
「週刊新潮 2015年6月25日号」(新潮社)より

「週刊新潮 2015年6月25日号」(新潮社)より
今週の注目記事 第1位 「奇矯『女性建築家』の奇天烈『新国立競技場』にGOサインを出した『安藤忠雄』の罪」(「週刊新潮」6/18号) 第2位 「2カ月で37万円『ライザップ』の客とスタッフが危ない!」(「週刊新潮」6/18号) 第3位 「『漏れた年金125万件』責任者は腹を切れ!」(「週刊文春」6/18号) 第4位 「自転車事故で賠償金9500万円」(「週刊現代」6/27号) 第5位 「世界最大のヘッジファンド・マネジャーが顧客だけに配った『経済レポート』の中身」(「週刊現代」6/27号) 第6位 「アベノ円安で日本人はなんと! 700兆円も損していた」(「週刊ポスト」6/26号) 第7位 「残業代ゼロ法で300万人が過労死する」(「週刊朝日」6/26号) 第8位 「棺桶に片足を入れた『安保法制』は蘇生できるか?」(「週刊新潮」6/18号) 第9位 「『タマネギ健康法』にダマされるな!」(「週刊文春」6/18号) 第10位 「あの酒鬼薔薇聖斗はここで生きている」(「週刊現代」6/27号) 第11位 「柏木由紀“浴衣抱擁写真”ショック」(「週刊文春」6/18号) 番外 現代とポストのセックス記事の勝者はどっちだ! 今週はポストが不作だ。見るべき記事がほとんどない。後はそこそこだが、蒸し暑さを吹っ飛ばすほどのスクープは残念ながら見当たらない。 まずは、現代とポストのセックス記事から見てみよう。現代は「『性の大技』に挑戦! あわやの大惨事に」、ポストは女性のQOS(クオリティ・オブ・セックス)探究心がもたらしたSEXイノベーション最前線」 現代によれば、ラブホテルのブランコを使って彼女にフェラをしてもらっていた男が、揺らしすぎたのだろう、彼女の鼻にアソコが大激突して、大けがをしたそうだ。 ヤカンの取っ手を紐で結び、男性器に取り付けて持ち上げる「鍛錬」をやっていた男が、男性器がポキッと折れるイタ~い事故にあったという。 30代のあるカップルは、室内でのSMプレイに飽きたため、戸外に出て小さな滝のある場所で全裸にした彼女を紐で縛り上げ、滝壺が覗けるように吊り下げようと考えたが、吊していた枝が折れて、彼女は両手両足を拘束されたまま滝壺の中にドボン。 男のアソコを骨折する事故が意外に多いという。ばかばかしいが、つい読んでしまった。 ポストは「女性用バイアグラ」といわれている「フリバンセリン」という新薬が米食品医療薬品局で承認されて、米国で販売されることになったと報じている。 もともとこれは「抗うつ薬」として開発されたのだが、そちらへの有効性は示せなかった。しかし副作用で「性欲求の上昇」が確認されたため、そちらへ切り替えたそうだ。 副作用などがあるので、日本での販売は時間がかかるそうだ。 もうひとつは、女性のクリトリスに吸い付く、ドイツ生まれの女性用バイブレーターのお話。価格は1万9,800円だそうだ。こうしたアダルトグッズが次々に出てくると、ますますコミュニケーションが面倒な男や女が増えてきて、少子化に歯止めがかからなくなるのではないか。 グラビアは両誌ともに特筆するものはない。今週は現代、ポストに「企画疲れ」が見えるため、引き分けとする。 ところでAKB48の総選挙が終わり、指原莉乃(22)が2年ぶりに女王に返り咲いたそうだが、指原と首位を争ったのが柏木由紀(23)だった。 文春は以前、彼女がJリーガーやAV女優と合コンをしていたと報じたが、今週はジャニーズグループ「NEWS」の手越祐也(27)との親密写真を2枚グラビアページに掲載している。 1枚は苗場のスキー場で撮られたものだそうで、2人がスノーボードブランドに身を包んでポーズをとっている。文春は「背後には乱れたベッドが」と書いているが、私にはよくわからない。もう1枚は箱根の高級旅館だという。全室に露天風呂がついている部屋で、浴衣姿の2人。手越が柏木に腕を回している。どちらも「恋人同士」といわれれば、そう見えないこともない表情である。 もはやAKB48のスキャンダルは食傷気味だ。ところで以前文春が報じた、AKB48の事務所にいた人間が、彼女たちを隠し撮りしていた「事件」は、その後どうなったのだろう? 着替え姿やトイレの盗撮写真もあったという、超ド級のスキャンダルだった。ぜひ、あの事件のその後を報じてほしいと思うのだが。 さて、97年の2月から5月にかけて世を震撼させた酒鬼薔薇聖斗事件を覚えておいでだろうか。当時14歳だった少年Aが、山下彩花さん(当時10歳)と土師(はせ)淳君(当時11歳)をむごく殺害した神戸連続児童殺傷事件だ。 あの事件から18年という月日がたち、長い沈黙を破っていたAが太田出版から『絶歌』を6月11日に発表して大きな波紋を広げている。出版元である太田出版で編集を担当した落合美砂氏によれば、出版の話は元少年のほうから持ち込まれたという。こんなことが書かれている。 「僕は知らず知らずのうちに、死を間近に感じないと性的に興奮できない身体になっていた」 「次から次に近所の野良猫を捕まえては様々な方法で殺害していったが、中学に上がる頃には猫殺しに飽き、次第に、『自分と同じ“人間”を壊してみたい。その時にどんな感触がするのかこの手で確かめたい』という思いに囚われ、寝ても覚めても、もうそのことしか考えられなくなった」 巻末には「被害者の家族の皆様へ」と題された、謝罪と反省の言葉が収められている。 「自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、僕に残された唯一の自己救済であり、たったひとつの『生きる道』でした。 僕にはこの本を書く以外に、もう自分の生を掴み取る手段がありませんでした。本を書けば、皆様をさらに傷つけ苦しめることになってしまう。それをわかっていながら、どうしても、どうしても書かずにはいられませんでした。あまりにも身勝手すぎると思います。本当に申し訳ありません」 A自らが書き、タイトルも付けたという。読んでいないので内容はわからないが、現代に載ったところを読んだだけでも、身勝手で今に至っても被害者のことを真剣に考えていないのではないかと思わざるを得ない。 被害者の親たちが憤り本の回収を求める気持ちはよくわかる。 また、この手の本を出して話題づくりをしようという出版社の「心根」も、私は好きではない。だが、こうした人間の身勝手な言い分があることを、世に知らせることを否定はしない。 したがって、啓文堂書店を運営する京王書籍販売(東京・多摩市)などが、遺族の心情を考慮してこの本を取り扱わないとしたのは理解できない。書店は、裁判所が発売禁止にしたり、出版社が回収するといった書籍以外は置くべきであること、言うまでもない。読みたい読者がいる限り、書店が勝手に判断して読者の手に渡らないようにすることは、絶対やってはいけないのだ。 そういうことを私に言ったのは、酒鬼薔薇聖斗の顔写真を載せた「FOCUS」(新潮社)が批判され、多くの書店が「FOCUS」を置かなかったとき、書店は読者のニーズに応えるためにあると「FOCUS」を置き続けたジュンク堂書店の社長だった。 今回はその丸善ジュンク堂書店でも、この本は取り扱っていないそうだ。丸善と一緒になり、大日本印刷の傘下に入ったことで、ポリシーが変わってしまったのだろうか? 多様な言論が民主主義を担保する。多様な言論を踏みにじるこうしたやり方に対して、新聞やテレビは物言わなくてはいけないのに、どこからもそうした意見が出てこないのは、どうしたことなのか。 世は健康ブームを越えて積極的健康主義とでもいえるようなヒステリック状態にあるように、私には見える。 少し前に「デブは出世できない」という風潮があった。自分の体重さえも管理できないヤツに仕事ができるわけはない、というような理由からだったと思うが、今は多少太っているほうが長生きするといわれるそうである。 古くはサルノコシカケ、紅茶キノコなどがはやったが、あっという間に消えた。今週も文春が、健康雑誌で特集を組んでいる「酢タマネギ健康法」ブームへクレームをつけている。 これを提唱しているのは、埼玉県にある南越谷健身会クリニックの周東寛院長という人物。酢タマネギがいいのは、それに含まれている硫化アリルとケルセチン、それに酢に含まれる酢酸が、血圧から血糖値改善、ダイエットから白内障、認知症にまで効果があるというのである。 それに対して専門の医者たちは、ケルセチンには糖や脂質を減らす効果はあるが、タマネギに含まれているのはごくごく微量で、ケルセチンが身体にいいからといって、タマネギを摂るといいに違いないと言うのはエビデンス(科学的根拠)がないと批判している。それに対して周氏が反論しているが、文春の求めに応じて出してきたデータはたった1例だけだった。 私もタマネギは好きだし、スライスしてオカカをかけたり、ぶつ切りにしてカラシ代わりに納豆に入れて毎日のように食べている。身体にいい野菜だとは思うが、タマネギ健康法の雑誌や本まで買って読もうとは思わないし、「酢タマネギで病気が治る」とタイトルを打つ出版社の良心を疑う。 国会でつまらぬヤジを飛ばして謝罪するなど、居丈高な態度が目につく安倍首相だが、彼がなんとしてでも成立させるとしている安保法制の核になる「集団的自衛権の行使」が、ここへ来て保守派の憲法学者からも「違憲」だとされ、新潮によれば「棺桶に片足を入れた」状態になってしまったようだ。 憲法審査会に呼ばれた3人のうち、自民党推薦の長谷部恭男早稲田大学大学院教授までが「集団的自衛権の行使は違憲」と発言したのに、よせばいいのに菅官房長官が会見で、「違憲じゃないという著名な憲法学者もいっぱいいる」と発言してしまった。 翌日、朝日新聞の記者が「憲法学者とは具体的に誰のことか」と質問されて、菅は「有識者(安保法制懇)にも憲法学者がいた」と答えたが、記者から「安保法制懇に憲法学者は1人。いっぱいではないのでは?」とたたみかけられ、しどろもどろになってしまったと新潮が報じている。 『報道ステーション』(テレビ朝日系)では憲法判例百選の執筆者198人にアンケート調査を行い、151人から返信をしてもらった。 6月15日にその結果を発表したが、集団的自衛権行使は違憲だと答えたのが132人、違憲の疑いがあるは12人、違憲ではないと答えた憲法学者はわずかに4人だった。本来ならこうしたものはNHKがやるべきものだが、安倍首相の傀儡会長の下ではできないのだろう。 小林節慶應義塾大学名誉教授は日本記者クラブで会見し、こう発言している。 「(集団的自衛権が)違憲というのはもちろんですが、恐ろしいのは、憲法違反がまかり通ると、要するに憲法に従って政治を行うというルールが無くなって、北朝鮮みたいな国になってしまう。金家と安倍家がいっしょになっちゃうんです。これは絶対に阻止しなければならない」 週刊朝日の連載で田原総一朗氏は、安倍首相の安保政策は2012年に日本に影響力を持つアーミテージとジョセフ・ナイが発表した「第3次レポート」の丸写しだったと書いている。 違憲だと自分でもわかっているのに、関係のない「砂川判決」まで持ち出して強行採決しようとしている安倍首相は、アメリカの何かに怯えているのだ。 なんとしてでも8月頭までには成立させたい安倍首相だが、専門家からはダメを出され、支持率もだんだん下落しているなかで強行採決などしたら、それこそ日米安保条約で辞任した岸信介の二の舞いになる。 否、岸は憲法を改正したかったのだろうが、まずは日米の同盟関係を見直す安保条約をやってからという「常識」は持っていた。その孫である安倍は、違憲状態を作り上げてから憲法改正に持っていくという、本末転倒どころか「憲法違反」を白昼堂々と行おうとしているのだ。 国民がやるべきは、まず安倍の支持率を徹底的に低下させ、怯えた安倍に集団的自衛権行使を諦めさせることだ。そしてその次には、選挙で自民党を与党の座から引きずり下ろす。まずは、安倍首相の支持率を下げる国民運動を身近なところから始めようではないか。 週刊朝日が、政府は来年4月施行を目指して、残業代をゼロにする法律「改正労働基準法」を今国会で通そうとしていると報じている。 この法律の狙いは主に2つ。1つは専門職に就き、高収入を得ている人を労働基準法の時間規制から外す「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)、いわゆる「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)制度」。もう一つは「裁量労働制の対象拡大」である。WEは、為替ディーラーや研究開発職など、高度な専門知識で業務に従事する年収1,075万円以上の人が対象。本人が同意し、労使で構成する委員会で合意した上で導入される。 だが今後、年収要件が引き下げられることになるだろうと見られている。それに「むしろ“定額働かせ放題”になる危険性がある」というのは東京管理職ユニオンの鈴木剛執行委員長だ。 「日本は先進国のなかでも労働時間が断トツに長い。管理職になると仕事量が増えて残業がなくならないのが現状です。責任感の強い人ほど、成果が上がるまで必死に働こうとするので、歯止めがかからなくなる」(鈴木氏) 朝日によれば、国際労働機関(ILO)などのデータによると、週49時間以上働いてる人は、アメリカ16.4%、フランス10.8%、これに対して日本は21.7%と、世界から見ても働きすぎだという。 こうした不当な労働が強いられても、労働者が意識を持たなければ泣き寝入りするしかない。社内の労働組合のほとんどが御用組合なのだから。 正規雇用でも例外ではないと、NPO法人労働相談センターの須田光照副理事長が話している。同センターには昨年、8,268件もの相談が寄せられたが、相談者の64.2%は正社員だったという。残業代ゼロが施行されても不当な扱いに対して戦うことができる。そのためにも、日ごろから勤務時間を記録するなど対策を立てることが大事だという。 そういうときのための相談先を書いておこう。全国の総合労働相談センター(厚労省HP)、連合、NPO法人労働相談センター、東京管理職ユニオン。安倍は企業の経営者のために、労働者の命まで安売りしようとしていると言わざるを得ない。 ポストはアベノミクスによる円安で、日本は700兆円も損をしているとレポートしている。 安倍首相は6月8日の記者会見で「円安は輸出企業や海外展開をしている事業者にはプラスだ」と語った。 アベノミクスで日経平均株価は2倍以上になり、株や現預金等の国民の個人金融資産は見かけ上、安倍政権発足時(12年末)の約1552兆円から約1694兆円(14年末)へと2年間で142兆円も増加した。大メディアは「過去最高を更新」(日経新聞15年3月18日)とヨイショしている。だが、それはあくまでも「円」で見た数字だとポストは批判する。 「自民党政権復活を見越してドル円レートがはっきり上がり始めたのは12年11月16日の衆院解散時からだ。その日のレートで、データがある一番近い12年末の個人金融資産をドル換算すると約19兆1000億ドルあったが、現在は13兆5500億ドルと約5500億ドル(約700兆円)も目減りしているのである。そのカネがあれば何が買えたかを考えると、失ったものの大きさがわかる。時価総額世界首位の米国アップル社(7505億ドル。5月末株価)をはじめ、マイクロソフト(3790億ドル)、グーグル(3720億ドル)や石油メジャーのエクソン・モービル(3560億ドル)など世界トップ10の企業の全株式を買い占めても3兆7380億ドルでまだお釣りが来る」(ポスト) だがポストの言うように、これらの大企業がすんなり株買収に応じるのか? そう簡単なことではないと思う。 それはともかく、ポストはこう結んでいる。 「円高時代、日本人は気軽に海外旅行へと出かけたが、いまや旅行費用が高すぎて渡航客が減り、企業の海外出張も、学生の海外留学も減った。代わりに中国人が『日本は安いよ』と訪れ、日本人は宝石も貴金属も売り払って外国人観光客の落とす外貨に群がっている。アベノ円安でいつの間にか日本は中国人から見下される『経済三流国』になっていたのである。これが安倍氏の目指す『美しい国』の姿なのか」 アベノミクスが失敗に向かっていることは間違いない。その上、アメリカのヘッジファンドも、日本だけでなく世界的な株暴落に警告を発していると、現代が報じている。 世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」は75年の創業以来、右肩上がりで成長を続け、現在の運用規模はヘッジファンドとして世界一の1650億ドル(約20兆円)だという。 その金融界最高の知性のトップ、レイ・ダリオ氏が新しく迫りつつある危機を警告している文書「日々の洞察」を発表して話題になっているというのである。 「その内容とは、近いうちに予定されているアメリカの利上げが実施されると、『1937年の悪夢』が再来するというものだ。一部を引用しよう。『私たちは歴史は何度もくり返すと考えている。時代や国境に関係なく、論理的な因果関係に基づいてくり返すのだ。 また、世界経済は長期的な債務のサイクルをくり返すものであり、そのことはまだ十分に理解されていない。そしてもう一つーー中央銀行の金融刺激策は限界を迎えているようだ。(中略)私たちはエクスポージャー(リスクの高い資産をもつこと)に対して慎重になっている。なぜかというと、現在の状況が37年の状況によく似ているからだ』」 それは、1929年と2007年はバブルの絶頂で、債務残高がピークに達した。31年と08年には、不況により金利がゼロまで下げられた。33~36年と09~14年は株式市場もリスク資産も上昇を続けた。37年には中央銀行が引き締めに踏み切り、悪循環に陥った。そしておそらく15年も同じことがくり返される。 08年から始まったアメリカの量的金融緩和は、3度にわたる大規模なものだった。日本も黒田氏が日銀の総裁に就任して以来、大規模な緩和を行っている。こんな中でジャネット・イエレンFRB議長は、この6月か9月には、いよいよ利上げに踏み切るのではないかというコンセンサスが生まれつつある。 RPテック代表の倉都康行氏は「FRBが利上げを強行すれば、アメリカ株は2割近い急落が起きても不思議ではない」と懸念している。 安倍首相は経済政策でも行き詰まり、憲法改正を急いだために、聞かれなければ黙っていたかもしれない憲法学者から「違憲」だと言われてしまったのだ。キジも鳴かずば撃たれまいに。 今週、一番身につまされたのは、現代の「自転車事故で賠償金9500万円」の記事だ。 現代によれば、08年、自転車に乗った男子高校生が歩道から車道を斜めに横切って、24歳の会社員男性と衝突。男性に言語障害が残るケガを負わせたとして9,300万円の賠償命令が下された。 10年には、スポーツタイプの自転車に乗った会社員の男性(42歳)が、信号無視をして横断歩道に侵入し、横断中の女性(75歳)と激突。女性は意識不明のまま事故の5日後に死亡する事件が起こり、賠償金4,700万円の判決が出ている。 その事件で被害者側の代理人を務めた正田光孝弁護士がこう語る。 「自転車は身近な乗り物であるため、深く考えずに乗っている人が多いですが、法律上、自転車はれっきとした『車両』です。免許のいらないクルマなんです。よって事故起こしたときの損害賠償は自動車事故の場合とまったく変わりません」 こんなケースもある。小学5年生(11歳)の男の子が乗る自転車が、ブレーキもかけずに突っ込み、追突された69歳の女性は約2から3メートルもはね飛ばされ、頭を強打。一命は取りとめたものの脳に重い障害が残った。 事故の悲惨さをもっと知ってほしいという意味を込めて、その夫が加害者である男児の母親を相手取り、損害賠償請求を起こした。そして13年、大阪高裁は「子どもの監督義務を怠った」として、母親に対して9,500万円の賠償命令を下した。 結局、母親は自己破産して1円も賠償金をもらうことができなかったというが、被害者の夫はこう語る。 「その危険性を国民全員が認識して、自転車保険には、あらゆる人が入るべきだと思います。事故を起こしてからでは遅いのですから」 日本自転車普及協会理事の渋谷良二氏が話す。 「今回の法改正により、危険運転に定められている14項目を、3年以内に2回違反をした者は『安全講習』を受けなくてはならなくなりました。 違反した者は受講手数料5700円を払い、受講命令を無視する5万円以下の罰金を払わされます。 いままでは違反運転をしても、よほどの場合でない限り注意で済みましたが、これからはキップを切って講習を受けさせるということです。(中略) 一方通行を逆走するのも違反です。一時停止を怠ったり、停止線を超えて止まるのも禁止。イヤホンをつけての運転や、携帯電話を見ながらの運転も摘発対象になりうる。 もちろん飲酒運転は自転車の場合も論外。もし飲酒運転で事故起こせば、懲役や罰金などの刑事罰を受けます」 自転車に乗るのが怖くなってきた。 文春によれば6月4日の自民党の厚生労働部会で、ベテラン議員のこんな怒声が響き渡ったという。 「政権が吹っ飛びかねない問題だぞ」 公的年金の給付などを行う特殊法人・日本年金機構がウイルスメールによる不正アクセスを受け、基礎年金番号や氏名など125万件の個人情報が流出した事件のことである。 安倍首相の頭には、第一次安倍政権で納付者を特定できない国民年金や厚生年金が5,000万件以上あることが発覚して、社会保険庁が解体され、世論の猛反発を受けて退陣に追い込まれたあの「悪夢」が甦ったに違いない。 当時の官房長官は「お友達」の塩崎恭久氏で、彼は政権を崩壊させた「A級戦犯」といわれたが、今回の流出事件の担当もやはり塩崎厚労相だった。歴史は繰り返すのである。 文春によれば、5月8日に福岡・博多にある日本年金機構九州ブロック本部の職員が「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)に関する意見」と題されたメールを受信し、開封したことから始まったというが、この組織のセキュリティの甘さと対応の遅さには腹が立つより呆れてしまう。 後で触れるが、年金だけでなくすべての情報を一括管理しようと国が企む「マイナンバー」だったらと思うと、ゾッとする。 この機構の責任者・水島藤一郎理事長の引責辞任は当然だが、この情報が悪用されて被害が発生しても「補償しない」と塩崎が言い放ったのには驚いた。すぐに審議官が補償する意向を表明したが、こんな輩は即刻クビにすべきである。 年金機構には問い合わせが殺到しているそうだが、その対応には知識もないアルバイトが集められ、なんの根拠もないのに「悪用される心配はございません」と、たどたどしく答えているそうだ。 漏洩した件数は、125万件以上あるのではないかともいわれている。 今回漏れた「基礎年金番号」「住所」「氏名」「生年月日」だけでも、犯罪に利用するプリペイド式のレンタル携帯を借りることができるなど「十分悪用ができる」と詐欺事件の前科を持つ某氏が話している。 また、みんなが自分の情報が漏れているのではないかと心配しているだけに、ジャーナリストの多田文明氏の言うように「詐欺に遭う可能性が高まる」ことは間違いないだろう。 国民のあらゆる情報を一元管理するマイナンバー制度は13年に成立しており、来年1月から税、社会保障、災害対策の3分野で実施されることになっているが、国のセキュリティの甘さが露呈したいま、即刻中止すべきだ。 このような制度を実施しているアメリカなどでは、なりすましによる税の不正還付や社会保障番号の売買などの実害が出ているのだから。 白鵬大学の石村耕治法学研究科長の言うように「制度の構想を始めた20年前ならまだしも、今ではマイナンバー制度は時代錯誤」だから、白紙に戻して考えるべきである。 ダイエットブームである。次から次へと怪しげなのが出てくる。少し前にはやったのに「ビリーズブートキャンプ」というのがあった。だが、あれほどハードなダンスや運動をすれば誰だって痩せたりムキムキマンになるのは当たり前だと思うのだが、熱に浮かされている人たちはそれに気がつかなかったようだ。 新潮は、テレビCMを1カ月に558本も打っている「ライザップ」というトレーニングジムを取り上げ、このままでは「客とスタッフが危ない!」と特集を組んでいる。 私も目にしたことはある。「2カ月で、このカラダ」。そうならなければ「全額返金保証」などとうたい、赤井英和や香取慎吾が広告塔になっている。「ライザップ」のCMがいかに多いかは、「アメリカンファミリー生命保険(アフラック)」が同期間で半分の279本だったことでわかる。 ここを立ち上げたのは、健康食品の通販を手がける「健康コーポレーション」という会社で、社長は37歳の瀬戸健という人物。14年3月期の売上高は約239億円。それに対して広告宣伝費は約49億円、約20%にもなる。 新潮によれば「ライザップ」の特徴は、ジムでのトレーニングと炭水化物の摂取を徹底的に排する低糖質食事法にあるという。入会金は5万円で、トレーニングを週2回、2カ月で計16回行う最もポピュラーなコースでさえ、29万8,000円だそうだ。 だが、マンツーマンで指導されるというから、トレーナーたちがプロフェッショナルなら、このくらいは仕方ないのかもしれない。 現役店舗責任者は「現在、全体でトレーナーは800人ほどいますが、その内8割から9割はパートタイマーです。時給は基本的に900円となっていて、ゲスト(客)のトレーニング中は1400円にアップします」と語り、元トレーナーは「ライザップは短い研修で大勢の未経験者をトレーナーにしてしまっており、危険です。(中略)研修を担当している人が、“こんな短期間じゃ使える人材は育たない”とボヤいていましたよ」と話している。 それに労働時間が長く「中には(残業時間が=筆者注)100時間を超えている人さえいますよ」(現役店舗責任者)というから「まさにブラック企業」(同)のようだ。 食事制限については、調味料の糖質まで抜けという厳しいものだそうで、しかも短期間で激しい筋トレを行うから、「これはもはやボクシングの減量の世界で、『あしたのジョー』の力石徹を生み出しているようなもの」(秋津壽男秋津医院院長)。それに、トレーニングが終わってからも同じ食生活を維持できなければリバウンドしてしまうそうである。 そのためかどうか、血圧が高くて降圧剤を飲んでいた客がトレーニング中に失神したり、ヘルニアになってしまった客がいたり、「去年の夏、品川店では、客がトレーニング中に脳卒中になるという“重大な事故”が起こりました」(元トレーナー) 客がトレーナーの対応に怒って入会金を返せと言うと、「会則で(返金は)会社が承認した場合」と書かれていることを持ち出して渋るそうだ。 瀬戸社長は新潮のインタビューに答えてはいるが、私が一番聞きたいトレーナーたちの研修時間の短さや技量アップ問題をどう考えるのかについては質問していないため、私には不満足なものであった。ここがインチキジムだとは言わない。これだけの食事制限とハードトレーニングをすれば、それなりの結果が出て当然であろう。それならボクシングジムへでも通ったほうが費用も安くて、達成感もあるのではないか。しょせん、カネで買った肉体は相当強固な意志がなければ維持できないはずだ。 そんな無理をせず、おいしいものを食べて、新宿御苑や神宮外苑でも散歩していたほうが人生は楽しい。少しくらい太っているほうが男も女も見場がいいと思うのだがね。 さて、東京五輪の目玉である新国立競技場建設に赤信号が点り始め、IOCも危惧を表明する事態になっている。すでに建築家の槇文彦氏が会見を開いて計画の見直しを唱え、波紋は大きく広がってきている。 新潮は「昆虫のように伸びたスロープがJR線の上をまたいでおり、また高さも制限をオーバーするなど、公募条件から大きく逸脱していた」(新国立コンペの審査員の一人)、ザハ女史のデザインを、委員長権限で採用した安藤忠雄氏にも「罪」があると批判している。これが今週の第1位。 何しろ、この奇天烈なものをデザイン通りに建設すると予算は2,500億円を越え、工期も間に合わないと言われているのだ。 五輪の1年前にラグビーW杯が行われるが、その会場として使うためには、デザインを縮小して屋根つきでないものにしないと間に合わないそうである。 このザハ女史はSF映画のような現実離れしたデザインが多く、「『建てた建物より実現しなかったプロジェクトの方が有名』『アンビルト(建築されない)の女王』などと言われていました」(建築ジャーナリスト) その上、今回のコンペでも神宮外苑を下見するでもなく、よって環境との調和などを考慮した形跡は微塵もないそうだ。 五輪のメイン会場の建設費はアテネが約300億円、北京でも約650億円、ロンドンは約700億円というから、新国立の建設費がいかにバカ高いかがわかる。 当然、なぜこのようなデザインを選んだのか、東京都民だけではなく国民に対しての説明責任が安藤氏にはあるはずだ。だが、新潮の取材にこう答えている。 「問題点を並べ立てると、『いいから、来んといてくれや。はい、さいなら……。ええ加減にせえや! もう帰れよ!』」 これを読む限り、世界的な建築家であり、日本を代表する知性をお持ちの方とはとても思えない。昔、日本テレビで大橋巨泉氏が『こんなモノいらない!?』という番組をやっていたが、そう言いたくなる、新国立競技場をめぐる迷走ぶりである。 (文=元木昌彦) 週刊誌スクープ大賞「週刊新潮」6/18号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位「FIFA対USAのキックオフ」(「ニューズウィーク日本版」6/9号) 第2位「『枕営業は売春』で救われた『銀座6丁目のママ』」(「週刊新潮」6/11号) 第3位「年金個人情報125万件流出でマイナンバー導入に暗雲」(「週刊文春」6/11号) 第4位「三笠宮彬子さま、瑤子さま『実母信子さま追放』6・6クーデター計画」(「週刊文春」6/11号)同様の記事が週刊新潮、週刊現代、週刊ポストにも掲載 第5位「首都直下型地震と破局噴火に備えよ!」(「週刊文春」6/11号) 「巨大地震発生! その時、あなたは『エレベーターの中』」(「週刊現代」6/20号) 「東京メガ地震は避けられない」(「週刊ポスト」6/19号) 第6位「『マスコミ特権』は世界の恥だ」(「週刊ポスト」6/19号) 第7位「安倍首相よ、国民をバカにするな!」(「週刊文春」6/11号) 「心に響かない安保法制『国会論議』の不毛地帯」(「週刊新潮」6/11号) 第8位「紀香 愛之助 熊切は“やらせ”か?“過剰演出”か?」(「週刊文春」6/11号) 「片岡愛之助『藤原紀香と同棲』でも熊切あさ美に『一生一緒に』」(「週刊ポスト」6/19号) 第9位「『女が嫌いな女』ワースト50」(「週刊文春」6/11号) 番外 現代、ポストのセックス記事の勝者はどっちだ! セクシーグラビアは、「渡辺美奈代」「佐山彩香」袋とじで「アイドルのSEX」をドドドッと見せてくれる現代が圧勝。ポストはこのところ、グラビアに精彩がない。やるのかやらないのか、読者としてはハッキリしてほしいのだが。 記事では、現代が「必ず立つ! われらが救世主、第4の勃起薬『ザイデナ』はバイアグラより凄い」という実用記事。 ポストは「人妻たちの赤裸々背徳告白『夫を裏切る瞬間、最高のエクスタシーを感じた』」という告白もの。 こうした告白ものは、かつては婦人誌のお得意で、私も「婦人倶楽部」(休刊)という婦人誌にいたときにはずいぶん作ったことがある。もちろん本人の告白もあるが、たいていはそうした経験をした女性たちをインタビューしたり、新聞の三面記事から拾ってきて、アンカーといわれるまとめ屋さんがまとめるのだ。 ポストがどのような作り方をしているかはわからないが、この手の記事は、タイトルを見れば中味がわかるので省略して、現代のED薬を紹介しておこう。 これは韓国で作られた薬で「勃起を抑える酵素の働きを阻害し、血流を良くして勃起させるという仕組みは同じ」(現代)だそうだ。 だが、バイアグラのように飲んでから2時間ぐらいしないと効き目が現れなかったり、その間に食事をすると効果が薄れたりするすることがなく、服用してから30分で効き始め、その効果は12時間持続するという。また、バイアグラのように欧米人用ではなく、韓国人向けに開発されたことから、体形の似た日本人には合うようで、副作用もほとんどないという。 なかなかの優れもののようだが、残念なことに日本ではまだ正規の治療薬としては承認されてないため、現地で購入するか、個人輸入代行を請け負うネット通販で買うしか方法がない。 だが、この薬の成分を、前立腺肥大を治療する薬として売り出す計画が進行中だそうだ。1錠あたりの価格はバイアグラよりも安いそうだから、売り出されたら、御用とお急ぎでない方は試してみられたらいかがだろうか。 現代は、巻頭で日本株が2万1,000円の値を付けたところで暴落するというシナリオがあると報じている。だが、その根拠は「4月15日に米国のどこかで元財務長官や元FRB議長たち何人かが集まって秘密の会議が開かれた」という不確かな情報を基にして、同様の会議が08年の6月頃に開かれ、その3カ月後にリーマンショックが起こったから、今度も6月18日頃が危ないというものである。 根拠が不確かなのだから、私には信じるに足り得る情報とは思えないので割愛した。 さて、文春恒例の「女が嫌いな女 ワースト50」から見てみよう。あれほど圧倒的な嫌われ女だった沢尻エリカが王座を明け渡してから、和田アキ子がその座を手中に収め、不動の4番バッターに居座り始めたようだ。 ともあれ、10位までを見てみよう。1位から和田アキ子、泉ピン子、安藤美姫、久本雅美、谷亮子、沢尻エリカ、上西小百合、矢口真里、江角マキコ、小林麻耶となっている。もっと上位を狙うかと思われた小保方晴子は14位だった。 藤原紀香(43)と歌舞伎役者の片岡愛之助(43)の熱愛を張り込みスクープしたのは女性セブンであった。紀香と愛之助が代官山の和食屋で食事をした後、一旦別れた愛之助が愛車に乗って紀香のマンションへ入り、翌日の朝出てくるところを「目撃」している。 同棲状態といってもいいそうだ。紀香は独身、愛之助も戸籍上は独身だから問題はないようだが、愛之助には13年2月に「交際宣言」したタレントの熊切あさ美(34)という彼女がいる。 熊切は5月29日、日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』に出演して、愛之助とは「別れ話になったことはない。破局はしていない」と涙ながらに訴えたから、スポーツ紙やワイドショーが大騒ぎしたが、文春によれば、これは紀香側の「やらせ」の疑いありだという。 というのも、7月から紀香の久々の連続ドラマが始まるために、紀香側からリークしたのではないかといわれているそうだ。このところ話題もなく、影の薄い紀香が「体を張って」話題作りをしたというのだろうか。 では、愛之助と熊切との切れた切れていない問題はどうなのだろう? これには愛之助の義父・片岡秀太郎(73)が文春のインタビューにキッパリこう話している。 「少し前に(愛之助から)別れましたと報告を受けていました。元々、二年前に熊切さんとお付き合いしていると報告を受けたときから、結婚するつもりはないと聞いていましたので、そうですかということで……」 愛之助の知人によると、愛之助は最近、医者から「働きすぎだから、少し一人になる時間を作ったほうがいい」と言われたそうで、熊切と住んでいたマンションを離れて、ホテルで過ごすようになったそうだ。その上、後援会の反対などもあり、結婚が難しい状態でいつまでも交際を引き延ばすのはよくないと考え、別れを決断したそうだ。 「今でも家賃を払っているのは、お詫びの気持ちからで愛情からではありません」 と話している。 秀太郎氏が「あの人(愛之助)は優しすぎるところがあるから。誤解が生まれているようだけど、しっかり(説明)しなくてはいけないね。女性を傷つけるのはよくない」 私のように女性経験の少ない男がいうことではないかもしれないが、要は愛之助という男は優柔不断でズルイということではないのか。 ポストでは熊切の親しい友人が憤慨している。 「今のように人気者になる前、大阪に住んでいた愛之助さんは、東京に住むところがないのであさ美の家に転がり込んできたんです。現在の彼があるのは、あさ美の陰の支えがあればこそなんです。なのに、この仕打ちはひどいと思います。彼はあさ美が結婚をしつこく迫ったと話しているそうですが、彼女のほうは自分では彼に釣り合わないと思っていました。むしろ彼のほうから『結婚はできないけど一生一緒にいよう』と話していた言葉を、あんなに喜んでいたのに……。紀香さんも同じ目にあうかもしれない」 この友人の怒りはわかる。梨園がなんぼのもんじゃ! 梨園を持ち出して、愛人のままズルズル関係を続けて、飽きたら捨てればいい、そう愛之助は思っていたのではないのか。こんな男と熊切は別れてよかった。そう言うと、彼女からお叱りを受けるかもしれないが、本心である。 さて、安保関連法案を審議している特別委員会が大荒れである。その張本人が不規則発言を連発している安倍首相というのだから、本気で国民の理解を得ようとしているのか、疑われても仕方ないだろう。 文春と新潮がこの問題を取り上げているが、やや視点が異なるようだ。 文春は「安倍首相は国民をバカにしている」と手厳しい。安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」のメンバーだった防衛大学校名誉教授の佐瀬正盛氏に、今回の安保法制審議における最大の問題点は「国民に理解してもらおうという配慮が感じられない」ことだと言わせている。 厚さ3センチはあろうかという今回の法律案の要綱は、専門家でも理解するのに気力体力を必要とし、「こうしたもの以外、安倍政権は国民に対して、説明する資料を用意していない。これで国民に対して国会審議を理解しろというのは無謀で、国民の困惑を買うのは当然の成り行きです」(佐瀬氏) この法案が成立すれば、自衛隊員のリスクが高まるのは当然だと考えるが、そこを安倍首相たちは説明していないことに、現役の海上自衛隊員も「不安がある」と話している。 現役の航空自衛隊幹部は「安倍首相は生死のリスクについてきちんと語るべきです。今後、自衛隊の派遣は、否が応でも外交の道具の一つになるわけですから、避けて通れないテーマです。また現在、国葬の規則では、自衛官の戦死は想定されておらず、国家の命令によって命を落とした際の処遇をどうするかも規定すべきです」と語っている。 同誌では外務次官経験者が、この法案を強行採決すれば、安保条約を強行採決して辞任に追い込まれた岸信介の二の舞いになるのではないかと懸念している。 新潮は持ち味の安倍首相も野党も真剣味がないと、両者をバッサリ。 「安保国会とも言われる今国会において、議員たちはそもそも『何』を話し合うべきなのかさえ見失ってしまっていると言えそうだ。国民が戸惑うのも、むべなるかなである」(新潮) かくして「眠気を誘う詮無き議論が続けられるのであった」と結んでいるが、新潮のほうこそ、この重要法案の審議を詮無き議論にしてしまってはいけないことを、どれだけ認識しているのか、心配ではあるが。 ポストがお得意のマスゴミ批判をやっている。これが今週の第6位。 中味は今まで通り、NHKの安倍擦り寄り偏向報道や大新聞の社長や記者たちが手もみして安倍と会食していることへの批判、週刊誌発の政治家のスキャンダルを、初出を明記しないで、「○○日、??政治家に問題があることがわかった」とパクる大新聞は恥ずかしくないのかと、怒る怒る。 ポストの言うことは、いちいちもっともである。日本の新聞やテレビのエライさんたちは、安倍のような権力者とメシを食うことが「権力と同化する」ことと捉えられないとは、貧すれば鈍するということなのであろう。 私は、今の大メディアに何一つ期待してはいない。 地震記事大好きの現代はもちろん、ポストも連続して地震記事を特集し、文春も巻頭で首都直下型地震や大きな被害を起こす破局噴火に備えよと大声で呼ばわっている。 文春はマグマ学の権威とされる巽好幸神戸大教授を引っ張り出して、こう言わせている。 「首都直下地震は日々発生する確率が上がっていきます。今日起こらなければ明日の確率はさらに上昇するのですからロシアンルーレットのようなもの。首都圏の下にある北米プレートの下には、フィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込んでいます。これまでも三枚のプレートが複雑に動くことで多くの大地震を引き起こしてきたのです。加えて房総半島沖には、三重会合点と呼ばれる三つの海溝(プレート間にある溝)が集まる地点が地球上で唯一存在しています。フィリピン海プレートは北西に向けて移動していますから、三重会合点の安定を保とうとする海溝もそれにあわせて西に移動していきます。これによりプレートにひずみが溜まり地震が頻発するのです。首都圏に地震が集中するのは当然のことで、ここに首都を置くというのは、率直に言って正気の沙汰ではないと思います」 現代は大地震が襲ったとき、エレベーターに乗っていたらどうなるかを描いている。読んでいるだけで、ゾッとしてくる。 ポストは湯水のごとく税金を使っているのに、地震予知に進歩のない気象庁を中心とする「予知ムラ」を批判し、予算をぶんどるマフィアではないかとまで難じている。 死と同じように「必ず来る」首都圏大地震が起これば、天文学的な被害が出ることは間違いない。首都機能を移転するのはあたりまえだし、首都圏4,000万人といわれる人口を地方に分散することも早急にやらなければならない。地震が起これば必ず起こる火災にどう対処するのか、課題は山積みである。一日も早く手を付けるべきなのに、安倍首相は暇ができれば外遊ばかりして、真剣に取り組もうとはしていない。週刊誌はもっともっと危機を煽り、どうすればいいのか具体策を示してほしい。 さて、皇室の話題が多いこの頃だが、今度は、ヒゲの殿下として人気の高かった三笠宮寛仁親王が薨去して3年がたつが、その妻・信子さんと2人の娘、彬子さんと瑤子さんの仲がよくないと新潮などが報じている。 信子さんは麻生太郎財務相の妹で、寛仁親王と熱愛の末ゴールインしたのだが、「寛仁親王がアルコール依存症を公表されたあたりから、関係が悪くなったといわれています」(皇室担当記者)。その頃、寛仁親王が信子さんの「臣籍降下(離婚)」を口にすることもあったという。 その後、信子さんは「病気のため」と称して宮邸を出て、別居する。寛仁親王はがんを患い薨去されるが、寛仁親王の遺志か2人の娘たちの意思か、親王の臨終に立ち会うことはできなかったという。 葬儀の喪主も、信子さんではなく彬子さんだった。その後、遺族同士の話し合いはなく、寛仁親王家は廃止、遺族は三笠宮本家に合流することが決まった。 最近発売された雑誌「正論」のインタビューで彬子さんが父親のことを話しているが、実の母親については一切触れていない。 同様の記事は現代、ポストでもやっている。秋篠宮家の母と娘の言い争いや、このような実の母と娘の確執を読んでいると、つくづく皇室は日本社会の縮図だということがよくわかる。 最近、これほど腹が立ったことはない。年金情報125万件流出事件である。日本年金機構が無責任な人間たちの集まりだということはわかっていたつもりだが、これほどとは思わなかった。 理事長が謝れば済むという話ではない。刑事事件にして、責任者たちを引っ括ってほしいと、私は思う。 文春で年金機構の関係者が「年金記録は、勤務先や年金受給額が決まる『標準報酬月額』、年金の振込口座などの情報も一元管理されています」と話しているから、氏名や基礎年金番号、住所などとともにこれらの情報も漏れた可能性が高い。 「これらの情報がわかれば、現役時代のだいたいの年収もわかってしまいます。悪徳業者の営業などにも流用されかねません」(社会労務士の北村庄吾氏) 「振り込め詐欺」師たちにとっては宝の山、ますます被害が大きくなることは間違いない。 こんなずさんなことをしているのに、今年10月からは、国民一人一人に番号を付けて社会保障や税だけではなく、その人間の医療情報など何でも入れ込んで一元管理する「マイナンバー制」が成立し、来年1月から運用開始する予定なのだ。 ふざけるなである。甘利明社会保障・税一体改革担当相は「(関係職員の目に触れる)業務情報とマイナンバーは全く別の場所で管理され、しっかりファイヤーウオールが敷かれている」と言っているが、信用するものか。 この連中より、不正アクセスして情報を盗み出すIT盗人のほうが何倍も頭がいいことは間違いない。もしマイナンバー情報が流出したら、時の総理は頭を丸め辞任するという文言を入れなければ、こんな制度を拙速に導入するべきではない。 ところで、週刊誌は「奇想天外」な迷判決を出した始関正光裁判官に感謝すべきであろう。 銀座のクラブのママが上客に来てもらいたくて、月に何回か関係を持った。そのことを知った客の妻が、そのママを相手取って損害賠償を求めて提訴した。理由は、夫の不貞行為のために夫婦の信頼関係は危機に瀕し、別居生活に至ったからだというものである。 このことは夫も認めている。しかし、くだんのママのほうは、客は本当の不貞の相手を隠すために自分のことを持ち出したのだと反論している。 そこで始関裁判官は、このような判決を下したのだ。 「ソープランドに勤務する女性のような売春婦が対価を得て妻のある顧客と性交渉を行った場合には、顧客の性欲処理に商売として応じたに過ぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないから、(中略)妻に対しては不法行為を構成するものではないと解される」 クラブのママやホステスは、顧客を確保するためにさまざまな営業活動を行っており、客の要求に応じて性交渉をする「枕営業」と呼ばれる営業活動をする者も少なからずいることは「公知の事実」だから、結婚生活の平和を乱したとはいえないとして、妻側からの請求をあっさりと棄却してしまったのである。 新潮は「枕営業は正当な“業務”であり、銀座のクラブの料金は、客との同衾を見越して設定されているという空前の“迷判決”」だと仰天している。 夜ごと銀座に繰り出していたときにこの判決を知っていたら、ホステスに「料金にはセックス代が含まれているのだから、これからオレとホテルへ行かないと過剰請求で訴えるぞ」と言えたのに……。 妻の代理人の青島克行弁護士によると、始関裁判官は法廷で、「何を根拠に請求するのか。これはソープランドと同じで、慰謝料請求なんかできないだろう」と言い放ったというのだ。 同弁護士によると、最高裁の判例では、どんな事情があれ、既婚者とわかっていて関係を持てば、相手の家庭を壊したという理由で慰謝料が認められているという。 もし、この妻が夫を訴えたらどうなったのだろうか。始関裁判官は、枕営業に応じただけだから不貞ではないといって棄却するのだろうか? 原告側はあきれ果てたのか控訴しなかったそうだが、高裁ではどんな判決が出るのか聞いてみたかった。 このような裁判官なら、妻の浮気に対して慰謝料を要求する夫に対して、「妻というのはカネで買われた売春婦だから、他の男と愛情を持たない性交渉を持ったとしても、それだけで夫婦の平和を乱したとは言い難い」などという判決を下すかもしれない。 ニューズウィーク日本版が「FIFA対USAのキックオフ」と題してFIFAの大騒動を報じているが、日本の週刊誌はあまり関心はないようだ(ポストが、FIFAの問題を対岸の火事のようにタカをくくっている日本サッカー協会への批判をグラビアでやっているが)。だが、こんなにスケールが大きくて面白い「贈収賄事件」はないと思うのだが。 「長らく疑惑の目が向けられてきたFIFA (国際サッカー連盟)の『反則行為』に天罰が下るかもしれない。米司法省が先週、スイス当局(FIFAの本部はジュネーブにある)と連携して、FIFA関係者14人を大掛かりな不正利得やマネーロンダリング(資金洗浄)などで告発したのだ。『これは詐欺のワールドカップだ』と、米国税庁のリチャード・ウェブ捜査官は発言。現時点で1億5100万ドルの不正資金を突き止めたことに触れ、『今日、FI FAにレッドカードを突き付ける』と宣言した」(ニューズウィーク) これまでもFIFAの腐敗は言われ続けてきた。中でも、10年に18年と22年の開催国を同時に決定したことに、世界の心あるサッカーファンから「疑惑」の目が向けられた。 18年はロシア、22年はワールドカップに一度も出場しことのないカタール。カタールは夏の平均気温が50度にもなる。 これまでFIFAも内部調査に着手したことはあるが、「倫理違反は確かに存在したが、投票プロセスに影響はなかった」という不可思議な発表をしただけだった。 この数十年、FIFAには腐敗の疑惑がつきものだったが、FIFAはのらりくらりとスキャンダルをかわし、生きながらえてきた。 今回不思議なのは、起訴された幹部の多くは外国籍で、アメリカに住んだことはない。それなのになぜ彼らをアメリカ(具体的にはニューヨーク東部地区)で立件できたのか? アメリカの裁判所には、彼らを裁く管轄権がないのではないのか? 「ここが今回の司法省の戦略の鮮やかなところだ。問題となった不正な資金の大部分は、銀行間の電信送金によって支払われていた。そしてこれらの銀行のサーバーがニューヨークにあった。つまり汚職幹部への送金が、ニューヨーク東部地区にあるサーバーを経由していたことを理由に、アメリカの司法当局はその取引に対して管轄権があると考えたのだ」(同) また起訴状によると、彼らはしばしばニューヨークで贈収賄計画を協議する会合を開いていたという。つまり共謀行為はアメリカで進められていたのだ。 ニューズウィークは、この事件をアメリカが本腰を入れてやろうとした背景には、94年のW杯開催当時はサッカー後進国だったアメリカのサッカーが、サッカー大国へと変貌したことがあると指摘している。 W杯の有力スポンサー5社のうち、コカ・コーラ、米ビザはアメリカ企業であり、07年から10年に当時のパートナー企業(日本のソニーも入っていた)6社からFIFAが受け取ったスポンサー料は106億ドルにもなると、ニューズウィークは報じている。 長年FIFAを牛耳ってきたブラッター会長(79)が6月2日、突然辞意を表明したのは、自身へ捜査の手が伸びるのを恐れたためではないかといわれている。 FIFAの次は、IOC(国際オリンピック委員会)かもしれない。スポーツの祭典でカネを儲けている輩は、日本にもいるのではないか。これからの捜査の進展に、大注目である。「ニューズウィーク日本版」6/9号
今週の注目記事 第1位「『照ノ富士』を先物買いした『お目の高い彼女』」(「週刊新潮」6/4号) 第2位「紀香(43) 愛之助(43)爛漫の同棲愛」(「女性セブン」6/11号) 第3位「北大路欣也『愛妻と超高級老人ホーム入居』の男気」(「週刊ポスト」6/12号) 第4位「東京五輪大ピンチ 一番悪いのは誰だ?」(「週刊文春」6/4号) 第5位「朝日新聞OBが暴露『中国高官ねつ造手記』の波紋」(「週刊文春」6/4号) 第6位「安保法案『6・19強行採決』亡国の密約」(「週刊ポスト」6/12号) 第7位「『8月、安倍は習近平にひれ伏す』」(「週刊現代」6/13号) 第8位「巨大地震は来る」(「週刊現代」6/13号) 「MEGA地震予測 村井教授が分析 首都圏大地震の予兆は続いている」(「週刊ポスト」6/12号) 第9位「第2のオリンパス? 東芝経営陣が最も恐れる“時限爆弾”」(「週刊文春」6/4号) 「天下の東芝が『そこまでやるか』の下請けイジメ」(「フライデー」6/12号) 第10位「養育費月150万円!?『加護亜依』離婚劇のジェットコースター」(「週刊新潮」6/4号) 番外 現代とポストのセックス記事の勝者はどっちだ! 今週は、大スクープはないが、バリエーションに富んだ記事が多かった。 まずは、恒例の現代とポストのセックス記事比較。グラビアはどちらも気合いが入っておらずお休み。 まずはポストから。これまで1万冊以上の官能小説を読破してきた官能小説評論家の永田守弘氏(82)による「官能小説の戦後70年史」。永田氏にいわせると終戦から1950年代は、度重なる摘発でかえって性表現が磨かれたという。代表作には田村泰次郎の『肉体の門』や伊藤整訳の『チャタレイ夫人の恋人』を挙げている。 60年代から70年代は、川上宗薫や富島健夫氏ら純文学からの転向組が増えたのが特徴だという。そして80年代から現在までは「不倫」「熟女」「回春」が流行していると見ている。それに80年代になるとl女性作家の活躍が目立ってくる。78年に25歳でデビューした丸茂ジュンは中村嘉子、岡江多紀とともに「美人ポルノ作家御三家」と呼ばれた。だが、特別新しい視点のない特集ではある。 現代も「名もなき『性の探求者』たち」と、これまた新味のない特集。ちょっと目を引いたのが、オナニーグッズ開発に4000万円もかけた男の話である。いまや日本が世界に誇る一大ヒット商品に成長したスーパー・マシン。その名は『Men's SOM』というそうだ。1台約4万5000円と高価ながらも、日本をはじめ中国、ヨーロッパで好評を博し、これまでに約5万台を売り上げたオナニーマシンだという。 「しっかりとした台座に、力強くスライドする可動部が取り付けられている。代表的なタイプでは、可動部の先端にある、女性の手を模したやわらかなカップ部分が、男性のペニスをしごきあげる。アダルトグッズ界の『最上位機種』と呼んでも過言ではないが、開発したのはグッズメーカーではない。通信販売の受注や問い合わせなどを受けるコールセンター業務を本業とする企業なのだ」(現代) したがって、製造元の同マシン開発室長T氏がこう語る。 「弊社は業務の性質上、女性社員も多く、自社で究極のオナニーマシンを開発・販売していることは現在も極秘なのです」 きっかけは同社の社長が、仕入れ値は安価なのに高く売れるアダルトグッズの販売に目を付け、自分のところで開発しようといったからだという。4万5000円のオナニーマシンって、相当気持ちいいのだろうか? 作家の野坂昭如氏が若いころ、女とやるよりも自分でマスをかくほうが気持ちいい、第一面倒くさくないといったことがあるが、そういう気持ちが今になってわかってきた。 今週はどちらも企画の斬新さがないので、引き分けとする。 今さら加護亜依(27)の名前など覚えている人は多くないと思うが、かつては国民的な人気を誇ったアイドルグループ『モーニング娘。』の元メンバーである。彼女がA氏(47)とできちゃった婚をしたのは2011年の11月。長女が生まれたがA氏は、結婚前にも恐喝未遂容疑で逮捕されていて、昨年10月にも出資法違反で警視庁に逮捕されたと新潮が報じている。これが今週の第10位。 離婚協議が始まり、A氏は、娘を加護が育てること、運転手付きの車や六本木の高級賃貸マンションの家賃も含めて毎月150万円払うことに同意したという。だが、娘の親権をめぐって裁判沙汰にまで発展し、5月12日の朝、口論になり、加護が逆上してA氏から娘を強引に奪おうとして床に落としパニックになったため、A氏が警察に通報する「事件」が起きたそうだ。 まだ20代で、これだけ波瀾万丈な人生を送る加護のこれからと子どものことが心配だ。 ところで、東芝というガリバー企業が「不正会計問題」で大揺れである。文春によれば、第三者委員会が調査対象となる事業を発表したが、東芝のほぼすべての事業が調査対象となり、「当初は五百億円だった営業利益の減額修正がさらに膨らむ可能性があります」(経済部デスク) これでは先のオリンパス事件と同じように、組織的に不適切な会計を行い穴埋めしていたのではないかといわれても仕方ないという。 文春は、その「穴」とは、2006年に買収した米国の原子力プラント会社ウェスチングハウスではないかと見ている。東日本大震災で国内外で原発受注が困難になったのに、東芝は減損処理をしなかった。だが買収額に見合う利益を上げられていないため、不正会計に手を染めたのではないかというものだが、佐々木則夫副会長は言下に否定している。 フライデーは、その東芝が「下請けイジメ」をやっていると報じている。東芝グループ全体が取引先への支払いを、〈検収(=納品)月締め、翌月未起算180日サイト払い〉とするという内部文書を入手したのだ。 これだと、仮に5月15日に下請け各社が納品した場合、代金を受け取ることができるのは翌6月から起算して180日後の12月末になる。電器メーカの場合、通常は120日前後払いだというから、「自分たちの失態(不正会計発覚=筆者注)を下請けに押し付けていると見られても仕方ない」(経済紙記者) 夕刊紙には「上場廃止」もあり得るとまで書かれた東芝の混迷はまだまだ続きそうである。 さて、このところ続けて震度5クラスの地震が頻繁に起こっている。ポストによれば、5月末まで震度5以上の地震は昨年の倍以上のペースで発生しているそうである。もはや大地震はいつ起きてもおかしくない、という意識は常に持つべきだろう。 ポストお馴染みの「MEFGA地震予測」を展開する民間会社JESEA(地震科学探査機構)の顧問を務める東京大学名誉教授の村井俊治氏は、こう警鐘を鳴らす。 「地震(5月25日の地震=筆者注)発生後も関東地方にある危険な兆候は消えていません。これはさらなる大地震の予兆かもしれない」 現代によれば「5月25日、14時28分。まるで脇腹をガツンと殴られるような不意打ちに、関東に住む約4000万人が衝撃を受けた。M5 、最大震度5弱という数値だけを聞けば、単なる『やや強めの地震』と思うかもしれない。だが実際に体験した者にとって、あの揺れ方は、ここ最近の地震と明らかに『質』が違っていた。最初からドン! と縦に来る、明らかに『これは直下型だ』と分かるタイプの地震だ」という。 5月30日の夜に起こった小笠原を震源地とする震度5の地震も、首都圏の鉄道を大きく混乱させた。 かねてから、関東地方では向こう30年の間に高い確率で大地震が起きるといわれてきた。 「しかしこの警句自体が、既に陳腐なものになっていることも否めない。生命と生活を危うくしかねない巨大地震を、あたかも天気予報や宝くじのように確率で言われても、ピンと来るはずがないのだ。あの突き上げるような縦揺れは、千のデータや予測よりも雄弁に『日本人は地震の巣の上に住んでいる』そして『「その時」は間近に迫っている』と物語っていた」(現代) いつかは必ず来る巨大地震に、どうしたら備えられるのか。箪笥や本箱を壁に縛り付けたり、保存食を買いだめするだけでいいはずはない。根本的に地震対策をどうするのかは、「戦争法案」よりも喫緊の課題だと思うが、安倍首相にその危機感はまったく感じられない。困ったものである。 第7位は、現代の中国共産党の幹部が語った、習近平が考える日本戦略。習近平首席は安倍晋三という政治家を、どう見ているのかという質問にこう答えている。 「習近平首席は、いやこれは多くの中国の政治家が同様だが、個々の日本の政治家を、『中国の味方』か『中国の敵』かで二分して考える。ごく単純化して言えば、靖国神社に参拝する政治家は敵で、参拝を忌み嫌う政治家は味方だ。つまり、小泉純一郎、安倍晋三らは『敵』で、福田康夫、鳩山由紀夫らは『味方』だ。'12年末に安倍政権が誕生して半年くらいは、安倍首相は、国会答弁などで右翼的発言を繰り返していた。この頃、金正恩第一書記率いる北朝鮮も、長距離弾道ミサイルの発射実験や核実験を強行した。そのため習近平首席から見れば、東のほうに、金正恩という物騒な『敵』がいる。そのまた向こうに、もう1人の『大型の金正恩』とも言うべき物騒な政治家がいる。そんなイメージだった」 ずいぶんおおざっぱな言い方だ。この程度のことを聞くのに、大物幹部を引っ張り出す必要はあったのだろうか? 話の要点は、これからは中国とアメリカで物事を決める時代になるから、日本のような小物は両方から除け者にされると言いたいのだろう。 「6月下旬に57カ国代表が北京に集まり、AIIBの設立協定を締結する。同時期に中米戦略・経済対話を行い、8月には翌月の習近平主席訪米の概要が固まる。習近平首席は、7月末日にオリンピック招致(22年に冬季オリンピックを開催したいという意向のようだ=筆者注)さえ決まれば、アメリカとの直接交渉によって、どんどんアジアの物事を両大国で決めていく気でいる。中米両大国の急接近によって、8月15日の『安倍談話』など吹っ飛んでしまうに違いない。戦後70周年の8月は、安倍が習近平にひれ伏す月となるのだ」(中国共産党の幹部) まあ、安倍首相がひれ伏す分には、私は構わないが、中国経済の実情を考えたら日本を大切にしておいたほうがいいのではないか、習近平さん。 その安倍首相は、安保法制関連法案の国会審議でアップアップであるが、ポストによると、この法案を6月19日に強行採決する密約があるというのである。 ポストで安保法制の事務方を務める官邸筋が語る。 「官邸は安保法を参院まで通すために今国会を8月10日頃まで延長する方針だが、通常国会は延長が1回しかできないから、参院での審議時間を考えれば、従来の会期末(6月24日)までに衆院通過させておく必要がある。ギリギリの採決は何が起きるかわからないし、6月23日には沖縄の全戦没者追悼式が行われ、そんな日に強行採決すれば余計に反発が強まる。逆算すると会期末の前週の19日金曜が、官邸が想定する強行採決のタイムリミットだ。そのことはすでに国対に伝えられている」 ポストによれば、自民党の佐藤勉・国対委員長が「80時間で十分」といったことに野党側は反発したものの、与党は特別委員会で週3日間、1日7時間の審議を行うことで合意したから、計算上は6月19日には審議時間が84時間に達する。 そこで与党側は十分議論を尽くしたと審議を打ち切って、採決に持ち込む算段だというのである。 「とくに問題なのは重要影響事態法案だ。現行法では、日本周辺で武力紛争が起きた場合の自衛隊の米軍への後方支援活動を定めているが、今回の改正により、『我が国周辺の地域』という地理的制約が取り払われ、政府が『我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態』と判断すれば、緊急時には国会の事前承認なしで世界のどこでも自衛隊による米軍への後方支援が可能になる」(ポスト) こうしたことへの不安は一般人だけではなく、自衛隊内にも現れているとポストは報じている。 「この春、防衛大学校では大量の『任官拒否』が出た。卒業生472人のうち、25人が自衛官任官を拒否して民間企業への就職の道を選んだ。昨年より15人増えた」(ポスト) 防衛庁官房長や防衛研究所長を歴任し、小泉内閣から麻生内閣まで安全保障担当の内閣官房副長官補を務めた安保法制の第一人者、柳沢協二氏(NPO法人国際地政学研究所理事長)がこう指摘する。 「国会では自衛隊が攻撃されるリスクの議論ばかりだが、今回の安保法制の重大な欠陥は、逆に“敵を殺さなければならない”場合の法整備がないことです。(中略)軍隊は任務遂行のために武器使用を行う。使用が間違っていた場合、他国の軍人は刑法とは別に軍法会議で裁かれる。しかし、日本の憲法は軍隊としての武器使用を想定していないため、自衛隊員は警察官職務執行法に基づいて『正当防衛』『緊急避難』の武器使用しかできない。自衛官が戦闘で敵を殺害した場合も日本の刑法で裁かれるわけです。そんな状態で海外での後方支援活動をさせられることが、自衛官にとって大きなリスクなのです」 ポストは「安保法制は自衛隊員が敵に攻撃されたら“丸腰”で立ち向かえと言っているも同然ではないか。任官拒否が増えるのは無理もない」と書いているが、その通りであろう。このように問題の多い法案を十分に審議を尽くさないで強行採決したら、日本は法治国家とはいえない。 文春は「朝日新聞OBが暴露『中国高官捏造手記』の波紋」について報じている。このOBは、朝日新聞で「週刊朝日」や「月刊Asahi」副編集長、「週刊20世紀」編集長を務めた永栄潔氏のことだ。 彼が3月に出した『ブンヤ暮らし三十六年』(草思社)の中で、「月刊Asahi」に89~91年まで断続的に連載された「世紀のスクープ! 中国高官ディープスロートの極秘報告」が、実は、翻訳者とされていた中国に詳しい日本人会社員が書いていたものだったと「暴露」したのだ。 永栄氏は「月刊Asahi」に異動してきて、この連載を担当することになった。そこで訳者に挨拶に行ったところ、本人が「あれは自分が書いたもので、タイトルは編集部が勝手に付けた」と明かしたので、「私はこれが露見すれば朝日新聞が揺らぐ大問題になると思い、誰にも相談せずに連載を終了させた」(永栄氏)というのである。 この本を読んだ朝日新聞出版(朝日新聞の子会社)の青木康普社長が激怒し、出版の役員が永栄氏を呼びつけ、なぜこのようなことを書くのかと詰め寄ったというのだ。 この本を読むと、エリート集団の朝日の中にも、人間的な人たちが多くいたことがわかる。朝日の金看板を背負って威張り散らす人、理不尽な要求をごり押しする人、社論に異を唱える意見は読者といえども載せないと言い切る人など、記者として鍛えられた冷徹な永栄氏の目を通して生き生きと語られる。 朝日が抱える病根が浮き彫りになる、まれに見る記者モノの傑作である。 私は4月27日にビジネス情報誌「エルネオス」(6月号)の対談で、永栄氏と2時間ほど朝日新聞について話し合った。そのあと永栄氏は「朝日に呼ばれている」と言って出ていった。そのときのやりとりを、後で私にこう話してくれた。 「社の最も苦しい時に、昔の話を持ち出して、社をさらに苦境に立たせる本当の意図を知りたい。マイルドにお書きだが、全編、反朝日で貫かれていると思わざるを得ない」 この連載当時、「月刊Asahi」は朝日新聞の一部署だった。昔の話だろうが、これが事実なら大捏造事件である。永栄氏は文春でこう語っている。 「朝日新聞出版の幹部が『手記に間違いない。中国に人を送り、確認した』と言っていると仄聞しました。もし本当に調査をしたならば、その結果を公表してほしい」 当然のことであろう。週刊朝日の編集長だった川村二郎氏が「創」という雑誌に、朝日の社説や記者のコラムが読者に分かりにくく叙述に工夫が足りないと寄稿したのを咎められ、昨年暮れに社友資格剥奪・社関連施設への立ち入り禁止処分を受けたと聞いている。 社内外からの批判に耳を貸さず、痛いことをいうOBまで弾き出すのでは、もはや言論機関とは言えまい。自信を失った朝日新聞の末期症状に、安倍首相の高笑いが聞こえてくるようだ。 東京五輪の目玉である新国立競技場の建設が遅れていて開催が大ピンチだと文春が報じている。これが今週の第4位。 5月18日に下村博文文科大臣と舛添要一都知事が会談した際、下村氏が「屋根を付けると工期が間に合わない上に見積もりの1600億円では収まらないので、500億円程度の負担をお願いしたい」と言ったため、舛添氏は難色を示した。 舛添氏は、協力するのはやぶさかでないが、そのためにはいくらかかるのか、ちゃんと間に合うのかを説明してほしいと、文春に答えている。 文春によれば、五輪開催国のメイン会場建設費はだいたい600~700億円だそうで、1600億円という額はその倍以上にもなる。 当初は国立を耐震補強して使うという「改修案」だったという。それが2019年に日本で行われるラグビーW杯の会場として新しい国立を建てようと、日本ラグビー協会会長を長く勤めていた森喜朗元首相らが画策して予算規模がどんどん膨らんでいったそうだ。 さらに、新国立のデザインを英国在住の女性建築家に頼んだことや、資財・人件費の高騰で予算が一時は3000億円にまでなったのを、競技場のサイズを縮小するなどして1600億円程度まで圧縮したそうである。 屋根付きにすると工期が延びてラグビーW杯はもちろん、五輪にも間に合わないかもしれないし、カネはさらに嵩む。 私は東京五輪開催に反対だから新国立建設が間に合わなくてもいいが、これは東京五輪招致の最終プレゼンで安倍首相がIOC(国際オリンピック委員会)に約束したことである。川淵三郎日本バスケットボール協会会長の言うように、「日本は事前に約束していてもいざとなったら平気で破る」国だと言われかねない。 それでなくとも安倍首相はそのプレゼンで、原発の汚染水は完全にコントロールされているという「嘘」をついているのである。今からでもいいから五輪を返上したらどうか。 さて北大路欣也といえば、東映時代劇の俳優で片岡千恵蔵らとともに戦前・戦後の大スターだった市川右太衛門の次男として生まれ、13歳のときに映画『親子鷹』でデビュー、以来、スター街道を突っ走ってきた大物俳優だが、これまでプライベートはあまり知られていない。 ポストによれば、北大路は今、妻とともに介護付有料老人ホームで暮らしているというのだ。 その老人ホームは都内にあり、高級ホテルさながらの設備を誇っているそうだ。ロビーには高級ソファーが並び、食事は都会の夜景を見下ろすダイニングで、専属シェフの手による日替わりメニューを味わえるほか、ジャグジーやラウンジなどを備えている。 当然ながらホームドクターと専属の看護師がいて、健康管理は万全な上、介護が必要な状態になった時にはケアスタッフによる介護を受けられる。サービスも施設も至れり尽くせりだそうだ。だが、入居には一時金として数千万円、加えて食費等月々の費用が数十万円かかる超高級施設だ。 北大路72歳、妻は66歳だそうだ。ポストによれば、北大路夫婦が元気なうちに老人ホームに入る決断をしたのは、両親のことが影響したそうである。 両親の安全と安心を常に確保でき、命の尊厳をいつでも守れる環境を提供しなければならないと考えていた北大路は、自分の足で親の終の棲家探しをしたそうである。 そしてめぐり会ったのが、千葉県館山市の老人保健施設であった。そこで父は92歳、母は95歳で大往生した。母は90歳を過ぎて足取りがおぼつかなくなっても、夫のためにコーヒーを入れていたそうだ。 そんな両親の晩年こそ、北大路にとって理想の夫婦の生き方なのであろう。ちょっといい話である。 藤原紀香(43)と歌舞伎役者の片岡愛之助(43)の熱愛を張り込みスクープしたのは女性セブンである。 紀香と愛之助が代官山の和食屋で食事をした後、一旦別れた愛之助が、愛車に乗って紀香のマンションへ入り、翌日の朝出てくるところを「目撃」している。 同棲状態といってもよさそうだ。紀香は独身、愛之助も戸籍上は独身だから問題はないようだが、愛之助には13年2月に「交際宣言」したタレントの熊切あさ美(34)という彼女がいるのだ。 歌舞伎座近くのマンションで一緒に暮らしていた2人だったが、梨園には結婚について厳しい掟があるため、なかなか結婚に踏み切れなかったようだ。 そこに紀香との「同棲」の話が表沙汰になり、愛之助は熊切との仲は「終わった」といったそうだから、彼女としては「冗談じゃない」と怒るのも無理はない。 彼女は5月29日、日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』に出演して、愛之助とは「別れ話になったことはない」、破局していないと涙ながらに訴えたのだ。 「熊切は『本当のことはわからないけど(記事に)出ちゃってるから、それが現実なんだろうなと思いました』とショックを隠せず。それでも2人の間で『別れ話になったことはないです』と断言し、『(2人が同棲しているマンションに荷物が)あるから出て行ったと思っていないし、何も変わらずなんで』とあくまで今でも交際中であることを主張した」(スポニチ5月30日より) モテる女と男のちょっとした浮気心なのかもしれない。紀香に梨園の妻になる覚悟があるのだろうか? チョッピリ、熊切がかわいそうになる、罪作りな話ではある。 強すぎる横綱・白鵬を抑えて優勝、大関昇進を果たした関脇・照ノ富士(23)に対して新潮が「ご祝儀」スキャンダルを放っている。タイミングがバッチリのスクープである。 「彼と同じウランバートルの出身の20代の女性です。照ノ富士と彼女は現在、伊勢ヶ濱部屋からほど近いマンションの一室で“半同棲”に近い生活を送っているのです」 部屋の関係者がこう話している。白鵬が千秋楽に日馬富士に負けてまさかの4敗になったため転がり込んできた賜杯だったが、ポスト白鵬に名乗りを上げたのは間違いない。新潮によると、500人以上が集まった祝賀会で「夢のようだ」と涙ぐんでいたという。 少し前に文春が白鵬にモンゴル出身の愛人がいることを報じたが、照ノ富士の彼女も同郷である。女優の真行寺君枝似の彼女は現在、大学に通っているらしい。伊勢ヶ濱部屋の関係者からも「力士としてスケールが大きい」と言われるだけに、女性関係もコソコソしていないようだ。毎日のように彼女の部屋へ行って一緒に過ごしているのを新潮が目撃している。 豪快なのは女性にだけではなく、優勝がかかった夏場所の13日目にも、錦糸町と両国にある行きつけの店をはしごして、帰ってきたのは午後11時過ぎだったという。 「新入幕から8場所での大関昇進は、年6場所制が定着した1958年以降では歴代3位のスピード出世」(5月28日のasahi.comより)。引退の二文字が見えてきた白鵬の次を狙う若武者は、すでに女性関係では大横綱の風格十分のようだ。「週刊新潮」6/4号 中吊広告より
今週の注目記事1 「壮大なるデマ『大阪都構想』終焉の日 さらば衆愚の王『橋下徹』大阪市長」(「週刊新潮」5/28号) 「〈『東京で不動産探し』情報も〉ポストたかじん? 茶髪弁護士? 国政? 橋下の『それから』」(「週刊文春」5/28号) 「引退賭けて負けた橋下さんより先に逃げたアイツのほうが政治の嗅覚はあるね」(「週刊ポスト」6/5号) 同2 「室伏広治の弟が悲痛激白『生活苦の母を見捨てた兄へ』」(「フライデー」6/5号) 「川崎簡易宿泊所火災『服もカネも焼けた』『もう家も仕事もない』」(同) 同3 「崖っぷちのフジテレビが安藤優子を夫婦で放逐!?」(「週刊ポスト」6/5号) 「わずか就任2年でポイ 激震フジかくて社長のクビが飛ばされた」(「週刊現代」6/6号) 同4 「今週の遺言 大橋巨泉」(「週刊現代」6/6号) 同5 「〈元『警務官』が実名告発!〉丸腰の巡回なし! スマホでゲーム! 窃盗見逃し! 総理官邸のお笑い警備体制」(「週刊新潮」5/28号) 同6 「【独占手記】『ドラえもん』がわからなくなった妻『大山のぶ代』と700日の春夏秋冬 砂川啓介」(「週刊新潮」5/28号) 「人生を忘れたくない人に『認知症』防衛7つの基本」(同) 「身近な食品で今日からできる! 食生活の新常識〈保存版〉」(「週刊文春」5/28号) 同・7 「佳子さまと紀子さま『うるさい!』事件〈髪形、服装、門限が原因?〉」(「週刊文春」5/28号) 【番外】 現代とポスト「セクシーグラビア」&「セックス記事」の勝者はどっちだ! 今週は図抜けた記事が1本もなかったので、順位なしとする。 グラビアは、ポストは「『ビリギャル』カバーモデル 石川恋」と、ヌードモデル専門モデルという「パーフェクトボディ 七菜乃」。現代が毎度お馴染み「井上和香」と『マッサン』に出演していた「柳ゆり菜」、袋とじが「春菜はな&麻倉まりな『猥褻なオンナたち』。 この頃の若い子には「菜」が入る名前が多いな。感想はそれだけ。しょせんセクシーグラビアは「おまけ」なのだから何人も出さずとも、ひとりだけでいいからじっくり見せたほうがいいのではないか。オンナのコには失礼だが、じっくり見せられるほどのコがいないから、こういうグラビアの組み方になるのだろうが。 記事にいこう。ポストはこれまた毎度お馴染みの、ネットにあるアダルトビデオの紹介と秘密SM会潜入ルポ。SM潜入ルポはどうということはないので、素人たちがプロ顔負けの艶技を見せることで人気のエロ動画サイトを紹介しよう。いずれも、プロに負けず劣らずの美女ぞろいなのだという。AVライターの尾谷幸憲氏がこう語る。 「最近特に人気が高いのは、『MGS動画』が独占配信する『シロウトTV』です。スカウトや応募で集めた女性の初撮作品というのが売りです。国内メーカー系なのでモザイク有りですが、無修正動画が氾濫する中で抜群の人気を誇っているのは、やはり登場する女性のレベルの高さがあるからでしょう」 ここは30~50分程度の動画で1本500円。見放題で月額4,800円とちと高いが、人気だという。興味のある方はポストをご覧あれ。 現代は「60過ぎても『精子』が6倍に増える」という特集である。坂本均整施術所に勤める鍼灸師の佐藤信之氏が提唱していて、健康雑誌『壮快Z』(今月30日発売)が紹介しているそうだ。「精子の量は6倍に増えた! ペットボトルで右の太ももをほぐせば勃起力も大回復」という特集がそれだそうだ。 佐藤氏が提唱するマッサージ法は、ペットボトルが1本あれば誰でもできて、しかも1日朝と晩3分ずつやるだけでいいのだという。それにがんの予防にもなるというのだから、本当ならやってみる価値はある。 「精液の量が増えれば若い頃のような射精感を取り戻し、思わず声が出てしまうような勢いのよい射精をすることができる」というのである。現代によればこうだ。 「マッサージ法というのは、ポイントは太ももの裏である。まずは、なるべく固めの500mlペットボトル容器を用意して、水を満タンに入れる。椅子に腰かけ、太ももと椅子でペットボトルを挟み込んで、太ももの裏の筋ばった部分をグリグリと刺激するように、足を上げ下げする。たとえ表面が柔らかいからといっても、深層の筋肉がかたくなっていることがあるから油断は禁物だ。少し痛いけれど気持ちいいくらいの強さで揉みほぐすことを3分間ほど行う。太ももを揉むのがいくら気持ちよいからといって、やりすぎてはいけないし、2分程度で十分にほぐれたなと思ったらやめてもいい。それを朝と晩に1回ずつ行う。これだけで、精子の量が増えていくのだ。人によっては、数ヶ月で何倍にもなるという」 どうです。今日から始めてみますか? 今週は、グラビアの量と記事の面白さで現代の勝ち! 「肩から背中が大きく開いたブルーのマッチョタンクの下に、黒のインナー。スキニージーンズにバンズのスニーカーを合わせ、指輪やミサンガを身に着け」 「パーカーの下の黒いインナーの胸元が大きく開いていて、屈み込んだときはヒヤヒヤしました」 「この日は、グレーのVネックニットに太ももを大きく見せたホットパンツという出で立ち」 これは、若い芸能人のファッションを書き写したのではない。いまやグローバルな人気者になった秋篠宮佳子さま(20)がICUに通ったりするときの服装である。 もちろん公式行事に出るときは清楚な服装をしているのだが、プライベートとの格差があれこれ言われていると文春が報じている。 そうした服装や化粧などに対して、母親の紀子さまはかなりきつい口調で注意をするという。 「髪型や服装、門限などについて、紀子さまは本当に細かいことまで、厳しくおっしゃることがあります。それに対して、佳子さまは『うるさい!』と返されるのです」(秋篠宮関係者) 本当かね? 我が家と変わらないではないかと親近感を抱くのだが、佳子人気は中国でもすごいと新潮が報じている。 何しろ佳子さんのことをネットニュースが報じると、瞬く間に「気品があってカワイイ」「清純な佳子公主!」という書き込みが1万件にもなるという。 北京在住のライターも、こう話している。 「ネット通販サイト“淘宝”では、日本で3月末に発売された写真集『秋篠宮家25年のあゆみ』が250元(約5000円)で取引されています。日本での定価は980円なので、実に5倍近い値段です。さらに、佳子さまが伊勢神宮への参拝でお召しになったドレスも約3万円で売りに出ている。日本でもブランド名は公表されていないので十中八九、偽物だと思いますが……」 中国は由緒正しい皇室に憧れとコンプレックスを抱いているそうだから、佳子さんが「親善大使」になって、中国との友好復活の橋渡し役をやってもらったらいいのではと思うのだが、安倍さん、お願いしてみてはどうかね。 ところで私が好きだった作家・車谷長吉さん(69)が亡くなってしまった。『赤目四十八瀧心中未遂』で直木賞を受賞したが、自分も含めて身内の恥をとことんさらけ出す私小説に魅せられた。 療養中だったようで、のどに物を詰まらせて窒息したという「死に様」も、彼らしいとは思うが、もう彼の小説が読めないと思うと寂しい。 さて、ドラえもんの声を四半世紀にわたって務めてきた大山のぶ代さん(81)が認知症だということを、夫の砂川啓介さん(78)が告白したことが話題である。 彼女は2008年に脳梗塞で倒れ、しばらくはその後遺症で物忘れが激しいのだと思っていたが、2年前に脳の精密検査を受けたところ、アルツハイマー型の認知症と診断されたと、新潮で砂川氏が語っている。 あれほど上手だった料理も、火にかけた鍋のことを忘れて空焚きにしたり、ヘビースモーカーだったのに、灰皿を不思議そうに眺めているそうだ。 徘徊はないが下着を汚したり、亡くなった母親と話をする幻覚症状が出たりと、ひとりで置いておける状態ではないという。 老老介護の大変さがよくわかる記事である。認知症を治すことはできないが、進行を遅らせる薬は出てきているようだ。しかし、やはり「認知症防衛」が大切だと、新潮は特集を組んでいる。 毎日30分以内の昼寝。動脈硬化をもたらす生活習慣は避け、DHAやEPAを含むイワシやサンマなどの青魚を1日60~90グラムは摂るようにする。 野菜を多く取り、中でもブロッコリーは「王様」といわれるそうだ。カレーをよく食べるインド人の認知症発症率はアメリカ人の4分の1ほどだといわれる。カカオ含有率70~80%の高カカオのダークチョコを毎日100グラム摂ると、15日間で血圧、空腹時血糖値、血中インスリン濃度がすべて下がり、認知症につながる糖尿病予防にも有効だという。 果物を食べるなら糖分の多いパイナップルやメロンより、食物繊維が豊富なブルーベリーやりんごがいいそうだ。太りすぎや呑みすぎも厳禁。 これを読んでいると、私は100%認知症になる可能性が高いことがわかる。もっともいますでに認知症になっているが、私が気付かないだけなのかもしれないが。 やはりのぶ代さんの影響なのだろう、週刊文春も「身近な食品で血圧や認知症を予防しよう」という特集を組んでいる。 やはりチョコレートが血圧にも認知症にもいいようだ。血圧にはカカオポリフェノールの持つ抗炎症作用がいいという。また脳由来の神経栄養因子(BDNF)の値が増加することで、記憶力が向上したり認知症にかかる率が減少するという。 糖尿病予防には落花生1日30粒が効果ありだそうだ。 「落花生はオレイン酸という良質な脂肪酸を多く含んでいます。糖尿病の三大合併症とされるのは腎障害、網膜症、神経障害です。これらは血糖値を抑えればコントロールできる。問題はこれ以外の動脈硬化などに由来する大血管合併症です。これは血糖値を抑えるだけでは防げませんが、オレイン酸は動脈硬化予防に効果的です」(小早川医院の小早川裕之院長) みかん、牡蠣、イカもいいそうだ。新潮でも「王様」だといわれているブロッコリーは発がん物質を抑える効果があるという。 ブロッコリーやキャベツなどの「アブラナ科野菜にはイソチオシアネートという硫黄化合物が多く含まれていて、これが肝臓にある解毒酵素の活性を高めてくれます」(愛知学院大学の大澤俊彦教授) さっそく、落花生とカカオチョコレート、それにブロッコリーを買って帰ろう。それに冷や奴があれば天下無敵だそうだ。もう手遅れだろうがね。 先日、官邸の屋上にドローンが飛来して大騒ぎになったが、どうやら一国の主を守る警備体制は「笑える」ほどお粗末だと、新潮で3月末まで官邸警備官を務めた花堂秀幸氏(61)が実名で告発している。 官邸の警備体制は、外周は官邸警備隊が見回り、総理の身辺は警視庁警備部警備課のSPが警護。官邸の入り口と内部の警備は、総理大臣官邸事務所が雇う官邸警務官たちが守るようになっているという。 花堂氏は警視庁に入り、特別機動隊にもいたが12年2月に退職。そのとき非常勤の警務官の仕事を紹介されたという。 花堂氏によると、警務官は4班に別れ全体で80名ほどだが、年配者が多く武道経験者も非常に少ないという。中には、さっさと歩けない人までいたという。仕事時間内にスマホでゲームをやっている者もいるそうだから、緊張感なさすぎでしょ。 職員が出勤してくる西門に配備されている警務官はわずか5人で、門を開け閉めする機動隊員はたった1人。食堂に食材を運んだり、建物のメンテナンスをする業者が多く出入りするので、花堂氏は心許ないという。 「以前はあったという車両用の金属探知機は今はなく、業者の車は登録証を持っていれば、検査も受けずに入れます。だから、車に爆発物でも積まれていたらおしまいだし、車の中に誰かが隠れていたってわかりません」(花堂氏) これまでにも、西門から不審車が入ってしまったことがあったという。 それに、万が一不審者が官邸内に入ってきても、素手で闘わなくてはいけないのだそうである。 「警務官は拳銃はもちろん、折りたたみ式の警棒も携帯していません。いちおう警杖と警棒は各エリアに備え付けられていますが、上司から『使ってはいけない』と言われている。要は『なにかあったら逃げろ』と。私も勤めてすぐ、『ここはケガしたら補償がないよ』と言われました」(同) 官邸内の巡回もおざなりで、酔っ払っていても勤まるそうだ。また、警務官の財布から現金が盗まれる事件が頻発しているが、まともに解決できないという。月給は額面で月額30万円程度だそうだ。 この記事をテロリストが読んだらどう考えるのだろう。原発施設を狙うより、官邸を狙うほうが容易いと思うのではないか。安倍首相はこの実態を知っているのであろうか。これでは夜、マクラを高くして眠れないはずだが。 さて、安倍首相がごり押しする「戦争法案」に対して反対の声を上げる市民は多いが、相変わらず大新聞は「寝言」のような遠吠えを繰り返すばかりである。 反権力の「象徴」となった感のある大橋巨泉氏だが、今週号では告訴も覚悟の上で安倍首相を「ウソツキ」と難じている。 今週の原稿は、4月に発見された右肺の中の癌細胞を取り除くため、右肺の下葉の摘出手術を受けるために施術の前日の14日に入院した、国立がん研究センター中央病院の病室で書いているという(手術は無事終わったと聞いている)。 「今日本が1番大事な曲角にあるとき、どうしてももう一度目覚めて、将来を見据えたいと願う」(巨泉氏)から、これをしたためたそうである。 「それはわが国が、安倍晋三という、希代のウソツキを総理大臣に頂いているからだ。一国の総理を『ウソツキ男』呼ばわりしたのだから、覚悟は出来ている。安倍さん、この原稿を読んで名誉を傷つけられたと感じたら、どうぞボクを訴えてください。よろんで法廷で争います」(同) この覚悟は本物だ。 「ウソツキという理由は、今回の安保法案について、首相が記者会見で、われわれ国民に向けた発言が、嘘やまやかしに満ちて居り、到底真実を伝えようとしているとは思えないからだ。まず『米国の戦争に巻き込まれるということは、絶対にあり得ません』と大見得を切った発言だ。絶対にと強調した以上、説得力のある明解な理由がある筈だが、それは言わない。ボクに言わせれば全く逆である。これまではどんな場合でも、『憲法九条』を盾にすれば断われた。しかしこんな法律を作ってしまった以上、断われない状況に自らを追い込んだ事になる。ましてや相手は米国である。今までの安倍氏の対米姿勢を見ていると、断わるどころか、自ら進んで米軍の片棒をかつぐとさえ思われる」 真っ当な安倍首相批判である。 「安倍首相については、就任当時その知性について疑問視する声が国の内外から起こった。ボクもこのコラムでそれに触れた覚えがある。だからといって、このように、具体的な理由も述べず、ただ感情的に『絶対にあり得ない』などと断言するのは、信じ難い暴言である。『首相のオレが絶対にあり得ない、というのだからお前ら信じろ』と言っているように聞こえる」 その通りに、私にも聞こえる。 「今回の会見でも冒頭に、『70年前の不戦の誓いを守り続ける』などという、心にもない事まで宣言したのだ。愚かだが、怖ろしい男である。国民よ、そろそろ目を覚まして欲しい」 同じことを、日本の大メディアにも言いたい。巨泉さん、まだまだあなたが言い続けなくては20年後に悔いを残すことになる。 さて、フジテレビが絶不調である。現代とポストがそのことを扱っているが、この根底にあるのは長きにわたってフジを牛耳ってきた日枝久フジHD会長の長期政権、支配にあるのは間違いないのではないか。 日枝会長は私の高校の先輩だから、チョッピリ言葉を選んでいわせていただくが、晩節をこれ以上汚さず早くお辞めになったほうがいい。名経営者がその地位に固執し続けたために「老害」と呼ばれることはままある。あなたもそうした人たちを見てきたのだから、まず一線から引いて、後輩たちを見守ってやるべきであろう。 現代は、私も知っている太田英昭HD社長が、わずか2年で産経新聞の会長に「飛ばされた」ことを報じている。 現代によれば太田氏が実力を持ってきたため「寝首をかかれ」たくない日枝氏が飛ばしたというのだが、それだけではなく、フジの中で貢献してきた人たちが次々に配置転換されているという。 中でも、安藤優子キャスターの夫君である堤康一氏が情報政策局長から子会社の社長に飛ばされ、安藤も番組から「放逐」されるのではないかとポストが報じている。 だが、日テレの『ミヤネ屋』に対抗するために鳴り物入りで始まった『直撃LIVEグッディ!』は視聴率1%台が続いているそうだから、私は彼女の降板はもちろん、番組の終了もあってもいいと思うが。 安藤には失礼だが、もう一度初心に返って現場取材からやってみたらどうか。彼女のような大物が老体に鞭打ち(失礼!)、サツ周りや政治家取材をやったら、いい情報がとれると思うのだが。 ところで、フライデーを見ていて気がついた。「フライデーって貧乏人の味方なんだ」と。2本紹介しよう。まずはハンマー投げの金メダリスト・室伏広治氏(40)の実母が生活苦にあえいでいるという記事。 母親はセラフィナさん(64)は、自身もルーマニアの陸上選手で、広治氏の父・重信氏(69)と1972年に22歳で結婚して広治氏と由佳さん(38)をもうけたが、88年に離婚している。 その後、別の日本人と結婚し、広治氏の異父弟に当たる秀矩氏(25)を産んでいる。だが、再婚相手は「事業に失敗し、失踪」(秀矩氏)してしまったという。 秀矩氏も陸上をやっていて、高校の推薦を取れたが入学金が払えず、兄に連絡したら「ガンバレよ」と言って20万円を渡してくれたこともあったそうだ。 だが、次第に疎遠になる。5月に広治氏は結婚を発表したが、母親に連絡はなかった。いま母親は、体調を崩して生活保護で暮らしている。 「家賃は1万6,000円で、夏場には室内の温度が40℃近くになります。生活保護でもらっているのは月に7万円ほど。暮らしは苦しいです」(セラフィナさん) だが、広治氏はフライデーに対して、こう答えている。 「私の実母は、自分の意思で私が13歳のときに私と妹を残して、家を出て新しい家庭を持ちました。(中略)離婚成立後30年近くすぎているにもかかわらず、私が扶養を含め(実母の)面倒をみるのは、父親を裏切ることになると考えています」 父親は、彼女は不倫をしていたと思っていて、着の身着のままで追い出したそうだが、秀矩氏は「母が再婚相手と親しくなったのは離婚後」だと聞いているそうだ。 真相は当人にしかわからないが、広治氏の言い分は筋が通っていると思う。だが、肉親の情がいくらかでもあればと、柔な私は考え込んでしまうのだ。 お次はこれ。5月17日未明、川崎市にある簡易宿泊所「吉田屋」から出火して隣接する「よしの」まで焼き尽くし、現在わかっているだけで7名の遺体が発見されている。 「よしの」で5年暮らしていた40代のNさんは福井県出身で、高校卒業後にライン工として働いていたが、父親の連帯保証人になったことが原因で失職し、妻とも離婚。一時はホームレス生活も経験し、人生に悲観して自殺を試みたこともあるという。 「着の身着のままで必死に玄関へ向かって走りました。荷物は全部、部屋の中です。サイフの中には生活費が6万円くらい入っていたのですが、焼けてしまいました」(Nさん) 「吉田屋」は1泊2,000円前後で、中には10年以上も暮らしている人もいたそうだ。80代の男性がこう語る。 「吉田屋は、コンロや炊飯器があって自炊できるから宿泊費以外のお金がかからず、生活保護者にはありがたかった」 フライデーによれば、生活保護受給者には川崎市から当座の生活費として2,000円が貸し出された(2万円の間違いじゃないの?)ほか、計5~12万円の見舞金が支給される見込みだという。 ポツダム宣言など読んでなくてもいいから、安倍首相にはこうした記事を読んでほしいと思う。 今週の最後は、橋下徹大阪市長の各誌の記事である。次のコメントは、文春の問いかけに橋下氏が答えたものだ。 「家族への負担はむちゃくちゃ大きかったですね。妻もそうですけど、子供がよく耐えてくれたなと思います。いろいろ言われたこともあるでしょうけど、うちの子供の学校や友達がうまくやってくれた。家族に対して相当負担をかけてきましたから、任期が終わる十二月から、この八年分を何とか取り戻していきたいなと思っています」 橋下徹敗れる。彼が政治生命を賭けた「大阪都構想」が、住民投票で僅差ながら否決されたのである。 新聞の事前調査もほぼ互角。投票日当日の出口調査では、賛成が反対を1ポイントから2ポイント上回っているという情報が駆け巡った。 橋下氏が会見を行う部屋にはテレビモニターが据えられ、NHKの開票速報が流れていたが、常に賛成票が上回っていた。新潮によると、維新の会のスタッフも余裕の表情を見せていたようだが、突然、〈反対多数確実「都構想」実現せず〉のテロップが流れ、江田憲司代表と別の場所でテレビを見ていた松野頼久幹事長は「ウソだろ……違うよ」とうめいたという。 その30分後に会見した橋下氏は、意外にさばさばした表情で「民主主義は素晴らしい」「政界は市長の任期が満了する12月で引退する」といい、「権力者は使い捨てがいい」との迷言を残した。「これからの僕は国民の奴隷ではない」と言い捨て、「あとは野となれ山となれ。そんな投げやりなニュアンスが言外に漂っていたのである」(新潮) 残された維新のメンバーは大慌てで、江田代表まで辞任して後任に松野氏を推したが、混乱は収まらない。 切れ者、影の総理などともて囃す者もいる菅義偉官房長官も、橋下氏敗北で痛手を負ったと新潮が書いている。政治ジャーナリストの伊藤惇夫氏がこう解説する。 「今回、菅長官は二つの傷を負ったと言えます。まず、地方自治、地方分権が叫ばれているなか、中央の政治家が地方組織の意に反した行動に出たこと。もう一つは、彼の後方支援が功を奏さなかったという結果そのものです」 新潮では政治部デスクが、安倍首相は憲法改正には維新の会の数が必要なので、橋下氏に求心力を保持させるために「橋下さんを民間閣僚として起用する」ウルトラCもありうると言っている。 私は、この説には組みしない。ポストの連載でビートたけしが言っているのが、一番的を射ていると思う。 「政治家としての橋下徹を論じるときに、よく『政治家らしい根回しができないからダメなんだ』みたいな批評する人がいるんだけどオイラは違うと思うね。この人は『既存の権力や政治のいうことをまったく聞かない』『他の政党とまったくなじまない』ってのがウケたんだし、だからこそ『地方分権』『官僚機構をぶっ壊す』なんて旗印もリアリティーがあったわけだからね。相変わらず過激な発言はするんだけど、結局そういう大事なところで『数の論理』とか『政治的なしがらみ』みたいなものに負けちゃったところが、カッコ悪いし、求心力を失った理由じゃないかと思うんだよな。(中略)その点、東(東国原英夫)の嗅覚ってのは、やっぱり動物並だよな。維新という船が沈没する前に、チョロチョロ逃げ出しやがったからね。『お前は沈没船のネズミか』ってオチなんだよな。政界遊泳のセンスは、アイツのほうが橋下さんより上なんじゃないの(笑い)」 かくして、橋下徹の時代は終わりを遂げた。チャンチャン! 【蛇足】 現代の巻頭特集「『私が見た金正恩の狂気と真実』」とポストの「マンション相場に大暴落のサインが出た」を取り上げなかった理由を少々書いておこう。 現代は金正恩の側近幹部の話を「中国を経由する形で、信頼できる人物を通して」聞いたと書いている。さまざまなルートを通じて接触したことはわかるが、内容にその人間しか知らない「秘密の暴露」があるのかどうかが、こうした記事の信頼性を担保するのだが、残念ながらそれが少ない。 5月13日に公開処刑されたといわれる金正恩の側近である玄永哲人民武力部長だが、この側近は彼は殺されていないと言っている。あるミスリードがあって「少し休んでいろ」と言われているだけだというのである。 確かにミスリードの中身は初めての情報ではあるが、玄が生きているというのはメディアですでに報じられているから、現代が初出というわけではない。 金正恩の「素顔」も興味深いが、初めて知ったというほどのものではないように思えるので、今回は入れなかった。 ポストの「不動産大暴落」情報はいろいろなメディアで報じられているし、あってもおかしくないと、私も思う。 こうした「狼が来る」情報は、ここだけですよという情報があるかないかが勝負になる。私にはそれがあまりないように思ったので、ここに入れなかった。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」5/28号 中吊広告より
今週の注目記事・第1位 「『日経「私の履歴書」は嘘ばかり!』ニトリ社長に実母が怒りの大反論」(「週刊文春」5/12号) 以下順不同 「橋下徹と大阪のこれから」(「週刊現代」5/30号) 「戦後70年を濡らした『SEX革命』のオンナたち」(「アサヒ芸能」5/21号) 「これがJKビジネス『折り鶴作業中』の女子高生だ!」(「フライデー」5/29号) 「『高倉健』と『山口組』交流秘話」(「週刊新潮」5/12号) 「日本の女社長31万人『学歴』『出身地』『名前』の秘密がわかった」(「週刊ポスト」5/29号) 「人気女優の『妊活』事情」(「週刊文春」5/12号) 【番外】 現代とポストのセクシーグラビア対決とセックス記事の勝者はどっちだ! 今週は1位の文春の記事以外見るべき硬派記事がない。困ったものだ。そこで1位以下は順不同にした。 まずは、セクシーグラビアから見てみよう。現代の懐かしのセクシーは「武田久美子」。袋とじがフライデーでやっていた「元『国民的アイドルグループ』の巨乳少女」。フライデーは現代でやっていたNHK朝の連ドラ『マッサン』のエリーのヘアヌードだから、談合して棲み分けたようだ。それにポストのような連載「物語はここから始まる 美少女百合沙がいる街」を始めた。これなら私はポストの「繭と風」のほうを買う。ポストはこれに「小嶋陽菜 小悪魔な黒下着」の2本。このところポストは、グラビアに力を入れていない。 ボリュームで現代に軍配だろう。 セックス記事にいこう。現代は「実名告白 わが人生『最高のセックス』」、ポストは「Gスポットの母 本邦初登場! 『女性器には秘密のスイッチが隠れています』」。 どちらも企画が枯渇してきていることが窺えるが、少々紹介してみよう。まずは現代。『それぞれの終楽章』で直木賞受賞した作家の阿部牧郎さん(81歳)が、年上女性とのめくるめくひとときを思い出して語る。 「就職先が決まり、大学卒業を待っていたときの体験です。京都にある賀茂大橋近くの喫茶店に、彫りの深い顔立ちが実に味わいのあるウェイトレスさんがいました。私より5歳ほど年上でしたが、必死に口説いて、なんとか銀閣寺近くのラブホテルに連れて行くことができました。すると、彼女は意外なほど性に積極的だった。当時は赤線でしかなかなかできなかった、陰部を互いに舐め合う行為や、騎乗位や後背位もさせてくれて、『セックスのいろは』を手取り足取り教えてくれたんです。あまりに至れり尽くせりなので、射精した後もすぐに復活する状態が何度も続きました。再び勃起したペニスを触らせると、彼女は『いやん』という困っているような喜んでいるような、そそる声を出すものだから、余計に火が点きます。気づけばひと晩で5回も交わっていました」 私にも大学時代、年上の女性と似たような経験がある。ホテルはできたばかりの「目黒エンペラー」だった。しみじみ懐かしい。 ポストは「Gスポット」の母といわれるバリー・ウイップル博士にインタビューしている。このGスポットは一時だいぶ日本でも話題にはなったが、どれがGスポットなのかがわかりにくく、今ではあまり重視されていないのではないか。 そこで博士が、Gスポットの探し方をこう伝授している。 「〈膣前壁の上部を上で押すように強い圧力を加えるとよい(その際、もう一方の手で、恥骨のすぐ上にある腹部に下へ押すような力を加えると、見つけやすい)。Gスポットに刺激が加わり、膨らみ始めると、両手の指の間に小さなシコリが感じられるはずである〉 パートナーと協力して探す方法もある。 〈腹ばいになって脚を広げ、ヒップをこころもちもち上げて回転させると、見つけやすい。パートナーに指2本を(手のひらを下にして)挿入してもらい、膣の前壁へしっかり押しつけて探ってもらう(膣をベッドすれすれの位置へもってくる)。Gスポットに触れやすくするために骨盤を動かすとよい〉」 どうですか? 今晩でもやってみますか? セックス記事は、Gスポットの母をインタビューした努力に報いてポストの勝ち。今週は痛み分けだ。 どの週刊誌も企画がなくて苦労しているようだが、それは部数にも表れている。ABCの雑誌販売部数2014年7月~12月が発表されたが、軒並み苦戦している。 中でも週刊現代の落ち込みが目立つ。週刊誌の中では週刊文春が首位の座を守り、43万7892部だが、前期比は97.23%、前年同期比だと93.39%である。 2位が週刊新潮で32万5292部、前期比98.75%。3位は週刊現代で31万8769部、前期比90.43%、前年同期比だと86.90%と大幅な落ち込みだ。 週刊ポストは26万0817部で前期比では93.51%、前年同期比だとなんと81.63%で、これまたすごい落ち込みである。 フライデーは部数こそ16万3017部だが、前期比104.86%と伸びている。ちなみに週刊朝日は9万8450部、AERAが6万3687部、サンデー毎日が5万3046部、ニューズウィーク日本版が3万9513部、月刊誌だが文藝春秋が32万4388部で前期比117.09%と健闘している。 もはや新聞社系週刊誌は危険水域をはるかに超え、いつ休刊してもおかしくない。それに現代とポストが続いているという構図である。この両誌だけではないが読者が高齢化して「死ぬまでセックス」してみたいと思う読者が減っていることは間違いないだろう。 手遅れかもしれないが、いつまでもセックスのグラビアや記事で読者をつるやり方は早急に考え直したほうがいい。現代とポストの編集長は、さぞ頭の痛いことであろう。 安倍首相の産めよ増やせよに呼応したわけではないだろうが、人気芸能人夫婦の「妊娠発表」が続いていると文春が報じている。 5月5日のこどもの日には菅野美穂・堺雅人夫婦。その少し前には国仲涼子・向井理夫婦。その前が上戸彩・HIRO夫婦。一青窈は、年下ギタリストとできちゃった婚。今年の元日に入籍した杏・東出昌大夫婦も、妊娠発表がそのうちあるかもしれないといわれているそうだ。 そして一番の注目は、俳優の田中哲司と7年越しの交際を経て結婚した仲間由紀恵。文春によれば、わざわざ下町の産婦人科クリニックを訪れた仲間の姿が目撃されているという。 こうして祝福されて生まれた子どもたちが、長じて戦争に行かされる時代をつくってはならない。積極平和主義というのは、そういう時代をつくらないために積極的に考え行動することだと、私は思う。 それにしても安倍首相という人間は、安保法制ができると自衛隊員のリスクが高まるのではという質問に、「今までも1800人の隊員が殉職している」と述べたそうだ。 殉職者の多くは任務中の事故によるもので、戦闘に巻き込まれて亡くなった隊員は過去に1人もいないということさえ知らなかったとは、この人間の頭の中はどうなっているのだろう。この男のために戦闘地域へ行かされることになる自衛隊員が気の毒でならない。 お次はポスト。東京商工リサーチの協力で、31万人の女社長を調べたそうである。この中には女医が多くいるそうだから、出身大学では日本大学の次に東京女子医科大学が入っているのが面白い。それに女性社長は高齢者が多く、平均は62.72歳だそうだ。社長全体では60.63歳だから、かなり高い。 ここで女性社長に多い名前トップ12を挙げておこう。順に和子、洋子、幸子、裕子、京子、恵子、久美子、由美子、陽子、順子、悦子、智子だそうだ。 あなたがこれから女の子を産むとしたら、和子、洋子、幸子がいいのかもしれない。だが、社長になったから幸せになれるわけではないがね。 お次は新潮の高倉健と山口組についての署名記事。書き手はジャーナリスト山川光彦氏。この手のものはこれまでもたくさんあったが、私はこうした読み物に弱いので、勘弁してください。 美空ひばりが田岡一雄・山口組三代目と親しかったのはよく知られているが、彼女と大の仲良しだった江利チエミと高倉健は1959年に結婚している。その婚礼の宴には田岡氏も参列し、後年、田岡氏の令息である故・満氏の結婚式には、寺島純子や梅宮辰夫に混じって高倉の姿もあったという。 今回は田岡三代目とのことではなく、山口組の組織中枢メンバーである「舎弟頭補佐」として執行部の一翼を担い、六代目体制では、重鎮である「顧問」として活躍し、2012年に引退した大石誉夫(たかお)氏(82)とのことである。 大石氏は愛媛・新居浜から岡山に進出し、地元組織との抗争を経て地盤を確立。山口組直参として大石組を旗揚げし、長らく西日本の要衝で他の団体に睨みを利かせてきた武闘派だが、一面、経済界から芸能界に至る幅広い人脈を築き上げ「経済の大石」としてその名を知られた元大物親分である。 今は一線から身を引き都内で家族とひっそり余生を過ごしている大石氏は、田岡氏から衣鉢を継ぎ、高倉健との契りを交わし続けたそうである。 大石氏は高倉とのことを話すことにした気持ちをこう述べている。 「元ヤクザ者の私が健さんとの関係を明かすことには少なからず躊躇があったことは確かです。(中略)ですが、(没後半年を経て)総理大臣であれヤクザであれ、つきあう相手を肩書きで差別することがなかった健さんの人間性の一端を知ってもらえるなら私の証言も無駄ではないのではないかと、思いなおしたんです」 2人の交友は、東京オリンピック前の年の63年にさかのぼる。翌年の大石組創設を控え、昇竜の勢いにあった大石氏の新居祝いに、まだ任侠スターとして売り出す前の高倉がひょっこり顔を出したという。大石氏がこう述懐する。 「田岡親分の後を追うように興行に手を広げていた私に挨拶するように、興行関係者、もしくは田岡親分本人から勧めがあったのかもしれませんね。二歳違いと年齢も近く、あけっぴろげで物怖じしない健さんに、立場を超えていっぺんに魅せられました」 そしてこう続ける。 「あるとき、(愛媛県今治での)ロケが終わってホテルの自室に帰った健さんの部屋から悲鳴が聞こえてくるんです。それも“助けてくれ! 出してくれ!”って哀願するような声で、部屋の戸をドンドン叩いてね。いつもタレントにするように女性を部屋にあてがっただけなんですが、潔癖な健さんはまった受け付けないんです」 それに当時高倉は、ヤクザとのつきあいには一線を画していたという。大石氏がこう言う。 「ことあるごとに“他の暴力団(員)を紹介しないでくださいよ”と言うんです。実利を求めず、精神的なつながりを重んじる健さんの姿勢は、並いるタレントの中では極めてストイックでした。(中略)健さんにもかわいがってもらった私の長男が客死した後のこと。私の不在中、東京から一人で車を走らせて突然、岡山の自宅を訪れた健さんは、特別に誂えさせた純金のお鈴を仏壇に供えて、長男のために焼香してくれたそうです」 そしてこう付け加える。 「カタギで男が惚れる男として、健さん以上の人はおりませんな」 田岡氏の愛娘である田岡由伎氏も、こう語る。 「チエミさんに恋人の健さんを紹介された父は“大部屋にいたら一生、大部屋だ。スター、主役にしたらなあかん”と思ったのでしょう。岡田さんに声をかけ、高倉さんの売り出しに一役買い、それが出世作となる『日本侠客伝』(64年)製作へとつながったと聞いています。(中略)それがきっかけで、健さんは父としょっちゅう会うようになったそうです。極道の着物の着方、ドスの持ち方から、日常の所作まで、父から実地で学ぼうと。健さんが(田岡邸のある)神戸にいらっしゃることも多かったし、父もたまに東映(京都撮影所)に行っていました。父が65年に入院したときも、健さんはよく病室に見舞いに訪ねてこられました。(中略) チエミさんと離婚したとき、健さんはいきなりいらっしゃって、玄関の前に立って敷居をまたごうとしないんです。父が玄関まで迎えて、“どうした、あがれ”って言っても、“いや、あの、今日はこの敷居が高いです”と。事情を聞くと“(チエミと)離婚することになりました。すみません”と、最後まで軒先から上がらず帰ってしまった」 今夜は、DVDで『山口組三代目』でも見ようか。 フライデーは、JK(女子高生)ビジネスで摘発された「アキバ観光池袋作業所」の“現場”を隠し撮りしていた写真を載せている。 この店は、客が40分5000円を払い、半個室でマジックミラー越しにミニスカ姿の女子高生たちが折り鶴を折るのを眺めるというものだ。低い椅子に足をM字形にして座っているため、ピンクのパンツがチラチラ見えたり、壁にもたれかかって足を開いているので純白のパンツが丸見えの少女がいる。 女の子は5分ごとに入れ替わり、指名もできるそうだ。店側は折り紙作りをさせている「作業所で、その仕事姿を見学するだけ」だから問題ないとしていたそうだが、月に200万円近くの利益を上げていたという。その上、フライデーによれば罰則は労基法違反しか適用できないので、ほとんど罰金刑(30万円以下)で終わるため、出てきてはまた始めるケースが多いそうだ。 ところでアサヒ芸能は、戦後70年を考える大特集として「戦後70年を濡らした『SEX革命』のオンナたち!」を組んでいる。 まずは「ノーパン喫茶の女王イヴ」。彼女は83年の夏に新宿・歌舞伎町で「時給3000円」という、ノーパン喫茶「USA」の募集看板を見たことがきっかけだったという。彼女はすぐに評判になり、店には長蛇の列、テレビや雑誌でも取り上げられたが、勤めていたデパートはクビになり親からは勘当、婚約者とも別れたという。 店はコーヒー1杯2000円。イヴの服装は上半身は裸、スカートの中は当然ノーパン。店に別料金を払うと個室で「手コキサービス」もあったというが、彼女はしなかったという。 懐かしい。私も取材と称して何度かこうした店に行ったことがある。トップレスの女の子がいる高級喫茶のような雰囲気だった。そういえば「美人喫茶」なんていうのもあったな。 テレフォン・セックスで一時代を築いたのは清水節子。月6000円の会費で「清水節子の電話でしてあげる」を立ち上げ、ダイヤルQ2の課金制が始まったから、最初の年は7000万円の収入があったという。私はここのお世話になったことはないが、誰かに清水のカセットテープをもらったことがあった。聞かずにそのままどこかへ行ってしまったが、探して聞いてみるか。 元祖ハードコア女優といえば愛染恭子。武智鉄二監督による『白日夢』で佐藤慶との「本番シーン」は大きな話題を呼んだ。撮影中なかなか勃起しない佐藤に、監督から渡された「精力剤」(本当は胃薬らしい)を飲ませると、がぜん元気になった佐藤が、萎えないうちにと愛染に挿入してしまったので、カメラが7台もありながら「決定的瞬間」は撮れなかったと愛染が話している。 確かにあの映画は本番シーンがあるという評判が立ち、満員の立ち見で見た記憶がある。 新風営法が施行されたのは85年。ラブホテルは回転ベッドが禁止され、ソープランドの営業は12時までと制限された。ストリップ業界も特出しや本番ショーがやりにくくなった。そこで登場したのが初代オナニークイーンといわれる清水ひとみ。長襦袢を羽織って隠しながら、汗だくになって身もだえする清水の「艶技」は新鮮で大評判になった。私も渋谷道頓堀劇場へ見に行った記憶がある。客の中には人目も憚らずマスをかくヤツもいて、なんともいえない臭いが充満していたことを覚えている。 さて、橋下徹大阪市長が政治生命を賭けるとした「大阪都」構想の是非を問う住民投票が日曜日に行われ、結果は僅差だったが反対する票が多く、橋下市長の野望は潰え去った。 記者会見ではさばさばした表情で、12月に市長の任期満了になったら、政治から引退すると明言し、「独裁者は使い捨てがいい」と名言を残した。 先週、橋下市長が勝つかもしれないと“予想”した現代だが、今週は結果がわからないうちに校了しなくてはならなかったので、どんなタイトルをつけてくるのか楽しみにしていた。「橋下と大阪のこれから」という平凡なタイトルだったが、いろいろ悩んだ末につけたのであろう。 現代の中で全国紙の記者が、こんなことを言っている。 「今年12月には大阪市長選がありますが、橋下氏は自分の後継候補を立てて身の振り方を決めるようです。『負けたら政界引退』と囁かれていましたが、単にいなくなるということはないでしょう。民主党政権を経て自民党政権が戻ってきた時、ものすごい高支持率でしたが、橋下氏はそれに学んでいます。もし今後一旦退場しても、『やっぱり僕がいないとダメでしょ?』と言って再登場してくる。そのときには、憲法改正の議論もある程度熟している。彼はそこまで計算しているはずです」 私はこの説に反対である。島田紳助もそうだったが、橋下市長と紳助に共通するのは「あきらめのよさ」だろうと思う。カネもできた名前も売った、これ以上ここにいたらこれからは落ちる一方だから、潔さを見せて引くことで、次の面白い何かを見つけることができるはずだと考えるタイプだと思う。 芸能界も政治の世界も、中に入れば嫉妬と足の引っ張り合いの醜い世界であろう。安倍首相のあの増長したやり方を見ていて、嫌になったのかもしれない。どちらにしても橋下徹の時代は終わったのだ。 今週の第1位はこれ! 4月1カ月間、日本経済新聞の「私の履歴書」に「ニトリホールディングス」社長の似鳥昭雄氏が連載したときは、大変な評判になった。 その中で似鳥氏は、子どもの頃の極貧生活や、父親の理不尽な暴力、クラスでの陰湿ないじめ、高校進学時にはヤミ米を一俵校長に届けて「裏口入学」、大学時代は授業料を稼ぐためにヤクザを装って飲み屋のツケを回収するアルバイトをやっていたなどと赤裸々に告白した。 だが、その似鳥氏の書いたことに「あれは嘘ばかり」と批判したのは誰あろう似鳥氏の実母であると、文春が報じたのだ。いまや年商4000億円、国内外に約350店舗を構える家具量販店の雄「ニトリホールディングス」社長の母・似鳥みつ子さんがこう語る。 「調子に乗って、あることないこと書いて、あの子は小っちゃい頃から嘘つきなのさ。いつも『母さん、母さん』って擦り寄ってきては、私を騙してきた。今回もワルぶって恥ずかしいことばかり書いて。開いた口がふさがりませんよ」 少し前には「大塚家具」の父と娘の骨肉の争いが話題を呼んだが、家具屋というのはどうも骨肉相食む騒動が多いようだ。しかも、北海道の財界関係者が言うには、骨肉の争いでは「ニトリ」が元祖だという。 さらに彼女は、息子が自分のことを「鬼母」のように書いているのが悲しいという。父親が応召された後、女手ひとつで子どもたちを命がけで育て、父親は兵隊帰りだったから厳しかったが「虐待なんてとんでもないさ。父さんが殴り倒したのも、年に数回。月一回なんてオーバーですよ」と語る。 昭雄氏が6歳くらいになるまでは貧しかったが、ヤミ米の仕事を始めてからは豊かになり、家には三輪車も白黒テレビもあったそうだ。彼が、米を食べられずに稗や粟を麦に混ぜて食べていたという話も、「私は稗や粟なんて見たことない。うちは米屋だったのに米がないわけないでしょう」と全否定。 米一俵で裏口入学の件も捏造。大学の授業料も私が出したというのだ。そして、一番腹が立っているのは、家具屋を始めたのは似鳥氏が調べ抜いた末のアイデアだったというところだ。 「家具屋は父さんがやるっていって始めたの。あの頃、昭雄は親戚の水道工事の仕事に行っていて、家にいなかったんだから。父さんが店を家具屋に改装してから『戻ってこい』と昭雄を呼んだの」 要は「ニトリ」は家族で力を合わせて作った会社で、昭雄氏が一代で築いた会社ではないと言いたいのだ。そのため父親が死んでから18年もたった07年に、母親、弟、妹たちが、父親が残したニトリ株(今では200億円にもなるという)を、不当な手段で昭雄氏が相続したと訴えている。昭雄氏側も徹底抗戦した結果、一審では全面勝訴、控訴審で和解している。 似鳥氏は広報を通じて文春に、日経に書いたことは本当のことだが、(裁判で)和解後、母を訪ねたが会ってもらえなかった。生きているうちに「打ち解けたい」と話している。 だが母親は「もう昭雄の嘘にはうんざり。死ぬまで会うことはない」と言い切る。最後に涙ながらに、昭雄に会ったら伝えてくれとこう言った。 「『週刊現代』のインタビューで私の年齢を九十六って話していたけど、母さんまだ九十四だって。母親の歳まで忘れて母さんは悲しいって」 どうやら、こちらの争いは、母親の一本勝ちのようである。 (文=元木昌彦) 【謹告】元木昌彦主催「ネットとジャーナリズム」第5回勉強会についてお知らせ 今回の講師は私、元木昌彦(元講談社&元オーマイニュース日本版社長)と、朴哲鉉(Chul Hyun Park)氏(元韓国オーマイニュース&元オーマイニュース日本版記者)の2人です。講演のテーマは「日本でネット・市民メディアが失敗する理由」です。 ※今回は時間と場所が変更となりますので、ご注意ください。 主催 一般社団法人日本インターネット報道協会 日時 平成27年5月29日(金)18時30分~20時30分(受付開始は18時00分) 場所 TKP東京駅八重洲カンファレンスセンター「カンファレンスルーム5B」(東京駅から5分) 地図 <http://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-tokyo-yaesu/access/> 参加費 無料 元木昌彦プロフィール 1945年11月生まれ/70年に講談社入社/1990年11月から「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長&第一編集局長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/鳥越俊太郎氏から頼まれ2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」で編集長、代表取締役社長を務める。上智大学、明治学院大学、大正大学などで講師。現在「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。日本インターネット報道協会代表理事。著書は、 編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)「週刊誌は死なず」(朝日新書)「週刊現代編集長戦記」(イースト・プレス)ほか。 朴哲鉉氏プロフィール 韓国生まれ、30代後半。韓国のオーマイニュースで記者として働き、2006年にオーマイニュース日本版創刊のために日本へ来る。妻は日本人で2人の子供もあり。現在は上野で事業家として活躍。「週刊文春」5/12号中吊広告より
今週の注目記事 【1】「総理官邸ドローン犯 大新聞が封印した『政府批判漫画』と『自衛官の経歴』」(「週刊ポスト」5/22号) 【2】「2015夏『不動産が暴落する』全情報」(「週刊現代」5/23号) 【3】 「安倍晋三『沈黙の仮面』“独裁者”の生い立ちと苦悩」 「『安倍さん、あんたは米政府の代行者か』」(「週刊ポスト」5/22号) 【4】「『大阪都構想』橋下徹が勝つらしい」(「週刊現代」5/23号) 【5】「フランス女性が驚愕した日本人『女性器』の特質」(「週刊現代」5/23号) 【6】「女性3000人アンケートが弾き出した『アブノーマル好きな県』『男性器の大きさランキング』」(「週刊ポスト」5/22号) カラー・セクシー・グラビア 【1】「新シリーズ ポストなオンナ 繭と風」(「週刊ポスト」5/22号) 【2】「間宮夕貴」(「週刊現代」5/23号) 今週は文春、新潮が合併号なので、現代とポストを取り上げた。どちらも目を引くスクープはないから、順位はなし。 まずは、セクシーグラビア対決から見てみよう。ポストは巻頭が「昭和の女優は美しい」「女子アナ60年史」。後半は、なんでこれがあるのかわからない、国友やすゆきのカラーマンガ「×一それから」。来週も20ページでやるそうだが、私には失礼だがページの無駄遣いとしか思えないのだ。 そして毎度おなじみの、「ポストなオンナ」の新シリーズ「繭と風」。 現代は先週の二番煎じの「『マッサン』のエリー 圧巻の『濡れ場』ヌード」。こういうものは、2回目がいいことはほとんどない。今回も言うまでもない。 懐かしの女優は「大原麗子」のセクシーショット。「『仮面ライダードライブ』のヒロイン内田理央が 大胆ヒップ公開!」。それに「女優 間宮夕貴『グラビア解禁』初ヘアヌード撮り下ろし」。 「繭と風」と「女優 間宮夕貴『グラビア解禁』初ヘアヌード撮り下ろし」の対決だが、私の好みでいえば、今度の新しい娘「繭」がいい。間宮も頑張っているが「繭」の見開きのヘアヌードが構図的にもいい。今週はこっちに軍配を上げる。 お次は軟派記事対決。ポストは「女性3000人アンケートが弾き出した『アブノーマル好きな県』『男性器の大きさランキング』」、現代は「フランス女性が驚愕した日本人『女性器』の特質」と、読んで熱くなる記事ではないが、少し紹介してみよう。 まずはポストから。先週と同じような企画なので、特徴的な「ペニスの大きさ」比較を。ペニスは最も大きかった男性の出身地を調べるために、過去にセックスした相手のペニスについても聞いたそうだ。 「最も大きかった」男性の出身地は人口の多い都道府県が上位を占めたが、人口比を踏まえた数値を算出すると北海道、京都、兵庫、広島の健闘が目立ったという。 北海道出身で東京在住の30代女性がこう語る。 「8都道府県にまたがる14人の男性とセックスしたけど、総じて地元・北海道の男性のほうが大きかった気がする。肉や乳製品をよく食べるからかな」 兵庫は牛肉、広島はカキの産地として有名だから、タンパク質や亜鉛など男性ホルモンを増やす栄養素との関係はあるのだろうかとポストは考える。 3位の京都に関しては、「京都の女性は見栄を張って、同郷の彼のモノを“大きかった”と主張している可能性もある」という指摘が、京都在住の30代女性からあったそうである。 では、ペニスが最も小さかった男性の出身地はどこか。 埼玉、神奈川、千葉、奈良など、東京、大阪の周辺県の男性が小さいとの結果になったという。 「東北地方の女性は東京の男性を高く評価し、周囲の県を低く評価する傾向がある。実際の大きさというよりは、イメージの問題かもしれません」(ポスト) 最も早漏だった男性の出身地は? これも、男性にとっては気になるデータだろう。最も早漏だと見なされたのは神奈川の男性だったそうだ。 「神奈川県民はせっかちで飽きっぽいので、それがセックスにも搬入されている可能性がある。2位の広島、3位の和歌山は、男性の情熱的な性格が“早さ”につながっているのかもしれません」(同) 逆に早漏率が低かったのは東京と鹿児島。 「東北女性の東京男性に対する評価は高く、その相性の良さが『早漏が少ない』という回答結果につながっているのではないか」(同) 鹿児島在住の40代女性からは、こんな声があったという。 「うちの夫のセックスはワンパターンで、いつも早く終わらないかとばかり考えている。いっそ早漏のほうがずっと楽なのに」 いやはや、なんとも……。 現代は、フランス人が驚愕した日本人女性器の特質を特集している。フランスの人々は、日本人のセックスをどう見ているのだろうか? 日本文化と日本女性をこよなく愛するというパリ在住の45歳、ジャン=リュック・フルニエ氏はこう話している。 「素晴らしいのは、日本女性の場合、身体は小さいのに、骨盤が広いんだろうか、両脚を閉じても、太ももの間にスキ間ができる人が多いよね。この『エスカール・ドゥ・キュイーズ』(太もものスキ間)があるから、ちょっと性器を刺激するだけで、すぐにたくさん濡れてくるのがわかるんだ。フランス人女性では、なかなかお目にかかれない。フランス人の中では痩せ形だという女性でも、日本人に比べたら身体に厚みがあるからね」 「日本女性の女性器については、8330人の女性器のデータをまとめた大著『日本女性の外性器統計学的形態論』を著した故・笠井寛司博士の研究がある。それによれば、日本女性の女性器全体の大きさ、つまりクリトリスの上端から、膣入り口下端で大陰唇や小陰唇が閉じる会合部までの長さ(つまり大陰唇全体の長さ)の平均は、7.6cmだった。一方、本誌は23歳から47歳までの、日本在住のフランス人女性20人(未婚者6人、既婚者14人。うち出産経験のある女性11人)に協力を仰ぎ、女性器のサイズを測ってもらった。すると、女性器の大きさは平均8.7cm。日本女性のほうが『プティ・ヴァジャン』(小さな女性器)であるという特徴は、どうやら確かなようだ。ちなみに、クリトリスのサイズについても測ってもらったところ、フランス女性は3~4cm。笠井博士の研究では日本女性の場合、2.5~3.5cmの人が多いとされ、『クリトリスも日本女性のほうが5mmほど小さい』ことが判明した」(現代) 先のフルニエ氏はこうも話す。 「日本女性は、感じると顔をしかめる。これはとても特徴的なことだね。初めは相手が乗り気じゃないのに、自分が無理やり犯してしまったのかと驚いた。実際、自分が何かひどいことをしてしまったかと、行為を中断して日本女性に『大丈夫?』と訊ねてしまったというフランス男性は多いよ。でも、いったんそれが感じているサインなのだとわかると、僕たちもすごく興奮する。何もしゃべらなかった女の子に、日本語で小さく『イクッ』と言われると、背筋がゾクゾクしてしまうね」 日本で2年間暮らしたことがあるフランス人女性ポリーヌ・ドゥシャンさん(31)は、こう語る。 「フランスでは、フェラチオはほとんど、セックスの時のお決まりみたいなもの。私たちは当たり前のように、自分から相手のペニスに手を伸ばして、口に含むの。日本の男性は、ちょっと驚くみたいね。でも、日本のように女の子は恥じらうばかりで、自分では楽しめないなんて、不公平よ。ただ、日本の男性は、女性を喜ばせるために、すごくテクニックを磨いていると思う。フランス男性より日本の男性のほうがクンニリングスもよくしてくれるし。 ペニスもたしかにサイズは小さいと思うけど、硬いし、衝く方向を上下左右に細かく変えたりして尽くしてくれる。だから、日本男性とのセックスはいつも新鮮。男女の会話は少ないけど、その分、行為そのものに没頭して濃密な時間が過ごせると思うの」 このセクシー特集対決は、少しドキドキ感の多い現代の勝ち。 5月17日に迫った橋下徹大阪市長が訴える「大阪都構想」の住民投票だが、大新聞は橋下氏劣勢と伝えているが、現代は橋下側が勝つらしいというのだが、ほんとかいな。 「橋下氏が大阪都構想の『最大の目的』として掲げるのが、大阪府と大阪市という予算規模も権限も拮抗している2つの自治体が、バラバラに同じような行政を行っている現状、すなわち『府と市の二重行政』の解消だ。約270万人が住み、24の行政区に分かれている大阪市を、5つの特別区に再編する。これまで市が担ってきた、住民生活への目配りは特別区に任せる一方、広範囲にまたがる鉄道や道路などの政策は府(都)が行う。都構想実現後に『大阪府』の呼び名を『大阪都』に変えるには改めて国会審議が必要だが、要は『市(区)の役割分担を明確にする』のが都構想の肝というわけだ」(現代) しかし、財政面に不安があると在阪ジャーナリストの吉富有治氏が話す。 「橋下氏が大阪府知事になった'08年以降も大阪府の借金は増え続け、今では6兆5000億円に上っています。総務省の設けた基準で言うと、すでに財政破綻している水準です。大阪都になれば、このうちの7割を5つの特別区、つまり旧大阪市が負うことになる。これだけ借金で苦しんでいる以上、各区から都にいったん吸い上げられた予算が、ちゃんと各区に配分される保証はありません。結局は都構想が通ろうが通るまいが、税金を稼ぐ以外に、大阪が生き延びるための道はないということです」 そこで橋下氏が切り札と位置付けるのはカジノ建設だが、これとて見通しは立たない。 この都構想には裏の事情があると、維新の会大阪市議がこう指摘する。 「橋下さんの本当の目的は、市役所をぶっ壊すことそのものなんです。大阪以外の人には想像がつかないかもしれませんが、大阪市役所というのは職員から何人も逮捕者が出ているようなメチャクチャな組織。そのくせ、何かやろうとすると抵抗する。ホンネはここを潰したいんです」 現代によれば、投票日が近づくにつれて、橋下氏に徐々に追い風が吹き始めているようだという。 全国紙記者がこう語る。 「おそらく、賛成派が多い若年層の浮動票が投票日に入るでしょう。市民も『都構想は中身の問題ではなく気分の問題だ』と内心では気付いている。『橋下さんにやらせてみよう』という声が、土壇場で反対を上回りそうな雰囲気です」 まあ雰囲気としては、閉塞状況にある大阪を変えたいというのはわかるが、橋下徹大阪市長を再び増長させたら、何をやるかわからんぞ。それでもいいのか。 ポストが安倍晋三首相についての連載を始めた。昔政治部の記者だった時代に、安倍首相の父親・安倍晋太郎氏の番記者を務めていた野上忠興氏が書いている。 二言目には岸信介という安倍首相だが、2人には違いがあるという。 「私が復帰したのは日本の立て直しにおいて憲法改正がいかに必要かということを痛感しておったからなんです。今の憲法は(米国が)占領政策を行うためのナニであった。その辺の事情を国民に十分理解せしむるという役割は、総理が担わないといけない」(原彬久著『岸信介証言録』より=ポスト) 野上氏から見ると安倍と岸とでは政治・外交的思想や、その手法で大きな違いがあるように思えてならないという。 「例えば、政治手法だ。岸は『両岸』と呼ばれ、政治的に対立する勢力に太い人力をつくりながらバランスとコンセンサスを重視する老練な政治家であった。外交面でも、日米安保条約を改定して日米同盟を強固にする一方で、外交三原則に『アジア重視』を掲げ、首相として初めて東南アジア諸国やオセアニアを歴訪し、インドネシア、ラオス、カンボジア、南ベトナムと相次いで賠償協定を締結して国交回復を達成している。首相退陣後も岸は訪韓して次の池田内閣の日韓国交正常化交渉を根回しした。憲法改正にしても、岸は改正の必要性を『国民に十分理解せしむる』ことが総理の役割だと強調している。対して、安倍は外交では中国、韓国とコトを構え、内政では『この道しかない』と一直線に推し進めようとする数をバックとした舵取りが目立つ。岸とは対照的だ。老練だった祖父と違い『頑なさ』と『危うさ』が同居する安倍晋三」(ポスト) 安倍首相には、岸とは政治的な系譜が真逆の、父方の祖父・安倍寛というのがいる。 岸が東条内閣で商工大臣を務めて戦中から権力の中枢を歩いたのに対し、寛は東条英機の戦争方針に反対し、戦時中の総選挙では「大政翼賛会非推薦」で当選した反骨の政治家として知られるという。 岸と寛には、もう一つ大きな違いがあったそうだ。 「岸が有名な『濾過器の哲学』で数々の政治資金疑惑を乗り切ったのに対し、寛は『昭和の吉田松陰』と呼ばれるほど『潔癖な政治家』だった」(同) 安倍家を長く支えた地元後援者の1人はこう語った。 「確かに晋三さんは岸さんの血を継いどるが、安倍家のおじいちゃんは寛さんで、戦時中に東条英機に反対して非推薦を貫いた偉い人じゃった。それを言いたいが、晋三さんと話をしても岸、岸というんでね」 別の特集だが、村上正邦(82歳・元自民党)、矢野絢也(83歳・元公明党)、平野貞夫(79歳・元民主党)の長老たちが安倍首相に苦言を呈している。いくつか拾ってみよう。 「矢野 (中略)しかもそのプロセスは極めてたちが悪い。去年、閣議決定で憲法解釈を変えましたが、それに関連する安保法制はまだ国会で審議されてもいないんです。つまり議会を無視して官邸だけで約束している。安倍さんの米議会での演説では、この法制を8月までに必ず成立させるとまで約束しちゃってるわけ。これが国会でも問題にされないことが不思議です。安倍さんに蹂躙されるがままの野党は誠に恥知らずであり、怯懦、無責任だと」 「平野 おっしゃる通りで、このガイドラインは日米安保条約違反でもある。安保条約での日米協力は極東の範囲に限定されているんです。60年安保ではそれで揉めに揉めて、範囲が縮小されたんですから。それを全世界に展開できるようにするわけで、ダメに決まってるでしょう。そういう有識者の議論さえない。国会だけでなく、日本の有権者のバカさ加減にも呆れます」 「矢野 私らの時代は予算委員会で総括質問やると、議論が紛糾してしょっちゅう予算委員会が止まったわけですよ。その瞬間から時計を止めて、質問時間が残った。でも今はそうじゃないんだって。紛糾しちゃうとそのまま時間が消化されて終わり」 今の官邸や国会のあり方がおかしいと、大声を上げるメディアや識者がいないとダメなこと、言われなくてもわかっちゃいるのだがね。 現代では、2015夏に不動産が暴落するとまたまた騒いでいる。 都市未来総合研究所の統計によると、14年の国内の不動産取引額は5兆600億円で、前年比で16%も伸びた。また、不動産経済研究所によれば、首都圏の新築マンションの平均価格は5060万円と22年ぶりに5,000万円の大台を超えたそうだ。15年3月の首都圏のマンション契約率も79.6%と、販売の好不調の分かれ目といわれる70%を大きく上回っているのだそうである。 それならば心配はないのではないかと思うのだが、そうではないという。現代によれば「東西を問わず都市圏中心部の値上がりは危険な水準にまで達しつつある。そのことを示す確実なデータも出てきた」というのだ。 東京大学柏キャンパスの第二総合研究棟にある東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターの大西立顕准教授はスパコンを利用して、リクルート社から提供された首都圏の中古マンションの取引価格データを徹底分析したそうだ。 「'86年からのデータ約108万件を分析しました。これほど大規模なデータを基に、不動産のバブルを解明するのは世界で初めての試みです。すると'12年末からの状況が、(バブル真っ最中の)'88年と似ていることがわかったのです」 しかし、購買欲が衰えない外国人勢力がある。現在、海外とりわけ中国を始めとするアジアの投資家たちが、都心の優良物件を買い漁っているのである。この連中がいる間は、大丈夫なのではないか? 中国共産党の関係者で、日本に複数の物件を持つ張麗莉さん(仮名)はこう語る。 「中国との距離が近く、食習慣が似ているという他に、日本が他国に比べて勝るアドバンテージはありません。日本経済に関する悪いニュースが流れれば、投資家が一気に売りモードに入って、パニックが起きるかもしれない。私たちは国外に資産を逃すことさえできれば、そこは日本である必要はありませんからね」 さらに、海外と日本の不動産事情に詳しいS&Sインベストメンツの岡村聡氏がこう語る。 「例えば、日銀の黒田東彦総裁が追加の金融緩和を否定するなど、ちょっとした一言が引き金になることも考えられる。外国人は円安・インフレを期待して日本の不動産を買っているわけですから、金融政策の方向性がぶれると影響が大きい」 不動産バブルも株バブルも弾けるのはそう遠くない気がするのだが。 官邸ドローン事件で逮捕された山本泰雄容疑者(40)が元自衛官で、なかなかマンガもうまいことは、私はあまり知らなかった。 ポストによれば「逮捕後に大新聞、テレビは容疑者の人物像を連日報じたが、その多くは『無職』『反原発に固執』と強調するものだった。冒頭で紹介した「漫画」について主要5紙とNHKはまったく報じず、「元自衛官」の経歴もほとんど触れられていない。 「山本容疑者が描いたとする漫画からは、政府の政策への憤りが読み取れる。冒頭で紹介した作品のタイトルは『ハローワーカー』。舞台は〈老人駆除法〉が成立した日本だ。主人公の若者がハローワークで“国家公務員”にならないかとスカウトされ、“法”に基づいて老人を殺害していくという設定である。作中では厚生労働省幹部の男性がこんな台詞を笑顔で口にする。〈失業者を雇用し、高齢者を駆除させる高齢者にかかる年金・医療・福祉費用を大幅に削減し、出産・育児・教育に活用する『老人駆除法』。我が厚生労働省が導き出した年金・雇用・少子高齢化などを一挙に解決できる特効薬…〉」(ポスト) 漫画を読んだ印象について、五野意井郁夫・高千穂大学経営学部准教授が語る。 「彼の漫画を読むと、元自衛官だったことをもっと掘り下げて考えるべきだとわかります。作品の描写を読み込んでいくと、『人間を殺傷するためにはどのくらいの刃渡りの凶器が最も最も効果的か』であるとか、自衛隊で学んだ戦闘知識、情報分析能力などが反映されていることがわかります。山本容疑者のような元自衛官が日本には大量にいる。大量採用・退職の組織である自衛隊の中で、除隊した隊員のケアがどれだけされているのか。米国では戦場帰還兵の心のケアが重要な問題ですが、自衛隊ではそれは十分といえるのか。自衛隊で訓練された人が今回のような事件を企図したことは、もっと重く受け止めるべきです」 ポストは「さらにいえば、『老人駆除部隊』の“活躍”が描かれる作品からは、軍事力・警察力を独占する国家権力が暴走することへの反感が読み取れる。自衛官としての経験がそうした問題意識を生み、犯行につながったのか、もっと議論を深めなければならなかったはずだ」と書いているが、その通りであろう。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」5/22号 中吊広告より

「週刊文春」5/7・14GW特大号(文藝春秋)
今週の注目記事 第1位「『名医』を疑え!」(「週刊文春」4/30号) 第2位「独占掲載『マッサン』のエリー 衝撃の全裸ヘアヌード*見えなかったらお代はお返しします」(「週刊現代」5/9・16号) 第3位「山本太郎議員の元幼妻 衝撃ヘアヌード スクープ公開!」(「フライデー」5/8号) 第4位「3000人アンケートで『SEX県民性』が判明した」(「週刊ポスト」5/8・15号) 第5位「大幅に拡充した『新ふるさと納税』」(「週刊新潮」4/30号) 第6位「安倍官邸と大メディア 弾圧と癒着の全記録」(「週刊ポスト」5/8・15号) 第7位「悪い話ばかりじゃない『人口激減社会』の利点検証」(「週刊新潮」4/30号) 第8位「西内まりあ 城田優と真剣密会 熱撮中継」(「フライデー」5/8号) 第9位「『春ドラマ』悲鳴と歓声の楽屋裏」(「週刊新潮」4/30号) 第10位「愛川欽也 享年80 が愛した3人の“妻”」(「週刊文春」4/30号) さて、今週は現代とポストのセクシー対決はなし。なぜならポストは「SEX県民性」が、現代とフライデーはヌードグラビアがランクインしたからである。 だがこれは、あまり喜べたものではない。合併号になると「あの人は今」式の企画が多くなるが、取材不足のためか内容に深みも面白さもない。現代の「あの騒動の主役16人の『あれから』」はその典型で、これまでの騒動をなぞるだけで終わってしまっていて、新情報はほとんどない。現代には悪いが、巻頭の「習近平のスキャンダルを追え!」「『5月暴落説』『ギリシャ・デフォルト説』をどう見るか」「決定! 日本をダメにした10人」なども首をかしげたくなる作りである。 「習近平~」は、中国通の編集次長の署名記事だったので期待して読んだが、期待外れ。現代の株の記事は、このところどっちつかずで、読んでいて上がるのか下がるのか、買いなのか売りなのかハッキリしてくれという内容が多い。「日本をダメにした~」などは、取り上げられている人物が毎度お馴染みの人間たちで、視点の新しさもない。 ポストも官邸とメディアの癒着批判はいいと思うが、それ以外にこれという読み物は「SEX県民性」ぐらいしかないのは寂しい。2週間じっくり売るのだから、時間と取材費をかけたノンフィクションでもやったらいいのではないか。それとも、その余裕さえないということか。 先週も愛川欽也の死について少し触れたが、私の思ってた以上に知名度、人気が高かったことに驚いている。文春は「愛川欽也 享年80 が愛した3人の“妻”」という特集を組んでいるが、長短はあっても各誌、彼についての記事、それも「いい話」が多い。 文春によると最初の妻は、愛川が俳優座養成所時代に同期だった女性で、一男一女をもうけ、売れる前の愛川を支えた。しかし20年後に離婚を発表。その翌日に現在の妻であるうつみ宮土理(71)と再婚したが、持っていた豪邸も前妻に渡し、慰謝料も相当払ったと書いている。 2人の結婚生活はお互いがお互いを縛らない不干渉夫婦だったが、うまくいっていたそうだ。そこへ“第3の妻”の存在が発覚する。愛川のキンキン塾に所属する42歳年下の女優・任漢香(38)。 当時、韓流好きが高じて韓国に留学中だったうつみは、「七十歳すぎて若い女の子と噂が立つなんて、キンキンかっこいい!」と、内心はともかく愛川を擁護した。愛川が製作した映画のほとんどで任が愛川の相手役を務め、中目黒に作った8億円といわれる「キンケロ・シアター」も、任に対する愛情からではなかったかという声もあるそうだ。 だが、愛川の知人が、「愛川が最も愛したのはうつみだった」と言っている。菅原文太とは肝胆相照らす仲だったが、死ぬときは、2人の女性に思われて亡くなった愛川のほうが幸せだったのかもしれない。 さて、春のドラマも出そろったテレビ局だが、相変わらずフジテレビが苦戦しているようだ。日刊ゲンダイ(4月23日付)がこう報じている。 「フジテレビの新番組が“壊滅”危機に陥っている。視聴率低迷はいよいよシャレにならないレベルになってきた。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)に対抗すべく、安藤優子キャスターを司会に据えて鳴り物入りでスタートした昼の情報番組『直撃LIVEグッディ!』は、20日の一部時間帯で平均視聴率1.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)に落ち込むなど大苦戦。10%台を維持するミヤネ屋を脅かすどころか、早期打ち切りを心配する声も上がっている。(中略) ゴールデン帯の新番組も1ケタ台が連発だ。森高千里(46)司会の新歌番組『水曜歌謡祭』は初回の2時間スペシャルが7.3%。深夜枠からゴールデン帯に昇格したバラエティー番組『有吉のニッポン元気プロジェクト おーい!ひろいき村』も、初回の2時間スペシャルは7.7%だった。新バラエティー番組『発見!なるほどレストラン 日本のおいしいごはんを作ろう!』も初回4.0%である。 ジャニーズ『嵐』相葉雅紀(32)主演の月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』も危ない。15分間拡大した初回こそ13.0%とまずまずだったが、2回目は11.4%に下落。フジ月9からテレ朝“木10”にくら替えしたキムタク主演『アイムホーム』が初回16.7%をマークしたのとは対照的で、1ケタ転落も心配されている。 水曜午後10時のドラマ『心がポキッとね』も初回こそ10.4%だったが、2回目は7・5%に落ち込んだ」 『心がポキッとね』は50歳の山口智子を担ぎ出してきた“勝負ドラマ”のようだが、新潮で「アナタもう50だろう。ちゃんと喋ろうよ」(上智大学碓井広義教授)「要は古臭いということ」(コラムニストの丸山タケシ氏)と、やはり評判はよくないようだ。 マンガと、ちゃらちゃらした女子アナ人気に頼りすぎてきたツケは、相当重いようである。 フライデーでは“なりたい顔No.1”の西内まりやが、城田優と「真剣密会」しているところの隠し撮りに成功している。2人の出会いは、3年前に放送されたドラマ『GTO』(フジテレビ系)での共演だったそうだ。 「当初西内は、8歳上の城田のことを兄のように慕っていましたが、急接近したのは今年の3月頃。西内が多方面の仕事に取り組むようになり、同じように俳優業と歌手活動を両立している城田に仕事の悩みを打ち明けているうちに、距離が縮まったとか……」(芸能プロダクション関係者) しかし、人気者って恋愛するのも大変なんだと、写真を眺めながらため息が出る。 今週の週刊新潮は、よほどネタに困ったのか、巻頭特集は「『人口激減社会』の利点検証」というヒマネタ(失礼!)から始まる。 確かに、4月17日に総務省が発表した人口推計(昨年10月1日時点)によると、外国人を含む総人口は前年に比べて21万5,000人減った。当然ながら少子高齢化はますます進み、65歳以上の高齢者は3,300万人で、14歳以下の2倍を超える。 さらに、増田寛也元総務相が座長を務める「日本創成会議」が昨年5月に発表した試算によると、出産適齢期の20歳から39歳の女性の人口が2040年までに半減する自治体を「消滅可能性都市」であるとし、全国の約1,800の自治体のうち896市区村町が消失するとしたのである。都市部では東京・豊島区がリストに入った。 さあ大変だ。昔、ニューヨークで大停電があったとき、その10カ月後に出生率が急増したことがあったから、日本中を夜だけでも1週間停電にしてみたらどうか、などと考えるこちとらとは頭のデキが違う新潮編集部は、江戸時代やペストの流行によって2,000万人以上減ったヨーロッパを引っ張り出してきた。 江戸時代・徳川吉宗の時代には3,200万人いた人口が、その後70年間の飢饉や天変地異で300万人減少したが、農民の耕作面積が拡大したことや、労働力不足のために新たな農機具を開発したことで、豊かになった農民が都市部で貨幣を使うことで経済が活性化し、そのゆとりが「江戸文化を勃興させました」(現代社会研究所の古田隆彦所長) 同じようにヨーロッパも、働き手が減ったがさまざまな工夫で農業生産量は保たれたから、農業生産者の賃金は高騰し、その富が都市部に流れ込んでルネサンス文化を花開かせた。だから同じように考えれば、人口減少は心配することはないというのだが、農業が疲弊している現代で、それと同じことが起きるとは、私には考えられない。 だが、成長なき成長時代をどう生きるのかは、今こそ真剣に考えなければいけないこと、言うまでもない。 ポストが毎週のように追及している、大メディアと安倍官邸との「癒着」ともいえる馴れ合い関係批判を、私は支持している。ポストは第2次安倍内閣発足から、安倍首相と新聞とテレビ局幹部らとの「夜の会食」は2年半で50回に上るという。田崎史郎時事通信解説委員なども足しげく通っているし、ここには出てきていないのは「会食」ではないからかもしれないが、田原総一朗氏などもよく安倍首相と会っている。 メディア論では、「権力のメディア操縦」は3段階で進むという。第1段階は圧力で政権に不利な報道を規制する。第2段階はメディアのトップを懐柔することで政権批判を自主規制させ、第3段階では現場の記者たちが問題意識さえ持たなくなって権力監視機能を完全マヒさせる。 安倍はこれを忠実に実行し、ほぼ第3段階まで来ているのではないだろうか。もともと新聞というのは戦時中やGHQ占領時代を見てみればよくわかるように、強い者にはひたすら弱く、相手がそれほど強くないと見るや「われわれはウォッチドッグでなければならない」と言い出すメディアなのである。 もちろん、テレビは言うまでもない。 「昨年来、日本の外務官僚たちが、批判的な記事を大っぴらに攻撃しているようだ」 独紙フランクフルター・アルゲマイネのカルステン・ゲルミス記者が日本外国特派員協会の機関誌にこう書いて、話題になっていると4月28日のasahi.comが報じている。 「ゲルミス氏は2010年1月から今月上旬まで東京に5年余り滞在した。発端となる記事をFAZ紙に掲載したのは昨年8月14日のこと。『漁夫の利』と題し、『安倍政権が歴史の修正を試み、韓国との関係を悪化させているうちに、中韓が接近して日本は孤立化する』という内容の記事だった。(中略)記事が出た直後に、在フランクフルト日本総領事がFAZ本社を訪れ、海外担当の編集者に1時間半にわたり抗議したという」 その結果、中根猛・駐ベルリン大使による反論記事が9月1日付のFAZ紙に掲載された。 「寄稿によると、総領事は、中国が、ゲルミス氏の記事を反日プロパガンダに利用していると強調。さらに、総領事は『金が絡んでいると疑い始めざるを得ない』と指摘した」(同) 批判的な記事を書いた記者のことを、こともあろうに「中国から金が出ている」と誹謗するなど、言語道断である。トップがトップなら、下の役人どもも身の程をわきまえないということか。外国メディアの笑いものだが、日本のメディアでこれを笑えるところは、どこにもないのではないか。 ふるさと納税というのが、話題だそうである。だが、私にはその仕組みがよくわからない。今週の新潮が「大幅に拡充した『新ふるさと納税』厳選ガイド」という特集を組んでいるが、もらえるモノは天童市のさくらんぼはいいが、久留米市の電動アシスト自転車、備前市の電動歯ブラシやタブレットPC、大喜多町のスイスの高級腕時計(ゲットできるかもしれないだが)、泉佐野市の航空会社「ピーチ」のポイントとなると、なんでこれが「ふるさと」と関係があるのかがわからない。 その上「何しろ、実質2000円を負担するだけで、その数倍から数十倍以上の品物(あるいはサービス)が手に入るのだ」「寄付金が1万円でも10万円でも負担はおよそ2000円だけですから、どうせなら高い品物を選びますよね」(新潮)という仕組みが理解できない。 先の久留米市の例では、寄付を22万円すると定価10万4,800円の電動アシスト自転車「アシスタDX・2015年モデル」がもらえるというのだが、還元率は47%である。半分もカネが戻ってこないのに、負担が実質2,000円というのは、税金の還付で戻ってくるというのだろうか。わからないときはやってみるに限る。このところうまい肉を食べてないから、三重県松阪市に5万円寄付して「松阪牛ロース600グラム」をもらってみようか。 ポストのSEXと県民性はよくやる企画で、今回もさほどの新味はないが、あると見てしまうのがこの手の記事である。 セックスの頻度(週に1回以上の割合)では、1位の愛媛県が39%、2位の和歌山県が33.3%なのに、富山県では5.2%とかなりの開きがある。オーガズムの頻度(毎回感じる)では福島県が31.8%、2位の山形県が22.2%なのに、香川県は3.9%である。東北人のほうが感じやすいのかね。 セックスは好きですか? という問いには、宮崎県が84.6%、2位の山形県が83.3%なのに、京都府は41.8%、長野県が42.9%だから、口説くなら宮崎か山形県人か? オナニー好きは山形、秋田、愛媛の順で、フェラチオ好きは愛媛、秋田、福島の順だ。 まあ、BARで女の子と話す話題作りにはなる記事ではある。 ところで、自分の元妻がヘア・ヌードになったりAVに出たら、元夫としてはどう感じるのだろう。フライデーの「山本太郎議員の元幼妻がAVデビュー! 『衝撃ヘアヌード』を緊急スクープ公開!」を見ながら、そんなことを思った。 彼女は本名・割鞘朱璃(わりさやじゅり・22)。19歳の時、18歳年上の山本と結婚したが、わずか3カ月で離婚しているから、元夫のほうには彼女のカラダへの「思い出」はそうはないのかもしれないが、一度は激しく愛した女性がヘアを晒して喘ぐ姿を世間に公開されるというのは、どんな感じなのだろう。なかなか美形である。黒いパンティだけのお尻を見せて、こちらを振り向いている顔は、男ならグッとくる表情である。 逃がした魚は大きかったと、この袋とじを見ながら山本センセイはつぶやいているのだろうか。自民党のセンセイたちは、国会で質問してみたら? 現代の袋とじも、なかなか派手である。NHKの朝ドラ『マッサン』で一躍知名度を上げ人気者になったシャーロット・ケイト・フォックスだが、もともと彼女はアメリカで売れない女優だった。 日本でがぜん売れっ子になったのだが、その彼女がだいぶ前に出演していたインディーズレーベルの映画『誘惑のジェラシー』で、濃厚なセックスシーンも厭わず、ヘアを晒しながら熱演していたというのだ。 映画では、確かにアンダーヘアも見える。男とのセックスシーンもある。『マッサン』人気で注目浴びているからであろう、この映画がDVDで近々発売になるというパブではあるが、テレビドラマの清楚な役との乖離がなかなかそそるのである。ぜひ一見を。 今週の1位は文春の特集。 「医は仁術なり」と言われる。広辞苑によれば「医は人命を救う博愛の道である」ことを意味する格言。 だが、このところテレビなどで取り上げられる「名医」たちは、難しい手術をこなせる“技術”にばかりスポットライトが当てられ、患者に対する“博愛”の精神が欠如している医者が多いのではないかと文春が特集を組んでいる。 トップに挙げられたのは、人工血管「ステントグラフト」の第一人者とされ“神の手”を持つとNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも特集を組まれた慈恵医大・大木隆生教授(52)である。 慈恵を卒業した大木氏は、渡米して学んだ医科大学でステントグラフト治療(大動脈瘤などの手術で、折りたたんだ人工血管を脚の付け根から通して血管を補強することで、瘤の拡大や破裂を回避する)により名を挙げて、06年に帰国して慈恵医大の教授に就任した。 文春によれば、その名医が、手術した患者(死亡・当時74歳)の遺族から、8,700万円の損害賠償請求訴訟を起こされているというのである。当該の患者の手術は10時間半にも及んだというから、相当な難手術であったようだ。手術の2日後に患者は亡くなっている。 訴訟に至ったのは、術前の説明「インフォームド・コンセント」が十分ではないというものだ。遺族側は、手術死亡率について、開胸手術では20%、ステントでは2~3%だと説明されていたという。しかも「未承認の機器」を使ったのでリスクが高いはずなのに、そのリスクに対する開示はなかったと主張しているそうである。 遺族側は、特注のステントグラフトを作製したメーカーが大木氏に再三、「この特注品は試験をしておらず、予期せぬ危険が生じる可能性があることを、患者に対して必ず忠告しなければならない」と書いてある文書を入手しているという。 これだけでも大木氏の“博愛精神”に疑問があるが、これまでも手術室で大木氏はゴルフのクラブを振り回して、レントゲン写真などを見るためのシャーカステンというディスプレイ機器を割って、全身麻酔の患者に破片が飛べば大惨事になっていた非常識な“事件”も起こしていたという。 大木氏は文春の取材に対して、訴訟の事実は認めたが、こう言っている。 「患者が亡くなった場合、全員が全員納得する医療を提供するのは至難の業です」 このほかにも、群馬大学病院第二外科助教・須納瀬豊医師が腹腔鏡下肝切除術で8人が死亡したケースでは、群大病院側が「全ての事例において、過失があったと判断された」という最終報告書を出したが、文春は、第二外科の責任者である診療科長の責任も問われなければならないのではと追及している。 腹腔鏡手術を受けた患者11人が死亡した千葉県がんセンター、生体肝移植で4人が死亡した消化器疾患専門病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」なども取り上げている。 医療に詳しいジャーナリストの鳥集徹氏は、「ダメな名医」の見抜き方をこう話す。 「名医と呼ばれながら事故を起こしてしまう医師に共通するのは、患者に『簡単な手術』などと説明して手術に誘導していることです。(中略)私がほんとうに名医だと思う医師は、必ず『他の医者にセカンドオピニオンを聞くべきだ』と口を揃えます」 私の友人の外科医が「手術なんてさして難しくはない。大工仕事と同じだよ」と私にいったことがある。大工仕事を易しいといっているのではない。神の手などなくても一生懸命手術し、それでも助けられない命があるということである。 自分は名医などとふんぞり返っている医者にろくな者はいないのだが、そうした連中を、ラーメンランキングのごとく、名医のいる病院などと特集を組んだり、それを売りにする単行本を出すから、つけあがらせるのだ。 文春は「失敗しない病院選びの最新5カ条」を挙げている 1 外科医は“エンジニア”(これは、私の知人の外科医が言っていたことと同じ) 2 セカンドオピニオンに紹介状は不要(まったく違うクラスの病院や、その地域と離れた病院へ行く) 3 質問・資料請求は遠慮せずに(これに応じない病院は?) 4 病院内の“空気”を読む 5 通える範囲に「かかりつけ医」を。人生持つべき友は医者と弁護士ですぞ。 【蛇足】 映画『セッション』がいい。ドラムスティック2本でこれほど興奮させてくれる映画は初めてだった。世界的なドラマーを目指し、文字通り血のにじむような練習をする学生と、それを徹底的に教え、苛め抜く音楽教師。 単なるスポ根ものではない。29歳の新鋭監督が語りたかったのはJAZZの素晴らしさである。最後のすさまじい演奏「Caravan」が終わったとき、館内から拍手が沸き起こった。ぜひ見てほしい。 それに比べて、ビートたけしの新作『龍三と七人の子分たち』はいただけない。引退した元ヤクザのジジイたちが、オレオレ詐欺やら悪徳訪問販売でやりたい放題のガキを相手に大暴れするというコメディ。 藤竜也が背中に彫り物を入れて凄んでみせるのはなかなか様にはなっているが、こういう物語にはなくてはならない爽快感がまるでないのだ。クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』を見終わったときのような、カタルシスがないのだ。 たけしとイーストウッドを比べてはたけしが恐縮するだろうが、単なる元悪ジジイたちんの悪ふざけの映画にしかなっていない。 いつもむやみに拳銃をぶっ放すたけし映画のように、なんとか連合などと名乗って六本木あたりでバカ騒ぎをしているヤツら、「何々人は死ね」とヘイトスピーチをしている差別主義者、スマホをいじりながらよたよた駅のホームを歩くバカガキたちを撃って撃って撃ちまくる映画にしたら、ジジイたちには受ける映画になったはずだと思いながら映画館を後にした。 (文=元木昌彦)「週刊現代」5/9・16号
今週の注目記事 第1位「フィリピン買春1万2千6百人の変態校長」(「週刊文春」4/23号) 「欲望を完全解放した『元中学校校長』絶倫熱帯夜」(「週刊新潮」4/23号) 第2位「原子力村VS.反原発弁護団の闘い」(『週刊朝日』5/1号)「そして、裁判官は飛ばされた」(『週刊現代』5/2号) 第3位「フランス『痩せすぎモデル禁止法』!日本でアウトはこの有名モデル」(「週刊新潮」4/23号) 第4位「『貴乃花』後援会パーティーで景子夫人が宣伝した『マルチ商法の水』」(「週刊新潮」4/23号) 第5位「安倍官邸、大銀行に『瀕死のシャープを助けてやれ!』」(『週刊現代』5/2号) 第6位「鹿島灘イルカ156頭“集団自殺”は『大地震の予兆か』徹底分析」(「週刊ポスト」5/1号) 第7位「『クロ現』だけじゃない! NHKが触れない『Nスペ』問題シーン」(「週刊文春」4/23号) 第8位「269万社ビッグデータで日本の社長出身地、、学歴、報酬の秘密がわかった」(「週刊ポスト」5/1号) 第9位「ついに妊娠上戸彩 セックスレスを乗り越えた“高タンパク手料理”」(「週刊文春」4/23号) 今週の記事にイチャモン「沖縄のタブー」(「週刊文春」4/23号)「日本経済 回復の実感はいつ?」(『ニューズウィーク日本版』4/21号) 番外 現代、ポストのセクシーグラビア&SEX記事対決の勝者はどっちだ! ポストは「笛木優子 魅惑のランジェリー」セクシーと「物理のセンセイ」のヌード。この2本はどうということはないが、前半のグラビア「おっぱいがいっぱい」の冒頭写真には、ドキッとさせられた。下からあおった見事なおっぱい写真で、迫力満点だ。 現代は「山本陽子 妖艶ヌード」、「『ミス日本』ファイナリスト 無敵のヘアヌードを初公開!!」、袋とじが「小島可奈子 癒やされるヘア・ヌード」。小島もいいが、やはりおっぱいがいっぱいのほうが迫力という点では優っていると思う。 SEX記事は、現代が「『恥ずかしい』と『気持ちいい』の二律背反構造」、ポストが美女医『マリリン先生』が教える『女が感じる魔法のセックス』」。どちらも新鮮さや新発見はない記事である。 現代では、脳内学者の塩田久嗣氏がこう話す。 「人間は大きなストレスを味わったとき、そのつらさに耐えるため、脳内でエンドルフィンなどの物質を分泌します。これこそが『脳内麻薬』と呼ばれるものです。エンドルフィンは、つらさを打ち消すだけでなく、さらに進んで、強い恍惚感、快楽をもたらします」 したがって、「恥ずかしい」というストレスが快感に変わるのだそうである。 ポストでマリリン先生は、前戯でキスしてから乳房に触り、秘部に手を伸ばして十分に女性が濡れたら挿入というパターン化をやめて、胸を触る前に背中を指でくすぐるように触ると、背中の背骨の周辺には太い神経が走っていて、刺激されると下半身にまで快感が広がるそうである。 御用とお急ぎでない方は、ぜひ試してみて下さい。今週は、ポストのど迫力おっぱいの勝利だ~ッ。 さて、今週新たに設けた「記事にイチャモン」コーナーの晴れの第1回大賞には、文春とニューズウィーク日本版の記事を選んだ。 文春、新潮がやや保守的で、現代、ポストはややリベラルだと、ここで何度も書いているが、昔はリベラル派週刊誌が保守派を凌駕していた時代が長かったのだが、2000年以降ぐらいからだろう、週刊誌全体の部数大幅減もあるのだが、保守派、中でも文春がトップを走り続けている。これは世の中の保守化、右傾化と無縁ではないはずだ。 今週、文春は巻頭で翁長雄志知事批判をやっているが、私には、政府の意を受けてとまでは言わないが、週刊誌のあり方としていいのだろうかと、疑問を持たざるを得ない記事作りである。 今月14日、沖縄県の翁長知事(64)は、河野洋平元衆議院議長とともに中国北京にいた。彼らを出迎えたのは、中国のナンバー2である李克強首相だったが、3月に谷垣禎一自民党幹事長らが訪中した際には、李首相との会談は実現しておらず、中国側がいかに翁長知事を重要視しているかがわかると、中国特派員に語らせている。 だが、李首相が出てきたのは河野談話を出した河野氏が長年中国首脳と親しいためであり、翁長知事はそのお相伴にあずかったと考えるべきであろう。さらに文春は「いま、日米両政府は、沖縄をめぐる中国の動きへの警戒を高めている。沖縄は東アジアに睨みをきかす米軍の一大拠点である。一方、東シナ海から太平洋への外洋進出を狙う中国にとっても、なんとしても手中に収めたい戦略上の要地だ」と書くが、これはその通りであろう。 4月4日には菅義偉官房長官と翁長知事が那覇市内のホテルで会談したが、翁長知事は「十五分間にわたりまくしたてた」と書き、「小誌メルマガ読者にアンケートを実施したところ、六十七・三パーセントは移設に賛成という回答だった」としているが、文春の熱心な読者には政権支持派が多いはずだから、これが多くの日本人と沖縄の民意を表していることにはならない。 もっと不思議なのは、福岡の中国総領事館の総領事が翁長知事を表敬訪問したことに対して、沖縄県庁関係者がこう語っていることだ。 「那覇市と友好都市の福建省の福州市をつなぐ定期航空便周航の早期実現、そして沖縄県庁の職員と県内の大学生を数人ずつ今年九月から一年間、北京にある外交学院に留学させる計画です。(中略)県庁内に中国シンパを作りたい意図が見え見えです」 もともと沖縄と中国の関係は、琉球時代にさかのぼる。それにこうした人的相互交流は、どんどんやるべきではないか。 さらには、中国の国家政策の巨大シンクタンクの最高顧問が、「翁長知事在任中に琉球独立の流れを作ることが必要」と述べたことを取り上げ、中国にとって、もはや沖縄は独立国並で、そう扱うことで、沖縄と日本本土の分離を煽ろうというのでしょうと、公安関係者に言わせている。だが、沖縄と本土を分離させているのは日本政府ではないかと、沖縄から批判の矢が飛んでくるはずだ。 あの鳩山由紀夫元首相と翁長知事が親しいとか、移設反対運動をやっている人間には革マル派がいると公安資料を引用し、連日のように反対運動の動向を伝える地元紙も「疑問視されている」(文春)と書くに至っては、安倍政権の広報誌かと言いたくなる書き方である。 歴史社会学者の小熊英二氏は4月14日の朝日新聞で、日米安保条約には誤解があると書いている。これは防衛条約ではなく、日本が米軍に基地を提供するための条約だ。それなのに歴代政権は、これを日本防衛のための条約だと説明してきた。「辺野古移設は『沖縄問題』ではない。それは日米関係の実態を、国内向けの『建前』で覆い隠してきたツケが集約的に露呈した問題だ」と、日米関係を建設的な方向に転換せよと説いている。 週刊誌の常だが、大本を見ずに自分の都合のいい枝葉末節を取り上げて批判するのでは、言論機関としてのあり方に疑問を持たざるを得ない。 同様に読んで驚いたのが、ニューズウィーク日本版の「アベノミクス成長の実感はいつ?」という記事だ。アベノミクスの歪みを皮肉った記事かと思えば、そうではない。アベノミクスで日本人は幸福になっているという、唖然とする記事なのだ。 投資顧問会社のピーター・タスカ氏は、まず、日本の自殺者が減少しているのは悲観する人が減っているからで、その主な理由は日本の経済情勢にあるとしている。 完全雇用が実現し、理論上は職を求める全ての人に職があるのだから、「安倍政権からの圧力がなくても、これだけ労働市場がタイトになれば、賃上げ交渉の主導権が雇用者側から労働者側へ移るのは当然だ」と、どこの国のことをいっているのだろうかと疑いたくなる書き方である。 消費者物価がほとんど上がってないのだから、ほとんどの労働者は新たな豊かさを実感できるはずだ。少子化で新規就労者は減る一方だから、フルタイムの正規雇用の伸びがパート労働者の伸びを上回るのも時間の問題だとし、日本人はとても幸福なのだから、そう思いなさい、そう思わないのは自分が悪いからで、安倍政権はバラ色の未来を提供してくれると万歳三唱する。 もっと驚くのは、アンドルー・オブラス(世界銀行コンサルタント)なる人物が、「憲法改正が開く経済復活への道」と書いていることだ。 「長期的な視野に立てば、安倍の改憲の試みを日本再生に向けた改革の一環として、この国の復活に不可欠な要素と位置づけることが重要になる。安倍流の世界観に従えば、憲法の縛りを解き放って日本を『普通の国』にすることは、復活への最上の道だ」 この雑誌は保守派だが、オバマ大統領批判などに鋭い切れ味を見せるので、私も継続して読んでいるのだが、この記事を見てガッカリし、購読を打ち切ろうと思っている。 新聞は政府の広報紙という性格を持つ以上、アベノミクスについても批判ばかりできないのは理解できる。だが、雑誌が無批判に権力のお先棒を担いで、それを批判する側を叩くのでは、雑誌の存在理由はどこにあるのか。そんなことを考えさせられた2つの記事である。 第9位は、人気女優でCM女王の上戸彩(29)が妊娠3カ月だと判明したことを取り上げている文春の記事。 上戸がEXILEのHIRO(45)と結婚したのは3年前だが、2人とも忙しくてセックスレス状態になっていて、ちょっと険悪な雰囲気になったこともあると文春が書いている。それにHIROのほうはちょっとお年。そんな危機を乗り越えたのが、料理上手の上戸手作り朝食だったという。HIROの事務所「LDH」の関係者がこう語る。 「朝がどれだけ早くても必ず朝食を作ってHIROさんを送り出しています。(中略)ビタミンたっぷりのフルーツや筋肉に大切な高タンパクの手料理。HIROさんがあの肉体をキープできているのは姐さん(上戸のこと=筆者注)のお陰なんです」 意外に家庭的な女性のようだ。それに子ども好きで、08年には育児中の母子の健康管理をサポートする「チャイルドケアライセンス」の資格も取っているそうだ。まずはおめでとう。 8位はポストの「日本の社長」。現代でも時々やるが、変わり栄えのしない企画ではある。269万社で見れば出身大学の上位は、日本大学、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、中央大学の順だが、トップ100に入る高額報酬社長になると東大、慶應、日大、中央、一橋がベスト5で、早稲田が6番目。 面白いのは、社長輩出率ランキングでは徳島、山形、香川、秋田、愛媛の順になり、東京は39番目だ。これは人口が少ないために起こった珍現象で、先の高額報酬社長の出身地では東京がダントツである。こういうネタは、他社との飲み会では使えるが、知ったからといって出世に結びつくとは思えない。 さて、4月9日に放送されたNHK『クローズアップ現代』で国谷裕子キャスターが、文春が報じたやらせについて、「取材が不十分で、部屋の借主と視聴者にお詫びします」と頭を下げた。 この問題の中間報告は不十分だと文春は批判し、これ以外にも、NHKスペシャルの『攻防 危険ドラッグ 闇のチャイナルートを追う』でも、中国の化学メーカーに詳しい日本人という「役」で、N記者と親しいX氏が登場してN記者のインタビューを受けていたと報じている。 N記者はXが出ていたことを認めているが、調査報告では絶対それには触れないと、NHKの幹部が話している。そうなれば報道局長や放送総局長だけではなく、籾井会長の進退まで問われることになるからだそうだが、これまでの文春の報道が事実なら、ここで長年たまった膿を出し切らないと、NHKの信用回復は難しいはずだ。 6位には、ポストのイルカ大量自殺と大地震の関係について報じた記事。 確かに3・11の東日本大震災の7日前にも、茨城県・鹿島灘の海岸に50頭を超えるカズハゴンドウが打ち上げられていた。そして4月10日に鉾田市で同じ種類のイルカが156頭も打ち上げられたのである。 ポストはイルカの大量死=大地震の予兆説がどれぐらい信憑性があるのかを調べているが、説得力があるのは、日本で01年以降に10頭以上のイルカが集団座礁したケースは今回を除き9回記録されているようだが、そのうち7回も、3カ月以内に震度5を超える地震が起きているというのだ。 いつ起きても不思議ではない大地震だが、こうした情報も知っておいて、いつでも対応できるよう、非常食や着るもの、ラジオなどを玄関脇に置いておいたほうがいい。という私も、ほとんど何もしていない。これから帰って荷物作りをしよう。 現代の巻頭はシャープの記事だ。安倍首相が自ら「シャープを助けてやれ」と檄を飛ばしているそうである。 それは、もしシャープが潰れでもしたら、せっかく円安・株高で景気が上向き加減になってきたのに、消費税増税以来の大きなダメージになるからだそうだ。 シャープは、もはや経営努力でなんとかなる時限ではないという。 「銀行は、1兆円以上に膨らんだシャープの負債を『デット・エクイティ・スワップ(DES)』つまり、『債務の株式化』という方法で減らす苦肉の策を提案した。負債のうち2000億円を棒引きにするかわり、銀行がその金額分のシャープ株を持つという荒技である」(現代) だが、これは応急処置にしかならないため、経産省所管の官民ファンド・産業革新機構による支援も考えているそうである。 私はまったくの経済音痴だから、シャープがどのような状態にあるのかよくわからないが、JALの時もそうだったが、なんでもかんでも税金を投入して民間企業を助けるというのは感心しない。 新自由主義を導入し規制緩和したのだから、小泉や安倍がいつもいってるように、市場に任せればいいのではないか。それこそシャープの人には気の毒だが、自己責任ではないのかね。 ところで、テレビの司会や映画、ドラマなどで活躍してきたタレントで俳優の愛川欽也さんが亡くなった。享年80。 今年3月、20年間司会を務めた『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)を降板し、4月には彼が運営するインターネットテレビ局「kinkin.tv」も終了したことで、重病説が週刊誌で報じられていた。妻でタレントのうつみ宮土理は否定していたが、やはり事実だった。 1971年から始めた深夜ラジオ『パックインミュージック』のパーソナリティとなり、74~86年まで『11PM』(日本テレビ系)の司会を大橋巨泉と務め、人気者になった。 菅原文太とコンビを組んだ映画『トラック野郎』も大当たりし、晩年はニュース番組の司会もこなし、政治的な発言もしていた。 私は、彼がやっていた『パックインジャーナル』(朝日ニュースター)に一時期、準レギュラーとして出ていた。何度か、自分の芝居を見に来てくれといわれたが、忙しさに取り紛れていけなかったのが残念だ。 月に1回、1年半ほど番組には出ただろうか。総選挙があれば民主党政権が誕生するといわれていた時期だった。愛川さんは、どんなことをしても政権交代させなければいけないと大声で主張していた。 番組の中で私が「あまり民主党に期待を持ちすぎるのは気をつけたほうがいい。小沢一郎が裏で操っているのでは、自民党とさして変わらない政権になるかもしれない」と発言したら、私の言葉を遮り、顔を真っ赤にして「そんなことより、何がなんでも政権交代させることが第一です」といって、次の話題に移ってしまった。番組が終わり、プロデューサーが私のところへ来て、申し訳なさそうに「しばらくお休みしてくれませんか」と言った。「愛川さんに言われたのだね」というと、「少し時間がたってから、また声を掛けさせて下さい」と言いながら走り去った。 あの「おまっとさんでした」が聞けないと思うと、チョッピリ寂しい。そういえば現代の連載コラムで大橋巨泉さんが、がんの転移のため4度目の手術をすると書いている。本気で反戦を訴える人が次々にいなくなってしまうということは、ひと世代下のわれわれが意見を聞く相手がいなくなることを意味する。困ったものだ。 第4位は新潮。貴乃花と夫人の景子さんが開いたサポーター制の設立パーティーが大阪のホテルであったそうだが、その会場に置かれたサーバーに入っている水がおかしいと、報じている。 この水を扱っているのは「株式会社MiZ(以下、M社)」というマルチ商法の会社だという。商品名は「高機能DDSサプリメント補水液」というそうで、この水には免疫力を高める効果があると謳っている。免疫力を高める黒酵母βグルカンは水溶性で、体には吸収されにくいのだが、DDSという独自の技術を開発して吸収しやすくしたというのだ。 景子夫人も件のパーティーで「素晴らしい水です」と宣伝していたそうだが、これが相当いかがわしい商品らしいのだ。 製品そのものの欠陥もあるそうだが、そもそも社がセミナーやパンフレットに掲載している高知大学医学部教授らの臨床データなどが、彼らになんの許可もなく使われているというのである。 彼らが研究している黒酵母βグルカンは体内で吸収できるものではなく、まだまだ基礎研究の段階だという。彼らの開発したβグルカンをDDSで体内に吸収させる印象を受けるが、「そんなことはあり得ない話です」と全面否定しているのだ。 とんでもない商品を売っているM社の陶山慶子社長の、とんでも発言はこうだ。 「あの水にもその効果があるとは聞いていません。βグルカンが入っているだけで、効果があるかどうかは、お客様が決めることです」 貴乃花側も、そんなものは一切存じ上げないと、こちらもとんでも発言。新潮が言うように、貴乃花夫妻の「脇が甘すぎる」のは確かなようだ。 4月17日のasahi.comに、超人気スーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさん(34)が、ファッションショーからの引退を表明したという記事がある。 彼女はドイツ系ブラジル人で14歳のときにデビューしたそうだ。米経済誌フォーブスが、昨年は4700万ドル(約56億円)の収入があったと報じ、「世界で最も所得が多いモデル」の座を8年連続で維持しているそうである。 モデルは憧れの職業なのだろうが、新潮によると、フランスでは「痩せずぎモデル禁止法」が可決されたそうだ。美のお手本が不健康に痩せていてはダメだというのだ。 「この国では痩身のモデルに憧れた若い女性が拒食症になるケースが多い。そこで、BMI18未満の痩せすぎモデルを雇用した事務所に、7万5000ユーロ(980万円)以下の罰金か6カ月以下の禁固刑を科す」(パリ在住のジャーナリスト)というから相当厳しい。 BMIとは体重を身長の2乗で割って算出する体格指数で、日本人の平均は22だそうだ。だが、このところのカロリー摂取量は、ダイエットブームがあるために戦後間もなくの水準にまで戻っていて、BMI18・5以下に分類される人が全体の20%にも上るといわれてるという。 そこで新潮は日本のモデルや女優のBMIを調べてみたら、なんとすごいことに、15未満が河北麻友子、桐谷美玲、あびる優。16未満が鈴木えみ、坂口杏里、菜々緒。17未満が戸田恵梨香、高橋みなみ。18未満が蛯原友里、水原希子、道端アンジェリカ、藤井リナ。 デブ=醜い、痩せ=美しいという「神話」がこのまま続くと、日本の女性は心身共に危ないかもしれない。ちなみに、私は少しふっくらした女性が好みだけどね。 さて、4月4日に福島地裁で出された関西電力高浜原発3、4号機に対する「再稼働差し止め仮処分」を認めるという判決は、再稼働をがむしゃらに進める安倍政権にとって大きな痛手になった。 これは朝日が書いているように、担当判事が昨年5月にも大飯原発運転差し止め判決(関電控訴で高裁で審理中)を出した樋口英明裁判長だったから、弁護団側にも勝算はあった。 現代によれば「これまでの原発行政の常識を打ち破り、『歴史に残る』決定を下した樋口裁判官。だが、本来であれば、樋口氏は今回の仮処分を決定することはできなかった。なぜなら、4月1日付で、氏は福井地裁から名古屋家裁に異動。『左遷』されていたのだ」 だが、樋口氏は職務の取扱上さし迫った必要があるときは、同じ管轄内の裁判官であれば、当該審理での裁判官の職務を代理で行うことができるという「職務代行」というものを使って、「飛ばされたはずの樋口氏が『職務代行』を使うことで、最後にして最大の抵抗を行い、意地を示したのだ」(現代) 仮処分が出た場合は、関電側が不服申し立てをした上で仮処分を覆すか、本訴の提起が必要となるから、どちらにしても再稼働はずれ込むことが確実になったのである。 今回仮処分が出たことで、あちこちの裁判所で仮処分申請を起こすことができるようになった。 これに続いて4月22日に川内原発の仮処分申請に対する決定が出るが、これが同じように認められれば、「安倍政権にとってはメガトン級の打撃」(朝日)になることは間違いないが、樋口氏のケースのように、画期的な判決を出せば待っているのは「左遷」かもしれないと思えば、判決は予断を許さないだろう。 しかも「仮処分の後の本訴で原告側が敗訴した場合、電力会社から再稼働できなかったことによる損害賠償を求められる恐れもあり、川内原発差し止めの仮処分申請では1月に原告住民の一部が申し立てを取り下げている。仮に電力会社にこうした手段に出られたら、原告住民側には大きな痛手になるだろう」(朝日)。権力とピッタリの電力会社ならやりそうなことだ。 そんなことに怯むな。もしそうなれば日本中の反原発、脱原発の人間が金を持ち寄って助けに行く。最高裁には無理だろうが、高裁あたりには人間の心を持った裁判官がいるはずである。この歴史的な判決を無駄にしないようにしたいものだ。 今週の堂々第1位。いま飲み屋などでは、寄ると触るとこの人のうわさで持ち切りである。 フィリピンで少女とのわいせつな写真を撮影したとして、4月8日、横浜市立中学の元校長、高島雄平容疑者(64)が児童買春ポルノ禁止法違反(製造)で神奈川県警に逮捕された。約27年にわたり少女たちに淫らな行為を繰り返していたというニュースは、県教育界だけではなく日本中を驚かせた。 文春によれば、県警が昨年2月に自宅を家宅捜索したところ、書斎から約400冊のアルバムと、延べ1万2,660人の少女や成人女性の裸や局部のクローズアップ写真が見つかったというから驚く。 きっかけは1988年から3年間、教員としてフィリピンに派遣されていたときに現地で買春を覚え、帰国後も夏休みや冬休みを利用して65回も渡航していたそうだ。 世界有数の歓楽街として知られるマニラ市内エルミタ地区で観光客を相手に女性を斡旋するジーン・デルガド(43)はこう語る。 「異常に性欲が強いのです。一日に十回することなどざらで、滞在中は毎日時間を決めてセックスしていました。私に与えられた役割は午後一時までに彼のホテルに女性を連れて行き、次々に部屋に送り込むことでした。午後三時までに何人かとセックスすると、『ブレイクタイムだ』と一旦休憩をとり、その後また数人とセックスするというパターンで、規則正しく、まるで義務のように午後五時まではセックスを続けるのです」 さらに続ける。 「私は、一九九七年頃に売春婦としてタカシマと知り合い、その後数年にわたり彼と関係を持ちました。売春婦の仕事が続けられなくなった二〇〇三年頃にポン引きに転じ、昨年一月までの十数年間で数百人以上の女性を彼に斡旋しました」 だが、高島に未成年の少女を斡旋していたのは、地方に住む少女を専門に扱うポン引きだったという。そのため高島は、何度も金品を脅し取られたことがあるそうだ。 文春によれば、フィリピンでは「性獣」と化す高島だが、日本では教育者としての顔を持ち、75年に横浜市教育委員会に採用され、フィリピンから帰国後は市内の中学校で教諭、副校長などを歴任して08年には校長に就任しているのである。元僚がこう話す。 「公務員は勤務地を離れる場合、特に海外の場合は、年休中でも、渡航日程や目的などを届けなければならない。高島先生は『マングローブを植林するボランティア活動をやっているんだ』と言っていた」 とんだボランティア活動だが、新潮で高島の相手をした娼婦Aが、「封筒の中には、おそらく100万円か、分厚い札束が入っていた」といっているから、毎回相当な金額を持って行ったようだ。 部屋にはキャノンかニコンのカメラが三脚の上にあり、それで女性の恥ずかしい写真を撮りまくったが、セックスは淡泊で、ほとんど射精することはなかったという。 一日十数人を相手にするわけだから、毎回気を入れていたら、確かに体が持たない。 近所の住人は新潮で、 「高島さんは非常に温厚な雰囲気で、気軽に挨拶をしてくるような方でした。いいお父さんという感じですね」 と語っている。妻、息子が2人に娘が1人。教え子たちからの評判も上々だったようだ。高島は警察の取り調べでこう供述していると新潮が書いている。 「仕事のプレッシャーが強ければ強いほど、倫理観のたがを外すことで解放感を味わえた」 学校では気さくな教師、家ではいい父親を演じ、フィリピンでは倫理観をうち捨て性の獣と化した男の生き方は、私には「バカなヤツだ」とひと言では片付けられない、こんなことにしか自分の人生を燃やせなかった、この世代の持つ悲しさが感じられるのだ。だが、こんなことを書くと多くの女性から非難の礫が飛んでくるだろうな。週刊新潮」4/23号中吊広告より
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