「むしろ松田聖子、ユーミンがヤバい……!」フジテレビ“口パク禁止令”で本当に困る歌手たち

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THE 劣化。
 フジテレビ音楽番組の名物プロデューサー、きくち伸が自身のブログ上で「口パク禁止令」とも受け取れる文章を書き込み、一般視聴者のみならず、音楽業界にも波紋を呼んでいる。ネット上では「AKB48はどうなる?」「Perfumeはアウト」などの議論が盛り上がっているが、本当に“ヤバい”のはベテラン歌手だという。 「確かに、新曲プロモーションで出演する音楽番組で口パクが禁止されたら、ジャニーズやAKB48あたりはダンス色の強い曲を歌いにくくなるでしょう。ただし、きくちPが言及している番組は、カバー曲や往年のヒット曲が中心なので、一定の歌唱力があれば対応できるはず。それよりもダメージが大きいのは、加齢や喉のトラブルから全盛期のような歌声が出なくなってしまった歌手です。具体的には松田聖子や松任谷由実、杏里、持田香織などが出演しにくくなる」(レコード会社関係者)  中でも松田聖子の場合、デビュー時にはみずみずしい歌声で評判を取ったものの、喉のトラブルがもとで、30代に入った頃からはほとんど口パクで通しているという。 「聖子さんは年齢とともに顔やスタイルが激変したことも話題となりましたが、一番変わったのは、実は“声質”なんです。20代の終わり頃に、喉の酷使から声が出なくなってしまい、それ以降は声量を伴わない歌唱法を用いるようになりました。コンサートやテレビ出演では、念入りに加工された録音バージョンで、生歌の弱々しさを補強しています」(同)  また、音楽関係者からは、地デジ化に伴って音楽番組の音声ミキシングが大ざっぱになっているとの声も出ている。 「ここ最近の傾向として、演奏よりも歌声を強調するミキシングが主流となっています。そのため、ちょっとした声のゆらぎや呼吸の乱れで、演奏自体がバラバラに聞こえてしまうケースも増えているのです。そうしたリスクを避けるため、『いい音楽を届けるには、口パクのほうがいい』と話すスタッフは、レコード会社だけでなくテレビ局にも多いですよ。海外では同様の理由から、テレビやラジオでは口パクが主流です」(前出関係者)  『FNS歌謡祭』などで高い評価を得ている、フジテレビの音楽番組の立役者きくちPによる今回の提言。口パクの是非だけでなく、ベテラン歌手のあり方や、音楽番組の音声ミキシングのあり方まで問うものといえそうだ。 (文=市場葵)

「AKB・ジャニーズは全滅!?」フジテレビきくちP“口パクを受け入れない”発言は英断か

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『MUSIC FAIR』フジテレビ
 5日、フジテレビの“きくちP”こと、きくち伸プロデューサーが自らのブログ「きくちPの音組収録日記」で、自らが担当する同局『MUSIC FAIR』では、“『僕らの音楽』『堂本兄弟』同様「口パク」を受け入れない”との意向を表明し、話題になっている。  きくちPといえば、『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』などを担当し、現在、音楽番組プロデューサーとしては第一人者といえる人物。そんなきくち氏の発言は、業界内外に大きな影響を与えそうだという。 「きくちさんは番組名を限定していますが、実質的にはフジのすべての音楽番組から“口パク”が排除されることになりそうです。もともときくちさんは“生歌”志向が強く、昨年の『FNSうたの夏まつり』『FNS歌謡祭』で不完全な状態の浜崎あゆみに生歌を披露させ、大きな話題を呼びました。フジが“生歌”主導になれば、おのずと他局の口パクに対しても視聴者の目は厳しくなっていくでしょうね」(テレビ誌記者)  一方で、この発言は昨今の音楽番組では恒常的に“口パク”が採用されていることの証左でもある。テレビ朝日の看板音楽番組『ミュージックステーション』は生放送にもかかわらず口パクを多用していることで知られており、過去にジャニーズの山下智久が誤ってマイクスタンドを倒してしまったにもかかわらず、歌声が放送され続けたこともあった。 「ジャニーズやAKB48グループ、少女時代やKARAといったK-POPも含め、激しいダンスをしながら歌唱するパフォーマンスグループに“完全生歌”を強いるのは現実的には不可能でしょう。もしかしたら、そうしたアーティストはテレビから全滅するかもしれない」(同)  こうした動きは、業界内でも音楽番組の“健全化”につながると歓迎する向きがほとんど。だが、きくち氏の言説に異を唱える声もある。 「言ってることはカッコいいのですが、実際には番組から人気アーティストに『口パクでいいから出てくれ』とお願いすることのほうが多いし、そのための録音にかかる費用を番組側で負担することだってある。音楽的な実力だけでなく、アーティストの“華”や“トーク力”をフィーチャーして、音楽番組のバラエティ路線を確立したのが当のきくちさんですから、ハシゴを外されたような気分ですよ」(制作会社スタッフ)  いずれにしろ、しばらくは“口パク番組”と“生歌番組”が並び立つ状況になりそうなテレビ界。視聴者は果たして、どちらを選ぶだろうか?

CHAGE and ASKA「やっぱり金銭的な理由で?」4年ぶり活動再開も“不仲説”は大丈夫なのか

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『CHAGE and ASKA VERY BEST NOTHING BUT C&A』
(UNIVERSAL SIGMA)
 2009年1月に無期限活動休止を発表した人気デュオCHAGE and ASKAが、4年ぶりに活動を再開する。デビュー35年目となる今年の夏には、07年以来6年ぶりとなる夏のスペシャルライブを開催するほか、35周年に向けてさまざまな活動を計画しているという。 「『SAY YES』『YAH YAH YAH』などの大ヒットで90年代に一世を風靡した彼らでしたが、音楽性の違いによる不仲が活動休止の理由だといわれています。チャゲアス時代には、89年と99年にソロ活動を行っており、そのたびに不仲説や解散説がささやかれました。音楽性の違いというよりは性格の不一致というのが実際のところで、その遠因となったのがギャラの配分。ヒット曲のほとんどはASKAの作詞作曲なので、相当の格差があったようです。そうした確執もあってか、“無期限活動休止”とは言いつつも、限りなく解散に近いとみられていました。今回の再始動は意外ですね」(レコード会社関係者)  それでも、過去に再結成が取り沙汰されたこともあった。10年に行われた格闘家、吉田秀彦の引退興行で、国歌斉唱にチャゲアスが特別ゲストとして登場するのではとの臆測が飛び交ったが、フタを開けてみれば登場したのはASKA一人だった。 「このときは、主催者側が『東京ドームや武道館をいっぱいにするような大物アーティスト』などと名前を明かさずにさんざん煽ったものですが、実際にチャゲアスとして登場する予定だったのが、ASKAの強い意向で彼のソロステージになったと聞いています。やはり再結成は厳しいのだな、と痛感させられたものです」(同)  では、再結成への道のりは険しい、と考えられていたチャゲアスが、活動休止からわずか4年足らずで活動を再開する理由はなんなのか? 「やはり金銭的な理由ではないでしょうか。ソロ転向後は、CHAGEは言うに及ばず、ASKAもオリジナルアルバムを1枚出したほかはカバーアルバムを何枚かリリースしただけと、その活動は尻すぼみ状態。売り上げも、チャゲアス時代の足元にも及ばない数字でしたからね。もちろんカラオケなど、往年の大ヒット曲の印税が入ってくるので、すぐさま生活に困るということはないのでしょうが……。ただ、90年代屈指のヒットメーカーも、チャゲアスのブランドがあってこその大ヒットなのだと再認識したのかもしれませんね」(同)  今でも根強いファンが存在するチャゲアスだけに、再始動はそれなりに評判を呼びそうだが、成否のほどはCHAGEとASKAの仲次第といったところか。

「ランキングは顔も知らない人ばかり……」この10年で音楽界に何があったのか!?

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「地上の星」中島みゆき
 『CDTV』(1月19日放送分=TBS系)において、「今週のヒットチャート」と、「今週のライブラリ」で登場した「2003年1月18日CDTVランキング」とを見比べて、驚いたことがある。  「今週のヒットチャート」では、1位の山田涼介「ミステリーヴァージン」、2位のONE OK ROCK「Deeper Deeper」、3位のゆず「REASON」に続き、BABYMETAL、岩佐美咲、Cheeky Paradeなどの名前が連なっている。正直、「顔も曲もまったく知らない人が一部いる」なんて人も、いるのではないだろうか?  それに対し、10年前の2003年はというと、9位に平井堅「大きな古時計」、8位に夏川りみ「涙そうそう」、7位にMr.Children「HERO」、6位に一青窈「もらい泣き」があるほか、BUCK-TICK、Every Little Thingなどもランクイン。さらに、1位は中島みゆきの「地上の星」だった。あらためて見ると、10年前の冬は、アーティストも曲自体も、ずいぶんキャラが立っていて、有名な人ばかりではないか。  それでいて、小室哲哉も、つんく♂も、秋元康もあまり存在感を示していない、稀有な時期にも見える。  03年って、どんな年だったのか? 03年に何があって、その後、あまり曲が売れなくなってしまったのか?  音楽業界関係者に聞いた。 「00年代にIT革命が起こり、ITバブル崩壊といわれるまでの10年ほどの時期に、実は音楽業界は賑わっていました。アップルコンピュータがアメリカでiTunes Music Store(現iTunes Store)を開始したのも03年ですし、アップル社がiPodの人気をきっかけに、有料音楽配信に力を注ぐようになったのも、この頃から。また、携帯電話を使った『着うた』が各社で取り入れられていったのも、02~04年頃からでした」  ちなみに、日本ではエイベックスが02年にコピーコントロールCDを採用したものの、03年のミリオンセラーを記録したシングルCD2枚(03年オリコン調べ:宇多田ヒカル、SMAP「世界に一つだけの花」)はどちらもコピーコントロールCDではなかった。そうした経緯もあり、コピーコントロールCDは短命で事実上消滅した形となっている。  その一方で、CD売上が減少した大きな理由として、音楽配信の影響が挙げられる。  05年上半期には、世界のレコード業界全体の売上の6%をデジタル販売が占め、前年の3倍超に急増。また日本でも、07年に宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」の音楽配信が総計700万ダウンロードを突破。このあたりから、CDよりもダウンロードが主流になったといわれている。  実際、日本レコード協会の「2007 年度音楽メディアユーザー実態調査報告書」によれば、半年間におけるCDアルバムの購入枚数は、全体で2.43枚(03年)から2.04枚(07年)へ減少しているというデータもある(2009年5月経済産業省「音楽産業のビジネスモデル研究会報告書」)。 「今は手軽に、自分の聴きたい音楽だけをダウンロードして楽しむ人が主流になっていますが、そんな中でもCDというカタチで欲しいというのは、アイドルファンなど特定の人になってしまっています」  03年頃は、音楽配信がスタートし、CDに取って替わるまでの間に位置する時期であり、音楽番組などから気に入った曲を見つけ、CDを買い求める層がまだ多数存在していた時期。  現在、おそらく誰でも知っている曲の「女々しくて」(ゴールデンボンバー)も推定累積売上が3万3,000枚程度で、「ファッションモンスター」(きゃりーぱみゅぱみゅ)も4万枚程度(ともに『オリスタ』1月21日号)と考えると、時代の変化をあらためて感じずにはいられない。
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AKB48は新曲を提供するか!? レコチョク新サービス導入の「背景」

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レコチョク
 海外では広く普及している音楽の定額聴き放題サービスが、日本でも本格展開される。配信大手のレコチョクは1月23日、iPhone/Android搭載スマートフォン向けの定額サービス「レコチョクBest」を3月上旬より開始することを発表。月額980円で、Jポップを中心とした100万曲以上の楽曲が自由に楽しめるという。 「ガラケー向けの着うたフルで急成長したレコチョクは、スマートフォンの普及とともに売上を大きく落としていたため、いずれは定額サービスを打ち出すと予想していました。しかし、楽曲の権利者が複数にわたるケースの多い日本では、利害調整が難航するとみられており、この時期の発表は意外の感もありますね。今夏にも予定されている、世界ナンバーワンのシェアを持つ定額サービスSpotifyの日本版開始をにらんだ対抗策でしょう」(音楽事務所社員)  複数のレコード会社関係者の証言によれば、昨年夏からSpotifyの代理人が大手レーベルや音楽事務所を訪れ、同サービスへの楽曲提供の依頼を重ねている。海外版よりも高い楽曲使用料が提示されている模様で、権利者の多くも前向きに交渉のテーブルに着いているという。当初の予定よりも早くサービスが始まる可能性が出てきたため、ソニーグループを中核とするレコチョクが定額サブスクリプションサービスの開始を急いだ面もあるようだ。 「レコチョクのサービスには日本のメジャーレーベルがすべて参加を表明しており、オールジャパン的な意気込みも感じさせます。しかし海外版のSpotifyのように、シングルなどの最新曲が聴き放題の対象となるかどうかは未知数ですね。たとえばキングレコードが、はたしてAKB48の新曲をサービスに乗せるかどうか。シングル曲の即時提供は当面見送られ、アルバム中の数曲が提供されるとの見方が業界内では有力です」(同)  もっとも、現在の音楽業界ではCDや音楽配信の売上高が年々低下しており、多くのバンドや歌手がコンサートのチケットやグッズの販売収入を収益の柱にしている。そんな中、「もはやシングルやアルバムは、コンサートチケットを売るための宣伝物」(チケット会社幹部)との声も出始めている。CDの売上がさほど見込めない歌手やバンドが「新曲は宣伝」と割り切り、レコチョクに提供するケースも増えそうだ。 (文=志波道夫)

懐メロ会社となったビーイングの「収入源は不動産」 空前のCD不況と音楽事務所の経済学

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「世界が終るまでは・・・」(ビーグラム)
 1990年代に大ヒットを連発した音楽制作会社グループ・ビーイングが、“懐メロイベント”の開催に乗り出している。昨年好評を博した「“BEING LEGEND” Live Tour 2012」に続き、今度はWANDSやT-BOLANなどのギタリストを集めた「BEING LEGEND ~Guitar Summit~」を3月に開催。ライブハウスでの興行ではあるものの、確実な集客が見込まれているようだ。そもそも、現在のビーイングはどうなっているのか? 「ビーイングは90年代から00年代前半にかけてB’zやWANDS、ZARDなどを抱えて音楽業界を席巻しましたが、ここ10年ほどはバンドの解散や所属歌手の引退が相次ぎ、現在ではB’zくらいしか売れているミュージシャンはいません。それでも大阪と東京で自社ビルオフィスを維持しているのは、音楽事業の最盛期に不動産に投資して成功したから。現在では数百の貸しビル・マンションを経営し、音楽事業での赤字を埋めて余りある利益を出しています」(レコード会社関係者)  ビーイングの副業成功の背景には、バブル崩壊後の地価下落局面で投資を開始した、という幸運もあった。これは90年代から00年代にかけて成功した音楽系事務所に共通するパターンで、ビーイングを見習って不動産経営に乗り出して成功したケースは少なくないという。 「かつてGLAYが所属していたアンリミテッドグループは現在、音楽事業は展開していませんが、不動産などの資産管理会社として存在しているようですね。有力事務所のAやKなども一等地にビルを保有するなどして、今も悠々自適の経営を行っている模様です。一方、飲食事業に手を出した会社は苦戦しています。国民的バンドを抱えるUや、ビールのCMに所属歌手が出ているTなどは青息吐息のようですね」(同)  現在、一部のアイドルを除いてCDや音楽配信の売り上げ低下が続き、音楽業界は業績の低迷から抜け出せないでいる。今後、かつてのビーイングのように成功を収める会社は出てくるのか? 「今振り返ってみると90年代から00年代前半の音楽業界は空前の好景気にあり、業界史の中では特殊な時期であったといえます。もともと音楽業界の有力会社は、東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)や日音がそうであったように、大手電機メーカーや放送局などの大資本が設立したものがほとんど。90年代まではプロ野球界と同様、親会社がレコード会社の赤字を補填するケースもよくありました。そんな中、90年代の好景気の波に乗ってビーイングやエイベックスなどの独立系会社が業績を伸ばしましたが、今は音楽単体で安定して高収益を上げるのは難しい時代。資本の後ろ盾がない企業が参入するハードルは格段に上がっています」(音楽宣伝会社関係者)  昨年末にはユニバーサルミュージックによるEMIミュージック・ジャパンの吸収・合併も発表されるなど、世界的な規模で統合・再編が進む音楽業界。かつては「金儲け主義」と揶揄する向きもあったビーイングだが、音楽系ベンチャーの成功例として再評価される日も近いかもしれない。 (文=志波道夫)

→Pia-no-jaC←に聞いてみた「ミュージシャンの本命になるにはどうしたらいいんですか!?」

ピアノのHAYATOさん(左)とカホンのHIROさん(右)に挟まれる小明
 昨年の私の一番アイドルっぽい活動といえば、CD「君が笑う、それが僕のしあわせ」の発売です。なんてったってAKB48やSMAPの楽曲を手がけた樫原伸彦先生の作曲ですから、アイドルとして完全に箔がついたと言えましょう。今回はその樫原先生のツテをフルに活用して、インストゥルメンタルユニット→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)さんに会わせていただきました! 樫原先生、ありがとう!! HAYATO どうも、ピアノジャックのピアノです。 HIRO ピアノジャックのジャックです。 ――ピアノ担当のHAYATOさんにカホン担当のHIROさん! 初めまして、小明です。以前、日刊サイゾーでAKB48の音大生の松井咲子さんがピアノジャックを好きだと語っていて(記事参照)、それで日刊サイゾーに呼ばれたら、普通、AKBとの対談だと思いますよね。今回はなんだかすみません。 HIRO いやいや、そんなことは。 ――えー、この度は、通算10枚目のアルバムということで……。 HIRO あ、プロモーションもしてくれるんですか? ――いえ、一応聞いてみただけです。ピアノジャックさんと私の共通点は、やっぱり樫原伸彦先生ですよね。ウィアー・ザ・樫原チルドレン、言わば腹違いの兄妹みたいなものだと思うんです。というわけで、私がサイゾーテレビでやっている番組『小明の副作用』のオープニングテーマを作ってもらえませんか? HIRO う……それは、スタッフさんを通していただいて。 HAYATO ちょっと唐突すぎですよ! なんとなく想像はつきましたけども! ――では、樫原先生との出会いを聞いていいですか? HIRO 早いな、切り替えが。 HAYATO うちの社長が、樫原先生に俺たちのライブを見てくれってお願いしてくれて。その時、いくら樫原先生に「音源送って」って言われても「ライブに来てください」って、ライブ日程しか送りつけなかったという。それでライブに来ていただいて、「おもしろい」と言っていただいて。元々、プレイヤーとしての師匠はいなかったんですけど、スタジオに入るたびに技法を教えてもらって、初めて俺の師匠ができたんです。 ――なんだか美しいエピソードですね! 私も樫原先生の作曲でCDを出させていただいたんですけど……。 HAYATO それは、どんな流れで? ――飲みの席で、編集さんが「アイドルの曲作ってもらいたいんですよー」「へー、いいよー」みたいな。 HIRO・HAYATO マジすか!!!! ――マジすよ!!!! ものすごいラッキーだったんですよね。そのときからよくPJライブの話を聞ていましたよ。年間150~200本のライブをこなされるんですよね。今年のツアースケジュールも4月までみっちりで、しかも全国各地。これ……家、いります? HIRO たまにバカらしくなるんですよね。1カ月に2日しか家にいない時もあって。 ――もったいない! 2人で4畳半とか借りればいいんじゃないですか! HIRO 最初はそうだったんですよ。お金もなかったし、4畳半で2万5,000円、1人1万2,500円みたいな。中野あたりにあるんです。 ――そこ、もう空いてるなら私が住みたい……。 HIRO もともと大阪に住んでて、月に1回東京にライブしに来るみたいな感じやって、毎回、キーボードとカホンを持って行くのが大変なんで、倉庫代わりで借りておこうって。 ――暮らせるぶん、トランクルームより安いですね! HIRO 安いでしょ? お風呂はないですけど、寝られるし。けど、借りた瞬間にライブが増えて、ほぼ東京にいることが多くなって……。多分、事務所は、虎視眈々とそれを狙っていたんですよ。「借りたよー」って言った瞬間にガーって増えたんで……。 ――結局、その4畳半にはどれぐらい住まれたんですか? IMG_1642_.jpg HIRO 2年ぐらいかな。 ――けっこう住みましたね! HIRO 契約するとき大変でしたよ。大家さんにも「4畳半に2人で住みます」なんて言えないじゃないですか? 友達みたいな感じで一緒に行ってコソコソ話しながら、やっと借りれた(笑)。 ――2年暮らせば荷物もどんどん増えるし、スペース的に2人暮らしは可能なんですか? HAYATO 2人、抱き合って寝てたよね(笑)。 ――やだ、萌える……(赤面)。 HIRO あと、俺が片付けられないんで、それでケンカしたこともありましたね。最終的に子どもみたいに「この線からこっち入ってきたら全部燃やすからな!!」って……。あと、俺、神戸に住んでたときは、家がなくてライブハウスに住んでた。 ――オペラ座の怪人みたいだけど、つまりホームレス! HIRO ホームレスではないですよ! ちゃんと月3万ぐらいで借りてましたよ! もう閉めちゃってるライブハウスで、トイレもシャワーもなかったんで、トイレはコンビニのトイレ使ってたんです。それで3万は高いですけど、練習し放題なんですよ。 HAYATO そうそう。その時はもうピアノジャックを組んでいたんで、ライブ終わった後に、とりあえずそこで2人で朝まで泊まっていくみたいな。 ――悲惨な貧乏生活も楽器があるとどことなく美しい話になるのが不思議です。じゃあ、まともな生活が送れるようになったのは最近ってことですか? HIRO そうですね。トイレが増えて、シャワーが増えて、徐々に人の暮らしに近づいてきました(笑)。 ――今はもう、麻布とかのコンクリート打ちの高そうなマンションにお住まいなんでしょ……。 HIRO 普通の1DKですよ! 昔はカホンが30個ぐらい家にあったので部屋一面カホンだったんですけど、最近かなりの量を倉庫に移動させて、それでもまだ一部屋楽器ですけど。 ――でも、カホンって四角いから、うまくやれば……。 HIRO そう! 壁っぽくなるんですよね。テトリス的に積んでね。 HAYATO うちも1DKくらい。ツアーが始まるとまた帰れないけど、それはそれで、ツアー先のホテルが快適だったりしますし(笑)。 ――あ、ツアーと言えば、ミュージシャンという職業はツアー先で現地妻が増えると聞きました! 主にネットの匿名掲示板でですけれど! HIRO 現地妻(笑)! 全然増えないんですよ!! チャレンジはするんですけど、全部、流れていく感じです。わかります? 俺の風貌でカホンを叩いても、別に普通じゃないですか? でも、HAYATOの風貌でピアノ弾いてたら、そのギャップにやられるんですね。この際だから言いますけど、営業周りやお店周りを2人でやっていても、HAYATOだけ電話番号を渡されるんですよ! HAYATO (笑)。 ――えーと、ありますよね、そういうことって! HIRO ないですよ! ライブ終わりに紙コップに水もらいにいったら、スタッフさんが「あれ? HAYATOさん、コップになんか書いてありますよ」って言うから見てみたら裏に名前と電話番号書いてあって! 俺のは何にも書いてないのに! 樫原先生に「HIRO、お前はそれでいいのかよ」って言われて急いで水を飲み干して、物欲しそうにうろうろしたりして……。 ――ライブ中に1番しゃべっているのに……。でも、HIROさんはステキですよ! HIRO ありがとうございます。 HAYATO 完全なフォローですね。 HIRO みんな、そうやってフォローはするんですけど、アプローチするのはこっち(HAYATO)なんですよね。わかっています。ありがとうございます。 ――正直、女は基本的にピアニストに弱いと思います……! でも、私もだいたい友達がかわいいとか、姉がキレイだとかで、隣にいる人に注目が集まる方なんで、眼前の人間の熱視線が隣に集中する事はよくありますよ。けっこうしゃべってるのに、完全に私を見ていない状態。 HIRO 視線が隣にガーっていくの、わかりますよね。ツアー最後のHAYATOのMCで、今まで普通に聴いていた人が「ハー……(はぁと)」ってなったりしますもん。 HAYATO なっていないよ、そんなの。 HIRO 目がキラキラしてんなーオイ! って思うよ。 ――HAYATOさんはMCでも真面目なこと話してキメるじゃないですか! いいとこ取りですよ! ずるい! HAYATO それはそれでプレッシャーありますよ。絶対、滑られへんみたいな。だからHIROはいいなって思うよ。失敗して笑いを取れるっていう特権が。 HIRO 俺は、ピアノジャックの滑り担当だから。ピアノジャックは、それでいいんです……。 IMG_1626_.jpg ――逆に、どうやったらミュージシャンから番号を聞かれるんでしょう? ミュージシャンの方と仕事でお会いすることはあっても、番号聞かれることなんて、まったくないですよ。 HAYATO 自分から渡してみたらいいのに。袖とかに忍ばせて、「ありがとうございました~」って……。 HIRO 後ろから、ポケットに入れるとか。 ――旅館で仲居さんにおひねりを渡す感じですね。そのアプローチは職権乱用で会える人に限定されますけれど、例えば普通にライブに通っていて、打ち上げにも呼ばれない普通のファンの場合はどういうアプローチが有効なんですか? HIRO えー、ちょっと本気やないですか! やっぱり、プリクラとか自分の顔がわかるもんがあったほうがいいですね。 HAYATO うん。顔はわかったほうがいいよ。 ――今のプリクラの修正機能は優秀なので、有効そうですね! HIRO あー、1回ノリでHAYATOとスタッフと3人で撮ったんですけど、HAYATOがめっちゃかわいくなっちゃって。 HAYATO 目がめっちゃクリックリになったんですよ! HIRO サングラスですら、クリックリになりましたからね。 HAYATO そうなるとプリクラは効果的じゃないかもね……。だからって写真も怖くなっちゃうからなー。 ――難しいですねー。どういう感じの人と付き合うんですか? 事務所NGでしたら、伏せますけれど。 HIRO 伏せるも何も、いないですけれど(真顔)。 ――ツアーが多いと家にも帰れないし、たまに帰っても疲れてるし、そんな時「ディズニーランド連れてけ」とか言われたりすると思うと……恋人を作るのも面倒になりそうですね。 HAYATO 我慢させてしまうよね。だから、ピアノジャックとしての自分しか知らない人より、音楽と関係ないところで知り合った人の方が、自分を知ってくれていて、楽なのかなって思います。 ――なるほど! つまり、ファンだということを隠して知り合うっていうのが有効そうですね! HAYATO そうかもね! HIRO ガードは1枚なくなるかもね。でも、そういうアプローチをさりげなくできる人はいいんじゃないですか? 俺は番号渡されないですけど。 ――根に持ってますねー! HIRO あ! ありました! 俺もさりげなく渡されたことが! けど、そのままHAYATOと海に飛び込んじゃって、全部濡れて、もらった名前と番号が宝の地図みたいになったんですよ。 HAYATO 美人さんやったのにな……。 ――ご縁がなかったということで……もう一度、2人で暮らせばいいじゃない! ちなみに、お2人はどういう流れでピアノジャックを結成されたんですか? HAYATO 元々は、違うバンドでやってたんですけど、出会って、初めて音を合わせたら、めちゃくちゃ面白くなってしまって。目が合うだけでやりたいことがわかるし、こう、遊んでみても付いてくるし。初めは別のメンバーもいたんですけど……。 HIRO 他のメンバーそっちのけで楽しんでしまって、「いつまでたってもこのソロ終わらないな、もっとやれ! イエーイ!」っていうのをずっとやっていたら、2人になっていました。 ――将来が不安になったことありませんか? HIRO ありますよ。けど、今までCDを10枚出してきたので、それを上回るようにがんばる。昔の自分は超えていきたいと思います。 HAYATO デビューしたときよりも、作るたびにプレッシャーは高くなっていきます。でも、変わらないところは、楽しむところやと思っているので。まぁ、練習は辛いですけど(笑)。レコーディングとかも大変じゃないですか。歌録りとか、大変やったでしょ? IMG_1648_.jpg ――私、独自の音程を持ってるタイプというか、世間ではそれを音痴と言うらしいんですけど、それで、1曲に13時間ぐらいかかったんですよ……。 HAYATO え!! 喉は大丈夫だったんですか!? ――休み休みやらせていただいて、途中で何度か樫原先生が寝落ちされてましたね。「あ、寝た! 休める!」と思いながら。ピアノジャックのレコーディングは楽しそうですよね! HAYATO 道場に近いですよ。レコーディングという名の合宿。 HIRO 合宿というか、軟禁でしたよね。2日ぐらい、スタジオの壁しか見るものがなかった。 HAYATO 寝るときもピアノの下で。 HIRO ご飯を食べるときだけ、2階に行くことが許される。だんだん壁の木目が人の顔に見えてきて……。 ――ストーカーに軟禁されている女みたいですね。法的手段に訴えたら勝てそう……。そんなご苦労を経てのライブ、ぜひ生で観てみたいです。けど、もうけっこうソールドアウト! HIRO ぜひ! 関東近郊だと、千葉あたりは比較的観やすいかも。 ――千葉いいですね! 千葉には実家がありしたよ! もう、ないんですけど……。 HAYATO えっ。 ――気づいたら実家が売られちゃってたんですよ。なので、もう帰る場所がなくて。東京の中野でがんばってアイドルやってたんですけど、そこも都落ちして田舎に引っ越して……もうアイドルも11年めですよ。完全に限界がきています。でも、ここでピアノジャックに番組のオープニングを作ってもらえたら、きっとがんばれる……。 HAYATO リターンしてきたよ! さっきよりはちょっと自然にきましたね。同情を誘う感じで。 ――そんな私にオープニングテーマを。 HIRO・HAYATO ……。 ――(舌打ち)。じゃあ、ツアーがんばってください。また、家に帰れない日々が始まればいいんですよ。今日はありがとうございました。 HIRO・HAYATO 遊びにきてね!  日本ゴールドディスク大賞CLASSIC ALBUM OF THE YEARを受賞したミュージシャンに向かって、延々「ミュージシャンの本命彼女になるにはどうすればいいか」と聞き、「私のために曲を作れ」と主張しつづけたというのに→Pia-no-jaC←はずっと優しかった。というか心が広かった。「やっぱり何かを成し遂げている最中の男のオーラがありますね! 現在進行形で、INGって感じ!」と、この上なく頭の悪い賛辞を浴びせて解散した後、「あ、そこで番号を渡せばよかったんだ」と気づきました。本年こそは職権をフルに乱用し、あわよくばどこかに嫁ぎたい。 (取材・文=小明)
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撮影/市村岬
●→Pia-no-jaC(ピアノジャック) HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)の二人で構成されるインストゥルメンタルユニット。鍵盤と打楽器というシンプルな編成ながら多彩な音を生み出す。ロックでもジャズでもないその独自の音楽性が多方面から注目を受け、ディズニーやゲーム音楽とのコラボレーション、宝塚歌劇団、テレビ番組など、数多くの楽曲提供を行なっている。2012年7月にはヴァイオリニスト葉加瀬太郎氏とのコラボアルバム『BATTLE NOTES』発売。この作品が第27回日本ゴールドディスク大賞 2013 CLASSIC ALBUM OF THE YEARを受賞した。 2012年12月5日にはクラシックを大胆アレンジした『EAT A CLASSIC 4』発売。オリジナル曲とクラシックカバーをサーカスやミュージカルのように様々な演出を駆使して披露するライブパフォーマンスは国内外から絶大な支持を受けており、ライブには子どもから大人まで幅広い層が足を運んでいる。舞台と客席、会場が一体となるピースフルな光景がメディアで取り上げられること多数。9月には東京日比谷野音での全曲ライブを超満員で達成。この圧巻のライブは一度体験する価値あり! ●「→Pia-no-jaC← 5th Anniversary JACKPOT TOUR 2013」 2013年1月18日(金)神奈川県 横浜赤レンガ倉庫1号館ホール【完売】 2013年1月19日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3【完売】 2013年1月20日(日)茨城県 水戸ライトハウス【完売】 2013年1月25日(金)京都府 KYOTO MUSE【完売】 2013年1月26日(土)静岡県 Live House 浜松窓枠【残りわずか】 2013年1月27日(日)岐阜県 岐阜Club-G【完売】 2013年2月2日(土)千葉県 行徳文化ホールI& I【完売】 2013年2月3日(日)山梨県 甲府KAZOO HALL【残りわずか】 2013年2月9日(土)宮城県 仙台Rensa 2013年2月10日(日)山形県 ミュージック昭和Session 2013年2月11日(月・祝)秋田県 秋田Club SWINDLE 2013年2月15日(金)長野県 長野CLUB JUNK BOX 2013年2月16日(土)新潟県 新潟LOTS 2013年2月23日(土)香川県 高松オリーブホール 2013年2月24日(日)高知県 高知LIVE HALL CARAVAN SARY 2013年3月2日(土)北海道 Zepp Sapporo 2013年3月8日(金)和歌山県 和歌山OLDTIME 2013年3月9日(土)大阪府 Zepp Namba【残りわずか】 2013年3月10日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO 2013年3月12日(火)滋賀県 滋賀U-STONE 2013年3月15日(金)奈良県 奈良NEVER LAND【残りわずか】 2013年3月16日(土)鳥取県 米子AZTiC laughs【残りわずか】 2013年3月17日(日)山口県 周南TIKI-TA 2013年3月20日(水・祝)大分県 大分DRUM Be-0【残りわずか】 2013年3月22日(金)熊本県 熊本DRUM Be-9 2013年3月23日(土)福岡県 Zepp Fukuoka 2013年3月24日(日)長崎県 長崎DRUM Be-7 2013年3月30日(土)愛知県 名古屋市公会堂 大ホール 2013年3月31日(日)石川県 金沢EIGHT HALL 2013年4月6日(土)東京都 渋谷公会堂【残りわずか】 料金:前売 5000円(一部会場でドリンク代必要) チケット発売中

矢沢永吉、桑田佳祐……100億円規模の資産を築く音楽界の大物たち

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EIKICHI YAZAWA 40th ANNIVERSARY 
LIVE 『BLUE SKY』
(GARURU RECORDS)
 売上不振によって縮小を続ける音楽業界だが、一部の成功者は莫大な資産を築いている。たとえば、NHK『紅白歌合戦』にサプライズ出場が決まった矢沢永吉。60代半ばに差し掛かった今も精力的に活動する矢沢だけに、その総資産は100億円近くに上るという。 「矢沢さんといえば、1998年に不動産投資の失敗で35億円の借金を抱えたことが広く知られています。01年の著書『アー・ユー・ハッピー?』(角川書店)で詳細を明かして話題となったのですが、実は借金を抱えた当初から猛烈に働き始め、出版の時点で返済をほぼ終えていたそうです。その後は、自社でグッズ通販やコンサート活動を行って利益を上げる“YAZAWAビジネス”に改良を加え、年間10億円以上のペースで資産を増やしています。現在は、都内に推定15億円の豪邸を建設中ですね」(矢沢をよく知るレコード会社関係者)  一昨年に食道がんを患ったものの、その後見事に復活した桑田佳祐もまた、100億円規模の資産を築いているという。 「桑田さんは過去の印税収入だけでも年間数億円入ってくる上、アルバムを作ったり、コンサートを行ったりした場合の“取り分”が通常よりもはるかに多いと言われています。所属事務所のアミューズにとって桑田さんは創業メンバーに等しい存在であり、長年の功労に報いる意味もあるのでしょう。都内に建てた推定10億円の豪邸のほか、神奈川県内のスタジオ兼自宅など複数の住居を所有しており、不動産資産だけでも数十億円規模に上るそうです」(音楽事務所関係者)  女性ミュージシャンでは竹内まりや、中島みゆきの名前も挙がる。 「竹内さんはご主人の山下達郎さんとの共同資産ですが、早くから個人事務所を設立して印税管理をしたため、資産は50億円に上ると言われています。ジャニーズとの太いパイプも少なからず資産形成にプラスだったでしょう。一方、中島さんはデビューから一貫してヤマハに所属。こちらもヤマハにとって大功労者ということで、印税の比率が他のミュージシャンよりも高いと言われています」(同)  他方、莫大な財産を築きながらも、会社経営に乗り出してつまずくケースもあるようだ。 「Mr.Childrenのプロデューサーでもある小林武史さんは、自身が経営する烏龍舎という会社でマネジメントや原盤管理を行うことで資産を築きましたが、ここ数年『烏龍舎の経営がうまくいっていない』との情報が音楽業界で流れています。ミスチルは別格としても、他の所属ミュージシャンには浮き沈みがあり、コンサートの動員不足で数億円の穴が開くこともある世界ですから。一説にはミスチルが活発にコンサートを行っているのは、烏龍舎の経営を立て直す目的もあると言われています」(同)  税務署の長者番付が発表されなくなって久しいが、贔屓のミュージシャンの資産に思いを巡らせるのも楽しいかもしれない。 (文=志田鉄三)

EXILE、小田和正、ミスチル……“歌がうまい”人は声が高い!? 

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“歌がうまい”ATSUSHIさん。
 レギュラーでの歌番組がほとんどなくなっている昨今だが、年末になると、『NHK紅白歌合戦』や『輝く!レコード大賞』(TBS系)、『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、『ベストアーティスト』(日本テレビ系)などなど、数々の歌番組が放送される。  披露される歌は、なぜかAKB48や嵐の過去の曲などが多く、今年を代表するヒット曲の少なさが改めて実感されるところだ。  ところで、歌番組を見るたびに、もうひとつ不思議に思うのは、「歌がうまい」とされる歌手がたいてい声の高い人ばかりだということ。  たとえば、2012年8月3日発売の『オリ★スタ』(オリコン)では、カラオケ特集内で、3,000人が選ぶ「歌がうまいと思うアーティスト」のランキング5位までを男女別に紹介していたのだが、男性編の1位はATSUSHI(EXILE)で、2位が小田和正、3位が桜井和寿(Mr.Children)、4位が大野智(嵐)、5位が稲葉浩志(B'z)という結果だった(女性編1位は宇多田ヒカル)。  このほかにも、よく「うまい」といわれるのは、山下達郎や松山千春、平井堅、槇原敬之、ゆず、森山直太朗、布施明など。布施は高いか微妙だが、全体にハイトーンの人が多い気がする。  一方、低い声で歌がうまい人といえば、かつては谷村新司やフランク永井、佐々木功などがいたけど……。これってなぜ?  『裏声のエロス』(集英社新書)著者で、音痴矯正を手がけるBCA教育研究所主宰者の高牧康さんに聞いた。 「福山雅治の歌声を高いと思いますか? それとも低いと思いますか? 『低い』と言う人が多いんですが、彼の声は実は低くなく、太いだけなんです。声に関して、『高い』と『細い』、『低い』と『太い』が混同されてしまうということがよくあります。たとえば、歌っている曲の音域から見て、布施明は高くて太い声で、フランク永井は太いけど、低くはないんですよ」  ただし、最近の歌謡曲が全体に少し高音域になっているということは言えるそう。 「EXILEやGReeeeNは、確かに高いですよね。ただ、一般的に声が高くなっているというわけではなく、高いものが好まれるということがあると思います。『三大テノール』はあるのに、『三大バリトン』はないように、高いほど権威があるんですよ」  確かに、「歌姫」と言われる人も、たいてい高音域が出る人ばかりだ。とはいえ、昔は「太い声」が好まれていた時代もあったという。 「スピッツや小田和正など、高くて細い声が好まれるようになったのは、男性の女性化・女性の男性化、ユニセックス化などが影響していると思います。やはり根底に男女雇用機会均等法は無関係ではないのでは?」  また、かつては裏声(ファルセット)を使うのは特別な歌手だけだったが、今では森山直太朗や平井堅、福山雅治もEXILEも裏声を使うようになった。これは「ボイストレーニングのグローバル化」によるものだそう。 「海外のほうがクラシックとポップスの垣根が低く、ファルセットも昔はクラシックのほうが多用していましたが、ポップスにも入ってきたということはあります。それも『高い声=良い声』という認識になってきているからではないでしょうか」  歌のうまい歌手に高音の人が多いのは、全般的な声の高音化ではなく、好みの影響がやはり大きそう。たまには低くてシブい、うまい人が売れてもよさそうな気はするが……。

「“メンバーが住職に”は本当か」ファンキーモンキーベイビーズ解散理由に疑問の声

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ファンキーモンキーベイビーズ 公式ブログより
 今年のNHK紅白歌合戦にも出場する3人組ヒップホップグループ・ファンキーモンキーベイビーズが、来春のコンサートツアー終了をもって解散することを発表。メンバーであるDJケミカルが実家の寺を継ぐことが理由というが、一定の人気を保った状態での解散劇に、音楽業界では驚きの声が上がっている。 「ファンモンは、CDセールスは落ちているものの、抜群のコンサート動員力を持っているグループです。横浜アリーナや大阪城ホールを年1回ペースで回れるグループなど、今のJポップ界の中堅・若手では数えるほどしかいない。所属事務所は、彼らと平原綾香で持っているような会社なので、相当引き留めたはずだが、本人たちの意志が固かったということでしょう」(ほかのレコード会社関係者)  DJケミカルの実家が寺であることはファンにも広く知られており、今回の解散発表に対しては、ネット上で「住職を継ぐなら仕方がないな」「DJケミカルは、やはり重要キャラだった」と温かく受け止める向きも多いようだ。もっとも、レコード会社や所属事務所が直面する“収益機会損失”を考えると、その解散理由を額面通りに受け取りにくいのも事実。 「DJケミカルは“DJをしないDJ”として、ライブでは常に人気者でした。音源制作にも関わるなど重要なメンバーであるのは間違いないのですが、彼の脱退イコール解散というのは腑に落ちません。そもそも住職をやりながら音楽活動を続けることも可能ですし、以前からささやかれていた2人のメンバー(ファンキー加藤、モン吉)の方向性の違いのほうが、解散理由として大きいのではないか。ファンキー加藤とモン吉は性格的に水と油といわれていて、何かとぶつかっていましたから。後輩であるDJケミカルはグループの潤滑油的な存在で、今回の解散理由も、後輩としてかぶったのでは」 (イベンター関係者)  いずれにしても、今回のファンモンの解散で、所属のドリーミュージックは“稼ぎ頭”を失い、場合によっては経営困難に陥る可能性さえあるという。 「元エイベックス社長の依田巽氏が実質的なオーナーを務めるドリーミュージックは、音楽業界の名物プロデューサーを多数雇用し、加山雄三や森山良子らが所属していますが、売れ筋の若手があまり育っていません。平原綾香とファンモンで長く引っ張ってきたものの、ファンモン脱落となれば会社組織の縮小さえも視野に入ってきます。それを回避する意味でも、ファンキー加藤とモン吉がそれぞれ、ソロかユニットを組んで活動を開始するのでは? と見られています」(先のイベンター関係者)  CDやダウンロードなどの音源販売の不振が続く中、ファンモンのように“客の呼べる”グループの解散は、業界全体にとっても痛い話。DJケミカルのように、観客に愛される“賑やかし”の登場が望まれる。 (文=越谷由紀)