今週の注目記事 第1位 「ブレーン(本田悦朗・内閣官房参与)が決意の告白!『総理と差し違えても、「消費税10%」は阻止します』」(「週刊現代」9/20・27号) 第2位 「大原麗子が綴っていた『森進一との離婚』『田村正和への思い』『渡瀬恒彦と暮らした日々』」(「週刊現代」9/20・27号) 第3位 「景気急降下、再びデフレへ」(「週刊現代」9/20・27号) 第4位 「佐々木主浩『実娘号泣告白』『継母・榎本加奈子は中2の私を追い出した』」(「週刊文春」9/11号) 第5位 「“ブラック女帝”たかの友梨『残業代払えない』のに15億円豪邸」(「週刊文春」9/11号) 第6位 「朝日新聞の断末魔」(「週刊文春」9/11号) 「『47都道府県購読シェア』が示す大新聞離れの猛スピード」(「週刊ポスト」9/19・26号) 今週は珍しく、週刊現代が1位から3位までを独占した。めでたい! 文春と新潮の朝日新聞批判はとどまるところを知らないが、朝日新聞の連載陣からも批判が出ている。 「今回の検証は、自社の報道の過ちを認め、読者に報告しているのに、謝罪の言葉がありません。せっかく勇気を奮って訂正したのでしょうに、お詫びがなければ、試みは台無しです。朝日の記事が間違っていたからといって、『慰安婦』と呼ばれた人たちがいたことは事実です。これを今後報道することは大事なことです。でも、新聞記者は、事実の前で謙虚になるべきです。過ちは潔く認め、謝罪する。これは国と国との関係であっても、新聞記者のモラルとしても、同じことではないでしょうか」 これは、9月4日の朝日の連載コラム「池上彰の新聞ななめ読み」上の、池上氏の言葉である。 月に1回の新聞批評だが、本来これは8月末に載るべきものだった。これを朝日が掲載拒否したため、池上氏が連載を降りると言いだし、渋々朝日が「社内での検討や池上さんとのやり取りの結果」、掲載することが適切だと判断したというのである。 何をバカなことを、というのが私の感想である。週刊誌には、多くの社外ライターによる連載やコラムがある。編集部の方針と違うことをその人たちが書くことはままあるが、それだからといってその週は掲載しないとか、書き換えてくれなどということはありえない。 9月4日の朝日新聞には週刊文春と週刊新潮の広告は出ていたが、新潮には●が2カ所ある。東京新聞によると、「売国」と「誤報」という言葉だという。 確かに、文春も新潮も広告のほとんどが朝日批判の文言で埋め尽くされている。これを見る朝日の人間はつらいとは思うが、身から出たサビである。耐えなければいけない。 新潮は、ウルトラ保守の作家・百田尚樹氏まで動員して批判しているが内容に新味はない。強いてあげれば、従軍慰安婦について書いた元朝日記者で、今は北海道の北星学園大学で非常勤講師を務める植村隆氏が、コンビニへ走って新潮と読売新聞を買い込み、じっと目を凝らしていた(それを新潮の記者がじっと見ていた)というところか。 文春は、朝日新聞内部に強力な「協力者」がいるのであろう、内容的には一日の長がある。木村伊量社長の社内メールがそっくり載っている。 「『慰安婦問題を世界に広げた諸悪の根源は朝日新聞』といった誤った情報をまき散らし、反朝日キャンペーンを繰り広げる勢力には断じて屈するわけにはいきません」 「今回の紙面は、これからも揺るぎのない姿勢で慰安婦問題を問い続けるための、朝日新聞の決意表明だと考えています」 決意はいいが、朝日の名物コラム「素粒子」を執筆していたOB轡田隆史氏の言葉をなんと聞く。 「木村社長自らが一面に登場して、潔く謝罪するべきでした。朝日の『従軍慰安婦』報道は決定的にひどい誤報です。(中略)何の説明にもなっていない記事を出してうやむやにし、時間が経過するのを待っているように思える。今の朝日は、醜態を晒し続けています」 さらに文春は、われわれはこれだけ朝日のスキャンダルをやってきたのだぞと「100連発の一覧表」まで出している。かつての編集長で現在、産経新聞の「正論」よりも右だといわれる「Will」の花田紀凱編集長まで登場させて「私が6年間で80本も朝日批判を載せた理由」を語らせている。 中身はともかく、花田氏の写真はいつの? 40代の髪フサフサの頃のだろうが、今は71歳。確かに元気だが頭は坊さんのようにツルツルだぜ。神は細部に宿るというのは、文春や新潮がよく使う言い回しではないのか。 さらにオヤ? と思うのは、かつてテレビ朝日・久米宏の『ニュースステーション』で鋭いコメントを発して人気があったSさん(本文中は実名)の、「バナナ不倫」のことを持ち出していることである。 Sさんのことは、彼が「AERA」にいる頃から私も知っている。朝日らしからぬ面白い人だったが、『ニュースステーション』に出て人気が出始めた頃、文春誌上で愛人に閨のことまで暴露され、テレビから消えつらい日々を過ごした。 長いこと地方支局を回っていたが、最近は東京に戻った。私も会ったが元気で、昔のSさんに戻ったようだった。 文春によれば、5年前に件の愛人はがんで亡くなったという。2人の人生は、彼女が文春に告白したことで大きく狂っていったのであろう。だが、このスキャンダルは朝日新聞本体とは関係がない。朝日批判に引っかけて持ち出す話ではないはずだ。 文春の特集の中で気になったのが、朝日の現場の若手たちの声だ。20代社員がこう言っている。 「これまでは『朝日新聞です』と自信を持って名刺を出せたけど、今は出しづらい雰囲気」 昔、ビートたけし軍団が「フライデー」編集部に乗り込んで傷害事件を起こしたとき、大新聞を先頭に写真誌批判が巻き起こった。その頃、編集部の若手たちがこう嘆いていた。 「取材相手に『フライデー』と名乗れないので、講談社といって会いにいっています。首尾よく会ってくれても、たけし事件やプライバシー侵害について聞かれ、取材になりません」 私はほかの部署にいたが、編集部員が自分の所属している誌名を名乗れないような雑誌は潰すべきだと、社内で主張した。編集部員が自分のやっている雑誌に誇りを持てなくなっては、魅力ある誌面づくりなどできようはずはない。毎週10万部単位で部数が落ちていった。 同じようなことが朝日新聞でも起こらないとは限らない。沖縄のサンゴを傷つけて写真を撮った写真部員の不始末の責任を取って、当時の一柳東一郎社長は職を辞した。 社長が辞めることが最善だとは思わないが、今度のことは木村社長自らが決断してやらせたのではないか。これだけの批判を浴びているのだから、社内メールでふざけたことをほざいていないで、表に出てきて釈明した後、出処進退を潔くするべきだ。 そうしなければ、朝日新聞が今後、NHK批判や安倍首相批判をしても説得力に欠けてしまう。 私は、文春や新潮の論調にすべて組みするわけではない。だが、今回のことが戦後の朝日新聞の歴史の中で最大の危機だということは間違いない。 この機に乗じて、読売新聞や産経新聞が紙面で朝日批判を繰り広げるばかりではなく、販売面でも朝日排撃に出ているという。 今井照容氏責任編集の【文徒】(9月8日)によると、 「読売新聞を購読している世帯には朝日の慰安婦報道検証に対する批判を読売の紙面から抜粋したチラシが折り込まれた。内容は朝日新聞の慰安婦報道の問題点を指摘し、読売新聞に掲載された識者の声や社説の転載、8月5日以降に寄せられた読者の声(主に朝日への批判と読売への激励)で構成されている。見出しは『慰安婦報道検証 読売新聞はどう伝えたか』で、一貫して朝日新聞の報道内容を批判するものとなっている」 産経新聞も負けてはいないようだ。次のようなチラシを配布している。 「…8月5日、朝日新聞は従軍慰安婦報道での『誤報』を一部認めまし確かし、朝日新聞の報道が韓国の反日世論に火をつけ、国際社会で日本を貶めようとする勢力に利用されてきた事実を認めようとしません。この報道により、日本国民、そして子供から孫の世代まで汚名を着せた朝日新聞の責任は重く、大罪です。産経新聞は、一貫して、『強制連行説』は事実ではない、と正当な報道をしてきました。まずは、産経新聞を手に取って見て下さい」 相手のヘマに乗じて、部数をぶんどろうという魂胆が見え見えで卑しい。 ポストは、全国紙と言われている朝毎読が、実は全国紙などではないと書いている。朝日は800万部を割った2010年上半期から急激に部数が減り始め、この1年でも約20万部減。読売はさらに深刻で、震災のあった11年に1000万部を割り込み、この1年で約30万部減となっているという。 朝日の全国普及率は13.2%に過ぎず、シェア1位の県は1つもない。朝日批判に血道を上げる他の全国紙も威張れたものではない。シェア1位は読売が9都府県、毎日が1県のみ。実に30以上の道府県の人にとって、一番の情報源は地元紙なのだそうである。 お次は第5位。エステの女王、というらしい。高野友梨社長(66)が率いる友梨ビューティクリニックの女性エステシャンたちが「残業代などの支払い」を求めて揺れていると文春が報じている。 エステシャンの一人に聞けば「勤務は朝九時から夜十時までが日常です。休憩はほぼ取れず、夜になって初めて立っておにぎりを食べることも。新人は一年続けば頑張ったほうで、毎年三百人が辞めていきます」という、ブラック企業のようである。 だが、高野社長は社員の前で「労働基準法にぴったりそろったら(会社は)絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち。それで困らない?」と、威圧したというのである。 彼女のセレブぶりは有名だそうで、渋谷区の一等地に建つ豪邸は数億円もするが、土地の購入も建築費も会社が出していると、調査会社担当者が話している。 全身シャネルで包んだ高野社長は「社員は宝だと思ってきました」と答えているが、とてもそうは思えない。 文春というのは、つくづくすごい雑誌だと思う。多少考え方に違いはあるから辛口も言うが、毎週スクープを連発する底力には恐れ入る。 今週は、元横浜ベイスターズの大魔神・佐々木主浩の醜聞だ。佐々木は大リーグでも活躍し、引退してからは馬主としても成功している羨ましい人間だと思っていた。 だが文春によれば、元アイドルと結婚して一男一女をもうけたが、大リーグに移籍した03年に女優・榎本加奈子(33)との不倫がバレて離婚。佐々木は2人の子どもの親権を持ち、榎本は正妻になり、2人の子どもを産んでいるという。 今回、佐々木というより継母・榎本への恨みつらみを告白しているのは、前妻の間にできた長女(22)である。 中学1年の時、わずか自分と12歳しか違わない継母と同居した長女は、相当つらい人生を送ったようだ。榎本は弁当を作ってくれず、作ってくれと頼みこんでもらった弁当を開けたら「豆腐が一丁と醤油が入っていました」。父親が不在の時は、夕食も用意されていなかったことが度々あったという。 耐えきれずに佐々木に内緒で実母に会いにいったら、約束を破って子どもに会ったということで実母は離婚の慰謝料を剥奪されたそうだ。 そのうち、継母から「一緒に住めないから出て行って」と言われ、父方の祖母の家に行かされる。継母が実子を連れてハワイに行っているとき、佐々木が自宅に呼んでくれたことがあったが、帰国した継母が「トイレットペーパーの減りが早い」と勘を働かせてバレてしまったというから、この母と娘の仲の悪さは、ただごとではないようだ。 今年、体調が悪くバイトを休みがちなので、継母に家賃の援助を申し出たら「風俗でもやれば」と言われたという。この言葉に衝撃を受けた彼女は自殺未遂を起こすのだが、佐々木も継母も「世間にバレたらどうするの?」と言うばかりだった。 自宅に物を取りに入ったら、不法侵入だと被害届を出され事情聴取をされたそうだ。 これに対して、佐々木のマネジャーが本人に確認を取った上でこう答えている。 「榎本との確執は彼女(Aさん)が一方的に思っていることでしょう。彼女の被害妄想もあると思う」 被害届は、反省を促そうと佐々木が出したそうだ。 長女側の、なさぬ仲の継母への恨みや一方的な思い込みはあるのだろう。だが、実の娘にここまで告白されてしまうのは、父親として問題なしとは言えないはずだ。 佐々木は「僕の教育が間違ったのかもしれない」と言っているそうだが、父親としての役割を果たし長女にそれなりの愛情を注いできたのだろうか。これを読む限り、大魔神は父性に欠けたところがあったと言われても仕方あるまい。 第2次安倍内閣初の内閣改造が終わったが、どうも評判は芳しくないようだ。重厚内閣だと見当外れの評価をしている御用評論家や新聞があるが、私に言わせれば、この内閣は「消費税増税&原発再稼働内閣」である。 それは財務省の言いなりの麻生太郎を留任させ、自民党内を抑え込むために消費増税を野田佳彦前首相と決めた谷垣禎一が幹事長に据えられたことでもわかる。 週刊誌の報道によると、小渕優子経産相は安倍首相が嫌いだということだが、もしそれが本当だとしたら、安倍は相当嫌味な人事をしたことになる。政府の原発政策も曖昧なまま再稼働に突き進めば、国会内だけではなく多くの世論を敵に回すことになる。それに、彼女が耐えられるとはとても思えない。将来の総理候補などとおだてられている彼女が、ぼろ切れのように捨てられる日が来るのではないか。 現代によると、ここに来てからあらゆる経済指標が急降下を始めていて、再びデフレへ戻りかねないという。中でも深刻なのは、不動産販売の落ち込みだ。 「4月の消費税増税を前に、今年1~3月期には、住宅・マンション・不動産など大口の駆け込み需要が急増し確かしその後はぱったりと止み、4~6月の商業不動産投資額も前年度同期比マイナス15%と大幅に減っていることがわかった。『家やマンションを買うと、家具や身の回り品を揃えるため、1軒あたりおよそ150万円前後の追加需要も発生します。これらが4月以降は丸ごと消えてしまっているのですから、そう簡単に消費は回復するはずがありません』(アセットベストパートナーズ中原圭介氏)」 東京短資チーフエコノミストの加藤出氏もこう話す。 「この先、消費税10%への再増税に踏み切り、日銀の掲げる年率2%のインフレ目標が達成されれば、実質賃金の低下分を勘案すると、再来年には安倍政権発足前に比べて約9%も物価が上がる計算になります」 その上、谷垣幹事長をはじめ、財務省の言いなりの増税OK大臣が各省にシフトされた。もはや、10%への引き上げを安倍首相は決断していると見るのが当然であろう。 少しは安倍のライバルになるかと思われた石破茂だが、「最後は『部屋なし・机なし・秘書なし』大臣をあてがわれ、唯々諾々と従った石破氏。安倍総理は『また座敷楼に押し込んでやった』と言わんばかりだった」(総理側近) ケンカもろくにできないことが露見した石破茂に従う者などいないと、現代は厳しく批判する。 朝日新聞9月7日の「政治断簡」に、面白い川柳が永田町ではやっていると書いている。それは「石破氏を たたいて渡る 安倍総理」というそうだが、石破氏には耳の痛い戯れ唄であろう。 では、アベノミクスがほぼ失敗するのが見えているのに消費税10%に引き上げることに対して「抵抗勢力」はいないのか? その前に、今でもファンの多い亡き女優・大原麗子の肉声を綴った自作のスクラップをスクープした現代の記事を紹介しよう。 最初に結婚して。生涯好きだったらしい俳優の渡瀬恒彦については、こう書いているそうだ。 「すごく可愛いし カッコイイよ渡瀬サン 初めてで最後の婚約 結婚」 だが、この結婚は5年で破局を迎える。 実弟の大原政光氏は「渡瀬家の家風に馴染めなかった」ため、結婚したら女は家に入るべきだという渡瀬家との溝が大きくなっていったという。 ここには書いていないが、結婚している間に森進一との“不倫”騒動があったことも、離婚を後押ししたと思う。 彼女は、若い頃から子どもを欲しがっていたようだ。 彼女は難病のギランバレー症候群を発症するが、それを克服して80年に森進一と結婚する。しかし結婚生活は、彼女が予想していたようには進まなかった。 「姉が『子供ができた』と相談してきました。もちろん森さんとの間にできた子です。しかし姉はこのとき、あるドラマの主演が決まっており、出産は降板を意味していた。姉は『堕ろしたい。病院を紹介して欲しい』と言った。決意は固かったですね。森さんは何も知らなかった。姉が一人で決めたんです。ただ、悩んだ末の決断だったことは確かです。というのも、姉は中絶した直後に、キャッシュカードの暗証番号を変えたんです。新しい番号は、子供を堕ろした日付でした」(政光氏) その後、84年に森と離婚。彼女には好きな俳優がいて、そのことをスクラップ・ブックに書いていたという。田村正和を尊敬していたようだ。高倉健もその一人。こう書いているという。 「健さん、人にきびしく、自分に甘いと思うわ。でもでも大好き。そんけいしてます」 意外なことに、ビートたけしもファンだったようだ。 「私が大ファンだって知ってたでしょ 恥ずかしいから云わなかったの、云えなかったの」「(フライデー襲撃事件を受けて)君らしいカッコイイヨ 彼女を守ったんだから。私も男だったら一人でフライデー行くな」 ファンからたくさん、なが~く愛されている大原麗子だが、自分を一生愛してくれる男には出会えなかったようだ。彼女は心の中の寂しさを、このスクラップ・ブックに書き込むことで憂さを晴らしていたのだろうか。 ここに書かれた男たちは、一度も彼女を抱いてやらなかったのだろうか。 さて、消費税10%増税に意外な人物が現代で声を上げた。これが今週の第1位! それは本田哲朗内閣官房参与である。78年に東大法学部を卒業し、同年に大蔵省に入省。世界銀行金融セクタースペシャリスト、在ニューヨーク日本国総領事財務部長などを経て第二次安倍内閣が発足した12年から現職。安倍首相とは旧知の仲で「ブレーン」と見られている。 「私が増税前に想定していた中でも最悪のケースです。そう言っても過言ではないほど、4月に消費税を8%に上げて以降の日本経済は、厳しい状況にあります。4~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は、前年の同期と比較して年率に換算するとマイナス6.8%。内需、消費、投資、住宅投資、どの数字も軒並みマイナスです。特に消費についての数値は、統計を取り始めてから最大の下げ幅と言われるくらいの激しい落ち込みを見せています。(中略)増税前は景気が徐々に回復していて、賃金も上がっていたはず。それなのになぜ、実質賃金がマイナスだったのか。それはデフレ脱却のために、賃上げよりもはるかに速いスピードで、物価上昇が進んでいたからです。(中略)国民が増税のショックに苦しんでいる現状があるのに、さらに10%まで上げる。10%はキリの良い数字ですから、1万円なら1000円と、すぐに計算できてしまう。その分、与える圧迫感は8%よりはるかに高いと、私は想像しています。そうなればますます消費は減退し、実質賃金のマイナスも拡大するでしょう。(中略)消費増税を進めたい人の中には『増税は'12年の3党合意で決まったことなのだから、粛々と行うべきだ』と主張する人もいる。しかし、3党合意した当時は、アベノミクスの『ア』の字もなかったのであり、増税とアベノミクスというふたつの政策には、何ら整合性がありません。むしろ、矛盾していると言えます。車にたとえるなら、アクセルを全開にしながら、ブレーキを踏んでいるようなものです。(中略)アベノミクスには日本の未来がかかっている。だからこそ、消費増税で景気の腰を折ることは、絶対に避けなくてはなりません」 先週、現代のインタビューに答えたクルーグマンの言葉を紹介した。「日本経済は消費税10%で完全に終わります」と彼は断言していた。 株価は勢いを失い円安で輸入品の価格は上がり、少しばかりの賃上げでは焼け石に水の状態だ。もはや、アベノミクスは失敗したといってもいいのではないか。 もはや四方八方手詰まりになってきた安倍首相の断末魔も、そう遠いことではなさそうである。 (文=元木昌彦)「週刊現代」9/20・27号
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自民・石破茂幹事長、集団的自衛権について首相と「とことん話して」いなかったという驚き

「週刊ポスト」9月12日号(小学館)
ヒトラー“生命の泉”計画を倣って王国建設!? 謎が深まる「タイ代理出産問題」
今週の注目記事 第1位 「高橋大輔に無理チューしていた橋本聖子 セクハラ写真公開」(「週刊文春」8/28号) 第2位 「タイ代理出産光通信御曹司・重田光時 乳幼児『養育農場』に初潜入!」(「週刊文春」8/28号) 「億万長者『光通信創業者』ご長男の人間牧場」(「週刊新潮」8/28号) 第3位 「天皇が漏らされた2015年『訪韓』のご決意」(「週刊文春」8/28号) 第4位 「安倍『連日の歯医者通い』の異変」(「週刊ポスト」9/5号) 第5位 「湯川遙菜さんの父親が慟哭告白」(「週刊現代」9/6号) 第6位 「『女性に優しい企業』ランキング」(「週刊朝日」9/5号) 今週の論争記事 「朝日新聞の慰安婦報道検証記事について」 講談社現代新書から『ジャーナリズムの現場から』という本が出た。この本に関わったわけではないが、このタイトルは私が週刊現代編集長時代に作った2ページ連載のタイトルである。 若い編集者に、ジャーナリズムの中で起きていることを勉強してもらおうと始めたもので、自分で言うのはなんだが、内外から好評の連載であった。今回の人選は、私には今ひとつピンとこないが、懐かしい。 注目記事には取り上げなかったが、現代のみのもんたインタビューとポストのビートたけしの連載に注目すべき発言がある。まずは、みのから。 「最近のテレビが権力に弱くなったのは確かです。堂々と論陣を張っていないように見えますね。生意気に聞こえるかもしれませんが、僕が辞めてしまったことで、視聴者が損をしているような気がします」 みのに言われたくない気はするが、今の局アナはもちろんのこと、コメンテーターに聞くに値する人物がいないことは間違いない。お次は、たけし。 「オイラは昔から『オネエチャンと食い物がセットになったら番組は終わりだ』と思っている。それが一番簡単で、それなりに形になる安易な方法なんでね」 テレビ東京が、予算がないため苦肉の策で始めた安いタレントを使った旅と食い物企画を、他局が物真似した番組が花盛りである。それに、NHK BSの『街歩き』の物真似。あとは無駄に声を張り上げるお笑い芸人が大挙して出る番組ばかりだから、地上波で私が見たい番組はほとんどない。凋落しているのは、フジテレビだけじゃない。このままでは、テレビを見る人間は減るばかりであろう。 さて、今週はどの週刊誌を見ても朝日新聞バッシングの記事ばかりである。そこで各誌の論調やタイトルを俯瞰して、私なりの考えを述べてみたい。 朝日新聞は8月5日朝刊で「慰安婦問題 どう伝えたか」と題する自社報道を検証する記事を掲載した。その中で、戦争中、植民地だった朝鮮の女性を暴力などを使って強制的に慰安婦に徴用したと話した吉田清治氏(故人)の証言を、当時は「虚偽」だと見抜けなかったと認め、当該の記事を取り消した。 当然ながら、週刊誌から一斉に「朝日新聞、それ見たことか」と、大バッシングが起こっている。 今週もポストや現代が叩いているが、まだかわいい(?)ほうだ。文春、新潮のタイトルはもっと厳しい。「朝日新聞よ、恥を知れ!」(文春)、「全国民をはずかしめた『朝日新聞』七つの大罪」(新潮)。新潮は、コラムを持っている櫻井よしこ氏も担ぎ出して「不都合な史実に向き合わない『朝日新聞』は廃刊せよ」と迫っている。 「『職業的詐話師』と秦氏が喝破した吉田氏の嘘を、2014年までの32年間、事実上放置した朝日は、その間、捏造の『強制連行』説の拡散を黙認したと言われても仕方がない。(中略)史実を曲げてまで日本を深く傷つけた朝日は、全力で国際社会に事実を伝えた上で、廃刊を以てけじめとすべきだ」(櫻井氏) 私はもう一度、朝日の当該記事を読み直してみた。吉田証言は指揮命令系統からも、当時、吉田氏がいたとされる済州島に陸軍の大部隊が集結する時期も事実とは思われないのだから、もっと早く虚偽だという判断はできたはずである。 なぜ今なのか、という疑問がわく。文春によれば、木村伊量社長の判断だというが、木村社長は「ちゃんと謝ったほうがいい」という旧友に対して「歴史的事実は変えられない。従って謝罪する必要はない」と答えたというが、これもおかしな話である。 吉田証言は歴史的事実ではなく、明らかな虚偽である。虚偽を報じたのなら、潔く訂正して謝罪するのが当たり前ではないか。また、他紙も吉田証言を使ったではないかという言い方も見苦しい。 推測するに、安倍政権になって右派的論調が強まり、部数的にも苦戦しているのであろう。首相動静を見ていると、木村社長は安倍首相と何度か会っているから、直接苦言を呈されたのかもしれない。そこで弱った木村社長が決断したのではないか。だが社内には、この時期にこうしたものを載せるのは如何なものかという反対意見も多くあるはずだ。そこで吉田証言が嘘だったことは認めるが、強制性に対してや植村隆記者の書いた記事に関しては「事実のねじ曲げはない」と強弁する、謝罪はしないということで手を打ったから、あのような中途半端な検証記事になったのではないのか。 しかし、これだけの大誤報を認めた以上、木村社長は謝罪会見を開き潔く辞任すべきだろうと、私も思う。その上で、日韓併合や植民地時代の苛烈な支配、原爆症で苦しむ朝鮮人被爆者や慰安婦たちの苦しみを、この誤報で帳消しにしてはいけないと主張するべきではないか。 戦時下で、多くの朝鮮人女性が甘言をもって慰安婦にされ、他人には言えない苦労を強いられたことは歴史的事実なのだ。これから朝日がやるべきことは、吉田証言とは別の軍の強制性を示す事実を総力を挙げて取材し、紙面で発表することである。そうしなければ、右派メディアや論客たちによって、「強制性」についてはもちろんのこと、従軍慰安婦は自分から志願し、カネも自由もふんだんにあった悪くない“職業”にされかねない。 週刊朝日は当然ながらこの問題に触れていないが、田原総一朗氏がコラムで触れている。 朝日新聞の検証記事には納得しがたい点が多々あるが、今の週刊誌の朝日叩きには、いずれも強いナショナリズムがバネになっており、それに拒否反応を覚えてしまうので、朝日頑張れと言いたくなると。 しかし、この記事に対する「投書」が紙面に一通も掲載されないことを難じている。私も同感である。自分たちの父祖がやったことを決して忘れず、それについて考え続けることこそ、今の日本人に最も必要なことである。右も左も「バカが多い時代」だから、「日本人はなぜ、『バカ』になったのか 養老孟司×内田樹」(現代)、「大バカの壁」(新潮45)のように、バカ企画が溢れるのだ。 6位は朝日の女性に優しい企業の特集。「女性の役員比率」のベスト5は、P&G、ジョンソン・エンド・ジョンソン、日本GE、トレンドマイクロ、ツクイの順。 「女性の管理職比率」のベスト5は、ツクイ、ユニリーバ・ジャパン、P&G、資生堂、大丸松坂屋百貨店となる。当然ながら、消費者と直接取引する企業が上位にきているし、外資系が多い。 安倍首相は、企業の指導的地位での女性の割合を2020年までに30%にするなどと大風呂敷を広げているが、2013年度では民間企業に占める女性管理職の割合はたった6.6%で、それも2年前に比べて減少しているのだ。安倍さんは、現実を見る目を持つべきである。 湯川遙菜なる人物が、シリアのイスラム過激派「イスラム国(ISIS)」に捕まった映像が流れ、釈放を求めて日本側との交渉が水面下で行われ始めているようだが、安倍首相はさほど関心を持っていないようである。 ポストによれば、広島市の土砂災害にはゴルフを切り上げて官邸に戻ったが、この件を知らされてもゴルフを切り上げることはなかったという。以前の「イラク人質事件」のときは自民党幹事長として自己責任論を展開した安倍さんにしてみれば、今回も自分勝手に危険区域に入り込んだのだから、という想いがあるのかもしれない。 現代によればこの湯川氏、かなり変わった人のようだ。本名は正行というそうだが、彼は多額の負債を抱えて行方をくらましていたとき、「男性の象徴である場所を切断し、切腹を図ったのだ!(自殺に)失敗した時は女性として生きようとも思っていた」とブログに書いている。戦時中、中国でスパイとして活動し処刑された「男装の麗人」川島芳子の生まれ変わりだと考えるようになったそうだ。 なんの知識もないのに戦地での護衛や戦闘を行う民間軍事会社を作り、シリアやイラクに“見学”に行くのでは、政府でなくともいい加減にしてくれとは思うが、人命は地球より重いのだから、無事帰国できることを祈りたい。 安倍首相批判では、どこより鋭いポストに気になる記事がある。安倍首相が連日、歯医者通いをしているというのである。 中南米訪問から帰国した8月4日、6日、11日、12日も歯医者で見てもらっているという。昨年4月にロシアを訪問してプーチンロシア大統領と首脳会談の直前にも歯が痛くなり、現地で大騒ぎになったそうだ。 強いプレッシャーやストレスで歯に症状が出る人は少なくないようだが、ポストによると安倍首相の持病である「潰瘍性大腸炎」との関係がウワサされ、悪化しているのではないかと永田町ではささやかれているという。 歯科医師の杉山正隆氏は、こう話す。 「腸内の歯のバランスは口腔内の歯のバランスと符合します。ストレスや体調を崩している時には口内の悪い菌も腸内の悪い菌も増えるのです。潰瘍性大腸炎の持病を抱える首相が、主治医から腸のことも考えて口内治療に力を入れるように指導されているとも考えられます」 安倍首相の当面のライバル、石破茂氏が安倍首相が打診している安全保障法制担当相を断ったことで、党内の次期総裁をめぐる争いは熾烈になりそうだし、内憂外患の安倍首相に忍び寄る病魔の影。週刊誌的ではあるが、気になる情報ではある。 さて、文春にも気になる記事がある。天皇が来年、訪韓したいと漏らしたというのだ。 天皇皇后に近い千代田関係者の話によると、7月に天皇皇后が宮城県のハンセン病療養所を訪問された際、こう話したというのである。 「皇后さまはこうおっしゃったのです。陛下は戦後70年の節目にパラオと韓国をご訪問されたいお気持ちです、と」 来年は戦後70年、日韓国交正常化50周年の節目の年である。しかも28年前、皇太子夫妻だった天皇皇后は韓国を訪問することが決まっていたのだが、美智子さんの病気のため断念したということがあったため、お二人にとって格別の想いがあるというのである。 先日、山口二郎法政大学教授と話したとき、今の安倍政権をチェックするのはアメリカと天皇しかいないということで話が一致した。 折に触れ、天皇皇后が日本の現状を憂いていることが伝わってくる。もし訪韓が実現すれば喜ばしいことだが、ことはそう簡単ではないだろう。 そこで、ウルトラCとして皇太子の訪韓ならありえるというのだ。皇太子が水の研究をライフワークにしているのは有名だが、来年4月に国際会議「世界水フォーラム」が韓国で開かれるのだ。毎回なんらかの形で参加をしているフォーラムだから、それを「突破口」にしようというのである。ぜひ実現してほしいものだ。 さて、8月5日、タイ・バンコクのコンドミニアムで生後間もない9人の乳幼児が保護される事件が発生した。どの子どもも、ある日本人男性がタイの代理母に産ませた子どもだと判明し、タイの国家警察が捜査に乗り出して大きな騒ぎになっている。 文春の取材に、代理母の1人で、男女の双子を産んだアナンヤー・ペンさんがこう語る。 「産み終えた後、子どもたちはすぐに私から引き離され、一度も顔を合わせることはありませんでした。最初から、父親だけではなく、卵子の提供者も教えてもらえませんでした。出産後に看護婦が『産まれたのは日本人と白人のハーフだった』とこっそり教えてくれました」 このほかにも7人の子どもがおり、そのうち4人はすでに国外に出ているそうだ。この事件の抱える問題の大きさは文春、新潮がともに巻頭で特集を組んでいることでもわかる。 タイ警察はこの男性が事情聴取に応じなかったため、名前や生年月日を公表し、この男性が重田光時氏(24)だと判明した。 彼の父親は重田康光氏(49)で、IT企業大手「光通信」の創業者である。文春によれば、「光通信」は携帯電話の販売代理店からスタートした会社で、浮き沈みはあったが現在はグループ会社200社以上を抱え、連結の売上は5,600億円あるという。 光時氏は長男で、「光通信」の株などを持ち資産は100億円を優に超えるといわれる。独身の大金持ちが、なぜ代理出産で多くの子どもを産ませたのか? 光時氏は相続税対策などと言い訳しているようだが、そんな説明で納得する者はいないだろう。 新潮は、警察が踏み込んだとき子どもの世話をしていた27歳の女性がいて、「この子らの母親です」と答えたと報じている。光時氏の彼女と思われるが、「実は彼女、もともとは男性で、最近性転換手術を受け、女性になった人物なのです」と、地元メディアの記者が話している。 しかし、同性婚で子どもを作れないからといって、何十人も代理出産させるというのはありえない話だろう。しかも代理出産に当たって、光時氏は女性側にさまざまな条件を出しているのだ。 先のアナンヤー・ペンさんがこう語る。 「クリニックの担当者から、胎児の発育状況や健康状態にかかわらず、『お産は9カ月目に帝王切開で行う』と言われました。また、『胎児に障害や、健康状態に少しでも異常が見られるようなら即刻中絶してもらう』とも言われました」 タイのほか、インドでも2人産ませたという情報もある。しかも光時氏は女の子はいらなかったようだ。男の子の名前にはすべて「ミツ」という発音が入っているそうだが、女の子には入っていない。 代理出産してくれた女性には約100万円近く払われたそうだから、現時点でも6,000万円以上が使われていることになるという。光時氏に代理母を2人紹介した女性が昨年8月、バンコクの日本大使館にメールを送り、こう警告していたと『文春』が報じている。 「彼は『毎年10人から15人の子どもが欲しい』と言っており、100~1000人もの子どもを作ろうと計画しているようです」 謎を解く鍵になるかもしれない情報がある。文春は父親・康光氏の高校時代の愛読書がヒットラーの『わが闘争』で、彼の会社はさながら“重田教”で、重田会長を神様のようにあがめていると元社員が語っている。 しかも、両親もカンボジアにある光時氏の隠れ家を何度か訪れ、母親が赤ちゃんを抱きしめてキスしていたと報じているから、光時氏が独断でやっているのではないようである。 代理出産というやり方で「重田帝国」を築くつもりなのだろうか。新潮で精神科医の町沢静夫氏がこう分析している。 「この人物は、斡旋業者に(中略)、自分の遺伝子を多く残すことが社会にとって善だという主旨の話もしています。(中略)この発想から、『生命の泉』計画など、優性思想に基づいて優秀なアーリア人をどんどん増やし、ドイツ民族の繁栄と純血を守ろうと、ナチス・ドイツのヒトラーが行った一連の政策に通じるものがあると思わざるを得ませんでした」 『生命の泉』計画とは、ナチス親衛隊長官だったヒムラーが、優秀な親衛隊隊員とドイツ女性をカップリングし、生まれた子どもはすぐ母親から引き離し「子どもの家」で育てたことをいう。この計画によって4万人の子どもが“生産”されたといわれているそうだ。 私もこの話を聞いて『ブラジルから来た少年』という映画を思い浮かべた。ブラジルでヒトラーのクローンを現代に再生させようと企む科学者と、それを阻止しようとするナチ・ハンターのユダヤ人との闘争を描く、アイラ・レヴィン原作の映画化である。 光時氏は、精子を保存冷凍する機械を設置したいと話していたという。豊富な資金があれば、彼の死後も保存された精子で代理出産を続け、念願の子孫を1,000人にすることも不可能ではない。 その子どもたちが成長して結婚し、子どもをつくれば100年後には……。 光時氏たちがそう考えているのか、現時点ではわからない。だが、科学の進歩は生命倫理の枠を一気に超えてしまうかもしれないのである。文春は「女性を『産む機械』のように使う光時氏は、生命倫理を冒涜しているとしか思えない」と難じているが、重いテーマがわれわれに突きつけられた事件であることは間違いない。 今週の第1位は、橋本聖子参議院議員(49)が高橋大輔選手(28)にキスを強要したという文春の記事。 ちと古いのが難だが2月23日、ソチ五輪閉会後に橋本議員が選手村にあるJOCの部屋にスケート選手たちを集めて酒盛りをした時のことだ。酒が入った聖子ちゃんが次々に選手たちに抱きつき、ついに“氷上の貴公子”高橋選手の肩に腕を回し、キスをした瞬間の写真がグラビアに載っている。 巻頭の写真だけを見ると、熱愛中の二人がダンスをしているうちに唇を自然に合わせたようにも見える。だがページをめくると、嫌がる高橋選手に襲いかかるようにして聖子ちゃんがキスをせがんでいることがよくわかる。 「これは自身の権力を利用した、パワハラ、セクハラといえるだろう」と文春は書いている。橋本議員は強制した事実はないといっているが、写真を見る限り「強制性」ありと見る。これで次の入閣はおじゃん? 彼女の入閣を阻止しようと考えた誰かが「落とす」ために今ごろ発表したのかもしれないが、身から出たサビ、致し方ない。 (文=元木昌彦)「週刊文春」8/28号 中吊広告より
朝日新聞「慰安婦虚報」を糾弾する週刊誌に疑問符 日本人は本当に“被害者”なのか――
今週の注目記事 「朝日新聞『慰安婦虚報』の『本当の罪』を暴く」(「週刊ポスト」8/29号) 「『従軍慰安婦記事』日本人を貶めた朝日新聞の大罪」(「週刊現代」8/30号) 「韓国・朴槿恵は『密会男』に操られていた!」(「週刊現代」8/30号) 「『エボラ出血熱日本上陸』の最大リスクは『中国人とコウモリ食』だ」(「週刊ポスト」8/29号) 「タイで15人の赤ん坊をつくったIT御曹子(24歳)の奇抜な家族観」(「週刊ポスト」8/29号) 「竹中平蔵『日本の消費税増税は失敗する』」(「週刊ポスト」8/29号) 「ユニクロ・柳井が封印した『一族』の物語」(「週刊現代」8/30号) 「日本人女性『1000人のオナニー』」(「週刊ポスト」8/29号) 今週は、現代とポストが合併号開けの平常号である。休みの間、STAP細胞の笹井芳樹氏の自殺があり、朝日新聞では慰安婦報道の検証があったりで、満を持しての「特集」を期待していたのだが、笹井氏の自殺に関してはめぼしい記事はなかった。 朝日新聞の誤報検証記事についても、現代までが朝日新聞の「大罪」を指弾しているが、内容的にはポストと同じ目線である。当然ながらポストのほうが朝日新聞、慰安婦問題批判には年季が入っているから、内容的にはポストの圧勝。 今週水曜日に発売される文春、新潮の朝日新聞についての記事も、大方想像がつく。 といったわけで、今週は順位をつけるほどの記事がなかったので、全部平場、ドングリの背比べ的並べ方になった。 まずは、ポストが全国の女性1,000人に聞いたオナニーについてのレポートから。 そのうち既婚者の比率は約65%で、子どもがいる女性が全体の6割弱を占める。年齢層は20~82歳までで、平均年齢は44.6歳だそうだ。 小見出しを並べてみる。オナニーは4割超の女性が「したことがない」。セックスとオナニーは完全に別腹である。一番したくなるのは「生理前」と「排卵前」。約半数が「5分以内」にちゃちゃっと済ませる。秘密のアイテムは「お風呂でシャワー」。過半数が「最高のおかずは妄想」。「オナニーしてます」言えるのはたった3割。死ぬほど恥ずかしい「親バレ」「子バレ」の瞬間。 まあ、なんと言いましょうか、やはりこの~女性用オナニーグッズが売れるわけですな。 佐野眞一氏の『あんぽん』(小学館)や橋下徹大阪市長について書いた週刊朝日の記事を持ち出すまでもなく、功成り名を遂げた人の「出自」を暴くというのが、週刊誌ノンフィクションの常道である。 そこには、もはやあなたは公人なんだから出自も含めてすべて開示されても致し方ないという、メディアや書く側の一方的な思い込みがあるのではないか。今回もユニクロ柳井正氏の「地元嫌い」を親族の出自と絡めてルポしているが、柳井氏を知る上でこうした情報がどれだけ役に立つのか、私には読み終わってもよくわからなかった。 柳井家の親族の1人がこう話す。 「土地から離れようとしているだけでなく、一族からも距離を置こうとしているのは寂しい」 正氏の父・等さんがユニクロの前身となった「小郡商事」を作ったが、実は、もう一つの親族が作った「小郡商事」があったというのである。もう一つの「小郡商事」は、等さんの兄で正の伯父・柳井政雄氏が作ったものだという。 この政雄氏は1908年、現在の山口市で牛馬商を営む父柳井周吉氏の4男として生まれた。 「政雄氏の著書『同和運動の歩み』によれば、尋常高等小学校中退後、炭鉱産業が隆盛だった宇部市の炭鉱で働くなどして青年期を過ごす内に、極道の世界に足を踏み入れたという」(現代) 政雄氏の息子、澤田正之氏はこう言う。 「46年に山口市議に当選してから政界にも人脈が広がった。やくざにも警察にも顔が利くので、重宝がられる。だから周囲からいろいろ頼まれごとをするのですが、断らない人だね。(中略)そうこうするうちに様々な事業に関わるようになっていった。地域で困っているような人を自身が経営する会社で引き受けて面倒も見ていました」 親分肌で面倒見がいい、東映任侠映画に出てくるような人物だったのだろう。伯父の政雄氏や父親の等氏は地域に根差した家族的経営を貫いていった。 しかし柳井正氏は、等氏らが行ってきた家族的経営を批判することから実業家の歩みを始めたという。 正氏は著書『一勝九敗』(新潮社)の中で「義理人情に厚く、生業家業といった観点で仕事をし、企業家とか経営者といった観点はなかった」と彼らのやり方を評している。 しかし、そうした正氏の経営姿勢が功を奏し、広島県でユニクロ1号店を誕生させてから今年で30年、当時年商1億円ほどだった「小郡商事」は、今や1兆円を売り上げる世界のユニクロへと成長したのだ。 ユニクロの前身となった紳士服開業の地は今は空き家で、かつてそこに本社が置かれていたことを示す痕跡はないという。どういう理由で正氏が「故郷を捨て」たのかはわからない。それを彼自身の口から聞いてみたいものである。 ポストで竹中平蔵氏を直撃している。インタビュアーは須田慎一郎氏。嫌な質問もしているのだが、竹中氏はのらりくらりといつものように体をかわしている。 だが、この部分は傾聴に値する。「6月の勤労者世帯実収入は、前年同月比で6.6%減ったが」という質問に対して、 「竹中 それは消費税が上がった影響が大きいでしょう。消費で見ると3月には駆け込み需要で増えているが、5月の落ち込みはひどかった。内閣府の想定以上だったと思います。 これは強調しておきたいのですが、そもそも私は消費増税には反対の立場です。消費税を上げたらマイナス効果が大きいというのは当たり前の話です。安倍さんにしても、本音では消費税は引き上げたくなかったと思います。(中略) 米ハーバード大のアルバート・アレシナ教授がまとめた『アレシナの法則』というものがあります。多くの国のケースで、財政再建に成功した国と失敗した国を検証しています。 結論は極めて常識的で、先に増税した国は失敗している。一方、公務員の給与や社会保障などとことんまで歳出削減したうえでそれでも足りない部分を増税で補った国、これだけが成功しているのです。(中略) 今の社会保障制度を前提に続けるならば、消費税率を30%強にしても財政赤字は残る計算です。消費税をいくら上げても足りないんです。だから、幸いにして高齢でも働けて年金をもらわずに済む人はもらわないようにしないといけないのではないか。これはすぐにはできませんから、時間をかけて議論していく必要があるでしょう」 この男、若者や女性たちから“搾取”するだけでは足りないと、年寄りたちも働かせ、年金を召し上げて搾り取ろうという算段のようだ。こうした人間がのさばっていられる国が住みやすいわけはない。 さて、タイでは15人の赤ん坊を作ったIT御曹子(24歳)の奇妙な行動が問題になっている。 ポストによれば 「騒動の発端は8月5日、タイの首都バンコクのマンションで、日本人男性が父親となり代理出産で生ませたとされる生後1か月~2歳の乳幼児9人が警察により保護されたことだった。タイ警察によれば、男性の子は計15人に上り、すでに4人の子供が男性とともに出国しているという。13日現在、15人中9人の子供の父親のDNAが同一人物だと判明している。ただし父親はこの24歳の男性であるかどうかは、DNA上は確認されていない」 という。 人身売買目的ではないようである。ではなぜこの男性がこれほど多くの子どもを代理出産で生ませ、日本に連れて行こうとしているのか? この御曹司、日本のIT企業「光通信」創業者の重田康光会長の息子で、同社の大株主だそうだ。光通信の全株式のうち1.44%にあたる68万5500株を保有し、12日の終値ベースの時価総額は約48億円。13年3月期の年間配当金は140円だから、年に約1億円の配当を手にする計算となるという。 そしてこの御曹司は、光通信の事業を受け継ぐ可能性がある。知人の経営者はこう語っている。 「優秀な社員を外部から招聘したり育てたりするといった考えよりも、一族で会社を支える発想に変わっているように思います。本当に信用できるのは誰かを考え、親族という答えになったのではないか。(中略)そうした家族を重視する考え方が代理出産にもつながっているのではないでしょうか」 ユニクロ柳井氏とは真逆に近い発想だが、それでもなぜ、こんなに多くの子どもが必要なのだろうか? まだ何か裏がありそうな気がする。 ところで、致死率は最大で90%という恐怖の感染症・エボラ出血熱が西アフリカで史上最大規模の猛威をふるっている。 今さらだがエボラ出血熱の特徴について、ポストで感染症専門家の元小樽市保健所所長・外岡立人氏がこう解説する。 「感染者には発熱や頭痛、下痢、内出血に加え、皮膚など全身からの出血といった症状が現われます。ワクチンや有効な治療法はなく、感染すれば50~90%が助からないとされます。インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)のように咳やくしゃみでうつることはなく、発病者の血液や汗、糞便などに潜んでいるウイルスが傷口や粘膜を通じて入り込むことによって感染する。西アフリカで感染が広がっているのは、亡くなった人を埋葬する時に亡骸を触る習慣があるからだと考えられています。また、公衆衛生のレベルが遅れていて、医療担当者の知識も不足している。感染拡大阻止に必要な予防衣やゴーグル、手袋も十分に揃っていないのが現状です」 エボラ出血熱の感染源と考えられているのは、コウモリである。 「コウモリはエボラウイルスの自然宿主であり、西アフリカにはコウモリを食べる習慣がある。過去に流行した際も、コウモリから人に感染したと考えられています。米紙ニューヨーク・タイムズが報じたところでは、WHOは今回の流行について昨年12月にギニア奥地の小さな村に住む2歳の子供がコウモリと接触して感染したのが発端だと見ているようです」(外岡氏) ここからポスト流というのか、あの中国が危険だと、こう持ってくる。 「西アフリカ同様に、コウモリを食べる文化が存在するのが中国である。中国本土にある広東料理店店主が語る。広東省周辺には野生動物を一般的な家庭料理として食べる習慣があり、市場でも食用コウモリが売られています。一部では高級料理の食材として利用され、クコの実や生姜と一緒に丸ごと煮込んでスープにしたりします。スープに浸ったコウモリの肉も食べる。繊維が細く、味はさっぱりとしていて鶏肉に近いですよ』」 現代ではアフリカ各地でエボラ出血熱の治療にあたった米国ジョージア州のフランク・グローバー医師が、こう語っている。 「すでに、感染者が日本に入ってきているかもしれません。日本を含め、世界中でアウトブレイクが起こる可能性があるのです。1970年代に未知のウイルスHIVがアフリカで発生して世界中に蔓延しましたが、同様のことが起きることも考えられる。エボラは数週間で死に至りますから、さらなる悲惨な状況が起きるかもしれないのです」 このウイルスと同様の殺人ウイルスが蔓延する恐怖を映画化した『アウトブレイク』が封切られたのは1995年である。あのときは映画の中だけだと思っていたのに、現実が追いかけ、追い越していくのだ。こうした治療の難しい病気は、これからますます増えていくのであろう。それによって人類は滅びるのかもしれない。 現代では韓国の朴槿恵大統領に男がいて、その男に操られていると報じている。 朴大統領(62歳)が、セウォル号が沈没した4月16日の日中、男と密会していて、7時間にわたって音信不通だった――こんな情報が今、韓国国内を騒然とさせているというのだ。 この密会説を看過できなくなった韓国の野党・新政治民主連合の朴院内代表は7月7日、国会の運営委員会に、朴大統領の最側近である金大統領府秘書室長を呼んで問いただした。 その結果、金室長もセウォル号の事故当日、朴大統領がどこにいたか把握していなかったことが明らかになったのだ。 朴大統領には、彼女の「男」として俎上に上った男性が2人いるという。1人は父親の朴政権時代に、韓国のラスプーチンとの異名を取り、青瓦台に自由に出入りして権勢を欲しいままにした崔牧師(81歳で死去)。 もう一人が崔牧師の娘婿・鄭氏(59)だという。鄭氏は秘書室長として朴氏の一切を取り仕切ってきたが、04年にスキャンダルになるのを恐れて室長を辞任していた。 だが、その鄭氏が今年5月に電撃離婚していたのだ。しかも離婚に当たって、全資産を妻に渡し、さらに一人娘の親権も妻に譲ったというのである。そして要求したのは「夫婦時代に知れ得た一切の個人情報を口外しないこと」であった。 産経新聞は8月3日付で、加藤達也ソウル支局長が「朴大統領が旅客船沈没当日、行方不明に……誰と会っていた?」という記事を書いたのだが、この記事に対して国家元首に対する冒涜であり、訴訟も辞さないと青瓦台が過剰に反応し、ソウル中央地検は8月9日、加藤支局長に対して、出国禁止措置を取った上で18日に出頭するよう通知したという。 私が知る限り、民主国家で海外メディアに対し、ここまで厳しくするのは聞いたことがない。かえってやましいことがあるのではないかと、疑われてしまうのではないか。 現代によれば、韓国経済も失速気味で、韓国のGDPの2割弱をたたき出しているサムスン電子が、第2四半期決算で、売上高約9%減、営業利益24%減と大ブレーキになっており、自動車業界も、最大手の現代自動車の営業利益が13%減、鉄鋼業界も最大手のポスコが20%の減益となっている。 政治的に追い込まれている朴槿恵大統領は、このスキャンダルが事実なら、彼女の明日は真っ暗闇であろう。 朝日新聞は8月5日の朝刊で「慰安婦問題 どう伝えたか」と題する検証記事を組んだ。その中で、韓国・朝鮮の女性を強制的に慰安婦に徴用したと話した吉田清治氏(故人)の証言について「虚偽だ」と判断し、記事を取り消す、当時は虚偽の証言を見抜けなかったとした朝日新聞の記事が大きな話題を呼んでいる。 これまでもポストは、従軍慰安婦に対する軍の「強制性」があったことを否定しており、ここぞとばかり舌鋒鋭く切り込んでいる。 「多くの左派言論人や反戦活動家が『慰安婦が苦しんだのは事実だから、強制連行がなかったとしても問題の本質は変わらない』と話をすり替えていることだ。これは決定的に間違っている。なぜなら、世界で日本が『特殊な性犯罪国家』と非難され続けてきた理由は『強制連行』の一点だからだ。(中略)米軍はじめ世界中の軍隊が『強制連行ではない慰安婦』を雇っていたのであり、『女性たちが苦しんだ』ことは日本だけが非難される問題ではない」(ポスト) さらに「朝日新聞は検証記事で吉田証言の記事は取り消したが、植村記事については『事実のねじ曲げはなかった』と強弁した。それは、韓国の反日団体、日本の“人権派弁護士”と連携して『強制連行』を国際社会に浸透させ、日本政府からカネを巻き上げる片棒を担いだという疑惑こそ、朝日が絶対認めたくない慰安婦報道の急所だからではないのか」(同) ポストは 「朝日の虚報によって日本国民は冤罪の犠牲者になり、国際社会に慰安婦=性奴隷説が定着していく。06年には米国議会調査局が『日本軍の慰安婦システム』と題するレポートを発表。吉田氏の証言が引用され、翌年には米下院で日本政府に対する慰安婦への謝罪要求決議が成立した」 と、朝日新聞のでたらめな報道で日本人全体が辱められたと憤る。 西岡力基督教大学教授もこう言う。 「朝日が報じたような事実はなく、慰安所では外出の自由もあった。朝日が吉田証言を完全に否定した以上、日本だけが国際社会から性奴隷国家だと批判される理由は全くないといえます」 海外メディアがこの朝日新聞の検証記事を報じないことや、安倍政権の河野談話を見直ししないという姿勢も、こう批判する。 「国内では朝日を批判しながら、国際的には朝日の虚構から組み立てられた河野談話を踏襲するダブルスタンダードでは、世界に広がった『性奴隷』のイメージを払拭できるはずがない」 現代もポストほどではないが、こう書いている。 「度重なる誤報にきちんと向き合わず、訂正を行わなかった朝日の怠慢は、韓国の反日感情を高めた挙句、謂われなき日本叩きのための『武器』まで与えてしまったのである。朝日の誤報以降、日韓の歴史が歪められたとも言える」 まるで日韓関係の悪化は朝日の従軍慰安婦報道にだけあるかのような言い方ではないか。朝日新聞・植村隆元記者の数本の従軍慰安婦についての記事が誤りだったとしても、日韓併合や植民地時代の苛烈な支配、原爆症で苦しむ朝鮮人被爆者や慰安婦たちの苦しみを、この誤報で帳消しにはできない。 8月6日付の朝日新聞で、父も祖父も太平洋戦争中に強制収容された日系人、米ジョージ・ワシントン大学教授のマイク・モチヅキ氏がこう語っている。 「多くの日本人がもう『もう十分だ。未来志向で行こう』と言うが、それを言うのは被害者の側であって、日本人はまず『私たちは忘れない。過ちを繰り返さない』と言い続けるべきだ」 NHK BS1スペシャル『オリバー・ストーンと語る 原爆×戦争×アメリカ』でも、オリバー・ストーン監督がおおむねこう語っている。 「記憶こそが我々を人間たらしめる『よすが』なのだ。自分が何を為したのかの記憶なくして人は後悔したり罪の意識を抱くことはない。歴史家が記憶を残すのはそれを忘れないためなのだ」 朝日新聞が誤報を認めたからといって、日本がアジアでした行為を抹消することはできない。原爆を落とされても、核の平和利用だと言われれば数多の原子力発電所を作り、あれほどのことをされたアメリカを憎まず、植民地のように付き従う日本という国は、世界から見れば理解しがたい人間の塊のように見えているのではないか。 自分たちの父祖がやったことを忘れず、それについて考え続けることこそ、今の日本人に最も必要であること、言うまでもない。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」8/29号 中吊り広告より
フライデー元編集長が思いを馳せる「ビートたけし襲撃事件」と、老いらくの恋

週刊文春 2014/07/17日号
『報ステ』古舘伊知郎が10年ぶりのインタビューで明かした、キャスターとしての“限界”
今週の注目記事 第1位 「古舘伊知郎「報ステ」10年を独占告白「『裏』を語る勇気がないんです」(「AERA」7/14号) 第2位 「『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』はインチキ本だ!」(「週刊文春」7/10号) 第3位 「大多数はピンとこない『不思議な好景気』が始まった」(「週刊新潮」7/10号) 第4位 「NHKも参戦してキャンペーン『アルコール依存症』脅しの裏事情」(「週刊ポスト」7/18号) 第5位 「奇跡の無修正動画 あの懐かしの女優たちが丸見えだ!」(「週刊現代」7/19号) 第6位 「福岡筑後殺人 夫が全面自供 美人妻は行方不明の義弟と甥を粉砕機でバラバラにして川に流した!」(「週刊文春」7/10号) まずはAERAの巻頭言、内田樹氏の言葉から始めよう。 「2014年7月1日は、日本が戦後69年間掲げてきた平和主義を捨てて、戦争への道を歩み始めた歴史的日付として記憶されることになるだろう」 安倍首相は閣議後の記者会見で「海外派兵は一般に許されないとの原則はまったく変わらない。日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなる」と述べたが、「一般」とか「一層」という表現に疑義を呈し、こう結ぶ。 「首相がこのような言葉遣いしかできない理由は二つしかない。知性があまりに不調なせいで論理的であることができないのか、国民にもわかるように政策決定の理由を告げると支持率が低下することを知っているか、いずれかである。いずれにしてもこのような総理大臣を持ったことは、日本国民の歴史的不幸だったと言う他ない」 安倍政権は史上最悪のタカ派政権だと思うが、この風潮に悪のりする輩が増えてきているのも困ったものである。 さいたま県大宮区三橋公民館が、集団的自衛権行使容認へ反対する市民の俳句を「公民館だより」へ掲載することを拒否していたと、朝日新聞が報じていた。 少し前になるが、私も名前を連ねている「マスコミ九条の会」(呼びかけ人・桂敬一)の集団的自衛権容認反対シンポジウムを明治大学で予定していたのだが、桂氏からこんな連絡が来た。 「先にみなさまにご案内いたしました6月19日夜の当会集会の会場は、千代田区駿河台の明治大学リバティタワー内教室でしたが、大学側の突然の通告により、使用不可となりましたため、急遽会場を変更することにいたしました」 明治大学、お前もか。こうした言論封殺の傾向は、ますます大きくなるのだろう。 都議会でセクハラ野次を浴びせられた塩村文夏(あやか)都議(35)へのバッシングに週刊誌がことのほか熱心であるが、都議にしては美形だからだけではないのではないか。 週刊新潮はグラビアアイドル出身の過去の暴露から始まって、彼女のTwitterで「加藤茶、仲本工事の年の差婚を気持ち悪い」と批判したなどの過去の発言、トヨタの御曹司と付き合っていたのに都議に当選した途端別れて多額の手切れ金をせしめたことを並べ立てている。 これでは、都議会でセクハラ野次を飛ばしたトンデモ都議たちと変わるところがないと思うが、今の一連の嫌な流れと無関係ではないのだろう。 週刊現代は中国、韓国、北朝鮮の「おかしな隣人たちよ、君たちは大丈夫か」という特集を組んでいるが、北朝鮮はともかくとして、中国や韓国にものを言える立場に日本があるとは思えない。 兵庫県議会の野々村竜太郎県議(47)が政務活動費をめぐる問題で追及され、釈明記者会見で理由もなく号泣したみっともないシーンはYouTubeで世界中に流れ、ひんしゅくを買っている。このほうが、よほど「おかしい」ではないか。 憲法改正をしないで戦争のできる国に変えてしまった安倍首相も、相当「おかしい」。週刊誌の視点は、そちらに向けられるべきである。 さて、第6位から。福岡県筑後市で起きたリサイクルショップを経営していた中尾伸也と妻の知佐が元従業員を殺害した容疑で逮捕されたが、この事件の闇は相当深そうである。 この事件では、元従業員2人(日高崇さんと小島雄二さん・こちらは仮名)が行方不明になっているが、警察は知佐の妹の夫と長男も行方がわからず、この2人も中尾夫妻に殺されたとみられているようである。 文春で捜査幹部が、妹の夫は暴行を加えられた末に衰弱死し、その約1カ月後に長男も虐待された末に衰弱死したとみていると話している。 この事件の主犯は、妻の知佐容疑者だという見方が強い。彼女はいまだに自供していないようだが、夫の伸也容疑者は遺体の処理をこう供述しているという。 「日高さんと小島さんについて、伸也は実家の庭に遺体を埋め、一年以上経ってから掘り返して、骨をガーデンシュレッダーという粉砕機で砕いて川に捨てたと供述しています」(捜査関係者) 妹の夫と長男の遺体も、同じ方法で処理したそうだ。事実だとしたら、鬼畜にも劣る悪魔の所業というしかない。 このところ「死ぬほどSEX」のハウツー特集はやりようがなくなったのであろう。週刊現代は、インターネットでAVが見られるサイトの紹介に熱心だ。 今週は松坂季実子、小林ひとみ、村上麗奈、桜樹ルイ、樹まり子など、往年のAV全盛時代を彩った女優たちの無料映像が見られるサイトを丁寧に紹介している。 「最も頼りになるのは、国内のアダルト動画共有サイト最大手の『FC2動画アダルト』だ。まずは、ヤフーやグーグルといった検索サイトで『FC2動画アダルト』と検索する。そうすると、検索結果のトップに同サイトが現れるので、それをクリックしよう。サイトにたどり着いたら、次に検索ボックスに『松坂季実子』と入力。右横のルーペのマークをクリックすると、彼女の名前を冠した動画が35件ヒットした。その中から『全員』というマークの付けられた画像のタイトルをクリックすれば、動画が始まる」(現代) 正統派美人として圧倒的な支持を集めたのは、今も「レジェンド」として語り継がれる元祖AV女優、小林ひとみだという。その彼女の動画も『FC2動画アダルト』で検索すると、81件の動画がヒットするそうだ。 しかもその中には、流出ものとみられる無修正動画も散見されるという。 だが、非会員は一日の視聴回数に制限がある。さらに動画を見るためには会員登録が必要だが、これは無料なので安心してほしいと現代は言っている。 クレジットカード番号の入力も一切必要ないし、無料会員になれば一日15回も動画を閲覧することができるようになる。 さらに往年のAV女優を見るならば、実はもっといいサイトあるという「xHamster」(エックスハムスター)というサイトだが、ここは日本語はなく、アルファベットで検索する。 さらに現代は「このような動画が見放題なのだが、読者からの問い合わせで多かったのは、『そもそも無修正動画を見るのは違法ではないのか』という懸念だった。結論から言うと、動画を見て楽しむだけなら、違法ではない。無修正動画をアップロードする側は『わいせつ物頒布等の罪』や著作権法違反の疑いがあるが、個人的に閲覧する側は絶対に罪には問われない」と教えてくれている。 今晩は贔屓だった桜樹ルイのビデオでも見て、うっとうしい梅雨空を忘れましょうか。 私は中学生の頃から酒を飲み始めたから、由緒正しいアルコール依存症であるが、週刊ポストはこのところアルコール依存症キャンペーンが目立つのは、またぞろ製薬会社が薬を売らんがためではないかと指摘している。これが今週の4位。 民法もそうだが、NHKもことのほか熱心だという。6月18日の夜、NHKが「依存症ナイト」とでも呼ぶべき番組ラインナップを組んだことが話題になったそうだ。 「7時の『ニュース7』で依存症取り上げると、7時30分の『クローズアップ現代』では、『あなたの飲酒 大丈夫?』と題した特集を放送。そして視聴者に“復習”を促すかのように9時の『ニュースウオッチ9』でも依存症の話題を扱った。『クロ現』では、『飲酒関連で死亡する人は年間3万5000人に上る一方で、その大半が依存症であることに気づいていない』と指摘し、依存症に苦しむ患者の日々をレポート。その後の『ニュースウオッチ9』では『患者数の推計が109万人となり、初めて100万人を超えた』『過去10年間で女性患者が2倍近い14万人に急増した』という厚労省調査を報じた」(ポスト) ポストによれば、昨年3月、国内で30年ぶりとなるアルコール依存症治療薬「レグテクト」が認可され、5月から発売が始まったことと関係があると指摘する。 今年に入ると、5月に日本精神神経学会が「アルコール依存症」の名称を「アルコール使用障害」に変更することを発表。 6月には、多量飲酒や飲酒運転の予防対策を国や自治体の責務とする「アルコール健康障害対策基本法」が施行されたそうだ。ちっとも知らなかった。成立は昨年12月だそうだ。 薬ができれば患者が増える。それにメディアが知らず知らずに荷担したのでは、薬漬けの人たちが増え、医療費を圧迫していく。 この記事の中に、新久里浜式アルコール症スクリーニングテストというのが載っている。 男性版ではこういう質問。「食事は一日3回、ほぼ規則的にとっている」「酒を飲まないと寝付けないことが多い」「酒をやめる必要性を感じたことがある」「酒を飲まなければいい人だとよく言われる」「飲まないほうがよい生活を送れそうだと思う」などがある。10問のうち4つ以上当てはまれば、めでたくアルコール依存症の疑いありだという。 自慢じゃないが、私は満点だった。だけど、薬を飲もうとは思わない。それなら酒を飲んだほうがいい。 新潮が今が好景気だという風潮に素朴な疑問を投げかけている。街を歩いてみると、夜タクシーを捕まえようと思ってもなかなか捕まらないし、老舗ギャラリーでは1点数千万円もする絵をポンと買う客がいる。 銀座の高級寿司屋「久兵衛」には日に300人以上が詰めかけるし、銀座はどんどん新しいクラブがオープンしているそうだ。都内の高級ホテルは稼働率が9割もあり、千代田区の超高級マンションの4億4980万円の部屋があっという間に売れたそうだ。 6月18日にカナダの金融機関などが発表した「ワールド・ウエルス・レポート2014」によると、金融資産100万ドル以上持つ日本人は前年より43万人も増えて233万人に達した。 私のような貧乏人は「ほんとかいな?」と思ってしまうのだが、新潮はこの謎をこう解き明かしてくれている。 「たとえば、総務省が6月27日に発表した5月の『家計調査』によると、一世帯あたりの消費支出は27万1411円。前年同月比と比べると8%も減っているのだ。上場企業の給料が増え、インフレ政策を断行したはずなのに、日本全体では使える金がなぜか細っている」(新潮) 経済アナリストの森永卓郎氏が、種明かしをしている。 「確かに昨年は倒産が減りましたが、一人一人の給料は増えてはいないということです。アベノミクスの恩恵を受けたのは、円安で儲かった大企業と持ち株が上がった富裕層だけ。両方ともカネが余っているから高級品が売れる。都心の不動産も2億円、3億円といったものは即完売ですが、3000万~5000万円といったサラリーマン向けの物件は売れ残ったままです。社会は二極化が進み、庶民は相変わらずデフレ生活です」 厚生労働省は先頃、5月の有効求人倍率が1.09倍になったと発表したが、私が見ても「おかしい」と思わざるをえなかった。 内訳は土木作業員の求人倍率が5倍超なのに、事務系正社員は0.6倍前後なのだ。ゼネコンにジャブジャブカネをつぎ込んでいるから、そっちのほうの求人が多いのは当たり前だ。貧乏人はますます貧乏に、富める者はますます富んでいくアベノミクスなど止めてしまえ。そう叫びたくもなる。 『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』(アスコム)が、95万部も売れているという。 実を言うと、私も買ってみようかなと思い始めていたのである。これほど売れているのだから「何か」あるのだろうと、Amazonで中古本を取り寄せてみようと考えていた矢先、週刊文春が「この本はインチキ本だ!」「詐欺商法だ」と決めつける記事が出たのである。愛知みずほ大学特任教授の佐藤祐造氏がこう語る。 「ふくらはぎをもめば、少しは血流が良くなると思います。しかし、そういうことなら足裏をもんでもいいし、太もものほうがさらに効果があるでしょう。筋肉部分が大きいですから。もっと言うのならウォーキングをしたほうが効果はある。大股で腕を振って歩いたほうが、よほど健康になります」 この本、ふくらはぎをもむだけで「高血圧から糖尿病、がんにまで効果があるというのだが、この本が売れるきっかけになったのは『中居正広の金曜日のスマたち』(TBS系)で3度にわたり特集されたことからだという。3回目には高血圧に悩む芸能人やお笑い芸人が著者の指導を受けて「食事制限なし」で1カ月続け、正常値になったと手放しでほめたから、売れ行きに拍車が掛かった。 だが、医者たちは医学的になんら根拠がないインチキ本だと、一刀両断なのだ。ふくらはぎが知らせる不調のシグナルとして、〈熱くてかたい→高血圧〉〈冷たくてやわらかい→糖尿病〉と分類しているが、おない内科クリニックの小内亨院長は「こじつけだ」とにべもない。 「冷たくてやわらかいのは、結果であって原因ではありません。それはここに書かれているすべての病気に言えますね。結果を治しても原因は治りません」 肺がんで背中が痛いのにマッサージを受けるようなものだろう。 この本を書いたのは2人。監修者として鬼木豊氏。著者として槙孝子氏。ともに、お茶の水にある治療院「心身健康堂」の理事長と院長。 さらに、同じ内容の本が、4年前にもアスコムから出ているというのだ。タイトルは『たちまちからだが温まる ふくらはぎ健康法』。文春によれば本文2カ所の文言が変わっているだけでほかはそっくり同じなのに、奥付には「大幅な加筆訂正により、改題したもの」と書かれている。 出版倫理など持ち出さなくとも、こりゃあ少しおかしくないか。そう思った文春が版元のアスコムに取材を申し込んだが「担当者が終日外出している」と逃げ続けているそうだ。 それなら本人に直撃しかあるまい。鬼木氏を静岡の伊東市で見つけて「疑問」をぶつける。 鬼木さんは医者ではないですね、という質問に、 「そう、だからワタクシは病気を研究しているんじゃなくて、生き方や人生を研究しているんだよ」 生き方や人生を研究するとがんや糖尿病が治るのか、という至極真っ当な疑問には、 「(激昂して)それは違うよ! それはさ、冷え性を良くすると全部、万病に良くなるんだよ」 冷えを改善すればすべて良くなるのか? 「そいうこと。それが東洋の、西洋のルーツです。そこは勉強しなさい!」 こうした本を、ありがたがって90万人以上が買って読んだというのが信じられない。ベストセラーに良書なし。次から次へと出てくるダイエット本や簡単に健康になる本が常にベストセラー上位に顔を出すのは、苦労しないで痩せたい、痛い思いをしないで健康でありたいと願う、ヤワな日本人が増えたためであろう。 集団的自衛権を容認すれば日本の安全が保てる、と妄信している安倍首相にどこか似ている気がする。「長生きしたけりゃ、こんなインチキな本にダマされてはいけない」。文春のいう通りなのであろう。買わなくてよかった。 古舘伊知郎という男が、以前は嫌いだった。軽薄が洋服を着て歩いている男。そうとしか思っていなかった。だが『報道ステーション』(テレビ朝日系)をやり出してから、見方が変わった。こいつなかなかいいじゃないか。そう思うようになったのだ。 福島第一原発の放射能汚染問題を積極的に取り上げ、集団的自衛権容認に反対する言動は、テレビという大きな制約のある中では頑張っているほうである。 田原総一朗氏が、年のせいか政権にすり寄っているように見えるのとは違う。この10年の間に勉強し努力をしてきたのだと、密かに評価している。 その古館氏が、10年ぶりに吉田豪氏のインタビューに答えた。奥歯にものが挟まったような言い方は釈然としないが、これが彼の限界という意味でも読んでみていい。これが今週の第1位。 タイトルに「裏を語る勇気がないんです」とある。「もうとにかく口にさるぐつわした状態で10年経ったわけです」と、彼が置かれた状況をこう自嘲している。 彼は今年で60歳になる。したがって「しゃべり手人生はどこまで続くだろうかとかいろいろ思うと、余計に悔いを残したくないし、やりたいことをちょっとやらせてくれっていうのが、正直なところですよね」と本音を少し漏らしている。 「ニュースも表しか伝えないところがありますからね。伝えられないけど、言外にある裏側、バックステージみたいなことも、スタッフに嫌な顔をされてもちょこっとは言いたくて。ただ場外乱闘までいってない、エプロンサイドぐらいで」 『報道ステーション』をやる前から久米宏のことは意識していたそうだから、久米に挨拶に行ったことがあるという。 「そのときに久米さんの楽屋にあいさつに行ったら、そんなに親しいわけじゃないんですけど、『いや、古館君。毎日毎日、月~金の報道番組をやるっていうのは、もう強烈なサバイバルなんだよ』って言ったの。僕はピンときてないんです、自分はやったことないから。やるつもりもなかったし、そのとき。だけど、ものすごい印象に残ってるんですよ」 サバイバルとはどういう意味なのだろうか。久米も自民党から目の敵にされ、隙あらば引きずり下ろしてやろうという内外に敵がいたことを指しているのか。 「『報道ステーション』をやってて、自分の感ずるところ、思うところをなかなか言えない。表の報道をしてて、裏の背景をあんまり言えない。これはさっきからずっと嘆いてますけど事実です。だけど逆から見ると、言えないのは僕に勇気がないからなんですよ。番組が今日で終わっちゃうとか、これを言ったらおしまいだなとか思ってるだけで。基本的にホントのことを言うと、世の中、糾弾されるじゃないですか」 糾弾されても言ってくれよと思うのは、テレビを見ている人間の勝手な思い込みなのだろう。 「自分はもうこれだけやらせてもらっているから、べつに明日降ろされても幸せなしゃべり手人生だったと思えますからね。世の中ってうそ八百で成り立ってるし、ホントのところは新聞も雑誌もテレビも伝えないし、たまに言外に漂わせたり、におわせたり、スクープで追及したりってことはあっても、ほとんどがお約束で成り立ってるわけですね。プロレスですよ、世の中。完全にプロレスです」 芸能人や小粒な政治家のスキャンダルはときどき週刊誌をにぎわすが、大物権力者の致命的なスキャンダルはこのところ出てこない。 今こそ「安倍晋三研究」が必要だと思うのだが、核心に迫ったレポートやノンフィクションは残念ながら出ていない。 テレビの限界を知っているから、そこを壊すことなくちょこっと権力批判を織り込む古館の“頑張り”が目立つのだろうが、隔靴掻痒の感は否めない。 「でも、無理して10年やってきましたから、もうちょっと頑張りたいんですよね(笑)」 古館が「これでテレビとおさらば」と決意する日は、いつかは来る。そのときは思う存分、胸の内をぶちまけ、テレビ批判をしてもらいたいものである。 (文=元木昌彦)「AERA」7/14号 中吊広告より
“免除のススメ”で納付率が39.9%→60.9%に大幅アップ! 国民年金のカラクリ
今週の注目記事 第1位「劇団四季が悲鳴を上げた『浅利慶太』37億円バラ撒きの欲求」(「週刊新潮」7/3号) 第2位「女優・吉沢京子『中村勘三郎さんに愛された日々』」(「週刊現代」7/12号) 第3位「年金『納付率をごまかせ』厚労省内部指示文書をスクープ」(「週刊ポスト」7/11号) 第4位「不倫メール350通と愛人宅での寝そべりショーツ写真を公開する」(「週刊ポスト」7/11号) 第5位「『私の性器が作品』とM字開脚した白人女性アーティストの『芸術論』」(『週刊ポスト』7/11号) 第6位 「実は女の敵だった『美人都議』白いスネの傷」(「週刊新潮」7/3号) 「涙のヒロイン塩村文夏『華麗なる履歴書』」(「週刊文春」7/3号) 「真夏のセクハラオヤジ狂騒曲」(「週刊ポスト」7/3号) このところ、「予想通り」に事が進んでしまうことが続いている。ひとつはサッカーW杯の日本代表の“惨敗”である。敗因はいろいろ言われているが、ひとことで言えば、世界で戦う実力がなかったということである。 もうひとつは、公明党の集団的自衛権容認である。安倍首相側のどうにでも解釈できる「変更」をよしとして山口代表は受け入れ、明日(7月1日)にも安倍は閣議決定をするそうである。結局、与党にいるうま味を捨てられず、だだをこねてみただけだったのだ。民主党はまったく存在感を示せず、共産党は手も足も出なかった。 オール与党の大政翼賛会政治に媚びる多くの大マスコミは国民の知る権利に答えないから、国民は真の危うさになかなか気付かない。こうしたときにこそ、週刊誌を含めた雑誌の力が必要なのだが、どうもそれすら危ういように思えてならない。 なぜなら、東京都議会での塩村文夏都議(35)問題にその“兆候”を見ることができるからだ。塩村議員が妊娠中や育児中の女性のサポートを積極的に進めるべきだという質問中に、「早く結婚したほうがいいんじゃないか!」という下劣なヤジを飛ばした鈴木章浩都議(51)について、新潮、文春、ポストなどが扱っている。 このヤジのほかにも「産めないのか」「お前が結婚しろ!」などというヤジもあったそうだが、こちらは今のところ特定できていないようだ。 鈴木議員はメディアの取材に対して最初は否定していたが、事態を重く見た自民党の石破茂幹事長が「名乗り出させろ」と強硬姿勢を見せ、鈴木議員が塩村議員に謝罪することになった。この鈴木議員の政策が「女性が働きやすい社会の実現」だというのだから呆れる。上昇志向が強く、支持者に支払わせて銀座の高級クラブを豪遊しているなどと文春が書いている。 ゆくゆくは大田区長や国政へという野心を持っているそうだが、今回のことで女性票を逃がしてしまったから夢は潰えた。 ここまで各誌の論調はいい。だが、3誌とも“被害者”である塩村議員の過去の“華麗な履歴”まで暴露し、揶揄しているのはいかがなものか。 「たけしの『熱湯コマーシャル』で写真集PR」「『恋から』秘話『別れた男から1500万円』にさんまも絶句」「維新塾からみんなのアイドルに 『朝日記者』大企業御曹司にも大モテ」「『許可なしポスター』地元でヒンシュク 『家賃未払い』で訴えられた!」(すべて文春) ポストはモノクログラビアでアイドル時代の写真を並べ「こちらも何かと話題が尽きない」と書いている。たかが週刊誌ではあるが、これでは塩村議員は二重のセクハラを受けたことになるではないか。 ここで追及すべきは、鈴木議員一人に詰め腹を切らせ、一件落着としたい自民党側のやり方である。この程度で“落着”では、これからも心ないヤジは飛ぶだろうし、根本的な問題解決にはならない。市民団体が「このまま幕引きは許さない」としてネットで署名を集めているが、もしかすると全国的な運動に広がっていくかもしれない。ことは都議会レベルの問題ではない。国会の聞くに堪えない下品なヤジはハマコー(浜田幸一元議員)がいなくなっても続いている。これを機に、下品なヤジを飛ばした議員は辞職させるぐらいのことを率先してやるべきで、それを後押しするのが週刊誌の役目であるはずだ。そう思うゆえに、最下位にランクした。 5位はポストの記事。フランス・パリにあるオルセー美術館といえば世界的な名画が展示されていることで有名だが、5月29日にハプニングが起きたという。 観る者に「アートとは何か」を問いかける挑戦的な名作『世界の起源』(19世紀フランスの写実主義の巨匠ギュスターブ・クールベ)が展示されている。 この作品には豊かな陰毛に覆われた女性の陰部が描かれており、1866年の発表当時からヌード芸術表現の議論を巻き起こし、その論争は150年近くたった今でも続いているそうだ。 この歴史的作品が掲げられた場所で、金色のドレスを着た黒髪の白人女性が両足を大きくM字に広げ、座り込んだというのだ。ドレスの下に下着は着けていない。股間には黒々としたヘアが見え、女性器も露出していた。 そこにいた多くの観客たちは驚きの声を上げ、絶句した。その間わずか数分だったが、美術館の警備員が駆けつけ彼女を観客の目から隠し、その後警察が彼女を拘束したという。 この女性は、ルクセンブルク出身の30歳。彼女はこの行動について「8年前から考えてきたアートだ」と説明したという。 彼女はフランス紙「フィガロ」でこう語っている。 「私にとって、あの振る舞いの中には善も悪も暴力的なものもありませんでした。ポーズをとることで、私自身がひとつの舞台の観客になったのです。そして突然、私の中で何かが動き出した。これは決して売名行為ではない。私はアーティストとしての仕事を止めるつもりはありません。また再開します」 彼女は処罰を受けることなく釈放されたという。なかなか粋な計らいではないか。 お次もポストの記事。夏の甲子園の地方予選が各地で続々と開幕している。その最中、大会を主催する高野連(日本高等学校野球連盟)の理事が、職務時間中の不貞行為を告発されたというのである。なにしろ勤務時間中に絵文字満載のハレンチメールを不倫相手に送信し、昼間から彼女の家を訪れていたというのだ。 その御仁は佃省三氏(55)。妻と2人の子どもを持つ佃氏は、春夏の甲子園大会を主催する高野連の理事で、九州地区・鹿児島県高野連理事長という要職にある人物。県立高校で保険体育を教える現役教師でもあるそうだ。ポストが入手した不倫相手のAさんへのメールは350通あまり。時期は、11年8月から14年5月までの間に送信されたもの。 Aさんは6月23日、鹿児島県の教育委員会へ佃氏に対する「懲戒解雇処分申出書」を提出し、そこには約350通のメールが添付されている。懲戒解雇処分に相当する理由としては、地方公務員法、第30条、第33条、第35条を逸脱し、地方公務員としてあるまじき不適切所為に抵触するものということのようだ。 告発したAさんは、ポストの取材にこう答えている。 「初めて会ったのは09年でした。お付き合いが始まったのは11年1月です。それからというもの、日曜日は毎週のように私の自宅に泊まっていましたし、平日でも昼間にメールか電話が来て、一緒にお昼を食べてお酒を飲んでいました。そうしたことが週に何度もありました。夕方まで私の家にいて、それから学校に戻ることもあったようですが……。今考えれば、私の家をラブホテル代わりに使っていたということでしょう。お金はかからないし、ご飯は作ってくれるし、お風呂も一緒に入るし、その後は体まで……」 Aさんが告発を決意したのは、佃氏による暴力だとポストは書いている。では、佃氏はどう答えるのか。彼は「彼女はクレーマーなんですよ」と、むしろ自分のほうが被害者だというような言い方をしたが、事実を示していくと、しどろもどろになりながらもこう言い放つ。 「彼女は証拠を出しているというかもしれないが、私にも潔白を示す証拠がありますよ。こんなの誹謗中傷ですから」 佃氏が理事を務める高野連は、 「佃氏への告発があったとの報告は受けていないのでコメントできないが、事実であれば高野連としても調査し、問題があるなら球児の不祥事と同様に何らかの対処をする必要がある」 と回答した。彼女が撮ったのであろう佃氏の恥ずかしい写真が何枚か載っている。これを見ると、佃氏は言い逃れできないと思うのだが。 お次もポストの年金批判。ポストは先週号で、厚生労働省が発表した国民年金納付率「60.9%」はおかしいと報じた。「本当の納付率」は39.9%と4割以下に落ち込んでいるのだが、そう見せるカラクリは、保険料納付の免除者(384万人)や学生などの猶予者(222万人)を増やして、分母(納付すべき人)から除外することで見かけの納付率を上げるというものだというのである。 その証拠に、こういう実例を挙げる。都内に住む30代の男性Aさんの自宅に、突然女性が訪ねてきた。 「年金のことでお話ししたいことがあるのですが」 自営業のAさんは現在のマンションに越してきてから2年弱、仕事が忙しくなったこともあって国民年金の保険料を支払っていなかったので、そのことだろうとピンときたという。 すると60歳前後の女性は、 「未納分の平成24年分と25年分について、保険料免除の申請ができるんです。こちらの書類にサインしてください」 と言うのだ。「このやりとりこそ、厚生労働省の『納付率粉飾』を象徴する出来事なのだ」とポストは言う。免除者増やしは国策で、Aさんを訪問した女性は、その役割の一端を担っているのだ。玄関先で女性から渡されたのは「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」というA4判2枚つづりでカーボンコピーになっている。 「未納分を支払ってください」という言葉はなく、「初めから免除できます」というやりとりだった。Aさんは支払う意思や余裕があるかどうかすら聞かれていないのだ。これでは、単に払うのを忘れていただけで収めたいと思っている人も免除申請してしまうし、これと同様の未納者訪問が全国で繰り広げられていると、ポストは追及する。 この「免除のススメ」を行っているのは年金事務所の職員ではない。09年からこうした事業は民間事業者に委託されているのだ。保険料収納という事業内容から見れば、未納者に支払いを督促するのが仕事だと誰もが思うだろうが、それが違うという。 元年金事務所幹部は、こう証言している。 「上からは、とにかく納付率を上げろとハッパをかけられている。よほどのバカでなければ、そのためには支払いを求めるより免除者を増やすほうが早いとわかります。訪問前に一応、支払ってほしいという督促状は送っているが、現場では『免除というお得な制度がありますよ』と勧めているのが現実です」 厚労省が納付率を発表した資料の中で、自営業者などの国民年金加入者(第1号被保険者)約1805万人のうち全額免除・猶予などを受けている人は606万人と、前年より19万人増えたことを明らかにした。それとは別に259万人の未納者がいて、納付者はわずか940万人となっている。納付者は前年より41万人減少し、納付総額も単純計算で200億円以上減っている。払う人が減り納められた保険料も減ってる現場を見て、『年金財政は改善に向かっている』という政府の発表、そしてそれをそのまま報じる新聞やテレビの言葉を正しいと感じる国民はまずいないはずだ」(ポスト) ポストのこうした指摘に、怒りを覚えない国民はいないだろう。 「免除者が増えれば、当然ながら年金財政も空洞化が進む。日本の年金制度は現在の高齢者を現役世代が支える仕組み(賦課方式)だから、免除推進はわざわざその支え手を減らす取り組みといえる。厚労省がやってることは、年金財政と国民の老後の両方を崩壊させる天下の愚策なのだ」(同) なぜこうしたことを、新聞やテレビは詳しく報じないのだろう。官界・財界御用達は日経新聞だけではない、ということなのだろう。 現代で女優・吉沢京子が、中村勘三郎との恋を語っている。これが第2位。 吉沢京子といえば1969年の「柔道一直線」(TBS)で桜木健一のガールフレンド役で出演し、その可憐な容姿で人気が出た女優である。1年半前に亡くなった歌舞伎界の名優・中村勘三郎との出会いは、71年4月に公開された映画『幻の殺意』の撮影現場だった。勘三郎はその頃は中村勘九郎と名乗り、16歳。彼女は1つ年上だった。2人の付き合いは、約6年間続いたそうである。 親しく話すようになったある日、勘三郎から「僕と付き合ってください」と交際を申し込まれたそうである。彼女も「はい」と頷いた。会う場所はお互いの自宅。勘三郎の小日向(東京・文京区)の家にはよく行ったそうである。 ファーストキスは彼女が18歳で彼が17歳の時。2人で神宮外苑の銀杏並木を散歩していたところ、彼からキスの許可を求められたという。 「吉沢さん、明日、してもいいですか?」 約束通り翌日、彼が彼女のおでこに口づけをしたそうだ。 勘三郎から「一緒になろうね」と、プロポーズめいた言葉をもらったこともあるそうだ。彼女もそのつもりで、勘三郎の両親、彼女の親も公認の仲だったから、「俗にいう許婚のようなものだったのかもしれません」と話している。 「そして、私にとって初めての男性経験も彼だったのです」 「勘三郎に女性の影がなかったといえば嘘になります」 芸者や舞妓、女優などの存在が見え隠れしていたという。 「それでも彼が芸を磨くためなら、少々のことは仕方がないと自分に言い聞かせていました」 だが、とうとう不安は現実になった。 彼女がいつものように中村家に行くと、彼と一緒に美しい女性が待っていた。先輩女優の太地喜和子だった。 「11歳年上の大先輩。映画『新座頭市物語・折れた杖』で共演させていただいた、尊敬する人でした。『なぜ、太地さんがここに……』と不思議に思いましたが、太地さんは私を見るや、ただ頭を下げながら、こう言ったのです。『彼のことが本気で好きなっちゃったの。だから、申し訳ないけれど、別れてもらえないでしょうか』(中略)太地さんの言葉は勘三郎さんの意思でもあることはわかりましたから、涙が溢れて止まりませんでした。(中略)彼は言いました。『吉沢さん、ごめん。2年間、待ってくれないか』2年後には太地さんと別れて、また交際を始めようという意味だったのだと思います。でも、私は『2年も待たないわよ!』と答えました。私も勘三郎さんとの別れを決心したのです」 勘三郎は太地と2年後に別れ、7代目中村芝翫の次女・好江と結婚した。その後、彼女も映画会社の社員と結婚した。長男も生まれたのだが、家庭環境の違いで合わず、6年後、子どもを連れて家を出た。 離婚から間もない頃、勘三郎と会う機会があったという。 「やはり踊りの会で、私は子供と一緒。すると彼は無言のまま、子供を引き寄せ、ギュッと力強く抱きしめたのです。長い間、抱擁していました。彼の目には光るものがありました。それを見た瞬間、私の彼へのわだかまりはすっかり氷解したのかもしれません」 彼女にとっても、勘三郎との思い出は忘れ難いのであろう。それにしても、勘三郎という男を亡くしたのは惜しい。 今週の第1位は、日本最大の劇団「劇団四季」のトップである浅利慶太さんにまつわる話。氏ではなくさんと書く理由は、後ほど説明させていただく。 「今年は劇団創立60周年。僕も81歳になった。医師からも、無理をしないでほしいと言われている。今日は、僕が劇団トップとしてする、最後の話になると思う」 『オペラ座の怪人』『キャッツ』『ライオンキング』など数々のミュージカルをヒットさせてきた劇団四季の浅利さんが6月16日、劇団員を前に突然の引退宣言をしたと、週刊新潮が報じている。年齢からいっても引き時ではあるのかもしれないが、創立60周年は去年のことだし、次に引用するように、浅利さんの言動がどこか変だというのだ。 「みなさんに大幅なボーナスをあげたいんだ。財源は37億4000万円。(中略)11年以上の在籍者を年次ごとに6段階に分けて、37億円を払いたい。振り込みは7月14日の劇団創立記念日」 大盤振る舞いではあるが、払う額に大きな“格差”があるというのである。 「役員でも1000万円程度しかもらえないのに、浅利先生の奥さんで専属女優である野村玲子さんは、1億以上も貰えるというのですから」(劇団の中堅技術スタッフ) 慶応大学時代からの友人である、音楽評論家の安倍寧さん(81)がこう話す。 「彼は、軽度のアルツハイマー型認知症。正確に言えば、認知障害です」 安倍さんが不安を感じたのは、6~7年前のことだという。 「舞台の初日、浅利がロビーに立ち、観客を出迎えて挨拶するのが『四季』の慣習になっています。それが、その場で僕を見つけると、“前に紹介してもらった3軒のレストランは美味しかった。早く4軒目を教えてくれよ”とか、“今日は1人かい。奥さんは一緒じゃないの?”と、同じことばかり繰り返して聞いてくるのです。それでおかしいなと思い始めました」 安倍さんと浅利さんは同じ人間ドックを利用しているため、浅利さんが専門医から認知障害だと診断された事実を知ったという。浅利さんの症状は軽度だが、新しい記憶の積み重ねが困難で、固有名詞を思い出すことが難しいそうだ。 そこで安倍さんは浅利さんの妻・野村玲子さんに相談した後、親友に“引退勧告”をする決意を固めた。2人が対峙したのは3月20日、浜松町にある四季東京事務所の浅利さんの執務室。 「最初は、浅利も“ありがとう”と言ってくれましたが、認知障害と診断した医師を“あの医者はヤブだから信用できない”と言い出す始末でした。そこで私は、“じゃあ、何でアリセプトという薬を飲んでいるのか”と聞き返しました」 アリセプトは、国内で広く使われている認知症改善薬だという。 「彼は“誰が君に教えたんだ”と犯人探しのようなことばかり言っていた。私が“そんなことは問題じゃない”と言うと、最後に彼は“言いたければ、言って構わない”と捨て台詞を残したのです」 新潮が浅利さん本人に尋ねると、こう答えたという。 「(認知障害は)そんなことはまったくない。告げ口した悪いヤツがいるとわかっています。(功労金の支払いは)いや、あの今年で61周年……。まあ、それで僕は引きますので……。週刊新潮が出たら、僕はきっとクビになると思います」 6月26日付の朝日新聞が、浅利さんが四季株式会社の社長を退任したと報じている。 ここで私事で恐縮だが、浅利さんと私について触れさせていただきたい。私が最初に浅利さんと会ったのは30代の始め。彼を通じて、新自由クラブ(当時)の河野洋平さんや安倍寧さんたちと知り合う。 当時大人気だった越路吹雪のリサイタルにも何度かお邪魔した。だが、越路さんが亡くなりドル箱を失った四季は、参宮橋にあった四季の事務所や稽古場をあざみ野へ移さざるをえなくなり、長年の友人である安倍さんの顧問料も支払えなくなる。困った浅利さんから、私にその旨を安倍さんに伝えてほしいと言われ、安倍さんに会いに行くが、承服しかねた安倍さんとの仲がギクシャクした時期があった。 四季が大きく飛躍するきっかけは、都庁近くの空き地を借りてテント小屋を作り『キャッツ』を始めたことである。作品の素晴らしさはもちろんだが、期間を区切ってのテント小屋公演という発想がユニークで、『キャッツ』は爆発的な人気を呼んだ。 浅利さんに劇団員の女性と見合いをさせられたことも、懐かしい思い出である。一番忘れられないのは、私がジャニーズ事務所のスキャンダルを週刊現代で記事にして大騒ぎになり、会社は事態を収拾するために私を婦人誌へ飛ばしたときのことだ。会社のやり方が頭にきた私は、銀座のバーで浅利さんと会って辞める覚悟を話し、浅利さんのところで秘書として雇ってくれないかと頼んだ。 しばらく私の目をじっと見つめ、浅利さんはこう言った。 「君の気持ちはわかった。だが、婦人誌へ行ったばかりでは、そこの仕事が好きになるかどうかわからない。1年だけ我慢してみないか。1年経って君が辞めたいというなら僕が責任を持って面倒を見よう」 このひとことがなかったら、私は会社を辞めていたと思う。合わないと思っていた婦人誌は、やってみると意外に面白かった。そして2年後に月刊現代へ移った。 こういう言い方は失礼になるかもしれないが、私がこれまで会った中で浅利さんほど優れた人はいないと思っている。超ワンマンだし、人間的に批判されるところがないわけではないが、演出家としてはもちろんだが、人心収攬術、弁舌のさわやかさと説得力、経営者としても秀でている。だが、そうした人にも、年齢による“老い”は確実に来る。 しばらく前にこう言われた。 「元木くん、60代と70代は全然違うよ。君ももうすぐ70になる。気をつけなさい」 そして70代と80代も違うのだろう。この特集を読んでいて寂しさがこみ上げてきた。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」7/3号 中吊広告
第二の尼崎連続不審死事件か――謎を呼ぶ、筑後市連続失踪事件
今週の注目記事 第1位 「サラリーマン『残業代ゼロ』でも『役人だけは例外』の大謀略」 「主婦の年金を廃止するならサラリーマンの保険料を下げるのが筋だ」 「『女性は働け』の大号令で『麻生』と『パソナ』が大儲け」(「週刊ポスト」7/4号) 第2位 「筑後連続変死・失踪事件『大便のあとはシャワー!』厳命した『女王様妻と奴隷夫』の転落」(「週刊ポスト」7/4号) 第3位 「自衛隊は北朝鮮、そして中国と戦う」(「週刊現代」7/5号) 第4位 「入来祐作 用具係の日々に『この惑星には裏方の喜びもある』」(「週刊新潮」6/26号) 第5位 「ウソつきノバルティス社に協力した『疑惑の医師』を直撃!」(「週刊現代」7/5号) 第6位 「前田敦子『結婚宣言』も…尾上松也“裏切りの車中キス”」(「週刊文春」6/26号) 週末に中国・北京で遊んできた。雨、それも豪雨が多い季節だが幸い遭遇せず、PM2.5などどこにあるのかというような美しい青空が広がっていた。 前回訪れたのは2011年3月。11日の東日本大震災は、中国外務省の高官と会う直前にiPadで知った。慌ててホテルへ戻り、テレビに映し出される津波の映像を震えながら見ていたことを思い出す。 今回はたいした用事もなく、北京市内をバスと地下鉄を使って気ままに歩いて回った。街を歩いていてもレストランで食事をしても、反日ムードなど感じたことはない。バスや地下鉄に乗れば、座っている若者が席を譲ってくれる。聞けば、中国では若者が乗り物に乗るとき、まず年寄りがいないかを見回し、いないことを確認してから座るのだという。儒教の教えが行き届いているようだが、譲られるほうは何か気恥ずかしいものである。 なぜ私に声がかかるのかと車内を見回すと、意外にも年寄りの姿をあまり見かけないのだ。バスと地下鉄は日本のSuikaのようなプリペイドカードでタッチすればいい。バスはひと乗りが0.4元(約6~7円)だからとてつもなく安いのだが、週末だから、年寄りの姿が少なかったのであろうか。 地下鉄も、ホームには開閉式のドアがついていて安全に配慮されているし、ゴミもなく清潔である。駅のトイレも、以前とは比べものにならないくらいキレイなのは北京五輪のおかげであろう。 だが気になったのは、テロを怖れてのことだろうが、警戒が半端ではない。地下鉄に乗るのにも手荷物を検査されるし、天安門広場へ行ったときにも手荷物検査があり、そこここに「公安」たちが目を光らせている。 そのためか広場にいる人数は意外に少なく、広い広場がなおさら広く感じられた。1989年、天安門事件が起きる前日に、私はここにいた。夏を思わせるうだるような暑い日で、そこここでキャンデー売りの自転車に人が群がっていた。 だが、日本で伝えられているような緊張感はそれほど感じられず、このまま睨み合いが続くのだろうと思って、夕方そこを離れ帰国した。 間違いなく、中国政府の強硬派たちが怯えて軍を出動させ、若者たちを戦車で蹴散らすよう命令を出したのである。 今の北京を見ていると、習近平たち現政権が少数民族のゲリラ・テロを怖れていることがよくわかる。9.11以降、アメリカはイスラム過激派のテロに怯え、アメリカ人たちは海外に出ることをしなくなり、孤立主義を深めていった。 中国は虚勢を張ってはいるが、内心の動揺は町中に監視カメラと公安警察をあふれさせたことで見て取れる。 そんなことを考えながらブラブラ歩いたが、どうしても紹興酒を飲みたくなって「咸享酒店」(北京市朝陽区北三環東路19号)へ行った。ここは、週刊現代の友人に教えてもらった店である。 「紹興咸亨酒店」は中国浙江省紹興市にあり、文豪・魯迅の叔父が1894年に開業した造り酒屋と居酒屋がある。魯迅は毎晩、そこで紹興酒をどんぶりで飲んでいたという。 そこの支店かどうかはわからないが、店は本店とは違った豪壮な造りのレストランである。紹興酒の種類はさすがに多く、10年ものを頼んだがとろけるようなトロリとした味わいが絶品である。料理も酒に合うものがそろっており、値段もリーズナブル。紹興酒3本、料理をたらふく食って4人で約1万2,000円ほど。北京ではなかなか飲めない紹興酒が飲める貴重な名店である。 さて、サッカーW杯の1次リーグ突破が危うくなった日本代表だが、敗退が決定的になれば、お決まりの「戦犯」探しが始まるのであろう。現代は早くも「弱すぎた!1次リーグ敗退」とタイトルを打ち、「本田も、香川も、長友も、こんなものだったのか」と戦犯候補を挙げているが、新潮が予想していたように、当たる相手はみな格上なのだから、ハナから突破することは難しかったはずだ。実力通りの結果ではないかと、私は思うのだが。 さて、今週の第6位。文春お得意のネタ、元AKB48のセンターを務めた前田敦子(22)についての記事。 6月6日の夜、前田が青山で舞台を鑑賞した後、女優の高畑充希や俳優・池松壮亮、柄本時生らと居酒屋でダベっているのを、文春の記者が聞き耳を立てていたそうな。 すると、前田と交際していたが、破局したのではと報じられた歌舞伎界のニュープリンス・尾上松也(29)とのことをこう話していたというのだ。 「柄本『いま上手くいっているってこと?』 前田『うん、上手くいってるよ』 柄本『……そこまで言ったんなら絶対結婚しろよ、オマエ』 前田『うん、でも全然できるわ-。なんかすっごく好き』」 こう書き写していると自分がアホに思えてくるが、もう少しガマンしよう。恋多き女が結婚を考えているというのだから男冥利に尽きると思うが、そうではないようだ。 前田が結婚願望を口にした6日後の渋谷、深夜2時。男は噂の尾上で、連れの女性は40がらみの美人だというから、ずいぶん年が離れている。 2人はタクシーに乗り込み、女性の自宅に着く直前、尾上が彼女に熱いキスをしたというのだ(証拠写真がグラビアにあり)。 尾上は「裏切りの車チュー」をした後、その足で向かったのは前田の住むマンションだという。 この年上女性は、その筋では有名なラジオプロデューサーだそうだ。今が一番楽しい時期であろう尾上が、本気で前田と結婚する気になるのだろうか。 この話題は、19日朝のフジテレビ『とくダネ!』でもやっていた。前田がAKB48にいたら、秋元康の「威光」を怖れて扱わなかったと思うが、そこを離れたただのタレントには配慮する必要がないのだろう。 お次は第5位。製薬会社ノバルティスファーマ(以下、ノバ社)が血圧を下げる薬「バルサルタン(商品名・ディオバン)に脳卒中や狭心症などのリスクを下げる効果があるとして、2000年から大々的に販売してきたが、その効能は医学的には存在せず、実験データに不正があったことが判明し、厚労省が調査を続けてきた。 そしてついに6月11日、データ改ざんの実行犯として、同社元社員の白橋伸雄容疑者(63歳)が逮捕された。 だが、白橋一人でできるわけはない。京都府立医科大学で大規模な臨床試験を行っていた医師・松原弘明氏(57歳)と白橋容疑者が、二人三脚でやったのではないかといわれている。 だが、ディオバンが問題になりなり始めた昨年2月末、松原医師の姿は京都府立医大病院から忽然と消えてしまったのだ。 それを現代が追跡し、捕まえて直撃している。 彼は奄美大島の名瀬徳洲会病院にいた。病床数255床と島内有数の大規模病院である。 彼は質問に「もう疲れた。(白橋)一人でやったと思う」と、言を左右にして自分の責任は認めないが、東京地検から聴取を受けていることは認めている。 ノバ社は、ディオバンの効能を国際的な医学雑誌に発表した京都府立医大には3億8,170万円、東京慈恵会医大には1億8,770万円、5大学合わせてばらまいた総額は11億円を超えるという。 しかも、それらのカネの「実態は製薬企業が大学の先生に支払う『接待費』なんです」(大学病院に勤務する医師)。巨額な接待費を支払っても、ノバ社はディオバンで1兆2,000億円売り上げているから、大儲けである。 だが、高い降圧剤を処方されたために、数千億円の医療費がそのために支払われているという。 現代が言うように「製薬業界の不透明な手口を解明するためにも、まずはディオバンをめぐるノバ社と大学病院の責任を明らかにすることが求められる」はずである。 さて、かつてドラフトで1位指名された元巨人軍の投手・入来祐作(41)の缶コーヒーのCMが話題である。 96年に入団し01年には13勝を挙げている。その彼が日ハム、アメリカマイナーリーグ、横浜と渡り歩いて、現役を引退したのは08年だったと新潮が報じている。 横浜ベイスターズの打撃投手を務め、09年からは用具係をやっているというのには驚いた。てっきり、CM撮りのための役作りだと思っていたからだ。 CMの話があったのは、今春だそうだ。こんな経験は2度とできないだろうと引き受けたという。入来が今の仕事をこう語る。 「僕が管理しているのは、監督やコーチのノックバット、ヘルメット、選手が練習で使うボールなど諸々の備品です。1日におよそ900個から1000個のボールを扱い、使える物と使えないものを選別していくのも僕の仕事です。球団の予算の範囲内でそれらの管理をします。例えば、選手のユニホームが破れた時、補修するのか新調するのかを判断するのは僕です」 選手が球場に入る前に入り、全員帰った後に球場を出るから拘束時間は12時間ぐらいになる。だが、それを苦に思ったことはないという。 球場にいて選手を間近で見られる子どもみたいな気持ちだと話す。現役時代の自分は、今の彼の中にはないそうだ。現役時代の最高年俸は02年の9,000万円。 「給料の額面を見て、野球選手じゃなくなるということはこういうことなんだと自分で評価しています。男は、働けないことが一番辛いと思います」 ファンの喝采を浴びる日もあれば、屈辱で眠れぬ夜もあっただろう。だが野球が好きだから、どんなことをしてでも野球と関わっていたいのだ。 入来の最盛期を知っている巨人ファンとして、彼にはこう言ってあげたい。素晴らしきかな、野球バカ人生。 現代が安倍首相の「戦争のできる国」への変更は、自衛隊が血を流すことだと批判しているが、タイトルを含めて、なぜもっとハッキリ「安倍首相は自衛隊に死んでくれと言わないのか」とうたわなかったのか。 失礼だが、少し腰が引けた内容である。例えば「'93年の『核危機』の際、密かにアメリカ政府は『第二次朝鮮戦争』が仮に勃発した場合の試算を行っている。当時国防長官だったウィリアム・J・ペリー氏がのちに明かした内容は、次のようなものだった。『朝鮮半島で戦争が勃発すれば、最初の90日間で米軍兵士の死傷者が5万2000人、韓国軍の死傷者が49万人に上る。市民にも大量の死者が出る』」 集団的自衛権が容認されれば、自衛隊を含めた日本人の死者はどれぐらいになるのかを知りたいものだ。 「イラクやシリア、ウクライナ、南スーダン、リビア、ナイジェリアといった、現在紛争が起きている場所にはそれぞれ500~1000人規模の派兵を求められる可能性があります。当然、死傷者が出ることにもなるでしょう」(軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏) 死傷者が出ることになるのではなく、確実に死者が出るのだ。 「しかし、これから支払うことになる代償は決して小さくない」 「威勢がいいだけの安倍総理の言葉を無邪気に礼賛する若者たちは、本当にその覚悟があるのだろうか」 「おそらく安倍総理には、自分がそんな『暴力の連鎖』に足を踏み入れているという自覚はない」 代償は大きく暴力の連鎖は、アメリカや中国のようにテロに怯えて警察監視国家へとまっしぐらに突き進むはずである。 6月16日付の朝日新聞で、旧知の「月刊日本」主幹・南丘喜八郎氏がこう発言している。 彼は純粋右翼といっていい思想の持ち主である。私とは考え方が異なることが多いが、これは「正論」である。 「今日、集団的自衛権の議論で気になるのは『人を殺す』という認識の欠如だ。『戦争に巻き込まれる』『日本人が殺される』と受け身の発想ばかり。いざ戦闘になったら敵、人を殺すことが第一の任務になることを忘れてはならない。(中略)殺された側にも恨みが残る。恨みは連鎖する。それが戦争だ。指導者はその重みに耐え、決断し、背負っていく。最高指揮官たる安倍(晋三)首相に、その覚悟はあるのか。あると言うのなら、起こりうる現実を率直に伝え、『それでも日本には役割がある、耐えてくれ』と国民に訴えるべきだ」 朝日新聞の「朝日川柳」にこういうのがあったと、わざわざ新潮が紹介している。 「『安倍総理バンザイ』と散る自衛隊」 集団的自衛権について、自衛隊員の本音を聞きたいものだ。 安全性が担保されていない原発を世界に売り込み、武器輸出三原則を見直して兵器に転用されることが明白なものまで輸出できるようにし、憲法9条をないがしろにして戦争のできる国にしようと形振り構わず突き進む安倍首相の姿は、戦前の戦争を指導した人間たちの怨霊が乗り移っているのではないかと、夏も近いというのに寒気がするほどである。 福岡県・筑後市で起きた連続変死・失踪事件はその事件の異様さもさることながら、美人妻がなぜこのような事件を引き起こしたのかに関心が集まっている。 この事件はいち早くポストが「筑後連続失踪事件 福岡県警が半年間マークする『美形夫婦』謎の履歴書」(5月2日号)と題して報じていたもの。 妻の中尾知佐容疑者(45)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3,000人ほどの離島で、9人の兄弟姉妹の長女として生まれた。 貧しい中、8人の弟や妹の面倒を見ていた彼女だが、高校を卒業すると島から離れていった。夫は伸也容疑者(47)。筑後市でリサイクルショップを経営する夫婦が福岡県警に逮捕されたのは、6月16日のことだ。 逮捕容疑は知人のキャッシュカードを使って現金を不正に引き出した窃盗容疑だが、その逮捕は夫婦周辺で起きていた連続失踪騒動を解明するための「別件逮捕」であった。 リサイクルショップの元従業員・日高崇さん(当時22)の骨の一部が、伸也容疑者の実家の庭から発見された。伸也容疑者は「妻に言われて暴行して埋めた」と供述しているという。捜査関係者は、彼女こそ事件のキーマンと見ているようだ。 夫婦はリサイクルショップを開くと、複数の従業員を住み込みで働かせた。暴力も常態化し、実態は軟禁に近かった。それだけではなく、従業員に借金を強要してカネを上納させたり、従業員の親に「息子が仕事でミスをして損害を与えた」などと言いがかりをつけ、数百万円を支払わせたことも判明しているという。 亡くなった日高さんの両親も息子と音信不通になった後、店の売上金を盗まれたと夫婦に詰め寄られ、300万円以上を支払っていた。 知佐容疑者が伸也容疑者と出会ったのは、彼女が働いていた福岡・中洲のクラブだったとか、筑後市にあるスナックだったなどとさまざまな証言があるようだ。 「シンちゃん(伸也容疑者)はチーちゃんに絶対に逆らえんと。チーちゃんって口は立つし頭がキレるけん、男相手でも平気で口喧嘩し、相手に逃げ道を与えずトコトン追い込む。ある時、シンちゃんが『(知佐は)怒ると手も出るし、足も出るとよ』と話しとった。喧嘩になるとシーちゃんから殴られたり蹴られたりしとったみたい。そやけんシンちゃんはいつもチーちゃんの顔色を窺っとるようなところがあった」(知佐容疑者のママ友) ポストは、そのやり方は尼崎連続不審死事件の角田美代子ファミリーを彷彿とさせると書いている。警察当局が注目しているのは、日高さんだけではない。 「日高さん、Kさん、そして知佐容疑者の妹の夫Hさんとその子供。伸也容疑者が『庭に埋めた』と供述した複数の遺体はこの4人とみられている。我々が最も注目しているのは、Hさんとその息子だ」 知佐容疑者は夫は違って、事件の話になると「何も知りません」と否認を貫いているという。尼崎の事件のように主犯は女性のようだが、なかなか手強そうである。 以前からポストの安倍首相批判、官僚批判は鋭く、見るべきものが多いが、今週は3本もあるのでまとめて今週の第1位だ! 初めは、安倍首相と財界が狙っている、サラリーマンの残業代をゼロにしろという策略について。 「安倍政権が、ついに本性を露にして国民生活に牙をむいた。サラリーマンの残業代をゼロにする『ホワイトカラーエグゼンプション』の導入を打ち出したことは、すでに大きな反発と波紋を呼んでいる。6月11日の甘利明・経済産業相、田村憲久・厚生労働相、菅義偉・官房長官の3大臣会合で『年収1000万円超』の準管理職のサラリーマンに残業代ゼロを適用することを合意し、6月末に発表する『新成長戦略』に盛り込む方針だ」(ポスト) ポストによれば、今回は「年収1000万円は労働者の(上位)3~4%に入るような明確に高い賃金」(甘利大臣)という言い方で、国民に「そんなに年収のある人ならいいか」と思わせようとしているそうだ。しかし、政府や経団連の当面の狙いはそこではなく、「年収600万円台後半」のサラリーマンへ拡大しようとしているというのだ。 さらに政府と財界の最終目標は、残業代ゼロの制度を「年収400万円以下」の社員にまで拡大することだという。 「特に許しがたいのは、民間サラリーマンにリスクを押しつけようとしている役人たちは、このホワイトカラーエグゼンプションが実施されても痛くも痒くもないことだ。元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授が語る。 『霞ヶ関の行政職の官僚は全員、労働時間規制の対象外で、いわばすでにホワイトカラーエグゼンプションが適用されているようなものだが、残業代は出ます。しかも、超過勤務手当の予算総額は決まっているから、個々の職員が実際に残業した時間ではなく、忙しい部署の職員には多く、そうでない部署には少なく配分される。私が忙しい部署にいたとき、1人だけ仕事を早く処理して先に帰宅しても残業代がついていました』 残業しなくとも残業代がもらえるとしたら特権というより“公金横領”だろう」(同) 支給される残業代は、国家公務員全体で昨年度の約1,428億円から今年度は約1,539億円へと、予算8%増の大盤振る舞いがなされているのだ。 サラリーマンには厳しい条件を平気で押しつけ、自分たちはのうのうと残業代ももらい天下りのし放題では、天が許さない。 さらに見逃してならないのは、「主婦年金廃止」の動きであるとポストは書いている。主婦は「第3号被保険者」として保険料を負担しなくても、将来、年金を受け取れる仕組みになっている。その「第3号」制度を廃止して、主婦にも月額約1万5,000円の保険料を負担させようという計画があるのだ。 「その中ではパート勤務の妻を厚生年金に加入させるよう制度変更(16年10月施行)して、約1000万人いる第3号被保険者を減らすことがハッキリと図で記されている。その先に狙われているのが『主婦年金』(第3号制度)廃止』なのだ。 年金官僚たちはこれまで『主婦は保険料を払わずに年金をもらえる。不公平だ』という説明を繰り返してきた。その真に受けた大新聞やテレビも『主婦はズルイ』と煽った。11年には、当時の小宮山洋子・厚労相が『(第3号制度は)本当におかしな仕組みだ』と語ったこともある。 本当におかしいのは、そういってきた者たちのほうだ。『不公平論』は真っ赤なウソなのである。年金博士としてお馴染みの社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。 『第3号制度が導入されたのは1986年です。当時財政の再計算が行われ、将来の給与が増える分、サラリーマンが加入する厚生年金の保険料率は10.6%から12.4%(労使合計)へ引き上げられた経緯があります』 つまり、主婦の保険料は夫の負担をアップさせることで補ったのだ。(中略) 『もし第3号制度を廃止するというなら、その分サラリーマンの保険料を下げるのが筋です』(北村氏)」 ポストは、年金の納付率もインチキがあると批判する。 「5月下旬、新聞各紙は『国民年金の納付率、4年ぶりに60%台に』と報じた。厚労省が発表している納付率は10年度に60%を割り込み、12年度は『59.0%』、それが13年度に回復したというのだ。手元に、一般には公表されていないA4版1枚の厚労省資料がある。そこに記された実際の納付率は60%どころか『39.9%』(12年度)となっている」 妻にも年金を払わせるという策略の裏には、彼女たちを社会に出させて少子化による若年労働者不足に苦しむ経済界が労働力として安く使おうというもくろみがあるというのである。 「安倍政権は『女性が輝く日本』を成長戦略の柱に据え、2020年までに企業の役員や管理職など社会の指導的立場で活躍する女性の割合を30%にするという目標を掲げた。しかし、そんなきれいごとを額面通りに受け取る者はいない。企業が欲しがっているのは管理職でも役員でもなく、明らかに目先の安価な労働力だからである」 今まで主婦をやっていた女性のうち、社会に出て主要な地位に就ける人などごくごくわずかでしかないこと、誰にだってわかる。安倍首相の二枚舌ならぬ三枚、四枚舌は、企業側の思うがままに言っているだけなのだ。 さらにポストは、300万人といわれるそうした主婦たちを職業訓練し、派遣するビジネスがこれから大儲けになる。そこに、安倍首相と親しい人材派遣業の大手「パソナ」と、麻生太郎副総理兼財務相のファミリー企業の1社「アソウ・ヒューマニーセンター」がおいしい汁を吸っていると追及する。経済ジャーナリストの萩原博子氏の批判は的を射ている。 「安倍政権の成長戦略はみんな個別企業の利益に直結しています。法人税引き下げやホワイトカラーエグゼンプションは経団連の大企業の利益に沿った政策であり、今年解禁された薬のネット販売は総理のプレーンである楽天の三木谷さんのビジネスでしょう。この事業も主婦の再就職を応援するといえば聞こえはいいが、税金を使ってブレーンの竹中さんの企業や麻生グループの商売に使われている。それは安倍さんの政策を決めているのが諮問機関の経営者やブレーンたちで、国民のためではなく、彼らの利権づくりのための政策でしかないからです。こんな発想で女性の社会進出といわれても、最後に割を食うのは女性や働く人たちです」 安倍政権はこの国の形を変えてしまうだけでなく、そこに住む人間たちに一部の大企業や政治家、官僚たちの意のままに動くことを強要する政権である。とすれば、“史上最悪”の首相と言っても言い過ぎではないはずだ。 かつて現代、ポストは「サラリーマンのための週刊誌」を売り物にしてきたが、今こそサラリーマンや高齢者の真の味方であってほしいと、切に思う。そうすれば、必ず部数もついてくる。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」7/4号 中吊広告より
フジテレビ化は凋落への第一歩? 女帝・木村優子排除で日テレに黄色信号
今週の注目記事 第1位 「ダウンタウン浜田雅功 29歳Fカップグラドルと裏切りの3年不倫」(「フライデー」6/27号) 第2位 「『フェラAV』出演の美女アナが出演番組を降板させられた」(「週刊ポスト」6/27号) 第3位 「吉高由里子『元カレを引き戻す』下ネタ力」(「週刊ポスト」6/27号) 第4位 「長生きしたけりゃメタボが一番!」(「週刊文春」6/19号) 第5位 「日テレ『女子アナ大異変』女帝・木村優子にマウンティングするのは誰だ」(「週刊ポスト」6/27号) 第6位 「銀座『名門すし戦争』次郎vs.久兵衛 場外乱闘の勝者」(「週刊現代」6/28号) 第7位 「『ザックジャパン』亀裂の底に『本田』妻が『大久保』母を無視事件」(「週刊新潮」6/19号) 第8位 「プーチンの娘は日本が大好き!」(「週刊文春」6/19号) 第9位 「天使の谷間 篠原涼子」(「週刊現代」6/28号) ブラジルW杯が始まって一番喜んでいるのが安倍首相であろう。何しろ、ビデオリサーチ社が16日に発表したコートジボワール戦の瞬間最高視聴率は50.8%。各局合計の番組平均視聴率の占拠率は、後半に75.2%に達したそうだ。 憲法9条をなし崩しにし、これからの日本を戦争のできる国に作り上げようとする安倍首相のなりふり構わないやり方に、建前上は平和の党をうたう公明党がもろくも崩れ、今国会開期中にも閣議決定が強行されようという「非常時」に、日本人はサッカーにうつつを抜かしているのだから。 石破茂幹事長は、どこぞの講演で「日本の民主主義は、そんなにやわではない」と語ったという。腹の黒い政治家がよく使う言葉だが、彼もそんなことを信じてはいまい。 日本に民主主義が本当に根付き、その根幹である憲法を大事にしてきたら、今のようなひどいことにはなっていない。 日本には「ひ弱な民主主義」しかないのだ。60年安保のとき国会を取り巻く反対運動の人の波に怯えながら、当時の岸信介首相は「それでも後楽園は野球を見る人でいっぱいだ」とうそぶいた。 歴史は繰り返す。安倍首相と側近たちが仕組んだのであろう。W杯開催中に強行してしまえば、それほどの騒ぎにはならないはずだ。日本人は忘れっぽい。W杯で日本が敗退すると同時に、集団的自衛権の容認を閣議決定したこともすぐに忘れる。 奴らのもくろみは見事に当たっている。腹が立つから、今週は政治記事などに見向きもせず、軟派記事だけに絞って取り上げてみた。後世、国を戦争に巻き込む方針の大変更が一権力者の手によって行われようとしているときに、日本人はこんなものを読んでいたのかと批判され、バカにされることになるだろう。 まずは、結婚してから一段ときれいになった女優・篠原涼子のCMが話題だそうだ。下着メーカー「トリンプ」だから胸元を大胆に見せ、なかなかセクシーである。週刊ポストも同じものを載せているのだが、モノクロ写真。やはり、週刊現代のカラーのほうが見応えがある。 お次も文春のグラビア。プーチンロシア大統領の次女(27)が極秘来日していた姿が掲載されている。本国でも娘のことはトップシークレットだというから、“大スクープ”なのかもしれない。 威風堂々とした姿は父親似だ。来日の目的は某大学で「アクロバットロックンロール」を披露するためで、そこの挨拶の冒頭を日本語でしたという。あとはショッピングなどを楽しんだらしいが、父親同様、日本びいきなのは確かなようである。 さて、サッカーのW杯ブラジル大会が始まったが、先週、新潮が予想したように、初戦を見る限り1次リーグ突破できるかどうか危ういようだ。 初戦のコートジボワール戦について、文春が「10倍楽しむ方法」の中で、相手は4年前のアフリカW杯直前の親善試合で、エースFWのドログバを闘莉王が接触プレーで右腕骨折させたことを相当恨んでいると書いているが、後半でドログバが入ってきてから明らかにチームの雰囲気が変わった。恨み晴らさでおくべきかと一丸となって攻められ、あっという間に逆転されてしまった。 さらに新潮は、内部にも火種を抱えていると報じている。これが7位。 その火種とは、サプライズ選出された大久保嘉人(32)と本田圭佑(27)との確執だというのだ。 唯我独尊の本田には長友佑都ぐらいしか仲がいいのはいないといわれるが、元セレッソ大阪組は香川真司、清武弘嗣、柿谷曜一朗、山口蛍などがいて、大久保を尊敬しているという。 その上、ザック監督でさえ、最近の本田の不振を見て、ドリブルで突破力のある大久保を「もう一つの切り札」にしていると、全国紙のデスク氏が話している。 おまけに、大久保の母親・千里さんまでが、南ア大会のときの食事の席で本田家はほかの家族とは別に自分たちだけで並んで食べていて、ドリンクバーで一緒になった本田の妻に「おはようございます」と声をかけたら「無視されたんですよ」と不満を漏らしているのである。 自分の息子かわいさからとはいっても、こんな時期にチームメイトに対して批判めいたことを言うのはいかがなものかと思うが、日本代表が一枚岩でないことは確かなようである。1次リーグ突破ができなかったら「悪いのはみんな本田」という声が上がるかもしれない。どちらにしても、このブラジル大会は“孤高のストライカー”本田の出来いかんにかかっていることだけは間違いない。 さて、現代がオバマ大統領が来日したとき「すきやばし次郎」で寿司を食べる直前、「銀座 久兵衛」の寿司の出前を取っていたという“衝撃的”なウワサが、政界のみならずグルメ界をも震撼させていると報じている。 どうでもいいことだが、そう言っては週刊誌は成り立たぬ。針小棒大こそ週刊誌の神髄である。 「すきやばし次郎」でオバマ大統領は寿司を残したことから、そうした話が出てくるのだろう。安倍総理は12カン食べたが、オバマ大統領は8カンで止めた。いや、10カンは食べたらしいと数については諸説あるようだが、2人とも、全部で20カン前後の「おまかせ」を完食しなかったのは確かだという。 また「銀座 久兵衛」の今田洋輔社長が、雑誌「プレジデント」6月30日号のインタビューでウワサを認め、関係者を驚かせた。 「(オバマ大統領側が、安倍総理との会食前に)寿司の出前を頼まれたのは事実です」 「注文された寿司を食べられたのであれば、半分残されるのはしょうがないかもしれません」 こう話している。この2店は銀座というより日本を代表する寿司屋だから、自分のところに来てくれなかったのが気に障ったのだろうか。 だが、この2店のやり方は相当違っている。次郎のほうはほとんど次郎さんが一人で握っているのだが、久兵衛のほうは、160名余りの社員を抱え、就職支援サイトで新卒者を募るなど、寿司屋というよりは企業としての色合いを強めている。 私はどちらも知っているが、久兵衛はもはや値段は高いが大勢入れ込む大型寿司店で、お上りさんの観光名所のような雰囲気は好きになれない。 だが、ここでもグルメ専門誌記者が言っているが、「次郎」が実態以上に神格化されているところがあるのも事実であろう。 「海外の人にはよく『ジローに行ってみたいんだけど、おいしいんですか』と聞かれますが、『おいしいけど、あなたが行ってもあまり楽しめないと思うよ』と答えています」(グルメ専門誌記者) 寿司屋の楽しみはまずつまみを食べながら酒を飲み、いい加減のいいところで寿司をつまむ。だが、昔からの寿司屋のやり方を通す浅草の「弁天山美家古寿司」もそうだが、いきなり寿司が出てくるから食べざるを得ないし、食べてからでは酒を飲んでもうまくはない。 この確執の裏には政治的な意味合いがあると、ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説する。 「安倍総理は『久兵衛』も加盟する『全すし連(全国すし商生活衛生同業組合連合会)』の名誉顧問を務めています。総理が外遊などで積極的に寿司を売り込もうとするのも、そこで『久兵衛』が選ばれるのも、『全すし連』からの働きかけがあるためでしょう。今回の騒動は、オバマ大統領側の要望で会食には『次郎』を選んだが、『久兵衛』の顔も立てるために日本側が出前を用意した、というのが真相ではないかと考えています」 なんのことはない、本当は「久兵衛」を選びたかったのに、オバマ大統領に「次郎」と言われてしまったため、仕方なく「久兵衛」からも出前を取って格好を付けたかった安倍さんの「思惑」から生まれた、ばかばかしいお話だったというわけである。お粗末様でした。 ポストは、日テレの女帝・木村優子(53)がその座を追われたと報じている。最近のテレビドラマで「マウンティング女子」という言葉がはやっているのだそうだ。自分が格上だとライバルを威嚇することの意で、日テレでもそうした事態が起こっているという。 日テレは現在絶好調で、3月末に発表された昨年度視聴率では全日・ゴールデンでトップとなり、それ以降も快走を続けている。今年はテレ朝を大きく離すはずで、視聴率4冠奪還も夢ではないと日テレ関係者が語っている。 だが、さらに弾みを付けるためにアナウンス部の部長として絶大な権力を持ち、女帝、氷の女王とまで呼ばれていた木村優子が切られ、突如として子会社に出向となったという。 それには、水卜(みうら)麻美アナ(27)の存在があるというのだ。彼女は、昨年「オリコン」が実施した「好きな女性アナウンサーランキング」で1位に輝いた、日テレの看板アナである。 なぜまだ若い水トのために、木村部長が追いやられなければいけないのか? 日テレの情報番組スタッフがこう語る。 「木村さんは、女子アナのプライベートを売り物にするような演出や編集が嫌いなんです。“女子アナはタレントじゃない!”“もうこの番組には出さないよ!”と制作スタッフを叱る姿も珍しくない。アナウンス室に女子アナの出演をお願いする案件があると胃が痛くなるというスタッフもいます。“またキム子(木村アナのこと)のところに行かなきゃいけない……”っていえば、“頑張ってね!”と声をかけられるほど。今回の人事は、“女子アナのタレント化”を危惧する木村さんの考えが、局の方針とぶつかり合った結果ではないか」 日テレでは人気女子アナの退社が続いている。夏目三久アナ(29、11年退社)、西尾由佳理アナ(36、11年退社)、山本舞衣子アナ(36、11年退社)、宮崎宣子アナ(34、12年退社)などだ。 「日テレの給与体系が変わって3割減ともいわれる給与カットがあったことも大きいが、木村さんの厳しさも理由のひとつだと局内ではいわれています」(情報番組スタッフ) 木村アナは花形の女子アナから自分で選んで報道部に移り、現場で苦労してきた女性である。昨今のチャラチャラしてニュースひとつ読めない女子アナに、頭にきていることは想像に難くない。 そうした真っ当な意見を排除してフジテレビのようなバラエティに女子アナを重用していけば、いずれ年を取って使えなくなるか、稼げるうちにフリーになってしまうかどちらかになる。日テレのフジテレビ化は、凋落への第一歩ではないのだろうか。 ところで、文春が「長生きしたけりゃメタボが一番」だという特集を組んでいる。これを主張しているのは「日本ローカーボ食研究会理事長」で、クリニック医院長の灰本元氏。 ちなみに日本肥満学会が2000年に決めた判定基準では、統計上最も病気にかかりにくいBMI(ボディマス指数)は22を標準、25以上を肥満と定めている。 だが最近では、欧米でも標準22神話が崩れつつあり、BMIは27.5が最も長生きすると出ているというのである。 なぜ、やせているよりメタボのほうが死亡リスクが低いのか? 灰本氏は、日本人の死因の1位はがん、2位が肺炎だから、脂肪を蓄えなくてはいけないと主張する。 やせると、急激にこれらの肺疾患で死亡するリスクが高くなるのだという。 「たとえば、重症の肺炎にかかれば、二週間も人工呼吸器をつけて、点滴と水だけで生き延びられるだけの体力が必要になる。ガンにかかった場合も同様です。胃ガンの手術を受けると体重が約十キロ減る。大腸ガンだと四~五キロの減ですみますが、大手術になる膵臓ガンでは二十キロ近くも減ってしまう。さらにこの体重が落ちた状態で、抗ガン剤を使って闘わなくてはいけません。ガンで生き残るためには、BMI二四以上はほしいですね」 ちなみに私のBMIは22.3。もう少し太ってもいいということかもしれないが、酒が好きで血糖値が高いから、このぐらいでいい。 最近はメタボだ血圧が高い、尿酸値がどうだといい過ぎる。個人差があるのだから、そうした数値に一喜一憂しているほうが余程身体に悪かろうと思うのだが。 ところで、NHK朝ドラ『花子とアン』で人気上昇中の吉高由里子にスキャンダルだとポストが報じている。 相手は人気ロックバンドRADWIMPSのギター&ボーカル・野田洋次郎(28)だそうだ。スクープしたのは女性セブン(6月12日号)。それによると、5月中旬の深夜1時過ぎ、吉高は合鍵を使って男のマンションへ。そして翌朝9時過ぎに仕事場へと向かったという。実は、この男は以前付き合っていたことがあり、「出戻り恋人」なのだという。 だが、今回はその話ではない。吉高の魅力が発揮されるのは酒の席。東京中目黒界隈で飲んでいる姿がたびたび目撃されているが、一緒に飲んだ芸人の1人がこう証言している。 「お酒の入った吉高さんはサイコーです。エロい、かわいい、男前。“おい、脱げ!!”とオヤジノリで場を盛り上げたかと思うと、意味ありげに、いや、本当は意味なんてないんでしょうけど、フフッと笑ってジーッと目をあわせてくる。なんだか誘われている気になる……」 女子力ならぬ「下ネタ力」も抜群で、撮影現場や女子会でも下ネタを連発するそうだ。 以前、フルヌードを披露して話題を呼んだ映画『蛇にピアス』について、福山雅治が「よかったよ……おっぱいが」と言うと、吉高はすかさず「よく言われるんですよ~」と切り返したこともあるそうだ。 私も『蛇にピアス』は見たが、映画の出来はどうということはないが、吉高の脱ぎっぷりと肌のきれいなのには目を見張ったものである。 NHKドラマとは違う、男に狂った女の役で、またその肌を十分に見せてほしいものである。 さて、またもやネットに流失したAV映像で「悲劇」が生まれたというポストの記事。これが今週の第2位。 アダルトビデオでフェラチオを披露していたとして、女子アナが追放されたというのである。ポストによれば、一見勃起したペニスを模した赤い飴。 「濡れた“亀頭”を甘噛みし、裏筋をゆっくり舐め上げる。実際にこういうことをしたのはいつが最後かと聞かれると『半年前、かな』とカミングアウト。そのときを思い出しながらと指示されると、また唇で飴を迎えに行き、見る者の股間を熱くする見事なフェラテクニックをカメラの前で延々と披露するのだ」 この絶妙な舌技を披露した女性が、テレビ愛知の現役女子アナではないかという疑惑が生じたというのだ。 このAVをネットで見た人たちが、ホクロの位置や歯並び、声などから勝手に「本人認定」すると、ネット上で騒動になり、YouTubeではその冒頭の動画が4万回以上再生されたという。 このアナが問題のAVに出演していたとすれば、名門国立大学在学中の20歳の頃とみられるそうだ。 アナは、大学卒業後の2012年に別の地方局にアナウンサーとして入社し、その後、13年10月にテレビ愛知に転じた。今年に入ってからは日曜朝の情報番組にレギュラー出演出するほか、ローカルニュースを読むこともあったという。正社員ではなく、契約社員。 将来を嘱望されていたのに、この騒動で事態は急変してしまった。担当番組の放送は中止になり、局HPのアナウンサー紹介欄からはこのアナの写真が削除され、彼女のブログも消されてしまったようだ。 ポストは「女子アナの世界は競争が激しく、一芸がないと生き残れない世界。彼女の処分は不明だが、この逆境をバネに新境地を切り開いてほしい。本誌は●●アナの復帰と活躍を期待しています」と結んでいるが、白々しい気がするのは私だけだろうか。 フライデーお得意の張り込みネタが今週は冴えている。1本は不惑の星・浅野忠信が現在独身をいいことに、18歳年下のエキゾ美女と半同棲しているというもの。2人が並んで歩いているところが写っているが、やはり決まっている。 彼女、ファッション誌のモデルでGoogleのCMやDJとしても活躍中の中田クルミ(22)というのだそうだ。あまりに堂々と歩いているので、もしやこれから公開される映画『私の男』の話題作りではないかと疑ってみたくなるほどだ。 もう一本は、ダウンタウンの浜田雅功(51)が家には帰らず、29歳のグラビアアイドル・吉川(きつかわ)麻衣子(29)と不倫しているというお話。これが今週の第1位だ! 吉川が出入りしているのは、浜田の個人事務所になっている目黒区内の超高級デザイナーズマンション。今から4年前に放映されたドラマで共演したのがきっかけだという。 浜田は相方の松本人志とは違い、スキャンダルとは無縁だったそうだ。意外に恐妻家なのだという。 これがバレたら大変だろうが、フライデーはそんなことにはお構いなしにカミさんを直撃してしまうのだ。 「事務所で吉川さんという女性と暮らしていることは知っていますか?」 だが、子どもをもうけ、結婚生活25年になるという妻の小川菜摘(51)は泰然自若、動じない。 夫婦仲は冷めてませんか? なおも追いすがるフライデーに、 「とてもうまくいっています。離婚とかもないです。たとえそう(不倫)だとしても家庭を壊すような人ではない」 女と遊ぶのは芸の肥やしと取り合わないが、最後にこう漏らしている。 「彼と話をしなければいけないし、それはこれから考えます」 いや~怖いな、このひと言。浜ちゃんますます家に帰れなくなる。それにしても目黒のマンションといい、本宅の成城にある豪邸といい、すごい家である。お笑い芸人の中でもトップクラスなんだろうけど、こんなに儲かるものなんだとため息が出る。 6月14日、浜田雅功が直筆署名入りのファクスを通じてコメントを発表した。 「発売中の週刊誌の件では大変お騒がせし、誠に申し訳ございません。特に家族には大変つらく、恥ずかしい思いをさせてしまいました。家族で話し合い、一家の主として、夫として、親として、心から謝罪いたしました。常日ごろ、妻は『芸人はモテなくなったら、終わり。家族に迷惑をかけない遊びは大いに結構』と言ってくれていましたが、その言葉以上に羽を伸ばし過ぎ、その羽は家族にへし折られました。家族に、このような思いをさせまいと猛省しております」 妻は強し。文面を読む限り、相当厳しく怒られたんやな、浜ちゃんは。 (文=元木昌彦)「フライデー」6/27号
朝日新聞「吉田調書」をめぐる報道から考える、大メディアの影響力
今週の注目記事 第1位 「朝日新聞の『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」(「週刊ポスト」6/20号) 第2位 「『スマホ1日1時間以上』で子供の成績が下がる!」(「週刊文春」6/12号) 第3位 「W杯目前に緊急手術発覚!本田圭佑 本誌が報じていた『深刻な病名』」(「週刊文春」6/12号) 「実は『1次リーグで敗退濃厚』のブルーな現実」(「週刊新潮」6/12号) 第4位 「“便乗値上げ”摘発リストを公開する」(「週刊ポスト」6/20号) 第5位 「山岸舞彩“本命アスリート”『深夜キス&抱擁1時間』撮った!」(「週刊文春」6/12号) 第6位 「北朝鮮拉致再調査 安倍側近が漏らした『帰国候補者』の名前」(「週刊文春」6/12号) 「日本政府が『横田めぐみさん』生存を絶対確信する証拠」(「週刊新潮」6/12号) まず、今週の週刊現代と週刊ポストを見比べ、違いについて書いてみたい。現代の巻頭特集は「『人口4300万人』ああニッポン30年後の現実」、ポストは「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」。私はポストの記事を1位にあげたが、それは大メディアの報道の怖さを検証した重要性を勘案した結果である。 現代のほうも大テーマではあるが、今この時期にやらなければならないことかどうか疑問が残る。現代はそのほかに、日産ゴーンの年棒10億円に疑義を呈し、霞ヶ関の7月人事の動向や映画『アナと雪の女王』がなぜ空前の大ヒットしたのか、出生前診断で間違えた医者の責任をどう考えるかなどが載っている。 ポストは“便乗値上げ”摘発リストを公開したり、森永卓郎氏他に「認知症予備軍テスト」を受けさせてみたり、定年男たちに「オレたちを無職と呼ぶな!」と怒らせたりしている。 ジェネリックバイアグラを使って「仁王立ち!」はご愛敬で、W杯のSEX得点王は誰かはひねりすぎの企画ではあるが、読者の身近な関心や疑問、怒りに答えるのが週刊誌の大きな役割だとすれば、ポストのほうに軍配を上げないわけにはいかない。 だが週刊誌、それも出版社系週刊誌で、安倍首相が「集団的自衛権の閣議決定を今国会中にやってしまう」という暴挙を批判、反対する記事がほとんどないのは残念だ。日本が大きく間違った方向へ舵を切ろうというのに、週刊誌がいま、無気力であっていいはずはない。 さて、安倍首相は「北朝鮮政府との間で、拉致被害者を含むすべての行方不明者の全面的な再調査で合意した」と発表し、経済制裁の一部解除に踏み切ったが、焦点は横田めぐみさんが帰ってくるかであろう。 週刊文春では、めぐみさんが帰ってくる可能性があると報じている。 元警察最高幹部によれば、そもそも北朝鮮の言う再調査など必要ないという。 「北朝鮮では外国人、中でも日本人は、保衛部が所在を完全に把握している。あとは交渉に応じて『誰をどの順番で出すか』だけの話です。おそらく、一度に複数の被害者は帰さず、『小出し』にしてくるでしょう」 しかし、北朝鮮側がすでに死亡していると言っていためぐみさんが帰ってくれば、日朝関係が激変する可能性もある。安倍総理の側近は、期待感を露わにしてこう語っている。 「じつは官邸は、横田さんの件で『ある感触』を得ています。モンゴルでウンギョンさんに会わせたのも、そのシグナルのひとつと見ています。めぐみさんを帰すことで、北が一気に日本との距離を縮めてくる可能性も否定はできません」 週刊新潮に至っては「再調査で4人帰る」とし、日本政府はめぐみさんの生存を「絶対確信している」と報じている。 当初、北朝鮮は彼女について、うつ病で精神が不安定になり、93年3月、病院で自殺したと説明していた。もっとも、死亡証明として提出してきた証拠は嘘にまみれていたが、拉致問題に取り組んだ実績のある閣僚経験者はこう力説する。 「少なくとも2012年の段階では、外務省も拉致問題対策本部も、めぐみさんは生存していると確信していました。というのも、日本政府は、拉致問題の全容を把握する極めて有力な大物幹部を情報源に持っていた。その大物高官が、“生きているのは間違いない”と断言していたからです」 だが、帰せないのだという。 「めぐみさんを含め、向こう側が死亡認定した拉致被害者を返還できないのは、国家機密に関わる情報を知る“大事な人”だからです。とりわけ、めぐみさんは、“ロイヤル・ファミリー”の中枢部分すら垣間見てしまっている。(中略)彼女は94年からの2年間、金正日の次男・正哲、そして当時10歳で、今や権力を継承した三男・正恩の日本語家庭教師を務めていた」(「救う会」の西岡力会長)からだというのだ。 にわかには信じがたい「めぐみさん帰還説」だが、北朝鮮側が日本に歩み寄ってカネをせしめ取ろうというのだから“可能性”はあるような気もする。 だが、安倍首相は焦って前のめりになる前に、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの「忠告」にも耳を傾けたほうがいい。 「北が日本との交渉に応じるのは、日本から何がもらえるかを見通しているからだ。(中略)安倍総理に電話して、“北朝鮮はいつもお前を利用しているぞ!”と警告したい。私は北に39年もいたんだ、北のやり方は知っている。安倍総理には、こう言いたい。“北朝鮮が結果を持ってくるまで、何一つあげるんじゃない”と。北は受け取れるものを先に受け取って、最後にこう言うだろう。“拉致被害者は見つかりませんでした”と」 次は、文春の張り込みネタ。人気女子アナ(なんだそうだ)・山岸舞彩が男と車内で接吻をしていたというのだ。 「五月二十二日午前〇時四十分。『NEWS ZERO』の放送後、日本テレビを後にした山岸舞彩(27)。その夜、彼女は自宅には直帰せず、送迎車は近所のファミレスの駐車場に滑り込んだのだった。クルマを降りた山岸は、しばらく送迎車を見送ると、店の入り口ではなく、駐車場内の一台のクルマに向かって歩いていく。(中略)エンジンを切った車内で待っていたのは、小誌記者も見覚えのないイケメン男性だ。(中略)山岸がシートを倒すと、男性は一気に彼女の肩に手を回した。じゃれ合う二人の距離がどんどん近づき、遂には“ZERO”に──。深夜一時十分、二分間もの熱烈なキスを交わした二人。その後も、互いの首や背中に手を回し、絡みつくような熱い抱擁が始まった。途中で身体が離れそうになるが、今度は山岸の方から口付ける」(文春) 文春の取材によると、彼はアイスホッケー選手の菊池秀治(27)。身長174センチ、体重84キロで、ポジションはディフェンスだそうだ。がっちりした分厚い胸板と、丸太のような太ももが特徴のアイスホッケー界のスター選手。 2人とも東京生まれの東京育ち。2人の接点は6年前にさかのぼり、山岸が08年にゼビオグループのCMに出演し、10年1月には同社提供のスポーツ番組で菊池と共演したことからだという。 菊池の知人がこう話す。 「秀治は今年の初めまで、同じ大学出身の元フィギュアスケーターと交際していました。でも、確かに山岸さんは顔も体も彼のタイプ。彼は特にお尻フェチなんですよ(笑)」 文春が山岸に直撃して、「菊池さんとお付き合いをされているんですね」と聞くと、こう答えている 「ああ、その件はまだ何もお答えすることができないので……。ここまで来ていただいて申し訳ないんですけど、ちょっとお答えすることができないんです」 肉食系と言われる彼女らしくない戸惑った受け答えだが、恋をすると女は弱くなるのか? ところで読者諸兄は、このところ物価がどんどん高くなっていると思わないだろうか。消費税分が値上がりしたのは仕方ないとしても、「便乗値上げ」が過ぎると思うのだが。そうした怒りを、ポストが代弁してくれている。これが今週の第4位。 「消費増税を機に、あらゆる商品の“便乗値上げ”が広がっている。今年4月の消費者物価の上昇率は3.2%(前年同月比)に達した。『税率が3%も引き上げられたのだから仕方ないか』そう考えるのは間違いだ。消費税には非課税品目があるため、税率のアップがそのまま物価上昇率になるわけではない。日銀は消費増税の物価上昇率の影響を1.7%と試算している。差の『1.5%』、つまり物価上昇の半分近くは増税のタイミングに合わせて商品価格そのものが値上げされたといっていい」(ポスト) 私も一番怒っているのは、スーパーでも「外税」がまかり通っていることである。 「4月の増税実施当初、消費者がうっかり勘違いさせられたのが値札の『内税』から『外税』表示の変更だった。スーパーに行くと、それまで『105円』(税込)と表示されていた商品に同じ値段の値札が付いている。『価格据え置きなんだ』なと思って買ったら、精算のときレジで『113円です』と言われる。よく見ると、レジの脇に、〈当店の価格は全て税抜き表示となっています。レジ精算時に別途消費税相当額を申し受けます〉(中略)政府が今回の消費増税にあたって、企業や商店が価格転嫁をしやすいように、従来は禁止されていた『外税』表示を期限付きで認める措置を決めたからだ」(同) こうした姑息な手を使うのは許せん。その上、公共料金の値上げがラッシュだ。 「自治体では、札幌市が4月から小学校の給食費を月額250円(6.8%)上げたのをはじめ、練馬区や文京区も値上げ。JRや東京メトロ、都営地下鉄も初乗り料金を10円値上げした(ICカードを使用しない場合)。いずれも消費増税分以上だ」 ICカードを使用しないでJRやバスに乗ると、3%ではなく5%の値上げになる。これを便乗値上げと言わなくてなんと言う。 初診料(窓口負担は3割)は、4月の診療報酬改定で2,700円から2,820円に引き上げられた。4.4%もの大幅値上げになる。 日本大学、早稲田大学、明治大学など私大の授業料も上がり、この7月からは国と民間損保が共同で運営する地震保険の保険料は最大で30%も上がるそうだ。 まだまだある。光熱費である。すでに東京電力の料金は、原発が一基もない沖縄電力を上回っている。このペースでは、中部電力や関西電力などの料金も沖縄を超えるのは時間の問題で、最初から原発がなかった沖縄が全国で最も電気代が安いということになりかねないのである。都市ガス各社の料金も、7月は3月から比べると376円アップ(東京ガス)になる。 安倍内閣や財務省、大企業の「詐欺」のような手口に対して怒らない“羊のような日本人”を叱咤するのは週刊誌しかない。ポスト頑張れ! さて、いよいよサッカーW杯が始まる。強化試合のコスタリカ戦、ザンビア戦に逆転勝ちして意気上がる日本代表だが、文春に気になる記事がある。 6月2日発売の日刊スポーツが、サッカー日本代表の本田圭祐(27)が手術をしていたと報じたが、文春によれば、以前同誌が報じたバセドウ病の手術だというのだ。 帝京大学医学部名誉教授の高見博氏は、こう言っている。 「この手術痕であれば、バセドウ病と考えて間違いないでしょう。傷が正中にあるので、腫瘍とかそういう類ではありません。(中略)バセドウ病になると、本来は激しい運動は控えないといけない。(中略)本田選手の様なアスリートの場合は運動を前提にしている。メルカゾールなどの抗甲状腺剤を服用してプレーしていたのでしょうが、本当に大変だったと思います」 チームの大黒柱だけに、気になる情報ではある。 新潮も、メディアの前評判はいいが「実は1次リーグで敗退濃厚」だと、お祭り騒ぎに冷水を浴びせている。 「5月8日に発表された最新のFIFAランキングによれば、日本は47位。これに対し、1次リーグ対戦相手の3カ国はそれぞれ、コートジボワール21位、ギリシャ10位、コロンビア5位と、すべて“格上”だ。それどころか出場32カ国中、日本は豪州、韓国、カメルーンに次いで4番目に低い序列にあるのだ」(新潮) スポーツ誌サッカー担当記者が、こう解説する。 「FIFAランキングの算出法は99年、それまでの試合を重ねると順位が上がっていくシステムが改正され、06年には地域間の不公平も是正されたことで、より実力に近い順位が出されるようになりました。“3連勝で1位通過”といった報道もありますが、普通に考えれば3連敗しても不思議ではなく、日本が1次リーグを突破するだけでも驚きといえるのです」 そう甘くはないことは、確かであろう。 さて、スマホはすっかり生活必需品になったが、道路や駅でスマホを見ながらノロノロ歩く若い連中を見ると腹が立つのは私だけだろうか。 私は、早稲田大学の学生が多く降りる駅からオフィスに通うから痛感するのだが、電車を降りてから改札を出るまでの間もスマホの画面を見ながらフラフラ歩く学生たちに、毎朝イライラさせられている。 文春にスマホを1日1時間以上見ている子どもは成績が下がるという特集があるが、私に言わせれば当たり前である。だが読んでみると、ちょっと視点が違うようだ。 山梨県の公立中学校の教師が、こう語っている。 「保護者から『スマホやめろと言ってもやめない。どうすればいいのか』という相談を受けることは珍しくありません。子供のスマホに頭を悩ませている保護者は本当に多い。使用時間の聞き取り調査を行っていますが、一日七時間以上と答える生徒が全学年にいました。私が調べたところ、スマホを一日二~三時間使う生徒の試験の点数は、平均的に八点ほど下がる傾向にありました」 これは当然であろう。「脳トレ」の監修を手がけた川島隆太教授らの調査結果によると、 「これまで、成績が悪い生徒は『スマホを長時間いじっていて勉強の時間がないから』と考えられてきました。ところがまったく違う結果が見えてきたのです。つまり、家でちゃんと勉強している生徒でも、スマホを使う時間が長ければ、家で勉強しない生徒よりも学力が下がっている傾向が統計的に表れたのです」 平日に2時間以上家庭で勉強している層のグラフで比べると、スマホの利用時間が1時間未満の生徒の平均点が75点に対し、4時間以上利用する生徒の平均点は57.7点と、17.3点の開きが出たそうだ。 勉強時間が30分未満の層では、スマホの利用時間が1時間未満の場合が63.1点、スマホを4時間以上利用する生徒は47.8点と、15.3点の差がついたという。 つまり、2時間以上勉強してもスマホを4時間以上使っていると、勉強は30分未満だがスマホの利用時間が1時間未満の生徒の方が平均点が高いという結果が出たのだ。 この調査は、仙台市の私立中学生約2万4000人に対して行われた「仙台市標準学力検査」と「仙台市生活・学習状況調査」を元に分析されたそうだ。 川島教授はその理由をこう語る 「テレビを見たりテレビゲームをしている時、脳の中の前頭前野という部分は安静時以上に血流が下がり、働きが低下することが分かっています。また、ゲームで長時間遊んだ後の三十分から一時間ほどは前頭前野が麻痺したような状態となり、機能がなかなか回復しません。この状態で本を読んでも理解力が低下するというデータもあります。また、テレビの長時間視聴を三年続けた五~十八歳の子の脳をMRIで解析すると、前頭前野の思考や言語を司る部分の発達が、長時間視聴していない子に比べ、悪くなる傾向はこれまでの研究で確認できています。つまり、スマホを長時間利用することは、ゲームで遊んだりテレビを長時間視聴した後の脳と同じような状態になって、学習の効果が失われるのではないかと考えられます。前頭前野の具体的な働きは、記憶する、学習する、行動を抑制する、将来の予測をする、コミニケーションを円滑にするなど、人間ならではの心の働きを司どっています。(中略)ですからスマホの長時間利用が脳に与える影響は、これまでの脳の研究データが示すストーリー上にあると考えても外れていないと思うのです」 さらに川島教授は続ける。 「グラフを見ると分かりますが、スマホの利用時間が一時間未満と答えているグループの平均点は、スマホをまったく利用しないグループよりも点数が高い。恐らく、気分転換や息抜きの道具としてスマホを上手に使うことができれば、良い作用をもたらしているのではないかと考えられます。(中略)スマホを使いすぎると子供の脳にどのような影響があるのか。私はこの研究にあまり時間をかけてはいられないと考えています。いま、電車の中では大人もみなスマホをいじっています。窓の外で桜が咲いていることにも気づいていないのでは、と思うほど画面しか見ていません。(中略)大人のこうした様子を見て子供もどんどんスマホ依存に陥っていくのです。今回の結果は、スマホの長時間利用の規制を真剣に考える時期にきていることを示唆しているのではないでしょうか」 昔テレビは人間を「総白痴化する」と言った評論家がいたが、スマホは確実に「亡国のオモチャ」かもしれない。 少なくとも、子どもには制限時間を過ぎたら使えなくする。学校や駅等の公共機関では電波を遮断する。クルマの運転中も同じ。そうした規制を早くするべきだと、私も考える。 今週の第1位はポストの朝日新聞批判。朝日新聞がスクープした福島第一原発事故の対応に当たって獅子奮迅の活躍をした吉田昌郎所長の「調書」だが、この報道の仕方が「従軍慰安婦虚報と同じだ」と、ノンフィクション作家の門田隆将氏が書いている。 このタイトル通りだと私は思わないが、確かに週刊誌的な行き過ぎた表現があるようだ。 5月20日付朝日新聞で、木村英昭記者はこう書いている。 「東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた」 これを読んで私も、なんだ韓国のセウォル号と同じじゃないかという感想を持った。このスクープを受けて、外国紙は「福島原発の作業員は危機のさなかに逃げ去った」(英・BBC)などと報じた。韓国のエコノミックレビューもこう書いた。 「福島原発事故は“日本版セウォル号”だった! 職員90%が無断脱出…初期対応できず」 しかし門田氏は、「肝心の当の朝日新聞の記事には、調書の中で『自分の命令』に違反して『職員の9割』が『福島第二原発に逃げた』という吉田氏の発言は、どこにも存在しない」と言っているのだ。 もう一度吉田調書を読み直すと、吉田所長は確かに福島第二(2F)へ行けとは言っていない。「線量の低いようなところに1回退避して、次の指示を待てと言ったつもりなんですが」とある。だが、その後、みんなが2Fに行ったことを知って吉田所長はこう述べているのだ。 「確かに考えてみれば、みんな全面マスクしているわけです。それで何時間も退避していて、死んでしまうよねとなって、よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しいと思ったわけです」 門田氏は「朝日新聞にかかれば、これが『命令違反による退避』ということになるのである。その根拠の薄弱さと歪みについては、もはや言うべき言葉がない」と憤っている。 確かに、命令とは違った行動を東電職員たちが取ったことは間違いないが、吉田所長も「伝言ゲーム」のように、伝言を受けた人間が「運転手に、福島第二に行けという指示をしたんです」と話している。 吉田氏は生前、門田氏のインタビューに「あのままいけば事故の規模はチェルノブイリの10倍になっていただろう」と語ったという。それほど絶望的な状況で、吉田氏は一緒に死んでくれる人間について考えていたという。吉田氏は門田氏にこう話した。 「それは誰に“一緒に死んでもらおうか”ということになりますわね。こいつも一緒に死んでもらうことになる、こいつも、こいつもって、顔が浮かんできましたね」 その結果、残ったのが外紙が報じた「フクシマ・フィフティ(実際の数は69人だった)」だったという。しかし、朝日の報道によれば、「吉田自身も含め69人が福島第一原発にとどまったのは、所員らが所長の命令に反して福島第二原発に行ってしまった結果に過ぎない」ということになるではないかと、門田氏は批判する。 「東電が憎ければ、現場で命をかけて闘った人たちも朝日は『憎くてたまらない』のだろう」(門田氏) 門田氏の取材に対して、朝日新聞広報部はこう答えている。 「吉田氏が“第二原発への撤退”ではなく、“高線量の場所から一時退避し、すぐに現場に戻れる第一原発構内での待機”を命令したことは記事で示した通りです」 だが、それに加えて「事実と異なる記事を掲載して、当社の名誉・信用を傷つけた場合、断固たる措置をとらざるを得ないことを申し添えます」とあるのは、門田氏ならずともいただけない。 韓国のセウォル号事故が世界中から非難を受けているときに、福島第一原発事故当時も、所長の命令を聞かず「現場を逃げ出したのが9割もいた」と読者に思い込ませる記事の書き方は、「東電お前もか」と思わせるほうへ“誘導”した記事だと指摘されても致し方ないかもしれない。 大混乱した現場で、吉田氏自身も事故処理をどうしていいかわからなかった状態で命令がうまく伝わらなかったのだ。しかも、結果的には吉田氏も「正しい判断だった」と認めている。平時のときなら「吉田氏の待機命令に違反」という書き方はあり得るかもしれないが、この場合は当てはまらないのではないか。 新聞の影響力はまだまだ強い。福島第一原発事故当時、東電の職員は9割が所長の言ことを聞かず逃げ出したというフレーズが一人歩きしてしまうことの“怖さ”を、朝日新聞はどう考えているのだろうか。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」6/20号 中吊広告より







