内定取り消しにブラック企業……若年雇用問題の解決に必要な"公共"の精神とは!?【前編】

若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言 ■今回の提言 「個人化された労働者が会社と交渉できるシステムを作れ!」
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ゲスト/坂倉昇平[NPO法人POSSE理事]
     川村遼平[NPO法人POSSE事務局長] ──今回のゲストは、若年層の労働問題の解決・支援に取り組むNPO法人・POSSEの理事・坂倉昇平氏と、同事務局長の川村遼平氏。若者の労働をめぐる状況は悪化の一途をたどっているように見える。この状況を脱するために奮闘するお2人に話を聞いた。

荻上 今回は、若者の労働問題に取り組まれているNPO法人POSSEから、事務局長の川村遼平さんと、広報ミニコミ「POSSE」編集長の坂倉昇平さんをお招きしました。  大きな雇用情勢の流れを見るに、リーマンショックで底をついて以降、世界的には緩やかな回復傾向にある中で、日本は一進一退を繰り返しながらも、なかなか長期不況を脱しきれていない状況です。直近では、全世代的に多少の雇用改善が見られたものの、15~24歳の完全失業率はむしろ上昇、季節調整後の数値は11.1%にも達しています。これはかつて就職氷河期といわれた十数年前よりもさらに悪い。卒業年度の景気は生涯賃金にまで影響を与えるため、これからさらに「失われた世代」が生まれ続けてしまうということです。こうした現状がある中で、まずはPOSSEの活動を立ち上げられた経緯と、問題への取り組みのスタンスをお聞かせ願えますか? 坂倉 POSSEを立ち上げたのは、5年前の2006年です。当時はちょうど非正規雇用の問題が話題になり始めていて、それとセットで「若者がどんどん堕落しているから、非正規になっているんだ」というような自己責任論や俗流若者論が出てきた時期でした。そのため、実際にトラブルを抱える若者の労働相談事業を軸にしながら、まずはマスコミ上での粗雑な議論に対して、若年雇用の実態を正確に把握し、公表するための調査活動が、POSSEとしての最初の活動でした。  一方で、07~08年くらいになるとマスコミの自己責任論に対抗するかたちで「ロスジェネ」(かもがわ出版)などの雑誌が登場して、若者が虐げられている状況や貧困問題を告発する、いわゆるロスジェネ論壇が形成されていきました。そうした動きには社会的な啓発という意義はありましたが、その機運が若者全体に共有され得るものだったかというと、あくまで一部の文化人による表現にとどまり、当事者の間で影響を持ちにくいという印象がありました。既存の言説へのダメ出しが中心で、若者労働者の生活を改善できるような具体的な政策論が語られることはほとんどなかったと思います。    ですから、「こういう実態があって、ひどい」と憂うのではなく、現場に根付いた調査に加え、建設的な政策論を提起していくべきだと考え、情報発信のために自分たちの雑誌の刊行を始めたのです。 川村 僕は07年からPOSSEに参加していますが、現在は板倉が雑誌担当として若者雇用に関してどういう議論があるのかを整理し、僕が個別の労働相談の担当として現場の声をきちんと集め、代表の今野(晴貴)が政策分析をするという役割分担になっています。相談担当としては、月に30件ほどの事案を受け、相談者の雇用状況の改善手段を提示していく。そうして垣間見えてくる実態を、さらにはアンケートなどを通じて調査し、雑誌媒体などで発表していく。これが、僕たちの基本的な問題への取り組み方です。 ■「ブラック企業」と若年雇用の問題の実態 荻上 雑誌「POSSE」の9号では「もう、逃げだせない。ブラック企業」という特集を組まれています。「ブラック企業」というのは、00年代後半に雇用情勢の悪化によって労働環境における被雇用者の立場が弱くなっていくのに呼応するかたちで、その待遇が非人道的であったり、労働基準法に反する理不尽な要求をしてくるような会社を総称するキーワードですね。 坂倉 ブラック企業という言葉は、一般的には「労働関連法令に抵触するような働かせ方をする、特別にひどい会社」というニュアンスで使われていますが、もともと日本の労働環境においては、法令違反や非人道的な働かせ方は一般的でした。サービス残業は常態化し、長時間労働時間への規制が機能せず、過労死ラインを超えて働かせる企業に対する取り締まりすらありません。仕事内容の面でも、会社が労働者の事情を無視した配置転換などの指揮命令権を無限定に発揮することができたりと、労働者が「社畜」とまで揶揄される雇用慣行がまかり通ってきました。ただ、それでも我慢してとにかく会社にしがみついていれば、見返りに長期雇用と年功賃金で生活が守られるという「常識」が存在し、その実態はさほど問題化されなかったのです。もちろん、過労死した労働者や、中小企業の労働者、女性などはその保障の限りではなかったのですが。  しかし、労働政策学者の濱口桂一郎氏が指摘しているように、その長期雇用慣行が崩れ、最近では「試用期間切り」に象徴的ですが、がんばって働いても会社が雇用を保障しないという不安定な状況が広まったことで、これまで問題性が潜在化されていた労働環境が、あらためて「ブラック」として概念化されるようになってきたわけです。 川村 実際に街頭アンケートをしてみて問題だと感じるのが、違法状態を経験している若者は半数以上いるにもかかわらず、そのうちの8割は何もしないで泣き寝入りしてしまうという回答なんですよね。労働相談の現場でも、例えば試用期間であっても労働者をクビにするには一般正社員と同じく合理的な理由がなければならないはずなんですが、「会社と価値観が合わないから」といった非常に曖昧な理由で切られたり、頑張って正社員になって成績を上げていても急に会社とコミュニケーションが取れなくなって、それまで一度も叱責を受けたことのない人がいきなり最低限の評価を食らって辞めさせられたりするケースがよくあります。それでも多くの場合は、辞めさせられた人が「この会社、おかしいじゃないか」と声を上げることなく、しかも自己都合退職を迫られるので、失業保険を3カ月間受給できないというペナルティまで発生してしまう。相談に来る人のほとんどは自分が悪いと思わされてしまっていて、その中で「ただ、自己都合で辞めると困ってしまうから、せめて会社都合で辞めるかたちにしたい」という、本当にギリギリの状況に追い込まれてからの事案が多いんですよね。そういう人たちが異議申し立てとまではいかなくとも、とにかくSOSを発信できるようにしようというのが、僕たちの問題意識です。  ですから、若年雇用の問題が、単にマッチング機会を増大して内定率が回復すればいいんだという数字の議論に落とし込まれてしまうことに対しては非常に疑問を抱いています。
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『テルマエ・ロマエ』に『宇宙兄弟』も──次々と実写化映画が製作される理由とは?

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『We are 宇宙兄弟 vol.2』
──「日刊サイゾー」で話題のあの記事をただ読む以上に、さらなる知識を知りたいそんなアナタのために、話が100倍(当社比)膨らむ" プレミアム"な記事をサイゾー目線で厳選レビュー! 『GANTZ』や『毎日かあさん』、『あしたのジョー』などが続々と公開されるなど、すでにマンガ原作の実写映画はおなじみのものとなっています。そんな中、「2010年マンガ大賞」受賞作の『テルマエ・ロマエ』が、阿部寛主演で実写映画化されることが話題となりました。ほかにも「モーニング」(講談社)で連載中の人気マンガ『宇宙兄弟』も実写映画として製作が進行しており、原作に愛着を持つファンからは、マンガ原作の実写映画にありがちな大幅の改変やミスマッチ感のあるキャスティングを不安視する声も聞こえてきます。  このように、昨今の映画界ではマンガなどの原作ものが尽きることはありません。さらに、こうした原作ものは映画だけにとどまらず、現在では『テニスの王子様』や『忍たま乱太郎』のように舞台化される作品も散見されます。  そこで今回のプレミアサイゾーでは、実写化作品にまつわるお話をピックアップ。マンガの実写化作品が量産される背景からイケメン俳優に聞くマンガキャラを演じる上での苦労、さらには押井守監督が語る『うる星やつら』実写映画の話まで――原作ファンからは"なかったこと"にされることも多い実写化作品。その価値を今再び考えてみてはいかがでしょうか? 【日刊Pick Up記事】 また人気コミックが実写に『テルマエ・ロマエ』阿部寛主演で映画化決定! 2011年3月27日付(日刊サイゾー) ノーモア! 原作レイプ プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:続々と実写映画化される作品たち] 「また原作レイプ!?」人気コミック『宇宙兄弟』小栗旬&岡田将生のW主演で映画化へ 2011年2月16日付(日刊サイゾー) 小栗旬の髪がすごいことになってる。 伝説のコミック『あしたのジョー』NEWS山下智久主演でTBSが実写映画化へ 2010年2月17日付(日刊サイゾー) 香川照之の丹下段平だけは必見。 『GANTZ』『大奥』に『あしたのジョー』......人気マンガ続々実写映画化の悲劇 2010年5月号(プレミアサイゾー) 実写映画化はなぜベストを尽くさないのか。 [レベル2:俳優たちの原作に対する思いとは?] 【芦名星】──「読まれたら恥ずかしいこともある」クール・ビューティの意外な頭の中とは? 2010年11月号(プレミアサイゾー) マンガ化もされた『七瀬3部作』の『七瀬ふたたび』を実写化。 彼女の頭の中では、超能力者の苦悩よりも食欲のほうが勝る!? 【蓮佛美沙子】──「言わなきゃ伝わらない」ツンデレ女優は気持ちを届けることが目標!? 2010年10月号(プレミアサイゾー) 三浦春馬くんとの甘酸っぱい思い出話が? 『テニスの王子様』高橋優太の苦悩と女性への反応「やりきるためにはすね毛もそります!」 2011年1月号(プレミアサイゾー) とんでもない格好や髪の色になることも多々......。 [レベル3:他ジャンルから実写映画に参入する人々] "バカ映画の巨匠"河崎実の逆襲!? 『新・巨人の星』のごとく復活せり 2011年3月25日付(日刊サイゾー) 『あしたのジョー』に続き、『タイガーマスク』実写化の動きもあったとか。 押井守、ご乱心? 「ストーリーもメッセージもない」と公言! 2009年12月号(プレミアサイゾー) 押井監督で『うる星やつら』実写化なんて、また高橋留美子御大がブチ切れちゃうよ! ヤマカンの『私の優しくない先輩』に見るハイブリッドな身体性 2010年9月号(プレミアサイゾー) 実写・アニメともに監督経験のあるヤマカンが実写映画化作品にはぴったりかも!? プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/
テルマエ・ロマエ I 阿部ちゃん、出ちゃってるよ! amazon_associate_logo.jpg

アメリカに担がれたTPPへの参加と"低い"日本の関税率【前編】

──ビデオジャーナリストと社会学者が紡ぐ、ネットの新境地
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 菅直人政権による目玉政策のひとつが、「平成の開国」である。これを実現するためにTPP(環太平洋経済連携協定)への参加を掲げている同政権だが、決定リミットである6月はもうすぐそこに迫っている。こうした中、大手マスメディアは、参加しない場合、「鎖国状態に戻る」「世界経済に取り残されてしまう」と警鐘を鳴らしているが、京都大学大学院助教の中野剛志氏は、これらの指摘は「冗談としか思えないほど、デタラメだ」と一蹴する。中野氏の言は、一体何を意味しているのだろうか? 数字のトリックに見るTPPの危険性について考えてみたい──。 今月のゲスト 中野剛志[京都大学大学院助教]

神保 今回は、菅直人政権が年頭に掲げた3本柱のひとつ「平成の開国」──その具体的な政策として浮き上がってきたTPP問題を取り上げます。自由貿易や保護貿易について、まず僕たちは、やや先入観で考えてしまっている面があるのではないでしょうか? 宮台 僕は2010年からTPPについて「やむなし」という立場を取ってきました。しかし、データを読み解いていくうちに、考え方を変えなければいけないと思うようになりました。  ひとつのきっかけは、韓国のデータです。確かに韓国は、ダイナミックラム、液晶パネル、携帯電話、リチウムイオン電池でも世界でトップクラスのシェアを獲得しています。こうした韓国企業の躍進は、97年の通貨危機以降、積極的なFTA(自由貿易協定)戦略が行われた結果だとされています。「日本の11カ国と比較して韓国は20カ国と倍規模でFTAを結んでおり、だから日本もFTA戦略を取らないと国際的な市場で韓国に負ける」という経団連的な論調に僕も加担してしまったんです。ところがデータをよく見ると、そういう加担がまずいことがわかってきます。日本は外需依存度が17%ですが、韓国は5割を超え、外需依存度がまったく違います。また韓国のGDPのうち2割弱はサムスン関連で一極集中が起こっています。さらに韓国はFTAに引きずられて唐辛子とニンニク以外の農産物関税を撤廃しましたが、結果、中山間地域にほとんど人が住まなくなってしまった。そもそもTPPにはEUも中国も加盟していない。韓国と機能的に等価なFTA戦略の代わりになりません。TPP参加国の中で、日本にとって重要な貿易相手国はアメリカだけ。こうした材料を並べてみると、TPP加盟のエクスキューズとして使われている「韓国」の持つ意味は変わってくるのではないでしょうか。そのほかにも、10月下旬に北海道新聞を除く全新聞が揃ってTPP賛成の社説を書くなど、官邸や経産省のブリーフィングをリピートしている気配があり、変だと思ううちに、あることを思い出したんです。第二次竹下内閣に起こった、日米構造協議につながる流れのことです。日米構造協議の愚昧を訴えてきた僕が、TPPやむなしというのはあり得ない。TPPに対する立場を一貫することより、日米構造協議的なものに対する立場を一貫することを優先せざるを得ません。    各社の社説が揃う背後にはスポンサーシップを握る経済団体があり、他方に経済団体の所属企業の社員を主要メンバーとする労働組合の支持母体を持つ民主党政権がある。とすると、2009年夏にアメリカが突然TPP参加を表明した意味も浮かび上がってきます。アメリカはたぶん「いけるぞ」と思ったんです。 神保 ゲストは『経済はナショナリズムで動く』(PHP研究所)の著者で、経済産業省から現在京都大学大学院に出向中の中野剛志さんです。今回は中野さんが積極的に発信されている「自由貿易のワナ」について議論したいと考えています。  TPPの正式名称は「Trans-Pacific Partnership」。日本では「環太平洋戦略的経済連携協定」と訳されています。現状では、チリ、ブルネイ、ペルー、ニュージーランドの小さな4カ国だけの自由貿易協定ですが、アメリカが加盟の意思を表明したことによって、日本でも交渉に加わるかが議論されるようになりました。菅政権は「平成の開国」の目玉政策として、これを挙げています。この協定に加盟すると、工業品、農業品、金融サービスなどすべての品目の関税を、原則としてすべて撤廃することになる。また、労働など人の移動についても協議するとのことで、「カネと物と人の移動を自由にする自由貿易協定を多国間で結ぶもの」と説明されています。  日本のライバルである韓国はTPPとは別に、アメリカやEUと個別に自由貿易協定を進めている。それらの国と協定を結んでいない日本は韓国の後塵を拝することになり、これは貿易立国としては由々しき事態だと、マスメディアではこんなふうに説明されていますが、TPP推進論のどこがおかしいのか、説明をお願いします。   中野 10年末以降、各新聞社はTPPのメリットを訴え、また「参加しなければ鎖国状態になる」「世界の孤児になる」と極めて激しい言い方をしていますが、冗談を言っているのかと思うくらいデタラメな話ばかりです。  一例を挙げれば、「TPPに参加することで、日本にアジアの成長を取り込むことができる」という意見。TPPに韓国は入らないし、もちろん中国も入らない。T PPの本質は、参加国のGDP規模を見れば一目瞭然です。アメリカが参加国全体のGDPの69.7%、日本が21.8%──つまり、TPP参加国のGDPの91%を日米が占めており、他国は誤差程度の数字。日本にとって輸出先はアメリカしかなく、アメリカにとっても輸出先は日本しかない。アジアなど、まったく関係ないんです。 神保 要するにTPPは、実質日米二国間のFTAと変わらないということですね。ただ、韓国もアメリカとFTAを結んでいるのだから、日本にとっては日米間のFTAでも意味があるじゃないか......という見方もあるでしょう。
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ソーシャルメディアを生かしきるキュレーションってなんだ!?

──激変するITビジネス&カルチャーの深層を抉る!  今、「ソーシャルメディア」が勃興期を迎え、花盛りとなっている。ツイッターやフェイスブックに代表されるこの情報流通形態は、とにかく流れてくる情報の多さが特徴のひとつ。これをさばくために欠かせない"キュレーター"の存在について考察する。
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ソーシャルメディア社会では、多くの情報を見極
める"目利き"の存在が鍵を握る。
 先頃、『キュレーションの時代』 (ちくま新書)という本を上梓した。マスメディアによる情報流通という形態が徐々に衰退に向かって、その代わりにツイッターやフェイスブック、さまざまなクチコミサイトなどのソーシャルメディアを媒介にした情報流通がこれからは主流になっていく。そういう時代においては、無数の情報の中から「どの情報が良い情報なのか?」という選別をしてくれる目利きの人が重要になる。そしてソーシャルメディア上ではそのような目利きの人=キュレーターがあなたの前に無数に立ち現れてくる、というような未来図を描いた。  たとえばツイッターで良い情報をRTしている人もキュレーターだし、たくさんのレストランの中から自分の価値観に基づいてお店を推薦し、「食べログ」などにレビューを書いている人もキュレーターだ。電子書店で書評を書いている人もそうだし、さらにいえば2ちゃんねるなどの「まとめサイト」も立派なキュレーションである。2ちゃんねるには多くの掲示板があり、無数のスレッドが日々立ち上げられている。これらを網羅的に追いかけるのは一般の人にはほとんど不可能で、そこでまとめサイトがどこからか面白いスレッドだけを拾ってきて、しかもその中から意味のある書き込みだけをすくい上げて並べ替える。  キュレーションの定義を、私は「多くの情報を収集し、選別し、意味づけを行って、人々と共有すること」と解説しているが、2ちゃんねるの膨大な書き込みを収集し、そこから意味のある書き込みだけを選別し、それをひとつのストーリーの中に配置してまとめサイトとして配信するという行為は、まさしくキュレーションそのものということなのだ。  そもそもキュレーションを自らの意思と共に行おうという場合には、次のような要素が必要となる。 【1】質の高い情報を紹介していること。 【2】それらの質の高い情報を「どう読み取ればいいのか」という視点をきちんと提供していること。 「質が高い」といっても、「誰が読んでも面白く読める」ということを目指すわけではない。そういう情報はテレビや新聞などのマスメディアに任せておけばいいのだ。そういうマス的な情報を提供するのではなく、もっと専門的な分野で「ニッチだけど、そういう情報を欲しがっている特定少数の人には必ず読んでもらえそう」という分野がキュレーションの主な舞台となる。 「専門分野」という言葉を使うと、「自分にはそんな専門分野はない」「ただの会社員だし」と思う人もいるかもしれない。しかしここでいう専門分野とは、医療とか学術とか企業会計とか、そういう大それた専門分野だけを指しているわけではない。たとえばコンビニでアルバイトしている青年だって、コンビニの仕事の実態やアルバイトという仕事のあり方については、きっと普通の会社員よりずっと多くの知識や考えを持っているはずだ。そうした専門性を、キュレーションで発揮していくような可能性を私は考えている。  そして、このようにして収集した情報に、キュレーターたち自らが、自分の価値観や考え方をコメントして加えていく。「いま注目の記事」「必読」といったコメントだけではなく、「なぜ注目しているのか」「なぜ必読なのか」「なぜお薦めするのか」という自分なりの視座がなければ、受け手の側はその情報をどのように読み解けばいいのかわからない。「注目の記事」「注目の店」という情報だけでは、「自分にとっても注目すべきなのか?」という文脈を認識できないからだ。その部分の文脈をきちんと加えていくことが必要なのである。
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高城 剛の行動原理を解明!? ハイパーすぎる人生&家族論

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インタビューを受ける高城剛氏。
 我々、メディア業界人からすれば、20年近く一線で活躍してきたクリエイター兼実業家。お茶の間からしてみると、ここ2年ばかりよく目にする沢尻エリカの夫。しかも、その実態は謎だらけ。そんな高城氏が、自らの仕事や人生観を綴った著書を上梓したことに際して、「いろいろ面倒なことが起きるから、アノ話はナシ(笑)」という条件でインタビューに応じてくれた。とはいっても、アノ話につながる、高城氏の人生観や結婚観などは聞かずにはいられない。 ──高城さんの新刊のタイトルは『私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明。』(マガジンハウス)。確かに一連の騒動の最中では、「あの男はいったい何をして食ってるんだ!?」という声があったようです。 高城(以下、) 2009年には、いくつかのメディアで「高城は無職、ヒモ!」とかって書かれたからね(笑)。あの時期は2016年の東京オリンピック招致映像の監督をやってました。「10分の映像に6億円も使った」とマスコミに叩かれた、あの作品です。 ──それ、マスコミの格好のネタなのに、まったく報じられていませんね。  いやいや。そうしたら、「高城=無職でヒモ!」ってネガティブ・キャンペーンできなくなるじゃん! その時期、コペンハーゲンでのIOC総会にも選抜メンバーとして出席してました。会場には、日本の新聞記者もたくさんいたはずなんだけどね。まぁ、芸能担当の記者とは違うから、どうでもいいと思ったんだろうね。 ──メディアに「無職」とか「キモイ」と書かれりして、怒ったり、抗議したりしないんですか?  怒るって誰に? ──書いた記者やメディアや、それに乗っかる読者などに対して。  そんなのすべて相手にしてたらキリがないじゃん。僕は王様じゃないし、民やメディアの声を一つひとつ拾い上げ聞き届ける立場でもないしさ。むしろ、なかなか面白いと思ってたけどね。だって、彼らに「無職」と言われても、実際違うし、多くの民の支持がないと、できない仕事ではないしね。 ──理屈はそうでも、他人から批判されたら単純にへこんだりしませんか?  みんな、得体の知れない何かを恐れてるんだよ。本来どうでもいい何かに固執しているんだ。手放せば楽になれるのにね。 ──何かに固執して、恐れて、悩んでいるのが普通の人間の感覚なのではないかと。高城さんみたいに好きなことして生きたいけど、転職ひとつするにもなかなか踏み切れないとか。  あ、会社が嫌だからって、明日辞めようってのはダメだな。新しい会社に行けたとしても、1〜2年で結果を求めちゃダメ。ものごとは最低でも7年スパンで考えろってのが僕の持論なの。転職なら、今いる会社でプロジェクトをひとつ形にするには、2年はかかる。それをひっさげて転職先でうまくいくまで2年。そこからさらに新しい形を生み出すまでさらに2年。プラスアルファで計7年。 ──そこまで見通して辞めるべきだと。  最終的に、この転職はうまくいったと実感できるまで7年はかかる。大事なのは、その7年間のスタートをすぐに切ること。数カ月とか1年くらいの短い間で、今の状況を抜け出て、新天地で好きなことをやろうとするから、負担が大きくて、胃が痛くなるんだよ。 ■自由に移動できることが21世紀のステータス ──本当に住所不定なんですか?  まず、日本には家がない。だから、ホテル住まい。基本は常に海外を移動し続けてるから。ただ、ベースキャンプみたいな場所はあって、08年はロンドン、09年はバルセロナ、10年はオーストラリアに比較的長くいたかな。それ以外はほかの国を移動している。台湾とか香港とかね。今はまたバルセロナが楽しくて、戻りました。 ──そういう生活はいつ頃から?  昔からずっとこんな生活だけど、欧州に転居したのが07年末。その少し前に、東京の不動産やデジタルスタジオを処分したり、会社を若い人たちに譲ったり、あと本やCDも整理して、資産を9割方処分して、どこにでも住めるよう身軽になった。それなりに時間かけて、準備してるんです。だって、不況になって、東京がつまらなくなるのは、4〜5年前にはわかってたからね。それと、ノートパソコンの高機能化と高速インターネットの普及、さらにLCCと、新しい移動生活の準備は世界的に整った。だから今は、世界中を移動しつつ、仕事や生活しています。 ──どうして、そういう生活を?  きっかけは9・11。形あるものは、ビルだろうが、会社だろうが、地位だろうが、財産だろうが、一瞬にして破壊、消滅する可能性があることを教えてくれた。それまでは、デジタルどっぷりだったから。そして、20世紀はモノをため込む時代だったけど、21世紀はモノを持たずに、自由に移動する時代。危機管理もあるしね。だから、7年かけて準備したわけ。だって、地球の反対側までLCCを使えば、お金もかけずに1日で行けるんだよ。PCがあれば、そこで日本の仕事だってできる。この時代を満喫するってことは、そういうことでしょ。インターネットに捕われず、インターネット的に生きる、と。 ──ただ、独身なら自由気ままに移動できても、家庭を持つとそうはいかないとか考えませんか?  そんな常識的な質問が、ウチの家庭に通じると本気で思ってる君のほうが不思議(笑)。僕自身、結婚したら移動しづらくなるなんて、発想をしたことがないよ。なんで? ──普通の男性は、家族の都合を自分のこと以上に考えてしまいます。奥さんの意見とか、子どもの学校とか。  子どもの学校の話を今考えてどうするの(笑)。それ、子どもができる前から悩むべきこと? 今を楽しく生きなければ、楽しい未来はなかなか訪れないと思うんだ。未来のためにがんばってるとしたら、今も楽しいはずじゃん。そして、無理もしない。流されるのは嫌いだけど、流れるようには生きている。どこに向かってるかわからないし、いいか悪いかもわからない。だって、明日死ぬかもしれないじゃん。 ──家族のために、自分のやりたいことを我慢するのは間違っていると。  間違ってるよ。家族のために、自分は嫌だけど我慢するっていうのは、その後、どこかで失敗するでしょ。みんな、そんなネガティブなパワーに左右されてるの? そんなことを問題だと思い込んでることが問題だとわかるかどうかで人生は決まると思うけどな。自分の人生を我慢してつまらないものにしたら、子どもや奥さんだってつまらないでしょう。 ──高城さんは、やりたいことが10あるとすれば、家族があっても10やりきりますか? 9や8にはならない?
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『血だるま剣法』10万円は適正なのか? 本当に高い"封印マンガ"のお値段【前編】

──さまざまな理由で一般の流通からは追放され、古書市場などで扱われている封印マンガ。一見、その出自より、プレミアが付いているかと思われるが、意外にも......。その市場における需要や価格帯について、書店関係者などの証言を元に解き明かす。
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松文館裁判を追った『発禁処分』
 圧力団体からのクレームや出版社の自主規制による回収などによって、市場から封印されたマンガは多い。だが、当特集【3】の対談でも触れているように、"法的な拘束力"により発売・流通を禁止されたマンガはほとんどないのが現状だ。  戦前の1938年に旧内務省が定めた「児童読物改善に関する指示要綱」で発禁処分となった図書33点に含まれている作品以降、同処分となったのは2002年、刑法175条のわいせつ図画頒布罪適用を受けたビューティー・ヘアの『蜜室』【1】くらいだ。しかし、1950年代の「悪書追放運動」や、80年代後半から90年代にかけての「有害コミック規制運動」などにより、出版社側の自主規制により回収、絶版に至った作品は枚挙に暇がない。  いわゆる"封印マンガ"と呼ばれるそれらの作品は、いわくつきということで、一般的な作品よりも希少価値が高いことに疑いはないが、これらの封印マンガが現在の古書業界で一定の市場を形成しているのか、という話になると、多少事情は異なっているようだ。マンガ小売業者や出版関係者の話とともに、当該コミックが問題視された経緯や規制の歴史と併せてひもといてみたい。 ※      ※      ※  まず、マンガに対する批判的な活動が行われたのは戦後間もない55年。PTAらによる「悪書追放運動」がスタートした頃である。問題視されたマンガを学校の校庭に集めて焚書するなど、その活動が過激化、「青少年保護育成条例」が各地方自治体で制定され、その後のマンガ規制の土台が形成されることになったと、規制の歴史に詳しいマンガ家の山本夜羽音氏は語る。 「マンガ批判の風潮が過激化していく中で、批判派と折り合いをつけるために出版社側は自主規制という手法を考案。63年に『出版倫理協議会』が各出版社により結成され、販売自粛や回収といった有害図書に対する出版業界独自の規制を決定していきます」  では当時から現代に至るまで、実際に抗議を受け、問題視された作品にはどんなものがあるのだろうか?差別表現では62年、被差別部落を扱った平田弘史の『血だるま剣法』【2】が部落解放同盟から抗議を受けて絶版。70年には梶原一騎原作・矢口高雄画の『おとこ道』【3】が朝鮮人差別表現を含むと批判され、回収となった。また、75年には手塚治虫の『ブラック・ジャック』で、ロボトミー手術を扱った58話「快楽の座」が掲載された「少年チャンピオン』【4】が精神科医や市民団体から抗議を受け、いまだに単行本や全集に未収録となっている。  ほかにも、80年に実在の中学校名を使用したとして、宮下あきらの『私立極道高校』を掲載した「週刊少年ジャンプ」【5】が自主回収。82年には、スカートめくりで一世を風靡したえびはら武司の『まいっちんぐマチコ先生』【6】が女性差別表現を含むとして抗議を受けている。  90年に入っても、佐藤正の『燃える!お兄さん』(集英社)が学校主事に対する差別表現を問題視され、掲載誌の「週刊少年ジャンプ」【7】が回収される騒動が起こっている。91年には山本英夫の『おカマ白書』【8】が「動くゲイとレズビアンの会(アカー)」から同性愛者への差別表現を指摘され、単行本3巻の発売を見合わせる事態となった。  こうした中、80年代後半になると人種差別問題に関する抗議団体が台頭。89年には、藤子不二雄『オバケのQ太郎』【9】の150話「国際オバケ連合」で、黒人を模したオバケが「黒人差別をなくす会」により問題視され、同回が収録された単行本は回収された。
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【ぱすぽ☆】──10人のアイドルCAと共に空高く離陸せよ

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 ふわふわのミニスカートを翻し、10人の美少女たちが入り乱れて激しくダンス! ぱすぽ☆はそんなアイドルグループだ。09年の結成以来インディーズでライブを積み重ね、4月6日にメジャーデビューを果たす。今、どんな気持ちですか? 根岸愛「最初はただの女子高生だったのに......あっという間ですね」 藤本有紀美「メジャーデビューは目標だったので、すごくうれしい。でも、ここからが本当のスタート。気を引き締めていきます!」  結成時、まず最初に行ったのはライブではなく、街頭での"ティッシュ配り"。正直、先行きに不安を感じませんでしたか? 槙田紗子「それはすごく感じました。『アイドルなのにティッシュ?』って。その時は、こんなに素敵な衣装(所属事務所の先輩・若槻千夏がデザインを担当)も着れるとは思ってなかったし」 佐久間夏帆「でも、途中からは自分たちから『ティッシュ配りやりたいです!』って言ってました。そこから私たちのことを知ってくださった方も多かったんですよね。めげずにがんばってきてよかったなって思います」 「空」「旅」をコンセプトに掲げるぱすぽ☆は、世界観を"キャビンアテンダント"に統一している。ファンを「パッセンジャー」、ライブを「フライト」などと呼んでいるのもそのせいだ。パッセンジャーとの距離感が友達感覚といえるほど近いのも、魅力のひとつ。
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マンガ最大のタブー『ワンピース』──誰も語らないヒットの真相【前編】

──いまや、単行本の累計発行部数が2億部を突破したという『ワンピース』。その圧倒的な認知度や支持率の高さから批判的なコメントはもちろん、まともな批評すら許されがたい状況になっている。いったい何がファンを妄信的にとりこにしているのか。
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 2011年1月31日、集英社は「週刊少年ジャンプ」で連載中の尾田栄一郎『ONE PIECE(以下、ワンピース)』【1】の単行本60巻までの累計発行部数が2億部を突破したことを発表。2月末までに発売される同社全33誌の表紙を『ワンピース』にちなんだものにする「表紙ジャックキャンペーン」を展開。「non-no」4月号や「週刊プレイボーイ」8号などで、タレントがキャラのコスプレをして表紙を飾るなどしている。  こんな例を引くまでもなく、ここ数年の『ワンピース』人気の過熱ぶりには目を見張るものがある。ゲームやフィギュアなど、サブカルチャーのニオイのするコンテンツやプロダクトについて、浅い知識を自慢げに開陳し、一家言ある風を装いたがる矢口真里はご多分に漏れず、多くのタレント、芸人、ミュージシャンらがファンであることを公言。明石家さんままでもが、サンジが恩人のもとを離れ、麦わらの一味に加入するシーンで泣いたと発言している。  また、集英社の雑誌のほか、10年7月には「日経エンタテインメント!」(日経BP社)8月号の表紙にもルフィは登場し、この2月には『クローズアップ現代』(NHK総合)も同作のヒットの理由を探る特集を企画。本誌でも10年11月号で『ワンピース』バブルの過熱ぶりについて報じた。そして、09年末公開の映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』は興行収入48億円を記録し、1月にはアニメ版の制作や版権管理などを手掛ける東映アニメーションが、10年度の『ワンピース』の国内版権売り上げが第3四半期までに前年度通年の4倍近くとなる24億4900万円に上ると推計するなど、メディアミックス事業の成績も上々だ。

『ワンピース』批評はタブー化してる?

 かようにメガヒットコンテンツと化した『ワンピース』ではあるが、その半面、ベストセラーにはつきものの本格的な批評、評論にはなぜかめったに出くわさない。  前出「non-no」において専属モデル・佐藤ありさが「感動できるエピソードが続々と出てきてハマっちゃう」と語るように、ファンを公言するタレントの『ワンピース』評は「泣ける」「燃える」「熱い友情に感動」など、読後感を表すものばかり。「日経エンタテインメント!」が同作の魅力を「夢を抱き、仲間との友情を信じる熱いメッセージ性」「各キャラクターがそれぞれ人生の物語を持っている」「壮大な世界観」とするなど、メディアでの扱いもそう変わらない。 「それだけに、なぜ『ワンピース』が突出した人気を獲得しているのか。理由がよくわからないんですよ」  そう語るのは、『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』(築地書館)などの著書を持つ紙屋高雪氏だ。紙屋氏は10年6月、自身のブログに「なぜ『ワンピース』はつまらないのか?」というエントリを投稿。『ワンピース』は、続々と登場する強大な敵やライバルに打ち勝つスポーツマンガのように物語が進む作品と見受けられるものの、その割にルフィには敵を倒すための努力や勝つための戦略があるようには見えない。しかし、強い信念や決意を表明するための"名言"をことあるごとに絶叫してみせる。そのロジカルではない精神論は苦手だ、としたところ、はてなブックマークに400ものブックマークが寄せられた。 「あの一件では『読者は努力や理屈なんて求めていないのでは』『あのテンポの良さが魅力』『友情と離別の物語が面白いんだ』という指摘を数多く頂きました。それだけに、ロジックを求めた僕が野暮だったのかなぁ、とも思ったものの、じゃあ、なぜ別のマンガじゃダメなんだろう? という疑問も浮かんでしまった。たとえば『SLAM DUNK』【2】だって同じように友情や仲間との絆を描いた作品ですよね。もちろん『SLAM DUNK』もベストセラーですが、なぜ『ワンピース』はそれすらも飛び越えて、日本一売れているマンガたり得ているのか。はてなブックマークはもちろん、マンガ評論家の書評や雑誌の『ワンピース』特集などもマジメに追いかけてみたんですけど、作中に描かれた絆やバトルの素晴らしさを明確に語ることに成功している言説には、残念ながら出会えませんでした」(紙屋氏)  前出『クローズアップ現代』によると、その読者層の9割は19歳以上が占め、全読者の1割以上は50代以上だという。あまりにも多くの大人をそこまで魅了するワケが明確に説明されないのは不思議な話だが、紙屋氏は、その理由のひとつにファン層があるのではないか、と見る。
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茂木健一郎も大激怒! マスメディアの報道倫理は地に落ちたのか!?

──「日刊サイゾー」で話題のあの記事をただ読む以上に、さらなる知識を知りたいそんなアナタのために、話が100倍(当社比)膨らむ" プレミアム"な記事をサイゾー目線で厳選レビュー!
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『マスメディアは何を伝えないか』
 今月3日、京大カンニング騒動が、大手新聞の一面を飾ったことが波乱を読んでいます。今回の騒動を簡単にまとめると、先月25、26日に行われた京都大学の入学試験時に、受験者が試験問題をネット上に投稿して回答を募集しました。この一連のカンニング行為が、偽計業務妨害罪にあたるとして京都大学は被害届けを提出。刑事事件へと発展したこともあり、大手マスコミは連日この事件を大々的に報じています。  しかしその報道の過熱ぶりに対して、ネットを中心に批判が噴出。脳科学者の茂木健一郎氏は、自身のツイッタ―上で「クズ新聞、クズテレビ、クズ大学」とマスコミや大学を斬って捨てました。事実、同日には民主党幹部の献金疑惑なども取りざたされており、一受験者のカンニング行為をめぐる騒動がトップニュースとして伝えられることに、報道としての意義がどの程度あるのかは疑問が生じるところです。  こうしたマスメディアへの批判は、今回のカンニング騒動だけにはとどまりません。先月25日には、ニュージーランド地震を報じるワイドショー「とくダネ!」(フジテレビ)内の被災者インタビューで、レポーターが無神経な質問を繰り返していたとして非難の声があがりました。このように、現在、報道倫理に対して市民の目は厳しく向けられはじめています。  そこで今回のレベルアップ案内では、マスメディアの報道の意義を問う記事をピックアップ! ウィキリークスが揺るがすマスメディアの価値、大相撲八百長問題の裏にも潜む記者クラブの存在から、知的障害者の犯罪報道をめぐる議論まで──。ネット・ジャーナリズムが隆盛する現代。問われるマスメディアの価値はいかほどか!? 【日刊Pick Up記事】 「得をしたのはワイドショーだけ」京大カンニング騒動 受験生の逮捕は"生贄"か 2011日3月9日付(日刊サイゾー) 倒れた被災者に「ちょっとそのまま!?」 NZ震災報道で問われる日本マスコミのモラル 2011日3月1日付(日刊サイゾー) マスメディアの報道倫理を問う! プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:台頭するネット・ジャーナリズム] ニュースサイトは新聞を殺すのか? 2009年1月号(プレミアサイゾー) もう死にかけてますけどね。 ウィキリークスは情報社会の9・11か 『日本人が知らないウィキリークス』 2011年2月21日付(日刊サイゾー) "ジュリアン・アサンジ"しか知らない人もぜひ。 尖閣ビデオとウィキリークスが突きつけた メディアの真価への問い 2011年1月号(プレミアサイゾー) YouTube画面をしたり顔で放送するテレビって......。 [レベル2:ちょう落するマスメディアへの信頼] マスコミ業界──広告費激減に揺れるテレビと堅実経営にシフトする全国紙の明暗 2011年2月号(プレミアサイゾー) テレビ局の使命は広告主の意向を伝えること!? マスコミが利権を持つという末期的状況とその打開策 2008年11月号(プレミアサイゾー) テレビ局・新聞社「俺らが日本全体を守ってる(キリッ)」 「噂の真相」元編集長・岡留安則が嘆く雑誌ジャーナリズムの諸行無常 2010年4月号(プレミアサイゾー) 新聞・テレビはもちろん、週刊誌やネットにもジャーナリズムは感じない!? [レベル3:報道をゆがめる記者クラブの罪] 「親方衆と一緒に旅行も」相撲御用マスコミに八百長疑惑の追及は不可能か 2011日2月19日付(日刊サイゾー) 身内の不祥事は極力報道しない、というプライド。 国民の敵か味方か!? 『記者クラブ』を断罪する!! 2010年2月号(プレミアサイゾー) 記者クラブの良いところを教えてもらいたいな。 [レベル4:マスコミの裏に透けて見える権力] 事件を密着取材していた民放キー局取材班の不可解な動き 2010年12月8日付(日刊サイゾー) 報道しないのがマスコミの正義なんですって。 [レベル5:報道倫理を見つめ直す] 事件報道はいかにあるべきか? "知的障害者"犯罪報道の是非 2009年3月号(プレミアサイゾー) 人権にまでかかわる同問題を真っ向から考えます。 プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/
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エジプト反政府デモが世界の経済システムを揺るがす!? 民主化をめぐるアメリカの誤算とは

国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか......気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。
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第8回テーマ 「アメリカの覇権、その正当性」 [今月の副読本] 『千のプラトー 資本主義と分裂症』上巻 ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ著/河出文庫(10年)/1260円 複雑に入り組んだ資本主義のダイナミズムをさまざまな手法で読み解いた著者らによる代表作のひとつ。抽象機械や戦争機械など、新たな概念を持ち込んだ、現代人のための倫理指針としても名高い一冊。

 2011年になって中東地域が一気に揺らぎ始めました。まずはチュニジアで大規模な反政府デモが勃発し、23年も続いたベンアリ政権が崩壊しました。次にエジプトでも反政府デモが全土に広がり、30年にわたって強権支配を続けてきたムバラク大統領は、次期大統領選には出馬しないことを表明しました(2月1日現在)。こうした反政府デモの動きは中東各地に飛び火し、この地域の長期独裁政権を次々と揺るがしています。例えばイエメンでも、南北イエメン統合後約20年にわたって大統領の地位に就いていたサレハ大統領が、任期が終わる13年で退陣することを表明しました(2月2日)。ヨルダンでも2月1日に、アブドラ国王が抗議デモを受けてリファイ首相を更迭しています。  もしかしたらこれら一連の動きは、1989~91年に東欧の社会主義国が民主化した動きに匹敵するくらい、大きな歴史的転換をもたらすかもしれません。ただし民主化といっても、今回は、民意を受けたイスラム原理主義がこの地域で広く台頭してしまう可能性もなくはありません。かなり流動的な状況にあるわけですね。  では、何がこうした流動的な状況を中東地域にもたらしたのでしょうか。もちろんそこには、政権の腐敗や失業率の上昇など、さまざまな要因があります。が、もう少し大きな歴史構造的視点から見ると、03年のイラク戦争がひとつの遠因になっていることがわかります。  どういうことでしょうか。それを理解するために、まずはイラク戦争の原因について考えましょう。  なぜブッシュ政権のアメリカがイラクを攻撃したのか、という問題については、いろいろな原因を考えることができます。当初、アメリカはイラクが大量破壊兵器を密かに保有していると主張し、自国の安全保障のためにイラクを攻撃しようとしました。しかし、国連による全面査察が行われても、アメリカが主張するような大量破壊兵器は何も出てこず、結局アメリカは理由が曖昧なままイラク戦争に踏み切りました。イラク戦争後のアメリカによる占領統治においても、大量破壊兵器は見つかっていません。  このような経緯から、アメリカがイラクを攻撃したのは、イラクの石油利権を牛耳りたかったからだ、という説が多くの人から聞かれるようになりました。しかしこの説はそれほど正しくありません。というのも、70年代に産油国では資源ナショナリズムが勃興し、イラクを含めた中東産油国の油田資産はほとんど国有化されてしまったので、たとえアメリカのような覇権国であっても、戦争によって中東地域の石油利権を牛耳るなどということは、そもそも不可能だからです。事実、イラクでは03年4月のフセイン政権崩壊以降、新たな石油開発はほとんどなされず、09年になってようやく、外国の石油資本が油田開発権を獲得するための国際入札が行われました。そして、この入札によってイラク政府が外資と結んだ石油開発契約12件のうち、アメリカ資本は2件しかかかわっていないのです(アメリカ資本がオペレーター企業になれたのは、そのうちの1件だけです)。さらにいえば、アメリカの全石油消費量のうち、中東地域からの輸入原油の比率は1割台しかありません。約9割の日本とはまったく対照的です。中東産の原油に対するアメリカの依存度は驚くほど低いのです。アメリカにとって、イラクの石油利権を軍事力によって無理やり牛耳らなくてはならない必要性はどこにもなく、またそれができる可能性もないのです。  イラク戦争と石油ということでいうならば、むしろ00年にフセインが、今後は石油輸出代金の決済をドルではなくユーロで行うと宣言したことのほうが重要です。なぜなら、それはドル基軸通貨体制の根幹に挑戦するものだったからです。
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