"毒まんじゅう"に蝕まれた相撲界と政界 常套手段に騙されるな!

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「週刊ポスト」7月8日号
●第50回(6月22日~6月29日発売号より)   第1位 「菅直人総理、嘘をつくな!『消費税10%』で日本は崩壊する」(「週刊ポスト」7月8日号) 第2位 「ヤクザ組長の幕内力士『SEX漬け』現場!」(「週刊アサヒ芸能」7月8日号)  「朝日」の読者投稿欄「お便りクラブ」に、今回の相撲界の野球賭博問題についていいことが書いてあった。投稿した工藤寛行之氏は、テレビのワイドショーに出てくる相撲評論家なる人たちが、したり顔で批判しているのを見て苦々しく思うとして、こう書く。 「彼らはそうした事実をまったく知らなかったのでしょうか? 知らなかったのなら評論家失格でしょうし、知らぬ顔をしていたのなら彼らも同罪で、協会を批判する資格などないはずです。彼らに限らず、テレビのコメンテーターと称する人たちの右顧左眄ぶりを見るにつけ、テレビの報道はもうダメではないかと思います。週刊誌にこそ期待をしています」  テレビで、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)と特別調査委員会の会見を見てびっくりした。彼らは、テレビカメラがうるさい、目障りだと文句を付け、カメラマンたちも、何もいわず後ろへ下がっているのだ。  特別調査委員会の座長伊藤滋・早大特命教授の横柄な態度に、何様のつもりだと反発したくなった。武蔵川理事長の、今回の問題も、自分の監督責任にあることを認識しないで、記者やカメラマンに八つ当たりする「無責任」さに、どうして記者たちは反論しないのだろう。  これは、先の工藤氏が言うように、相撲記者クラブ所属の記者たちの多くは、野球賭博だけではないバクチの横行と暴力団との「黒い交際」を、以前から知っていたに違いないから、自分たちに火の粉が降りかかってこないよう、黙りを決め込んでいるのではないかと、私は推測する。  昔から、「裸芸者」と言われるように、相撲取りたちは、タニマチといわれる旦那たちに呼ばれると、どこへでも出かけて行き、ごっつあんですと鯨飲馬食、帰りには車代をもらって帰るのがしきたりになっている。財界人や作家、文化人も、贔屓の関取を呼んで、散財したが、タニマチのなかには、当然のことながら、暴力団の親分や幹部たちもいた。いや、そのほうが多かったのではないか。  そうした席に、記者クラブの人間が同席したことはないのか。親しい相撲取りたちと、高額な麻雀や花札賭博をやったり、そうした場面を目撃した記者は皆無なのだろうか。  「ポスト」で、上杉隆氏が、官房機密費をもらった新聞記者や政治評論家を追及しているが、ほとんど名乗りでない。今週は、元NHK政治部官邸キャップが実名告白しているが、1960年代の話であり、自分はもらわなかったと言っている。もらったという証言はまだ一人もないが、私が知っている田中番(田中角栄総理・当時)の各社の大物記者たちは、取材に来ている私に、角さんからもらったとうれしそうに、万年筆やネクタイを見せて自慢していた。さすがに現金を見せびらかすことはなかったが、カネを渡されて、拒んだ人はそう多くはないだろう。  「毒まんじゅう」を一緒に食わない人間は、仲間とは見なされないからだ。  これは、そのまま相撲界にも当てはまるのではないか。大新聞やスポーツ新聞が、今更知って驚いたような顔をして紙面を作っているが、腹の中では、そんなこと知っていたが、書かなかっただけだと思っているのではないか。  ヤクザの世界のことなら、「アサヒ芸能」を読むのがいちばんだ。先週から、ヤクザと大相撲の「密接な関係」を連載しているが、今週は、タニマチのヤクザの親分が、力士たちをSEX漬けにする現場報告である。  コンパニオンをあてがわれたり、ソープランドを2軒貸しきって、好きなだけヤッてこいといわれた力士たち。  力士を喜ばせるためには「お米」(祝儀)と「女」と「メシ」があればいいと言われるが、「お米」の桁がヤクザは違うと、元力士のY氏がこういう。 「ご祝儀なんて、通常は幕下力士には数万円がいいところを、ヤクザは何十万円という金を財布から取り出して、そのまま『遊んで来い』なんて調子ですからね。実際には、こうしたヤクザが裏から角界を支えているのが現状なんです」  また、ある関東の博徒組織の幹部は、相撲はもともとヤクザとの縁が深かったのだと、こう話す。 「今の相撲の興行というのは、江戸時代に確立されたんだが、もともと力士はカタギじゃなかったんだよ。つまり、俺たちと同じだった。ヤクザを角界から追放せよとか言っている人たちは、そういう歴史を知っているのか」  ベテラン相撲ライターがこう明かす。 「かつて東京には相撲取り上がりのヤクザが徒党を組んでいたといいます。特定の代紋はなく、大組織の先兵として働いていた。組織のヤクザにとっては、何が起きても代紋を汚さなくて済む。体のいい"防波堤"になってくれるから、便利屋として使っていたようです」  このようにヤクザと相撲界とのつながりは、根深い歴史を持つ。そうした中から、八百長も、賭博も、大麻も出てくるのだろう。武蔵川理事長と特別調査委員会の、蜥蜴のしっぽ切りのような大甘な処分では、この問題の根っこにある病巣を取り除くことはできない。ましてや、それを追及する立場のメディアまでが、そうしたことを知りながら、見て見ぬふりをしているようでは、なおさらのことだ。相撲界浄化は、これからが本番である。  菅直人総理大臣の「消費税! 0%アップ」発言で、楽勝ムードだった参議院選がにわかに混戦模様になってきた。これだけ景気が低迷していて、何の有効な対策も打てず、無駄な役人や政治家の削減もできずにいるのに、この上、財源がないから国民にいっそうの負担を押しつけようというのだから、ほとんどの週刊誌が、挙って「空き缶よ、値上げ反対」しているのは当然だ。  中でもポストの怒り方が真っ当で、的を射ているから、今週の第1位に推す。  菅総理は、官僚の言いなりだとして、「財政危機」「日本がギリシャになる」「子孫に借金を残す」は大嘘だと厳しく批判する。 「財務省が煽る財政危機論にはトリックがある。900兆円近い借金の金額だけを宣伝し、日本政府が社会補償基金や特別会計の内外投融資など505兆円の金融資産を持っていることが議論から抜けている」(日本金融財政研究所所長の菊池英博氏)。差し引きで計算すると、日本の国家の純債務は367兆円くらいで、他の先進国と変わらないという。  相澤幸悦埼玉大学経済学部教授は、日本とギリシャを同等に語る政治や行政の見識を疑うとして、こういっている。 「日本はギリシャと違って独自通貨を持つから、財政危機に陥ればまず市場で株や債券が売られ、円安になる。そうなれば輸出産業が活気づくという調整機能が働く。(中略)日本は国債のほとんどを国内で消化し、逆に外国に金を貸している。日本の対外純債権は260兆円もある」  大マスコミまでが書きたてる財政破綻プロパガンダを、悪戯に危機感を煽り立てているのだと退ける。子や孫の世代が苦しむというのも違うというのだ。 「日本には政府資産とは別に、国民が持つ預貯金などの金融資産が約1450兆円ある。その75%は50歳以上が保有している。日本が高度経済成長で世界第2位の経済大国になった冨の蓄積といってもいい。世代別のバランスシートで見ると、親の世代は、作った国の借金より多くの資産を子や孫の世代に残すことになるのである」  かつて橋本内閣は、財政再建を旗印にして、97年に消費税を3%から5%に引き上げ、深刻なデフレに陥った。  今、実感する不景気感は、それ以上に深刻である。消費税を上げて社会保障費に充てるというが、年金や医療、介護などの制度をどう改革するのか、案さえ示していないのだ。  なんだか分からない「財政再建」という言葉が一人歩きし、党内論議もまだしていない消費税値上げをされてたまるか。サッカーWCに浮かれている間に、そっと自分たちの財源になる消費税値上げを忍び込ませる。官僚たちの常套手段に騙されてはいけない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「週刊ポスト」7月2日号 中吊り広告より
●第49回(6月15日~6月21日発売号より) 第1位 「世界一美しいニッポンのおっぱい」(「週刊ポスト」7月2日号) 第2位 「本当は笑えない『お笑い芸人』ランキング」(「週刊文春」6月24日号) 第3位 「スクープ!小沢健二『アメリカ人美女と極秘結婚』ラブラブ買い物姿」「フライデー」(7月2日号)  先週から、サッカーWCと全米オープンゴルフ中継で寝不足だ。WCは、日本戦でなくても、観始めると結着するまで眠れない。日曜夜の「イタリア対ニュージーランド戦」も最後まで観てしまった。  寝不足のせいもあるし、小難しい政治や経済の話は、どこも大同小異だからというのもあるが、読み進める気がしない。そこで今週は、軟派ものの佳作に焦点を当ててみた。  第3位は、東京大学文学部を卒業し、世界的な指揮者・小澤征爾を叔父にもつ超サラブレッド、小沢健二のおめでた話。  かつて"シブヤ系の王子様"といわれたオザケンも、42歳の立派なアラフォーになった。理由は知らないが、98年にシングル「春にして君を想う」をリリースして以来、13年の間、沈黙していたが、この5月からコンサートツアーを開始した。  人気にはまったくの翳りはなく、チケットは即日完売したという。その人気中年男に、一緒に暮らすアメリカ人の女性がいるという。顔は写っていないが、スレンダーな超美女風である。  買い物をしたり、接吻(古いね!)しているような抱擁ありで、二人の仲の良さが伝わってくるいい写真である。 「彼女は米国出身の写真家で映像作家の、エリザベス・コールという女性です。歳は小沢より5つか6つ下です。小沢とはアメリカで知り合い、交際する前にも一緒に南米や東南アジアを旅したこともあるようです」(音楽関係者)  二人は昨年暮れに入籍している。アラフォーの星・オザケンの人生の春を素直に喜べる、「フライデー」にしては珍しい温かい(当人たちはほっといてくれというだろうが)記事だ。  2位は、世の中になぜこんなお粗末なお笑い芸人が溢れているのかと、日頃お嘆きの諸兄にぜひ読んでもらいたい「文春」の記事。  どこかで読んだ記憶があるが、今の若者たちは現実から逃避したいがために笑いたがっているから、そこを少しくすぐってやれば、稚拙なギャグでも、バカの一つ覚えのようなアクションを繰り返す芸人でも、笑うのだそうだ。  この程度の聞き手に、この程度の芸人。したがって、今の芸人は、すぐに飽きられて使い捨てされるから、かつてのような話芸を持った芸人が育たないのだ。消耗品たるお笑い芸人たちを、自称お笑い好きの全国2,000人の男女に、採点してもらったという。  笑えない芸人ランキングの堂々第1位に輝いたのは、はんにゃ。その理由は、「小学生でも笑わないようなコントをずーっとテレビでやっている」から。  第2位は小島よしお。その理由は、「いつまでも海パン一丁なのが見ていて痛々しく不憫です」。芸人が同情されるようになってはお終いである。  第3位が狩野英孝。「実家の神社の後をついで、親を安心させてあげた方がいい」。要は、芸がないということ。第4位はオードリーで、第5位には島田紳助が入っている。テレビ鑑定家の宝泉薫氏は、紳助についてこうバッサリ斬る。「存在そのものが鼻持ちならないという、小沢一郎的な嫌われ方をしています」  注目は15位に、爆笑問題が入っていることだ。今や太田光は、お笑いタレントではなく文化人のように振るまい、ビートたけしのように尊大だと、私は思っている。しかし、まだ若いのだから、文化人としてより、お笑いの芸を磨くことに専念すべきだと思う。安易に、未熟なお笑いタレントを排出する吉本興業のやり方や、それをありがたがって、無批判に出し続けるテレビ局側のお手軽な番組作りの問題を、週刊誌はもっと批判していい。  「ポスト」はなぜか先々週号は合併号だった。聞いてみると、サッカーWCの時は、出しても売れないからだという、消極的な判断からだったようだが、編集長も飯田昌宏氏に代わり、今号は満を持して(?)リニューアルしてきた。  まず目を見張るのは、表紙の一番上にあるタイトルと写真だ。「特別付録 ご開帳! 観音開き 袋とじ 360°全方位ヘアヌード いちばん凄い 小向美奈子」とある。両側に小向のあえいでいる写真。ここで注目は「ヘアヌード」の文字だ。数年前、「ポスト」は今後ヘアヌードを載せないと朝日新聞に発表され、事実それからは、誌面から消えていた「ヘアヌード」の文字。  消費税を4年間上げないと宣言した鳩山内閣の公約を、菅新内閣で、消費税は上げる、しかもその率は10%と、翻したのと同じような、「ポスト」の大転換宣言だ。  それだけ売上げ減が深刻なのだ。背に腹はかえられないと、なりふり構わず、「現代」路線に参入してきた。もともと「ポスト」は、「現代」の編集長やスタッフを引き抜いて創刊した雑誌なので、物真似上手で、事実、長年部数で、「現代」は「ポスト」の後塵を拝していたのだ。  今号では、「現代」も同じ小向を袋とじでやっているが、写真は断然「ポスト」のほうがいい。ヘアもバッチリ拝めるし、写真の迫力も数段上である。再び、「現代・ポスト」の軟派路線対決が始まるようだが、願わくば、昔のいいとこ取りをするのではなく、今の時代の「軟派記事」とはどのようなものかを、両誌が切磋琢磨して、われわれ読者に見せてもらいたいものだ。そうすれば、再び、月曜日発売の週刊誌の時代が来るかもしれない。期待しよう。  さて、第1位は、「ポスト」の「世界一美しいニッポンのおっぱい」に捧げたい。これは「W杯応援連動企画」とあるが? ま、そんなことはどうでもいいか。  写真家の伴田良輔氏は、これまでさまざまな300人超の女性のおっぱいを撮影してきたが、大和撫子のおっぱいの美しさは、世界一だと力強く宣言する。  おっぱいは、「ぶどう型」「ささやき型」「いちじく型」「鏡餅型」「自立型」「ビーナス型」「夏みかん型」に分類されるという。  ささやき型とは? 「いわゆる微乳タイプです。ラインが実に繊細でキレイ。乳首も自己主張していない。小鳥がささやくようなイメージです」(伴田氏)  自立型って? 「乳房も乳首も上向きです。特に乳首が大きめで、自己主張が強い。自立した女性に多いようです」(伴田氏)  こうした高品質のおっぱいを育んだのは、ワコールのような優秀なブラジャーメーカーの創意工夫が大きいとしている。そして、大きいおっぱいを是としてきた欧米人が、日本女性のおっぱいの魅力に最近、気がつき始めているというのだ。 「JAPPAI(ジャッパイ。"ジャパニーズおっぱい"の略)は世界ブランドになりつつあります。おっぱいW杯が開催されれば、日本は優勝間違いありません」(伴田氏)  こうまでしてWCにかこつける必要はないと思うが、バカバカしくておもしろい、週刊誌らしい記事である。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「週刊文春」6月17日号 中吊りより
●第48回(6月9日~6月14日発売号より) 第1位 「徹底研究 小泉進次郎『家族とオンナ』」(「週刊文春」6月17日号) 第2位 「薄情の人『菅直人新総理』の研究」(「週刊新潮」6月17日号) 第3位 「菅直人首相も知らない小沢一郎の肉声」(「週刊朝日」6月25日号)  政局以外の記事が読みたい。どの週刊誌を見ても、「小沢支配は終わった」「否、これから復讐が始まる」だの、できたばかりの菅直人内閣に対する批判記事のオンパレード。それが週刊誌の生きる道ではあるが、もっと他のこともじっくり取材してもらいたいと思うのは、私だけではないはずだ。  そこで、「AERA」の「伸びる企業 縮む企業」という大特集を読んでみた。トップアナリスト16人に聞いたという、20業種100社の5年後を分析したというのだが、最初の「出版」を読んで、失礼だが、雑誌を閉じてしまった。ここで、縮む会社に「光文社」と「小学館」が挙がっているのは仕方ないにしても、「小学館」より業績が不振だと思われる「講談社」や、ブランド付録商法で売上げを伸ばしている「宝島社」が伸びる会社とされているのは、どのような分析からなのだろう、合点がいかない。「マガジンハウス」という出版社が、ユニークなコンセプトで新雑誌を続々創刊して、業界の話題を一手にさらっていた時代があった。しかし、「マガジンハウスの雑誌は、あまりにも広告に依存する作り方だった」(「マガジンハウス」でいくつかの雑誌の編集長を務めた石川次郎氏)ため、バブルが弾け、広告が減ると、出版社として地盤沈下してしまった。  いまの「宝島社」の雑誌の作り方は、一時的な売上げは上がるだろうが、継続できるものではないはずだ。それが証拠に、他の出版社でこの商法に追随するところは少ない。 次の「新聞・放送」でも、縮むのは「毎日新聞」と「産経新聞」で、伸びるのは「NHK」「朝日新聞」「読売新聞」「日経新聞」では、アナリストに聞く必要などないのではないか。目先を変えたい努力は買うが、ややお手軽すぎる作りでは、賞をあげるわけにはいかない。  ということで、今週もズラリ政局ものが並んでしまった。3位の記事は、小沢一郎氏に詳しいという政治記者・渡辺乾介氏が、幹事長辞任の経緯を、小沢氏の肉声として伝えている。 どう控えめに見ても、「小沢ベッタリ」で、小沢の代弁をしているとしか思えないが、眉につばを付けて読めば、小沢の本音らしきものが透けて見えてくる。  鳩山首相が小沢と抱き合い心中した、との「風評」に対しては、当然ながら「ノー」である。真相は、社民党の連立離脱がどのような影響をもたらすかを理解しない鳩山に、小沢が見限って、輿石参議院議員を含めた2度目の三者会談で、小沢が「3人一緒ですよ」と引導を渡したのだそうだ。  小沢が岩手県連に寄せたビデオメッセージで「自分自身、先頭に立ってがんばってまいりたい」と述べたことで、9月にある代表選に小沢が意欲を見せたとの見方があるが、との問いには、「あのメッセージの真意は、『この政権は長くありません』ということにある」と、菅首相が聞いたらドキッとすることを言っている。  なぜなら、これまで小沢が選挙で訴えてきたのは、消費税を封印して、まずは国民生活を元気にすることだ。「財政再建は必要だけれども、それを増税で、という党内合意もまだない。このままでは公約違反になってしまいます。『反小沢』とか『非小沢』とされる人たちが、増税・財政再建路線を、政権を奪うための口実にしているのではないか」と小沢は考えており、「この借りは必ず返す」と思っているというのだ。  菅が、「(小沢さんには)しばらく静かにしていただいたほうがいい」と発言したことに、「余計な一言でしたね。あれは小沢の逆鱗に触れたはずです」と、小沢の代理人の如く怒り、最後に、「問題は参院選後に小沢がどのような政策を唱えるかにかかっている。それ次第で菅内閣と民主党は音を立ててきしみ、大海に浮かぶ小舟のように揺れる可能性があります」と不気味な予言をする。  「現代」は小沢時代は終焉したといい切るが、果たしてどちらが正しいのか。じっくり読み比べてもらいたい。  菅新首相に関する記事も溢れているが、「新潮」の記事が「いやらしさ」という点では抜きん出ている。  菅首相をひと言で「薄情の人」と言い表したのはよい。さきがけ時代の同僚、武村正義元官房長官にこう言わせている。 「彼は少し信望に欠けている面がある。包容力と言い換えてもいいかもしれないが、理詰めで迫りすぎるところがあって、人間的な温かみが足りないように感じられてしまう。あまりに情よりも理に走りすぎる傾向があるので、"もっと両方のバランスを大事にしたらどうか"とアドバイスをしたこともあるんですが......」  「新潮」らしさはこの後に発揮される。菅首相のアキレス腱は、権力奪取に全力を注ぎ込んだために精も根も尽き果て、早くも老化現象が出ているというのだ。  それは、会議中のひどい居眠りにも表れている。また、「目下"意識の混濁"も激しい」というのだ。「最近の彼の口癖は"あれ、またこんがらがっちゃった"。喋っているうちに、自分でも何について話していたのか忘れてしまうんです」(民主党関係者)  菅首相が掲げる「最小不幸社会」や「奇兵隊内閣」、経済を成長させるための増税というのも、分かりにくいキャッチフレーズである。それが「新潮」の言うように、一時的な「意識の混濁」から出たものでないことを祈りたいものだ。  さて今週のグランプリは、人材不足という側面があるのだろうが、自民党の新人・小泉進次郎株が急成長である。言わずとしれた小泉元総理の次男で、ルックスもオヤジを凌ぐ格好良さだが、国会で放つ舌鋒の鋭さも、なかなかのものなのである。  「現代」も、「はきだめにツル 小泉進次郎、なかなかやるわい」と好意的なのだ。文春は、子どもの頃のエピソードを紹介しながら、コロンビア大学大学院に留学し、その頃から、「政治家になる意思がなければコロンビアには来ていません」と言っていたと、天川由記子東京福祉大学教授が話している。  それに彼は、周囲に対して、「うちは麻生さんの家と違い副業がない。政治家がいなければ(小泉家は)倒産するんです」と漏らしていたというのだ。  国会ではすでに「進次郎ガールズ」といわれる女性ファンが、傍聴席から黄色い声援を送っている。文春らしく、そこから彼の女性問題に踏み込んでいく。一人は、高校時代、野球部の女性マネジャー。大学時代はもちろん、アメリカ時代、英語が急激に上達した背景にはガールフレンドがいるのではと囁かれたそうだ。  だが、本命は、小泉事務所で私設秘書をしていた頃、当時、横須賀でバーを経営していた一歳年上の女性Aさんだったという。 「Aさんは『進ちゃんとは一緒に住んでいて、よくご飯を作ってあげているの』とか、『進ちゃんは地震が怖くて、寝るときにいつもヘルメットを枕元に置いているの』などと話していました。告白したのは進次郎君から。バーでは彼のヒザの上にAちゃんが座ったりして、仲むつまじい様子でした」(二人の知人)  この二人、進ちゃんが当選後は、噂も聞こえなくなってきたという。巷ではよくある話だが、今や史上最年少総理待望論まで出ている若者だけに、この女性との交際がどうなっているのか、気になるところではある。フライデーの張り込み班! 期待してるよ。  (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「週刊ポスト」6月18・25日号 中吊り
●第47回(6月2日~6月8日発売号より) 第1位 「新闇将軍小沢一郎次なる『謀略9策』」(「週刊ポスト」6月18・25日号) 第2位 「小沢一郎『13億円略奪!』」(「週刊文春」6月10日号) 第3位 「綾瀬はるか『大沢たかおの自宅へ超厳戒通い愛』」(「フライデー」6月18日号)  今週の第3位は、私でも知っている『おっぱいバレー』の綾瀬はるかちゃん(25)の密会激写。「フライデー」によれば、これまで結婚したい有名人女性ランキング1位に輝くなど、絶大な人気がある彼女だが、スキャンダル処女だったそうな。  その彼女を独り占めする男は、181cmの長身、甘いマスクで人気の俳優・大沢たかお(42)なのだ。年の差17歳。大澤はバツイチである。  5月中旬のある夜、大沢たかおが帰宅すると、その5分後、はるかの事務所のワゴン車が同じマンションに滑り込んでくる。マンション裏口の手前で停車すると、はるかが慣れた様子で裏口へ駆け込んでいく。その数分後、大沢事務所のスタッフが現れ、周囲のパトロールをする。  その翌日、さらにその3日後と、綾瀬はるかがマンションに通ってくるのを、「フライデー」はウォッチしている。  そのまた2日後。この夜は、大沢自らが見回りに現れ、近辺を事務所のスタッフと一緒にパトロールし始め、ついにフライデー取材班は大沢に見つかってしまうのだ。大沢は窓を叩きながら、テレビや映画で見る温厚さとは違う怒声を浴びせる。ま、仕方ないとは思うがね。  こうした厳戒態勢にもかかわらず、二人は頻繁に逢瀬を重ねているのだから、相当熱愛中と見て間違いなかろう。  このビッグカップルが晴れてゴールインなるのか、いらぬ心配だけど、気になるね。  第2位は、これが事前に出ることを知ったために、小沢一郎幹事長は辞任を決意したのではないかと業界で話題になっている、ジャーナリストの松田賢弥と「文春」取材班のスクープ。  以前から噂されていたことだが、自民党最大派閥の経世会の金庫から13億円というとてつもないカネを持ち出し、小沢一郎氏の世田谷の私邸に運んだと、当時の小沢の秘書・高橋嘉信氏が、初めて告白したのだ。  1992年、金丸信自民党副総裁(当時)が、佐川急便から5億円ものヤミ献金をもらっていた問題で、副総裁辞任を表明し、後に、経世会会長も退く。  当時、金丸氏の寵愛を受けていた小沢氏は、会長の座を得ようとするが、反小沢グループの故・小渕恵三氏が新会長に選出される。それを不服とした小沢氏たちは、92年10月に羽田孜氏を代表とする「改革フォーラム21」を結成し、対立は深まっていく。  11月初旬、議員会館にいた高橋氏に、小沢氏から「いつでも出られるようにスタンバイしておけ」という電話がかかってくる。そして、当時の小沢氏の金庫番・八尋護氏から電話があり、経世会の事務所からカネが詰まった袋を運び出し、小沢邸に運ぶよう命じられたのだ。  高橋氏が小沢邸に着くと、小沢の妻・和子さんが待っていて、「書斎に運んで」といわれ、書斎に上がり袋を並べた。もちろん、このカネが、小沢氏の政治団体の収支報告書に計上された形跡はない。そして、94年から、小沢氏は陸山会の政治資金で、計10億円に上る不動産購入を始めるのだ。「文春」は、この経世会から持ってきたカネをロンダリングするために、不動産購入したのではないかと推測する。  いまや闇将軍とまで称される小沢氏にとって、最大のアキレス腱はカネの問題である。鳩山由紀夫首相が辞任を決意し、小沢氏にも辞任することを迫ったと言われているが、あれほど参議院選挙で陣頭指揮を執ることにこだわった小沢氏が、意外にスンナリそれを呑んだのは、この記事が出ることを知って、ここは一度引いたほうがいいと考えたのではないか。そう推測する永田町関係者が多いことは事実である。  ところで、菅直人新総理になって、支持率が20%台後半になり「V字回復」などともて囃す向きもあるが、本当にそうだろうか。  多くの週刊誌が、菅新体制になって、参議院選挙がどうなるかを予測しているが、民主党有利と読むのは意外に少ない。  「朝日」の野上忠興氏は、民主党54、自民党39と、自民党に厳しいが、同じ「朝日」で森田実氏は、民主党34、自民党53と読む。「毎日」は「民主党40議席割れで30日天下、政界再編」とし、「AERA」は「菅首相でも民38、自54」と、自民優勢なのだ。根拠は、無党派層に自民党支持が多いことや、社民党の連立政権離脱が深刻だという見方が多いようだ。  突然とも思える鳩山氏の辞任は、さまざまな憶測を呼んでいる。鳩山氏が、最後の勇気を振り絞って小沢氏を辞任に追い込んだという見方と、そうではなく、これは小沢氏が仕掛けた策略で、まだまだこの次があり、小沢支配は終わらないとする2つの見方がある。  「AERA」は「『小沢支配』は終わらない」とし、菅氏の記者会見での発言「小沢幹事長は、ある意味では国民の皆さんにとっての、ある種の不信を招いた。少なくともしばらくは静かにしていただいた方が、ご本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいのではないか、と考えています」に注目する。「『国民の不信を招いた』の前に『ある意味』との言葉をかぶせ、謹慎期間についても『しばらく』とあいまいにした。鳩山氏は首相の地位をなげうって小沢氏と『無理心中』したはずだったのに、小沢氏は1人生き残り、民主党はなお、小沢氏の呪縛から逃れられずにいる」とする。  「ポスト」は、巻頭で上杉隆氏の署名で、小沢氏は鳩山氏を道連れにした、これは小沢氏の戦略だと読む。「鳩山氏と小沢氏が一緒に辞めれば、『政治とカネ』で民主党を批判することはできない。また、どの政権でも、首相が交代すれば御祝儀相場で支持率は上がるのが常だ。目の前の参議院選に勝つという目標のためには、これに勝る手段はない」  また、「小沢一郎の次なる『謀略9策』」でも、今回の辞任劇を仕掛けたのは小沢自らの政治戦略だ、今年3月始めには、小沢氏は党幹部にこう漏らしていたとする。「このまま参院選を戦うのは難しいだろう。おそらく鳩山を代えなければならない局面がやってくる。そのときは全部、オレがかぶるしかない」。  さらに、鳩山氏が小沢氏の怒りを買ったのは、5月4日に沖縄を訪れて「学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携して抑止力を維持していることが分かった」と発言したことだという。   海兵隊は、極東有事の際、他国にいる米国人を救出することを任務にしているので、日本の国土防衛のために駐留しているわけではない。  現行案に戻すために、小泉政権と同じごまかしの論法を使ったことが、許せなかったというのだ。そして「参院選が終わり次第、鳩山内閣を潰した張本人である官僚と米国追従のウイルスに汚染された大臣たちの"殺処分"が本格化する」と、小沢氏の反撃が始まるというのだ。  「現代」はこれとは逆に、両議員総会で鳩山が何をしゃべるかを小沢は知らなかったと書く。辞意表明と同時に、小沢にも幹事長を辞してもらいたいと呼びかけ、幹事長職を守ろうとした小沢氏の逃げ道を完全に断った、鳩山戦略が功を奏したというのだ。  細川政権も、小沢に振り回されたあげくに自壊した。今度は鳩山氏の叛乱で、政権を手放すことになった。小沢的政治手法には大きな欠陥があったと断じる。  さて、どちらの見方が正しいのだろうか。私には判断を下す何物もないが、鳩山氏の辞任表明後の、小沢氏との握手。菅候補への対立候補を立てるべく、何人かに声をかけたという話があるが、本気で動いたとは思われない点。菅新総理では、参院選に勝つのは難しいと判断している節がある。などなどを考えると、参院選後に、小沢氏は何事かを仕掛けるのではないかと読む、「ポスト」に、今回は軍配を上げたい。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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突然辞任した杉並区"名物区長"にまつわるカネとオンナの狂想曲 忘れてはいけない悲劇「水俣病」その50年目の笑顔が語りかけること 「政治評論家への"つかみ金"の行方」野中発言を「週刊ポスト」は追及できるか

突然辞任した杉並区”名物区長”にまつわるカネとオンナの狂想曲

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「週刊朝日」6月11日号より
●第46回(5月26日~6月1日発売号より) 第1位 「ウソつき山田宏日本創新党党首の隠しマンションに『女と子ども』」(「週刊朝日」6月11日号) 第2位 「大特集 食べてはいけない」(「週刊現代」6月12日号) 第3位 「30代独身男性520人調査 彼女にいえないSEXの不満、何ですか?」(「AERA」6月7日号)  ダービーも見応えのあるレースになった。私は、ヴィクトワールピサとローズキングダムの2頭からの馬単を6点ずつ買っていたから、なおのこと力が入った。エイシンフラッシュに首差届かなかったが、ローズキングダムは、二歳のころの力を取り戻してきている。夏を休養して馬体が増えてくれば、秋は楽しみだ。  「現代」のSEX特集に刺激されてか、「AERA」までが大々的な特集を組んできた。だが、こちらは熟年男向けではなく、女性読者が多い雑誌だけに、30代男性のSEX感調査。  驚くのは、これまでの体験人数はと聞かれ、0と答えたのが9.5%、約1割もいるのだ。セックスとマスターベーションのどちらが快感かという質問には、「セックス」33.1%、「マスターベーション」が11.8%。「時と状況による」(この意味がよく分からないが)、「相手による」の二つを合わせると46%になる。  20代と比較して、「持続力がなくなった」が26.7%、「機能の低下を感じる」が26.3%、「あまり性欲を感じない」が24.6%もいるのだ。  これまでの相手で失望したことはという問いに、「口臭・体臭」が29%、「受け身である」が27.5%、「体形」が24.8%。風俗関係の店で性欲を処理する頻度では、「まったくない」と「ほぼない」を合わせると71.6%になる。  有名人でセクシーと感じる人は、1位優木まおみ、以下、藤原紀香、米倉涼子、井川遥、滝川クリステルと続いている。  この調査の面白いのは、草食VS.非草食、転職VS.非転職などにも分けて質問していることだろう。これを読むと、風俗店に未来はないし、少子化問題も解決しそうもないな。  2位の「現代」の企画は目新しいものではないし、中身も同様だが、どこそこの牛丼が250円だとか、コンビニ弁当が200円台で買えるという、安さばかりが喧伝されるなか、こうした食に関する警鐘記事は、どんどんやったほうがいいと思う。  回転寿司は、鯛はアフリカ産ティラピア、アワビはロコ貝とニセモノだらけで、添加物は当たり前。特に注意が必要なのは「ガリ」で、着色料や保存料が入っているので、控えめにしたほうがいいという。  しかし最近は、無添加を謳う回転寿司もあるそうで、愛媛県内に4店舗を構える「すし水軍」は、値段はやや高めながら、安心して食べられる店だそうだ。  大手スーパーなども売り出している激安弁当は、油分と塩分のかたまりで、カロリー表示も当てにならない。その上、またしても中国製品だが、中国からの調理済み冷凍食品には、「地溝油」という、食堂の下水道に溜まった廃油や残飯から精製された劣悪な食用油が使われている可能性があるそうだ。中国では、最近になって国営ラジオ放送がこの事実を報道し、その量は年間200万トン~300万トンにもなる。これは、中国で10軒外食すれば、1軒はこの油を使っているという計算になるそうだ。おー怖!  安くて、おいしくて、体によいなどという都合のよい食べ物などないのだ。身も蓋もない言い方をしてしまえば、どんな食べ物も体にはよくないそうだから、食べないのが一番だそうだが、それでは生きていかれないから、少しでも安全で安価なものを見つけて食べるしかない。そうした食へのこだわりが、これからますます大事になる。  第1位は、私が住んでいる中野区の隣にある杉並区の区長を長年務め、名区長として誉れの高い山田宏(52)氏のスキャンダルである。  5月25日に、山田氏は突然記者会見を開き、5月末で区長を辞任して参院選に出馬することを表明したが、この辞任劇は、「朝日」の追及の手が迫っていることと関係があったようなのだ。  山田氏の自宅は杉並区内にあり、そこには奥さんと3人の子どもがいるのだが、彼はほとんどそこへは帰らず、目黒区内のマンションに「帰宅」する。そのマンションには、女性と小さな子どもがいる。  「朝日」によれば、その子はその女性との間にできた子どもだという。  5月5日の子どもの日の夜には、その部屋から、幼い子どもの笑い声と、男女の弾けるような笑い声が聞こえてきたという。  この女性A子さんも、山田氏も、「朝日」の取材に対して、知らぬ存ぜぬを繰り返すのだが、執拗に取材を続けているとき、山田氏は、突然、区長を辞任してしまうのだ。  問題なのは、「山田氏の後援会の政治資金収支報告書には、Aさんの家族名で『宣伝事業費』として政治資金が支払われていたことが記載されている」ことだ。  11年間にもわたり杉並区長を務め、今度は、国政改革を訴えて「日本創新党」を旗揚げし、党首になった人物の、致命的とも言えるスキャンダルに、山田氏はどう説明責任を果たすのか。まずそこから始めなくては、国政を変え、国を創ることなどできはしないはずだ。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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忘れてはいけない悲劇「水俣病」その50年目の笑顔が語りかけること 「政治評論家への"つかみ金"の行方」野中発言を「週刊ポスト」は追及できるか 「ナイフの刃先を向けられた」片山さつきが激白! 元夫・舛添氏の"愛人"と"暴力"

忘れてはいけない悲劇「水俣病」その50年目の笑顔が語りかけること

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「週刊朝日」6月4日号
●第45回(5月19日~5月25日発売号より) 第1位 「桑原史成が撮った 水俣の50年」(「週刊朝日」6月4日号) 第2位 「女が嫌いな『鳩山総理』」(「週刊文春」5月27日号) 第3位 「『大関琴光喜』が『口止め料1億円』と脅された!」(「週刊新潮」5月27日号)  いやー、感動した。もちろん、鳩山由紀夫首相が沖縄で謝罪したことではない。「オークス」で、G1史上初の同着1位の瞬間だ。  1番人気のアパパネが直線中程で、先に仕掛けた5番人気のサンテミリオンに並びかけ、抜き去ったと思ったところ、サンテミリオンが二の足を使って差しかえし、鼻面を揃えてゴールに飛び込んだ。  斜め後ろから見ていると、ややサンテミリオンが優勢に思えた。騎乗している横山典は全身で喜びを表し、アパパネの蛯名はややうなだれていた。  10分を超える長い写真判定。私は、馬単で両馬から買っていたから、特にそうだったのだが、できるのなら同着にしてやれよ、そう思っていた。それほど素晴らしいレースだった。  二人の騎手が、お立ち台で抱き合うシーンも感動的だった。女子ゴルフで、約2年ぶりに優勝した不動裕理が、通算47勝目とは思えないぐらいはにかんでインタビューに答えている姿も、印象的だった。  それに比べると、大相撲は一強総弱時代で見るべきものはなく、話題になったのは「新潮」の記事ぐらいだった。記事によれば、大関琴光喜は、5年以上前から野球賭博に手を染め、通算の負け金が数千万円に上っているという。それが暴力団関係者に漏れてしまって、口止め料を払えと脅されているのだ。  仲介役は阿武松(おうのまつ)部屋の元力士で、琴光喜が相談を持ちかけた大嶽親方(元関脇貴闘力)も、長年の野球賭博の上客だったというのだ。相撲協会関係者が、こう語る。 「コトは琴光喜1人の問題ではない。相撲界の"野球賭博汚染"。今回のトラブルをきっかけに、その実態が暴かれる可能性があるのです」  さらに、この騒動に登場する人たちは、今年2月の相撲協会理事選挙で、貴乃花親方を推したグループの関係者ばかりだというのだ。  「ポスト」によると、「情報の出所は、貴乃花改革を快く思わない武庫川理事長側近のPではないか。2月の理事選直前に貴乃花親方や大嶽親方の"暴力団同席パーティ"の写真が暴露されたことがあったが、それと同様の構図だ」。だとすると、今度の件だけは、驚くほど迅速に相撲協会が関係者の事情聴取を始めたのも、貴乃花派を追い落とすためなのか。  またまた相撲界の暗部が、この記事をきっかけに明るみに出るのだろうか。それとも、保身を考える連中が、臭いものには蓋をして、知らん顔をするのか。これからに注目である。  話は変わるが、私は、まさかここまでひどいとは思っていなかった。鳩山首相のことである。普天間基地移設問題で、「少なくとも県外」と繰り返していたのに、何もせず、漫然と日を過ごしたあげくが、この様である。沖縄の負担を軽減するために、アメリカ側と、日米同盟、日米安保条約の見直しを含めて、膝詰め談判してみようという意欲さえ見せなかった。早くその座を辞したほうが、彼のためでもある。  「文春」が、一家言もつ女性3人に、鳩山氏を嫌いな理由を語らせているが、これがすこぶる面白い。  佐藤愛子氏は、「そのうち鳩山さんは友愛ということをいい出した。こりゃアカンと私は思いました。友愛が理念だなんてそんな政治は成り立ちますか? 理想主義の学生ですよ、まるで。政治家はアッチもわかり、コッチもわかる。わかってるんだけれども犠牲に目をつむって断行しなければならないという人間性を越えたところで生きなければならない、たいへんな仕事だと思うんです。きれいごとの世界ではないんじゃありませんか?(中略)鳩山さんは学校の先生になればよかったんです。言葉は丁寧だし優しいし、PTAのお母さんたちには大いにウケると思います。でも校長は無理かもね」  曽野綾子氏はこういう。「説明能力、表現能力ともに、鳩山さんは不足なんでしょうね。(中略)たとえば、『コンクリートから人へ』と一言でおっしゃいますが、渇水で苦しんでいる国が今、この瞬間どれほどあることか。西アフリカのペナンという国へ行ったら、泥水で洗濯したり、さらに内陸では牛のおしっこで人が顔を洗っているんです。それほど水不足の国が、世界中にたくさんあります。日本がそうなっていないのは、先人の努力でダムを作り、国家としての備えができたおかげでしょう。それに対して感謝の言葉もなく、すべてを否定するような言い方は無礼ですね」  中野翠氏は、鳩山氏の奇抜なファッションセンスに突っ込んでいる。「鳩山首相の公務でのファッションで有名なのは金色ネクタイだ。占い好きで知られる幸夫人がラッキーカラーとして選んだといわれる。金色のタイなんて店でめったに見たことがない。どこで買っているんだろう。鳩山夫妻は『政界オカルト夫婦』と呼ばれているらしい。これまた一般国民ならどうでもいいが、一国の運命を左右する立場にある人には、ホドホドにしてもらいたい趣味である」  1位は、写真家・桑原史成氏が、穏やかな不知火海をバックに、37人の水俣病の患者や遺族たちを写した、「朝日」のカラーグラビアである。  桑原さんが、初めて水俣を訪れたのは、写真学校を出たばかりの1960年の夏だった。その頃の報道は、水俣病をほとんどローカルニュースとして扱い、原因企業のチッソ(当時は新日本窒素肥料)に抗議する漁民たちに冷淡ですらあった。  差別と偏見が強く、家族が水俣病になったことを隠す人が少なくなかった。桑原氏は、最初はカメラを持たずに訪ね、信頼関係を築いてからシャッターを切ったという。  こうして撮られた幾多の写真が、水俣病を全国に認知させる大きな力となったのだ。  それから50年。今回の集合写真を撮るために、桑原氏は、患者の家を一軒一軒訪ねて、参加を呼びかけた。  われわれ日本人が、決して忘れてはいけないことがいくつかある。そのなかでも、次世代に語り継いでいかなければならない大きな「悲劇」の一つが、水俣病である。うららかな春の日差しの下、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」が流れるなかで撮られた人たちの表情は、思いの外、屈託なく見える。それは、長い間苦しんできてやっとたどり着いた、一瞬の「安寧の時」を切り取っているからかもしれない。多くの人に見てもらいたい写真である。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
水俣病の50年―今それぞれに思うこと 終わらない戦い。 amazon_associate_logo.jpg
「政治評論家への"つかみ金"の行方」野中発言を「週刊ポスト」は追及できるか 「ナイフの刃先を向けられた」片山さつきが激白! 元夫・舛添氏の"愛人"と"暴力" Twitterはバカと暇人の集合痴!? 談志も復活の「週刊誌スクープ大賞」

「政治評論家への”つかみ金”の行方」野中発言を「週刊ポスト」は追及できるか

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「週刊ポスト」5月28日号
●第44回(5月12日~5月18日発売号より) 第1位 「なぜ大新聞・テレビは野中広務氏が暴露した『官房機密費』を追及できないのか」(「週刊ポスト」5月28日号) 第2位 「上海万博『日の丸』を掲揚しない卑屈すぎる『日本館』」(「週刊新潮」5月20日号) 第3位 「お父さんのための『都市伝説』講座」(「週刊現代」5月29日号)  今朝(5月18日)のasahi.comに、「朝日新聞阪神支局襲撃事件をめぐり、週刊新潮に『自分が実行犯だ』とする手記を掲載した島村征憲(まさのり)氏(66)が、北海道富良野市で4月13日に遺体となって見つかっていたことが、道警や親族への取材でわかった。道警は、自殺とみている」という記事があった。  自殺の原因は分からないが、実行犯だとウソをついたために、周囲からも白い目で見られていたに違いない。右翼からの嫌がらせが続いていたのかもしれない。週刊誌の歴史に大きな汚点を残した「誤報事件」は、悲惨な結末を迎えてしまった。  昨年下期の週刊誌発売部数のABC調査が出た。部数ナンバー1は「文春」で、上半期から4万7,349部伸ばして53万4,303部。部数の伸び率では好調が伝えられていた「現代」が、9万7,689部伸ばして32万5,677部と、「ポスト」の29万6,999部を引き離して、第3位に浮上した。  第2位は「新潮」で43万5,916部、第5位が「大衆」で19万7,778部、検察相手に健闘したが、部数は1,826部しか伸びなかった「朝日」が16万8,829部、「アサヒ芸能」は11万8,137部、「AERA」は10万5,403部、「毎日」が7万4,597部。  「現代」はこのところ、快進撃が一段落したと聞いているが、いつまでも高齢者のためのSEX特集では、飽きられるのは当然だろう。次の売り物記事を見つけないと、「新潮」「文春」に追いつくのは難しいと思う。  毎回言っていることだが、週刊誌はいつから、一斉に同じ方向を向く記事ばかりになってしまったのだろうか。どの週刊誌を開いても、普天間基地移設問題で立ち往生している鳩山由紀夫首相への悪口雑言ばかりだ。  週刊誌の持ち味であった、人の行く裏に道ありという精神はどこへ行ってしまったのだろう。「朝日」に至っては、先週「ポスト」でやっていた、「鳩山が握りしめる『普天間県外移設ウルトラC』マル秘計画書を全文公開」と酷似した特集を巻頭にもってきているのは、どういう神経なのだろうか。  今週は、そこから少し離れた話題を取り上げてみた。「現代」の都市伝説は、何気なく読み始めたが、なかなか面白い。例えば、総理大臣になれる名前は、名前の一番最後の母音が、必ず「O(オー)」か「OU(オウ)」の発音で終わっている。橋本龍太郎や鳩山由紀夫首相など、そう言われてみればそうだ。  ワールドカップの優勝国はすでに決まっているというのもある。アルゼンチン→1978+1986=3964、ドイツ→1974+1990=3964、ブラジル→1970+1994=3964、1962+2002=3964で、今年は2010年だから、3964から2010を引くと1954になる。その年のワールドカップ優勝国はドイツだから、ドイツで決まりだというものだ。  さまざまな都市伝説ものは、マニア読者向け雑誌の売り物であるが、暇とご用のない方にはいい読み物である。  2位は、いま開幕中の上海万博の日本館に、日本の国旗が掲揚していないのはけしからんという、「新潮」流の国威発揚記事。  私はそれほどの愛国者ではないから、どちらでもいいとは思うが、自主規制か何か知らないが、日の丸ぐらい立ててもよかろうとは思う。反日感情に配慮してではないかという見方に、評論家の宮崎正弘氏はこういう。 「あの国には反日感情などないということです。一部には反日カルトはいますけど、その数はわずか1万人程度です。もし本当にあったら、中国人がこんなに日本に観光に来ると思いますか。(中略)反日感情は幻想なんです。幻想を鵜呑みにして、刺激しないように、刺激しないようにしているんです。中国に対して日本はノーと言えない、頭が上がらない」  これは、アメリカに対しても言えることだ。先日、NHKBS放送で、土江真樹子さんの作ったドキュメンタリー「沖縄返還と密約」を見たが、佐藤栄作首相は、沖縄返還を焦るあまり、アメリカ側から要求された、莫大な金銭的負担、沖縄の基地使用の固定化、核付き本土並みでない返還条件を、密約も含めて、全部丸呑みしてしまった。  しかし、その当時のアメリカ側の担当者の一人はこういっている。この返還は、アメリカ側にとって100%成功したものだったが、5年か10年すれば、日本側が、これらの条件の変更を求めてくるだろうから、そのとき、再び話し合えばいいと思っていた。だが、これほどまで長く、日本側が何もいってこないとは思わなかったと、驚いていた。  アメリカだって、沖縄返還の時の条件が理不尽なものだったことは、重々承知していたのだ。今回、オバマに代わり、日本も民主党政権に代わったのだから、沖縄の基地問題を含めて、新しい日米同盟関係について、いい機会だから話し合いを始めようといえば、アメリカもイヤとは言えないはずだ。  新聞メディアを含めて、日米同盟は侵してはならない不磨の大典だという書き方ばかりが先行しているが、そうではないはずだ。「文春」で内田樹神戸女学院大学教授がこういっている。 「東アジア全域で米軍が基地縮小に動いている中、日本だけがその流れから取り残されているのは、要するにわが国がアメリカに侮られているからである。『侮られないようになる』ために最初になすべきことは、『私たちは侮られている』という痛苦な現実をまっすぐに見つめることである。そこからしか話は始まらない」  ちなみに、日本館の国旗掲揚問題は、岡田外相が5月14日の衆院安全保障委員会で、「国旗があった方がいい。ぜひそうしてもらいたいと政府からお願いしたい」と述べ、運営主体の日本貿易振興機構に国旗掲揚を要請する考えを示した。「新潮」の記事が岡田外相を動かしたのだ。  今週の第1位は、タイトルこそ仰々しいが、内容はちとがっかりさせる特集だが、その意気を買った。  4月19日にTBSの番組で、野中広務氏が爆弾発言をした。首相官邸がもつ官邸機密費は年間約16億円以上になる。その機密費の中に、歴代内閣から引き継がれるリストをもとに、政権維持に有益と思われるさまざまな人物に「つかみ金」が配られる。そこには国会対策費などとは別に、「(政治)評論をしておられる方々に、盆暮れにお届けするというのは額まで書いてありました。テレビで正義の先頭を切るようなことをいっている人が、こんな金を平気で受け取るのかと思いましたと、言ったのだ。  野中氏は、田原総一郎さんだけは受け取らなかったというだけで、他の名前は明かさなかった。新聞やテレビは、この発言を小さく伝えたが、それ以後、まったく沈黙してしまったのだ。それに怒った「ポスト」は、独自に、上杉隆氏と取材班を組み、「名指しされた言論人を連続直撃!」するのだが、その結果ははかばかしくない。  上杉氏はこう追及する。「記者クラブメディアが、平野博文官房長官の機密費公開に関する『公約違反』を追及しないのも、今回の野中発言の中身を検証しようとしないのも、彼ら自身が、『毒まんじゅう』を食らってきたからではないか」  野中氏はその後、沈黙してしまったから致し方ないが、この追及の手を緩めてはならない。かつて大相撲連続追及をした「ポスト」ならではの、しつこすぎる追及の方法論を甦らせてもらいたいものだ。そうすれば、「現代」に開けられた部数の差を縮め、逆転することも可能になるはずだ。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「ナイフの刃先を向けられた」片山さつきが激白! 元夫・舛添氏の"愛人"と"暴力" Twitterはバカと暇人の集合痴!? 談志も復活の「週刊誌スクープ大賞」 総理大臣を目指すワタミ会長・渡邉美樹の不倫騒動に週刊誌が肉薄!

「ナイフの刃先を向けられた」片山さつきが激白! 元夫・舛添氏の”愛人”と”暴力”

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「週刊新潮」5月6日・13日号
●第43回(4月27日~5月11日発売号より) 第1位 「片山さつきインタビュー〈総理期待度No.1〉舛添要一という男の本性」(「週刊新潮」5月6日・13日号) 第2位 「鳩山が握りしめる『普天間県外移設ウルトラC』マル秘計画書を全文公開」(「週刊ポスト」5月21日号) 第3位 「日大『史上最大の個人情報流失事件』はなぜ起こったか」(同)  第3位の「ポスト」の記事は、パソコンのマウスを押した瞬間、自分のプライバシーが世界中に広がってしまう、その恐ろしさを教えてくれる。  4月25日午前8時57分。日大職員A氏は、使っていたファイル共有ソフト「Share」が暴露ウイルスに感染していたのを知らず、自分のパソコンに保存していた彼女のヌード写真やメール、USBメモリにあった大学の極秘情報を流失させてしまったのだ。  インターネット掲示板2ちゃんねるには、こうした流失情報を報告し合い、手分けして、流失した本人を特定するユーザー探偵団がいて、流失発覚から7時間で、「不倫相手と思しき2人の女性のヌードや局部を写した写真なども見つかり、A氏はもちろん彼の関係者の私生活も丸裸になってしまった」(「ポスト」)のだ。A氏の妻のメールアドレスも見つけられ、不倫の証拠画像と流失の状況を妻宛にメールした者までいたという。  流失データには深刻なこうしたものまであった。 「電車内で女子高生に痴漢をし、現行犯逮捕されたD講師の場合は、起訴状全文が流れてしまった。彼は懲戒処分となり日大を離れて久しいのだが、その名前や経歴を元に検索され、現在はケーキ屋を営んでいることが発覚」(同)  嫌がらせの電話をしたネットユーザーもいたことから、4月30日に、その店を閉店してしまったそうだ。  その他にも、公金横領疑惑などのスキャンダラスな校内情報が多くあった。結局、流失から2日後の4月27日、日大は田中英壽理事長らが会見を開き、頭を下げた。  こうした最悪の事態を避けるためには、ファイル共有ソフトを絶対使わない、絶対見られたくないものはハードディスクには保存せず、外付けのハードディスクに保存する、メールはこまめに削除するなどが必要だというのだが、ITの世界はイタチごっこである。防御しても、それを上回るウイルスが作られ、こうした悲劇は際限なく続くのだろう。iPad発売などで盛り上がっているが、ITのセキュリティーの重大さは、あまり語られることがない。考えさせられる特集である。  第2位も「ポスト」の記事。「現代」に水をあけられ、あせるポストが、ページも増やし、やる気を見せてきた兆候かもしれない。期待しよう。  鳩山由紀夫首相が遅すぎた沖縄訪問をして、地元はもちろんのこと、新聞でもけちょんけちょんに叩かれ、今日の読売は世論調査で、ついに内閣支持率が24%になり、66%が、普天間問題は「公約違反」だとしていると書いている。  「現代」は「かくして鳩山政権は終わった」と大見出し。「朝日」の参議院選挙の当落予想では、森田実氏が「民主党35,自民党50」、野上忠興氏が「民主党47,自民党39」で、ともに過半数割れと読んでいる。  では、普天間移設問題は失敗したといってしまっていいのか? 「ポスト」はそれに異を唱える。鳩山由紀夫首相は、目算もなく、場当たり連発ではなく、計算尽くだというのだ。なぜなら、2010年1月12日に作成された「総理私案」があるというのだ。  この私案はシンプルだが、大胆だ。ポイントは3つ。第1は、海兵隊はその大部分を九州、すなわち県外に移転させる。第2は、普天間飛行場は日本側に完全返還され、自衛隊がこれを管理する。第3は、移転した海兵隊の一部を、ローテーションで常時沖縄に展開させることによって、米軍が求めていた有事の地上部隊との一体運用を可能にする。  移転先の第1案は、07年から戦闘機の日米共同訓練が行われている宮崎県の新田原(にゅうたばる)基地。第2案は、大型滑走路を備えている鹿児島県の鹿屋(かのや)基地だというのだ。  さらに「ポスト」は、これまでの誤解と誤報を生んだ鳩山首相の行動が、計算尽くではなかったかと「推察」する。この私案を作成し、鳩山首相の安保理念の柱である「駐留なき日米安保」の考えをサポートしてきたのは、桜美林大学院客員教授の橋本晃和氏だという。  作業に関わった関係者の一人が、こう語っている。 「総理はこの案で腹を決めている。沖縄県サイドにも説明済みで、宮崎県など関連自治体にも根回しはしている。アメリカ側も同意できるとの感触を掴んでいる。あとは閣内や与党内をまとめられるかどうかだ」  元外務省の佐藤優氏は、鳩山首相は「決断の人」だと評価している。優柔不断だと見せかけているのは、敵(野党・マスメディア)を欺くためのカモフラージュなのか。どちらにしても今月中に「結論」は出さなければならない。  私個人としては、沖縄、徳之島、そしてこの案のような、宮崎、鹿児島が基地誘致反対一色に染まれば、その圧倒的な世論をバックに、鳩山首相はオバマ・アメリカに対して、「国民全体が米軍基地はいらないといっている。もう一度原点に戻って、日米安保について話し合おうではないか」と申し入れることを期待している。その交渉が長引いても、国民は辛抱強く待つはずだ。もちろん、普天間基地周辺住民の安全対策として、一時的な緊急避難を含めて、早急に考えることはいうまでもない。  1位は、ゴールデンウイーク中の合併号が精彩を欠く中で、唯一光を放った「新潮」の記事をあげる。自民党を離れ「新党改革」を立ち上げた桝添要一参議院議員の元妻・片山さつき氏が、夫の過去の悪行と、新党を立ち上げたことへの痛烈な批判をしている。  2人は、片山氏が大蔵官僚で、舛添氏が東大の助教授をしていた1986年に結婚した。だが、2年強で破綻。その後皮肉なことに、2人は自民党議員として再会するのだが、お互い口をきいたこともないようだ。  衝撃的なのは、結婚生活が破綻した理由が、夫のDV(家庭内暴力)にあったということだ。 「(中略)『遅く帰ってきやがって!』突然、彼は怒り始めたんです。仕事で遅くなっても終電やタクシーで、日付が変わる前には帰宅しようと努力していたんですが......。いきなりキーッとなって、理由もなく怒る。(中略)その辺にあるものを、手当たり次第に投げつける。(中略)またある時は、サバイバルナイフなどいくつものナイフを私の目の前にズラーッと並べた。彼はナイフの収集が趣味だったんです。そのうちの一つの刃先を私に向けたことまであります。(中略)結局、結婚から3カ月ほどで、弁護士に離婚を相談しました。すると、弁護士の調査で彼には愛人が、そして彼女が妊娠中であることも分かった。でも既にその時は、不倫の事実を知ってもなにも感じませんでした(中略)彼は私にとにかく『暴力的』でした。弱きに強き人」  舛添氏の女性好きは有名だ。彼は、2人の女性に子どもを産ませたが入籍せず、婚約不履行で訴訟を起こされている。その後、彼は別の女性と再婚するのだ。  片山氏はさらに、舛添新党には、郵政族や郵政民営化に反対した人がいることを批判し、政治家としての言行不一致を詰るのだ。 「彼の『本当の顔』を知らされていなければ。民主主義社会においては、時として『小狂気』の政治家が人気を集めることがあるんです。しかし今回、彼は党首になり、注目度と同時に責任も増した。否応なく、いずれ彼の真の姿が明らかになるはずです」  たとえ2年程度でも、裏の裏まで知り尽くした元カミさんからの追撃の狼煙に、「新党改革」党首・舛添氏はどう答えるのか。注目ですぞ! (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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Twitterはバカと暇人の集合痴!? 談志も復活の「週刊誌スクープ大賞」

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「週刊現代」5月8日・15日号
●第42回(4月21日~4月26日発売号より) 今週のお薦め1 「新連載 立川談志の時事放談 いや、はや、ドーモ」(「週刊現代」5月8日・15日号) お薦め2 「10年後も『絶対生き残っている』会社 前編」(同) お薦め3 「現代の肖像 漫画家井上雄彦」(「AERA」5月3日・10日号) お薦め4 「AERA表紙 イ・ビョンホン」(同) お薦め5 「いま沸き上がる『ツイッター亡国論』」(「週刊ポスト」5月7日・14日号) お薦め6 「最高賞は『僕の自慢のお母さんへ』」(「週刊朝日」5月7日・14日号)  昔話ばかりで申し訳ないが、一昔前、合併号というのは「お祭り」だった。表紙にはそのとき一番人気のある女優やタレントを起用し、話題になるようなスクープネタを仕込んでおいて、満を持して、部数も通常号の20万から50万部ぐらい増やしたものだった。  そうした目で今年のゴールデンウイーク合併号を眺めると、華やかさもなければ、何週間も取材したであろう重厚な読み物もスクープもないのは、正直、寂しい。  今日のワイドショーは、沢尻エリカ(24)が、夫でハイパーメディアクリエーターの高城剛氏(45)と離婚するらしいと大騒ぎしているが、これほどのインパクトはなくとも、週刊誌発の話題がどこかにないかと隅々まで探したが、残念ながら、見つからなかった。  そこで今回は、小ネタだが、行楽へ出かけるクルマや電車の中で読んでもらいたい、お薦め記事をいくつか選んでみた。  昨年秋から体調を壊して休養していた談志師匠が、ようやく高座に戻ってきた。それを記念してというわけではないが、私が仲介し、師匠にお願いして始めてもらったのが、「現代」の「いや、はや、ドーモ」である。  絵は、名コンビの山藤章二さん。第1回目は、小沢一郎幹事長。誰にも真似のできない師匠の文章は、流れる水の如く、あっちゃこっちゃへ飛翔しながら、日本人の小沢感について書いている。 「談志(おれ)に云わせりゃ、"強い奴にゃあ逆らうな"であります。それなのに、ああそれなのに、それなのに。何でまるで幼稚園の園児の喧嘩の如く、文句を、いや愚痴をいうのかネ。ワカラナイ、いやワカル、駄羅自(だらし)のねえ奴ばかりなのだ」  誰にも書けないリズムの談志調を楽しみながら、コトの本質が見えてくる。  お次は、10年後にも生き残っている会社を「史上初の大調査」したものだが、○5つ以上がほとんどなく、トヨタ自動車でさえ○3つである。映画、音楽、芸能では○3つが吉本興業だけ。学習・情報の中には出版社も含まれるのだろうが、かろうじて○1つが、角川GHD、ベネッセHD、リクルートだけ。「現代」の親会社、講談社は名前も出てこない。  新聞、放送で○が2つは、ジュピターテレコム。新聞では日経だけが○1つで後はゼロ。会社の寿命は30年なんていわれたときもあったが、いまでは10年も危ないようだ。  「AERA」の「現代の肖像」は毎回読んでいる。今回は漫画界の文豪(?)井上雄彦を取りあげている。  吉川英治の宮本武蔵を原作にした「週刊モーニング」(講談社)で連載中の「バガボンド」は、単行本で32巻、累計部数は5,400万部になるという。2008年に開催された上野での井上雄彦展には10万人以上がつめかけた。  井上は、今年で「バカボンド」の連載を終えると宣言している。ラストは武蔵と佐々木小次郎の「巌流島の戦い」になるそうだが、「でもそれからどうなるのか、というのはわからないですね」(井上)   国民的漫画家は、孤高の人でもある。妻の幸はこう言っている。「『バガボンド』は彼自身の成長がそのまま出ていると思います。本人の成長がないと動かない作品だし、そのために孤独であることも必要だと思います」  これは見逃せない!  「AERA」の表紙はいつも素敵だ。今週は、TBSで放映開始された韓国の大人気ドラマ『アイリス』の主演男優イ・ビョンホンが、なんとも格好いい!  第1回目の『アイリス』を見たが、私は、さほど優れた作品だとは思わなかった。しかし、韓流好きの女性なら、この表紙だけでも一冊買う価値はある。  鳩山首相だけではなく、谷垣自民党総裁も始めたというツイッター。140字が世の中を変えると、一部で騒がれているが、そんなことはないと「ポスト」が噛みついた。  ツイッターの住人は「圧倒的な大多数は『普通の人』か『バカ』なのです。もっというとネットの言説の大半が『バカと暇人』による意見、つまり『集合痴』です」(中川淳一郎氏)  宮脇睦氏は「リツイート信者たちが社会を歪める」と警告し、「ソーシャルメディアの住人たちは、情報を対立構造でみる傾向が強くあります。黒か白か、有罪か無罪かといった善悪二元論ですべてを捉えてしまいがちなので、灰色も推定無罪もない」と言う。  斎藤環氏は「ダダ漏れ中毒『日本人が未熟化していく』」として、こう語る。「ツイッターブームを『ネット文化における退行現象』としてみると、『日本人の未熟化』という大問題がシンボライズされている──そんな一面があることは否定できません」  ツイッターはしょせん、有名人たちと企業の宣伝媒体で、大多数の普通の人たちにとっては、単なる独り言でしかない、と私も考えるのだが。  朝日新聞社が主催した「千の風になったあなたへ贈る手紙」のイベントで、5,056編寄せられた中で、最高賞を受賞した手紙が、「朝日」で紹介されている。西村拓人さんは23歳で、中学2年の時に母親を亡くした。 「有り余りの紙でごめんね。お母さん、56歳の誕生日おめでとう。(中略)まだお母さんが死んだっていう実感がわかないんだよね。いい思い出をありがとうございました。ぼくも一生懸命に生きてるからあんまり心配しないでいいよ。まあ、まだ頼りないからちょっとは見守っててほしいけどね。(中略)今日は雲ひとつないすごくいい天気。お母さんが空から見守っているのかな? ケーキとかないけど、本当に誕生日おめでとう!!最後に、お母さんと歌った曲を書くよ。お母さんもできれば天国で歌ってね。まあ、覚えてる範囲だけどね」  「朝日」が「不倫疑惑を真っ向否定した渡邉美樹ワタミ会長 不可解な『言い分』」で、前号で、不倫を認めたかのような女性と渡邉氏のメールを、渡邉氏が「偽造だ」と言い張ったので、メールの真偽を検証する第2弾をやっている。それによれば、いくら否定しようと、専門家がヘッダー情報を取り出して見るなり、偽造は99・99%不可能だといったそうだ。  このメールが本物であることは間違いないようだが、ここから朝日は、どうするのだろうか。終わり方からすると、この問題の追及はひとまず終わりのようだから、渡邉氏は、ホットしているのではないか。何となく、尻切れトンボのような記事だったな。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「週刊朝日」4月30日号
●第41回(4月14日~4月20日発売号より) 第1位 「渡邉美樹・ワタミ会長 禁断の『不倫』騒動」(「週刊朝日」4月30日号) 第2位 「本と本屋がなくなる日」(「週刊現代」5月1日号) 第3位 「日本人とセックス『まぐはひの作法』詳細指南」(「週刊ポスト」4月30日号)  今週のベスト3に、小沢一郎幹事長に20年仕えてきた元秘書・高橋嘉信氏の証言、第1回「小沢一郎が倒れた朝」(「週刊新潮」4月22日号)を入れてもいいのだが、月曜日発売の週刊誌におもしろい記事があったので、その中から選んでみた。  「ポスト」が、最近好調の現代の後追い企画を始めた。これまでも書いているように、「現代」好調の牽引力になっているのが、中高年のためのセックス特集である。もともと「ポスト」は、「現代」の編集長経験者やライターを引き抜いて創った雑誌だから、言わば「現代」の双子である。  表紙も、「現代」で起用していた秋山庄太郎さんに頼んだから、タイトルを隠すと、どちらが「現代」か「ポスト」か分からなかった。後発ゆえに、「現代」のいいところを真似、それに「ポスト」らしさを加味したから、創刊して数年で「現代」を追い抜き、長い間、週刊誌ナンバーワンの地位を独走していた。  そんな「ポスト」もこのところの不振は目を覆うばかりだったが、ようやく、物真似路線の復活である。カラー16ページを使って、堂々のセックス特集。それも5ページ目に、渓斎英泉の大胆な春画を掲載。見出しに「大江戸、性風俗ことはじめ 妻のあそこは潤いがなくなったが、むしろ味わいはよくなった」として、春画のキャプションにもご丁寧に「女『エエ、モウじれったい』男『アア、どふもこたいられねエ。いいいい』」と、生々しい。  この特集のターゲットは「中高年のセックスは『挿入』『射精』だけではない」「中高年夫婦はラブホテルへ行きなさい」とあるように、「現代」と同じである。  後半には、自然に使える大人のオモチャ(グッズとしてあるが)やAVの紹介、「中高年の性を元気にする15のワザ」を教えるコーナーもある。  「ポスト」はかつて、私が創った「ヘア・ヌード」グラビアを真似して、一時低迷していた部数を大幅アップさせたことがある。今回の中高年セックス戦争、あの頃の華やかさはないが、やりようによっては、週刊誌全体を盛り上げる起爆剤の一つになるかもしれない。  「現代」が、セックス特集に続いて、このところ慎重だった「ヘア・ヌード」グラビアにも手を出してきた。今週の「杉田かおるNUDE」には4点のヘアがクッキリの写真が拝める。とことん追い詰められた「ポスト」が、セックス特集に続いて、ヘア・ヌード廃絶宣言を撤回する日が来るやもしれない。  第2位は、地味な企画だが、出版社系週刊誌が取り組まなければいけない電子書籍問題に切り込んだ「現代」の意気込みを買って取り上げた。5月に発売されるiPadや、アマゾンのキンドル日本語バージョン発売を控えて、今年から来年は、電子書籍元年になるなどと言われている。  電子書籍が普及すれば当然のことながら、取次も書店もいらなくなる。出版社も、著作権の切れた古典はタダで読めるから、これまでのようなおいしい商売はできなくなる。作家がアマゾンなどと契約して、最初から電子書籍を出せば、必要がなくなるかもしれないと、業界中で黒船が来襲したかのような大騒ぎである。  IT評論家などは、e-mailからeがとれたように、e-book(電子書籍)からeがとれるのも近いと煽るが、私には疑問である。  アメリカでの電子書籍の09年度売上げは、前年比で約280%の伸びだが、日本円にして約290億円。電子書籍後進国の日本のほうが約464億円(08年・全体の7割が携帯電話向けのマンガ配信)と大きい。それにしても出版界全体の売上げ2兆円弱のほんのわずかである。  アメリカでは、(電子書籍化の権利を結んでいなかった)作家とライセンス契約を結んで、電子書籍化するビジネスモデルで成長しているロゼッタ・ブックスという出版社があるそうだ。ここは、著者に売上げの50%を支払っているというから、著者にとっても、売れればありがたいが、ここでも、無名の著者が電子書籍で自作を売るのは至難の技だろう。  アマゾンでもアップルでも、作品が売れた場合は売上げの30%を取り、70%を作家や出版社側に支払うようだ。いい条件のようだが、これは印税のように、初版刷り部数の10%を著者がもらえるという現行のやり方ではなく、実売部数だから、売れなければ一銭にもならない。  アメリカのハードカバーは約2,300円だから、日本よりかなり高い。それが、電子書籍では1,000円以下で読めるから、電子書籍が広がっているのだが、日本には再販制度というものがあって、電子書籍と言えども、新刊書などの値引き販売はできない。制度上も、電子書籍が拡大するための高い障壁がある。そして一番高い障壁は、日本語という市場の狭さだ。 「キンドルが未だに日本語の電子書籍に対応していないのは、アマゾンがやっかいな日本語よりもスペイン語や中国語を優先しているからです」(米イーインク社の桑田良輔元副社長・「現代」より)  技術分野でも中国や韓国が先に行き、次世代ディスプレーでも韓国のサムソンが世界最先端を走ろうとしているとき、国内市場しか考えず、紙のままでいいと考えていると、日本がガラパゴス化するとも、桑田氏は指摘する。  最後に作家の佐野眞一氏に、「作者の立場から言えば、紙でも電子でもいいから、編集者と組んで、キッチリ品質管理された本を作りたいと思うだけです」と言わせて結んでいるが、全体的に総花的で申し訳ないが、担当者がこの問題を的確に理解していないと思わざるを得ない。  お節介ついでに、私の電子書籍についての考えを簡単に書いておきたい。まず、電子書籍について騒ぐ前に、出版社のもっている古い構造を変革しなければ何も始まらない。出版不況になればなるほど新刊本が増える異常な構造を、すぐ止めるべきだ。  電子書籍に迅速に対応するためには、出版界が進んで再販制度を撤廃すること。これからの電子書籍時代に対応するため、アメリカのように、出版社が著者のエージェントになる機能も備えなければ、生き残ってはいけない。  市場の問題は、多くの人が言うように、日本語圏だけで商売していてはビジネスモデルは作れない。したがって、小説やマンガ、雑誌のコンテンツも英語化して、世界に売り込んでいく戦略が必須だろう。  某大手出版社は、ニューヨークや北京に支社を置き、著作権販売を進めているが、次は、フランス、そしてインドまで視野に入れているという。だが、ネットは国境を越えるのだから、日本にいながら、英語、スペイン語、中国語に翻訳して、ネットで世界を相手に販売していくことを考えるのも大事な戦略である。  電子化で紙媒体が減り、職を奪われる編集者が多く出てくるかもしれない。だが、作家が書いても、編集という手が入って、読者に読んでもらう作品に仕上がるのだから、いつの時代でも、編集力のある人間は生き残っていける。  ハードが良くなったからといって、コンテンツの中身にまで影響を与えるわけではない。じたばたしないで、やがて来るであろう、紙とデジタルの共存する時代に向けて、編集力を磨いておくことこそ、いまの編集者に求められることである。  今週の1位は、このところバラエティー番組にまで進出して、教育論をぶったりする、居酒屋チェーンの大将の「不倫」スキャンダルである。  事の発端は、渡邉美樹ワタミ会長が、居酒屋で儲けたカネで03年に理事長に就任した、伝統高校「郁文館」(1889年創立)で起きた。  彼の側近だった「郁文館」の石田勝紀常務理事(41)が突然辞表を出して辞めてしまったのだ。 「実は昨年秋から、石田さんは学内のある女性から悩みを打ち明けられていたのです。渡邉理事長と数年にわたって交際してきたのに、『君の中には自分が求めるものがなかった』と、たった一通のメールでフラれたという話でした。自分は単なる"性の道具"だったのかと、彼女は激高していたそうですよ」(石田氏から直接、事情を聞いたという学校関係者・「朝日」より)  この女性の相談には、学校と取引のあったK氏なる人物も登場し、話は少しややこしくなる。K氏も数年前からこの女性のプライベートな相談に乗っており、昨年12月頃には女性は精神的に追い詰められ、渡邉さんにケジメをつけるようK氏から働きかけてほしいと頼まれたという。そこでK氏は渡邉氏に「このままじゃタイガー・ウッズになっちゃうよ」とメールをした。すると本人から電話があり、直接彼女と話し合って、一旦は決着がついたかのようだったという。  それ以降、女性は石田氏、K氏らと疎遠になったが、今年2月、K氏が酒席で郁文館の理事を殴るという"事件"が起きる。理事側は警察に被害届を出し、2月下旬、渡邉氏らが弁護士を交えてK氏に「示談書」にサインするよう求めた。その中に、学校で知り得たことを口外せずという条項があったため、K氏はサインを拒んだという。  K氏は、渡邉氏の理事長にあるまじき行為の証拠があると、携帯電話に残っている女性からのメール44通、渡邉氏からのもの7通を記者に見せる。そこには、女性が渡邉氏から、1,500万円を払うことを条件に、二人の関わりについて一切他言しないなどの念書を書くよう言われたというメールもある。  石田氏辞任の理由は、理事長の個人的なトラブルに周囲が巻き込まれ、学校全体の問題にまで発展しているのに、なおも保身を優先して部下に責任をなすりつけようとしている、もうついて行けないというものだという。  さて、将来は総理大臣を目指すと語っていた渡邉氏がどう反論するのか。当然不倫はしていないと全否定。メールの存在も、偽造だと否定した上で、「この話を、クエスチョンマークかなんか付けて東京スポーツみたいに書くんですか。僕が『これは違う。絶対に偽造だ』と否定してるのに」と付け加えている。  だが、「朝日」は東京スポーツとは違う(東スポさん、ごめんなさい!)。タイトルは「『不倫』騒動」とはあるが、クエスチョンマークは付いてない。しかも「朝日」は、これは民主党の永田偽メールとは違うのだと、メールの信憑性を専門家も交えて徹底的に検証して、次週、さらに詳しくリポートしようというのだ。  この伝統校を巻き込んだワタミ・スキャンダル、どこまで発展するのか、次号が待たれる。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
新たなる「挑戦」―夢をカタチにする時 和民のメニューはけっこう好きだよ。 amazon_associate_logo.jpg
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