櫻井翔と中居正広は既定路線? ジャニーズのポチと化したテレビ局が挑む五輪中継

【サイゾーpremiumより】
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『SMAP 中居正広』(アールズ出版)
──バレーボールワールドカップの放映のみならず、いまや、スポーツの祭典に欠かせなくなったジャニーズの存在。今回のロンドン五輪でいえば、民放、NHK6局のうち、実に3局が公式キャスターとしてジャニーズのタレントを起用している。「キャスターとしては可もなく不可もなく、現地の取材陣の邪魔はしない」という評価(?)もあるが、彼らの起用の裏には、やはりというべきテレビ局の思惑があった──。  五輪開幕を前に、各テレビ局で特番キャスターの陣容がほぼ出揃った。もっとも「スポーツ中継のバラエティ化」という民放の悪癖は相変わらずで、今回もどこかで見たような顔触れとなっている。  いち早く中継体制を発表した日テレは嵐の櫻井翔、フジはTOKIOの国分太一といずれもジャニーズがメインキャスターに決定。櫻井は日テレのニュース番組『NWS ZERO』のキャスターを務めており、北京・バンクーバーに続く3大会連続の起用。国分もフジの看板スポーツ番組『すぽると!』に出演中で、ある意味順当といえる人選だ。  テレビ朝日も5大会連続での起用となる松岡修造が決定しているが、気になるのはテーマソングも担当する福山雅治。スペシャルゲストとしてロンドン入りもするようだが、趣味のカメラが高じて、カメラマン然として堂々と現地入りしたシドニー五輪では、本物の取材陣から大ブーイングを受けた”前科”もあるだけに、その動向が注目されるところだ。  唯一、賭けに出たのがテレビ東京。メインが俳優の佐藤隆太、リポーターに元プロゴルファーの古閑美保というコンビは他局も首をかしげるキャスティングだ。 「佐藤の起用ですが、どうやら島田昌幸社長の鶴の一声で決まったようです。ウチはもともと予算が少ないためビッグネームはハナから無理。そこに、爽やかなイメージと知名度もそこそこ、ギャラも安めという佐藤が浮上した。仕切りは経験豊富な局アナの大橋未歩に任せればいいという考えです」(テレビ東京関係者) 佐藤にしても今回のオファーは渡りに船だろう。TBS『ROOKIES』の大ヒットで一躍旬な俳優となり、CMやドラマ出演が激増したものの、その後はジリ貧。主演したドラマ『クレオパトラな女たち』(日テレ)も打ち切りになるほど数字的には惨敗で、今が最後の売り時との声も聞こえてくる。 「佐藤と松岡は、共に暑苦しいキャラが売りだけに”熱血キャラ対決”なんて言われてます。ただ、選手出身で、ニュース番組などでアスリートへの地道な取材を続けてきた松岡に対して、専門知識も経験もない佐藤の起用は、ハッキリ言って他局ドラマのイメージに頼ったバクチでしかないでしょう」(放送作家)  唯一、7月に入るまでメインキャスターの発表がなかったTBSだが、アテネから連続して担当しているSMAPの中居正広に決定した。 「発表が遅れた理由は、後輩の関ジャニ∞の村上信五が出ているユーロの決勝中継が終わってからという配慮だったようです。ただ、中居は大の野球ファンだけに、一部では『今回は正式競技から野球が外れたから、中居がグズっているのでは』なんて話も飛び交ってました」(テレビ誌記者)  最後に、国内のテレビ局では最長の放送時間を予定しているNHKだが、メインの中継キャスターにフリーの山岸舞彩を起用。ベテラン局アナの工藤三郎アナとのコンビでロンドン入りする予定で、NHKが中継キャスターを現地に派遣するのも初めての試みだ。 「これまで局アナだけによる中継を続けてきたNHKも、とうとうバラエティ化への舵を切り始めたということでしょう。山岸はあのセント・フォースの所属で、担当するスポーツ番組ではNHKらしからぬミニスカ美脚でオジサン層の支持を集めて抜擢されましたからね。そういえば過去には、東レのキャンペーンガールとして水着姿を披露したこともある」(前出・テレビ誌記者)  こうして見ると、今回はジャニーズ勢を起用した日テレ、フジ、TBSのバラエティ路線、ジャーナリズムを意識したテレ朝、勢いと熱血のテレ東、そして安定味に若干のお色気を加えたNHKという構図になりそうだ。 「特徴的なのは、吉本勢の名前がほとんど見当たらないこと。日テレの明石家さんまくらいで、五輪中継では常連のダウンタウン・浜田雅功もいない。1年ほど前までフジ『すぽると!』のレギュラーコメンテーターをやっていたチュートリアルの徳井義実も、まったくお呼びがかからなかった。やはり島田紳助事件や生活保護費受給問題などでついた黒いイメージが影響したんでしょうか」(広告代理店関係者)  それにしても、あらためて目立つのが6局中3局というジャニーズの独占ぶり。ファンを除けば、いささかウンザリという空気も漂ってきそうだが、それでもなおジャニーズ勢が五輪キャスターの座を守り続けるのには理由がある。 「局側としては、『ジャニーズタレントを起用することで若い世代に興味を持ってもらえれば、競技人口の底上げにもなる』というのが表向きの見解ですが、本音を言えば、やっぱり安定した視聴率が見込める点に尽きる。ジャニーズには根強い固定ファンがいますし、スポンサーのウケもいい。山ほどある冠番組と連動した番宣も可能ですしね」(民放プロデューサー)  その威力はこの5~6月にフジとTBSが中継したバレーボール世界最終予選でも実証済みだ。特に女子チームは大会前に『VS嵐』に出演。「スペシャルサポーター」のSexy Zoneが毎日のように会場を盛り上げ、これを国分がキャスターを務める『すぽると!』がトップニュースで連日報道。最終戦では23%という高視聴率を記録したが、世間との温度差を考えれば、これは驚異的な数字である。  いくらジャニーズに興味のないオジサン視聴者が「スポーツ中継は局アナと専門家の解説で十分だ」と文句を言ったところで、それだけで視聴率は狙えない。以前に比べて影響力の低下が指摘されるジャニーズだが、力関係でいえば、人気のジャニーズ勢を局側が奪い合っているという構図はここ十数年変わっていないのである。 「日テレでいえば、嵐は今年の『24時間テレビ』のメインパーソナリティーにも決定しており、上層部は最初からジャニーズありきで動いていた。正直言って五輪もか、という感じです。対抗馬として名前が挙がっていたのも、スポーツ番組『Going!』に出演しているKUT-TUNの亀梨和也くらい。それも7月から映画版『妖怪人間ベム』の撮影が入っているためにスケジュールが取れず、スンナリと櫻井に決定しました」(日テレ関係者)  ただし、過去2回の櫻井の司会ぶりは、「無難ではあるが、カタすぎる」と、それほど評価が高かったわけではない。さすがに日テレも心もとなかったようで、明石家さんまとくりぃむしちゅーの上田晋也というメインクラスを”スペシャルサポーター”としてキャスティングしている。  国分を選んだフジにも同様の事情があったようだ。看板番組の『SMAP×SMAP』『VS嵐』に加え、4月クールでも嵐の大野やSMAPの草彅剛が主演したドラマが、それなりの視聴率を獲得しているという”恩義”がある。 「最近はジャニーズのゴリ押しが恒常化していて、局員ですらゴリ押しとは思わなくなっている(笑)。まあ、国分なら上層部から現場のスタッフにまでまんべんなく腰が低いし、取材でも番記者の邪魔はしないのでマシな部類ですよ」(在京テレビ局スタッフ)  制作発表会見では「フジのお偉いさんにどうにか気に入ってもらって、このポジションを手に入れることができました」と冗談交じりに話していた国分だが、事務所の後押しの力を誰よりも自覚していたのかもしれない。  ジャニーズにとって今回、唯一の誤算といえば、これまでキャスター起用とほぼセットで採用されてきたテーマソングを外されたことだろう。日テレ内からも、こんな声が聞こえてくる。 「嵐の曲が最有力ですが、実は制作サイドからAKB48を起用したいという要望が出ていて調整に難航しています」(日テレ関係者)  露出が約束されるオイシイ五輪特需の争奪戦はギリギリまで続くようだ。 (文/小松 巌) (この記事は7月上旬に作成された記事です。)
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月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」では他にもオリンピック関連記事が満載!】芸能リポーター城下尊之がキャスター&アーティストから分析 五輪にまつわるテレビ各局の思惑制作局とプロデューサーの意向がすべて!? 五輪中継でわかるテレビ局の(秘)力関係もはや広告ではペイできない? 325億円にまで高騰する日本の放映権料 不良債権化する五輪放送

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──バレーボールワールドカップの放映のみならず、いまや、スポーツの祭典に欠かせなくなったジャニーズの存在。今回のロンドン五輪でいえば、民放、NHK6局のうち、実に3局が公式キャスターとしてジャニーズのタレントを起用している。「キャスターとしては可もなく不可もなく、現地の取材陣の邪魔はしない」という評価(?)もあるが、彼らの起用の裏には、やはりというべきテレビ局の思惑があった──。  五輪開幕を前に、各テレビ局で特番キャスターの陣容がほぼ出揃った。もっとも「スポーツ中継のバラエティ化」という民放の悪癖は相変わらずで、今回もどこかで見たような顔触れとなっている。  いち早く中継体制を発表した日テレは嵐の櫻井翔、フジはTOKIOの国分太一といずれもジャニーズがメインキャスターに決定。櫻井は日テレのニュース番組『NWS ZERO』のキャスターを務めており、北京・バンクーバーに続く3大会連続の起用。国分もフジの看板スポーツ番組『すぽると!』に出演中で、ある意味順当といえる人選だ。  テレビ朝日も5大会連続での起用となる松岡修造が決定しているが、気になるのはテーマソングも担当する福山雅治。スペシャルゲストとしてロンドン入りもするようだが、趣味のカメラが高じて、カメラマン然として堂々と現地入りしたシドニー五輪では、本物の取材陣から大ブーイングを受けた”前科”もあるだけに、その動向が注目されるところだ。  唯一、賭けに出たのがテレビ東京。メインが俳優の佐藤隆太、リポーターに元プロゴルファーの古閑美保というコンビは他局も首をかしげるキャスティングだ。 「佐藤の起用ですが、どうやら島田昌幸社長の鶴の一声で決まったようです。ウチはもともと予算が少ないためビッグネームはハナから無理。そこに、爽やかなイメージと知名度もそこそこ、ギャラも安めという佐藤が浮上した。仕切りは経験豊富な局アナの大橋未歩に任せればいいという考えです」(テレビ東京関係者) 佐藤にしても今回のオファーは渡りに船だろう。TBS『ROOKIES』の大ヒットで一躍旬な俳優となり、CMやドラマ出演が激増したものの、その後はジリ貧。主演したドラマ『クレオパトラな女たち』(日テレ)も打ち切りになるほど数字的には惨敗で、今が最後の売り時との声も聞こえてくる。 「佐藤と松岡は、共に暑苦しいキャラが売りだけに”熱血キャラ対決”なんて言われてます。ただ、選手出身で、ニュース番組などでアスリートへの地道な取材を続けてきた松岡に対して、専門知識も経験もない佐藤の起用は、ハッキリ言って他局ドラマのイメージに頼ったバクチでしかないでしょう」(放送作家)  唯一、7月に入るまでメインキャスターの発表がなかったTBSだが、アテネから連続して担当しているSMAPの中居正広に決定した。 「発表が遅れた理由は、後輩の関ジャニ∞の村上信五が出ているユーロの決勝中継が終わってからという配慮だったようです。ただ、中居は大の野球ファンだけに、一部では『今回は正式競技から野球が外れたから、中居がグズっているのでは』なんて話も飛び交ってました」(テレビ誌記者)  最後に、国内のテレビ局では最長の放送時間を予定しているNHKだが、メインの中継キャスターにフリーの山岸舞彩を起用。ベテラン局アナの工藤三郎アナとのコンビでロンドン入りする予定で、NHKが中継キャスターを現地に派遣するのも初めての試みだ。 「これまで局アナだけによる中継を続けてきたNHKも、とうとうバラエティ化への舵を切り始めたということでしょう。山岸はあのセント・フォースの所属で、担当するスポーツ番組ではNHKらしからぬミニスカ美脚でオジサン層の支持を集めて抜擢されましたからね。そういえば過去には、東レのキャンペーンガールとして水着姿を披露したこともある」(前出・テレビ誌記者)  こうして見ると、今回はジャニーズ勢を起用した日テレ、フジ、TBSのバラエティ路線、ジャーナリズムを意識したテレ朝、勢いと熱血のテレ東、そして安定味に若干のお色気を加えたNHKという構図になりそうだ。 「特徴的なのは、吉本勢の名前がほとんど見当たらないこと。日テレの明石家さんまくらいで、五輪中継では常連のダウンタウン・浜田雅功もいない。1年ほど前までフジ『すぽると!』のレギュラーコメンテーターをやっていたチュートリアルの徳井義実も、まったくお呼びがかからなかった。やはり島田紳助事件や生活保護費受給問題などでついた黒いイメージが影響したんでしょうか」(広告代理店関係者)  それにしても、あらためて目立つのが6局中3局というジャニーズの独占ぶり。ファンを除けば、いささかウンザリという空気も漂ってきそうだが、それでもなおジャニーズ勢が五輪キャスターの座を守り続けるのには理由がある。 「局側としては、『ジャニーズタレントを起用することで若い世代に興味を持ってもらえれば、競技人口の底上げにもなる』というのが表向きの見解ですが、本音を言えば、やっぱり安定した視聴率が見込める点に尽きる。ジャニーズには根強い固定ファンがいますし、スポンサーのウケもいい。山ほどある冠番組と連動した番宣も可能ですしね」(民放プロデューサー)  その威力はこの5~6月にフジとTBSが中継したバレーボール世界最終予選でも実証済みだ。特に女子チームは大会前に『VS嵐』に出演。「スペシャルサポーター」のSexy Zoneが毎日のように会場を盛り上げ、これを国分がキャスターを務める『すぽると!』がトップニュースで連日報道。最終戦では23%という高視聴率を記録したが、世間との温度差を考えれば、これは驚異的な数字である。  いくらジャニーズに興味のないオジサン視聴者が「スポーツ中継は局アナと専門家の解説で十分だ」と文句を言ったところで、それだけで視聴率は狙えない。以前に比べて影響力の低下が指摘されるジャニーズだが、力関係でいえば、人気のジャニーズ勢を局側が奪い合っているという構図はここ十数年変わっていないのである。 「日テレでいえば、嵐は今年の『24時間テレビ』のメインパーソナリティーにも決定しており、上層部は最初からジャニーズありきで動いていた。正直言って五輪もか、という感じです。対抗馬として名前が挙がっていたのも、スポーツ番組『Going!』に出演しているKUT-TUNの亀梨和也くらい。それも7月から映画版『妖怪人間ベム』の撮影が入っているためにスケジュールが取れず、スンナリと櫻井に決定しました」(日テレ関係者)  ただし、過去2回の櫻井の司会ぶりは、「無難ではあるが、カタすぎる」と、それほど評価が高かったわけではない。さすがに日テレも心もとなかったようで、明石家さんまとくりぃむしちゅーの上田晋也というメインクラスを”スペシャルサポーター”としてキャスティングしている。  国分を選んだフジにも同様の事情があったようだ。看板番組の『SMAP×SMAP』『VS嵐』に加え、4月クールでも嵐の大野やSMAPの草彅剛が主演したドラマが、それなりの視聴率を獲得しているという”恩義”がある。 「最近はジャニーズのゴリ押しが恒常化していて、局員ですらゴリ押しとは思わなくなっている(笑)。まあ、国分なら上層部から現場のスタッフにまでまんべんなく腰が低いし、取材でも番記者の邪魔はしないのでマシな部類ですよ」(在京テレビ局スタッフ)  制作発表会見では「フジのお偉いさんにどうにか気に入ってもらって、このポジションを手に入れることができました」と冗談交じりに話していた国分だが、事務所の後押しの力を誰よりも自覚していたのかもしれない。  ジャニーズにとって今回、唯一の誤算といえば、これまでキャスター起用とほぼセットで採用されてきたテーマソングを外されたことだろう。日テレ内からも、こんな声が聞こえてくる。 「嵐の曲が最有力ですが、実は制作サイドからAKB48を起用したいという要望が出ていて調整に難航しています」(日テレ関係者)  露出が約束されるオイシイ五輪特需の争奪戦はギリギリまで続くようだ。 (文/小松 巌) (この記事は7月上旬に作成された記事です。)
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【WORLD ORDER】「日本の現状は明らかにおかしい!」WORLD ORDERが導く新たな世界

【サイゾーpremiumより】 ──須藤元気率いる7人組のダンスパフォーマンスユニットWORLD ORDERが、ニューアルバムをリリース。タイトル『2012』に込めたメッセージとは?
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(写真/三浦太輔 go relax E more)
 須藤元気が止まらない。  格闘技界を引退した”変幻自在のトリックスター”須藤元気によって、2009年に結成された7人組のダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」。ポップなダンスミュージックと見る者を異次元に導くロボットダンスで構成される独特な世界観は、世間の注目を集め、YouTubeで公開したPVの再生数はのべ2000万超を記録。海外のイベントでもパフォーマンスを行うなど、その勢いは加速している。  そんなWORLD ORDERが、待望の2ndアルバム『2012』をリリースする。リードトラック「2012」の導入では、「つみ重ねた歴史が終わりを告げ 文明周期の記憶よみがえる……」と、いきなり”世界の終わり”を宣言し、PV撮影もメキシコの古代遺跡で敢行するなど、マヤ文明の2012年世界終末論を強く意識しているのが感じられる。さらに、神話的モチーフがちりばめられた「AQUARIUS」では、PVの舞台に京都の寺社を据え、ロボットダンスで魅せる非日常の映像世界は宗教的ですらある。  以前より傾倒していた精神世界の影響が色濃く出ている印象だが、作詞作曲を手がけた須藤元気は現代社会に何を啓示しようとしているのか? 「僕は12年を時代の転換点だととらえています。現在、個人も社会も『変わらないといけない』という潜在的な想いを抱えています。日本の年間の自殺者数が3万人。1日に約100人が自ら命を絶つ日本の現状って、明らかに何かがおかしいですよね。モノが人を幸せにする時代が終わって、目に見えない何か、例えば心地いい空気を仲間と共有したりすることが価値を持ち始めているのを感じます。物質至上主義から精神の時代へ、世界が動きだしていることを、このアルバムで伝えたいですね」  11年の東日本大震災も、アルバムの世界観に大きく影響を与えている。須藤は震災後、東北復興支援団体「Team WE ARE ALL ONE」を結成し、ボランティア活動に従事した。ひとりのファンから寄付金を託されたことと、「何かしなければ」という自分の気持ちが共鳴し、4月の段階で宮城県石巻市へ。がれき撤去作業の傍ら、家が流された人や家族と悲しみの対面をした人と直接話し、時に涙を流した。 「モノに執着することの無意味さを、あらためて痛感しました。また、制御不能な原発に依存する日本の現状にも疑問を感じました」  震災ボランティアに象徴されるように、須藤はずっとリアルな人とのつながりを大切にしてきた。それを示すように、WORLD ORDERが発足当時より情報発信の主戦場として選んできたのは、ネットの世界。PVをYouTubeで公開し、ファンの心をダイレクトにつかんでいる。 「テレビは今も巨大なメディアですが、リアルなことを伝えられるかというと疑問です。広告費などで内容が左右されるという話も聞きます。しかも、テレビだと発信先が固定化されていて、国内の音楽ファンにしか届かない。その点、ネットには国境もジャンルの壁もありません。いいものを発信すれば、世界中の人がすぐに反応してくれますからね」  目の前の世界を疑え。須藤は、自身の著書でも繰り返しそう述べてきた。既存の枠組みが大きく変わろうとしている現代で、大切なのは状況よりも「あり方」。自分のあり方次第で、世界は新しい一面を見せてくれる。「時代の転換点」で須藤が本当に伝えたいのは、そんなメッセージだという。 「世界は、いわば自分の意識を投影したもの。自分が変われば、世界は変わるんです。大切なのは言葉。人には3つの構成要素があって、それは『思考・言葉・行為』。思考は簡単に変わりませんが、言葉は明日からでも変えられます。僕も『ミュージシャンになる』と言葉にしたことで、周りの状況が変わり、自分の意識も変わりました。言葉ってエネルギーなんです。エネルギーっていうのは……」  須藤元気が止まらない。 (文/丸茂アンテナ) WORLD ORDER 須藤元気が立ち上げたパフォーマンスユニット。09年12月にiTunes先行配信で「WORLD ORDER」を発表し、10年7月に同名のアルバムでデビュー。須藤元気と6名のダンサーでつくり上げる独創的な世界観は、国内外で高く評価されている。12年3月には、640人の一般参加のダンサーと共に、ロボットダンスを踊り、大人数ロボットダンスのギネス認定記録を樹立した。
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『2012』 WORLD ORDERの2ndアルバム。未発表MVやメイキング映像も収録したBlu-ray/DVD+CDの2枚組。Blu-ray/DVDは、YouTubeで先行公開されている「2012」「MACHINE CIVILIZATION」「AQUARIUS」に加え、メンバーがホストに扮するコミカルな「CHANGE YOUR LIFE」など、全5曲。CDには未発表曲「HELLO ATLANTIS」を含む全7曲が収録されている。世界が熱視線を送る異次元のパフォーマンスを体感したい。 発売:ポニーキャニオン 価格:Blu-ray+CD/4935円(税込)DVD+CD/3990円(税込)発売日:6月20日 (衣装協力/D’URBAN、azabu tailor)
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■「サイゾーpremium」とは? 雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」では他にもプレミアムなインタビューが満載!】テレビレギュラー復帰のアンタッチャブル・柴田 過激な野宿ロケに「もう辞めたい!?」「エロマンガのコレクターが民主党から立候補したり……」ラーメンズの片桐仁が語る中学生の衝動と自意識【恵比寿マスカッツ】「リーダー辞めたいなんて思わせない!」3代目リーダーへのメッセージ

【WORLD ORDER】「日本の現状は明らかにおかしい!」WORLD ORDERが導く新たな世界

【サイゾーpremiumより】 ──須藤元気率いる7人組のダンスパフォーマンスユニットWORLD ORDERが、ニューアルバムをリリース。タイトル『2012』に込めたメッセージとは?
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(写真/三浦太輔 go relax E more)
 須藤元気が止まらない。  格闘技界を引退した”変幻自在のトリックスター”須藤元気によって、2009年に結成された7人組のダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」。ポップなダンスミュージックと見る者を異次元に導くロボットダンスで構成される独特な世界観は、世間の注目を集め、YouTubeで公開したPVの再生数はのべ2000万超を記録。海外のイベントでもパフォーマンスを行うなど、その勢いは加速している。  そんなWORLD ORDERが、待望の2ndアルバム『2012』をリリースする。リードトラック「2012」の導入では、「つみ重ねた歴史が終わりを告げ 文明周期の記憶よみがえる……」と、いきなり”世界の終わり”を宣言し、PV撮影もメキシコの古代遺跡で敢行するなど、マヤ文明の2012年世界終末論を強く意識しているのが感じられる。さらに、神話的モチーフがちりばめられた「AQUARIUS」では、PVの舞台に京都の寺社を据え、ロボットダンスで魅せる非日常の映像世界は宗教的ですらある。  以前より傾倒していた精神世界の影響が色濃く出ている印象だが、作詞作曲を手がけた須藤元気は現代社会に何を啓示しようとしているのか? 「僕は12年を時代の転換点だととらえています。現在、個人も社会も『変わらないといけない』という潜在的な想いを抱えています。日本の年間の自殺者数が3万人。1日に約100人が自ら命を絶つ日本の現状って、明らかに何かがおかしいですよね。モノが人を幸せにする時代が終わって、目に見えない何か、例えば心地いい空気を仲間と共有したりすることが価値を持ち始めているのを感じます。物質至上主義から精神の時代へ、世界が動きだしていることを、このアルバムで伝えたいですね」  11年の東日本大震災も、アルバムの世界観に大きく影響を与えている。須藤は震災後、東北復興支援団体「Team WE ARE ALL ONE」を結成し、ボランティア活動に従事した。ひとりのファンから寄付金を託されたことと、「何かしなければ」という自分の気持ちが共鳴し、4月の段階で宮城県石巻市へ。がれき撤去作業の傍ら、家が流された人や家族と悲しみの対面をした人と直接話し、時に涙を流した。 「モノに執着することの無意味さを、あらためて痛感しました。また、制御不能な原発に依存する日本の現状にも疑問を感じました」  震災ボランティアに象徴されるように、須藤はずっとリアルな人とのつながりを大切にしてきた。それを示すように、WORLD ORDERが発足当時より情報発信の主戦場として選んできたのは、ネットの世界。PVをYouTubeで公開し、ファンの心をダイレクトにつかんでいる。 「テレビは今も巨大なメディアですが、リアルなことを伝えられるかというと疑問です。広告費などで内容が左右されるという話も聞きます。しかも、テレビだと発信先が固定化されていて、国内の音楽ファンにしか届かない。その点、ネットには国境もジャンルの壁もありません。いいものを発信すれば、世界中の人がすぐに反応してくれますからね」  目の前の世界を疑え。須藤は、自身の著書でも繰り返しそう述べてきた。既存の枠組みが大きく変わろうとしている現代で、大切なのは状況よりも「あり方」。自分のあり方次第で、世界は新しい一面を見せてくれる。「時代の転換点」で須藤が本当に伝えたいのは、そんなメッセージだという。 「世界は、いわば自分の意識を投影したもの。自分が変われば、世界は変わるんです。大切なのは言葉。人には3つの構成要素があって、それは『思考・言葉・行為』。思考は簡単に変わりませんが、言葉は明日からでも変えられます。僕も『ミュージシャンになる』と言葉にしたことで、周りの状況が変わり、自分の意識も変わりました。言葉ってエネルギーなんです。エネルギーっていうのは……」  須藤元気が止まらない。 (文/丸茂アンテナ) WORLD ORDER 須藤元気が立ち上げたパフォーマンスユニット。09年12月にiTunes先行配信で「WORLD ORDER」を発表し、10年7月に同名のアルバムでデビュー。須藤元気と6名のダンサーでつくり上げる独創的な世界観は、国内外で高く評価されている。12年3月には、640人の一般参加のダンサーと共に、ロボットダンスを踊り、大人数ロボットダンスのギネス認定記録を樹立した。
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『2012』 WORLD ORDERの2ndアルバム。未発表MVやメイキング映像も収録したBlu-ray/DVD+CDの2枚組。Blu-ray/DVDは、YouTubeで先行公開されている「2012」「MACHINE CIVILIZATION」「AQUARIUS」に加え、メンバーがホストに扮するコミカルな「CHANGE YOUR LIFE」など、全5曲。CDには未発表曲「HELLO ATLANTIS」を含む全7曲が収録されている。世界が熱視線を送る異次元のパフォーマンスを体感したい。 発売:ポニーキャニオン 価格:Blu-ray+CD/4935円(税込)DVD+CD/3990円(税込)発売日:6月20日 (衣装協力/D’URBAN、azabu tailor)
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【WORLD ORDER】「日本の現状は明らかにおかしい!」WORLD ORDERが導く新たな世界

【サイゾーpremiumより】 ──須藤元気率いる7人組のダンスパフォーマンスユニットWORLD ORDERが、ニューアルバムをリリース。タイトル『2012』に込めたメッセージとは?
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(写真/三浦太輔 go relax E more)
 須藤元気が止まらない。  格闘技界を引退した”変幻自在のトリックスター”須藤元気によって、2009年に結成された7人組のダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」。ポップなダンスミュージックと見る者を異次元に導くロボットダンスで構成される独特な世界観は、世間の注目を集め、YouTubeで公開したPVの再生数はのべ2000万超を記録。海外のイベントでもパフォーマンスを行うなど、その勢いは加速している。  そんなWORLD ORDERが、待望の2ndアルバム『2012』をリリースする。リードトラック「2012」の導入では、「つみ重ねた歴史が終わりを告げ 文明周期の記憶よみがえる……」と、いきなり”世界の終わり”を宣言し、PV撮影もメキシコの古代遺跡で敢行するなど、マヤ文明の2012年世界終末論を強く意識しているのが感じられる。さらに、神話的モチーフがちりばめられた「AQUARIUS」では、PVの舞台に京都の寺社を据え、ロボットダンスで魅せる非日常の映像世界は宗教的ですらある。  以前より傾倒していた精神世界の影響が色濃く出ている印象だが、作詞作曲を手がけた須藤元気は現代社会に何を啓示しようとしているのか? 「僕は12年を時代の転換点だととらえています。現在、個人も社会も『変わらないといけない』という潜在的な想いを抱えています。日本の年間の自殺者数が3万人。1日に約100人が自ら命を絶つ日本の現状って、明らかに何かがおかしいですよね。モノが人を幸せにする時代が終わって、目に見えない何か、例えば心地いい空気を仲間と共有したりすることが価値を持ち始めているのを感じます。物質至上主義から精神の時代へ、世界が動きだしていることを、このアルバムで伝えたいですね」  11年の東日本大震災も、アルバムの世界観に大きく影響を与えている。須藤は震災後、東北復興支援団体「Team WE ARE ALL ONE」を結成し、ボランティア活動に従事した。ひとりのファンから寄付金を託されたことと、「何かしなければ」という自分の気持ちが共鳴し、4月の段階で宮城県石巻市へ。がれき撤去作業の傍ら、家が流された人や家族と悲しみの対面をした人と直接話し、時に涙を流した。 「モノに執着することの無意味さを、あらためて痛感しました。また、制御不能な原発に依存する日本の現状にも疑問を感じました」  震災ボランティアに象徴されるように、須藤はずっとリアルな人とのつながりを大切にしてきた。それを示すように、WORLD ORDERが発足当時より情報発信の主戦場として選んできたのは、ネットの世界。PVをYouTubeで公開し、ファンの心をダイレクトにつかんでいる。 「テレビは今も巨大なメディアですが、リアルなことを伝えられるかというと疑問です。広告費などで内容が左右されるという話も聞きます。しかも、テレビだと発信先が固定化されていて、国内の音楽ファンにしか届かない。その点、ネットには国境もジャンルの壁もありません。いいものを発信すれば、世界中の人がすぐに反応してくれますからね」  目の前の世界を疑え。須藤は、自身の著書でも繰り返しそう述べてきた。既存の枠組みが大きく変わろうとしている現代で、大切なのは状況よりも「あり方」。自分のあり方次第で、世界は新しい一面を見せてくれる。「時代の転換点」で須藤が本当に伝えたいのは、そんなメッセージだという。 「世界は、いわば自分の意識を投影したもの。自分が変われば、世界は変わるんです。大切なのは言葉。人には3つの構成要素があって、それは『思考・言葉・行為』。思考は簡単に変わりませんが、言葉は明日からでも変えられます。僕も『ミュージシャンになる』と言葉にしたことで、周りの状況が変わり、自分の意識も変わりました。言葉ってエネルギーなんです。エネルギーっていうのは……」  須藤元気が止まらない。 (文/丸茂アンテナ) WORLD ORDER 須藤元気が立ち上げたパフォーマンスユニット。09年12月にiTunes先行配信で「WORLD ORDER」を発表し、10年7月に同名のアルバムでデビュー。須藤元気と6名のダンサーでつくり上げる独創的な世界観は、国内外で高く評価されている。12年3月には、640人の一般参加のダンサーと共に、ロボットダンスを踊り、大人数ロボットダンスのギネス認定記録を樹立した。
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『2012』 WORLD ORDERの2ndアルバム。未発表MVやメイキング映像も収録したBlu-ray/DVD+CDの2枚組。Blu-ray/DVDは、YouTubeで先行公開されている「2012」「MACHINE CIVILIZATION」「AQUARIUS」に加え、メンバーがホストに扮するコミカルな「CHANGE YOUR LIFE」など、全5曲。CDには未発表曲「HELLO ATLANTIS」を含む全7曲が収録されている。世界が熱視線を送る異次元のパフォーマンスを体感したい。 発売:ポニーキャニオン 価格:Blu-ray+CD/4935円(税込)DVD+CD/3990円(税込)発売日:6月20日 (衣装協力/D’URBAN、azabu tailor)
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■「サイゾーpremium」とは? 雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」では他にもプレミアムなインタビューが満載!】テレビレギュラー復帰のアンタッチャブル・柴田 過激な野宿ロケに「もう辞めたい!?」「エロマンガのコレクターが民主党から立候補したり……」ラーメンズの片桐仁が語る中学生の衝動と自意識【恵比寿マスカッツ】「リーダー辞めたいなんて思わせない!」3代目リーダーへのメッセージ

おバカな独裁者が問いかける民主主義

【サイゾーpremiumより】 雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。
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『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』 架空の国ワディヤの独裁者アラジーン(サシャ・バロン・コーエン)は、自国での核開発を疑われ、ニューヨークの国連本部へと召喚される。そこで拉致されて、路頭に迷った彼は、心優しい女性の元で難民として働き始めるのだが……。 監督/ラリー・チャールズ 出演/サシャ・バロン・コーエン、アンナ・ファリス、ベン・キングズレーほか 日本では、9月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか、全国順次公開  今年2月のアカデミー賞授賞式。開場前のレッドカーペットに、勲章をいっぱいつけた軍服を着て、オサマ・ビン・ラディンみたいな長い髭を生やした男が現れた。  独裁者に扮したサシャ・バロン・コーエンだ!  コーエンはイギリス出身のコメディアン。映画『ボラット』でカザフスタン国営テレビのレポーターと偽ってアメリカ各地を取材した。つまり「どっきりカメラ」方式の疑似ドキュメンタリーで、「カザフスタンのテレビなら何を言っても大丈夫さ」と油断したアメリカ人から黒人やユダヤ人差別発言を引き出した(コーエン自身はユダヤ系)。  その次の『ブルーノ』でのコーエンは、オーストリアのゲイのファッション・レポーター。ゲイ嫌いの保守的な南部のハンターに夜這いをかけて殺されそうになったりした。 『ディクテーター(独裁者)』でコーエンが演じるのは、中東の架空の国ワディヤの独裁者アラジーン将軍。『ヒューゴの不思議な発明』に、ギャグを封印して普通の俳優として出演し、アカデミー賞にも出席したコーエンは、レッドカーペットにはカダフィみたいに美女の護衛を2人連れて登場した。 「親愛なる金正日に捧ぐ」  冒頭の献辞で『ディクテーター』は最初の笑いを取る。主人公アラジーンは中東の独裁者だが、どっちかといえば金正日に似ている。独裁者の息子として生まれ、幼い頃からわがまま放題。核兵器の開発をしていると疑われ、国連から召喚され、ニューヨークにやってくる。  アメリカに着くやいなや、アラジーンはアラブ嫌いの男に拉致され、トレードマークの髭を剃られ、身ぐるみを剥がされてニューヨークの路上に放り出される。アラジーンの側近は、一緒に連れてきた影武者をアラジーンに仕立てる。  アラジーンはニューヨークで誰にも頼れない。ワディヤ人も大勢住んでいるが、みんなアラジーンの独裁から逃げてきた難民だ。アラジーンだとバレたら殺される。  彼を救ったのは、ゾーイという優しい女の子。彼女はオーガニック食料品店を切り盛りし、世界中の独裁国家から逃れてきた難民たちに職場を提供し、支援していた。アラジーンも哀れな難民と思われて、そこで働くうちにゾーイと恋に落ちる。 『ディクテーター』を観ると、チャップリンの『独裁者』(1940年)を思い出さずにいられない。チャップリンはヒットラーにそっくりの独裁者ヒンケルと、彼に瓜二つのユダヤ人の床屋の二役を演じた。ユダヤ弾圧をするヒンケルに床屋が間違われて……というコメディ。当時はヒットラーの最盛期で、チャップリンは、ドイツと戦争する気がないアメリカにナチ打倒を促すために、この映画を作った。  ただ、コーエンは『ディクテーター』を「独裁者は悪い。民主主義はいい。アメリカは素晴らしい」などという単純な映画にはしない。アラジーンは自分がしてきた罪に気づいて反省するが、母国から来た核物理学者に独裁を続けろと励まされる(彼は核兵器を作りたいだけ)。 「あんたは最後の独裁者なんだから頑張れ! カダフィも倒れた。金正日も、チェイニー副大統領も! あんたがいなくなったら、言論は自由になり、女性の権利も認められてロクでもないことになるぞ!」  一方、影武者は国連でワディヤの民主化を宣言しようとしていた。それを裏で操るのは、エクソン・モービル、BP、ペトロ・チャイナという石油メジャー。民主化されればワディヤの石油利権が手に入る。世界の巨大企業のベストテンにランクされる彼らがアメリカや中国の政治を動かし、湾岸戦争やイラク戦争を引き起こした。彼らに比べたらアラジーンなんてちっぽけな小悪党だ。  チャップリンの『独裁者』は、ヒンケルに間違われたユダヤ系の床屋がラジオで世界の虐げられた人々を励ます演説をして感動的に終わる。アラジーンも最後に演説をするが、その内容は辛辣だ。 「アメリカでは上位1%の金持ちが富のほとんどを独占し、貧乏な庶民は医療保険もない。国民に選ばれた大統領はウソをついて戦争を起こした。独裁とどっちがマシだ? 民主主義は欠陥だらけのシステムだ。でも……」  その「でも」から後が感動的。ちょっと涙が出たよ。 まちやま・ともひろ サンフランシスコ郊外在住。『〈映画の見方〉がわかる本』(洋泉社)など著書多数。TOKYO MXテレビ(金曜日23時半~)にて、『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』が放送中。
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■「サイゾーpremium」とは? 雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」では『町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」』のBNも!】教師も法も役に立たない“イジメ”という現実戦争が人間を変える傷痍軍人の癒えない傷人は人を正しく裁くことができるのか? 悪魔崇拝で、死刑に!?現代に甦った魔女裁判

消費税増税に突撃する野田首相と相棒の"議員殺し"という過去

【サイゾーpremiumより】 ──「政治生命を懸ける」とぶち上げ、消費税増税実現に向けて邁進する野田首相。野党にすり寄るために内閣改造をし、反対勢力である小沢グループを切り捨てることも厭わない姿勢だ。だが、この姿勢が党内でイマイチ支持を得られていないのは、冷静さを欠いて猛進したために犯した大失態が、過去にあるからではないかといわれている──。(当記事は6月18日発売の「月刊サイゾー」7月号に掲載されたものです)
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「ドラマ『おれは男だ!』(1971~72
年)の主演だったイケイケどんどんの
森田健作・千葉県知事みたいなノリ」
(民主党議員)だという。
「乾坤一擲。一期一会のつもりで説明したいと思います」  野田佳彦首相は、5月30日の小沢一郎・民主党元代表との会談を前に、こんな四文字熟語を並べて自らの心境を明かした。「乾坤一擲」。辞書をひもとけば、「天下を賭けて博打(ばくち)のサイコロを投げる」の意味。悲願の消費税増税を成し遂げるため、猛反発する小沢氏との決戦の火蓋を切ろうという心意気を表したものだが、その舞台を博打に例えてしまうあたりが、この人らしい。しかも「一期一会」。もう二度と会うことはないと宣言したものと受け止められたが、当の会談が決裂すると、輿石東幹事長に諭され、2度目の小沢会談も行われた。もちろん、結果は決裂。「なんでこうも、ひと言ひと言、わざとらしいんだ」。こんなぼやきが、首相の番記者たちから多くなってきた。大手紙の政治部デスクが首相の心境を明かす。 「6月下旬の国会会期末を控え、野田さんは消費税増税法案の成立に向けて文字通りの”命懸け”モードに入っています。側近議員に『消費増税しなけりゃ、首相になった意味がない。成立のためなら、首相のイスだってこだわらない』と漏らしているようで、自民党の谷垣禎一総裁が賛成してくれるなら、首相の座を渡してもいいとまで思い詰めています。消費税増税の立役者として歴史に名を残せば、あとは討ち死にしたっていい、という幕末の志士みたいな気分なんです」  実際、野田氏は周囲に悲壮感すら漂わせており、しかもそのノリは超「体育会」系。ある民主党議員によると、増税に猛反対する小沢グループを向こうに回し、野田氏は風貌の似通った盟友の手塚仁雄首相補佐官【1】と一緒に「男はやるときはやるぞ! 待ってろ!」と、まるでプッチンと切れた勢いなのだという。 「下手に小沢さんたちが追い込めば、解散すらやりかねない。もう恐いものなしだよ」(同)  このノリは「常軌を逸している」(同)とまでいわれている。その証拠に、去る5月、増税法案の行方を握る衆院社会保障・税一体改革特別委員会の筆頭理事を務めている自民党の伊吹文明氏をはじめ、逢沢一郎理事(自民)や西博義理事(公明)の地元である京都、岡山、和歌山のそれぞれの自宅に、野田氏の命を受けた武正公一、古本伸一郎ら各議員がアポイントなしで電撃訪問。夜回り取材の記者よろしく、「伊吹先生、ここはひとつ、野田を男にしてやってください」といわんばかりの勢いで増税法案への協力を頼み込んだという。 「ライバル政党の議員の自宅にいきなり押しかけるなんて、政治の世界ではあり得ないこと。本来なら、こうした秘密会談は大物仲介者を立ててセッティングすべきものですからね。伊吹さんたちは勢いに気押されして訪問を受けちゃったけれど、自民・公明サイドは破れかぶれの野田流に半ばあきれています」(前出・政治部デスク)  さらに、こうした野田氏のやり方に、民主党議員たちの多くも、あきらめ顔だという。「このまま解散になれば、あの時のような悲劇が民主党を襲うだろう」と。  野田氏と側近の手塚氏には、知る人ぞ知る忌まわしい過去がある。野党時代、政府・自民党を追い込むスキャンダルと盛んに宣伝された「偽メール事件」【2】を仕組んだのがこの2人だった。  2006年の衆院予算委員会で、民主党の永田寿康議員(後に自殺)がこんな爆弾質問をした。 「起訴されたライブドア元社長の堀江貴文被告が、自らの衆院選出馬のコンサルタント費用として自民党幹事長の次男に3000万円を振り込むよう指示した社内メールを出した」  ところが直後に、捜査中の東京地検が「当該のメールや事実関係は把握していない」と異例のコメントを発表し、当時の小泉純一郎首相は「ガセネタ」と酷評した。民主党はメールのコピーも公表してさらに迫ったが、逆にこの”証拠品”の信ぴょう性も疑問視されてしまい、結局、追及を取り下げるという最悪の結末をたどった。  民主党が後に「偽メール事件」を検証したところ、永田氏以上にこのメールを国会で取り上げようと調査していたのが手塚氏だったことがわかっている。つまり、追及役を永田氏ひとりに押しつけた格好になったわけだ。しかも、メールの信ぴょう性が揺らごうとも頑として譲らなかったのが、当時の国対委員長・野田氏だった。  また、このメールの信ぴょう性を信じて疑わなかった当時の前原誠司・民主党代表は、党首討論で小泉氏に「期待しておいてください」と新たな証拠を示すそぶりまでみせ、問題を拡大させてしまったが、「野田さんと手塚さんのイケイケぶりに、まんまとはまってしまったんです」(前出・民主党議員)  偽メールの疑いが濃厚になると、永田議員は公の場に一切姿を見せず、雲隠れしたと大騒ぎになっている。実際は、永田氏が「議員を辞職したい」と言いだしたため、心神喪失を理由に手塚氏が身内の経営する病院に入院させてしまったのが真相だった。このいきさつもやがて明らかになり、「永田を隠した」と世論の非難を浴び、ますます情勢は不利になる。結局、追及を取り下げた後、民主党は懲罰委員会で永田氏を半年間の党員資格停止処分とし、本人は議員辞職した。そしてメール追及の事実上の指揮官だった野田氏が国対委員長を辞任して幕引きを図っている。さらに、前原氏は民主党代表を辞任。同党の支持率は急落した。 「その後の永田さんは不幸の連続でした。次の衆院選挙に地元千葉から出馬しようとしましたが、同じ千葉選出の野田氏の支援は得られず、政界復帰は断念。離婚問題もこじれたようで、精神的に追い込まれていきます。自殺したのは09年1月のこと。入院していた北九州市の精神病院そばのマンションから飛び降りました。眠れない日々が続いていた永田さんは、寝酒を常用していて、自殺現場には空の焼酎パックが落ちていたといいます。寝酒を勧めた人間も、野田氏周辺の人物といわれています。偽メール問題は永田氏自身の責任とはいえ、イケイケの野田さんと手塚さんの2人に翻弄されたと党内では受け止められました」(同)  こんな痛恨事があったにもかかわらず、野田氏と手塚氏の二人三脚ぶりは少しも揺らぐことなく、今日の政局を迎えている。かつて小泉内閣に突きつけた矛先は、今度は抵抗勢力のドン、小沢氏へと向けられた。前出の政治部デスクが憂う。 「強敵と戦うことこそ美学だという、誤った悲壮感に駆られている……これが今の野田氏と取り巻きたちの実態です。とにかく増税ありき。それしか頭にないから、では、その増税分をどう社会保障に使うのかなんていう本質論は一切語れないんです」  一政党内のくだらないいがみ合いにすぎない、今日の政局。それを何か大ごとが起きているかのように報道され、付き合わされている国民こそ不幸ではないか。 (編集部) 【1】手塚仁雄首相補佐官 1966年生まれ。00年に衆議院選挙に初当選。現在、三期目。02年の民主党代表選から、野田氏を首相候補として推すなど、同氏の側近中の側近といわれる。最近は、野田内閣のスポークスマンとして、メディア出演もするが、無難な発言が多く、視聴者受けはあまりよくない模様だ。
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【2】偽メール事件 「永田メール事件」「堀江メール問題」とも。06年2月16日に、民主党の永田寿康議員が問題を取り上げるものの、Nという雑誌発行者から入手したメールが偽物であったことが発覚し、同28日には永田議員は謝罪会見を行なっている。その後、3月2日には、野田氏が国対委員長を辞任、3月末には前原氏が民主党代表を辞任し、民主党の支持率は急落。本来は、BSE問題や耐震偽装事件、防衛施設庁談合事件などについて、自民党が激しい追及を受けるはずだった国会の場は、民主党糾弾の場と化してしまった。
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月額525円読み放題! (バックナンバー含む) 【「サイゾーpremium」にはこんな記事も!】"平成の松下村塾の実力やいかに!? "迷"相・野田佳彦を生んだ素晴らしき松下政経塾の全貌【連載】「マル激TALK ON DEMAND」野田政権が掲げるべき増税の対価と日本の未来像増税で日本の"格"もダウン!? 企業の"借金返済能力"を計る格付け会社は世界を滅ぼすか?

消費税増税に突撃する野田首相と相棒の"議員殺し"という過去

【サイゾーpremiumより】 ──「政治生命を懸ける」とぶち上げ、消費税増税実現に向けて邁進する野田首相。野党にすり寄るために内閣改造をし、反対勢力である小沢グループを切り捨てることも厭わない姿勢だ。だが、この姿勢が党内でイマイチ支持を得られていないのは、冷静さを欠いて猛進したために犯した大失態が、過去にあるからではないかといわれている──。(当記事は6月18日発売の「月刊サイゾー」7月号に掲載されたものです)
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「ドラマ『おれは男だ!』(1971~72
年)の主演だったイケイケどんどんの
森田健作・千葉県知事みたいなノリ」
(民主党議員)だという。
「乾坤一擲。一期一会のつもりで説明したいと思います」  野田佳彦首相は、5月30日の小沢一郎・民主党元代表との会談を前に、こんな四文字熟語を並べて自らの心境を明かした。「乾坤一擲」。辞書をひもとけば、「天下を賭けて博打(ばくち)のサイコロを投げる」の意味。悲願の消費税増税を成し遂げるため、猛反発する小沢氏との決戦の火蓋を切ろうという心意気を表したものだが、その舞台を博打に例えてしまうあたりが、この人らしい。しかも「一期一会」。もう二度と会うことはないと宣言したものと受け止められたが、当の会談が決裂すると、輿石東幹事長に諭され、2度目の小沢会談も行われた。もちろん、結果は決裂。「なんでこうも、ひと言ひと言、わざとらしいんだ」。こんなぼやきが、首相の番記者たちから多くなってきた。大手紙の政治部デスクが首相の心境を明かす。 「6月下旬の国会会期末を控え、野田さんは消費税増税法案の成立に向けて文字通りの”命懸け”モードに入っています。側近議員に『消費増税しなけりゃ、首相になった意味がない。成立のためなら、首相のイスだってこだわらない』と漏らしているようで、自民党の谷垣禎一総裁が賛成してくれるなら、首相の座を渡してもいいとまで思い詰めています。消費税増税の立役者として歴史に名を残せば、あとは討ち死にしたっていい、という幕末の志士みたいな気分なんです」  実際、野田氏は周囲に悲壮感すら漂わせており、しかもそのノリは超「体育会」系。ある民主党議員によると、増税に猛反対する小沢グループを向こうに回し、野田氏は風貌の似通った盟友の手塚仁雄首相補佐官【1】と一緒に「男はやるときはやるぞ! 待ってろ!」と、まるでプッチンと切れた勢いなのだという。 「下手に小沢さんたちが追い込めば、解散すらやりかねない。もう恐いものなしだよ」(同)  このノリは「常軌を逸している」(同)とまでいわれている。その証拠に、去る5月、増税法案の行方を握る衆院社会保障・税一体改革特別委員会の筆頭理事を務めている自民党の伊吹文明氏をはじめ、逢沢一郎理事(自民)や西博義理事(公明)の地元である京都、岡山、和歌山のそれぞれの自宅に、野田氏の命を受けた武正公一、古本伸一郎ら各議員がアポイントなしで電撃訪問。夜回り取材の記者よろしく、「伊吹先生、ここはひとつ、野田を男にしてやってください」といわんばかりの勢いで増税法案への協力を頼み込んだという。 「ライバル政党の議員の自宅にいきなり押しかけるなんて、政治の世界ではあり得ないこと。本来なら、こうした秘密会談は大物仲介者を立ててセッティングすべきものですからね。伊吹さんたちは勢いに気押されして訪問を受けちゃったけれど、自民・公明サイドは破れかぶれの野田流に半ばあきれています」(前出・政治部デスク)  さらに、こうした野田氏のやり方に、民主党議員たちの多くも、あきらめ顔だという。「このまま解散になれば、あの時のような悲劇が民主党を襲うだろう」と。  野田氏と側近の手塚氏には、知る人ぞ知る忌まわしい過去がある。野党時代、政府・自民党を追い込むスキャンダルと盛んに宣伝された「偽メール事件」【2】を仕組んだのがこの2人だった。  2006年の衆院予算委員会で、民主党の永田寿康議員(後に自殺)がこんな爆弾質問をした。 「起訴されたライブドア元社長の堀江貴文被告が、自らの衆院選出馬のコンサルタント費用として自民党幹事長の次男に3000万円を振り込むよう指示した社内メールを出した」  ところが直後に、捜査中の東京地検が「当該のメールや事実関係は把握していない」と異例のコメントを発表し、当時の小泉純一郎首相は「ガセネタ」と酷評した。民主党はメールのコピーも公表してさらに迫ったが、逆にこの”証拠品”の信ぴょう性も疑問視されてしまい、結局、追及を取り下げるという最悪の結末をたどった。  民主党が後に「偽メール事件」を検証したところ、永田氏以上にこのメールを国会で取り上げようと調査していたのが手塚氏だったことがわかっている。つまり、追及役を永田氏ひとりに押しつけた格好になったわけだ。しかも、メールの信ぴょう性が揺らごうとも頑として譲らなかったのが、当時の国対委員長・野田氏だった。  また、このメールの信ぴょう性を信じて疑わなかった当時の前原誠司・民主党代表は、党首討論で小泉氏に「期待しておいてください」と新たな証拠を示すそぶりまでみせ、問題を拡大させてしまったが、「野田さんと手塚さんのイケイケぶりに、まんまとはまってしまったんです」(前出・民主党議員)  偽メールの疑いが濃厚になると、永田議員は公の場に一切姿を見せず、雲隠れしたと大騒ぎになっている。実際は、永田氏が「議員を辞職したい」と言いだしたため、心神喪失を理由に手塚氏が身内の経営する病院に入院させてしまったのが真相だった。このいきさつもやがて明らかになり、「永田を隠した」と世論の非難を浴び、ますます情勢は不利になる。結局、追及を取り下げた後、民主党は懲罰委員会で永田氏を半年間の党員資格停止処分とし、本人は議員辞職した。そしてメール追及の事実上の指揮官だった野田氏が国対委員長を辞任して幕引きを図っている。さらに、前原氏は民主党代表を辞任。同党の支持率は急落した。 「その後の永田さんは不幸の連続でした。次の衆院選挙に地元千葉から出馬しようとしましたが、同じ千葉選出の野田氏の支援は得られず、政界復帰は断念。離婚問題もこじれたようで、精神的に追い込まれていきます。自殺したのは09年1月のこと。入院していた北九州市の精神病院そばのマンションから飛び降りました。眠れない日々が続いていた永田さんは、寝酒を常用していて、自殺現場には空の焼酎パックが落ちていたといいます。寝酒を勧めた人間も、野田氏周辺の人物といわれています。偽メール問題は永田氏自身の責任とはいえ、イケイケの野田さんと手塚さんの2人に翻弄されたと党内では受け止められました」(同)  こんな痛恨事があったにもかかわらず、野田氏と手塚氏の二人三脚ぶりは少しも揺らぐことなく、今日の政局を迎えている。かつて小泉内閣に突きつけた矛先は、今度は抵抗勢力のドン、小沢氏へと向けられた。前出の政治部デスクが憂う。 「強敵と戦うことこそ美学だという、誤った悲壮感に駆られている……これが今の野田氏と取り巻きたちの実態です。とにかく増税ありき。それしか頭にないから、では、その増税分をどう社会保障に使うのかなんていう本質論は一切語れないんです」  一政党内のくだらないいがみ合いにすぎない、今日の政局。それを何か大ごとが起きているかのように報道され、付き合わされている国民こそ不幸ではないか。 (編集部) 【1】手塚仁雄首相補佐官 1966年生まれ。00年に衆議院選挙に初当選。現在、三期目。02年の民主党代表選から、野田氏を首相候補として推すなど、同氏の側近中の側近といわれる。最近は、野田内閣のスポークスマンとして、メディア出演もするが、無難な発言が多く、視聴者受けはあまりよくない模様だ。
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【2】偽メール事件 「永田メール事件」「堀江メール問題」とも。06年2月16日に、民主党の永田寿康議員が問題を取り上げるものの、Nという雑誌発行者から入手したメールが偽物であったことが発覚し、同28日には永田議員は謝罪会見を行なっている。その後、3月2日には、野田氏が国対委員長を辞任、3月末には前原氏が民主党代表を辞任し、民主党の支持率は急落。本来は、BSE問題や耐震偽装事件、防衛施設庁談合事件などについて、自民党が激しい追及を受けるはずだった国会の場は、民主党糾弾の場と化してしまった。
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