
ピカルの定理- フジテレビ

フジテレビ毎年恒例の長時間番組『FNS27時間テレビ』が、今年も8月3日18時30〜翌20時54分まで放送された。「女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる!!」との副題が付けられた今回は、計11人の人気女性お笑いタレントが司会を務める構成。2年前に同番組内で放送されたお色気企画に視聴者から批判が殺到し、昨年は全体的におとなしめのトーンだったことから、その反動で「今年はかなり過激な内容になるとの前評判が高かった」(テレビ局関係者)という。加えて、昨年のテレビ局別の年間視聴率ランキングで3位へ落ち、6月に亀山千広氏が新社長に就任して間もないこともあり、「フジテレビは今回の『27時間テレビ』にかなり力を入れており、業界内の注目度も高かった」(同)という。 実際の放送はその前評判どおり、開始早々から中継中に地方系列局社長がズボンを下げ、着用するピンク色の下着を見せたり、お笑いタレントの加藤浩次がアイドルグループ・AKB48のメンバーの顔を踏みつけ投げ飛ばしたりと、過激なシーン満載の内容となった。 つづきを読む『FNS27時間テレビ』公式サイト(フジテレビHP)より
7月18日発売の「週刊文春」(文藝春秋/7月25日号)が、フジテレビ・アナウンス室が総崩れの危機に瀕していると報じている。 ジャニーズ事務所所属の俳優・生田斗真を兄に持つフジテレビの生田竜聖アナウンサーが、今月11日放送の『めざましテレビ』(同局系)内で、妻で同じくフジテレビアナウンサーの秋元優里が第1子を出産したと報告した。 夫婦ともにフジテレビ・アナウンス室所属となれば、さぞアナウンス室はおめでたムードにつつまれているかと思いきや、どうやらそうではないという。 文春の記事によれば「ご法度だったはずのアナウンス室内の恋愛をいとも簡単に破ったから」だという。また、それよりも深刻なのが寿退社による女子アナの流出だとも。 フジテレビの女子アナといえば、騎手の福永祐一と結婚する同局アナの松尾翠、そしてプロバスケットボール選手の五十嵐圭と結婚する本田朋子が、揃って今年9月に寿退社すると報じられている。また、昨年には人気女子アナだった中野美奈子と平井理央もフジテレビを退社。さらに、先月には『ニュースJAPAN』(同)のキャスターを務める大島由香里アナとフィギュアスケーター・小塚崇彦との熱愛が報じられた。こうした相次ぐ女子アナ流出のキーマンとして、フジテレビの上層部が目をつけたのが今年3月に同局を退社した高橋真麻だという。 高橋は俳優の高橋英樹を父に持ち、現在はIT企業社員と交際中だと報じられている。父と恋人が著名な高橋は幅広い人脈を持ち、後輩女子アナを連れて度々、会食や合コンを繰り返しているという。また「週刊ポスト」(小学館/7月19日・26日号)にも「会社を辞めた後も後輩たちを誘ってしょっちゅう飲み会を開いているようです。IT企業社員と交際しているからか、相手はベンチャー企業家やらIT企業の経営者が多く」(フジテレビの制作スタッフ)とある。 こうして高橋が女子アナと男性の間を取り持っているというのだ。上昇志向の強い女子アナにとって、IT系企業経営者のお財布は気になるところ。「週刊現代」(講談社/5月11日・18日号)に掲載された「日本の新しい大金持ち」によれば、1位のミクシィ・笠原健治社長の資産額1347億3200万円を筆頭に、同ランキング15位までにIT系企業経営者が8名ランクインしている。 また高橋は、局アナ時代から天然ぶりと歌唱力、そして全身タイツ姿もいとわないなどの度胸で密かな人気を博し、フリー転身後も人気が高い。しかし文春が今年行った「嫌いなアナ」ランキングでは堂々の第2位。また、6月に放送された『キャサリン3世』(同)の中での「イケメン男子を斬る」というコーナーでの発言で、ネット上では「その面でよくも他人の容姿のことをとやかく言うたな」「てめえ何様だよ」などと猛バッシングを受けた。またフジテレビへのコネ入社の噂や、ネット上では「31歳にしては老けている」などとの声もある。しかし、そうした他の女子アナとは違ったイロモノ的な雰囲気が、フリー転身後も人気が衰えない理由だともいわれている。 また文春の記事によれば、女子アナ流出に対してフジテレビ上層部は、カトパンこと加藤綾子アナ、ショーパンこと生野陽子アナの女子アナ2トップが辞めることを恐れているという。今年3月に放送された『みんなの声3』(同)の中で、加藤アナは「今の年収の何倍であれば、フリーに転身することを考えるか?」との質問に「2倍」と答えている。一部で年収1200万円と報じられている加藤。年収2400万円を保障されればフリー転身もあるのかもしれない。 2012年度年間視聴率ランキングで日本テレビ、テレビ朝日に抜かれ3位に転落し、かつての勢いに陰りが見え始めたフジテレビ。お台場という陸の孤島から、次は誰が逃げ出すのか、注目が集まる。 (文=本多カツヒロ) ■おすすめ記事 ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係 サッカー東アジア杯直前、韓国代表の迷走〜元Jリーガーの若き新監督抜擢と再建の行方 日本IBM、加速するリストラの実態 突然呼び出し即日解雇、組合活動で査定不利… 危険な安倍政権の正体? 原発推進、米国の軍事費削減のために自衛隊を利用… アベノミクスへの誤解 「10年後に年収150万増」のウソ?…名目GNIのカラクリフジテレビジョン本社
(「Wikipedia」<Defchris>より)
「アウトとグッドは紙一重」を合言葉に、毎回、愛すべきダメ人間たちを紹介する異色のトークバラエティが話題を集めている。その番組こそ『アウト×デラックス』(フジテレビ系)だ。テーマはずばり「アウト」。世間の常識からほんのちょっとだけ外れてはいるが、熱い思いを持って生きる「アウト」な人たち。MCを務めるナイナイ矢部浩之&マツコ・デラックスの巧みな媒介によって、アウトな彼らだけに見えている不思議な世界がするすると引き出されていく。果たして本当に「アウト」なのは、彼らなのか、それとも見ている我々か――。若きディレクター、鈴木善貴氏が仕掛ける、フジバラエティの新しい王道スタイルとは? ――5月23日の放送では、あの絶対王者『アメトーーク!』を視聴率で追い抜いたことが話題になりましたが、まずはその時のご感想をお聞かせください。 鈴木善貴氏(以下、鈴木) 時間が丸っきりかぶってて勝ったら、そりゃあスゴイですけど……ズレてますから。だって『アメトーーク!』は10年間続いている番組ですよ。その10年の歴史でたった一回、「おっ、何か新しい番組が始まったな」っていう興味で見てもらった番組の視聴率が、たまたまちょっとよかったぐらいで調子に乗ってたら、おこがましいですよ。でも……うちの番組を知らない友達には言ってますけど。「え? おまえ『アウト×デラックス』知らないの? あの『アメトーーク!』に視聴率で勝ったんだけど」って(笑)。 ――それにしても、「アウト」という概念を番組の中心に据えるというアイデアがスゴイ。それは“王道”のイメージがあるフジテレビバラエティにおいて、かなり「アウト」ではなかったですか? 鈴木 僕の中では、特に外れている感じはないです。王道にもいろいろあるし。ただ深夜番組を僕に頼むということは「何やってもいいんだな」とは思いましたね。一応上の人は「レギュラー目指してます」とか言ってましたけど、大体そんなことになった例がないし(笑)、だったら思いっ切りやって「あぁ、また見たい」って若者たちに言わせてやろうと。 ――放送後にすぐネットで話題になるのも、『アウト×デラックス』の特徴だと思います。 鈴木 僕らがこの番組を作るのに心がけているポイントが3つあるんですけど、まずは皆さんが知らなくて興味深い人に出てもらう。知ってる人の場合は、必ずなんらかの新しい発見があるように。あとは完全に一般の方。出演者には楽しんで帰ってもらって、見ている人には不快な思いが残らないように。それだけは気を付けてキャスティングしているつもりです。 ――タレントさんと素人さんをまったく同じ土俵に並べるというのも、独特ですね。撮影=後藤秀二
鈴木 “大部屋”と呼んでいるひな壇には、淡路恵子さんや坂上忍さんとまったくの素人が、同じ並びで座ってますからね(笑)。でも素人さんといっても相当アクの強い、ポリシーのある人たちですから。タレントさんも素人さんも、それぞれポリシーは違えど、思いのパワーは負けてないんですよ。普通だったらタレントさんを前に「恐縮です……」ってなっちゃいますけど、素人さんもガンガン言い返す。思いのパワーはみんな同じなんだろうなと思います。逆にパワーが弱い人は、あそこには入れない。「見せかけアウト」は、すぐバレちゃうんです。
――見せかけアウト(笑)。いそうです。
鈴木 「アウト」って、マイナスなイメージに聞こえるかもしれないけど、僕たちは「アウトとグッドは紙一重」という、いい意味で使ってますから。タレントさんをブッキングする時には「えっ……アウト?」って、必ず聞かれますけど(笑)。
――キャスティングする時は、相当リサーチをされるのですか?
鈴木 その人の本を読み、映画やテレビを見て、雑誌のインタビューにも当たります。インタビューなら、ほんのちょこっと書かれていた情報、たとえば「カレーライスが好き」という情報をもっと深く掘り下げていくと意外な発見があったり。淡路さんなんて腱鞘炎になるくらい、それこそドラクエの動きを自分がしちゃうくらいゲームがお好きだなんて、お話しするまで全然知りませんでした。最近だと……矢部美穂さんのお母さんかな。抜群に面白い。
――矢部(浩之)さんが「番組乗っ取られる」って言ってましたね。
鈴木 もう全然乗っ取っていただいて構いません(笑)。栗原類くんもブレークしてくれて本当にうれしいです。ミラクルひかるさんも、以前はモノマネのうまいタレントさんっていうイメージだけだったんですけど、なかなか闇を抱えてらっしゃった(笑)。
――あの「アウト面会」(※アウト軍団による、苦手な人克服コーナー)は面白かった……。ちょっとスッキリしました。
鈴木 一番うれしいのが「そうそう、私もそう思った」って共感してもらえることです。この番組はすべて“本音”。入念な取材と打ち合わせはしますけど、台本はありません。本番は皆さんに本音で語っていただくだけ。だから、思いもよらない方向にいくことも多々あります。そんなにハネないだろうと思っていたところにマツコさんが食いついて、ドカーンとなることも。やっぱりマツコさんがね、もともと番組を始める際に「私自身がアウトだから、アウトな人たちを笑えないわよ」って言ってたんですよ。それを聞いて、“あぁ、いいな”と。マツコさんは自分自身をアウトだと思ってるから、アウトな人たちの魅力を上手に引き出してくれるんですよね。また「アウトな人間がテレビに出ないと、テレビは面白くない」とも言っていました。普通じゃ面白くないと。
――マツコさんの優しさが、すごく出ている番組ですよね。
鈴木 「優しいマツコを見せる」っていうのは、実は番組当初のコンセプトとしてありました。それがマツコさんにとってうれしいかどうかは分かりませんが。そこに矢部さんの優しいツッコミが加わって、そんな優しい2人だったら、どんな出演者の方々も受け入れてくれるだろうと。 ――しかしコンプライアンスが厳しい状況で、素人さんに登場してもらうことは、それだけリスクも高いのではないかと思うのですが。 鈴木 僕らがまずはその人たちとたくさん話して、この人は魅力的だと、これなら視聴者も分かってくれるなと、そういう自信を得た時だけ出演してもらうようにしています。そこでピンとこない人は、どんなにアウトであってもオファーはしません。編集後にいろいろなスタッフにも見てもらって、厳しくチェックしています。 ――たとえば、俳優志望の上地雄輔さん好きの田口学くんとか……。 鈴木 おっ! きましたね(笑)。 ――田口くんの場合は、最初から「イケるな」という確信があったのですか? 鈴木 僕らが理想として描いていた人ですね、田口くんは。「こういう人に出てもらいたいな」と思っていた型にピタっとハマった人。今じゃもう、神みたいになってますけど(笑)。裏でもスゴイですよ~。会議も「この間、田口が楽屋でね」とか「田口ったら、後ろでそっくり返って座ってた」とか、田口くんの直近トークから始まりますから。みんな腹立ちながらも田口でこれだけ盛り上がるってことは、やっぱり面白いんですよ。だからこのラインを崩さないように、ギリギリ面白がられる範囲で止めておかないと(笑)。山下(恵司/声が高すぎる男)くんもこぼり(ゆきこ/主治医に恋する女)さんもそれぞれ夢があってテレビに出たい人たちだから、その夢がかなうように応援したいと思ってますね。だから大物俳優さんがゲストで来た時とか、演技を見てもらったりするんです。その「アウト」な部分が、すぐ隣にある「グッド」に転がればいいなって。まぁ、みんなが「グッド」になってしまったら、この番組は終わりですけどね……。 ――確かに(笑)。 鈴木 素人さんの恐ろしさって、こちらの想像をはるかに超えてくるところ。タレントさんももちろん面白いですけど、素人さんの場合は、その振り切れ方が、こっちが予想だにしない方法だったりしますからね。そういう瞬間に立ち会った時は「やった!!」ですよ。だって尊敬する上地さんを前にしての最初の質問、僕らなら「ふぁ、ファンです!」みたいな、ありきたりのセリフしか書けないですけど、彼(田口)は「僕のブログ見てくれてましたか?」ですよ。「6回ライブに行ったんですけど、気づいてました?」ですよ。もうそれは台本では絶対書けない。柿沼(しのぶ/自分の紙芝居を世に広めたい女)さんの「涙あり、笑いあり、やりがいあり」も、もうなんなんですか、「やりがい」って(笑)。
――話にオチがなかったり、間がおかしくなったり、芸人さんに振るのとはだいぶ違う反応が返ってきますよね。それをそのまま流すというのも、『アウト×デラックス』のはじけてるところではないかと。
鈴木 お笑いの文法が成立しない、普通のことを言って面白い人にはかなわないんですよ。フリがあってボケて……とかじゃないですから。彼ら彼女らにとっては普通のことを言っているだけで、それがあるうちは、この番組は大丈夫じゃないかと思います。
――タレントさんで、度肝を抜かれたのはどなたですか?
鈴木 元SIAM SHADEの栄喜さん。あとベタにラーメン王の石神秀幸さんも好き。すっごい薄い話を、よくあそこまで濃厚に話せるなっていう(笑)。それから……ひふみん。
――加藤一二三九段! クイズを出したがる天才棋士ですね!
鈴木 年上の、しかもすごい経歴をお持ちの方にこんな言い方は失礼かもしれませんが、ほんっとにカワイイ。アウトは「カワイイ」でもあると僕は思っていて。本音をさらけ出してくれて、その人の素の部分が見えた時って、たまらなくカワイイし愛おしいんです。人間の魅力というか……出てくるんですよね。そうそう、出版業界で誰かいませんか? アウトでカワイイ人は?
――サイゾーは……変な人しかいません……。
鈴木 いいですねぇ。「今日は某雑誌の編集部の方です」「なんの雑誌ですか?」「サイゾーです」「アウト~!」(笑)。
――一度編集部に来ていただいて、ぜひお好みをピックアップしてください(笑)。『アウト×デラックス』といえば、いくつかのエピソードをパズルのように組み合わせる構成も独特ですよね。
鈴木 トーク番組を見ている時に「ちょっと長いな……」って思うことありません? 飽きさせないためにも、最初に出演者さんを全部見せてしまおうかなと。あと、作るものは基本的にオシャレなものでありたい。たとえば10人ゲストが出て、エンディングを迎えた後にガガッと巻き戻って、一人目の一言が聞けるみたいなことがやりたかったんです。スタンリー・キューブリックのような。いやムダなんですよ、いらないんですよ。だけど僕みたいな浅い人間は、アレを見て「オシャレだな~」って思うんです。本来であれば、中身を見るべきですけどね。僕は洋服も好きだしガワを楽しむ人間なんで、あれを見て男の子たちが「おお!かっけー!」って言ってくれるかなと思ったんですよ。
――ムダ精神は大事だと思います!
鈴木 僕もそうでした。誰かの思いつきだと思うんですけど、昔セットの後ろに四星球(スーシンチュウ)が置いてあるのを見たことがあるんです。その時「あぁ、遊び心あるなぁ」って感動して。遊び心って大事ですよね。テレビを楽しんで作ってる感じ。
――それこそまさに、フジバラエティという感じじゃないでしょうか。
鈴木 ムダなことに全力を傾ける(笑)。あとは反骨心じゃないですけど、常にマイノリティな部分を大事にしたいんです。だからゴールデンにはこだわらないし、なんなら15分に縮小されてもいい。とにかくじっくり手間暇かけて作りたいんですよ。“作品感”を出したいんです。
――DVD化などは?
広報 ないですね。
鈴木 もったいないな~! フルバージョンのDVD出したら絶対面白いのに!!
――フルバージョンすごそう!『アウト×デラックス』を見ていると、「もしかして私のほうがアウトなんじゃないか……」って思えてくるから不思議なんです。
鈴木 アウトな方たちの生き方が少しでも光って見えたら、こっちの勝ちなんだと思います。面白いのは、当初男性をターゲットに番組を作っていたんですけど、視聴率調査によると実際は女性のほうがよく見てくれているみたいで。男性は、やっぱり『アメトーーク!』に行っちゃうんですかね。
――以前、日刊サイゾーのインタビューで、加地倫三さん(『アメトーーク!』総合演出)は「フジテレビはバラエティ界の巨人軍」と言ってましたから、『アウト×デラックス』のことは相当意識されてると思います。
鈴木 そのインタビュー読みました。まったく、うまいこと言いますよね! でもそれは、王者だからこその発言ですよ。マツコさんが初回に「混乱のフジテレビだからこそのレギュラー化」って言ってましたけど、混乱だからこそできることもある。僕としては、もっと早くレギュラーになってもよかったと思います。2年前であれば、まだ同じような番組はなかったから。まぁないとは思いますけど、ゴールデンに移行するなんて話になったら、きっぱりやめますよ。面白くないだろうし。だから、この番組をゴールデンに昇格させるレベルの混乱状態には陥ってほしくはないですね(笑)。
――鈴木さんの夢はなんですか?
鈴木 そうですね……もうちょっと、ゆったり働きたいですね……。そしていつかアウト軍団だけで30分作ってみたい。田口くんや山下くん、柿沼さんたちの面白さを凝縮した30分が作れたら、この番組はもっと強くなるんじゃないかと思います。その延長上として「アウト総選挙」がね、中野サンプラザあたりでできたら素晴らしい。
――会場選びが……絶妙です(笑)。
鈴木 もちろん生放送で。
――だ、大丈夫ですか?
鈴木 大丈夫じゃない生放送ほど、見たいものはないじゃないですか。終わりはそれで。生放送でやらかしちゃって、終了と。
(取材・文=西澤千央)
去る5月13日に明らかになった、フジテレビジョン(以下、フジテレビ)と、その親会社となる持ち株会社、フジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)の新しい社長人事が、各メディアで話題となっている。その理由は、ドラマと映画共に大ヒットした『踊る大捜査線』のプロデューサーとして知られる亀山千広常務が、副社長などを5人抜きしてフジテレビ社長に就任するという サプライズ人事だったためだ。正式には、6月下旬のFMH株主総会の決議待ちだが、問題なく承認されることは間違いないという。 「亀山さんはドラマ製作の実績がある上に、映画をヒットさせるビジネス手腕も期待できるので、基本的に社員も歓迎していますね」(フジテレビ社員) しかし、フジテレビ事情をよく知る者は、むしろ太田英昭氏のFMH社長就任こそがサプライズだと語る。太田氏は12年6月にフジテレビおよびFMHの副社長に就任したばかり。現任の豊田皓社長が07年の就任から6年を経ており、大手企業としては平均的な任期とはいえ、太田氏のこのスピード社長昇格も異例であることに変わりはないのだ。 だが、実はこの人事が驚きをもって迎えられたのはそれだけが理由ではない。FMHは傘下に、フジテレビのほかニッポン放送や産経新聞、扶桑社など多くのメディア企業を抱える巨大メディアグループを束ねる持ち株会社であり、08年のFMHの発足以来、このグループ内で最大の売り上げとパワーを持つフジテレビの社長がFMHの社長も兼ねるのが通例だった。しかし今回の人事ではあえてその通例を崩し、この2職を別々の人物が務めることになったのである。 「フジテレビにとって、凋落傾向にある視聴率【1】の首位奪還は最大の目標ですが、それ以外にも2つの大きな経営課題を抱えています。そこで役割分担を明確にし、亀山さんには視聴率首位奪還に専念してもらうためのツートップ体制なのでしょう」(フジテレビ関係者) つまり、現場は亀山氏、それ以外を太田氏が分担するというわけだ。では、太田氏が担う役割とは何か? 「それは地方局の子会社化と、お台場地域の特区構想ですよ」(同) アベノミクスに沸く日本だが、地方経済の地盤沈下は、構造的要因や東日本大震災の影響などにより深刻化する一方で、各地域のテレビ局も青息吐息だ。なにより、地方局よりも先に、その大株主である地方新聞社や地元有力企業が経営危機に陥り、彼らが所有していた地方局の株式が宙に浮きかねないのだ。 「テレビ局は社会の公器。そのため従来は、特定の企業によるテレビ局占有は制限されていました。しかし、疲弊する地方経済を鑑み、全国のテレビ放送網維持のためにはやむなし、と総務省が判断、キー局による地方局の子会社化を認める方針を明らかにしたのです」(ジャーナリスト) つまり近い将来、地方テレビ局がキー局の子会社となり、現在のような提携局による全国ネット放送ではなく、単独で全国放送ができる巨大テレビ局が登場する可能性があるのだ。これは、現在のテレビ放送が寄って立つビジネススキームの激変を意味する。 「この変化を利用すれば、テレビというビジネスをもっと大きくすることも可能。まず短期的には、CM料金の値上げが考えられますね」(同)『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 シナリオ・ガイドブック』(キネマ旬報社)
そして2つ目の「お台場地域の特区構想」。そもそも「お台場特区」とは、正式には「東京DAIBA・MICE/IR国際観光戦略総合特別区域」といい、10年に当時の民主党・菅内閣が打ち出した新成長戦略を元に実施された「総合特区制度」にのっとり東京都が申請した「アジアヘッドクォーター特区」の一部であり、お台場周辺地域においてカジノを解禁、海外の観光客を目的とした巨大リゾートとして再開発しようというもの。そして、その旗振り役を務めているのがフジテレビなのだ。 「観光だけでなくオフィスビル建設なども予定し、いわばお台場の副都心化計画です。そして、フジテレビ内の特区事業準備室の担当役員が、実は太田さん。つまり太田さんがFMHの社長になるということは、『お台場副都心化』にフジテレビ/FMHが本腰を入れるという意味も持つわけです」(フジテレビ関係者) 現在のフジテレビ社屋があるお台場地域は、もともと東京都主催による「世界都市博」の開催予定地だった。84年に当時のフジサンケイグループ議長・鹿内春雄氏が新宿区内からお台場への社屋の移転を決めたのも、都市博開催とその後の再開発による臨海副都心化の実現を見越してのものだった。しかし95年に「都市博中止」を掲げた青島幸男氏が都知事に当選、お台場は長らく「僻地」に貶められてしまっていた。ならばこそこの特区構想は、今度こそお台場を東京の中心にするという、フジテレビの悲願なのである。 しかし、一方でこの人事は結局失敗するだろうと語る人も。元産経新聞論説委員の松沢弘氏は「フジテレビもFMHも、会長は日枝久氏のままです。これでは、フジは何も変わりません」と断言する。 日枝氏は88年に社長に就任して以来、25年にわたりフジテレビに君臨してきた。会長となった今も代表権を持ち、フジテレビの人事をすべて掌握しているという。 「創業者でもない人間が25年も上場企業のトップに居座り続けているのは極めて異例。というのも日枝氏は、自分が引き立てた部下が力を持ち始めると、今度は追い落とす。25年間それを繰り返してきたため、社内では誰も逆らえません。亀山さんと太田さんの昇進も日枝さんが決めたこと。彼らが日枝さんの地位を脅かせば、すぐに追い出されるでしょう」(松沢氏) 日枝氏といえば、かつてフジサンケイグループを支配していた鹿内一族を92年に企業内クーデター【2】で追放したという血なまぐさいエピソードの持ち主。その日枝氏が会長にいる限り、フジテレビに変化は期待できないというのが松沢氏の見立てだ。 これから激動期を迎えるメディア業界では、抜きんでた経営手腕が求められている。そんな時代にフジテレビの真のトップを務める日枝氏が時代遅れの経営者なのだとしたら、フジテレビ復活の足音は遠ざかる一方かもしれない。 (三森黒介) 【1】視聴率 80年代以降、バラエティ番組やトレンディドラマなど次々とヒットを飛ばし、自他共に認める 民放ナンバーワン だったフジテレビだが、近年その求心力は急速に低下。12年の年間視聴率も、日本テレビはおろかテレビ朝日にまで抜かれ3位に転落してしまった。 【2】企業内クーデター フジテレビを含むフジサンケイグループは、フジテレビの創業にも関与した鹿内信隆氏が実質的なオーナーで、日枝氏はこの信隆氏の息子である鹿内春雄氏に認められ出世、88年の同氏の死後、社長に就任する。その後、信隆氏が一時的にフジサンケイグループ議長に復帰するも90年に死去、その娘婿であった鹿内宏明氏があとを継いだ。しかし92年7月、日枝氏の画策のもと宏明氏は、産経新聞社取締役会にて突如同社会長職を解任される。その後、宏明氏はグループ内の要職も相次いで辞し、鹿内家によるフジサンケイグループの支配は終焉を迎える。その後20年超の長きにわたり、日枝氏はフジサンケイグループを支配し続けているのである。 【「サイゾーpremium」では他にもフジテレビの功罪に迫る記事が満載です!】 ・大晦日は村田&井上!? 大人&先物買いしたフジテレビの胸算用 ・高須光聖×大根仁 テレビタブーの拡大は自主規制とフジテレビが元凶だ!?【前編】 ・「退社は時間の問題だった」フジ退社を発表した高橋真麻アナのバラ色の未来日枝久会長がいる限りフジは何も変わらない
■「サイゾーpremium」とは?
フジテレビアナウンサー、本田朋子の年内退社が一部で報じられている。 「寿退社だそうです。お相手は、かねてから交際中のプロバスケットボール選手・五十嵐圭です」と話すのは芸能ライター。このところ、フジは女子アナの退社が相次いでいる。3月に高橋真麻がフリーアナウンサーとして独立、9月末には騎手の福永祐一と結婚する松尾翠が寿退社する。 「なので、フジも退社を了承済みなのですが、本田には年末まで退社を待ってほしいと要請しているそうです。カトパン(加藤綾子)やショーパン(生野陽子)といった人気アナの陰に隠れがちですが、本田もなかなかの人気者です。『すぽると!』で見せるミニスカートから伸びた美脚は、男性視聴者を釘づけにしているほど」(同) 本田といえば、派手なフジの女子アナの中では清楚なイメージだともっぱら。局内でも悪いウワサがなく、過去に放送された某番組では「性格も純粋」と同僚の女子アナたちの間でも好評で、一番人気だった。 「まあ、その評判は微妙なところです。元カレはサッカー日本代表キャプテンの長谷部誠だし、今カレの五十嵐は追っかけも存在するバスケ界きってのイケメン。結構、チャラい人選だと思いますけどね(笑)。これまでにも週刊誌で、中学生時代はコギャルで学校の廊下に消火器をぶちまけたりしていたなど、過去の悪行が報じられたこともあります。また、夕刊紙では、酒で酔わせた女性を集団で乱暴するという犯罪を繰り返し社会問題にもなった、早稲田大学の元公認サークル『スーパーフリー』と人気女子アナの関係が取り沙汰されましたが、ネットなどでは本田のことではないかとささやかれたこともあります。もっとも、いずれもウワサレベルの報道なので、真偽のほどは定かではないですが……。まあ、女子アナになるぐらいだから上昇志向も旺盛でしょうし、清楚だとか純粋だといったイメージは、ちょっとマユツバなのでは……(苦笑)」(同) 報道によると、ここのところのフジの女子アナ流出は給料が安いことが原因だといわれている。本田クラスで年収800万円程度なのだそう。秋には正式に寿退社が発表されるというが、退社後はフリーアナとしてガンガン稼ごうということなのだろうか?フジテレビ公式サイトより
テレビ朝日系の大家族ドキュメンタリーで人気シリーズとなった『痛快! ビッグダディ』だが、4月に離婚した“ビッグダディ”こと林下清志さんと元妻の林下美奈子さんが、相変わらず話題を振りまいている。 離婚後、清志さんは東京スポーツや「週刊新潮」(新潮社)などの取材に応じたり、「女性セブン」(小学館)の記者とともに宮崎に住んでいた当時の美奈子さんの自宅をアポなしで“急襲”。「アサヒ芸能」(徳間書店)の人気コーナーであるテリー伊藤氏との対談に登場した際には、美奈子さんとの“夫婦の営み”をぶっちゃけるなどしているが「義理堅い性格なので、テレ朝に恩義を感じ、他局へのテレビ出演は断っているようだ」(週刊誌記者)という。 一方、美奈子さんは7日放送のTBS系『中居正広のキンスマスペシャル』に出演すると14.4%(ビデオリサーチ、関東地区)の高視聴率を記録。さらに18日にはフジテレビ系情報番組『ノンストップ!』に出演するなど、テレ朝以外の局に積極的に出演している。 「13日放送の『ノンストップ!』では“ビッグダディ流子育て”特集と題して、ゲストが討論したが、タレントの神田うのは清志さんを『親としてどうかと思う。ありえない』と痛烈に批判。それだけに今後、同番組で、うのと美奈子さんの“公開討論”が実現する可能性もある。フジは6月に亀山千広氏が新社長に就任し、とにかく視聴率主義。今のところ、美奈子さんは“視聴率女”なので、テレ朝に対抗して美奈子さんを主役にした『ビッグマミィ』シリーズをスタートさせるべく、美奈子さんの囲い込みを始めているようだ」(テレビ関係者) とはいえ、テレ朝が“逃がした魚”をこのままにしておくはずがない。今後、ビッグダディ・ビッグマミィの両家族の動向が、まだまだ注目されそうだ。
テレビ朝日系の大家族ドキュメンタリーで人気シリーズとなった『痛快! ビッグダディ』だが、4月に離婚した“ビッグダディ”こと林下清志さんと元妻の林下美奈子さんが、相変わらず話題を振りまいている。 離婚後、清志さんは東京スポーツや「週刊新潮」(新潮社)などの取材に応じたり、「女性セブン」(小学館)の記者とともに宮崎に住んでいた当時の美奈子さんの自宅をアポなしで“急襲”。「アサヒ芸能」(徳間書店)の人気コーナーであるテリー伊藤氏との対談に登場した際には、美奈子さんとの“夫婦の営み”をぶっちゃけるなどしているが「義理堅い性格なので、テレ朝に恩義を感じ、他局へのテレビ出演は断っているようだ」(週刊誌記者)という。 一方、美奈子さんは7日放送のTBS系『中居正広のキンスマスペシャル』に出演すると14.4%(ビデオリサーチ、関東地区)の高視聴率を記録。さらに18日にはフジテレビ系情報番組『ノンストップ!』に出演するなど、テレ朝以外の局に積極的に出演している。 「13日放送の『ノンストップ!』では“ビッグダディ流子育て”特集と題して、ゲストが討論したが、タレントの神田うのは清志さんを『親としてどうかと思う。ありえない』と痛烈に批判。それだけに今後、同番組で、うのと美奈子さんの“公開討論”が実現する可能性もある。フジは6月に亀山千広氏が新社長に就任し、とにかく視聴率主義。今のところ、美奈子さんは“視聴率女”なので、テレ朝に対抗して美奈子さんを主役にした『ビッグマミィ』シリーズをスタートさせるべく、美奈子さんの囲い込みを始めているようだ」(テレビ関係者) とはいえ、テレ朝が“逃がした魚”をこのままにしておくはずがない。今後、ビッグダディ・ビッグマミィの両家族の動向が、まだまだ注目されそうだ。
「ようやく、発表までこぎ着けましたが、直前まで主演以外のヒロインが決まらないので現場は冷や冷やしていたそうですよ」(フジテレビ関係者) 江角マキコ主演で大ヒットした『ショムニ』が、7月スタートの連続ドラマで10年半ぶりに復活することが発表された。 「個性的な庶務二課のOLたちは、江角さん以外、メンバーを一新しました。ベッキーや本田翼ら新鮮な顔ぶれなのですが、これが直前まで決まらなかったそうです。本当は別のキャストだったそうですが、結構、断られたそうですよ」(芸能事務所関係者) 当初は、いわゆる“格オチ”の若手女優で構成する予定だったが、それが直前になって変更されたという。 「それはもちろん、新社長に就任する亀山千広さんの意向ですよ。6月に新社長に就任して、7月クールの連ドラは試金石ですからね。亀山さん自身、『経営資源を最大限有効活用する』と言っていますから、これは過去にヒットした作品をどんどんリメイク、続編制作するということ。なので、シリーズを通して平均視聴率20%を獲得している『ショムニ』は下手なメンバーで構成できないということで、亀山さんが『メンバーを編成し直せ!』と現場にハッパをかけたそうです」(前出・フジテレビ関係者) おかげで、久々のドラマ出演となるベッキーや人気急上昇中の本田翼だけでなく、昨年度の映画賞を総ナメにした演技派、安藤サクラなど豪華キャストをそろえることができた。 「逆にこれで数字が取れなかったらと思うと、ある意味、心配ですよ。局内のウワサでは、キムタクで大ヒットした『HERO』も続編があるという話を聞きましたから、なりふり構わない攻勢に出ると思いますよ」(同) フジテレビの反撃なるか――。『ショムニ 第1シリーズ DVD BOX』
(ポニーキャニオン)
今夏にプロデビューが予定されている、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太。既報の通り、アマチュアボクシング界の至宝であった村田をプロに引っ張り出したのは、フジテレビ&電通の強力タッグによる力業だった。数千万円とも噂される破格の契約金に加え、東洋大学の職を辞す村田にフジのグループ会社での正社員待遇を保証してまで本人を口説き落としたというから、まさに資本力にモノを言わせた大人買いである。 そんな村田の所属先は過去に輪島功一ら3人の世界チャンピオンを輩出した三迫ジム(東京都練馬区)。同時に、業界最大手である帝拳ジムとの共同プロモートになることも発表された。これは一般的には知られていないレアケースだが、まずはその経緯を解説しよう。 そもそも長年に渡ってフジのボクシング番組に試合を提供してきたのは三迫ジムだ。フジが絡むことから、村田が三迫ジム所属になるのは自然な流れであるが、本来、日本テレビ系である帝拳ジムがサポートに絡むのは極めて異例。これは村田自身がプロ入りの条件として、帝拳ジム入りをかたくなに主張したためだと業界内で囁かれている。 「古くは大場政夫から西岡利晃まで、多数のチャンピオンを輩出してきた帝拳は世界に広いネットワークを持ち、国内随一のプロモート能力を備えたジム。特に村田の主戦場となる重量級のマーケットはアメリカ中心で、国内で世界タイトルマッチを組むのは容易ではありません。本気でプロの頂点を目指すなら、帝拳以外は考えられないという村田の主張は正しい」(某ジム会長) 帝拳ジムはプロモート面だけでなく、レベルの高い海外での練習環境を提供するなど、村田育成プロジェクトの中枢を実質的に担うことになる。業界内ではこれを「長年培われてきたクラブ制度【1】を崩壊させかねないウルトラCだ」(別のジム関係者)と揶揄する向きもあるが、国民的な知名度を誇るトップアスリートの参画は、ボクシング界を活性化させる話題に疑いはない。 こうした中、村田がプロ転向を発表した4日後の4月16日、当のフジが21年ぶり【2】にゴールデンタイムでボクシングの生中継を 敢行 したことも話題になっている。 中継されたのは、高校7冠のアマチュア実績を引っさげてプロ入りした、井上尚弥のプロ第3戦。ノンタイトル戦でありながら生中継がついたのは、辰吉丈一郎や畑山隆則を凌駕する素材と期待される井上であればこそ。村田のプロテスト中継(これまた異例のことだが)とのセット放送で、2時間の枠を用意する力の入れようだった。しかし、井上の過去2試合は、フジではなくTBSが中継してきた。局をくら替えしてのこのVIP待遇の裏には、フジの並々ならぬ野心が見え隠れする。 「井上が所属する大橋ジムでは、井上が価値のある商品に育つことを見越して、TBSとは1試合ごとの単発契約にとどめていたとか。そこで井上獲得に名乗りを上げたフジが破格の契約金を提示。TBSも負けじと提示額を吊り上げ、『大橋ジムとしては理想的な競り合いが繰り広げられた』ともっぱらです」(スポーツ紙記者) 村田獲得が大人買いなら、こちらはいわば先物買い。そもそもテレビ業界にとってボクシング中継は、ここぞというタイミングで高視聴率を叩き出す優良コンテンツのイメージが根強い。近年の亀田興毅の20%超えはいうに及ばず、1994年の薬師寺保栄vs辰吉丈一郎の一戦(関東地区平均で39・4%、関西で43・8%)などはもはや伝説的だ。 とりわけ昨年の大晦日には、井岡一翔を擁するTBSと内山高志を擁するテレビ東京がボクシング中継で好成績を挙げたのに対し、裏番組で『料理の鉄人』あらため『アイアンシェフ』で煮え湯を飲まされたフジである。村田と井上が、近い将来の大晦日商戦への切り札として期待されるのはもはや必然だろう。 だがしかし、井上第3戦はゴールデン枠にもかかわらず、平均視聴率6・9%という結果に甘んじた。 「番組制作を担当したプロデューサーK氏は、ボクシング界とお笑い界に太いパイプを持つことで知られる人物。CSのボクシング番組でも、昨年からMCに千原ジュニアを起用するなどファン層拡大のテコ入れに努めてきました。今回、村田&井上のために用意された2時間番組でも千原のほか、パネラーに9人の元世界チャンピオンを招くなど、少しでも視聴者の興味を引こうと努力していましたが、視聴者の声を拾ってみると、今ひとつMCと元王者たちの対話がかみ合わず、全体的に間延びした印象が指摘されています」(同) いささか不安が残るフジの思惑だが、一方で、確かな収穫もあった。プロテストで元日本王者とのスパーリングに臨んだ村田が、随所にプロに向けたモデルチェンジを感じさせる出色の出来と好評なのだ。 「アマ時代はブロック主体で地味なスタイルが目についたが、フリッカージャブを振ったり、世界ではやりのL字ガードを見せたり、プロで頂点を獲るための試行錯誤が感じられた。それまで『あのスタイルでは、プロでは厳しい』と見ていた関係者が翌日、『順当に育てばイケるかも』と手のひらを返していたのが印象的です(笑)」(某ジム・トレーナー) こうなると、井上で思い通りの数字が取れなかったフジにとって、村田への期待は俄然高まるはず。「今年は無理でも、来年の大晦日なら世界挑戦もあり得るのでは!?」(同)との声も上がっている。 そして、村田特需に期待を寄せるのは、テレビ局だけではない。これまで日が当たりにくかった国内の重量級ボクサー【3】が、こぞって村田との対戦をアピールしているのだ。なにしろ村田の対戦相手に選ばれれば、生中継がつくのは確実で、一気に全国区の知名度が得られる。まして、あわや 村田食い を果たそうものなら、即座に世界戦線に踊り出るのも夢ではない。もっとも、テレビならではの弊害も囁かれている。 「局の都合で、弱い相手ばかりを選んで勝ち星を積み重ね、いざ世界へ挑む段階でボロを出すパターンを我々は何度も目撃してきました。これでは拙速なキャリアづくりを強いられ、せっかくの素材を潰してしまうことになる。村田クラスの注目度でそれをされるのは、競技全体のイメージダウンにもつながります」(前出・スポーツ紙記者) テレビ局にとってボクシングは、あくまでビジネス。それゆえの論理が、不世出の逸材に重い足枷とならなければ良いが……。 (友清哲) 【1】クラブ制度 日本では伝統的に、プロボクサーは所属ジムが管理する制度が主流。これに対し、海外では選手がトレーナーやマネージャーを選んで契約する手法が採られている。後者のほうが人気選手同士のビッグマッチが組みやすいメリットがあるといわれている。 【2】21年ぶり フジテレビがボクシングの試合を生中継するのは、92年11月のWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ヘナロ・エルナンデス vs 渡辺雄二戦以来のこと。渡辺は10戦10勝(10KO)のパーフェクトレコードを持つイケメンボクサーで、同局の大きな期待のもとに王者エルナンデスに挑んだが、6RTKO負けで戴冠は叶わなかった。 【3】重量級ボクサー 長らく日本重量級の第一人者として活躍してきた石田順裕もそのひとり。石田はこの3月に引退を表明したばかりだが、先だって催されたトークショーで村田との対戦希望を明言。村田の持つ抜群の知名度は、去りゆく選手の後ろ髪を引くほど魅力的なのだ。『101%のプライド』(幻冬舎)
■「サイゾーpremium」とは?
Ad Plugin made by Free Wordpress Themes