネット市民も、依然少なくないようだ。 また、騒動に便乗したトロイの木馬型マルウェアまで登場し、一連の写真や動画をダウンロードしようとしたところ、感染したという報告も出ている。 ちなみに、スターアライアンスに加盟する深セン航空は、深セン宝安空港をハブに成田空港と関西空港にも就航している。同CAの名誉回復と、一日でも早い職場復帰を祈りたい。 (文=牧野源)続いて投稿された動画。確かに美脚だが、残念ながら男性のものだった。
小4男児が女性教師を病院送りに! 親は治療費の支払いを拒否!! 荒廃する中国教育現場の現在
広東省東莞市の小学校で、4年生の男子児童が教師に暴行を加え、重傷を負わせる事件が発生した。 4月6日付の「光明網」によると、この小学校で美術を担当する女性教師が、宿題を忘れた児童を咎めたところ、児童が突然、襲いかかってきたという。児童は教師を押し倒して馬乗りになり、頭や腹などを殴打。教師は腰椎を痛め、入院することになった。 さらに驚くべきは、保護者の対応だ。学校側が、入院した教師の治療費の支払いを加害児童の両親に求めたところ、支払いを拒否。両親は「見舞いになら行ってもいいが、治療費を払えというなら裁判で決着をつける」と言い放ったという。 一方、入院中の教師は「彼はまだ幼いし、事件を大きくしたくない」として、裁判で争わない姿勢を示しているという。 この児童は、入学当初から粗暴な性格で、これまで4年間の在学中に、4人の教師を殴打したことがあったという。小学校の教頭によると、児童には精神疾患の疑いもあるといい、両親に心療内科での受診を勧めたこともあるというが、両親は聞く耳を持たなかったようだ。 中国では最近、小中学生が加害者となる校内暴力事件が続発している。昨年12月には、雲南省昭通市の中学校で、男子生徒が歴史の授業を担当する女性教師を殴打する事件も起きたばかりだ。 こうした事件が起きるたび、中国では「両親が共働きで、ネグレクト状態で育った」「両親に溺愛されて善悪の区別をしつけられなかった」などと、加害児童の家庭環境が原因として指摘されるのが常だ。しかし、 中国在住フリーライターの吉井透氏はこう話す。 「数年前まで中国の教育現場では、教師による体罰が横行していましたが、今はすぐに訴えられる。逆に、教師は児童生徒に指一本触れられない状況です。そもそも、最近の小中学生は早熟で体も大きく、女性教師では太刀打ちできない」 権威に逆らうことを忘れない子どもたちがそのまま大人になれば、やがて一党独裁体制も崩壊するか!? (文=青山大樹)児童の暴力により腰椎を損傷し、入院中の女性教師。
「邪魔者はハニートラップで抹殺」中国政府批判の急先鋒が、“買春容疑”で続々拘束されている!?
中国で、政府に批判的な言論の弾圧に、ハニートラップが利用されているようだ。 3月26日、公務員の腐敗をネット上で告発してきたチュー・シャオクン氏(61歳)が、買春容疑で警察に拘束された。宿泊していた湖南省長沙市のホテルの部屋で、男性の友人と裸の女性と一緒にいるところを警察に踏み込まれたのだ。 当のチュー氏は「ワナにはめられた」として、無罪を主張している。チュー氏によると、ホテルの部屋を手配したのは、知り合いに紹介されたばかりの、陳と名乗る会社社長だったというが、陳の行方はわかっていない。また、陳から受け取った名刺に記載されていた会社に問い合わせたところ、実際の社長はまったくの別人であることが判明した。チュー氏によると、裸の女性は陳を紹介した知人が呼んだコンパニオンで、勝手に服を脱いだという。チュー氏は女性とベッドの上でキスをしたものの、性行為には及んでおらず、金銭も支払っていないと主張している。しかし警察側は、コンパニオンを呼んだ知人が代わりに1,200元(約2万3,000円)を支払ったことを確認したという。 同氏は、10年ほど前から公務員による公用車の私的利用をネット上で告発しており、氏の地元である広東省広州市を中心に、複数の地方政府職員が免職に追いやられている。 拘束された26日にも、中国版Twitter「微博」の自らのアカウントで、滞在先の湖南省で発見した私的利用の疑いがある公用車を、写真付きで告発したばかりだった。 こうした活動は、政府メディア系メディアでも「反腐敗の英雄」として称賛され、市民からは「チューおじさん」と慕われてきた。しかし、告発される側の公務員からは目の敵にされており、相当の恨みも買ってきたものと思われる。チュー氏はこれまでにも、匿名による脅迫をたびたび受けているという。私的利用の疑いのある公用車を見つけては、写真を撮ってネット上にアップしていたチュー氏。
今回の一件についても、ネット上では「彼の告発によって職を失った公務員からの報復だ」と疑う声が少なくない。 ちなみに、チュー氏に同行していた男性も、同じく買春容疑で拘留されている。この男性は、「イケイケ中国経済の“亡霊”か――中国最大規模の廃墟『広州の九龍城』に潜入!」に登場するセン村の、立ち退きに反対する住民グループの代表を務めるシェン・ヤオジュン氏だ。彼もまた、開発を進めたい地元政府から煙たがられている人物である。 役人たちにとって煙たい存在に買春の嫌疑がかけられたのは、この件が初めてではない。実は、シェン氏は2012年にも、買春容疑で逮捕されている。また、13年には辛辣な政府批判で知られ、微博アカウントに1000万人以上のフォロワーを持つネット言論人・シュエ・マンズー氏が買春容疑で拘束されている。 この国でお上にモノ申すためには、不屈の闘志と聖人君子の下半身が必要のようだ。 (文=牧野源)
【中国】なんと背面座位まで! 発情期を迎えたパンダが繰り広げる“性技”を実況中継
パンダの故郷である四川省の山の中にあるパンダ研究保護センターで4月4日、発情期を迎えたパンダのカップルたちが見事“合体”に成功。白昼堂々と繰り広げられたその一部始終が、インターネットサイトの「パンダチャンネル」を通じて世界中に実況中継された。 毎年3~5月にかけてが、パンダたちの“恋の季節”。一般的に、飼育されているパンダは4~6歳で性的に成熟し、野生のパンダはそれに比べるとやや遅いという。雌のパンダが発情するのは1年に1回で、それもたった2、3日の間だけ。しかも、雄が発情行為をするのは雌が発情してからだというから、タイミングが非常に重要になってくる。 2013年末現在、中国にいる野生のパンダは1,864頭、飼育されているパンダは375頭。実際のところパンダの自然交配は難しく、野生パンダの数が減り続けているのは、環境の変化だけではなく、こうした繁殖率の低さも原因だという。 そんな中、中継された雄のルールーと雌のシーメイの愛の営みは、時間にして18分3秒。数分で終えてしまうちょっと早漏気味のパンダもいる中、これは今年の最長記録だったという。 中継された映像を見てみると、雄のパンダが積極的に雌のパンダにアタック。さすがに正常位はないものの、後背位の体勢から流れるように背面座位に移るあたりは、なかなかの床上手なのかも。単にバランスを崩してそうなっただけ……なんていうのは野暮というものだ。まずは定番のバックから
この体位はまさに……
パンダ研究保護センターの職員が中国メディアに語った話によると「雌パンダの発情期がもう少し続いたら、もう一度、雄パンダとの交配を行います」とのこと。 雌パンダが無事に受胎しているかどうかは、交配から3カ月待たないと確定できないという。 ちなみに、日本の上野動物園にいる雌パンダのシンシンに今年はまだ発情の兆候が見られず、雄のリーリーはお預けを食らっている状態で、赤ちゃんパンダの誕生を待ち望んでいる関係者たちは気をもんでいるという。 結局、雄パンダが雌パンダとまぐわうことができるのは、雌パンダのご機嫌次第、いや発情次第ということで、このあたりは人間世界とあまり変わりがないようだ。このあたりになると、もう組んず解れつ状態に
(文=佐久間賢三)ご満悦の雄パンダの表情
イケイケ中国経済の“亡霊”か――中国最大規模の廃墟「広州の九龍城」に潜入!
「こっちに住んでる日本人が“広州の軍艦島”と呼ぶ、巨大な廃墟があるんです。行ってみますか?」 広州在住の日本人にそう教えられ、さっそく現地へと向かった。場所は市内中心部で、繁華街にも近く、立地のいいエリアにある。典型的な中国の社区(集合住宅が密集してひとつのコミュニティーを形成している、日本でいうマンモス団地に似た共同体)で、入り口には「セン村(センはニスイに「先」)」と書いてある。奥に入っていくと、徐々に解体途中で放棄された建物が見えてきた。しかし、人々が行き交い、営業中の商店もある……。いったい、どういうことなのか?
この社区は1999年に建設された。ワンブロックがまるごと社区になっており、総面積は4.07平方キロメートルもあり、最盛期には4万人の人が生活していたという。しかし経済成長で再開発が進む中、この社区を含む一帯は金融・ビジネスの中心である「広州CBD」エリアに指定された。そこで広州市は2010年のアジア大会開催決定に際し、住民を強制立ち退きさせ、再開発することを決定。しかし、住民たちの反対運動が巻き起こり、計画が難航した。当局は警察と軍隊まで動員して排除を行ったが、住民はなおも抵抗。とくに10年8月の大規模な衝突では、死者も出たほどだ。15年現在もいまだに解決せず、社区は半ば解体されつつも、まだ1万人ほどが住み続けているという。廃墟の後ろには高層ビルが立ち並ぶ
解体途中のまま、放置された集合住宅
社区をくまなく歩いてみるが、解体途中の集合住宅がいくつもあり、ホコリ臭く、いつコンクリ片が落ちてきてもおかしくない状況で、危険極まりない。足元には鉄くずやガラス片などが散乱し、上下左右を常に警戒しないと歩けない。住民たちは慣れたもので、素知らぬ顔で廃墟の中を歩いている。水道や電気などライフラインが止まっているエリアもあり、昼間なのに真っ暗な道もある。軍艦島というより、かつて香港に存在した、あの有名な九龍城の雰囲気に似ているかもしれない。 この巨大な廃墟の中で、野菜や鶏を売る市場があったり、営業を続ける理髪店があったりして、カオス状態だ。上を見上げると、バルコニーには干し肉や洗濯物があり、まだ住居として使用している人がいることがうかがえる。社区の中はに今にも崩れ落ちそうな建物があり、大変危険だ
露店商や住民が行き交う様子
廃墟の中に営業中の野菜市場も
一眼レフカメラを首から下げた、若い中国人女性や欧米人の姿もチラホラ。巨大な廃墟は、ちょっとした観光スポットと化しているようだった。しかし、迷路のように入り組んだ中心部の路地には、平日昼間だというのに目つきの悪い男たちが目的もなくにウロウロ歩いており、かなり不気味だ。光を遮る路地は真っ暗で、人の目だけが白く光り、筆者のようなよそ者を鋭くにらみつける。この瓦礫の山を登ると、別エリアに抜けられる。瓦礫が新たな道となる
汚れきったため池。生活用水として利用していたのだろうか
案内してくれた広州在住の日本人は言う。 「市が強引に再開発を決めてから、すでに5年以上がたちますが、立ち退きが完了する気配はありません。ここはもともと、800年以上の歴史のある古い村だったので、代々住んできた住民も多く、立ち退きは難しいでしょう。また再開発計画に際し、社区のトップの収賄など、お決まりの汚職事件も報じられた。毎年、経済成長率10%以上を叩き出していた、イケイケドンドンの中国経済を象徴する“亡霊”みたいなものです」閉鎖された学校。子どもたちはどこへ行ったのか
一部では、「観光資源」として、この巨大な廃墟を保存しようという動きもあるという。経済成長の負の面を象徴する「セン村」は、今後どうなってしまうのだろうか――。 (取材・文・写真=金地名津)入り組んだ路地は、昼間だというのに真っ暗だ
【現地ルポ】「あいつらはインド人以下だ……」あふれかえる“傲慢”中国人観光客に、スリランカ人が爆発寸前!
スリランカを二分する争点となっている、中国資本によるコロンボ沖の埋め立て開発計画。スリランカの対中感情の悪さも、反対派を加勢させる要因となっている。 昨年9月、習近平主席はスリランカを公式訪問。その際、中国メディアがスリランカの親中ぶりを強調して伝えたこともあり、スリランカの各観光地では、中国人観光客が激増した。いまやゴールやキャンディといったスリランカの観光地を歩いていても、街中には中国語の看板があふれているほどだ。
観光立国であるスリランカにとって、外国人観光客の増加は歓迎すべきことだが、相手は世界中でその素行が問題視されている中国人。多くのスリランカ人も、彼らに辟易してしまったようだ。 土産物店やレストランの呼び込み、客待ち中のスリーホイラー(三輪タクシー)のドライバーたちは、モンゴロイドである筆者を見つけては「ニイハオ」と声をかけてくる。そこで、こちらが日本人であることを伝えると、「ジャパニーズか?」と驚き混じりの笑顔を浮かべ、中国人観光客の苦言を漏らし始めるのが常なのだった。いわく、 「彼らはどうしてあんなに声がデカイんだ?」 「彼らの礼儀はインド人以下」 「もうこれ以上、中国人は増えてほしくない」 日々目にする中国人観光客の、悪い印象ばかりが記憶に残っているのかもしれない。しかし筆者自身、コロンボのショッピングモールで、購入した商品の返品が認められなかった中国人女性が喚き散らしていたのを目にした。そして彼女は、中国東北地方訛りの北京語で、こう捨てゼリフを吐いた。 「中国大使館に言いつけてやる。そしたらこんな店はオシマイよ!」 まるでスリランカを、中国の植民地くらいにしか思っていないような口ぶりなのである。 同プロジェクトの埋め立て予定地にも、数多くの中国人観光客が訪れていた。祖国の覇権ぶりを、その目で見ようというのだろうか。青い海を切り裂くように伸びる埋め立てをバックに、記念写真の撮影に勤しんでいる人もいた。 ちなみに、スリランカの対日感情は極めて良好だ。内戦中から日本がインフラ支援を続けてきたことが、大きな理由であるという。現段階では賛否両論の「ポートシティ・プロジェクト」だが、その成功を機にスリランカ国民に親中の芽が角ぐむこととなるのだろうか……。 (文=奥窪優木)
国内がダメなら海外で!? 収入減であの手この手……中国「物乞いビジネス」最前線
中国でまた、新種の「物乞いビジネス」が誕生したようだ。瀋陽市内の繁華街に4月5日、白と黒の2匹の犬が出現した。犬の目の前には、金属のドラを装着した木製の拙い機械が……。先端の棒を犬が押すとドラが鳴る仕組みで、2匹の犬は一生懸命、この棒を押し続けていたという。この光景が物珍しかったのか、犬たちがかわいかったのか、“犬の物乞い芸”にお金をあげる通行人が後を絶たなかったという。棒を押すと、ドラが鳴る……その棒を操るのは!?
「光明網」(4月6日付)によると、2匹の犬は半日間で約1,000元(約2万円)近く稼いだという。中国の物乞いはもとより、日本人でも1日で2万円稼ぐ人はそう多くはないだろう。中国には物乞いや、芸をしてお金を得る路上生活者が数多く存在するが、こうした新種の登場は、中国国内でも話題になっているようだ。しかし、犬の後ろにいる老夫婦が気になるところ。彼らは、物乞いビジネスに携わる者なのだろうか?若い女性が犬たちにお金を恵んでいる
香港駐在の大手紙特派員は言う。 「中国では、孤児や身体障害者などを集めた物乞いビジネスが歴然と存在しますが、近年ではネット上で彼らが“出勤”する姿などが広がり、みんなあまり同情しなくなった。収入減に陥った物乞いビジネスの元締めは、シンガポールやタイ、マレーシアなどに中国人の物乞いを“輸出”して海外進出する者まで現れるほど。国内では人間だともはや同情されなくなったので、動物を使おうという魂胆でしょう。次々と新しいアイデアが生まれていくんでしょうね」 今月1日には、四川省綿竹市内で物乞いしていた足が不自由な身体障害者が、仕事を終えると立ち上がり、付近の店で酒を飲んで一服している姿が報じられた。また2月には、長春市内の街頭で物乞いが着替えて、別の物乞いと“勤務交代”する画像が撮影されて話題となったばかり。中国人の間では「物乞いは完全にビジネス」と定着してしまっており、動物を使った新手も物乞いは今後も増えてくると予想されている。 動物に芸を強要する姿は、動物虐待以外の何ものでもない。一方で犬泥棒が社会現象となる中で、盗まれた他人のペットがこうして路上での物乞い行為をさせられている例も少なくないだろう。中国の闇は、まだまだ深い。 (取材・文=金地名津)犬を操る怪しげな老人。物乞いビジネス関係者なのか
JKがナイフ片手に「殺!殺!」 中国の学生向け“軍事訓練”本気ぶりがすごい
「シャーッ、シャーッ!」 学校の校庭にJKたちの甲高い叫び声が響き渡る。よくある体育の授業の光景かと思いきや、ジャージ姿の彼女たちが手にしているのは、なんと小型ナイフ……。手が振り上げられるたびに、銀色の刃が鈍く光る。 ここは、広東省恵州市にある高校の校庭。ただし、これは体育の授業ではなく、「軍訓」と呼ばれる軍事訓練だ。「シャーッ!」という掛け声は、漢字で書くと“殺!”。うら若き乙女たちが叫ぶには、あまりにも物騒な言葉だ。 「中国の高校や大学では、新入生たちは1学期の最初に、1週間から10日程度の軍事訓練を受ける。中国は9月が学校始めなので、軍事訓練が行われるのはまだ夏真っ盛りのころ。“毎年必ず、熱中症で死者が出る”というウワサが学生たちの間でまことしやかにささやかれるほど、現代のひ弱な若者にとってはつらい訓練だといわれています」と語るのは、上海に住むライターの光村晃司氏。ナイフの訓練では、8つの基本動作を学ぶという
「確かに、女子学生の間で軍訓は“日に焼けて色が黒くなってしまう”と不評ですが、逆に“1週間で数キロは痩せられる”と、ダイエット効果を期待している子もいるようです」(同) 軍事訓練といっても、やることといえば朝から晩まで行進の練習ばかり。銃を撃ったり、ほふく前進で有刺鉄線の下をくぐり抜けていくなどというハードな訓練はない。とはいえ、団体行動を大の苦手としている中国人にとって、隊列を作って一糸乱れず手脚を振り上げて行進するというのは、日本人が想像する以上に苦労を伴うものなのだろう。
この学校の軍訓が注目を浴びたのは、通常なら行進の練習しかしないのに、小型ナイフを使った訓練をしていたため。女子高生が受ける訓練でここまで必要なのか、という疑問が湧き起こったからだった。 同校の学生課課長である黄先生は地元メディアに対し、このように説明した。 「小型ナイフといっても、プラスチック製の偽物ですから。学校では毎年、女子学生たちに護身術を教えているのですが、今年からは模造ナイフを使った訓練もすることにしました」 訓練を担当する譚教官も、ナイフを使った訓練には護身の上での効果があると自画自賛する。 「もし危険に遭遇した時、ナイフの代わりに箸やフォークといった先のとがったもので防御することもできるようになります」こちらは軍訓の行進や整列の訓練
しかし、中国のネット民たちからは疑問の声も上がっている。 「なんで軍事訓練で女性用護身術を教えるんだ?」 「つまり、中国は女性がナイフを使わなきゃ身を守れないほど、危ないということなんだな」 「襲われそうになってヘタにナイフなんかで抵抗したら、かえって危険だろ。女性が身の危険を感じたら、まずは大声を出して逃げるのが先決」 口先がナイフほどに鋭い中国人女性たちが本物のナイフの使い方まで覚えてしまったら、もはや鬼に金棒か!? (取材・文=佐久間賢三)


































