これこそ暴力装置の暴走! 冤罪に天下りまで……警察の黒い闇を暴く

──「日刊サイゾー」で話題のあの記事をただ読む以上に、さらなる知識を知りたいそんなアナタのために、話が100倍(当社比)膨らむ" プレミアム"な記事をサイゾー目線で厳選レビュー!
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警察庁の公式HPより。
 今月初頭、日刊サイゾーでは短期集中連載の『発生から1年「新宿駅痴漢冤罪暴行事件」の闇』が多くの人々の注目を集めました。痴漢冤罪事件などでは、警察の捜査方法が疑問視されることも多く、本来市民の安全を守るべき警察への信頼性が揺らいでいるといえるでしょう。こうした中で、事件の取り調べ可視化などが叫ばれているものの、実際に取り調べの録音や録画は一部で試行されるにとどまっているのが現状。くわえて、今年9月には検察による証拠改ざん容疑で検事が逮捕される事件などもあり、警察などの国家権力に対して慎重な見方をすることが求められているようです。  そこで今回のレベルアップ案内では、DNA鑑定で生み出される冤罪の仕組みから覚せい剤密輸の裏で暗躍する警察の姿、さらには淫行もお目こぼされる天下りのことまで、警察腐敗の真実に迫る記事を取りそろえてみました。もちろん、しっかりと市民のために働く警察の方がいることも事実。だからこそ、一部の不正を許さず、市民の目でしっかりと見つめるべきではないでしょうか? 【日刊Pick Up記事】 ■第1回 痴漢冤罪で命を絶った青年が録音していた「警察の非道」 (2010年12月6日付) ■第2回 なぜ、JRは「息子の死」の真相を追及する母の想いを踏みにじるのか (2010年12月7日付) ■第3回 事件を密着取材していた民放キー局取材班の不可解な動き (2010年12月8日付) ■第4回 追跡レポートをOA直前に封印したテレビディレクターの謎の行動 (2010年12月9日付) 正義はどこにあるのか!? プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:絶えることなき冤罪被害] "加害者"にされた者たちが週刊誌に語る「痴漢冤罪」の恐怖と屈辱 2009年7月27日付(日刊サイゾー) 「推定無罪」? なにそれ? おいしいの? 警察の取り締まりは"冤罪製造システム"!? 悪質な交通行政に物申す書 2009年9月21日付(日刊サイゾー) ポップな表紙絵ですが、中身はまったくポップじゃなく......。 最新DNA鑑定でも冤罪が!?"法律なき"危険な運用体制 2010年5月号(プレミアサイゾー) 最先端の科学も、扱う人がダメなら結局ダメです。 [レベル2:予算のためのポイント稼ぎが横行する実態] 覚せい剤密輸の裏に道警!? 疑惑の告発者を直撃! 2007年9月18日付(日刊サイゾー) 裏金事件のさらに裏。 私欲に利用される「テロリスト」警察vs成田空港のつばぜり合い 2010年2月号(プレミアサイゾー) テロリストたちは警察の脳内にいるらしいです。 相次ぐ大学生の大麻摘発 裏にはお役人の点数稼ぎ 2009年3月号(プレミアサイゾー) 警察にとって逮捕は営業活動みたいなもの? [レベル3:警察OBが跋扈する天下りの仕組み] 「なんと200人以上」アート淫行会長 大甘処分の裏に警察出身者の大量天下り!? 2010年8月2日付(日刊サイゾー) まさしく地獄の沙汰も金次第。 年収ナント1000万円!? 松下電器の役員にも就任する警察OBと企業の不健全な関係 200x年x月号(プレミアサイゾー) 暴力団よりよっぽどヤクザ。 ITゼネコンから大手外資まで、官僚が群がるIT業界の美味しい天下り 2010年9月号(プレミアサイゾー) mixiもGREEも天下りの標的に!? [レベル4:警察腐敗を徹底討論] 止まらない警察官たちの暴走!新聞が報じない"桜タブー"を暴く 2009年2月号(プレミアサイゾー) 故・黒木昭雄さんが語る警察の真実。 [レベル5:ねじ曲がった捜査のその先] 刑事裁判の不完全性と社会の敵が持つ浄化作用【前編】 2010年5月号(プレミアサイゾー) 敵はいるけど、正義の味方は見当たらず。 プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/

冤罪はこうして作られる 20年近く前からいわれてるのに、改善しないのはなぜ? amazon_associate_logo.jpg

年末特別企画! 1月から振り返る、2010年公開された映画にまつわる裏話

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今年多くの話題作を世に送り出した東宝の子会社
であるTOHOシネマズ株式会社が運営する映画館
「TOHOシネマズ」の公式HPより。
 年の瀬も迫った昨今、話題の映画が続々と公開されています。12月1日には木村拓哉主演の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が封切られ、来る11日には村上春樹原作の『ノルウェイの森』が、全国東宝系の映画館で上映開始。ほかにも、名作SF映画『トロン』の28年振りの続編『トロン:レガシー』や、ブラッド・ピット製作でも話題の『キック・アス』が現在、公開を控えています。  今年の映画業界を振り返ってみると、2009年から公開されていた『アバター』が世界興行収入を塗り替えたことは記憶に新しいところ。また、『第9地区』や『インセプション』が話題になるなど、昨今叫ばれていた洋画の興行不振の中でも、コンスタントに良作は生まれ続けているようです。一方で、邦画も『海猿3』や『SP-野望篇-』などのテレビ局映画だけでなく、『告白』や『悪人』などの東宝系作品がヒットして、評判的にも興行的にも成功を収めていました。  このように多くの良作映画が生みだされた2010年。しかし、中にはちょっと微妙な映画ももちろんあるようで......。そこで、今回のレベルアップ案内では2010年に公開された映画とそれにまつわる評判を時系列順に見ていきたいと思います。1月~12月までに公開された映画から各月1作品をピックアップ、その作品に関連する記事を選んでみました。今年映画をあまり観れなかった人も、これを読めば2010年の映画事情がまるわかり(かも)! 今年一年の話題の映画を総ざらい! プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【2010年月別──主な公開映画】 ■1月 『BANDAGE』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『Dr.パルナサスの鏡 』ほか [Pick Up!]脚本・岩井俊二、監督・小林武史『BANDAGE』 製作サイドもガックリ! 赤西仁主演映画『BANDAGE』が大コケ 2010年2月27日付 (サイゾーウーマン) 肉食系女子・北乃きいと赤西仁のラブストーリーってだいぶ激しそう。 ■2月 『インビクタス/負けざる者たち』『涼宮ハルヒの消失』『パレード』ほか [Pick Up!]固定客を離さないアニメ映画『涼宮ハルヒの消失』 まるで"AKB商法"!? 人気アニメ映画版『なのは』『ハルヒ』リピート商法の裏事情 2010年1月31日付 (日刊サイゾー) また同じ話の『ハルヒ』を繰り返し見なくちゃいけないのか......。 ■3月 『シャーロック・ホームズ』『ハート・ロッカー』『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』ほか [Pick Up!]『アバター』を抑えてのアカデミー賞作品賞『ハート・ロッカー』 トラブル続出の『ハート・ロッカー』 一発逆転"金メダル"なるか!? 2010年3月6日付 (日刊サイゾー) お願いメールを送った甲斐がありました! ■4月 『ソラニン』『プレシャス』『第9地区』ほか [Pick Up!]第82回アカデミー賞ノミネート作品『第9地区』 板野一郎監督が激白! 大ヒットSF映画『第9地区』と"板野サーカス"の意外な接点とは? 2010年8月11日付 (日刊サイゾー) エビがキモカワイイ......かも。 ■5月 『川の底からこんにちは』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『Dr.パルナサスの鏡 』ほか [Pick Up!]新進気鋭の女優と監督の馴れ初め『川の底からこんにちは』 最注目女優・満島ひかりが熱弁!「『しょうがない』はかっこいい!」 2010年5月号 (プレミアサイゾー) 恋に落ちちゃってもしょうがなかった? ■6月 『告白』『セックス・アンド・ザ・シティ2』『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』ほか [Pick Up!]中島哲也監督の傑作『告白』 今後10年を決める、傑作にして問題作──メジャー作『告白』に衝撃を受けよ 2010年7月号 (プレミアサイゾー) 今年大ブレイクのAKB48も出てます! ■7月 『借りぐらしのアリエッティ』『トイ・ストーリー3』『インセプション』ほか [Pick Up!]スタジオジブリ最新作『借りぐらしのアリエッティ』 スタジオジブリはピクサーを目指す? ようやく道筋のついた"宮﨑駿の継承"の方法 2010年10月号 (プレミアサイゾー) 『ゲド戦記』は黒歴史になっちゃったの? ■8月 『ハナミズキ』『カラフル』『テコンV 』ほか [Pick Up!]韓国発のどこかで見たことあるような『テコンV』 巨大ロボットがダイナミックに大暴れ! 幻の韓国アニメ『テコンV』が日本公開 2010年8月11日付 (日刊サイゾー) こまけぇこたぁいいんだよ!! ■9月 『BECK』『名前のない女たち』『悪人 』ほか [Pick Up!]衝撃のノンフィクション劇映画化『名前のない女たち』 "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』 2010年8月31日付 (日刊サイゾー) 主題歌が戸川純の時点でどうゆう映画か予想がつく。 ■10月 『大奥』『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』『さらば愛しの大統領』ほか [Pick Up!]よしながふみが描く人気マンガの実写版『大奥』 『GANTZ』『大奥』に『あしたのジョー』......人気マンガ続々実写映画化の悲劇 2010年5月号 (プレミアサイゾー) 結果は推して知るべし。 ■11月 『ゲゲゲの女房』『ゴースト もういちど抱きしめたい』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』ほか [Pick Up!]世界的ベストセラー原作の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 幻の3Dシーンを見破れるか? シリーズ完結編『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 2010年11月19日付 (日刊サイゾー) 原作は3巻くらいまでは読んでました。 ■12月 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『ノルウェイの森』『キック・アス』ほか [Pick Up!]あの名作アニメまさかの実写化『SPACE BATTLESHIP ヤマト』 敵はデスラ―ではなくキムタク!? 実写映画化に迷走する『ヤマト』 2010年2月号 (プレミアサイゾー) 堤真一はデスラー役からキムタクの兄へ。 プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/

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SKE48アイドル研究会代表・大矢真那が語るアイドルにとってPVとは?

 今年のAKB総選挙で総合24位。松井玲奈の快進撃が注目を浴びたSKE48だが、W松井に次いで、昨年のランキング圏外から怒濤の追い上げを見せたのが大矢真那だった。彼女は、総選挙後のシングル「ヘビーローテーション」のカップリング曲「涙のシーソーゲーム」でAKB48の楽曲に初参戦、10月27日に発売されたシングル「Beginner」に収録された「泣ける場所」にもDIVAとして参加した。同時に、SKE48「二次元同好会」に次ぐ勢力であるサークル「アイドル研究会」にも仮入部(!)中の真那ちゃんに、PV撮影の裏側と、アイドルにとってのPVについて、話を聞いた。
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(写真/夏目圭一郎)
──初のSKE48シングル選抜、おめでとうございます! 大矢 ありがとうございます! ──今回、17日に発売されたばかりの新曲「1!2!3!4! ヨロシク!」のMV【註1】撮影は、本物の高校で行われたそうですね。 大矢 そうなんです。仙台市の常盤木学園高等学校という学校を借りて、撮影をしました。 ──選抜入りの発表からMVの撮影まで、どんなスケジュールだったんですか? 大矢 選抜メンバーの発表があった3日後から2日間のダンスレッスン、その翌日には白組のカップリング曲【註2】「コスモスの記憶」のMVを撮って、さらに翌日に仙台に移動。そこから2日間で「1!2!3!4!」のPV撮影......というスケジュールでした。紅組のメンバーは私たちが仙台に入った日に「青春は恥ずかしい」の撮影をして、そのさらに翌日に合流したので、1日目は白組メンバーのシーンを撮ったんですよ。だから、数人にわかれてのシーンは、それによってメンバー構成が決められた感じですね。それにしても、いつ何をしたのか記憶があいまいになるくらい忙しかったです。 ──撮影は1日何時間ほど行われるんですか? 大矢 「1!2!3!4!」の時は、朝7時くらいから、夜9時くらいまででしたね。AKB48さんもそうなんですが、中学生の子たちがいるので、夜はどうしても9時がリミットなんです。とはいえ、長丁場だったので......メンバーの後ろを常盤木学園の女子高生たちについてきてもらうシーンがあるんですが、時間がたつにつれ、どんどん人が減っていって。その時はちょっと切なくなりました(笑)。 ──ちなみに、1本のMVで、集合のダンスシーンはどれくらい撮るんですか? 大矢 「1!2!3!4!」の時は、3時間ちょっとでしたね。 ──そんなに!  大矢 でも、「バンジー宣言」の時は5時間踊りっぱなしだったので......それに比べれば短いですよ(笑)。「バンジー」の時は、途中で璃香ちゃん(平田璃香子/チームS)が、「5時間経過......」ってつぶやくまで、休憩もせず気がつきもせず......。なので、珠理奈が(松井珠理奈/チームS)「AKB48さんの時はこんなに踊らないのに」って言ってたんですけど、「バンジー」組にとっては、水飲んだり座ったりできた「1!2!3!4!」の3時間は、余裕でしたね。 ──「バンジー」のPVではバンジージャンプもさせられて......大変でしたね。 大矢 いや、ダンスの5時間を思うとバンジーは本当に一瞬ですから(笑)。あいりちゃん(古川愛李/チームKII)や須田ちゃん(須田亜香里/チームS)なんて、自ら進んで2回飛んでましたし。あ、でも可奈ちゃん(平松可奈子/チームS)はMVの通りで......30分くらい粘って、最後は係の人に押されて泣きながら飛んだんですけど(笑)。 ──いくら選抜に入れたとはいえ、これだけ忙しいと「正直しんどいな」思うことはないですが? 大矢 ずっと同じ体勢でいるのが苦手なので、長時間の移動は正直ツライですね。大勢で移動する時は、たまに名古屋から東京まで高速バスを使うこともあるので......。人数が多いので、外見たいから窓側がいいとか、廊下側なら足伸ばして寝られるとか、好みによって席も取り合いになるんですよ。 ──ところで、先日のブログにDIVA【註4】の撮影は参加が決まってすぐに行われたとありましたが......AKB48のMV撮影は、参加するメンバーの事務所もバラバラだし、さらに大変なんじゃないですか?

スイーツ界の最強経営者・辻口氏が指南!? ──"俺様流"多方面展開でボロ儲け! の真相とは?

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辻口博啓氏。(田中まこと/写真)
──多くの飲食店がデフレスパイラルに陥る中、話題に事欠かず、値崩れすることのないスイーツ業界。「モンサンクレール」などの有名店を持つ辻口博啓氏の会社「Ash Tsujiguchi」ひとつとっても、創業以来最高益を叩きだすなど、業界の順調ぶりがうかがえる。そこで今回、同業界にとって1年で最も忙しいクリスマスシーズンを目前に、そんな絶好調ビジネスの現状に迫ってみたい。果たして本当に景気はいい? それとも......?  世界同時不況は消費マインドの低下をもたらし、飲食業界にも大打撃を与えた。しかしその中で、スイーツ業界は依然、ゴージャスなトピックを提供し続けているが......。今年、創業以来最高益を叩き出したというパティシエ・辻口博啓氏に、業界を勝ち抜く戦略を聞いた。  メディアでは相変わらずスターパティシエがもてはやされ、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンなどのショーケースには、有名フランス人パティシエが作るハイクラスなガトーが並ぶ。さらに、コンビニの棚を見てもスイーツは元気で、かつての"安かろう不味かろう"的なデザートではなく、価格設定も高めな、繊細なものが次々に登場。さらに、最近ではメディア主導によって"スイーツ男子"たちが考案した"プレミアム"コンビニスイーツがズラリと並んでいる。  リセッション(景気後退)の局面をもビジネス勝機とし、華やかさを売り続ける業界のパワーはどこにあるのか。まずは、自由が丘「モンサンクレール」など、コンセプトの異なる10ブランドを展開し、サーカスを見ながら有名シェフの料理が食べられるイベント『ルナ・レガーロ』へのスイーツ提供など、業界を超えて活躍し続けるパティシエ・辻口博啓氏にご登場願おう。 ──いきなりですが、この不況においてもスイーツ業界は、低価格化に走らず、依然として高級路線ですよね? やはり業界全体の景気はいいのでしょうか? 辻口博啓(以下、辻口) いやいや、華やかなイメージが強いスイーツ業界ですが、景気後退の影響から無縁というわけにはいきません。リーマンショック以降、売り上げの低迷は顕著です。身売り、倒産といった話を聞くことも少なくありません。  最近は、我々に製菓材料を卸している業者ですら、売り上げを30%近く落としていると聞きます。流通の要となる業者がその様な状況ですから、ケーキ屋は推して知るべし。売り上げが減ってしまっている個人店も多いのではないでしょうか。元気なのは、200円台、100円台のラインナップが売れているコンビニスイーツ、というのが現実ではないかと思います。 ──そんな中、辻口さんが経営される「株式会社アーシュツジグチ」は非常に調子がいいと聞きましたが......。 辻口 確かに、幸いにも、僕たちの会社は今期、開業以来最高益をあげることができました。ただ、それは新たなブランドを立ち上げ、多角的な展開を進めてきた結果にほかなりません。 ──今年は「和楽紅屋」を4月に「ecute 東京」に、9月に「西武池袋本店」に出店されていましたが、やはりその効果は大きかったのでしょうか?

偏向報道に騙されるな! 外交問題で重視すべき実益(前編)

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■今回の提言 「一枚岩でない相手国の情報を知り、賢い対中外交を」 ゲスト/高原基彰[社会学者] ──社会の現状を打破すべく、若手論客たちが自身の専門領域から日本を変える提言をぶっ放す! という本連載、今回は東アジア研究を専門とする社会学者の高原基彰さん。尖閣諸島問題を発端に、政局から民衆レベルまで日中関係をめぐって緊張が走るこの状況をどのようにとらえ、隣国とどうかかわっていくべきなのでしょうか? 萩上 今回は、東アジア、特に中国の外交問題をどう受け止めるべきかという、これまでと比べても論争的なテーマを扱います。お相手は、韓国・中国などに滞在しながら、社会学者の立場から東アジア研究をされてきた高原基彰さん。現在、尖閣諸島での船長拿捕事件をきっかけに、日中関係が一気に緊迫化しています。それぞれの政府の外交姿勢に対して、互いの国内では「弱腰だ」という政府批判の突き上げを含んだ反日デモ、反中デモが起こるなど、国民感情が悪化しているという状況です。  また、劉暁波氏へのノーベル平和賞授与、経済成長、いまだ解決されないチベット問題など、中国の政治体制が注目される機会が高まっている。こうした中、日本国内の世論形成、および政策提言のレベルでは、どんな着地点を探っていけばいいのかを議論したいと思います。まず率直に、現在の日中関係の推移に、どのような感想を持たれていますか? 高原 事件の重大性を考えれば、日本国内で中国のイメージが悪くなるのは当然で、そのこと自体は良いとも悪いとも思わないです。むしろ、対中感情の悪化が指摘されている中で、日本人はまだ冷静だなと思いましたよ。自国企業の社員を人質に取られるなど、もしこれが韓国だったら、はるかに大規模な反中デモが起こってもおかしくない。欧米のどこかだった場合でも、もっと大騒ぎになっていたんじゃないでしょうか。 萩上 日本では実際には、秋葉原や六本木で数千人規模のデモが開かれたり、福岡で中国人観光客の乗ったバスを街宣車が取り囲んだことがニュースになったりはしましたが、「大きな暴発」まではしなかった。中国側では、今でも各地で数千人規模のデモが起き、日本に関連しそうな店舗や物などが取り壊されています。 高原 そう。中国側には今回のデモも、相当誇張された形で解釈されています。例えば渋谷で起きた小規模な反中デモで、たまたま通りがかった中国人女性に対して、デモ隊の誰かが「わーっ! 中国人!」とか言ったという動画から、一足飛びに「日本は感情的で危険で、また軍国主義が復活しそう」みたいなことになる。日本といえば軍国主義のイメージがまだまだ強い。それは我々の実感からすれば明らかに間違いだけど、なかなかわかってもらえない。そして中国のデモが日本側に報じられる時、同じような誤解が起こっていないでしょうか? そういうことを、お互い自己チェックしないと。 ■対中・対韓感情の悪化をどうとらえるか 萩上 もちろん、ネット上の感情表出として表れる反中言説といったものをもって、社会全体の「右傾化」と見なすのは早計です。例えば反中であれば「論点パッケージ」として「右寄り」として位置づけられるのか、親中であれば「左寄り」になるのかといえば、そう単純でもない。親米に対して親中を訴えるような「リベラル」も、例えばアジア基軸通貨を掲げられるかといえば難しく、基本的には抽象論の域を出ない。東アジア共同体的な発想も、日本が経済的にも国際プレゼンス的にも中国やインドに抜かれていき、「リーダーシップ」の発揮も困難と見えると、まともに口にされなくなってきた。  ただ一方で、数年前までなら、排外的なプラカードを掲げて道路を行進したり、施設を取り囲んだりというアクションがこれほど頻繁に起こる風景は目立たなかったわけですよね。具体的要望のない社会運動が政治に与える影響よりは、極端化して「誰得(誰が得するんだ)状態」になった運動体などの暴走が、具体的な個人への攻撃といったヘイトクライム(憎悪犯罪)につながる可能性が懸念される。蕨市での「カルデロン一家叩き出せデモ」や秋葉原での「ソフマップ突撃事件」を見る限り、小さな運動体が政治に与える影響は薄くても、個人や一企業などに対する負の圧力としては十分に有効です。  そうした行動は当然、さらなる憎悪、反日的なアクションの口実になるだけで、不幸しか生まない。中国が反日教育やメディア規制で日本イメージを固めていく一方で、メディアやネットを通じた「自由な」情報取得によって、極端なセレクティブメモリを強化し、対立がむやみに過激化していくスパイラルを見ると、ただ情報をフラットに共有して「互いを知り」さえすれば済むという話ではないことを痛感します。 高原 近隣諸国の間にトラブルがあるのは当然ですし、国民の中に不満層がいるのも当然です。おっしゃる通り、日本国内の「論点パッケージ」で「右だから、左だから悪い」と言い合っていても仕方のない時代になっているということでしょう。冷戦後の日本ではたまたまこれまで漠然とした戦争責任や歴史認識以外に喫緊の話題がなかっただけで、こうして領土などの具体的な問題が出てきたら、いろいろな動きが大衆レベルでも出始めたという話だと思います。  デモ自体も同じで、中国でも冷静な人がネットに書き込む皮肉なんですが、デモが破壊した日本料理店は中国人が経営してたり、不買運動してる日本製品は大半が実は中国製だったりする。それが果たして「愛国」なんだろうかと。あえて言いますが、中国ですら、そういう点を批判している人がちゃんといるんです。お互いの低劣な部分だけ見て、怒りの応酬を繰り返しても、何の意味もない。  中国側の事情として、教育内容が反日的になりがちなのは、国の成り立ちを考えればある程度は仕方のないことです。あらゆる学校教育がそうであるように、全員がそれをそのまま信じ込んでいるわけでもありません。むしろそれを逆手に取り、自国のマスコミや政府に対する異議申し立てを行う際の免罪符として「反日」が使われている側面のほうが重要だと思います。最近はそれが一巡してしまって、例えば著名な若手作家の韓寒なんかは、今回の反日デモに冷淡な反応をしました。もちろん情報規制や政治体制は西側先進国とまったく違うままですが、世論の多様化はすごいスピードで進んでいる。 萩上 今ある敵対意識は、時間がたてば中和されてくるのでしょうか?

学生時代の落書きを思い出す"くだらない発想"の面白さ

アイドルと学ぶ"二次元作品"魅惑の世界──。アニメ、マンガにゲームまで、SKE48の舞台裏講座が開講です! [今月の教材] 『荒川アンダー ザ ブリッジ』
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(写真/有高唯之)
左上、古川愛李/左下、中西優香/中央、平松可奈子/右、松井玲奈。
──今回の教材は、10月からアニメ第2期の放送もスタートした人気マンガ『荒川アンダー ザ ブリッジ』(スクウェア・エニックス)、通称『荒川』です。主人公のエリート青年・リク【1】と、荒川の河川敷に住む不思議な人々の交流を描いたギャグマンガで、松井さんは読むたびに腹筋が崩壊するくらい大爆笑しているとか。イチオシのエピソードは? 松井玲奈(以下、) 単行本の7巻で登場する亀有病【2】のネタが一番好きです。地下室で生活しているうちにリクたちの頭がだんだんおかしくなってきちゃって、カツーンの亀有くんってスーパーアイドルが、なぜかパンになっちゃうんですよ......クッ! それで「イースト菌がかわいい」とか言いだして......クフッ! ──思い出し笑いを懸命に堪えながら語っていただいたのに恐縮なんですが、サッパリ意味が......。  基本的に『荒川』はシュールなネタが多いので、口では説明しづらいんですよ! 私はそこがすごくツボなんですけど。 平松可奈子(以下、) 可奈はね~、ニノさん【3】の名前の由来が「着ているジャージのゼッケンに"2-3"と書かれているから」とか、星さん【4】が星マスクの下に満月のかぶり物をかぶっているとか、そういう発想のくだらなさが自分と似ているな~と思って。作者の先生がネタに困ったら、可奈がお手伝いしたいです! 中西優香(以下、) 確かに可奈ちゃんは『荒川』に出てきそう(笑)。内容がぶっ飛んでいるから、初めて読む人は作風に慣れるまでちょっとずつ読んだほうがいいかもね。一気に読むと疲れそう。  えっ......? じゃあさ、『荒川』と発想が似ている可奈とずっと一緒にいたら、疲れる? 古川愛李(以下、) 可奈子さんとずっと一緒にいたら......ですか? 「二次元同好会劇場」は動画も絶賛配信中です!

高須光聖×大根仁 テレビタブーの拡大は自主規制とフジテレビが元凶だ!?

 放送作家の高須光聖氏がDVDでフェイクドキュメンタリーを発表した。テレビの放送作家という印象が強い高須氏が、DVDで作品を出さなければならぬほど、テレビ業界は身動きがとれない状態なのだろうか。そこで、話題のドラマ『モテキ』のDVDの販売にも力を入れているテレビディレクターの大根仁氏と対談をセッティング。昨今のテレビ業界について、どんな制限があるのかなど、"業界の膿"に言及してもらった。
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高須光聖氏(写真右)と大根仁氏(左)。
(写真/有高唯之)
大根 高須さんが監督したDVD『ドキュメンタリーハイ』、見ました。 高須 ありがとうございます。どうでした? 大根 SM嬢レイラの人生を追った「レクイエムレイラ」、よかったですね。特に前半、何も起こらない空気がすごい好きで。 高須 ナビゲーター役の板尾(創路)さんと完成版を一緒に見る機会があったんですよ。そうしたら台本見て全部の内容わかってるのにもかかわらず、レイラが死んだ瞬間、「え!」と驚いてましたから(笑)。どんだけ潜り込んでるねん? と。 大根 このフェイクドキュメンタリーって、最初からDVDで発売する予定だったんですか? 高須 そうなんです。ただ本当は地上波の深夜で流したかったんですよ。どうしてもDVDだと、事前に内容に関する情報が視聴者に入ってしまって、「仕掛けがある」という先入観が生まれるじゃないですか。そうじゃなくてフラットな状態から入って、面白さがゆっくり駆け上がるものを作りたかったんです。具体的に言うと、パッとテレビをつけたら映像が流れていて、「ああ、ドキュメンタリーか。何かの都合で枠が空いて放送してるのかな」と見始める。それがだんだん入ってくる笑いの要素に「何これ?」という気分になって、最後まで見た人が次の日、学校や職場で「見た? ムチャクチャやな、あれ」と言ってもらえるような出会いが一番理想的だったんです。地上波のほうが見てる人が多い分、事件になりますからね。 大根 確かに、テレビを通して出会いたい感じはしますね。それこそ昔のフジテレビだったら、少し時間をかければ放送できたような。 高須 ちょっと編集し直したらいけそうでしょ? どこかやってくれないか、声かけてるんですけどねえ。別に地方局でもいいですよ。ただ、死や病気を扱っているんで、腹くくってもらわないと困る。 大根 高須さんが手がけた『働くおっさん劇場』(フジテレビ/50代のおっさんたちがあらゆるスポーツや遊びを実践し、男を磨いていく。その報告を受けて、松本人志がダメ出しをしていくという番組)も、人に気づかれない、話題にならないような放送枠を探していたんじゃないですか? 高須 ですね。もともとあれは朝方3時ぐらいかな。テレビつけてたら、見たことない演歌歌手のおっさんが波止場で歌ってる映像が流れていて、それにすごい衝撃を受けて(笑)。「この枠で遊べへん?」と松本(人志)に言って始めたんです。そこからだんだん深夜に戻っていきましたけど、朝方やってるほうが面白かった。 大根 自分で見つけるということでは、僕も『モテキ』(テレビ東京)というドラマを企画から立ち上げて、放送してくれる局を探したんですよ。結局、行き着いたのがテレビ東京。 高須 やっぱりそこに行くんですか(笑)。 大根 テレビ業界には、たまに芸能事務所やスポンサー主導で番組を作れる枠があるじゃないですか。局のプロデューサーはクレジットされているだけで、問題を起こさなければ何も言われない枠が。僕が総合演出を担当していた『演技者。』(フジテレビ/ジャニーズ事務所のメンバーが、舞台で活躍している劇団とタッグを組み制作された番組)は、言ってしまえばジャニーズのそれで、それまでは少年隊がトークしたりするバラエティ番組をやっていた。それがジャニーズが舞台に力を入れる時期と重なったんで、演劇の作品をドラマ化する約束事さえ守っていれば、スキャンダラスなことをやってもOKだったんですよね。昔はそういった各局の行政枠や営業枠と呼ばれる枠で結構自由にやれたんですけど、今はその手のスキマが減ってきた。 高須 そういう枠が健在だったら、『ドキュメンタリーハイ』はDVDのパッケージじゃなくて、テレビで流せていたかもしれない。 大根 その一方で、ある種DVDに救われるというか、テレビ番組、特にバラエティはDVDを発売して元を取ればいいという流れも出てきましたよね。回収する見込みがあると作りやすさは広がるし、必ずしも視聴率至上主義ではなくなる利点があるような。

流通規制に地域振興、さらには秋葉原事件まで オタク文化から見通す日本社会

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「文化庁メディア芸術プラザ」HPより。
 今月の2日に当レベルアップ案内でもご紹介したように、現在"非実在青少年"問題が再び注目を集めています。(参照)加えて、20日、21日にはアニメやマンガなどのコンテンツを対象とした「コンテンツ文化史学会」が開催されるなど、連日オタク文化に関する話題が尽きることはありません。  2000年代から国際的な競争力を持っているとして取りざたされたオタク系コンテンツ。"クールジャパン"という言葉でも形容され、文化庁がCG-ARTS協会と共にメディア芸術祭を主催し、2009年には国立メディア芸術総合センターの設立が計画されるなど(同年予算執行停止)、政府も積極的にコンテンツ立国・日本を目指す動きを見せていました。  このように徐々に市民権を得つつあるオタク文化。ただただ楽しむのもいいですが、日本独自の進化を経たそれらは、この日本社会について考えるうってつけの教材となるのです。そこで今回のレベルアップ案内では、「オタク文化から見通す日本社会」と題して、「産業」「社会」「文化」の3つのテーマに沿った注目記事をラインナップ。『けいおん!』の経済効果検証からマンガ・アニメの違法アップロードの現状、大学で積極的に運用されるオタク系学部のワケ──などなど。アニメやマンガの話から、さらっと日本社会について語れれば周りから一目置かれること請け合い!? 二次元から見える世界をご堪能あれ。 【日刊Pick Up記事】 オタクのゴールは大学教授? いまコンテンツ文化史学会が熱い! (2010年11月16日付) 再び動き出した「東京都青少年健全育成条例」改定案に民主党も反対しない可能性 (2010年11月17日付) 『ラブひな』赤松健が漫画無料公開 絶版マンガ図書館構想を佐藤秀峰も応援 (2010年11月20日付) オタク文化を見れば今の日本が見えてくる!? プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 【産業】 [オタク産業の裏側を概観する] オタク産業【裏】レポート 2010年11月号(プレミアサイゾー) アニソン特集では、サイゾーにまさかの水樹奈々登場。 [地域振興としてのオタクビジネス] 第二のアキバとなるか!?埼玉県がオタク文化で観光PR 2008年5月30日付(日刊サイゾー) アトムが埼玉県に住んでたとは......。 [爆発的ヒットコンテンツの経済効果はいかほどか] 1週間で1年分売れる!? アニメ『けいおん!』経済効果を徹底検証(前編) 2009年6月25日付(日刊サイゾー) "神搾取"で有名な『けいおん!』の実力は!? [作家自身が変革する流通制度] 佐藤秀峰が漫画『海猿』全話を無料公開 漫画界の新たなスタンダートとなるか? 2010年9月19日付(日刊サイゾー) ただの"お騒がせ漫画家"じゃないんですよ。 【社会】 [中国依存の思わぬ余波] レアアースだけじゃなかった! 尖閣問題がもたらすオタク産業大変動の可能性 2010年11月14日付(日刊サイゾー) 気がつけば"made in China"の文字。 [ネット普及によって頻出する著作権問題] 「やったもん勝ち」なんて当たり前! 海外マンガ・アニメ違法投稿サイトの実情 2010年9月7日付(日刊サイゾー) 放送翌日にはすでに字幕つきでアップされてたり......。 誰がそんなに頑張っているのだろうか。 [海外で発生した表現と規制の衝突] ゲーム業界を揺るがしたレイプレイ事件と業界癒着 2009年10月号(プレミアサイゾー) "非実在青少年"問題を占っている? [東 浩紀氏、宮台真司氏、神保哲生氏が語る秋葉原事件] 秋葉原事件の根底にある政策の無策とネットの包摂 2008年8月号(プレミアサイゾー) なぜ事件は"アキバ"で起こったのか。 【文化】 [ディシプリン化するオタクコンテンツ] 大学でサブカルを学ぶ!? 明治大学がマンガに接近! 2010年5月号(プレミアサイゾー) 教科書がマンガなんて夢のよう! [隆盛するアニメの未来を憂うシンポジウム] 誰がアニメを変えたのか? 世代論で切るオタク文化の10年、そして50年 2009年12月14日付(日刊サイゾー) 厨二病の人が大集合!? [著名人らが語る国民的作家の本当の価値とは] 日本人は、「宮崎駿」を、まったくワカッテナイ!? 賛否評論な宮崎作品の正当性を批評家たちが問う 2008年11月号(プレミアサイゾー) 可愛い女の子以外にも見るところがたくさんあるんです。 [喧伝されたクールジャパンの現在] 《連載》宇野常寛の批評のブルーオーシャン クール・ジャパノロジーの可能性 2010年10月号(プレミアサイゾー) クールジャパン(笑)。 プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/

リアルのゆくえ──おたく/オタクはどう生きるか あなたのリアルは二次元? それとも三次元? amazon_associate_logo.jpg

巨星・小室直樹が残した民主主義への理解と伝搬【前編】

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──希代の学者、小室直樹がこの世を去った。その斬新な思考や創造性から、時に奇人とも評されたが、彼がアカデミズムの世界に残した功績は、計り知れない。社会学、経済学、宗教学、法学、哲学など、あらゆる学問を用いた彼の論理は天才の名にふさわしいものだった。旧ソ連の崩壊、ロッキード事件における検察批判と田中角栄の擁護、そして、真の意味での民主主義への理解など、評論家、学者という肩書にとどまらない小室氏の足跡を、愛弟子である橋爪大三郎氏と宮台真司氏が、回想と共に振り返る──。 【今月のゲスト】 橋爪大三郎[東京工業大学教授/社会学者] 神保 去る9月4日、宮台さんが師と仰ぐ、社会学者の小室直樹さんがお亡くなりになりました。今の日本と世界の状況を見るにつけ、小室先生が残したこれまでの足跡を振り返ることに大きな意味があると考え、今回は小室先生の追悼特番を企画しました。 宮台 昨今話題の大阪地検特捜部の不祥事や、尖閣諸島をめぐる紛争。これらをどう考え、解決するべきか。小室直樹先生は、30年以上前に完璧な答案を書いておられた。例えば田中角栄裁判。先生のテレビ番組における奇行ばかり話題になりましたが、先生は3点を問題にされた。第1に、検察が元ロッキード社副会長アーチボルト・コーチャンの嘱託尋問調書を証拠申請し、裁判所が採用した件。嘱託尋問調書は免責特権を与えた上での供述で、それに相当する制度が日本にない以上、調書の証拠能力は定かでないこと。第2に、免責特権を与えたコーチャンに対する反対尋問権を弁護側が行使できないこと。こんなものを証拠請求する特捜検察は近代裁判がわかっていないとして、「検事をぶっ殺せ」というテレビ発言になりました。第3に、これらすべてを頬被りしても「法を守る市民倫理の枠内にいたのでは政治共同体が危機に陥る場合、たとえ法を破っても市民を守るべく政治共同体を守れ」というのがマックス・ウェーバーの言う政治倫理だとして、指揮権発動による放免を主張された。  第1と第2は大阪地検問題に関連する。つまり特捜検察がいかに近代法を支えるエートス(行為態度)を理解していないかを示します。第3は近代外交を支えるエートスの問題です。1978年当時副主席だった小平は(日中外交について)「主権問題を棚上げし、共同開発しよう」と発言。小平の指示は絶対で、以降日中は「[1]主権棚上げ、[2]共同開発、[3]日本側実効支配」でやってきた。「主権棚上げ&日本側実効支配」とは日本が「拿捕&強制送還」図式を採ること。2004年12月に中国民間人が尖閣に上陸した際も、小泉首相が反復した。首相が指揮する法務大臣による指揮権発動があったのです。今回も指揮権発動が当然。外交は多くの場合、国内法を超えるからです。これを「民法でいう事情変更の原則が憲法と外交には利かない」という。佐藤優氏が書いておられますが、特捜検察がでっちあげた背任容疑裁判で、外務省条約局長と内閣法制局長官の間で解釈権をめぐる闘争があった背景も、それです。なぜ事情変更できないか。相手国にすれば日本に政権交代があろうが法変更があろうが、「日本が日本でなくなったわけじゃない以上」外交の約束は簡単には変更できないのです。    つまり、近代法とは何か、近代外交とは何かを、閣僚たちや役人たちが知らないのです。そのことを20年以上前に小室先生が指摘しておられた。そのときに我々がメッセージを受け止めることができていたら、今日の特捜検察の不祥事も外交の不祥事もあり得なかったはずです。 神保 今回のゲストは小室先生の愛弟子で、東京工業大学の橋爪大三郎教授です。小室先生について、今の宮台さんの話に付け加えたいことはありますか? 橋爪 今週、ちょうどノーベル賞の発表があって、日本人の受賞に国中が騒いでいる。「優れた知性がどこにいるのか」を、外国から教えてもらって喜んでいるようで残念です。ノーベル賞に「社会科学賞」があったら、小室先生は4つや5つはもらってもいいくらい、国際的にレベルの高い仕事をしています。素晴らしい仕事をしている人が目の前にいるのに、日本人は理解しようとしない。これは、小室先生にとって不幸である以上に、なにより日本にとって不幸なことであろう。小室先生が亡くなられた今、それを痛切に感じています。 神保 これまで小室先生のことをご存じなかった方は、この番組をきっかけに、少しでもその功績を知っていただけたらと思います。さて、今日は社会学の専門家2人のお話なので、少々難解な内容になるかもしれません。そこで、話がわかりやすくなるキーワードを挙げてもらっています。まず橋爪さんは 「システム」と「ディシプリン」の2つです。 橋爪 「システム」は、小室先生の仕事を考える上で、最初に浮かんできた言葉です。簡単にいうと「たくさんの要因が複雑に絡み合って、相互作用している状態」のこと。これが社会の基本です。つまり、社会は、単純に読み解けるものではないんです。小室先生はこの「システム」をベースに仕事をされました。これは、なんの反対かといえば、マルクス主義です。マルクス主義は突きつめれば、「階級闘争」「プロレタリアと資本家」で社会のすべてがわかるというのですから、小室先生の考え方は、これに反対する側面があった。小室先生は、すべての要因を考慮しなければ現実はとらえられない、と主張したのです。  一方、「ディシプリン」は、システムがとらえどころがないときに、ある規律に従って考え方を単純化することです。例えば経済学だったらお金だけ、法律学だったら法律だけ、というように、要因を限定してシンプルなモデルを作る。そうすると、良い結論が出てくる場合があります。  普通の学者はこれで満足してしまい、誰かが理論の不備を指摘すると「現実は複雑だから」とお茶を濁すのですが、小室先生はそうではなかった。ある学問で追いかけられない現象があれば、別の学問を手にして問題に立ち向かう。法律、宗教、経済、統計学、心理学、数学......など、とにかくこれまで人間が考え出したツールをなんでも身につけて、とことん問題を追い詰める。「ディシプリン」を信頼しているのですが、その限界もわかっていて、境界横断をしていくのです。これは普通の学者にしてみれば「縄張り荒らし」「道場破り」にほかならない。でも、これほど正しい学問のやり方はない。境界横断が引き金になり、小室先生は日本でさまざまな問題を起こしましたが、それをトラブルにしてしまった日本が悪い、学者が悪いと、私は考えます。   神保 一方、宮台さんが挙げたキーワードは、「エートスとアノミー」「合理と非合理」「人文社会学における立ち位置」です。

ソーシャルメディアがお膳立てしたフラッシュマーケティングの隆盛

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「いいね!」でつなごう、共同購入の輪っ!
......は、これ以上日本でも拡大するか?
「グルーポン」に代表されるようなウェブ上の共同購入サービス、"フラッシュマーケティング"が日本でも加速中だ。実は90年代から存在していたこれらに今火がついたのには、ツイッターやフェースブックなどソーシャルメディアの普及があってこそのものだという。  ここ最近、「フラッシュマーケティング」と呼ばれるウェブのサービスがものすごい勢いで盛り上がっている。これはグループバイイング(共同購入)とかソーシャルコマースとも呼ばれていて、アメリカのグルーポン(Groupon)が代表的だ。人数が集まれば安価に商品を購入でき、その人数をネット上で集めてみんなで盛り上がろうというものである。  かなり興味深い新しいサービスなのだが、誰にでもまねしやすいシンプルな構造なので、類似のサービスを立ち上げる企業がそれこそ雨後のタケノコのように現れてきている。なんと毎日新聞でさえも「毎ポン」という名称で参入しているほどだから、市場が成熟する以前にあっという間にレッドオーシャン(市場が過当競争になって血で血を洗う安値競争に陥ること)になっていることがうかがえる。  とはいえ、このフラッシュマーケは非常に興味深いのも事実。まずフラッシュマーケの仕組みを説明しておこう。日本のベンチャーが立ち上げた「ピク(Piku)」というサービスを例にしてみたい。  使い方は簡単で、ピクでメールアドレスとパスワード、それに自分の住んでいる場所を登録してアカウントを取得する。すると地元の割引クーポンがたくさん表示される。 「和食○○の、人気和食コース9000円が、3000円で!」 「あの人気公演のチケット8000円が、5500円」 「セルライトと皮下脂肪をもみほぐして除去! 通常60分9800円が4500円で」  これらのクーポンは日替わりでどんどん掲載されていく。利用したい人は「購入」というボタンをクリックし、クレジットカードで決済する。  とはいえ、これらの割引クーポンは無条件で手に入れられるわけではなく、必要最低申込数が店によって設定されている。たとえば9000円の和食コースが3000円になるクーポンが「100人以上」と設定されていたとすると、100人以上がこのクーポンに申し込まなければ契約は成立せず、3000円のクーポンはゲットできない。しかもクーポンには購入期限もある。  そこで時間内に最低申込数に達するためには、ユーザー同士の協力が必要となってくる。ピクのクーポンの画面には「ミクシィチェック」や「ツイートする」、フェースブックの「いいね!」ボタンが設置されていて、これらのボタンをクリックすると、自分のコメントと一緒にクーポンの情報をミクシィやツイッター、フェースブックなどのソーシャルメディアに流すことができるようになっているのだ。  つまりピクのクーポン情報は、ツイッターやフェースブック、ミクシィのような大きなソーシャルグラフを持つ巨大プラットフォーム上で交換されそこで「今このクーポンが安いみたいだよ」「これいいんじゃない?」といったユーザー同士のさまざまなやりとりが行われるようになる。ピクのウェブサイトでは自前のソーシャルグラフは一切用意していないし、そういう仕組みさえ持っていない。完全にほかのソーシャルグラフに依拠したサービスなのだ。    ピクのサイトではクーポンの情報と、「残り時間あと○時間△分×秒」という刻々変わっていくストップウォッチ、そして必要最低申込数達成まであと何人必要なのかという数字がリアルタイムに表示されて、焦燥感をあおる仕掛けになっている。  ここではだから、「情報を提供する場」と「その情報について人々がやりとりする場」が完全に分離されているということなのだ。そして後者については自前で用意せず、巨大プラットフォームにおんぶにだっこで依存する仕組みになっているのである。