
『GTO』関西テレビ


昨年年間民放視聴率2位は『家政婦のミタ』
(日本テレビ系)。(「同社HP」より)
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?
大学生のとき、はじめて「デンパク」という言葉を知った。最初に聞いたときは「電波君」と言われたかと思ったが、電通と博報堂という会社のことだった。なんでも、テレビなどの媒体の宣伝広告枠を売って、CMを制作してお金をもらうのだという。まわりの就職学生いわく、「あそこに入社できたら超エリートだ」と。
しかし、そのときに疑問に抱き、いまでも疑問なのが、「なぜ広告代理店は、自社のCMをテレビで流さないのだろう?」ということだった。そりゃ、企業相手の商売だからCMはふさわしくないのかもしれない。ただ、企業相手の商売を営むところだって、デンパクによってイメージ広告を出しているではないか。
「社員が自社商品を使っていない場合、その商品を疑え」という法則からすると、どう考えればいいだろう。もしかすると、価格相当の価値がないということか?
大学卒業から10年ほどたって、テレビに出演する側になった。視聴率いかんによって広告費が変わるから、現場はいつでも必死だった。ゴールデンタイムにレギュラー出演していた番組のスタッフが、放送から数日後に「今回は10%切りました」とか「なんとか10%超えました」と教えてくれた。彼らからすると、その数字で命運が決まるのだから意識せざるをえない。
視聴率は正しい数字を表現するのか?
ところで、この視聴率というもの。相当な誤差があることは、ほとんど知られていない。視聴率の調査は、限られた家庭に設置された視聴率調査機による。その数が600とすると、その600家庭が視聴している率がすべてを代表する。「サンプル数がたった数百であれば、実態とズレる」ということは、誰でもわかるだろう。
列記しておこう。統計的な解説は省くものの、下の数字は信頼度95%のときだ。
・視聴率5%の場合:実態と±1.8%ズレうる。具体的には3.2%~6.8%の幅をとる
・視聴率10%の場合:実態と±2.4%ズレうる。具体的には7.6%~12.4%の幅をとる
・視聴率20%の場合:実態と±3.3%ズレうる。具体的には16.7%~23.3%の幅をとる
・視聴率30%の場合:実態と±3.7%ズレうる。具体的には26.3%~33.7%の幅をとる
どうだろうか。テレビの現場では、視聴率7.6%と、12.4%ではまったく異なる印象だ。しかし、「視聴率10%」の場合、両方「実はこうだった」という可能性のある数字なわけだ。これほどの誤差をもっているものに左右されてしまうテレビマンたちに、同情せずにはいられない。
何度もテレビ制作会社の人に、視聴率のもつ誤差について説明しようと試みたけれど、「理系じゃないから、統計とかわかりません」だと。幸多かれと祈るしかない。
ところで、視聴率1%に一喜一憂し、宣伝枠の価格が変わる状況は笑うべきか、あるいは茶番として危惧すべきだろうか。少なくとも、喜劇か悲劇のどちらかには違いない。
テレビ局は、ぼくたちをバカにしているのか?
現場のテレビマンは、そのような状況に翻弄されてはいる。ただ、私は彼らに単純にエールを送りたいわけではない。視聴率というものに右往左往させられて、時間が不足している影響か、あるいは制作費が少なくなった影響か、あきらかに番組のレベルが低下しているように私には思われる。
私もテレビに加担しておいてなんだけれど、最近の番組の大半は芸人を集めて与太話をするだけ。芸人いじめの公開放送か、あるいは安上がりなクイズ番組。まともなビジネスマンであれば、視聴に費やす時間はないだろう。
新聞のテレビ欄を見ていても「!」とか「!!」といった記号があまりに目につく。中身がないから、せめて「!」や「!!」でごまかそうとしているようにしか思えない。そもそも記号の多用は、作り手の工夫のなさを示しているといえないか。
そう思って調べてみた。
1960年5月1日から10年同日まで10年ごとに、5月1日付朝日新聞東京版キー局のテレビ欄で「!」「!!」の数をかぞえた(「!!」は2個とカウントした)。
・1960年5月1日:合計1個(フジテレビ・1個)
・1970年5月1日:合計14個(日本テレビ・3個、TBS・2個、フジテレビ・3個、NETテレビ・5個、東京12チャンネル・1個)
・1980年5月1日:合計35個(NHK・1個、日本テレビ・13個、TBS・7個、フジテレビ・6個、テレビ朝日・8個)
・1990年5月1日:合計58個(NHK・1個、日本テレビ・9個、TBS・18個、フジテレビ・6個、テレビ朝日・18個、テレビ東京・6個)
・2000年5月1日:合計60個(NHK・2個、日本テレビ・13個、TBS・7個、フジテレビ・17個、テレビ朝日・18個、テレビ東京・3個)
・2010年5月1日:合計63個(NHK・8個、NHK教育・5個、日本テレビ・12個、TBS・7個、フジテレビ・7個、テレビ朝日・20個、テレビ東京・4個)
と、60年にはわずか1個だった「!」「!!」の数は、50年を経て63倍に至った。もちろんこれは、5月1日のみを対象とした調査ではある。ただし、この増え方は大き過ぎるという実感は、多くの視聴者に共有いただけるものだろう。
表面だけ「!」と飾って、中身のない番組が増加
番組内容の中身に自信があれば「!」「!!」など使わないだろう、とはいわない。しかし、この「!」「!!」の増加と、テレビ人気の反比例を考えるに面白い。表面だけ「!」と飾っても、視聴者はその中身のなさに気づく。企画力が低下したためか、中身のない番組が増え、テレビ離れが加速していった。
これはテレビ以外のメディアが発展したためだ、という単純な理由ではない。たしかに、スマホも大人気だろう。しかし、それなら10年のワールドカップ視聴率が50%を超えることが説明できない。テレビ向けコンテンツよりも、スポーツのライブ配信のほうが、はるかに価値があるのだ。これはテレビのコンテンツ力が低下したと思ったほうが良い。
視聴率は厳密でない。中身のレベルも低下している。視聴者は日々の番組に飽き飽きしだした。それでもテレビの未来ってあるのだろうか?
わざとらしいが、真剣に一言。
テレビ制作現場のみなさん、がんばれ!
(文=坂口孝則)
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“SMAPにはなれない”なんて
言われちゃってるけど……。
先日、SMAPの視聴率王は誰なのか、メンバーが主演した連続ドラマの平均視聴率をもとに比較検証を試みたが(記事参照)、現在ジャニーズ事務所でトップクラスの人気を誇る嵐のメンバーだったら、どういう順番になるのか。
演技派として名高い二宮和也なのか、大ヒットシリーズ『花より男子』(TBS系・2005、07年)の松本潤なのか、はたまた昨年『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系・11年)が好評だった櫻井翔か、現在放送中のドラマが好調な大野智か相葉雅紀か。SMAPと同様、現在までに主演したゴールデン/プライムの主演連続ドラマの、関東地方の平均視聴率で比較してみた。
まず、いきなり意外なのだが、相葉は現在放送中の『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系)がゴールデン初主演連続ドラマということになるのだそう。ということで、今回は規定外。参考までに、深夜11時台スタートの連ドラ主演は過去2回あり、2本合わせた平均視聴率は9.4%だった。
現在放送中の月9『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)に主演する大野は、これまで『魔王』(TBS系・08年)11.4%と、『怪物くん』(日本テレビ系・10年)13.9%の2本のゴールデン/プライムの連ドラに主演。その平均値は12.7%。
続いては櫻井。最も平均視聴率が高かった主演ドラマが、昨年放送の『謎解きはディナーのあとで』の15.9%で、一番低かったドラマが『特上カバチ!!』(TBS系・10年)の9.3%。主演4作品の平均視聴率は12.0%となった。
二宮の主演作で最も平均視聴率が高かったのが、10年放送の『フリーター、家を買う。』(フジテレビ系)の17.1%。低いほうは、連ドラ初主演作の『Stand Up!!』(TBS系・03年)の10.2%ということになる。ちなみに主演は深田恭子だが、相手役として出演した『南くんの恋人』(テレビ朝日系・04年)の平均9.4%のほうがさらに低い。また、平均視聴率が16.6%の『流星の絆』(TBS系・08年)は最高視聴率22.6%を記録。さすが、ハリウッド映画の演技も好評だった二宮といったところだろうか。『南くん』など、主演ではないドラマを除く主演作品5本の平均視聴率は14.5%。
そして松潤。なんといっても『花より男子2』(TBS系・07年)の21.6%が光る。最高視聴率も27.6%を記録している。当然、これが最も平均視聴率が高い松潤ドラマで、次が『花男』1作目の19.8%。逆にワーストは、フィリピン人とのハーフ役を演じた『スマイル』(TBS系・09年)の10.1%。ちなみに『スマイル』の視聴率には7.1%という回があり、これはメンバー全員の中でも最下位だ。そんな松潤主演ドラマ7本の平均視聴率は、15.3%。
一方、『花男』はダブル主演ではなく、主役はあくまで井上真央だという見方をすると、今年放送された『ラッキーセブン』(フジテレビ系)の15.6%が松潤ドラマのMAX値ということになり、『花男』抜きの平均では13.2%。
さて、結果は……。
松本→二宮→大野→櫻井
という並びに。参考までに、『花男』シリーズを除いた場合は、二宮と松潤の順序が入れ替わる。
現在のところ、櫻井が最下位ということになったが、『三毛猫』の6月2日までの8話分の平均視聴率は12.7%で、このままいけば相葉が櫻井を抜いて4位に滑り込む可能性も出てきた。大野の『鍵のかかった部屋』も8話までで平均15.9%で、主演作の中でも最高値を叩き出し、平均値を大きく上げそうな見込み。
近年、テレビ界全体の視聴率が下がっていることや出演本数の違いなどで単純比較はできないが、ドラマ界でも嵐の好調はまだまだ続きそうだ。

“SMAPにはなれない”なんて
言われちゃってるけど……。
先日、SMAPの視聴率王は誰なのか、メンバーが主演した連続ドラマの平均視聴率をもとに比較検証を試みたが(記事参照)、現在ジャニーズ事務所でトップクラスの人気を誇る嵐のメンバーだったら、どういう順番になるのか。
演技派として名高い二宮和也なのか、大ヒットシリーズ『花より男子』(TBS系・2005、07年)の松本潤なのか、はたまた昨年『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系・11年)が好評だった櫻井翔か、現在放送中のドラマが好調な大野智か相葉雅紀か。SMAPと同様、現在までに主演したゴールデン/プライムの主演連続ドラマの、関東地方の平均視聴率で比較してみた。
まず、いきなり意外なのだが、相葉は現在放送中の『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系)がゴールデン初主演連続ドラマということになるのだそう。ということで、今回は規定外。参考までに、深夜11時台スタートの連ドラ主演は過去2回あり、2本合わせた平均視聴率は9.4%だった。
現在放送中の月9『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)に主演する大野は、これまで『魔王』(TBS系・08年)11.4%と、『怪物くん』(日本テレビ系・10年)13.9%の2本のゴールデン/プライムの連ドラに主演。その平均値は12.7%。
続いては櫻井。最も平均視聴率が高かった主演ドラマが、昨年放送の『謎解きはディナーのあとで』の15.9%で、一番低かったドラマが『特上カバチ!!』(TBS系・10年)の9.3%。主演4作品の平均視聴率は12.0%となった。
二宮の主演作で最も平均視聴率が高かったのが、10年放送の『フリーター、家を買う。』(フジテレビ系)の17.1%。低いほうは、連ドラ初主演作の『Stand Up!!』(TBS系・03年)の10.2%ということになる。ちなみに主演は深田恭子だが、相手役として出演した『南くんの恋人』(テレビ朝日系・04年)の平均9.4%のほうがさらに低い。また、平均視聴率が16.6%の『流星の絆』(TBS系・08年)は最高視聴率22.6%を記録。さすが、ハリウッド映画の演技も好評だった二宮といったところだろうか。『南くん』など、主演ではないドラマを除く主演作品5本の平均視聴率は14.5%。
そして松潤。なんといっても『花より男子2』(TBS系・07年)の21.6%が光る。最高視聴率も27.6%を記録している。当然、これが最も平均視聴率が高い松潤ドラマで、次が『花男』1作目の19.8%。逆にワーストは、フィリピン人とのハーフ役を演じた『スマイル』(TBS系・09年)の10.1%。ちなみに『スマイル』の視聴率には7.1%という回があり、これはメンバー全員の中でも最下位だ。そんな松潤主演ドラマ7本の平均視聴率は、15.3%。
一方、『花男』はダブル主演ではなく、主役はあくまで井上真央だという見方をすると、今年放送された『ラッキーセブン』(フジテレビ系)の15.6%が松潤ドラマのMAX値ということになり、『花男』抜きの平均では13.2%。
さて、結果は……。
松本→二宮→大野→櫻井
という並びに。参考までに、『花男』シリーズを除いた場合は、二宮と松潤の順序が入れ替わる。
現在のところ、櫻井が最下位ということになったが、『三毛猫』の6月2日までの8話分の平均視聴率は12.7%で、このままいけば相葉が櫻井を抜いて4位に滑り込む可能性も出てきた。大野の『鍵のかかった部屋』も8話までで平均15.9%で、主演作の中でも最高値を叩き出し、平均値を大きく上げそうな見込み。
近年、テレビ界全体の視聴率が下がっていることや出演本数の違いなどで単純比較はできないが、ドラマ界でも嵐の好調はまだまだ続きそうだ。
「連ドラを見る」という行為が昔より難しく感じるのは気のせいだろうか。作品ごとのスタート日がてんでバラバラな上、初回のみ15分拡大であったり、最終回は2時間スペシャルであったり、全6回であったり全12回であったり、クールをまたぐ変則的な放送であったり......あ~もうっ! 昔からこんな感じだったっけ?
まあ、「昔はよかった」とボヤいても若者に嫌われるだけなので、テレビ屋さんの都合は置いといて、2011年に放送された約80本の地上波連ドラの中から、秀作・駄作の数々をここで振り返ってみたい。
■国民の4割以上が見た『家政婦のミタ』
2011年の代表作といえば、最終回で瞬間最高視聴率42.8%という脅威の数字を叩き出した『家政婦のミタ』(日本テレビ系)。放送前は、某ドラマを文字ったタイトルに「このセンスは、う~ん、どっちだろう」と視聴者を困惑させたが、放送が始まったとたん日本国民は、死んだ夫と息子の遺品に身を包んだ美人家政婦の虜となってしまった。更に主演の松嶋菜々子は、その上品な外見のせいか、いつまでもまとわりついていた"お嬢様女優"のイメージを拭うことにも成功。彼女にとっても二重にも三重にもおいしいお得な作品だったといえるだろう。
また同作は、「面白いドラマを作れば視聴率は取れる」というキレイごとをストレートに実行してしまったため、後々のことを考えるとある意味、罪深い作品であるといえるかもしれない。
なお平均視聴率のトップ10は以下の通り(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。
1位『家政婦のミタ』(日本テレビ系)24.8%
2位『JIN -仁-』第二期(TBS系)20.6%
3位『相棒season9』(テレビ朝日系)20.4%
4位『連続テレビ小説 カーネーション』(NHK総合、12/7までの放送分で算出)19.3%
5位『南極大陸』(TBS系)18.0%
6位『江~姫たちの戦国~』(NHK総合)17.7%
7位『連続テレビ小説 てっぱん』(NHK総合)17.2%
8位『相棒ten』(テレビ朝日系)16.2%
9位『私が恋愛できない理由』(フジテレビ系)16.0%
10位『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)15.9%
トップ10のうち、最近まで放送されていた10月クールの作品が6作品を占めるという結果に。この時期になぜか評価の高い作品が集中。数字にも素直に表れた形となった。それと正反対なのが7月スタートの俗にいう"夏ドラマ"。一番人気の『ブルドクター』(日本テレビ系)でさえ平均視聴率13.1%と、今夏は連ドラ史上まれに見る凶作の季節であった。
実に今年っぽい印象の『マルモのおきて』(フジテレビ系)は、平均視聴率15.8%と意外にも11位。数字そのものより、芦田愛菜&鈴木福のブレークや、初回の11.6%から、最終回の23.9%までの加速ぶりが、「ちまたで盛り上がってるらしい」という雰囲気を醸し出したのかもしれない。
トップ10中で気がかりなのは、不動の人気を誇っていた『相棒』シリーズが、10作目(『相棒ten』)にして落ち込んでいること。放送の度に20%前後を安定してマークしていた前作までとは異なり、研ナオコがゲストの回が13%台に落ち込むなど、珍しくおぼつかない様子を見せているのだ。ちなみに『相棒ten』の最終回は、2012年元旦に2時間半に渡り放送。「2012年4月から芸能活動休止か?」と報じられた大橋のぞみのゲスト出演にも注目したい。
■『南極大陸』、中だるみの原因とは?
「TBS開局60周年記念」の冠がついた『JIN -仁-』第二期、『南極大陸』共に、莫大な制作費に見合ったまずまずの高視聴率を記録。両作品でヒロインを演じた綾瀬はるかは、「さらにギャラがハネ上がった」と言われているとか。
また豪華出演者をこれでもかと投入した『南極大陸』は、初回と最終回こそ22%台であったが、中盤で13%台を彷徨うなど大きな中だるみを見せた。誰もが大まかなストーリーを知っているだけに、「キムタクとタロジロの再会で泣けさえすればいい」という視聴者の本心があらわになった結果だろうか。
何にせよ、昨年主演を務めるも結果が芳しくなかった『月の恋人~Moon Lovers~』(フジテレビ系)以来、陰りを見せていたキムタク神話に復活の兆しが見えた!?
■ベタなトレンディドラマで月9の汚名が返上
当のフジテレビでさえ次第にその愛称をウリにしなくなってきた「月9」。それもそのはず、今年の月9は戸田恵梨香&三浦春馬主演『大切なことはすべて君が教えてくれた』、香取慎吾主演『幸せになろうよ』、新垣結衣主演『全開ガール』と3作品共に平均視聴率11~12%台をユラユラ。
しかし10月クールの『私が恋愛できない理由』は、大島優子が大女優への溢れるパッションを演技にぶつけたおかげか、最終回に一部生放送を忍ばせるという演出の効果か、平均16.0%と好成績。「月9」らしい「彼氏のいない女3人が、無駄におしゃれな部屋でルームシェアを始める」というベタなトレンディドラマでの汚名返上となった。
そして大島優子でどうしても思い出してしまうのが、夏に放送された前田敦子主演『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』。21時台にも関わらず平均視聴率6.9%と大惨敗であったが、ニュース媒体やネット上でやんややんやと書き立てられていたため、数字とは裏腹に作品の印象は濃い。
■3月、震災が連ドラに与えた影響
大震災は、1月クールの連ドラに数々の影響を与えた。例えば『ヘブンズ・フラワー The Legend of ARCANA』(TBS系)は、殺し屋役の川島海荷がカツラを被り好演したものの、世界観が震災を連想させるためか途中で放送が延期に。約半年後に再放送され、関東地方と北海道にて最終話までが無事お披露目された。
また、鳥居みゆき主演『臨死!!江古田ちゃん』(日本テレビ系)が放送を休止し、4カ月後に再開したほか、『水戸黄門第42部』(TBS系)が一話分丸々カットになるなど、1月クールのほとんどの作品に影響があった。
年末にきて『家政婦のミタ』というモンスターの出現に、他のドラマがどうしても霞んで見えてしまう、というのが本音の2011年のドラマたち。大きな支持を得た松嶋菜々子は、引き続き1月16日スタートの月9『ラッキーセブン』(フジテレビ系)に探偵社の女ボス役として出演。"ミタ効果"で見る人も多そうだ。
そして最後に、9月をもって20年という長い歴史に終止符を打った『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)が、泉ピン子がお茶を飲んでいるシーンで見事に幕を閉じたことを、私たちは決して忘れてはならない(多分)。
(文=林タモツ)

『借りぐらしのアリエッティ』
(スタジオジブリ)
平均視聴率40.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した『家政婦のミタ』(日本テレビ系)最終回。日テレ局内は、暮れに来て喜びで浮足立っているが、その直前、関係者が青ざめる事態が起こっていた。
16日、「金曜ロードショー」でジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』が「地上波初登場」という冠付きで放送されたが、この結果に局内が騒然としているというのだ。
「当然、関係者は期待に期待をするわけです。ジブリ作品の視聴率の最初の放送は、20%超えを宿命付けられている。その前の週に放送された『天空の城ラピュタ』は、13回目のオンエアにもかかわらず15.9%を弾き出した。ところが......」と局関係者は憂うつな表情をさらに曇らせる。
「『アリエッティ』は16.5%でした。普通に考えれば及第点なんでしょうけど、ハッキリ言って、ジブリ作品としては落第点です。関係者は衝撃を受けていたようで、コメントは出しません、という感じでした」(テレビ誌ライター)
『崖の上のポニョ』の初放送は29.8%だった。そのため『アリエッティ』も大いに期待されていたが、「相当、いや、かなりがっかり」と局映画担当者も本音を打ち明ける。
日テレは現在、視聴率でここしばらく後塵を拝しているフジテレビと、久しぶりの年間4冠王の座を競っている。
「FIFAクラブワールドカップ、そしてジブリ作品で年末の勢いをさらに上げようという戦略を描いていたようですが、ちょっと水をさされた感じですね」(前出テレビ誌ライター)
実は『アリエッティ』はジブリ作品といえども、同社の大看板の宮崎駿監督ではない。同じく宮崎駿作品ではない『ゲド戦記』も、初回放送時は16.4%と低調。要は、宮崎駿作品以外に過剰な期待をする日テレは懲りていないのだ。4冠王も心配だが、それ以上に、ジブリ作品のブランド力にいまだすがり続ける日テレの姿勢が心配だ。
(文=中谷泉)

日本テレビ『家政婦のミタ』公式サイトより
女優・松嶋菜々子主演のドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)が快進撃を続けている。14日に放送された第10話では、直前のサッカー『TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2011』の影響で35分遅れのスタートだったにもかかわらず、平均視聴率28.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。これで、第5話から6話連続の20%オーバーとなり、最終回での「30%超え」に期待がかかってきた。
「『ミタ』の特徴は、なんといっても回を重ねるごとに視聴率が急上昇していることです。テレビドラマの世界では、初回の視聴率が一番高いというのが常識なんです。ドラマファンは、とりあえず1話目を見てから、そのドラマを見続けるかどうか決める。『ミタ』のように後伸びする作品には、ドラマファンだけでなく、普段ドラマを見ない一般層まで広く訴求する力があるということ。派手な広告やスターシステムに頼らなくても、作品が面白ければ視聴者はついてくるということですよ」(ドラマライター)
確かに、今クールでも『南極大陸』(TBS系)、『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)、『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)など、1話目が最も視聴率の高い作品ばかり。『ミタ』は初回こそ19.5%で『南極大陸』の後塵を拝したが、その後逆転。現在では10ポイント前後の差をつけて独走状態に入っている。
「もし最終回で30%を超えれば、2007年の『華麗なる一族』(TBS系、30.4%)以来、連続ドラマの単話では4年ぶりの快挙となります。ここ10年でも『GOOD LUCK!!』(TBS系)や『白い巨塔 第二部』(フジテレビ系)など、30%という記録は数えるほどしか出ていない。社会現象となった『JIN-仁-』(TBS系)でさえ、2クールでの最高は26.1%。『ミタ』がいかに突出した作品かが分かりますよ」
21日に放送される最終回、そのストーリーだけではなく、数字にも注目が集まりそうだ。

『チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸』
公式サイトより
作家・海堂尊の医療ミステリー小説をドラマ化した人気シリーズ第3弾『チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸』(関西テレビ・フジテレビ系)が初回視聴率14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好スタート、2話目も手堅く二桁をキープした。
「今クールは、前シリーズが珍しく好調だった上戸彩の『絶対零度2』(フジテレビ系)や、月9初主演の新垣結衣の『全開ガール』(同)が話題をさらっていました。実際、初回視聴率はこの2作品と、シリーズ物の『新・警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)が頭ひとつ抜き出ていましたね」(テレビ局関係者)
ところが、シリーズ物以外で2話目以降に視聴率が伸びないのが、このところのドラマ業界が抱える大きな問題点だという。
「案の定、月9は2話目で一桁になりましたし、前田敦子の『イケメンパラダイス』(フジテレビ系)も同様です。そんな中、安定して二桁を維持できるのはやはり、前作からの固定層がいるシリーズ物なんです」(テレビ局関係者)
そんな影響もあり、テレビ局も原作物やシリーズ物にしか手を出さないのだという。
「そんな中、前クールで大ブレークした『マルモのおきて』(フジテレビ系)は、裏番組があの『仁-JIN-』(TBS系)だったので誰もやりたがらなかった枠なんですが、プロデューサーが好き勝手やった結果が思わぬヒットにつながりましたね(笑)。この『バチスタ』シリーズも、初回のシリーズが平均で13.2%、前回のシリーズが14.4%と、ミステリー物としては十分な数字です。確実に数字が見込める作品として、重宝されてると思いますよ」(広告代理店関係者)
まさに"ミステリードラマ"の代名詞となりつつあるこの作品だが、「実は、すでに撮影はすべて終了してるんです。通常、連ドラは放送中まで撮影を残しておくもので、初回や2回目の反応を見て脚本や設定に変更が加えられる場合も少なくない。ところがこの『バチスタ』シリーズは、前作も放送が始まる前にはすべて撮影が終わっていました。だから、局の中にも、いつ撮影が終わったのか知らない人も結構いましたよ」(フジテレビ関係者)
制作側の自信の表れか、はたまた他に理由があるのか......こちらもミステリーである。
7月に入りテレビ各局の連続ドラマがスタートしたが、なんと、ジャニーズ事務所所属タレントの主演ドラマが0本という異常事態になっている。 「月9ドラマ『全開ガール』(フジテレビ系)にNEWSの錦戸亮、『ブルドクター』(日本テレビ系)にSMAPの稲垣吾郎、そのほか脇役での出演はありますが、ジャニーズタレントによる今クールの主役はゼロ。特に稲垣なんかは脇役で出演した映画『十三人の刺客』での好演が認められ、これからはドラマでも脇役で売る戦略に変更したようで、『ブルドクター』でもかなり目立っています」(スポーツ紙記者) 前クールの3月期ドラマでは月9にSMAP香取慎吾主演の『幸せになろうよ』(フジテレビ系)、錦戸主演の『犬を飼うということ』(テレビ朝日系)、TOKIO松岡昌宏主演の『高校生レストラン』(日本テレビ系)とジャニーズの主演ドラマが3本あったが、いずれも視聴率が振るわず。 「香取のドラマは月9史上2作目となる視聴率1ケタを記録し、平均11.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。錦戸の犬ドラマは、子役が当初は天才・芦田愛菜の予定だったが、芦田にフジの『マルモのおきて』と両天秤をかけられてドタキャンされ、平均8.5%。芦田がもしテレ朝に出ていたら、大ブレークすることはなかっただろう。松岡のドラマは実話をもとにした作品だが、内容が地味すぎ、終盤は1ケタに落ち込み平均10.7%だった」(テレビ誌記者) どうやら、テレビ各局はこれまでの"ジャニーズ依存"から"ジャニーズ離れ"に向かってシフトチェンジしているようだが、転機となったのは昨年7月期のドラマだったという。 「通常、ドラマのキャストのスケジュールは1年ほど前に押さえているから、今年の7月のドラマのキャストは昨年の秋ごろまでに決まっていたはず。反映されたのが昨年7月スタートのドラマの結果です。ジャニーズタレントの主演ドラマは嵐の松本潤主演の月9『夏の恋は虹色に輝く』(フジテレビ系)、TOKIOの長瀬智也主演『うぬぼれ刑事』(TBS系)、少年隊の東山紀之主演の『GM 踊れドクター』の3本。SMAPの主演ドラマがなかったとは言え、嵐・TOKIO・少年隊とジャニーズの主力がそろい踏みで注目度が高かった。ところが、嵐人気が絶頂にもかかわらず、松本のドラマは平均12.3%。長瀬のドラマは宮藤官九郎の脚本で期待されたが、初回以外1ケタで平均8.0%。東山は当時、女優の木村佳乃との結婚が注目されていたが後半は1ケタ連発で平均10.0%と低迷。この結果を受けて各局は『もうジャニーズだけで視聴率は取れない』と認識したようです。もともと、ジャニーズのドラマは数字が悪いと、制作側が事務所から猛烈に責められるので、何かと面倒だったから、主役でなくて重要な役どころを与えておくのが無難という判断になったようです」(テレビ関係者) 10月からはTBS開局60周年記念ドラマとしてキムタク主演の『南極大陸~神の領域に挑んだ男と犬の物語~(仮)』が放送されるが、「早くも視聴率30%超えが目標として掲げられている。だが、キムタク以外の主演ドラマの進行話は聞こえてこない」(同)というだけに、将来的にジャニーズで主演を張れるのはキムタクだけになりそうだ。吾郎ちゃんが脇役でキラリの『ブルドクター』

テレビ東京『鈴木先生』公式サイト
大震災の混乱ムードを引きずりながら4月にスタートし、先日、最終回の視聴率が出そろった2011年春ドラマ。メディアの多様化により、見たい番組しか見ない視聴者のハートをいかに掴むかが各局の課題となっているというが、『ハンチョウ~神南署安積班~ シリーズ4~正義の代償~』『渡る世間は鬼ばかり』『JIN-仁-』(全てTBS系)、『ハガネの女 season2』(テレビ朝日系)、『BOSS 2ndシーズン』(フジテレビ系)と、ある程度の初動が見込める人気シリーズが目立つプログラムであった。そんな春ドラマをあらためて振り返ってみたい。
■トップはあの国民的SF時代劇!
次点の大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(NHK総合、平均17.9%)に大差を付け平均視聴率トップに輝いたのは、20.61%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した『JIN-仁-』第二期。現代と過去が入り組んだ複雑なストーリー故に、ネットでは「どうしてもつじつまが合わない......」と細部の矛盾を指摘する声も上がっているようだが、それをも吹き飛ばす猛進ぶりで視聴者を魅了した。特に"最終回54分拡大スペシャル"は平均26.1%をたたき出し、主演の大沢たかおの株はますます上昇。文句なしで今クールを代表するドラマと言えるだろう。
ちなみに平均視聴率上位は以下の通り。
1位『JIN-仁-』第二期(TBS系) 20.61%
2位『江~姫たちの戦国~』(NHK総合) 17.9%
3位『マルモのおきて』(フジテレビ系) 15.48%
4位『BOSS』2ndシーズン(フジテレビ系) 15.05%
5位『遺留捜査』(テレビ朝日系) 14.27%
3位の阿部サダヲ&芦田愛菜主演『マルモのおきて』は、"子ども&動物"とテッパンを重ねながらも初回は11.6%とおとなしめだった。しかし、主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」(ユニバーサルミュージック)の一人歩きも手伝って、視聴率が急上昇。最終回では平均23.9%という高視聴率をマークした。この、主題歌先導の"ポニョ的ヒット"は、最近のドラマでは珍しいケースではないだろうか。
■月9は「SMAP×婚活」にリベンジするも、悪夢再び
今クールの月9は、香取慎吾、黒木メイサ、綾部祐二(ピース)と、何だかやけにワイルドな褐色肌が脳裏に焼きついた『幸せになろうよ』(フジテレビ系)。月9史上最低視聴率をたたき出した中居正広主演『婚カツ!』の悪夢から2年の時を経て、再び「SMAP×婚活」に挑んだ同作。しかしネット上では、「黒木メイサの役がムカツク!」「慎吾の性格が暗すぎてイライラする」などキャラクターを愛せないという意見も多く、平均11.69%とリベンジならず。この月9ブランドの衰退を食い止めるためにも、次クールの新垣結衣主演『全開ガール』に期待したいところだ。
また、視聴率が伸び悩んだドラマと言えば、吉瀬美智子が小学校教師を演じた『ハガネの女 season2』。深夜枠で放送されていた『season1』の好評を受け21時台に格上げされたものの、数字は深夜時代より低い平均7.33%。これに追い討ちをかけるように、"アスペルガー症候群の転入生を受け入れるか否かをクラス投票で決める"という展開に視聴者から批判が殺到。同じく異論を唱えたドラマの原作者である漫画家が原作者を降り、ビデオグラム化やネット配信の反対を表明するなど、少々後味の悪い作品となってしまった。
■低視聴率ながら「今期No.1」の呼び声高い『鈴木先生』
中学教師と思春期の生徒たちの成長を描いた長谷川博己主演『鈴木先生』(テレビ東京系)。1話目からいきなり「中2と小4の性交は許されるか」という内容だったり、最終回では結婚前に彼女を妊娠させた鈴木先生を生徒が疑似裁判にかけたりと、過去の学園ドラマとは一線を画す展開と妙にリアルな描写に"実験的ドラマ"と評されることも多かった。ドラマウォッチャーらの評価は高く、「この春のNo.1ドラマ」「『JIN-仁-』にも負けない神ドラマだ」など賞賛の声が上がるなか、視聴率は1~2%台をゆらゆらと漂い、方々から"高評価と視聴率不振のギャップ"に違和感を抱かれ続けた不思議な作品であった。
この他にも、ママ友の恐ろしい交友関係を描いた『名前をなくした女神』(フジテレビ系)、高齢出産をテーマにした『生まれる。』(TBS系)、相武紗季が特殊メイクに挑戦した『リバウンド』(日本テレビ系)など、いつもに増してバラエティー豊かに私たちを楽しませてくれた春ドラマ。
ちなみに7月クールのラインナップを見てみると、前田敦子が男のフリをして男子校に通う『花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス~2011』(フジテレビ系)、瀧本美織が男のフリをしてイケメンバンドに加入する『美男(イケメン)ですね』(TBS系)、川口春奈が男のフリをして大金返済に勤しむ『桜蘭高校ホスト部』(TBS系)、福田沙紀がインターセクシャルとして生まれた主人公を演じる『IS[アイエス]~男でも女でもない性~』(テレビ東京系)と、なぜか男装系ドラマが流行りの模様。この夏は、旬の若手女優のボーイッシュっぷりを比較してみるのも面白いかもしれない。
※クールをまたぐドラマの平均視聴率に関しては、4~6月放送分から算出。
(文=林タモツ)
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