『愛より速く』(新潮社)
男性には、愛と性欲を切り離して考えている人が多い。既婚者や、特定の恋人がいる人の中にも、風俗通いをする男性が割と多いというのも、その1つの証拠である。対して女性はどうだろう? 男性に比べ、愛と性欲を切り離せない場合が多い気がする。“ヤリマン”であっても、仲間内での自分の立場を優位にしたかったり、コミュニティ内で一番ちやほやされたかったり、誰かの視線を意識しているという話も聞く。もちろん“ヤリチン”にもそういった人はいるだろうが、単純に性欲を満たしたいゆえにセックスに駆られるのは、男性の方が圧倒的に多いのではないだろうか。
今回ご紹介する『愛より速く』(新潮社)は、著者である斎藤綾子氏の体験を元にした19編の短編小説集だ。舞台は1980年代、23歳の女子大生である綾子は、中学生から中年まで、幅広い年齢の男性と体を重ねている。








