注目記事 第1位 「石原慎太郎とカジノの帝王 疑惑の『フィリピン出入国記録』」(「週刊文春」3月28日号) 注目記事 第2位 「ボーナスが上がる会社 上がらない会社」(「週刊ポスト」4月5日号) 注目記事 第3位 「『田原総一朗』がドタキャンした『暴力団組長80人』討論会」(「週刊新潮」3月28日号) 注目記事 第4位 「華麗なるエリザベス・テイラー」(「週刊新潮」3月28日号) 注目記事 第5位 「安倍さん、日銀・黒田新総裁は財務省の犬かも」(「週刊現代」4月6日号) 注目記事 第6位 「『スワッピング・サークル』で大暴走! 熟年カップル『飽くなき欲望』(「週刊文春」3月28日号) 桜の時期は忙しいが、今年は特に大車輪で都内の桜を見て回っている。これほど開花から満開が早い年は記憶にない。例年、桜は開花しても花冷えの日が続いたりして満開までに日があり、満開になっても寒さがぶり返したりして、一昨年、昨年などは、3週間ぐらい楽しめたのではないか。 今冬は寒さが厳しかったが、暖かくなると一気に5月上旬の陽気まで温度が上がり、東京の開花予定日の25日よりも大幅に早く花が開き、一気に満開までいってしまったから、さまざまなことを思い出している暇がない。 週半ばに井の頭公園近くの花を愛で、土曜日(3月23日)は新宿御苑、千鳥ヶ淵と回って夕刻、隅田川の川沿いで夜桜見物。日曜日は中野通りの桜を観て、新井薬師を参拝して近くの公園で花見の小宴。 今日(25日)は江戸川橋公園の神田川沿いの桜を肴に花見で一杯。まだ八芳園、飛鳥山、六義園にも行きたいし、根津神社から近い立川談志師匠のお墓参りをかねて、門前にある桜を見たいと思っている。ああ忙しい。 今週の新潮、文春の巻頭特集に見るべきものがなかった。新潮は「霧の中の『TPP』20の謎」だが、記事そのものが霧の中にあるようである。文春は「あなたが食べている『中国猛毒食品』厚労省摘発60品目最新リスト」も週刊朝日で少し前にやっていた「危険な輸入食品」を中国に絞っただけで新味はなかった。 そこで今週は、目についた小品を取り上げてみたい。まずは、文春のスワッピング・サークルのお話。 連載「ワイセツ前線異状あり」。面白かったが、今週で終わりである。ちょっぴり残念。私が週刊誌の編集者をやっているとき、何度かスワッピングの取材をしたことがある。あの頃は隠微で卑猥な雰囲気があったが、これを読むと、アッケラカンとした中高年のお楽しみとなっているようである。今では60歳以上専門の「シニア掲示板」も作られているというから、かなりの需要があるようだ。 風俗誌編集者はこう言う。 「やはりネットの普及が大きいですね。中高年専門の出会い系サイトの盛況ぶりは言うに及ばず、今ではスワッピングのネット掲示板には全国から多くのユーザーが集まっています。(中略)劇的にその裾野が広がっている。それを支えているのが熟年層であるのは間違いありません」 最近スワッピングパーティを主催した男性が、その模様を語っている。喘ぎ、息を弾ませている女性が、傍らで見ている男性にビデオ撮影を頼む。後で夫と観て楽しむのだそうである。妻を他人に差し出すのに抵抗はないのかと聞かれ、こう答える。 「妻は夫の所有物ではないので“差し出す”ものではありません。(中略)そもそも結婚した頃は妻の肌に触れるだけでも新鮮な喜びでした。三十代から四十代は子育てで走り続け、ようやく夫婦の時間が取れる時期になりました。この現役のうちに妻との性生活において全てを試してみたいという思いもあります。外国人男性や複数男性だとか、私との性生活だけでは経験できない快感を、妻に味わってもらいたいという気持ちも強い」 私はスワッピングの経験はないが、一歩踏み出せば、案外スーッと入っていけるのかもしれないと、昔取材していて感じたことがある。今はもっとその境が低くなり、越えやすくなっているのだろうか。 週刊現代はあまりにアベノミクスを煽りすぎたと思ったのか、今週の巻頭は「中国と日本『宿命の対決』」と目先を変えてきた。相も変わらずの中国叩きではあるが、だいぶ前に尖閣問題で中国と日本がもし戦わば「日本が勝つ」と威勢がよかったが、今週は「『尖閣で開戦』日本は負ける」と弱気になったのはどうしてなのか。 米中首脳会談でTPP参加を安倍首相が表明したことを、3月18日の中国国営新華社通信は、こう厳しく批判したそうである。 「TPPは単純な経済協定の枠を超え、政治的軍事的領域に拡張されている。アメリカと日本は、TPPという名を借りて、アジアの経済を一体化させ、地域の主導権と発言権を掌握しようとしている。それによって中国の影響力を抑え込み、各国の中国依存態勢をストップさせる。そして中国包囲網を敷き、中国を混乱させ、中国の東アジア戦略を壊滅させようということだ」 さらに、PM2.5ばかりではない巨大な脅威が日本を襲うというのである。 「エイズ禍拡大です。UNAIDS(国連合同エイズ計画)およびWHO(世界保健機関)と中国当局の合同調査では、中国のHIV罹患者とエイズ患者はあわせて78万人とされていますが、これでも信じられないほど控えめな数字。英TIME誌は累計800万人と推測しています。 なにしろ売春婦が1,000万人と推定される国なので、ありえる数字でしょう。その売春婦がすでに日本に大挙してきてあちこちで営業しています。非衛生だが、格安ということで、利用する向きが多い。あまり騒がれていませんが、日本ではHIV罹患者がじわりと増えている。中国の影響で、拡大する恐れもあるのです」(評論家・宮崎正弘氏) 「郵便ポストが赤いのも~」式の中国バッシング記事だが、このように日本人の中の反中国感情を煽って、その先に何があるというのであろう。それよりもメディアがやるべきは、安倍首相よ、今すぐ習近平と会って胸襟を開いて語り合えと訴えることではないか。 アベノミクスと黒田新日銀総裁を合わせて「アベクロ」と呼び、これで日本経済は万々歳だと喜んでいた現代なのに、こちらも風向きが変わったのか、今週は「黒田新総裁は財務省の犬かも」と危惧しだしている。 元経産相のキャリアだった古賀茂明氏がこう言っている。 「もし日銀の審議委員やエコノミストたちを論破できないとなると、黒田さんの場合、否応なく古巣・財務省の威光を借りてしまうこともあり得ます。財務省の力をチラつかせ、『黒田総裁に逆らうと財務省を敵に回す』と思わせ、反対派を黙らせるわけです。 ただしそうなると、黒田さんは自然と財務省の顔色を窺わざるを得なくなります。その後にもし、政策の転換を行う必要が出たときに、財務省や政府の圧力に抵抗できるのか。土壇場で官僚としての弱さが出てしまう懸念もある」 現代は続ける。 「そもそも黒田氏がアジア開発銀行の総裁を務めていたのも、そこが財務省の天下りポストだったから。歯に衣を着せない一言居士として知られる黒田氏ではあるが、財務省という巨大かつ強力な傘の下で庇護されてきた“お役人”であることは変わらない」 不安材料はまだあるという。黒田氏がリーダーシップを発揮するためのバックボーンとなっている、安倍政権の内情の問題を自民党のベテラン議員がこう話している。 「3月21日に黒田氏が初会見を行う直前、麻生太郎副総理兼財務相が『(アベノミクスが標榜する)2%インフレ目標の達成は難しいかもしれない』と発言し、一時的に為替が円高に振れる場面がありました。麻生氏は、安倍総理と必ずしも経済政策の面で一致していない。これから具体的に政策を実行していく上で、両者の亀裂が深まっていく兆候が出ています」 私も、このところのデフレ克服の筋道について、麻生副総理と安倍首相の「言葉の違い」は気になっている。財務官僚が麻生を後ろで動かし主導権を握ろうとする権力争いが始まっている、と読むのは穿ちすぎだろうか。 4位は三回忌を迎えるエリザベス・テイラーの特集。リズは世界一美しい女優といわれた。結婚歴は8回。遍歴の始まりは15歳のときの共演者だったと、作家の井上篤夫氏が書いている。 「欲しいものは、今すぐ手に入れる。それがすべて」。かつて彼女はそう語っていたという。 映画『クレオパトラ』で共演したリチャード・バートンとはW不倫だった。バートンとは5度目の結婚。お互い多額の慰謝料を払ったが、世間から彼女は「他人の夫を盗む常習犯」と罵声を浴びた。 齢40歳半ばを超えてからは事実上引退し、激太りとダイエットを繰り返した。痛みを和らげるための薬物乱用やアルコールの過剰摂取が深刻化し、入院生活を余儀なくされた。その病院で知り合った20歳年下のハンサムな元建設作業員と結婚する。リズ59歳だった。 しかし夫から飽きられ、下着が汚い、いびきがうるさいという理由で離婚訴訟を起こされ、男から初めて「三行半」を突き付けられてしまうのである。 新潮が珍しく巻頭カラーでリズの特集を組んでいる。リズ24歳のときのものだというヌードがある。美しい顔と完璧な乳房。男を引きつけて離さない腰から太腿にかけての線。 今の若い人に、リズの美しさをもっと知ってほしいと思う。 評論家の田原総一朗氏が新潮に叩かれている。これが3位。 山口組ナンバー2の高山清司若頭と1月半ばに、麻布で「密会」したのだそうである。会ったのは「暴力団組長80人を集めて討論会」をやるための下打ち合わせだそうだ。 こんな討論会が開かれネットで生中継されれば、大きな話題になることは間違いない。 討論会が3月27日に開かれるという情報は神戸新聞に載り、秘密会ではなくマスコミへの公開も検討していると書いてある。 その討論会を仲介する人物と田原氏とで、高山若頭と麻布で会ったことは田原氏も認めている。討論会をやる主旨をこう話している。 「ジャーナリストとして、山口組がこれからどうしようというのか、というのを単刀直入に聞きたい、と」 ジャーナリストなのだから、首相と会おうが暴力団の大幹部と会おうが、それ自体はとやかく言われることはない。だが、それならば密室ではなく、ホテルのロビーなどのようなところにすべきであったとは思う。 その後、おかしなことになる。テレビ朝日関係者がこう語る。 「テレ朝の社内では、田原さんは『朝生』でも山口組との討論会の様子についても触れるのではないかと囁かれていたのです。それに頭を悩ませた社の幹部は会議を重ねた。そして、田原さんに対して通告を行うことを決めたのです」 その内容は、討論会は暴力団排除条例に抵触する可能性があるので、開催された場合、今後局としてお付き合いしないというものだった。 テレ朝側は、田原さんが暴力団排除条例に批判的なので、討論会の中で、暴力団を利するような知恵をつける発言をするのではないかと、心配したのである。すると、田原さんらしくないと思うのだが、あっさりと「山口組取材は止める」とテレ朝幹部に連絡をしてきたというのだ。 その際、幹部に対して「中止の理由は病気ってことにすれば、何も言ってこないよな」というようなことを述べたと、先のテレ朝社員が語っている。 再度の新潮の取材に、田原氏は「仲介者に聞いてくれ」と言うばかり。 田原氏は信念の人だと、私は思っている。今回の討論会もジャーナリストとして聞いてみたいことがあったのだろう。それをテレビ局にいわれて止めてしまうというのは、どうも解せない。 田原氏は2月の中頃に転倒し、その後食中毒がわかって聖路加病院に入院した。私が見舞いに行ったのが2月26日。やややつれた様子だった。退院したのはもう少し後だから、新潮が最初にインタビューした少し前になろうか。 病気で気弱になっていたのかもしれない。体力、気力がなくては山口組組長80人の討論会は仕切れまい。体調を整えて、ぜひ再チャレンジしてもらいたいと思う。 さて、ポストはますます不思議な雑誌になっているように思う。この2位の記事もそうである。巻頭のこの特集と「3か月で4億円稼いだ33歳個人投資家ほか億万長者が続々誕生中」というタイトルを見ると、アベノミクス喝采派のように思える。 だが、内容を読んでみるとそうではない。ならばもっと直截にアベノミクスを批判するタイトルを付けたらいいと思うのだが、凡人にはうかがい知れない深謀遠慮があるのだろう。 ポストは有名企業65社に今年のボーナスを「徹底調査」したそうである。このところ自動車業界をはじめとして景気のいい話が出ている。回答した中で自動車産業や三菱重工、カシオ計算機などの過半数34社が前年よりボーナスをアップしたと答えているが、4割近くの24社ではボーナスが前年よりダウンしたという結果が出た。 そもそも自動車業界は企業努力で1ドル=70円台でも黒字が出るところまで業績を回復させていたので、アベノミクス効果ではないのではないかと疑問を呈する。 トヨタ労組の鶴岡光行執行委員長は「(アベノミクス効果は)申し訳ないが、ない」と話しているし、ホンダ広報部も「アベノミクスの影響で一時金がアップしたわけではありません」と答えている。 さらにトヨタの場合、利益をボーナスに還元するのはほんの僅かで、利益の大半は内部留保として積み上げてしまうのである。 かくしてポストはこう書く。 「業績回復しても企業が社員に思い切って還元しようとしない現在のやり方が続くなら、アベノミクスもいずれ、国民の生活を豊かにしない“陽炎景気”と呼ばれることになるだろう」 さらに矛先は大メディアへと向かう。 「奇妙なのは、大メディアが今回のボーナス増額を、まるで給料が大幅アップされるように誇大な賃上げ報道を展開していることだ。日本経済新聞は春闘の一斉回答が出された翌日の朝刊(3月14日付)で、『「賃上げ」物価目標超え年収増、相次ぎ2%上回る』との見出しでこう報じた。〈組合要求の年間一時金約205万円に満額回答したトヨタ。定昇維持分と満額回答の年間一時金を合わせると、組合員平均で5.5%の年収増になる〉 トヨタのボーナスアップ額は平均24万円で、従業員平均年収の『3.2%』だ。定期昇給部分は現状維持だから賃上げになっていないし、現状維持であれば企業側の人件費負担は原則変わらない(定年などで退社する人員と新入社員など入社人員の構成次第)。それなのに、日経は社員の年齢が上がれば当然もらえるはずの定昇まで『賃金上昇分』に計算して、あたかも労働者に還元されているかのように伝えているのである。 賃上げの原資がないわけではない。 日本ではバブル経済末期の97年をピークに、労働者の平均賃金が下がり続けている。10年以上の長期にわたって賃金が下がっているのは先進国で日本だけだ。国税庁の民間給与実態調査によると、大企業(資本金、10億円以上)の従業員の平均年収は2001年の約615万円から11年には約436万円へと3分の2まで落ち込んでいる。しかも、その間に企業は内部留保を貯め込んでいた」 私はポストの報道姿勢は買うが、それならばタイトルではっきりそれとわかるつけ方をしたほうがいいと思うのだが、編集長、いかがだろう。 今週の第1位は、朝日でも「石原ファミリーの落日」というタイトルで特集を組んでいる、石原慎太郎家についての文春の記事。 朝日新聞が追及を始めた石原慎太郎氏の三男・宏高衆院議員(48)と大手パチスロメーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(以下UE社)との疑惑を追っている。 この2人の疑惑とは、こうである。 「昨年十二月の衆院選で宏高氏陣営がUE社に支援を要請し、同社の社員に選挙運動をさせたことを指摘。これが公選法違反の疑いがあると(朝日新聞が=筆者注)報じた」 石原親子はカジノ解禁論者で、石原氏は都知事在任中に「お台場カジノ構想」をぶちあげたこともある。UE社の岡田和生会長(70)は現在フィリピンで巨大なカジノリゾートに取り組んでいるそうである。石原親子は、2010年の6月にベニグノ・アキノ大統領の就任式に出席したが、その折も岡田氏はフィリピンに行っており、親密さが表れていると書いている。 問題の宏高衆院議員とUE社の関係だが、11年6月から毎月100万円のコンサルタント契約を結んでおり、昨年1月までに少なくとも1,800万円が宏高衆院議員に支払われていたと報じている。 ここへきてカジノライセンス収得にあたってUE社の「裏金疑惑」が噴出しているそうだが、それに関連してUE社がおよそ4,000万ドルをフィリピンに送金し、そのうち1,000万ドルが日本へ環流していたことが内部告発で明るみに出た。 そのカネが日本の政界工作に使われたという証言もあり、「カネの行く先は慎太郎氏だ」というウワサまで流れているというのである。 公選法違反が適用されるのかが気になる三男。長男の伸晃環境相は当事者能力が問われているし、当の慎太郎氏は2月27日から体調を崩し、都内の病院に入院中である。石原家に近い永田町関係者は「病状はかなり重篤なのだと思います」と言っているが、石原事務所側は「日々回復しており、近く退院する見込みです」と答えている。 どちらが正しいかは判断しかねるが、日本のケネディ家ともいわれる石原ファミリーが最大の試練の時を迎えていることは間違いないようである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊文春」3月28日号 中吊り広告より
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元・名物編集長がアベノミクスの大本営発表に苦言「週刊誌よ、権力を疑え!」

「週刊ポスト」3月29日号 中吊り広告より注目記事第1位 「安倍首相『玉ネギ問答』の詐術」(「週刊ポスト」3月29日号) 注目記事第2位 「PM2.5+黄砂 首都圏直撃パニック」(「週刊文春」3月21日号) 注目記事第3位 「『強化プラスチック』のレプリカ!『奇跡の一本松』涙の復元は美談か茶番か!」(「週刊新潮」3月21日号) 注目記事第4位 「女性記者が潜入!『オンナの性欲』最前線」(「週刊文春」3月21日号) 今朝(3月18日)の朝日新聞に、今の若者は「さとり世代」だという興味深い記事があったので紹介しておきたい。 「『さとり世代』が最初に登場したのは2010年1月。ネット掲示板『2ちゃんねる』で、元日経新聞記者の故・山岡拓さんの著作『欲しがらない若者たち』を語るスレッドだった。 同書には、今の若者の消費動向について『車に乗らない。ブランド服も欲しくない。スポーツしない。酒は飲まない。旅行しない。恋愛には淡泊』とある。 これを受け、1人が『さとり世代』と書き込むと、『いい言葉!』『面白いフレーズ』などの書き込みが殺到。(中略)ネットで拡散した。 結果をさとり、高望みしない世代――。何歳くらいを指すのだろうか。 博報堂若者生活研究室アナリストの原田曜平さん(35)は『ゆとり教育を受けた世代と年齢的にほぼ重なるだろう』と話す。 ゆとり世代は、主に02~10年度の学習指導要領で学校教育を受けた人たち。1980年代半ば以降に生まれ、現在の年齢は10代から20代半ばだ。 物心ついたときにはバブルが崩壊し、景気は後退。一方で、ネットが普及し、自ら足を運ばなくても欲しい情報が手に入る環境を享受してきた。原田さんは『「ゆとり世代」はダメな若者を指す言葉になったが、「さとり世代」は、ゆとり教育を受けつつ、さらに勉強をし、現実的な将来を見通す賢い集団でもある。だからこそ、結果をさとらざるを得なかった』」(朝日新聞より) われわれの若いときは「クルマ大好き、ブランド大好き、スポーツはしないが酒は浴びるほど呑みたい、世界旅行にも行ってみたい、もてないけどセックスにはどん欲」だったが、その世代は還暦を超えてもさとりなどとは縁遠い。 さとり世代が年を取ったら、どんな老人ができあがるのだろう。 WBCは準決勝でプエルトリコに完敗した。はじめから選手層の薄さが気になっていたが、監督采配を含めて、3連覇できるほどの実力ではなかったのだ。 ところで、先週のアサヒ芸能に、私にとっては、という意味ではあるが、ショッキングな記事が載っていた。 「謎の美女YURIの正体は」がそれである。週刊ポストでセンセーショナルに登場したYURIは、その清楚な佇まいと壇蜜を凌ぐ官能的な姿態で、多くのファンを獲得した。 私もそのひとりだった。少し東南アジア系を思わせる表情も魅力だったが、そのプロフィールはすべて秘密、秘密だった。 そして昨年夏に、突然引退を表明して消えてしまったのだ。まるで自分のガールフレンドが目の前から消えてしまったような寂しさを感じたものだ。 それがこのところ彼女の「消息」がポストに出始め、未公開写真がグラビアを飾り、彼女のあの姿を再び見られると喜んでいたのだ。 アサ芸にもYURIファンがいたに違いない。予期せぬところで再会を果たしたなどといっているが、血眼になって探し求めたのであろう(推測だが)。しかし、それがDVDショップで出会った、それもAVだったというのがショックである。 タイトルは『続・素人娘、お貸しします VOL.63』(プレステージ)。仮名で柏木美玲、22歳、家事手伝いとなっているそうだ。 間違いであってくれればいい。そういう私の切なる願いは、アイドル評論家の織田祐二が打ち砕く。 「顔や胸の谷間のホクロの位置が完全に一致しており、YURI本人だと断定できます」 アサ芸は「本番AV嬢だったんですね(苦笑)」と書く。嫌みだね。 私にとっては苦渋の選択だったが、すぐにそのDVDを通販で買って取り寄せたこと、言うまでもない。 ポストはアサ芸の記事を知ってか知らずか、今週もYURIのグラビアをやっている。そのタイトルは「誰も。。何も。。知らない」。意味深ではあるがね。 注目記事には入らなかったが、気になった記事を紹介しよう。 廣瀬直己東電社長が文春に登場して、池上彰の「誌上喚問」に答えている。池上が「文春は原発事故以来、厳しく東電の責任を追及してきた雑誌なのに、よく応じましたね」とやや驚いているように、登場させたことは“快挙”である。 廣瀬は「確かにだいぶお叱りを受けているという認識はございました。しかし、私どもの立場ではどんな媒体でも我々の考えをお話しできるのであればありがたいことだと考えています」と答えているが、額面通りには受け取れない。 文春、池上彰というブランド。それに付け加えれば、池上ならさほど厳しいことは聞くまいという計算があったのではないか。それとも、なんらかの取引があったのか。 予想通り、内容は通り一遍で、さして新しいことはないし、激しく斬り込んでいない。 強いてあげればこういうところか。 「池上 ただ、例えば敦賀原発のように日本原電が調査して活断層ではないとした場所が、別の学者が見たら一目瞭然で『活断層だ』と判定されてしまうと、そもそも今までの調査が非常に電力会社にとって都合のいい、いい加減なものだったと思いますね。 廣瀬 そういう批判を受けるのも仕方ないかもしれませんね」 終始、廣瀬社長は第三者のような口ぶりである。旧東電トップたちの刑事責任にも言及してほしかったね。 現代にも気になる記事がある。「医者はこんなときにウソをつくのです」がそれだ。 慶應義塾大学病院放射線治療科の近藤誠医師がこう語る。 「実は、医者がウソを言うのは、余命に関してが一番多いんです。初対面の医師が、いきなり『あなたは余命3ヵ月です』と言ってくるケースはよくある。特に若い医師に多いようです。 だいたい短めに言って脅し、不安にさせ、救いの手を差し伸べる。長めに言うと、患者はセカンドオピニオンを求めたり、他の治療法はないかと考えてしまう。そうした心の余裕を患者に与えないために、あえて短めに言うんです。昔は家族を脅すのに『余命6ヵ月』がよく使われたのですが、がん告知が当たり前になった今は『余命3ヵ月』に短縮された。そう宣告された多くの患者の話を、私は直に聞いています」 この「余命3ヵ月」には、もうひとつの理由があるというのだ。 「医療裁判に対する怯えは、がんに携わる医師のほとんどが抱いていると思います。余命に関しても、1年と言ったのに半年で亡くなったなどとなったら、医師の責任を追及されかねない。だから余命は短めに告げておくんです」(都内の総合病院外科医) 確かに医者が余命を確実に判定できるわけはない。医者意図を見抜く患者側の眼が必要なのだろう。 これも私のころからの定番の早稲田批判が現代に出ている。不思議なことに早稲田批判は部数が出るのだ。 Q 慶應に差をつけられ、明治に追い上げられている早稲田は慶応のマネをするようになった。 「大学の特色でもあった夜間部を’10年度までにすべて新規募集停止。女子学生と外国人留学生を増やした。最近では文科省の指導のもと、授業の出席率をあげようと、授業ごとに色の違う出席カードを用意したり、院生を雇って代返を監視させたりしている。 マネをしてみたが、結局慶応には勝てず、早稲田は『自由』という唯一の優位性すら失ってしまった。そして皮肉にも、早稲田は就職市場でもますます『魅力の薄い』大学になりつつある。就職率でみれば慶応83.6%に対して早稲田は76.1%と差は大きい」 早稲田のバンカラという気風も、もはや昔のこと。私のオフィスは早稲田の正門のすぐ近くだが、通る早稲田の学生はスマートなのが多い。早稲田はただの人数の多い特色のない大学になってしまったようである。 文春の連載「ワイセツ戦線異状あり」が面白い。今週の第4位に、25歳の文春女性記者が「オンナの性欲」最前線に突撃している記事をあげる。 まずはTENGAの女性版「iroha」に挑戦。とはいっても、触って感触を確かめているだけだが。 次はお決まりの渋谷円山町にある女性専用バイブの店へ。その後、午前3時過ぎに編集部で女性向けAVを見て、こう感想を漏らす。 「私がイメージしていたAVとはずいぶん違う。なんだか男女とも綺麗だし、卑猥な言葉を言うわけでもないし、大げさな演技とかもないし……見ていて正直、ちょっとうっとりしちゃいました」 そこからこれもお決まりのBL、ボーイズラブ、同性愛ものへと行く。 店頭でBLを買うのがためらわれる女性たちが、ケータイでBLを読むことが多くなっている。eBookJapanは、昨年3月の調査で、iPhoneで電子書籍をダウンロードしたユーザーのうち女性は60%で、売り上げランキングを見ると1位に少女マンガ『僕等がいた』で3位にBLコミックが入ったそうだ。 そういえば、3月12日のJ-CASTに「文化庁配信電子書籍でダウンロード数トップ『エロエロ草紙』の中身は『男子の妄想』」という記事があった。 「文化庁は2013年2月1日から、『文化庁eBooksプロジェクト』として、国立国会図書館のデジタル化資料のうち、有識者により選定された13作品を電子書籍化・実験的に配信していた。配信は3月3日に終了し、実験結果が9日に公表された。 それによると、配信期間中のダウンロード数1位は酒井潔の『エロエロ草紙』で1万1749件、2位以下に芥川龍之介の『羅生門』(1万163件)、同じく芥川の『河童』(8428件)が続いた。このほか『絵本江戸紫』(1765年)、『平治物語〔絵巻〕』(1798年)などの古典籍や、竹久夢二、柳田國男、夏目漱石、永井荷風、宮沢賢治などの作品が配信されていた。 これらそうそうたる『ライバル』を押しのけて、今回1位に躍り出た『エロエロ草紙』。そもそもなぜラインアップされたのか。 1930年11月に出版されるはずが、『公序良俗を乱す』との理由で製本中に発禁処分を受けた。その後長らく日の目を見ていなかったのだが、国立国会図書館デジタル化資料としてインターネット上に公開されると、その『露骨過ぎる』タイトルがネット住民から『人気』を集め、11年中ごろからサイトのアクセス数ランキング首位に君臨するようになった。 このデジタルデータのアクセス数や、国会図書館内での閲覧実績などを重視して、文化庁が配信ラインアップを絞り込んだため、『エロエロ草紙』には異論も出たものの、『やはり外せない』となったそうだ」 中味などどうでもいいのだ。やはりエロは強い! ということだ。 陸前高田市の高田町では、大津波のために7万本あった松がほとんどなぎ倒され、唯一残った高さ27メートル、樹齢173歳の松が復興のシンボルとなり、「奇跡の一本松」と呼ばれている。 新潮は、その松が樹皮の生木部分以外すべて人工的に復元され、まるでミイラのようなものとして残ることになったことへの疑義を唱えている。これが第3位。 この松は昨年5月に新芽が出ず、完全な死が見極められたため、市の主導で震災モニュメントとして復元されることが決まったのだが、その総工費はなんと1億5,000万円。しかも10年しか持たず、永久保存ではないのだ。 当然ながら、地元住民からも批判が出てきた。街や道路の整備、仮設住宅に住む人たちの復興住宅費用に充てるべきではないかというものだ。もっともである。 費用そのものは寄付金と全国から寄せられた義援金を充てているようだが、サイボーグのにようにして残すのでは見るに忍びない、という声も多くある。それに、この奇跡の松のDNAを残そうという試みは成功しており、苗木として育ち始めているそうである。 私も、苗木を育て、大きくなったら海岸に植えて「奇跡の一本松ジュニア」として、みんなで守っていけばいいのではないかと思う。 中国のPM2.5問題が深刻になってきている。これを取り扱った文春の記事が第2位。 大阪医科大学の河野公一教授がこう警告する。 「特に高齢者と乳幼児は抵抗力や免疫力が低いですから、慢性的に吸い続けているとCOPD(慢性的閉塞性肺疾患)になりやすい。最近、都市部の高齢者で呼吸器系疾患が多いのも、PM2.5の影響があると思われます。COPDは高齢者、特に八十歳以上の肺疾患で亡くなる方の死亡率第一位です。(中略)抵抗力の弱い乳児や子供も同様です。子供の場合は肺の発達成長の段階においてこういう疾患に遭うと、肺胞の正常な機能が保てなくなるといわれています。肺そのものの成長が鈍くなってしまうこともありえるんです。 また、PM2.5は発ガン性物質でもあるので、肺胞周囲におけるガンのリスクが高くなります」 日本ではこのところ煙霧が話題だが、これは寒冷前線の接近に伴って空気が対流し、地表付近の土埃やちりなどが巻き上げられて、水平方向に見通せる距離が10キロ未満になる気象現象のことだそうだ。文春は気象庁が「煙霧」と発表しているのは実は大本営発表で、中国へ配慮して「黄砂」といわないのではないかと、怒りを中国へと向ける。 さらに先のような健康への被害が心配され、PM2.5のような微粒子だと「肺胞にまで到達し、血液やリンパ節に移行していく。ちょうど肺への沈着率が高くなる大きさなのです」(河野教授)。その上中国では規制の緩いアスベストまでが飛んできている可能性もあるというのである。 北京から南西に約300キロのところにある中国のスモッグ・ワースト1位の都市(河北省)へのルポも敢行している。7歳の子供を連れた50代の工員はこう話している。 「春になると砂や煙が宙を覆って、真っ白で空も見えなくなってしまう。七、八年前に大きな工場ができてからというもの、小さい子供に気管支炎が増えている。発疹が出ることもある」 工場から離れた市の中心部に子どもを住まわせたら、発疹が自然と消えたという。 さらに文春は、07年に世界銀行が中国の水質汚染に関するレポートを発表し、大気汚染と空気汚染で年間約70万人が死んでいると述べられているのに、中国政府がその部分を削除するよう仕向け、最終版からはこの記述がなくなっていると報じている。 中国側へ「汚染物質抑制要請」をするべき石原伸晃環境大臣だが、なかなか腰を上げず、ようやく中国側に申し入れたところ、中国側は日本への影響を認めず門前払いされたという。中国側からすれば、お前のところは福島第一原発事故で放射能をばら撒いたではないか。そんなことを言われる筋ではないということなのかもしれない。 こうしたPM2.5対策としては空気清浄機が必須だというのだが、中でもスウェーデン製の「ブルーエア」が効果が高いそうだ。だが、20畳対応で8万円弱、半年ごとに交換しなくてはならないフィルターが8,400円と値段もかなり高めである。 庶民は、せめて帽子にメガネ、マスクぐらいで自衛するしかないようだ。 今週の注目記事第1位は、ポストの安倍バブル煽り派への批判記事にあげる。 現代はアベノミクスと黒田東彦日銀総裁を合わせて「アベクロ」バブルと称し、今週も「『アベクロ・ショック』世界同時株高が来た」と煽っているが、ポストは「“官製報道”をチェックするべき雑誌メディアまでがそれに丸乗りしている」と、私がこのところ言い続けてきたような批判をしている。 安倍首相は「中国の玉ネギよりも日本の玉ネギのほうが高くなったのは円高が是正されたためだ」という発言をした。だが、ポストが調べたところ、昨年末から国産玉ネギの値段は変わっていないし、円安で中国産玉ネギの輸入価格が一方的に高くなったのだから、これは詐欺師の口上のようではないかと難じている。 その裏では、来年の消費税引き上げへの布石を打ってきているというのだ。 「自民党は消費税引き上げの際、スーパーや量販店など小売業者が増税分を値引きする『消費税還元セール』を禁止し、値上げカルテルを認める特別措置法案を国会に提出することを決定した。特措法ではさらに中小企業の業界団体が増税分の価格上乗せ方法を共同で決める『転嫁カルテル』を認めて、独占禁止法の適用除外とする方針だ。 還元セールの禁止では、企業や小売店が経営努力で値引きすることもできなくなる。いわば『みんなで値上げしよう』法案であり、消費者のために値引きセールをした業者を、『税を取る役所』の国税庁(財務省)と『消費者を守る役所』の消費者庁が取り締まる。還元セールを行った企業は名前が公表され、調査が入る。値上げに協力しない企業は”犯罪者”扱いである。 一方で財務省は増税後の住宅需要冷え込み対策として、今年9月末までに注文住宅の購入契約を結べば引き渡しが来年4月以降でも税率を5%のままにする経過措置を打ち出した。税率引き上げが正式に決まってもいないのに『経過措置』とはふざけた話だが、これも増税の『来年4月実施』を既成事実化する露骨な動きだ」 3月8日に発表された内閣府の「景気ウオッチャー調査」もおかしいという。 「今回の調査結果(2月分)では、『現状判断DI』が前月比3.7ポイント上昇の53.2、『先行き判断DI』が前月比1.2ポイント上昇の57.7となった。 景気の先行きを示す指数は00年に調査を始めてから最も高い57.7となったという報道が多く見られたが、これは役所と記者クラブの「コンビネーションプレー」だったと批判する。 「しかし、今回の調査結果を注意深く読むと、手放しでは喜べない日本経済の実態が見えてくる。 25ページにわたる調査結果(全体版)の最終頁には、『参考』として『景気の現状水準判断DI』という指数が掲載されている。そこには『景気の現状をとらえるには、景気の方向性に加えて、景気の水準自体について把握することも必要と考えられる』との記述があるだけだ。 内閣府に問うと、『「現状判断DI」は3カ月前と比べて景気がどう変化しているかを質問した数字で、「現状水準判断DI」は、現在の景気について尋ねた数字です』と説明する。 つまり、『現状水準判断DI』こそが実体経済の実感を示している数字なのだ。この数字は今回調査で「45.9」と50を大きく下回り、いまだ過半数が『景気が悪い』と判断していることを示している。その数字を最後に『参考』として載せるのではなく、強調することこそ政府の義務というものだ」 さらに、作られた賃上げラッシュの裏で「首切り自由化法」が練られているというのだ。 「さる3月6日、産業競争力会議の『雇用制度改革』分科会の第1回会合が開かれた。そこで議論の中心になったのが、経済界の悲願である『金銭解雇ルール』の創設だ。 『日本では企業が社員を整理解雇する場合には4要件と呼ばれる厳しい制約がある。産業競争力会議でテーマになっている金銭解雇ルールとは、企業が『転職支援金』などの名目で一定の金額さえ支払えば自由に社員のクビを切れるようにするもので、実現すれば、サラリーマンはいつ会社から『辞めてほしい』と通告されるかわからない不安にさらされることになります」(ジャーナリスト・溝上憲文氏)」 昨今TPPが話題だが、そこにも裏があるという。農協の大規模な反対運動が報じられているが、政権と農協側は水面下で条件交渉を始めているそうである。 「TPP参加は既定路線だから、あとは農協を通じた農家への補助金交渉になる。農協は、93年にウルグアイ・ラウンドで米市場の一部自由化を決めた際には、8年間で6兆100億円という巨額の農業対策予算を引き出した。関税撤廃品目次第では、今回は10兆円規模の減額交渉になるのではないか」(安倍ブレーン) 自民党のTPP対策委のひとりもこう言う。 「北海道庁がTPPによる道内の損失額を米1130億円、小麦418億円などトータルで2兆1254億円と試算している。委員会では農水族の議員が『北海道だけでこれだけの数字になるんだ!』といいながら、補償額について話し合っている。最低でもウルグアイ・ラウンドの6兆円は超えるはずだ」 今の株高は一場の夢になるかもしれないと、慶應義塾大学ビジネススクール小幡績准教授がこう指摘している。 「小泉政権下でも景気拡大局面が現われて株高となったが、庶民はそれほど恩恵を受けられなかった。現在、それと同じような状況がある。株や土地が上がっても持たざる人や投資資金のない人には関係ない。円安で業績が好転して賃上げにつながるのは一部の大企業にすぎません。多くの庶民にとっては賃金が上がらない中で、物価だけが上がるというのはマイナスでしかありません」 ポストの報道姿勢を私は評価する。新聞やテレビなどの大メディアが大本営発表のような情報を垂れ流している中で、こういうときこそ週刊誌は「権力を疑え」という姿勢を貫かなければいけない。それが週刊誌の存在理由なのだから。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
18歳以上ならセーフ!? 「足を密着させて……」JKリフレの実態
注目記事 第1位 「『安倍の体調は相当悪いぞ』ギャング麻生太郎の野望」(「週刊文春」3月14日号) 注目記事 第2位 「凶悪冷血『未成年ペア』肖像写真と荒廃家庭」(「週刊新潮」3月14日号) 注目記事 第3位 「『原発&放射能の危機』これからが本番!」(「フライデー」3月22日号) 注目記事 第4位 「北海道湧別発 愛娘を胸に凍死した父の物語」(「週刊文春」3月14日号) 注目記事 第5位 「アキバは『非発射系風俗』の天国だ!AKBとJKリフレの境界線」(「週刊文春」3月14日号) 注目記事 第6位 「馬刺しを食べて長寿日本一になった!?『長野県』の研究」(「週刊新潮」3月14日号) 週刊朝日とサンデー毎日が毎年恒例の「東大・京大の合格者速報」をやるので、1日遅れの発売になる。ここでも何度か書いているが、一昔前までは出版社系週刊誌も学生アルバイトなどを動員してやっていたが、費用対効果が悪すぎるので止めた。学歴社会に異を唱えるべき新聞社系週刊誌が続けているのは、売れるからだろうが、おかしくはないか。 週刊現代で「大研究 ああ、東京大学」という特集をやっている。東大にガリ勉してやっと入った学生は、周りについて行けず苦労している話や、メガバンクに就職したが、東大卒がいない支店に配属されたために、みんなから弄られる若手東大卒の話が出てくる。 東大を出たからといって、人生の幸せが保障されているわけではない。これも昔話で恐縮だが、編集長時代に「犯罪を犯した卒業生の多い大学」ランキングというのをやったら、東大がダントツで多かった。公務員になって汚職や収賄で捕まるケースが多いのである。 「どこの大学を出た人間が幸せな人生を送っているのか」ランキングをやったらどうか。きっと、トップは東大や京大ではないと思う。 今週もグランプリ該当記事はない。それに6位までに現代、ポストの記事が入っていない。これも寂しいことだ。 現代は安倍総理・黒田日銀新総裁の「アベクロ・バブル」が上昇一途だとはしゃいでいるが、煽りすぎではないか。放射能の危険を煽ったときは、私は評価したが、今回のバブル礼賛はいただけない。 ポストは「土地の神話大復活」と、一見安倍バブルを喜んでいるようだが、読んでみるとそうではない。だが、どっちつかずの記事だ。「参院選も自民党圧勝 そして野党は消滅する」と予想しているようだが、まだ一波乱あると私は思っている。 どちらにしても、先週のポストが書いていたように、円安誘導によるインフレは貧乏人の懐を直撃することは間違いないのである。そこを考えながら記事作りをしていくことを望みたい。 長野県が長寿日本一になったが、新潮が「馬刺しを食べたことが長寿の秘訣」だったと報じている。これが第6位。 男性80.88歳、女性87.18 歳。全国平均の男性79.59歳、女性 86.35歳を上回り日本一に輝いた。1日当たりの野菜の摂取量が379グラムと全国平均の301グラムを大幅に上回り、減塩運動が進んだことも寄与しているのだろうが、馬刺しとは意外である。 長野は、熊本と並ぶ馬肉消費県。ここですき焼きといえば牛肉ではなく、馬肉のことだそうだ。 一般家庭の食卓に馬肉料理が並べられ始めたのは戦後だといわれている。伊那市内の馬肉料理店「越後屋」の福澤栄治氏がこう語る。 「食糧難の時代、すき焼き用の肉で牛や豚よりも、馬肉の方が身近で安くて手に入りやすかった。馬刺しを食べる習慣も、やはり戦後からだと聞いています。海のない長野では、馬刺しが魚の刺身の代替だったのかもしれませんね」 馬肉は非常に栄養価が高く、タンパク質は牛や豚の約2倍も含まれている。その一方で、 「馬肉のカロリーは牛肉の3分の1、豚肉の2分の1。脂質も、牛肉や豚肉の約8分の1にすぎません。つまり、高タンパクで低カロリーなヘルシー食材なのですよ」(日本馬肉協会の沢井圭造理事) 牛肉と同じように馬肉も脂身のサシが入った“霜降り”を喜ぶ人は少なくないが、赤身の方が健康によいと北里大学獣医学部の有原圭三教授がこう説明している。 「馬肉の赤身は、豚や牛の1.5 ~3 倍も鉄分が含まれている。しかも、タンパク質と結合しているので体内への吸収効率がよい。鉄分は、血液中の酸素を運ぶ赤血球の主成分へモグロビンを作るのに必須。鉄分の不足は貧血に繋がるので、馬肉はそれを予防する効果もあります」 さらに、リノール酸も豊富だという。 「リノール酸は、体温で容易に溶けて体内に蓄積されにくい脂肪です。必須脂肪酸とも呼ばれていてコレステロール値を下げたり、血液の循環をよくする効果がある。特に、脳卒中の予防には抜群です」(同) 今晩は、森下町の「桜なべ みの家 本店」へでも行って桜鍋をつつくことにするか。 桜鍋で精力をつけてというわけではないが、第5位、文春の「ワイセツ戦線異状あり」2回目の「非発射系風俗」ルポがなかなか読ませる。 1月27日に警視庁は秋葉原や池袋で女子高生150人を保護した。彼女たちが働いていたのが「JKリフレ」。JKは女子高生の略で、リフレとはリフレクソロジーというのだそうだ。つまり、女子高生が個室でマッサージを行う風俗なのだ。 だが、ここでは性的サービスが禁止されている。そんなところに男たちが殺到するのはなぜなのか? 記者が突撃取材している。 「三畳ほどの部屋には低反発のマットが敷かれている。現れたのは都内の高校三年、優子(18・仮名)。制服風の白いブラウスに紺のミニスカート姿だ。『十八歳は女子高生でも大丈夫なんです。この前の摘発でも十八歳のコは警察からすぐに帰されたんだって。うちでもあれから十八歳未満はリフレはなしで、お話だけになった』 給料は完全歩合で、客が払う料金の半分弱が彼女の手取りになるという。客の平均年齢は四十歳くらい。客は裸になるわけではなく、店員女性はセーラー服やメイド服などのコスプレ。スカートはミ二が基本だ。客はうつ伏せになり、店員はミニスカートのまま客の腰の上にまたがって、背中や腰、脚、腕を指圧する。射精を伴うような性的サービスはないが、漂う雰囲気はほぼ風俗店のそれである。 『五人に一人は触ってきますね。メイドのコスプレを着たときとかに胸をツンツンしてきたり、お尻をギュッと掴まれたこともあった。三回くらいダメと言ってもやめない人もいます。ホントやめてって思います。 オプションの一番人気は「ハグ」ですね。五秒で千円。「添い寝」も人気だけど触ったりはダメ。でも腕枕はできるよ』」 なぜこんな商売が成り立つのか? かつて都内でJKリフレを経営していた男性が語っている。 「客の八割から九割は、女性とまともに話したことが無い、いわゆるキモオタ。キャバやクラブの大人のホステスには、相手にされないとか、怖いと思っていて、まだ社会的、精神的に未熟な女子高生なら口説けると思っている。AKBオタクと同じなんですよ」 添い寝専門店を謳う「ソイネ屋」は昨年9月にオープンしたばかりだが、ブラジルのテレビ局も取材に来た有名店だそうだ。入会金と合わせて40分6,000円払うと三畳ほどのマットに布団が敷かれた個室に案内される。 「やがて胸元がゆったりと開いたピンクの部屋着姿で、麻友(21・仮名)が入ってきた。普段は病院に勤務しているという。 身体が接触するほど近くはないが、毛布をかけて仰向けに横たわると布団の中には体温がこもり、予想以上に“添い寝”感が強い。しばらくすると、『何かオプション入れてくださ~い』と言われ、三分千円の腕枕を選んだ。半身になりこちらを向いた彼女は記者の腕を持ち、自らの首の下に敷く。さらに『ヒザを曲げて』『伸ばして』。いつの間にか彼女の右脚が、記者の左脚の下に挟まれていた。 『冷たいでしよ? 末端冷え性なんです』 そう言うと、やはり冷えたふくらはぎを太ももに密着させてきた。この“寸止め”が売りなのだ。 『なかには興奮してルール違反する人もいます。いきなり上に乗っかかられたこともあります。別のコは持ち込んだバイブをいきなりアソコに当てられて泣き出したということもありました。お店間違えてるよね』」 ミニスカートの中を覗くことができる「コスプレ足踏みリフレ」、水着やコスプレの女性が密着して身体を洗ってくれる「洗体エステ」もあるそうだ。 川端康成の『眠れる美女』ではないが、これからは高齢者に受けるのではないか。裸の女子高生を横に寝かせて、添い寝するだけというのも悪くない。しかし、何もしないでいられるかは、自信はないが。 3月3日早朝、前日から続いた猛吹雪のせいで、北海道紋別郡湧別町の牧場用倉庫の前で父親が9歳の娘を抱きしめるように覆い被さり凍死したが、その代わりに娘の命を助けたという報道は、大きな感動を呼んだ。このことを詳報した文春の記事が第4位。 3月2日に記録的な暴風雪が発生した。当日の猛吹雪の様子について、地元住民がこう証言する。 「オホーツク沿岸に引っ越して三十年以上になりますが、過去にない、想像を絶する吹雪でした。目の前がまったく見えないんです。昔のテレビは放送が終わると画面がザーッと砂嵐のようになったでしょう。あんな状態です。強風と吹雪が顔に当たって痛い。まともに眼も開けられませんよ」 今回多数の死者が出た要因の一つに、急激な天候の変化があった。 「午前中は快晴だったんです。それが一時間もしないうちに急変して吹雪となり、五分か十分で雪が一メートル、二メートルとみるみる積もっていく。そんなのはこれまで考えられなかったです」(同) 2日の午後、岡田幹男さん(53)は漁業の仕事が終わると軽トラックで地元の「児童センター」に寄り、娘を連れて数センチ先が見えない道を車で走り始めた。 父親から「車が雪にはまって出られない」という電話が親族にあったのが午後4時頃。30分後にも電話があったが、それが最後になった。 父親は4年前に妻を亡くし、娘と2人暮らしだったが、とても仲が良かったという。 2人が倒れていた地点からわずか50メートル先に民家があったのだが、1メートル先も見えない猛吹雪のため、父親は自分のジャンパーを脱いで娘を覆い、自分の体温で娘を暖め続けたのだ。 娘は父親の死を知らされても気丈にふるまっているという。彼女は父親の愛情を一生忘れることはないだろう。 ところで今日(3月11日)は東日本大震災から2年だが、週刊誌にこれに関した記事が少ないのはどうしたのか? それなりに取り上げてはいるが、通り一遍という印象は否めない。実体の伴わない安倍バブルで騒ぐより大切なことを見失ってはいけない。 そこで比較的大きく原発問題を取り上げたフライデーの記事を今週の第3位にする。 東電は3月1日に福島第一原発の構内を公開した。廃炉に向けて前進していることを示したかったのだろうが、1~3号機は依然として報道陣も近づけない状態で、道のりが遠いことを印象づけてしまった。 気になる話を、ドイツの物理学者で放射能研究の専門家、アルフレッド・コーブレイン博士が語っている。 「私はドイツ、ポーランド、ウクライナで20年以上に亘ってチェルノブイリ事故の影響を調査してきましたが、このたび原発事故が起こった2011年の福島の早期新生児死亡率(生後7日未満の乳児の死亡率)を調査して、驚きました。事故から2ヵ月後の5月の死亡率が、1000人中7人にも達していたのです。原発事故が起きなかった場合の予想値と比べれば約3倍にも達します。(中略)原発事故由来のセシウムの影響が強く疑われます」 また、福島の子どもたちの健康状態の調査を続けている深川市立病院の松崎道幸医師は、「現時点で、福島の子供達から3800人に1人の割合で甲状腺がんの発生が予測されていることが分かりました。チェルノブイリ事故の5~7年後に、医師の山下俊一氏らが行った調査では、甲状腺がんが発見された子供達は1万4000人に1人でした。すでに福島ではそれを上回る甲状腺がんの発生が予測されているのです。今後福島でチェルノブイリ以上のことが起きるのは、残念ながらほぼ確実なのです」と話している。 これが、福島第一原発事故から2年後の現実なのである。だが、テレビや新聞は東日本大震災の復興が遅々として進んでいないことは取り上げるが、放射能に関しては、忘れ去ったかのようにして触れないのは、どうしたことか。 特集の2番目に、「私は文科省から放射能測定値改ざんを強要された」とする「アルファ通信」豊田勝則社長の告白が載っている。豊田社長は2011年7月に、文科省が福島で設置する放射線量を測定する「モニタリングポスト」の入札に参加し、600台を受注した。 私が以前から主張しているように、文科省の放射能測定はガンマ線だけで、アルファ線やベータ線は測っていないから、その時点で「線量隠し」が行われているのである。 その上、600台の設置を終えたら、文科省は手持ちの測定器を持ち込み、「設置した6台を検査した結果、2割ほど高い数値(文科省の資料では15~40%)が出たから、これではダメだ」と言い始めた。 それからもやり取りがあり、納期期日の直前になって、「アルファ通信」の技術技師・武藤真人らを呼び出し、データに疑義があるから3日のうちにすべての測定器を再測定した上で、新しいデータを提出しろ」と強要する。 嫌がらせ以外の何ものでもない。「アルファ通信」側は昼夜分かたず努力をして、ほぼ全部の設置を終えたにもかかわらず、文科省は期限までに全部設置できなかったとして一方的に契約を解除してしまうのだ。 この後に「NEC」と「富士電機」が「アルファ通信」と同じ場所に設置したモニタリングポストの値が「実際の半分ほどの線量しか示さないことは、本誌の独自調査(3月8・15日号)で報じたとおりだ」(フライデー)となっている。 「アルファ通信」は文科省を相手取って損害賠償請求訴訟を起こし、現在係争中である。線量隠しの実態と原子力ムラ以外の業者の参入をなんとしてでも阻止したかった文科省の「目論見」が露見するのは時間の問題であろう。 3本目にはNHKの売れっ子だった掘潤アナウンサーが、反原発発言などをTwitterで発信したことで局内で問題視され、番組終了とともにUCLAに留学しながら、反原発のドキュメンタリーを作ったことを報じている。 日本人は、絶対に忘れてはいけないものまで忘れてしまう民族である。最近のアベノミクス礼賛報道も、同じ根っ子から出ている。われわれの世代が生きている限り、福島第一原発事故のことを忘れてはいけない。 新潮が吉祥寺で起きた、22歳の女性殺人事件の容疑者2人の実名を出して議論を呼んでいる。この是非を含めて、「問題提起」という意味で第2位に取り上げてみた。 新潮は実名を公表する理由を、こう書いている。 「いかなる凶悪犯罪であれ、未成年の犯人の実名や顔写真は少年法の厚いベールの内側に隠される。 しかし、少年の人権ばかりに重きが置かれるそうした状況に風穴をあける判決が下されたことをご記憶のムキもあるかもしれない。 1998年、大阪府堺市で当時19歳の男が無辜の人々を次々に刺し、幼稚園児が死亡、2人が重傷を負った『堺通り魔事件』。19歳の男の実名と顔写真を報じた月刊誌『新潮45』の記事について、2000年2月、大阪高裁が『違法性なし』との判決を下したのだ。加害者がたとえ少年であっても、事件が〈社会の正当な関心事〉であり、〈凶悪、重大〉であれば実名報道が是認される場合がある、とした画期的な判決。それに改めて触れたのは、社会の正当な関心事であり、凶悪かつ重大、そして加害者は少年……そんな事件が去る2月28日、東京・吉祥寺で起こったからである」 たしかに、単にカネがほしいだけで通りすがりの女性をナイフで刺し殺すというのは、許し難い犯罪ではある。だが、ルーマニア国籍の17歳の少年は、ルーマニア人の母親と別れて彼の地で暮らし、4~5年前に母親に引き取られて日本に来たという。言葉も不自由だったことと体臭がきつかったことでいじめられていたと、高校の同級生が語っている。 母親は日本人の再婚相手を見つけると、少年は「うざい」と言って毛嫌いした。やがて高校を中退後はお決まりの不良仲間に入り、転落していく。 私が編集長だったら、どう考えるだろう。罪を憎んで人を憎まずなどという聖人君子ではないが、私は実名を公表しなかったと思う。 主犯格のルーマニア国籍の少年には、まったく情状酌量の余地はないのだろうか? そういう迷いがあるとき、私は実名を出さない。だが、ほかの週刊誌がどう考えるかは、おのおのの編集長が判断することであり、その責任も当然ながら編集長が負うのだ。 安倍内閣は順風満帆だといわれているが、一皮むけば権力欲の塊のぶつかり合いで一触即発のようだ。中でも「ギャング麻生太郎」の野望はたぎっていると文春が書いている。これが今週の第1位。 麻生副総理の側近議員がこう話している。 「安倍さんはやばいな。麻生さんは『安倍の体調はそうとう悪いぞ。(持病の潰瘍性大腸炎の特効薬と言われた)薬が効かなくなってきている。顔がむくんでいるのがその証拠だ』と私に言っていた。麻生さんは安倍さんの体は長くもたないと思っている」(この議員の事務所は「そのような事実はありません」と回答) いまやボルサリーノ帽を斜めに被り、黒いコートを羽織ったギャングスタイルがトレードマークになった麻生副総理だが、文春によれば安倍政権が前のように短命で終われば、73歳の彼でも総理に返り咲けると、自信満々なのだそうだ。 帽子は薄くなった後頭部を隠す「ハゲ隠し」で、愛娘から「マフィアみたいだからやめて」というメールが来たそうだ。 由緒正しい出にしては品の欠片もない麻生副総理だが、文春によれば、周りにいる人物も胡散臭いようである。財務官僚が絶対匿名を条件にこう語っている。 「麻生財務大臣によるミャンマー訪問のメインテーマは、三月末までにミャンマーに対して五百億円規模の円借款再開の表明とされましたが、これはすでに民主党政権時代から内定していた話。驚いたのは、この公式訪問に商社や建設会社と共に、突然、麻生氏の友人のX氏という人物が同行することになったことです。役人の間では『あいつは何者なんだ!?』と騒ぎになったのです」 このXは建設コンサルタント会社社長で、「素淮(そわい)会事務所(麻生氏の外事務所)によく出入りしている、麻生氏の相談相手」(麻生派議員)という人物。麻生氏とは食事やゴルフを重ねている仲だという。そもそもの馴れ初めを、自民党関係者が話している。 「麻生氏が学生時代、ボウリング場で不良に絡まれたことがあった。そのとき大学空手部だったX氏が助けに入ったことで、二人は親しくなったと聞いています。麻生氏と高級フランス料理店で会食する機会があったのですが、そのときの会計は同席していたX氏が支払っていましたね」 このXなる人物と麻生の秘書に疑惑ありとこう続ける。 「永田町では“表の秘書”が長く政策秘書を務めている村松一郎氏(現・財務大臣秘書)、そして、“裏の秘書”がこのX氏と評されたこともある。 ○四年、麻生氏が総務大臣を務めていたとき、この二人の“秘書”はきな臭い事件の登場人物となった。 まず、広く知られているのが同年三月、村松氏の自宅に四発の銃弾が撃ち込まれた事件だ。麻生氏が文教族の大物議員だったために、当時ある学園を巡るトラブルが原因とも報道されたが、未だに犯人は逮捕されておらず真相は闇の中だ。 『村松氏は麻生氏の威光を使って文科省で幅を利かせていたのは事実です。ある予算で陳情にいったときも、村松氏はすぐに「おい麻生事務所の村松だ。予算はどうなっている。トップで検討しろよ」と文科省に電話をかけてくれた。こうした彼の口利き行為がトラブルの原因になったのではないかと噂されました』(文科省傘下団体関係者) 同時期に文科省内で『衆議院議員麻生太郎顧問』の名刺を持ち歩いていたのがX氏だった。当時、取材をしたジャーナリストの瀬戸弘幸氏が語る。 『文科省発注の公共工事でX氏が介入、暗躍しているとの情報があり、取材をして「文科省を悩ます麻生太郎顧問」という記事を書きました。すると同和団体を名乗る人物から何度も圧力がかかるようになり、「今後、X氏は麻生事務所と関係を絶つから穏便に収めてくれ」と凄まれました。麻生事務所も「関係を絶った」と言っていたので、もう疑惑の人物との交際はないと思っていたのですが』 ところが小誌の取材では、X氏と麻生氏の関係が切れたことはなく、外相、首相と出世を続けてもその蜜月は変わっていないことが分かっている」 安倍政権は株価の上昇や円安で悦に入っているが、自民党の歴史は党内抗争の歴史である。昨日の友は今日の敵。身内に潰瘍性大腸炎、党内にいつ寝返るかわからない麻生副総理と石破茂幹事長を抱える安倍政権は、いつ崩壊してもおかしくないほど、実は脆弱なのである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊文春」3月14日号 中吊り広告より
やはり前科あり!? “桜宮高校顧問”に抜擢された女子バレー柳本監督に体罰疑惑
注目記事第1位 「給料が上がらないのにサラリーマンの『値上げ地獄』が始まった」(「週刊ポスト」3月15日号) 注目記事第2位 「橋下徹が“桜宮高校顧問”に抜擢 柳本監督 女子バレー選手を『殴る』『蹴る』の前科」(「週刊文春」3月7日号) 注目記事第3位 「二重生活だった『サンフレッチェ広島』会長の道徳意識」(「週刊新潮」3月7日号) 注目記事第4位 「山形県『山田パター』がアマチュアに向く理由」(「週刊新潮」3月7日号) 内容に関係ないが、気になった広告がある。週刊現代の後半のグラビアに3本の「包茎治療」の広告が載っている。 週刊ポストにもあるのだが、私が見た限りでは本文の中ページに2本だった。現代が連載している「外性器」特集と関係があるのだろうか。それともここへきて、「包茎」や「早漏」に悩む人が増えたのだろうか。「包茎増大治療」とはどんな手術なのだろう。どうでもいいことだが、気になった。 表紙の裏の業界でいう「表二広告」や裏表紙の「表四広告」は料金も高く、雑誌でいえば第二の顔ともいうべきものだが、ここにナショナルクライアントの広告が載らなくなった。 表二に「LOUIS VUITTON」の広告が載っているのは、部数ナンバーワンの週刊文春だけだ。ポストはJT、現代はKasco、週刊新潮は日本歯科医師会、週刊朝日はTCエンタテインメント(DVDの広告)である。 昔話をしても仕方ないが、一昔前は消費者金融の広告は、編集部がいいじゃないかといっても広告部が認めなかった。消費者金融には失礼だが、雑誌の品が落ちるという理由だった。 雑誌の広告を見ていると、その時代がわかる。今はさしずめ「包茎の時代」とでもいうのだろうか。 さて、日銀総裁が黒田東彦に決まった。黒田は財務省出身だが本流の主計畑ではなく、主税畑と国際金融畑を歩み、通貨政策を取り仕切る財務官に就任し、2005年からはアジア開発銀行総裁。 文春で政治ジャーナリストは、黒田のことをこう評している。 「国際金融の世界でも知名度は抜群です。オックスフォード留学経験もあり、英語はオックスフォード訛りも使えるほど上手ですし、九〇年代から、当時の大蔵省では珍しくインフレターゲットを主張していましたからアベノミクスとの相性もいい。何より、典型的な財務官僚ではない国際派ですから、一般的には財務省に取り込まれた印象はない」 財務省としても15年ぶりに日銀総裁の椅子を奪還できるのだから、万々歳だというのだ。 この黒田には2つの懸念材料がある。財務省関係者がこう話す。 「人当たりはよいのだが、コアに頑固なものを持っていて、よくいえば芯がしっかりしているが、『清濁併せのむ』とか『融通無碍』という部分がない。政治家にも全く媚びないから、いわゆる事務次官タイプではない、というものでした」 今ひとつなのは、文春と新潮が書いているが、16年前に20代だった息子が麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたことだ。 しかし安倍晋三総理は、すでに成人していた息子のことだから、黒田氏とは別人格、日銀総裁の適正とは関係ないと断を下したという。当然のことだろう。 これから安倍と黒田によるアベノミクスが本格稼働してくるが、その前から現代を筆頭に株が上がる土地が上がるとバカ騒ぎである。 現代では米国ロサンジェルスに拠点を置く資産運用会社ダブルライン・キャピタルのCEOで、数千億円規模のファンドを運用するジェフリー・ガンドラックなる者が「1ドル100円というのは来週起きてもおかしくありません。それより、私は1ドル=200円になると思っています」と言い放っている。 私は経済には疎いというより無知に近いから、本当のところはわからないが、1ドル200円時代が来たら日本経済はメチャクチャになるのではないか。 外国のハゲタカファンドは日本の株や不動産をいいように食い散らかし、残骸を庶民に押し付けて逃げていってしまうのは目に見えている。 そんなハゲタカのいうことを真に受けて、株を買え土地を買えと囃し立てるのはいかがなものだろうか。 いま私が読みたいのは、真っ当なアベノミクス批判である。これまで長い時間をかけてもデフレ脱却ができなかったのに、いち政治家が選挙目当てで吹いた公約で、いきなりどうこうなるはずはない。 最近読んでいて面白いのは「ニューズウィーク日本版」だ。中でも、中国情報やオバマ政権批判は小気味いい切れ味がある。 先週号になるが「二枚舌オバマの無気力外交」という特集をやっている。 オバマが「アジアに軸足」と公言しながら何も手を打たないで、北朝鮮と中国の野心を放置していると批判している。 北朝鮮問題に関して、北朝鮮担当特別代表にスティーブン・ボズワースを起用したが、彼はボストンの大学の学部長をしているから、「パートタイマー」にならざるをえず、それを見てもオバマの北朝鮮への関心の薄さがわかろうというものだと書いている。 オバマは東アジアより、シンガポールやフィリピン、インドネシアなどの東南アジアに関心が向いてきており、アメリカ一辺倒の日本は、アメリカに追随するだけでは戦略とも政策とも呼べないと批判する。 またノーベル平和賞を受賞したオバマだが、正義の名の下で無人機攻撃を続け、多くの民間人を殺していると難じ「オバマはおそらくアメリカ史上どの指導者よりも、政策目標を達成するために人々をひそかに殺害している大統領だ」と追及している。 そのオバマと手を組み、集団的自衛権を行使してさらなる人殺しに手を貸そうというのが安倍政権ということになる。 原発推進、憲法改正、盲目的なアメリカ追随と、安倍総理への危惧はさまざまあるのに、目先の見せかけの景気に踊らされるのは、週刊誌のやることではない。週刊誌の編集者もニューズウィーク日本版を読んだほうがいい。 今週の4位はそのオバマ大統領に取り入られようと、安倍総理が訪米したときに持参したパターが話題になっているという新潮の記事。 この、日本製「山田パター」の人気がうなぎ登りだそうだ。新潮によれば、オバマは上院議員になってからゴルフを始め、4年前には90を切るぐらいだったが、今ではシングルプレーヤー目前だというほどの腕前で、週末ごとにゴルフを楽しんでいるそうだ。何しろ、タイガー・ウッズとラウンドして、ウッズに「大統領は左利きでショットが上手」とまで言わしめたのだ。 オバマに贈られたパターは、山形市にある「山田パター工房」製で、山田透社長(57)がハンドメイドで作っている。山田社長はアメリカで独学でハンドメイドパターの製造技術を習得し、帰国後レッスンプロを続けながらパター生産を始めた。昨年5月に、このパターを使ったライン・ギブソンという選手がオクラホマ州で55という世界最小スコアを記録したことから、大きな話題になった。 気になる値段だが、2万3,100円から35万円まであり、オバマ大統領に届いたのは、在庫がなかったため一番安いものだったそうだ。 私のような下手なゴルファーが55と聞くと、ハーフで? と間違えそうになる。この夢のパターが2万円程度なら買ってもいいかな(ちなみに、山田製のパッティングストローク矯正機「ドリーム54」はネットで1万円ちょっとである)。 やはり新潮が、昨季Jリーグの王者となった「サンフレッチェ広島」の会長で大手家電量販店「エディオン」会長兼社長である久保允譽(63)が、泥沼の離婚訴訟を抱えていると報じている。これが注目記事の3位。 B子と結婚しているのにC子と不倫して2人の子どもまで産ませたとして、B子が離婚調停を申し立て、後に取り下げ、次に久保が離婚調停申し立てを行うも不調に終わり、昨年3月に久保が離婚訴訟を起こしたというのだ。 勝手にやってくれと言いたくなる話だが、新潮が本人取材をした3日後に、久保側は東京地裁に「プライバシー侵害に当たる」と、出版差し止めの仮処分命令申立てを行った。 サンフレッチェ広島の関係者が、サンフレッチェは経営状態が思わしくないから「この離婚訴訟は単なるプライベートな話ではなく、サンフレッチェの行く末にも影響を与えかねない重大事です」と語っている。 たしかにあまり他人に知られたくないプライベートなことではあろうが、彼は公人で、名誉も地位もあるのだから、書かれることは致し方ないと、私は思う。 やはり出てきたかというのが、文春の女子バレー全日本の代表監督を務めた柳本晶一(61)の体罰疑惑である。これが今週の第2位。 橋下徹大阪市長が大阪市立桜宮高校のバスケ部での体罰問題を受けて、市教育委員会事務局の改革担当顧問に柳本を起用すると発表した。だが彼は、体罰と無関係な監督だったのだろうか。 彼は東洋紡の女子チームの監督をしていたが、東洋紡関係者や元選手が男子チームの監督をやっていたときと同じだったと話している。 「五~七人一組で、ちょっとでもネットにかかったら『もう一周や』って。これを延々とくり返すんですよ。それが半日も続くこともあった。当然手が上がらなくなるし、スパイクなんか打てなくなりますよ。それでもやり続ける。根性練ばっかりでしたね」 柳本監督が手を出すのは、そんな時だったという。東洋紡関係者がこう話す。 「根性練で追いこんで、最後にもう立ち上がれないとなった時に、バーンとやる。殴ったり蹴ったりです。選手の気持ちを煽るためだと思いますが、体罰には変わりない」 厳しい指導のために、初年度はチームの三分の二近い選手が辞めてしまったというのだ。 こういう顧問に真の改革などできないと文春は結んでいる。この報道の通りであれば、彼がやってきた「指導」の実態を正直に話すところから始めなければ、改革などできはしないだろう。 ポストというのは面白い雑誌である。今週は巻頭から「安倍晋三はもしかしたら『大政治家』なのか!?」という大特集を組んでいる。 週刊誌が「!?」を末尾につけたら、大概はそうではないという論理展開になるのだが、読んでいくとそうではなく、安倍総理は1年で総理の椅子を投げ出したが、その後の失意の5年間で研鑽を積み、人脈を築き、視野を広げ力をつけたと評価している。 党内の反安倍派や、アベノミクスはこれからが正念場という言葉もちらほらあるが、安倍総理は大政治家になるやもしれずと読めるのだ。 現代ほど手放しの礼賛ではないが、ヘーッと思わせるものだが、続いているのが今週の第1位にあげた記事だから、ポストの考え方が奈辺にあるのか、理解に苦しむこところだ。 だが、物価は上がるも給料は上がらず、年金は減らされる「富める者さらに富む」アベノミクスは庶民の生活を地獄に堕とす危険性があることは間違いない。 電気料金値上げはおかしいとこう書いている。 「関西電力と九州電力が4月、東北電力と四国電力が7月の値上げを申請した。関電は11%という大幅アップで、停止中の原発の代替火力の燃料費高騰がその理由だ。 東京電力はいち早く昨年9月に電気料金を大幅値上げしたにもかかわらず、巨額の赤字(経常損益はマイナス1950億円)を出し、来年3月期も1200億円の赤字を見込んでいる。政府は2月に7000億円を支援したが、それでも再値上げは避けられそうにない情勢だ。 東京電力の常務は記者会見(2月6日)で、『1円円安になると燃料費が年間330億円増加する』そう悲鳴をあげてみせた。しかし、電力会社は『原燃料費調整制度』によって値上げ申請とは別に、燃料価格や為替の変動によるコスト増を毎月自動的に電気料金に転嫁している。4月はこの制度により、電力10社が3月に比べ標準家庭で24~131円値上げする。ちなみに値上げ幅最大は東電だ。電力会社は為替変動分を価格転嫁しているのだ」 ポストは、なぜ大幅値上げが必要なのかを電力会社に訊いてみた。関電広報室はこのように答えている。 「原発の再稼働時期が見通せないなか、火力燃料費などの負担が大幅に増加した。効率化や内部留保の取り崩しなどしてきたが、現行の電気料金水準では費用の増加を賄うことが困難となっています」 だが、実際に値上げ申請の資料を調べてみると、そこには燃料調達とは関係がないカネが多額に計上されていたのだ。 「本誌は以前、東電、関電などの電力各社が敦賀原発や東海第2原発を保有する日本原子力発電(日本原電)に『発電量ゼロ』にもかかわらず、巨額の『電力購入料』を支払っている問題を報じた(12年11月16日号)。 電力会社の共同出資で設立され、福島原発事故で引責辞任した“東電のドン”勝俣恒久・前会長が取締役に天下っている会社だ。昨年上半期だけで、東電から277億円、関電から162億円など計757億円を稼働しないでもらっている。 そのおかげで、同社は上半期の中間決算で209億円の過去最高益を上げた。 しかも、東電をはじめ、関電、東北電力は日本原電への支払いを値上げ分の電気料金の原価にそっくり上乗せし、国民に付け回ししている」 上昇を続けているガソリン価格も、大幅に下げる方法があるという。 「民主党は09年の政権交代の際、『ガソリン暫定税率』の廃止を公約した。鳩山内閣は財源不足で廃止を撤回したものの、かわりに租税特別措置法を改正し、ガソリン小売価格が3か月連続して1リットル=160円を超えた場合は本来の税率に上乗せされている特例税率(1リットル=約25円)を一時停止して価格を引き下げ、1リットル=130円以下に落ち着けば特例税率を復活させるという『トリガー条項(一定の条件の下で引き金=トリガーが引かれるという意味)』を設けた。 この条項は東日本大震災が起きた際、『復興財源が足りない』という理由で財務省が一度も発動しないまま凍結したが、いまや国民は復興増税を負担して財源をまかなっており、政府には13兆円の補正予算を組んで公共事業を大盤振る舞いするだけの余裕がある。 相沢幸悦・埼玉大学経済学部教授は、『いまこそ凍結したトリガー条項を復活させ、価格高騰に歯止めをかけるべきだ』と指摘する」 ガソリン高騰は家計だけではなく、企業のコストにも跳ね返るから、経済活動全体へのマイナスが大きい。それに、年金カットも行われる。 「政府はこれまでデフレ下でも不況対策として政策的に年金支給額を維持してきたが、財務省や厚労省はそれを『もらいすぎ年金』と批判して今年から大幅減額を決めた。夫婦2人の標準的な厚生年金支給額は現在の月額約23万円が今後3年で約22万5000円へと引き下げられる。月額5000円、年間にすれば約7万円のダウンで、年金生活者にとっては少なくない金額だ。 デフレ(物価下落)が今後も続くのならそれもやむを得ない。しかし、安倍政権はすでにインフレ政策へと転換した。アベノミクスの目標である物価が2%上がれば年金は目減りする。インフレ政策を進めながら、『デフレ期間に払いすぎた年金を返せ』と減額するのは、高齢者にムチ打つ行為ではないか」 パチパチパチ。ポスト頑張れと拍手を送りたくなる。 雇用対策で見落とせないのが、厚労省の『雇用調整助成金』制度の見直しであるとも言っている。 「不況で売り上げがダウンした会社が社員を解雇しないで出向や教育訓練をさせる場合に、国が最高で給料の5分の4を補填する制度で、デフレによる失業者の増大を防いできたとされる。それもこの4月からは助成金額を引き下げるうえ、円高で苦しむ輸出企業などに給付基準を緩和していた『円高特例』が廃止される。 『円安に振れたのだから円高対策はもういらない』という発想だろうが、当然、円安になれば今度は小売り業界など輸入業種が苦境に陥る。しかし、厚労省は『円安特例』は設けない」 ポストはこう結んでいる。 「国民にとっての悲劇は、民主党がデフレを前提に増税や社会保障の切り捨て政策のレールを敷き、これから国民負担増が本格化するという段階で、政権交代で登場した安倍政権が負担増にストップを掛けないままインフレ政策に突き進んでいることなのだ。 これから国民がどれだけの負担を負わされるかを列挙すると気が遠くなる」 これでも、ポストは安倍政権を支持しますか? 蛇足だが、もんじゅ事故で自殺した担当次長が残した極秘文書を入手して連載を始めた週刊朝日の「機密ファイルが暴く『原子力ムラ』の闇」が、今後注目される。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊ポスト」3月15日号
PC遠隔操作事件・片山容疑者に冤罪の可能性が浮上「真犯人は別にいる!?」
注目記事1位 「『真犯人は別』の根拠」(「AERA」3月4日号) 注目記事2位 「危ない輸入食品472品目一挙公開」(「週刊朝日」3月8日号) 注目記事3位 「郷ひろみ不倫発覚!」(「週刊文春」2月28日号) 注目記事4位 「フジ『温泉特番』出演者が“やらせ”告白」(「週刊文春」2月28日号) 注目記事5位 「今井メロ 至高のヌード!!」(「フライデー」3月8・15日号) 注目記事6位 「水素水論争に最終結論!誌上実験でわかった『本物』と『偽物』」(「週刊文春」2月28日号) アカデミー賞が決まった。1979年に起きた、在テヘラン・アメリカ大使館占拠事件を題材とした映画『アルゴ』が、第85回アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞した。この作品は、事実に基づいた緊迫感のある佳作ではあるが、人質救出のクライマックスがご都合主義(実際、いろいろな幸運が重なったのかもしれないが)に見えて、私は少し減点していたが、大方の予想通り受賞した。 今回、気になったのは、この映画以外に国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン暗殺作戦『ゼロ・ダーク・サーティ』のように、アメリカの国威発揚映画が多く候補に挙がっていたことである。しかも、作品賞の発表をオバマ大統領のミシェル夫人がホワイトハウス(だろうと思うが)から発表した。 映画はその時代を映す鏡である。CIAなどの非合法な活動まで賞賛し、強いアメリカ、善きアメリカ(『リンカーン』等がそれに当たる)を再び、のようなアメリカの風潮に危険なものを感じるのは私だけだろうか? 今週もグランプリ対象作は見当たらない。そこで下手な鉄砲で、数を集めてみた。 まずは文春の記事。水素水というのは、日本医科大学大学院太田成男教授らが米国の医学雑誌「Nature Medicine」に発表して話題になったそうだ。美肌、メタボからセックスにまで効果のある「夢のアンチエイジング」なのだそうだ。 「とりわけ糖尿病予備軍とも言われる耐糖能異常では血糖値の改善が見られました。ガンの放射線治療の副作用である痛みの軽減や、関節リュウマチによる炎症の軽減についても、特筆すべき効果が報告されています」(シンポジウムに参加していた医療関係者) 私はこういう話を聞くと、ほんとなんかい? と疑ってしまう質だが、文春が昨年報じて大きな話題になったようだ。認知症や動脈硬化、肥満、認知症にも動物実験段階だが一定の効果があったといわれている。こうなれば、水素水でひと儲けと考える人間が出てきて不思議はない。 太田教授はこう話す。 「私たちが医学的利用を研究している水素は、水素ガスとして知られる分子状の水素(H2)です。空気中にも僅かですが存在しています。あくまで、この分子状水素が、体内の活性酸素、なかでも一番の悪玉活性酸素である『ヒドロキシルラジカル』に反応し、体内で化学変化を起こすことで水に変化するのです」 ところが、この分子状水素が入っていない水や、発生しないサプリが「水素商品」として販売されているというのだ。そこで文春は独自に検証して、本物と偽物の判定を試みた。記事中には市販されている水素水の「水素濃度」が一覧で出ている。中にはペットボトルなどに入っていて、ユーザーの手元に来るまでにほとんど水素が抜けてしまっているものもある。アルミ缶も注意したほうがいい。サプリも要注意だそうだ。 この中では3つの製品が水素の濃度が高かったと太鼓判を押されているが、1つだけ紹介してみよう。「水素たっぷりのおいしい水」(メロディアン)がそれだ。Amazonで調べてみたら、300ml×20本で5,350円と出ていた。これを高いと思うか、安いと思うか。もし、ここに書いてあるような効能があるとすれば安いのかもしれないが、効能のほどは私にはまったくわからない。 次はフライデーの袋とじ。トリノ五輪のスノボー代表だった今井メロ(25)の「至高のフルヌード」とある。週刊現代もグラビアではなく活版だが、「今井メロのオールヌード」と表紙の一番目立つところに置いているから、話題性はあるのだろう。 ヨーロッパ系の血が流れているという彼女は、日本人には珍しい濃い顔と、スノボで鍛えた迫力ある肢体がなかなかのものである。セクシーさはないが一見の価値はある。 4位は、文春のテレビ告発もの。私もたまたま見ていたのだが、2月5日に放送されたフジテレビ『全日本温泉宿アワード2013』という番組があった。これが「やらせ」だったと報じているのだ。 生放送で視聴者による電話投票でナンバー1の温泉宿を決定するというものだが、この制作過程で旅行評論家A氏は、制作会社から“やらせ”の依頼を受けたというのである。制作会社からお薦めの温泉宿を教えてほしいと言われ、3軒の宿を書いて返信したそうだ。何度かやり取りをした後に、「蟹御殿」というのを知っているか、というメールがきた。そこの紹介者になってほしいという内容だったので、行ったこともないし、聞いたこともないと返事をし、その話はなくなった。 しかし、番組の選考場面に出演したカメラマンの立木寛彦氏はこう話している。 「最後に、番組スタッフから台本を手渡され、この通り喋ってくれと言われた。その時、初めて自分が蟹御殿(佐賀県・太良獄温泉)の推薦者になっていたことを知ったのです。杉本(圭カメラマン=筆者注)さんは行ったことがあるとのことでしたが、私はありませんでした。ただ、風景の素晴らしい温泉だとネットなどで知っていたので台本通り話しました。正直、スタッフに騙されたという気持ちです」 蟹御殿は番組に登場することが決まっていて、推薦者を必死に捜していたのであろう。しかも、視聴者の推薦によって「日本一」を決めると謳っているのに、アナウンサーが「蟹御殿に決定しました!」と発表するだけで、獲得投票数も発表されず2位以下の順位の発表もなかった。 イカサマではないか、という声があがったのも無理からぬことであろう。この蟹御殿は、温泉が21度と低く、源泉掛け流しの湯と比べるといい湯だとは言えないと、温泉評論家の郡司勇が言っている。テレビの効果は絶大で、蟹御殿は2カ月先まで予約が一杯になっているそうだ。フジテレビ側は当然ながら“やらせ”を否定しているが、これだけ批判が出ているのだから、BPO(放送倫理・番組向上機構)で検証してもらったほうがいいのではないか。 BSにもよく見られるが、宿に便宜を図ってもらう番組作りが多すぎる気がする。忘れ去られていたタレントを使って、安く番組を作るテレビ東京的やり方が横行してはいないか。レストランやコンビニとの広告抱き合わせのような番組作りも目立つ。こんなことをやっていると、テレビ離れはますます進むはずだ。 3位は、これまた文春の郷ひろみのお騒がせスキャンダルである。 ひとみ(仮名)という、郷と不倫関係にあった女性の知人(こういう場合は、本人が語っていることが多い)がこう語っている。 「郷さんが泊まっていたのはとても広い部屋で、ツインルームだと思っていたら、扉の先に、さらにもう一つ大きなベッドルームがあった。 郷さんは、ガウンの下は素肌で、柄の入ったお洒落なボクサーパンツが印象的だったそうです。 郷さんが、ベッドにうつぶせになったから、ひとみが肩や腰をほぐしていると『気持ちいい~』って言うんだけど、マッサージは二、三分したらもう終わり。そのまま自然に寝かされて‥‥。二人ともシャワーを浴びていなかったから、彼女はエッ? と驚いたそうです。いつの間にかスルスルと服を脱がされ、キスされたと。 郷さんってテレビで見るとすごく若く見えるけど、キスのときに口を突き出すクセがあって、そのとき顔に皺が何本も現れるそうなんです。それに上半身は凄く鍛えているのに、下半身はあまり筋肉がついておらず、おじいちゃんのようだったと。(中略) でも、加齢臭とかは全然ない。避妊はきっちりしていて、知らないうちにどこからか黒いコンドームを取り出して付けていたと言ってました」 それにしても、女性が好きな男である。98年に二谷友里恵と離婚発表したとき、郷が『ダディ』(幻冬舎)という本を出し、赤裸々な不倫告白をしたことが話題になった。「友里恵以外の数人の女性と、肉体関係を持ったのだ」と書いたが、友里恵から「『数人』の間に『十』も『百』も入っていない?」と皮肉られた。 私が週刊現代編集長時代、ヒット企画に「衝撃の告白」というシリーズがあった。本来は、それなりの女優やタレントが男とのベッドの上でのナニの話をするというものだが、そうした女優やタレントがそう多くいるわけではない。 そこで考えた編集部員は、六本木などのキャバクラへ出撃し、そこのかわいい女の子たちを手なずけ、もとい、取材先としてコネを付け、彼女たちが付き合った芸能人たちとの「寝物語」を聞いてまとめたのだが、これが大評判になった。 合計すれば100回以上もやったが、その中で3回ほど登場したのが郷ひろみだった。最多登場でトロフィーでもあげたいくらいだった。たしか自宅に連れて行って、妻・友里恵の寝室でコトをいたしたという女性の告白もあったように記憶している。 今回の浮気は時期がまずかった。二回り下の元OL利奈と、3度目の華燭の典を挙げたのが1月19日。主賓の挨拶では「アチチな家庭を築いてください!」という言葉もあったようだが、新婦との婚約中に今回の不倫が進んでいたのでは、アチチというのは新妻のほうであろう。 ひとみは「けっきょく、自分がやりたいときに呼ぶだけ。気が済んだらお茶も出さずにサヨナラです」と怒っているようだが、そんなのは当たり前であろう。読む限り、郷が愛情を持って彼女と付き合っていたとは思えない。そこが新妻には救いだろうが、この男の女好きは、もはや病だとあきらめるしかないのではないか。 2位には、朝日の危ない輸入食品総点検もの。 厚生労働省のまとめによると、2011年度に輸入食品の届け出件数は1991年度に比べると、約3倍の72万950件、総重量は1000万トン近くも増えている。中国からの冷凍ギョーザ中毒事件から5年が経ったが、日本の食品衛生法に違反した輸入品の数は減ってはいるものの、体に危ない食品は後を絶たないというのだ。 昨年6月には中国産蒲焼きから合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出され、菓子類や油脂からは防腐剤「TBHQ(ブチルヒドロキノン)」、冷凍コハダや健康食品から発ガン性が疑われ、日本では約40年前に使用が禁止された人工甘味料「サイクラミン酸」が検出されている。 熱帯、亜熱帯で生息するカビ毒の一種「アフラトキシン」は、1960年にイギリスで10万羽以上の七面鳥が死んだが、米国産のトウモロコシなどから59件も見つかっている。東南アジアを中心に、養殖水産物から抗菌剤や抗酸化剤、抗生物質などが摘出される例が多いという。生食用と謳ってある韓国産のヒラメから、寄生虫「クドア・セプテンプンクタータ」が見つかった。 日本人の好きなチョコレートも、原料となるカカオ豆から「イミダクロプリド」などの基準値を超える殺虫剤がたびたび検出されている。 また、輸入される野菜サラダやレトルト食品に使われるカット野菜は、次亜塩素酸ナトリウムやお湯で丁寧に洗浄されているため、本来の栄養分が流出してしまっているから、栄養面でも気を遣ってほしいと、NPO法人「食品と暮らしの安全基金」の小岩順一が話している。 TPPが締結されれば、さらに大量の輸入食品が日本に入ってくるはずである。食品の安全という点でも、十分な議論が必要であろう。 今週の注目記事の1位は、パソコンの遠隔操作事件で威力業務妨害の疑いで逮捕された片山祐輔(30)容疑者が、真犯人ではない可能性があるというAERAの記事。 片山容疑者の弁護を務める佐藤博史氏は、足利事件で菅谷利和さんの弁護を担当し、冤罪を晴らした人物である。佐藤弁護士が、警察が決定的な証拠があるといっていた「決定的なる証拠」に疑問ありというのだ。 これは、1月3日に江ノ島で片山容疑者が映っていたという、防犯カメラの映像のことだ。当初、実際に片山容疑者がネコに首輪を付けている映像があると報じられたが、そうした決定的な場面を、警察は持っていないのではないかというのである。 もちろん、仮に映像があっても警察や検察がすぐに証拠を開示する必然性はないのだが、片山容疑者は江ノ島へ行き、ネコに触り、スマートフォンで写真を撮ったことは認めているのだが、肝心のネコに首輪を付けたかという質問には「つけてない」と答えているのだ。また、遠隔操作ウイルス「iesys.exe(アイシス・エグゼ)」に使われたプログラミング言語「C♯」を、片山容疑者は「自分は使えない」と話しているというのである。 これが本当なら、根底からこの捜査は崩れる。彼が勤務していたIT関連会社の社長は、片山が「C♯」を使ったことはあるが、ウイルスの設計コードをいじるほどのレベルではないのではないかと話している。 4人の冤罪者を出したこの事件。もし今度もまた犯人を間違えたなら、現代で魚住昭と青木理が対談しているように、「刑事も記者も全員クビです」な。 (文=元木昌彦)「AERA」3月4日号 中吊り広告より

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
「常軌を逸している」遠隔ウイルス片山容疑者の“逮捕”をテレビカメラ撮らせた警察の暴挙

「週刊新潮」2013年2月21日号中吊り

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
内柴正人被告と同罪? 安倍内閣・徳田毅代議士“未成年女性”泥酔姦淫で訴えられていた!
グランプリ 「『徳田毅代議士』が慰謝料1000万円の『未成年女性』泥酔姦淫」(「週刊新潮」2月14日号) 注目記事1 「ロックオン挑発にドタバタ安倍官邸の『勝算』」(「週刊朝日」2月22日号) 注目記事2 「AKB柏木由紀 Jリーガーとの『深夜合コン』撮った!」(「週刊文春」2月14日号) 注目記事3 「官邸VS.日銀の戦い 白川総裁『怒りの辞任』に官邸「逆ギレ」財務省は冷ややか」(「週刊朝日」2月22日号) 注目記事4 「『殺人スモッグ』PM2.5襲来!」(「週刊文春」2月14日号) 中国の大気汚染は「殺人スモッグ」といわれているそうだが、春節を迎えた中国・北京市内で鳴らされる爆竹が一層汚染を深刻にしていると、多くのテレビが報じている。 文春はそのすごさを、こう伝える。 「北京在住十二年になる、フリーランスライターの小林さゆり氏は、『北京はこの十二年間で最悪の空気』と語る。 『冬の暖房はクリーン化が進んだとはいえ、石炭や練炭を燃やすのも一因でしょう。今年の冬は特に、近隣工場からの排煙が増しているのか、部屋の中で過ごしていても、燻されたような匂いがして、常にけむい。窓を閉めてもダメで、部屋の中でもマスクを二重にしています。街中は、白い靄がかかっていて、まさに五里霧中。バス停でバスを待っていても、数十メートル先も見えず、路線バスの番号も分からない。交通事故も増えていて、先日も高速道路で何十台もの追突事故がありました。うっかりマスクを忘れて百メートル先の店に自転車で買い物に行っただけで気持ちが悪くなり、嫌な空気が肺の中に残る感じが半日、ずっと消えませんでした』 北京大学公共衛生学院などが中心となってPM2.5の健康被害に関する報告書を公表したのは、昨年12月のことだった。そのタイトルは「危険的呼吸」。報告雪にはこう書いてある。 <もし汚染水準が改善しなければ、四都市(北京、上海、広州、西安)でPM2.5が原因で早死にする人は年八千五百七十二人に達し、早死による経済損失は計六十八億元(約一千億円)に上る> だがこれに対し、米・ハワイ大学の環境研究家・薫良傑氏は、 『これはまだ控えめな統計といえる。中国では一年間に、大気汚染により三十五万人以上が早死にしているといわれている』 と、21CN新聞のインタビュー(一月十七日)で答えている。 PM2.5は黄砂よりも微細な物質のため、気道上部や鼻だけではなく、肺や血管にまで入り込む。そのため、瑞息の悪化だけでなく、呼吸器疾患、脳卒中、心筋梗塞の死亡率も悪化させる」(文春) 大気汚染、砂漠化は北京だけの問題ではない。中国の大都市が抱える重大な健康被害問題は解決の方法があるのだろうか。 安倍晋三総理は、何もしないうちから株価が上がり円安が進行する「タナボタ」景気で浮かれているようだが、これは日銀の白川方明総裁を政治力でねじ伏せたことが発端である。 渋々2%の物価目標を飲んだ白川総裁だったが、2月5日、突然任期途中で辞任すると表明したから、官邸は「逆ギレ」していると朝日が書いている。 日銀内部では、こういう見方が広まっているという。 「『白川さんは怒っているはず。日銀も怒っていると言っていい。政治が職権を越えて他人の城に手を突っ込み、強引に横車を押したんですから。それでも公には口にしないところが、白川さんらしい』(日銀幹部) 途中辞任は怒りの表現、すなわち『無言の抵抗』だと受け取ったわけだ。中央銀行(日本では日銀)は政治から独立し、通貨や物価の安定を図る組織だ。そのトップが政権と対立し、任期をまっとうできないのは、金融界から見れば、かなりの異常事態なのだ」 朝日は、後任総裁は財務省OBの武藤敏郎・大和総研理事長か黒田東彦・アジア開発銀行総裁と見ているが、文春では岩田規久男学習院大教授(70)が最有力で、自身「日銀総裁の覚悟ある」と話している。以下は岩田教授の“覚悟”のほどである。 「今は経済戦争の最終決着の時なんです。 デフレ派に聞きたい。バブル以降のデフレで、財政は再建できたのですか? 景気は良くなったのですか? 株価は上がったのですか? 十五年間の壮大な『デフレ経済実験』の結果 はすでに明確に出ている。デフレでは、駄目なんです。 インフレ二%というと『ハイパーインフレが来る』『九百八十三兆円の財政赤字の利払いで日本は破綻する』と彼らは言う。では、どうしろと言うのか? これからの十五年も、またデフレの実験を続けるのですか? インフレで経済を立て直せるかどうか、確かにこれはやってみないと分からない。ただ、やる前から『絶対成功する根拠を示せ』という議論は無理がある」 金融政策を実現するためには、日銀法の改正が必要だと続ける。 「先月の、日銀金融政策決定会合でも、二%のインフレ目標の責任が日銀に全てあるのか、政府も一翼を担うのか曖昧なままでした。ここを改善しなくては機動的な金融政策は不可能です。 日銀には『目的の設定権利はなく、手段選択の権利は持たせる』。そして目標に対する全ての責任を負わせることです。要するに、『言い訳を許さない』。 これまでの経済の低迷の原因はデフレにあり、デフレにした責任は日銀にある。日銀が全て悪いのかと聞かれれば、私は『その通り』と答えます」 この御仁が日銀総裁になったら、この発言との整合性はどう取るのだろうか。財務省OBか大学教授か、アベノミクス第一の試金石である。 今週、文春のターゲットになったのは、メンバー随一の清純派“ゆきりん”こと柏木由紀(21)。若きJリーガーたちとの、朝まで続いた合コンである。これが注目記事の2位。 「『彼女は「アイドルの中のアイドルを目指す」と公言する“処女キャラ”です。キャッチフレーズは「寝ても覚めてもゆきりんワールド! 夢中にさせちゃうぞ!」。握手会では目線を逸らさず、ファンの手を両手で包み込む“十秒握手”でファンの心を掴んできた』(AKB担当記者)」 総選挙では常に上位に食い込み、一昨年、昨年と3位だった。 合コンが行われたのは、皮肉にも柏木主役のドラマが放送された初日の深夜0時過ぎだった。 場所は目黒のダイニングバー「S」。文春が先週報じた峯岸らAKBメンバーが参加したパーティーが開かれたのと同じ店である。柏木を誘ったのは、やはり峯岸だという。 「柏木が仲が良いのは、峯岸や指原。峯岸は一期生。柏木にとっては年下でも先輩にあたるんです」とAKB担当記者が話している。 午前0時30分。柏木に遅れて峯岸、その後からカリスマAV女優の明日花キララ(24)も参戦した。今回のお相手はロンドン五輪にも選ばれたセレッソ大阪の扇原貴宏(21)と杉本健勇(20)ら。 峯岸が酔ってフラフラと引き上げたのが午前3時過ぎ。柏木と明日花は男性陣とカラオケルームへ入り、ご帰還は朝の7時過ぎ。 ちとハメを外しすぎではないかね。不祥事続きのAKBだが、元メンバーたちが「恋愛禁止条例」についてこう語っている。 「もともとあってないようなルールだし、バレたら終わり、バレなければOK。それだけですよ」 バレた峯岸や柏木は運が悪いということか。秋元さん、また坊主にしますか? 注目記事1位は、一つ間違えれば日中戦争勃発になりかねなかった、中国フリーゲート艦から照射された火器管制レーダー“事件”についての朝日の記事。 海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」がレーダー照射されたのは1月30日。安倍総理は毅然としながらも、中国側の挑発には乗らなかったことが評価されているが、舞台裏ではいろいろあったようだ。 「与党関係者によると、レーダー照射の詳細な情報が小野寺五典防衛相から安倍首相に伝えられたのは、5日の発表直前だったという。 報告が遅れた理由には、1月19日、海事のヘリ『SH60』が中国海軍の艦船からレーダー照射を受けたと疑われる事案を巡る“疑心暗鬼”があった。 『このとき防衛省の事務方が小野寺氏と外務省に報告しました。すると、小野寺氏が『これは大事なことだ。すぐ安倍首相に報告しよう。きちんと声をあげないとダメだ』などと言い出した。事務方は仰天し、 『疑いの段階で公表すれば日中関係が大変なことになる。ウラかとれるまで待ってください』と押しとどめました』(官邸関係者)(中略) 『大臣に綴告すると、また「公表する」と騒いで情報が漏れかねないと制服組が警戒した。防衛省は2010年の尖閣沖の漁船衝突事件などで民主党政権の対応に不信感があり、今でも政治家に情報を上げるのを極端に避ける傾向にありますから』(防衛省関係者) ようやく報告が上がったのは5日の昼ごろだった。小野寺氏はすぐに官邸に乗り込んだというが、慌てていたため菅義偉官房長官や岸田文雄外相に根回しせずに、安倍首相に「中国の暴挙を国際社会に発表したい」と直談判したという。 本来は公表前に、外交ルートで中国側に正式に抗議をしなくてはいけないのに。 この件は、中国政府側は本当に知らなかったという見方があるが、習近平が総書記に就任以来、こうした軍部の“暴走”が続いているのは心配である。 現場の一指揮官の誤った判断が、戦争へとつながった歴史は枚挙にいとまがない。そんな悲劇を繰り返さないためにも、一日も早く日中首脳会談が行われることを望みたい。 今週のグランプリは、安倍内閣初のスキャンダルをものにした新潮の記事。 スキャンダルの主役・徳田毅代議士は41歳の若さで安倍内閣の国土交通大臣政務官に抜擢され、ゆくゆくは総理大臣候補かとごく一部ではウワサされていたようだ。彼は新潮に自身のスキャンダルが掲載されることを知り、自らから辞任を申し出て、アッサリ受理されてしまった。 徳田代議士がやったことは、泥酔状態の教え子に乱暴したとして準強姦の罪に問われた柔道金メダリスト・内柴正人被告と同じだと、新潮は難じている。事の経緯を新潮から引用してみよう。 「原告の女性が徳田代議士と知り合ったのは、事件が起こる前年の平成15年10月頃だった。当時、彼女と交際していた男性が徳田代議士と知り合いで、その紹介により、複数のメンバーで会食の機会を持ったのである。その後、徳田代議士から食事の誘いを受けたという。その結果、彼女に何が起きたのか。さらに訴状をひもとき、その顛末を見ていこう。 「<平成16年2月10日、原告は、〈中略)午後10時ころ、地下鉄赤坂見附駅の近くで被告と待ち合わせた。合流した後、被告は原告を和食屋に連れて行った。原告は飲食店の名前等は覚えていないが、忍者の扮装をした従業員が接客する飲食店であった。その店で、被告は原告に食事と酒を勧め、ビールの後に焼酎をボトルで注文し、いずれも原告と一緒に飲んだ。飲食中、被告は自分がいかに金をたくさん持っているかなどを得意になって語り、原告は、(中略)焼酎を多量に飲んでかなり酔った> 食事を終えた後、さらに、 <『今度は自分の知っているバーに行こう』と言ってカウンターバーのような店に原告を連れて行った。そのバーで、被告は原告に強引に酒を飲ませたため、既にかなり酔っぱらっていた原告は、完全に酩酊し、歩くのがやっとの状態になってしまった> バーを出た後、彼女はフラフラの足で、徳田氏の後をついていく。やがて彼が入っていったのは、赤坂見附の交差点近くにある高級ホテル。しかし前後不覚に陥った女性はその建物をホテルと認識できず、もう一軒、飲食店をハシゴするものと思っていた」 そのホテルで、このようなことに及んだというのだ。 「<部屋はツインルームで、被告は、原告をベッドの1つに座らせ、原告の服を脱がせにかかった。原告は、泣きながら抵抗しようとしたが、酔いが回りすぎていてまともに抵抗することができず、泣きながら『やめてください』と何度も何度も言うだけであった。結局、被告は原告の着衣を脱がせ、自分も服を脱いで、原告の抵抗を抑圧して性行為に及んだ。原告は、そのまま意識を失ってしまった> 平成19年2月、東京地裁に提出された、一通の訴状にはこう記されているという。 登場する原告は、被害に遭った平成16年当時19歳の、事業家を目指す女性。 「被告と書かれた男性は当時32歳で、国会議員公設秘書であり、かつ医療法人グループの関連会社役員、後に国政に打って出て代議士となる徳田毅氏だ」(新潮) 昨年末に平成23年分の政治資金収支報告書が公表されたが、徳田議員は2億5285万円もの資金を集め、収人ランキング上位の常連である亀井静香や「日本維新の会」の平沼赳夫、さらに2年連続首位だった小沢一郎をも抑え、堂々のトップに輝いた。 彼は当選3回の駆け出し代議士だが、彼の実父は全国に280以上の医療施設を経営する医療法人徳洲会の徳田虎雄理事長(74)である。 「鹿児島県・徳之島出身の虎雄理事長は、今から30年ほど前、奄美群島区を含む旧鹿児島l区で自民党の保岡興治議員と、血で血を洗う壮絶な選挙戦を展開したことが語り草となっている」(新潮) その被害女性は、当時交際していた男性に相談し、損害賠償の訴えを起こしたのである。慰謝料は当初500万円だったが、その後2000万円に増額された。 この一件を、彼はどのように決着させたのか。当時の事情を知る人物が、こう解説している。 「『毅さんが裁判所に提出した答弁書は、要するに、女性が未成年であるとは知らなかったこと、彼女にお酒を勧めた事実はなく、自分で進んで飲んでいたという内容です。男女関係を持ったことは認めましたが、あくまで合意の上だと……。つまりこの前の内柴被告と全く同様の主張ということ。しかし、最後は、事態を収拾しようとして、平成19年に和解。結局、女性とその彼氏だった男性にまで謝罪し、慰謝料として各500万円を支払ったのです』 2000万円の要求に対して計1000万の支払いならば、少なくとも多少の罪の自覚があったればこそに違いあるまい」 この件は徳田理事長にも伝わっているそうだが黙認したと、新潮は書いている。カネで解決したのに、今回政務官になったばかりに、女性と、彼女と交際していた男性の怒りに再び火を付けてしまったのだろうか。 安倍内閣はスキャンダルの宝庫かもしれない。これをきっかけに、これからも大臣、政務官たちのスキャンダルが続々出てきそうだ。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」2月14日号 中吊り広告より
まるで茶番劇……桜宮高校事件「入試中止」の暴挙の裏で発覚した、維新の“変態教師”
佳作1 「中国に“宣戦布告”した『安倍論文』の過激すぎる挑発全容」(「週刊アサヒ芸能」1月31日号) 佳作2 「橋下徹『入試中止』の暴挙を許すな『体罰&セクハラ』の常習犯“変態教師”だった維新幹部の実名」(「週刊文春」1月31日号) 佳作3 「安倍バブルの賢い踊り方」(「週刊文春」1月31日号) 佳作4 「忘年会で『ベサメムーチョ』を歌った『長嶋茂雄』奇跡の回復」(「週刊新潮」1月31日号) 佳作5 「『栄光の日々』の後にあった『大鵬』悲惨な晩年」(「週刊新潮」1月31日号) 佳作6 「YURI 着信履歴」(「週刊ポスト」2月8日号) アルジェリアのイナメナスで起きたイスラム武装勢力による人質事件は、悲しい結末を迎えてしまった。総勢40名近い犠牲者が出た模様で、日揮社員の日本人17名のうち生存を果たせたのは7名だけだった。 人命よりもテロ殲滅を優先したアルジェリア政府のやり方には憤りを覚えるが、そのような地へ行って、長年プラント建設をしてきた日揮社員たちの無念さはいかばかりであろう。 新潮によると、アルジェリアが民主化されたのは1989年。イスラム法による統治を目指す「イスラム救国戦線」が誕生したが、イスラム原理主義に反対する世論が高まって軍がクーデターを起こし、臨時政府ができてしまった。 それをきっかけに、「イスラム救国戦線」を支持してきたイスラム過激派との間で衝突が起こり、内戦状態になった。 90年代にテロによる犠牲者は15~20万人ともいわれる。 日揮は1928年創業の石油や天然ガスプラント建設の大手である。新潮には高校を卒業して長年建設関係の仕事に従事し、アルジェリアへ行って今回の災難に遭って殺された60代半ばの渕田六郎さんがフェイスブックに綴った文章が載っている。 「燦燦と降り注ぐ星空を目指し世界各地で仕事をしている。現在はサウジ勤務。日本には3~4ヵ月の休暇を利用し一時帰国。次はアフリカ大陸に位置するアルジェリアに行き砂漠で星空を眺める事に期待を込めて!!」 卑劣なテロ集団が次に狙うのは、アルジェリアはもちろんチュニジアやニジェールといった周辺国のようだが、テロ集団は西アフリカ・マリ北部へのフランスの軍事介入に反対しているから、フランスもテロの対象になるという。実際、パリの街には自動小銃を持った3人組の兵士が大勢いて、厳戒態勢だというる。 憎悪の連鎖は、またどこかで新たな悲劇を生むことは間違いない。そうなれば再び日本人が巻き込まれることもありうるが、それを防ぐためにはどうしたらいいのだろうか。 アルジェリアの日揮の悲劇は各誌扱ってはいるが、新聞、テレビを抜く情報はない。週刊現代が「駐在手当は月50万円」と書いているが、これだけの物騒なところ行くのだから、それぐらいでも高くはないはずだ。 そんな緊迫した世界情勢などどこ吹く風と、中国へ行き「日本列島は日本人だけのものじゃない」と脳天気なことを嘯いた鳩山由紀夫元総理に、新潮は「超法規『国賊罪』で鳩山由紀夫を逮捕しろ!」と憤慨している。 1月15日から18日まで、「中国人民外交学会」の招きで訪中した鳩山元総理は、尖閣諸島が係争中だと認め、南京大虐殺記念館でお詫びをしたというのだ。 これは中国側の思うつぼで、案の定、中国メディアは鳩山を賞賛し、1月18日付の「京華時報」はこう書いたそうだ。 「鳩山氏の姿勢は日本政界の理性の面を反映しており、安倍氏の姿勢は理性がない面を反映している」 政界を引退して一市民になった人間が、中国に利用されることもわからず動き回っていることに、新潮は我慢ならないようだ。 日本政府は尖閣諸島には領土問題は存在しないと言っているのに、中国に領土問題があると認めると、日中で交渉せざるを得なくなるかもしれず、そうなれば中国側は尖閣諸島の共同管理案を出し、「日本は尖閣に対する主権だけでなく施政権も失い、日米安保が尖閣に機能しなくなります。そのとき中国は堂々と尖閣を占領できる」(評論家の石平)というが、考えすぎではないか。 日本でまともに相手にされない、ましてや議員でもない人間が中国で何を言おうと、日本政府が動じることはない。中国だって、鳩山元総理の力をそこまで評価しているとは到底思えない。国賊で逮捕などと騒げば、“ルーピー”鳩山元総理を喜ばすだけではないのか。 ところで、われわれ世代にとって嬉しいニュースは、75歳の黒田夏子の芥川賞受賞である。 史上最高齢。それも初の横書き原稿だ。文春で黒田はこう話す。 「横書きは、アルファベットでも数字でも何でも入れられる、機能的ないい書き方だと思います。(中略)教科書まで横書きに変わったのに、国語の教科書と文学作品だけに縦書きが残っている。縦書きにまとわりついた文学臭や情緒がすごく嫌だったんですね。ですから、そういうものを取り払い、白紙に戻したくて、横書きを使ったんです」 さあ、おれも書いてみよう。そう思わせてくれる快挙である。 さて、私たちオジサン族にはうれしい「YURI」のカムバックである。 新しい写真ではないのだろうが、ポストが3号連続「未公開写真」の第2弾「YURI 着信履歴」を15ページもやってくれている。 彼女は電話に答えて、あちこち外国へ行っていたと話している。清純そうな表情や着こなしと、迫力ある胸と大胆なセクシーポーズは、見ているだけで胸がキュンとなる。写真集は出ていないのかしら? 出たら真っ先に買うからね。これが今週の佳作6位。 佳作5は、「巨人・大鵬・卵焼き」と謳われた大鵬の記事。柏戸とともに柏鵬時代を築いた大横綱の死は、私のような世代に少年時代の相撲が熱かった時代を思い起こさせてくれた。 1971年に31歳の若さで引退し、部屋を開くと多くの弟子が集まり第二の人生も順風満帆かと思われたが、実際はそうはならなかった。 77年に脳梗塞で倒れ、左半身麻痺などの後遺症が残ってしまう。さらに、長女と作家・田中康夫とのスキャンダルが起こり、続いて妻のスキャンダルも噴き出したのだ。 「『男性週刊誌が3週にわたり、「かつて一世を風びした大力士がデンとひかえる超有名部屋」のおかみさんが、複数の弟子たちを次々と誘惑し、ただならぬ仲になっているという記事を掲載したのです』(別の協会関係者) 記事中では“A部屋のB子サン”が、若い弟子たちに宛てたラブレターを公開。錦糸町のホテルで逢引を繰り返しているという証言まで紹介している。当のB子サンは取材に『手紙を渡したのは私』と認めながらも『ただのイタズラ。若い人に親身になって相談にのってあげるから、他の人が邪推している』との“弁明”を展開。これを写真週刊誌が後追いし、果ては『大鵬部屋の夫人』と特定して報じるに至ったのだ。 こうした一連の騒動が、病身に応えないはずがない。現役時代、その負けない相撲を指して『コンピューター』と称えられた親方の人生には、少しずつひずみが生じ始めていった」 三女が二子山部屋の貴闘力と結婚するが、貴闘力の博打好きに悩まされ、大獄親方になってからは野球賭博問題で協会を解雇され、二人は離婚してしまうのである。 人は心の上に刃をのせて生きている。忍の一文字が好きだった大鵬の晩年は、まさに忍そのものであった。そのためか、最近は「夢を持て」と書いていたという。大鵬の老後の夢はなんだったのだろう。 佳作4は新潮のうれしい記事。昨年の忘年会で長嶋茂雄が「ベサメムーチョ」を唄ったというのだ。 12月29日に東京のホテル西洋銀座で開かれた『長島さんを囲む忘年会』で、新人歌手が桂銀淑の「ベサメムーチョ」を唄い、3番のサビの部分に来たところで、歌手が長島にマイクを向けた。 するとミ、スターが曲に合わせて「ベサメ、ベサメ、ベサメムーチョ」と歌ったのだ。 長嶋のようなタイプの脳梗塞は一番重症化しやすいのだが、それが歌を歌えるまで回復したのはすごいと、医者もビックリしている。 過酷なリハビリに取り組む長嶋の夢は「始球式で投げること」だという。早く見てみたいものだ。 さまざまに評価が分かれる安倍バブル。その真贋を見極めることこそ、上昇相場の「売り時」を見抜く秘訣のようだ。 新潮はややシニカルに「上げ潮経済でも必ず損する『失敗パターン』の研究」というタイトルで、こう警鐘を鳴らしている。 「実力以上に膨らんだ株はいつかはしぼむ。そのタイミングを知ることは難しいが、投資家の間では、意外な経験則があるという。『株の世界では“一般の主婦が株に手を出したら危ない”と言われます(中略)』(岩崎氏=博允・経済ジャーナリスト・筆者注)そして、BRICs経済研究所の門倉貴史氏によれば、そんなリスクを回避するためには、ある鉄則があるという。『株取引で一番の敵は自分の主観です。人は得てして株が下がっているのに都合のよい情報だけを信じて持ち続け、逆に買い増しをしたりする。それを避けるためには、はじめから売値を決めておくことです。一般的には儲かっても損しても10~20%で強制的に手仕舞いしてしまう。“損切り”と“益出し”のルールを厳格に守ることが大事なのです』」 ルール厳守ができればいいが、プロでもそれを守ることは難しいようだ。 私見だが、週刊誌が上がると騒ぎ出したら、株価は天井に近いと思ったほうがいいのではないか。 これまで幾度となくデフレからの脱却を試みてきたのに果たせなかった。民主党が唱えていた政治主導も結局は官僚の言いなりになるだけで終わってしまった。経済に疎い安倍総理も、掛け声だけで終わるのではないのか。そのとき残されるのが、小泉政権の時より厳しい生活苦と社会保障の切り下げだけであってはならないはずである。 メディアはバブルに浮かれるより、しっかりと安倍政権を監視することこそ役割だと心してもらいたい。 現代は安倍バブルで本当に儲かるのはこれからだと、自ら安倍応援団の切り込み隊長を任じている。 だが、安倍総理のブレーン元財務官僚の高橋洋一嘉悦大学教授が「景気とは、結局は“気”なのです。景気が上向けば賃金は上がり、雇用も増えていく」と言っているように、また現代自らが「投資などしない人にとってみれば、大事なことは日経平均株価ではなく、給与や収入がアップしていくことだが、『すぐに』というのは難しい」と書いているように、安倍の経済政策はまだ海の物とも山の物ともわからないのである。 中野の駅前で、民主党の長妻昭議員が朝立ちをしていた。安倍の政策を批判し、一般会計総額を過去最大規模の92兆6100億円とし、防衛費は11年ぶりに400億円増にした一方で、生活保護費は670億円減らすやり方は、大企業や軍事には優しいが、貧しい者には冷たい政権だと訴えていた。 現代を含めて、弱者の視点をどこへ置いてきてしまったのだろうか。週刊誌は変節したといわれても仕方ない。 安倍バブルについては文春が世代別に資産運用チャートを載せるなどやや丁寧な作りなので、こちらを佳作にしてみた。 株価が上がれば必ず反動で下げの局面が来るが、個人投資家はどのような投資行動をとればいいのだろうか。岡三証券シニアストラテジストの石黒英之がこう語る。 「私は調整が来るのは四月頃だと見ていますが、下げの局面ではいっぺんに手放さず、”分けて売る“のが鉄則です。もし一気に処分してすぐに相場が戻れば目も当てられません。 今回、こうした局面でまず売られるのは、他のセクターと一緒に上がってきたが業績の伴っていない株、例えば海運や鉄鋼株と見ています」 下げの局面は絶好の“買い場”にもなりうるからと、こう続ける。 「『丸亀製麺』を運営する外食のトリドールや、ファッションセンターのしまむら、病院経営のシップヘルスケアホールディングスなど、好業績でも安倍相場で株価が止まっていた小売やサービス関連。また、ソフトバングやKDDIなどの情報通信、コンピュータネットワークシステム販売の伊藤忠テクノソリューションズなどが物色されるのではないでしょうか」 株価に影響を与える為替の先行きについては、元大蔵省財務官で”ミスター円“と呼ばれた榊原英資・青山学院大学教授がこう語る。 「為替相場はこれまでの一ドル七十八~八十七円の値幅から、安倍政権発足後に八十三~九十三円のレンジまで切り下がり、円安の進行はいったん収束したという印象です。今後、百円をどんどん超えていくような展開にはならないと見ています。為替も株価と同じで、今は外国人投資家たちが金融緩和への期待で円を売っているが、彼らは動きが素早いから、その流れがそろそろ逆転する可能性があると見ています。従って、株価上昇もそこまでで終わりでしょう」 安倍政権の経済政策については、こう見ている。 「さらなる金融緩和や財政の機動的な出勤など、かなりの部分で共感していますが、二%のインフレターゲットには異論があります。○二年から○七年に金融緩和と公共事業を行った際も実質GDPは約二%成長しましたが、物価は下がった。グローバリゼーションにより新興国との競争に晒されている今、金融政策によるデフレ脱却は難しいのです。 日本はもはや成長国家ではなく『環境』、『安全』、『健康』の三つでトップを走る成熟国家です。自民党は経済財政諮問会議を復活させましたが、民間の豊富な知恵 も借り、いまこそ国の将来に向けた戦略を熟慮するときではないでしょうか」 文春は、あらゆる世代の共通認識として「年金給付の確実な目減り」があることを考えなくてはいけないという。 「今年十月分から一%、二○一四年四月分からはさらに一%、一五年四月分から○・五%、給付が減額されることが決まっている。一%は平均すると約二千七百円と言われており、今後三年かけて一人当たりの給付額は『約六千八百円』減っていくことになる。 『消える年金』はこれだけに留まらない。 年金給付額はインフレ率(消費者物価指数)からスライド調整率を差し引いた金額が支給される。安倍政権が掲げ、日銀にものませたインフレ率二%が実現した場合、現行の○・九%のスライド調整率を当てはめると、給付額は、『二-○・九=一・一%』として算出されるのだ。モノの価格は二%上昇するのに、年金給付額の伸びは一・一%に留まる。つまり『実質的に、毎年約一%ずつ年金が減る』ということだ。 定年退職後、年金をフローの中心として設計した『第二の人生プラン』は早急に見直す必要がある。備えが必要なのは現役世代も同じだ。たとえアベノミクスで景気が好転したとしても、給与やボーナスに反映されるには時差があるからだ。年収五百万円のサラリーマンを例に取ると、『五百万円×二%=十万円』、つまり十万円分が『インフレ分』として家計を圧迫することになる」 30代独身女性は「7月の参院選まではリスクをとって株投資」、40代夫婦で子どもありならば「妻のパート収入は130万円未満に」、50代夫婦で持ち家ありならば「自宅買い替えで『自分年金』を作る」など世代別の資産運用をアドバイスしている。 大阪市桜宮高校の体罰問題は、橋下徹大阪市長の政治パフォーマンスの場となり、本質的なことが議論されずに終わってしまいそうである。 文春は橋下市長が「教育の場を一瞬にして自己の政治的アピールの場に変えてしまった」と批判している。 1月21日の朝、桜宮高校を訪れ、在校生に持論をまくし立てた橋下市長に保護者の一人はこう憤っている。 「子供によると、市長は教育委員会、教員、保護者を責める論に終始したそうです。最後に、生徒会長と女子ソフトボール部の主将が『勝利至上主義じゃなく、それ以外のこともきちんと教えてもろてるし、新入生と一緒に学校をよくしていく』という意見を言った。在校生から拍手が湧くと、市長は『その考えが間違ってる!』とバッサリ。いったい何のための場ですか」 文春の「日本維新の会」の幹部に、「体罰&セクハラの常習犯だった者がいる」と実名を挙げて告発している記事が佳作2である。 「『実は維新の会所属の府議、中野隆司氏(55)は中学校教師時代、体罰やセクハラで何度も問題を起こしているのです』(府政関係者) 中野氏は鳥取大農学部を卒業後、府立高校講師から中学校の正教員に転じた。八尾市と柏原市の四中学で理科の教鞭を取り、○七年に民主党の公認で府議選に初出馬して当選し、一昨年四月の選挙で「維新」に鞍替えして二期目に当選した。ところが、以前から関係の深い岡本泰明柏原市長(73)が「禅譲」する形で中野氏は柏原市長選(二月三日告示)に出馬表明。市長選準備のため、昨年末に府議を辞職したばかりだ」 だが彼には、頭に血が上ると逆上して何をするかわからなくなる傾向があるというのだ。 「『学年教官室で、中野がある女子生徒を、学校中に響き渡るほど怒鳴り上げたことがあった。後で本人は「あいつションベン漏らしよったわ」と、女生徒を失禁させたことを自慢していました』(元同僚教員) こんな証言もある。 『中野に激昂しとった教員がおったんです。理由を聞くとある女生徒から「中野先生にヤらせろと言われた」と相談されたというんです』(柏原市の教育関係者)」 中野が教師を辞めるきっかけになったのは体罰事件だった。柏原市の別の教育関係者がこう語る。 「○二年の秋、文化祭と体育祭の団体演技の演目で、三年生の男子がソーラン節をやることになり、中野がその指導をしていたんです。その際、ある生徒がふざけていたのを中野がドついたんですわ。しかも、騒ぎを収めようとした生徒まで青タンが出来るほど殴つたんです」 以下は中野との一問一答。 「──○二年の体罰は事実か。 『それは一応体罰として。捉え方は別ですけど、生徒さん、学校ときっちり話したうえでお互い納得して終わった話です』 ──当初は承服できず、自ら辞職を申し出たと聞いているが。 『言ってない。そんなことで辞められないでしょ』 ──セクハラ疑惑の二例がある(具体的に質す)。 『ないないない。そんな覚えはありません』 ──今でも体罰は正しいことと思っているか。 『体罰はあってはならん。法律で決まってる』 ──矛盾していないか。 『世間ではわからん教育現場の時代があったわけです。それは社会通念上理解されていることです。昭和五十年代とか、学校の荒れとかで。禁じ手というのか、それがなければ学校がどうにもならんという部分』 ──これは十年前の話だが。 『私は二十三年やっていたから遡れば。平和な時代のクラブ活動とは別に考えてください』」 文春はこう結んでいる。 「維新内部にこんな人物を抱え込んでおきながら、桜宮高校事件で“正論”を振りかざし、自己ピーアールに余念がない橋下氏。まさに茶番劇である」 アサヒ芸能の骨太な記事が、今週の佳作第1位である。。 これは昨年12月27日付でチェコに本部を置く国際言論NPO団体「プロジェクト・シンジケート」のウェブに掲載された安倍総理の英語の論文のことだ。 このシンジケートは日本を含む150カ国以上の新聞社や通信社と提携し、世界的な投資家ジョージ・ソロスやマイクロソフトのビル・ゲイツらが寄稿者として名を連ねる。 だが、この安倍総理の論文は内容が中国を挑発していて過激すぎたためか、日本のメディアはほとんど取り上げていない。それならばと、アサ芸が取り上げたのだ。 ブログ「剣kenn諤々」(http://kennkenngakugaku.blogspot.jp/)にこの論文の全文翻訳が載っている。大意は同じようなので引用させてもらう。 「アジアの民主主義セキュリティダイアモンド 2007年の夏、日本の首相としてインド国会のセントラルホールで演説した際、私は『二つの海の交わり』─1655年にムガル帝国の皇子ダーラー・シコーが著わした本の題名から引用したフレーズ─ について話し、居並ぶ議員の賛同と拍手喝采を得た。あれから5年を経て、私は自分の発言が正しかったことをますます強く確信するようになった。 太平洋における平和、安定、航海の自由は、インド洋における平和、安定、航海の自由と切り離すことは出来ない。発展の影響は両者をかつてなく結びつけた。アジアにおける最も古い海洋民主国家たる日本は、両地域の共通利益を維持する上でより大きな役割を果たすべきである。 にもかかわらず、ますます、南シナ海は「北京の湖」となっていくかのように見える。アナリストたちが、オホーツク海がソ連の内海となったと同じく南シナ海も中国の内海となるだろうと言うように。南シナ海は、核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原潜が基地とするに十分な深さがあり、間もなく中国海軍の新型空母がよく見かけられるようになるだろう。中国の隣国を恐れさせるに十分である。 これこそ中国政府が東シナ海の尖閣諸島周辺で毎日繰り返す演習に、日本が屈してはならない理由である。軽武装の法執行艦ばかりか、中国海軍の艦艇も日本の領海および接続水域に進入してきた。だが、このような“穏やかな”接触に騙されるものはいない。これらの船のプレゼンスを日常的に示すことで、中国は尖閣周辺の海に対する領有権を既成事実化しようとしているのだ。 もし日本が屈すれば、南シナ海はさらに要塞化されるであろう。日本や韓国のような貿易国家にとって必要不可欠な航行の自由は深刻な妨害を受けるであろう。両シナ海は国際海域であるにもかかわらず日米両国の海軍力がこの地域に入ることは難しくなる。 このような事態が生じることを懸念し、太平洋とインド洋をまたぐ航行の自由の守護者として、日印両政府が共により大きな責任を負う必要を、私はインドで述べたのであった。私は中国の海軍力と領域拡大が2007年と同様のペースで進むであろうと予測したが、それは間違いであったことも告白しなければならない。 東シナ海および南シナ海で継続中の紛争は、国家の戦略的地平を拡大することを以て日本外交の戦略的優先課題としなければならないことを意味する。日本は成熟した海洋民主国家であり、その親密なパートナーもこの事実を反映すべきである。私が描く戦略は、オーストラリア、インド、日本、米国ハワイによって、インド洋地域から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイアモンドを形成することにある。 対抗勢力の民主党は、私が2007年に敷いた方針を継続した点で評価に値する。つまり、彼らはオーストラリアやインドとの絆を強化する種を蒔いたのであった。 (世界貿易量の40%が通過する)マラッカ海峡の西端にアンダマン・ニコバル諸島を擁し、東アジアでも多くの人口を抱えるインドはより重点を置くに値する。日本はインドとの定期的な二国間軍事対話に従事しており、アメリカを含めた公式な三者協議にも着手した。製造業に必要不可欠なレアアースの供給を中国が外交的な武器として使うことを選んで以後、インド政府は日本との間にレアアース供給の合意を結ぶ上で精通した手腕を示した。 私はアジアのセキュリティを強化するため、イギリスやフランスにもまた舞台にカムバックするよう招待したい。海洋民主国家たる日本の世界における役割は、英仏の新たなプレゼンスとともにあることが賢明である。英国は今でもマレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドとの五カ国防衛取極めに価値を見いだしている。私は日本をこのグループに参加させ、毎年そのメンバーと会談し、小規模な軍事演習にも加わらせたい。タヒチのフランス太平洋海軍は極めて少ない予算で動いているが、いずれ重要性を大いに増してくるであろう。 とはいえ、日本にとって米国との同盟再構築以上に重要なことはない。米国のアジア太平洋地域における戦略的再編期にあっても、日本が米国を必要とするのと同じぐらいに、米国もまた日本を必要としているのである。2011年に発生した日本の地震、津波、原子力災害後、ただちに行なわれた米軍の類例を見ないほど巨大な平時の人道支援作戦は、60年かけて成長した日米同盟が本物であることの力強い証拠である。 私は、個人的には、日本と最大の隣国たる中国の関係が多くの日本国民の幸福にとって必要不可欠だと認めている。しかし、日中関係を向上させるなら、日本はまず太平洋の反対側に停泊しなければならない。というのは、要するに、日本外交は民主主義、法の支配、人権尊重に根ざしていなければならないからである。これらの普遍的な価値は戦後の日本外交を導いてきた。2013年も、その後も、アジア太平洋地域における将来の繁栄もまた、それらの価値の上にあるべきだと私は確信している」 ジャーナリストの森省歩は、安倍諭文に書かれなかったもう一つの戦略について、こう解説している。 「中国を軍事的に抑えつければいいという話ではなく、第一次安倍政権で言及した『戦略的互恵関係』、すなわち中国をつけあがらせないようにして経済協力を引き出すことです。表向きは殴り合いつつも、水面下では首脳同士がしっかりキンタマを握り合う。いわゆる『政冷経熱』の状態にしようとしているのです」 アサ芸はこう結んでいる。 「中国は、安倍論文の挑発に反応したのか、1月14日の軍機関紙『解放軍報』によれば、総参謀部が『2013年全軍軍事訓練指示』の中で『戦争にしっかり備え、軍事訓練の実戦化を大いに強化せよ』『戦争能力を高めよ』と指示したという。 森氏の言うように日本を牽制するための、中国お得意のパフォーマンスなのか。『宣戦布告』に対する中国のさらなる反応が注目される」 asahi.com(1月26日)は「中国共産党の習近平(シーチンピン)総書記は25日、公明党の山口那津男代表と北京の人民大会堂で会談し、安倍晋三首相について『2006年(の第1次安倍内閣の時)に中日関係の改善、発展に積極的な貢献をしたことを高く評価している。再び首相になられ、新たな貢献を期待している』と語り、日中関係の改善に期待感を示した」と報じている。 だが、こうした論文を書いた安倍総理に中国は、本当に心を開いて会談をすることができるのか。メディアは両首脳の建前ではなく本音に斬り込む取材をして、これからの日中関係を考えるための材料をもっと提供してほしいものである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊アサヒ芸能」新聞広告より
みんなの党・渡辺喜美の愛人は、あの民放女性記者? “選挙中”極秘離婚の真相に迫る!

「週刊文春」1月24日号 中吊り広告
グランプリ
「AKB大島優子 封印された『児童ポルノ』の過去」(「週刊文春」1月24日号)
佳作1
「渡辺喜美は選挙中に極秘離婚していた」(「週刊文春」1月24日号)
佳作2
「渡辺えりに“飼育”された27歳年下のイケメン俳優」(「週刊文春」1月24日号)
今週は文春が独占したが、他誌に見るべききものがなかっただけである。
週刊新潮は「男の顔は履歴書 女の顔は請求書」というワイドをぶっ通しでやっているが、話が細切れで読みごたえがない。
現代は相変わらず「安倍バブル 株も土地もこんなに上がるぞ!」と、はしゃいでいる。政権交代という4文字だけで民主党政権ができたばかりの頃、これで世の中があっという間にいい方向に変わると各週刊誌がはしゃいでいたのを思い出すね。
ニューズウイーク日本版(1月22日号)の「日本経済を救う? アベノミクス」でダニエル・グロス記者が「日本株『根拠なき熱狂』の根拠」で書いているように、今の株高、円安は理屈の通らない出来事なのだ。
週刊ポストも「利益を最大化するための安倍バブルの『売り時』」という特集をやっているが、現代ほどは浮かれていない。読み比べてみよう。まずは現代から。
「失われた20年と呼ばれる、長く続いたデフレ不況の間に、日本人が失った最も大きなものは『自信と誇り』だろう。
かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと称された製造業が韓国や中国勢にボロボロにやられ、汗水流して働いてきたサラリーマンが会社からあっけなくリストラされる様を見て、多くの国民が気力を失った。
しかし、今、潮目は完全に変わった。
昨年末に政権交代で誕生した安倍政権が矢継ぎ早の経済政策を打ち出すと、つい先日まで8000円台に低迷していた株価が一気に1万円を突破、自動車・電機といった日本経済を牽引してきた製造業が息を吹き返し“反転攻勢”に打って出始めた。分厚く空を覆っていた閉塞感が消え、明るい光が日本経済全体に差してきたのだ。
慶応大学経済学部教授の塩澤修平氏が言う。
『ここへきて日本人が誇りと自信を取り戻し始めています。今回の政権交代でこうした心理的な側面が経済を好転させるのにいかに重要な意味を持つのか、改めて示された形です。様々な新しい経済政策が表明される度に、人々が期待感を膨らませている。さらに今後、人々の期待感が安心感に変わっていけば、それがいっそう経済の好転を後押ししていくでしょう』
『大幅な金融緩和をすればハイパーインフレの懸念が出てくる』などと、したり顔で説き始めている。それはまっとうな経済理論としては『正論』かもしれないが、そんな批判をいくら並べても経済がひとつも良くならないことを、日本人はこの20年で嫌と言うほど味わってきたのではないか。
早稲田大学政治経済学術院教授の若田部昌澄氏もこう言う。
『1930年代初頭の昭和恐慌から日本が脱却する過程で、大手メディアなどが唱えていた主流派の経済政策は不況を深化させるばかりだった。当時も政局が動き、新内閣が誕生して“奇策”といわれていた政策に舵を切ったことで初めて、デフレ不況から脱することができたのです。
いま日本経済は株価の上昇が人々の期待感を高め、これが投資行動を変え、さらに株高を演出している。今後、安倍首相自身が言う「インフレ目標2%を断固たる決意で確実に実行できる人」を日銀総裁に選ぶことができれば、期待感はさらに膨らみ、株高・円安がさらに加速、消費や生産、雇用の増加が始まるでしょう。そうなれば日本経済は10年以上に及んだデフレから脱却することができるのです』」
ポストはこうだ。
「安倍政権の新政策効果ではなく、突如出現したチャンスに乗り遅れたくないという人々の心理が、今の株高の真相ではないか。
そう分析し、アペノミクスを真っ向から否定するのは、同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子氏だ。
『アベノミクスは、期待感を煽っているだけで、実際の景気回復には直結しないで終わると見ます。日本は、10年このかた、金融緩和をこれだけ繰り返しても、何らプラス効果は出ていません。それなのに、規模だけやたら大きくすればプラス効果が生じると考えているのは時代錯誤です。
安倍首相のアナウンスに踊って、今がチャンスだから株を買おうとか、リアクションが出ているだけ。雇用が増える、賃金が上がる、生活が楽になるといった本当の効果は望めません』
それどころか、円安誘導のゴリ押しを続ければ、企業の輸入コスト、ひいては生産コストが上がる。にもかかわらず激しい価格競争を続けようとすれば、輸入コストの上昇分は給料を抑えることで調整せざるを得なくなるという。
『さらにいえば、今の株高.円安で庶民は本当に儲けることができるのでしょうか。投資資金のない非正規雇用者などにはまったく関係のない話でしょう。それでも、安倍政権は7月の参院選までは、必死に株高・円安策を打ち続け、投資家もそう読んでいるため、そこまでは上昇相場は続きそうです。
そしてその時点で潤沢な投資資金を持つ海外投機筋や日本の富裕層が売り逃げて儲かるだけの結果になる可能性が高い。投資資金を持たない人々はインフレなのに給料が下がるという最悪の状況に追い込まれることさえ考えられます』
様々に評価が分かれる安倍バブル。その真贋を見極めることこそ、上昇相場の「売り時」を見抜く秘訣のようだ」
私には、浜教授の言うことのほうが正論だと思うのだが。
読み比べではなく見比べになるが、いまや“セクシーグラビア・アイドルナンバー1”といわれる壇蜜のグラビアを現代がやっていて、ポストは昨年人気を集めたのに突然消息不明になってしまった「YURI」の未公開カットを「音信不通」(タイトル付けがなかなかセンスがいい!)として特集している。
私の好みもあるのだろうが、「YURI」のほうが断然いい。品があってセクシー。ぜひ見比べていただきたい。
ポストにはこんな記事が載っている。
「広島県南西部に位置する人口25万人の静かな港町・呉市。温暖な気候に恵まれ、漁港に近いこともあって、エサを求める野良猫と住民が優しく触れ合う町に、今はピリピリとした緊張感が張りつめている」というのだ。それは、
「昨年10月22日午後4時頃、呉市役所に近い和庄公園を散歩していたお年寄りが、公園のど真ん中に何かが放置されていることに気づいた。近寄ってみるとネコの死骸であることがわかったが、それは明らかに異常な姿だった。
『頭と前足のみ、つまり上半身だけの死骸でした。公園の隅には、そのネコのものと思われる後ろ足があった。しかもこの公園ではその3日後にも、鋭利な刃物で切断されたネコの頭と内臓だけが放置されているのが見つかっている』(県警関係者)
(中略)実は呉市では、昨年に入ってから猟奇的なネコの虐殺事件が相次いでいる。昨年3月、西惣付町で上半身だけの死骸が見つかったのが発端。その後も8月に1件、10月6件、11月2件、12月4件と続き、今年に人っても、1月8月に農家の畑で頭部だけの死骸が見つかるなど、計15件発生している。
呉署では、器物損壊と動物愛護法違反の疑いで捜査を始めた。
『いずれも鋭利な刃物で惨殺され、骨や内臓を抜き取ったり、胴体や頭部を切断するなど残虐な方法で殺されている。発見場所に血痕はなく、別の場所で殺されて現場に遺棄されたようです。公園や路上などわざと人目に付きやすい場所に置いているなど共通点が多く、同一犯の可能性が高いと考えています』(捜査幹部)」
動物虐待と凶悪事件は関連するといわれているようだから、心配である。
週刊朝日は、安倍総理とネトウヨ(ネット右翼)との強すぎる蜜月に対して「訣別せよ」と保守の論客たちが直言している。
ゴーマニズム宣言の小林よしのりは「もうネトウヨに媚びを売る必要はない」として、こう話している。
「安倍は野党時代に自分を癒やしてくれたネトウヨにもたれかかっているわけだ。一方、ネトウヨ側も『安倍に頼られている』ということで、自分に価値を見いだし、安倍にもたれかかっている。この両者の関係は、中国で起きた文化大革命の際の、毛沢東と『紅衛兵』の関係と似ていると思う。(中略)
だからこそ安倍は選挙前、『尖閣諸島に公務員を常駐させる』とか、『「竹島の日」式典を開催する』とか、あれだけ威勢のいい発言をしてネトウヨに媚びを売っていたが、首相になってからは、タカ派的な発言を控え、現実路線をとるようになった。(中略)
じゃあ仮に自民党が参院選挙に大勝したらどうなるか。(中略)恐らく何もできない。尖閣に公務員なんて無理だし、河野談話だって日米同盟を考えたら絶対に否定できない。靖国参拝は必ずどこかでやると思うけどね。となると、ネトウヨたちの不満は募るばかり。もしかしたら、自民党本部にデモをかけるかもしれない」
小林は安倍がダメなら、ネトウヨたちは橋下へ行くのではないかと読んでいる。ネトウヨの深情けほど怖いものはないということか。
まずは佳作2から。女優としても評価が高く、劇団を主宰し、時事問題にも積極的に発言する渡辺えり(58)のスキャンダルである。
彼女、渡辺えり子だったのを07年に改名したそうだ。97年に映画『Shall We ダンス?』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し、今春からはNHKの朝ドラ『あまちゃん』にも出演が決まっている。
日本を代表する女優は、自分が主催する『劇団3○○(さんじゅうまる)』に所属する13歳年下の俳優・土屋良太と96年に結婚している。
どうやら、年下の男をかわいがるタイプのようだ。
その夫との仲も最近はうまくいっていないようだが、同じ劇団の若い男を長年愛人にしていたというのだ。
元劇団員が絶対匿名を条件にこう打ち明けているが、よほどこのオバサンが恐いのだろう。
「えり子さんは、Yくん(本文では実名=筆者注)という若い劇団員とずっと特別な関係にありました。Yくんを自分が買ったマンションに住まわせたり、他に引っ越すとその家賃を払って上げたり。運転手などの名目で給料を与えたりもしていました。他の劇団員でえり子さんの運転や荷物持ちをしたからといって、給料をもらった人はいません」
これでは、夫婦仲が悪くなるのは仕方あるまい。
名指しされた若手俳優は渡辺の27歳年下でほぼ無名だというが、11年に再演された『ゲゲゲのげ』では主役級の役を与えられた。
渡辺は自著で、高校の授業の作文にこう書いたと明かしている。
「上京したら美少年を押し入れの中に閉じこめて同棲し、炊事洗濯を皆やってもらって仕事に励みたい」
夢を実現させたということだろうか。
愛人といわれる俳優も、渡辺の夫は劇団の大先輩だし、ほかの劇団員から疑惑の目で見られることで精神的にバランスを崩したり、劇団を辞めようとして渡辺に止められたこともあったという。
Yの友人が彼のこんな言葉を聞いている。
「オレは籠の中の鳥だ」「(渡辺の)おもちゃだ」
しかし、11年に2人の関係に変化が生じた。Yに舞台で共演した若手女優の恋人ができたのだ。
「最終的には渋々2人の交際を認めたそうですが」(元劇団員)
Yは劇団を去り、渡辺も気力がなくなり劇団は昨年解散したという。
渡辺は文春の取材に対して、若手俳優との関係を否定し、ニュースキャスターをやっているから、彼女を番組から降ろしたい人間言いふらしているのではと、記者に話したそうだ。
まあ、昔の大女優には男を喰ってのし上がっていったのがいっぱいいたのだから、今回のスキャンダルは渡辺えりが大女優への道を確実に上っているということの証なのかもしれない。
佳作の2も文春。みんなの党・渡辺喜美代表のスキャンダル(?)。昨年暮れ、総選挙の公示された翌日に、まゆみ夫人と離婚していたというのだ。
夫人は結婚前は銀座の有名クラブのホステスをしていたそうで、渡辺の父・美智雄がなかなか結婚を許さなかったため、子どもまで作って既成事実を認めさせて結婚したという。
なかなか情熱的な2人だったが、みんなの党結成あたりから夫婦関係に変化が出てきた。もともと結党を迫ったのは妻のほうだったが、党運営にまで口を出すようになって、党本部の中でも夫婦喧嘩をするようになっていったという。
それから渡辺代表は自宅に帰ることが少なくなり、現在では、大半はホテル暮らしのようだ。
長きにわたって別居を続けてきたのに離婚を決意したのは、亭主の女性関係にあるのではないかと文春は書いている。
最近のTwitterでの夫人の発言に、その影が見えるというのだ。
ある政治部記者は、渡辺代表と特に親しいといわれるのは民放の女性記者ではないかと言っている。
この女性記者、昨年8月30日に「大誤報」を流し、ちょっとした騒動を起こしたそうである。みんなの党関係者がこう語る。
「その内容というのが、8月下旬、大阪市内のホテルで渡辺代表が橋下徹大阪市長や松井一郎大阪府知事と極秘会談した際の出席者の発言内容をスクープしたもの。昼のニュースでみずから国会前から中継でリポートし、橋下市長がこの会談の席で『自ら国政に進出する』『市長を辞職する時のセリフも考えた』と述べたなどというものだった。
『当時は橋下市長が衆議院選挙に立候補するかどうかが大きな関心を集めていましたから、マスコミ各社は慌ててウラ取りに動いたのですが、橋下市長は完全否定でした。ただ、そのときに各社の番記者の誰もが、この女性記者は渡辺代表からリークしてもらったんじゃないかと疑っていました』(中略)
奥さんもきっと同じ疑いをもったのではないかと思います」(文春)
夫人のTwitterでの書き込みには、このほかにも渡辺代表のことを指しているこんな言葉がある。
<教訓を得ないバカの一つ覚えみたいな繰り返しをするリーダーは即刻変えろ!経営能力のない失態を犯す経営者は直ぐ首!民間では当たり前!!!!!>
さて、渡辺代表はなんと答えるのか。
「──渡辺代表が昨年12月5日付でまゆみ氏と離婚したのは事実か。
<以前、夫婦喧嘩をした際に署名し妻に預けていたものを、選挙中に妻が勝手に提出したものです。現在は、妻の誤解を解いて元の状態に戻すべく協議中であり、決着がついておりません>
──離婚前から渡辺代表はご自宅には戻らず都内のホテルで生活していたというのは事実か。
<冷静に話し合いが進められるようにするため、距離をおいておりますが、連絡はとっております。夫婦喧嘩の際にこのような対応をすることは以前にもあったことです>」
確かに、国を治めるより女房を操縦するほうが難しいことはわかるが、これではリーダーの資格が問われても致し方あるまい。
今週のグランプリも、やはり文春の記事。
1月11日に講談社発行の漫画誌ヤングマガジンが急遽回収されることが発表された。
グラビアを飾ったAKB48のメンバー河西智美(21)の写真が不適切だとの指摘が出たためである。このグラビアは河西の写真集発売のためのパブだったが、「上半身裸の河西の背後から白人の男児が豊満な胸を手のひらで隠している。いわゆる“手ブラ”の状態である。河西自身はすでに成人しているものの、男児の存在が焦点となった」(文春)のだ。
講談社広報室はこう答えている。
「十二日発売予定だったヤングマガジンは、前日には全国の書店に配本を終えておりました。十一日に社内で見本誌が出回り、社会通念上不適当ではないかと問題になり、発売延期と回収を決めました。発覚が遅れた原因は、件のショットが社内でも隠し玉のように秘匿されていたためです」(文春)
児童ポルノをめぐる法制度に詳しい、甲南大学法科大学院の園田寿教授がこう解説している。
『あの写真は、間違いなく「二号ポルノ」とされる児童ポルノに該当します。児童ポルノ法には「児童が他人の性器等を触る行為」に関する規定があり、「性器等」には乳首も含まれます。児童の身体そのものを対象にしていなくても、そもそも子どもを性的表現の手段、道具として使うことが認められていません。
今回、講談社は発売を延期したために強制捜査されるような事態は考えにくいですが、児童ポルノ法には提供罪だけではなく、製造を罰する規定も設けられている。理論的には、構成要件を満たしています』
なお、『一号ポルノ』とは性行為やその類似行為、『三号ポルノ』とは衣服の一部または全部を着けない児童の写真・映像等を指す」(文春)
警視庁少年育成課は講談社の広報担当者から事情を聞き、写真が児童ポルノに当たるかどうかを調べているそうだ。
だがこの騒動、AKB48の名前を広く知らしめた大島優子にも飛び火したのである。
「『現在、AKBの頂点に立つ大島優子は、子役として芸能活動を行っていました。同時に“ジュニアアイドル”としての顔も持っていたのです』(AKBファン)
今回、小誌取材斑はAKB加入前の大島が出演したDVDを入手した。ジュニアアイドルとは聞き慣れない名称だが、好事家をタ―ゲットとした小中学生の少女たちのことを指す。
帯に、ファーストイメージビデオと書かれた『Growing up!』(心交社)には、当時12歳だった大島が登場する。
冒頭、白い砂浜と青い海をバックに少女が現れる。ロケ地は宮古島である。
『好きなことは寝ること。いっぱい寝てんだけどぜんぜん大きくならなくて困ってるんだ』と自己紹介する大島。そして、わずか四十五分間でビキニ、セーラー服、スクール水着、ブルマとまるで着せ替え人形のように目まぐるしく服装が変わる。
ビキニ姿で海岸の貝殻を拾うシーンでは、前屈みになったところをローアングルのカメラがなめるように胸元を狙う。体操服とブルマに着替えてからは、ロープを股にはさんで無邪気に笑っている」(文春)
業界関係者が、イメージビデオ制作現場の内幕を明かしている。
「裸も性行為もありませんが、実際には書店のエロコーナーに陳列されていることからもわかる通り、大人の性欲を満たすために作っています。白い水着の上にまとったセーラー服を脱がせる。白い水着は、明らかに下着を連想させているわけです」(文春)
こうした撮影は普通に行われていたと元AKB48のメンバーの一人は語っている。
「初期のAKBに加入した際、グラビア撮影などについて特に説明はありませんでした。水着も下着もなし崩し的にやっていたという感じ。篠山紀信さんや蜷川(実花=筆者注)さんみたいに有名な方が撮るときは『芸術だ』って説明されますし、『この人なら脱いでも仕方ないか』って思ってしまう。そうやってエロの対象として見られることに馴れていくのでは」
日本一厳しい児童ポルノ規制条例を作った京都府だったら、大島のイメージビデオを所持していただけで条例違反になりかねない。皆の衆、用心めされよ。
(文=元木昌彦)
●もとき・まさひこ1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
なぜ今頃? 富山資産家夫婦放火殺害犯「犯行声明文」をめぐる、県警と文春の不可解な対応

「週刊ポスト」1月25日
グランプリ
「誰も知らなかった『憲法改正』の基礎知識」(「週刊ポスト」1月25日号)
第2位
「富山資産家夫婦放火殺害犯人の警察官は『犯行声明文』を週刊文春に送っていた!」(「週刊文春」1月17日号)
第3位
「再起した同郷の宰相へ 弱き者 汝の名は『安倍晋三』作家 田中慎弥」(「週刊新潮」1月17日号)
成人式(1月14日)が大荒れである。といっても天気のことだが、朝から東京は雪が舞っている。式場へ向かう女の子たちは、会場で着替えるのだろうか、大きな台車のついたバッグをゴロゴロ引きずって歩いている。
毎年、成人式の日の新聞には、サントリーが青年たちへの言葉を掲載している。
だいぶ前から作家の伊集院静が書いているが、今回は「二十歳の元気」と題して、このようなことを言っている。
「いま、日本は、不景気だとか、希望がないと言ってうつむく大人であふれている。このままじゃダメなんだ。君たちがうつむき加減のこの国を変えて欲しいんだ。二十歳じゃ何もできないって? そんなことはない。君にしかないものがある。それは二十歳の元気だ。(中略)失敗してもかまわない。笑われてもかまうことはない。(中略)私たちの先頭を走って欲しい。そうすればきっと何かが変わるはずだ」
正直、たいした内容ではない。昔は作家の山口瞳が書いていたが、そこには人生の先輩として、これだけは知っておいてほしいという「何か」が文中にはあった。これだけはわきまえておけ、という大事な処世術も書かれていた。たとえば「青年よ、思いきって行け」というのは、このようだ。
「この世で好ましいものの一つが『礼儀正しい青年』だ。反対に、猪口才(ちょこざい)な奴、青二才、嘴(くちばし)の黄色い奴、甘ったれは大嫌いだ。
『若者だから、このくらいは許されていい』なんて思っていたら大間違いだ。……こう書いてきて、僕なんか、顧みて忸怩(じくじ)たるものがある。
成人式を迎えた諸君! 今日から酒が飲める。
そこで、僕は、諸君に、『酒の上の失敗を怖れるな』と言いたい。
思い切って行け! ガンガン行け!
先輩は馬鹿じゃない。諸君の若さを理解してくれるはずである。
ただし、それは、その根底に、礼儀正しさと謙虚さがある限りにおいては、という話になる」
成人式を迎えた若者たちに与える言葉は、「期待しているよ」だけじゃダメなんだ。
さて、このところの週刊誌は、どこもかしこも「安倍バブル」大歓迎一色である。一番囃し立てているのは週刊現代で、今週も「安倍バブルでGO! 株価はどんどん上がるぞ 」とはしゃいでいる。
先週は「日経平均2万円もある」とぶち上げ、今週は「1ドル100円で大儲けする日本企業ベスト100」「この株で100万円儲けよう」と証券会社の回し者のような特集ばかりである。
文春も新潮も、同じようなものだ。
「『私は、ツナミのあった3・11以降、一貫して日本株を買っている。個別の銘柄には言及したくないが、最近もアベが総選挙で勝つことが確実な情勢になった時点で、日経インデックスを買い増した』
かつてジョージ・ソロスと共同でファンドを設立し、”伝説の投資家”と呼ばれるジム・ロジャーズ氏は、文春の取材にこう明言した。
ロジャーズ氏の目に曇りがなかったことは間違いない。安倍晋三氏が自民党総裁に選ばれた昨年九月二十六日に約八千九百円だった日経平均株価は、一月四日の大発会では約一万七百円をつけた。三カ月余りで二○%もの急上昇である。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長は、昨年の総選挙前に『ウィ・ウォント・アベ』と述べたが、まさにその通りの展開となっているのだ。
当面、株式市場の勢いは衰えなさそうだが、この活況はいつまで続くのか。
ロジャーズ氏はこう語る。
『今年の日経平均株価がどこまで上がるか、それはなんとも言えない。一年はとても長い期間だし、私は物事の推移を見守りながら投資の判断を下すからだ。よって、いまここで”予想“を伝えることにはあまり意味がない。一つだけ言えるのは、私はまだ保有している日本株を手放すつもりはないということだ。それが十年後になるのか、もっと早い時期になるのかはわからないが』
世界的な影響力をもつ経済紙フィナンシャル・タイムズは、安倍政権の経済政策を念頭に置き、日本経済を好意的に取り上げている。
『二○一三年の逆張り投資、日本株が一番人気』と題した記事ではこう書いた。
<ファンドマネジャーやストラテジストらが提案する、最も人気のある逆張り投資先の一つは、二十年余りずっと投資家を失望させてきた投資先だ。日本株である>(一二年十二月二十日付)
十二月二十八日には、
『「日本の経済政策、安倍政権は時計の針を戻すのか?『今回の成長戦略は九○年代のバラマキとは違う』」と題した記事も掲載している」(文春)
新潮は、こうだ。
「『今年はロケットスター卜を切りたい。日銀の金融政策が決定的に重要だ』
4日の年頭記者会見で、2%の物価目標ばかりか、為替についても、日銀に責任の自覚を迫った安倍首相。政権トップの声に、多くの機関投資家が「円売り・日本株買い」に全面シフトの様相だ。円安の恩恵を受ける輸出関連株をめぐっては、「今、買わないやつは愚か者」とまで言い切る専門家もいて……。
『辰巳天井』――これは投資家に伝わる格言である。確かに辰年は、日経平均株価の平均上昇率が十二支中、1位。巳年も前々回の89年には30%近くも上昇し、約3万9000円の史上最高値をつけた経緯がある。こうした投資家の願望通り、目下のところ、株価は右肩上がりの状態だ。
『この傾向が続けば、年内に為替は1ドル=95~100円まで円安が進み、平均株価は1万3000~1万3500円まで上がると予測できます』
大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸氏はこう語るが、さらなる円安を予測する専門家もいる。
『私は2007年当時の1ドル=120円まで、ほぼ一本調子で戻ると見ています』
と言うのは、蔦峰義清・第一生命経済研究所首席エコノミストだ。
『アベノミクスヘの期待以上にドル高要因も強まっているからです。アメリカは6年前に住宅バブルが崩壊しましたが、その借金の清算がようやく終わり、今年は痛手から脱却できそうなのです。米経済が回復すれば、為替も以前の状態に戻る。来年中には120円まで行くと思います』」(新潮)
慎重な週刊朝日でさえも「『バブル』かもしれないが、狙い目は、どんな銘柄だろうか」と株へ目がいっている。
だがおかしいのは、これほど「アベノミクス」を持ち上げている現代だが、コラムを読んでみると、安倍の経済対策に懐疑的な論調が多いのだ。
「安倍にだまされるな! 景気は絶対に良くならない」(大橋巨泉「今週の遺言」)
「アベノミクスが復興を遅らせる」(古賀茂明「官々愕々」)
「焦げつき額は80兆円! 株高円安のウラで進行する安倍ミニバブル崩壊の衝撃」(森功「ジャーナリズムの目」)
インフレターゲットや金融緩和など、まだ動き出してもいないうちから反応する株価や為替は、アベノミクスがうまくいかないと分かれば、あっという間に下がる(円は上がる)のは必定。
参議院選まで力ずくで景気がいいように見せかけたとしても、サラリーマンの給与に反映されるのはずっと後になる。参議院選挙後に経済対策が破綻すれば、給与は上がらず、物価や消費税アップで家計はさらに苦しくなる。
いまメディアに求められるのは、アベノミクスで自民党が何をしようとしているのか、成果が出る、または失敗する1~2年後までじっくり観察し検証することである。
さて、今週もイマイチの記事が多く見られた。
編集長が木所隆介に替わったフライデーの「猪瀬直樹東京都知事が『愛して脅した』美人マネージャー」にちょっぴり期待したが、美人マネが60代では読む気をそがれる。
約束した金額を払わなかったことからトラブルになったことがあるようだが、それもだいぶ前の話である。
都知事選挙に出るに当たって彼女から、猪瀬とのかつてのトラブルがメディアに出るかもしれないと伝えたところ、彼が「黙っていたほうが得だよ」と脅すようなことを言ったとある。
彼女は、猪瀬が権力を得たことで家族に何をするかわからないと怯えているようだが、そんな男のマネージャーになったのがそもそも不運である。
現代の「『痴漢報道』――JR西日本の重役はなぜ死ななければならなかったのか」は、かつて上前淳一郎が書いた『支店長はなぜ死んだか』(文藝春秋)を思わせるタイトルだが、内容は不十分なものだった。
確かに、取り調べをしただけで警察は記者発表し、それを自前で検証もせず実名と顔写真を報じたテレビなどは批判されてしかるべきである。このケースも、決め手は彼を痴漢だと訴えている17歳の女子高生の証言だけである。その声を聞いて電車から逃げ出したところを現行犯逮捕されている。
容疑を否認したまま2日ぶりに自宅に帰った重役は、テレビで自分の名前や顔が公開されたことで絶望したのであろう、公園の便所で首を吊って死を選んでしまった。
本人が死んでしまったことと女子高生の話を聞けないことで、難しい取材ではあるが、もう少し粘って取材を重ね、痴漢報道とはどうあるべきなのか、新聞やテレビも巻き込んでじっくり論じてほしかった。
私は、よほど悪質な痴漢行為や常習犯でない限り、刑が確定するまで実名報道は避けるべきだと思う。
作家・渡辺淳一が地方紙に連載していた小説が、その過激な描写に読者から批判が寄せられ、ほとんどの地方紙が止めてしまったというポストの記事を興味深く読んだが、それ以上の話には拡がっていない。
日経新聞などでは、その過激さゆえに部数が伸びたとまでいわれた渡辺文学だが、地方に密着している新聞では、一部にせよ批判の声があがると持ちこたえるのは無理なのであろう。
今週の3位は、安倍総理と同じ山口県生まれの芥川賞作家・田中慎弥が書いた安倍についての文章。これがとても面白い。
田中は、去年7月に下関で開かれたイベントで安倍に会った印象から書き起こしている。何を言っているのかさっぱり聞き取れない挨拶の後、関係者に案内された安倍が田中のところへ来る。そして、こう言った。
「田中さんの本は読んだんですが、難しくてよく分かりませんでした」
田中は、そのときの安倍の印象をこう書く。
「至近距離なのでさすがに声は聞き取れたものの、表情は愛想笑い程度のうつろなもので、これが本当にかつて首相であり、今後の返り咲きも噂されている政治家だろうかと思った(向こうは向こうで、こいつが本当に芥川賞作家か、と思っていたに違いないが)。
かなり無理しているのではないか、本人はほぼ治ったと言っているが、首相辞任の原因となった病気がまだ癒えてないのではないか、とも感じられた。
政治家っぽくない人、向いていない仕事を背負わされている人という印象だった」
山口県人は「自分の意見が一番正しいのだという我の強さ、強情さをもつ人が多い気はする」(田中)そうだが、県民性以上に安倍を強くあらねばならないと駆り立てているのは血筋だと見ている。
「安倍氏は明らかに、政治家としての自分を強く見せようとしている。強くあろうとしている。なぜか。安倍氏は弱い人間だからだ。強くあろうとするのは弱い証拠だ。だったら、あるがままに生きてゆけばいい。弱いことは、人間として決して悪いことではない。だがここで、血筋の問題が出てくる。
祖父と大叔父と実父が偉大な政治家であり、自分自身も同じ道に入った以上、自分は弱い人間なので先祖ほど大きなことは出来ません、とは口が裂けても言えない。
誰に対して言えないのか。先祖に対してか。国民に対して、あるいは中国や韓国に対してか。違う。自分自身に対してだ。くり返すが、強くないなら強くないままでいい。
首相になった安倍氏は、もはや弱い自分に戻ることは絶対に許されない。
一度失敗しているだけになおさらだ。だが、弱い者はどうあっても弱い。
だからこそ、よけいに強くあろうとする。敵の前でひるむことなく自分を強く見せる必要がある。(中略)
安倍氏が憲法改正や自衛隊の国防軍への移行、集団的自衛権などを主張し、『戦後レジームからの脱却』を掲げているのは、それらが自民党の本来進むべき道であり、特に自主憲法制定が結党以来の悲願でもあるが、そういう党の中にいる安倍氏が、偉大で強い家系に生まれた弱い人間だからだ」
田中は、そんな安倍総理は命を縮める危険な状態にあると危惧し、「その危うさを含めた過剰な強さが、私に『怖い』と感じさせる」というのである。
安倍総理の本質を突いていると思う。
女性セブンは安倍総理の妻・昭恵のインタビューをしている。昭恵が脱原発の集会に参加するなど、原発維持の夫と意見が対立していることを聴かれ、こう答えている。
「原発に関しては、これからもどんな天変地異があるかもわからない。何かあった時に、本当にパッとコントロールできるんだったらいいけれど、それができない限り、やっぱり私は反対なんですね」
彼女は、安倍の病気にはストレスが一番いけないと認めている。内憂外患の安倍総理には心休まる場所がなさそうである。
第2位は文春の気になる記事。
2010年4月に富山市で起きた老夫婦殺人放火事件で、富山県警警部補加野猛容疑者が逮捕されたが、彼が事件の2カ月後に文春に犯行を認める「手記」を書くという内容のCD-Rを送付し、高額で買わないかと持ち掛けていたというのである。
新聞各紙も報じているが、文春は誌面で全文を掲載している。
中には遺体の位置を記した略図があり、これを富山県警に見せれば、自分が犯人だと分かると書いている。
文春も当時、真贋を確かめるため富山県警に取材を行い、見取り図を見せたところ、県警の反応は「犯人、および警察、消防の一部関係者しか知りえないことが書いてある」というものだった。
だとしたら、文春はその時点でなぜ記事にしなかったのだろう。「鬼畜のような殺人放火犯から来た手紙 独占公開」とでもやりそうなものだが。
その後、犯人からの接触はなかった。県警からはCD-Rの任意提出を継続的に求められたが、拒否してきたという。情報源の秘匿。情報提供者からの信頼を失い、今後の取材活動に支障をきたすからだという理由だ。
だが、県警は事件が解決しないために焦ったのだろう、事件から2年以上がたった昨年8月に、任意ではなく差し押さえに踏み切った。
これほど遅かったのはなぜだろう。このCD-Rを送り付けたのが犯人に間違いないと思ったのなら、文春側となんらかの取引をしてでも手に入れなかったのか。もちろん、編集部側が拒否していたためだろうが、2年以上も時間がたってから差し押さえに踏み切るというのは、やり方はもちろんだが、県警のやる気を疑いたくなる。
しかも、専門家がCD-Rを分析したところ、データ上に「カノタケシ」という名前が残されていたというのである。
いろいろな報道によれば、加野と殺された夫婦とは親しかったそうである。
なのに、文春によれば「そこから県内外の多くの『カノタケシ』をリストアップし、一人ずつ検証する捜査が始まった」というのだから呆れる。
殺された夫婦の交友関係も調べていなかったのか。バカバカしくて涙が出てくる。
犯人は、罪もない夫婦を殺し金を奪った上に放火までした。その上、犯行をほのめかす手記を週刊誌に持ち掛け金を稼ごうとした卑劣犯である。CD-Rを渡さずとも捜査に協力して、もっと早く逮捕されるような方策を考えられなかったのだろうか。
取材源の秘匿はもちろん大事だ。だが、この加野のように、明らかに真犯人だと思われる人間の手記を載せるために編集部が金を払うことはないはずだ。話した後に自首するとか、事件が時効になっていれば別だろうが。
取材源の秘匿は絶対不可侵ではない。すでに名誉毀損裁判などでは、取材源の秘匿は多くの裁判官によってボロ雑巾の如く打ち捨てられているではないか。
富山県警のお粗末さがハッキリ分かる記事だが、取材源の秘匿というメディアにとって重大な問題を考えさせられる記事でもある。
今週のグランプリは、ポストの憲法改正についての記事。先週の「裏エンディングノート」もそうだったが、この特集もコロンブスの卵のような記事である。
こういうところへの目のつけ方がポストはとてもいい。
圧倒的な数の安倍自民党政権になり、安倍自身もライフワークと称している憲法改正が遠い先のことではなくなってきた。憲法改正の手続き法である国民投票法もできているから、参議院選挙でねじれが解消すれば、いち早く改正に動き出すという観測もあるが、事はそう簡単ではないとポストは窘めるのだ。
どちらかといえば、憲法改正派と見られているポストだが、こうしたものを巻頭にもってくる心意気を買ってグランプリ。
まず憲法改正のスタートは、衆議院議員100人、参議院議員50人以上の賛成で発議(提案)される。その際重要なのは「関連事項ごとに区分けして行う」ことだ。たとえば第1条の「天皇」に関する条文と、第9条の「戦争の放棄」に関する条文改正は別々に発議されるのである。
したがって、自民党が作っている改正草案をすべて実現しようとすると100以上の発議が必要になるというのだ。発議、本会議での趣旨説明の後に、衆参それぞれに設置された憲法審査会で議論される。ここを通過しても、憲法改正発議には議員定数の3分の2以上の賛成が必要。後院(発議したところとは別の院)でも同じ数が要る。両院議長から発議された改正案は、発議から60~180日以内に国民投票にかけられる。投票は有効投票の過半数で承認されるが、100以上に分かれた場合、区分ごとの投票箱が必要になり、投票を済ませるまでに数時間かかることもあり得るというのである。
このように、憲法改正までは「途方もなく長く、煩雑な道程」(ポスト)が待っているのだ。
さらにポストは「自民党改憲草案」には4つの重大問題があるとする。
まずは「『国防軍創設』(9条改正)に憲法改正は本当に必要か」と問う。9条改正論者の小林節慶応義塾大学法学部教授でさえ、自衛隊を国防軍に改称するだけなら憲法改正の必要はないといっている。
「憲法改正しなければできない国防軍の活動があるとすれば他国への侵略戦争だが、それは自民党の憲法改正案でも禁じている」(ポスト)のだから、9条改正の目的は集団的自衛の行使への道を拓くためだと見られる。だが、先の小林教授は、日米安保条約を結んでいるのだから、竹島、北方4島、尖閣諸島に急迫不正の侵害があった場合は、集団的自衛権を有しており、憲法改正は必要ないとしている。
2点目「なぜ『基本的人権の由来』(97条)を削除するのか」では、自民党は国家の権力を制限するためにできた立憲主義を覆し、統治者側の視点から国民の権利を制約する押し付け憲法を目指していると批判する。
第3点は「メディアを縛る『表現の自由』(21条)改正は大問題」だとする。
21条は言論表現の自由を定めたものだが、そこに自民党案はこういう文言を入れているのだ。
「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない」
公の秩序を害すると判断するのは権力側である。これでは権力監視なども「害する」と判断されてしまう可能性が高い。日本から言論表現の自由がなくなることを意味する。
第4は「中央集権の固定化をはかる『地方自治』(92条)改正」。橋下徹大阪市長が言っているような地方分権は退けられ、「地方自治を住民サービスの実施に限定したうえで、これまで憲法に位置づけられていなかった、国が税金を徴収して地方に分配する財政調整機能(地方交付税)を新条項として盛り込んだ。これでは、中央集権体制の固定化であり、、『財源は地方に渡さない』といっているのに等しい」(ポスト)
憲法改正といっても、自民党と維新やみんなの党の方向性は正反対だから、改憲政党の中でも大きな対立が起きるとポストは結んでいる。
こうした特集を巻頭に持ってきたポストに拍手を送りたい。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。





