妹を"オンナ"にすべく姉の指導は「干渉」? 「幸せ」比べ?

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『試着室』(吉沢華、幻冬舎)

 中学生のころに仲が良かった三姉妹の末っ子は、兄と二人兄妹の私には想像ができない独特なセオリーを持ってた。姉の言うことはゼッタイ。末っ子の選んだ服はもちろん、彼氏までも、姉ふたりが厳しくチェックして判断を下す「姉ゲート」を通さなければならないのだ。そんな彼女を「虐げられてるんじゃない?」なんて傍観していたのだけれど、本人にとってはそれが日常。虐げられてるなんて微塵も感じず、姉二人の言うことは絶対だと信じてた。逆に「姉」は、妹に対して「それっておせっかいじゃない?」ってくらい、妹が選ぶ物事を心配したりジャッジしたりする。姉は、母親以上に愛情を込めて妹を育てる。独特で不思議な主従関係が、姉妹間では当然のように成立している。ハタから見れば仲良し姉妹のほほ笑ましい光景だけれど、そこには、異性間の恋愛の延長上にある「男が女を育てる」純粋な楽しさとは異なり、自分と相手との「幸せ」の比較という問題が絡んでいる。

直木賞作家が描く、いやらしくもせつない官能小説『海の見えるホテル』

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『海の見えるホテル』(重松清、小
学館)

 誰しも、初恋って、訊ねられればすぐに思い出せる、大事な恋のひとつ。初めて自分のモノにしたくなった男って、オトナになった今でもけっこう引きずっていて、今のオトコ選び基準になっている気がする。だからこそ、今でもふと思い出すことがある。気になって、ネットで名前を検索してみたり。

 胸がきゅっと締め付けられるような、柔らかくも甘酸っぱい思い出。そんな愛らしい思い出をくれた相手だからこそ、できれば幸せに暮らしていてもらいたい、なんて身勝手な願望を抱いてしまうはず。けれど、もし初恋の相手が不幸になってしまっていたら?

快楽と復讐を同時に果たす……官能小説における「女の悦び」

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藍川京『妖女』(徳間書店)

今回の官能小説
藍川京『妖女』収録作品「獣」

 男女の別れが"キレイ"なことなんてめったにないけど、一方的だったり、不可抗力な場合、どうしても相手へのわだかまりが残ってしまう。女がそれを持った時、どうやって解消したらいいのだろう。どうすれば相手を自分と同じぐらい傷つけられるのか、どうすれば自分と別れたことを後悔させられるのか。別な相手を見つけて前向きに生きようと思う前に、誰しも一度が思ってしまう、黒い感情というのものがある。そして女は、きっかけさえあれば何年経ってもその感情を蘇らせることができる。

ありえないセックスが続く、官能"ファンタジー"小説『蜜色の秘書室』

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『蜜色の秘書室』(幻冬舎)

 官能小説を読む楽しさって何だろう? それはたぶん、一冊の本のなかには「何でもアリ」の世界が広がっているからだと思う。二股三股は当たり前、3Pに人妻、近所のお姉さん......。リアルだったら決して体験できないような相手やシチュエーション、はたまた人には言えない性癖や道徳的にNGな関係も、官能小説の世界だったらアリ。

 ただひとつ、絶対に外せないお約束は、「お互いが気持ち良くなる」こと。気持ちも身体も一方通行じゃダメ。お互いが、同じくらい気持ちよくなることが大前提。そんな、ただ愛欲に没頭できるセックス、リアルで経験している人っていったいどのくらいいるだろう?