【筧美和子】ロシアのハーフクォーターなんです。

――月刊サイゾーがウェブで読める「サイゾーpremium」から、今ホットな話題に関する記事をご紹介!  シェアハウスを舞台にした「テラスハウス」(フジテレビ)に、5月から参戦した筧美和子ちゃん。月刊サイゾーでは、こんなセクシーな姿を披露してもらいました! ■今回のピックアップ記事 【筧美和子】ロシアのハーフクォーターなんです。(2013年6月号掲載)
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(写真/石黒幸誠 go relax E more)
 透き通るような肌の美女、身にまとうのは数枚のキャベツだけ──やたらとコケティッシュなキャベツ人形といった風情のフォトセッションに参加いただいたのは、今年から週刊誌やマンガ誌のグラビアページに登場しだしたばかりという筧美和子ちゃん。 「グラビアで雑誌の表紙を飾るのが近い将来の夢だったんですけど、5回目の現場で早くもかなっちゃいました。でも、キャベツを用意したって聞かされた時は、『どう使うんだろう?』って思いましたけど(笑)」  ちなみに、美和子ちゃんのバストを隠しているキャベツは、本物と見まごうばかりのシリコン製。本人の申告によるところの「たぶんG」なバストは、いつ頃から……? 「中学生くらいの頃はちょっと大きくなったかなって感じだったんですが、高校生になってから急激に太って大きくなりましたね。私はもともとファッションが好きでモデルさん体形に憧れていたので、このお仕事をするまではかなりコンプレックスで、ぎゅーって潰してました」
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(写真/石黒幸誠 go relax E more)
 それはもったいない。ちなみにご家族も大きいんでしょうか? 「おばあちゃんが大きいですね」  なんでも、ひいお婆さまがロシア人で、美和子ちゃんはハーフクォーター(16分の1)になるそうですね。どうりで肌が真っ白なはず。 「でも、全然会ったことも話を聞いたこともないんですよ。なので自分にロシアの血が流れているなあって思うことは……肌が白いのと、まぶしいのに弱いのと、あと腰まわりがガッシリしているところくらいですかね。逆に寒さには弱いですし」  そうなんですね。ちなみに今月号のサイゾーは「食品特集」なんですが、美和子ちゃんが好きな食品や献立はなんでしょう? 「野菜が好きです。特にナスとかトマトとかキュウリとか夏野菜です。あと、お米がチョー好きなんですけど、やせなくちゃいけないから夜はひかえてます。ほかに好きなのは春巻きとカレーとりんごジュース。今はあまりお料理ができないので、これからお母さんに教わりたいです」  ロシアの血を引くだけに「好きな食べ物はボルシチ!」とか期待してたんですけど、違いましたね(笑)。では嫌いな食べ物は?
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(写真/石黒幸誠 go relax E more)
「納豆です。子どもの頃は好きだったみたいなんですが、食べすぎたせいか見た目もにおいも味も全部ダメです。あと、ワサビがあんまり好きではないかもしれません」  もうイソフラボンは足りてますってことなのかしらね。  最後に、今後の目標をお聞かせください。 「グラビア以外の近い将来の夢はCM出演です。遠い将来の目標は、いろんな仕事をしてやりたいことを見つけたい……って普通ですね。えーっと、今のところトークが下手すぎるのが課題です(笑)」  では、もっとトークの実力を磨いて再登場お願いします! (熊山 准) (スタイリング/吉田奈緒美 AVGVST) (ヘア&メイク/MEGURO D-CORD) 【拡大画像は「サイゾーpremium」のグラビアギャラリーでご覧いただけます。】 かけい・みわこ 1994年3月6日、東京都生まれ。身長166センチ、B87(たぶんGカップ)W60H85。高校2年の冬にファッションショー会場でスカウトされ、10年よりファッションモデルとして活動を開始。12年には女優としてもデビューし、映画『鍵泥棒のメソッド』(12年)、『結婚前夜』(13年)、舞台『東京俳優市場2012春、おちないリンゴ』などに出演。現在はグラビア活動のかたわら、リアリティ系バラエティ番組『テラスハウス』(フジテレビ)にも出演するなどマルチに活動の幅を広げている。 公式ブログ「MIWAKO」

出版社ウハウハでも書店からは非難轟々の村上春樹狂騒曲

【サイゾーpremium】より
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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 著/村上春樹 発行/文藝春秋 価格/1785円 主人公・多崎つくるは、大学進学で上京して2年目に、突然地元の親友グループから縁を切られる。それは彼の中に深い傷を残した。それから16年後、鉄道会社に勤めるつくるに、友達以上恋人未満の関係にある沙羅は「4人から縁を切られた理由を探るべきだ」と告げる。彼はその言葉に従って、彼らを訪ねる旅に出た──という物語。社会現象となった『1Q84』以来の新刊ということもあり、発売が予告されるやたちまち話題に。世間の期待も高まり、発売前日の4月11日時点ですでに4刷50万部を超え、1週間でミリオンを達成するなど、驚異的な売り上げを記録している。 ──4月、村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が発売され、各メディアがその熱狂ぶりをこぞって報道した。一体なぜ、これほどまでに村上春樹の作品は売れるのか? 遅ればせながら本誌もこのフィーバーに乗っかり、過去作品の研究や、宗教家や批評家、ハルキスト・アイドルなどによる新刊レビューを敢行。今、最もノーベル文学賞に近い日本人・村上春樹の実態に迫った。  4月12日の発売から7日目にしてミリオンセラーを達成した村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)。読者がバーゲンさながらに、目当ての書籍に殺到する風景は、初版部数290万部を記録した『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(04年発売、静山社)の発売時を彷彿とさせる出来事だった。  しかし、いつから村上春樹氏の新刊がこれほどまでに爆発的な勢いで売れるようになったのだろうか? まずは一連の流れを見てみよう。2002年発売の『海辺のカフカ(上下)』(新潮社)や04年の『アフターダーク』(講談社)の頃は、確かに話題にはなったが、社会現象になるほどではなかった(P100参照)。分水嶺は、09年に新潮社が発売した前作『1Q84』にあるのだろう。同時発売となった『1Q84 BOOK 1』『BOOK 2』は、発売日までタイトルと価格、2巻同時発売という情報のみが開示され、書籍の内容については一切伏せられた。この戦略が話題を呼んで、メディアも大々的に取り上げて、発売から約2カ月で『BOOK 1』『2』同時にミリオンを達成。しかも、それぞれ初版刷り部数が20万部、18万部と、その後の売り上げからすると少なかったこともあって(それでも一般の書籍としては十分な数だが)、市場ではあっという間に品薄状態になった。増刷しても書店の注文に追い付かない状態が続き、結果的に消費者の”飢餓感”を演出することにもなった。  この例にならってか今回、文藝春秋も2月に発売の告知を掲載した際には、タイトル・発売日・価格、それと「短い小説を書こうと思って書き出したのだけど、書いているうちに自然に長いものになっていきました。僕の場合そういうことってあまりなくて、そういえば『ノルウェイの森』以来かな」という村上の談話のみを発表した。  ある文芸出版社の編集者によると、「『1Q84』の際に村上と新潮社がこの戦略で成功したので、今回も村上から文藝春秋にその話を持ちかけたという話だ。発売前まで社内でもゲラを読んだのは、社長以下経営トップ数人というほど、情報統制には超厳戒態勢が敷かれていた。また今回、『1Q84』ほか多くの作品を手がけてきた新潮社ではなく、文藝春秋から刊行したのは、文藝春秋の村上担当の女性編集者が急逝されたので、村上氏から追悼の意を込めて、1冊書きたいという申し出があった」との噂も出ているようだ。  また、都内書店員A氏は「文藝春秋の情報コントロールは本当に徹底していた。営業担当者に、本の詳細について聞いても『まったく知らない』と逆に困っていた様子。発売日前日には、書店にも本が届いたが、客の目に触れないようにしていた。販促用ポスターも同様で、発売日までは絶対掲示しないようにと、わざわざ電話があったほど。表紙画像が一般人によってネットにアップされたのは、発売が解禁される午前0時の確か2時間前くらいだったので、情報統制はまずまず成功したのでは」と話す。  このように、期待感を煽る戦略に出た文藝春秋だが、「初版刷り部数の設定には、社内で慎重派、積極派と意見が分かれたようで、苦労していた」(文芸系出版社社員)様子。結局、同社は初版30万部との結論を出した。しかし、書店やネット書店からの注文と問い合わせが殺到したため、発売前日の11日時点で刷り部数は4刷・50万部と一挙20万部を上積みすることになったのだ。  発売初日もお祭りそのもので、代官山蔦屋書店(東京・代官山)でのカウントダウンイベントや、三省堂書店神保町本店(東京・神保町)では入り口に「村上春樹堂」と看板を掲げて、早朝から店頭でワゴン販売を実施するなど、書店での”春樹フィーバー”を各局のワイドショーが報じるほど。文藝春秋も特設サイトや「週刊文春」などの自社媒体でこの話題を発売前後に繰り広げており、発売と同時に”祭り”は最高潮に達した。 「PubLine(紀伊國屋書店が提供するPOSデータ)など書店の売れ行きをみると、初回に仕入れた分のほとんどが初日に売れてしまった。紀伊國屋書店新宿本店では3日間で2700部を完売し、売上率は前代未聞の101%超え。仕入れを上回る販売部数となっているのは、おそらく店舗間移動などで外部から調達したのだろう」(出版社営業)  また、取次会社の最大手・日販が提供する書店のPOSデータシステム「トリプルウィン」では、初日に7万部超、2日目に2万部超を出荷。13万部の初版仕入れに対して、6日間で11万部を出荷し、平均出荷率は86・7%(2812件)だった。店舗別にみると、地方の支店や文藝春秋の営業担当者から融通してもらうなど、さまざまな調達手段を駆使して商品をかき集め、こちらも出荷率100%を超える数字が目を引いた。同じく大手取次・トーハンが提供する書店データ「トーネッツi」でも、初日に3万部以上、2日目に1万部弱とすさまじい初速を示し、書店からは「初日で完売」「2日目には品切れ」などの声が相次いだ。  この異常なまでの初速により、文藝春秋では発売初日に10万部の増刷を決め、4月15日に20万部、さらに18日には20万部の増刷を決めて累計発行部数が100万部に到達。この勢いは、『1Q84 BOOK 3』が100万部に到達した12日間を、5日も上回るスピードとなった。 ■良いニュースと悪いニュースがある  この”狂騒曲”の一方で、中小書店からは悲鳴も聞こえてくる。「なんと、うちには配本がゼロ。地方の中小の本屋に死ねというのか」(地方の書店)、「(あきらめがちに)まあ、うちには入ってこないよなぁ」(関西の書店)など、初回配本から漏れたケースが少なくなかったものとみられる。  さらに東京近郊の書店であっても、「初回配本は希望した数の半分以下」(大型チェーンの都内の店舗)、「(文藝春秋の)担当の営業さんに『1Q84』を3ケタ売った詳細な実績を報告したのに、初回配本数は2ケタだった。そんな数、すぐに売れてなくなりましたけどね」(東京近郊の書店)、「初回配本はあっという間になくなったので、営業さんに頼んで20部くらい都合してもらった」(別の東京近郊の書店)などと、初回の配本数が少ないという指摘が聞こえてきた。  こうした書店へのゼロ配本や初回配本の少なさは、出版業界特有の委託制度に原因がある。委託制度とは簡単に言えば、書店は仕入れた本が売れ残った場合ノーリスクで返品できるという仕組み。この制度により書店から来る注文数通りに重版し配本したのはいいが、書店で売れ残り、大量の返品が発生してしまい出版社が倒産する”ベストセラー倒産”も起こりうる。これは今回のようなビッグタイトルに限った話ではあるが、出版社はこうしたことを踏まえて、返品がなるべく発生しないように販売力のある書店を中心にこれまでの販売実績を考慮して初回配本数を決定する。そのため、地方の街の書店のような販売力の小さい零細店には、新刊・売れ筋商品が入荷しづらいのである。  今回は確実に売れる見込みがある書籍なので、文藝春秋が同作の配本に慎重かつ正確を期したいと、ほかの書籍以上に思い悩んだのは想像に難くない。だが、結果は『1Q84』の『BOOK 1』『2』と同様に、売り上げスピードが度重なる重版を上回り、前述したとおり、市場は飢餓感に満たされた。この山を文藝春秋の戦略とみる書店員は少数で、大方は圧倒的なまでの「春樹パワー」が文藝春秋の販売予測を超えたとみているようだ。  そうした状況に対し、都内の書店員C氏は「結果論だが、『多崎つくる~』と同じくらいの祭りとなった『KAGEROU』(ポプラ社)発売の時のように、責任販売制(通常よりも利益率は高いが、売れ残って出版社に返品する際は、仕入れ値より安く引き取られる制度)にして、書店の注文を採用してほしかった」と言う。  かつて、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の販売でも採用された責任販売制のメリットは、中小の書店でも自らのリスクと引き換えに初版の入荷部数を確保できる点にある。しかし今回、文藝春秋は責任販売制を選択しなかった。書籍の内容を事前に開示しないという出版社の戦略と、事前注文には書籍の情報が不可欠という書店側の事情との折り合いが取りづらかったのかもしれないが、これを導入さえしていれば、少なくとも「ゼロ配本により書店が顧客から不信感を受ける」という事態は避けられたのではないか。  このように、版元と書店にとっては悲喜こもごもの「村上春樹狂騒曲」だが、この祭りはいつまで続くのだろうか。筆者はゴールデンウィーク突入前の4月26日に都内の書店を訪れた。「『多崎つくる~』は2日前に入ってきて、店頭の一番いい場所で展開しているけど、だいぶ売り上げが落ち付いてきた。ゴールデンウィーク明けには、ひと段落するかもしれない。書店としてはもっと売りたいけど、配本が行き渡らなかったことによって、これだけ販売機会をロスするとね……」と早くも下火の予兆が見えてきているようだ。  しかも「『多崎つくる~』の陰に隠れてしまったが、今年の4月は文芸書祭りだった。第10回本屋大賞を受賞した百田尚樹の『海賊とよばれた男(上下)』(講談社)や、東野圭吾の『無幻花』(PHP研究所)も売れている。『海賊~』は100万部を突破し、百田さんによる既刊の『永遠の0』(文庫版、講談社)もこれに呼応して、動きがいい。村上春樹の既刊よりも動くし、百田さんはテレビにもたびたび出演する。講談社も思い切った重版で在庫も潤沢にあるようなので、書店としてはこっちのほうが売りやすい」(都内書店員B氏)と本音もチラリ。 「本屋大賞は、『本を売るための文学賞』として、書店や出版社と連携して、受賞作だけでなく、関連書籍も幅広く売れるよう施策を設けている。『多崎つくる~』も、こうした例を見習って、もっとほかの本と連動した企画をうつべきだっただろう」(同)  確かに、 『1Q84』の『BOOK 1』『2』『3』が発売された09年、10年の書籍市場はいずれもマイナス成長だった。書店業界からすれば、確実に売れる商材ではあるが、書店の年間売上が前年をクリアするほどの起爆剤には到底なりえない。 「マイナス成長にあえぐ出版社と書店にとっては、普段は本をあまり読まない人や書店に来ない人に、いかに今後も書店に足を運んでもらえるような仕掛けを施すかが重要だったといえるだろう」という書店員の声もあるようだ。  とはいえ、社会現象といえるまでに盛り上がり、世間の注目を集めたこの村上春樹狂想騒曲。本企画では、これらがいかにして作られたかを、過去の春樹作品の売り上げや村上のトホホなインタビュー記事検証、識者による『多崎つくる~』レビューをもって考察していきたい。 (文/佐伯雄大) 「サイゾーpremium」では他にも村上春樹と多崎つくるの真価を問う企画が満載です!】『多崎つくる~』の実売は6割程度? 下は3万部、上は140万部!村上春樹作品のホントの”売上冊数”【上祐史浩】『多崎つくる』は仏教のありふれたパロディ ”透明”という色が”最強”な時代とは?【谷 一歩】「液体のような私を受け止めてほしい」春樹にインスパイアされた”谷コミューン”
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ネオヒルズ族は稼げてライターは稼げない 情報産業でメシを食うのに必要なこと

【サイゾーpremium】より 進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!
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インプレス「できる」シリーズは今も続いている(画像は「できるポケット LINE」と「同 facebook」)。新しいサービスが世に広く出た時には、今でも需要があるようだ。
 ウェブメディアの定着と雑誌の低調によって原稿料が下げ止まらなくなり、いわゆる「フリーライター」が飯を食っていくことが難しくなった。しかしこれは、メディア構造の変化に伴い、できる人/できない人の淘汰が進んだだけなのかもしれない。自身もフリージャーナリストである佐々木氏が考える、これからのフリーランスに必要な条件とは?  雑誌などのメディアに原稿を書いて収入を得る「フリーライター」と呼ばれる職業が、急速に終わりを迎えようとしている。インターネットの普及で情報の価値が落ちたことに加え、書くことが専業ではない人たちが安いギャラで原稿の仕事を請け負うようなことが増え、原稿料単価が驚くほど下がってしまったからだ。  少し前に、グーグルの及川卓也氏の呼びかけで『セミプロに駆逐されるプロという構図勉強会』という変わった名称の勉強会があった。集まったのは主にIT分野で記事を書いている専業や副業ライターの人たち40人。雑誌時代には1ページで2~3万円ぐらいだった原稿料単価が、最近のウェブメディアではどれだけ長く書いても1本1~2万円程度で、生活できなくなるレベルにまで落ちていることなどが語られた。驚いたのは、音楽ライター業界に「アルプス」という用語があるという話。 「最近は音楽ライターが『アルプスでやってくれない?』とメディアから言われるらしいですよ。『アルプス一万尺、小槍の上で』という歌があるでしょう。……つまり1万円弱でどうか、という意味なんです」  ……笑うに笑えない話である。  私自身のことを振り返ってみても、この原稿料の低下は体感している。私は1999年に毎日新聞社から月刊アスキー編集部に移り、ライターの人たちとお付き合いするようになった。2002年頃からアスキーの仕事と並行してライター仕事もこなすようになり、03年にフリーとして独立して今に至っている。  私がアスキーに移った99年頃はまだ雑誌が非常に元気で、10万部余り出ていた月刊アスキーの原稿料は、1ページ2万5000円前後だった。1ページは1500~2000文字ぐらいなので、文字単価が一文字10~15円だったことになる。専門性の高い記事や著名人への依頼の場合などでは、1ページ3万円払っていたこともある。ちなみに総合週刊誌の原稿料はもっと高く、だいたい1ページ3~5万円だった。いま振り返ると夢のような金額である。  とはいえ、この時期でさえすでに、古株のライターには「原稿料はもう何十年も上がっていない」というような愚痴を言う人もいた。バブルの頃はライター稼業もかなり羽振りが良かったらしい。  90年代でもまだその残滓はあった。例えばコンピュータ業界では95年以降、Windowsの爆発的人気でパソコンが一気に普及したが、当時はまだ初心者にはかなりハードルが高かったこともあって、解説本が売れに売れた。その象徴がインプレスの「できる」シリーズで、全体の累計はなんと現在までに4000万部に達しているというから驚かされる。  雑誌も同様で、一時は書店の雑誌棚の3分の1ぐらいを各種のパソコン雑誌が占領していた。自作系、エクセルなどの実用系、総合系、初心者系、プログラマー系、エンタープライズ系などさまざまなジャンルに分かれ、膨大な雑誌から依頼される原稿を書き分けているだけでも、ライターは十分に生活できたのである。 ■ある意味では当然のライターの淘汰  しかしこの「パソコン解説本バブル」が続いたのは、せいぜい00年代初頭ぐらいまでだ。WindowsもXPが出る頃にはたいへん使いやすくなり、エラーで落ちたりフリーズすることもあまりなくなって、誰でも使えるコモディティ商品に変わっていった。さらに、ブログが広まり、ちょっとした解説やお悩み相談程度なら、ネットで検索すればすぐに回答が見つかるようになった。これによってパソコン雑誌もパソコン解説本も市場は冷え込んでいく。  加えてブログ文化の勃興は、ネット検索での情報を豊かにしただけでなく、雑誌や書籍の分野でもプロとセミプロの境をなくしていった。それまではセミプロの書く文章は「素人くさい」「専門的すぎてわかりにくい」と思われていたのが、ブログで平易な文章を書き慣れる人たちが大量に現れ、雑誌や書籍にも進出して原稿を書いたり、本を出したりするようになったのだ。これによって専業ライターの領域は極端に狭まり、食えない人がたくさん現れてきた。それがこの10年代の現状だ。  とはいえ先ほどの勉強会では、こんな真っ当すぎる指摘もあった。 「そもそも、これは果たして悪いことなのでしょうか? プロと呼べる質の高い仕事をしていない人もたくさんいたわけで、そうした人たちが食べられなくなっていくのは仕方ない。問題は、良質なものが生き残るためにはどうするのかということ」  インターネットが普及する以前、情報の需給バランスは著しく供給側に傾いていた。つまり、情報を求めている人はたくさんいるのに、供給は雑誌や新聞、テレビなどに絞られていた。この需給バランスがメディア側に余剰の富をもたらしており、放送局や出版社、新聞社の高給はここから来ている。そしてフリーのライターやディレクターなどにも、そうした余剰が回ってきて業界全体を潤してくれていたということなのだ。  ネットが普及したことで需給バランスは逆に振れ、今や需要側に傾いている。つまり供給は膨大にあるけれども、そんなにたくさんの情報を全部読める人はいない、という情報洪水状態になったのだ。旧来の余剰が消し飛んでしまうのは当然である。  ではこのような状況で、専業のライターはどのようにしてメシを食っていけばいいのか。  ひとつは、自分の専門性を磨き、自分の仕事に付加価値をつけていくことである。勉強会では、今も元気に活躍されている女性ライターのひとりが「プロが食えなくなっているなんてことはない」と断言していた。 「ソフトやハード、開発系の記事は専業ライターでは結構難しい。でも発表会の取材記事や海外イベントの取材、企業の作るコンテンツに合わせた記事を書くことなどは、専業ライターの仕事としてちゃんと残っています」  彼女は、淘汰されるダメライターの5つのポイントをこう挙げた。 「特定の編集者とつながっている」 「英語が苦手」 「ソーシャルが苦手」 「昔話ばかり」 「文章が下手」  かなりきつい言葉が並んでいるが、これには私はまったく同意だ。  加えて、これからのライター稼業では、自分の売り方をきちんと戦略を立てて考えていく必要がある。  以前は、特定の編集者やセミナー会社などに人間関係だけでぶら下がり、仕事をもらう人が多かった。このようなやり方は、時折飲みに行って「なんか仕事ないっすかね」「こんな本書けないですかね」と駄弁っているだけで営業活動になるので、楽ちんだったのだ。しかし今やこういう人たちの大多数は、仕事がなくなってしまっているだろう。  そうではなく、自分にどんな付加価値があり、それがどう市場にマッチするかを分析し、その上でソーシャルメディアを駆使してセルフブランディングを構築し、読者を獲得する必要がある。ツイッターやフェイスブック、ブログの活用は必須だ。  単体の記事コンテンツの原稿料は下がっていっても、自分のブランドを確立できれば、ライター自身の価値は低下せず、自分自身というキャラクターを売っていくことで生計を立てていくことができる。そういう戦略が重要なのだ。  反語的だが、勉強会ではこんな意見も出たことを付け加えておこう。 「ライターは食えなくなったと言うけど、同じように情報で商売してるネオヒルズ族の与沢翼はメシが食えているということなんですよ。そういうこと言うと皆さん笑うけど、これはもうちょっと分析してみてもいい問題なんじゃないかな」 (文/佐々木俊尚) 佐々木俊尚(ささき・としなお) 1961年生まれ。毎日新聞、アスキーを経て、フリージャーナリストに。ネット技術やベンチャービジネスに精通。主な著書に『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー・21)、『キュレーションの時代』(ちくま新書)、『「当事者」の時代』(光文社新書)ほか。 「サイゾーpremium」では他にも話題の識者陣による連載が満載です!】【小田嶋 隆】友達リクエストの時代『敬語で始まった関係は友だちになれない?「友だち」という特殊な人間関係』【宇野常寛】批評のブルーオーシャン『新しいリベラルとニコニコ超会議』【町田康】続・関東戎夷焼煮袋『物事はダマになり易い ダマという人生の障害といかにして向き合うか』
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【おはガール ちゅ!ちゅ!ちゅ!】OHA!で“朝会えるアイドル”中学生3人組の魅力

【サイゾーpremium】より ──ニッポンの朝にOHA!のあいさつと笑顔をもたらしてはや15年、あの『おはスタ』が放つ最新版超絶美少女3人組は、どうやらめっちゃ仲良しらしいんです!
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(写真/黒瀬康之)
「おーはー!」  日本の子どもたちの朝のあいさつを一変させた朝のキッズ向け情報バラエティ番組『おはスタ』(テレビ東京系)。番組のアシスタントガールは「おはガール」と呼ばれ、過去に蒼井優、平井理央など、名だたる女性タレントを輩出している。  そんなおはガールに昨年度から起用されているのが、現役中学生の岡本夏美、平祐奈、吉川日菜子という超絶美少女の3人。その名も「おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!」として、朝のレギュラーをこなしながら、これまでに3枚のシングルをリリース、ライブ活動も行っている。 「大変っていうよりも『楽しい!』っていう気持ちのほうが大きいです」(夏美) 「朝からお仕事できるので、早起きするのもランランルンルンです。ご飯も食べてるんで大丈夫です!」(祐奈) 「やまちゃんとか、ほかの共演者さんとお話をするのがほんとに楽しくって」(日菜子)  本人たちに気負いはなく、ただただ毎日をエンジョイしているといった様子。とはいえ年頃の女の子。仲良くできてます? 「もちろん。もう楽屋ではみんなうるさくって」(夏美) 「祐奈ちゃんなんてスキップし始めるし(笑)」(日菜子) 「動くし、飛ぶよね」(夏美) 「あと祐奈ちゃんは甘えん坊。車に乗ってる時も肩に頭を乗せて寝ちゃったり」(日菜子) 「くっつき虫だよね。みんな」(祐奈) 「みんな?(笑)」(夏美)  では最後にリーダーのなっちゃん、今後の意気込みをお願いします! 「4枚目のシングルが7月9日にリリースされます。まだ曲は聴いてないけど、夏らしいアゲアゲの曲だったらいいなーって、ワクワクしてます。皆さん、応援よろしくお願いしますね」 (文/岡島紳士) (ヘア&メイク/藏本優花) おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ! キッズ向け情報バラエティ番組『おはスタ』(テレビ東京系)に現在レギュラー出演中の女の子「おはガール」3人によるアイドルグループ。12年3月より活動開始。キャッチコピーは「朝会えるアイドル」。「もっと ぎゅっと ハート」で同年8月にデビューして以降、、すでに3枚のシングルをリリースしている。公式サイト〈http://www.shopro.co.jp/oha/ohagirl/吉川日菜子(きっかわ・ひなこ)/写真右 1999年10月25日、埼玉県生まれ。イメージカラーは橙色。映画『だいじょうぶ3組』(13年、東宝)に出演。劇団ひまわり所属。 平 祐奈(たいら・ゆうな)/写真中央 1998年11月12日、兵庫県生まれ。イメージカラーは桃色。女優・平愛梨の実妹。テレビドラマ『幽かな彼女』(フジテレビ)にレギュラー出演中。パールダッシュ所属。 岡本夏美(おかもと・なつみ)/写真左 1998年7月1日、神奈川県生まれ。イメージカラーは水色。ジュニアファッション誌「ニコラ」の専属モデル。エヴァーグリーン・エンタテイメント所属。 「サイゾーpremium」では他にもプレミアインタビューが満載です!】中島知子×苫米地英人 〈告白〉洗脳騒動はこうして作られた!【THE OTOGIBANASHI’S】「学校早退してリリック書く」初々しい3人組による2010年代仕様の"文化系ラップ"【玉城ティナ】大人びた表情に魅了され、マイペースなキャラに翻弄される──15歳の大物感
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日本で優秀なスパイが育たない理由とは? 安倍内閣の下で諜報機関が台頭!? 世界と日本の最新スパイ事情レポート

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『HOMELAND/ホームランド vol.1』
――北朝鮮によるミサイル危機をはじめ、緊迫化するアジア情勢。そんな中であらためて露呈したのが、我が国・日本の情報力のお粗末さだった。情報を扱うプロであるスパイをテーマに据え、アメリカで話題となっているテレビドラマの内容とともに、各国のスパイ最新事情と日本の諜報機関の今を追った。 今年4月以降、国内では北朝鮮の情勢をめぐって緊張状態が続いている。国土交通省からは操作ミスなども含め、複数回にわたって北朝鮮からのミサイル発射についての誤報が流れるなど、かなりの混乱が見られ、メディアなどでもさまざまな憶測や見解が出されている状態だ。この緊迫した国際情勢の中で、改めて専門家から警鐘が鳴らされているのが「日本の諜報力の弱さ」だ。  諜報機関というと日本ではあまり馴染みがないが、海外ではその存在感や果たす役割は大きい。諜報機関などの専門誌である「ワールド・インテリジェンス」(ジャパン・ミリタリー・レビュー)編集長などを歴任した軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、「世界を見ると、諜報活動に力を入れていない国はない」と語る。 「たとえばアメリカの場合だと、海外へ行っていわゆる諜報活動に当たるのがCIA。イギリスならMI6、ロシアならSVR(旧KGB)、中国などアジア圏の国々も強い諜報組織を持っています。こうした各国政府の下で諜報活動に当たる人間は、大きく2タイプに分かれています。公務員としての正式な肩書を持つ”オフィシャルカバー”と呼ばれる人たちは、大使館の外交官などとして各国に潜入していくケースが多い。日本に潜入するのであれば、駐日軍人として入ってくるのが一番楽でしょう。これに対して、正式な政府職員としての肩書を与えられない”ノンオフィシャルカバー”と呼ばれる人たちは、民間企業の一員などとして海外に赴きます。オフィシャルカバーは正式な政府職員であるため、外交特権などで守られていますが、ノンオフィシャルカバーの場合、万一潜入した国で捕まった場合は即各国の法律で裁かれることになる。スパイ行為は多くの国で非常に罪が重く、極刑を科すのが普通なので、リスクが大きい仕事です」(黒井氏)  想像通り危険なスパイ活動だが、現在の主流は潜入調査というよりも内通者づくりだという。「自分が潜入していくよりも、もともと内部にいた人を寝返らせて情報を引き出すほうが効率がいい。だから、”アセット(資産)”と呼ばれる協力者を各国に作っていくのが現在一番多い手法です」(同)  そんな中、黒井氏が危惧するのが日本の諜報力だ。氏によれば日本の諜報力は「第二次世界大戦後から、伝統的に弱い」のだという。 「内閣官房の内閣情報調査室や外務省の国際情報統括官組織、法務省の公安調査庁、防衛省の情報本部など、日本にもいわゆる情報活動を行う組織はいくつかありますが、現状で強いのは警察です。警察はアメリカのFBIに当たる業務も兼ねており、外国のスパイや危険な組織を監視するといった防諜を得意としています。しかし、CIAに相当する専門の対外諜報機関が存在せず、海外の独自情報はなかなか国内に入ってこない。イラク戦争のときに自衛隊が派遣されましたが、現地の情報がほとんどないため、オランダ軍やイギリス軍から情報をもらって活動していた、なんて話もあるくらいです。また、情報漏洩に対する意識も低く、内部情報を漏らしてしまっても、それに対する罰則規定も各国に比べて格段に甘い。そもそも日本では、政治家と記者がべったりで、本来秘密であるべき会議の内容までマスコミに筒抜けだったりする。最近ではさらにハッカーなどによるサイバー活動も盛んになっていますが、この分野でも日本は弱い。今年初頭にPCの遠隔操作事件が取り沙汰された通り、ネット関連はザル状態で非常に危険といえます」(同)  日本の諜報能力が弱いのは、歴史と風土の影響が大きいと、黒井氏は指摘する。戦前の1938年には、世界初のスパイ養成学校・陸軍中野学校が設立され、海外での秘密工作なども盛んに行われていたが、戦後、GHQの管理下で旧軍が解体されるとそうしたノウハウも失われてしまった。 「軍が解体されたといっても、51年のサンフランシスコ講和条約での独立後は、諜報組織を作ることは可能だった。しかし、日本では諜報活動に対して戦前の憲兵隊などの検閲や思想弾圧といったイメージが強く、左翼からの反発が強かったのです。そのため、なかなか強力な諜報組織を作ることができなかった。加えて、戦争中であれば諜報活動は絶対に必要でしたが、戦後はその必然性もなくなってしまった。普通、諜報部門はどこの国でもエリート中のエリートが就くもの。しかし、日本では各組織の情報部門は傍流扱いで、エリートコースではないということからもそうした意識がうかがえます」(同)  こうした状況下で、黒井氏が日本の諜報活動強化に期待を寄せているのが、日本版NSC(国家安全保障会議)の発足だ。 「NSCは各省庁、情報機関からの情報を集めて分析し、戦略化するための組織で、第一次安倍政権時代から現在まで安倍内閣が創設に向けて動いています。アメリカでも同様の組織は400人程度の人員を配備していますが、日本版はいきなり200人規模で創設する構想を持っているといわれており、かなりの気合を感じます。日本の諜報能力を立て直すきっかけになってほしいですね」(同)  国際的な緊迫感が高まっている現在、より速くより正確な情報を手に入れられるかどうかは、一国の運命を左右する問題だ。アメリカでは、下記で紹介している『HOMELAND/ホームランド』のように、諜報をめぐる争いがエンタメとして人気を博すなど、その注目度は高い。半世紀以上にわたって後れを取ってきた日本の諜報能力を立て直すことはできるのか? 日本における諜報機関の今後の動向に一層注視していく必要があるだろう。 (取材・文/小林 聖) 黒井文太郎(くろい・ぶんたろう) 1963年、福島県生まれ。「軍事研究」記者、「ワールド・インテリジェンス」(共にジャパン・ミリタリー・レビュー社)編集長などを歴任。現在はフリーの軍事ジャーナリストとして活躍中。『ビンラディン抹殺指令』(洋泉社新書y )、『日本の情報機関』(講談社)など著書多数。
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『24─TWENTY FOUR─』の製作陣が送るスパイサスペンスが日本上陸! HOMELAND/ホームランド 寝返り工作が激しいスパイの世界では、誰がどこのスパイとなっているかを見極めるのも重要だ。国防総省管理下のCTU(架空の政府機関)所属の捜査官とテロ組織との戦いを描いた『24-TWENTY FOUR-』シリーズの製作陣が手がけた新たなドラマ『HOMELAND/ホームランド』は、そんな寝返り工作疑惑をめぐるサスペンス。物語は、イラクで消息不明になっていたアメリカ海兵隊の軍曹が、8年にわたるアルカイダでの捕虜生活を経て、祖国に帰ってくるところから始まる。“英雄”として迎えられる軍曹ニコラス・ブロディだが、CIAエージェントのキャリー・マティソンは、ニコラスが洗脳され、アルカイダに寝返ったのではないかという疑惑を抱く。果たして彼は本当に“英雄”なのか? それとも……複雑な心理と息をもつかせぬ展開のスリリングなスパイドラマになっている。

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(c)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
プロデューサー:ハワード・ゴードン 出演:ダミアン・ルイス、クレア・デインズほか 発売:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 価格:ブルーレイBOX 3枚組 1万2600円 DVD BOX1 2枚組 3360円 DVD BOX2 4枚組 5040円 DVD vol.1 1490円(すべて税込) 発売日:5月31日(レンタル開始:6月5日)

「ステーキけん」井戸実社長がファミレス業界の悪態を暴露!

【サイゾーpremium】より
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――ステーキ・ハンバーグに特化したファミレスとして拡大を続ける「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」(以下、「けん」)。サラダをはじめ、カレー、ライス、スープまで食べ放題の無料サラダバーに、すかいらーくをはじめとした大手チェーンが撤退した店舗跡に“居抜き(前テナントの内装、空調・電気・厨房設備などをそのまま流用する)”で入る低コスト出店が話題となった同チェーン。最近では「ステーキガスト」(すかいらーく系)、「カウボーイ家族」(ロイヤルホスト系)らもその手法に追従し、競争が激化している。そして、この競争に火をつけた「けん」の代表といえば、エムグラントフードサービス代表の井戸実氏だ。ここ数年は露出を控えつつも、その毒舌ぶりも健在の同氏に、仁義なきファミレス業界の実情を存分に語ってもらった。 ──御社の成功以降、名だたる大手がサラダバーモデルをパクってきましたが、いまだに「けん」が強い理由はなんでしょうか? 井戸 サラダバー自体は、まったく新しいものじゃなかったんですよ。「BigBoy」、「ステーキハウス フォルクス」など、導入しているステーキチェーンは前からあった。たまたまうちはそれを大きく打ち出しただけなんです。だけど、それだけやればうまくいくと思ったら大間違いでね。 ──サラダバーをやったからって成功するわけじゃない、と。 井戸 キモは事業構造なんですよ。200店規模をカバーしながら、本社にいるのは僕のほか、広報、秘書など10数名だけ。管理本部は別にあるけど、本部機能は極力スリムにしているんです。だって、今は全店の売り上げをケータイからでもチェックできるシステムがあるんだから。僕らはそのメリットを受けて、商品に還元するわけです。その結果、飲食チェーンの原価率は30%といわれる中、うちは原価率40%でもやれるビジネスモデルになった。サラダバー、居抜きなどのキーワードだけを切り取ってもダメでしょ。 ──出店の際には、綿密なマーケティングを行っているんですか? 井戸 いやいや。立地調査なんかしないですよ。ウチがやってる居抜きって、大手チェーンの跡地ですから。つまり、大手の方々がコストをかけてマーケティングした場所。じゃあ大丈夫でしょ(笑)。あ、でも、一応Googleのストリートビューはチェックしますよ。ストリートビューが来ていなかったら、相当の田舎ってことですから。判断基準はそれぐらいですね。 ──以前は600店の店舗展開を目指すと鼻息も荒かった井戸社長ですが、今後の伸びしろは? 井戸 確かに、2011年頃の最盛期は600店舗をやれると言っていたんですよねえ。ただ、当時は競合がここまで多くなるのは想定外だったんですよ。サラダバーを別料金にしていた「BigBoy」も追随して、同価格のセットにしてきたし。280店舗を展開する大チェーンがマネをしてきて、さらにすかいらーく、ロイヤルホスト系の店舗も参入してきたら、そりゃキツいですよ。「けん」「BigBoy」「ステーキガスト」「カウボーイ家族」を合わせて600店強。それがこの市場の上限だった。つまり、そろそろゲームオーバーってことです。「けん」はピーク時の238店からだいぶ整理して、現在は197店。不採算店を閉め、既存店を強化していく流れに切り替えましたよ。 ──そんなふうに競合が乱立していったとなると、ロードサイドは潰し合いも激化したのでは? 井戸 いやあ、えげつなかったですねー。たとえば、売り上げが優良な店に、やたらとできるバイトが入ってくるんですよ。こいつは使えると思って「正社員にならない?」と声をかけるんですけど、「いや、バイトでいいんです」ってはぐらかす。おかしいなと思ってたら、3日でドロン。で、これが実は大手チェーン・Sさんの社員だった、なんてことがザラにあるわけですよ(苦笑)。研修で3日間入ったら、その店の売り上げなんて見られますし、ゆるいチェーンなら全店の状況まで把握できちゃう。ライバル店を調べるなら、バイトで入ってすぐに消える忍者を送り込む。飲食業界は、やるとなったら徹底的なんですよね。もちろん、こっちもやる時はやりますけど(ニヤリ)。 ──そういう話、大好物です! 井戸 ひどいもんですよー。ほかにも、Sさんがやってるチェーンのある店舗が撤退すると聞いたから、僕らがそこに居抜き出店をするという話を詰めていたことがあって。それが、どっからか情報が漏れたんでしょうね。Sさんはなんと、わざわざ内装を壊してスケルトン(入居時の何もない状態)にしたんですよ。僕らは居抜きでしか入居しませんから、結局話はお流れになりました。 ──泣くのは大家さんですよね。 井戸 そうでしょう? 原状回復させるために500万円ぐらいの退店コストをかけて、トラック10台分の産業廃棄物を出してね。それで「エコを考える企業」なんてよく言えるな、と(笑)。設備を有効活用する僕らのほうが、立派なエコビジネスでしょ。「『けん』は環境にも優しい」って書いておいてくださいよ(笑)。 ──逆に考えると、ファミレスの草分けを、そこまで本気にさせたわけですね。 井戸 大手の幹部の方々は頭の固い、昔ながらの人が多いですからね。新参者が目障りだったんでしょう。そうそう、以前某大手ファミレスチェーンの幹部に「うちの若手のエースです」って、自慢げに紹介されたのが僕より相当年上だったことがあって(笑)。どこも社員の高齢化が進むだけで、体質が変わっていない。 ■セブン&アイの看板問題と今世紀最強のサイゼリヤ
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「デニーズ」の跡地に居抜きで入った「けん」。
店舗をそのままエコ活用。
──そんな中、カフェ業態を取り入れる「デニーズ」、単価を下げる「ステーキガスト」など、生き残りの施策も見られ始めています。 井戸 カフェ業態といっても、デニーズとついてたら、それはファミレスにしか思われないんじゃないかな? その前に、デニーズは看板がね……。セブン&アイグループのロゴに替えたでしょ? ──ファミレスだと思ったらコンビニだったの? と思う人が続出したという、アレですね。 井戸 そうそう。あの看板変更って、1店舗当たりで100万円くらいかかるんですよ。全国規模で考えたらすごい額(苦笑)。それができる資金力はうらやましいですけど。あと、Sさんも外資ファンドの傘下になって、会長に マクドナルドの元社長 なる謎の人物を招聘してきましたよね。アメリカから来て、日本市場で一体何ができるのか……。まあ、普段使いのファミレスは、Sさんたちにお任せしますよ。僕らは今後、ハレの日需要を狙っていこうと思ってますから。先日、試験的に3150円の国産牛ステーキを投入したら、これが予想以上に売れまして。今後はステーキ専門店として客単価を上げる方向で……って、また追随されるかな~(笑)。 ──大手の幹部の皆さんが、サイゾーをチェックしますかね? 井戸 いや、わかんないですよ。前に、ブログで「けん」の売り上げ上位5店舗を挙げて、その売り上げを端数まで書いてたんですけど……その数カ月後ですよ、上位店のすぐそばに「ステーキガスト」がオープンしたのは。我ながらバカでしたねー、今考えると(笑)。だから、「けん」の次に仕掛けるフランチャイズのイタリアン「ヴォーノ・イタリア」の情報は一切非公開。マネされないようにね♪ ──そのイタリアン業態には「サイゼリヤ」という巨人もいますが。 井戸 あー! サイゼリヤには2万%勝てないですね。あそこは郊外における今世紀最強の業態だと思いますよ。ワインのボトルを1000円で提供して、それで利益を出すなんて信じられないですもん。290円の低価格メニューを出しても、原価率は30%ちょっとですよ? キッチンの調理に包丁いらずという衝撃的なオペレーションを構築し、1000店舗展開が視野に入るのも当然。創業者の正垣泰彦さんが言う「おいしいから売れるのではない、売れているのがおいしい料理だ」とは、まさにその通りだと思います。 ──その心は? 井戸 カレーの「CoCo壱番屋」を見ればよくわかるんですけど、ココイチのカレーって、まずくはないけど、際立って美味しいわけじゃないでしょう。だけど、気づいたら入ってる。そんな店が"売れる店"なんですよ。味が絶品で行列する店も素晴らしいけど、それで多店舗化は無理。ラーメンの「幸楽苑」ら同様、全国に400~500店を出すならなにげなく行けるお店じゃなきゃ。 ──では、次の打ち手は? 井戸 仕掛けよりも、今は続く店作りですかね。僕らの創業は「いわたき」という6店舗のステーキ店。もともと1984年オープンで、少々ボロくなっても愛されて繁盛しているんです。この店のように、現在の「けん」約200店が30年たってもそのままであればいいなと思ってます。何世代にもわたって、お客様に愛されていくお店が、今後の理想ですねえ(遠い目)。 (構成/佐々木正孝) 井戸 実(いど・みのる) 1978年、神奈川県生まれ。「築地すし好」にて寿司調理人として従事した後、「牛角」のレインズインターナショナルにて立地開発業務を経験。06年には「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」「ふらんす亭」などを擁する株式会社エムグラントフードサービスを創業し、代表取締役社長を務めている。その歯に衣着せぬ物言いにも注目が集まり、飲食業界における“本物の”若手エースのひとりとして活躍中。 「サイゾーpremium」では他にも食品業界の裏側に迫る記事が満載です!】「食べログ」「ぐるなび」グルメと料理を牛耳るITサービス人気の理由とその陥穽参院選に向けて議連の動きが加速……してない!? 「食と政治」打算的な関係キユーピーはブラック企業!?“巧みな宣伝戦”と“傲慢な裁判”の歴史
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大晦日は村田&井上!? 大人&先物買いしたフジテレビの胸算用

【サイゾーpremium】より 『村田&井上』……ロンドン五輪ボクシング金メダリストの村田諒太と、高校7冠のアマチュア実績を持つ井上尚弥のこと。日本ボクシング界の至宝ともいれる両者と、フジテレビが大物契約を結んだという。
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『101%のプライド』(幻冬舎)
 今夏にプロデビューが予定されている、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太。既報の通り、アマチュアボクシング界の至宝であった村田をプロに引っ張り出したのは、フジテレビ&電通の強力タッグによる力業だった。数千万円とも噂される破格の契約金に加え、東洋大学の職を辞す村田にフジのグループ会社での正社員待遇を保証してまで本人を口説き落としたというから、まさに資本力にモノを言わせた大人買いである。  そんな村田の所属先は過去に輪島功一ら3人の世界チャンピオンを輩出した三迫ジム(東京都練馬区)。同時に、業界最大手である帝拳ジムとの共同プロモートになることも発表された。これは一般的には知られていないレアケースだが、まずはその経緯を解説しよう。  そもそも長年に渡ってフジのボクシング番組に試合を提供してきたのは三迫ジムだ。フジが絡むことから、村田が三迫ジム所属になるのは自然な流れであるが、本来、日本テレビ系である帝拳ジムがサポートに絡むのは極めて異例。これは村田自身がプロ入りの条件として、帝拳ジム入りをかたくなに主張したためだと業界内で囁かれている。 「古くは大場政夫から西岡利晃まで、多数のチャンピオンを輩出してきた帝拳は世界に広いネットワークを持ち、国内随一のプロモート能力を備えたジム。特に村田の主戦場となる重量級のマーケットはアメリカ中心で、国内で世界タイトルマッチを組むのは容易ではありません。本気でプロの頂点を目指すなら、帝拳以外は考えられないという村田の主張は正しい」(某ジム会長)  帝拳ジムはプロモート面だけでなく、レベルの高い海外での練習環境を提供するなど、村田育成プロジェクトの中枢を実質的に担うことになる。業界内ではこれを「長年培われてきたクラブ制度【1】を崩壊させかねないウルトラCだ」(別のジム関係者)と揶揄する向きもあるが、国民的な知名度を誇るトップアスリートの参画は、ボクシング界を活性化させる話題に疑いはない。  こうした中、村田がプロ転向を発表した4日後の4月16日、当のフジが21年ぶり【2】にゴールデンタイムでボクシングの生中継を 敢行 したことも話題になっている。  中継されたのは、高校7冠のアマチュア実績を引っさげてプロ入りした、井上尚弥のプロ第3戦。ノンタイトル戦でありながら生中継がついたのは、辰吉丈一郎や畑山隆則を凌駕する素材と期待される井上であればこそ。村田のプロテスト中継(これまた異例のことだが)とのセット放送で、2時間の枠を用意する力の入れようだった。しかし、井上の過去2試合は、フジではなくTBSが中継してきた。局をくら替えしてのこのVIP待遇の裏には、フジの並々ならぬ野心が見え隠れする。 「井上が所属する大橋ジムでは、井上が価値のある商品に育つことを見越して、TBSとは1試合ごとの単発契約にとどめていたとか。そこで井上獲得に名乗りを上げたフジが破格の契約金を提示。TBSも負けじと提示額を吊り上げ、『大橋ジムとしては理想的な競り合いが繰り広げられた』ともっぱらです」(スポーツ紙記者)  村田獲得が大人買いなら、こちらはいわば先物買い。そもそもテレビ業界にとってボクシング中継は、ここぞというタイミングで高視聴率を叩き出す優良コンテンツのイメージが根強い。近年の亀田興毅の20%超えはいうに及ばず、1994年の薬師寺保栄vs辰吉丈一郎の一戦(関東地区平均で39・4%、関西で43・8%)などはもはや伝説的だ。  とりわけ昨年の大晦日には、井岡一翔を擁するTBSと内山高志を擁するテレビ東京がボクシング中継で好成績を挙げたのに対し、裏番組で『料理の鉄人』あらため『アイアンシェフ』で煮え湯を飲まされたフジである。村田と井上が、近い将来の大晦日商戦への切り札として期待されるのはもはや必然だろう。  だがしかし、井上第3戦はゴールデン枠にもかかわらず、平均視聴率6・9%という結果に甘んじた。 「番組制作を担当したプロデューサーK氏は、ボクシング界とお笑い界に太いパイプを持つことで知られる人物。CSのボクシング番組でも、昨年からMCに千原ジュニアを起用するなどファン層拡大のテコ入れに努めてきました。今回、村田&井上のために用意された2時間番組でも千原のほか、パネラーに9人の元世界チャンピオンを招くなど、少しでも視聴者の興味を引こうと努力していましたが、視聴者の声を拾ってみると、今ひとつMCと元王者たちの対話がかみ合わず、全体的に間延びした印象が指摘されています」(同)  いささか不安が残るフジの思惑だが、一方で、確かな収穫もあった。プロテストで元日本王者とのスパーリングに臨んだ村田が、随所にプロに向けたモデルチェンジを感じさせる出色の出来と好評なのだ。 「アマ時代はブロック主体で地味なスタイルが目についたが、フリッカージャブを振ったり、世界ではやりのL字ガードを見せたり、プロで頂点を獲るための試行錯誤が感じられた。それまで『あのスタイルでは、プロでは厳しい』と見ていた関係者が翌日、『順当に育てばイケるかも』と手のひらを返していたのが印象的です(笑)」(某ジム・トレーナー)  こうなると、井上で思い通りの数字が取れなかったフジにとって、村田への期待は俄然高まるはず。「今年は無理でも、来年の大晦日なら世界挑戦もあり得るのでは!?」(同)との声も上がっている。  そして、村田特需に期待を寄せるのは、テレビ局だけではない。これまで日が当たりにくかった国内の重量級ボクサー【3】が、こぞって村田との対戦をアピールしているのだ。なにしろ村田の対戦相手に選ばれれば、生中継がつくのは確実で、一気に全国区の知名度が得られる。まして、あわや 村田食い を果たそうものなら、即座に世界戦線に踊り出るのも夢ではない。もっとも、テレビならではの弊害も囁かれている。 「局の都合で、弱い相手ばかりを選んで勝ち星を積み重ね、いざ世界へ挑む段階でボロを出すパターンを我々は何度も目撃してきました。これでは拙速なキャリアづくりを強いられ、せっかくの素材を潰してしまうことになる。村田クラスの注目度でそれをされるのは、競技全体のイメージダウンにもつながります」(前出・スポーツ紙記者)  テレビ局にとってボクシングは、あくまでビジネス。それゆえの論理が、不世出の逸材に重い足枷とならなければ良いが……。 (友清哲) 【1】クラブ制度 日本では伝統的に、プロボクサーは所属ジムが管理する制度が主流。これに対し、海外では選手がトレーナーやマネージャーを選んで契約する手法が採られている。後者のほうが人気選手同士のビッグマッチが組みやすいメリットがあるといわれている。 【2】21年ぶり フジテレビがボクシングの試合を生中継するのは、92年11月のWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ヘナロ・エルナンデス vs 渡辺雄二戦以来のこと。渡辺は10戦10勝(10KO)のパーフェクトレコードを持つイケメンボクサーで、同局の大きな期待のもとに王者エルナンデスに挑んだが、6RTKO負けで戴冠は叶わなかった。 【3】重量級ボクサー 長らく日本重量級の第一人者として活躍してきた石田順裕もそのひとり。石田はこの3月に引退を表明したばかりだが、先だって催されたトークショーで村田との対戦希望を明言。村田の持つ抜群の知名度は、去りゆく選手の後ろ髪を引くほど魅力的なのだ。
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『おねラン』でおなじみ”イケメン料理人” 川越達也シェフの本音の本音

【サイゾーpremium】より ──『お願い! ランキング』をはじめとしたテレビ番組にひっぱりだこの、”イケメン料理人”川越達也シェフ。爽やかなスマイルが奥様方に人気なれど、ネットやその他ではいじられ放題、突込みどころ満載にも見える、今まさに旬すぎる料理人だ。代官山でオーナーシェフを務める彼が、わざわざ叩かれながらもメディアに出続ける理由・その旨味とはなんなのか? 本人に直撃した!
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(写真/梅川良満)
川越 「サイゾー」さん、たまにネットで僕の悪口書いてませんか……? ――そんなことはない……と思いますが、本日はよろしくお願いいたします。今はお店「タツヤ・カワゴエ」はお休み中ということですが【4月上旬時点。5月1日より営業再開】、ブログを拝見すると全国を飛び回ってますね。地方の食材の開拓などを考えているのですか? 川越 40代の戦略のひとつとして取り組んでいます。川越達也ならではのもの、今の時代に提案できるものとは何かを考えながら食材を探している感じですね。例えば、乾燥シイタケとか切干大根とか雑穀とか。今は全国に行って生産者の方たちと会っているところです。よくテレビとかで料理人が畑とかに行って、偉そうな顔で葉っぱをちぎってたりするじゃないですか(笑)。 ――『情熱大陸』(TBS)とか『ガイアの夜明け』(テレビ東京)で見たりしますね。 川越 ね? これみよがしにやってるでしょ?(笑) 僕は宮崎で泥臭い生活をしてきたので、子どもの頃からああいう畑の中で育ってきたんですよ。子どもの頃に体感した食材と、30年経った今、どうやって向かい合っていけるか考えているところですね。 ――その宮崎で過ごした幼少の頃から、川越さんは料理人を志していたんですか? 川越 「目指していた」というよりは、「できることを仕事にした」という言い方が正しいかな。子どもの頃はプロ野球選手になりたかったんですよ。でも、体が小さくて華奢だったので、中学校に上がる前ぐらいに限界がわかってしまった。一方で、子どもの頃から手に職をつけようという意識がありました。家は貧乏だったし、自分は勉強ができるわけでもない。身体も小さいし、ほかに秀でたこともなかった。でも、料理のことは、何をどうすればおいしくなるのか、学ぶ前からなんとなくわかるという能力があった。ありがたい”オプション”を身に付けていたんですね。 ――”手に職”を意識されていたということは、同時にお金を意識していた? 川越 やっぱり男の子だから、一発当てるために早く自分の武器を見つけて磨かなければいけないという思いがありました。 ――それはいつぐらいから考えていたことなんですか? 川越 小学校に上がるぐらいかな。仮面ライダーやウルトラマンになれないことはわかっていたけど、いざというときにそういうヒーローになっていたいという気持ちがあったんです。しっかりした強い人間になって、困った人を助けてあげなくちゃ、と。親兄弟も含めて、助けを乞うている自分の身の周りの人たちを助けてあげられる大人になりたかった。そのための武器が、料理の仕事だったんです。 ――以前、別のインタビューで「早くお金を稼いでお袋を救い出したかった」とおっしゃっていましたね。 川越 あぁ、はい。中学・高校時代は家がグチャグチャだったんですよ。親父との確執があったり、嫁姑の問題があったり。……僕、小学校の頃、お袋がばあちゃんの首を絞めているシーンを見ているんですよ(笑)。 ――うわぁ。 川越 もう半狂乱でしたね。ばあちゃんも元気だから応戦するんです。僕は子どもですから母親大好きですし、守ってあげたいという気持ちがありました。でも、その頃の僕は何もできなくてもどかしいわけですよ。だから、自分自身が働ける環境が整ってきた段階で、「よし! あとは仕事頑張るぞ!」と思ったんです。お袋のことを大事にするのはもちろん、いざとなったら親父のことだって面倒見なきゃいけない。川越家で何かあったら、俺が助けてあげられる人間になっていよう、と考えてましたよ。 ――家族を助けるウルトラマンになろうと。 川越 もうひとつ、親戚に障害者が何人かいたんです。特に幼い頃から兄弟のように育ってきた従兄弟が脳性まひだった。俺はこんなに自由に走り回れるのに、彼は歩くことも喋ることもできない。五体満足の俺は彼の分までもっと頑張らなきゃ、しっかり生きていかなきゃ、と思うようになりましたね。だから、自分が大人になったとき、誰が困っていたら「シュワッ!」と手を差し伸べられるような人間になっていよう、と。それが手に職をつけるということだったのかもしれません。 ■「自分の料理教室もトークの練習の場にしていた」 ――宮崎から大阪・神戸を経て東京に進出、今や”川越シェフ”として多忙を極めているわけですが、そこではメディア出演が大きな役割を果たしていると思います。メディア出演の最初のきっかけはなんだったのでしょう? 川越 きっかけというより……きっかけが来たらいいな、と思って常に準備をしていました。何が成功かということについてはそれぞれ考え方がありますけど、僕は有名になりたいと思ってメディアに出たわけじゃなくて、有名にならないと生き残れない時代だと思っていたんです。 ――具体的にはどんなことをしたのでしょう? 川越 28歳で開業した頃は、例えば雑誌の「Hanako」(マガジンハウス)さんや「東京ウォーカー」(角川書店)さんがエリア別のレストランや若手シェフの特集を組むときに、「目黒の学芸大学駅に、若くて頑張ってるシェフがいるらしいよ」と風の噂が立つような準備をしていました。「ティアラ・K・リストランテ」というちょっと長い当時の店名も、誌面に載せたときに「なんだろう?」と目に留まるようにしたかったから。雑誌に掲載する料理も、海老や蟹を使って、実は食べてもそんなに美味しくないんだけど写真映えする見た目の派手な料理を載せてました。で、予約の電話をしてくれたお客さんに素直に言うんです。「すみません、掲載していた料理は雑誌用に華やかにしたものなので、お出しできないのです。その代わり、一生懸命作るので食べに来ていただけませんか?」って。来ていただいたらお詫びをして、代わりの料理で楽しんでいただきました。なかには「なんだ、嘘じゃん」と言う方もいましたけど、人がなんと言おうと店に興味を持ってもらうことが大事だと思っていましたね。雑誌の表紙と一緒ですよ。 ――それも一種のメディア戦略ですね。 川越 次は「若手のオーナーシェフ」として、そういう企画があったら最初に声がかかるような戦略を打ちました。もう、努力ですよね。2週間に1回ぐらい美容室に行って、ちゃんとカラーリングする。帽子なんて被りません。あと、上手くお話ができるように、お店で料理教室も開きました。 ――料理教室でトークのトレーニングをしたんですか? 川越 いろいろな料理番組でシェフが喋っているのを見て、「もっとこう言ったらわかりやすいのに……」と思うわけですよ。だから、料理教室を開いて生徒さん相手に、ちゃんと伝わる言い回しや表情を研究しました。僕はタレントじゃないけど、テレビに出るのならそれはやるべきだと思います。その頃はテレビを見ながら自分に置き換えてシミュレーションしてました。「チャンスが巡ってきたら、よし、みてろよ」っていうような思いでしたね。 ――そもそも、料理人の世界では、メディアに出ることは良しとされるんでしょうか?  川越 ほとんどの料理人――九割九分と言ってもいいと思います――は実はメディアに出たいんですよ。この世界は、自己顕示欲が強い人ばかりなんです。自分の名前を店名にしてみたり、俺の料理はこうだと語ったりするのも、すべて自己顕示欲の表れ。でも、なかなかメディアに出ることはできないから、メディアに出ることは悪だという歪んだ考え方になってしまう。 ――「あいつチャラチャラしやがって」みたいな批判が聞こえてきたりしませんか? 川越 聞こえてきますよ。でも、そんなのが100人ぐらい束になってかかってきても、なんとも思いません(笑)。 ――以前は、「最初の頃は批判がキツかった」ともおっしゃっていたと思いますが。 川越 あぁ、それは、言うなればある種のリップサービス。そういう人たちとは目標が違うとわかっていたので、気にはなりませんでした。彼らの目標は美味しい料理を作りたいとか、自分の料理を評価されたいとか、自分のやりたいことに主軸を置いている。それは全然悪いことじゃなくて、正しい料理人の姿なんですよ。じゃあ僕は何が違うと言いたいか。僕の目標は初めから料理人じゃなくて、ウルトラマンなんです。身内も知らない人もひっくるめて、いざという時には困っている人を助ける大人になるためにこの仕事を選んだんです。 ――現在は料理バラエティーも増えていますし、シェフや料理研究家のような方たちも大勢メディアに出るようになりましたが、川越さんの目にはどう映っているんでしょう? 川越 僕は料理評論家という人たちのやっていることには、あまり賛同できないんですよ。彼らは自分のお店を持っていないでしょう? 僕からすると、それはズルい。僕は自分の店を持って、誹謗中傷されながらも存続させている。「じゃ、あなたたちもお店やってごらんなさいよ? それから評論でも研究でもしなさいよ」と思いますね。自分が作ったものを多くの人に食べてもらって賛同してもらうべきです。 ――じゃ、自分と同じことをしているとは思わない? 川越 思いません。彼ら、彼女たちがやっていることは、まぁ、食べていく術の一つなのかな、と思います。その人たちとケンカするつもりはありませんよ。それはその人たちの生き方だから。でも、食べ歩いて人の店に文句を言う人とかいるじゃないですか? 本当に……いなくなってほしい(笑)。 ――では、「食べログ」のような評価サイトのことをどう思われますか? 川越 くだらないです(即答)。僕は興味もないし、何をわかって書いてるの? と思いますね。人を年収で判断してはいけないと思いますが、年収300万円、400万円の人が高級店に行って批判を書き込むこともあると思うんです。 ――そういうこともあるでしょうね。 川越 ね? でも、そこまでの店にしてきた企業努力や歴史は、あなたにはわからないでしょ? と思うんです。断片的なことを切り取って、「すべて悪」みたいなことを書き込んでいる。僕の店も「水だけで800円も取られた」と非難されることがある。でも、当たり前だよ! いい水出してるんだもん。1000円や1500円取るお店だってありますよ。そういうお店に行ったことがないから「800円取られた」という感覚になるんですよ。だから……残念だな、と思うわけです。あとは、やっぱり何か言いたいだけなんですよ。僕はやらないですけど、一般の人がフェイスブックだのツイッターだのをやるのは、みんな自分の存在を見てほしいわけでしょ? 「食べログ」で鬼の首を取ったような批判を書いている人がいても、結局それと一緒なんだな、と。 ――川越さんがメディアに大量に出てることへの批判もあれば、調理場に「川越ミラー」があっていつも自分の姿を確認しているなんて週刊誌でネタにされたりもするじゃないですか。……実際にあるんですか? 川越 ありますよ(笑)。身だしなみを整えるためにね。 ――川越さんがヘアスタイルを整えてメイクを施しているのも、「自分を見てほしい」人だと思われがちですよね。 川越 はいはい、一般的にね。でも、今までのお話の通り、僕の場合それはツールであってゴールが違うんです。それに身だしなみぐらいは、最低限ちゃんとしておいたほうがいいじゃないですか。同じ料理だって小ぎれいに盛り付けたほうがいいでしょ? ――ちなみにその髪型は天然パーマではないですよね? 川越 美容室に行ってやってもらってますよ。商品パッケージにもこの髪型で出ているから、なかなか変えられなくて。メディアに出るのをやめたら坊主にするかも(笑)。髪型も料理の盛り付けと一緒ですよ。 ――セルフプロデュースにはとことんこだわっていますよね。 川越 逆に、なぜ皆さんはやらないのかな? と思います。料理に100%費やすとして、あと10%ぐらい自分に手間をかければ、評価が広まっていくこともあるんですよ。この前、バラエティー番組で1万人にアンケートを取ったら、僕のイメージの1位は「ナルシスト」だったんです(笑)。僕はナルシスト万歳なんですよ。男性も女性も、全員そうだもん。僕の場合はそれが表面に出ているだけ。ナルシスト分量がゼロだったら、みんな丸刈りで裸ですよ(笑)。 ■「日本の食文化を広げる新しいものを開発したい」 ――川越さんの発想は料理人というより、ベンチャー起業家に近い感じがありますね。 川越 ベンチャーね、なるほど。みんなが普通に食べている麻婆豆腐やハンバーグ、ナポリタンにも、それぞれ人類のどこかに発明者がいたんです。ケータイでも何でも、生活に欠かせないものを作った人がいる。ソフトバンクの孫正義さんとかね。そういった方たちと肩を並べることはできないと思うけど、食の文化において僕が死んだ50年後、100年後に「昔、カワゴエという人がいたから、この料理があるんだよ」と言われるようなものがひとつでも残せたらと思っています。しょうゆやケチャップのように人々の生活に溶け込んでいて、「これを作ったカワゴエという人がいたらしいよ」「だから今の日本の食文化は広がったんだよ」と言われるような料理や調味料、システムをひとつ残せたらいいな、と思いますね。 ――それは壮大な夢ですね。 川越 だから普通の料理人さんとは見ているものが違うんです。ちょっとずつでも、世の中が豊かになるようなものを残していけたら、子どもの頃に思っていた人様のためになる大人になれるかな、と思いますね。 ――ある意味、とても野心家だと思うのですが、”成り上がり”的なイメージを自分に重ねることはありますか?  川越 全然ないです。僕自身はお金に無頓着なんですよ。なんでも手を出すグルメ商人だと思われているかもしれないけど。 ――グルメ商人(笑)。 川越 例えば、店で食中毒を出したら一発で終わりですよ。メディアからも消えることになる。でも、店を閉じたとしても再起まで1年2年は一人ぐらい細々と食べていけるだけの蓄えはあります。そのリスクも常に考えて、気を引き締めて生活しています。みなさんどう思っているかわかりませんが、意外と堅実にやってるんですよ(笑)。 ――ところで、先ほどツイッターやフェイスブックをしないとおっしゃってましたが、ネットもあまり見ませんか? 川越 僕、パソコンできないんですよ。たまにケータイで、自分の名前が出ているネットニュースを見るぐらいですね。 ――今、ネットに川越さんのコラージュ画像が……。 川越 いっぱいあるんでしょ!(笑) 照英さんと一緒だったり。 ――あ、それは見ているんですね。 川越 はい、楽しんでますよ(笑)。作っている人たちにそれは伝えておきたいですね。ただ、ちょっと照英さんに悪いかな? そっちのほうが気になってます(笑)。 (構成/大山くまお)
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川越達也(かわごえ・たつや) 1973年3月7日、宮崎県生まれ。料理人、(株)タツヤ・カワゴエ代表取締役。大阪あべの辻調理師専門学校卒業。大阪・東京のフレンチ、イタリアン、日本料理店で修行し、その後数店の料理長を務める。00年に28歳の若さで目黒区・学芸大学駅前に「ティアラ・K・リストランテ」をオープン。06年、店名を「タツヤ・カワゴエ」とし、東京・代官山に移転。人気店のオーナーシェフとして腕をふるう。『お願い! ランキング』(テレビ朝日)への出演などからメディアでブレイクし、従来の“料理人”のイメージを覆す多彩な活動を行う。 「サイゾーpremium」では他にもプレミアムな著名人のインタビューが満載です!】大森南朋の兄・大森立嗣がメッタ斬り「日本映画がダメになったのは、客が悪い!」『親鸞』など、宗教を探求する作家・五木寛之が説く "病める時代"における「悪」の思想「ノマドの女王」安藤美冬×「百獣の王」武井壮 ノマドワーカー・サバイバル対談!
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訴訟はメルマガ続行の“時間稼ぎ”!?上杉隆の暴走と自由報道協会

【サイゾーpremium】より ■上杉隆……自由報道協会代表で、自身とモデル・知花くららとの熱愛報道が出た5月17日に同協会に辞表を提出したと報じられた。雑誌やテレビなどで活躍するも、東日本大震災以降、一部で問題視されていた経歴詐称や記事の盗用疑惑が浮き彫りとなり、権威が失墜した。公式サイトでは、連日のように【注意報】として、ツイッターなどに上がる上杉氏に対する疑惑を「デマだ」とアップしており、そのさまはどこか狂気じみている。
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上杉隆氏のメルマガは、月額840円なので会員数がおそらく2000人ほどと推測される。現状、大きな収入源だ。まぐまぐの発行部数ランキングでも第4位となっている。
 自由報道協会代表(5月17日に辞意を表明)で元ジャーナリスト・上杉隆氏の「記事盗用問題」で、名誉毀損だとして訴訟を起こされていた経済学者の池田信夫氏が反訴を宣言し、話題になっている。  池田氏は「被告は2011年3月19日の読売新聞の記事とまったく同一のリストを3月24日発行のメールマガジンや、その後の著書などで何度も『著者調べ』として発表したが、これは読売新聞社が取材した情報の盗用である」と再度断じ、上杉氏が12年10月、TOKYO MXテレビ『5時に夢中!』で「池田氏が自身のツイートを削除して過去の発言内容について証拠隠滅を図った」などと事実無根の主張をしたことが、名誉毀損に当たるとしている。  上杉氏は盗用疑惑に加え、経歴詐称疑惑など、近年問題が相次いでおり、決して旗色がいいようには思えない。それでも徹底抗戦を続ける理由とは――? 自由報道協会の内情に詳しく、上杉氏をよく知るA氏は、次のように予測する。 「読売新聞社のデータを丸パクリしたのは、誰が見ても明らかです。それでも名誉毀損だとして裁判を起こしたのは、”時間稼ぎ”でしょう。というのも、彼はメールマガジンの発行を止められるのを恐れていたからです。『まぐまぐ!』のメルマガで、おそらく年間2000~3000万円ほどの収入があるのですが、まぐまぐの規約に『内容に剽窃があれば発行を中止する』という文言がある。これに『規約違反ではないか?』という問い合わせがあったそうなのですが、訴訟を起こせば『係争中だから資料は出せない』と言ってごまかせるし、和解すれば『問題なかった』と言い張ることができる。反訴は想定外だったでしょうが、裁判費用に500万円くらいかかっても、彼にとっては続ける意味があります」  A氏は、盗用や経歴詐称の疑惑がありながら、上杉氏がこれまで厳しく追及されなかったことについて、「やることがセコいから」と呆れ顔だ。 「例えば、上杉氏は過去にNHK社員として働いていたかのような発言をし、『経歴詐称だ』との批判を受けました。しかし、『NHKに入社した』ではなく、『NHK勤務』と言っていたので、それがアルバイトだったとしても嘘とは言い切れない。大きな悪事を働けば当然、反発も強くなりますが、”100%嘘とは言えない”と逃げ道を用意すればそうはならない。同じ理由で『元ニューヨーク・タイムズ取材記者』というのも、実際は記者ではなく、データを収集するリサーチャーとして働いていただけらしいのですが、これもはっきりとは叩きづらいんです」  そんな上杉氏の”いい加減さ”から、A氏は「ジャーナリストとしての資格はあるのか」と問う。例えば12年1月、ジャーナリズム賞であると謳った自由報道協会賞を小沢一郎氏へ贈ることが一時決定し(その後、各所からの批判により延期のまま)、同協会と政治との距離感について疑問の声が上がった。そのなかで、話題になったのが「自由報道協会の事務所があるメゾン平河町(東京都千代田区)が、小沢一郎氏の妻・和子氏の所有である」という噂だ。 「ある会員が、この件について上杉氏に事実確認を迫ったところ、”小沢氏やその秘書らに直接確認したが、そんな事実はなかった。私が休日にそこまでしなければならないのか。ネットの情報を信じ過ぎないように”といった旨の回答があったそうです。しかし、別の会員がメゾン平河町の登記を調べてみたら、小沢和子氏が所有する部屋があることがすぐに判明しました。結果的に、協会の事務所と和子氏所有の部屋は無関係であり、単なる偶然だと結論づけられたそうですが、実は上杉氏はきちんと”ウラ取り”をしておらず、小沢氏の関係者の結婚式の席で、秘書に軽く聞いただけだったといいます。政治家やその関係者の発言を鵜呑みにしないというのは、ジャーナリストにとって基本でしょう」(A氏)  このように、数々の騒動で上杉氏の信用は薄れ続けており、彼が代表を務める自由報道協会も崩壊の危機を迎えている。もともと既存のクローズドな記者会見にはない「自由な報道」を理念として掲げてきた同協会。だが、江川紹子氏など著名な協会員が次々と脱会し、池田信夫氏がエイプリルフールのネタとしてブログに投稿した「解散」の報も、本気で受け止める読者が続出した状況だ。 「上杉氏は、人を使うのが苦手で、仕事がうまくいかないときには人をなじる。理事長という立場で、またジャーナリストとして知名度も高い上杉氏に言い返せる人はそうそういないし、ある事務局の男性は『上杉さんは、人をなんだと思っているのか』というメールを残して、去ったといいます。上杉氏のご機嫌を伺うのがバカバカしくて辞めた人は、ひとりやふたりではありません」(同)  かくして、崇高な理念を掲げた自由報道協会は、上杉氏に私物化されていった。彼の知名度と実行力に頼り、もてはやし、利用しようとした一部会員にも非はあるとしながら、結局「気に入るか、気に入らないか」だけで人を選ぶ上杉氏への反感が、同協会の今日の崩壊を招いたという。 「小沢一郎氏の協会賞受賞も、完全に上杉氏の独断であり、暴走でした。暴走という点では、上杉氏は本気で”炎上マーケティング”を考えていたと、話す人もいる。11年10月に同協会で小沢氏の会見を開いた際に、”質問は1回”というルールを守らなかったとして、上杉氏が読売新聞記者を恫喝した問題がありました。どうやらその後、協会への寄付が激増したらしいのです。だから、上杉氏はあらゆる場面でケンカを売るようになった。ところがその後、寄付は増えるどころか減る一方になって、上杉氏の暴走は単に協会の品位を貶めるという結果になっています」(同)  現在、自由報道協会の会員はまだ残っているが、「記者会見を企画できる人がいない」という。上杉氏は会見のセッティングをするわけではなく、また内部での揉めごとが絶えないため、事実上、組織として機能していないようだ。  今般の上杉氏への批判の高まりを考えれば、彼の暴走も限界にきているように思われる。牙城であった自由報道協会すら崩壊しつつあるなかで、池田信夫氏の反訴をきっかけに、上杉隆包囲網はさらに強くなっていきそうだ。 (文/伊田祐介) 「サイゾーpremium」では他にも上杉隆と自由報道協会をめぐる記事が満載です!】"傍若無人"上杉隆の横暴で、自由報道協会がいよいよ崩壊中!自由報道協会の"ダダ漏れ"に記者クラブメディアは不満爆発?ホリエモン×上杉隆「献金問題渦中の鳩山首相は記者クラブ問題になど興味なし!?」
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【玉城ティナ】大人びた表情に魅了され、マイペースなキャラに翻弄される──15歳の大物感

【サイゾーpremium】より ──2012年デビューの新人モデルながら、“ネクスト美少女”探しに余念がない人々から熱い視線を集める彼女。クスクス笑う、その素顔を少しだけ覗いてみた。
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(写真/諏訪稔)
 まるで映画『レオン』のマチルダのような、憂いを帯びて柔らかく微笑む、見る者を静かに驚かせる表情を見せる少女。その名前は、玉城ティナ、15歳。2012年にミスiDグランプリを獲得したまだデビュー1年の新人モデルだが、この1年で注目度は急上昇中、各界の美少女好きの間では今最もアツい女の子なのである。 「うーん、確かに最近忙しくなったんですけど、全然きついってことはなくて……うふふふふ。楽しいです、この仕事がすごく好きなので、向いてると思います。撮られることも、最初から恥ずかしさは全然なかったし……ふふふ」  会ってみるとご本人、思った以上に地元である”沖縄”感の漂う、ゆったりとした雰囲気だ。取材時(2月初旬)にはまだ現役中学生だった彼女。沖縄で暮らし、仕事のある時は週末のたびに東京に出てくる生活を繰り返した1年だったという。 「沖縄と東京のスピード感は違うけど、居づらいって感じでもないです。沖縄はお店がすごく少ないので、東京に来て買い物をしたりするのはすごく楽しくて。ふふふふふ」  その1年間で、幾度となく雑誌や書籍の表紙を飾った彼女。地元の友達にも、びっくりされそうなものだが、「友達の誰かが雑誌なんかを見て『出てたね』って言われるくらい。自分から言ったりもしない。周りの人に見られるのは恥ずかしい……『出てたね』って言われても『たぶん見間違えだよ』とか言ってやり過ごしてます」と、そこのシャイさは年相応という感じ。大人と子どもが同居するような、危うい不確定な煌きを放つ彼女、今年もマイペースに輝いてほしい。 (文/編集部) 玉城ティナ(たましろ・てぃな) 1997年10月8日、沖縄県生まれ。講談社ミスiD2013にてグランプリを受賞し、最年少ViViモデルに。「Spoon.」(角川グループパブリッシング)では早くも表紙を飾り、新世代美少女として注目を集めている。〈twitterID:@tina_tamashiro〉
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『ミスiD(アイドル)2014』 講談社主催の、昨年から始まった”才能ある新しい女の子”を探すオーディション企画。モデルでも女優でもアーティストでもなんでもあり、年齢も12~32歳までと幅広い。応募締め切りは5月13日。ティナちゃんは今年、選考委員を務めます。 〈http://www.transit-web.com/miss-id/「サイゾーpremium」では他にも青田買い美少女インタビューが満載です!】【BABYMETAL】運命はキツネの神様のみぞ知る!? オンリーワンな存在を目指すメタルアイドル【広瀬すず】「ビショ濡れになって遊ぶの……」ミスセブンティーンが見せた素顔【逢沢りな】カメラの前に立つのは恥ずかしい──小さく明かした本当の気持ち
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