絶頂の瞬間を激写!! オヤジにはたまらない“袋とじ”2連発

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「週刊新潮」7月12日号 中吊り広告より
グランプリ 「生活保護の『元夫』に脅される家元『勅使河原茜』」(「週刊新潮」7月12日号) 第2位 「袋とじ ついにとらえた絶頂の瞬間」(「週刊現代」7月21・28日号) 第3位 「袋とじ 謎の美女YURI」(「週刊ポスト」7月20・27日号)  今週は現代とポストが合併号で420円。どちらも「お得感」を出そうとして苦心しているのがわかるが、イマイチ記事に見るべきものがない。  現代は「実名大公開!日本の大金持ち1000人」という大企画の前編がトップ。取材に手間暇かけたのはわかるが、東日本でいえば、毎度おなじみの顔ぶれがずらりと並ぶ。  1位はソフトバンク創業者の孫正義で約93億9,600万円。2位がユニクロ創業者の柳井正で約51億円。3位はパチンコメーカーのユニバーサルエンターテインメント創業者の岡田和夫で約36億円。  8位にもパチンコ・パチスロなどの遊技機大手セガサミー創業者の里見治が約23億6,000万円。パチンコ機製造大手SANKYOの創業者毒島邦雄が約21億円で11位に入っているから、不況になってもパチンコは強いことを立証している。  私の好きな競馬界からは、ディープインパクトなど良血な種牡馬を多数繋養する「社台スタリオンステーション」を持つ社台ファーム代表の吉田照哉が12位で約20億円、同じ代表の吉田勝己が約15億円で17位に入っている。  各県ごとに1位から20位まで実名で公表してあって、それなりに楽しいのだが、こちとら由緒正しい貧乏人には無縁の話である。  ポストは「橋下徹『愛人と隠し子』怪情報」のタイトルに惹かれて読んだが、案の定、怪情報のところで止まっている。  ポストによればこの数週間、このスキャンダルが流されていて、発信元は自民党で政権トップまで務めた長老だというから、森喜朗元総理あたりだろうか。内容はこうだ。 「大阪・北新地の名門クラブに勤めていた元ホステスとの間に隠し子がいる」  週刊誌お決まりの表現「事実だとすれば」大変だと、週刊誌の記者たちがウワサになった北新地の高級クラブに押しかけ、ホステスたちに聞いて回って「騒動」になったというのである。  もちろん、橋下市長側は「根も葉もない」と一笑に付す。いまや日本一顔の売れている橋下市長が女性と連れだって歩くだけで目立つのだから、愛人でもいれば隠しておけるはずもないだろう。  昔、自民党の金権腐敗を批判して飛び出し、新党をつくってブームを起こした若きリーダーがいた。  彼から直接聞いた話だが、オヤジの代から受け継いだ競走馬を新党の代表になるにあたって、みんな売り払ったという。私が、それほどまでしなくてもというと、「リーダーたる者、身辺はきれいにしておかなくてはいけないのです」と答えた。  あとで彼の側近から聞いた話だが、そのときいた彼女とも手を切ったという。  仮に、橋下市長にかつて彼女がいたとしても、政治に出るときには身辺を「始末」をしたであろう。そういう意味で小沢一郎は、自分のスキャンダルを書くのは現代と松田賢弥記者しかいないと、油断していたのだろう。  まさか、自分の妻がスキャンダルを暴露するなどとは夢にも思っていなかったに違いない。  イマイチといえば、フライデーの蒼井優の熱愛報道もやや迫力に欠けた。  彼氏だった大森南朋に電撃結婚されてしまった蒼井優(26)が、舞台や映画を中心に活躍する俳優・鈴木浩介(37)と「新しい恋」を始めたそうである。  6月中旬の某夜。東京・世田谷の庶民的な焼き肉屋に2人の姿があった。正確には蒼井のマネジャーも同席していたようだが、これはカモフラージュであろう。  蒼井が歩く横を鈴木が足早に通り過ぎて行く姿がバッチリ映っているが、持っている上着で顔を隠している。この女なんか知りませんよというフリなのだろうが、見え見えなのがおかしい。  2人のきっかけは、昨年12月の舞台『その妹』だった。 「この作品は武者小路実篤の名作で、ヒロイン役の蒼井はいつにも増して気合いが入っていました。でも、一部の評論家からは彼女の演技について厳しい意見もあったそうなんです。基本的に気が強い蒼井ですが、演技に関しては人一倍ストイックな分、批判に落ち込んでしまった。そんな時に彼女を励ましたのが、鈴木だったんです」(演劇関係者)  CMを多く抱えている蒼井は熱愛を報じられることには徹底的に注意しているようで、都心から少し離れた鈴木のマンションで会っているそうである。  今週号の文春恒例「好きな女優・嫌いな女優」で、好きなほうでは綾瀬はるかが1位で2位が吉永小百合で、蒼井は7位である。  嫌いなほうは、当然ながら沢尻エリカがダントツで、2位が泉ピン子だった。  この記事、順位を付ければ4位というところか。  さて、今週の現代、ポストのみどころはズバリ袋とじにある。まずはポストだが、謎の美女YURIを前と後ろのW袋とじにしてきた。  この欄でも以前から触れているが、このYURI、なんともいえない雰囲気をもった女性である。  かなり前から後半の見開きグラビアを使って、何気ない日常の清楚な姿と、彼女の裏の姿をなんの説明もなく載せていたが、これがじわじわ評判になったのだろう。  グラビアの中にこんな言葉が小さく書かれている。 「YURIって、誰? 日本人? ネットで調べたけどわからん。何か、異様にエロい……。あんまり脱がさないでください」  そう、やや愁いに満ちた表情と整った顔立ち、清楚な服装。  そんな彼女が部屋でオナニーをしている。納屋のようなところで下半身を露わにしているのも、オナニーの後か。あまり男の影を感じさせない女だ。  最後のページの、グラスを持ってかすかに微笑んでいる彼女を見ていると、日本ではなく中国か、東南アジア系かもしれないなと思えてくる。  グラビアアイドル界に久々に現れた大型グラドルであることは間違いない。ポストはいい女を見つけたものだ。  ポストの袋とじが3位で現代が2位なのは、「過激」さにおいて現代が優ったからである。  オーガズムを迎えると女性の体はどのような変化が現れるのか、その瞬間を撮影したとある。よくある手法ではあるが、今回は目を見張るほど過激である。  見開きに女性が2人。水沢真樹と当真ゆきとある。2人がマスターベーションを始め、だんだん絶頂を迎えていく。時間の経過とともに、閉じていた足が開き、最後は大きく開いて絶頂を迎える。  それを下半身のほうから撮っている。すごい! ヘアはもちろん、ヘアに隠れている秘所へ指を当てているところまで写っているのだ。もちろん秘所そのものは写っていないが、私のようなヘア・ヌードの元祖から見ても、なかなか刺激が強い。  次のページでは、別の女性2人が絶頂を迎えた瞬間が載っている。最後のページは、女性を絶頂に導くのは「性感脳」を開くことだとアダム徳永が話しているが、これはどうでもいい。  たしかに、こうしたものはネットの動画サイトに行けば無料で見られるが、雑誌でやるのはなかなか勇気がいることであろう。この二つの袋とじは必見である。  フライデーも現代にならって、袋とじで「『無毛』という新常識」をやっている。最初の見開きの「“世界初の無毛ドル”スペシャル撮り下ろし」がなかなかいい。輝真モアという25歳の娘だが、かわいらしくてそそる娘である。  お笑いタレントの河本準一の母親が生活保護を受給していた問題は大きな波紋を広げた。だが、そのため本当に生活に困窮している人が生活保護を申請しづらくなったり、生活保護で暮らしているために、世間から白い目で見られることが多くなっているようである。困ったものだ。  週刊朝日が片山さつき参議院議員と「ネットと愛国 在特会の『闇』を追いかけて」(講談社)を書いたジャーナリスト安田浩一との対談を載せているが、意見が対立してこれがなかなかおもしろい。  その中で安田は不正受給者の数をこう話している。 「実際は2010年度の不正受給額は約129億円と全体の0.38%に過ぎません。特殊な例を一般化して制度を厳格化してしまうと、受給すべき立場の人が受給できなくなったり、制度の枠からはみ出したりする人が、今よりさらに増えてしまうと思うんです」  木を見て森を見ずというのが今の生活保護不正受給問題だと思う。だが、それにしてもひどすぎるぜ~と思わせるのが週刊新潮の記事である。  草月流といえば、池坊、小原流と並ぶ生け花の三大流派の一つで、創設は一番新しいが、個性を尊重した自由な表現が多くの支持を受けている。  その4代目家元勅使河原茜の元夫というのが生活保護を受給しているが、その手口が度を過ぎていると書いている。  茜が夫になる風間義彦(仮名)と出会ったのは1985年頃。幼稚園教諭をやめた茜が草月で仕事を始め、遊びに行ったディスコで知り合った。カフェバーでバーテンをやっていたそうだが、インテリアに興味があると学校に通い始め、茜と同棲を始める。  2人は88年頃に結婚するが、風間の乱暴な言動に、父親の勅使河原宏は快く思っていなかったという。  そして一度離婚するが、風間にぞっこんの茜は再び結婚して、風間に金を自由に使わせていたが、2001年に再び離婚するのだから、男女の仲は一寸先は闇だ。  その後の風間は白金のマンションに住んで、知人からモノや金をだまし取ったりして暮らしていたようだが、なぜか生活保護受給者なのである。  白金のマンションは家賃11万円超だが、虚偽の家賃を記した賃貸契約書を偽造して生活保護を申請していた。偽造された契約書に記された家賃は5万3,700円。都内に住む単身生活保護受給者が受け取る住宅扶助の上限だという。  知人によれば、実家がある長野県の山林も所有しているが、2010年に養子縁組でもしたのか別姓で登記し直し、その後、風間姓に戻って生活保護の受給申請したという。  土地などの資産を持っていると、生活保護は受給できないそうである。  件の知人によれば、昨年7月に風間は勅使河原茜に屋敷の設計料だか何かの名目で金を請求したそうだ。その後、ある程度の金が勅使河原家から振り込まれたそうだが、その口座は風間の父親のものだった。風間は知人に「生活保護受給者の口座に記録が残るとまずい」と言ったそうだ。  新潮は風間が住む港区の区役所に、不正受給の件を聞いている。だが、 「縁もゆかりもない地域の土地を取得していたり、養子縁組で姓を変えて相続していたりすると、申告がないかぎりわからないですね。賃貸契約書を偽造して生活保護を受給しても、臨時の振込があっても、調査のしようがない」  と、お手上げ状態である。  こうした悪知恵を使って不正受給している輩をこそどんどん摘発するべきであろう。  生活保護は申請すれば受け付けなくてはいけないはずである。したがって、役所の窓口はできるだけ申請させないように、受給者の数を増やさないようにしている。  だから、札幌の老姉妹が孤立死したように、気の弱い、またはプライドの高い人は申請することを躊躇してしまって、こうした悲劇が繰り返される。  窓口は広くして申請をしやすくし、不正受給している人間の摘発は厳しくやることが、最後のセイフティーネットとしての生活保護のあり方ではなかろうか。  不正受給問題を昔から取り上げている新潮ならではのこの記事が、今週のグランプリ! (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

小沢一郎に続く‟怒れる妻”スクープ! 元国税庁長官に脱法重婚&脱税疑惑

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「週刊朝日」7月13日号
グランプリ 「正妻が告発! 元国税庁長官に脱税疑惑『脱法重婚』で妻2人」(「週刊朝日」7月13日号) 第2位 「原一億円恐喝事件で『中畑清DeNA監督が元暴力団員を仲介した』」(「週刊文春」7月5日号) 第3位 「有名80社『夏のボーナス』実はこれだけもらってました」(「週刊ポスト」7月13日号)  このところ、興味深いといっては失礼だが、事件や報道が多い。 「芸能プロダクション「イエローキャブ」社長の帯刀(おびなた)孝則さん(58)が28日午後、事務所内で首をつっているのを社員が見つけた」(asahi.comより)  動機は、経営状態の悪化を苦にしてのものだったといわれているが、一時は隆盛を誇ったプロダクションだけに、感慨深いものがある。  6月29日の夜、反原発を旗印に数万人が首相官邸を取り囲んだが、そのデモの直前、こういう報道が流れた。 「大麻樹脂と乾燥大麻を自宅に隠し持っていたとして、近畿厚生局麻薬取締部神戸分室が兵庫県西宮市苦楽園一番町のヨガ講師、山本利華容疑者(48)を大麻取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕していたことがわかった。捜査関係者が明らかにした。山本容疑者は脱原発運動で知られる俳優の山本太郎さん(37)の姉で、容疑を認めているという。(中略)『脱原発運動や更年期障害で疲れ、気分を和らげるために使った』と供述しているという」(asahi.comより)  「わかった」とあるから、逮捕されたのは少し前なのだろう。山本太郎はこの日のデモの主役の一人である。意図的なデモ潰しのための、警察側の情報リークではないのか。  同じ日の朝日新聞朝刊が、社会面トップで「インターネット掲示板『2ちゃんねる』が覚醒剤の購入をあおる書き込みを放置したとされる事件で、掲示板の運営会社とされるシンガポールの会社が、2ちゃんねるとは無関係のペーパー会社だったことが、同社関係者への取材でわかった」と報じた。  警視庁は、麻薬特例法違反(あおり、唆し)幇助(ほうじょ)の容疑で、2ちゃんねるの国内の関係先を家宅捜索していた。だが創設者で元管理人の西村博之は2009年1月に同社をシンガポールにある「パケット・モンスター」社に譲渡したと発表して、2ちゃんねるとは無関係だと言っていたが、そのいい分が崩れたことになる。  この情報源も警察筋だろうが、西村の最大の危機であることは間違いない。  さて、今週の第3位はポストの「夏のボーナス」の記事。  経団連がまとめた東証1部上場企業の今期の妥結状況を見ると、平均給与額は77万2,000円あまりで、前年より率で3.54%、金額で2万8,380円の減と、3年ぶりのマイナスになった。  東京電力は、当然ながら昨夏の組合平均40万1,000円がこの夏は支給なし。昨夏より19万1,000円ダウンしたのはソニー。  自動車では、日産自動車、マツダ、ホンダが昨夏よりダウン。中でもマツダは他社に比べて海外生産比率が低く、円高の影響をもろに受けてしまった。  積水ハウスは大震災や電力供給不安による特需を追い風にして14万3,900円のアップ。  テレビでは視聴率で低迷するフジテレビだが、ボーナスは気前がよく昨夏より1.8%アップの約140万円。  金融界も景気がよく、三菱東京UFJ銀行は40代前半の支店課長クラスで前年比5%アップの230万円前後。三井住友銀行も40代前半の支店課長クラスで約220万円だそうである。  もっと驚くのは商社で、三菱商事は30代前半で約350万円、40代課長で約480万円。  この中で、おやっと思わされるのはJALとANAのボーナスの差である。  JALが約67万、ANAが約39万円。JALは大規模なリストラで業績が回復したためだというが、投入された膨大な公的資金はまだ返していないし、税金さえ払っていないのだ。  株券を紙切れにして多くの株主に迷惑をかけたのに、近々上場する話まである。浮かれるのが、ちと早過ぎはしないか。儲けたカネは運賃を安くしてお客に還元する、という姿勢を見せるべきではないか。ANAの人間たちは怒りをもって見ているに違いない。  今週の2位は、原巨人軍監督の1億円恐喝事件を追い続ける文春の第2弾である。 「実は原の恐喝の前に、HとKは中畑に相談しとるで。中畑はKのことを“おやっさん”と慕っていたから、Kが恐喝の仲介を頼んだんや。そしたら中畑は『野球選手は二千万円か三千万円しか持っていませんよ』と言いながら、原の携帯番号を教えてくれたそうや。ワシが09年の時に新宿にある中畑の事務所『ドリームきよし』に電話を入れて、恐喝のことを聞いたら、担当者が『その件はKさんに一切お任せしています』と言うとったで。つまり認めたっちゅことや」  原辰徳巨人軍監督が、元暴力団員Kと現役暴力団員Hに1億円を払っていたという先週の文春のスクープは、原監督もその事実を認めてコメントを発表。読売巨人軍も払った相手は「反社会勢力に属する者ではない」としながらも認めたことで、大新聞やテレビまでが大きく報じた。  今週は、2009年4月に、恐喝したHの兄貴分を名乗る元暴力団組長・山本正志(仮名)が、巨人軍の球団事務所と原に脅迫行為を続けて逮捕されたが、その山本にインタビューして、上記のような発言を引き出している。  スキャンダルは今期から「横浜DeNAベイスターズ」を率いている元絶好調男・中畑清監督にも飛び火し、球界全体を巻き込む大騒動となってきた。  しかも、事情を知る関係者の話としてこう書いている。 「中畑は原の携帯番号を教えただけではなく、実際に原と面談したと聞いています。K側は06年8月末に巨人の遠征先の熊本のホテルで、原に一億円を要求しましたが、それ以前に原監督と中畑監督の間でやりとりがあったようです。週刊文春の記事の金銭要求の場面で、K側の人物が指を一本突き出し、原が『一千万円ですか』と聞き、K側が『桁が一つ違う』と答えていますが、あのやり取りは実は原と中畑の間で交わされたものだったそうです」  これが事実とすれば、爽やかな人柄で人気のある中畑の致命傷になる。  文春によれば、中畑とKの出会いは今から約20年前だという。中畑が現役を引退して新宿で焼き肉店をやっていたときに知り合い、のちにKの息子が中畑と同じ駒澤大学に入り、親しくなっていった。  中畑は記者の問いかけに、Kは知っているし、彼がやっている旅館に行ったことは認めたが、事件については「まったく分からない話だ。もう勘弁してくれ」というだけだった。  6月20日に静岡県伊東市にあるゴルフコースで、Kが経営する旅館の7周年記念ゴルフコンペが開かれた。  演歌歌手の山川豊、鳥羽一郎、山本譲二なども顔を揃え、会場に届けられた花輪の中には中畑清のものもあった。  警察当局は「被害届さえ出れば捜査に乗り出したい」と言っているそうだ。文春はこう結んでいる。 「真実解明のため、巨人側は公訴時効を迎えていない06年の恐喝事件の被害届を警察当局に提出すべきではないか」  Kが元暴力団であることは、6月21日付の朝日新聞のインタビューで本人も認めている。しかし、金を払った相手が暴力団であった場合、野球協約180条に違反し、原の野球人生は断たれてしまうため、巨人側は反社会的勢力の人間だと認めるわけにもいかず、被害届を出すこともできないのではないかと文春は推測する。  また、先週の文春が発売される3日前に、読売巨人軍が文春の広告差し止めの仮処分を東京地裁に申し立てていたことを明らかにしている。  結局、19日になって読売側が申し立てを取り下げたが、こうした言論機関の「言論圧殺行為」に対して、田島泰彦上智大学教授はこう批判している。 「言論機関が事前の差し止めを法的に求めた、という事例を私は聞いたことがありません。これは言論機関の自殺行為です。今回は広告に関する差し止めですが、広告に掲載される見出しの表現も言論と一体のもの。雑誌と広告を分けて考えること自体、無理がある」  読売新聞には、原発を日本に持ち込んだ正力松太郎、白紙でも新聞を売ってみせると豪語した務台光雄という超ワンマンがいた。  務台が選んだ後継者・渡邉恒雄も二人を忠実に見習い、自分に逆らう人間を排除してナベツネ王国を築き上げたが、もはや瓦解寸前、いや、崩壊していると見るべきだろう。  私は昔、務台が会長のとき、もはや老害になってしまった務台はやめるべきだという記事を月刊現代でやって、読売社内が大騒ぎになったことがある。  これと同じことを、今の渡邊主筆にも言いたい。  週刊朝日で、今回の原スキャンダルのネタ元ではないかと疑われている清武英利元巨人軍GMが、鳥越俊太郎との対談の中で、こう語っている。 「今、読売社内では、多様性は認められず、渡邊社論のみです。やっぱり表現の自由って言論機関としてはいちばん大事なことじゃないですか。権力の監視というのも、とっても大事なこと。ところが権力の監視どころか、読売自体が権力になってしまっている」  今週のグランプリは久々に朝日がやってくれたスクープに贈りたい。  脱税疑惑を指摘されているのは大武健一郎(65)。財務省主税局と国税庁で一貫して税制改革に携わり、「税と社会保障の一体改革」と「国民総背番号制」を唱え、今の消費増税案の礎を築き上げ、国税庁長官にまで上り詰めた御仁で、告発したのはその妻・満里子(61)である。  大武は05年7月に国税庁長官を退官し、数々の天下りを経て、メディアにも出ている財務省の大物OB。  満里子はこう訴える。 「夫は退官後も公人です。公人の妻として、税金を払ってくださっている国民の皆さまに今、真実を知って頂くのは、私に与えられた責務だと思いました。手帳、通帳、確定申告などを調べた結果、官僚時代に給与外所得(講演料、原稿料等)を数百万円も過少申告し、“脱税”していました。さらに職権を乱用し、先輩である歴代の財務事務次官、国税長官の方々の年収を調べたり、愛人にせがまれるまま人事情報を漏洩したりし、公僕にあるまじき行為をしていたのです」  妻が言うには、大武は結婚以来、預金通帳や給料明細を一切見せず、収入の一部を現金で手渡してきたという。  長女が20歳になり、区役所から国民年金を納付するよう連絡が来たとき、大武は繰り返しこう言ったという。 「国民年金なんか払うな。将来は破綻してもらえないから損をする。俺は厚生省で年金のスペシャリストだったんだぞ」  この発言だけで罪万死に値する。  妻が退職後に公務員住宅を出て住む家を探そうとしたところ、預金が財形貯蓄の500万円しかなかったことがわかり、それを問い詰めると、彼女に馬乗りになり首を絞めたという。  そして07年1月以降は、1度も帰宅しなくなってしまった。  09年9月に満里子が大武の部屋を片付けているとき、12冊の黒い手帳を見つけた。そこには講演料、勉強会謝礼など給与外所得と思われる記述があった。  それによると、92年から94年の3年間だけで1,000万円近くの“脱税”をしていた疑いが濃厚だという。  藤井裕久、安倍晋三、松本龍などの政治家からの金額も書いてあり、朝日が取材してみると、松本議員は事務所を通して「大武氏へ10万円を現金で払ったのは事実です。(中略)勉強会のお車代だと思います」とコメントした。  ほかにも、主税局の有力な天下り先である税理士団体から「副収入」を得たかのような記述が並んでいた。  お定まりのように、この金を大武はA女という51歳の彼女に使っていたのだ。妻がこう語る。 「手帳を解読した結果、A女と夫との交際は86年以降、1,700回以上も記され、A女に対し、11年間で計3,800万円以上の飲食費、宿泊代などの出費があったと記されていました。(中略)夫の使途不明金の多くが彼女へ流れていたのです」  大武は家を出てからA女と暮らしているのかと、妻は思っていたが、自分の父親が住んでいた実家で別の女性と暮らしていることがわかったという。  それも07年4月には彼女を父親の養女にして、1年半後に父親が死ぬと実家を相続させていたのだ。  妻はこれを「脱法的な重婚」だと難じている。離婚が成立していないために考え出したやり方なのだろう。自宅を訪ねた記者にその女性は「妻です」と言い切ったそうだ。  直撃した朝日に対して、大武は弁護士と現役国税職員を引き連れて取材に応じた。  講演料などの雑所得と確定申告された額が数百万も違うが、脱税ではないのかと問う記者にこう答える。 「僕は現役中はビタ一文、謝礼はもらっていない。でも、講演料がいくらか主催者に聞き、将来、講演で自活するための参考資料として手帳に書いた。すべて僕の妄想だ」  車代だとお金をわたしたことを認めた国会議員がいたと話すと、同席した国税職員が身を硬くしたそうだ。  泣く子も黙る国税庁長官の実態が分かって、すこぶる面白い記事である。  小沢一郎の妻・和子の「離縁状」といい、今回のケースといい、げに恐ろしきは妻である。小沢も言ってはならないひと言「お前とはいつでも別れられるが、あいつ(長年付き合ってきた愛人=筆者注)とは別れられない」と言ったばかりに、人間としてだけではなく政治家としても「失格」であることを暴露されてしまった。  おのおのがた、くれぐれも気をつけよう「暗い夜道と妻の口」である。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

10年に一度の超ド級スクープ!? 小沢一郎、妻からの‟離縁状”で政治家生命終了?

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「週刊文春」6月21日号 中吊り広告より
グランプリ 「引退勧告スクープ 小沢一郎 妻からの『離縁状』 松田賢弥+本誌取材班」(「週刊文春」6月21日号) 第2位 「『菊地直子』求愛男が『高橋克也』をゆすっていた!」(「週刊新潮」6月21日号) 第3位 「元カレが告白 AKB48指原莉乃は超肉食系でした」(「週刊文春」6月21日号) 次点 「『ドラッグは用意できる』と沢尻エリカに迫ったエイベックス松浦勝人社長」(「週刊 文春」6月21日号) 次点 「小沢ガールズナンバーワン美女『田中美絵子』代議士 接吻の流儀」(「週刊新潮」6月21日号)  今週はグランプリに輝いたスクープの存在が大きすぎて、ほかが霞んでしまった感がある。さらに見ていただければわかるように、月曜発売の週刊誌は一冊も入っていない。このところ文春の独走態勢が続いている。現代、ポスト、朝日、AERA、サンデー毎日の奮起を促したい。  次点に入ったのは、小沢ガールズナンバーワン美女といわれる田中美絵子代議士(36)が夜のJR大崎駅の構内を、男の右腕に腕を絡めて歩き出し、しばらく行くと足を止めた彼女が、目を開いたまま唇を突き出す男の顔に唇を寄せて重なり合った瞬間をバッチリスクープ撮している記事だ。  この男は、妻子ある国交省中部地方整備局副局長のキャリア官僚(55歳)である。  この記事は、モノクログラビアと活版でやっているが、2人のキスシーンを見た知り合いの中年女性は、「ワー汚い! なんでこんなところでやるの。いい年をして恥ずかしくないのかしら」とのたまった。  その後、2人は駅とつながっている連絡通路を歩いて、シティホテルへ向かって、一夜を共にしたという。  彼女は「社会保障と税の一体改革」特別委員会の委員を務めているそうだが、これではそちらのほうには集中できそうもないね。  同じく次点は、沢尻エリカの大麻疑惑を追い続ける文春の記事。今回は追及の矛先を大手プロダクション「エイベックス」の松浦勝人社長に向ける。  沢尻の夫・高城剛が、エリカに松浦がこう話したとしているからである。 「エイベックスが芸能界に復帰させてやるから、とりあえず高城と離婚しろ」「ドラッグならいつでも用意できる」「俺のオンナになれ」  彼女になるのは嫌だとエリカがいうと、「B子(実際には有名歌手の実名)が芸能界で生き残れているのは、俺のオンナになったから。お前も生き残りたかったら、俺のオンナになれ」と言われたそうだ。  もしこの発言が本当だとしたら、 「上場企業のトップとして大問題でしょう。交際を迫る発言もさることながら薬物の問題は論外です。重大な背任と言わざるを得ず、株主にとっても到底許されることではありません」(郷原信郎関西大学特任教授)  週刊朝日によれば、 「エイベックスは6月24日に開かれる株主総会を気にしているようです。メディアからの取材なら『事実無根です』と広報担当者が答えればいいけど、株主総会では社長自ら説明せざるをえない。それまでは高城氏の挑発にのって騒ぎを大きくしたくないというのが本音なんです」(芸能関係者)  映画の公開も迫っているし、この騒動、どのように決着するのか目が離せない。  さて、AKB48の「総選挙」というバカ騒ぎは無事終わったが、そこで4位に入った「ヘタレさしこ」といわれる指原莉乃(19)の元カレが、彼女は「超肉食系」だったと文春に告白している。これが3位。  出会いは秋葉原のAKB劇場。イベントや握手会に通い、ファンレターを出しているうちに指原の友人と名乗る子からメールが届く。ところがこれは本人だったようだ。  デートは原則、彼女の自宅で、指原の母親がいない時間帯。「エッチまで4ヵ月かかった」と話している。彼の携帯には、指原の胸元や胸のアップ写真などが残されている。  しかし、会いたいときに会えない、付き合っていることを友達にもいえないためにストレスがたまり、彼のほうから別れを切り出したという。  指原からはメールで「諦めたくない」「エッチだってしたのにふざけんなよ!」といってきたそうだ。  これは09年の秋、約3年近く前のことであるから彼女はまだ16である。  これって問題あるよなと思っていたら、AKB48のプロデューサー秋元康が早速動いた。指原を、姉妹グループで福岡を拠点とするHKT48にすっ飛ばしてしまったのである。総選挙で4位に入った人気者を外すという荒療治をした背景には、文春が書いているように、こんなことは日常茶飯事なのだろう。 「今でこそ国民的アイドルですが、当時は“地下アイドル”に毛が生えた程度。いくら恋愛禁止を掲げても、プロ意識の薄い、若いメンバーは同世代のイケメンのファンと随分つながっていた」(元AKB48スタッフ)  どこにでもいるフツーの女の子たちには、イケメンファンがアイドルに見えるのではないのだろうか。こうしたグループは、内部から崩壊していくこと必定である。  オウムの高橋克也が逮捕されたが、彼の所持品から松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の写真やその著作、説法を録音した携帯型プレーヤーが見つかったことで、まだ麻原のマインドコントロール下にあるのではないかと報道されている。  高橋は菊地直子と10年近く逃亡生活を続け、その後菊地は知り合った高橋寛人と同棲するのだが、新潮が気になる情報を高橋の実兄から聞き出している。この記事が第2位。  前号で菊地直子情報を警察に届けたのは、同棲していた高橋寛人の親族だったと書いていたが、警視庁関係者がこう話している。 「情報提供したのは、寛人の兄でした。兄は金銭的に困っており、しばらく会っていなかった寛人と去年頃からまた顔を合わせるようになっていた。寛人と菊地が暮らしていた相模原市のバラック小屋にも行ったことがあり、その際に寛人から“彼女はオウムの菊地”と打ち明けられていた」  またこうも言っている。 「それで3日朝に警視庁を訪れて情報提供したわけですが、その際、寛人の兄はこうも言っていた。“寛人は、あの高橋克也とトラブルになっている”と」  菊地と高橋克也とは長い間行動を共にしてきた。菊地の正体を知った寛人は、克也のアパートに現金1,700万円ほどあることを菊地から聞き出し、部屋に侵入して半分ほど盗んだという。  その後も「お前は逃亡犯だろ、金を出せ」と、ゆすっていたようだ。寛人にも菊地を匿っている負い目があり、3者の関係はギリギリのところで均衡が保たれていたが、それを瓦解させたのが寛人の兄だったというのである。  こうした仲間割れが起きるのは、いずれの場合も金がらみである。  今週のグランプリは10年に一度といっていい超ド級のスクープである。小沢一郎という大政治家の妻が昨年11月頃、ごく親しい後援会の人間に自筆で書いた「小沢との離縁状」を文春が入手して全文掲載したのだ。  なにはともあれ、この衝撃の手紙を読んでもらいたい。 「(中略)長年お世話になった方々のご不幸を知り、何もできない自分を情けなく思っております。このような未曾有の大災害にあって本来、政治家が真っ先に立ち上がらなければならない筈ですが、実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げ出しました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しいときに見捨てて逃げ出した小沢を見て、岩手や日本のためになる人間ではないとわかり離婚いたしました。(中略)八年前小沢の隠し子の存在が明らかになりました。●●●●●といい、もう二十才をすぎました。三年つき合った女性との間の子で、その人が結婚するから引きとれといわれたそうです。それで結婚前からつき合っていた●●●●という女性に一生毎月金銭を払う約束で養子にさせたということです。小沢が言うには、この●●●●という人と結婚するつもりだったが水商売の女は選挙に向かないと反対され、誰でもいいから金のある女と結婚することにしたところが、たまたま田中角栄先生が紹介したから私と結婚したというのです。そして『どうせ、お前も地位が欲しかっただけだろう』と言い、謝るどころか『お前に選挙を手伝ってもらった覚えはない。何もしていないのにうぬぼれるな』と言われました。あげく『あいつ(●●●●)とは別れられないが、お前となら別れられるからいつでも離婚してやる』とまで言われました。  この言葉で、三十年間皆様に支えられ頑張ってきたという自負心が粉々になり、一時は自殺まで考えました。息子たちに支えられ何とか現在までやってきましたが、いまでも、悔しさと空しさに心が乱れることがあります。(中略) (昨年の=筆者注)三月十六日の朝、北上出身の第一秘書の川辺が私の所へ来て、『内々の放射能の情報を得たので、先生の命令で秘書達を逃がしました。私の家族も既に大阪に逃がしました』と胸をはって言うのです。あげく、『先生も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えてください』と言うのです。  福島ですら原発周辺のみの避難勧告しか出ていないのに、政治家が東京から真っ先に逃げるというのです。私は仰天して『国会議員が真っ先に逃げてどうするの! なんですぐ岩手に帰らないのか! 内々の情報があるのならなぜ国民に知らせないのか』と聞きました。  川辺が言うには、岩手に行かないのは知事から来るなと言われたからで、国民に知らせないのは大混乱を起こすからだというのです。  国民の生命を守る筈の国会議員が国民を見捨てて放射能怖さに逃げるというのです。(中略)川辺はあわてて男達は逃げませんと言いつくろい、小沢に報告に行きました。  小沢は『じゃあしょうがない。食糧の備蓄はあるから、塩を買い占めるように』と言って買いに行かせました。その後は家に鍵をかけて閉じこもり全く外へ出なくなりました。復興法案の審議にも出ていません。 (中略)岩手に行こうと誘われても党員資格停止処分を理由に断っていたこともわかりました。知事に止められたのではなく放射能が怖くて行かなかったのです。 (中略)本当に情けなく強い怒りを感じておりました。実は小沢は、数年前から京都から出馬したいと言い出しており後援会会長にまで相談していました。  もう岩手のことは頭になかったのでしょう。(中略)  かつてない国難の中で放射能が怖いと逃げたあげく、お世話になった方々のご不幸を悼む気も、郷土の復興を手助けする気もなく、自分の保身の為に国政を動かそうとするこんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じています。(中略)せめて離婚の慰謝料を受けとったら岩手に義捐金として送るつもりです。(中略) 小澤和子」  ここでも何度か書いているが、私とこれをスクープした松田賢弥記者が小沢一郎をやろうと思いたったのは、小沢が自民党最年少の幹事長になった頃だったから、今から20数年前になる。  田中角栄の庇護を受けて伸びてきた若き実力者に注目し、小沢を中心に据えて永田町を見ていこうというものだった。  私は小沢の憲法観や「普通の国」という“危険”な考え方には批判的だったが、彼が今後どう動いていくのかには興味があった。  私たちの予想通り、小沢は権力者への階(きざはし)を順調に上っていった。途中、心臓病で倒れたり、自民党を離党し新党をつくったが、常に権力の中心にいた。  私が週刊現代編集長時代は、毎週のように松田記者の手による小沢批判が誌面に載った。金脈研究はもちろんのこと、紀尾井町の料亭「満ん賀ん」の女将とのラブロマンスから、彼女が引き取った「隠し子」のことまで書いた。  正直、なかにはなかなか書きにくいこともあったし、十分に裏の取れないこともあった。それは小沢が若いタレントに産ませたという子どものことだった。彼女の素性はわかったが、なぜ、何年か経って「満ん賀ん」の女将だった小沢の愛人が、その子を引き取ったのだろうか。  詰め切れなかった「謎」の部分もすべて、今回の妻・和子の手紙に書いてあるではないか。  妻に、男としてはもちろんだが、政治家としてここまで完膚無きまでに批判された代議士は聞いたことがない。「あいつ(●●●●)とは別れられないが、お前となら別れられるからいつでも離婚してやる」という小沢の心ないひと言が、彼女をしてここまで書く決意をさせたのだろう。馬鹿な男だ。  小沢一郎という政治家の終焉である。妻から捨てられ、地元から見捨てられた政治家は生きてはいけない。消費税増税反対に最後の力を振り絞るのだろうが、もはや小沢の帰るところはない。  私が現役を離れたため、たった一人で小沢をここまで追い込んだ松田記者の執念の取材は、お見事というしかない。  それにしても、新聞もテレビも、これについてほとんど報じていないのはなぜなのだ。これはAKB48のアイドルが男と一泊したという程度のスキャンダルではない。  田中角栄と金庫番といわれた愛人・佐藤昭子とのスキャンダルが文藝春秋に載ったときも、新聞、テレビは触れなかった。  今の政治を動かしている一方の旗頭の正真正銘の大醜聞である。それも彼の妻が、な批判が巻き起こることを覚悟して書いたものを取り上げないメディアには、存在価値などないと言っていい。  週刊現代で立花隆は言っている。 「ここまで小沢の本性が明らかになった以上、今後は小沢抜きの政局しか考えられない。彼を庇い続けてきた輿石(東)幹事長としても、さすがに庇いきれないだろう。(中略)小沢抜きの政局のなかで、野田総理が代表選も凌いで来年夏の衆参W選挙まで引っ張る公算が強くなった」  どちらにしても、小沢一郎よさらばである。 (文=元木昌彦)

「東電OL殺人事件」再審決定 信頼感を失った司法の世界に風穴が開く?

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「週刊朝日」6月22日号
グランプリ 「東電OL殺人事件再審決定 佐野眞一『司法も警察も恥を知れ』」(「週刊朝日」6月22日号) 第2位 「『世界恐慌』を乗り越えるための全情報 あなたの預金が溶けてなくなる」(「週刊現代」6月23日号) 第3位 「『菊地直子』を通り過ぎた4人の男」(「週刊新潮」6月14日号) 次点 「オモロすぎるばい!福岡県警」(「週刊ポスト」6月22日号)  今週は4本を選んでみた。次点の記事は2ページだが、私はこういう記事が好きだ。  福岡県警のHPが“充実”しているという。HPには「手りゅう弾に注意!」と題したページがある。殺傷能力が異なる4種類の手榴弾が写真付きで紹介され、「絶対に踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」と書かれている。  そんなことするもんかと思うが、そうではない。この県は発砲件数、指定暴力団数共に全国1位で、昨年1月以降4件もの手榴弾使用事件が起きているのだ。  しかも実名で手榴弾があることを通報すると、押収されて被疑者も検挙されれば10万円の報奨金が出るという。  2年前には全国で初めて「みかじめ通報ダイヤル」を設置して、暴力団からみかじめ料や用心棒代、ショバ代などを要求されたらここへ電話をかけてくれれば助けますよとした。その他にも暴力団から因縁を付けられたら「暴力追放ダイヤル」、暴力団による企業へのゆすり・恐喝を取り締まる「企業たかり遮断FAX」、組員を検挙した際に流す「暴力団員検挙速報」など、至れり尽くせりである。  また、暴力団の本当のおっかない姿を描いたビデオ『許されざる者』を自主制作していて、レンタルビデオ店に行けば無料で借りることができる。  こうしたやり方に「暴力団取締の負担を市民に押し付けているのではないか」という批判もあるようだが、“日本で一番物騒な県”の汚名を晴らすためには致し方ないのではないかと思うのだが。  菊地直子逮捕を各週刊誌が挙って取り上げているが、週刊新潮、週刊文春がいち早く書いてしまったため、月曜発売の週刊誌はやり方を工夫してきた。  「高額懸賞金付き『凶悪逃亡犯」」(週刊ポスト)、「高橋克也『隠遁生活』と『最終攻防』菊地直子 男にハマった『信仰』と『逃亡生活』」(週刊朝日)、「菊地直子と高橋克也 6000日のオウム逃亡ノート」(週刊現代)。だが、残念ながら両誌を抜く内容はなかった。  新潮、文春ともに菊地直子(40)が逮捕されるまでの17年間の逃亡生活や、犯人隠匿容疑で逮捕された高橋寛人(41)容疑者との同棲生活などについて触れ、菊地が書いたというノートにある、彼女と関係のあった男たちとの「性欲」についての記述を取り上げている。  だが内容は、「逃げるためには性欲を利用してもいいんだという考えに走ることになり」、「私の中に、性欲と同時に、性欲に対する恐怖があった」という記述があるだけである。  新潮は「焼酎『吉四六』緑茶割りが定番だった」など、二人がよく行った居酒屋でのディテールも書き込んである。  新潮は「情報提供者は『同居男親族』で彼も通報を知っていた」と、菊地の逮捕につながった警察への情報提供者は「同居男の親族」だと見出しで打っている。文春も書いてはいるが、この記事、新潮に軍配をあげたい。  新潮によれば、菊地逮捕からさかのぼること約12時間前、同居していた高橋が、なぜか元妻に電話をかけて会っている頃、高橋の親族(文春によれば高橋の兄)が桜田門の警視庁まで出向いて情報提供したというのである。  特別手配の菊地には公的懸賞金が800万円、警察OB組織が用意する200万円と合わせて1,000万円の賞金が情報提供者に出る。  ポストによれば、国内で最初に懸賞金をかけて情報を集めた事件は、23年前の坂本堤弁護士一家殺害事件だそうだ。この時は全国の弁護士有志が支援団体を結成して、総額2,000万円で情報提供を呼びかけた。  この事件がオウム真理教による犯行だとわかったのは情報提供者からではなく、オウム内部の人間が現代に「告白」したからだった。だが、今回の菊地や高橋克也の情報提供は、懸賞金がかかってから急増したそうである。  現代は、菊地と同居していた高橋の親族が通報し、高橋もそれを知っていたとしている。その理由は純愛である。 「寛人は逮捕後、『彼女に罪を償わせ、結婚したい』と供述しているという」(現代)  高橋克也も最近の顔が公開されたから、逮捕されるのは時間の問題のようだが、彼が捕まってもオウムの深い闇の全貌は見えてはこないだろう。  現代が藤田康雄編集長に替わった。週刊誌は編集長が替わると内容まで変わってくるが、今の橋下徹大阪市長礼賛の編集方針が変わるのか変わらないのか、注目である。  先週の現代でノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマンがこう言っていた。 「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」  ギリシャがユーロを離脱するかどうかはまだハッキリしないが、一足早くスペイン政府が大量の不良債権を抱える銀行の救済のために、欧州連合(EU)に金融支援を要請する意向を示し、ユーロ圏各国が10兆円規模の金融支援を行うことを決めた。  この程度の支援でスペインの金融危機が回避できるのかは不透明だが、現代はこのままいくと日本国債の暴落が始まり超インフレが来ると警鐘を鳴らしている。この記事が第2位。  一橋大学小黒一正准教授が、こう話す。 「危機の引き金になるのは日本国債の暴落だ。いまはギリシャ、スペインなど国債危機が過熱しているので、“安全資産”として日本国債が買われているが、逆にこれが問題を深刻にしている。世界最悪レベルの財政赤字を抱える日本国債が“安全”ということ自体がおかしいわけで、日本国債のバブルが目下膨らんでいるといえるからだ。しかし、安全神話はいつ崩壊してもおかしくない」  そのXデーはすぐ起きるかもしれないという。明治大学加藤久和教授は、6月の国会会期末に起こる可能性まであるという。 「実は日本は消費税率が10%になっても安定しない。25%まで上げる必要があるという人もいるし、海外の投資家たちは『少なくとも日本は20%まで上げる余地がある』と考えている。逆に言えば、この余地・余力がなくなったと判断された時点で、一気に国債が売り浴びせられる可能性が高い。国会会期末を迎え、『日本は政治的に消費税が上げられない』と見なされれば、その瞬間に、日本売りが始まるかもしれない」  しかし、「デフレ下で消費税を上げると、景気がさらに悪化して、モノが売れなくなり、企業業績は一層落ち込む。税収も減るのでさらに増税しなければいけなくなり、それで再びモノが売れなくなり……という悪循環に陥る。(中略)疲弊した企業も個人も日本国債を買い支えることができなくなり、日本銀行が約1000兆円の国債を引き受けざるをえなくなる。その瞬間、カネの価値は一気に暴落し、超インフレが起こるのです」(経済評論家・森永卓郎)という見方も説得力がある。  現代は、極端な例だが、スタバのカフェモカが1杯3万8,000円になることもありうるとシュミレーションしている。  だが、そのことへの対策が、変動金利で住宅ローンを組んでいる人は固定金利に切り替える、デフレで落ち込んだ不動産などのモノを仕込んでおけば、インフレになれば価値が上がる程度のことでは、ものの役には立つまい。年金暮らしの私など、1週間も生きてはいられないはずである。  クルーグマンはこういっているではないか。この危機を乗り越えるためには、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと。  世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど恐くないとも言っている。 「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」(クルーグマン)  政治に求められているのは、消費税を上げることではなく、どうしたら経済を成長させることができるかであろう。週刊誌はやたら危機を煽るだけではなく、そのために何をしなければいけないのかも提示することが求められるはずである。  さて今週のグランプリは、1997年に起きた「東電OL殺人事件」で逮捕されたネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告が、一審で無罪だったにもかかわらず、二審で有罪になり2003年に無期懲役が確定したが、これを「冤罪」だとして取材を続けてきたノンフィクション・ライター佐野眞一の怒りの手記である。  ゴビンダは無罪を訴え続け、再審請求してきたが、8年経ってようやく東京高裁が再審を決定した。  佐野は、この背景には最新のDNA鑑定、足利事件の菅谷利和の無罪、大阪地検特捜部などの信じられない不祥事の連続が「逆バネ」になって再審への道が開かれたと書く。  佐野は、ゴビンダが犯人ではないと確信を持つようになった理由をあげている。ゴビンダが働いていた千葉幕張のインド料理店から渋谷まで、同じJRにストップウオッチを持って乗り込んでみたところ、警察が発表した殺害時刻には殺害現場には着けないことがわかった。  ゴビンダの故郷のネパールへ行き、彼と同じ渋谷の円山町アパートで暮らしていた同室者に話を聞いたところ、一人はゴビンダのアリバイを証言し、一人は警察によって殴る蹴るの暴行を受け、就職の斡旋まで受けてゴビンダを犯人に導く証言したことを告白した。 「一審無罪だったゴビンダは、憲法違反の疑いが濃厚な再拘留決定を受けた上、控訴審の東京高裁で逆転有罪無期懲役の不当判決を言い渡された。そのとき、ゴビンダが日本語で『神様、やってない』『神様、助けてください』と訴えた悲痛な叫び声は、いまでも私の耳にこびりついて離れない」(佐野)  この判決を言い渡した高木俊夫裁判長は、狭山事件の第二次再審請求を棄却し、足利事件の控訴審を棄却した「札付き裁判官」であること、ゴビンダが欧米や韓国、中国の人間ではなくネパールという最貧国からの出稼ぎ労働者であったから、その背景にレイシズム(民族差別感)があると書いている。  再審開始の決め手になったのは昨年7月、殺害現場から発見された陰毛と被害者の体内に残されていた精液が、最新のDNA鑑定によって、ゴビンダ以外の第三者のDNAと判明したことである。 「東京高裁がここまで踏み込んだ決定を下した背景に、完全に信頼感を失った司法に対する強い危機感があることを感じた。これは希望を失った司法の世界に大きな風穴を開ける画期的な決定だったと率直に評価したい」(佐野)  横浜刑務所から釈放されたゴビンダ元被告に対して、東京入国管理局横浜支局は強制退去の命令を出した。これによって臨時旅券などの発行手続きが進めば、ゴビンダ元被告は数日中に母国ネパールに向けて出国できることになる。  新聞、テレビも、東京電力の力に怯えたのか、この事件についてはほとんど報じてこなかった。事件当初は「東電OL」だったものを、東電側にクレームをつけられて「電力会社OL」と言い換えてしまった。  「東電OL」にこだわり、事件の真相を地を這うような取材で掘り起こし、ゴビンダの無罪を訴え続けた佐野のノンフィクション魂が、再審開始の大きな力になったことは間違いない。ノンフィクションの持つ力を見せてもらった。 (文=元木昌彦) (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

「東電OL殺人事件」再審決定 信頼感を失った司法の世界に風穴が開く?

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「週刊朝日」6月22日号
グランプリ 「東電OL殺人事件再審決定 佐野眞一『司法も警察も恥を知れ』」(「週刊朝日」6月22日号) 第2位 「『世界恐慌』を乗り越えるための全情報 あなたの預金が溶けてなくなる」(「週刊現代」6月23日号) 第3位 「『菊地直子』を通り過ぎた4人の男」(「週刊新潮」6月14日号) 次点 「オモロすぎるばい!福岡県警」(「週刊ポスト」6月22日号)  今週は4本を選んでみた。次点の記事は2ページだが、私はこういう記事が好きだ。  福岡県警のHPが“充実”しているという。HPには「手りゅう弾に注意!」と題したページがある。殺傷能力が異なる4種類の手榴弾が写真付きで紹介され、「絶対に踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」と書かれている。  そんなことするもんかと思うが、そうではない。この県は発砲件数、指定暴力団数共に全国1位で、昨年1月以降4件もの手榴弾使用事件が起きているのだ。  しかも実名で手榴弾があることを通報すると、押収されて被疑者も検挙されれば10万円の報奨金が出るという。  2年前には全国で初めて「みかじめ通報ダイヤル」を設置して、暴力団からみかじめ料や用心棒代、ショバ代などを要求されたらここへ電話をかけてくれれば助けますよとした。その他にも暴力団から因縁を付けられたら「暴力追放ダイヤル」、暴力団による企業へのゆすり・恐喝を取り締まる「企業たかり遮断FAX」、組員を検挙した際に流す「暴力団員検挙速報」など、至れり尽くせりである。  また、暴力団の本当のおっかない姿を描いたビデオ『許されざる者』を自主制作していて、レンタルビデオ店に行けば無料で借りることができる。  こうしたやり方に「暴力団取締の負担を市民に押し付けているのではないか」という批判もあるようだが、“日本で一番物騒な県”の汚名を晴らすためには致し方ないのではないかと思うのだが。  菊地直子逮捕を各週刊誌が挙って取り上げているが、週刊新潮、週刊文春がいち早く書いてしまったため、月曜発売の週刊誌はやり方を工夫してきた。  「高額懸賞金付き『凶悪逃亡犯」」(週刊ポスト)、「高橋克也『隠遁生活』と『最終攻防』菊地直子 男にハマった『信仰』と『逃亡生活』」(週刊朝日)、「菊地直子と高橋克也 6000日のオウム逃亡ノート」(週刊現代)。だが、残念ながら両誌を抜く内容はなかった。  新潮、文春ともに菊地直子(40)が逮捕されるまでの17年間の逃亡生活や、犯人隠匿容疑で逮捕された高橋寛人(41)容疑者との同棲生活などについて触れ、菊地が書いたというノートにある、彼女と関係のあった男たちとの「性欲」についての記述を取り上げている。  だが内容は、「逃げるためには性欲を利用してもいいんだという考えに走ることになり」、「私の中に、性欲と同時に、性欲に対する恐怖があった」という記述があるだけである。  新潮は「焼酎『吉四六』緑茶割りが定番だった」など、二人がよく行った居酒屋でのディテールも書き込んである。  新潮は「情報提供者は『同居男親族』で彼も通報を知っていた」と、菊地の逮捕につながった警察への情報提供者は「同居男の親族」だと見出しで打っている。文春も書いてはいるが、この記事、新潮に軍配をあげたい。  新潮によれば、菊地逮捕からさかのぼること約12時間前、同居していた高橋が、なぜか元妻に電話をかけて会っている頃、高橋の親族(文春によれば高橋の兄)が桜田門の警視庁まで出向いて情報提供したというのである。  特別手配の菊地には公的懸賞金が800万円、警察OB組織が用意する200万円と合わせて1,000万円の賞金が情報提供者に出る。  ポストによれば、国内で最初に懸賞金をかけて情報を集めた事件は、23年前の坂本堤弁護士一家殺害事件だそうだ。この時は全国の弁護士有志が支援団体を結成して、総額2,000万円で情報提供を呼びかけた。  この事件がオウム真理教による犯行だとわかったのは情報提供者からではなく、オウム内部の人間が現代に「告白」したからだった。だが、今回の菊地や高橋克也の情報提供は、懸賞金がかかってから急増したそうである。  現代は、菊地と同居していた高橋の親族が通報し、高橋もそれを知っていたとしている。その理由は純愛である。 「寛人は逮捕後、『彼女に罪を償わせ、結婚したい』と供述しているという」(現代)  高橋克也も最近の顔が公開されたから、逮捕されるのは時間の問題のようだが、彼が捕まってもオウムの深い闇の全貌は見えてはこないだろう。  現代が藤田康雄編集長に替わった。週刊誌は編集長が替わると内容まで変わってくるが、今の橋下徹大阪市長礼賛の編集方針が変わるのか変わらないのか、注目である。  先週の現代でノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマンがこう言っていた。 「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」  ギリシャがユーロを離脱するかどうかはまだハッキリしないが、一足早くスペイン政府が大量の不良債権を抱える銀行の救済のために、欧州連合(EU)に金融支援を要請する意向を示し、ユーロ圏各国が10兆円規模の金融支援を行うことを決めた。  この程度の支援でスペインの金融危機が回避できるのかは不透明だが、現代はこのままいくと日本国債の暴落が始まり超インフレが来ると警鐘を鳴らしている。この記事が第2位。  一橋大学小黒一正准教授が、こう話す。 「危機の引き金になるのは日本国債の暴落だ。いまはギリシャ、スペインなど国債危機が過熱しているので、“安全資産”として日本国債が買われているが、逆にこれが問題を深刻にしている。世界最悪レベルの財政赤字を抱える日本国債が“安全”ということ自体がおかしいわけで、日本国債のバブルが目下膨らんでいるといえるからだ。しかし、安全神話はいつ崩壊してもおかしくない」  そのXデーはすぐ起きるかもしれないという。明治大学加藤久和教授は、6月の国会会期末に起こる可能性まであるという。 「実は日本は消費税率が10%になっても安定しない。25%まで上げる必要があるという人もいるし、海外の投資家たちは『少なくとも日本は20%まで上げる余地がある』と考えている。逆に言えば、この余地・余力がなくなったと判断された時点で、一気に国債が売り浴びせられる可能性が高い。国会会期末を迎え、『日本は政治的に消費税が上げられない』と見なされれば、その瞬間に、日本売りが始まるかもしれない」  しかし、「デフレ下で消費税を上げると、景気がさらに悪化して、モノが売れなくなり、企業業績は一層落ち込む。税収も減るのでさらに増税しなければいけなくなり、それで再びモノが売れなくなり……という悪循環に陥る。(中略)疲弊した企業も個人も日本国債を買い支えることができなくなり、日本銀行が約1000兆円の国債を引き受けざるをえなくなる。その瞬間、カネの価値は一気に暴落し、超インフレが起こるのです」(経済評論家・森永卓郎)という見方も説得力がある。  現代は、極端な例だが、スタバのカフェモカが1杯3万8,000円になることもありうるとシュミレーションしている。  だが、そのことへの対策が、変動金利で住宅ローンを組んでいる人は固定金利に切り替える、デフレで落ち込んだ不動産などのモノを仕込んでおけば、インフレになれば価値が上がる程度のことでは、ものの役には立つまい。年金暮らしの私など、1週間も生きてはいられないはずである。  クルーグマンはこういっているではないか。この危機を乗り越えるためには、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと。  世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど恐くないとも言っている。 「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」(クルーグマン)  政治に求められているのは、消費税を上げることではなく、どうしたら経済を成長させることができるかであろう。週刊誌はやたら危機を煽るだけではなく、そのために何をしなければいけないのかも提示することが求められるはずである。  さて今週のグランプリは、1997年に起きた「東電OL殺人事件」で逮捕されたネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告が、一審で無罪だったにもかかわらず、二審で有罪になり2003年に無期懲役が確定したが、これを「冤罪」だとして取材を続けてきたノンフィクション・ライター佐野眞一の怒りの手記である。  ゴビンダは無罪を訴え続け、再審請求してきたが、8年経ってようやく東京高裁が再審を決定した。  佐野は、この背景には最新のDNA鑑定、足利事件の菅谷利和の無罪、大阪地検特捜部などの信じられない不祥事の連続が「逆バネ」になって再審への道が開かれたと書く。  佐野は、ゴビンダが犯人ではないと確信を持つようになった理由をあげている。ゴビンダが働いていた千葉幕張のインド料理店から渋谷まで、同じJRにストップウオッチを持って乗り込んでみたところ、警察が発表した殺害時刻には殺害現場には着けないことがわかった。  ゴビンダの故郷のネパールへ行き、彼と同じ渋谷の円山町アパートで暮らしていた同室者に話を聞いたところ、一人はゴビンダのアリバイを証言し、一人は警察によって殴る蹴るの暴行を受け、就職の斡旋まで受けてゴビンダを犯人に導く証言したことを告白した。 「一審無罪だったゴビンダは、憲法違反の疑いが濃厚な再拘留決定を受けた上、控訴審の東京高裁で逆転有罪無期懲役の不当判決を言い渡された。そのとき、ゴビンダが日本語で『神様、やってない』『神様、助けてください』と訴えた悲痛な叫び声は、いまでも私の耳にこびりついて離れない」(佐野)  この判決を言い渡した高木俊夫裁判長は、狭山事件の第二次再審請求を棄却し、足利事件の控訴審を棄却した「札付き裁判官」であること、ゴビンダが欧米や韓国、中国の人間ではなくネパールという最貧国からの出稼ぎ労働者であったから、その背景にレイシズム(民族差別感)があると書いている。  再審開始の決め手になったのは昨年7月、殺害現場から発見された陰毛と被害者の体内に残されていた精液が、最新のDNA鑑定によって、ゴビンダ以外の第三者のDNAと判明したことである。 「東京高裁がここまで踏み込んだ決定を下した背景に、完全に信頼感を失った司法に対する強い危機感があることを感じた。これは希望を失った司法の世界に大きな風穴を開ける画期的な決定だったと率直に評価したい」(佐野)  横浜刑務所から釈放されたゴビンダ元被告に対して、東京入国管理局横浜支局は強制退去の命令を出した。これによって臨時旅券などの発行手続きが進めば、ゴビンダ元被告は数日中に母国ネパールに向けて出国できることになる。  新聞、テレビも、東京電力の力に怯えたのか、この事件についてはほとんど報じてこなかった。事件当初は「東電OL」だったものを、東電側にクレームをつけられて「電力会社OL」と言い換えてしまった。  「東電OL」にこだわり、事件の真相を地を這うような取材で掘り起こし、ゴビンダの無罪を訴え続けた佐野のノンフィクション魂が、再審開始の大きな力になったことは間違いない。ノンフィクションの持つ力を見せてもらった。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

離婚騒動の真相はこれだった!?  高城剛が明かした“エリカ大麻中毒” の内幕

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「週刊現代」6月16日号 中吊り広告より
グランプリ 「ポール・クルーグマン『預金流失、そして恐慌が始まる』」(「週刊現代」6月16日号) 第2位 「沢尻エリカの夫・高城剛氏を直撃!『大麻』『不倫』『離婚』初めて語られる全真相」(「週刊文春」6月7日号) 第3位 「鈴木亜美『高岡蒼佑と衝撃の連泊愛!』」(「フライデー」6月15日号) 佳作 「袋とじ 特撮連写 女子なぜ濡れるのか」(「週刊現代」6月16日号)  毎日新聞が6月4日の朝刊で、解散総選挙になれば橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が民主党や自民党を圧倒すると報じている。  世論調査で次期衆院選比例代表の投票先を聞いた結果、民主党は14%、自民党16%に対して、維新の会は28%もあるのだそうだ。「維新が政党不信の受け皿として、近畿だけでなく、全国レベルで浸透している現状が浮き彫りになった」と毎日は書いている。  えらいこっちゃ。これでは、臆病な野田佳彦首相は解散に踏み切れないだろうな。自民党との「野合」がダメな場合は、野垂れ死にするしかないようだ。  順位発表。まずは佳作から。久しぶりに現代が過激なグラビアを組んでくれた。女性二人にオナニーをしてもらって、そのときに出た「愛液」をスポイトでとり、プレパラートに垂らして観察する。 「愛液は酸性です。ちなみに、同世代の女性では処女のほうが酸性度が高く、経験豊富な女性ほど低下し、膣内はアルカリ性に近づく」(セクソロジー渡仲三)  すごいのは「究極の神秘 潮吹きを科学」しているページ。オナニーをしている二人の女性の足の間から、オシッコのようなものが飛び出している。電気マッサージやバイブレーターを使って、数分で「斜め45度に放射状に飛び散った」というのだ。  ひと昔前まではこの手の企画がよくあったが、最近では珍しい迫力満点の袋とじである。決して人前で見てはいけませんぞ!  3位はフライデーの「スクープ撮」。妻・宮崎あおいに愛想を尽かされてしまった高岡蒼佑が、こちらも最近イケメン実業家と別れた歌手の鈴木亜美と「連泊愛」しているというのだ。  扉ページの二人の飾り気のない部屋着姿が微笑ましい。  某夜、0時を過ぎた六本木で亜美を降ろした高岡は、近くのパーキングで待っていたが、そのうちダッシュボードに足を乗せて熟睡してしまう。  クラブの仕事を終えて戻ってきた亜美が、窓ガラスをコンコン。飛び起きる高岡の姿に亜美がクスクス笑っている。その後、二人は都内の高台にある高岡の瀟洒なマンションへ消える。  毎夜、亜美のアッシーとなっている高岡は、役者仲間にいわせると一途に尽くすタイプの男だそうである。  深夜、マンションに帰り、オートロックを解除するや、亜美の手が高岡の腰に伸び、抱き合っている姿からは「熱愛」の二文字が浮かんでくる。  宮崎あおいよりもお似合いのカップルだと思うよ。  巻頭にある木村拓哉と女房・工藤静香の「LOVE・サーフ」の写真もいい。  5月24日、千葉の九十九里浜。オレンジのボードで波に乗るキムタクが格好いい。工藤も2児の母とは思えないスタイルで、なかなかのサーファーぶりである。  第2位は、先週に続いて沢尻エリカの「大麻中毒」を追った文春の記事。今週は夫の高城剛を直撃インタビューして、すごい証言を引き出している。 「エリカは、離婚騒動がはじまる前に、エイベックスの松浦勝人社長に会ったと言いました。松浦社長は彼女に『スターダストから、大麻の件を聞いている。ドラッグ検査の際のやりとりの録音も持っている』と話したということです。そして、『高城と離婚することがエイベックスとの契約の条件』とし、『俺が離婚させてやる。マスコミはどうにでもなる』と話したというのです。弱みを握られたエリカは、『エイベックスに行くしかない』と話していました」  彼女の前の所属事務所・スターダストは、俳優の押尾学や酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕、検挙されたため、09年9月に事務所を挙げて所属タレントの薬物検査を実施。そこで沢尻が大麻常習者だとわかり、契約解除したというのだ。その通知書を文春は手に入れたが、そこには、 「平成21年9月10日に本人の同意のもと薬物検査をしたところ大麻について陽性反応が示され、本人は大麻使用の事実を認めた上で、今後大麻の使用を止めることはできない旨を表明したことなどが、専属契約の第9条に該当することによるものです」  と書かれていた。高城はこうも語っている。 「当時、僕はスターダストの事務所に呼び出され、取締役F氏とマネージャーのK氏から、この件について直接聞きました。書類は間違いない」  そこで高城は滞在していたロンドンで、彼女を現地の代替治療施設に通わせ、その治療がうまくゆき、彼女が立ち直ったように見えたので結婚したのだそうだ。  その後、エリカからの一方的な離婚表明などがあったが、エリカの弁護士からの仲介もあり、二人で身を隠すためにスペインに向かったという。  バルセロナでは部屋に閉じこもっていることが多かったが、エリカは彼の地の自称「大麻インストラクター」のセルジオと知り合い、再び薬物にはまっていった。  セルジオはエリカと寝るとき、エクスタシーという合成麻薬の一種も使ったと証言している。これを高城にぶつけると、エリカ本人から聞いたと裏付けている。そして、 「僕はエリカに何度も(薬物から)立ち直るよう説得してきました。ところが、そのたびに彼女の周囲にいる仕事関係者や友人は『エリカらしいから大丈夫』『そのままでいい』などとそそのかし、彼女の更生を阻んだのです」  そして最後には、高城に「ファック!」と叫び、壁にコーヒーカップを投げつけて帰国してしまったのだ。  さらに文春は「TBSは薬物を認識していた」としている。  エリカは09年にスターダストをクビになり、ヒロイン役に内定していた映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を降板させられるのだが、その制作委員会にTBSも名を連ねていた。  高城は、当時の制作委員会の人間から、TBSにも薬物検査の結果が伝えられていると、ハッキリ聞いているそうである。 「なぜ、ヤマトでエリカを降ろしたTBSが、エリカを再びドラマ(『悪女について』=筆者注)に起用するのか。薬物問題はどうパスしたのか。理解できません。エイベックス、スターダスト、TBSなどのメディア、そして取り巻きのクリエイターたち……。エリカの薬物を認識する人は複数います。それを見て見ぬ振りを決め込み、握り潰し、夫を黙らせようとする。そして、エリカの弱みを握り、裸にして、カネにしようというのが、このたびの離婚騒動に隠された真相なのです」(高城)  大手芸能プロやTBSを巻き込んだ大スキャンダルだが、エイベックスやスターダストの力に恐れをなしたか、このことは一部の夕刊紙を除いて、ほとんどの新聞、テレビが取り上げることはなかった。  文春は厚労省の現役麻薬Gメンに「重大な関心をもっている」と語らせている。星薬科大学の鈴木勉教授は、 「よく、『大麻はタバコより害がない』という声を聞きますが、大麻の“精神的な依存性”はタバコのニコチンよりかなり強い。大麻は『ゲートウェイ・ドラッグ』とも呼ばれ、合成麻薬など他の薬物に繋がる可能性が非常に高く、幻覚が見える・眠気に襲われるなどの作用があります」  大麻所持の公訴期間は5年だから、エリカの時効は成立していない。映画封切りに向け、どういう展開を見せるのだろうか。  今週のグランプリは鈴木章一編集長がつくる最後の号への餞(はなむけ)ではないが、現代のノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマンのインタビューにあげたい。  クルーグマンはギリシャの財政再建計画は現実的に実行不可能だと言っている。 「現実が私の言っていたようになってきている。もはやギリシャにはユーロを離脱し、そこから改めてやり直す以外に道は残っていない」  ギリシャがユーロを離脱するのは、6月中に50%の確率であるという。どちらにしても90%の確率で、ギリシャはユーロを離脱すると予測するのだ。  しかしその影響は「計り知れない。対応を誤れば、ユーロ圏で大パニックが起こることになる」という。 「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」  それを避けるためにECB(欧州中央銀行)が乗り出し、スペインやイタリアにカネを貸し付けることになるだろうが、もしECBが動かなかったとき、またそれだけ大量のカネを供給できなかった場合は「預金封鎖」になるという。  このような事態はポルトガルでも起こり、そうした国々は次々にユーロを離脱してドミノ倒しのようにユーロ離れが起こる。  さらにクルーグマンは、ユーロというプロジェクトが失敗すればどんなひどいことが起きても不思議ではないと、こう話す。 「戦争が起こる可能性? ヨーロッパではすでに過激派政党がどんどん力を持ってきている。アドルフ・ヒットラーが戻ってくることはないだろうが、過激派がさらに増加することは間違いない。ハンガリーではそういう状態にある」  しかし、アメリカは日本経済と似たような状態だし、ユーロ諸国も同じ。中国も成長のスピードが落ちていて、労働者の賃金も上がっていることから、成長の速度はさらに落ちるという。  日本経済はというと、政策当局はこの15年間アグレッシブな政策をとることを拒否してきたし、それは今も変わっていない。  日本銀行は今年に入ってやっとインフレ目標を1%としたが、本来なら3%、4%にしなければならないはずだとして、クルーグマンは「もう日銀に期待するのはやめた」とまで言い切っている。 「野田首相も現在5%の消費税を2年後に8%、3年半後に10%まで上げようとしているが、いかにもタイミングが悪すぎる。いずれ消費税を上げなければいけないことにはなるだろうが、それはいまではない。この時期に消費税を上げたら、もっと消費が落ち込み、経済が悪化することは目に見えている。日本の政策当局はいつも、これといった大胆な政策を打たないできた。だからこそ、他国でショックが起きたときにはかなりきつく影響が波及してしまう」  クルーグマンはこの危機を乗り越えるために、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと説く。  さらに世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど怖くないともいう。 「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」  この記事を、野田首相に読ませてやりたいものである。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

離婚騒動の真相はこれだった!?  高城剛が明かした“エリカ大麻中毒” の内幕

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「週刊現代」6月16日号 中吊り広告より
グランプリ 「ポール・クルーグマン『預金流失、そして恐慌が始まる』」(「週刊現代」6月16日号) 第2位 「沢尻エリカの夫・高城剛氏を直撃!『大麻』『不倫』『離婚』初めて語られる全真相」(「週刊文春」6月7日号) 第3位 「鈴木亜美『高岡蒼佑と衝撃の連泊愛!』」(「フライデー」6月15日号) 佳作 「袋とじ 特撮連写 女子なぜ濡れるのか」(「週刊現代」6月16日号)  毎日新聞が6月4日の朝刊で、解散総選挙になれば橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が民主党や自民党を圧倒すると報じている。  世論調査で次期衆院選比例代表の投票先を聞いた結果、民主党は14%、自民党16%に対して、維新の会は28%もあるのだそうだ。「維新が政党不信の受け皿として、近畿だけでなく、全国レベルで浸透している現状が浮き彫りになった」と毎日は書いている。  えらいこっちゃ。これでは、臆病な野田佳彦首相は解散に踏み切れないだろうな。自民党との「野合」がダメな場合は、野垂れ死にするしかないようだ。  順位発表。まずは佳作から。久しぶりに現代が過激なグラビアを組んでくれた。女性二人にオナニーをしてもらって、そのときに出た「愛液」をスポイトでとり、プレパラートに垂らして観察する。 「愛液は酸性です。ちなみに、同世代の女性では処女のほうが酸性度が高く、経験豊富な女性ほど低下し、膣内はアルカリ性に近づく」(セクソロジー渡仲三)  すごいのは「究極の神秘 潮吹きを科学」しているページ。オナニーをしている二人の女性の足の間から、オシッコのようなものが飛び出している。電気マッサージやバイブレーターを使って、数分で「斜め45度に放射状に飛び散った」というのだ。  ひと昔前まではこの手の企画がよくあったが、最近では珍しい迫力満点の袋とじである。決して人前で見てはいけませんぞ!  3位はフライデーの「スクープ撮」。妻・宮崎あおいに愛想を尽かされてしまった高岡蒼佑が、こちらも最近イケメン実業家と別れた歌手の鈴木亜美と「連泊愛」しているというのだ。  扉ページの二人の飾り気のない部屋着姿が微笑ましい。  某夜、0時を過ぎた六本木で亜美を降ろした高岡は、近くのパーキングで待っていたが、そのうちダッシュボードに足を乗せて熟睡してしまう。  クラブの仕事を終えて戻ってきた亜美が、窓ガラスをコンコン。飛び起きる高岡の姿に亜美がクスクス笑っている。その後、二人は都内の高台にある高岡の瀟洒なマンションへ消える。  毎夜、亜美のアッシーとなっている高岡は、役者仲間にいわせると一途に尽くすタイプの男だそうである。  深夜、マンションに帰り、オートロックを解除するや、亜美の手が高岡の腰に伸び、抱き合っている姿からは「熱愛」の二文字が浮かんでくる。  宮崎あおいよりもお似合いのカップルだと思うよ。  巻頭にある木村拓哉と女房・工藤静香の「LOVE・サーフ」の写真もいい。  5月24日、千葉の九十九里浜。オレンジのボードで波に乗るキムタクが格好いい。工藤も2児の母とは思えないスタイルで、なかなかのサーファーぶりである。  第2位は、先週に続いて沢尻エリカの「大麻中毒」を追った文春の記事。今週は夫の高城剛を直撃インタビューして、すごい証言を引き出している。 「エリカは、離婚騒動がはじまる前に、エイベックスの松浦勝人社長に会ったと言いました。松浦社長は彼女に『スターダストから、大麻の件を聞いている。ドラッグ検査の際のやりとりの録音も持っている』と話したということです。そして、『高城と離婚することがエイベックスとの契約の条件』とし、『俺が離婚させてやる。マスコミはどうにでもなる』と話したというのです。弱みを握られたエリカは、『エイベックスに行くしかない』と話していました」  彼女の前の所属事務所・スターダストは、俳優の押尾学や酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕、検挙されたため、09年9月に事務所を挙げて所属タレントの薬物検査を実施。そこで沢尻が大麻常習者だとわかり、契約解除したというのだ。その通知書を文春は手に入れたが、そこには、 「平成21年9月10日に本人の同意のもと薬物検査をしたところ大麻について陽性反応が示され、本人は大麻使用の事実を認めた上で、今後大麻の使用を止めることはできない旨を表明したことなどが、専属契約の第9条に該当することによるものです」  と書かれていた。高城はこうも語っている。 「当時、僕はスターダストの事務所に呼び出され、取締役F氏とマネージャーのK氏から、この件について直接聞きました。書類は間違いない」  そこで高城は滞在していたロンドンで、彼女を現地の代替治療施設に通わせ、その治療がうまくゆき、彼女が立ち直ったように見えたので結婚したのだそうだ。  その後、エリカからの一方的な離婚表明などがあったが、エリカの弁護士からの仲介もあり、二人で身を隠すためにスペインに向かったという。  バルセロナでは部屋に閉じこもっていることが多かったが、エリカは彼の地の自称「大麻インストラクター」のセルジオと知り合い、再び薬物にはまっていった。  セルジオはエリカと寝るとき、エクスタシーという合成麻薬の一種も使ったと証言している。これを高城にぶつけると、エリカ本人から聞いたと裏付けている。そして、 「僕はエリカに何度も(薬物から)立ち直るよう説得してきました。ところが、そのたびに彼女の周囲にいる仕事関係者や友人は『エリカらしいから大丈夫』『そのままでいい』などとそそのかし、彼女の更生を阻んだのです」  そして最後には、高城に「ファック!」と叫び、壁にコーヒーカップを投げつけて帰国してしまったのだ。  さらに文春は「TBSは薬物を認識していた」としている。  エリカは09年にスターダストをクビになり、ヒロイン役に内定していた映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を降板させられるのだが、その制作委員会にTBSも名を連ねていた。  高城は、当時の制作委員会の人間から、TBSにも薬物検査の結果が伝えられていると、ハッキリ聞いているそうである。 「なぜ、ヤマトでエリカを降ろしたTBSが、エリカを再びドラマ(『悪女について』=筆者注)に起用するのか。薬物問題はどうパスしたのか。理解できません。エイベックス、スターダスト、TBSなどのメディア、そして取り巻きのクリエイターたち……。エリカの薬物を認識する人は複数います。それを見て見ぬ振りを決め込み、握り潰し、夫を黙らせようとする。そして、エリカの弱みを握り、裸にして、カネにしようというのが、このたびの離婚騒動に隠された真相なのです」(高城)  大手芸能プロやTBSを巻き込んだ大スキャンダルだが、エイベックスやスターダストの力に恐れをなしたか、このことは一部の夕刊紙を除いて、ほとんどの新聞、テレビが取り上げることはなかった。  文春は厚労省の現役麻薬Gメンに「重大な関心をもっている」と語らせている。星薬科大学の鈴木勉教授は、 「よく、『大麻はタバコより害がない』という声を聞きますが、大麻の“精神的な依存性”はタバコのニコチンよりかなり強い。大麻は『ゲートウェイ・ドラッグ』とも呼ばれ、合成麻薬など他の薬物に繋がる可能性が非常に高く、幻覚が見える・眠気に襲われるなどの作用があります」  大麻所持の公訴期間は5年だから、エリカの時効は成立していない。映画封切りに向け、どういう展開を見せるのだろうか。  今週のグランプリは鈴木章一編集長がつくる最後の号への餞(はなむけ)ではないが、現代のノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマンのインタビューにあげたい。  クルーグマンはギリシャの財政再建計画は現実的に実行不可能だと言っている。 「現実が私の言っていたようになってきている。もはやギリシャにはユーロを離脱し、そこから改めてやり直す以外に道は残っていない」  ギリシャがユーロを離脱するのは、6月中に50%の確率であるという。どちらにしても90%の確率で、ギリシャはユーロを離脱すると予測するのだ。  しかしその影響は「計り知れない。対応を誤れば、ユーロ圏で大パニックが起こることになる」という。 「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」  それを避けるためにECB(欧州中央銀行)が乗り出し、スペインやイタリアにカネを貸し付けることになるだろうが、もしECBが動かなかったとき、またそれだけ大量のカネを供給できなかった場合は「預金封鎖」になるという。  このような事態はポルトガルでも起こり、そうした国々は次々にユーロを離脱してドミノ倒しのようにユーロ離れが起こる。  さらにクルーグマンは、ユーロというプロジェクトが失敗すればどんなひどいことが起きても不思議ではないと、こう話す。 「戦争が起こる可能性? ヨーロッパではすでに過激派政党がどんどん力を持ってきている。アドルフ・ヒットラーが戻ってくることはないだろうが、過激派がさらに増加することは間違いない。ハンガリーではそういう状態にある」  しかし、アメリカは日本経済と似たような状態だし、ユーロ諸国も同じ。中国も成長のスピードが落ちていて、労働者の賃金も上がっていることから、成長の速度はさらに落ちるという。  日本経済はというと、政策当局はこの15年間アグレッシブな政策をとることを拒否してきたし、それは今も変わっていない。  日本銀行は今年に入ってやっとインフレ目標を1%としたが、本来なら3%、4%にしなければならないはずだとして、クルーグマンは「もう日銀に期待するのはやめた」とまで言い切っている。 「野田首相も現在5%の消費税を2年後に8%、3年半後に10%まで上げようとしているが、いかにもタイミングが悪すぎる。いずれ消費税を上げなければいけないことにはなるだろうが、それはいまではない。この時期に消費税を上げたら、もっと消費が落ち込み、経済が悪化することは目に見えている。日本の政策当局はいつも、これといった大胆な政策を打たないできた。だからこそ、他国でショックが起きたときにはかなりきつく影響が波及してしまう」  クルーグマンはこの危機を乗り越えるために、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと説く。  さらに世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど怖くないともいう。 「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」  この記事を、野田首相に読ませてやりたいものである。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

復帰のシナリオは引退直後から? 紳助「復帰ドキュメンタリー」

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「週刊ポスト」5月25日号 中吊り広告より
グランプリ 「島田紳助『復帰ドキュメンタリー』ただいま極秘撮影中!」(「週刊ポスト」5月25日号) 第2位 「告白『塩谷瞬に、私は歯形が残るほど噛まれました』」(「フライデー」5月25日号) 第3位 「嫁と娘は出て行った 宮沢りえの夫がぼやく不同意別居と離婚」(「週刊新潮」5月17日号)  5月14日の朝日新聞朝刊を開いて仰天した。「6月6日開票 AKB48総選挙」の一面広告が3ページぶち抜きで載っている。  今年が第4回で、前回の総数が約116万票だったとあるが、投票券が欲しくて何枚もCDを買うファンがいることに、金権選挙ではないかという批判があることを朝日が知らないわけはない。  この企画は、朝日グループの日刊スポーツと朝日新聞広告局が製作したとあるから、そんなことは知ったことではないということか。  驚くのはまだ早い。有力メンバー4人が大きく載っている見開きの下には、「日本クレジット協会」の広告があるのだ。篠田麻里子の写真と共に「正しく使って、より安全・安心 クレジットカード」「好きですルールを守る人」と特筆大書してある。  CDを買い込むためにクレジットカードを使う若者も多いはずだ。一時の衝動で大量買いしたが翌月支払えず、トラブルになるケースもあることは間違いない。  クレジットカードは「無理なく計画的に利用することが大切」だと書いてあるのは、悪い冗談としか思えない。投票熱をあおり、大量にCDを買わせるあくどい商法がクレジットカード会社を太らせているのに。  総選挙は、無料かハガキで投票できるようにするべきではないか。そう紙面で論評するのが朝日新聞の良識というものではないのか。  星浩論説委員がコラム「政治考」で消費増税論争について、「メディアは様々な案を吟味して正確に論評する。竹下流(竹下登元首相=筆者注)に言えば、メディアも『歴史の巡り合わせ』を肝に銘じる時である」と、消費税増税をやることが歴史的使命だと野田佳彦首相を全面バックアップしている。  これも、一方的な押しつけではないか。「消費増税よりも行革や経済成長を優先させるべきだという政治家は、行革や成長の中身を具体的に示してくれ」と書いているが、そうした中身を十分に出させてから、議論を詰めるべきではないのか。朝日新聞は消費税に反対している小沢一郎にも真っ正面から論争を挑むべきであろう。  朝日新聞の良識とは、強くて怖い者とは堂々と切り結ばず、世の顰蹙(ひんしゅく) を買っているグループのイベントでも儲かれば「正確な論評もなく」片棒を担ぐ程度のものなのか。  惜しくもベスト3に入り損ねたが、週刊文春の「朝日新聞主筆 若宮啓文氏 女・カネ・中国の醜聞」は、若宮が主筆に就任する前の2008年2月、中国に出張する際、女性秘書を同行させ、しかも会社の経費を使ってビジネスクラスに乗せ、高級ホテルに宿泊していたと書いている。  このことが後日、社の内部監査室による調査で発覚して、若宮もそれを認めて全額を会社に返済したという。読んでみると若宮に同情すべきところもないわけではないが、朝日新聞の社論を決める最高責任者・主筆としては、ややお粗末なミスであることは間違いない。朝日新聞が自信を喪失してきている。そう感じるのは私だけだろうか。  最近、橋下徹大阪市長についての記事が目立つ。それも、週刊現代のように「総理間違いなし」から今週は「橋下徹内閣に『あの男たち』が入るらしいぞ」という気の早い記事まで登場している。  日本を変える真の改革者になるのか、ローカルの裸の王様で終わるのか。言っていることがコロコロ変わる、カメレオンのような言動を見ていると心許ない。  ここは週刊朝日の「橋下徹大阪市長の品格を問う」にあるように、 「あまりの閉塞状況に期待を寄せたい気分はわからないこともない。だが、希代のポピュリストの行く末は、まだまだ、注意深く見守る必要がある」  と、私も思う。  さて、今週は週刊誌発のスキャンダルを3本選んでみた。まずは新潮がスクープして発覚した宮沢りえの離婚騒動。  宮沢が6歳上の男と「デキ婚」したのは3年前。サングラスの有名ブランド「オークリー」のマーケティングを担当していて、「07年に彼女がハワイにCM撮影に訪れた際、彼がコーディネート役を務めたから。その後、りえにもサーフィンを教え、急速に関係を深めていきました」(芸能記者)  しかし、ハワイを中心に活動している亭主とりえの間にすれ違いが生じてきたようだ。  今年2月頃、浅草のフィリピンパブに来ていた亭主がこう嘆いていたという。 「かみさんが……りえがいなくなったんだよ。このまえ、ハワイから帰ってきたら、りえが娘を連れて、家を出て行っちゃったんだ。俺の荷物だけ残して、あとはもぬけの殻さ」  理由は、その店の関係者がこう語っている。 「収入の格差と、ハワイと日本を行き来するヒロさん(亭主=筆者注)の“二重生活”に、彼女の方が嫌気がさしたから、と聞きましたね」  新潮側に宮沢りえから次のような回答が寄せられたという。 「主人と別居中であることは事実です。現在、弁護士を立てて、離婚の交渉をしているところです」  これをスポーツ紙が知り、ワイドショーも動いて騒動になった。  『Santa Fe』(朝日出版社)で素晴らしいヌードを披露してくれたのが18歳。それから20年以上が経った。女優としてもう一皮むけるのにはちょうどいい時期なのかもしれない。  離婚を機に、あれから様々な男を経験してきたアラフォー・りえの熟れたヘア・ヌードをぜひ見たいものだ。  2位には、「二股交際」で一躍有名になった塩谷瞬(29)のきっかけを作ったフライデーの記事。  ビートたけしも「そもそもオイラはこの塩谷ってのが何者だかわかんないし、相手のオネエチャンたちだって初めて聞く名前なんでさ」というように、どうということない俳優とモデル、料理研究家の三角愛のトラブルなのだが、フライデーがモデル・冨永愛(29)とのツーショットをスクープして「大騒動」に発展した。  文春も塩谷と付き合っているときに「歯形が残るほど噛まれた」女たちを登場させて、塩谷とのセックス話をさせているが、フライデーには噛まれた女性のふくらはぎの写真が載っているため、この記事はフライデーの判定勝ち!  この塩谷という男、俳優としてはともかく、“すけこまし”としては一流のようである。  恵比寿のキャバクラで働いていた玲子(27)が、塩谷と別れようと思ったのも噛み癖が原因だった。 「肩、太腿、ふくらはぎに噛み付いて、『痛いからやめて』と懇願しても、なかなか口を離してくれない。歯形が黒く残り、1週間以上消えず、隠すのが大変でした。そんな時、セックスで中出しまでされてしまって」  歩美(29)もセックスの最中に噛まれたという。 「挿入はいつもナマで、下腹部に出してフィニッシュ。セックス自体は淡泊で、いつも1回かぎりだったので、きっと性欲が強いわけではなく、寂しがり屋で一人でいられないタイプなんでしょう」  噛まれたふくらはぎ写真は、歩美のものである。  塩谷は小さい時分に両親が離婚し、母親の名前も知らずに育った。父親も多忙で家に帰ってこなかったために食事も十分にとれず、路上で倒れてしまったこともあるという。  愛情に飢えていた子ども時代を取り戻そうと、せっせと女漁りをしているのだろうか。そう思えば、かわいそうで寂しい奴なのかもしれない。  フライデーは東テレの看板アナ・秋元玲奈(26)が横浜DeNAの主将・石川雄洋(25)と熱々で、お泊まり愛&同伴出勤をしているとも報じている。  秋元は姉がフジテレビの『ニュースJAPAN』でキャスターをしている秋元優里(28)で、父親は外務省のキャリア外交官というエリート一家。  目黒区にある石川の高級マンションに入った秋元は翌日、石川とともに出てきて、車で国道246号を神奈川方面へ走る。  横浜スタジアムの近くで降りた秋元は球場の「関係者入り口」へ向かい、石川も同じ入り口へ。ナイショの同伴出勤である。  今週のグランプリはポストの島田紳助が「復帰ドキュメンタリー」を極秘に撮影しているという記事に贈る。  文春の4月26日号に島田紳助インタビューが掲載されたとき、私はこの欄で、紳助は復帰したいと考えていて、このインタビューがその第一歩だと書いた。  ポストによれば、復帰のシナリオは引退会見直後から描かれていたことになる。 「制作を手がけるのは、これまで吉本興業関係のバラエティ番組を数多く手がけてきた制作会社。これをフジテレビが放送する予定だという。そしてこの番組で世間の反応を見て、大丈夫そうであれば本格復帰するシナリオが描かれており、他にも撮影予定の番組が控えているようだ」  この番組は吉本側が制作し、フジテレビがそれを買ったという体裁を取るという。  この復帰計画を進めているのは複数名おり、そのひとりは大崎洋吉本興業社長ではないかといわれている。  だが、今年1月4日に行われた新春会見の席で、大崎社長は紳助に戻ってきてほしいとラブコールを送ったが、抗議の電話などが殺到して厳しい批判にさらされた。  しかも、紳助は記者会見の時、暴力団と一緒に写っている写真など絶対ないと豪語していたにもかかわらず、フライデーがスクープし、ウソだったことがばれてしまった。  そんな状況の中でも吉本が紳助復帰を画策するのは、吉本側に事情があると業界関係者は語っている。 「紳助の抜けた穴は想像以上に大きく、(中略)経営状態も盤石とはいえず、“稼ぎ頭”に早く戻ってほしいというのは切実なる本音でしょう」  番組制作には紳助自身も参加して行われているという。  暴排条例の全国施行を大いにアピールした紳助の引退宣言だったが、早くもテレビに復帰が実現すれば、警察はどうするのか。  紳助のインタビューによれば引退後、警察には一度も事情聴取されていないと言っている。一部に紳助は冤罪だとの声もある。  しかし、公に暴力団との交際があったことを認めて引退したのだから、ここは警察が任意で紳助に事情を聞き、暴力団との親密交際はクロなのか灰色に近いシロなのかを会見して発表したらどうだろうか。  なかなかの才能を持った芸人であることは間違いないのだから、このままなし崩し的に復帰させるのは本人のためにもよくないと思うのだが、読者諸兄はいかがお考えだろうか。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか

復帰のシナリオは引退直後から? 紳助「復帰ドキュメンタリー」

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「週刊ポスト」5月25日号 中吊り広告より
グランプリ 「島田紳助『復帰ドキュメンタリー』ただいま極秘撮影中!」(「週刊ポスト」5月25日号) 第2位 「告白『塩谷瞬に、私は歯形が残るほど噛まれました』」(「フライデー」5月25日号) 第3位 「嫁と娘は出て行った 宮沢りえの夫がぼやく不同意別居と離婚」(「週刊新潮」5月17日号)  5月14日の朝日新聞朝刊を開いて仰天した。「6月6日開票 AKB48総選挙」の一面広告が3ページぶち抜きで載っている。  今年が第4回で、前回の総数が約116万票だったとあるが、投票券が欲しくて何枚もCDを買うファンがいることに、金権選挙ではないかという批判があることを朝日が知らないわけはない。  この企画は、朝日グループの日刊スポーツと朝日新聞広告局が製作したとあるから、そんなことは知ったことではないということか。  驚くのはまだ早い。有力メンバー4人が大きく載っている見開きの下には、「日本クレジット協会」の広告があるのだ。篠田麻里子の写真と共に「正しく使って、より安全・安心 クレジットカード」「好きですルールを守る人」と特筆大書してある。  CDを買い込むためにクレジットカードを使う若者も多いはずだ。一時の衝動で大量買いしたが翌月支払えず、トラブルになるケースもあることは間違いない。  クレジットカードは「無理なく計画的に利用することが大切」だと書いてあるのは、悪い冗談としか思えない。投票熱をあおり、大量にCDを買わせるあくどい商法がクレジットカード会社を太らせているのに。  総選挙は、無料かハガキで投票できるようにするべきではないか。そう紙面で論評するのが朝日新聞の良識というものではないのか。  星浩論説委員がコラム「政治考」で消費増税論争について、「メディアは様々な案を吟味して正確に論評する。竹下流(竹下登元首相=筆者注)に言えば、メディアも『歴史の巡り合わせ』を肝に銘じる時である」と、消費税増税をやることが歴史的使命だと野田佳彦首相を全面バックアップしている。  これも、一方的な押しつけではないか。「消費増税よりも行革や経済成長を優先させるべきだという政治家は、行革や成長の中身を具体的に示してくれ」と書いているが、そうした中身を十分に出させてから、議論を詰めるべきではないのか。朝日新聞は消費税に反対している小沢一郎にも真っ正面から論争を挑むべきであろう。  朝日新聞の良識とは、強くて怖い者とは堂々と切り結ばず、世の顰蹙(ひんしゅく) を買っているグループのイベントでも儲かれば「正確な論評もなく」片棒を担ぐ程度のものなのか。  惜しくもベスト3に入り損ねたが、週刊文春の「朝日新聞主筆 若宮啓文氏 女・カネ・中国の醜聞」は、若宮が主筆に就任する前の2008年2月、中国に出張する際、女性秘書を同行させ、しかも会社の経費を使ってビジネスクラスに乗せ、高級ホテルに宿泊していたと書いている。  このことが後日、社の内部監査室による調査で発覚して、若宮もそれを認めて全額を会社に返済したという。読んでみると若宮に同情すべきところもないわけではないが、朝日新聞の社論を決める最高責任者・主筆としては、ややお粗末なミスであることは間違いない。朝日新聞が自信を喪失してきている。そう感じるのは私だけだろうか。  最近、橋下徹大阪市長についての記事が目立つ。それも、週刊現代のように「総理間違いなし」から今週は「橋下徹内閣に『あの男たち』が入るらしいぞ」という気の早い記事まで登場している。  日本を変える真の改革者になるのか、ローカルの裸の王様で終わるのか。言っていることがコロコロ変わる、カメレオンのような言動を見ていると心許ない。  ここは週刊朝日の「橋下徹大阪市長の品格を問う」にあるように、 「あまりの閉塞状況に期待を寄せたい気分はわからないこともない。だが、希代のポピュリストの行く末は、まだまだ、注意深く見守る必要がある」  と、私も思う。  さて、今週は週刊誌発のスキャンダルを3本選んでみた。まずは新潮がスクープして発覚した宮沢りえの離婚騒動。  宮沢が6歳上の男と「デキ婚」したのは3年前。サングラスの有名ブランド「オークリー」のマーケティングを担当していて、「07年に彼女がハワイにCM撮影に訪れた際、彼がコーディネート役を務めたから。その後、りえにもサーフィンを教え、急速に関係を深めていきました」(芸能記者)  しかし、ハワイを中心に活動している亭主とりえの間にすれ違いが生じてきたようだ。  今年2月頃、浅草のフィリピンパブに来ていた亭主がこう嘆いていたという。 「かみさんが……りえがいなくなったんだよ。このまえ、ハワイから帰ってきたら、りえが娘を連れて、家を出て行っちゃったんだ。俺の荷物だけ残して、あとはもぬけの殻さ」  理由は、その店の関係者がこう語っている。 「収入の格差と、ハワイと日本を行き来するヒロさん(亭主=筆者注)の“二重生活”に、彼女の方が嫌気がさしたから、と聞きましたね」  新潮側に宮沢りえから次のような回答が寄せられたという。 「主人と別居中であることは事実です。現在、弁護士を立てて、離婚の交渉をしているところです」  これをスポーツ紙が知り、ワイドショーも動いて騒動になった。  『Santa Fe』(朝日出版社)で素晴らしいヌードを披露してくれたのが18歳。それから20年以上が経った。女優としてもう一皮むけるのにはちょうどいい時期なのかもしれない。  離婚を機に、あれから様々な男を経験してきたアラフォー・りえの熟れたヘア・ヌードをぜひ見たいものだ。  2位には、「二股交際」で一躍有名になった塩谷瞬(29)のきっかけを作ったフライデーの記事。  ビートたけしも「そもそもオイラはこの塩谷ってのが何者だかわかんないし、相手のオネエチャンたちだって初めて聞く名前なんでさ」というように、どうということない俳優とモデル、料理研究家の三角愛のトラブルなのだが、フライデーがモデル・冨永愛(29)とのツーショットをスクープして「大騒動」に発展した。  文春も塩谷と付き合っているときに「歯形が残るほど噛まれた」女たちを登場させて、塩谷とのセックス話をさせているが、フライデーには噛まれた女性のふくらはぎの写真が載っているため、この記事はフライデーの判定勝ち!  この塩谷という男、俳優としてはともかく、“すけこまし”としては一流のようである。  恵比寿のキャバクラで働いていた玲子(27)が、塩谷と別れようと思ったのも噛み癖が原因だった。 「肩、太腿、ふくらはぎに噛み付いて、『痛いからやめて』と懇願しても、なかなか口を離してくれない。歯形が黒く残り、1週間以上消えず、隠すのが大変でした。そんな時、セックスで中出しまでされてしまって」  歩美(29)もセックスの最中に噛まれたという。 「挿入はいつもナマで、下腹部に出してフィニッシュ。セックス自体は淡泊で、いつも1回かぎりだったので、きっと性欲が強いわけではなく、寂しがり屋で一人でいられないタイプなんでしょう」  噛まれたふくらはぎ写真は、歩美のものである。  塩谷は小さい時分に両親が離婚し、母親の名前も知らずに育った。父親も多忙で家に帰ってこなかったために食事も十分にとれず、路上で倒れてしまったこともあるという。  愛情に飢えていた子ども時代を取り戻そうと、せっせと女漁りをしているのだろうか。そう思えば、かわいそうで寂しい奴なのかもしれない。  フライデーは東テレの看板アナ・秋元玲奈(26)が横浜DeNAの主将・石川雄洋(25)と熱々で、お泊まり愛&同伴出勤をしているとも報じている。  秋元は姉がフジテレビの『ニュースJAPAN』でキャスターをしている秋元優里(28)で、父親は外務省のキャリア外交官というエリート一家。  目黒区にある石川の高級マンションに入った秋元は翌日、石川とともに出てきて、車で国道246号を神奈川方面へ走る。  横浜スタジアムの近くで降りた秋元は球場の「関係者入り口」へ向かい、石川も同じ入り口へ。ナイショの同伴出勤である。  今週のグランプリはポストの島田紳助が「復帰ドキュメンタリー」を極秘に撮影しているという記事に贈る。  文春の4月26日号に島田紳助インタビューが掲載されたとき、私はこの欄で、紳助は復帰したいと考えていて、このインタビューがその第一歩だと書いた。  ポストによれば、復帰のシナリオは引退会見直後から描かれていたことになる。 「制作を手がけるのは、これまで吉本興業関係のバラエティ番組を数多く手がけてきた制作会社。これをフジテレビが放送する予定だという。そしてこの番組で世間の反応を見て、大丈夫そうであれば本格復帰するシナリオが描かれており、他にも撮影予定の番組が控えているようだ」  この番組は吉本側が制作し、フジテレビがそれを買ったという体裁を取るという。  この復帰計画を進めているのは複数名おり、そのひとりは大崎洋吉本興業社長ではないかといわれている。  だが、今年1月4日に行われた新春会見の席で、大崎社長は紳助に戻ってきてほしいとラブコールを送ったが、抗議の電話などが殺到して厳しい批判にさらされた。  しかも、紳助は記者会見の時、暴力団と一緒に写っている写真など絶対ないと豪語していたにもかかわらず、フライデーがスクープし、ウソだったことがばれてしまった。  そんな状況の中でも吉本が紳助復帰を画策するのは、吉本側に事情があると業界関係者は語っている。 「紳助の抜けた穴は想像以上に大きく、(中略)経営状態も盤石とはいえず、“稼ぎ頭”に早く戻ってほしいというのは切実なる本音でしょう」  番組制作には紳助自身も参加して行われているという。  暴排条例の全国施行を大いにアピールした紳助の引退宣言だったが、早くもテレビに復帰が実現すれば、警察はどうするのか。  紳助のインタビューによれば引退後、警察には一度も事情聴取されていないと言っている。一部に紳助は冤罪だとの声もある。  しかし、公に暴力団との交際があったことを認めて引退したのだから、ここは警察が任意で紳助に事情を聞き、暴力団との親密交際はクロなのか灰色に近いシロなのかを会見して発表したらどうだろうか。  なかなかの才能を持った芸人であることは間違いないのだから、このままなし崩し的に復帰させるのは本人のためにもよくないと思うのだが、読者諸兄はいかがお考えだろうか。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか

政治の流れは橋下徹へ? つくづく“角栄になれなかった男”小沢一郎

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第1位 「驚愕スクープ 小沢一郎に隠し子がいた!」(「週刊文春」5月3・10日特大号) 第2位 「弟子を殴って殴って殴る『貴乃花親方』の日常」(「週刊新潮」5月3・10日特大号) 第3位 「なぜ小沢でなくて、橋下なのか――この時代の読み方」(「週刊現代」5月19日号)  ゴールデンウイークは雨に祟られ、最後の日曜日は各地で強風・豪雨・落雷があり、茨城や栃木では竜巻が発生して大きな爪痕を残した。  5月4日(金)に、ジャーナリストの青木理さんに頼まれてTBSラジオの『ニュース探究ラジオ Dig』という番組に出た。『Dig』は、私も何度か出たことのある『アクセス』の後番組で、青木さんが金曜日を担当している。女子アナはカワイイ江藤愛さん。  週刊誌について話してくれ、という。「フライデー」や「週刊現代」の編集長時代の昔話や、張り込みスクープの裏話、後半は報道の自由とプライバシー問題や、AKB48に牛耳られている週刊誌の困った現状、それでも「権力よりも反権力、強者よりも弱者の側に立ち、正義よりも興味」を優先させれば、週刊誌は生き残っていくだろうなどと話してきた。  今日、「現代」「週刊ポスト」「AERA」が発売され、一部のキオスクでは「週刊朝日」と「サンデー毎日」も売っているが、誌面に元気がない。  「毎日」が山田道子編集長から潟永秀一郎編集長に替わった。51歳の単身赴任だと「編集長後記」に書いているが、タイトルを見る限り「誌面が変わる」という雰囲気が漂ってこない。  雑誌は編集長のものだ。思う存分、やりたいようにやったらいい。それが新聞とはまったく違う、雑誌の面白さである。これからに期待しよう。  さて、今週の第3位は「現代」の記事。小沢一郎に無罪判決が出て、各誌「無罪判決でついに小沢一郎『総理への道』」(朝日)的な記事が多いが、どれも似たり寄ったりで読む気が失せる。  ならば「現代」の、「小沢ではなく橋下へ日本の軸は移った」というほうが読む気を起こさせる。  3部構成になっているが、1部の田中秀征×田崎史郎の対談はスルー。2部の石川知裕×後藤謙次のほうがまだいい。  石川は小沢の元秘書で、政治資金規正法違反で一審有罪判決を受け控訴中だが、小沢が無罪判決が出た後、電話一本なかったことを、こう話している。 「『自分は無罪判決を得たけれども、みんなの苦労は決して忘れないから』ぐらいの労いの言葉はあってほしかったですね」  また、小沢が消費税増税に反対していることに対しても、 「93年に著した『日本改造計画』では、消費税を10%にして所得税を半減させるという直間比率の見直しを謳い、細川政権では国民福祉税構想を打ち出した。ではなぜいま、増税に反対するのか。この問いに小沢元代表がどう答えるのかということが大きなポイントです」  と、親分・小沢とは距離を置いているようだ。  橋下と小沢との連携も、組むか組まないかの決定権は橋下にあるという。 「選挙で勝ち上がってきたメンバーを見てからの橋下さんのひと言が決め手になると思います。いずれにしろ、いまの勢いでは、橋下さんのほうが相手を選ぶ立場です」  元秘書の言を、小沢はどう聞くのだろうか。  政治ジャーナリストの後藤も、最後にこういっている。 「小沢氏から橋下氏に、もう『政治の流れ』は変わってしまったんだと思います」  「毎日」は巻頭で「衆議院『300選挙区』当落」を予測しているが、その中で選挙プランナーの三浦博史は、維新の会をブレークさせるための「超サプライズ」は「ズバリ東京1区から橋下氏自らの出馬です」と言っている。  そこにメディアの注目を集めて維新の会を全国的なブームにしていけば、相当な議席を取るというのである。  党派別の議席獲得予測では、大阪維新の会が29、維新の会と近いみんなの党が35議席とると見ている。  「現代」に戻ろう。3部では「好きでも嫌いでも『次の総理』橋下徹」だと言い切っている。  これまでの20年、政界は「小沢か、非小沢か」で動いてきたが、これからは「橋下か、非橋下か」に変わるというのだ。  消費税増税、原発再稼働に走る野田佳彦政権を批判し、首相公選制導入を掲げ、国民にも「自立、自己責任、自助努力」を求める橋下流が、これからの流れになっていくのだろうか。  我こそ日本のリーダーだと胸を張り、わかりやすいキャッチフレーズ、国民にも痛みを分かち合ってもらう改革を訴えているところは、あの小泉純一郎元総理によく似ている。  橋下流は初めに大風呂敷を広げておき、相手が反撃してくると話を小さくさせたり、問題をすり替える手法を使うと、ジャーナリストの大谷昭宏は批判する。 「原発も、自分から『大飯原発を止めろ』と言っておきながら、今になって『府民にも応分の負担をしてもらう』『その痛みを府民は受け入れる覚悟はあるのか』と、今度は責任を府民に押しつけようとしている。たちの悪い酔っ払いのような手口です」  「現代」は、「『一度はこの男に賭けてみたい』そんな期待と不安が、沈滞ムードに沈む日本を揺り動かし、いま大きく変えつつある」と結んでいる。  私は、橋下大阪市長が英雄だとは思わないが、よく言われるように、英雄を求める時代が幸せな時代でないことは間違いない。  「強いリーダー」かもしれないと幻想を抱き、熱狂した小沢一郎や小泉純一郎の化けの皮は剥がれ落ちた。その愚を、今度は橋下で繰り返すのだとすれば、この国の近未来はなおさら暗くなるに違いない。  第2位は相撲界の不祥事を追及してきた「新潮」の告発記事。タイトルがすごい。  貴乃花親方といえば、不祥事続きの角界の中で唯一といってもいい、汚れのない希望の星である。  それが「貴乃花お前もか」と言わざるを得ない“暴行事件”を起こしていたというのだから、驚かざるを得ない。  春場所直前の2月、前途有望といわれていた弟子が脱走してしまっていたのだ。その当人がこう話す。 「1月の初場所で、僕は頑張って頑張って勝ち越しできた。2年前に16歳で入門して以来、初めての勝ち越しでした。もちろん嬉しかったし、親方も喜んでくれると思ってました。それで部屋に帰ってから親方に報告に行くと、いきなり“なんで先輩よりも先に報告に来るんだ!”と怒鳴りつけられ、腹を5、6発、拳骨で力任せにボコボコ殴られた。それで腹を庇うと、今度は顔面もボコボコ。もうこれ以上、親方の暴力には耐えられない。実は、これまでもずっと日常的にそんな暴力を受けていて、しかもその理由がまったく分からない」  このままでは命が危ないと思って部屋を飛び出し、逃げたというのである。  決心を促した理由はもう一つあった。中学3年生の弟が来年、貴乃花部屋へ入門する予定だったので、それを止めるためでもあったのだ。  「新潮」によれば、これまでも貴乃花部屋では、親方による暴行が10人少々の弟子たちに対してほぼ満遍なく行われていたという。  貴乃花部屋は、先代の二子山親方時代から鉄拳制裁が部屋の伝統という環境にあったといわれるが、今の時代、問答無用の暴力で弟子が居着くはずがない。  5年前に時津風部屋で親方や兄弟子たちによる暴行で弟子が死亡し、逮捕される事件に発展した。その後、相撲協会は再発防止を誓い、稽古場に竹刀やバットを置かないよう厳重注意したのだが、以後も、春日野親方のゴルフクラブによる暴行や、芝田山親方が書類送検される事件が続発するなど、角界の体質は変わらない。  そこに、角界の体質を改革すると唱えて理事に就任した貴乃花だったが、裏の顔がこのザマだったとは。  それにしても、異常に激やせした貴乃花が薄ら笑いを浮かべながら弟子を殴るのは、ホラー映画のようで怖いな~。  今週のグランプリは、松田賢弥記者を起用して小沢一郎の隠し子問題を抉った「週刊文春」に捧げる。  これまでも、小沢が総理になるチャンスは何度かあった。彼は、いろいろな理由をつけて断ってきたが、その背景には不透明なカネの問題と、愛人との間にいる“隠し子問題”があるといわれてきた。  よく知られているように、かつて紀尾井町にあった料亭の女将と小沢は相思相愛だった。しかし、結婚したかった二人を田中角栄が許さず、現在の妻である和子と結婚させてしまったのだ。  しかし、結婚後も二人の関係は切れることはなく、現在も続いているというのが大方の永田町住人たちの見方である。  94年、私が「現代」の編集長の時に、松田記者に「小沢に隠し子がいる」というルポを書いてもらったことがある。  その当時、小沢の彼女が3歳の男の子を突如養子として引き取り、手元で育てているというウワサが流布していた。  彼女の子ではないのは間違いないが、父親は誰で、母親は誰なのか。  そのルポでは、父親は小沢一郎で母親は芸能界にいた女性だったと書いた。二人の接点は小沢が幹事長の時、ホテルのスイートルームを貸し切り、小沢たち数名と彼に呼ばれた女性たちが飲み食いするパーティーが何度か開かれたことがあった。  小沢と彼女はそこで知り合い、しばらくして彼女は姿を消してしまうのである。そして90年夏に、彼女は男の子を出産する。  その子を2年半も手元で育てながら、なぜか小沢の彼女にその子どもを渡してしまうのだ。  このあたりまでは、当時の「現代」に書いてある。  松田記者はその後もこの情報を追い続けて、今回、その子を産んだ女性と結婚した男性と親しかったという、Xなる人物に接触することができた。  その当時の詳しい経緯を聞き出すことに成功し、産みの母とその娘の育ての母親にも直撃インタビューしている。  松田記者の執念が、政治家にとって一番嫌な隠し子の存在を白日の下に晒したのである。  妊娠中、彼女は小沢の友人で世田谷区野沢で不動産売買を営む男に、中絶を要求されたこともあったという。  その男が、彼女が出産後、小沢とのメッセンジャー役も担ったと松田記者は推測する。  小沢の彼女(文中では裕子になっている=筆者注)に引き取られた子ども(文中では健太=筆者注)のその後を、こう書いている。 「健太君は小学校を卒業すると、都内でも有数の中高一貫の有名校に進んでいる。直美(産みの母親=筆者注)はそれを大変喜び、一度はその体育祭に足を運んだこともあるという。グラウンドの人混みの中に二歳半で別れた健太君の姿を探していたのだ。その有名校を卒業した健太君は、現在二十一歳になり、すでに裕子の住むマンションを出ているという」  松田記者は、小沢の師・田中角栄とその彼女だった佐藤昭の関係を挙げて、角栄は認知こそしなかったが、娘・佐藤あつ子をわが子のようにかわいがったと書いている。角栄とは違って、子どもの存在をひた隠しにしてきた小沢についてはこう難じている。 「産みの母親から引き離され、裕子のもとに引き取られた建太君は、どんな思いで生きてきたのか。小沢が角栄のような愛情を建太君に注いだことが、果たしてあったのか。(中略)やはり小沢は、つくづく『角栄になれなかった男』と言わざるを得ない」  無罪判決の日(4月26日)に合わせて、小沢が一番嫌がるだろうテーマをぶつけた「文春」と松田記者の「覚悟」に脱帽である。 「報道の自由とプライバシー保護のどちらかを選べといわれて、倫理観に縛られて、プライバシーの保護を選ぶようではマスコミで働く意味はない」。パパラッチ発祥の国・イタリアの有名編集長はこう言った。週刊誌はこうでなくちゃいけない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか