死の匂いをメディアが排除する! ジャーナリストが見た軍事的リアリズム【前編】

──若手専門家による、半熟社会をアップデートする戦略提言
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■今月の提言 「政治も今後の安保論議も 自衛隊が持つ現実性に学べ!」 ゲスト/田上順唯[フリージャーナリスト]  1954年の創設以来、数々の議論を呼んできた自衛隊。東日本大震災では、救援活動や原発事故への対応などをめぐり、活躍がクローズアップされた。これを機に、彼らを取り巻く状況や議論の争点も変わってゆくだろう。自衛隊への密着取材を続けてきたジャーナリスト・田上順唯氏と、そうした動きの内実と今後の展開を考える。 荻上 本連載ではここ2回、東日本大震災に関連するテーマとして、被災地での復興支援や医療に関する問題を取り上げました。それらの課題に加えて、被災地での救助活動などを通じてあらためてクローズアップされているのが、なんといっても自衛隊という存在です。  言うまでもなくこの国は、憲法9条との矛盾をはらんだ自衛隊という機関をめぐり、肯定的な立場と否定的な立場とに別れ、それぞれのイデオロギーに基づく綱引きや論争を伝統芸のように続けてきました。それは、原発問題のスイシン派とハンタイ派以上に強力で、固着的なものでもあった。ただ、今回の震災での災害救助活動ひとつとっても、そうした価値論争とは別のレベルで、現地のニーズへの対応や組織の在り方などが適切だったかどうか、現実に即した議論も必要になります。それはもちろん、「対災害」を含めた、日本の安全保障の問題をこれから長期的にどう議論していくべきなのかという大きな論点のもと、丁寧に行われなくてはなりません。    そこで今回は、主に安全保障の問題に取り組まれ、自衛隊の取材も続けておられるフリージャーナリストの田上順唯さんをお招きしました。まず、田上さんが実際に被災地で取材された中で見聞きした、隊員の災害派遣に対する意識がどうだったのかをお聞かせいただけますか。 田上 宮城の被災地に行ったのは4月11日でした。現地も混乱しているので、事前に情報を集め、現地の自衛隊部隊にお邪魔しましたが、彼らの口からよく出てきたのは「これは有事だ」ということ。日本では「有事」という言葉は、国と国との武力衝突に限った狭い意味でしかイメージされず、特に左翼の人々は強いアレルギーを持っていますが、現場の隊員にとっては、自然災害であっても敵からの攻撃であっても、国民の生命財産に対する破壊という意味では同じです。実際、災害派遣でやっていることは、まず偵察隊が情報を収集し、本隊を呼んで補給線を確立して......といった作戦行動であり、外国から攻められた場合とでは、弾を撃つか撃たないかの違いしかない。  なので、お会いした自衛隊の方たちは、「我々はライフルをスコップに持ち替えて戦っている」という認識を皆お持ちで、さらには「自分たちが国の最後の砦。ここでどうにかせねば、復興のフの字も始まらない」という、背水の陣で臨む高いモチベーションを感じました。 ■冷戦構造崩壊を経て変化したドクトリン 荻上 戦後の長い間、「有事」という概念は日本人にとって非常に日常から遠いものでした。しかし3・11以後は、被災地との距離感にもよりますが、少なくとも日本国内に「有事こそが日常」になった人たちも相当な割合でいて、節電などの形で国民全体が共有する感覚が生まれたと思います。「社会」や「国家」を強く意識せざるをえない環境の中で、逆に3・11以前から潜んでいた、「平時」にも抱えていた諸問題が露骨に顕在化するケースが見受けられたのですが、今回の自衛隊の災害派遣についてはいかがでしょうか。 田上 自衛隊に割かれた防衛予算が諸外国に比べて高いとずっと言われていますが、その大部分が人件費と糧食費なんですよね。それを除いた正面装備に回されるお金が、総額として多いのか少ないのかはわかりませんが、現場レベルで適切な配分がされていないのは確かだと思います。  自衛隊の装備品は部隊単位ごとに編成表で定められていて、例えば普通科(歩兵)中隊なら小銃何丁、機関銃何丁、対戦車ロケット何門というように、書類上では配備されていることになっています。しかし、実際には予算がつかなくて配備されていない、あるいはゲリラなどに対処する一線部隊に貸し出されていたりして本当は「アレもないコレもない」というケースが非常に多いんです。  今回の災害派遣に即して言えば、いかなる地形地物も克服する上で機械化が不可欠でしたが、ジープやヘリの数が足りずに運用に支障が出たり、施設科(工兵)部隊のショベルカーなどの重機が足りず、結果的にスピードが要求される発災直後の救助活動で人力に頼らざるを得ず、人員に過度の負担が集中しました。そういう部隊レベルの具体的な問題は山ほど明らかになったでしょう。 荻上 では、ここ数年は国際情勢や国家財政の悪化を理由に、「軍縮」の動きが取り沙汰されていましたが、そうした議論への見直しなどが起こるのでしょうか。
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ヤクザとつながる芸能人はコイツだ!紳助騒動で振り返るタレント派閥と裏社会人脈

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 8月23日、タレントの島田紳助が緊急引退会見を行い、大きな話題となりました。氏は6年ほど前から、暴力団関係者との間で親密なメールのやり取りをしていたことが発覚。会見の中で、「所属する吉本興業との話し合いの結果、芸能界を引退することを決定した」と明らかにしました。  暴力団関係者とのつながりに関して「この程度の付き合いはセーフだと思っていた」と語っていた紳助。しかし、30日発売の「週刊朝日」(朝日新聞出版)では、件の暴力団関係者とのメール106件の内容を詳細に報じています。その中には、紳助が暴力団幹部のために芸能イベントチケットを手配する様子や、組の会長と電話したことなどが書かれており、組織自体との親密な付き合いをうかがわせるものでした。  そこで、今回のレベルアップ案内は「島田紳助引退の裏側」を大特集。大物演歌歌手や人気ダンスヴォーカルグループまでが飛び出す芸能界の黒い人脈から"東京03事件"が尾を引いたテレビ業界における"島田紳助外し"の噂、紳助がちょう愛していた女子アナなどなど――島田紳助にかかわる芸能記事を一挙大放出しちゃいます。警察庁の安藤隆春長官が今月1日の定例会見で、「芸能界も暴力団との関係遮断を実現しなければならない」と述べるなど、たびたび問題となる芸能人と暴力団の関わり。この騒動をきっかけに業界の浄化運動がはじまるのか......。叩けばホコリが出そうな芸能人が盛りだくさんです! 【PickUp記事】 島田紳助芸能界引退!「明日からは一般人、ウソを書かれれば告訴できる」 2011年8月23日付(日刊サイゾー) 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:紳助だけじゃない! 芸能人とヤクザの蜜月] 角界以上に華々しい!? 大物芸能人とヤクザとの交友録 2010年9月号(プレミアサイゾー) 『オールスター感謝祭』ができるくらい、有名芸能人がたくさん。 それでも暴力団と付き合い続ける芸能界の懲りない面々【1】 2009年11月号(プレミアサイゾー) 付き合いを改めないと、誰かさんみたいになっちゃいますよ。 「メールで引退なら演歌はみんな永久追放!?」音楽界と暴力団の切っても切れない関係 2011年8月28日付(日刊サイゾー) 暴力団とのつながりこそ、日本の心? [レベル2:引退の裏にあった水面下の動向] 羽賀事件の裏で狙われる、大物芸能人の「危険度」 2007年9月18日付(日刊サイゾー) あれ? このAってもしかして...... 「ずっと紳助を切りたかった!?」吉本に"親密メール"を持ち込んだ闇人物とは 2011年8月27日付(日刊サイゾー) "芸能界の大物"あの御方にはやっぱり誰も逆らえない!? "島田紳助外し"の流れが加速中! 本人もテレビには執着なし? 2011年2月号(プレミアサイゾー) 吉本と本人にとっても利害が一致していた? [レベル3:今、振り返る島田紳助の軌跡] 松本人志、明石家さんま、そして島田紳助まで! 人気芸人を"作る"芸人派閥の傾向と功罪 2008年12月号(プレミアサイゾー) 紳助の人脈の広さがアダとなっちゃいました。 芸能人の「慰安番組」が跋扈する"下流メディア"テレビの瀕死ぶり コラムニストの小田嶋隆が語るこんな司会者は消えろ! 2008年7月号(プレミアサイゾー) 本当にテレビから消えちゃった! フジ・中野美奈子の人気のウラにとんねるずの影あり!! "芸人いじり"のテクニックと女子アナブームの意外な関係 2008年12月号(プレミアサイゾー) 紳助お気に入りの女子アナはKとS! グラビア事務所が続々「寿司はせ川」へ"島田紳助参り"する理由 2008年12月30日付(日刊サイゾー) 引退したら、客足が遠のいちゃう!? 儲からなくてもうま味はいっぱい! 芸能プロ&有名人が飲食店を経営するワケ 2010年3月号(プレミアサイゾー) 飲食店の開業には当然、不動産もからんでくるわけで...... ■プレミアサイゾーとは? 雑誌サイゾーのほぼ全記事が、月額525円で読み放題!(バックナンバー含む) プレミアサイゾー初月無料キャンペーン実施中!! (2011年9月30日まで) 詳しくはこちら

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東北←→全国で風俗嬢のバーターが発生! 東北風俗業界と女の子の今

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鈴木大介氏の著書『家のない少女た
ち』
──被災地のさまざまな情報が飛び交ったこの半年。震災直後から実話誌などでは、現地の風俗の状況も報じられてきたが、そもそも以前から、東北の風俗文化は東京のそれとは大きく異なっていたのだという。そうした背景から出発し、東北の現在の風俗の状況を、そこに群がる裏社会の住人たちの証言を元に追っていく。  あの3月11日直後、さまざまな"裏産業"が時節を逃すまいとばかりに一気に動いた。治安が低下した被災地を狙った窃盗団に、被災者の急場につけ込んだ闇金融業や、震災便乗詐欺等々(特集『裏社会が群がる復興シノギ』参照)。だがそんな中で最も初期から「震災便乗」を狙った業界が、風俗産業だった。 「あの日、地震があって事務所に戻ってテレビをつけた瞬間、あのハンパない津波の映像が流れて、ピンときましたね。不謹慎だけど、これはとてつもないチャンスが来たんじゃないかと。これだけひどい災害があれば、復興に向けてボランティアや建築業の人間や自衛隊なんかの、すさまじい数の男が現地に向かうはず。これは震災特需だ! って」  そう語るのは、都内でフリーランスのスカウト業をする小山氏(仮名)。彼がそう直感したのは、あの阪神淡路大震災でも同じような特需が発生したことが、業界で伝説的に語られていたからだという。契約しているスカウト会社の幹部からは「足が確保できるなら、すぐ現地に行ってみてほしい」と、即ゴーサインが出た。だが3月末、交通網が復旧し、被災地に炊き出し支援に向かう都内暴力団関係者の車に同乗させてもらって宮城県に向かった小山氏が見たのは、想定外の光景だったという。「これは、特需どころじゃない」。そう思ったそうだ。 「まず『東京の業者が東京の女の子を連れていって、進出できるのか』と、逆に『現地で風俗をしている子や家を失った子を、東京に呼び寄せられないか』という両面からの視察だった。事前に聞いていたのは、震災で倒壊しなかった風俗店に客が集まって大入りとか、『家を流された女の子が店で働いているので、ぜひ遊んでお金を落としてください』なんていう路上のポン引きが大活躍してるとか。実際、被災した子を雇う店は多いんだけど、景気がいいって話は全部ガセ。まず現地の雰囲気は自粛ムードで、風俗どころか飲みに行くのも気が引けるような感じだった。そして意外だったのは、東北の風俗業者はほとんどが経営者の横のつながりのあるチェーン店で、店を失った女の子や男性スタッフが無事な店にたくさん避難してきて、完全な人余りの状態だったんです」(小山氏)  東北風俗は、予想外の「互助社会」だったというのだ。ある風俗チェーン店では、震災で家を失った店舗型風俗の女性やスタッフを集め、系列店のデリヘル業者が契約していたラブホテルを避難部屋にして住まわせることまでしていたという。  これでは、関東業者進出の余地を狙うどころではない。さらに、人余りなら関東に避難しつつ働けば......という申し出も、ほぼ全滅した。 「『家族がいるから東京には行けない』と言う子がほとんどで、アレ? っと思った」(同)  小山氏が感じた違和感は、現地を訪れた風俗関係者が一様に感じたものだったという。そもそも東京近郊で風俗に勤める女性の多くは、家族や社会のあらゆるコミュニティから抜け落ちてしまった「無支援者」であるケースが多い。ところが東北の風俗産業はまったく逆で、誰かを守るために風俗を選ぶというパターンが多いという。いわく「二大就労理由は、親を養うためと兄弟の学費」(小山氏)。稼ぎの悪い夫、時には親戚や親戚の子どもまでを、自らの風俗の稼ぎで養っているというのだ。  同じく現地を訪れたスカウト会社幹部が言う。 「現地の店は、震災後で人余りの状態でも、風俗経験のない被災者の女の子をどんどん雇っていた。東京なら面接を通らない不細工な子でも採用してるのを見て、ビックリした」 ■車内本番で5000円 現地で進んだ価格崩壊  一方そんな中、実際に「特需」を迎えていた業態もあった。店舗型風俗とは違って自粛感情とは関係なく、目立たず利用できる派遣型風俗のデリヘルや、出会い系サイトを使って営業する裏風俗の援デリ業者だ。当然ながらこちらも現地進出しようともくろんだ関東の業者がいたが、ゴールデンウィーク直前に実際に現地に向かったという援デリ業者は、眉を寄せて語る。 「価格崩壊が起きてたんですね。客はラブホテル代も払えないし、ボイラーが機能してないホテルも多くて、プレイは車内。それでも金が足りないからと、そこで本番行為をしても5000円などという、関東では考えられない価格で対応する業者すらいるんだから。女の子も被災しててお金がないから、そんな額でも働く。しかも客の中には家族を失った被災者も多くて、寂しくて話を聞いてほしくて女の子を呼ぶんだよ。同情して泣きながら帰ってくる女の子もいるって」  これもまた、被災地以外の女性を連れていったところでメリットは何もない。そもそも援デリ業者は震災前から東北に援デリ業態を定着させようと挑戦して、失敗してきた経緯がある。
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■プレミアサイゾーとは? 雑誌サイゾーのほぼ全記事が、月額525円で読み放題!(バックナンバー含む) プレミアサイゾー初月無料キャンペーン実施中!! (2011年9月30日まで) 詳しくはこちら 【プレミア関連記事】福祉から無視され続ける社会的弱者としての売春少女たち【前編】「処女は恥!」「ランドセル売春」......ゼロ年代末期の10代セックス事情を緊急調査世界に冠たるフーゾク大国日本で歴史ある「裏風俗」が壊滅寸前の危機!?

火葬されてもやっぱり産業廃棄物! 法なきペット葬祭業界の光と影

──90年代のペットブーム以降、ペット業界にはびこる闇組織や暴力団のニュースは絶えない。そんな中、業者が増え続けるペット葬儀に関しても、トラブルが頻発しているようだ。法規制のない同業界に参入するヤクザの荒らしや、焼き芋屋台感覚で営業する移動火葬車の実態を、改めて検証してみたい。
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全国ペット霊園協会の伊東氏が代表を務める「日
本ペットセレモ」の敷地内に設置された合同墓地。
キレイに掃除され、花も生け変えられていた。
 2010年3月、埼玉県飯能市の正丸峠に大量の犬や猫の死骸が捨てられているのが発見された。廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で逮捕、起訴されたのは、「花園ペット祭典」を経営する阿部忍被告。飼い主から火葬するといって預かった遺体の一部を、そのまま山中に捨てていたという。被害者の会の遺骨回収にボランティアとして参加し、裁判を傍聴した男性A氏はこう証言する。 「阿部被告は自前で火葬炉を持っていなかったので、近所の葬祭業者に頼んでいたそうです。一体ずつ火葬するとコストがかかるので、何体かまとめて焼いてもらい、その遺骨を適当にわけて、飼い犬や猫のものと見せかけて飼い主に渡していた。そうすればすべてを焼く必要がなくなるので、余った分を山中に捨てていたようですね」  また、飼い主からペットの死体の"処分"を依頼される場合もあり、それらも火葬せずに山中に投棄していたのだという。阿部被告が立件されたのは14体の死骸投棄についてだが、A氏によれば、実際に山中に投棄されたのは「自分が回収に参加した時だけで200個の頭蓋骨があり、すべて合わせると500体」にも上るそうだ。  昨今、このような飼い主の心情を踏みにじるペット葬祭業者のトラブルが頻発している。ホームページの料金表を見てペットの火葬を依頼した都内在住のある女性は、火葬が始まった後、オプション料金などと称して、予定費用の10倍近い30万円余りの代金を業者から請求された。ほかにも消費者庁には、「火葬した遺骨を引き取ったところ、中に犬歯が6本(犬の犬歯は4本)入っていた」「ほかの犬の首輪の金属部分が含まれていた」など、勝手な合同火葬や遺骨の入れ替えと思われるトラブルについての相談が寄せられている。さらに、東京都板橋区では、ペット葬祭場の建設反対運動が起こり、裁判所が火葬炉の使用禁止命令を下すなどの例もあった。  こうしたトラブルが後を絶たないのはなぜか。その一因は、ペット葬祭業者の急激な増加にあるようだ。マンションやアパート住まいで埋葬する場所がない場合や、ペットの家族化などで心情的にそのまま庭に埋められない人が増え、同業界の需要は一気に増えた。「全国ペット霊園協会」の伊東正和氏によれば、「ペットの葬祭業者は20年ほど前から増え始め、この10年で急激に増加しました。現在、全国の業者数はおよそ800社、うち、400~500社は移動火葬車【編註:移動しながらペット火葬をするための、火葬炉を積んだ車のこと】のみの業者といわれている」そうだ。  しかし、全国ペット霊園協会を設立しても、自社で火葬炉を持ち、同協会に加盟しているのは70社余り。250億円規模ともいわれる巨大市場を持つ同業界だが(『ペット葬儀・霊園市場の現状と将来展望』/09年、株式会社JPRより)、実は、冒頭の事件のような遺体の不法投棄などを起こさない限り、悪徳な運営を取り締まる法律はなく、監督官庁も存在しないのだという(当特集【3】参照)。とすれば、申請や審査などの手間がかからず、新規参入もしやすい。ところが、「この新規参入の容易さこそ、悪徳業者を増やす要因となっている」と伊東氏は指摘する。 「はっきり言って、我々のように真面目にやったら、ビジネスとして成り立たせるのは難しい業界です。火葬炉を作るだけで500~1000万円。更地から始めると、土地代に加え、事務所の建物や墓、供養塔の建設など、初期費用が億単位でかかることもある。しかもペット葬祭は人間の場合と違い、火葬から葬儀、埋葬、遺族のケアまですべてやるため、人件費もかかります。それで、1回の葬儀費用は全国平均で3万円前後くらい。うちの会社でも、動物病院などからのご紹介を受けて、ひと月せいぜい180~190件の葬儀です。参入したもののあまり儲からないため、あくどいやり方に走る業者も中にはいるみたいですね」(同)  とはいえ、飯能市の事件のように、いくらでも利ざやを稼ぐ方法があるのも事実。そもそも、「葬祭」という、もともとあまり好まれない業種であることから、90年代にはバブル崩壊で土地の使い道に困った反社会勢力の参入が増え、これがトラブルの増加を助長しているという。 「確かに、ペットショップやブリーダー、人間の葬儀業者は儲かっていますから、簡単に参入できるペット葬祭業にそういった人たちが目をつけてもおかしくはありません」(同)
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■プレミアサイゾーとは? 雑誌サイゾーのほぼ全記事が、月額525円で読み放題!(バックナンバー含む) 詳しくはこちら 【プレミア関連記事】ブームの裏で聞こえる犬猫の鳴き声──利益優先のペットビズは動物愛護法改正でどう変わる?「女性タレントS・Eや女優T・Hは飼い主失格!?」究極のペット業界覆面座談会ワシントン条約は意味なし!? "違法動物"がこんなに日本に!!【1】

中国のマフィアとグルメに詳しい賢人が語る「誰も知らない"チャイナタウン"裏ガイド」

──先日錦糸町で起きた傷害事件により、中国残留孤児2・3世グループ「怒羅権」の名を耳にした人も多いだろう。事件現場となったのは、人気中華料理店「天安門」。まるで任侠映画のワンシーンのようなこのシチュエーションは、いまだ健在ということだろうか。ここでは読者の皆様を、ちょっと危険な中華料理店へと誘いたい。
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不況で客足が減ったとはいえ、平日夜で
もにぎわいを見せる歌舞伎町。ここから
1歩踏み入れたところに、李小牧氏の「湖
南菜館」も軒を連ねる。
 今年6月、警視庁組織犯罪対策2課は、指定暴力団住吉会系組員と口論になり、近くの中華料理店から持ち出した包丁で相手の耳を切り落とすなどの重傷を負わせたとして、「怒羅権(ドラゴン)」のメンバーを逮捕した。「怒羅権」とは中国残留孤児2・3世らを中心として80年代末に結成された、裏社会に精通するグループのこと。この残忍な手口で初対面の暴力団組員を襲撃した事件は、記憶に新しいところだろう。ちなみに、メンバーが包丁を持ち出した錦糸町の中華料理店「天安門」は怒羅権のリーダーの親族が経営しており、警察当局の家宅捜索を受けるなど、「中国マフィアの拠点か?」という観測も乱れ飛んでいる。中華料理店が裏社会の拠点──そんな映画のような設定が、現実にもあるのだろうか?  本誌は、さっそく中国マフィアが暗躍する(?)裏社会に取材を敢行。歌舞伎町案内人の李小牧(リー・シャム)氏、そして東京アンダーグラウンドシーンの取材を精力的にこなす李策(リ・チェク)氏に、"中国マフィアと飲食店の、切っても切れない関係"について話を聞いた。 「中華料理店と中国人ワル、不良のつながりは、もちろんあるよ。彼らが会食でよく使うのは、中華料理店だからね。うちの店(湖南菜館/当特集【2】参照)にも某グループのドンが来たことがあるし。ただ、『マフィア』となると話は別かな。中国マフィアが歌舞伎町などを闊歩していたのは90年代の初めから2003年ぐらいまで。今はせいぜい、『不良グループ』といったところ。しかも、彼らが直接経営しているというお店は、今はあんまりないよね」(李小牧氏)  中国マフィアは、もういない? かつては血で血を洗う抗争が、歌舞伎町を震撼させたというが......? 「歌舞伎町で抗争を繰り広げていたのは北京グループと上海グループですが、最近はまったく話を聞くことはないですね。以前は、中国人が経営する飲食店にいると、なんかおじさんが入ってきたな~と思った瞬間に、従業員に緊張が走り、店の空気が一変する、つまりグループの顔役が登場するなんてことも、しょっちゅうありました」(李策氏) 「かつて、中国、韓国、東南アジアの犯罪者たちにとって、入国審査の楽な日本は黄金郷だった」と策氏は振り返る。往時は、薬物や盗品、犯罪の密議などが中華料理店を舞台に行われていたのだろうか? 「確かに昔はあったね。Kという、盗品をさばくために使われる料理店もあった。どうしてもその名残を調べたいなら、中国人グループの出身地域に関連した料理店を調べてみたらいいよ。なんでも食べる日本人と違って、中国人は食にはすごく頑固。食べ慣れた出身地の料理しか食べない。いくら美味しいと言われても、違う地域の料理を好きになることはあり得ないから」(李小牧氏)  確かに、中国マフィアは出身地ごとに綿密に区分けされ、個々に対抗しながら勢力を伸ばしてきた。そしてどうやら、その勃興には中華料理店が密接にかかわってきたともいえるようだ。ここでは、李小牧氏、李策氏のナビにより、歌舞伎町の中国マフィア興亡史を紐解いてみよう。
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キャバ嬢から女子大生まで──親分が畏怖する"極道の妻たち"

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家田荘子の『極道の妻たち』
──山口組六代目司忍組長の出所、大物ヤクザの自伝『憚りながら』(宝島社)やヤクザ社会のルポルタージュ『ヤクザの修羅場』(文春新書)が話題になる昨今、ヤクザたちを支える現在の「極道の妻たち」はどのような存在になっているのか? 現役の極妻さんたちに聞いてみると、バラエティに富んだ素顔が......。 「あんた、指詰めなアカンよ」  岩下志麻演じる「姐」が服役中の夫に代わってスゴむと、子分たちはひれ伏さんばかりに萎縮する──。  これは、作家・家田荘子原作の映画『極道の妻(おんな)たち』(1986年)で、縄張り内で起こったトラブルの責任を取れと姐が子分にタンカを切るワンシーンだ。極道の世界を女性の視点から見る斬新な設定と、役柄にマッチした岩下の好演により、同作は高い評価を得た。それゆえ、多くの人が思い描く"極道の妻"のステレオタイプなイメージは出演する女優たちに近いだろう。  実際『極道の~』は、本職からも大人気だったようだ。岩下も、新幹線で「ホンモノ」からあいさつされたことがあるというエピソードは、この世界ではつとに有名だと広域指定組織三次団体幹部を夫に持つ極妻Aさんは語る。 「ただ、あれはあくまでフィクション。極妻同士の盃(親分と子分の関係になる)など、絶対あり得ない話も多い。日本全国どこの組織でもそうですが、極道は究極の男の世界。女が口を出すなんて許されないし、もし出したら夫が笑われます。いくら服役中でも、夫を差し置いて妻が組員に指図するなどありえませんし、どんな不祥事でも子分に指を詰めろなんて冗談でも言えません。リアルなのは現役ヤクザの描き方くらいですね、大半は女好きで金に弱いっていう(笑)」  また、ヤクザの世界では"めんどりが鳴く(女性が口を出す)と組は潰れる"なる格言(?)もあるようだが、この一例が、山口組三代目の田岡一雄組長の妻フミ子夫人だという。  山口組三代目田岡一雄組長の死後間もなく、四代目本命と目されていた山本健一(山健組組長)が病死したため、フミ子夫人は四代目に竹中正久(竹中組組長)を指名。これに反発した山本広(山広組)らが一和会を結成し、山口組と一和会は対立。死者29名、負傷者66名、直接の逮捕者は560人にも及んだ山一抗争へと発展したのだ。 「抗争が起こったのは夫人の強い意向により竹中四代目が誕生したためと見る向きが多く、この話は山口組内でも長い間タブーになっていた。しかし、実際はそうではないという話。たとえば、田岡組長の長女・田岡由伎さんと作家の宮崎学氏の対談『ラスト・ファミリー』(角川書店/10年)では、田岡組長は自身の死後、組が割れるとわかっていながら跡目を考えていなかったことも明かされている。これを知っていたのか、危篤状態が続いたフミ子夫人を『姐さんが死なれへんのはな、俺らの兄弟ゲンカの言い訳を親分にするのを考えてるからや』と若い衆が気遣うくだりも。つまり、長女という身内の証言ではあるが、内部抗争は起こるべくして起こったというのが真相のようだ」(実話誌ライター) ■一番嫌われるのは金にうるさい姐さん?  こうした中、極道のファーストレディともいえる田岡フミ子夫人について、田岡組長は『田岡一雄自伝』(徳間書店/73年)でその糟糠の妻ぶりを綴り、同じ山口組の大幹部だった後藤忠政元組長も、『憚りながら』(宝島社/10年)で妻に苦労させたことを語っている。 「フミ子夫人は戦後の混乱期でも、苦心してお金を作って若い衆を食べさせ、さらに彼らの下着の洗濯までする糟糠ぶり。後藤元組長は奥方を『おっかぁ』と呼び、自分の浮気に怒りながらもずっと連れ添っていることを感謝している」(同)  では、最新版の"極道の妻たち"とはどんな人物像なのだろうか? 前出のAさんによると、極妻は大きく分けて大親分を支えた「糟糠の妻」タイプと「愛人」タイプになるという。  Aさんによると、「かつては糟糠の妻がほとんどだった」というが、このタイプは、夫が若い衆の時代には水商売、場合によってはソープランドで働いてでも夫を支え、出世してから外でシノギや遊びに精を出し、あるいは懲役に行って帰ってこなくなっても、組や家の中をしっかり支え続けてきた女性である。 「糟糠の妻も、シロート出身系とオミズ出身系に分かれます。三代目田岡組長の奥さんは実家が喫茶店で、シロート系の代表。でも、オミズ系でいうと、夫がパクられたらソープででも働いて、裁判費用や生活費を捻出する人はさすがに見なくなりました。今はアッサリ別れちゃう人も多いです」(同)  浮き沈みの激しいヤクザの世界、かつては極妻が夫の生活を支えることは普通だったのだろうか?
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金本と暴力団の繋がりは氷山の一角!? スポーツ界で暗躍する危険人物たち

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『大相撲は死んだ』(宝島社
新書)。
 今月17日発売の「週刊文春」(文藝春秋)と「週刊新潮」(新潮社)にて、阪神タイガースの金本知憲選手が投資会社社長(文春ではファイナンシャル・アドバイザー)を恐喝したとして刑事告訴されたと報じられました。記事によると、金本選手が広域暴力団の名前を出しながら、社長を脅迫したとのことでした。これに対し、球団側は両記事を事実無根のものとしてコメントを発表しています。  スポーツ界と裏社会とのつながりは、過去にも数多く指摘されています。2009年7月、大相撲の名古屋場所にて、広域暴力団「弘道会」の幹部が現役親方が手配した特別席の入場券で観戦していたことが発覚。さらに、10年に表沙汰となった大相撲野球賭博問題など、スポーツ選手にまつわる醜聞は後を絶ちません。  今回の「レベルアップ案内」では、そんなスポーツ界を取り巻く危険な話を徹底的に洗い出します! 野球界の女性関係やパトロンの真実から、スポーツ紙記者が語る角界の闇、K-1の立役者・石井館長が明かしたヤクザとのかかわりまで──人々を感動させるスポーツの裏には、金とオンナとヤバい人たちの影が......。ドキュメンタリー番組よりもありのままのアスリートたちの姿をご覧あれ。 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:アスリートを食い物にするあんな人こんな人] ハンカチ王子・佑ちゃんも"食べられた"!? 野球選手に迫る女子アナたち 2011年5月31日付(日刊サイゾー) 野球チームを全員"兄弟"にしちゃう女子アナ......。 一番ダークなスポーツは野球!? 切っても切れないスポーツと闇社会 2011年9月号(プレミアサイゾー) 大相撲、野球、格闘技はズブズブ!? 大相撲問題に立ちはだかる壁と当局がマークする"ヤミの紳士" 2010年9月号(プレミアサイゾー) 誰もが知ってる有名大学の理事長をとりまく黒い疑惑。 暴力団から一流企業社長まで、芸能人、スポーツ選手"裏の後見人"の素顔 2011年3月号(プレミアサイゾー) 北島康介や清原和博といったビッグネームも......。 相撲協会と警視庁の癒着も!? 麻布署が朝青龍を現行犯逮捕しなかった裏事情 2010年2月4日付(日刊サイゾー) スポーツ界は警察とも仲良しだった!? [レベル2:スポーツ記者が語る業界の内幕とは] 東スポは日本が誇る一流紙!? 現場記者らが内幕を暴露する紙面には乗らない五輪報道の裏 2008年8月号(プレミアサイゾー) トップアスリートのバッシングはタブーに? 朝青龍問題から高橋大輔のアノ噂まで スポーツ記者が語る熱戦の裏 2010年4月号(プレミアサイゾー) 八百長、暴力団、自殺......角界にまつわる黒すぎる噂 [レベル3:人気凋落で野球はどうなる!?] 「野球がパクッた!?」とサッカーファン騒然 プロ野球独立リーグ呼称発表の余波 2009年10月15日付(日刊サイゾー) 人気があるものをパクるのは、よくあること。 CSよりもヒートアップするプロ野球選手の醜聞裏事情 2009年11月号(プレミアサイゾー) 野球で盛り上がるのは試合よりも女性関係!? [レベル4:決して表には出てこないスポーツの裏側] 朝青龍からヤクザとの関係まで 独占告白! 石井館長、K-1を憂う 2010年5月号(プレミアサイゾー) 当事者がズバリと語るヤクザとの付き合い方 もうひとつのニッポンスポーツ史"血と骨"の在日アスリート列伝 2009年1月号(プレミアサイゾー) 在日スポーツ選手という英雄は差別によって作られた? プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/

"公平・中立"を掲げ"厚労省と政財界"と蜜月──日本赤十字社"義援金"の不正と正当

──震災義援金の窓口として、身近な存在となった日本赤十字社。しかし、莫大な義援金を円滑に処理できずに批判を受けている。さらに、高尚な理念を掲げる組織なだけに、何かと風当たりは強いようだが......そんな日赤自身に、これまでに巻き起こったさまざまな批判や疑問をぶつけてみた。
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『日本赤十字の素顔』
「もう、いわれのない誹謗中傷のせいで、本当に参っているんですよ~。ウチの職員なんてみんな身の危険を顧みずに、われ先に『私が被災地に行きます!』って言い合って、頑張っているんですから」  日本赤十字社(以下、日赤)の企画広報室(以下、広報室)に電話をすると、担当者はだんだん愚痴をこぼし始めた。「週刊新潮」(新潮社/6月16日号)をはじめ、ネット上で日赤の義援金配分遅延が明るみに出るにつれ、同社にはメディアや一般の人々から問い合わせや抗議の電話が殺到しているという。  今回の震災で、日赤はいち早く被災地での大規模な医療救護や救援物資支援などを展開する一方、このような義援金問題などで批判を受けている。  そもそも、そんな日赤の実態について、一般にはあまり知られていないのではないか? ここでは、昨今世間から上がっている日赤への批判、疑問の声を通じて、謎多き巨大組織に迫りたい[日赤という組織に関する基本情報は、当特集【2】参照]。 【疑問1】 ■義援金配分遅延は誰の責任?  6月上旬、「巨額義援金を寝かして恥じなかった『日本赤十字』」というセンセーショナルな記事が「週刊新潮」に掲載されて以降、特にネット上で日赤への批判が噴出した。日赤には4月時点で全国から1000億円以上の義援金が集まっていたが、5月26日時点ではわずか約200億円(日赤HP)しか被災者の手に届いていなかったという、配分遅延の問題についてである。なお、本稿執筆時点での日赤の義援金受付総額は2713億円(7月28日時点)、被災者への配分済み金額は774億円(7月19日時点)である。この「週刊新潮」の記事によると、配分の公平性を重視するあまり、各被災市町村が被災家屋の半壊・全壊などの評価に延々時間をかけていて、いつまでたっても被災者の手元に現金が届かないという。日赤に集められた義援金は、学識経験者や義援金受付団体からなる「義援金配分割合決定委員会」で決定した割合に従って被災都道県に届けられ、その後は各都道県が設置した配分委員会の決定に従い、都道県→市町村→被災者という流れになる。「日赤としては、集めた義援金の大部分はすでに県に配分しており、一刻も早く被災者に届けていただくよう関係自治体などにお願いしています」(広報室)と釈明しているが、義援金配分先である被災3県の日赤支部長は現職知事が兼務。日赤の定款には、「支部長は、支部の業務を管理する」とあるが、今回のような非常時こそ、日赤と、知事をトップとする地方自治体が連携して迅速に対応するための「兼務」ではなかったのか?  そもそも、今回の配分遅延の原因はなんなのか? 現役の日赤職員はこう釈明する。 「今回のように配分先が複数県にまたがり、被災状況の査定、および被災者への義援金配分に必要な罹災証明の発行手続きを担う市町村が機能しないという事態は、日赤の想定外でした」   一方、広報室からの正式回答は、前記配分状況の説明後「詳細情報は、それぞれの被災都道県にお尋ねください」と他人事のよう。  しかし、震災2~3週間後の早い段階から物流網の回復が進み、現金があればモノが買えるという状況が広がりつつあった中、義援金配分は急務だった。「想定外」の天災に対する支援体制を整備しているはずだと、国民は「赤十字」のブランドを信用して、今回に限らず、日頃から寄付をしてきたはず。日赤の答えは、批判を受けても仕方ないだろう。  また、日赤の運営は、寄付金と国からの一部補助金、個別事業収入などで賄われている。その運営体制下で日赤は、震災義援金からは手数料を抜かず、全額支援に回し、送金までの間、銀行口座にプールされた莫大な義援金には、利子がつかないようになっているという(一部地銀の利子がつく口座分は、利子分も義援金として配分)。これに対し、脳機能学者・苫米地英人氏が自身のブログ上で指摘するように、銀行口座に預けられた義援金残高をベースに、銀行が外部に多額の貸し付けを行い、利子を得ているとすれば、寄付金を使った利益供与になりかねない。 「義援金の預金により、金融機関様が利益を得ているか否か、ということにつきましては、日赤では把握しておりません」(広報室)  銀行への便宜供与の有無は、日赤の独立性・中立性にかかわる問題でもある。積極的に把握する必要があるはずだ。
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Google+が真に狙い定めるはフェイスブックよりツイッター!

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Google+参戦で激化するSNS三国志、覇権
争いになるのか、棲み分けを目指すのか?
──激変するITビジネス&カルチャーの深層を抉る!  SNS分野が苦手だと言われ続けてきたグーグルが、Google+で再びSNS市場に乗り込んできた。ツイッターが普及し、フェイスブックもユーザーを増やす日本では一見、同サービスの勝機は薄そうに見えるが、これが案外可能性があるようで......。  グーグルが「Google+(以下、G+)」という新しいソーシャルネットワーク(SNS)を始めた。まだβテスト中で、すでに使っているユーザーから招待をもらえないと登録できないが、しかしこれはフェイスブックとツイッターの長所ばかりをうまくすくい上げているサービスだ。日本で相当に普及していくのではないかと私は今予感している。  G+の特徴をこの連載の枠組みの中で文章で説明するのはかなり大変だが、わかりやすくほかのソーシャルメディアと比較すれば、次のような点にある。 ■フェイスブック:情報の発信者と受信者はフラットな「友だち」の関係。 だから発信者が友だちとして承諾してくれないと、受信者は発信者の書き込みは読めない。 ■ツイッター:情報の発信者に承諾を得る必要はなく、受信者は発信者を勝手にフォローすればその人の情報はすべて読める。 ■G+:ツイッターと同じように受信者は発信者を勝手にフォローできて、フェイスブックのように承認は必要ない。でも発信者が自分宛てにも情報を発信してくれるかどうかは、受信者には保証されていない。  フェイスブックは、今春に公開された実録映画『ソーシャル・ネットワーク』でもつぶさに描かれていたように、もともとCEOのマーク・ザッカーバーグがハーバード大学在学中に作ったSNSで、大学内の人間関係をそのままネット上に転写させることを最初の目的としていた。だからあくまでも、友人や知人とのつながりを確認し、仲間内での情報のやりとりを主眼とするSNSとなっている。  これに対してツイッターは、もっとオープンだ。ツイッターが画期的だったのは、140文字という短い文字数でのやりとりを生み出したことだけでなく、もうひとつある。それはフォローとフォロワーという非対称の関係性を持ち込んだことだ。フォローは勝手に行えるので、相手から承認を受ける必要はない。  そもそもリアルの世界においては、情報の流通は非対称でオープンである。マスメディアや有識者、言論人、有名タレント、あるいはさまざまな専門家など、情報は常に影響力の強い存在からその他大勢の人へと流れていく。しかも、それは閉鎖的な圏域の中ではなく、誰にでも触れられるオープンな空間に開かれている。  SNSも、フェイスブックの黎明期のように友人知人間のやりとりだけを扱うのではなく、インターネットならではの情報流通基盤へと進化していこうとするのであれば、このような「非対称かつオープン」性がどうしても必要になってくる。ツイッターは、そこにぐさりと刺さったというわけだ。
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