今週の注目記事 第1位 「小保方晴子さん乱倫な研究室」(「週刊文春」3月27日号) 第2位 「ユニクロが1万6000人パート・アルバイトを『正社員化』 それって、いいことなの?」(「週刊現代」4月5日号) 第3位 「アベノミクスから逃げ出す人々」(「週刊文春」3月27日号) 第4位 「佐藤優のインテリジェンス・レポート プーチンは『世界のルール』を変えるつもりだ」(「週刊現代」4月5日号) 第5位 「4人の夫と死別で疑われた関西『67歳老女』の手にした遺産目録」(「週刊新潮」3月27日号) 第6位 「浦和レッズ『JAPANESE ONLY』の横断幕は誰を標的にしたのか?」(「週刊新潮」3月27日号) 特別付録 現代VS.ポストの「ヘアヌード対決」勝者はどっちだ 博報堂がメディアの今年2月の売上高実績を発表したが、累計の前年比で雑誌の伸びがいい。新聞が前年比99.9%、テレビが101.0%なのに、雑誌は104.1%。4.1%も増えているのは女性誌が好調なのであろう。雑誌広告に関してはずっと低迷してきたが、わずかだが光明が見えてきたのかもしれない。 消費税アップ前最後の発売の現代とポストだが、現代は消費税込みで420円。ポストは合併号にして、今日から3月31日までが420円で、4月1日からは消費税増税分を入れて432円だと書いてある。 そして、現代の次号は4月1日の火曜日、ポストは4月4日の金曜日発売になる。そうすると、両誌ともに430円に値上げするのだろうか。ここで何度も触れているが、たった10円の違いだが、この差は大きいと思う。せっかく広告がよくなり始めたのだから、ここは我慢して420円を守るか、いっそのこと思い切って400円に値下げしたらいいと思うのだが、そんな度胸は今の経営者にはありはしないだろうな。 さて今週のヘアヌード対決だが、現代は「元ギリギリガールズ荒井美恵子、5年ぶりの復活ヘアヌード」。ポストは話題になった謎の美女・YURIのようなブームを仕掛けようと「新謎の美女シリーズ 祥子の事。」を3週連続でやっている。 祥子の楚々とした服を着た姿とスレンダーな裸はいいのだが、わいせつさがなさすぎるのが難点だ。 荒井美恵子のほうは熟女真っ盛りで、崩れかかった豊満な肉体とヘアは、わいせつ感満点である。ヌードグラビアはわいせつ感があってこそという点で、今週は現代に軍配を上げたい。 人種差別的な横断幕を掲げたとして、日曜日(3月23日)の試合が「無観客試合」のペナルティを科せられた浦和レッズだが、この幕を出した犯人は誰なのか、この言葉は誰に対してのものだったのかを新潮が追跡している。 新潮によると、浦和には3,000ものサポーター集団があるそうだが、スネークという20人ほどのグループに所属している20代の3人だと、さるサポーターがささやいている。 彼らは、外国の観光客が来ると応援の統制がとれなくなるからだと弁明したそうだが、某スポーツ紙の記者はこう話している。 「96年以降、韓国人選手が加入していない浦和は“純血”こそが誇り。なので、相手チームの韓国人選手へのブーイングもすごい」 気になるのは今季浦和に加入した在日4世で、07年に日本に帰化した元日本代表選手・李忠成(28)に対する差別だと、スポーツライターの吉沢康一氏が言う。身内なのに、レッズの観客席から李に対してブーイングや差別的なヤジが飛ぶそうだ。こうした「差別を助長する愚挙」(新潮)は即刻止めなければ、日本サッカー界全体の恥である。 週刊誌は新聞やテレビと違って、疑惑段階で追及していくのが一つの役割だと、ここでも何度か書いているが、今週も多くの週刊誌が関西に住む67歳女性の「疑惑」を報じている。 新潮によれば、この女性は4度の結婚歴があるが、結婚した相手とすべて死別しているというのである。第2の木嶋佳苗事件なのか。 彼女はすでに夫を毒殺した疑いで、京都府警から事情聴取を受けているそうだ。彼女は数十人の報道陣の前でこう語った。 「彼が運ばれて病院で亡くなるまで、そばにいましたけど、その病院で警察に連れていかれて。1週間ずーっと捜査っていうんですか、聴き取りをされて」 嘘発見器にかけられたりもしたが、絶対にやっていないと訴えている。 彼女の夫は75歳。昨年12月28日の夜、自宅から緊急搬送されたそうだ。 「病院到着時にはすでに亡くなっていた状態で、遺体に不審な点があったため、京都府警が血液の簡易検査を行った。すると、青酸化合物が検出され、科警研などで詳細に調査することになりました。府警は老女に任意で事情を聞き、嘘発見器にもかけた。ですが、事件に繋がる証拠が見つからず、一旦、彼女を解放しているのです」(社会部記者) 結婚生活はわずか2カ月。それで彼女いわく、1,000万円の遺産を手にするというので、疑惑の目を向けられているのだ。 最初の夫とは24歳で結婚したが47歳の時に先立たれ、そのときは負債を負ったそうだ。それから10年後、67歳の男性と結婚するが、男性は2年半ぐらいで死亡する。その際、3,000万円近い遺産を受け取っているという。 2年後に3度目の結婚。相手は75歳だったが数カ月後に他界。ウワサでは、5,000万円以上の遺産を手にしたといわれる。 木嶋のときのように、週刊誌がヒステリックにならずに、割合冷静に報道しているのは、彼女の年齢が67歳ということもあるのだろう。 これを読む限りは第2の木嶋になるような気がするが、どう推移するのか注目ではある。 豪腕・プーチンロシア大統領への批判が高まっているが、どう見てもアメリカを始めEU連合も及び腰である。 それはプーチンが戦争覚悟だからだと、評論家の佐藤優氏が現代で言っている。これが今週の4位。 「アメリカに対する挑発的な言辞にはっきりと表れています。プーチンは『アメリカ人よ、あなたがたはアメリカ建国の時、民族自決権にもとづいて独立を宣言したのではないか』『同じことをクリミア人が言うと、文句をつけるのか』、さらには『東西ドイツの統一のときも、アメリカは民族統合を認めたではないか』と述べている。つまり、『クリミアで行った住民投票は、お前たちアメリカ人と同じ民主主義という価値観に拠って立つものだ。どこが悪いのか』というわけです。非常に挑発的であり、また一言で言えば、露骨に帝国主義的な発想です。現在の状況は、ちょうど100年前、第一次世界大戦直前の1914年によく似ている。ハンドリングを誤ると、戦争になりかねません」 佐藤氏は、北方領土問題も仕切り直しするしかないという。 「日本にとってこれからの課題は、ロシアと中国の接近をどうやって止めるかということになるでしょう。今回ロシアがクリミアで行ったような『力による現状変更』を、クリミアとは違い無人島である尖閣諸島で、中国が仕掛けてくる可能性もあるということです。 中東・東欧の二正面作戦を強いられたアメリカが東アジアまで手が回らなくなり、中国が尖閣の実効支配へ動けば、日本も東シナ海の防衛を強化することになるでしょう。日本の先制を恐れた中国は、逆に先手を打つ形で尖閣に上陸するといったシナリオは考えられます。こればかりは、今のところいい解決策は見当たりません。やはり中国との対話を絶やさないということに尽きるでしょう」 アメリカの必死の仲介で、ようやく日韓首脳会談が25日に開かれることになった。 安倍首相も朴大統領も、プーチンロシアの危機を乗り切るために知恵を出し合い、安倍首相は一刻も早く中国との首脳会談を実現させる方策をアメリカとともに考えるべきである。 手負いの熊が中国と手を組めば、アジア地域が冷戦時代に逆戻りする可能性だって無しとしない。安倍首相の器が問われているのである。 先週の現代で、世界一の投資家であるジム・ロジャーズ氏がアベノミクスに対する危惧を語っていたが、日本の株で儲けた海外投資家の無責任な放言と聞き流すことはできなまい。なぜなら、文春によれば安倍首相の“側近”たちも次々に逃げ出しているようだからである。これが今週の3位。 日銀の最高意思決定機関である金融政策決定会合のメンバーは安倍首相の言いなりの黒田東彦総裁ほか、副総裁2人、審議委員6人の計9人で、この人たちの多数決によって日本の金融政策が決まるという。 「昨年十月、『(2015年度までの)二年間で物価上昇率二%を達成』とする展望レポート案に三人が反対。野村證券出身の木内登英(たかひで)氏にいたっては『容易ではないだけでなく、適当でもない』と真っ向から異論を唱えたのです」 9人中3人にも反対者が出るのは極めてまれです、と日銀担当記者が語っている。 右顧左眄することで知られる竹中平蔵慶応大学教授は、アベノミクスを礼賛してきたが、結いの党による野党再編を目指す会合で講演し、こう話したという。 「世界の投資家の失望が高まっている。アベノミクスはこれから半年が正念場だ」 メディアの中でも同様だそうだ。アベノミクス応援団の産経新聞編集委員の田村秀男氏の筆にも変化が出てきていると文春は言う。 「“転向”はしていませんよ。『量的緩和の田村』と思われているようですが、金融だけでは限界がある、財政と金融の両方やるべきとも言ってきました。ただ円安効果があんなにないと思わなかった。構造的な要因がひどくて輸出が伸びていない。それは誤算でした。安倍総理も脇が甘かった。『buy my abenomics』と宣言しました。株価を気にしてモノを言ってはいけない。外国人投資家からすると思う壺。逆に彼らが売り始めるに決まっています。『息切れ』したのは消費増税が原因です。需要先食い、駆け込み住宅投資。消費増税はアベノミクスを殺すものです」 安倍首相は企業減税というニンジンをちらつかせながら大企業にベースアップを飲ませ、アベノミクス効果を広げたかったのだろうが、「考えが甘い」と身内からの反乱が起こっている。 現代が巻頭特集「あなたの税金が大企業のベアに化けた」の中でやはり、最終的に企業側が折れたのは、「最強カード」をチラつかされたからだと報じている。 「法人税の減税です。当初、法人税減税については政権内部でも麻生さんなどが後ろ向きだったが、『法人税減税と引き換えに賃上げをさせる』『それができなければ景気が腰折れして消費税の10%増税はできない』という理屈で官邸側が説得した経緯がある。そこまでして企業をベアに踏み切らせたかったわけです。実際、企業にとって法人税減税は喉から手が出るほど手に入れたかった。企業は賃上げに応じれば法人税率を下げてもらえるはずだという下心もあり、最終的に政府と大企業は手を組む方向で一体となったわけです」(経産官僚) 日産の3500円。トヨタがベアに相当する賃金改善分を2700円、ホンダが2200円、三菱自動車が2000円と回答した。パナソニック、日立製作所、東芝、富士通、NEC、三菱電気の大手6社でも、横並びのベア2000円を実施することを決定した。鉄鋼業界も新日鐵住金、JFEスチール、神戸製鋼所が’14年度と’15年度に1000円ずつ引き上げる形で足並みをそろえた。イトーヨーカ堂、ローソン、NTTなどもベアに踏み切ったが、それに呼応するように、安倍政権は早速法人税の減税に向けて大きく動き出しているという。 「3月12日に、安倍首相の諮問機関である政府税調で、法人税改革を議論するワーキンググループが初会合を開きました。(中略)3月12日というのは企業側がベアの回答をする集中回答日。まさに企業の賃上げを見届けながら、法人税減税の幕が開かれた形です」(税調関係者) 法人税減税については、1パーセントの減税で5000億円近い税収が失われるリスクがあるため自民党内ですら慎重論があるが、政府税調は「減税ありき」の議論を展開することが決定的だと現代は書いている。 「この会議で減税路線の下書きを作って、6月の『骨太の方針』に政府の方針としてはっきり盛り込むシナリオが濃厚です」(税調関係者) われわれは、税金が足りないために年金や生活保護といった社会保障がカットされる危険性があると脅されて、やむなく消費税増税を許したのだ。それなのに、増税が決まると今度は政府と大企業が手を組んで、法人税を減税しようというのだから「茶番としか言いようがない」(現代)。 先の税調関係者はこう言っている。 「消費税を1%引き上げたときの税収効果は2兆円ほどですから、法人税の仕組みをきちんと整備するだけで、実は消費税3%分の増税はいらなくなる。安倍政権は『そもそも消費増税など必要なかった』などとは口が裂けても言えないので、そんなことは黙っていますが」 現代が言うように「これでは結局、消費増税分で大企業社員の給料を上げたようなものではないのか」。4月1日の消費増税の日がエイプリルフールであれと願っているのは、当の安倍さんかもしれない。 今週の第2位は、パートのアルバイト1万6,000人を正社員化すると発表したファーストリテイリング(FR社)に疑問を呈している現代の記事。 社員化には落とし穴があるという。現在、現場の店長には「売り上げの増大」と「人件費の管理・削減」という難題が要求されている。FR社は「正社員化」される人々が納得できるような賃金アップをするつもりはあるのだろうかと、問いかけている。 また、賃金がある程度上がったとしても、それに見合わないほどの過重なノルマが課せられるようなことになっては「幸せ」とは到底言えないだろうとも指摘している。 ブラック企業被害対策弁護団の代表を務める、弁護士の佐々木亮氏がこう語る。 「現状の報道だけ見て、『立派な判断ですね』とは言えません。正社員化によって生み出されるのは、残業やノルマが増えただけの『名ばかりの正社員』という可能性もあるからです。柳井さんは正社員化の方針と同時に、『販売員には今の効率の2倍を求めます』と述べていますね。これまで店長が担っていた責任が、新たな正社員にも降りかかり、労働強化が行われることが容易に想像できます。そもそもユニクロは長年、長時間労働が問題視されてきました。その是正が同時に図られるのでしょうか」 働き手の仕事量や責任が増えるだけでなく、正社員化はクビ切りをしやすくする方策でもあると現代は追及する。 「すでに安倍政権は、仕事内容や勤務地などが限られた限定正社員を増やすことと、雇用ルールの見直しをセットで議論している。企業が各地の店舗や工場を廃止する際、そこに勤める正社員を簡単に解雇できる仕組みを構築しているとも言えるのだ。いともたやすく解雇される正社員──。これではパート・アルバイトが「限定正社員」と呼び名が変わっただけではないのか。呼び方が変わっただけならまだいい。正社員であるばかりに、パート・アルバイトとは異なり、サービス残業がごく自然かつひそかに課せられる可能性だってある」(現代) ユニクロを3年以内に辞めてしまう正社員は約半数、10年内離職率は8割を超えるといわれる。辞めなくても長時間労働と過重な責任、パワハラで追い込まれ、うつ病などで休職する若者も多くいるといわれている。 ワタミと並び称されるブラック企業が、その汚名を晴らすのはそう容易いことではないと思う。 ついにというか、やはりというべきか、疑惑のSTAP細胞騒動の主役・小保方晴子さんにスキャンダル勃発である。中でも文春は、小保方論文の疑惑がなかなか表沙汰にならなかった背景にまで踏み込んで詳細に取材し書き込んでいる。これが今週の第1位だ。 小保方さんの元同僚A氏はこう言っている。 「最初はおしゃれできれいなお嬢さんだと思いました。とても明るく社交的でしたし。でも、徐々に違和感が募ってきました。小保方さんは特定の男性に対してだけしつこくすり寄るのです」 女性週刊誌の女性セブンには「小保方晴子さんを踊らせた上司〈ケビン・コスナー〉の寵愛」というタイトルが踊っている。果たしてケビン・コスナーとは誰のことなのか? そこにこそ、このいい加減な論文が科学雑誌「ネイチャー」に掲載され、マスメディアが疑いも持たずに「ノーベル賞ものの大発見」と囃し立ててしまったバックグランドがあったのだが、一つ一つ見てみよう。 文春によれば、ハーバード大学の留学を終え、理化学研究所で客員教授になった小保方さんの最初の“ターゲット”は、クローンマウスの専門家である若山照彦氏(46・当時、理研チームリーダーで現在は山梨大学生命環境学部教授)だったという。 「若山先生に取り入ろうとする態度が露骨なのです。『センセ、センセ』とずっと追いかけ回すような感じ。甘ったるい声で『教えてくださぁい』と覗き込むときの距離も近すぎて、若山先生も困惑していました」(元同僚A氏) 若山氏は彼女から食事に誘われても2人だけでは行かないよう気を遣っていたようだが、同じラボには奥さんもいたため、一時は夫婦仲がギクシャクしたこともあったという。 小保方さんのもう一つの謎は金回りのよさだったと、元同僚のB氏が語る。 「研究員は貧乏暮らしが常ですが、彼女は上から下まで、ヴィヴィアン・ウエストを着て決めていた。『わたし、ヴィヴィアンしか着ないの』『本店から案内が送られてくるの』と自慢げに語っていましたね。でも、いちばんびっくりしたのが彼女の住まいです。彼女は理研に来てから二年間、神戸の高級ホテル『ポートピアホテル』でホテル暮らしをしていたのです」 文春が調べたところによると「同ホテルは最低ランクのシングルルームでロングステイ割引したとしても、一泊七、八千円はかかるという。部屋代だけで月に二十万円超の計算」になる。 彼女は12年末にSTAP細胞作製に「成功」するが、「ネイチャー」に投稿した論文は却下されてしまう。そこでケビン氏の登場である。 彼女はいつの間にか、理研CDBの副センター長である笹井芳樹先生に話を持っていったという。 笹井氏(52)は、受精卵から作られた万能細胞「ES細胞」の第一人者で、世界で初めてES細胞を神経細胞に分化させることに成功し、わずか36歳で京都大学医学部教授に就任したエリート中のエリートである。 「ネイチャー」掲載に堪えうる論文を小保方さんが執筆できるはずはなく、実質的に執筆したのは笹井氏ですと科学部記者がこう話す。 「彼女をCDBのユニットリーダーにするよう強く推挙したのが笹井氏といわれています」 さしたる業績もない30歳の彼女が抜擢されたことで、社内では情実人事ではないかと当初からウワサでしたと、現在もCDBに勤務するC氏は言っている。 このポストは大学教授とほぼ同等のポストで、給料も800万以上はあるそうだ。 だが、この世界も複雑で、笹井氏が小保方さんを利用しようとしていたという見方もあるようだ。そのC氏がこう語る。 「笹井先生は、iPS細胞でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京大教授への対抗心を燃やしていました。二人とも同学年ですが、もともと笹井先生の方が圧倒的にリードしていた。(中略)ところが、iPS細胞で山中先生が大逆転した。そんな笹井先生の前に、STAP 細胞という夢の万能細胞をひっさげて現れたのが小保方さんだった。これで一気に山中先生を追い越せると笹井先生は思ったのかもしれません」 笹井氏の小保方さんへの入れ込み方は、相当なものだったようだ。 「疑惑が浮上し始めてから、笹井先生は『僕はケビン・コスナーになる』と語っていたそうです。ケビン・コスナーが主演した『ボディガード』のように、小保方さんを守り続けるという意味なのでしょう」(C氏) こうした強力な「庇護」の下で小保方論文は守られ、その疑惑がなかなか明るみに出なかったようである。 だが、血液病理学が専門の医師で、広島大学名誉教授の難波紘二氏は、小保方論文に早い段階から疑義を呈してきた。それもちょっと考えればわかることだったという。 「メディアは、『リケジョの星だ』『おばあちゃんの割烹着だ』などと騒ぎましたが、そもそも割烹着を着ていること自体、研究者としておかしいでしょう。襟も背中も大きく開いている割烹着では異物混入の可能性もあり、実験には不適切です。またあのお化粧や、つけまつげにしてもそうです。専門家ならすぐに『あの人は何かおかしい』と思うはずです」 言われてみればその通りである。だがメディアは疑うこともなく、割烹着美人だと持ち上げたのだ。ある社の科学部記者はこう語る。 「あれだけ理研のビッグネームが揃っているのだから、そんなはずはない、信じたいという気持ちのせめぎ合いで、ある種、金縛り状態になっていたのです。あそこまで小保方氏を持ち上げておいて、確たる証拠もないまま掌を返して批判すれば、もし本当にSTAP細胞が見つかった時に大変だ、という気持ちもあり、なかなか積極的に動けなかった。(中略)論文が掲載されたのが、掲載率一割以下という審査の厳しさで知られる科学雑誌『ネイチャー』でした。それに小保方さんは、あのノーベル化学賞の野依良治氏が理事長を務める理化学研究所のユニットリーダー。加えて共著者の笹井氏は、三十代の若さで京大の再生医科学研究所の教授に就任した、その世界では有名な方ですし、同じく共著者の若山照彦・山梨大学教授もマウスを使った実験の世界的な権威。こうした名前の『ブランド力』を妄信してしまった部分はある」 その上、マウスの背中に人間の耳を培養したことで知られる、ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授から引き留められたほどの女性という評価もあったのだろう。 だが、3月20日付の朝日新聞にはこんな記事が載った。 「理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2011年に早稲田大に提出した博士論文について、学位審査員だった留学先の米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が、英科学誌ネイチャーの関連サイトの取材に『論文のコピーをもらったり、読むように頼まれたりしていない』と話していることがわかった」 こうして彼女ばかりではなく、周りの人間たちのいかがわしさも次々に明るみに出てきているのだ。 小保方、絶体絶命である。 第2の佐村河内事件どころではなく、日本の科学界の信用を失墜させたという意味では、かつてない大スキャンダルである。 世間的には有能な人間の集まりと思われていた理研の科学者たちが、たった一人の女性にコロリと騙されてしまったのである。 理研はもちろんマスメディアも含めて、なぜ彼女がこのようなことをしたのかを徹底的に検証し、すべてを公表しなければいけないこと、言うまでもない。 (文=元木昌彦)「週刊文春」3月27日号 中吊広告より
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巨人・坂本&田中理恵熱愛、キムヨナデート現場……「フライデー」合併号が絶好調!
今週の注目記事 第1位 「『まさかの驚愕カップル!今オフ結婚へ 巨人坂本勇人と田中理恵』などのフライデーの記事」(「フライデー」3月28・4月4日号) 第2位 「『世界一の投資家』に独占インタビュー ジム・ロジャーズ『日本経済に何が起きるのか、教えましょう』」(「週刊現代」3月29日号) 第3位 「小保方晴子さんは、これからどうなるのか?」(「週刊現代」3月29日号) 第4位 「日本に帰れとヤジが飛んだ本田圭佑 現地の苦闘」(「週刊新潮」3月20日号) 第5位 「『NMB48渡辺美優紀』医大生モデルとお泊まり」(「週刊文春」3月20日号) 今週頑張ったのは、久しぶりにフライデー。そこへ行く前に、いくつか紹介したい。 この時期恒例なのが週刊朝日とサンデー毎日の「東大・京大 合格者高校ランキング」だが、私はこの手の企画は好きではない。学歴偏重はいけない、東大ばかりが大学ではないと、自分のメディアでは言っているのに、内心では東大・京大神話を守りたいと“自白”しているのが、この企画だからである。 そこで買ってみたついでに、東大入学の上位校をこっそり教えちゃおう。 1位・開成(東京)2位・灘(兵庫)3位・麻布(東京)4位・駒場東邦(東京)5位・聖光学院(神奈川)6位・桜蔭(東京)7位・栄光学園(神奈川)8位・東京学芸大附(東京)9位・渋谷教育学園幕張(千葉)10位・海城(東京)11位・ラ・サール(鹿児島)12位・久留米大附設(福岡)13位・日比谷(東京) 日比谷を筆頭に、一挙に13人増の岡山朝日、12人増の水戸第一(茨城)など、公立高校が躍進したと大騒ぎしている。日比谷高校の進路指導部主任の教授は「文化祭やクラブ活動などを十分に楽しめる子ほど、合格しやすい傾向にあります」。合格者が5人から10人に倍増した高崎(群馬)の校長は「問題意識を持ち、思考力を深めることが難関校の突破に役立った」と話している。 特段変わったことをやっているところはないようである。身も蓋もない言い方をすれば、われわれの頃のように、東大へ行けば豊かな暮らしが一生保証されるわけではないから、選択肢が広がり入りやすくなったのではないのか。 多くのアルバイトを雇い、時間に追われて作る記事とは到底思えない。売れるからやっているのであろうが、そろそろやめたがいいと思うが。 もう一つがっかりしたのは、ポストの「65歳からのハローワーク」という特集。もう10年ぐらい生きるのならば、何か仕事でも見つけようと思って早速読んでみたが、できる仕事といえば以下のようなものばかりである。 タクシー乗務員、マンション管理、介護スタッフ、警備スタッフ、工事現場の誘導員、ゴルフ場の清掃業務、駐輪場の管理、コンビニ店員、学校の警備員、食堂のスタッフ、コールセンター。 もちろん、これら仕事がいけないと言うつもりはないが、わざわざ週刊誌で特集を組むほどのものではないのでは……。 さて、今週の最初は文春お得意のAKB48ものだ。“みるきー”ことNMB48の絶対的エース渡辺美優紀(20)はAKBグループきっての清純派であるという。そのみるきーファンの夢を打ち砕いたのは、人気急上昇中のイケメン読者モデル・藤田富(21)だそうだ。 3月1日、渡辺はイベントを終え、品川区の自宅マンションへ帰宅。そこへ夜10時過ぎに長身の若い男が現れ、周囲の様子を伺いながらマンションの中へ入っていった。 その男・藤田は翌日の夜8時過ぎまでマンションに滞在した。その後、マスクと帽子で完全装備し、さらに裏口を使うという警戒ぶりでマンションを後にしたそうである。まあAKBではよくある話だがね。 お次は、サッカー日本代表のエース・本田圭祐(27)が、イタリアの名門ACミランで大変なことになっていると、新潮が報じている。 新潮によれば、当地のファンサイトでこう書かれている。 「ホンダは動きの遅いニンジャタートル」「寿司でも握らせておけ」「ホンダはフィールドで寝ている」「日本に帰って、キャプテン翼に戻ったほうがいい」 1月の華々しい入団会見から、早3カ月。本田はリーグ戦でいまだゴールを決められずにいる。現地で取材したジャーナリストによれば、サポーターから「背番号10を外せ、日本に帰れ」などという強烈なヤジが飛んでいるようだ。本田危うし! 佐村河内守騒動が一段落したと思ったら、それ以上の小保方晴子スキャンダルが勃発。この騒動も、今のところは小保方さん側の“捏造”疑惑が濃厚のようである。 そうすると、したり顔で「だから言ったじゃないか、あの2人はどうもおかしいと思っていたんだ」という輩が現れるものである。 現代で理科学研究所の関係者という人物が、再生医療分野の第一人者で理研幹部の笹井芳樹副センター長と小保方さんとのことを、こう話している。 「それほどの人材が小保方さんの指導にあたっていながら、なぜこんな杜撰な論文を発表してしまったのか、不可解です。論文の根幹部分は笹井氏が執筆を担ったとも言われている。小保方さんは笹井氏の手引きで、ほとんど実績もないまま、たった2年で理研のユニットリーダーになりました。その人事の経緯や特別な人間関係も含め、不適切な点がなかったか疑問の声が内部でも上がっています」 気になる小保方さんのこれからだが、ベテラン研究員は厳しい言い方をしている。 「ここまで信頼を失ってしまうと、残念ながら、小保方さんはもはや研究者を続けていくことはできません。共同研究など怖くて誰もできませんし、仮に彼女が単独で新論文を発表しても、誰も相手にしない。大逆転があるとすれば、何らかの『奇跡』が起きて、STAP細胞の存在自体が証明されること。そうであって欲しいとは思いますが……」 天国から地獄まで見た彼女だが、ここで挫けずに頑張れというのは、さらに酷なような気がする。 さて、安倍政権が、河野談話の見直しはしないが検証するという方針を打ち出したことに強く韓国が反発しているため、文春は「『慰安婦デタラメ報告書』を独占公開」と題して阿比留瑠比(あびる・るい)産経新聞政治部編集委員の韓国批判を特集している。要は、こういうことである。 「河野談話に至る諸調査は韓国側の要請に基づいて始まり、談話の細かい字句・表現に至るまで韓国側のチェックの上で決まった。いわば最初から韓国側が主導権を握っていた『日韓合作』の談話なのである。河野氏は潔く国会の場で、事実を語るべきだ。一方、韓国にとっては、宮沢政権という情緒的でナイーブな政権をうまく利用して勝ち取った、対日関係における歴史的な外交的勝利だったのだろう。 道徳的に日本の優位に立ち、自国の正義を主張するための切り札なのだ。だからこそ、安倍政権の検証方針が許せないのである」 これに対して、先週のポストは河野談話を批判しながらも、撤回したら何が起きるのか安倍首相はわかっていないと、こう書いていた。 「ジャーナリズムや学者が歴史を検証し、河野談話の事実関係を訂正して『誤り』を正していく作業が必要なことは当然だろう。だが、政治家が果たすべき役割と責任は、学者やジャーナリズムのそれとは違う。日本政府が日韓関係改善のために河野談話を出した以上は、それが事実誤認であろうと外交上、日本はいったん非を認めたのである。安倍首相が河野談話を『なかったことにします』と宣言しても、国内のナショナリストからは喝采を浴びるかもしれないが、国際社会に広がった日本に対する不信や批判が消えるわけではない。それは米国の安倍不信からも明らかだ。むしろ、安倍首相が慰安婦問題で真っ先にやるべきことは、一方的に河野談話の文言を見直すことではなく、米国をはじめ国際社会の日本に対する認識を見直させることにあるはずだ。そうして初めて、過去の自民党政権の『過ち』を挽回することができる。それは政治家にしかできない仕事である。だが、『歴史認識を見直す』と拳を振り上げるだけの安倍首相の今のやり方をみていると、自分に負わされている責任が何であるかを理解しているとはとても思えないのである」 そのわかっていない安倍首相に、海外の投資の神様ジム・ロジャーズからもキツい警告が発せられた。これが今週の2位。 「私もアベノミクスが始まれば株価が上がるという確信があったため、日本株を所有し、儲けを得ることもできました。(中略) しかし、『その後』を考えた時には、暗澹たる気持ちにならざるを得ません。長い目で見ると、アベノミクスというのは、日本経済を破壊する政策でしかないからです。 20年後から現在を振り返った時、安倍首相という人物は、日本経済を破壊するとどめを刺した張本人として語られているに違いありません。日本人は早くそのことに気づくべきではないでしょうか。(中略) アベノミクスの第二の矢、財政出動もひどいものです。私から見れば、これは『日本を破壊します』という宣言にしか聞こえません。(中略) いま日本政府が取り組むべきは、チェーンソーを手にとって、無駄な財政支出をカットすることなのに、安倍首相は何を考えているのか、完全に逆行しているわけです。 そこへきて、この4月からは消費税を5%から8%に増税するというのだから、クレイジーですよ。増税して得た予算は社会保障の充実に使われるとされていますが、本当は無駄な橋や道路を作ろうとしているのでしょう。 安倍首相が借金に目をつぶっているのは、最終的に借金を返さなければいけなくなる時には自分はもうこの世にはいないから、関係ないということでしょう。そのツケを払うのは今の日本の若者です」 日本人は安倍首相から予算の権限を奪ったほうがいい、とまで言っているのだ。また、法人税減税は評価できるが「法人税の減税がそれ以外の部分の増税とセットになってることにお気づきでしょうか。消費税がまさにそうですし、最近では所得税の増税も検討され始めたそうではないですか。(中略)アベノミクスで日本経済が成長することはできません。しかも、アベノミクスの悲劇が深刻なのは、本質的な問題を隠そうと莫大な量の紙幣を刷って、大規模な財政支出を続ければ続けるほど、後世の日本人が背負う借金が膨れ上がってしまうことにあります」 ジム・ロジャーズ氏は「このままいけば最終的には1929年の世界大恐慌のような状態になってしまう」と予告する。 海外投資家の無責任な放言と聞き流すことはできない。この警告が的を射ているかどうかは、4月1日以降に1つの答えが出る。 景気対策から憲法解釈、NHK会長人事まで「お友達」でそろえ、意のままに動かしてきたツケが安倍首相に回るのも、そう遠い話ではないと、私も思う。 さて、今週は久しぶりにフライデーについて大いに語ろう。3月14日の朝、スポニチ一面で巨人の坂本勇人(25)と体操界の妖精と呼ばれた田中理恵(26)の「熱愛」が報じられていたが、そのスクープの発信元がフライデーだった。 フライデーのスクープが、スポーツ紙の一面を飾るのは久しぶりではないか。うれしくなって、駅で買って早速読んでみた。これが今週の第1位だ~。 このスクープのすごいのは、見開きの左ページにドーンと笑顔でピタリと寄りそう2人の写真が掲載されていることだ。 田中が左手でVサインし、坂本はその田中を後ろから抱き抱えるような格好で笑顔を見せている。2人を知る関係者によれば、この写真は昨年暮れか年明けすぐの頃に、坂本の部屋で撮られたもののようだ。気になるのは入手先である。セルフタイマーで撮ったようにも見えるが、それだったらフライデーに流出しないのではないか。2人と親しい人間が撮ってフライデーに持ち込んだのだろうか。 フライデーによれば、昨年秋くらいから2人の仲は急接近していったという。坂本は兵庫県育ちで田中は和歌山県育ち。2人とも関西出身ということで、知り合ってすぐに意気投合したようである。 しかも付き合いは短いが結婚を考えていると、2人の知人がこう語る。 「坂本がキャンプで家を空けている時も、田中は合い鍵を持って彼の家を訪れ、甲斐甲斐しく掃除をすることもあると聞いています。坂本の父親もすでに田中とは会っているようで、坂本の成績次第ですが、2人は今オフの結婚も考えているみたいです。周囲にも『結婚式にはぜひ来て』なんて話しているそうで、2人とも本気なんですよ」 久しぶりに手に取ったフライデーだが、ほかにも注目記事が満載である。 ソチ5輪で銀メダルを取り、現役を引退したキム・ヨナ(23)とアイスホッケー韓国代表キム・ウォンジュン(29)の、いい感じの熱愛写真もある。 韓国のスケート連盟関係者が、こう語っている。 「2人の出会いは2年前の7月、ともにソウル市内のテルン選手村のアイスリンクで、練習をしていたときのことです。当時ヨナは右足の甲をケガして思うような演技ができず悩んでいましたが、ウォンジュンが励まして親しくなったようです」 焼き肉店から出てきた2人。ヨナが彼にしなだれかかり、手を握って甘える姿がいじらしい。スケートリンクで見せる毅然とした姿はそこにはない。恋する女そのものだ。 変わったところでは、ウクライナ侵攻で世界中から非難を受けているロシアのプーチン大統領が、ペットたちに囲まれてやさしい笑顔を見せている写真がたくさん載っている。 愛犬バフィーくんにブチュしている写真につけられたキャプションがいい。「オレの味方はキミだけだよ」 文春で覚せい剤疑惑を報じられた清原和博だが、清原とフライデーの付き合いは大変長い。「番長」という言葉を、人口に膾炙させたのもフライデーである。 そのフライデーに、清原が薬物疑惑の“真相”を独占告白している。もちろん、清原にとって都合のいいことばかりではあるが、まずこう吠えた。 「最初に言いたい。オレは絶対に麻薬はやってない。たしかに今、体はボロボロやけど、麻薬が原因やない」 糖尿病だそうだ。血糖値が900以上あって、医者に即入院してください、命にかかわると言われたそうだ。 覚せい剤使用疑惑はもちろん、清原の元ガールフレンドが「彼は部屋に葉っぱ(大麻)を持っている」と話したことも、コカイン所持の現行犯で逮捕された清原とつるんでいた実業家のことも、すべて否定。 それでは、文春に対してはどうするのか? とフライデーが聞くと、 「両親に迷惑かけたし、家族の立場もある。週刊文春を訴えようと考えてます」 その言葉、忘れるでないぞ。法廷での文春と番長のバトルが見られそうだ。 ちょっと苦言。「大発見!あの1億円テクより威力大? 最新『馬券術』のスゴい中身!」というのは広告ページだが、(広告のページ)の文字が小さすぎるのではないか。思わず読んでしまった。 舛添要一都知事の「不実」も追及している。舛添氏がAさんと知り合ったのは26年ほど前。舛添氏は当時東大助教授で片山さつき(当時大蔵省職員、現参院議員)と結婚していたが、大学院生だったAさんを口説いて、不倫関係になった。 そして子どもが生まれるのだが、いずれ籍を入れると言っていたが果たさず、挙げ句に舛添氏は2012年6月、それまで支払っていった1カ月22万円の「扶助金」を、議員を辞めて月収が8万円になったとして、家裁に減額を申し立てたのである。 3月10日、フライデーに家裁の調停の進行具合を聞かれると、その直撃後、舛添氏は慌しく動いたという。 同日、突如として家裁の調停を取り下げたのだ。 「フライデーに報じられると知って、体裁が悪いと取り下げたのでしょう。どこまで往生際が悪いのか。知事以前に、人として赤っ恥です」(女性の知人) 都知事に選出されて日がたつのに、まだ取り下げていなかったことに驚く。 その他、ヌードグラビアでは林葉直子のヌードはいただけないが、袋とじの『映画「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」』の中で、橋本甜歌と繭がからむレズビアンヌードがいい。 このところ元気がないので心配していたフライデーだが、やればできるじゃん。写真誌の持ち味を生かしたものをやれば、まだまだ生き残り方はある。だが、今号は合併号だから仕方ないかもしれないが、420円は高い! 週刊新潮は370円だぞ。値段に見合った内容の充実を、これからも期待したい。 (文=元木昌彦)「フライデー」3月28・4月4日号
イオン、無印良品、ファミマ……消費税8%に、“価格据え置き”で対抗する根性企業
今週の注目記事 第1位 「衝撃スクープ 清原和博緊急入院 薬物でボロボロ」(「週刊文春」3月13日号) 第2位 「日本の大新聞が喧伝する『アベノファンタジー』の大嘘」(「週刊ポスト」3月21日号) 第3位 「元エリート裁判官が明かす 裁判官は正義より出世が命です」(「週刊現代」3月22日号) 第4位 「消費税8%なのにあえて『値下げ』したド根性企業の商魂と勝算」(「週刊ポスト」3月21日号) 第5位 「文化庁『著作権法』改悪で日本の出版文化が破壊される日」(「週刊新潮」3月13日号) 番外 「現代・ポストのヌードグラビア対決 勝者はどっちだ」 東日本大震災から3年がたった。メディアは、こぞって被災地の今を報じている。ポストはカラーグラビアで「定点観測 復興する風景」、現代は「2011年3月11日東北生まれの子どもたち」をやっている。 あの日を忘れない、津波の被害や原発事故の恐怖を風化させてはいけない。そのためには、変わりつつあるものばかりではなく、「変わらない」ものを撮り続けることも大事であろう。そして、これから出てくる放射能被害の実態を報道し続けることである。 ところで、週刊誌が報じた「疑惑」が、どうやら本物になりつつあるようだ。STAP細胞のことである。 3月11日付の朝日新聞朝刊が「新たに画像酷似の指摘『根幹揺らぐ』 STAP細胞論文」として、こう報じた。 「生物学の常識を覆すとして世界に衝撃を与えた万能細胞『STAP細胞』の論文が、撤回される可能性が出てきた。発表からわずか1カ月余り。論文の不適切さを問う声が相次ぎ、共著者まで『確信が持てない』と表明した。次々に明らかになる問題に、理化学研究所の対応は後手にまわっている」 “リケジョ”の星・小保方晴子さんはどうなるのか。ちと心配である。 さて、今週の現代とポストのヌードグラビアは、どちらに軍配が上がるのか? 現代は「長崎真友子『エッチな局アナ』」と、リオのサンバカーニバルの女性たちの巨乳。ポストは、女優・川上ゆうの「アナログなエロカメラ」と料理研究家・森崎友紀「おいしいカラダ」、アイドル・逢坂はるなの「私は卒業して裸になりました」。 長崎は初々しいポーズがかわいらしく、構図も工夫されている。だが、写真としては川上がもう一人の女性と絡んだエロティックな連作が断然いい。 もっと見てみたいと思わせる、コーフン度なかなかのポストの勝ちだ! まずは、出版界のネタを新潮から1本選んでみた。 日本で電子書籍市場が広がらないのは、従来の紙の出版権を持つ出版社でも、同じ本を電子書籍化する場合は、契約を別に結ばなくてはならないという「日本的事情」も大きい。 そのために出版界では、CDのように発売元(出版社)が著作権を持てる「著作隣接権」を求めているのだが、新潮によれば、文化庁ではそれとは反対の著作権法改正が進んでいるというのだ。 この背景には、電子書籍をアメリカ並みの出版点数にしたいという経団連の思惑がある。 これが「電子出版権の新設」で、これが日本に脈々と続く出版文化を壊すと、作家の藤原正彦氏はこう憤る。 「著者が電子出版をする際に、出版社以外の、単に紙の本を電子化して送信するだけの事業者と契約を結べるということ。誰でも手軽に自由に出版できるようになるので、電子本の点数が増え、読者の選択肢が広がるように思えます」 だが、そうではないというのである。 「長い目で見れば、江戸時代から続く日本の出版文化を破壊し、ひいては国家の根幹を揺るがしかねない大問題なのです」 本は編集者や校閲が目を通し、間違いや時代考証などをチェックしてから本になるのだが、法改悪されれば間違いだらけの電子書籍が氾濫することになり、本全体の信頼が失われる可能性もある。 「国民は間違いばかり書いてある本にお金を払わないでしょうから、安価な電子書籍が主流になっても、本の購入数はどんどん減るでしょう。国民が本を読まなくなり、読んでも間違った知識しか得られなくなれば、ある程度成熟した民衆の存在が前提になる民主主義は成り立たず、衆愚政治になってしまう。だから、日本の文化、国家にとっての大問題なのです」(藤原氏) 大学生の40%は本を読まないという統計がある。それでも、年間の新刊書籍点数は8万点近くもある。そこに、面白さや珍奇さだけの電子書籍が大量に加われば、本当に読んでおかなくてはいけない本を探し出すのは至難になる。 私が以前から主張しているように、新刊点数を現在の半分に減らし、出版社と流通、書店が共同してアマゾンに対抗できる電子書店のプラットフォームをつくらなければ、この国の出版文化に未来はない。 遅きに失してはいるが、今からでも国を巻き込んだ「出版文化再生」のためのプロジェクトを始めるべきである。 お次は、もうじき消費税が8%に上がるのに、あえて値下げしたり価格据え置きの「根性企業」が増えているというポストの記事。 たとえば、すき家は牛丼並盛280円→270円。日清食品は「ラ王シリーズ」容器・具材変更で約16%の値下げ。サンリオピューロランドは大人休日4,400円→3,800円など、平日休日ともに値下げする。 ファミリーマートは、サンドイッチのパン5%増量でも価格据え置き。あのサイゼリヤも、半数程度の価格を据え置きだという。行かざるを得まい。 イオンは、半数以上のPB商品で価格を据え置き。無印良品も、75%の商品で価格を据え置き。しまむらは、一部商品の価格を据え置きにする。 こうしたことがなぜ起きるのか。経済ジャーナリストの荻原博子氏は、こう言う。 「給料が上がらず、デフレ脱却は実現していない中、消費増税を価格に転嫁すれば、小売業界は大打撃を受ける。消費増税で喜ぶのは輸出戻し税(企業が製品を輸出した場合、外国の消費者には税金分を価格転嫁できないという理由で、輸出製品の部品や原材料の価格に含まれている消費税分を国が輸出企業に戻す還付金のこと)で巨額の還付を受ける大企業だけ。内需型企業は生き残るために、身を削ってでも価格を下げざるを得ない状況です」 昨年6月、消費増税を決めた政府は「消費税還元セール禁止法」を成立させた。だが、岡田元也イオン社長は「国民生活を考えていない」、ユニクロ柳井正会長は「それが先進国か」と、反対論が相次いでいる。 消費税はアベノミクスを崩壊させる。それについては、第2位のポストの記事で触れる。 現代の元裁判官の告白は、『絶望の裁判所』(講談社現代新書)のパブ記事ではあるが、読むべき内容がある。 この人物は瀬木比呂志氏。東京地裁判事補から那覇地裁を経て最高裁判所調査官などを歴任して退官し、現在は明治大学法科大学院教授である。 「私は'79年の任官から'12年に大学教授に転身するまで、33年にわたって裁判官を務めてきました。その中で目の当たりにしたのは、最高裁の意に沿わない人材を排除する人事システムの問題点や、モラル、そしてパワー、セクシャルなどのハラスメントが横行する、裁判所の荒廃ぶりでした。(中略) この人事システムが、裁判所を荒廃させた一因なのは間違いありません。現在、日本の裁判所は最高裁長官をトップとし、その腹心である最高裁事務総長が率いる事務総局が、全国の裁判官を人事や組織の圧力で支配しています。事務総局は意に沿わない判決や論文を書いた裁判官に対し、昇進を遅らせる、住まいとは遠く離れた地方に単身赴任させる、あるいは前述したように再任を拒否するといった嫌がらせをします。 その結果、裁判官は刑事被告人、あるいは民事訴訟の原告・被告の権利や結論の適正さを自分で考える前に、とにかく事務総局の意向ばかりを気にするようになってしまったのです。事実、ある地裁の所長はことあるごとに『それは事務総局の考え方と同じか?』と確認していました。(中略) 日本では裁判官が刑事系と民事系に分けられ、基本的に同じ分野を担当し続けます。そして刑事系裁判官は日常的に検察官と接しているため、考えがどうしても検察寄りになる。被告の中には根拠のない主張する人もいますから、刑事事件を長く担当していると、被告に対して偏見を抱くようになってしまうのです。その結果、刑事系の裁判官は仲間内で被告のこと蔑視し、『やつら』などと呼ぶようになる。(中略) 現在の竹崎博允最高裁長官の実権、支配権は矢口長官(洪一・第11代最高裁長官=筆者注)以上とも言われますが、なぜ彼がそれほどの力を持ったのか。その背景には裁判員制度導入があります。 現行の裁判員制度については、今後改善すべき欠点はあるものの、市民の司法参加という意味では、評価されるべきだと思います。しかし、『竹崎氏らには別の思惑があった』といいます。 『裁判員制度を導入することで刑事裁判に脚光を集め、近年民事系に比べて著しく劣勢にあった刑事系裁判官の基盤を強化し、同時に人事権を掌握しようという狙いがあった』──そう言われているのです。 その思惑通り、裁判員制度導入以降は、刑事系の裁判官や書記官が増員され、主要ポストの多くが、竹崎氏に近い刑事系裁判官で占められるようになった。その結果、究極の情実人事が実現したわけです。(中略) 本気で裁判所を改革しようと考えるなら、法曹一元制度、つまり弁護士経験者を裁判官に登用する制度を導入するしかありません」 本を買わずとも、十分に瀬木氏の意が伝わる記事である。 いま安倍政権批判をさせたら、ポストほど鋭いメディアはないだろう。アベノミクスはほぼ崩壊しかけているのに、それを助け、大本営発表を垂れ流している大新聞を批判する舌鋒も激しい。 ポストによれば、3月3日付の新聞各紙の夕刊は「設備投資4.0%増」と報じた。 読売の記事には「財務省が3日発表した2013年10~12月期の法人企業統計によると、金融業・保険業を除く全産業の設備投資は、前年同期比4.0%増の9兆4393億円」とあった。 これを読んだ読者は「景気が上向いている」と思い込むはずである。しかし、この数字にはカラクリがあると、ポストは言う。 第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト・熊野英生氏はこう指摘する。 「実は前年比ではなく前期比で見ると、設備投資は2四半期連続で減少しています。つまり、設備投資は昨年同時期と比べると増えているが、この半年間で見れば減ってきている。ではなぜ昨年比だと伸びているかというと、比較対象となる12年には復興需要やエコカー補助金等の効果で4~6月期が大きく伸びていて、その後は下がっていた。前年より下がった12年後半の数字と比べているから、上がっているだけ。これは前年比の“マジック”なのです」 また、厚労省が賃金構造基本統計調査(全国)を発表すると、各紙は2月21日付でこう報じた。 「朝日は『短時間労働の時給、微増 男性1円、女性6円増 13年厚労省調査』と、非正規雇用の労働者の賃金が上がったという“いいニュース”をメインに報じている。ところが、実際の調査結果を見てみると、むしろ驚くべきは、フルタイム労働者の賃金が0.7%減であり、とりわけ男性が0.9%も減っていることである。こちらのほうが、パートタイムの賃金微増よりよっぽど見出しにすべきニュースだと思うのだが、『安倍政権打倒は社是』(by安倍首相)のはずの朝日も、こと景気の記事に関してはやけに政権に甘い」(ポスト) 「産経(3月5日付)は、経済面で大きく『電機6社ベア実施 パナソニック6年ぶり容認』と題した記事を掲載。電機大手6社がベアを実施する見通しだと伝えた。ところが同じ経済面には下に小さく、『現金給与総額3カ月ぶり減 1月勤労統計』というベタ記事もある。日本企業全体の現金給与が前年同月比で下がったという暗い話題である」(同) 新聞の景気、経済関連の報道は、マーケット関係者から見ると違和感があると、投資顧問会社マーケットバンクの岡山憲史代表は語っている。 「いまの株価は概ね、4~6か月後の経済指標に跳ね返ると見られていますが、現在の株価は不振です。昨年12月30日の大納会に1万6291円という年初来最高値を更新して、その後は低迷。最近では1万4000円台です。しかも、先進国で株価が下がっているのは日本だけです。アメリカは、2月27日にS&P 500種株価指数が過去最高値を更新したほど。日本はバブル以降、株価は1度も高値更新していない。アベノミクスから1年を経た現在も過去最高値の3分の1の水準が続いているんです。この株価に象徴されるように、景気は鈍化していると考えていいのだが、メディアはそこに言及しようとしない」 ポストは、アベノミクスについての大新聞の報道は大本営発表だとし、貿易赤字は原発停止のせいではなく、本当はアベノミクスのせいだ、世論調査で世論誘導をしていると批判する。 上智大学文学部新聞学科の渡辺久哲教授(メディア調査論)も、こう言っている。 「新聞各紙は言論機関であり、極端な話、国民が全員『反対』と言っても『これは正しい』と言うべきで、そういう気概がなければ本当の言論機関とは言えません。世論調査で数字を作って、『国民の6割がこう考えている』からこうだというのでは話になりません」 私は、4月からの消費増税はアベノミクスを壊すだけでなく、日本経済を回復不能にまで落ち込ませるのではないかと心配している。 みみっちい話で恐縮だが、私は毎日バスで駅まで出ている。片道200円だから往復で400円。これがPASMOを使わないと片道210円になる。これぞ便乗値上げである。したがって一日20円の負担増になるから、20円×24日(月曜日から土曜日)=480円×12カ月=年間5,760円増にもなるのだ。これで景気が上向くはずがないではないか。 神は細部に宿る。庶民は日常の小さなことから世界を考えるのである。安倍首相はそのことに気がつかない「どうしょうもない人」である。 今週の注目記事第1位は、文春の「清原和博のクスリ疑惑」。まずは、こういうコメントから紹介しよう。 「じつは清原は覚せい剤などの薬物の禁断症状に苦しんでいるのです。昨年、彼は足立区にある精神科の病院に一週間ほど極秘入院しています。入院したのは、傍目にも言動が異常をきたしていたから。隣で呼びかけても無反応、目の焦点が合わず、口はネチャネチャと粘つき、ときおり意味不明のことを口走っていた。この病院で電気ショックなどの治療を受け、“シャブ抜き”が行われたそうです」 元プロ野球の大スター清原和博(46)の覚せい剤“疑惑”は、少し前から騒がれていた。 私も先月下旬に行われた友人の出版祝いの会で、「清原が近々、シャブで逮捕されるらしい」という話がひそひそ交わされているのを聞いている。 このコメントを語っているのは清原と親しい友人A氏だが、親しい友人B氏による証言もある。 「清原の妻・亜希さんは、『最近夫の様子がおかしい。暴力的になり、すぐ激昂する。刃物持って追いかけ回されたこともある』と、複数の親しい知人に相談しているのです」 清原といえばPL学園時代、甲子園で桑田真澄とともに高校生離れした素質を見せた。86年に西武ライオンズに入団し、入団4年目には21歳で100号本塁打を達成。23歳で年俸1億円を超えるなど、いずれも史上最年少記録を更新した大打者である。 巨人、オリックスとチームを渡り歩いたが、オールスターのMVP7回、サヨナラ本塁打12本の日本記録を持つ記憶に残るスーパースターだった。 また、その言動や威圧感で「番長」という呼び名がついた。 西武ライオンズ時代に麻薬撲滅のポスターに登場して、そのコピーには「覚せい剤打たずにホームランを打とう」とあったと、文春が書いている。 2000年に、アイドルグループ「セブンティーンクラブ」などで活躍したモデルの木村亜希(44)と結婚し、2人の息子にも恵まれた。 亜希は子育てをしながらカリスマモデルの地位を確立し、11年にはベストマザー賞を受賞している。清原も、マイホームパパぶりを発揮していたのだが……。 しかし、引退後の彼を待ち受けていたのは、現役時代のような輝かしい生活ではなかった。カネ遣いと言動の荒さも災いしたようである。 そんなうっぷんをクスリで紛らわせるようになったのだろうか。 こうした情報をキャッチした文春取材班が、清原追跡を続けたところ、2月27日、都内の大学病院に入院したのが確認されたという。同日午後10時半過ぎ、清原は、妻ではない女性を伴って大学病院の出口から現れた。日焼けした肌に、ゴールドのペンダント。短パンをはいた脛には龍の入れ墨。 文春が「覚せい剤をやっているという話があるが」と切り出すと、初めはろれつが回らないものの、それなりに答えていたが、 「いつ(病院に=筆者注)入ろうが、あなたに答える必要がない。そういう検査も含めて……、事務所から、きちんとした答えを出すって。そして、あなたが今言ったことを……。ね? もし違った場合、あなた、とことん追いつめますからね」 そのあたりから清原の態度が急変したそうだ。記者からICレコーダーを奪い取り、カメラマンからもカメラを奪い取ろうとした。 ガードマンが割って入ろうとすると、ガードマンから見えないように斜め後ろを向き、折れたICレコーダーの鋭利な部分に自らの左手の甲にあて、何度も傷つける自傷行為を繰り返したというのだ。 グラビアには、記者からICレコーダーを奪おうとして、記者ともみ合う姿が写っている。 文春によれば、薬物使用の可能性が極めて高い清原への捜査当局の包囲網は狭まっているという。マスコミ関係者によれば、2011年頃にも清原の薬物使用の情報が出回り、マスコミが一斉にマークしたことがあったという。厚労省の麻薬取締部が清原を狙うチームを編成しているともいわれ、相当時間をかけて疑惑を追っていた記者もいたというのである。 疑問なのは、以前も文春は「CHAGE and ASKA」のASKA(飛鳥涼、本名=宮崎重明)がクスリ漬けだと報じたが、警察や麻薬捜査官が動いたという話は聞かない。 今回の清原も、覚せい剤疑惑はかなり濃厚のようだが、事情聴取すら行われていないようなのはなぜなのだろうか? 文春は、薬物疑惑を立証するのは困難であるという。 「覚せい剤が尿検査で検出できるのは、せいぜい使用から三日間。常用者でも十日間程度。髪の毛には長期間残留しますが、信頼度が低いので、裁判でも証拠にはなりにくい」(覚せい剤に詳しい医師) 現代では、スポーツライターの藤本大和氏がこう話している。 「清原に近いと見られていた人物2人が、覚せい剤取締法違反で逮捕されたことも疑われる要因の一つでしょう。一人は彼のタニマチといわれた人物。もう一人は元プロ野球選手です」 だが、関東を担当する厚労省麻薬取締官はこう言っている。 「清原の家を視察しに行った捜査官がいたのは事実ですが、専門チームを作って内定していたわけではない。詳しくは言えませんが、今日明日にも逮捕されるような案件ではない」 文春が報じたことに対して、清原の個人事務所が「清原は今年1月下旬から体調を崩し、病院で診察を受けた結果、糖尿病と診断された」とマスコミへFAXを流し、名誉毀損訴訟を含めたあらゆる法的手段を通じて、徹底的に文春に抗議することを“検討している”との見解を発表した。 やるがいい。法廷の場で堂々と「わいは薬中ではないんや」と主張し、文春の報道が事実無根であることを証明したらいい。そうすれば「やっぱり番長や、かっこいい」となるかもしれない。これだけ書かれたのだから、疑惑のままうやむやにしては絶対いけない。要注目である。 (文=元木昌彦)「週刊文春」3月13日号 中吊広告より
八ッ場ダムに税金をつぎ込み、東北被災地を買い叩く“シロアリ官僚”
今週の注目記事 「もはや、絶体絶命!STAP細胞小保方晴子さんに新たな『論文コピペ疑惑』(「週刊現代」3月15日号) 「日米同盟は戦後最悪」(「週刊ポスト」3月14日号) 「乗り遅れるな3月末、『日本売り』が始まる」(「週刊現代」3月15日号) 「『アンネの日記』と関連本300冊を破り捨てて浮かんだ『犯人像』」(「週刊新潮」3月6日号) 「東北被災地の買収価格は八ッ場ダムのたった『10分の1』」(「週刊ポスト」3月14日号) 「呆れてモノが言えない『韓国』!」(「週刊新潮」3月6日号) 「韓国暴走を止めよ! 日本の逆襲が始まった」(「週刊文春」3月6日号) 「下衆韓国人『反日嫌がらせ運動』の異常事態を告発する」(「週刊アサヒ芸能」3月6日号) 「木嶋佳苗獄中告白『私の心を奪ったジャーナリスト』」(「週刊文春」3月6日号) 「住宅メーカー勤務『葛西紀明』は部長昇進で年収300万円もアップした」(「週刊新潮」3月6日号) 「安倍首相とアッキー昭恵夫人『家庭内野党』演出説を追う」(「週刊ポスト」3月14日号) おまけ 「今週の現代、ポストの『ヘアヌード比べ』」 今週は順位をつけるほどの記事がなかったから数で勝負。順位なしで注目記事を紹介する。 まずは、おなじみのヘアヌード対決。 現代の売り物は、映画『花と蛇 ZERO』の主演女優・天乃舞衣子の初脱ぎヌードを袋とじでやっている。ポストのほうは、新・謎の美女シリーズを始めた。以前好評だった「YURI」の二番煎じ。YURIの時のように、ヌードと服を着た普段の姿を出している。 “どこにでもいそうな、かわいい子”というコンセプトは同じ。YURIはやや東南アジア系が入っていたように見えたが、今回の娘は純日本人のようだ。なかなかかわいいが、以前のYURIほどの謎が感じられない。肢体も彼女ほど豊満ではない。 現代の『天乃舞衣子 緊縛ヘアヌード』のほうは、その脱ぎっぷり、姿態、緊縛の激しさにおいてポストを遥かに凌駕する。宙づりにされた彼女の見せる表情は、なかなかの迫力である。よって今回は、週刊現代の勝ち! お次は、ポストの素朴な疑問。安倍首相夫人のアッキーこと昭恵さんの「家庭内野党」発言は演出されたものではないか、という記事。確かに、もしもアッキーがいなかったら、安倍首相のイメージはまったく違ったものになっていたに違いない。 「不満を抱く人々のガス抜き効果にとどまらず、安倍首相への安心感をもたらす効果を生んでいる。実はこのテクニックは、近年、企業の危機管理術として注目されるダメージコントロール手法だという。 大手金融機関の広報担当役員。 『不祥事があった時など、現社長を前社長が叱責したなどという、“身内からの批判”をあえて広報する。不祥事を検証する役員会で社長批判を演出することもある。従来なら“ガバナンスが機能していない”と叩かれたが、最近では“この企業には自浄作用が働いている”という好印象与える効果がある』」(ポスト) そして、こう結ぶ。 「“家庭内野党”が裏でコッソリと夫と連立を組んで、強権政治の手助けをしている可能性がある以上、彼女の発言に過敏に反応するのもそろそろ自重したほうがいいのではないか」 私も、この説には賛成だ。 さて、ソチ五輪が終わってメダリストが帰ってきたが、中でも注目されているのが史上最多となる7大会連続出場の末、ついにソチで銀メダルに手が届いたスキージャンプの葛西紀明(41)だろう。 凱旋帰国した葛西は2月21日、勤務する住宅メーカー「土屋ホーム」(札幌市)の報告会に出席したという。彼は地崎工業、マイカルと立て続けにスキー部が廃部になり、2001年11月から、この「土屋ホーム」に勤務していると新潮が書いている。 広報担当者によれば、社員約400人のうち、スキー部は4人だけ。彼の所属は社長室だが、一年中大会や合宿があるので彼の机はないそうだ。 「葛西には職務上の役職はありませんが、給料面でいえば、現在、次長・課長級の待遇になっています」(広報担当者) それが今回のメダルのおかげで、部長級に格上げされるそうだ。すると、年収が一気に300万円以上もアップすることになり、1,000~1,100万円ぐらいになるという。 スポーツ紙記者がこう言う。 「葛西は、平昌五輪でも十分に金メダルを狙えます。ただ、現在、独身のため、次は結婚して奥さんと子どもを連れて行きたいと口にしている」 中国やロシア、韓国では、五輪でメダルを獲ると一生安穏に暮らせると聞く。日本ではこの程度だが、彼の名は五輪が続く限り伝えられていくはずである。 次は、3人の男を殺したとして死刑判決を受けた木嶋佳苗被告が、ブログを書いているという文春の記事。 まずは、拘置所にいる木嶋被告がどうやってブログを更新しているのか? 彼女からの手紙には、こうある。 「今のところ、一般の支援者と協力して作っています。窓口になっている人が、アナログマンなので、ブログ製作は業者に依頼し、お金かかっています。今日、彼が面会にやってきて、初回の投稿が3万円と知り、びっくり」 そのブログの中で、“愛しい”ジャーナリストがいると告白しているのだ。 「私は常々、嫉妬心が欠けている人間だと思ってきた。誰のことも、羨ましいと思うことなく生きてきた。その私が、ある女性に嫉妬した。上田美由紀さんという人に」 上田美由紀被告(40)は、木嶋とほぼ同時期に鳥取の連続不審死事件で起訴された人物。 「私の元に1冊の本が届いた。『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』紫色の帯には、私の名前があった。(中略)著者の名前を見て驚いた。青木理。私の事件を取材してくれていたら…と思い続けたジャーナリストの名前だった。彼は、私より上田さんを選んだのか。ショックだった」 ここに登場する青木理氏は、共同通信社出身のジャーナリストで、近年はコメンテーターとしてテレビにも出演している。 「もし青木理さんが私の件に携わって下さっていたら、私は自らペンをとることはなかったでしょう。それまでは、もう小説以外の原稿は書きたくないと思っていたのですが、あの1冊『誘蛾灯』で今後の生き方まで考えさせられました。青木さんは本物のジャーナリストだと思います」 悪女の深情けという言葉があるが、えらい惚れ込みようである。確かに青木氏は背も高くハンサムで、ジャーナリストとしても優秀な男である。 今度彼に会ったら、木嶋に会いに行ったか聞いてみよう。 韓国批判を、週刊誌がこぞってやっている。中でも以下の話はあちこち出ているが、アサ芸から見てみよう。 「アメリカ西部、カリフォルニア州グレンデール市。昨年7月、この地の韓国系住民によって『慰安婦像』が設置された。いわゆる『従軍慰安婦問題』をクローズアップする像である。正しい歴史認識の検証を無視したこの暴挙に対し、『慰安婦像設置に抗議する全国地方議会の会』のメンバーら13人が、今年1月に訪米した。帰国後も2月10日、地方議員団は国会内で報告会を開いた。そこで現地の実態が明らかになったのだ。その内容たるや『現地の学校に通う日本人の子供らが韓国人の子供に、食べ物に唾を吐きかけられた』『日本人だとわかると、ラーメンに唾を入れられた』など、耳を疑うものばかり」 文春によると、この慰安婦像設置に対して地元の日系住民らが像の撤去を求める訴訟を起こしたという。市在住の日系人と日本人らで作ったNPO「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」だ。 代表を務める目良浩一ハーバード大学元助教授がこう語る。 「第一の大きな理由は、慰安婦問題は日韓の問題であり、二カ国間で話し合い、決着に持って行くべき事柄だということです。(中略)第二は、慰安婦像の傍にあるプレートに記された『戦時中日本軍が強制連行して性奴隷にした二十万人の婦女子が慰安婦にされた』との文言です。これは昨年七月の市議会では議論対象になっていない。像については図面も提出され、議論されましたが、プレートについては議会には何の資料も提出されなかった。したがって決議は不備であるという理由です」 すでに米国では、韓国系人口の多いニュージャージー州ハッケンサックとパリセイズパーク、ニューヨーク州のウェストバリーの三カ所に慰安婦像が建てられており、韓国系団体は、全米の大都市すべてに慰安婦碑を立てると公言してはばからない、と文春は書いている。 また、大手紙のワシントン特派員はこう語る。 「先日、バージニア州議会では日本海を韓国が主張する『東海』と呼ぶことを定める法案が可決されています。後は州知事が署名をすれば正式決定となり、今年七月以降、バージニア州教育委員会が承認するすべての公立学校教科書に、日本海と東海とが併記されることになります。米国内での韓国の存在感は日本の比ではないと常々感じます」 新潮は、韓国は慰安婦関連記録の世界記憶遺産への登録を目指していると書いているが、本当なのだろうか。 文春は、河野談話(1993年8月、宮沢改造内閣の河野洋平官房長官<当時>が、慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話として発表したもの)の見直しを支持する世論が6割近くになっていると報じる。 2月20日の衆院予算委員会に参考人として石原信雄元官房副長官が出席して、河野談話に関する質問に答えたが、文春はその石原氏にインタビューしている。 「河野談話を出した直後は(日韓関係は)おさまっていたのに、後になって韓国側が(米国各地に)慰安婦像を作るとか、米議会に働きかけて対日非難決議をさせるなどの根拠になるとは、当時は全く想定していなかった。苦渋の決断として、未来志向の話をしようという中で、良かれと思って出した談話ですから、韓国側にも未来志向を持ち続けて欲しかった。そういう意味で、私はかかわった者として、非常に残念だというのが率直な気持ちです」 これほど多くの週刊誌が韓国批判をするというのは、私には記憶がない。 少し前、韓国メディアの取材に対して私は「反中、反韓記事を煽るのは読者がいるからだ」と話したことがある。 週刊誌は、今の世の中に広がっている「空気」をすくい取り誌面化して読者に手渡すことが役割だから、そうしたムードが日本の中にあるのは間違いないが、それを煽るうちに自分たちが思う以上に国内の反中、反韓気分が高まって「気分は戦争」から「戦争しよう」へと突き進んでしまわないか心配だとも話した。 今週の週刊誌を読んでいると、私の心配が現実になってきているように感じられてならない。 先日、韓国人で日本に帰化した呉善花さんと話をした。呉さんは激しい韓国批判をすることで知られる人で、安倍首相とも会ったことがあると言っていた。 彼女は、韓国人は祖先の恨みを忘れないことが一番の孝行になるから、日本人のように水に流すなどということは韓国人にとって恐ろしいことで、日本への恨みを忘れることは決してないと語った。 では、どうしたら日韓は歩み寄ることができるのか? と問うと、彼女は、日本からペコペコ頭を下げていくと韓国人はバカにするから、放っておいて向こうが困って来たら話し合いに応じればいいというのだ。 「週刊ポスト」(2月14日号)で、ウルトラ保守の小林よしのり氏が「安倍首相の靖国参拝というのは国際感覚の欠如した幼稚な排外主義、ナショナリズムだ」と言っている。「安倍さんだけではなく、朴大統領も同類だと思うのですが」と私が訪ねると、呉さんは「それは小林さんの考えでしょ? 靖国にしてもなんにしても、“日本は日本です”という毅然とした態度を見せたほうが、今は反発するかもしれないけど、結果としては絶対いいんです」と言い切った。 今のような日韓関係がこのまま続くのは、決していいことではないと思う。安倍首相と朴大統領の「幼稚なナショナリズム」が国民の中にまで広がりを見せている状況を打開するためには、石原元官房副長官の言うように、未来志向の話をするために、大人の解決方法を見つけ出すのが政治であり、外交ではないのか。 ガキのように批判し合って、歩み寄る努力をしない政治家ばかりになってしまった。周恩来と田中角栄が日中国交正常化するとき、尖閣諸島問題を“棚上げ”したような大人の解決ができる政治家はいないものだろうか。 ポストお得意のシロアリ官僚批判。福島第一原発で被災した人たちの中で放射線量が高くて「帰還困難区域」に指定され、帰ることができない人たちが自分の家と土地を買い取ってほしいという声が高まっている。 だが、ポストはその買い取り価格は異常に安いと報じているが、これこそ今メディアが報じなくてはならない情報である。ポストはこう書く。 「被災地と同様に住民が立ち退きを迫られながら、国が湯水のように買収資金をつぎ込んでいる土地がある。群馬県長野原町八ッ場ダムの建設予定地だ。被災者たちはダムの底に沈む八ッ場の土地買取価格を知ると驚愕するはずだ。本誌が入手した国交省の極秘資料『八ッ場ダム建設事業に伴う補償基準』によると、宅地1平方メートルあたりの買収価格は1等級が7万4300円、最低の6等級でも2万1100円。南相馬市と比べると4倍以上に査定されている。 農地(田)の補償額の格差はもっと大きい。国交省は八ッ場の農地に最低の6等級の田でも1平方メートル=1万5300円と南相馬市の農地の10倍以上の高値を与えている。『6等級の田』といえばいかにも作付をしているかのように思われるが、実際にその場所を確認すると小石が散乱し雑草が生い茂っている。何年も耕作されていないようにしか見えない荒れ地である」 ポストが怒るのは当たり前である。こう続ける。 「これは正常な値段の付け方ではない。公示価格を比べると、同じ農業地帯でも典型的な中山間地域の八ッ場より、都市化された南相馬の方が高い。それでも八ッ場の査定が上回るのは、国交省がダム建設反対派地主を懐柔するために八ッ場の買収価格を公示地価の3.5倍以上へと異常につり上げたからだ。八ッ場ダムは関連事業者の天下りだけでも延べ数百人という巨大利権だ。シロアリ官僚は八ッ場ダムの建設のためには、税金をいくらつぎ込んでも惜しくない。だが、放射線に汚染されて買収してもうま味のない被災地の土地は逆に金を惜しんで買い叩こうとする。この国では、政府や自治体による土地買取費用は、シロアリがどれだけ儲かるかで決まるのだ」 その結果、被災地では家を失いながら、雀の涙の補償金で新たな家さえ持てない難民が増えている。こんなおかしいことがあっていいのか、安倍首相? 発行部数3,100万部以上、世界的ベストセラー『アンネの日記』が、何者かに目の敵にされ、東京都内5区3市の38図書館で、昨年から今年にかけて少なくとも300冊以上が破り捨てられる被害にあっている。 一体、犯行の動機と目的は何か? 新潮はこう推理している。 「やはり、ナチズムやネオナチの思想に傾倒している者の犯行だと思います」 こう犯人像を語るのは上智大学名誉教授の福島章氏。 「欧米にはナチズムやネオナチの思想を信奉する団体は少なくないが、日本にも同様の団体がある。それは日本版ネオナチの国家社会主義日本労働者党だ。党員20人を率いる山田一成代表に犯人の心当たりを聞くと、 『私の仲間や周辺でやったという話は全く聞いてません。ただ、私が考える犯人像があります。今年はヒトラー生誕120周年にあたり、それに向けて実行したのかもしれません。ユダヤ人が『アンネの日記』をホロコーストの悲劇の象徴のように扱っているのを嫌い、排除したいと考える思想の持ち主ではないでしょうか』」(新潮) 新潮は「手口の稚拙さを考えると、“ネット右翼”を自認する若者の線も捨てきれない」としているが、バカなことをする人間がいるものである。 これも「右傾化する日本」を象徴する出来事の一つなのであろう。 日米関係が安倍首相のタカ派発言で悪化している、という記事が増えてきている。ポストは戦後最悪だという。 米国は中国や韓国、靖国参拝にだけ怒っているのではないというのである。早稲田大学大学院春名幹男客員教授はこう語る。 「米国の怒りの理由はもっと基本的な問題にある。東京裁判は米国が主導した裁判であり、戦後の世界秩序を形づくる起点と考えている。『A級戦犯は国内法的には戦争犯罪人ではない』と主張する安倍首相が靖国に参拝することは、突き詰めれば米国が作った戦後体制を否定するということになります」 ポストは、それにしても日本政府の要人の失言は呆れるばかりであるという。国務省関係者がこう憤る。 「極めつきは萩生田光一総裁特別補佐の『民主党政権だから、オバマ大統領だから(靖国批判を)言う』との発言です。“共和党政権を望んでいる”と言ったのも同然でオバマ大統領の面子は丸潰れですよ。『何の実も得られない日本にどうして行くのか』『訪日を取りやめろ』といった声が飛び交っています」 ロシアのプーチン大統領と接近することも米国側をイライラさせているという。 それでも経済がうまくいっていればいいが、現代はそれに対しても米国は疑問視しているという。 「これまでアベノミクスを好意的に評価してきた米政府も、公然と批判の声を上げ始めた。主要20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)が豪州シドニーで開催される直前の2月18日、ジャック・ルー米財務長官は加盟国に宛てて書簡を送り、『日本経済は過去2年間は主に内需が牽引してきたが、その見通しに陰りが見えてきた』と指摘。 ルー財務長官は、『(日本が)世界経済のリスクになっている』としたうえで、内需拡大につながるアベノミクス3本の矢をきちんと実行に移すべきだと忠告したのだ」 ボストン大学国際関係学部長のウィリアム・グライムス氏もこう言っている。 「アベノミクスの構造改革が行き詰まっていることを考えれば、今は憲法改正などに必死になるのではなく、経済政策に集中するべきなのです」 現代は中国や韓国との関係悪化は、さらなる経済悪化につながると警告する。 「実際、日本企業による対韓投資は'13年に前年比で約4割も減少しているし、日本から中国への輸出額も10%以上落ち込んだ。対中輸出が1カ月停止すると日本の産業の生産額が2兆円以上減少するとの試算がある中で、これ以上の『扇情外交』は日本経済の首を自らの手で締めあげることになりかねないのだ」 こうした事態を受けて、マーケットでは悪夢のシナリオが語られ始めたという。アベノミクスがいよいよ崩れ始めたことを確信した海外投資家たちが、3月末に一斉に『日本売り』に雪崩を打ったというのである。 米経済戦略研究所所長のクライド・プレストウィッツ氏が言う。 「アベノミクスは紙幣を刷ることで経済を下支えしていますが、その間に成長戦略を実行できなければ、大きな負債が残るだけです。 負債を返済する能力がなければ、金利が跳ね上がり、負債のコストは莫大なものになる。金利が上がれば企業も家計も投資や消費をしなくなる。そうなれば、日本国債が崩壊し、日本発の世界金融危機に発展するでしょう」 この国のリーダーには日本経済を変える力がないことに世界中が気付き始めていると結んでいるが、その答えはすぐに出る。 STAP細胞で一躍有名になった小保方晴子さんだが、その信憑性に? がつけられ、週刊誌の格好の標的になっている。 現代は「もはや、絶体絶命」だというのだ。新たな疑惑を科学ジャーナリストが語る。 「問題の箇所は、2005年にドイツの名門、ハイデルベルク大学の研究者らにより発表された論文の一部をコピペしたのではと見られています。科学誌『ネイチャー』に掲載された小保方チームの論文とドイツの論文を比べると、約10行にわたってほぼ同じ英文が並んでいる部分がある」 横浜市立大学大学院医学研究科で再生医療を研究する鄭充文氏もこう難じる。 「私たち研究者の社会では、引用文献についてはかなり厳しくチェックしています。小保方さんのようなケースで引用元を表示しないというのは、ありえない。しかも博士号までとった研究者が『ネイチャー』に提出するレベルの論文で、基礎的な元素記号を間違えるなんてことは考えられません。少なくとも、自分で論文を書いて確認をしていればまず起こらないこと。なのに、こんな初歩的なミスが指摘されるのは、元になった論文を何も考えずにコピーし、自分の論文に貼り付けたからではないのか。もしこれが本当に『コピペ』だとしたら小保方さんは研究者として完全にアウトですよ」 現代は、「とはいえ、もしも論文通りに実験が成功し、STAP細胞が確かにできるというなら、こうした問題点も『些細なミス』で済むかもしれない。だが2月27日現在、日本国内を含む世界の複数の一流研究所が追試を試みても、1件の成功例も上がっていない」と追及する。さらに、 「気になるのは次々と疑惑が持ち上がっているのに小保方さんら研究チーム、理研サイドから、この期に及んで何のアナウンスもないこと」(現代) 共同研究者の山梨大学の若山照彦教授にしても「『STAP細胞は小保方さんの指導を受けたときだけできた』と言ったかと思えば『何度も成功している』と取材に答えたり、別の場面では他人事のように『いつか誰かが成功してほしい』と話したり、メディアのバイアスを考慮しても、発言にブレがある。逆に不自然さが増しています」(再生医学に詳しいある大学病院幹部) 東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏もこう語る。 「論文のデータに不審点があることと、研究そのものが正しいかどうかは、分けて考える必要があります。ただ、ひとつひとつの部分に丁寧さがなければ、全体の信頼性も失われる。信頼を取り戻すには、小保方さん本人が出てきて、正直に、きっちりとした説明をするしかありません」 私はこうしたことに詳しくないから、小保方さんの「疑惑」がどこまでなのかはわからないが、やはり一度、彼女は会見を開いて話をしたほうがいいと思う。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」3月14日号 中吊広告より
第2の佐村河内事件? “リケジョ”小保方晴子「世紀の大発見」をめぐる利権争いが勃発
今週の注目記事 第1位 「小保方晴子さんにかけられた『疑惑』」(「週刊現代」3月8日号) 「小保方『STAP細胞』を潰せ!『捏造疑惑』噴出で得する人々」(「週刊ポスト」3月7日号) 第2位 「『脱原発』ジャンヌ・ダルクにされる安倍昭恵総理夫人」(「週刊新潮」2月27日号) 第3位 「猛毒『PM2.5』に覆われた『北京』で暮らすとどうなるか」(「週刊新潮」2月27日号) 第4位 「三鷹ストーカー殺人 池永チャ-ルストーマス獄中『独占告白』5時間」(「週刊文春」2月27日号) 第5位 「牛丼なき『牛丼屋戦争』の勝者はどこだ」(「週刊ポスト」3月7日号) 花粉症の季節到来である。昨日(2月23日・日曜日)のゴルフは暖かかったから花粉を心配していたが、ほとんど気にはならなかった。杉の木が少なかったのか、まだそう花粉が飛んでいないのか。 この季節が来ると憂鬱になる。毎年、今年こそは花粉症対策をやろうと考えているのだが、根が無精なものだから何もやらずに、5月ぐらいまで鼻はグズグズ、目はかゆくてたまらない。 その花粉症に「朗報」があると、新潮が報じている。それもダチョウの卵だというのだから、面白そうだと読んでみた。 この画期的な対策法を発見したのは、京都府立大学の塚本康浩教授(45)。大学で助手を務める傍ら、ダチョウ牧場「オーストリッチ神戸」の主治医になった。 それに伴い、ダチョウおよびダチョウ抗体の研究を開始した。2008年、京都府立大学大学院・生命環境科学研究科教授に就任。この15年間、ダチョウ研究一筋だという。 塚本氏は、ダチョウを5年間観察して気づいたことがあった。それはダチョウの驚異的な回復力だ。傷ができても炎症を起こさず、感染症にもかからない。それは、とりもなおさず免疫力の強さを意味する。氏はダチョウが備え持つ免疫力を、人間の感染症対策に役立てることができないかと考えたという。 「ウイルスや病原体など抗体となる異物が、動物の体内に取り込まれると、これを除去しようとするたんぱく質、すなわち抗体がつくられます。この抗体は、動物の体外に取り出しても機能は失われません」(塚本氏) 初期の頃はダチョウの血液から抗体を得る方法をとっていたが、手間がかかるし効率が良くない。そのために、卵から抗体を取り出す方法に転換することにしたという。鳥の場合は卵、とりわけ黄身に多く含まれているという。 低コストに抑えられれば、使い捨てのマスクのようなものにも応用することができる。そこで08年に大学発のベンチャー企業を立ち上げ、鳥インフルエンザと季節性インフルエンザの抗体を染み込ませた「ダチョウの抗体マスク」をマスクメーカーと共同で開発した。 このマスクは1枚130円ほどで、08年からこれまでに薬局などで約7,000万枚が売れたという。そのマスクを購入した客に対するアンケートで、これを付けていると花粉症にも効く感じだという意見がマスクメーカーに寄せられた。 ダチョウはよく観察してみると、春先にはまぶたが赤くベロンと垂れ下がり、花粉症にかかっていることがわかったという。 ではなぜ、ダチョウの卵の抗体は花粉症に効くのか。 「マスクにダチョウの卵の抗体を染み込ませておくと、花粉がマスクを通過するときに、アレルゲンが抗体と結合します。これによって、アレルゲンは抗体に覆われ、不活性化するので、人間の身体は過剰な免疫力を働かせることなく、アレルギー反応を引き起こさないのです」(同) 何やら宣伝臭さがある記事だが、1枚130円程度で花粉症対策になるなら使ってみるか。 ソチ五輪も、さまざまな感動を残して終わった。昔は五輪や万博などは、終わると写真集が出版社や新聞社から出され、それなりに売れたのだが、この頃はそうしたものが出されることはほとんどなくなってしまった。売れないのである。 感動は一瞬。今は録画しておいて後で何度でも見ることができることもあるのだろうが、写真集を買ってまで読もうというシーンが少なくなってしまったのだろうか。 さて、今週の第5位は、ポストの新たな次元に入った牛丼屋戦争の話。 『なか卯』が牛丼の発売を開始したのは1974年。その目玉商品を捨ててまで、今回「牛すき丼」の導入に踏み切ったのだ。 ポストは試食してみた。 「名前の通り、すき焼き風の具材がご飯の一面に敷き詰められている。メインは、従来の『和風牛丼』で使われていたものよりも厚めに切られた牛肉。やや脂身が多いが、これは豪州産牛肉から、脂身の多い米国産牛肉に変わったためだという。この肉に加え、焼き豆腐、白ネギ、白滝、エリンギといった具材が、やや甘めの濃いタレですき焼き風に煮込まれている。具材には味がよく染み込んでいて、食が進む。アクセントに三つ葉がトッピングされているあたりが、丼物を得意としてきた『なか卯』らしい。値段は350円(並)」 なかなか好評らしい。 業界は、牛丼依存体質から脱しようという動きが目立つ。その象徴として選ばれているメニューが「すき焼き」なのだという。先陣を切ったのは老舗の『吉野家』だった。昨年12月5日、「牛すき鍋膳」と「牛チゲ鍋膳」の販売を開始。その直前に開かれた戦略発表会では、「うまい・やすい・ごゆっくり」という新コンセプトに基づいたメニューだと発表した。これまで譲ることのなかった「うまい・やすい・はやい」からの大転換(?)である。 発売2カ月間で、累計700万食を突破したという。 『すき家』も追撃する。2月14日から「牛すき鍋定食」など、鍋定食3商品の販売を開始し、値段もセット内容も『吉野家』と同じ580円(並)。 00年以降、度重なる値下げ競争を繰り広げてきた牛丼業界だが、09年12月には『すき家』が280円牛丼を仕掛け、低価格時代へと突入。 だが、これも限界にきた。昨年12月『すき家』が牛丼を240円まで値下げしたが、牛丼離れに歯止めは掛からなかったという。そこで豪華・高価格路線へと舵を切ったというのだ。 業界に詳しい中村芳平氏は、こう言う。 「これを機に“チョイ飲み需要”にシフトするのでは。オペレーションが複雑化し、商品提供までに時間がかかることを逆手に取って、その間にドリンクで稼ぐ。“チョイ飲み”需要というのは、ラーメンの『日高屋』がブームに火をつけた方式で、生ビールを安く提供することで、餃子の売り上げを急増させた。最近は『吉野家』もつまみ的メニューが増えていることから、明らかにこの“チョイ飲み需要”を狙っていると思われます」 私は『すき家』の並盛り牛丼が好物だが、牛丼屋で酒を飲みたいとは思わない。お銚子2本とすき焼き鍋を食べて1,000円は、私にはチト高い気がするが。 第4位は、昨年10月、女優としても活躍していた元交際相手の女子高生(享年18)を付け回し、殺害した池永チャールストーマス被告(21)の獄中インタビュー。彼は現在、立川拘置所に拘留されているそうだ。 その池永被告に面会し、彼の肉声を文春が掲載している。「反省の言葉はなく、その口ぶりは他人事のようだった」と書いている彼の言葉を引用してみよう。 「事態が大きくなることは想像していましたが、そんなに凄いんですか。なんて書いてありました? 感想としては……複雑ですね。心情はあまり話したくない。後悔はしています。ただ反省という言葉を、簡単に使いたくない。自分は知識に乏しいので、まずは本を読み、善悪、生命、死とは何かを考えたい。(中略)臆病な自尊心、尊大な羞恥心、自分の性格はそんな感じです。もうすぐ裁判ですが、初めて断罪されるわけですから、怖くないわけがない。ですが、それなりの覚悟を持っています。殺害したわけですから」 罪の重さを知らないほど幼いわけではないが、まだ自分の犯したことを本当に自覚するまでには至ってないのだろうか。公判で彼は、どのような言葉を被害者に対して述べるのだろうか。 花粉症の季節は、中国のPM2.5も日本にやってくる季節でもある。新潮で、発生地の中国では年間65万人が、肺がんになるといわれていると報じている。 中国憎しでややオーバーな書き方だとは思うが、気になる記事である。 新潮によれば、2月中旬、政府系のシンクタンク「上海社会科学院」と「社会科学文献出版社」が発表した報告書には、PM2.5に汚染された中国の現状が端的に表現されているという。それは「もはや人類の居住に適さないレベル」だというのである。 北京市在住の商社マンが、嘆息してこう言う。 「私は自動車通勤なのですが、毎朝、道路に出たらもう30~50メートル先が見えません。スキーのゲレンデで雪が舞い上がっているような感じです。これで、PM2.5の濃度は大体500マイクログラム/立方メートル(基準値の約7倍に当たる)というところでしょうか。もちろん部屋の中にもPM2.5は漂っていますから、常に日本製の空気清浄機を最強にしています。うっかり買い物に出てPM2.5を吸い込もうものなら咳はもちろん、即座に喉がガラガラになる。それだけじゃない。外に立っているだけで目がちかちかしてツーンと痛くなってくるのも特徴です。深呼吸ですか? 中国では自殺行為ですよ。私はしたことがありません」 また、北京特派員は「大気汚染におびえる外国人は、日本人だけではありません」と、こう話す。 「昨年11月に駐中国アメリカ大使が突如、“個人的な理由”で辞任を表明してニュースになりましたが、本人は最後まで具体的な理由を明かしませんでした。しかし、米国大使館では独自にPM2.5を測っており、北京市発表の数値と違いすぎることに警告を発している。大使は、あまりの汚さに恐れをなして本国に逃げ帰ったのだともっぱらの噂です」 昨年10月、WHO(世界保健機関)の専門組織・IARC(国際がん研究機関)が、5段階の発がんリスクのうちPM2.5は最高の「レベル1」であると発表しているという。これは、胸膜に中皮腫を引き起こすアスベストや、猛毒物質の六価クロム化合物と同じ危険度だそうだ。 「昨年11月に北京で開かれた“第6回中国肺がん南北ハイエンドフォーラム”でも、この30年間に肺がんによる死者の割合が4.65倍に増え、肝臓がんに代わってがん死亡のトップになったという報告がなされました。さらに2025年には、患者は100万人に達するとの予測も明らかになっています」(北京特派員) 本格的にPM2.5が日本に飛来してくるのは、3月上旬だといわれる。私のように花粉症がヒドイ人間には、つらすぎる季節になりそうである。 ここで、講談社の75期決算が発表されたというニュース。 売上高は1202.72億円(前年比102.0%)。内訳は雑誌728.36億円(同100.9%)。この中には一般雑誌とコミックがあり、雑誌は178.87億円(同94.6%)、コミックは549.48億円(同103.1%)。 書籍は255.06億円(同103.3%)、広告収入は71.10億円(同83.7%)。当期純利益は32.14億円(同207.3%)である。 「マンガ『進撃の巨人』が快進撃をつづけ、百田尚樹の『海賊とよばれた男』がミリオンセラーとなり、百田の文庫『永遠の0』がコミックス『ワンピース』級の売れ行きとなっても、総売上高で前年を上回ったのは2ポイントにしか過ぎなかった。何故か? 答えは簡単である。コミックスと書籍以外は前年を大きく割っているのである。『グラマラス』や『グラツィア』を休刊したこともあって一般雑誌の販売収入と広告収入は大苦戦を強いられているのである」(今井照容氏責任編集『文徒』より) それに不動産収入が32億円もあるのだから、業績好転とまではいかないようだが、少し明るさが見えたといったところであろう。 ところで、安倍首相はいよいよ集団的自衛権容認に舵を切ることをハッキリ宣言した。2月20日のasahi.comがこう報じている。 「安倍晋三首相は20日の衆院予算委員会の集中審議で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更について『閣議決定して案が決まったら、(国会で)議論頂く。それに沿って自衛隊が活動する根拠法がないから、自衛隊法を改正しなければならない』と述べ、閣議決定によって解釈を変更すると明言。さらに決定後に自衛隊法を改正する方針を表明したものだ」 憲法改正するには時間がかかりすぎるから、閣議決定して実質的に憲法九条を骨抜きにしてしまえというのである。この“悪知恵”を押しとどめることができるのか。野党もメディアも正念場を迎えている。 もう一人、安倍首相を脅かす人間がいる。妻の昭恵である。特定秘密保護法にも若干の危惧を表明したが、反原発は筋金入りである。 集団的自衛権にも反対を表明してくれないかと、私は期待しているのだが、新潮はそうした昭恵の行動が首相夫人の枠を超えすぎているのではないかとたしなめ、このままでは反原発派に持ち上げられ、反原発派の象徴、ジャンヌ・ダルクにされるのではないかと危惧している。 新潮によれば、2月17日に上野駅から福島県のいわき駅へ向けて、昭恵が出発したという。向かう先は福島第一原発。官邸の女性職員と東電の女性広報担当者が付き添い、原発視察である。 彼女は以前から反原発発言を何度もしている。 「原発に関しては、これからもどんな天変地異があるかもわからない。何かあった時に、本当にパッとコントロールできるんだったらいいけど、それができない限り、やっぱり私は反対」(「女性セブン」13年1月24日号) 「(日本が)外に原発を売り込んでいることに、私は原発反対なので、非常に心が痛むところがあるんです」(同年6月6日の講演) 「私が脱原発を言っているから、(中略)私の声が(首相の)心のどこかに引っかかってくれればいいなと思って言っている」(東京新聞同年12月29日付) 視察時間は1時間程度だから、細部までわかろうはずはないが、新潮は心配らしく、視察を終えた昭恵に感想を聞いている。 「福島第一原発の事故状況に関しては映像で何度も見ていたので、原発に対しての思いが変わることはありませんでした。ただ、今後の原発について本当に考えなくてはならないのは、東京の人たちだと思うんです。何の負担もなく、電気をもらうだけもらっているのでは良くないでしょ。どういう方法があるのかは、皆で意見を出し合えばいいんです。東京のど真ん中だったり、東京に近いところに原発を作る選択肢も含めて話を始めるとかですね」 新潮は、その言い方は反原発派のジャーナリスト・広瀬隆氏の著書『東京に原発を!』(集英社)と同じではないかと心配しているが、彼女の「反原発」は本物のようだ。 “家庭内野党”を任じる昭恵に、「反集団的自衛権容認」の旗も持ってもらいたいものである。 第2の佐村河内事件か? 昨夜の友人たちとの酒席では、割烹着の“リケジョ”美人・小保方晴子さん(30・理化学研究所のユニットリーダー)が発表したSTAP細胞の話題で持ち切りだった。 普通の細胞を酸性の液に漬けるだけで、どんな臓器にもできる万能細胞が生まれるという「世紀の大発見」は、彼女がカワイイこともあってメディアが飛びつき、世界的な話題になった。彼女が着ていた割烹着の売れ行きまでがいいという。 科学誌「ネイチャー」に掲載され、世界から称賛を浴びていたが、ネットでは早くから、実験条件が異なるにもかかわらず酷似した画像が出ている「画像使い回し疑惑」が指摘され、捏造ではないかというウワサまで出ているのだ。 やっかみ半分の中傷かと思っていたら、どうもそうとばかりはいえないようである。 文春がいち早く取り上げたが、現代とポストが正反対の記事をやっているので、この2本を今週の第1位とした。 まずは“懐疑的”な現代から。 「素人目に疑問なのは、学会では論文を『間違えました、直します』と言って許されるのかという点だろう」(現代) そこで、カリフォルニア大学デーヴィス校医学部で再生医療の研究に携わる、ポール・ノフラー准教授に聞いている。 「論文に、誤植などの小さな間違いは比較的よくあります。しかし画像の混同といった手違いは大問題であり、過去には論文撤回の理由になったこともある。本当に全体の結果に影響しないか精査しないといけません」 さらに現代は、小保方さんらが公開すべきデータを正しく公開していないと追及する。 「ネイチャー」に小保方論文のような分子生物学系の論文を投稿する際は「実験に使った遺伝子の情報を、公開の遺伝子情報データベースに登録する」という規定があるという。 だが今回の小保方論文は、正確なデータの公開が行われないまま掲載されてしまった。これでは研究成果が真実なのか、第三者が検証できないと、ケンブリッジ大学シルヴァ博士は厳しく批判する。 「データーの届出を行っていないことは最大の問題です。そのデータがあってこそ、世界中の科学者が論文の主張を確認できるのです。この手違いひとつをとっても、論文は発表されるべきではなかったと思います」 そして人々の疑念を一層深めているのが、発表から1カ月近く経ったいまもなお、世界中のどの研究所でも再現実験(追試)が成功していないことだ。 前出のノフラー准教授も、STAP細胞の発見のニュースを聞いて期待に胸を躍らせ、自ら追試を試みたという。だが、結果は失敗。ならばと自らのHPで世界の研究者に追試の成果を書き込んでくれるよう呼びかけたが、「集まったのは期待に反して『失敗』の報告ばかりだった」(現代) ノフラー准教授は、こうも言っている。 「もしSTAPが作成されたことが確かなら──私はそう願っていますが──ほとんどの研究室では再現できないような、非常に難しいテクニックだということでしょう。私は小保方さんたちが、STAP細胞を作る『手順(プロトコル)』に特化した、新しい論文を出すことを期待します」 理研も、HPのトップに誇らしげに掲げていた小保方さんとSTAP細胞に関する記述を削除するなど、態度を一変させた世間の風当たりの冷たさは容易ならざるものになっている。 「いずれにしても、ことここに至っては、疑念を払拭する道は限られている。形勢逆転のためには、ミスの経緯を明かし、必要なデータを公表する、小保方さん自身の言葉や理研の誠実な説明が必要だろう」(現代) これを読むと、何やら「?」がつく研究のように見えるが、ポストはそんなことはないと、小保方さんに代わって反論をしている。 ポストは小保方さんの論文に向けられた疑惑は4つあるとし、ただし、それらを冷静に分析していくと、少なくとも現段階では、『STAP細胞の発見が捏造』という批判は、完全な的外れであることがわかると書いている。 画像の使い回しについては、小保方さんの共同研究者の若山照彦山梨大学教授が、単純ミスで本筋にはまったく影響しないと語っている。 今回の発見の再現性についても、若山教授がこう話す。 「発表があってから、わずか3週間で結果が出るような甘いものではありません。96年、スコットランドの研究グループが、クローン羊の『ドリー』を作ったことを覚えていますか? 1年以上経っても誰も再現できず、ドリーの論文は捏造ではないかとさえいわれた。そんな中、私が約1年後にマウスのクローンを誕生させ、ドリー論文を再現した。 小保方さんが会見で“(STAP細胞の作り方は)手技的には簡単だ”といってしまったから勘違いされているのかもしれないが、世紀の発見がそう簡単に再現されるわけがない」 よってポストは、とにかく現段階でほぼ確定しているのは、補足論文に画像の掲載ミスがあったということだけだから、調査中だという理研や「ネイチャー」の報告が待たれるが、どの疑惑も「大勢に影響なし」といえそうなのであるとしている。 また、これだけの騒動に発展した背景には、一定の「アンチ小保方勢力」の存在が見え隠れするというのだ。 再生医療の分野には、出身学部を異にするグループが存在する。大きく分けると「医学部出身の研究者」と「それ以外(理学部、農学部、工学部出身など)」だ 。 ある医療関係者が、こう話す。 「医学部出身者の中には、遺伝子や細胞の分野とはいえ、人体を扱う医療分野で医学部出身者以外が実績を上げることを面白くないと感じている人は少なくない」 ちなみに小保方さんは早稲田大学理学部出身で、若山教授は茨城大農学部出身だそうだ。 「しかもこのところ医学部出身のグループは肩身の狭い思いをしている。昨年から医薬業界を揺るがせている、いわゆる『ノバルティス問題』である。世界有数の製薬会社『ノバルティスファーマ』(以下、ノバルティス)が販売していた降圧剤は、複数の大学医学部の論文結果を用いて『脳卒中や狭心症にも効果がある』と謳っていたのだが、それが虚偽だった。ノバルティスに都合のいい研究結果をデッチ上げた研究室には、ノバルティスから累計11億円あまりの金銭的支援が流れ込んでいた」 この事件にはとうとう東京地検が動き出し、大がかりな疑獄事件へと発展する可能性が大である。 私の友人の医者が言っていたのだが、この万能細胞が実用化されたら莫大な市場になり、日本は再生医療先進国として力を持ち、一大産業に育つ可能性が高いと、医療関係者の間では大変期待が高いそうである。 当然ながら、そこには考えられないほどのカネが動くことも間違いない。 ポストによれば、政府は13年度から10年間で、再生医療に対し約1,100億円もの支援を決めている。今、この支援金をめぐって、研究機関で争奪戦が行われているという。 「早速、14年度、iPS細胞研究に政府から150億円の支援が下りることが決まっています。そのほとんどは山中伸弥教授のいる京大の研究所に払われる。再生医療で結果を出せば、莫大な研究費が入るわけです。もし、STAP細胞が認められれば、理研や小保方さんグループに大量の研究費が投入されることになり、その分他の研究機関に回らなくなる。それを阻止する動きがあってもおかしくない」(医療関係者) 世紀の大発見か捏造か。小保方さんの愛くるしい笑顔を見ていると捏造などとは思えないが、早く白黒をつけてほしいものではある。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」3月7日号 中吊広告より
「もしも父親がAV男優だったら……」子どもへのカミングアウト、どうする?
今週の注目記事 第1位 「4月『沖縄安保闘争』で血の惨事が起きる!」(「週刊ポスト」2月28日号) 第2位 「お父さんがAV男優でごめんな」(「週刊ポスト」2月28日号) 第3位 「恋するカトパン ダルビッシュとの極秘デート撮った!」(「週刊文春」2月20日号) 第4位 「首都圏極寒サバイバル!『ホームレス』はどうやって生き残った?」(「週刊新潮」2月20日号) 第5位 「袋叩きの『佐村河内守』はそんなに悪いか!」(「週刊新潮」2月20日号) 第6位 「ジョージ・ソロスが『日本売り』これから何が起きるのか」(「週刊現代」3月1日号) 私は、週刊誌は意見がブレてもいいと思う。空気感が変わったことをいち早く知らせる役割が週刊誌にはあり、そうしたことへ敏感にアンテナを張っていなければ週刊誌の存在理由がなくなってしまうからだ。 今週の週刊現代のトップタイトルを見て、この間は株が上がると大騒ぎしていたのに、今度はそれに冷や水をぶっかける記事とは“節操”がないが、それも週刊誌だと読んでみた。だが、内容はどっちつかずで、欲求不満のたまる記事であった。そのために第6位。 現代によれば、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、世界一の投資家・ソロスと安倍晋三首相が会談したのは現地時間の1月22日の午後であるという。マーケットにソロスの「日本売り」のウワサが駆け巡ったのは、会談後まもなくのことだった。 翌23日、東京株式市場は朝方こそ買いが入り日経平均株価は上げ基調で始まったが、午後に入ると海外勢とみられる売りが加速し、3日ぶりの反落となった。 さらに24日に入ると、市場が開くや怒涛の売りが殺到。東京株式市場では、ほぼ全面安の展開となり、フタを開ければ東証一部の9割以上の銘柄が値下がりして、日経平均はほぼ1カ月ぶりの安値に落ちたのだ。 その背景には、日本株買い・円売りをしてきたヘッジファンドを中心とする海外勢力が、安倍・ソロス会談を機にまったく逆の取引を加速させていることがあるという。 現代は、今年1月2日、チェコ共和国のプラハに本拠地を置くNPO「プロジェクト・シンジケート」のウェブサイトにソロスの寄稿文が掲載されたと報じている。そこにはこうある。 「(黒田東彦総裁率いる日本銀行が昨年から始めた)大規模な量的緩和、リスクのある実験。成長が加速すれば金利が上昇し、債務支払いのコストが維持できないものになる。しかし、安倍首相は日本を緩やかな死に処すより、そのリスクを取ることを選んだ。人々の熱狂的な支持から判断すれば、普通の日本人も同じように考えているのだろう」 「この文面を読めば、ソロスは積極的に日本株を支持していないと読めます」とマーケット・アナリストの豊島逸夫氏が解説している。 いよいよソロスが日本株を手放して、株安へと雪崩を打つのかと思うと、どうもそうではないらしい。 日銀総裁の黒田氏に「秘策」があるというのである。金融対策として早ければ4月にも、日本株を毎年5兆円買い入れると宣言する可能性があるそうだ。 そうして現代は「市場と国家の闘いが、いま幕を開けたのだ」というのだが、どっちに軍配が上がるのか、現代はどう見ているのか、今回の記事の中できちんと結論を出してほしいと思うのは、私だけではないはずだ。 文春がスクープした佐村河内守氏のゴーストライター問題は、まだまだ収まる気配を見せない。 佐村河内氏が自筆の謝罪文を発表したが、その中で聴覚障害2級の障害者手帳を取得したのは事実だが、3年ほど前から「耳元で、はっきり、ゆっくりしゃべってもらうと、こもってゆがむ感じはありますが言葉が聞き取れる時もある」と書いたことで、やはり全聾というのも「ウソ」だったのではないかと疑惑も拡がっている。 それがために、佐村河内氏の依頼した弁護士が辞めてしまうという事態にもなっている。 そこで、文春ではなく新潮お得意の「人の行く裏に道あり」路線の記事を紹介しよう。これが5位。 新潮は「佐村河内氏の仮面を剥いだ週刊文春の記事が、雑誌ジャーナリズムの王道を行く見事なスクープだったこと間違いない」と持ち上げながら、こう書いている。 「今回の騒動も、政治家や芸能人の本をゴーストライターが執筆することと、『構図』としては何ら変わるところがない」 昔から芸術の世界では「代作」が行われてきたのだと、作曲家の青島広志氏がこう語る。 「例えば、ドイツの作曲家メンデルスゾーンの曲の一部は、ファニーという名の彼の姉が書いたものだと言われています。マーラーという有名な作曲家も、奥さんのアルマに多くの曲を書かせていたと言われている。で、奥さんが自分の名も楽譜に載せて欲しいとお願いしたら、“誰が代表するかが重要なのであって、誰が書いたのかは重要ではない”と言ったという逸話も残っています」 また、美術評論家の藤田一人氏は、画の世界でもこうだと話している。 「近世は画家が描きたいものを決めるのではなく、金持ちのパトロンからの注文にいかに応えるかが肝でした。この時代は主張や構想や制作過程が評価対象になるわけではないので、工房制作が多かったのです。“自分で作らず弟子に作らせている”との批判が出始めるのは、画家の感性を重視する近代以降です。近代に入ると、モネ、ルノワール、ピカソなどが登場し、自らの感情や思想を表現するのが芸術、と言われるようになった。そのため、制作過程に他人が介在していることが分かると、観る人は“オリジナルではない”と嫌気がするのです」 佐村河内氏の場合、音符すら書けなかったというのだから、メンデルスゾーンやマーラーと比較するのはどうかと思うが、藤田氏のこういう見方は的を射ているのではないか。 「彼の場合、全聾という苦難などの“物語”を含めて人は魅了されていったわけで、共同制作では受け入れられないという頭が最初からあったはず。で、自分の中で全てを完結させるために、頭を壁に打ちつけ、深夜の公園で長時間苦悩する、といった過剰演出に走ったのでしょう」 新潮は結びで「自分がその曲を良いと思えば、作者が誰であろうと関係ないのだ」と書いている。その通りではあるが、私には別の違和感がある。 この報道が出てから、各メディアは私たちも騙されていたと大騒ぎになった。もちろん、“全聾の作曲家”だと偽っていた佐村河内氏に非はあるが、それを増幅して感動物語に仕立て上げ、視聴率を稼ぎ、本やCDを売りまくった側にほとんど反省もないのはおかしいではないか。 それとも、我々はあいつに騙された被害者だとでも言うつもりなのか。中でも、メディアはペテンの片棒を担いだ立派な加害者である。 文春は、佐村河内氏の虚像を拡大した『魂の旋律~音を失った作曲家』(NHKスペシャル)を制作したNHK側にも取材を申し込んでいると書いているが、調査中だとして答えないという。 メディアは何度も過ちを犯すものだ。だから自分たちが間違ったとわかったときは、視聴者や読者、CDを買った人たちに謝るのがスジではないか。佐村河内氏に損害賠償を求める声が出版社やレコード会社にあるというが、それこそ自分たちの見る目のなさを公表する「恥の上塗り」である。やめたほうがいい。 先々週(2月8日)に続き東京は先週も金曜日から雪が降り、記録的な大雪になった。私は長いこと東京に住んでいるがこんなことは記憶にない。 これは先々週の雪の日の話だが、新潮でホームレスたちが大雪の夜を無事に過ごせたのだろうかという記事をやっている。こういう目線が新潮の持ち味である。 都内には1,000人以上のホームレスがいるというが、新宿の60代のホームレスはこう話している。 「普段は、西口の地下広場で寝泊まりしているけど、あそこは午後11時から午前4時までしか、いちゃいけないことになっている。通勤客に迷惑が掛かるからね。実は、西口近くにある都庁の第二庁舎1階は広いスペースがあって、雨の日や雪の日は我々に開放されている。あそこなら屋根もあるし、風は入って来るが、雪はしのげる」 ここは基本的に歩道扱いで、広さは4,000平方メートルほどあるという。都庁の総務局庁内管理課の担当者は、普段は困るが、雪や雨が降ったときは目をつむっているという。 石原慎太郎都政がホームレスに冷たかったので心配したが、こういうお目こぼしはあっていい。 しかし、こうした緊急避難場所を知っているのはベテランホームレスだけで、ネットカフェにいたがカネが尽きて、西口広場に入り込んだが下に敷く段ボールもなく、壁にもたれたまま夜を明かした者もいる。 山谷公園脇の橋のたもとで、風に吹かれて寒くて仕方なく、ラジオを聞きながら、本当は付けてはいけないガスコンロに時々火を付けながら、一睡もできなかったホームレスもいた。 意外にもスカイツリーのお膝元、鐘ヶ淵駅から10分ほどの所にある隅田川の遊歩道には“裕福”なホームレスが多く、ブルーシートで覆われ木材で作られた2~3畳ほどもある“豪邸”が10戸ほどあるという。 空き缶を拾って売ったりしたカネで自家発電機を持っていて、ストーブもテレビもあるというのだ。 私も家を追い出されたら、まずは隅田川へ行ってみようか。 今週の3位は週刊文春がスクープした、フジテレビのエース女子アナ“カトパン”こと加藤綾子アナ(28)とダルビッシュ有(27)の「極秘デート」だ。 スポニチが2月11日の新聞で報じていたが、これは、文春がダル側に「写真を掲載する」と伝えたため、慌てたダル側が近しい記者に漏らして“衝撃”を弱めようとしたのだと、文春は書いているが、その通りであろう。 2人が行った店に居合わせた客が、ダルは日本酒を飲みながら2人で蟹料理を食べていたと、こう話している。 「2人が割烹に入ってきたのは、まだ客もまばらな午後7時頃。ダルはサングラスをかけていましたが、あの2メートル近い長身ですからすぐに分かりましたよ。加藤アナは白いセーターにベージュのスカートのコンサバ系。派手さはないが、モデルのようにスタイルがよく、お似合いのカップルでした。ダルは店の常連らしく、従業員に『いつもの場所に』と声をかけると、慣れた様子で彼女を奥の席にエスコートしていました」 ネット上では、この蟹料理で有名なミシュラン一つ星の店は「ととや魚新」ではないかと書かれている。私も何度か行ったことのある店だが、おいしい魚料理を食べさせるところである。 2人の事情を知る関係者はこう語る。 「加藤はダルを『人見知りするけど、かわいいいところがある』とベタ惚れでした。先輩の高島彩(34)には盛んに恋愛相談を持ちかけ、煮え切らない態度の彼に『もっとハッキリしてほしい』と苛立ちを隠せずにいました」 ダルといえば女性関係も派手で、元プロゴルファーの古閑美保、AV女優の明日花キララ、横山美雪、声優の平野綾、モデルのMALIAなどと浮き名を流してきた。 中でも古閑とは結婚するのではないかと報じられたが、文春によると、最近終わったという。 先の店で、カトパンが「空けておいて」としきりに言っていた1月31日、文春は再び加藤を追いかけたが、振り切られてしまったようだ。 モノクログラビアに写っている2人の写真を眺めると、なぜフライデーが撮れなかったのだろうと、古巣の編集部の“不振”が思われてならない。それとも古閑“本命”説にこだわりすぎて、こちらが疎かになってしまったのだろうか。 今週の第2位は、週刊ポストの「お父さんがAV男優でごめんな」。自分がAV男優、妻がAV女優だったという夫婦は多いようだが、子どもが生まれ年頃になったとき、子どもにそのことをどう話すのかはなかなか難しいことであろう。 こうした発想から記事を作るポスト編集部に、敬意を表したい。 AV監督で奥さんも美熟女AV女優の元祖で、今は官能小説を書いているという溜池ゴロー監督は、10歳になる息子からこういう質問を受けた。 「父さんの仕事はなに?」 さらに息子は続けた。 「それから、AVってなに?」 とうとうこの日が来たかと、溜池監督は感慨無量だったそうだ。 息子の素朴で無邪気な問いかけに、溜池監督は表情をあらためてこう答えた。 「お父さんの仕事はAV監督だ。ただし、AVってのは、まだお前は観ちゃいけない。18歳になるまで待たなきゃいけないんだ」 「エッチなやつ?」 溜池監督は「そうだ」とうなずく。 溜池監督は息子にこう誓った。 「お前が14歳になったら、父さんの仕事のことだけじゃなく、お母さんのこともすべて話す。だから、お前もそれまでは、AVのことを調べたりするな。いいか、男同士の約束だぞ」 佐川銀次さん(48歳)は、巨根AV男優として知られている。彼は、しみじみとこう話す。 「AV男優というのは、社会の底辺の仕事だと思います。私は、虚栄や驕りを全て吐き出すつもりでこの世界に飛び込んだんですが、やはり女房や子どもには、正面きって告白できないでいます。まだまだ、修行が足りませんね」 その気持ちわかるなぁ。ベテランAVライターは、世間のAVに対する蔑視や偏見がまだまだ横たわっていると語っている。 「あるベテラン男優は、娘さんが結婚する際に、『親子の縁を切ってくれ』と言われたそうです」 別の男優の高校生の娘も、父の職業を知ってグレ始め、ここ数年は音信不通だそうだ。 「男優や女優のお子さんが学校でいじめられるパターンは結構多い。中には、子どもが自殺未遂したケースまであります」(AVライター) 田淵正浩さん(46歳)も、キャリア25年のベテランAV男優。そのうち、娘から自分の仕事について聞かれる日が来るだろうと思っているという。 「その時、娘から不潔とか、許せないとなじられたら、僕は素直に『ごめんね』と謝ります。弁解なんかしないし、仕事の内容も説明しない。ひたすら謝り続けるつもりでいます」 坊主頭にギョロリとした目が印象的なピエール剣さん(46歳)は、こう声を大にした。 「一番大事なのは、僕たち夫婦が、子どもたちを無条件に、とことん愛してあげることです。もし、子どもたちがいじめられたら、僕とカミさんで、最後まで子どもたちを守り抜きます」 その心意気や良し。AVだって立派な仕事、胸を張ればいいというのは無責任な第三者の言うことだ。子どもが父親の仕事のことでいじめられないか、つらい思いをしていないか、親としては幼い子どもの寝顔を見ながらあれこれ悩むのであろう。 田淵さんの、ひたすら謝り続けるという気持ち、わかるな。 今週の第1位はポストの衝撃シミュレーション。沖縄で安保反対闘争が起きるというのである。 これは絵空事ではない。沖縄の日本政府や沖縄以外に住む日本人たちへの恨みは爆発寸前である。内地に住む日本人と同等の権利を持てるという謳い文句で「本土復帰」を果たしたはずなのに、米軍基地は固定化され、本土の“身代わり”にされたままの沖縄の人たちの中に、日本からの独立を真剣に考える者も多くいる。 安倍首相の進める積極的平和主義は、沖縄にさらなる犠牲を強いるものだから、こうした闘争が過激化する要素は十分にある。 沖縄情勢分析を担当する警備・公安関係者が、今そこにある危機を語る。 「昨年から左翼の活動家や基地反対の市民グループが続々と沖縄に入っている。その中には、かつての安保闘争で活動したメンバーも含まれている。名護市長選の前に住民票を同市に移転した基地反対派の新市民だけでもざっと2000人、住居を移していない活動家を加えるとその倍以上にのぼると見られている。基地反対は各セクトが大同団結できるテーマであり、連中は沖縄県民の7割が米軍基地の県内移設に反対していることから、地元の市民を巻き込んで数万人規模の大々的な反対運動を組織しようと動いている。しかも、それと対立する右翼勢力まで乗り込んできた。政府の埋め立て事業が本格化すれば、本土からの活動家や市民ら反対派と、右翼勢力との衝突も予想される」 私は、この見方には与しない。自民党からカネをもらって動くエセ右翼は別にして、真の右翼勢力なら、左翼勢力とはわからないが沖縄人民とは連帯して国と闘うはずである。 返還後、沖縄を“棄民化”してきたヤマトンチュ(大和人)は、沖縄の人たちに謝り、真の本土並みに戻すことを誓わなければ本当の“戦後”は終わらないのだ。 闘争が起こる時期は4月だという。下旬にはオバマ大統領の来日が予定されているからだ。 「そのさなかに米軍基地をめぐって官邸が恐れているような流血の惨事が発生すれば、安倍首相は首脳会談で『日米安保体制の強化』を演出するどころではなくなる。そのとき、事態を重く見た“安倍嫌い”のオバマ大統領が来日中止を判断する可能性は決して小さくない。それは安倍首相にとってまさに祖父が辿った同じ道ではないか」(ポスト) 沖縄にこれ以上米軍基地を押し付けておいていいのか? 安倍首相がこれからも日米安保体制を続けるというのなら、東京や大阪、名古屋に基地を移すべきであろう。 舛添要一都知事は、電力の大消費地である東京に原発を誘致し、東京の米軍基地をもっと拡げ、沖縄の負担を軽減すると宣言したらどうか。そうなったら東京にいたくないという人や企業は、東京から出て行けばいい。快適さだけを享受して嫌なものは遠ざける大都市など滅びてしまえ。東京都民の一人として、私は心底そう思って、怒っている。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」2月28日号 中吊広告より
「感動秘話には裏がある?」“偽ベートーヴェン”騒動に見る、文春のスクープ力
今週のグランプリ 「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった」(「週刊文春」2月13日号) 注目記事 第2位 「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」(「週刊新潮」2月13日号) 第3位 「浅田真央はキム・ヨナに勝てない」(「週刊現代」2月22日号) 第4位 「四代目が決まった! 安倍晋三の『養子縁組』」(「週刊ポスト」2月21日号) 第5位 「JOC副会長・田中英寿日大理事長と広域暴力団トップとの写真流失で、東京オリンピックは大丈夫?」(「週刊文春」2月13日号) 都知事選挙は、事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。 大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票がアテにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。 中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の2人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。 このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。 だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。 さて、今週はソチ五輪が開幕し、関連の記事が多く見られる。 まずは、文春のJOC(日本オリンピック委員会)副会長・田中英寿日大理事長が広域暴力団トップと親しいと報じているモノクログラビア。 一枚の写真がある。真っ青なスーツに派手なネクタイ姿でポーズをとる田中氏(左)と並んで写っているのは、山口組に次ぎ国内第2位の組員数を抱える指定暴力団住吉会を率いる福田晴瞭会長(右)であるという。 その事情を知る関係者は、こう語っている。 「この写真は、98年9月、ホテルニューオータニで開かれたパーティーの席で撮られたものです。その年は、福田氏が住吉会会長に就任し、祝う会が数多く開かれましたが、その一つです。主催者は迷惑がかかると思い声をかけなかったが、田中さんは顔を出した。会費は一人5万円で、引き出物も用意していましたが、田中さんが来たため、引き出物が足りなかったとか」 05年8月、当時、日大理事長だった森田賢治氏は、常務理事だった田中氏をめぐる「暴力団との密接交際」疑惑を究明するため、特別調査委員会を設置した。委員会がまとめた中間報告書は、田中氏の暴力団との交際を認めたという。 田中氏側は「古すぎてまったく覚えがない」と答えているが、公の立場にいる以上、国民への説明責任はあるはずである。 次は、少し気の早いポストの「安倍首相の後継問題」である。 岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代続いてきた安倍家だが、安倍晋三氏と昭恵夫人には子どもがいないため、安倍家のドンである故・晋太郎夫人の洋子さんは、4代目をどうするか考えていたらしい。だが、このほど後継者を“指名”したというのである。 「洋子さんが指さしたのはリビングのテーブルの上に飾られていた一枚の写真。安倍家と森永製菓のオーナーの松崎家(昭恵夫人の実家)、そしてウシオ電機オーナーの牛尾家(長男・寛信氏の夫人の実家)との一族集合写真を大きく引き延ばしたもので、昨年の夏前に撮影されたものだという。 そこで洋子さんが指さしたのは、寛信氏の長男、つまり首相の甥である孫・寛人氏の精悍な姿だった。『跡を継がせる』とは、首相の祖父の寛氏(代議士)──晋太郎氏と続く安倍家の政治的血脈を引き継ぐ『4代目』が決まったことを意味する」(ポスト) 次世代のプリンスは、いかなる人物なのか? 現在23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生。小学生時代、父の寛信氏(当時は三菱商事勤務)の転勤で、ロンドンで生活したことから語学が堪能である。一方で高校(学習院高等科)、大学とアーチェリー部に所属したスポーツマンだという。 まだ首相在任中なのに後継を決めようとしているのは、安倍家には小泉純一郎親子への対抗意識があるからだと指摘するのは自民党ベテラン議員だ。 「官邸は小泉元首相の叛乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉親子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。 首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴットマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」 また、山口県には林芳正・農水相というライバルがいることも後継を早く決めようという“動機”になっていると、政治ジャーナリストの野上忠興氏が解説している。 「林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには、新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」 現代でも、巻頭特集「安倍晋三が悩んでいる!『嫁姑大戦争』」の中でも、安倍の支援者がこう言っている。 「彼女(洋子=筆者注)も高齢だし、先行きを心配している。ごく最近、彼(寛信氏の長男)を後継に決めるよう、晋三さんに言ったとも聞きます」 安倍対小泉の因縁の対決は寛人対進次郎に受け継がれるのか? 私的にはどっちでもいいけどね。 ソチ五輪のハイライトは、浅田真央とキム・ヨナの氷上対決である。19日、20日に行われるフィギュアスケートの決勝は、ソチを最後に引退を表明している浅田にとって、キム・ヨナとの最終決戦になる。 前回のバンクーバー五輪ではヨナが金、浅田が銀。 この2人、生まれたのもスケートを始めたのも同じ年で、ジュニア時代から数えて2人の通算成績は15戦して、浅田はヨナに6勝9敗と大きく負け越している。 スポーツライターの野口美恵氏は、ヨナのすごさをこう語る。 「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディーだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」 安藤美姫と高橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏もやはり、そこがヨナのストロングポイントだという。 「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」 しかし、浅田も秘策を練っていたようだ。トリプルアクセルを1回減らしたというのである。 「昨年末の全日本選手権後、浅田は一度も練習を公開しなかった。よほどトリプルアクセルの精度が悪いのか、と現場で噂になっていた矢先の発表でした。今季、ここまでトリプルアクセルは一度も成功していません。勝てるスケートに徹するのは嫌だが、このままではヨナに勝てないのも事実。おそらく佐藤信夫コーチとぎりぎりまで話し合いを重ねた上で、金メダルを獲るために、『究極の選択』をしたのでしょう」(スポーツライター藤本大和氏) だが、連盟関係者は、金はなかなか難しいと話す。 「トリプルアクセルを成功させ、かつフリーの後半に2つ入れた連続ジャンプをノーミスでクリアすることが絶対条件。その上でヨナがミスをすれば、初めて金メダルが見えてくる」 どちらにしても「その瞬間」を見てみたいものである。 今週の第2位は、新潮らしい記事。 通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の“ひこにゃん”や、熊本県の“くまモン”などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。 ところが、ふなっしーは千葉県・船橋市の非公認キャラ。すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。 ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、“船橋をPRするサイトを作る”という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが“ふなっしー”なのです」 昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど人気は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、一体いくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。 経済アナリストの森永卓郎氏が、こう算盤を弾く。 「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9,000万円。テレビ等出演料が4,000万円。グッズのロイヤリティなどで1,000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5,000万円近くになります」 気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人は、この法人から役員報酬を得る形になっているらしい。 だが、税理士の話によると「いずれにせよ、半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。 経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。 私事で恐縮だが、大雪が降った土曜日(2月8日)の夕方、川崎駅近くにある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で開かれた「東京海上フィルハーモニックオーケストラ第21回定期演奏会」へ行ってきた。 ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」といわれるものだ。残念ながら2,000人が入る会場は、交通事情悪化のため半分ぐらいの入りだったが、100名近いフルオーケストラと300名近い男女の合唱は、神々しいまでに荘厳で迫力に満ちたものだった。 ドイツが東西に別れていた1956年から64年の間に開かれた五輪に合同選手団を派遣した際、国歌の代わりとして、この第四楽章「歓喜の歌」が歌われたそうである。 恥ずかしいが、この年になるまで「第九」を生で聴く機会がなかった。 ベートーヴェンが初めてこの曲を演奏し、終わったとき、全ての聴衆の目には涙が光り、嵐のような歓呼は永遠に止むことがないように思われたという。外が吹雪のせいもあったかもしれないが、同じような“感動”をこの日私も味わった。「ブラボー」の声があちこちから上がり、拍手は鳴りやまなかった。 その楽聖・ベートーヴェンに比して「現代のベートーヴェン」とTIME誌に言わせしめた日本人作曲家が、実はペテン師だったという文春の記事は衝撃的であった。これが久々のグランプリだ! 作曲家・佐村河内守氏(さむらごうちまもる・50)のゴーストライターを務めていた新垣隆氏(43)が、こう告白している。 「私は18年間、佐村河内守のゴーストライターをしてきました。最初は、ごく軽い気持ちで引き受けていましたが、彼がどんどん有名になっていくにつれ、いつかこの関係が世間にばれてしまうのではないかと、不安を抱き続けてきました。私は何度も彼に、『もう止めよう』と言ってきました。ですが、彼は『曲を作り続けてほしい』と執拗に懇願し続け、私が何と言おうと納得しませんでした。昨年暮れには、私が曲を作らなければ、妻と一緒に自殺するというメールまで来ました。早くこの事実を公表しなければ、取り返しのつかないことになるのではないか。私は信頼できる方々に相談し、何らかの形で真実を公表しなければならない責務があるのではないかと思い始めたのです」 この“事件”、新聞やスポーツ紙、ワイドショーでは数日前から騒ぎになっていたが、時間的にいえば、文春が取材し、その新聞広告を手に入れた新聞社がその事実を知り、新聞社名では出しにくいので共同通信に情報を渡し、共同が書いたということになるのではないか。 佐村氏は広島生まれの被爆2世で、全聾の作曲家として一躍有名になった。 2011年に発表した80分を超える「交響曲第一番 HIROSHIMA」(演奏、東京交響楽団/日本コロンビア)は、クラシック界では異例の約18万枚のセールスを記録したという。 また、昨年3月31日に放送された『NHKスペシャル』の「魂の旋律~音を失った作曲家」では、東日本大震災の被災地の石巻、女川を訪ねながら創作する過程が紹介され、それが元で生まれた「鎮魂のソナタ」(演奏ソン・ヨルム/同)は、番組の反響もあって10万枚の売り上げを記録しているそうだ。 この番組は私も見たが、佐村河内の名前を知らなかった私も、内容に感動して、すぐにAmazonでCDを買って聴いてみた。さほど交響曲には感動しなかったが、被曝2世、全聾者という彼の人生が音楽の隠し味になって、聴く者を感動へと誘っていたことは間違いない。 ソチ五輪の男子フィギュアのショートプログラムで、高橋大輔選手が彼の作曲した「バイオリンのためのソナチネ」で滑ることも話題になっていた。 そこに18年間もの間、佐村河内氏のゴーストライターをやっていたという桐朋学園大学音楽学部作曲専攻で講師を務める新垣氏が、「懺悔実名告白」をしたのだ。 2人が出会ったのは、1996年の夏のことだという。年上の佐村河内氏は、新垣氏にこう切り出した。 「このテープには、とある映画音楽用の短いテーマ曲が入っている。これをあなたにオーケストラ用の楽曲として仕上げてほしい。私は楽譜に強くないので」 新垣氏はこの申し出をあっさり受け入れた。佐村河内氏が提示した報酬は数万円。それが、いびつな二人三脚の始まりとなったと文春は報じている。 新垣氏がこう話す。 「クラシック界では、大家の下でアシスタントが譜面を書いたりオーケストラのパート譜を書いたりすることはままあることです。ところが、その後わかったのですが、佐村河内は楽譜に弱いのではなく、楽譜が全く書けない。正式なクラシックの勉強をした形跡もない。ピアノだって、私たちの常識では『弾けない』レベルです」 新垣氏はお金とか名声がほしくて引き受けたのではなく、自分が作曲した音楽を多くの人に聴いてもらえることがうれしかったからだと動機を語っている。 新垣氏は自分たちを「天才的な大馬鹿コンビ」と自嘲していたというが、まさに奇跡の出会いだったようだ。 楽譜の書けない佐村河内氏は、細かい「構成図」を書いて新垣氏に渡したという。文春によればこうだ。 「『中世宗教音楽的な抽象美の追求』『上昇してゆく音楽』『不協和音と機能調整の音楽的調和』『4つの主題、祈り、啓示、受難、混沌』等々、佐村河内は、ひたすら言葉と図で一時間を超える作品の曲想(コンセプト)を書いている。このコンセプトに沿って新垣は、一音一音メロディーを紡ぎだし、オーケストラ用のパート譜を書き起こしていく。つまり、佐村河内はセルフプロデュースと楽曲のコンセプトワーク(ゼロを一にする能力)に長け、新垣は、それを実際の楽曲に展開する力(一を百にする能力)に長けている」 だが、「新潮45」(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考『「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か』を読んで、新垣氏は不安を持った。 野口氏はこう綴っている。 「時にはバッハ風、ときにはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらは刹那的な感動の域を超えることがない(中略)、『交響曲』の最後で(中略)ほとんどマーラーの交響曲(第3番の終楽章?)の焼き直しのような響き」 講談社から出した自伝『交響曲第一番』の中の記述などもウソが多く、新垣氏はここで打ち切ろうというアドバイスをしたが、佐村河内氏は受け入れなかった。 思いあぐねた新垣氏は、自分の教え子でもあり佐村河内氏が曲を献呈していた義手のヴァイオリニストの少女の家族の前で、これまでの真相を話し、謝罪したというのである。 こうして綻びは大きくなり、砂上の楼閣は崩れ始めた。 驚くことに「全聾」というのもウソだと、新垣氏は言っているのだ。 「実際、打ち合わせをしても、最初は手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる。彼自身も全聾のふりをするのに、ずっと苦労したんだと思います。最近では、自宅で私と会う時は最初から普通の会話です」 米誌がつけた“現代のベートーベン”という言葉に踊らされ、日本人の多くが騙されていた感動物語は、思ってもみないエンディングを迎えてしまった。 しかし、これだから人生は面白のだ。昔、ロサンゼルスで妻を何者かに撃たれ、悲劇のヒーローになった三浦和義氏に「保険金詐欺の噂がある」と文春が連載し、大騒ぎになったことがあった。 感動秘話の裏にある、どす黒い真実を暴き出すのも週刊誌の役割である。そういう意味でも、日本中を驚かせた文春は見事である。 なぜ、文春にばかりスキャンダル情報が集まるのだろうか? ここでも何度か書いているが、AKB48のスキャンダルをはじめ、タブーに怖じ気づかず数々のスクープをものにしてきた文春だから、ネタを持っていけばやってくれるという「安心感」がネタ元にあるからだろう。 ほかの週刊誌では、「面白い話ですが、うちではコンプライアンスがうるさくて」とか、「あのプロダクションとはケンカできないので」とかいった「言い訳」で断ることが多いが、文春にはそうした断る理由が他誌よりはるかに少ないのだ。 この騒動が起きたとき、ネタ元は文春だとぴーんと来た。文春恐るべしである。 (文=元木昌彦)「週刊文春」2月13日号 中吊広告より
「感動秘話には裏がある?」“偽ベートーヴェン”騒動に見る、文春のスクープ力
今週のグランプリ 「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった」(「週刊文春」2月13日号) 注目記事 第2位 「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」(「週刊新潮」2月13日号) 第3位 「浅田真央はキム・ヨナに勝てない」(「週刊現代」2月22日号) 第4位 「四代目が決まった! 安倍晋三の『養子縁組』」(「週刊ポスト」2月21日号) 第5位 「JOC副会長・田中英寿日大理事長と広域暴力団トップとの写真流失で、東京オリンピックは大丈夫?」(「週刊文春」2月13日号) 都知事選挙は、事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。 大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票がアテにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。 中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の2人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。 このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。 だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。 さて、今週はソチ五輪が開幕し、関連の記事が多く見られる。 まずは、文春のJOC(日本オリンピック委員会)副会長・田中英寿日大理事長が広域暴力団トップと親しいと報じているモノクログラビア。 一枚の写真がある。真っ青なスーツに派手なネクタイ姿でポーズをとる田中氏(左)と並んで写っているのは、山口組に次ぎ国内第2位の組員数を抱える指定暴力団住吉会を率いる福田晴瞭会長(右)であるという。 その事情を知る関係者は、こう語っている。 「この写真は、98年9月、ホテルニューオータニで開かれたパーティーの席で撮られたものです。その年は、福田氏が住吉会会長に就任し、祝う会が数多く開かれましたが、その一つです。主催者は迷惑がかかると思い声をかけなかったが、田中さんは顔を出した。会費は一人5万円で、引き出物も用意していましたが、田中さんが来たため、引き出物が足りなかったとか」 05年8月、当時、日大理事長だった森田賢治氏は、常務理事だった田中氏をめぐる「暴力団との密接交際」疑惑を究明するため、特別調査委員会を設置した。委員会がまとめた中間報告書は、田中氏の暴力団との交際を認めたという。 田中氏側は「古すぎてまったく覚えがない」と答えているが、公の立場にいる以上、国民への説明責任はあるはずである。 次は、少し気の早いポストの「安倍首相の後継問題」である。 岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代続いてきた安倍家だが、安倍晋三氏と昭恵夫人には子どもがいないため、安倍家のドンである故・晋太郎夫人の洋子さんは、4代目をどうするか考えていたらしい。だが、このほど後継者を“指名”したというのである。 「洋子さんが指さしたのはリビングのテーブルの上に飾られていた一枚の写真。安倍家と森永製菓のオーナーの松崎家(昭恵夫人の実家)、そしてウシオ電機オーナーの牛尾家(長男・寛信氏の夫人の実家)との一族集合写真を大きく引き延ばしたもので、昨年の夏前に撮影されたものだという。 そこで洋子さんが指さしたのは、寛信氏の長男、つまり首相の甥である孫・寛人氏の精悍な姿だった。『跡を継がせる』とは、首相の祖父の寛氏(代議士)──晋太郎氏と続く安倍家の政治的血脈を引き継ぐ『4代目』が決まったことを意味する」(ポスト) 次世代のプリンスは、いかなる人物なのか? 現在23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生。小学生時代、父の寛信氏(当時は三菱商事勤務)の転勤で、ロンドンで生活したことから語学が堪能である。一方で高校(学習院高等科)、大学とアーチェリー部に所属したスポーツマンだという。 まだ首相在任中なのに後継を決めようとしているのは、安倍家には小泉純一郎親子への対抗意識があるからだと指摘するのは自民党ベテラン議員だ。 「官邸は小泉元首相の叛乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉親子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。 首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴットマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」 また、山口県には林芳正・農水相というライバルがいることも後継を早く決めようという“動機”になっていると、政治ジャーナリストの野上忠興氏が解説している。 「林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには、新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」 現代でも、巻頭特集「安倍晋三が悩んでいる!『嫁姑大戦争』」の中でも、安倍の支援者がこう言っている。 「彼女(洋子=筆者注)も高齢だし、先行きを心配している。ごく最近、彼(寛信氏の長男)を後継に決めるよう、晋三さんに言ったとも聞きます」 安倍対小泉の因縁の対決は寛人対進次郎に受け継がれるのか? 私的にはどっちでもいいけどね。 ソチ五輪のハイライトは、浅田真央とキム・ヨナの氷上対決である。19日、20日に行われるフィギュアスケートの決勝は、ソチを最後に引退を表明している浅田にとって、キム・ヨナとの最終決戦になる。 前回のバンクーバー五輪ではヨナが金、浅田が銀。 この2人、生まれたのもスケートを始めたのも同じ年で、ジュニア時代から数えて2人の通算成績は15戦して、浅田はヨナに6勝9敗と大きく負け越している。 スポーツライターの野口美恵氏は、ヨナのすごさをこう語る。 「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディーだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」 安藤美姫と高橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏もやはり、そこがヨナのストロングポイントだという。 「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」 しかし、浅田も秘策を練っていたようだ。トリプルアクセルを1回減らしたというのである。 「昨年末の全日本選手権後、浅田は一度も練習を公開しなかった。よほどトリプルアクセルの精度が悪いのか、と現場で噂になっていた矢先の発表でした。今季、ここまでトリプルアクセルは一度も成功していません。勝てるスケートに徹するのは嫌だが、このままではヨナに勝てないのも事実。おそらく佐藤信夫コーチとぎりぎりまで話し合いを重ねた上で、金メダルを獲るために、『究極の選択』をしたのでしょう」(スポーツライター藤本大和氏) だが、連盟関係者は、金はなかなか難しいと話す。 「トリプルアクセルを成功させ、かつフリーの後半に2つ入れた連続ジャンプをノーミスでクリアすることが絶対条件。その上でヨナがミスをすれば、初めて金メダルが見えてくる」 どちらにしても「その瞬間」を見てみたいものである。 今週の第2位は、新潮らしい記事。 通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の“ひこにゃん”や、熊本県の“くまモン”などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。 ところが、ふなっしーは千葉県・船橋市の非公認キャラ。すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。 ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、“船橋をPRするサイトを作る”という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが“ふなっしー”なのです」 昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど人気は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、一体いくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。 経済アナリストの森永卓郎氏が、こう算盤を弾く。 「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9,000万円。テレビ等出演料が4,000万円。グッズのロイヤリティなどで1,000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5,000万円近くになります」 気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人は、この法人から役員報酬を得る形になっているらしい。 だが、税理士の話によると「いずれにせよ、半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。 経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。 私事で恐縮だが、大雪が降った土曜日(2月8日)の夕方、川崎駅近くにある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で開かれた「東京海上フィルハーモニックオーケストラ第21回定期演奏会」へ行ってきた。 ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」といわれるものだ。残念ながら2,000人が入る会場は、交通事情悪化のため半分ぐらいの入りだったが、100名近いフルオーケストラと300名近い男女の合唱は、神々しいまでに荘厳で迫力に満ちたものだった。 ドイツが東西に別れていた1956年から64年の間に開かれた五輪に合同選手団を派遣した際、国歌の代わりとして、この第四楽章「歓喜の歌」が歌われたそうである。 恥ずかしいが、この年になるまで「第九」を生で聴く機会がなかった。 ベートーヴェンが初めてこの曲を演奏し、終わったとき、全ての聴衆の目には涙が光り、嵐のような歓呼は永遠に止むことがないように思われたという。外が吹雪のせいもあったかもしれないが、同じような“感動”をこの日私も味わった。「ブラボー」の声があちこちから上がり、拍手は鳴りやまなかった。 その楽聖・ベートーヴェンに比して「現代のベートーヴェン」とTIME誌に言わせしめた日本人作曲家が、実はペテン師だったという文春の記事は衝撃的であった。これが久々のグランプリだ! 作曲家・佐村河内守氏(さむらごうちまもる・50)のゴーストライターを務めていた新垣隆氏(43)が、こう告白している。 「私は18年間、佐村河内守のゴーストライターをしてきました。最初は、ごく軽い気持ちで引き受けていましたが、彼がどんどん有名になっていくにつれ、いつかこの関係が世間にばれてしまうのではないかと、不安を抱き続けてきました。私は何度も彼に、『もう止めよう』と言ってきました。ですが、彼は『曲を作り続けてほしい』と執拗に懇願し続け、私が何と言おうと納得しませんでした。昨年暮れには、私が曲を作らなければ、妻と一緒に自殺するというメールまで来ました。早くこの事実を公表しなければ、取り返しのつかないことになるのではないか。私は信頼できる方々に相談し、何らかの形で真実を公表しなければならない責務があるのではないかと思い始めたのです」 この“事件”、新聞やスポーツ紙、ワイドショーでは数日前から騒ぎになっていたが、時間的にいえば、文春が取材し、その新聞広告を手に入れた新聞社がその事実を知り、新聞社名では出しにくいので共同通信に情報を渡し、共同が書いたということになるのではないか。 佐村氏は広島生まれの被爆2世で、全聾の作曲家として一躍有名になった。 2011年に発表した80分を超える「交響曲第一番 HIROSHIMA」(演奏、東京交響楽団/日本コロンビア)は、クラシック界では異例の約18万枚のセールスを記録したという。 また、昨年3月31日に放送された『NHKスペシャル』の「魂の旋律~音を失った作曲家」では、東日本大震災の被災地の石巻、女川を訪ねながら創作する過程が紹介され、それが元で生まれた「鎮魂のソナタ」(演奏ソン・ヨルム/同)は、番組の反響もあって10万枚の売り上げを記録しているそうだ。 この番組は私も見たが、佐村河内の名前を知らなかった私も、内容に感動して、すぐにAmazonでCDを買って聴いてみた。さほど交響曲には感動しなかったが、被曝2世、全聾者という彼の人生が音楽の隠し味になって、聴く者を感動へと誘っていたことは間違いない。 ソチ五輪の男子フィギュアのショートプログラムで、高橋大輔選手が彼の作曲した「バイオリンのためのソナチネ」で滑ることも話題になっていた。 そこに18年間もの間、佐村河内氏のゴーストライターをやっていたという桐朋学園大学音楽学部作曲専攻で講師を務める新垣氏が、「懺悔実名告白」をしたのだ。 2人が出会ったのは、1996年の夏のことだという。年上の佐村河内氏は、新垣氏にこう切り出した。 「このテープには、とある映画音楽用の短いテーマ曲が入っている。これをあなたにオーケストラ用の楽曲として仕上げてほしい。私は楽譜に強くないので」 新垣氏はこの申し出をあっさり受け入れた。佐村河内氏が提示した報酬は数万円。それが、いびつな二人三脚の始まりとなったと文春は報じている。 新垣氏がこう話す。 「クラシック界では、大家の下でアシスタントが譜面を書いたりオーケストラのパート譜を書いたりすることはままあることです。ところが、その後わかったのですが、佐村河内は楽譜に弱いのではなく、楽譜が全く書けない。正式なクラシックの勉強をした形跡もない。ピアノだって、私たちの常識では『弾けない』レベルです」 新垣氏はお金とか名声がほしくて引き受けたのではなく、自分が作曲した音楽を多くの人に聴いてもらえることがうれしかったからだと動機を語っている。 新垣氏は自分たちを「天才的な大馬鹿コンビ」と自嘲していたというが、まさに奇跡の出会いだったようだ。 楽譜の書けない佐村河内氏は、細かい「構成図」を書いて新垣氏に渡したという。文春によればこうだ。 「『中世宗教音楽的な抽象美の追求』『上昇してゆく音楽』『不協和音と機能調整の音楽的調和』『4つの主題、祈り、啓示、受難、混沌』等々、佐村河内は、ひたすら言葉と図で一時間を超える作品の曲想(コンセプト)を書いている。このコンセプトに沿って新垣は、一音一音メロディーを紡ぎだし、オーケストラ用のパート譜を書き起こしていく。つまり、佐村河内はセルフプロデュースと楽曲のコンセプトワーク(ゼロを一にする能力)に長け、新垣は、それを実際の楽曲に展開する力(一を百にする能力)に長けている」 だが、「新潮45」(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考『「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か』を読んで、新垣氏は不安を持った。 野口氏はこう綴っている。 「時にはバッハ風、ときにはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらは刹那的な感動の域を超えることがない(中略)、『交響曲』の最後で(中略)ほとんどマーラーの交響曲(第3番の終楽章?)の焼き直しのような響き」 講談社から出した自伝『交響曲第一番』の中の記述などもウソが多く、新垣氏はここで打ち切ろうというアドバイスをしたが、佐村河内氏は受け入れなかった。 思いあぐねた新垣氏は、自分の教え子でもあり佐村河内氏が曲を献呈していた義手のヴァイオリニストの少女の家族の前で、これまでの真相を話し、謝罪したというのである。 こうして綻びは大きくなり、砂上の楼閣は崩れ始めた。 驚くことに「全聾」というのもウソだと、新垣氏は言っているのだ。 「実際、打ち合わせをしても、最初は手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる。彼自身も全聾のふりをするのに、ずっと苦労したんだと思います。最近では、自宅で私と会う時は最初から普通の会話です」 米誌がつけた“現代のベートーベン”という言葉に踊らされ、日本人の多くが騙されていた感動物語は、思ってもみないエンディングを迎えてしまった。 しかし、これだから人生は面白のだ。昔、ロサンゼルスで妻を何者かに撃たれ、悲劇のヒーローになった三浦和義氏に「保険金詐欺の噂がある」と文春が連載し、大騒ぎになったことがあった。 感動秘話の裏にある、どす黒い真実を暴き出すのも週刊誌の役割である。そういう意味でも、日本中を驚かせた文春は見事である。 なぜ、文春にばかりスキャンダル情報が集まるのだろうか? ここでも何度か書いているが、AKB48のスキャンダルをはじめ、タブーに怖じ気づかず数々のスクープをものにしてきた文春だから、ネタを持っていけばやってくれるという「安心感」がネタ元にあるからだろう。 ほかの週刊誌では、「面白い話ですが、うちではコンプライアンスがうるさくて」とか、「あのプロダクションとはケンカできないので」とかいった「言い訳」で断ることが多いが、文春にはそうした断る理由が他誌よりはるかに少ないのだ。 この騒動が起きたとき、ネタ元は文春だとぴーんと来た。文春恐るべしである。 (文=元木昌彦)「週刊文春」2月13日号 中吊広告より
NHK新会長 前代未聞の大放言で危惧される、“言論機関”NHKの行く末――
今週の注目記事 第1位 「舌禍は時間の問題!『籾井勝人』NHK新会長の履歴書」(「週刊新潮」2月6日号) 第2位 「くすぶる非正規の恨み」(「AERA」2月10日号) 第3位 「ビビりまくりの安倍に小泉が仕掛ける『2月8日』の最終爆弾!」(「週刊現代」2月15日号) 第4位 「専門家が警告 糖質制限ダイエットで『寝たきり』が続出」(「週刊現代」2月15日号) 第5位 「デヴィ夫人に殴られた女性は後藤田代議士の“不倫相手”だった」(「週刊文春」2月6日号) このところ何度か書いているが、フライデーに元気がない。今週号も「滝川クリステルと小澤征悦 老舗そば屋で『大人の恋』」というのは多少引きはあるが、右の大特集が「アベノミクス最後の砦『株価と景気』崩れ始めた」では買う気にならない。 読者は、一般週刊誌と同じものをフライデーで読みたいと思うだろうか? 写真週刊誌は「写真」で勝負しなくてはならないはずである。「アベノミクスに翳り」でも「特定秘密保護法反対」でもいいが、できる限り驚きのある一枚写真で見せてほしいものである。 写真で勝負する雑誌が、時代に遅れをとっていることも心配だ。このところ、法廷内の写真や動画までがYouTubeに上がっているという。 私が編集長の頃、開かれた法廷にすべきだという大義名分で、オウム事件の麻原彰晃被告(当時)の法廷内写真を撮ろうと何度か試みたことがある。結局、たいした写真は撮れなかったが、当時、携帯電話の機能がもっとよくなっていたら、法廷内からの生中継なども携帯を通してやれたはずである。 すでにそうしたことを“素人”さんたちにやられてしまっているのに、フライデーが何もしないのでは、写真誌の存在理由を問われかねない。一層の奮起を望みたい。 まずは、デヴィ夫人の一見バカバカしい騒動が暴き出した、テレビ現場の「ヤラセ」を報じた文春の記事。 デヴィ夫人には、二度ばかり会ったことがある。週刊現代編集長時代だからだいぶ前になるが、彼女が定宿にしていたホテルの部屋だったと記憶している。 会った印象は、“気の強い女性だな”という、ごく当たり前のものだった。無理もない。インドネシアの利権をもらおうと画策した政商たちのために、スカルノ大統領に“貢ぎ物”として差し出され、第三夫人にまでのし上がった「戦後の裏面史」を生きてきた人なのだから、生半可な女性ではない。 スカルノ亡き後、インドネシアを離れ日本に舞い戻ってきた彼女の心中は、いかばかりであろう? だが、そうした怒りや哀しみを押し隠し、テレビのバラエティで“悪役”を演じ、怒りをぶちまけているのは、自分を“売った”祖国への恨みを晴らしているのではないか? 彼女の出ているテレビを見ながら、そんなことを考えることがある。 その彼女が、またワイドショーをにぎわしている。番組出演中に出ていた素人の女性に、平手打ちを喰らわせたというのだ。文春を見てみよう。 事件の舞台となったのは、バラエティ特番『奥様はモンスター2』(TBS系/1月15日午後7時放送)だった。 「収録は一月九日、世田谷のレモンスタジオで行われました。司会はお笑い芸人ブラックマヨネーズの二人、ひな壇にはデヴィ夫人、西川史子、奈美悦子、吉本芸人トリオのパンサーらが並びました」(番組関係者) この番組にモンスター妻役として出演したのは、現役クラブホステスのA子さん(33)だった。 「彼女の設定は女王様。主夫の旦那はナンバーワンホステスの妻にかいがいしくマッサージをして癒やし、妻がお茶と言えば深夜でもコンビニに走る。しかし、いくら尽くせど妻が浮気する……という再現VTRが流れた後で夫が現れました。いかにも尻に敷かれそうな気弱な男性です」(同) ふてぶてしく座るA子さんは、ディレクターの指示通りに、デヴィ夫人に絡み始めた。「私もホステスやってますが、デヴィ夫人も、赤坂の『コパカバーナ』にお勤めでしたね。どうやってインドネシア大統領夫人という玉の輿に乗れたんですかぁ?」 小バカにした言い方で挑発するA子さん。すると、デヴィ夫人の顔はみるみるこわばったという。 「その瞬間、デヴィ夫人は席を立ちツカツカとA子さんに歩み寄り、黙って右手を上げ、A子さんの顔めがけて振り下ろしたのである。右、左、右と三発、さらに四発目の拳を振り上げた時、飛び出してきたスタッフたちに羽交い締めにされた」(文春) デヴィ夫人はそのまま帰ってしまったが、その後、A子さんは成城署に被害届を出し、大騒ぎになったのだ。 デヴィ夫人が暴力を振るったのは大人げないが、このA子さんも相当したたかな女性であることが判明する。 フライデー(11年6月17日号)に、自民党のイケメン政治家・後藤田正純代議士(44)の不倫が報じられたが、その相手がAさんだったのだ。 御曹司政治家を手玉にとったというのである。 担当刑事が示談を勧めたが、交渉は難航した。デヴィ夫人の知人はこう憤る。 「A子は示談金をふっかけ、なんと1億要求してきた。結局、両者は示談金200万円で和解した」 しかし、ことはそれだけでは収まらないと文春は追及している。 そもそもこの番組は、ヤラセだった可能性が極めて高いというのだ。 「確かに二人は一時期恋人同士で、同居していました。しかし、番組が二人に出演依頼した当時、すでに別れていました」(A子さんの周辺人物) 番組は「完全実話」と銘打って放送されているから、これが事実ならば「ヤラセ」である。 さらに、こんな証言もあるという。 「実はA子さんに支払われた示談金200万円の一部は、TBS側が負担しているのです。収録現場は制作会社に任せきりで、局側の担当者が不在だった。それが露見したら、もっと大きな問題になる。他局の芸能ニュースではこのネタで持ち切りなのに、TBSでは完全無視なのはそのためです」(TBS関係者) 実話だと思って見ている視聴者をバカにした話ではないかと怒ってみても、テレビでは日常的に行われているのだから、腹を立てるだけバカバカしい。デヴィ夫人の暴力沙汰が起きなければ、こうした内情が知られることはなかったのだから、バカバカしい騒動も怪我の功名か。 お次は、最近ブームといわれる「糖質ダイエット」への疑問を呈した現代の記事。ポストでも同じようなものをやっているが、やや“肯定的”なので、現代のほうを取り上げた。 このダイエットのやり方はシンプルで、ご飯やパン、イモ、果物などの炭水化物に含まれる糖質の摂取量を一日130グラム以下に抑えるというものだ。 炭水化物を極力減らせば、おかずはなんでも好きなだけ食べていい。もともとは、糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものだそうだ。私の友人の中にもやっているのがいるが、安全なのだろうか? 糖質制限ダイエットは危険だと、糖尿病の世界的権威、関西電力病院院長の清野裕医師がこう解説する。 「人間には一日170gの糖が必要とされています。そのうちの120~130gは脳で消費され、30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです」 このダイエットをやっていた70歳の男性が、ある日、尻もちをついて尾てい骨の骨を折ってしまった。調べたら、骨密度がたった1年半で10%も落ちていたことがわかったという。 現代によれば、寝たきりの原因ナンバー1の脳卒中も、糖質制限ダイエットと深い関わりがあるということが、最新の医療調査で明らかになったという。某医師が、こう話している。 「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。その結果、血管が痛んだり老化が進んだりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです」 過度の制限をするのではなく、こうしたらいいと、食物学学術博士の佐藤秀美氏が言う。「高齢でも、体型がどうしても気になる、という人はたくさんいると思います。そういった人は、甘い菓子などの炭水化物の間食をやめるだけで、大きな効果が得られるはずです。(中略)高齢者は糖質制限をすれば、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、体はどんどん老化します」 ポストは、北里大学北里研究所病院糖尿病センターの研究チームが日本人の糖尿病患者24人を対象に食事療法の比較研究を行い、「日本人にも糖質制限食は有効だ」とした論文が今年1月、医学誌に掲載されたと報じている。 しかしポストも、タンパク質過剰摂取による腎臓悪化や成人病リスクが高まるという批判があると警告している。 国立国際医療研究センター病院の糖尿病研究連携部は、昨年1月に糖尿病でない人の糖質制限食に関する海外の複数の論文を分析し、対象者約27万人の死亡率は糖質制限していない人の1.31倍という分析結果を発表したと書いている。 糖質制限ダイエットは効果が大きい分、極端な制限は体の負担も重い“両刃の剣”という指摘もあるというのである。 それでも、あなたは「炭水化物」をやめますか? 第3位は、今週日曜日(2月9日)に投開票の都知事選挙の話題。多くの新聞の調査では舛添要一氏が細川護煕氏を引き離して有利な戦いをしていると出ているが、現代は、細川側はまだギブアップはしていない、大勢逆転の「秘策」があると報じている。 では、勝負の行方を決定付ける驚くべきシナリオとは何か? 細川陣営の選対幹部がこう明かしている。 「小泉さんと細川さんの脱原発活動はこの都知事選で終わらず、これから予定されている知事選や地方選でも脱原発候補を擁立し、全国を応援演説で回るつもりです。だったら、都知事選の選挙期間中に新党の発足を発表してしまえばいい。舛添氏不支持を表明した小泉進次郎さんが新党の党首に就任。投票日直前に細川氏の隣で演説をすれば、インパクトは絶大です」 さらに、こう続ける。 「そのまま進次郎さんが都の副知事に、脱原発を具体的に進める『エネルギー戦略会議』の議長には小泉純一郎さんが就任。東京五輪・パラリンピックに向けた2期目の選挙で細川さんが都知事の椅子を進次郎さんに禅譲すれば、全世界に向けて若きリーダーの姿を発信できる。これが今、われわれが思い描いている最高のシナリオです」 進次郎氏は、東京五輪開催時でもまだ39歳。そこから中央政界に戻ったとしても、「小泉新党」を後ろ盾に総理の目は十分にある。その頃には、自然エネルギーを根幹とした「原発ゼロ社会」が実現しているに違いない、と現代は書いている。 さらに政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、宇都宮健児氏が納得すれば、脱原発で候補者を一本化するウルトラCもありえるという。舛添氏と細川氏の一騎打ちの構図になれば都民の関心も盛り上がり、細川氏の逆転勝利の可能性は高まるというのである。 私はまんざらありえないことではないと、読んでいて思った。脱原発新党を旗揚げし「ストップ・the・安倍」を掲げれば、もはや都知事選ではなく国政選挙並みのインパクトを与えるはずだ。 もはや細川はお飾りで、小泉対安倍の戦争になっているのだから、進次郎を巻き込んで一大決戦をしてもらいたいものだ。そうすればアベノミクスで呆けている東京都民も目を覚ますと思うが、果たしてそうなるのだろうか? 期待薄だが、小泉ならやるかもしれないという期待感があることは間違いない。 マルハニチロの冷凍食品に農薬「マラチオン」を混入させた容疑で阿部利樹容疑者(49)が逮捕されたが、その容貌や奇矯な日常が関心を集めている。 文春によると、阿部容疑者は妻と長男の3人で群馬県大泉町で暮らしているが、自宅周辺ではちょっとした有名人だったらしい。 改造したビッグスクーターに乗り、大音量の仮面ライダーの歌をかけて走り回っていたという。 そのほかの趣味は、アニメのコスプレとカブトムシの養殖だった。高校卒業後は自動車部品を扱う会社や新聞配達などを転々とし、8年前からアクリフーズ群馬工場で冷凍食品の製造に関わることになったという。 同社の従業員の話では「愛想がよくて、たまにほかの製造ラインに現れては、冷凍する前の揚げたてのコロッケを、よく“つまみ食い”していました」というから、根暗なタイプではなかったようだ。 文春のモノクログラビアに、逮捕時の写真が出ている。醜悪な中年オヤジそのもので、いかにも悪いことをやりそうな悪相だが、動機はなんなのだろう? AERAは「非正規の恨み」だと報じている。これが今週の第2位。 2年ほど前、アクリフーズ群馬工場の事務棟2階で給与制度の変更に伴う説明会が開かれたという。 白い作業着を着た工場の契約社員約100人が、スーツを着たアクリフーズ本社の人事担当者2人と向き合うような形で座った。 人事担当者は「努力して評価を高めていただければ、時給が上がるため、当面は年収に大きな変化はない」といい、新制度では「頑張った人が報われるんです」と繰り返したそうだ。だが、契約社員にとって、その実態は違うものだった。 この集会に参加していた契約社員はこう言う。 「ウソばっかりですよ。私も時給は上がりましたが、年収ベースでは約20万円下がった。60万円下がった同僚もいます」 会社側の説明によれば、阿部容疑者は勤務態度に問題はなく、時給は契約社員のうち、真ん中だったという。 だが、2012年4月から賃金体系が「年功制」から「能力型」へと変更されたため、阿部容疑者の年収は約200万円に下がったという。 前出の契約社員は、阿部容疑者がロッカールームで「こんな会社もうやめる」「こんなクソ会社どうなってもいい」と、たびたび不平不満を口にしているのを耳にしたという。 さらに元同僚は、阿部容疑者に同情を感じるとまで言っている。 「会社の幹部が記者会見で『従業員からの不満はなかった』と話すのを聞いた時は、怒りが込み上げてきた。表向きは会社が被害者なのだろうが、待遇を考えると、引き起こした原因は会社にもあるのでは、と思わざるを得ない。他の人が事件を起こしていたかもしれない」 首都圏青年ユニオン事務局次長の神部紅さんによれば、ここ数年、アクリフーズのような新評価制度の導入に伴って給与が大幅に下がったという相談が増えているという。 「露骨に下げると反発を招くので、方便として評価制度を装っていますが、企業側は最初から人件費削減の目的で導入しているのです」 したがって「今も現場に不平不満の種は残り続けている。セキュリティー強化が根本的な解決になるのだろうか」と、AERAは疑問を呈している。 こうした視点の記事が、週刊誌にはもっとあってほしい。阿部容疑者が犯した罪は断罪するとしても、その背景にある非正規雇用者の待遇や収入の問題を改善しなくては、こうした事件がこれからも起きることは間違いないのだから。 アベノミクスなどは、一部の大企業と富裕層のものでしかない。非正規雇用の割合は2012年に35.2%と過去最高になったとAERAが書いている。大企業優遇、軍備増強を推し進める安倍首相の暴走を止めるために、週刊誌はもっと批判してもいいはずだ。 NHKの新会長になった籾井勝人氏(70)の就任会見での“放言”が国際問題になっているが、これも安倍首相の人事介入に端を発しているのだ。新潮の特集が一番読み応えがあった。これが今週の第1位。 おさらいしておくと、戦時の従軍慰安婦について問われた新会長は、こう話したのである。 「戦争をしているどの国でもあったでしょ。独仏にありませんでしたか。そんなことはない。じゃあ、なぜオランダに、今ごろまだ飾り窓があるんですか。僕が一番不満なのは、韓国が今やっていること。日本だけが強制連行したみたいなこと言っているからややこしい。『カネ寄越せ、補償しろ』と言っている。全て、日韓条約で解決しているのに、なぜ蒸し返されるのか」(新潮より) このほかにも、問題発言はまだある。 「尖閣諸島・竹島などの領土問題で、一部経費を国が負担する海外向け放送による政府見解の発信強化に意欲を見せ『政府が右ということを左というわけにはいかない』と述べた」(1月28日付朝日新聞より) この御仁、三井物産で鉄鋼一筋でやってきて、役員、米国法人の社長、02年には専務に昇格し、一時は次期社長かといわれたことがあったという。 だが、籾井氏が通っていた銀座のオーナーママによると、物産の社長になれないとわかったとき、会社のデスクをひっくり返して暴れたという。 そのバーでも酔って暴れて出入り禁止になったというから、粗暴の人のようである。 子会社の社長になっても実績を残せず、終わったと思われていたのが、今回の抜擢人事で有頂天になり、 「俺が会長として、放送をひいてはメディアを変えてやる」(NHK幹部) と意気込んでいたようだが、ハナからつまずいてしまった。 メディアの長たる者が、権力者に阿(おもね)って韓国批判をしたついでにヨーロッパの国名を挙げて中傷するなどは、前代未聞である。メディアのイロハもわからず、権力のポチになり下がった人間にNHKを委ねていいはずはない。 三井物産は過去にも元会長の池田芳蔵氏がNHK会長になったが、わずか9カ月で辞任に追い込まれたことがある。今回はいつまで持つのだろう? 今ひとつ、気になることがある。NHKの会長人事は12人の経営委員会で決定される。昨年12月に安倍首相は、そこへ自分と親しい4人の経営委員を送り込み、籾井氏が選ばれたのだが、そのひとりである作家の百田尚樹氏が、この件についてこうツイートしたといわれる。 <毎日新聞では、籾井氏の発言に対し、「経営委員側からは『外交問題に発展しかねない。選んだ側の責任も問われる』と失望の声がもれた」とあるが、少なくとも経営委員である私は何も言っていないぞ。誰が失望したんや!名前書けや> また、百田氏は都知事選に関して、こうもツイートしているそうだ。 <私は関西在住だが、舛添にも細川にも、東京都の知事にはなってほしくないと思っている。もし私が東京都民だったなら、田母神俊雄氏に投票する> 誰を支持するのも勝手だが、こういう考えの人間たちが大メディアであるNHKを支配しているのかと思うと、情けなくなる。 このままではNHKは言論機関ではなくなってしまう。そうした危機感が内部から出てこなければいけないはずであるが、今のところ聞こえてこない。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」2月6日号 中吊広告より
東電解体、キャロライン駐日大使……細川・小泉陣営、都知事選大逆転のシナリオとは?
今週の注目記事 第1位 「選挙の魔術師・小泉純一郎が仕掛ける『大逆転の秘策』」(「週刊ポスト」2月7日号) 「衝撃の生データ 舛添が圧倒的勝利 これでいいのか!?」(「週刊現代」2月8日号) 「ニュースがやらない『都知事選』重大ニュース」(「週刊新潮」1月30日号) 「小泉進次郎は純一郎の操り人形か」(「週刊文春」1月30日号) 第2位 「芦田愛菜養護施設ドラマ放送中止騒動のウラ事情」(「週刊文春」1月30日号) 第3位 「バレンティン妻『私はあの男に殺される!』」(「週刊文春」1月30日号) 第4位 「ワタミ宅配弁当『イモ虫混入』報告書すっぱ抜き!」(「週刊文春」1月30日号) 第5位 「5000人超大アンケートでわかったセックス県民性2014最新版」(「週刊ポスト」2月7日号) 今週も注目記事の中心は都知事選だが、それを分析する前に、いくつか紹介しよう。 まずは、ポストの軟らかい記事。一般社団法人日本家族計画協会・家族計画研究センター所長の北村邦夫医師がコンドームメーカー・ジェクスの協力のもと「ジャパン・セックス・サーベイ2014」を実施したそうだ。 なかなか興味深いものがある。 10代での初体験率は1位が青森県、2位高知県、3位新潟県で最下位は山形県になっている。 正常位を最も好む割合は1位が北海道、2位が沖縄県、3位は徳島県で最下位は岡山県だ。 挿入時間が3分以内、いわゆる早漏県は1位が宮城県、2位が群馬県、3位が沖縄県で、最下位は千葉県。千葉県が遅漏県ナンバー1ということか。 オーガズムを感じたことのない女性が多いのは、1位が富山県、2位が意外にも東京都、3位が鹿児島県で、最下位は徳島県だという。 性感染症予防にコンドームを使用するのは1位が福島県、2位が東京都、3位が神奈川県で最下位は北海道となっている。 続いては、文春の記事が連続3本。 渡辺美樹参議院議員はワタミグループの創業者で、資産190億円ともいわれているそうだ。 そのワタミグループでトップの経常利益を叩き出す弁当宅配事業に、トラブルが頻発していると文春が書いている。ワタミの宅配弁当を製造する「ワタミ手づくりマーチャンダイジング」の社員がこう語っている。 「お客様から『お弁当の中に3cmほどのイモ虫が混入していた』というクレームが寄せられ、今回の異物混入が発覚しました」 文春が手に入れた「異物鑑定報告書」と題された内部文書には、この芋虫はカブラヤガの幼虫だったと記述されているという。 さらに、弁当を配達する「ワタミタクショク」の営業所長A氏は、 「ビニール片、木片、虫などが混入しているというお客様からのクレームは日常茶飯事です。過去には、輪ゴム、十円玉が混入していたなどのクレームもありました」 また昨年、社内で問題になったのは、賞味期限切れの弁当の誤配だという。関西の営業所などで複数発生し、社内メールでも再発防止のために注意が呼びかけられたそうだ。 これら一連の問題に対して、ワタミは文春に次のように回答している。 「当該工場でご指摘の異物混入が発生したこと、また昨年、前日分の弁当を誤って配送したことは事実です。(中略)全ての案件について原因を解明し再発防止策を講じております」 こうした宅配弁当を食べるのは、一人住まいの高齢者が多いはずだ。くれぐれも細心の注意を払ってもらいたいものである。 文春は前号に続いてジャーナリストの三山喬氏が、本塁打王・バレンティンの妻のインタビューをしている。 彼はインタビューの最中、バレンティンが自宅に乱入し、カルラ夫人と口論になり、彼女の腕を無理やりつかんで寝室に連れ込み、阿鼻叫喚の惨劇が続いたのを目撃していた。 さまざまな文書や携帯の画像記録などを提示しながらの夫人の訴えには、それなりの説得力が感じられたそうだ。しかし、いくつかの疑問も残った。 そこで三山氏はバレンティンの故郷キュラソーへ裏付け取材に行く予定でいたというのだが、そのことを夫人に明かすと、彼女は頑強に抵抗したというのである。 不審に思った彼は、ベネズエラの北約60キロ、人口約15万人の島、オランダ領キュラソーへ赴く。 この島では、本塁打記録を樹立したバレンティンを島ぐるみの歓迎パレードで迎えたり、市街地にバレンティン通りができたりと、熱狂的なブームに沸いていたという。 それだけに、バレンティン逮捕のニュースは、島に特大の衝撃をもたらしたそうである。 バレンティンの実母アストリッドさんや姉夫婦に話を聞くと、夫人とはまったく違う話が飛び出した。 「ココ(バレンティンの愛称)の性格の二面性を言うなら、彼女の人格のほうがもっとメチャクチャ。おっとりした性格のココをこんなに怒らせたのは、彼女のしつこい嫌がらせが原因だったに違いない」 さらに、こうも言ったそうだ。 「カルラがココの女遊びについて『女たちはみんなあなたのカネが目当てなのに』と咎めたことがあったの。そしたら、息子はこう言い返したのよ。『お前だってそうだろう』って」 どちらの言い分が正しいかわからないが、結局はカネをめぐっての醜い争いのようである。私のような持たざる者には、こうした揉めごとが起きる心配はないが、ヤンキースに行く田中将大は莫大な金額を手にするようだが、そっちのほうは大丈夫だろうか。いらぬお世話だが。 地元の裁判所からの決定が出て、バレンティン選手の出国が認められたそうだが、今回の汚名を晴らすには、昨季以上の活躍が求められよう。ムリだろうが。 さて、1月23日の「asahi.com」にこんな記事が載った。 「日本テレビ系ドラマ『明日、ママがいない』(水曜午後10時)のスポンサー、JX日鉱日石エネルギー(ブランド名エネオス)とキユーピーは、22日に放送された第2話で、CMの提供をしなかった。放送前、JX日鉱日石は『視聴者からのご意見をふまえ、CMの放送は控えさせていただきます』とコメント。キユーピーも前日、提供社名を外すことを協議しているとしていた。(中略) 芦田愛菜(9)主演同作は児童養護施設が舞台。これまで施設関係者を傷つける恐れがあるなどとして、『こうのとりのゆりかご』(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院のほか全国児童養護施設協議会、全国里親会が放送中止や表現の改善を求めている。慈恵病院は22日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付した。またこの日、熊本市の幸山政史市長は会見で『過激な描写や演出、現実離れした表現が多く誤解を与えかねない。局は、施設当事者の声を真摯(しんし)に受け止めてほしい』と述べ、改善を求めた」 文春は、今号でいち早くこの問題を取り上げている。 今月15日にスタートしたこのドラマは、脚本家の野島伸司氏が脚本監修を務めている。 児童養護施設を舞台に、第1話では、鈍器で恋人を殴る傷害事件を起こした母親に見捨てられ、グループホームにやってきた少女が、施設でリーダー的存在の「ポスト」(芦田)に出会う。 赤ちゃんポストに預けられ、親を知らないまま育っているためについたあだ名だという。そして、新参者に付けられたあだ名は「ドンキ(鈍器)」だった。 その施設で“魔王”と呼ばれる冷酷非情な施設長から、朝ごはんの食卓を囲む子どもたちには、 「お前たちはペットショップの犬と同じだ」 「犬だってお手ぐらいはできる。わかったら泣け。泣いたヤツから食っていい」 などと罵倒される。 こうした扇情的な描写が功を奏したのか、初回視聴率は14%という好成績だったという。 この番組放映後、日本で唯一「赤ちゃんポスト」を運営する熊本の慈恵病院が物言いをつけたのだ。 同病院は「施設の子どもへの偏見を生む」として、日本テレビに放送中止や関係者の謝罪などを文書で求め、BPOへ申し立てをしたのである。 また文春によれば、日テレ関係者は養護施設について取材し、専門家の監修も受けていると言っているようだが、実際にこのドラマの「児童養護施設監修」を請け負った元養護施設長の岡本忠之氏は異を唱える。 「1話と2話の台本を読み、施設の実態とあまりにもかけ離れていることは、日テレにも伝えました。特にドラマに出てくる施設長について、『あんなふうな言動をしていたら、厚生労働省のほうから即刻注意されますよ』とアドバイスしました」 専門家からダメ出しがあったにもかかわらず、日テレの制作サイドは特に方針を変えることはなかったということのようだ。 さらに、日テレの局関係者は「結局、良くも悪くも話題作になった。視聴率を考えればガッツポーズです」と話している。 野島氏は『高校教師』や『人間・失格』『聖者の行進』(すべてTBS系)などで、タブーをテレビドラマに持ち込むことで知られている。『聖者の行進』の第4話には、知的障害者へのリンチ場面があり、こんなセリフがあったという。 「お前らは猿だ! 見せ物小屋の猿なんだよ!」 だが、ドラマの最後まで見なければ、脚本家が何を言おうとしているのかわからないのだから、日テレはCMが入らなくても続けるべきである。 やたらコンプライアンスなどが騒がれだし、少し過激な状況や表現を使うことを自粛したり、スポンサーが圧力をかけてくる状況を、私は苦々しく思っている。 少し前に『若者たち』という映画を再び見直した。両親のいない貧しい3人兄弟と長女の物語で、初めはTBSの連続ドラマであった。 60年代、安保闘争や学生運動が世の中を騒がし、まだ高度成長の波が届いていない貧困地域に暮らす若者たちには、頑固な長兄(田中邦衛)との壮絶なケンカが絶えない。 このドラマでは原爆後遺症で悩む青年や、在日朝鮮人の差別問題、学生運動とは何かなどがリアルに語られる。こうした社会性の強い番組が、テレビでもできた時代があったのである。 いたずらに過激な設定と言葉を並べ立て、話題にして視聴率を稼ぐだけなら、そんな番組は即刻中止すべきだ。日テレと脚本家は、なぜ今このドラマをやらなくてはならないのかを視聴者にわかってもらう努力をしなくてはいけない。 BPOが丸ごと正義であるはずはない。堂々と自らの正しさを、BPO委員たちの前で主張したらいい。そうしたことをおざなりにしてきたから、テレビは力を失い、視聴者は離れていったのだから。 さて、都知事選も中盤に差し掛かっているが、自公に連合の支持まで取り付けた舛添要一候補の優勢は揺るがないようである。 脱原発を争点にしない戦略はここまでは功を奏しているが、新潮は舛添候補の「原発好き」は持ち馬の馬名からもわかると報じている。 「舛添さんの本音は、原発の再稼働です。(中略)舛添さんは、脱原発の有権者を刺激したくなかったから曖昧なことを言っただけに過ぎません。なにせ、一億円以上稼いだ馬の名前がアトミックサンダー(原子の稲妻)ですからね。そもそも彼は参院議員時代から親原発で、新聞に原発の必要性を説いた文章を寄せたこともあるほどです」 このコメントは、自民党関係者のものである。 私は知らなかったが、舛添氏は大変な競馬好きで、これまでに所有した競走馬は個人、共同、一口馬主を含めると少なくとも25頭にもなるという。そのうちの一頭が大化けしたそうだ。競馬記者がこう振り返る。 「東京の大井競馬場は、地方競馬では最大規模を誇ります。その最大のレースは東京ダービー。舛添さんの持ち馬が1997年、98年と2年連続で勝利したのです」 さらに、このアトミックサンダーは戸塚記念などでも勝利し、生涯成績は16戦8勝で、獲得賞金の総額は1億1,006万5,000円に上ったという。 「女性はともかく、馬を見る目は確かです」と、その競馬記者も太鼓判を押している。 確かに舛添氏は「東電全原発停止でどうなる電力危機」と題した文章を、2003年4月26日付の産経新聞に寄せている。 「京都議定書で掲げられた地球温暖化ガス6%の削減目標に到達するのは容易ではない。もはや、石油や石炭を多用するわけにはいかないのである。この点でもクリーンな原発の重要性を正当に位置づけるべきである」 文春は、福祉政策を前面に掲げる舛添氏の「反福祉的私生活」を、こう批判している。 1月14日の都知事選出馬会見で舛添氏は「私の政治の原点は母親の介護です」と言い放ったが、身内が反論しているというのである。舛添氏の姪がこう語る。 「祖母の介護のことをまた持ち出していましたが、事情を知る者にとっては本当に頭にきます。近所でも叔父の本当の姿を知っている人たちは、誰も良くは言わないし、私もとても応援する気にはなりません」 舛添氏は1998年に『母に襁褓(むつき)をあてるとき──介護 闘いの日々』(中央公論社)を出版した。認知症が進む母・ユキノさんを介護した体験と、介護をめぐって長姉夫妻と対立し、絶縁にまで至った経緯を赤裸々に描き、長姉のことを過剰なまでに罵った。 だがその後、長姉が文春の取材に答えて「要一が本で書いている内容は、全部反対の話だ」と反論し、近所に話を聞いてみたが、長姉の話を裏付けたようである。 「生活保護を受けていた姉の扶養を断る一方で、舛添氏は愛人の子供の教育費の減額を求めて調停を申し立てたこともある。安倍首相に都知事選の応援を求められた元妻の片山さつき氏から『障害を持つ婚外子に対する慰謝料や扶養が不十分だ。解決されていない』とダメ出しされたのも、宜(うべ)なるかな」(文春) 一方の細川護煕候補だが、心配されていた通りの優柔不断ぶりと小泉純一郎氏の陰に隠れてしまっている存在感の薄さが、支持を拡大させていないようである。 だが、細川支持を前面に出しているポストに続いて現代も「舛添が圧倒的勝利 これでいいのか」と、有権者に迫っている。 では、劣勢を挽回するうまい手はあるのか? 現代で、細川陣営の選対関係者が選挙戦術をこう明かしている。 「選挙期間中は小泉さんと2人でガンガンと街頭演説をします。さらに、投票直前の2月に入ったら、都内某所を借り切って数万人規模の集会も行う予定です。これだけ大きなイベントをすればメディアも取り上げざるを得ないでしょう」 では、自民党側は楽勝だと思っているのかというと、そうでもないようである。自民党幹部が戦々恐々としながら、こう語る。 「小泉さんは、国民世論が何を求めているのか、それを察知する能力が異様に高い。今回も脱原発を、都民や有権者が思わず食いつくような政策につなげて押し出してくるかもしれない。たとえば景気対策の一環として、『脱原発減税』などを掲げてくるかも。再生可能エネルギーを活用する企業や個人は、大幅な税の軽減措置が得られるとか。あるいは、都が東京電力の大株主であることを利用し、『東電を世界最大の自然エネルギー企業に生まれ変わらせる』とか言われても困る。東電については、破綻だとか税金泥棒だとか、とかくマイナスイメージが付きまとっていますが、そうやって超ポジティブな方向性を打ち出されると、東電解体を恐れているメガバンクや霞が関などが、『それはいい』と言って寝返ってしまうかもしれない」 現代は「脱原発は日本経済を破壊するのではない。この国を再生し、新たな発展を歩むための政策なのだ──。小泉氏が何度も語ってきたこの概念が、あと2週間でどこまで浸透するかが勝負の分かれ目となる。そして、それは十分に可能だろう」と書く。 細川氏が勝つには、政治ジャーナリスト鈴木哲夫氏が言うように「投票率が70パーセント近くになると、浮動票が流れ込み、細川氏が勝つ可能性が出てきます」ということだろう。 ポストは、選挙の魔術師・小泉氏には「大逆転勝利」への秘策があるとする。細川候補に成り代わって、大メディアが書き立てる原発ゼロ潰しに反論し、細川候補が首相辞任に追い込まれた佐川急便からの1億円借り入れ問題とNTT株取引疑惑についても「説明責任」を果たしている。 細川陣営にとっては、ポスト様々であろう。 現代同様、大逆転のシナリオがあるという。そのひとつが「原発即ゼロ」に対する抵抗勢力・東京電力の解体であるという。 「千葉にメガソーラー発電所、東京臨海部に画期的に低コストのガス火力発電所建設を打ち出す。もともと東京都には自前の発電所建設構想があったが、日本のメーカーは東電の支配下にあるから、高い見積もりになっている。そこで、海外メーカーからの機材調達でコストを大幅に引き下げ、東電支配を打破すれば、原発ゼロでも電力コストを下げることができることを、具体的な数字を交えて示す。そのうえで都民に高い電気代を払わせている元凶の東電は分割・解体すべきだと掲げる」 と、細川選対関係者が話している。 次なる秘策は、キャロライン駐日大使を使うことだという。ほとんど知られていないが、細川氏とケネディー家は、知的障害者の競技大会「スペシャルオリンピック(SP)夏季世界大会」を通じて、深いつながりを持っているというのである。 このSPの創設者はジョン・F・ケネディ大統領の妹のユーニス・ケネディーで、ケネディ家が全面的にバックアップしてきた。現在はキャロライン氏の従兄弟、ティモシー・シュライバー氏が国際本部会長を務めているそうだ。 一方、SP日本の創立者で、現在、名誉会長を務めているのが細川氏の夫人、佳代子さんなのである。 投開票日の1週間前の週末、キャロライン大使が「日本のSP夏季大会の招致を応援したい」と表明し、佳代子夫人と行動を共にするようなことがあれば、細川氏の強力な援護射撃になることは間違いないというのだ。 また、森喜朗元総理が「五輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる」と発言したが、これは「ウソ」だと反駁する。 なぜなら、オリンピック招致委員会は昨年1月にIOC(国際オリンピック委員会)に提出した「立候補ファイル」の中で、原発停止中の2012年7~8月の電力ピーク時にも東京電力には708万kwの予備電力があったことを詳しく説明し、〈2020年東京大会で発生する追加需要に対して、既に十分に対応可能な状況にある〉と、原発なしでも電力は十分足りることを報告していたからだ。 そのほかにも「原発ゼロなら毎年3兆円国富が流出する」、「原発ゼロなら電気代は3倍になる」などもウソだと反論している。 細川首相が辞任を決断したNTT株4億2000万円取引の真相についても詳しく記述し、細川氏を首相退陣に追い込んだ村上正邦氏(元自民党参院議員会長)に、佐川急便問題はでっち上げだったと言わせている。 「検察が押収していた佐川の貸付記録には、借りっぱなしになっている自民党の大物たちの名前が連なっていて、だからこそ、検察も資料が出せなかったんだ。(中略)追及する自民党側は佐川から金をもらったままだったんだから、無茶苦茶な話だよ」 週刊朝日では、こんな情報も載っている。 安倍晋三首相夫人の昭恵さんが、細川陣営のブレーンの1人である元経産官僚の古賀茂明氏と首相公邸で「密会」していたのだ。 しかも、昭恵夫人はFacebookに古賀氏と面会した時の写真を掲載して、さらに衝撃が広がったという。 「昭恵さんといえば、昨年は『脱原発』の主張を繰り返す『家庭内野党』として、注目を集めた人物である。古賀氏を直撃すると、『公邸で会ったのは事実だが、中身は話せません』とやけに口が重い」(朝日) 細川陣営の関係者は「細川支援を打診したのでしょう」と言っているが、そうだとしたら話は面白くなるが、可能性は低いだろう。 また、細川陣営のブレーンの1人は、こんなことを言っている。 「実は小泉、細川両氏は、細川氏が都知事を1期4年務めた後、進次郎氏に禅譲する案を持っている」 こうした「秘策」が本当に公表された場合、劣勢の細川氏の追い風になるのだろうか。 1月27日付の朝日新聞は、都知事選の動向をこう報じている。 「朝日新聞社が25、26両日に実施した東京都知事選の情勢調査で、舛添要一氏(65)が細川護熙氏(76)ら他の候補をリードしていた。自民党の支援で手堅く支持を広げる舛添氏に対し、細川氏の陣営では争点を『脱原発』に絞ることを見直す動きが出ている」 私は、見直す必要はないと考える。東京は、あれだけの大惨事を起こし、いまだに自分の住んでいた町や村に帰れない人が大量にいるのに、原発事故を「他人事」としか考えない人間たちの集団なのだろうか。 東京という一地方が国の原発政策に口を出すのはおかしいという声があるが、そんなことはない。 東京都の予算は特別会計等を含めると約13兆円もあり、黒字で、国からの地方交付税を受けていないから、国も東京都の意向は無視できないのだ。 もちろん福祉政策は大事だが、東京五輪がなぜ争点になるのか。五輪開催は決まったのだから、なるべくカネをかけず、細川・小泉陣営のいうとおり再生可能エネルギーを使う努力をして、世界初の「クリーン・オリンピック」を実現すれば、世界中から称賛されること間違いない。 原発がなければ日本経済が発展しないならば、そんな経済は原発事故が再び起こる前に破綻してしまえばいいのだ。 脱原発を高らかに宣言する絶好の機会を、都民はなぜ自ら示そうとしないのか、私には理解できない。 安倍首相よ、仮に舛添氏が勝ったとしても、脱原発を主張する細川氏と宇都宮健児氏の得票数を足して1票でも舛添氏を上回ったら、都民の“意思”は脱原発なのだから、再稼働は中止すべきだと思うが、いかがだろうか。 消費税値上げや円安、物価上昇で、国民の生活が苦しくなることは目に見えている。しかし、国政選挙は当分行われないから、民意を問う機会は都知事選を逃せばなかなか来ないのだ。 東京都民が、国や官僚たちの言いなりになるほどバカではないことを、都知事選で示そうではないか。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」2月7日号 中吊広告より








