熊野古道をお遍路中、靱帯損傷の宇多田ヒカルに「復帰は遠のいた」の声

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『HEART STATION』(EMI MUSIC JAPAN)
 無期限休養中の宇多田ヒカルが先月末、熊野古道をひとりで“お遍路中”に足首を捻挫、靭帯を損傷したと自身のTwitterで明かした。ケガの大きさに加え、音楽活動から離れてひとり旅をしていたことにも驚きの声が上がっている。 「2011年初めに音楽活動を無期限停止した宇多田ヒカルは、作曲活動自体は続けているといわれ、業界内では12年にも復活するのではないかとの見方がありました。育ての親でプロデューサーの三宅彰氏が昨年6月にEMIからポニーキャニオンに移籍したものの、『宇多田には関わり続ける』との情報が流れたことで、新たな制作体制は整ったとみられたからです。しかし、最近のTwitterの書き込みなどを見ていると、宇多田が音楽活動を本格的に開始する兆しはないですね」(マネジメント関係者)  ここにきて、宇多田の復帰は遠のいたとの見方も出ている。先月末、世界最大のレコード会社、ユニバーサル・ミュージックグループが宇多田の所属するEMIミュージックを買収すると発表したからだという。 「宇多田サイドはEMIミュージックと付かず離れずの関係を保ってきましたが、ユニバーサル・ミュージックとはUtadaとして全米デビューした際、モメにモメているんです。Utadaがセールス不振に終わったことから、現地でのプロモーション方針をめぐって争ったほか、アルバムを国内向けに十分にプロモーションしなかった日本法人に対して、宇多田サイドは不信感を募らせていました。両者の関係修復は不可能とみられ、日本でEMIミュージックがユニバーサルと統合されたとしても、宇多田サイドがそこに加わることはないでしょう」(レコード会社関係者)  そうした事情から、今後宇多田ヒカルをめぐる各社の争奪戦が始まる、との観測も出ている。エイベックスが総力を挙げて獲りに行く、いや元東芝EMI取締役の石坂敬一氏が率いるワーナーが一歩有利、などの下馬評も聞こえる中、「休養は10年単位に及ぶのではないか」と、復帰そのものに否定的な声も出始めた。 「活動休止前から、作詞に行き詰まっていると聞きました。それもあって休養中にいろんな経験を積んでいるが、もともと天才型だけに、学習して歌詞が書けるものでもない。作曲は好調のようなので、もしかしたらプロデューサーや編曲家としての復活が先にあるかもしれません」(同)  休養から2年たく経った今も、動向が大きく報じられる宇多田ヒカル。なんだかんだ言っても、彼女を超えるJポップ歌手は出てきていない、ということか。 (文=千葉亮太)

「食べていけるのはごく一握り」名ドラマーの悲報とベテラン音楽家の嘆き

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『究極のベスト! 憂歌団』
(ワーナーミュージック・ジャパン)
 1998年に解散したブルースバンド憂歌団のドラマー、島田和夫さんが2日未明に自宅前で死去したと報道された。自宅で「もう生きていけない」とのメモが発見されたとして、兵庫県警生田署は自殺の可能性を指摘している。 「憂歌団は関西ブルースシーンを代表するバンドで、島田さんも名ドラマーとして人気の高い方でした。解散後も多くのプロジェクトやコンサートに呼ばれて演奏するなど、同世代のバンドマンの中では群を抜いて活躍していた。仮に自殺であったとしても、音楽活動の行き詰まりが原因とは考えにくい。もしそうなら、中高年のバンドマンのほとんどは厳しい状態ということになる」(ライブハウス関係者)  島田さんの悲報は、同業者にも衝撃を与えている。多くの中高年のミュージシャンが置かれている経済的な苦境が連想されたからだ。有名バンドの元メンバーであっても、スタジオミュージシャンなどで“食べていける”のはごく一握り。そう語るのは、あるベテランギタリストである。 「今の音楽界ではスタジオミュージシャンのギャラの水準が下がり続けていて、一部の大御所を除けばアルバイト的な金額しか出ない。人気バンドの全国ツアーに帯同すると多少まとまった金額が出るが、その間は細かい仕事ができないから、次の仕事が来なくなるリスクもある。いちばん安定しているのは音楽スクールの講師だが、最近は大御所クラスまでやりたがっているから、なかなか席が空かない。音楽では食っていけないと見切りをつけ、まったく違う仕事に転職した仲間も多いね」  実際、一時代を築いた人気バンドのメンバーが、意外な職業に転じたケースは少なくない。建築業に転職した有名バンドRのベーシストや、バーテンダーとなった元カリスマシンガーSなどだ。 「アメリカでは、中高年向けのコンサート市場が充実しているため、ベテランのバンドマンも演奏活動をして食べていくことができます。日本でも、元アイドルグループなどはディナーショーや地方自治体主催のコンサートで稼ぐことができますが、ロックやポップス系はイベント出演などがメインで、ライブハウスでやっても集客は弱い。今後は中高年向けに配慮した、イス付きのライブ会場などの整備が求められるでしょう」(前出のライブハウス関係者)  いまやロックやポップスを聴いて育った世代も、50~60代に差し掛かっている。往年の名ミュージシャンを盛り立てるためにも、中規模コンサート会場の充実や、チケット販売の多様化が望まれる。 (文=島未知也)
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名物会社「フリップサイド」の倒産で表面化した、コンサートビジネスの行き詰まり

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 ここ5~6年の音楽業界では、CDの売上低下を補うように、コンサートビジネスが活発化している。中堅の歌手やバンドが、年2回のコンサートツアーを行うのは当たり前となり、コンサート会場で販売されるグッズも数多く企画・開発されてきた。しかし、チケットの売れ行きに異変が起きているという。あるイベント関係者が解説する。 「ここ1~2年で、チケットが瞬時に売れてしまう公演と、いつまでたっても売れない公演が二極化する傾向にあるんです。人気の夏フェスや、Mr.Children、AKB48などのチケットは熱心なファンでも入手困難な状況ですが、中堅バンドになると6~7割も売れればいいほうで、開催日間際のディスカウント販売も当たり前になってきています。そのため、人気公演をめぐって、コンサート企画会社やチケット販売会社が熾烈な争いを繰り広げています」  そんな中、音楽業界ではよく知られたコンサート企画・運営会社である「フリップサイド」が9月26日、二度目の資金ショートを起こして経営破綻したと報じられた。  メディアの報道では、松山千春や中島みゆきなどを手がけてきたと報じられたが、2000年以降の同社はDIR EN GREYなどのビジュアルバンドや、Jポップ関連の大型公演も積極的に手がけていたという。 「フリップサイドは豪腕で知られる高山昌芳社長の個性が前に出た会社で、スタッフはその意向に忠実に従っているという印象でした。大物バンドや歌手からの信頼も厚かったのですが、ここ数年で生じたイベンター(コンサート企画運営会社)の業態変化に順応できなかった部分もあるのでは」(レコード会社関係者)  近年に音楽業界で起きた変化とは、大手レコード会社や有力事務所によるコンサート企画とチケットの卸販売が一般化したことだという。 「エイベックスを筆頭に、多くのレコード会社がコンサートビジネスに進出し、従来のイベンターを制作会社として起用するようになりました。この場合、チケットの売れ行きにかかわらず制作料が入ってくるため、安全なビジネスではあるのですが、大きな利幅は望めません。また制作請負だけでは、大きなコンサートを企画するための資金も稼げない。フリップサイドはあくまでもコンサート企画にこだわり、“下請け”をほとんどやらなかったことが苦境につながったのではないか」(前出のイベント関係者)  一部の人気公演だけが“金のなる木”となっている現状の音楽業界。レコード会社をはじめとする有力プレイヤーには、有力公演を取り合ったり、囲い込んだりするだけでなく、有望な若手や中堅の発掘にも力を入れてもらいたいものだ。 (文=島未知也)
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【後藤まりこ】ダウナー系パンク娘が、恨みを綴った「恨み帳」を閉じて、イメチェン?

【プレミアサイゾーより】 ──00年代に、坊主頭にセーラー服の個性的すぎるいでたちと、ハードコアパンクなパフォーマンスで音楽ファンを驚かせたバンド・ミドリの後藤まりこがソロデビュー! 
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(写真/三浦太輔 go relax E more)
 サウンドもヴィジュアルも、ふっきれたようにキュートに!? かつて後藤まりこがギターとボーカルを担当していたバンド・ミドリの解散から1年半以上たったとはいえ、このイメチェンぶりには驚かされた。彼女に、いったい何が起こったのか? 率直に本人にぶつけてみると、客観的にこんな分析をしてくれた。 「後藤まりこさんはね、以前はジャズ・パンクと言われるような激しい音楽性のバンドをしていた方なんですけれども、どうやら世間的には丸くなられたみたいで(笑)。でも、一見ポップになったと思われがちやけども、実際には、今でも、いつでも心にハードコアを持っているみたいですよ」  そう、かわいらしい見た目にごまかされそうになるが、この人の漂わせる、ストイックな表現者特有の緊張感は昔から変わらない。しかし、そんな後藤も、バンドの解散後は音楽活動を完全に辞めるつもりだったという。 「辞めるつもりだったというか、スッパリ辞めたんです、一度は。そしたらすごーく開放感がありました。遊び歩いたり、ヨガ教室に通ったりもしたんですよ。ぜんぜん続かへんかったけど。  そのうち震災があったりして気持ちが大変だったりする中で、だんだん虚無感とか焦燥感が襲ってきて、そのときに『あ、ボク、音楽のことがすごく好きやし、大事やった』ってことに気づいたんですね。  それで、すごく葛藤もあったし、ずっとミドリのこと思ってくれてた人や、いろいろ迷惑をかけた人には悪いけど、もう一回、音楽をやってもいい? って」  曲はすぐにできた。鼻歌でメロディーをつくり、歌詞も自然と浮かんできた。 「素晴らしい!『今日』という日は/私を肯定しまくる、メロディー」(「ままく」)。  一度、音楽から離れたとはいえ、今作はどの曲もポジティヴ感に溢れているのには、なにかきっかけのようなものがあったのだろうか? 「うん……あった、と思います」  何かを思い出すように、ゆっくりと口を開く後藤。ちなみに彼女はバンドの解散直前に結婚をし、今回、ソロ活動を開始する前に離婚をしている。そのことも関係している? 「そうですね。詳しくは言わないですけど、その人といろいろ話したことも関係していると思います。ただそれだけに限らず、生きていることで体験するすべてに影響されてて、その上でのアウトプットなので。音楽で何か言いたいとかではなくて、ただ普通に音楽をやろうとしたら、こうなったんです」  新しい曲たちを支えるバックバンドには、気心の知れた腕っこきたちが集まった。かつてのバンド活動とは、やはり違うものになったのだろうか。 「ぜんぜん違いますね。以前はバンドという運命共同体を自分ひとりで背負おうとしてしまっていたんですけど、今はボクの好き勝手にやらせてもらって、それに対してメンバーからいいレスポンスを返してもらってる。すごく楽しいです。あと、昔はイヤなことがあっても、その場では絶対言われへんかったのが、今はバンバン口に出せるようになった。バンド練習の初日に、ドラムの千住(宗臣)くんと個人的なことでいきなり口論になったんやけど(笑)、そのまま初日からメッチャ飲んで、いろいろぶつけて仲直りして。青春!! みたいな。そういう意味では、ホント変わったなぁって思う」  かつては対人関係でイヤなことがあると「恨み帳」に事細かく記録していたという後藤。だが、それももう必要なさそうだ。 「まだ家に置いてあるんですけどね、恨み帳(笑)。でも、もう必要ないでしょう。今は音楽を、すごく普通のこととしてできているのが、楽しくてしょうがないんです!」 (文/九龍ジョー) 後藤まりこ(ごとう・まりこ) 大阪府生まれ。2003年に結成したロックバンド・ミドリのボーカルとギターとして活動。10年にバンド解散後、一時の活動休止期間を経て、ソロデビューを果たした。ミドリ時代は、坊主頭にセーラー服、裸足でステージを駆け回るなど、強烈な個性で音楽ファンを魅了。8月からロックミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』に出演する。
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『299792458』 後藤まりこ初のソロアルバム。ゲストミュージシャンとのジャムセッションを経てできたという本作。ポップなメロディーと骨太なバンドサウンドの中で、後藤のボーカルがより引き立っている。アルバムタイトルは、『299792458』と書いて “ごとうまりこ”と読むらしい。そんなところが”相変わらずなゴトウさん”っぽいです。 発売:デフスターレコーズ 価格:(初回生産限定盤)2800円 (通常盤)2300円(共に税込) 発売中 【「サイゾーpremium」では他にも話題のアノ人に迫るインタビュー記事が満載!】【大川きょう子】「幸福の科学」を離れ、みちのくで被災地支援にいそしむ”ナイチンゲール(!?)”【松井珠理奈】板野友美に認められたい!AKB48に乗り込んだ名古屋のエース【伊集院光】──“黒”伊集院が見せる、自らのタレント性をダメにする地上波NG番組
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「ターバン姿で国歌斉唱」の湘南乃風HAN-KUN、その意外な評判とは?

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『POSSIBLE / RIDE ON NOW』(バップ)
 去る8月15日にTBS系でテレビ中継された「キリンチャレンジカップサッカー2012」で、レゲエグループ湘南乃風のボーカルHAN-KUNがターバン姿のまま国歌斉唱し、ネット上で「無礼だ」「帽子を取れ」と非難される事態に発展した。さらには「歌唱力もひどい」「勝手にメロディを変えるな」と、彼のパフォーマンス自体にも批判が高まっているようだ。 「HAN-KUNが所属する湘南乃風は、レゲエそのものの人気低迷もあって、はっきり言って落ち目のグループです。夏のイベントでは多少動員しますが、CDやダウンロード販売はもう目も当てられないレベル。そんな中、国歌斉唱という大舞台に『いいプロモーションになる』と飛びついたのでしょうが、薄毛を気にしているHAN-KUNは絶対にターバンを取らないという点を軽く考えすぎましたね。帽子をかぶったまま国歌斉唱するなんて、欧米でもタブーですから、認識が甘い」(マネジメント関係者)  ただし、歌唱力については「HAN-KUNは決して下手ではない。以前サッカーの試合で君が代を歌ったAqua Timezの太志はもっとひどかった」(同)と、Jポップの中ではレベルが高いほうとの意見が多いようだ。 「そもそも君が代はメロディが単調で抑揚がない曲のため、歌い手の歌唱力がはっきりと表れます。今のJポップ界では、歌唱力よりも“味”や“個性”が重視されており、君が代をまともに歌える歌手は少ないのです。たとえば、宇多田ヒカルはライブ時に音程を外したり、声が出なくなったりすることで有名で、内輪のイベントで他人のカバーを披露したところ、あまりの下手さに周囲がひっくり返ったこともありました。そうした事情があって、演歌歌手やクラシック歌手が国歌斉唱を行うことが多いのですが、主催者としては若者にもアピールしたい。そうなるとISSAやHAN-KUNのように、歌はうまいものの帽子が欠かせない歌手に白羽の矢が立ったりすることになり、今回のような騒動がたびたび持ち上がるわけです」(音楽出版関係者)  ちなみにISSAが歌ったのは、07年の北京オリンピック2次予選の日本・シリア戦。変なアレンジを加えることなく堂々と歌い上げて好評を博した。歌う前にハットを取ったものの、頭部に黒いキャップのような布が巻き付いていたため、一部では「帽子を脱いだとはいえない」と問題視もされたが、今回ほどの非難を浴びなかったのは、歌手としての実力が伴っていたからかもしれない。  湘南乃風のメンバーはコワモテの外見とは裏腹に、気さくな性格で音楽業界内での評判も悪くない。今回の騒動を招いた責任は、国歌斉唱役を安易に引き受けたレコード会社や所属事務所にあるといえそうだ。 (文=志波道夫)

高い放射線量を計測したロックインジャパンと激安会場費の関係

【プレミアサイゾーより】
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(写真/有高唯之)
 8月3日~5日、音楽出版社のロッキング・オンが企画制作する「ROCK IN JAPAN FES.2012」が茨城県の国営ひたち海浜公園で行われた。  このフェスに関しては、福島第一原発の事故が起こった2011年に「原発近くでフェスをする必要があるのか?」と一部ファンから反発が起こり、この動きと呼応して「東海村JCO事故後の地元のイメージアップのために誘致され、会場費もタダ同然」という噂が流れている。  本誌では、この件について、国営常陸海浜公園事務所そして関東地方整備局などに問い合わせたが、現在明確な回答を得られていない。  一方、今年のフェスに際しても会場の一部で国の基準値を超える放射線量を計測し、公園側は除染を敢行。 「7月20日に表土剥ぎが完了した西口エリア⑤の放射線量を測定しました。測定の結果0・166μSv/hとなり0・23μSv/hを下回りました」(公園HP)としている。  しかし、実際に公園をガイガーカウンターを携えて計測すると、園内通路などでは確かに0・15μSv/hと、都内とさほど変わらない。  だが、メインステージ「GRASS STAGE」正面の林では、0・5μSv/h超を計測。最高で0・9μSv/hに到達するところもあった。園内各所で、国の定める基準値を超える放射線量を計測したのだ。  この結果を見て、事故後の福島原発周辺を取材するライターは「例えば都内市街地の数値よりは高いですが、ナーバスになるほどではない。相馬市あたりと同じくらいの値で、市民は普通に生活をしてるわけですから、問題ないはずです」と話す。  だが、開催2日前でも国の定める基準値を超えた数値が、園内各所で出ているという事実は、フェスの対応が不十分であることを示している。反原発フェス「NO NUKES」の制作にも携わる割には、少し認識が甘くはないだろうか。 (編集部) 『ロックインジャパンフェスティバル』 2000年から始まる夏フェス。企画制作するロッキング・オンの影響で、出演はすべて邦楽アーティストとなっている。主催はニッポン放送。 ■ロッキンオンとフェス事業 不況の出版業界の中でも、音楽系雑誌の凋落は著しく発行部数も、広告収入も落ち込み続ける一方だ。老舗音楽誌「ロッキング・オン・ジャパン」も例外ではないが、近年はフェス制作事業に力を入れており、ごく一部で成果を上げている。音楽フェスだけでなく、11年から「食」がテーマの「まんパク」を開催。こちらも開催は、国営公園だった。 【「サイゾーpremium」では他にも話題のニュース記事が満載!】TSUTAYAのCCCとのキケンな提携で爆速ヤフーがついに衰退する!?あの恐喝・レイプ報道は"芸能界のドン"から息子への愛のムチなのか沢尻エリカ"大麻疑惑"の追求なし 平穏無事だったエイベックスの株主総会
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【プレミアサイゾーより】
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 8月3日~5日、音楽出版社のロッキング・オンが企画制作する「ROCK IN JAPAN FES.2012」が茨城県の国営ひたち海浜公園で行われた。  このフェスに関しては、福島第一原発の事故が起こった2011年に「原発近くでフェスをする必要があるのか?」と一部ファンから反発が起こり、この動きと呼応して「東海村JCO事故後の地元のイメージアップのために誘致され、会場費もタダ同然」という噂が流れている。  本誌では、この件について、国営常陸海浜公園事務所そして関東地方整備局などに問い合わせたが、現在明確な回答を得られていない。  一方、今年のフェスに際しても会場の一部で国の基準値を超える放射線量を計測し、公園側は除染を敢行。 「7月20日に表土剥ぎが完了した西口エリア⑤の放射線量を測定しました。測定の結果0・166μSv/hとなり0・23μSv/hを下回りました」(公園HP)としている。  しかし、実際に公園をガイガーカウンターを携えて計測すると、園内通路などでは確かに0・15μSv/hと、都内とさほど変わらない。  だが、メインステージ「GRASS STAGE」正面の林では、0・5μSv/h超を計測。最高で0・9μSv/hに到達するところもあった。園内各所で、国の定める基準値を超える放射線量を計測したのだ。  この結果を見て、事故後の福島原発周辺を取材するライターは「例えば都内市街地の数値よりは高いですが、ナーバスになるほどではない。相馬市あたりと同じくらいの値で、市民は普通に生活をしてるわけですから、問題ないはずです」と話す。  だが、開催2日前でも国の定める基準値を超えた数値が、園内各所で出ているという事実は、フェスの対応が不十分であることを示している。反原発フェス「NO NUKES」の制作にも携わる割には、少し認識が甘くはないだろうか。 (編集部) 『ロックインジャパンフェスティバル』 2000年から始まる夏フェス。企画制作するロッキング・オンの影響で、出演はすべて邦楽アーティストとなっている。主催はニッポン放送。 ■ロッキンオンとフェス事業 不況の出版業界の中でも、音楽系雑誌の凋落は著しく発行部数も、広告収入も落ち込み続ける一方だ。老舗音楽誌「ロッキング・オン・ジャパン」も例外ではないが、近年はフェス制作事業に力を入れており、ごく一部で成果を上げている。音楽フェスだけでなく、11年から「食」がテーマの「まんパク」を開催。こちらも開催は、国営公園だった。 【「サイゾーpremium」では他にも話題のニュース記事が満載!】TSUTAYAのCCCとのキケンな提携で爆速ヤフーがついに衰退する!?あの恐喝・レイプ報道は"芸能界のドン"から息子への愛のムチなのか沢尻エリカ"大麻疑惑"の追求なし 平穏無事だったエイベックスの株主総会
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新聞・週刊誌にバッシングされる脱原発の旗手・坂本龍一のアキレス腱は「オンナ」?

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『坂本龍一[音盤] ビートサウンド』
(ステレオサウンド)
 最近では脱原発運動にも熱心に取り組む、“世界のサカモト”こと坂本龍一。デモ参加中の「たかが電気」との発言に対し、産経新聞がコラムで取り上げて批判するなど、一部マスコミからのバッシング報道が沸き上がっている。8月8日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、「異様なNYエコライフ」と題された記事で、坂本のセレブな生活ぶりが揶揄的にレポートされている。 「昨年7月には坂本氏のインタビュー記事を掲載するなど、同氏の脱原発活動に好意的だった文春ですが、今年に入って新谷学編集長体制になってから編集方針が変わりましたね。スクープ主義を打ち出して大物のスキャンダル記事を次々と掲載する一方、東電や原発を批判する記事は明らかに減りました。坂本バッシング記事の掲載も、そうした流れの一環と見ていいでしょう」(別の週刊誌記者)  そんな中、一部の週刊誌では坂本氏の女性スキャンダルを追う動きも出ているようだ。 「坂本氏にとって最大の魅力であり、またアキレス腱でもあるのが女性問題です。“現代のカサノバ”と呼ばれるほど旺盛な精力を誇り、数々の女性と浮名を流す中で、トラブルに発展したケースも少なくありません。音楽業界では、若き日の坂本さんが女性ファンに手を出すだけでは飽きたらず、ある有名女性シンガーを強引に組み伏せたという逸話が語り継がれています。DV癖もあるとささやかれる坂本さんですから、俳優・森本レオのような“古傷”が出てこないとも限りません」(前出の記者)  かつては、嫌いな音楽は絶対に聴かないと公言し、気に入らない服装をしていた友人と絶交するなど、自らの美意識に反するものを徹底して退けてきた坂本龍一。ところが、最近の脱原発イベントでは、どう見ても坂本氏の好みとは思えないバンドとも共演している。これは人間的に円くなった結果なのだろうか? 「坂本さんは確かに円くなりました。周囲の人を怒鳴ったりすることもありませんし、共演の申し込みにも、よく応じるようになりました。その背景には、事務所の経営状態がさほど良くないという事情もあるようです。自身のコンサートにエコ電力を導入するなど、相当の資金を音楽活動につぎ込んでますからね。そんな中、事実上の妻である事務所社長のSさんが、坂本氏をうまくコントロールしている面も大きいでしょう」(レコード会社関係者)  デビューから30年以上、日本の音楽界の話題の中心には、いつも坂本龍一がいた。音楽関係者の一部には「音楽よりも人間性のほうが面白い」と揶揄する向きもあるが、今後も硬軟取り混ぜた話題を提供してもらいたいものだ。 (文=市村彰)

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(ステレオサウンド)
 最近では脱原発運動にも熱心に取り組む、“世界のサカモト”こと坂本龍一。デモ参加中の「たかが電気」との発言に対し、産経新聞がコラムで取り上げて批判するなど、一部マスコミからのバッシング報道が沸き上がっている。8月8日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、「異様なNYエコライフ」と題された記事で、坂本のセレブな生活ぶりが揶揄的にレポートされている。 「昨年7月には坂本氏のインタビュー記事を掲載するなど、同氏の脱原発活動に好意的だった文春ですが、今年に入って新谷学編集長体制になってから編集方針が変わりましたね。スクープ主義を打ち出して大物のスキャンダル記事を次々と掲載する一方、東電や原発を批判する記事は明らかに減りました。坂本バッシング記事の掲載も、そうした流れの一環と見ていいでしょう」(別の週刊誌記者)  そんな中、一部の週刊誌では坂本氏の女性スキャンダルを追う動きも出ているようだ。 「坂本氏にとって最大の魅力であり、またアキレス腱でもあるのが女性問題です。“現代のカサノバ”と呼ばれるほど旺盛な精力を誇り、数々の女性と浮名を流す中で、トラブルに発展したケースも少なくありません。音楽業界では、若き日の坂本さんが女性ファンに手を出すだけでは飽きたらず、ある有名女性シンガーを強引に組み伏せたという逸話が語り継がれています。DV癖もあるとささやかれる坂本さんですから、俳優・森本レオのような“古傷”が出てこないとも限りません」(前出の記者)  かつては、嫌いな音楽は絶対に聴かないと公言し、気に入らない服装をしていた友人と絶交するなど、自らの美意識に反するものを徹底して退けてきた坂本龍一。ところが、最近の脱原発イベントでは、どう見ても坂本氏の好みとは思えないバンドとも共演している。これは人間的に円くなった結果なのだろうか? 「坂本さんは確かに円くなりました。周囲の人を怒鳴ったりすることもありませんし、共演の申し込みにも、よく応じるようになりました。その背景には、事務所の経営状態がさほど良くないという事情もあるようです。自身のコンサートにエコ電力を導入するなど、相当の資金を音楽活動につぎ込んでますからね。そんな中、事実上の妻である事務所社長のSさんが、坂本氏をうまくコントロールしている面も大きいでしょう」(レコード会社関係者)  デビューから30年以上、日本の音楽界の話題の中心には、いつも坂本龍一がいた。音楽関係者の一部には「音楽よりも人間性のほうが面白い」と揶揄する向きもあるが、今後も硬軟取り混ぜた話題を提供してもらいたいものだ。 (文=市村彰)

「『圏内の歌』は避難勧告の歌じゃない」言葉にならない無数の歌と向き合った七尾旅人の500日

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撮影=佐藤裕之
 黒い衣装に身を包み、頭には麦わら帽子、足元には下駄。一風変わった風貌のこの男は、シンガーソングライターの七尾旅人だ。東日本大震災後は足しげく東北を訪れ、ライブ活動を行ったり、開発に携わってきた自力音源配信ウェブサービス「DIY STARS」(http://www.diystars.net/)を使って、「DIY HEARTS 東日本大震災 義援金募集プロジェクト」を開始。現在までに1,300万円以上を集め、震災孤児に寄付している。  そんな七尾氏が8月8日、ニューアルバム『リトルメロディー』を発売した。各所で話題になった「圏内の歌」をはじめ、震災以降、織り上げられた曲が大半を占めてはいるが、ポップで親しみやすい曲ばかりがちりばめられている。七尾氏がこのアルバムに込めた思い、そして震災後、約500日にわたる自身の音楽活動を振り返ってもらった。 ――前作から約2年ぶりのアルバムですが、やはり震災の影響は大きいですか? 七尾旅人(以下、七尾) 本当にいろいろなことが起こって、やっぱり震災以降はどうしても自分の意識を変えざるを得なかった。そういう部分も、今回のアルバムには反映されているとは思います。震災直後に100曲以上ある自分のライブ・レパートリーを振り返ったんですが、以前と同じように、すぐにお客さんの前で歌える曲が1~2曲しかなかったんです。こういうみんながボロボロになって、世の中がものすごく大きく動いているときに、ひしひしと自分の無力感を感じましたね。もうこれまでと同じ意識でやっていてもしょうがない、ゼロからやり直そうと思ったんです。 ――その後、1カ月たたないうちに、友人でありタブラ奏者のユザーン氏と一緒に福島へ入り、ライブを行ったそうですね。 七尾 まだ早い段階でしたので、車で行ってライブをやらせてもらうことが本当に正しいのか、逡巡もあったし、ある程度、覚悟は必要でした。でも、自分のお客さんたちが大変な目に遭っている。地震が来て津波が来て、その上、放射能が降っている。そんな状況に置かれた人の顔を思い浮かべることができますか? とにかく顔を見に行こうと思ったんです。で、実際に行ってみると、東京で飛び交っている情報とはまた違っていて。都市部で強く叫ばれているスローガンとはちょっと違う形の、複雑な言葉や感情があったんです。「頑張ろう、日本」や「原発反対」だったり、それらも真摯で重い言葉ですが、そのはざまに、もっともっと複雑で読み解きにくい言葉、パッと聞きわかりにくい言葉というものが、さまよっていたんです。 L1092381.jpg  例えば、福島で出会った人たちの「ふっ」というつぶやき。その一見わかりにくい、小さな言葉の中に歌を感じたんです。だから、自分の中の感情もあまりシンプルにせずに、本当の意味で歌いたいことを歌おうと思いました。強い言葉の陰で、相変わらず圧迫され、追いやられたまま痛めつけられている人もまたいて、そういう小さな歌声が、自分の中ではとてつもなく重い大きなものに聴こえたんです。一行のキャッチコピーにはできないような、複雑な悲しみとか喜びを、うまくすくい上げられないかなって。 ――そういう小さな歌声に耳を傾けるために、南相馬のご友人の家に泊まり、たくさん曲を書かれたそうですね。 七尾 はい。それだけを集めてアルバムを作ることもできたけど、それも違う気がしたんです。そうじゃなくて、震災以降の自分のちっぽけさとかずるさとか小汚さとか、一口には捉えきれない今というものを映し出すには、「こんなアルバムなんです」ってシンプルにプレゼンできるようなものを作っちゃだめだと思ったんです。とにかく、正直に、人間の小ささや、本当にうれしかったこと、本当に悲しかったことを入れようと思った。自分の身の丈から言葉を発したかったんです。 ――アルバムに収録されている「圏内の歌」は、「子供たちだけでも/どこか遠くへ/逃がしたい」という強烈な歌詞が、話題になりました。 七尾 放射能が降り注ぐ環境の中で、それでも表向き笑顔で生きている女の人が主人公の曲なんです。福島の友達に聞く話と東京で伝えられている情報の齟齬、スキマがいろんな形で埋められるべきだと思っていたので、こういう曲ができたんだと思います。避難勧告の歌だと誤解されがちなんですが、そうではない。例えば、自分の家を追い出されてもう帰れないし、仕事も失って、それなのに罪悪感も持っていたりするんですよ。「私たちが放射能ばらまいた」みたいな。悲しみ、怒り、罪悪感、悔しさとか、一口でなんてとても言えないんですよ。すごく複雑で、なかなか言葉じゃ捉えきれない。音とメロディとリズムを総動員して、なんとかパッケージしないと、捕まえ損ねてしまう。 ――ご自身にとってもとても大切な曲だと思いますが、約1年半歌い続けてきて、何か気持ちの変化などはありましたか? 七尾 昨年5月に作曲したばかりの頃は、渦中でそれを歌い続けることに葛藤もありましたが、1年以上たつと、歌うたびに僕自身がそのときの感覚を鮮明に思い起こし、再考し続けるための装置にもなっています。たぶん新聞記事だけだったら、100年後は、まるで太平洋戦争中の新聞と同様に、共感しづらいものになる。政治や科学やジャーナリズムの言葉だけでは、よくわからない。でも、そこに音楽、あるいは映画とか、文化がついてきて初めて、そのときどんな人がどんな複雑な気持ちを抱えて、どんなことを恐れていたり、どんなことに喜んでいたかが、やっと見えてくると思うんですよね。 L1092332.jpg  「圏内の歌」には悲しみが満ちていますが、悲痛な表情で歌う曲ではなく、自然と微笑みながら歌うような形になる。歌が持っているエモーションが演者をそうさせるんです。人を糾弾したり、悲しいんだ、痛いんだというのを出す曲ではないんです。どうしようもなく困難な状況で、見たこともなかったような人間の美しさが発露してくる。それを見てしまう、見つけてしまう、そんなとき、歌ができてしまうんです。 ――七尾さんは9.11の後に『911 FANTASIA』という3枚組のアルバムをリリースされていますが、こういう複雑な気持ちというのは、9.11のときにも感じたものですか? 七尾 9.11のときは個人的にもすごく苦しい時期で、年齢も21歳と若かったので、いっぱいいっぱいだったんです。自分の心象風景と、ビルに飛行機が突っ込むという風景が渾然一体になってしまって、「自分はもうダメだし、世の中は破滅に向かっているし……」と思ってしまったんです。すごく観念的に捉えてしまって、海の向こうのことだけど他人事じゃない、世界の一大時だと。まあ、それゆえにあそこまでの情熱で作品化できたわけですが、今は30歳を過ぎたので、情緒的になるより先に、心配事が浮かんできましたね。単純に東北の友達の安否や、周りの不安がっている仲間のこと。それに、こんな状態で今までの曲歌ったってしょうがないな、とかね。東北という、仲間の顔が見える範囲の出来事だったので、ショックがでかすぎて……。でも、それがその直後の動きにつながったとは思いますね。 ――震災直後に書かれた楽曲「帰り道」のYouTubeへのアップ(http://www.youtube.com/watch?v=XNLAT6t67i4)から始まって、被災地でのライブ、チャリティーイベントの参加、義援金募集サイト「DIY HEARTS」の立ち上げなど、目まぐるしい1年半だったと思いますが、それらの活動によって気持ちの面では少し楽になったのでしょうか? 七尾 迷いっぱなしですよ。悩み終わったこともいくつかありますけど、自分の中で解決できていない問題のほうがはるかに多いです。ただ1年半いろいろやってきて今言えることは、考え続けるのと手を動かし続けるしかないということですね。 ――ライブで歌うということは、ご自身の気持ちを吐き出す行為でもあるんでしょうか? 七尾 いえ、作曲は気持ちを表現することで吐き出していたり、整理している部分がどこかにありますし、できあがったものを聴いて、冷静に自分を分析できたりもする。一方ライブの場では、演者として芸人として、お客さんを楽しませたいと思っています。音源、そして「百人組手」のような自主イベントや「DIY STARS」のような配信システム、僕の創作にまつわるすべてに言えることですが、お客さんに驚きを与えたいという気持ちが強くて、今も昔も「わー!」と言わせたいと思っているし、僕自身も音楽にはそれを求めています。父親がジャズファンだったんで、黒人がものすごい速さで鍵盤を叩いたり、顔をほとんど異形化させた状態でトランペットを吹いているとか、子ども心に、まるで超人だなって思って。そういうのが原体験にある。「人間がここまでやれるの? それなら僕も希望を持つことができる、自分もいつかきっと」って。音楽って、ちまちましたもんじゃないんです。僕はシンガーソングライターなので、まあ内省的ではあるけれど、志向としては、むしろ、サーカスとか大道芸とか、シルク・ドゥ・ソレイユに負けないくらいの領域に、おじいさんになる頃には到達したいんですよね。 L1092361.jpg ――なるほど。確かに七尾さんのライブは、サプライズの連続ですよね。毎回、「今日はどんなことをやってくれるんだろう」というワクワク感があります。では最後に、震災後のさまざまな感情を吐き出した今回のアルバムは、七尾さんにとってどんなアルバムですか? 七尾 今回のアルバムは、自分の表現の一番コアな部分を取り戻していくためのプロセスのひとつだと思うんです。前作『billion voices』のときはいろいろなことに恵まれていたので、自分もノリノリで、すごく明るいアルバムだったんです。「DIY STARS」の立ち上げなどいろいろなことが同時に起こって、みんなCDが売れないってすごく悲壮感が漂っていたけれど、僕は「今が一番楽しいよ。確かに20世紀のポップシステムは壊れたけど、ポップミュージックまで壊れたって言うのやめてくれる?」って思っていたんです。「僕より年下の10代とか20代の奴が今どんだけ面白いことやってるか知ってる? 知りもしないクセに、『若い奴がやってることはつまらない』とか言うなよ」って。だから意図的にああいうジャケットにしてコンセプチュアルにまとめたんですが、翌年の3月11日でガラッと世の中が変わってしまったから、それまでに考えていた次作のアイデアを全部捨てたんです。それでこういうアルバムになった。そういう意味では、『billion~』とはかけ離れている。『911』とか昔のアルバムに近いのかもしれない。挫折感もあったし、いろんな軋轢とかある中で、もう一度自分を組み立て直そうとしたプロセスだと思うんです。  ある種の公共性を伴った曲もあると思うけれど、僕としてはすごく自己表現をやりたかった。こういうときだからこそ、そういうことをやらないと前に進めないと思った。先に行けないなって。こういうことを歌ったら誰かを傷つけてしまうんじゃないかとか、1円でも多く義援金を集めたいという気持ちは今でもぜんぜん消えていないんですけど、このアルバムに関しては、やっぱり表現者として生きて死んでいくわけだから、善も悪も超えて、自分が本当に歌いたいことを歌ってみると。そういう意味ではすごく、自分にとっては大事な作品ですね。 (取材・文=編集部) ●ななお・たびと シンガーソングライター。1998年のデビュー以来、驚異の3枚組アルバム『911 FANTASIA』や、新世代のフロアーアンセムとも称される「Rollin' Rollin'」、21世紀の新しい音楽の可能性を感じさせる『billion voices』などで旋風を巻き起こす。唯一無二のライブパフォーマスは必見。自身のライフワークと位置付け、全国各地で開催してきた弾き語り独演会「歌の事故」、全共演者と立て続けに即興対決を行う「百人組手」の2つの自主企画を軸に、各地のフェス、イベント、USTREAMでも伝説的なステージを生みだし続けている。 公式ブログ< http://tavito.net/> Twitter <https://twitter.com/#!/tavito_net>