益若つばさブランドのSuGデザインパクリ事件、責任者としてありえない逃亡に非難! 会社よりタレント生命を優先?

 益若つばさがヴィジュアル系バンドのブランドのデザインを丸パクリした上に、「逃走&被害者面をしている!」と大炎上している。  益若がパクったのは、V系バンドSuGのボーカル・武瑠がデザイナー兼プロデューサーをしているファッションブランド「million $ orchestra」のモチーフ。バラの茎部分を「holic」という文字の筆記体に変形させ、茎の先は「→」をイメージさせ尖っている、というデザインだ。一方、問題の益若がディレクターを務めるファッションブランド「EATME」のデザインは「holic」という文字を別の文字に変えた程度の差しかなく、デザインはほぼ同一。バラの葉の付き方、生え方など、細かな部分も全く同じで、たまたま同じコンセプトだったというレベルではない。  このモチーフをあしらった帽子を益若がかぶっている画像を、武瑠のファンが武瑠のTwitterへ送り「もしかしてコラボですか?♪」と質問したところ、武瑠が「コラボじゃないです」とリプライ。さらに武瑠は「刺さったらその人中毒になる堕天使の矢。わざわざバラをリアルに撮影して、新しく作ったデザインだから。詳しくは分からないけど、これによって自分がお気に入りのモチーフを使いづらくなるのだけはやだな。。。」と自身がモチーフを作った時の経緯を明かした。これにより、一部で噂になっていた「どちらも同じ素材サイトやフリー画像サイトを使った説」も消え、益若がデザインを“パクった”ことが証明されたとして、SuGファン怒りの炎上はまだ収まる気配を見せない。  その後、武瑠と益若の双方のTwitterやブログを見る限りでは、益若が直接、武瑠に謝罪したようである。益若のブログには経緯が細かく説明されているが、要約すると「明らかにパクリであったことは認める」「作ったのは会社のデザイナーであるが、益若がOKを出した」「益若と武瑠はブランドを通じて元々知り合いだったため、武瑠のショックはかなりのもの」「益若自身も会社に裏切られたと感じ、悲しみも感じている」「益若の商品はサンプル段階でまだ発売はしていなく、これで利益を得たということはない」。  益若は謝罪を繰り返し、「まだまだ謝罪の言葉としては足りないかもしれません」と綴り、ファッションブランドを経営するものとして今回の事件をどれほど問題視重罪すべきか認識しているようだ。ところが益若がTwitterに「ご本人とやり取りをし、謝罪と経緯を話しました。これ以上は逆に迷惑をかけてしまうので消します」とコメント投稿し、ブログでは「悔しくて悲しくて一晩中泣きました」と被害者のような振る舞いを書いたことが、燃えさかる火にさらなる油を注いだ。  益若の説明した経緯が事実ならば、益若自身が意図的にデザインを模倣したものではなく、「会社に裏切られたと感じ」「悔しくて悲しい」感情も当然あるだろう。だがブランドディレクターであり、広告塔として同ブランドの顔をつとめる立場であることを考えると、まるで被害者のような恨みつらみを綴るべきではなかっただろう。彼女のファンは同情し、「芸能人・益若つばさ」は守られるかもしれないが、ファッションブランド「EATME」を守ることは難しくなる。たとえば食品企業の製造ラインで異物混入などの問題が起こったときに、直接その作業に関与してない企業のトップが謝罪したとして、「この人は関係ないのにな~」と同情を寄せるようなものである。  Twitterでは「売れたら自分の業績。不祥事は部下や仲間のせい。最悪な代表の典型」「全てディレクターである私の責任です。すみませんでした。でいいじゃんそれだけでいいじゃん。みんなトップはそうやって公には言って、裏で会社の人達に怒って注意したり家で泣いたりしてるよ」「保身しかできないならその立場から降りて一人でやれよ」「普通の企業なら倒産レベルの謝罪文」と益若に対する批判が収まる気配はまだ見えない。 (プラント)

益若つばさブランドのSuGデザインパクリ事件、責任者としてありえない逃亡に非難! 会社よりタレント生命を優先?

 益若つばさがヴィジュアル系バンドのブランドのデザインを丸パクリした上に、「逃走&被害者面をしている!」と大炎上している。  益若がパクったのは、V系バンドSuGのボーカル・武瑠がデザイナー兼プロデューサーをしているファッションブランド「million $ orchestra」のモチーフ。バラの茎部分を「holic」という文字の筆記体に変形させ、茎の先は「→」をイメージさせ尖っている、というデザインだ。一方、問題の益若がディレクターを務めるファッションブランド「EATME」のデザインは「holic」という文字を別の文字に変えた程度の差しかなく、デザインはほぼ同一。バラの葉の付き方、生え方など、細かな部分も全く同じで、たまたま同じコンセプトだったというレベルではない。  このモチーフをあしらった帽子を益若がかぶっている画像を、武瑠のファンが武瑠のTwitterへ送り「もしかしてコラボですか?♪」と質問したところ、武瑠が「コラボじゃないです」とリプライ。さらに武瑠は「刺さったらその人中毒になる堕天使の矢。わざわざバラをリアルに撮影して、新しく作ったデザインだから。詳しくは分からないけど、これによって自分がお気に入りのモチーフを使いづらくなるのだけはやだな。。。」と自身がモチーフを作った時の経緯を明かした。これにより、一部で噂になっていた「どちらも同じ素材サイトやフリー画像サイトを使った説」も消え、益若がデザインを“パクった”ことが証明されたとして、SuGファン怒りの炎上はまだ収まる気配を見せない。  その後、武瑠と益若の双方のTwitterやブログを見る限りでは、益若が直接、武瑠に謝罪したようである。益若のブログには経緯が細かく説明されているが、要約すると「明らかにパクリであったことは認める」「作ったのは会社のデザイナーであるが、益若がOKを出した」「益若と武瑠はブランドを通じて元々知り合いだったため、武瑠のショックはかなりのもの」「益若自身も会社に裏切られたと感じ、悲しみも感じている」「益若の商品はサンプル段階でまだ発売はしていなく、これで利益を得たということはない」。  益若は謝罪を繰り返し、「まだまだ謝罪の言葉としては足りないかもしれません」と綴り、ファッションブランドを経営するものとして今回の事件をどれほど問題視重罪すべきか認識しているようだ。ところが益若がTwitterに「ご本人とやり取りをし、謝罪と経緯を話しました。これ以上は逆に迷惑をかけてしまうので消します」とコメント投稿し、ブログでは「悔しくて悲しくて一晩中泣きました」と被害者のような振る舞いを書いたことが、燃えさかる火にさらなる油を注いだ。  益若の説明した経緯が事実ならば、益若自身が意図的にデザインを模倣したものではなく、「会社に裏切られたと感じ」「悔しくて悲しい」感情も当然あるだろう。だがブランドディレクターであり、広告塔として同ブランドの顔をつとめる立場であることを考えると、まるで被害者のような恨みつらみを綴るべきではなかっただろう。彼女のファンは同情し、「芸能人・益若つばさ」は守られるかもしれないが、ファッションブランド「EATME」を守ることは難しくなる。たとえば食品企業の製造ラインで異物混入などの問題が起こったときに、直接その作業に関与してない企業のトップが謝罪したとして、「この人は関係ないのにな~」と同情を寄せるようなものである。  Twitterでは「売れたら自分の業績。不祥事は部下や仲間のせい。最悪な代表の典型」「全てディレクターである私の責任です。すみませんでした。でいいじゃんそれだけでいいじゃん。みんなトップはそうやって公には言って、裏で会社の人達に怒って注意したり家で泣いたりしてるよ」「保身しかできないならその立場から降りて一人でやれよ」「普通の企業なら倒産レベルの謝罪文」と益若に対する批判が収まる気配はまだ見えない。 (プラント)

ありのままを見つめられない男性には、「心の醜形恐怖」がある? 「男性論ルネッサンス」検証

『非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か』(集英社新書)の著者・杉田俊介さんと、Twitterで「男らしさ」について積極的にツイートされているまくねがおさんによる連載「男らしくない男たちの当事者研究」。今回から複数回にわたって、現在の「男性論ルネッサンス」について、3冊の本を取り上げます。 「おっさんバッシング」はしてもいい? 杉田 さて、「男らしくない男たちの当事者研究」第二回目です。 ここ何年か、いわば「男性論ルネッサンス」とでも呼ぶべき活況になっています。それらの中から田中俊之『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト新書)、坂爪真吾『男子の貞操』(ちくま新書)、二村ヒトシ『すべてはモテるためである』(文庫ぎんが堂)の三冊を取り上げてみることにしました。今回は田中さんの本が中心になると思います。 「草食系男子」の話などもあわせて、これらの著書は「男性問題」を自分のこととして考えたい、と思う男性たちの有効な手引きになりそうです。将来、若い人や子どもたちが性や恋愛で悩んだ時にも勧められそうです。それぞれのアプローチの違いも、なかなか面白いですね。恋愛や性愛のことで悩むヘテロ男性たちにも、色々な選択肢や対処法があった方がいい、と思いますしね。 まくさんは最近の男性論ルネッサンス的な状況については、どうですか? 我々の当事者研究も、その流れの中にあるわけですけれども。 まく 田中さんの『<40男>はなぜ嫌われるか』が2015年、坂爪さんの『男子の貞操』は2014年、二村さんの『すべてはモテるためである』が2012年に、それぞれ出版されているわけですよね。確かに、一昨年ぐらいから男性論をテーマにした本が沢山出版されている印象が僕もあります。 僕は1、2年前に、この三冊の本に初めて目を通しました。今回、三冊ともあらためて読み直してみましたがとても面白かったですね。それぞれアプローチ方法が違っていて。読み比べするのも、楽しかったです。 杉田 ちなみに女性たちの側からも、渋谷知美さんや奥田祥子さん、水無田気流さんらが男性論を書いています。そのうちこれらについても話し合えればいいですね。 男性論ルネッサンスの背景には何があるのか。ひとつは、まず日本の戦後型の男性像(男らしさ)が大きく変化しているということ。たとえば働き方も企業の終身雇用が当たり前ではなくなったり、男性の非正規雇用も増えていたり、あるいは恋愛や性愛、家族のあり方も根本的に考え直さねばならなくなってきた。少なくとも、それらはすでに自明のものとはいえない。素朴にそういうことがあると思います。 それに加えて、最近よく指摘されることですが、シスヘテロのマジョリティ男性たちの葛藤や鬱屈を公の場で語るという社会的な回路があまりない(ように思える)こと。強くてデキる男性、男らしい男性としての自分について語る言葉はあるけれど、いったんそういう「男」から脱落すると、ひたすら黙って耐えるしかなくなる。そういう言葉の無さをこじらせると、ねじれた被害者意識になってしまったりする。それをマジョリティかマイノリティか、という話として論じられるのかどうかについての疑念も、前回、話題にあがりました。そういう状況の中で、男性学・男性論的な語りが様々な形で出てきているのかな、と。 まく いま杉田さんが挙げてくれた背景に重なるのかもしれないですが、田中さんの『<40男>はなぜ嫌われるか』を読みながら顕著に感じたのは、男性論的な語りが注目され始めているということでしょうか。もっと言うと「鬱陶しいおじさん」叩きみたいな言葉が売れるというのかな。 そういう意味では、読みながらとても複雑な気持ちにもなりました。田中さんが言うように、「鬱陶しいおじさん」にはなりたくない。でも、「ああはなりたくない」という気持ちであれこれ考えるのって、おかしいんじゃないのかな、という気持ちもあったりして。そうした息苦しさというか、モヤモヤを男性たちが感じ始めている。それも、男性学・男性論的な本が多く出版されている背景なのかもな、と思いましたね。 杉田 確かに差別を批判するリベラルな人たちの中にも、「中高年男性批判」「おっさんバッシング」はしてもいい、というタイプの人を時々見かけますね。それを単純に「男性差別だ!」とまで言えるかどうかも微妙なところがあり……そういうもやもやっとした感じがつねに付きまとうようなところはありますね。 というのは、そこには同時に、シスヘテロでマジョリティの男性たちが男性問題を自分の言葉で語ることの危うさが見え隠れしてもいるからです。被害者意識にもとづくバックラッシュになりかねないところがある。大きな話になってしまうけれど、近年の国内の「日本会議」的なものに象徴される右傾化や、トランプ現象などを考えると、多数派の男性たちが男の生きづらさや「男もつらいよ」と語ること自体に警戒心を抱かれる、というのはもっともなことだと思えます。しかしやはりそこは内側から男性的な葛藤を言葉にしていく必要もあり……このへんは実に微妙で悩ましいですけれども……。 ありのままに見つめられない「心の醜形恐怖」 まく 例えば田中さんの『<40男>はなぜ嫌われるか』は、30代後半から40代前半を生きる男(<40男>)の置かれている状況を色んな角度から光を当て、著者の田中さんがコメントをしていく、という本でした。ファッションや、友だち、恋愛感情、仕事、夢、政治など。僕自身も36歳ですから、読みながら自分の今の状況と重ね合わせて思うところが沢山ありました。 杉田 語り口がうまいし、とてもわかりやすいですよね。色々なマンガを引用したりして。 まく 一方で、田中さん自身が結構苦しそうだな、と思ったりもしたんですね。あとがきに「自分も書いていて苦しかった」といったことを書かれていましたが、一方で鬱陶しいオジサンを批判するときに凄く筆が踊っているようにも見えたりして。引き裂かれてるんだろうな、と。田中さんのこの書きぶりが、まさに男性が男性問題を語るときの難しさを表していたのかもな、と。そんなふうに思いましたね。 杉田 田中さんは、最近の男性学ブームの中心にいる人ですね。多くの本を出しているし、メディアへの露出も多い。個人的な印象だと、かつての50代・60代の男性をメインターゲットにしていた1990年代的な男性学を、〈40歳〉という中年層まで押し下げてきた、という印象があります。とにかく、さらっと読めて、とてもわかりやすい。けれども、今まくさんが言ったように、ところどころに引き裂かれた感じがあるんですよね。 たとえば、自分の姿を鏡に映して、何も成し遂げられなかった40男のしょぼい現実をちゃんと見つめよう、と何度も読者に語りかけるところ。批判もあるかもしれないけど、僕はあそこ、好きなんですよね。ちゃんと自分の惨めな現状を認められないと、色々と手遅れになるし、さらに「男らしさ」をこじらせてしまうよと。若い女性からの性的な承認を求めたり、「若いですね」と言われたくて仕方なくなる、とか。 僕には鏡恐怖症と醜形恐怖があるんですけど、それほど病的な形ではなくても、もしかしたら、大人の男性たちの中には「心の醜形恐怖」みたいなものがあるのかもしれないですね。上でも下でもなく、右でも左でもなく、まっすぐに、心を揺らさずに鏡に映った「男としての等身大の自分」に向き合うことができる、っていうのは結構大切ではないか。僕、ほんとにそれが出来なくて、日々、困ってますから……。 まく うーん……、いやー、わかります。「自分をありのまま見つめよう」というところ。ホント、難しいです……。二村ヒトシさんも「自己受容」が重要だ、と述べていて、田中さんの本と同じようなメッセージを送ってくれているとは思うんですが……。本を読んで「自分のありのままを認め、受け入れよう」と思っても、日常生活で自分のことを思っているときは、「僕はダメだ……」とか「これで(凄く)良いんだ!」とか、0か100かになっちゃう。「心の醜形恐怖」、これは難敵です。ラスボスです。 杉田 『<40男>はなぜ嫌われるか』の最後の方に出てくる「これからの40年」問題もひしひしと怖いところですね。男性は特に、人生の折り返し点のあとの、40歳~80歳の時期の人生の「物語」がないんだと。若い頃は学校、恋愛、仕事、家族……みたいな分かりやすい上昇型の物語があるけど、人生の限界がみえて次第に心身が老いていくと多くの男性たちにとっては成長型モデル以外のモデルがない。そうすると会社や仕事に自分を託すしかなくなるし、女性たちと比べて会社以外の社会的なネットワークが薄い。 田中さんが男性にとっての友達問題の大切さを強調するのもそのへんでしょうね。男性は定年退職後に、仕事関係の「知り合い」はたくさんいたけど、「友達」はいないことに気づくんだ、とか。仕事の成果や能力の競い合いではない、たんなる「雑談」が出来る男性同士の場がなかなかないんだ、とか。 まく ホント、読んでいて、突き刺さります……。僕も「友達」はいないし、「雑談」できる場にもなかなか行かないし、行っても「雑談」できる自信はないし……。誰かと会ったときに、「仕事」とかの役割抜きに、一緒にいて何となく楽しむ、ということをあんまりできるイメージがないんですよね……。 これはきっと、やらずにクヨクヨ「無理なんじゃないか」と妄想を膨らませるんじゃなくて、実際にやってみて「ああ、じんわり楽しいな」という経験を重ねるのが一番なんだろうな、とは思ってるんですが、なかなかね……。 田中さんの本、ホントに耳が痛いんですけど、その痛さが大事なんだろうな、ともすごく思います。いっぺん「底つき体験」というか、とことん「このままじゃマズイ」と思わなきゃ変わろうという行動に出られないですから。多くの男にとっての、40歳~80歳の人生の「物語」、なんとか僕たちの手で作りたいものですねえ……。 早くおじいちゃんになりたい! 杉田 まくさんからすると、田中さんは少し年上感があるんじゃないですか? 僕の印象だと、田中さんの本って、読んでいると40歳よりもちょっと老けている感じがあるんですよね。最初読んだ時に、もう少し年上の人なのかなと思ったら、同い年なのでちょっとびっくりした。 まく ええ、少し年上感はありましたね。出てくる話題も、僕より少し上の世代の感じは、確かに。ただ世代間のギャップというより、「田中さんって僕と違って、ファッションとかに乗っていた、乗ろうとしてきた人なんだな」というギャップの方が僕には気になりました。僕はこれまで、ファッションのことを全然気にしないで生きてきたので。僕と同い年で、それなりにファッションに気を使ってきた人は世代間ギャップの方であれこれ思うのかもしれないけど、僕はそこはあんまり……。それより、モテ/非モテ的なギャップの方が気になっちゃって。 杉田 確かに田中さんにはバブル的なものの記憶があるんでしょうね。でも一度それが破綻して、若い頃に挫折というか幻滅のようなものを経験した、というか。若い頃に就職氷河期やデフレ不況などがあって、戦後的な男性のライフスタイルの梯子を外されたという。 まく なるほど。 杉田 しかし、これまで何となくいっしょくたにしてきましたけれど、まくさんは「中年男性」「おじさん」というアイデンティティはまだ無いんじゃないですか? 36歳ですよね。 まく 僕は仕事の関係で、自分よりも15歳近くも年の離れた若い人と一緒にいる機会が多いから、普段「自分はおじさんだ」と意識するようにしているので、その影響かなあ。自分が「おじさん」だという感じは、なるべく大切にしてます。それこそ田中さんの本を読んだ影響もあるかもしれないけど。自分が「若い」と勘違いしないようにしていると言いますか。実際、若い人と会話していると、世代間ギャップを感じるシーンは多いですしね。 杉田 職場環境のことは大きいですよね。田中さんも大学教員だから、そういう意識はあるのかな。僕はいまフリーライターで、一人で家にいる時間が多いから、その辺の違いもある気はしますね。 まく なるほど。突然ですけど、僕、早く「おじいちゃん」になりたいんですよ。そういう気持ちって、杉田さんにはないですか? 杉田 どうだろう。あまり考えたことないですね。 まく ないかー……。なんか、色々降りることができて良いな、と。すいません、突然へんなこと言って(笑)。 杉田 様々な欲望やしがらみから早く解放されたい、解脱(?)したい、という気持ちなら、少しわかりますけれどもね。ただ、僕の印象だと、たとえ年老いてじいさんになっても人間は色々な欲望やしがらみから解放されたりはしないような……。かえって幼稚な欲望がむき出しになったり、がんじがらめになったり……。 まく うう、そうか……。確かに、現実の「おじいちゃん」は、そうなのか……。 杉田 もちろん色々な欲望や自意識から自然に「降りられる」老人もいるとは思うけど。でも老人になっても介護施設先でセクハラしたり、パワハラしたり、小さな権力をふりかざしたり、リハビリする男同士で能力競争や承認欲求を戦わせあうというのは普通にあることですから。そういうじいさんになってしまうのは怖い、という気持ちは正直ありますよ。「男」という病が年齢によって自然に解決する気がしないというか。これは非常に傲慢な言い方かもしれないけど。ただ怖いものは怖い。  だから田中さんが「鬱陶しいおじさん」にはなるのは嫌だ。「清々しいおじさん」になりたい、とおっしゃるのは何となくわかるんですよ。僕も人間としてはかなり鬱陶しいタイプですからね……。ただ、僕の『非モテの品格』等の男性論はいまだに「こじらせ青年」というか、田中さんの中年らしさに比べるとだいぶ子どもっぽくて成熟していない感じがしますが……。 (次回、「40男」を嫌っているのは女性ではなく自分? 軽さと過酷さを兼ねそなえた『〈40男〉はなぜ嫌われるか』に続く)

恋愛もAV出演もしながら2人の娘を育てた母親として。「子供に迷惑かけたけど、女としてやり直さないわけにはいかなかった」/神田つばきさん

 神田つばきさん、57歳。今年、自らの人生を綴った書籍『ゲスママ』(コアマガジン)を出版した。祖母・母と女だけの家で育った幼少期、結婚、セックスレス、38歳で子宮頸癌による子宮摘出からの離婚。12歳と8歳の娘二人を連れて家を離れ、働きはじめた彼女は、同時に性のオデッセイに出航した。縛られたり殴られたりしたいという欲望、テレクラや出会い系の利用、緊縛モデル志願、アダルトライター、自ら企画してのAV出演……。“常識”で見れば、眉をひそめたくなる話だろう。  彼女は当初、この本で子育てについて書いてほしいと編集者から依頼されていた。 「AVも含むセックスワークをされている女性が子供を産み、家庭を持つっていうのは現実に起こっていることで……それこそ産まれてから成人するまで、お母さんがセックスワーク関連の仕事をしていたという家庭もいっぱいあります。しかし世間では、AVにしろ風俗しろ、セックスワークの女性に家庭的なイメージを認めない、あるいは両者が水と油であるかのように見てしまいがち。神田さんは以前から面識がありましたし、神田さんの娘さんの話も人づてに聞いていましたから、当初は単純に“神田さんの子育てってどんなふうだったんだろう”って興味を持ったんです」(担当編集者)  しかし神田さんは、自らのバックグラウンドを描きながら、育児のあれこれを同時に描くことは不可能だったという。なぜだろうか? このインタビューでは、『ゲスママ』で描かれなかった、セックスに溺れる母親と子供との関係について、聞いていきたいと思う。 仕事もセックスもしたかった 神田 私が性を仕事にしていて、家に帰ったらお母さん、という女性だったらきっと、子育てについて書けたと思います。だけど私は、プライベートで性を探求したくて、それが高じて性に関わる仕事をしていたから、話がぐちゃぐちゃになっちゃって、書けなかったんですよね。家に帰ってもお母さんの顔になってない日があったと思う。子供にしてみたら迷惑な話なんですけど、「今日何考えてんだろ、この人、なんか上の空だけど」みたいな日がほとんどだったんじゃないかしら。 ――ご結婚は早かったんですか。 神田 24歳でしたね。1人目を出産したのは27歳のときで、2人目は31歳のとき。上の子がもうすぐ30歳になりますね、下がまもなく26歳になるのかな。 ――すっかり大人ですね。つばきさん自身、女性だけの家庭で育って、物心ついた時には離婚されていてお父さんの影も家の中にはなかったんですよね? 神田 そうですね、父が家に居た記憶っていうのは、多分2歳くらいの時かな、離婚直前の時だと思うんですけど。本にも書きましたけど、父は自衛隊に所属していたらしくて、自衛隊の官舎から週末に帰ってきていたんですね。そのことを、父がくれたチョコレートの包み紙で覚えてる感じ。父の姿そのものは、覚えていません。ぼんやりどころか、何にも。 ――写真とかなかったですか? 神田 写真は3枚だけあったんですけど。でも、母が亡くなったあと、実家から大量に父の写真が出てきたんですよ! ――捨ててないんだ。 神田 捨ててないんですよ。だからやっぱり母もなんていうかやっぱり女性なんですよね。父だけじゃなく、離婚後に自分をチヤホヤっていうか崇拝してくれた男性の写真とか貰ったラブレターとかは全部保管してあって。 ――お母さまも結婚と出産が早かった? 神田 早かったですね。19歳で結婚して、21歳で私を産んで。で、24歳で離婚し、バリバリ働いて。昔は私、母のことをすごく可哀想な人だと思ってたんです。母が私と祖母を養うために必死に働いていることを、みんなの犠牲になって可哀想だなって……でもそうじゃなかったのかもしれない。自分が仕事をバリバリやるようになってから、働くってすごく幸せな面もあるとわかりました。母は自分の好きな洋裁を仕事に選び、祖母はそんな母を高く評価していたんですね。経営面はすべて祖母が取り仕切り、母は仕事・家事・育児すべてをやっていましたけれど、責任はうまく二人で分担していたようです。 ――母と祖母の二人三脚だったんですね。つばきさんのおうちでは、父と母の離婚は「誰のせいでもない」っていう空気だったんですよね。離婚の理由が語られなかったことで、少女時代のつばきさんは「自分が変な子のせいで離婚しちゃったのかな」と思いつめてしまったことがあった。やっぱりどこかのタイミングで明かしてほしかったなとは思います? 神田 思います。何回も聞きましたし、父に会いたいって言いましたし、どこにいるのかとかも教えて欲しいとお願いしたんですけど、母も祖母も一切言わないの。 ――つばきさんご自身も38歳で離婚されて。2人のお嬢さんの親権を持たれているわけですが、お嬢さんたちに離婚の理由ってお話になりました? 神田 正確な理由はやっぱり、言えなかったですね。 ――すごく端的に言うと「セックスしたいから」ですもんね……。言いづらいですね。 神田 セックスだし、仕事したかったし、っていうことも理由ですよ!(笑) 嫁だったときは働くことを禁止されていて、こっそりバイトしてはバレて辞めさせられてたんですから! 娘たちには、「もうパパとママは別々に暮らすことにしたんだよ。でも、いくらでもパパにもばあばにもじいじにも会いに行っていいんだよ」って言って、それだけだったんですけど……今にして思うと、あんまりいいことじゃなかったですね。嘘でもなんかハッキリ理由を作らないと、やっぱり子供って迷っちゃうみたいで、長女はちょっとグレました。 ――グレちゃった、というと? 神田 長女が12歳のときに離婚して、離婚成立の2カ月後に引っ越しをして中学に入ったんですね。そこからね……家にあんまりいたくなかったみたい。それまでは元夫の実家のすぐそばで暮らしていて、初孫としてチヤホヤされて、いつ家に帰ってもママかおばあちゃんがいるような状態だったんですね。だから離婚後、ママと妹しか家にいないってことが単純に寂しかったみたい。もうずーっと部活やって、部活終えても誰か友達の家に行っちゃって、なかなか帰ってこなかった。毎晩、学校に探しに行ってました、子供のこと。 ――何時くらいまで? 神田 19時……だんだん遅くなっていって20時、21時ですね。 ――その時間まで連絡なしに帰ってこないのは心配になりますよね。連絡してきたとしても夜道を一人で歩かせるのは恐いですし。 神田 そうですよね。それがずーっと続きましたね、高校卒業して就職しても。私自身もそのことで気が狂ったように、キーッてなることがよくありました。田房永子さんの漫画『キレる私をやめたい』ってご存知ですか? あれに出てくるキレ方みたいな。目が吊りあがって、突然キェーって叫んでおたま持って走って、ヨーグルトを壁に投げつけたりとか。ヨーグルト、ネギ、携帯はよく投げましたね。 ――ますます帰りたくなくなりますね……。長女につばきさんがキレてる時、2人目のお嬢さんは? 神田 やっぱり嫌だったんですって、すごく。当時の日記読んだら……。 ――お嬢さんの日記があって? 神田 いえ、私の日記ですね。ずっとつけているんですが、日記に書いてあるのはほとんど男のことなんですね。家族の話といえば、私が長女に腹を立て、長女が家の外に出て行って、私が洗い桶に茶碗を投げつけて、次女がふすまの向こうで「もうやめてよ、いい加減にして!こんなのイヤだ!」ってわめいている……とか。もう、最悪ですね~。自分の度量が狭すぎたと思います。 ――度量ですか? 神田 すぐに悪い方に連想しちゃって、「これがこうなったら、あーなって、こうなって、こうなっちゃうじゃないのー、そうなったらどうすんのよ! キエェー!」ってキレる。子供たち、なんで母親があんなにキレてるのか、まったく意味がわかんなかったと思う。ヒステリーですね。 ――ご自身でそれを直すっていうか、緩和しようとは。 神田 考えて……もちろん考えようとはするんですけど、なかなか出来ませんでした。仕事も忙しくて、恋愛もずっとしていて、子供の生活とか進路とかもあるし、次々に頭の痛い問題が発生するので、まいっか、とりあえずヨーグルト投げとけ! みたいな。 ――立ち止まれなかったんですね、そのときは。今現在はどうですか? 30歳と26歳になったお嬢さんに対して、どう接しているのか。 神田 本当に悪いことしたなと思っているんですけど……まぁ2人ともそれなりに歪んだんですよ。家に寄り付かなくて向き合うことが出来なかった長女とは、まだ距離があるように思います。家にいてそれなりに反抗期をやった次女とは、今も一緒に暮らしてるんですけど、反抗期をやり切って、尚且つ私がもう弱ったババアに見えてきて、「そろそろこの人を何とかしなくちゃいけないんじゃないか、みんなが困らない形で死んでもらわなきゃいけない」って次女は考えてるそうです。次女の頭の中に結婚や家族についての事業計画が出来ているらしいんですよ(笑)。この間の日曜日かな、友達の結婚式に行って帰ってきた次女に言われたのが、「私の結婚式の時、多分ママの顔で『エロの人だ』『SMの人だ』と何人かにバレるだろう。私はそれでも結婚はしたいし、結婚式もしたい。だからあなたもこれからは、『あぁ、あのSMの評論家の人ね』って言ってみんなが嫌な思いをしないような仕事をしてくださいね」って。何か恐かった~。 ――みんなが嫌な思いをしない仕事ってなんですかね。 神田 それなりに納得のできる、筋の通ったことを言ったり書いたりしてくださいって。『ゲスママ』はその意味ではよかったけど、中途半端な仕事はしないでね、と言われました。 元夫のことは今でも信用してる ――上のお嬢さんはどうですか? 神田 もう1年半くらい前から大阪でパートナーの男性と同棲してますね。今の同棲相手は別れた夫にも会わせていて、夏に元夫の還暦祝いがあったんですけど、彼の今の奥さんと私と長女と長女の彼氏と次女という6人でお祝いしました。きっともう長女はその人と結婚するんだろうなとは思うんですけど。 ――元夫との関係、途絶えてないんですね! しかもあちらは再婚なさっていて。もしかして『ゲスママ』も渡していたり? 神田 私は読ませないつもりだったんですけど、次女が「読め!」って言ったらしくて、元夫からLINEがきました。彼は読書家で格好つけなんですが、ローレンス・ブロックの『八百万の死にざま』というミステリ小説のハードボイルド探偵のセリフを引用して、<今、最高にくだらないことが起こった。俺は泣いていた>って書いてあったんですね。「え、なに?」って返したら、<今すごい本を読んで泣いてるんだ>って、『ゲスママ』を読んだと。私が「ごめんなさい、あんなこと書いてごめんなさい」と謝ったら、<いや、頑張りなさい。次はSMじゃなくてSFの本を書くように>って返事がありましたね。そのとき、許してくれたんだっていう思いでいっぱいでしたね。うれしかったですね。一番うれしかったなぁ。 ――こういう形になったのに、元夫婦としても親子としても交流が途切れてない。 神田 そこだけしか私たちは夫婦として頑張れたことがなかった気がする。他はもう、わがままをぶつけちゃったんで。 ――あちら側のわがままは何だったんですか? 神田 彼の中でのわがままは、一番はお母さん(姑)と対峙したくない、闘いたくない、だから君が我慢して、っていう。妻と母親(姑)に挟まれて、逃げちゃった。私とお母さんを常に戦わせて、自分は後ろのほうからホイミだけかけるって感じだったから、たまには戦闘してよ! みたいな。それが彼のわがままじゃないかな。あとのことは別に……お金を入れないわけじゃないし、酒癖は、ちょっとお酒にだらしないんですけど、そんなのはお互い様なんで、どうでもいいことで。お母さんに対して、「俺の嫁の言うことだから、そこは聞いてください」みたいなことは彼は言えなかったの。それが彼のわがまま、唯一のね。 ――お姑さんは、つばきさんが嫁いでから、実の娘のように可愛がってくれたんじゃないんですか。 神田 お義母さんは、お義父さんと息子をいかに管理するかってことしか頭になかったんじゃないかな……私のことはその家を守るための「女兵士」みたいに見ていたと思います。私自身も最初、それに従って兵士やってたから、どんどん色気のない家庭になっていくのね。夫が帰宅するや、「今日の連絡!今からお母さんに聞いたことを伝えます!イチ~!えー、服のホコリを払ってからコタツに入ってください!よろしくお願いします!」みたいな。あと、同じ家に住んでるわけじゃないんですけど、うちの合鍵をお義母さんが持っていて、連絡なしにガチャッて入ってくるのもちょっと……いやでしたね。 ――それは誰でもいやですよね。実親でもいやだと思います。 神田 でも義母もすごい人ですよ。男たちに稼がせた収入を全部没収して、うまく分配して、旦那に外に出して恥ずかしくないパリッとした格好をさせて、へそくりもキッチリする。いざという時はドーンとお金を出して、それでどんどん利権を勝ち得ていくっていう……もう、立派。立派のひとことしかない。 ――お子さんたちにとってはおばあちゃんですけど、離婚後もそこの交流は? 神田 私を含め、しばらくは交流してましたね。子供たちは今も老人ホームに会いに行ってます。私は自分で会社を立ち上げると決めた時から会いにいかなくなりました。やっぱりお義母さんの頭の中では、それはダメなことなのね。女が会社をやるっていうのは。ちょっと自分が今、くじけたくないので、お母さんに会うと、またあの頃の洗脳が蘇るかもしれないから、会わないって決めました。そういえば、元夫が再婚した女性は同じ職場の人だったそうで、お義母さんから後で「あなたと別居したとき、もう二人の関係は始まってたと思うわ。あなたは腹が立たないの?」と言われたんですよね。私は全然そのことに腹が立ったこと一回もなくて、自分が自由に仕事したり恋愛したりしていいって言ってくれるんであれば、何でもよかったの。だからその通り「腹は立たないです」って言ったらお義母さんビックリしてましたけど。それは私のわがままですよね。「仕事したい」っていうのと、「恋愛も自由にしたい」っていう2つのわがままを通したので、私が一番頑張んなきゃいけないのはしょうがないなぁって思いました。 私、元夫のことを好きかって言ったら、喧嘩してる時はやぱり嫌いだったと思うんですけど、今でも信用してますね。男性で一番信用できる人は誰かって言ったら、現在のパートナーはもちろんですけども、同じくらい元夫のことも信用してます。愛してはいないですよ。全く別物。 女として性の探求をしないで結婚して母親になって 神田つばきさん 答えにくい話題でも、真摯に向き合ってくださった神田つばきさん ――結婚して出産して子育てをすることになったら、もう恋愛しないし、旦那とセックスがなくてももういいじゃないかって、自分自身で思ってる女性もいるだろうし、世の中的にも思われてるんじゃないかなって思うんですよ。でも、つばきさんはそうは思わなかったわけですもんね。 神田 私、本当にね、子供に対して「この子たちさえいれば」っていう執着が出来なかった。それよりも自分だったんですね。自分が女としてもう一回ちゃんとやりたいっていう方が強かった。女として性の探求をしないで結婚して母親になって、でも40歳手前でやりたいことを止められなくなったんですよね。全体の割合が100だとしたら、「女をやりなおしたい:90」の「子供に対する母性愛:10」くらいな感じですよ。それは娘に対しても「悪いけど私はもう、こうだから、しょうがないから」と言ってしまってた。しょうがないですね、それはね。嘘をついて、私の母性愛はこういうものなのよみたいなことを言っても、騙されないので、子供も。 娘たちには、離婚したことは申し訳ないけれど、思い描く理想の家庭があるならあなたは自分の家庭を作りなさいね、離婚しない家庭がいいならそれを作りなさい、ってことも言いました。 ――でも、離婚しない家庭の作り方って言われても、わからなくないですか。 神田 難しいよね、どこにも正解書いてないですからね。私も教えることなんて到底出来ないし。反面教師なのかもしれませんけど、上の娘は「自分はママみたいに仕事を頑張るつもりはないから。3年間は正社員で会社に勤めるけど、3年過ぎたらもう結婚しちゃうかもしれないし、家庭作ることしか考えてないから、いいよねそれで」と私に言ってきました。専業主婦として家庭を守る女になりたいって。 ――それで家庭が守れるかどうか、実際のところはわからないですけども。 神田 やってみないとね。ただ、今の彼氏を紹介された時に、彼に「この子はそういう願望があるって私にもハッキリ言ってきてて、家庭を作るために生きたいというので、この子には一切、婚姻届け以外の一切の書類に一生ハンコをつかせないで下さいね」なんて男親みたいなこと言っちゃいました(笑)。お母さんのセリフじゃないような気がするんですけどね。 ――つばきさん自身は、お母さんから、恋愛とか性愛を厳しく制限されてたじゃないですか? それがあったから、結婚すれば家を出れると思って、経験の少ない状態でいきなり結婚に飛び込んだ。もしも家庭で性がタブーじゃなくて、若い時点で自由に性の探求をできてたら、色々変わってたよなぁとは思いませんか? 神田 タラレバなんだけどね。母がもっと性愛に関して自由にしてくれてたらっていうのは今でも1週間に1回くらいは考えてて、そしたらすごい母とも仲良かったと思うし、母も早死にしなかっただろうなとも思うし、仕事をして、結婚して……ああでも、それなら少なくとも子供は産んでない、あの2人はこの世にいなかっただろうなと思うと……やっぱりこれでよかったのかって、そう思うしかないですね。 うちの母に対しては……なんでもうちょっと、ちゃんと説明してくれなかっただろうなって。母がもっと豊かな言葉で対話してくれれば、私もっと楽に生きれたのになって、毎日思ってしまうのね。だけど母は、次女の祖母として、次女が一番精神的に辛かった時期に、すごく支えてくれた人でもあって。母が亡くなる直前も、次女は母とメールしてたのね、そのメールのやりとりの中で、母は次女に<何があった時に、お金がなかったり困った時に、外の人を頼っちゃダメだよ。オーママを頼りなさい><あなたたちのスーパーマンはオーママだけなんだよ>って言ってくれたらしいんですよね。だから私の子供たちにとって彼女は支えだったと思います。 やっぱり母が亡くなってから、子供たちがすごく変わったんですよね、家族だって意識が強くなったように思います。一番私がありがたいのは、「自分の親ももう20年くらいの間には死ぬかもしれないんだな」っていうことを体で理解してくれて、家庭を大事にしようと意識が向いてくれていること。私が出来なかったことだけれど、代わりに母が最後に示してくれたことだと思います。 <12/18更新予定の後編では、現在も続く長女との葛藤、今のパートナーとの性愛、娘たちへの性教育についてお伺いします>

「嫌い」ランキング1位獲得するほどアンチ増殖の木村拓哉、いいひとエピソード拡散中

 2016年も残りわずかとなり、SMAPの解散が目前に迫ってきた。独立・解散に関しては各メディアがこぞって報道を続けているが、今回の騒動によって、木村拓哉(44)には“裏切り者”というイメージが定着してしまいつつある。もともとスーパースターであると同時に、いや、だからこその宿命か、アンチキムタクは多かった。それが一気に噴出し、妻・工藤静香とそろって週刊誌の「嫌いな夫婦ランキング」TOPに躍り出てしまうほど、嫌われ度が高まっている。しかし、そんな木村を擁護する声も当然、ないわけではない。  木村は現在、来年1月から放送がスタートする主演作の連続ドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)の撮影真っ最中。病院を舞台にしたドクターものということで、都内近郊の複数の病院で撮影が行われており、木村をはじめ出演者の竹内結子や浅野忠信を目撃したという情報も多い。そんななか、「キムタクと同じエレベーター乗ってお話しして、歩くのふらついたの助けてもらってしまったんですけど!?!?」「腰を痛めて入院してる嫁の病院にキムタクが来たらしく、偶然エレベーターで鉢合わせた歩行器使ってる嫁の事、気に掛けて声掛けてくれたらしい…! 心もイケメン」といった美談系エピソードもSNSで発信、拡散されているのだ。  これを耳にした木村ファンからは、「やっぱりキムタクは良い人なんだ!」「一般人にこんなに優しい木村くんが悪い奴なわけないじゃん!」と、木村の“良い人”ぶりを再確認したという声が上がっている。  また、SMAPメンバーがそれぞれパーソナリティを務めるラジオ名について、『稲垣吾郎のSTOP THE SMAP』(文化放送)はSMAPという言葉を外したタイトルに、草なぎ剛と香取慎吾の『SMAP POWER SPLASH』(bayfm78)は『ShinTsuyo POWER SPLASH』に変更、『中居正広のSome girl'SMAP』(ニッポン放送)も名前を変えて継続することが発表されているが、なんと木村だけが『木村拓哉のWhat's UP SMAP!』はタイトルそのままに来年も継続することを決定。ファンの間では「SMAPが嫌いならタイトルに残したままにするはずがないよ!」「ほんとに好きだから、消せないんだよね」という声が多数上がり、これを木村のSMAP愛の表れと受け取っている人が多いようだ。  しかし、アンチキムタク側も黙ってはいない。ラジオ名に関して、ジャニーズ事務所からの独立にひとり反対した木村にSMAPを名乗って欲しくないというファンの声もまた多いのだ。さらに芸能界では、以前に「木村派」と自称した明石家さんまが木村派から離脱したとする噂も飛び交っており、未だに木村周辺の人間模様のあわただしさが聞こえてくる。というのも、さんまが年明けの恒例となっていた『さんタク』(フジテレビ系)を放送しないということを発表したのだ。年末年始の番組作りで忙しいというのがその理由だが、今年は『さんタク』に加えて、『さんま&SMAP! 美女と野獣のクリスマススペシャル』(日本テレビ系)の放送もない。例年に比べて特別忙しいというほど、出演番組が目白押しなのだろうか?  アンチキムタク派が危惧するのは、やはりSMAP解散後の木村以外のメンバーの仕事状況だ。もしも、ジャニーズ事務所への忠誠を誓った木村だけが優遇され、残り4人が「干される」ようなことがあったら……つまり、目に見えて仕事量の差が出てしまえば、ますますアンチの声は大きくなってしまうだろう。木村が仕組んだことでないにしても、だ。現時点で木村は1月からの連続ドラマと4月に公開される映画『無限の住人』の主役に抜擢されており、公開準備が着々と進行している。1月クールは草なぎ剛も連続ドラマに主演するが、稲垣や香取、中居の2017年の仕事内容が気になるところである。  一部メディアでは、世間の木村に対する負のイメージが強過ぎるとして、ジャニーズ事務所側が木村をバラエティ番組に積極的に出演させたりと“イイ人キャンペーン”を実施する計画であることも報じているが、もし仮にそれが事実だとして、どこまで効果が出るのかはわからない。イイ人キャンペーンよりも、ドラマおよび映画での演技を通して、評価を回復していくほうが確かなように思える。「やっぱり日本芸能界にはキムタクがいなければ!」と納得させることができるか……木村は年明けすぐに正念場を迎える。 (ゼップ)

「嫌い」ランキング1位獲得するほどアンチ増殖の木村拓哉、いいひとエピソード拡散中

 2016年も残りわずかとなり、SMAPの解散が目前に迫ってきた。独立・解散に関しては各メディアがこぞって報道を続けているが、今回の騒動によって、木村拓哉(44)には“裏切り者”というイメージが定着してしまいつつある。もともとスーパースターであると同時に、いや、だからこその宿命か、アンチキムタクは多かった。それが一気に噴出し、妻・工藤静香とそろって週刊誌の「嫌いな夫婦ランキング」TOPに躍り出てしまうほど、嫌われ度が高まっている。しかし、そんな木村を擁護する声も当然、ないわけではない。  木村は現在、来年1月から放送がスタートする主演作の連続ドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)の撮影真っ最中。病院を舞台にしたドクターものということで、都内近郊の複数の病院で撮影が行われており、木村をはじめ出演者の竹内結子や浅野忠信を目撃したという情報も多い。そんななか、「キムタクと同じエレベーター乗ってお話しして、歩くのふらついたの助けてもらってしまったんですけど!?!?」「腰を痛めて入院してる嫁の病院にキムタクが来たらしく、偶然エレベーターで鉢合わせた歩行器使ってる嫁の事、気に掛けて声掛けてくれたらしい…! 心もイケメン」といった美談系エピソードもSNSで発信、拡散されているのだ。  これを耳にした木村ファンからは、「やっぱりキムタクは良い人なんだ!」「一般人にこんなに優しい木村くんが悪い奴なわけないじゃん!」と、木村の“良い人”ぶりを再確認したという声が上がっている。  また、SMAPメンバーがそれぞれパーソナリティを務めるラジオ名について、『稲垣吾郎のSTOP THE SMAP』(文化放送)はSMAPという言葉を外したタイトルに、草なぎ剛と香取慎吾の『SMAP POWER SPLASH』(bayfm78)は『ShinTsuyo POWER SPLASH』に変更、『中居正広のSome girl'SMAP』(ニッポン放送)も名前を変えて継続することが発表されているが、なんと木村だけが『木村拓哉のWhat's UP SMAP!』はタイトルそのままに来年も継続することを決定。ファンの間では「SMAPが嫌いならタイトルに残したままにするはずがないよ!」「ほんとに好きだから、消せないんだよね」という声が多数上がり、これを木村のSMAP愛の表れと受け取っている人が多いようだ。  しかし、アンチキムタク側も黙ってはいない。ラジオ名に関して、ジャニーズ事務所からの独立にひとり反対した木村にSMAPを名乗って欲しくないというファンの声もまた多いのだ。さらに芸能界では、以前に「木村派」と自称した明石家さんまが木村派から離脱したとする噂も飛び交っており、未だに木村周辺の人間模様のあわただしさが聞こえてくる。というのも、さんまが年明けの恒例となっていた『さんタク』(フジテレビ系)を放送しないということを発表したのだ。年末年始の番組作りで忙しいというのがその理由だが、今年は『さんタク』に加えて、『さんま&SMAP! 美女と野獣のクリスマススペシャル』(日本テレビ系)の放送もない。例年に比べて特別忙しいというほど、出演番組が目白押しなのだろうか?  アンチキムタク派が危惧するのは、やはりSMAP解散後の木村以外のメンバーの仕事状況だ。もしも、ジャニーズ事務所への忠誠を誓った木村だけが優遇され、残り4人が「干される」ようなことがあったら……つまり、目に見えて仕事量の差が出てしまえば、ますますアンチの声は大きくなってしまうだろう。木村が仕組んだことでないにしても、だ。現時点で木村は1月からの連続ドラマと4月に公開される映画『無限の住人』の主役に抜擢されており、公開準備が着々と進行している。1月クールは草なぎ剛も連続ドラマに主演するが、稲垣や香取、中居の2017年の仕事内容が気になるところである。  一部メディアでは、世間の木村に対する負のイメージが強過ぎるとして、ジャニーズ事務所側が木村をバラエティ番組に積極的に出演させたりと“イイ人キャンペーン”を実施する計画であることも報じているが、もし仮にそれが事実だとして、どこまで効果が出るのかはわからない。イイ人キャンペーンよりも、ドラマおよび映画での演技を通して、評価を回復していくほうが確かなように思える。「やっぱり日本芸能界にはキムタクがいなければ!」と納得させることができるか……木村は年明けすぐに正念場を迎える。 (ゼップ)

「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」vs「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」 百田尚樹の強烈な矛盾

 本サイトを読まれる方が日頃手にすることがないであろうオヤジ雑誌群が、いかに「男のプライド」を増長し続けているかを、その時々の記事から引っ張り出して定点観測していく本連載。  千葉大医学部の男子学生3人による集団強姦致傷事件で、当初、千葉県警は発生した日時や逮捕者の氏名を発表しない措置をとっていた。後に逮捕者名が明かされたが、しばらくの間公表されなかった理由は明確ではない。遅れて実名発表に踏み切った理由を県警は「捜査の見極めがついた」「被害者の理解が得られた」(『FRIDAY』12月23日号)としているが、これで説明が尽くされたとは言い難い。  ある事件が起き、実名が公表されていないと分かった途端にひとまず「在日だ!」と叫んでみる一定層が主にネットで息をしていることに、慣れてはいけないとは思いつつも慣れてしまっているが、その手の戯言を煽るように「オレもぶっちゃけたるわ」と勇んで存在証明に励む物書きがいるのはいただけない。百田尚樹氏は先述の事件について次のようにツイートしている。 「千葉大医学部の学生の『集団レイプ事件』の犯人たちの名前を、県警が公表せず。犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする。いずれにしても、凄腕の週刊誌記者たちなら、実名を暴くに違いないと思う。」(11月24日)  「犯人は在日外国人ではないかという気がする」は推察ではなく偏見、ヘイトスピーチそのものである。Twitterの規約に記された「特定の人種、性別、宗教などに対するヘイト行為:人種、民族、出身地、信仰している宗教、性的指向、性別、性同一性、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます。」に照らせば、アカウントを停止すべき事象だろう。ましてや彼は同様の発言をいくらでも繰り返してきたのだ。  しかし百田氏は、自分のツイートが「他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長」だとは思っていらっしゃらないようで、 「私は犯人が公表されない理由の一つを推論したにすぎない。しかも民族も特定していない。こんな言論さえヘイトスピーチなのか。」(11月25日) 「集団レイプ犯人が公表されない理由のひとつとして、『在日外国人ではないか』と推論したことがヘイトスピーチにあたるなら、何かの犯罪で、『犯人は男性ではないか』と書けば、男性差別のヘイトスピーチにあたるのかな。」(12月1日)  と、ツイートを続けている。  当初のツイートも言い訳のツイートも双方の質が粗いので、通して読むと理に適っていると錯覚しそうになるが、ヘイトスピーチとは「マイノリティの人間としての尊厳を否定する言葉の暴力」(師岡康子)であるし、Twitterの規約は「他者への攻撃を扇動することを主な目的」とする言葉を禁じるとあるのだから、「在日外国人」と「男性」を同軸で比較できるはずがない。自分のリテラシーがいかに瓦解しているかを率先して知らせてくれているわけだが、『Voice』2017年1月号の百田尚樹vs竹田恒泰対談にこのような発言を見つけた。見出しには「日本のモラルは世界最先端」とある。 「最後に、これだけは言わせてください。第一次大戦後、日本は人種差別が当たり前だった時代に、パリ講話会議の国際連盟委員会で人種差別撤廃の提案を行なった」 「そんなことは誰も言わない時代に、日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです。つまり日本のモラルは世界最先端だったのです」 百田尚樹(百田尚樹vs竹田恒泰「鋼の日本が世界を導く」/『Voice』2017年1月号)  ご自分の話を投げかけていただきたいのは、もちろんご自分に対してである。来年の日本が臨むべきこととして「長く続いた平和の幻想から目覚め、鋼の意志で世界の新しい秩序形成の役割を担っていくべき」と対談を締めくくっている彼には、「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」という見解と、「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」という言及がシンクロしないらしい。まったく不思議である。罵詈雑言を撒布するご自身の性分を自分で“鋼のメンタル”だと許しながら、史実を引っこ抜いて日本人は尊いとまとめる。好都合な理解のために「日本人」が使われているようで虚しい。  ましてやこの同じ対談の中でも、韓国人は「いまだ韓国が日帝統治の下にあると思っている」と気づいた、「自分たちは日本人だと思っているから、日本政府に対して口を出すのは、当然だと考えている。だから日本に住んでいる韓国人は選挙権をくれと言ってる(笑)」と実に乱雑に人種を扱っている。持論とかみ合わない論旨を押し並べて愚かなる意見だと跳ね返す話者なので、そうならないように、ご自身の発言をご自身にぶつけてみるが、こんな発言も日本人としての「尊い振る舞い」に抵触しないのだろうか。  対談相手の竹田恒泰氏といえば、今年の5月、武蔵野市のライブハウスで出演者女性に20カ所以上を刺す残忍な事件が発生した直後、このようなツイートをしている。 「小金井ライブハウス殺人未遂事件で逮捕された人物は『自称・岩埼友宏容疑者』と報道されている。自称ということは本名でないということ。なぜ本名で報道しない?ここが日本のメディアのおかしいところ。臆する必要はない。本名で報道すべき。これは私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる。」(5月22日)  先述の百田氏のツイートとまったく同じ構図をしている。犯人が特定されていない凶悪犯罪が生じると、「犯人は日本人ではないのでは」という憶測を誘発するのがこういった面々なのである。何かと「日本人」という主語を背負いながら、そうではない人たちを嫌悪する弁舌を撒く快感に酔いしれているが、この程度でヘイトスピーチとされてたまるかという誤った男気で同志と抱き合い、最終的に「俺たち、そういう芸風だから」に落ち着かせる彼らの感覚。「日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです」と「私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる」が共存できる理由がどうしたって見つからない。  2016年も瞬間風速で様々な事件が消費されていったが、だからこそ彼らのような「味付けの濃い憶測」が瞬間的な賛同を得てしまう。眼前に広がる事象に対する即物的な嘲笑がヘイトスピーチになりうることを、いつになったら気付くのだろうか。人種差別撤廃の提案をした「日本人として」、真っ先に成すべきは史実を使った言い訳ではなく、その「尊い振る舞い」をご自分に染み渡らせて考え直すことではないのか、と指摘したい。自分の振る舞いこそ真っ先に「尊い」からこぼれ落ちている。

「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」vs「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」 百田尚樹の強烈な矛盾

 本サイトを読まれる方が日頃手にすることがないであろうオヤジ雑誌群が、いかに「男のプライド」を増長し続けているかを、その時々の記事から引っ張り出して定点観測していく本連載。  千葉大医学部の男子学生3人による集団強姦致傷事件で、当初、千葉県警は発生した日時や逮捕者の氏名を発表しない措置をとっていた。後に逮捕者名が明かされたが、しばらくの間公表されなかった理由は明確ではない。遅れて実名発表に踏み切った理由を県警は「捜査の見極めがついた」「被害者の理解が得られた」(『FRIDAY』12月23日号)としているが、これで説明が尽くされたとは言い難い。  ある事件が起き、実名が公表されていないと分かった途端にひとまず「在日だ!」と叫んでみる一定層が主にネットで息をしていることに、慣れてはいけないとは思いつつも慣れてしまっているが、その手の戯言を煽るように「オレもぶっちゃけたるわ」と勇んで存在証明に励む物書きがいるのはいただけない。百田尚樹氏は先述の事件について次のようにツイートしている。 「千葉大医学部の学生の『集団レイプ事件』の犯人たちの名前を、県警が公表せず。犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする。いずれにしても、凄腕の週刊誌記者たちなら、実名を暴くに違いないと思う。」(11月24日)  「犯人は在日外国人ではないかという気がする」は推察ではなく偏見、ヘイトスピーチそのものである。Twitterの規約に記された「特定の人種、性別、宗教などに対するヘイト行為:人種、民族、出身地、信仰している宗教、性的指向、性別、性同一性、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます。」に照らせば、アカウントを停止すべき事象だろう。ましてや彼は同様の発言をいくらでも繰り返してきたのだ。  しかし百田氏は、自分のツイートが「他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長」だとは思っていらっしゃらないようで、 「私は犯人が公表されない理由の一つを推論したにすぎない。しかも民族も特定していない。こんな言論さえヘイトスピーチなのか。」(11月25日) 「集団レイプ犯人が公表されない理由のひとつとして、『在日外国人ではないか』と推論したことがヘイトスピーチにあたるなら、何かの犯罪で、『犯人は男性ではないか』と書けば、男性差別のヘイトスピーチにあたるのかな。」(12月1日)  と、ツイートを続けている。  当初のツイートも言い訳のツイートも双方の質が粗いので、通して読むと理に適っていると錯覚しそうになるが、ヘイトスピーチとは「マイノリティの人間としての尊厳を否定する言葉の暴力」(師岡康子)であるし、Twitterの規約は「他者への攻撃を扇動することを主な目的」とする言葉を禁じるとあるのだから、「在日外国人」と「男性」を同軸で比較できるはずがない。自分のリテラシーがいかに瓦解しているかを率先して知らせてくれているわけだが、『Voice』2017年1月号の百田尚樹vs竹田恒泰対談にこのような発言を見つけた。見出しには「日本のモラルは世界最先端」とある。 「最後に、これだけは言わせてください。第一次大戦後、日本は人種差別が当たり前だった時代に、パリ講話会議の国際連盟委員会で人種差別撤廃の提案を行なった」 「そんなことは誰も言わない時代に、日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです。つまり日本のモラルは世界最先端だったのです」 百田尚樹(百田尚樹vs竹田恒泰「鋼の日本が世界を導く」/『Voice』2017年1月号)  ご自分の話を投げかけていただきたいのは、もちろんご自分に対してである。来年の日本が臨むべきこととして「長く続いた平和の幻想から目覚め、鋼の意志で世界の新しい秩序形成の役割を担っていくべき」と対談を締めくくっている彼には、「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」という見解と、「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」という言及がシンクロしないらしい。まったく不思議である。罵詈雑言を撒布するご自身の性分を自分で“鋼のメンタル”だと許しながら、史実を引っこ抜いて日本人は尊いとまとめる。好都合な理解のために「日本人」が使われているようで虚しい。  ましてやこの同じ対談の中でも、韓国人は「いまだ韓国が日帝統治の下にあると思っている」と気づいた、「自分たちは日本人だと思っているから、日本政府に対して口を出すのは、当然だと考えている。だから日本に住んでいる韓国人は選挙権をくれと言ってる(笑)」と実に乱雑に人種を扱っている。持論とかみ合わない論旨を押し並べて愚かなる意見だと跳ね返す話者なので、そうならないように、ご自身の発言をご自身にぶつけてみるが、こんな発言も日本人としての「尊い振る舞い」に抵触しないのだろうか。  対談相手の竹田恒泰氏といえば、今年の5月、武蔵野市のライブハウスで出演者女性に20カ所以上を刺す残忍な事件が発生した直後、このようなツイートをしている。 「小金井ライブハウス殺人未遂事件で逮捕された人物は『自称・岩埼友宏容疑者』と報道されている。自称ということは本名でないということ。なぜ本名で報道しない?ここが日本のメディアのおかしいところ。臆する必要はない。本名で報道すべき。これは私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる。」(5月22日)  先述の百田氏のツイートとまったく同じ構図をしている。犯人が特定されていない凶悪犯罪が生じると、「犯人は日本人ではないのでは」という憶測を誘発するのがこういった面々なのである。何かと「日本人」という主語を背負いながら、そうではない人たちを嫌悪する弁舌を撒く快感に酔いしれているが、この程度でヘイトスピーチとされてたまるかという誤った男気で同志と抱き合い、最終的に「俺たち、そういう芸風だから」に落ち着かせる彼らの感覚。「日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです」と「私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる」が共存できる理由がどうしたって見つからない。  2016年も瞬間風速で様々な事件が消費されていったが、だからこそ彼らのような「味付けの濃い憶測」が瞬間的な賛同を得てしまう。眼前に広がる事象に対する即物的な嘲笑がヘイトスピーチになりうることを、いつになったら気付くのだろうか。人種差別撤廃の提案をした「日本人として」、真っ先に成すべきは史実を使った言い訳ではなく、その「尊い振る舞い」をご自分に染み渡らせて考え直すことではないのか、と指摘したい。自分の振る舞いこそ真っ先に「尊い」からこぼれ落ちている。

想像以上の濡れ場!『逃げ恥』竿おろし回で最高平均視聴率獲得/第10話レビュー

 13日放送の『逃げるは恥だが役に立つ』(毎週火曜よる10時)の第10話が、自己最高平均視聴率17.1%を獲得しました。最終回に向けて着々と盛り上がってきた本作ですが、ここへ来て最大の賛否両論展開を迎えたのです……。  先週、お互いの気持ちを素直に伝え合い、見事恋人になった2人。その後、夕食の買い出しに出ると、「恋人繋ぎ♡」と手を握ってくるみくり(新垣結衣)に、平匡さん(星野源)はニヤニヤしつつもソワソワ。というのも、平匡さんは勢いで「一緒にいますか、朝まで」と誘ったものの、「朝まで何をすれば良いんだ?」と悩んでいたのです。朝まで数独? 朝までWii? 朝までロボホン……と妄想してみます。いや、どれも楽しそうじゃないですか! でも、「今はそういうことじゃない!」と自分に喝を入れる平匡さん。  同じくみくりも「どこまでを想定しているのか?」と食事の後片付けをしながら妄想していた時、輪ゴムを飛ばしてしまい、ふと気付くのです。「(輪ゴムのアップを映しつつ)平匡さんが持っているとも思えない……」と。そういえば『校閲ガール』最終回は男根ネタでしたね。なんて話は置いといて、「朝まで添い寝をするだけでもいっか」とニッコリ。  とはいえ平匡さん。持ってたんですよ、コンドーム。昔、日高さん(藤井隆)にもらったのだとか。いい仕事するな~隆☆「いけるところまでいこう!」と決意したのですが、いざ2人きりになるとガッチガチに緊張。すると、人並みに場数を踏んできたみくりは、ニコニコ笑顔で恋人繋ぎアゲイン! これには平匡さんもニッコリ……。はっ、始まる! と思いきや、「この後の記憶はひどく断片的で、気付いたら……」と元町商店街を「何てことなんだあああああああ」と猛ダッシュする平匡さん。結果、お勃ちにならなかったようです。やっぱりプラトニックか~。うんうん。  何でも、ベッドに入った2人は、天井を見上げながら並んで寝ていたのですが、みくりが横を向き、上目遣いで「いちゃいちゃ、しないの?」と聞いてきたそう。本当にみくりはやり手ですよ! しかし平匡さんは「すみません、いちゃいちゃはしたことがなく……」なんて返したのですが、今度はみくりからちょっかいを出し始めます。ここからはリビングに置かれたロボホンとぬいぐるみを交互に映しながら、2人の音声が流れるんですけど、想像以上でした。 みくり「えいっ」 平匡さん「あっあっ。くすぐったいです」 みくり「いちゃいちゃです。ほら、平匡さんも」 平匡さん「では失礼して……」 みくり「はぁっ」 平匡さん「す、すみません」 みくり「もぉ~、いいんです」 平匡さん「いいのかぁ~」  「はぁっ」って……喘ぎ声じゃないですか! こんなにキャッキャウフフな時間を過ごしといて、突然走り去った平匡さん。残酷。走り疲れて座り込み「だから嫌だったんだ」「失敗を恐れて、ずっとひとりで」なんて頭を抱えていたんですけど、「今、みくりさんは、どんな思いで……」と置いて逃げてしまったことを思い出し、「大切な人から逃げてはダメだ、失いたくないのなら!」と立ち上がります! そして、見事、童貞卒業☆ アッチも勃ったんですね~☆ 翌日が誕生日だった平匡さんは、とってもラブラブなバースデーを過ごしたのでした。  さて。偽野内・風見さん(大谷亮平)と百合ちゃん(石田ゆり子)にも進展が。「人のこと知りもしないのに、何を見てるのか」と五十嵐安奈(内田理央)の愚痴をみくりに漏らす風見さん。すると、小賢しいみくりに「風見さんってロマンチストですよね。見た目じゃなく、自分自身を見てほしい。じゃあ自分は、そのガンガンくる女性の内面を見ることができているのかどうか。一度、覗いてみたらどうですか?」と助言され、早速美術館デートしてみたのです。  しかし、百合ちゃんとトゥービー・田島さん(岡田浩輝)と鉢合わせするんですね~。お互いに挨拶を交わしつつ、百合ちゃんに熱視線を送る風見さん。その視線に気付いたトゥービーは「どういう関係?(ニンマリ)」と突っ込むのですが「やめてよ、17歳も下よ」と交わします。切なげに。  さらに後日。風見さんに誘われ、家に出向いた百合ちゃんは、泣いた夜、「どうして『そんなこと言わないでください』なんて言ったの? 私がイタい女に見えた?」と聞くと、「僕はかっこ良い百合さんが好きですが、それは百合さんからにじみ出るものであって、誰かのお手本になるためにかっこつける必要はないと思っただけです」と言われ。「人目につかないようにかばってくれてありがと」と言うと、「かばったんじゃなくて、見せたくなかったんです、誰にも」と言われ。しまいには、「不覚だった、若人の前で。今度うちにも遊びに来て。甥っ子特典で美味しいワインごちそうしてあげる」と言うと、「本気で甥っ子だと思ってるんだ、僕は本気で百合さんを抱きたいと思ってるのに」と。トドメの一撃!!! 百合ちゃんは「オバサンをからかわないの」なんて言って去るのですが、先週、風見さんの意外な優しさに触れてから、明らかに意識しちゃってる百合ちゃん。どうくっつくの、この2人!?!?  さてさて。第10話ともなると、トピックがてんこ盛りなんですよ。平匡さんたちの会社が買収されることで、リストラする社員を選出していた沼田さん(古田新太)にも動きがありました。該当社員を平匡さんに確定し、ようやく本人にリストラ勧告した当日。平匡さんに「会社で一番優秀なエンジニアは津崎くんだ」と伝えた上で、「その分年俸も高い。開発のほとんどから手を引くってなったら、宝の持ち腐れ、分不相応な買い物だ」「契約結婚だった=人ひとり雇える経済的余裕、日野くんのように養わなきゃいけない妻子もいない」と伝えます。すると平匡さんは、「籍を入れていないということは、責任を負っていないということになりますね。年内いっぱい、よろしくお願いします」とすんなり受け入れました。数日前には、日高さんと「ひとりだと心配だよね、突然死。結婚って安全装置みたいなとこあるよね。どっちかに何かあった時、ひとりだと大変だけど、2人いればなんとかなる。生き抜くためのひとつの知恵、みたいな」と結婚の意義を語っていたり。結婚とは責任、そして生き抜くためのひとつの知恵……。平匡さんが大きな一歩に出たのです。  珍しくみくりを外食に誘った平匡さんは、高級料理店にて食事を済ませた後、なんとみくりにプロポーズしちゃいました! その上、みくりは大喜び! でも、以前は結婚したくないと言っていた平匡さんが、なぜ籍を入れたくなったのか……。さらに、平匡さんは「籍を入れたほうが経済的で合理的」と、将来の2人の資産を算出したデータを印刷して提示。これにはみくりも顔を歪め、プロポーズの理由を聞いてみると、「きっかけは、リストラです」なんて返事が。  みくり、びっくり。「リストラされたからプロポーズ? 結婚すれば給料を払わずに私をタダで使えるから合理的。そういうことですよね?」とまくし立てるのです。すると、平匡さんもびっくり。「みくりさんは、僕と結婚したくはないということでしょうか?  僕のことが好きではないということですか?」と悲しげな顔で聞き、みくりが「それは、好きの搾取です。好きならば、愛があれば何だってできるだろうって、そんなことで良いんでしょうか? 私、森山みくりは、愛情の搾取に断固として反対します」と同じく泣きそうな顔で訴えて終わるのでした。  視聴者には、平匡さんの結婚観が変わった過程。そしてリストラ勧告にあった後、昼休みも返上してPCに向かい、電話をかけまくり、家でも自室にこもって調べ物をするなど「転職活動か~」と思っていた行動すべてが、プロポーズするためのお店選びだったこと。さらに、お店の下見を済ませて、メニューを完璧に頭に叩き込んだことまで知っています。だからこそ、平匡さんには「しっかりすべてを伝えればいいのに」。そしてみくりにも、云々言ってないで「しっかり平匡さんの考えを聞けばいいのに」と思うわけで。案の定プロポーズシーンには、多くの人がネット上で個々の意見を物申しています。  みくりは平匡さんのことが好きで、プロポーズされて喜んだわけで。要するに「みくりさんが大好きだから結婚したいと思った」って言われたかったのでしょう。平匡さんだって、言いたかったでしょうし。この2人、3カ月も一緒にいて、いっつもいっつもすれ違って来たじゃないですか。しっかり伝えないし、伝えるのが下手だから。そろそろ、そんなお互いの性質を理解しても良くないですか? またすれ違ったよ、ちきしょー!!! と何度歯を食いしばったことか。毎回すんなりと話が進まないことで、みくりが提示してきたトンデモ案。次週、2人はどんな選択をするのか……。野木亜紀子先生、『重版出来』のようなスッキリラスト、期待してます!!! (ドラマウォッチャー:ナチョス)

吉本興業がハニートラップ回避作戦スタート? 「ブラ外していいですか」「いいですよ」を録音しなさい、との指導

 12月8日に放送された『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)で、吉本興業がハニートラップの回避作戦をスタートしていることが明かされた。  番組ではリスナーから、「先日(別番組で)千原ジュニアが吉本のコンプライアンスについて話をしていました、現在吉本では女性とのやり取りを録音するように指導しているようですね」といった内容のメールが届いた。具体的には、「キスしていいですか?」「いいですよ」、「ブラ外していいですか?」「いいですよ」、「挿れていいですか?」「いいですよ」といった具合に、まず芸人側が相手女性に伺いをたてること、その模様を録音しておき証拠を残すことを徹底するよう、所属タレントが指導されているようなのだ。  岡村は「ホンマか?(笑)」と笑っていたが、吉本はたくさん芸人がいるからそんな話はあると話し出し、つい最近もヨシモト∞ホールで若手を集めての講習会が行われていたことを明かした。なお、岡村自身としては昔から「キスしていいですか?」と聞く派だそうで、今回の方針は構わないとのこと。  モテないことをウリにしている岡村はともかく、多くのお笑い芸人は、容姿や性格に難アリでも女性たちに言い寄られる経験をしている。そうやって自分自身をモテると思い込み調子に乗ったところで、ハニートラップに引っかかるという例が少なくないのだろう。そして、性行為に及んだ場合、合意の有無は大きな焦点となるが、基本的に証拠がなく「言った」「言わない」の水掛け論になってしまう。本当に合意があったことを示すための音声録音は必須と考えたほうが良いだろう。  最近ではアンタッチャブルの柴田英嗣が、女性からの嘘で芸能活動休止せざるを得ない状況になっていたことを、12月8日放送の『にけつッ!!』(読売テレビ系)で明かした。  番組での柴田の発言によると、ある日、以前好意を抱いていた女性Aさんから10年ぶりの連絡が届いたという。柴田は二人で会うのはきまずいと思い、後輩も誘って三人で食事をしたそうだ。そしてその夜、柴田はAさんの部屋に行き男女の関係に。その後、しばらくAさんとは連絡をとっていなかったが、後輩からAさんと付き合っているとの連絡が来る。しかし、後輩はAさんと別れたがっていて、Aさんから「別れたら今までのことうぃばらす」と脅されているというのだ。そこでしゃしゃりでてしまった柴田。Aさんに注意をしたところ、Aさんは警察に通報。柴田に暴行を受けたと供述した。Aさんはなりすましメールまで使って柴田の言葉を捏造し警察に届け出たため、柴田の所属事務所はやむを得ず、柴田の芸能活動を停止させた……ということが“真相”だ、と柴田は説明した。  証拠が残されているわけではなく、結局のところ、真相は当事者のみぞ知る。ただ、もし柴田の発言通りだったとしたら、後輩が女性側の脅迫メッセージを録音しておけば、あるいは柴田が“注意”の模様を録音しておけば……活動休止という自体は防げたかもしれない。柴田は吉本所属ではないが、芸人という職業柄、いやもはやテレビタレントである以上誰でも、親密な関係を結ぶ相手とのやりとりは記録必須の時代なのだろう。 (ボンゾ)