佳作1 「中国に“宣戦布告”した『安倍論文』の過激すぎる挑発全容」(「週刊アサヒ芸能」1月31日号) 佳作2 「橋下徹『入試中止』の暴挙を許すな『体罰&セクハラ』の常習犯“変態教師”だった維新幹部の実名」(「週刊文春」1月31日号) 佳作3 「安倍バブルの賢い踊り方」(「週刊文春」1月31日号) 佳作4 「忘年会で『ベサメムーチョ』を歌った『長嶋茂雄』奇跡の回復」(「週刊新潮」1月31日号) 佳作5 「『栄光の日々』の後にあった『大鵬』悲惨な晩年」(「週刊新潮」1月31日号) 佳作6 「YURI 着信履歴」(「週刊ポスト」2月8日号) アルジェリアのイナメナスで起きたイスラム武装勢力による人質事件は、悲しい結末を迎えてしまった。総勢40名近い犠牲者が出た模様で、日揮社員の日本人17名のうち生存を果たせたのは7名だけだった。 人命よりもテロ殲滅を優先したアルジェリア政府のやり方には憤りを覚えるが、そのような地へ行って、長年プラント建設をしてきた日揮社員たちの無念さはいかばかりであろう。 新潮によると、アルジェリアが民主化されたのは1989年。イスラム法による統治を目指す「イスラム救国戦線」が誕生したが、イスラム原理主義に反対する世論が高まって軍がクーデターを起こし、臨時政府ができてしまった。 それをきっかけに、「イスラム救国戦線」を支持してきたイスラム過激派との間で衝突が起こり、内戦状態になった。 90年代にテロによる犠牲者は15~20万人ともいわれる。 日揮は1928年創業の石油や天然ガスプラント建設の大手である。新潮には高校を卒業して長年建設関係の仕事に従事し、アルジェリアへ行って今回の災難に遭って殺された60代半ばの渕田六郎さんがフェイスブックに綴った文章が載っている。 「燦燦と降り注ぐ星空を目指し世界各地で仕事をしている。現在はサウジ勤務。日本には3~4ヵ月の休暇を利用し一時帰国。次はアフリカ大陸に位置するアルジェリアに行き砂漠で星空を眺める事に期待を込めて!!」 卑劣なテロ集団が次に狙うのは、アルジェリアはもちろんチュニジアやニジェールといった周辺国のようだが、テロ集団は西アフリカ・マリ北部へのフランスの軍事介入に反対しているから、フランスもテロの対象になるという。実際、パリの街には自動小銃を持った3人組の兵士が大勢いて、厳戒態勢だというる。 憎悪の連鎖は、またどこかで新たな悲劇を生むことは間違いない。そうなれば再び日本人が巻き込まれることもありうるが、それを防ぐためにはどうしたらいいのだろうか。 アルジェリアの日揮の悲劇は各誌扱ってはいるが、新聞、テレビを抜く情報はない。週刊現代が「駐在手当は月50万円」と書いているが、これだけの物騒なところ行くのだから、それぐらいでも高くはないはずだ。 そんな緊迫した世界情勢などどこ吹く風と、中国へ行き「日本列島は日本人だけのものじゃない」と脳天気なことを嘯いた鳩山由紀夫元総理に、新潮は「超法規『国賊罪』で鳩山由紀夫を逮捕しろ!」と憤慨している。 1月15日から18日まで、「中国人民外交学会」の招きで訪中した鳩山元総理は、尖閣諸島が係争中だと認め、南京大虐殺記念館でお詫びをしたというのだ。 これは中国側の思うつぼで、案の定、中国メディアは鳩山を賞賛し、1月18日付の「京華時報」はこう書いたそうだ。 「鳩山氏の姿勢は日本政界の理性の面を反映しており、安倍氏の姿勢は理性がない面を反映している」 政界を引退して一市民になった人間が、中国に利用されることもわからず動き回っていることに、新潮は我慢ならないようだ。 日本政府は尖閣諸島には領土問題は存在しないと言っているのに、中国に領土問題があると認めると、日中で交渉せざるを得なくなるかもしれず、そうなれば中国側は尖閣諸島の共同管理案を出し、「日本は尖閣に対する主権だけでなく施政権も失い、日米安保が尖閣に機能しなくなります。そのとき中国は堂々と尖閣を占領できる」(評論家の石平)というが、考えすぎではないか。 日本でまともに相手にされない、ましてや議員でもない人間が中国で何を言おうと、日本政府が動じることはない。中国だって、鳩山元総理の力をそこまで評価しているとは到底思えない。国賊で逮捕などと騒げば、“ルーピー”鳩山元総理を喜ばすだけではないのか。 ところで、われわれ世代にとって嬉しいニュースは、75歳の黒田夏子の芥川賞受賞である。 史上最高齢。それも初の横書き原稿だ。文春で黒田はこう話す。 「横書きは、アルファベットでも数字でも何でも入れられる、機能的ないい書き方だと思います。(中略)教科書まで横書きに変わったのに、国語の教科書と文学作品だけに縦書きが残っている。縦書きにまとわりついた文学臭や情緒がすごく嫌だったんですね。ですから、そういうものを取り払い、白紙に戻したくて、横書きを使ったんです」 さあ、おれも書いてみよう。そう思わせてくれる快挙である。 さて、私たちオジサン族にはうれしい「YURI」のカムバックである。 新しい写真ではないのだろうが、ポストが3号連続「未公開写真」の第2弾「YURI 着信履歴」を15ページもやってくれている。 彼女は電話に答えて、あちこち外国へ行っていたと話している。清純そうな表情や着こなしと、迫力ある胸と大胆なセクシーポーズは、見ているだけで胸がキュンとなる。写真集は出ていないのかしら? 出たら真っ先に買うからね。これが今週の佳作6位。 佳作5は、「巨人・大鵬・卵焼き」と謳われた大鵬の記事。柏戸とともに柏鵬時代を築いた大横綱の死は、私のような世代に少年時代の相撲が熱かった時代を思い起こさせてくれた。 1971年に31歳の若さで引退し、部屋を開くと多くの弟子が集まり第二の人生も順風満帆かと思われたが、実際はそうはならなかった。 77年に脳梗塞で倒れ、左半身麻痺などの後遺症が残ってしまう。さらに、長女と作家・田中康夫とのスキャンダルが起こり、続いて妻のスキャンダルも噴き出したのだ。 「『男性週刊誌が3週にわたり、「かつて一世を風びした大力士がデンとひかえる超有名部屋」のおかみさんが、複数の弟子たちを次々と誘惑し、ただならぬ仲になっているという記事を掲載したのです』(別の協会関係者) 記事中では“A部屋のB子サン”が、若い弟子たちに宛てたラブレターを公開。錦糸町のホテルで逢引を繰り返しているという証言まで紹介している。当のB子サンは取材に『手紙を渡したのは私』と認めながらも『ただのイタズラ。若い人に親身になって相談にのってあげるから、他の人が邪推している』との“弁明”を展開。これを写真週刊誌が後追いし、果ては『大鵬部屋の夫人』と特定して報じるに至ったのだ。 こうした一連の騒動が、病身に応えないはずがない。現役時代、その負けない相撲を指して『コンピューター』と称えられた親方の人生には、少しずつひずみが生じ始めていった」 三女が二子山部屋の貴闘力と結婚するが、貴闘力の博打好きに悩まされ、大獄親方になってからは野球賭博問題で協会を解雇され、二人は離婚してしまうのである。 人は心の上に刃をのせて生きている。忍の一文字が好きだった大鵬の晩年は、まさに忍そのものであった。そのためか、最近は「夢を持て」と書いていたという。大鵬の老後の夢はなんだったのだろう。 佳作4は新潮のうれしい記事。昨年の忘年会で長嶋茂雄が「ベサメムーチョ」を唄ったというのだ。 12月29日に東京のホテル西洋銀座で開かれた『長島さんを囲む忘年会』で、新人歌手が桂銀淑の「ベサメムーチョ」を唄い、3番のサビの部分に来たところで、歌手が長島にマイクを向けた。 するとミ、スターが曲に合わせて「ベサメ、ベサメ、ベサメムーチョ」と歌ったのだ。 長嶋のようなタイプの脳梗塞は一番重症化しやすいのだが、それが歌を歌えるまで回復したのはすごいと、医者もビックリしている。 過酷なリハビリに取り組む長嶋の夢は「始球式で投げること」だという。早く見てみたいものだ。 さまざまに評価が分かれる安倍バブル。その真贋を見極めることこそ、上昇相場の「売り時」を見抜く秘訣のようだ。 新潮はややシニカルに「上げ潮経済でも必ず損する『失敗パターン』の研究」というタイトルで、こう警鐘を鳴らしている。 「実力以上に膨らんだ株はいつかはしぼむ。そのタイミングを知ることは難しいが、投資家の間では、意外な経験則があるという。『株の世界では“一般の主婦が株に手を出したら危ない”と言われます(中略)』(岩崎氏=博允・経済ジャーナリスト・筆者注)そして、BRICs経済研究所の門倉貴史氏によれば、そんなリスクを回避するためには、ある鉄則があるという。『株取引で一番の敵は自分の主観です。人は得てして株が下がっているのに都合のよい情報だけを信じて持ち続け、逆に買い増しをしたりする。それを避けるためには、はじめから売値を決めておくことです。一般的には儲かっても損しても10~20%で強制的に手仕舞いしてしまう。“損切り”と“益出し”のルールを厳格に守ることが大事なのです』」 ルール厳守ができればいいが、プロでもそれを守ることは難しいようだ。 私見だが、週刊誌が上がると騒ぎ出したら、株価は天井に近いと思ったほうがいいのではないか。 これまで幾度となくデフレからの脱却を試みてきたのに果たせなかった。民主党が唱えていた政治主導も結局は官僚の言いなりになるだけで終わってしまった。経済に疎い安倍総理も、掛け声だけで終わるのではないのか。そのとき残されるのが、小泉政権の時より厳しい生活苦と社会保障の切り下げだけであってはならないはずである。 メディアはバブルに浮かれるより、しっかりと安倍政権を監視することこそ役割だと心してもらいたい。 現代は安倍バブルで本当に儲かるのはこれからだと、自ら安倍応援団の切り込み隊長を任じている。 だが、安倍総理のブレーン元財務官僚の高橋洋一嘉悦大学教授が「景気とは、結局は“気”なのです。景気が上向けば賃金は上がり、雇用も増えていく」と言っているように、また現代自らが「投資などしない人にとってみれば、大事なことは日経平均株価ではなく、給与や収入がアップしていくことだが、『すぐに』というのは難しい」と書いているように、安倍の経済政策はまだ海の物とも山の物ともわからないのである。 中野の駅前で、民主党の長妻昭議員が朝立ちをしていた。安倍の政策を批判し、一般会計総額を過去最大規模の92兆6100億円とし、防衛費は11年ぶりに400億円増にした一方で、生活保護費は670億円減らすやり方は、大企業や軍事には優しいが、貧しい者には冷たい政権だと訴えていた。 現代を含めて、弱者の視点をどこへ置いてきてしまったのだろうか。週刊誌は変節したといわれても仕方ない。 安倍バブルについては文春が世代別に資産運用チャートを載せるなどやや丁寧な作りなので、こちらを佳作にしてみた。 株価が上がれば必ず反動で下げの局面が来るが、個人投資家はどのような投資行動をとればいいのだろうか。岡三証券シニアストラテジストの石黒英之がこう語る。 「私は調整が来るのは四月頃だと見ていますが、下げの局面ではいっぺんに手放さず、”分けて売る“のが鉄則です。もし一気に処分してすぐに相場が戻れば目も当てられません。 今回、こうした局面でまず売られるのは、他のセクターと一緒に上がってきたが業績の伴っていない株、例えば海運や鉄鋼株と見ています」 下げの局面は絶好の“買い場”にもなりうるからと、こう続ける。 「『丸亀製麺』を運営する外食のトリドールや、ファッションセンターのしまむら、病院経営のシップヘルスケアホールディングスなど、好業績でも安倍相場で株価が止まっていた小売やサービス関連。また、ソフトバングやKDDIなどの情報通信、コンピュータネットワークシステム販売の伊藤忠テクノソリューションズなどが物色されるのではないでしょうか」 株価に影響を与える為替の先行きについては、元大蔵省財務官で”ミスター円“と呼ばれた榊原英資・青山学院大学教授がこう語る。 「為替相場はこれまでの一ドル七十八~八十七円の値幅から、安倍政権発足後に八十三~九十三円のレンジまで切り下がり、円安の進行はいったん収束したという印象です。今後、百円をどんどん超えていくような展開にはならないと見ています。為替も株価と同じで、今は外国人投資家たちが金融緩和への期待で円を売っているが、彼らは動きが素早いから、その流れがそろそろ逆転する可能性があると見ています。従って、株価上昇もそこまでで終わりでしょう」 安倍政権の経済政策については、こう見ている。 「さらなる金融緩和や財政の機動的な出勤など、かなりの部分で共感していますが、二%のインフレターゲットには異論があります。○二年から○七年に金融緩和と公共事業を行った際も実質GDPは約二%成長しましたが、物価は下がった。グローバリゼーションにより新興国との競争に晒されている今、金融政策によるデフレ脱却は難しいのです。 日本はもはや成長国家ではなく『環境』、『安全』、『健康』の三つでトップを走る成熟国家です。自民党は経済財政諮問会議を復活させましたが、民間の豊富な知恵 も借り、いまこそ国の将来に向けた戦略を熟慮するときではないでしょうか」 文春は、あらゆる世代の共通認識として「年金給付の確実な目減り」があることを考えなくてはいけないという。 「今年十月分から一%、二○一四年四月分からはさらに一%、一五年四月分から○・五%、給付が減額されることが決まっている。一%は平均すると約二千七百円と言われており、今後三年かけて一人当たりの給付額は『約六千八百円』減っていくことになる。 『消える年金』はこれだけに留まらない。 年金給付額はインフレ率(消費者物価指数)からスライド調整率を差し引いた金額が支給される。安倍政権が掲げ、日銀にものませたインフレ率二%が実現した場合、現行の○・九%のスライド調整率を当てはめると、給付額は、『二-○・九=一・一%』として算出されるのだ。モノの価格は二%上昇するのに、年金給付額の伸びは一・一%に留まる。つまり『実質的に、毎年約一%ずつ年金が減る』ということだ。 定年退職後、年金をフローの中心として設計した『第二の人生プラン』は早急に見直す必要がある。備えが必要なのは現役世代も同じだ。たとえアベノミクスで景気が好転したとしても、給与やボーナスに反映されるには時差があるからだ。年収五百万円のサラリーマンを例に取ると、『五百万円×二%=十万円』、つまり十万円分が『インフレ分』として家計を圧迫することになる」 30代独身女性は「7月の参院選まではリスクをとって株投資」、40代夫婦で子どもありならば「妻のパート収入は130万円未満に」、50代夫婦で持ち家ありならば「自宅買い替えで『自分年金』を作る」など世代別の資産運用をアドバイスしている。 大阪市桜宮高校の体罰問題は、橋下徹大阪市長の政治パフォーマンスの場となり、本質的なことが議論されずに終わってしまいそうである。 文春は橋下市長が「教育の場を一瞬にして自己の政治的アピールの場に変えてしまった」と批判している。 1月21日の朝、桜宮高校を訪れ、在校生に持論をまくし立てた橋下市長に保護者の一人はこう憤っている。 「子供によると、市長は教育委員会、教員、保護者を責める論に終始したそうです。最後に、生徒会長と女子ソフトボール部の主将が『勝利至上主義じゃなく、それ以外のこともきちんと教えてもろてるし、新入生と一緒に学校をよくしていく』という意見を言った。在校生から拍手が湧くと、市長は『その考えが間違ってる!』とバッサリ。いったい何のための場ですか」 文春の「日本維新の会」の幹部に、「体罰&セクハラの常習犯だった者がいる」と実名を挙げて告発している記事が佳作2である。 「『実は維新の会所属の府議、中野隆司氏(55)は中学校教師時代、体罰やセクハラで何度も問題を起こしているのです』(府政関係者) 中野氏は鳥取大農学部を卒業後、府立高校講師から中学校の正教員に転じた。八尾市と柏原市の四中学で理科の教鞭を取り、○七年に民主党の公認で府議選に初出馬して当選し、一昨年四月の選挙で「維新」に鞍替えして二期目に当選した。ところが、以前から関係の深い岡本泰明柏原市長(73)が「禅譲」する形で中野氏は柏原市長選(二月三日告示)に出馬表明。市長選準備のため、昨年末に府議を辞職したばかりだ」 だが彼には、頭に血が上ると逆上して何をするかわからなくなる傾向があるというのだ。 「『学年教官室で、中野がある女子生徒を、学校中に響き渡るほど怒鳴り上げたことがあった。後で本人は「あいつションベン漏らしよったわ」と、女生徒を失禁させたことを自慢していました』(元同僚教員) こんな証言もある。 『中野に激昂しとった教員がおったんです。理由を聞くとある女生徒から「中野先生にヤらせろと言われた」と相談されたというんです』(柏原市の教育関係者)」 中野が教師を辞めるきっかけになったのは体罰事件だった。柏原市の別の教育関係者がこう語る。 「○二年の秋、文化祭と体育祭の団体演技の演目で、三年生の男子がソーラン節をやることになり、中野がその指導をしていたんです。その際、ある生徒がふざけていたのを中野がドついたんですわ。しかも、騒ぎを収めようとした生徒まで青タンが出来るほど殴つたんです」 以下は中野との一問一答。 「──○二年の体罰は事実か。 『それは一応体罰として。捉え方は別ですけど、生徒さん、学校ときっちり話したうえでお互い納得して終わった話です』 ──当初は承服できず、自ら辞職を申し出たと聞いているが。 『言ってない。そんなことで辞められないでしょ』 ──セクハラ疑惑の二例がある(具体的に質す)。 『ないないない。そんな覚えはありません』 ──今でも体罰は正しいことと思っているか。 『体罰はあってはならん。法律で決まってる』 ──矛盾していないか。 『世間ではわからん教育現場の時代があったわけです。それは社会通念上理解されていることです。昭和五十年代とか、学校の荒れとかで。禁じ手というのか、それがなければ学校がどうにもならんという部分』 ──これは十年前の話だが。 『私は二十三年やっていたから遡れば。平和な時代のクラブ活動とは別に考えてください』」 文春はこう結んでいる。 「維新内部にこんな人物を抱え込んでおきながら、桜宮高校事件で“正論”を振りかざし、自己ピーアールに余念がない橋下氏。まさに茶番劇である」 アサヒ芸能の骨太な記事が、今週の佳作第1位である。。 これは昨年12月27日付でチェコに本部を置く国際言論NPO団体「プロジェクト・シンジケート」のウェブに掲載された安倍総理の英語の論文のことだ。 このシンジケートは日本を含む150カ国以上の新聞社や通信社と提携し、世界的な投資家ジョージ・ソロスやマイクロソフトのビル・ゲイツらが寄稿者として名を連ねる。 だが、この安倍総理の論文は内容が中国を挑発していて過激すぎたためか、日本のメディアはほとんど取り上げていない。それならばと、アサ芸が取り上げたのだ。 ブログ「剣kenn諤々」(http://kennkenngakugaku.blogspot.jp/)にこの論文の全文翻訳が載っている。大意は同じようなので引用させてもらう。 「アジアの民主主義セキュリティダイアモンド 2007年の夏、日本の首相としてインド国会のセントラルホールで演説した際、私は『二つの海の交わり』─1655年にムガル帝国の皇子ダーラー・シコーが著わした本の題名から引用したフレーズ─ について話し、居並ぶ議員の賛同と拍手喝采を得た。あれから5年を経て、私は自分の発言が正しかったことをますます強く確信するようになった。 太平洋における平和、安定、航海の自由は、インド洋における平和、安定、航海の自由と切り離すことは出来ない。発展の影響は両者をかつてなく結びつけた。アジアにおける最も古い海洋民主国家たる日本は、両地域の共通利益を維持する上でより大きな役割を果たすべきである。 にもかかわらず、ますます、南シナ海は「北京の湖」となっていくかのように見える。アナリストたちが、オホーツク海がソ連の内海となったと同じく南シナ海も中国の内海となるだろうと言うように。南シナ海は、核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原潜が基地とするに十分な深さがあり、間もなく中国海軍の新型空母がよく見かけられるようになるだろう。中国の隣国を恐れさせるに十分である。 これこそ中国政府が東シナ海の尖閣諸島周辺で毎日繰り返す演習に、日本が屈してはならない理由である。軽武装の法執行艦ばかりか、中国海軍の艦艇も日本の領海および接続水域に進入してきた。だが、このような“穏やかな”接触に騙されるものはいない。これらの船のプレゼンスを日常的に示すことで、中国は尖閣周辺の海に対する領有権を既成事実化しようとしているのだ。 もし日本が屈すれば、南シナ海はさらに要塞化されるであろう。日本や韓国のような貿易国家にとって必要不可欠な航行の自由は深刻な妨害を受けるであろう。両シナ海は国際海域であるにもかかわらず日米両国の海軍力がこの地域に入ることは難しくなる。 このような事態が生じることを懸念し、太平洋とインド洋をまたぐ航行の自由の守護者として、日印両政府が共により大きな責任を負う必要を、私はインドで述べたのであった。私は中国の海軍力と領域拡大が2007年と同様のペースで進むであろうと予測したが、それは間違いであったことも告白しなければならない。 東シナ海および南シナ海で継続中の紛争は、国家の戦略的地平を拡大することを以て日本外交の戦略的優先課題としなければならないことを意味する。日本は成熟した海洋民主国家であり、その親密なパートナーもこの事実を反映すべきである。私が描く戦略は、オーストラリア、インド、日本、米国ハワイによって、インド洋地域から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイアモンドを形成することにある。 対抗勢力の民主党は、私が2007年に敷いた方針を継続した点で評価に値する。つまり、彼らはオーストラリアやインドとの絆を強化する種を蒔いたのであった。 (世界貿易量の40%が通過する)マラッカ海峡の西端にアンダマン・ニコバル諸島を擁し、東アジアでも多くの人口を抱えるインドはより重点を置くに値する。日本はインドとの定期的な二国間軍事対話に従事しており、アメリカを含めた公式な三者協議にも着手した。製造業に必要不可欠なレアアースの供給を中国が外交的な武器として使うことを選んで以後、インド政府は日本との間にレアアース供給の合意を結ぶ上で精通した手腕を示した。 私はアジアのセキュリティを強化するため、イギリスやフランスにもまた舞台にカムバックするよう招待したい。海洋民主国家たる日本の世界における役割は、英仏の新たなプレゼンスとともにあることが賢明である。英国は今でもマレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドとの五カ国防衛取極めに価値を見いだしている。私は日本をこのグループに参加させ、毎年そのメンバーと会談し、小規模な軍事演習にも加わらせたい。タヒチのフランス太平洋海軍は極めて少ない予算で動いているが、いずれ重要性を大いに増してくるであろう。 とはいえ、日本にとって米国との同盟再構築以上に重要なことはない。米国のアジア太平洋地域における戦略的再編期にあっても、日本が米国を必要とするのと同じぐらいに、米国もまた日本を必要としているのである。2011年に発生した日本の地震、津波、原子力災害後、ただちに行なわれた米軍の類例を見ないほど巨大な平時の人道支援作戦は、60年かけて成長した日米同盟が本物であることの力強い証拠である。 私は、個人的には、日本と最大の隣国たる中国の関係が多くの日本国民の幸福にとって必要不可欠だと認めている。しかし、日中関係を向上させるなら、日本はまず太平洋の反対側に停泊しなければならない。というのは、要するに、日本外交は民主主義、法の支配、人権尊重に根ざしていなければならないからである。これらの普遍的な価値は戦後の日本外交を導いてきた。2013年も、その後も、アジア太平洋地域における将来の繁栄もまた、それらの価値の上にあるべきだと私は確信している」 ジャーナリストの森省歩は、安倍諭文に書かれなかったもう一つの戦略について、こう解説している。 「中国を軍事的に抑えつければいいという話ではなく、第一次安倍政権で言及した『戦略的互恵関係』、すなわち中国をつけあがらせないようにして経済協力を引き出すことです。表向きは殴り合いつつも、水面下では首脳同士がしっかりキンタマを握り合う。いわゆる『政冷経熱』の状態にしようとしているのです」 アサ芸はこう結んでいる。 「中国は、安倍論文の挑発に反応したのか、1月14日の軍機関紙『解放軍報』によれば、総参謀部が『2013年全軍軍事訓練指示』の中で『戦争にしっかり備え、軍事訓練の実戦化を大いに強化せよ』『戦争能力を高めよ』と指示したという。 森氏の言うように日本を牽制するための、中国お得意のパフォーマンスなのか。『宣戦布告』に対する中国のさらなる反応が注目される」 asahi.com(1月26日)は「中国共産党の習近平(シーチンピン)総書記は25日、公明党の山口那津男代表と北京の人民大会堂で会談し、安倍晋三首相について『2006年(の第1次安倍内閣の時)に中日関係の改善、発展に積極的な貢献をしたことを高く評価している。再び首相になられ、新たな貢献を期待している』と語り、日中関係の改善に期待感を示した」と報じている。 だが、こうした論文を書いた安倍総理に中国は、本当に心を開いて会談をすることができるのか。メディアは両首脳の建前ではなく本音に斬り込む取材をして、これからの日中関係を考えるための材料をもっと提供してほしいものである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊アサヒ芸能」新聞広告より
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みんなの党・渡辺喜美の愛人は、あの民放女性記者? “選挙中”極秘離婚の真相に迫る!

「週刊文春」1月24日号 中吊り広告
グランプリ
「AKB大島優子 封印された『児童ポルノ』の過去」(「週刊文春」1月24日号)
佳作1
「渡辺喜美は選挙中に極秘離婚していた」(「週刊文春」1月24日号)
佳作2
「渡辺えりに“飼育”された27歳年下のイケメン俳優」(「週刊文春」1月24日号)
今週は文春が独占したが、他誌に見るべききものがなかっただけである。
週刊新潮は「男の顔は履歴書 女の顔は請求書」というワイドをぶっ通しでやっているが、話が細切れで読みごたえがない。
現代は相変わらず「安倍バブル 株も土地もこんなに上がるぞ!」と、はしゃいでいる。政権交代という4文字だけで民主党政権ができたばかりの頃、これで世の中があっという間にいい方向に変わると各週刊誌がはしゃいでいたのを思い出すね。
ニューズウイーク日本版(1月22日号)の「日本経済を救う? アベノミクス」でダニエル・グロス記者が「日本株『根拠なき熱狂』の根拠」で書いているように、今の株高、円安は理屈の通らない出来事なのだ。
週刊ポストも「利益を最大化するための安倍バブルの『売り時』」という特集をやっているが、現代ほどは浮かれていない。読み比べてみよう。まずは現代から。
「失われた20年と呼ばれる、長く続いたデフレ不況の間に、日本人が失った最も大きなものは『自信と誇り』だろう。
かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと称された製造業が韓国や中国勢にボロボロにやられ、汗水流して働いてきたサラリーマンが会社からあっけなくリストラされる様を見て、多くの国民が気力を失った。
しかし、今、潮目は完全に変わった。
昨年末に政権交代で誕生した安倍政権が矢継ぎ早の経済政策を打ち出すと、つい先日まで8000円台に低迷していた株価が一気に1万円を突破、自動車・電機といった日本経済を牽引してきた製造業が息を吹き返し“反転攻勢”に打って出始めた。分厚く空を覆っていた閉塞感が消え、明るい光が日本経済全体に差してきたのだ。
慶応大学経済学部教授の塩澤修平氏が言う。
『ここへきて日本人が誇りと自信を取り戻し始めています。今回の政権交代でこうした心理的な側面が経済を好転させるのにいかに重要な意味を持つのか、改めて示された形です。様々な新しい経済政策が表明される度に、人々が期待感を膨らませている。さらに今後、人々の期待感が安心感に変わっていけば、それがいっそう経済の好転を後押ししていくでしょう』
『大幅な金融緩和をすればハイパーインフレの懸念が出てくる』などと、したり顔で説き始めている。それはまっとうな経済理論としては『正論』かもしれないが、そんな批判をいくら並べても経済がひとつも良くならないことを、日本人はこの20年で嫌と言うほど味わってきたのではないか。
早稲田大学政治経済学術院教授の若田部昌澄氏もこう言う。
『1930年代初頭の昭和恐慌から日本が脱却する過程で、大手メディアなどが唱えていた主流派の経済政策は不況を深化させるばかりだった。当時も政局が動き、新内閣が誕生して“奇策”といわれていた政策に舵を切ったことで初めて、デフレ不況から脱することができたのです。
いま日本経済は株価の上昇が人々の期待感を高め、これが投資行動を変え、さらに株高を演出している。今後、安倍首相自身が言う「インフレ目標2%を断固たる決意で確実に実行できる人」を日銀総裁に選ぶことができれば、期待感はさらに膨らみ、株高・円安がさらに加速、消費や生産、雇用の増加が始まるでしょう。そうなれば日本経済は10年以上に及んだデフレから脱却することができるのです』」
ポストはこうだ。
「安倍政権の新政策効果ではなく、突如出現したチャンスに乗り遅れたくないという人々の心理が、今の株高の真相ではないか。
そう分析し、アペノミクスを真っ向から否定するのは、同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子氏だ。
『アベノミクスは、期待感を煽っているだけで、実際の景気回復には直結しないで終わると見ます。日本は、10年このかた、金融緩和をこれだけ繰り返しても、何らプラス効果は出ていません。それなのに、規模だけやたら大きくすればプラス効果が生じると考えているのは時代錯誤です。
安倍首相のアナウンスに踊って、今がチャンスだから株を買おうとか、リアクションが出ているだけ。雇用が増える、賃金が上がる、生活が楽になるといった本当の効果は望めません』
それどころか、円安誘導のゴリ押しを続ければ、企業の輸入コスト、ひいては生産コストが上がる。にもかかわらず激しい価格競争を続けようとすれば、輸入コストの上昇分は給料を抑えることで調整せざるを得なくなるという。
『さらにいえば、今の株高.円安で庶民は本当に儲けることができるのでしょうか。投資資金のない非正規雇用者などにはまったく関係のない話でしょう。それでも、安倍政権は7月の参院選までは、必死に株高・円安策を打ち続け、投資家もそう読んでいるため、そこまでは上昇相場は続きそうです。
そしてその時点で潤沢な投資資金を持つ海外投機筋や日本の富裕層が売り逃げて儲かるだけの結果になる可能性が高い。投資資金を持たない人々はインフレなのに給料が下がるという最悪の状況に追い込まれることさえ考えられます』
様々に評価が分かれる安倍バブル。その真贋を見極めることこそ、上昇相場の「売り時」を見抜く秘訣のようだ」
私には、浜教授の言うことのほうが正論だと思うのだが。
読み比べではなく見比べになるが、いまや“セクシーグラビア・アイドルナンバー1”といわれる壇蜜のグラビアを現代がやっていて、ポストは昨年人気を集めたのに突然消息不明になってしまった「YURI」の未公開カットを「音信不通」(タイトル付けがなかなかセンスがいい!)として特集している。
私の好みもあるのだろうが、「YURI」のほうが断然いい。品があってセクシー。ぜひ見比べていただきたい。
ポストにはこんな記事が載っている。
「広島県南西部に位置する人口25万人の静かな港町・呉市。温暖な気候に恵まれ、漁港に近いこともあって、エサを求める野良猫と住民が優しく触れ合う町に、今はピリピリとした緊張感が張りつめている」というのだ。それは、
「昨年10月22日午後4時頃、呉市役所に近い和庄公園を散歩していたお年寄りが、公園のど真ん中に何かが放置されていることに気づいた。近寄ってみるとネコの死骸であることがわかったが、それは明らかに異常な姿だった。
『頭と前足のみ、つまり上半身だけの死骸でした。公園の隅には、そのネコのものと思われる後ろ足があった。しかもこの公園ではその3日後にも、鋭利な刃物で切断されたネコの頭と内臓だけが放置されているのが見つかっている』(県警関係者)
(中略)実は呉市では、昨年に入ってから猟奇的なネコの虐殺事件が相次いでいる。昨年3月、西惣付町で上半身だけの死骸が見つかったのが発端。その後も8月に1件、10月6件、11月2件、12月4件と続き、今年に人っても、1月8月に農家の畑で頭部だけの死骸が見つかるなど、計15件発生している。
呉署では、器物損壊と動物愛護法違反の疑いで捜査を始めた。
『いずれも鋭利な刃物で惨殺され、骨や内臓を抜き取ったり、胴体や頭部を切断するなど残虐な方法で殺されている。発見場所に血痕はなく、別の場所で殺されて現場に遺棄されたようです。公園や路上などわざと人目に付きやすい場所に置いているなど共通点が多く、同一犯の可能性が高いと考えています』(捜査幹部)」
動物虐待と凶悪事件は関連するといわれているようだから、心配である。
週刊朝日は、安倍総理とネトウヨ(ネット右翼)との強すぎる蜜月に対して「訣別せよ」と保守の論客たちが直言している。
ゴーマニズム宣言の小林よしのりは「もうネトウヨに媚びを売る必要はない」として、こう話している。
「安倍は野党時代に自分を癒やしてくれたネトウヨにもたれかかっているわけだ。一方、ネトウヨ側も『安倍に頼られている』ということで、自分に価値を見いだし、安倍にもたれかかっている。この両者の関係は、中国で起きた文化大革命の際の、毛沢東と『紅衛兵』の関係と似ていると思う。(中略)
だからこそ安倍は選挙前、『尖閣諸島に公務員を常駐させる』とか、『「竹島の日」式典を開催する』とか、あれだけ威勢のいい発言をしてネトウヨに媚びを売っていたが、首相になってからは、タカ派的な発言を控え、現実路線をとるようになった。(中略)
じゃあ仮に自民党が参院選挙に大勝したらどうなるか。(中略)恐らく何もできない。尖閣に公務員なんて無理だし、河野談話だって日米同盟を考えたら絶対に否定できない。靖国参拝は必ずどこかでやると思うけどね。となると、ネトウヨたちの不満は募るばかり。もしかしたら、自民党本部にデモをかけるかもしれない」
小林は安倍がダメなら、ネトウヨたちは橋下へ行くのではないかと読んでいる。ネトウヨの深情けほど怖いものはないということか。
まずは佳作2から。女優としても評価が高く、劇団を主宰し、時事問題にも積極的に発言する渡辺えり(58)のスキャンダルである。
彼女、渡辺えり子だったのを07年に改名したそうだ。97年に映画『Shall We ダンス?』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し、今春からはNHKの朝ドラ『あまちゃん』にも出演が決まっている。
日本を代表する女優は、自分が主催する『劇団3○○(さんじゅうまる)』に所属する13歳年下の俳優・土屋良太と96年に結婚している。
どうやら、年下の男をかわいがるタイプのようだ。
その夫との仲も最近はうまくいっていないようだが、同じ劇団の若い男を長年愛人にしていたというのだ。
元劇団員が絶対匿名を条件にこう打ち明けているが、よほどこのオバサンが恐いのだろう。
「えり子さんは、Yくん(本文では実名=筆者注)という若い劇団員とずっと特別な関係にありました。Yくんを自分が買ったマンションに住まわせたり、他に引っ越すとその家賃を払って上げたり。運転手などの名目で給料を与えたりもしていました。他の劇団員でえり子さんの運転や荷物持ちをしたからといって、給料をもらった人はいません」
これでは、夫婦仲が悪くなるのは仕方あるまい。
名指しされた若手俳優は渡辺の27歳年下でほぼ無名だというが、11年に再演された『ゲゲゲのげ』では主役級の役を与えられた。
渡辺は自著で、高校の授業の作文にこう書いたと明かしている。
「上京したら美少年を押し入れの中に閉じこめて同棲し、炊事洗濯を皆やってもらって仕事に励みたい」
夢を実現させたということだろうか。
愛人といわれる俳優も、渡辺の夫は劇団の大先輩だし、ほかの劇団員から疑惑の目で見られることで精神的にバランスを崩したり、劇団を辞めようとして渡辺に止められたこともあったという。
Yの友人が彼のこんな言葉を聞いている。
「オレは籠の中の鳥だ」「(渡辺の)おもちゃだ」
しかし、11年に2人の関係に変化が生じた。Yに舞台で共演した若手女優の恋人ができたのだ。
「最終的には渋々2人の交際を認めたそうですが」(元劇団員)
Yは劇団を去り、渡辺も気力がなくなり劇団は昨年解散したという。
渡辺は文春の取材に対して、若手俳優との関係を否定し、ニュースキャスターをやっているから、彼女を番組から降ろしたい人間言いふらしているのではと、記者に話したそうだ。
まあ、昔の大女優には男を喰ってのし上がっていったのがいっぱいいたのだから、今回のスキャンダルは渡辺えりが大女優への道を確実に上っているということの証なのかもしれない。
佳作の2も文春。みんなの党・渡辺喜美代表のスキャンダル(?)。昨年暮れ、総選挙の公示された翌日に、まゆみ夫人と離婚していたというのだ。
夫人は結婚前は銀座の有名クラブのホステスをしていたそうで、渡辺の父・美智雄がなかなか結婚を許さなかったため、子どもまで作って既成事実を認めさせて結婚したという。
なかなか情熱的な2人だったが、みんなの党結成あたりから夫婦関係に変化が出てきた。もともと結党を迫ったのは妻のほうだったが、党運営にまで口を出すようになって、党本部の中でも夫婦喧嘩をするようになっていったという。
それから渡辺代表は自宅に帰ることが少なくなり、現在では、大半はホテル暮らしのようだ。
長きにわたって別居を続けてきたのに離婚を決意したのは、亭主の女性関係にあるのではないかと文春は書いている。
最近のTwitterでの夫人の発言に、その影が見えるというのだ。
ある政治部記者は、渡辺代表と特に親しいといわれるのは民放の女性記者ではないかと言っている。
この女性記者、昨年8月30日に「大誤報」を流し、ちょっとした騒動を起こしたそうである。みんなの党関係者がこう語る。
「その内容というのが、8月下旬、大阪市内のホテルで渡辺代表が橋下徹大阪市長や松井一郎大阪府知事と極秘会談した際の出席者の発言内容をスクープしたもの。昼のニュースでみずから国会前から中継でリポートし、橋下市長がこの会談の席で『自ら国政に進出する』『市長を辞職する時のセリフも考えた』と述べたなどというものだった。
『当時は橋下市長が衆議院選挙に立候補するかどうかが大きな関心を集めていましたから、マスコミ各社は慌ててウラ取りに動いたのですが、橋下市長は完全否定でした。ただ、そのときに各社の番記者の誰もが、この女性記者は渡辺代表からリークしてもらったんじゃないかと疑っていました』(中略)
奥さんもきっと同じ疑いをもったのではないかと思います」(文春)
夫人のTwitterでの書き込みには、このほかにも渡辺代表のことを指しているこんな言葉がある。
<教訓を得ないバカの一つ覚えみたいな繰り返しをするリーダーは即刻変えろ!経営能力のない失態を犯す経営者は直ぐ首!民間では当たり前!!!!!>
さて、渡辺代表はなんと答えるのか。
「──渡辺代表が昨年12月5日付でまゆみ氏と離婚したのは事実か。
<以前、夫婦喧嘩をした際に署名し妻に預けていたものを、選挙中に妻が勝手に提出したものです。現在は、妻の誤解を解いて元の状態に戻すべく協議中であり、決着がついておりません>
──離婚前から渡辺代表はご自宅には戻らず都内のホテルで生活していたというのは事実か。
<冷静に話し合いが進められるようにするため、距離をおいておりますが、連絡はとっております。夫婦喧嘩の際にこのような対応をすることは以前にもあったことです>」
確かに、国を治めるより女房を操縦するほうが難しいことはわかるが、これではリーダーの資格が問われても致し方あるまい。
今週のグランプリも、やはり文春の記事。
1月11日に講談社発行の漫画誌ヤングマガジンが急遽回収されることが発表された。
グラビアを飾ったAKB48のメンバー河西智美(21)の写真が不適切だとの指摘が出たためである。このグラビアは河西の写真集発売のためのパブだったが、「上半身裸の河西の背後から白人の男児が豊満な胸を手のひらで隠している。いわゆる“手ブラ”の状態である。河西自身はすでに成人しているものの、男児の存在が焦点となった」(文春)のだ。
講談社広報室はこう答えている。
「十二日発売予定だったヤングマガジンは、前日には全国の書店に配本を終えておりました。十一日に社内で見本誌が出回り、社会通念上不適当ではないかと問題になり、発売延期と回収を決めました。発覚が遅れた原因は、件のショットが社内でも隠し玉のように秘匿されていたためです」(文春)
児童ポルノをめぐる法制度に詳しい、甲南大学法科大学院の園田寿教授がこう解説している。
『あの写真は、間違いなく「二号ポルノ」とされる児童ポルノに該当します。児童ポルノ法には「児童が他人の性器等を触る行為」に関する規定があり、「性器等」には乳首も含まれます。児童の身体そのものを対象にしていなくても、そもそも子どもを性的表現の手段、道具として使うことが認められていません。
今回、講談社は発売を延期したために強制捜査されるような事態は考えにくいですが、児童ポルノ法には提供罪だけではなく、製造を罰する規定も設けられている。理論的には、構成要件を満たしています』
なお、『一号ポルノ』とは性行為やその類似行為、『三号ポルノ』とは衣服の一部または全部を着けない児童の写真・映像等を指す」(文春)
警視庁少年育成課は講談社の広報担当者から事情を聞き、写真が児童ポルノに当たるかどうかを調べているそうだ。
だがこの騒動、AKB48の名前を広く知らしめた大島優子にも飛び火したのである。
「『現在、AKBの頂点に立つ大島優子は、子役として芸能活動を行っていました。同時に“ジュニアアイドル”としての顔も持っていたのです』(AKBファン)
今回、小誌取材斑はAKB加入前の大島が出演したDVDを入手した。ジュニアアイドルとは聞き慣れない名称だが、好事家をタ―ゲットとした小中学生の少女たちのことを指す。
帯に、ファーストイメージビデオと書かれた『Growing up!』(心交社)には、当時12歳だった大島が登場する。
冒頭、白い砂浜と青い海をバックに少女が現れる。ロケ地は宮古島である。
『好きなことは寝ること。いっぱい寝てんだけどぜんぜん大きくならなくて困ってるんだ』と自己紹介する大島。そして、わずか四十五分間でビキニ、セーラー服、スクール水着、ブルマとまるで着せ替え人形のように目まぐるしく服装が変わる。
ビキニ姿で海岸の貝殻を拾うシーンでは、前屈みになったところをローアングルのカメラがなめるように胸元を狙う。体操服とブルマに着替えてからは、ロープを股にはさんで無邪気に笑っている」(文春)
業界関係者が、イメージビデオ制作現場の内幕を明かしている。
「裸も性行為もありませんが、実際には書店のエロコーナーに陳列されていることからもわかる通り、大人の性欲を満たすために作っています。白い水着の上にまとったセーラー服を脱がせる。白い水着は、明らかに下着を連想させているわけです」(文春)
こうした撮影は普通に行われていたと元AKB48のメンバーの一人は語っている。
「初期のAKBに加入した際、グラビア撮影などについて特に説明はありませんでした。水着も下着もなし崩し的にやっていたという感じ。篠山紀信さんや蜷川(実花=筆者注)さんみたいに有名な方が撮るときは『芸術だ』って説明されますし、『この人なら脱いでも仕方ないか』って思ってしまう。そうやってエロの対象として見られることに馴れていくのでは」
日本一厳しい児童ポルノ規制条例を作った京都府だったら、大島のイメージビデオを所持していただけで条例違反になりかねない。皆の衆、用心めされよ。
(文=元木昌彦)
●もとき・まさひこ1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
なぜ今頃? 富山資産家夫婦放火殺害犯「犯行声明文」をめぐる、県警と文春の不可解な対応

「週刊ポスト」1月25日
グランプリ
「誰も知らなかった『憲法改正』の基礎知識」(「週刊ポスト」1月25日号)
第2位
「富山資産家夫婦放火殺害犯人の警察官は『犯行声明文』を週刊文春に送っていた!」(「週刊文春」1月17日号)
第3位
「再起した同郷の宰相へ 弱き者 汝の名は『安倍晋三』作家 田中慎弥」(「週刊新潮」1月17日号)
成人式(1月14日)が大荒れである。といっても天気のことだが、朝から東京は雪が舞っている。式場へ向かう女の子たちは、会場で着替えるのだろうか、大きな台車のついたバッグをゴロゴロ引きずって歩いている。
毎年、成人式の日の新聞には、サントリーが青年たちへの言葉を掲載している。
だいぶ前から作家の伊集院静が書いているが、今回は「二十歳の元気」と題して、このようなことを言っている。
「いま、日本は、不景気だとか、希望がないと言ってうつむく大人であふれている。このままじゃダメなんだ。君たちがうつむき加減のこの国を変えて欲しいんだ。二十歳じゃ何もできないって? そんなことはない。君にしかないものがある。それは二十歳の元気だ。(中略)失敗してもかまわない。笑われてもかまうことはない。(中略)私たちの先頭を走って欲しい。そうすればきっと何かが変わるはずだ」
正直、たいした内容ではない。昔は作家の山口瞳が書いていたが、そこには人生の先輩として、これだけは知っておいてほしいという「何か」が文中にはあった。これだけはわきまえておけ、という大事な処世術も書かれていた。たとえば「青年よ、思いきって行け」というのは、このようだ。
「この世で好ましいものの一つが『礼儀正しい青年』だ。反対に、猪口才(ちょこざい)な奴、青二才、嘴(くちばし)の黄色い奴、甘ったれは大嫌いだ。
『若者だから、このくらいは許されていい』なんて思っていたら大間違いだ。……こう書いてきて、僕なんか、顧みて忸怩(じくじ)たるものがある。
成人式を迎えた諸君! 今日から酒が飲める。
そこで、僕は、諸君に、『酒の上の失敗を怖れるな』と言いたい。
思い切って行け! ガンガン行け!
先輩は馬鹿じゃない。諸君の若さを理解してくれるはずである。
ただし、それは、その根底に、礼儀正しさと謙虚さがある限りにおいては、という話になる」
成人式を迎えた若者たちに与える言葉は、「期待しているよ」だけじゃダメなんだ。
さて、このところの週刊誌は、どこもかしこも「安倍バブル」大歓迎一色である。一番囃し立てているのは週刊現代で、今週も「安倍バブルでGO! 株価はどんどん上がるぞ 」とはしゃいでいる。
先週は「日経平均2万円もある」とぶち上げ、今週は「1ドル100円で大儲けする日本企業ベスト100」「この株で100万円儲けよう」と証券会社の回し者のような特集ばかりである。
文春も新潮も、同じようなものだ。
「『私は、ツナミのあった3・11以降、一貫して日本株を買っている。個別の銘柄には言及したくないが、最近もアベが総選挙で勝つことが確実な情勢になった時点で、日経インデックスを買い増した』
かつてジョージ・ソロスと共同でファンドを設立し、”伝説の投資家”と呼ばれるジム・ロジャーズ氏は、文春の取材にこう明言した。
ロジャーズ氏の目に曇りがなかったことは間違いない。安倍晋三氏が自民党総裁に選ばれた昨年九月二十六日に約八千九百円だった日経平均株価は、一月四日の大発会では約一万七百円をつけた。三カ月余りで二○%もの急上昇である。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長は、昨年の総選挙前に『ウィ・ウォント・アベ』と述べたが、まさにその通りの展開となっているのだ。
当面、株式市場の勢いは衰えなさそうだが、この活況はいつまで続くのか。
ロジャーズ氏はこう語る。
『今年の日経平均株価がどこまで上がるか、それはなんとも言えない。一年はとても長い期間だし、私は物事の推移を見守りながら投資の判断を下すからだ。よって、いまここで”予想“を伝えることにはあまり意味がない。一つだけ言えるのは、私はまだ保有している日本株を手放すつもりはないということだ。それが十年後になるのか、もっと早い時期になるのかはわからないが』
世界的な影響力をもつ経済紙フィナンシャル・タイムズは、安倍政権の経済政策を念頭に置き、日本経済を好意的に取り上げている。
『二○一三年の逆張り投資、日本株が一番人気』と題した記事ではこう書いた。
<ファンドマネジャーやストラテジストらが提案する、最も人気のある逆張り投資先の一つは、二十年余りずっと投資家を失望させてきた投資先だ。日本株である>(一二年十二月二十日付)
十二月二十八日には、
『「日本の経済政策、安倍政権は時計の針を戻すのか?『今回の成長戦略は九○年代のバラマキとは違う』」と題した記事も掲載している」(文春)
新潮は、こうだ。
「『今年はロケットスター卜を切りたい。日銀の金融政策が決定的に重要だ』
4日の年頭記者会見で、2%の物価目標ばかりか、為替についても、日銀に責任の自覚を迫った安倍首相。政権トップの声に、多くの機関投資家が「円売り・日本株買い」に全面シフトの様相だ。円安の恩恵を受ける輸出関連株をめぐっては、「今、買わないやつは愚か者」とまで言い切る専門家もいて……。
『辰巳天井』――これは投資家に伝わる格言である。確かに辰年は、日経平均株価の平均上昇率が十二支中、1位。巳年も前々回の89年には30%近くも上昇し、約3万9000円の史上最高値をつけた経緯がある。こうした投資家の願望通り、目下のところ、株価は右肩上がりの状態だ。
『この傾向が続けば、年内に為替は1ドル=95~100円まで円安が進み、平均株価は1万3000~1万3500円まで上がると予測できます』
大和総研チーフエコノミストの熊谷亮丸氏はこう語るが、さらなる円安を予測する専門家もいる。
『私は2007年当時の1ドル=120円まで、ほぼ一本調子で戻ると見ています』
と言うのは、蔦峰義清・第一生命経済研究所首席エコノミストだ。
『アベノミクスヘの期待以上にドル高要因も強まっているからです。アメリカは6年前に住宅バブルが崩壊しましたが、その借金の清算がようやく終わり、今年は痛手から脱却できそうなのです。米経済が回復すれば、為替も以前の状態に戻る。来年中には120円まで行くと思います』」(新潮)
慎重な週刊朝日でさえも「『バブル』かもしれないが、狙い目は、どんな銘柄だろうか」と株へ目がいっている。
だがおかしいのは、これほど「アベノミクス」を持ち上げている現代だが、コラムを読んでみると、安倍の経済対策に懐疑的な論調が多いのだ。
「安倍にだまされるな! 景気は絶対に良くならない」(大橋巨泉「今週の遺言」)
「アベノミクスが復興を遅らせる」(古賀茂明「官々愕々」)
「焦げつき額は80兆円! 株高円安のウラで進行する安倍ミニバブル崩壊の衝撃」(森功「ジャーナリズムの目」)
インフレターゲットや金融緩和など、まだ動き出してもいないうちから反応する株価や為替は、アベノミクスがうまくいかないと分かれば、あっという間に下がる(円は上がる)のは必定。
参議院選まで力ずくで景気がいいように見せかけたとしても、サラリーマンの給与に反映されるのはずっと後になる。参議院選挙後に経済対策が破綻すれば、給与は上がらず、物価や消費税アップで家計はさらに苦しくなる。
いまメディアに求められるのは、アベノミクスで自民党が何をしようとしているのか、成果が出る、または失敗する1~2年後までじっくり観察し検証することである。
さて、今週もイマイチの記事が多く見られた。
編集長が木所隆介に替わったフライデーの「猪瀬直樹東京都知事が『愛して脅した』美人マネージャー」にちょっぴり期待したが、美人マネが60代では読む気をそがれる。
約束した金額を払わなかったことからトラブルになったことがあるようだが、それもだいぶ前の話である。
都知事選挙に出るに当たって彼女から、猪瀬とのかつてのトラブルがメディアに出るかもしれないと伝えたところ、彼が「黙っていたほうが得だよ」と脅すようなことを言ったとある。
彼女は、猪瀬が権力を得たことで家族に何をするかわからないと怯えているようだが、そんな男のマネージャーになったのがそもそも不運である。
現代の「『痴漢報道』――JR西日本の重役はなぜ死ななければならなかったのか」は、かつて上前淳一郎が書いた『支店長はなぜ死んだか』(文藝春秋)を思わせるタイトルだが、内容は不十分なものだった。
確かに、取り調べをしただけで警察は記者発表し、それを自前で検証もせず実名と顔写真を報じたテレビなどは批判されてしかるべきである。このケースも、決め手は彼を痴漢だと訴えている17歳の女子高生の証言だけである。その声を聞いて電車から逃げ出したところを現行犯逮捕されている。
容疑を否認したまま2日ぶりに自宅に帰った重役は、テレビで自分の名前や顔が公開されたことで絶望したのであろう、公園の便所で首を吊って死を選んでしまった。
本人が死んでしまったことと女子高生の話を聞けないことで、難しい取材ではあるが、もう少し粘って取材を重ね、痴漢報道とはどうあるべきなのか、新聞やテレビも巻き込んでじっくり論じてほしかった。
私は、よほど悪質な痴漢行為や常習犯でない限り、刑が確定するまで実名報道は避けるべきだと思う。
作家・渡辺淳一が地方紙に連載していた小説が、その過激な描写に読者から批判が寄せられ、ほとんどの地方紙が止めてしまったというポストの記事を興味深く読んだが、それ以上の話には拡がっていない。
日経新聞などでは、その過激さゆえに部数が伸びたとまでいわれた渡辺文学だが、地方に密着している新聞では、一部にせよ批判の声があがると持ちこたえるのは無理なのであろう。
今週の3位は、安倍総理と同じ山口県生まれの芥川賞作家・田中慎弥が書いた安倍についての文章。これがとても面白い。
田中は、去年7月に下関で開かれたイベントで安倍に会った印象から書き起こしている。何を言っているのかさっぱり聞き取れない挨拶の後、関係者に案内された安倍が田中のところへ来る。そして、こう言った。
「田中さんの本は読んだんですが、難しくてよく分かりませんでした」
田中は、そのときの安倍の印象をこう書く。
「至近距離なのでさすがに声は聞き取れたものの、表情は愛想笑い程度のうつろなもので、これが本当にかつて首相であり、今後の返り咲きも噂されている政治家だろうかと思った(向こうは向こうで、こいつが本当に芥川賞作家か、と思っていたに違いないが)。
かなり無理しているのではないか、本人はほぼ治ったと言っているが、首相辞任の原因となった病気がまだ癒えてないのではないか、とも感じられた。
政治家っぽくない人、向いていない仕事を背負わされている人という印象だった」
山口県人は「自分の意見が一番正しいのだという我の強さ、強情さをもつ人が多い気はする」(田中)そうだが、県民性以上に安倍を強くあらねばならないと駆り立てているのは血筋だと見ている。
「安倍氏は明らかに、政治家としての自分を強く見せようとしている。強くあろうとしている。なぜか。安倍氏は弱い人間だからだ。強くあろうとするのは弱い証拠だ。だったら、あるがままに生きてゆけばいい。弱いことは、人間として決して悪いことではない。だがここで、血筋の問題が出てくる。
祖父と大叔父と実父が偉大な政治家であり、自分自身も同じ道に入った以上、自分は弱い人間なので先祖ほど大きなことは出来ません、とは口が裂けても言えない。
誰に対して言えないのか。先祖に対してか。国民に対して、あるいは中国や韓国に対してか。違う。自分自身に対してだ。くり返すが、強くないなら強くないままでいい。
首相になった安倍氏は、もはや弱い自分に戻ることは絶対に許されない。
一度失敗しているだけになおさらだ。だが、弱い者はどうあっても弱い。
だからこそ、よけいに強くあろうとする。敵の前でひるむことなく自分を強く見せる必要がある。(中略)
安倍氏が憲法改正や自衛隊の国防軍への移行、集団的自衛権などを主張し、『戦後レジームからの脱却』を掲げているのは、それらが自民党の本来進むべき道であり、特に自主憲法制定が結党以来の悲願でもあるが、そういう党の中にいる安倍氏が、偉大で強い家系に生まれた弱い人間だからだ」
田中は、そんな安倍総理は命を縮める危険な状態にあると危惧し、「その危うさを含めた過剰な強さが、私に『怖い』と感じさせる」というのである。
安倍総理の本質を突いていると思う。
女性セブンは安倍総理の妻・昭恵のインタビューをしている。昭恵が脱原発の集会に参加するなど、原発維持の夫と意見が対立していることを聴かれ、こう答えている。
「原発に関しては、これからもどんな天変地異があるかもわからない。何かあった時に、本当にパッとコントロールできるんだったらいいけれど、それができない限り、やっぱり私は反対なんですね」
彼女は、安倍の病気にはストレスが一番いけないと認めている。内憂外患の安倍総理には心休まる場所がなさそうである。
第2位は文春の気になる記事。
2010年4月に富山市で起きた老夫婦殺人放火事件で、富山県警警部補加野猛容疑者が逮捕されたが、彼が事件の2カ月後に文春に犯行を認める「手記」を書くという内容のCD-Rを送付し、高額で買わないかと持ち掛けていたというのである。
新聞各紙も報じているが、文春は誌面で全文を掲載している。
中には遺体の位置を記した略図があり、これを富山県警に見せれば、自分が犯人だと分かると書いている。
文春も当時、真贋を確かめるため富山県警に取材を行い、見取り図を見せたところ、県警の反応は「犯人、および警察、消防の一部関係者しか知りえないことが書いてある」というものだった。
だとしたら、文春はその時点でなぜ記事にしなかったのだろう。「鬼畜のような殺人放火犯から来た手紙 独占公開」とでもやりそうなものだが。
その後、犯人からの接触はなかった。県警からはCD-Rの任意提出を継続的に求められたが、拒否してきたという。情報源の秘匿。情報提供者からの信頼を失い、今後の取材活動に支障をきたすからだという理由だ。
だが、県警は事件が解決しないために焦ったのだろう、事件から2年以上がたった昨年8月に、任意ではなく差し押さえに踏み切った。
これほど遅かったのはなぜだろう。このCD-Rを送り付けたのが犯人に間違いないと思ったのなら、文春側となんらかの取引をしてでも手に入れなかったのか。もちろん、編集部側が拒否していたためだろうが、2年以上も時間がたってから差し押さえに踏み切るというのは、やり方はもちろんだが、県警のやる気を疑いたくなる。
しかも、専門家がCD-Rを分析したところ、データ上に「カノタケシ」という名前が残されていたというのである。
いろいろな報道によれば、加野と殺された夫婦とは親しかったそうである。
なのに、文春によれば「そこから県内外の多くの『カノタケシ』をリストアップし、一人ずつ検証する捜査が始まった」というのだから呆れる。
殺された夫婦の交友関係も調べていなかったのか。バカバカしくて涙が出てくる。
犯人は、罪もない夫婦を殺し金を奪った上に放火までした。その上、犯行をほのめかす手記を週刊誌に持ち掛け金を稼ごうとした卑劣犯である。CD-Rを渡さずとも捜査に協力して、もっと早く逮捕されるような方策を考えられなかったのだろうか。
取材源の秘匿はもちろん大事だ。だが、この加野のように、明らかに真犯人だと思われる人間の手記を載せるために編集部が金を払うことはないはずだ。話した後に自首するとか、事件が時効になっていれば別だろうが。
取材源の秘匿は絶対不可侵ではない。すでに名誉毀損裁判などでは、取材源の秘匿は多くの裁判官によってボロ雑巾の如く打ち捨てられているではないか。
富山県警のお粗末さがハッキリ分かる記事だが、取材源の秘匿というメディアにとって重大な問題を考えさせられる記事でもある。
今週のグランプリは、ポストの憲法改正についての記事。先週の「裏エンディングノート」もそうだったが、この特集もコロンブスの卵のような記事である。
こういうところへの目のつけ方がポストはとてもいい。
圧倒的な数の安倍自民党政権になり、安倍自身もライフワークと称している憲法改正が遠い先のことではなくなってきた。憲法改正の手続き法である国民投票法もできているから、参議院選挙でねじれが解消すれば、いち早く改正に動き出すという観測もあるが、事はそう簡単ではないとポストは窘めるのだ。
どちらかといえば、憲法改正派と見られているポストだが、こうしたものを巻頭にもってくる心意気を買ってグランプリ。
まず憲法改正のスタートは、衆議院議員100人、参議院議員50人以上の賛成で発議(提案)される。その際重要なのは「関連事項ごとに区分けして行う」ことだ。たとえば第1条の「天皇」に関する条文と、第9条の「戦争の放棄」に関する条文改正は別々に発議されるのである。
したがって、自民党が作っている改正草案をすべて実現しようとすると100以上の発議が必要になるというのだ。発議、本会議での趣旨説明の後に、衆参それぞれに設置された憲法審査会で議論される。ここを通過しても、憲法改正発議には議員定数の3分の2以上の賛成が必要。後院(発議したところとは別の院)でも同じ数が要る。両院議長から発議された改正案は、発議から60~180日以内に国民投票にかけられる。投票は有効投票の過半数で承認されるが、100以上に分かれた場合、区分ごとの投票箱が必要になり、投票を済ませるまでに数時間かかることもあり得るというのである。
このように、憲法改正までは「途方もなく長く、煩雑な道程」(ポスト)が待っているのだ。
さらにポストは「自民党改憲草案」には4つの重大問題があるとする。
まずは「『国防軍創設』(9条改正)に憲法改正は本当に必要か」と問う。9条改正論者の小林節慶応義塾大学法学部教授でさえ、自衛隊を国防軍に改称するだけなら憲法改正の必要はないといっている。
「憲法改正しなければできない国防軍の活動があるとすれば他国への侵略戦争だが、それは自民党の憲法改正案でも禁じている」(ポスト)のだから、9条改正の目的は集団的自衛の行使への道を拓くためだと見られる。だが、先の小林教授は、日米安保条約を結んでいるのだから、竹島、北方4島、尖閣諸島に急迫不正の侵害があった場合は、集団的自衛権を有しており、憲法改正は必要ないとしている。
2点目「なぜ『基本的人権の由来』(97条)を削除するのか」では、自民党は国家の権力を制限するためにできた立憲主義を覆し、統治者側の視点から国民の権利を制約する押し付け憲法を目指していると批判する。
第3点は「メディアを縛る『表現の自由』(21条)改正は大問題」だとする。
21条は言論表現の自由を定めたものだが、そこに自民党案はこういう文言を入れているのだ。
「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない」
公の秩序を害すると判断するのは権力側である。これでは権力監視なども「害する」と判断されてしまう可能性が高い。日本から言論表現の自由がなくなることを意味する。
第4は「中央集権の固定化をはかる『地方自治』(92条)改正」。橋下徹大阪市長が言っているような地方分権は退けられ、「地方自治を住民サービスの実施に限定したうえで、これまで憲法に位置づけられていなかった、国が税金を徴収して地方に分配する財政調整機能(地方交付税)を新条項として盛り込んだ。これでは、中央集権体制の固定化であり、、『財源は地方に渡さない』といっているのに等しい」(ポスト)
憲法改正といっても、自民党と維新やみんなの党の方向性は正反対だから、改憲政党の中でも大きな対立が起きるとポストは結んでいる。
こうした特集を巻頭に持ってきたポストに拍手を送りたい。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
妻や子に見せてはいけない!? 自分の性生活を振り返る“裏エンディングノート”

「週刊ポスト」1月18日号
企画賞
「ポスト版 エンディングノート」(「週刊ポスト」1月18日号)
イマイチで賞
「維新は『犯罪』のデパートだ!」(「週刊文春」1月3・10日号)
同
「選挙違反だけじゃない橋下徹ベイビーズの呆れた『学歴詐称』」(「週刊新潮」1月3日・10日号)
読んでみてもいいで賞
「『安倍晋三』総理『独立自尊! 私は経済を立て直す!』対談櫻井よしこ」(「週刊文春」1月3・10日号)
どっちつかずで賞
「全国民必読 2013年『ジェットコースター政権』の始まり、始まり」(「週刊現代」1月19日号)
どこがいいので賞
「壇密」(「週刊現代」&「週刊ポスト」)
綾瀬はるかが好きなので、何十年かぶりにNHKの大河ドラマ『八重の桜』を見た。綾瀬は冒頭に出て、銃をぶっ放しながら「ならぬものはならぬものです」というセリフを言うだけで、八重の少女時代へ戻ってしまうから、はるかファンとしてはいささか物足りないが、子役の少女がとてもいい。
子役と動物に役者は勝てないとよくいわれる。その通りで、ほかの俳優たちを圧倒している。第1回だからか、時代背景の説明が多く物語の展開が遅いのが気になるが、もう少し見てみるしかないだろう。
山本八重が戦ったのは戊辰戦争(1868~1869年)である。明治政府を樹立した薩摩・長州藩を中核とした新政府軍と旧幕府勢力が戦った日本の内戦で、八重がいたのは敗れた会津藩。いまでも会津人の薩摩・長州人への怨念は消えていないといわれている。
頑固者「会津っぽ」を主人公にした大河ドラマが、彼らが嫌悪する長州人の末裔・安倍晋三が総理になった直後に始まったのは、NHKの先見の明か、歴史の皮肉か。
会津藩には藩士の子弟を教育する組織「什(じゅう)」があった。そこには什の掟というものがあり、それを基に会津若松市が「あいづっこ宣言」を策定しているが、その最後にも「ならぬことはならぬものです」という一節がある。
ダメなものはダメだという意であるが、宣言の三には「虚言を言ふ事はなりませぬ」とある。
安倍総理が公約を果たさず、元の自民党のように公共事業を垂れ流し、財界ベッタリの「強者強靱化」政策を進めるなら、会津っぽたちは黙ってはいまい。
このドラマが終わる頃まで安倍政権が持ちこたえているかどうかも注目である。
さて、週刊誌は今年どんな仰天スクープでわれわれ読者を楽しませてくれるのだろう。年末年始号を見る限り、残念ながらこれはというスクープにお目にかからなかった。
そこで、スクープ賞とは別に特別賞を設けてみた。まずは現代とポストで競っている、今人気のセクシークイーン「壇密」のグラビアだが、私には彼女の魅力がわからない。
確かにいやらしい表情と体を持った女性であることは認めるが、ふるいつきたくなるほどの美人ではないし、なぜ騒いでいるのか理解不能だ。
女性の好みは人それぞれだから、壇密ファンをどうこういうつもりはないが、私は以前ポストのグラビアを飾っていた「謎の美女YURI」のほうがなんぼかいいな。Come back YURI!!
現代の「安倍バブル」の記事もようわからん記事だったな。
1部から6部まであって、1部は経済のプロ50人が「安倍バブル」をどう見ているかアンケートした特集だが、サブに「わずか半年で天井越え! とにかく上がる上がる」とあるように、株を買え! の連呼だ。
ポストも同様に「まだまだ上がるぞ 日経平均1万3千円で儲ける安倍銘柄スクリーニング36」をやっているが、現代のほうは「日経平均2万円へ」だから、ケタが違う。
だが表をザッと見てみると、多くのプロが1万2,000~3,000円で、円高予想も90円台がほとんどである。2万円まで上がるなどと予想しているのは森永卓郎だけで、円が110円まで下がると予想しているのも3人だけだ。
これを読んでいると、バブルの頃の現代を思い出す。株を買わないのはバカだと言わんばかりの誌面作りが毎号続いた。
週刊朝日の連載「案ずるよりフジマキに聞け」で藤巻健史はこう書いている。
「バブルの経験からして、景気と『間違いなく関係ある』のは不動産と株の価格である。あの狂乱経済と言われたバブルは、不動産と株の高騰によってもたらされたもので、消費者物価指数は低位安定していた。上昇率はせいぜい1~2%である」
だが、日銀の澄田智元総裁が後に言っているように、地価と株価が急騰しているのに金融引き締めが遅れたのは「認識が不十分だった」ためで、安倍総理の言っているインフレターゲットは、「景気対策として景気と関連性の薄い消費者物価指数を念頭に置くのは、『そのときの反省が生かされていない』と言わざるを得ない」と批判している。
その上、日銀は政府の言いなりだと国民や外国人に思われてしまったら、単なる紙幣印刷所に成り下がり、ハイパーインフレへの道を突き進むとも警告している。
テレビのワイドショーでは、暮れから年明けにデパートなどの売り上げが伸びたと浮かれているが、まだ給料が1円でも上がったわけでもないし、景気がいいという実感など、ほとんどの国民は持っていないはずである。
もう二度とメディアに踊らされて、ぬか喜びするのはよそう。多くがそう思っているはずである。
だが現代は「日経平均2万円は決して絵空事ではない」と、「乗り遅れるな!『2万円相場』主役はこの株だ」と煽る煽る。「優良企業がバーゲンセール」「プラチナは3月まで値が上がる」。なんと金融円滑化法、いわゆるモラトリアム法で何とか生き残っている中小の貸金業が相当数倒産すると予想されるので「ケネディクス」や「レーサム」などの不良債権処理、不動産の流動化ビジネス関連株がいいとまで言うのだ。
中小企業が倒産することを“期待”しているのか?
現代は、この「安倍バブル」の賞味期限は参議院選挙のある7月までで、選挙目当てで自民党は株高を続けるだろうという読みがある。このバブル、あっという間に破裂する可能性が高いと警告もしているのだが、先の記事に比べると扱いは小さい。
日中関係にも言及しているが、ここは省く。最後に付け足しのように「アベ『格差社会』で若者と老人は路頭に迷う」と、安倍政権では、金持ちはより金持ちに、貧乏人はもっと貧乏になると書いている。
生活保護の制限、年金受給開始年齢の引き上げ、物価は上昇するが所得は上がらない社会を明るいとは言わない。
安倍バブルの提灯持ちはテレビや新聞に任せて、週刊誌は安倍政権を監視し、チェックする役割を担わなくては、圧倒的多数の自公のなすがままになる。一過性かもしれない円安、株高に浮かれている場合ではないと思うのだが。
そういう意味でも新潮の安倍インタビューは、内容はたいしたことはないが「読んでみてもいいで賞」。櫻井のインタビューを受けたのは総理になる前だが、こう発言している。
「経済においては、我々は金融政策と財政政策、それに成長戦略の3本柱で危機を突破していきたいと考えております。先の自公政権時代は、円高は是正できましたが、デフレからの脱却はあと一歩のところで果たせなかった。この反省の上に立って、経済政策におけるパワー不足を補うため、次元の違う政策を打ち出していこうとしています。とりわけ金融政策については、伝統的な手法にとらわれず、インフレ・ターゲットを設けて、大胆な金融緩和を行うという目標を掲げました。いろんな批判があるかもしれませんが、ご存じの通り、2%という目標を示しただけで、実際に為替は動き、株価も上昇しましたね。(中略)
一方では、仮に株価が上がったって、一部の金持ちの利益にしかならないじゃないかと批判する方もいる。しかし、これは間違いです。なにしろ年金の運用の一部は、株式市場で行っているのですから。したがって、株価を上げていくということはとても大切なんです。たとえば、先に私が政権を担わせていただいた2006年から翌年にかけては、日経平均が約1万4000円から約1万8000円にまで上がりました。これによって、3兆円の運用益が出たんです。つまり、経済成長を続け、確実に株価を上げていけば、年金などの財政的な基盤も強化されていくわけで、非常に重要な点だと考えております。我々はこの経済政策で断固としてデフレから脱却するんだ、円高是正を進めるんだという強い国家意思をマーケットに示していきたい。(中略)
先の安倍政権時代には、金融の量的緩和のおかげもあり、名目GDPが513兆円に増え、税収も51兆円まで数兆円増加した。しかし、そんな中、2006年の前半に日銀は金融の量的緩和をやめてしまったんです。デフレ・ギャップが埋まったという判断からです。しかし、その後、デフレ・スパイラルに陥り、日本経済は閉塞状況から抜け出せなくなった。もしあの時にインフレ・ターゲットを導入していれば、まだ物価上昇率が足らなかったわけですから、量的緩和は続けられていました。そうすれば、GDPは名目が実質を逆転し、デフレ不況からも脱却できていたのではないかと悔やまれてなりません。(中略)
前回の総理在任中に靖国を参拝できなかった事は痛恨の極みだと申し上げました。やはりお国のために一生懸命働き、尊い命を失った英霊たちに国のトップが崇敬の念を表明するのは当然のことで、どの国のリーダーもそうしています。(中略)
我々は民主党政権と違い、『二番』ではなく、『世界一』を目指しますから。あらゆる分野で世界一になることによって、日本を復活させます」
参議院選まで見かけの景気はよくして、参議院でねじれを解消できれば、8月15日には中国がどう言おうと靖国公式参拝を強行し、自衛隊を国防軍と変え、集団的自衛権を認め、憲法改正する腹づもりであろうことが透けて見える。
選挙が終わって、未来の党ほどではないが、すっかり影が薄くなった維新の党だが、落選した者も当選した者も、脛に傷を持つ者が多いようだと、文春と新潮が書いている。
維新は、比例で復活当選した上西小百合議員や桜内文城議員らの運動員が公職選挙法違反容疑で逮捕されたが、文春はさらに、維新のプリンスといわれる初当選した井上英孝議員に「暴行」されたという女性の話を取り上げている。
井上議員は大学時代にラグビーをやっていたようだが、呑むと女性にきついことを言ったり、叩いたりする「ドS」の癖があるというのだ。
それは、彼が市会議員だった6年前に起きた。酔っぱらった席で女性にからみ、彼女の首を絞めて吊り下げたというのだ。真偽のほどは定かではないが、これが事実だったら、とんでもない爆弾を抱えた議員を維新は据えたことになる。
新潮は初当選した西岡新代議士の経歴に学歴詐称があると指摘している。
選挙公報には「明治大学公共政策大学院中退」とあるが、地元政界関係者に言わせると、彼は高校で中退した中卒だというのだ。
中卒で議員というのは立派なような気もするが、詐称はよくない。
本人いわく、2012年の4月から11月まで「明大大学院のガバナンス研究科」に通っていたというのだが、新潮調べでは、ここは25歳以上で3年以上の職務経験さえあれば面接だけで入学できる、カルチャー教室のようなものだという。それで大学院中退はないだろう。
維新が選挙前のように輝いていた時期なら関心を持たれたかもしれない記事だが、今となってはイマイチだ。
最後に、売り物記事がないときは企画で勝負。一見なんでもない「特別付録」のエンディングノートだが、後半の「裏エンディングノート」には笑ってしまった。
表のノートには、病気の告知について「病名も余命も告知してほしい」か、そのどちらもしてほしくないか。延命治療はどうするのか、最後を迎える場所はどこがいいか。臓器提供や献体はどうするのか。
葬儀のときの形式や戒名、葬儀のときに流してほしい音楽、墓について。預貯金や保険、不動産、有価証券。大切な人へ残したいメッセージなどがある。
ガンなどのように、いくらか最後を迎えるまでに時間があればいいが、突然死の場合、後に残された者のことを思って、こうしたものを書いておく必要はあるだろう。私もそろそろ書いておこうと思っている。
だが、裏ノートはどう書こうかとしばし考え込んだ。表紙には「ここからは妻や子に見せてはいけない!」と書いてある。
記入してすぐ焼却するもよし、信頼できる人に託すもよし、日記に挟み込んでおくのもよしとある。
では、なぜこういうものを書くのだろう? 「体が健康なうちに、自分自身をより深く、見つめ直す」ためだという。
まず開くと、「春の歩み―私の女性遍歴」とある。童貞消失が何歳で、相手は誰で、場所はどこか。これは今でもハッキリ覚えているから書けるな。
思い出のsex欄には20人まで書き込める。名前、期間。思い出sexとあるのは、何をどう書けばいいのだろう。
次に、1番好きだった女、1番sexがよかった女、生涯で1番思い出に残っているsex、変態告白、あぶない思い出とある。
その次が興味深い。「墓場に持っていく話」とあり、隠し財産、隠し負債、犯罪、処分してほしいものリスト、妻子に内緒で自分のことを伝えてほしい人リスト、最後に言い残しておくことと続く。
最後のページに「この裏ノートを保管してほしい人の名」とあるが、これが一番難しい。
このほかにも、自分の人生の来し方を見つめるためにしておかなくてはいけないことは多くあるはずだ。年の始めに、そうしたことをゆっくり考えてみるのもいいかもしれない。この企画、天晴れ!
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
『20センチ少年』『前戯なき戦い』『天空の塔ドピュタ』……たけしが選ぶ、AVネーミング大賞

「週刊ポスト」1月1・11日号
佳作1
「人間を幸福にしない日本というシステム」(「週刊ポスト」1月1・11日号)
佳作2
「人生の9割は血液型で決まる」(「週刊ポスト」1月1・11日号)
佳作3
「神田うの『家庭崩壊』危機!」(「週刊文春」12月27日号)
佳作4
「ビートたけし 帰ってきた『AVネーミング大賞』歴代ナンバーワンを発表するっての!」(「週刊ポスト」1月1・11日号)
今週もグランプリの該当作はなしだが、そこそこの読み物は揃っている。
現代の安倍政権になると「あなたの預貯金、財産が『3分の1』になる」という特集は、選にはもれたが安倍晋三新政権に対する国民の不安をよく捉えている。
私のような年金生活者は、今のようなデフレが続いてくれたほうが暮らしやすい。それが安倍総理になると札をジャンジャン刷り、ゼネコンにばら撒くというのだから、物価は上がり消費税も上がり、ますます生活が苦しくなるのではないか。
円高になれば輸出産業は息を吹き返すというのだが、そううまくいくのだろうか。安倍インフレ政策が家計にどう響くのか。消費者物価指数が2~3%上昇するだけで、食料品やガソリンなどの生活必需品が10%も値上がりするというのは、クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストの白川浩道だ。
「物価が上昇した分だけ賃金が上がれば、消費は落ちずにすむかもしれませんが、企業の業績がよくなったからといってすぐに給料が上がるわけではありません。そもそも円安になったからといって、すべての企業の業績がよくなるわけではない」
年金生活者は大変だ。物価上昇に応じて支給額は増えるとはいうものの、増額されるのは翌年以降になる。
株価はどうなるのか。輪転機でお札をどんどん刷れば「資産インフレ」が起こると、慶應義塾大学ビジネススクールの小幡績准教授は言う。
日本個人投資家協会副理事長の木村輝久は、民主党政権でもデフレ解消のためにいろいろ手を尽くしてきたのに、結果を出せなかった。安倍が日銀にプレッシャーをかけて金融緩和をさせカネをダブつかせても、使う人がいなければ景気は回らないと話す。
雇用は「円安になれば輸出産業に恩恵があると思われていますが、そうではない。海外でのドル建ての利益を円に替えると見かけ上は利益が増えるかもしれませんが、必ずしも雇用は増えません。そもそも日本の人件費は新興国の4~5倍も高いわけですから、円が120円になったとしても、新興国との価格競争で直ちに優位に立てるとは限らない」(小幡准教授)
格差の拡大も心配される。経済ジャーナリストの荻原博子は、小泉純一郎内閣から第一次安倍内閣の時を思い出せという。
「このとき、日本はいざなぎ景気を超える長期の景気回復を達成していました。実質経済成長率も年平均2%弱だったんです。しかし、そんなことは誰も覚えていません。ナゼかと言えば、この好景気の時期も含めて、労働者の賃金は下がり続けているからです。01~07年の間だけでも民間の給料は平均で年間17万円も減っています。だからデフレになったのです。(中略)次の安倍政権でも同じことが起きるのではないでしょうか」
もっと恐ろしいのはインフレを抑制することができず、際限なく物価の値上がりが続くハイパーインフレに陥ることだ。
みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也がこう指摘する。
「安倍氏が金融緩和を続けるということは、日銀のバランスシートにリスク資産を取り込む度合いを増やすことになります。今の日銀への信認度は『プラスチックの棒』みたいなものです。ある程度までは力を入れても折れないが、一定以上の力がかかるとポキッと折れてしまいます。一度、日銀の信用が失われると、二度と元には戻らない。このことのほうが心配です」
そうなっても困らないように自分の資産は自分で守れと現代は書いているが、そんなことが各自できるのなら、もっと早くこのような景気の悪い時代から抜け出していたはずだ。
庶民の暮らしなど分かろうともしない安倍と麻生(太郎元総理)のお坊ちゃまコンビに任せておいたら、この国はさらに沈没すること間違いないようだ。
軟派記事が面白くない。ポストの袋とじ「春画の秘宝 発掘!葛飾北斎幻の桃色春画12枚」を開けて見たが、なんということはなかったな。
ちょっと気になったのは、週刊朝日の連載「ニッポンスッポンポン」。文筆家兼女性向けアダルトグッズショップを経営する、北原みのりのコラムである。
女性器整形を望む女性が増えているという。それも、最近は40代の既婚女性の整形も増えているし、介護職に就いている女性の整形が目立って高くなっているというのである。
北原の知り合いの女医はこう言っている。
「介護を通して、初めて他人の性器を見たという女性が多いです。セックスのためというより、将来、自分が介護された時のことを考えて整形するんですよ」
北原は15年以上前に、ニューヨークであるワークショップに参加した。そこでは数人の女性たちが女性器を見せ合い、女性器について語り合うワークショップだったそうだ。
佳作にあげたポストのビートたけし「新春スペシャル」が意外に面白い。
18禁のAVネーミング大賞を発表してきて今回で7回目だというが、なかなか笑えるタイトルがついている。
週刊誌などもそうだが、タイトルには制作者の汗と涙が染みついている。いくつか挙げみよう。映画からとったものが多い。
『20センチ少年』『前戯なき戦い』『天空の塔ドピュタ』『マゾの宅急便』『風の谷のナニシタ』『この女、淫乱につき』『亀頭市』『床ジョーズ』『家政婦の股』『世界の射精から』『女熱大陸』『限りなく透明に近いブルセラ』『1Q84(イクワヨ)』『シコシコジャパン』
こういうのは好きだね。ちなみに、たけしが大賞に選んだのは『あしたのニョー』だった。ジャン、ジャン!
佳作3は、タイトルに惹かれて読んだ文春「神田うの『家庭崩壊』の危機!」だが、ややタイトル倒れだったな。
神田うのはいまやママタレ界の女帝なんだそうだ。パンストやウェディングドレスのブランドを持つデザイナーでもある。
夫は年商1500億円を誇る、パチンコ関連企業「日拓」の経営者・西村拓郎。
この夫、女遊びが激しいらしい。彼と1年間愛人関係あった北川景子似の銀座ホステス・吉田愛(仮名)が激白している。
今回の読みどころは、西村が彼女に話したうのとの夫婦生活だ。
「私も興味があったんで『うのちゃんとはどうしてるの?』と聞くと、『夜の生活はないよ』と彼は言っていました。うのちゃんは彼のことを『パパ』と呼ぶみたいで、自分でデザインしたランジェリーを着て『パパ、しばらくしてないじゃん』、『パパってば』とベッドに入ってきて迫ってくるんだそうです。西村さんは『ウゼーんだよね』と言って嫌な顔をしていましたね」
彼の女性関係にうんざりしたうのが別居したりといろいろあったようだが、美川憲一に「子どもでも作りなさいよ」とアドバイスされ、それが実って女の子を出産した。
それからは夫も夜遊びをピタリとやめて、夫婦仲良く暮らしているというのだ。めでたしめでたしである。
佳作の2はお決まりの血液型についてのうんちく。血液型本はときどきベストセラーになるが、私は血液型で人の性格をできるというのは信じない。
なぜなら、私は会社に入るまで自分の血液型はB型だと信じていたのだ。ときどき雑誌の血液型性格診断などを見ては、B型は自分の性格や行動の仕方にいくらか似ていると思っていた。
それが会社の健康診断で、お前はA型人間だと知らされたのである。これまでB型人間として行動してきた自分はなんだったのか。戦争に負けてそれまでの価値観がひっくり返ってしまった日本人のようになってしまったのだ。
以来、血液型は信じていないから、そうした本も見ないのだが、今週のポストの「人生の9割は血液型で決まる」というタイトルに惹かれて読んでみた。
これを提唱しているのは、20数年間鍼灸や整体を通して人間の性格や行動を研究してきたという小萩喜一。
彼は血液型をこう説明する。
「太古の昔、人類はみんな狩猟採集生活を営むO型だったといわれています。その後、農耕生活が進むなかでA抗原を持つA型が生まれ、放牧生活のなかでB抗原を持つB型が生まれた。そしてA型とB型の交配が進んで、AとB両方の抗原を持つAB型が生まれました。O型は他の血液型のように抗原を持っていないため、形にとらわれず、無限の可能性を持っているのです」
これによれば、O型はすごいそうだ。競う相手やチャレンジする対象があったり、自分の力を注ぎ込める仕事があれば無類の強さを発揮するという。実業家、政治家、冒険家に向いているというのだ。
私のようなA型はこうだ。
「A型が几帳面なのは“散らかると面倒だから早めにきれいにする”という、その根には、無精さがあるからです。A型の人生は、ある意味この面倒くささとの戦いで、無精の自分を自覚した上でスムーズに行動を起こせる習慣にたどりつければ最強の人生を送れます」
B型に向いているのは音楽や芸術分野で、これはと思うものに出会ったら、そこに照準を合わせて一心不乱に取り組むと成功するそうだ。
AB型は研究員や哲学者に向いているそうで、「人を生かすことに力を注ごうと心が定まればAB型は無敵。人の悩み相談に徹すれば成功します」(小萩)
私のように「無精だけどマメ」な性格は、A型の典型らしい。気になる人は一読を。
佳作の1はポストの巻頭に載ったカレル・ヴァン・ウォルフレン・アムステルダム大学名誉教授の寄稿である。
ウォルフレンは今度の選挙をこう総括している。
「自民党勝利の前から、『政権交代』は起きていた――それが私の実感である。野田佳彦・首相時代に、すでに『官僚独裁主義』は完全復活を遂げていたからだ。彼は財務省の言いなりとなって消費増税を断行し、各省庁の希望通りに公共事業を復活し、民主党がマニフェストに掲げた『脱官僚』や『コンクリートから人へ』といった改革への期待を裏切った。
今回勝利した安倍自民党は、単にその流れを引き継いだに過ぎない。官僚にとっては、野田政権よりさらに扱いやすいだろう。(中略)
安倍氏は『日本は経済再生のためにお金を使うべきだ、公共投資が必要だ』と繰り返し説いている。だが、そのお金はどこに流れていこうとしているのか。国会議員たちが自分たちの選挙区向けに全く必要のない橋やトンネルにお金を注ぎ込む。これまで慣れ親しんだ『戦後復興プログラム』そのものではないか。
かくして、本気で改革の舵取りをしようとする政治家を押しのけて、自動操縦装置任せで目先の利益に左右される政治家が選ばれた。そして、『日本というシステム』の一翼を担ってきた自民党政権が復活したのだから、この選挙結果は確かに悲劇というほかない」
ウォルフレンは、こうした悲劇から脱却する鍵となるのは若者たちだと期待をする。
しかし、今の若者たちには政治に対する正しい情報がメディアから与えられておらず、官僚にとって都合のいい無関心な状態に置かれている。
そこから彼らが目覚め、新聞を疑い始めたときに本当の変化が起きる。その時期は決して遠い将来ではないと説いている。
若者たちが覚醒することはあるのだろうか。私はその考えにやや否定的だが、今度の選挙で、とんでもない選択を日本人はしてしまったという思いは同じである。
(文=元木昌彦)
マッチVS東山 森光子が残した、ジャニーズ後継者争いの新たな火種

「週刊新潮」12月20日号 中吊り広告より
佳作1
「『中村勘三郎』最後の女は『石川さゆり』その前に『椎名林檎』」(「週刊新潮」12月20日号)
佳作2
「他人には言えない『大金持ちの相続』」(「週刊現代」12月22・29日号)
佳作3
「森光子『東山紀之』への遺言状」(「週刊文春」12月20日号)
特別企画
「選挙予想で一番当たったメディアはどこだ!」
「暗い日曜日」を口遊んでいる。1933年にハンガリーで生まれた歌で、シャンソンのダミアが唄って有名になり、日本では浅川マキの歌がよく知られている。
亡くなった恋人を想い嘆き、悲しみのあまり自殺を決意するという歌詞で、当時のハンガリーにはナチ・ドイツの侵攻が迫っていたため、真偽のほどは定かではないが、この曲を聴いた人が次々に自殺し、政府が放送禁止にしたといわれている。
昨夜(12月16日)の総選挙開票速報を見ていて、ふとこの歌を思い出したのだ。とんでもない選択を日本人はしてしまった、そう思わざるを得ない。
自公で325議席。それに日本維新の会の54議席を合わせれば圧倒的な数になり、その数はかつてないほどの力を安倍晋三総理に賦与することになるはずだ。
景気浮揚対策との名目で大企業やゼネコンへのカネのばら撒きが始まり、消費税は予定通り上がり、TPPに参加し、社会福祉や脱原発は等閑(なおざり)にされる。対米従属をさらに強め、自衛隊を国防軍にし、集団的自衛権行使を容認する国家安全保障基本法を制定し、そのすぐ先には安倍のライフワークである憲法改正がある。普通に戦争ができる国に変容させ、力を背景にして中国、韓国と渡り合えば、最悪の事態も起こりうる。
この予測が私の馬券予想と同じように外れてくれることを願うが、事はそう簡単にはいくまい。
参議院選挙が来年夏にあるから、それまで安倍は動かないと見る向きがあるようだが、どうだろうか。私は、彼が抱えている病が気がかりである。
どれほどの重さかわからないが、病を抱えた人間は物事を性急に行う傾向がある。私は小学校、高校で2度の肺結核にかり2年間を棒に振ったことがあるからよくわかるのだが、刹那主義に流れやすくなる。また病のために政権を投げ出さなくてはならなくなるという不安から、できるうちにやってしまおうという想いにとらわれ、後先考えずに突っ走ってしまうのではないか。
しかし、それを牽制する勢力は党内には見当たらないし、弱小政党に成り下がった民主党では、反対しても、安倍は歯牙にもかけないだろう。安倍、石原慎太郎、橋下徹という右派トライアングルへの対抗勢力は、ほとんどないに等しいのだ。
戦後初の大政翼賛政治が現実のものとなるのである。投票率が60%を下回り戦後最低だったが、投票に行かなかった10%が自民党以外に票を投じていれば、ここまでの自民党大勝はなかったはずだ。
この体制はおそらく任期一杯まで続くであろう。ねじれを解消するために参議院選挙と同日選挙という憶測も流れていたが、自公だけで参議院で法案を否決されても衆議院で再議決できる議席数があるから、今の議席を減らすような危険は冒すまい。
憲法改正には批判的な公明党が離れたとしても維新と手を組めば、改憲の是非を問う国民投票の発議を衆議院で可決することができる。
このように大きな危惧のある自民党大勝を、東京新聞だけが「維新含め改憲派3分の2」と大きく打ったが、ほかの新聞はただ伝えただけである。
ほとんどの週刊誌も、議席数がどうなるかに終始して、そうなればどういう恐ろしいことが起きるのかを伝えてはこなかった。メディアの怠慢ここに極まった。戦後レジームからの脱却を目指すという安倍だが、それは誤った戦争へ突き進んだ戦前への回帰にならないのか。
もうどうともなれ、という気持ちが強い。これからは土蔵の陰でひっそり猫でも抱いて生きていこう。
先週、ポストの週刊誌、夕刊紙、新聞の「予想獲得議席」一覧がわかりやすくていいと書いたが、そこに確定した議席数を入れ、どこが一番当たったかを見てみた。
結論から言うと、ズバリ賞は毎日新聞だった。なんといっても自民党の議席数を293(実際は294)と予測しているのだ。民主党も69(実際は57)と出している。公明党の31をズバリ当てたのはAERA。ここは日本未来の党の9も当てている。
維新は54だったが、これに一番近かったのが週刊朝日の52。みんなの党の18をズバリ当てたのは朝日新聞と夕刊フジ。やはり自民党を当てた毎日新聞が7党の議席数をズバリかほぼ近い数字で当てており、トップに輝いた。おめでとう! 朝比奈豊毎日新聞社長。
さて、今週は選挙疲れかめぼしい記事がなかったので、すべてを佳作とした。
その1番手は、先日亡くなった女優・森光子の後日談。
ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長、メリー喜多川副社長と森が仲がよかったことはよく知られている。
きっかけはジャニーの父親が興業の仕事をしていた頃、当時大阪で活動していた森を「踊りがいい」と評価し、大ファンになったからだという。特にメリーとは仲がよかったのに、森の死後に異変が起きた。森死亡の連絡が、メリーに届くのが遅れたのだ。
森の所属事務所の社長で甥でもある柳田敏朗社長が、体力の衰えていく森をほかの人間に会わせないようにしたことから、メリーも会いに行けず、最近疎遠になっていたことから起きたことのようである。
異変の2番目は、青山斎場で営まれた本葬で起きた。
ジャニーズ事務所を代表して弔辞を読み上げたのは、森とは46歳の年齢差があるにもかかわらず「恋人以上、夫婦未満」と公言していた東山紀之ではなく、近藤真彦だったのだ。
東山と森との“関係”は本当のところどうだったのだろうか? 森と同じマンションの住民の証言している。
「東山さんは、多いときは週に四回くらいの頻度で森さんの自宅へいらしてましたよ。自分の車で深夜にこっそりやってきて、泊まって朝帰っていくんです。そういうのを知っているから、このマンションの人は、『二人は男女の関係』と信じていましたし、『森さんが若くて肌つやがいいのは、そのせいだ』と言っていました」
では、なぜ東山から近藤にしたのか。森と親しかったテレビ関係者がこう語っている。
「森さんが生前にしたためた遺言状に『遺産の一部を東山紀之に譲る』と残したというのです。それを知ったメリーさんが、話が違うとさらに怒った。というのも、森さんが元気な頃、『私が死んだら、子供もいないし、財産の一部はジャニーズの若い子たちを育成するために使って欲しい』と言っていたそうなのです。メリーさんはその意見に賛同し、『ジャニーズ=森基金』という形で、将来的に運営していきたいという考えを持っていた。年収十億円といわれるメリーさんにとって、それは金銭の問題ではなくて、友情の証。なのでメリーさんからすれば、森さんに裏切られたという思いがあるのではないでしょうか」
この背景には、ジャニーズ帝国の跡目争いが絡んでいるそうだ。東山が最有力だったのだが、女優の木村佳乃と結婚し、最近は森とも距離を置くようになっていたようだ。近藤はジャニーズ事務所の“長男”的な存在で、東山を脅かしているそうである。
大女優死してジャニーズ事務所紛糾の火種を残す。遺言状は森から離れていった東山へ、彼女からの最後のラブレターだったのだろうか。
お次は、私のような由緒正しい貧乏人には関係ないと読まなかった週刊現代の「日本の金持ちシリーズ」だが、今回が「第13弾」になる。
読み始めたら止まらなくなった。面白い!
皆さんは、愛知県犬山市にある犬山城が個人の所有と知ってましたか?
室町末期に建造され、日本最古の天守閣を持つこの城は、成瀬家の持ち物だそうである。成瀬家は城だけではなく、古文書から工芸品や絵画など数百点も所有している。今は12代になるが、一族は代々莫大な相続税の支払いに追われてきたそうだ。当主の長女・成瀬淳子がこう話す。
「12代当主の父・正俊が、11代当主の祖父・正勝から相続を受けた際には、相続税が1億円ほどにのぼりました。10年の分割払いで、土地を売るなどしてやっとのことでこれを払い終えたのですが、その直後、今度は祖母が亡くなって、再び1億円の相続税の支払いを求められました。父は明るい性格の人間でしたが、このときばかりは『税務署は、同じ城に二度も税金を払わせるのか!』と文句を言っていました」
彼女が父親の相続準備に入る頃は、次の相続税を払うために城か文化財を手放すしかないため、個人の所有をあきらめて財団法人を設立し、そこへ移管して相続税から解放される道を選ばざるを得なかったというのだ。
日本では100人が死亡した場合、課税対象になるのはたったの4人だそうだ。よほどの資産家でなければ相続税を払わなくていいのだが、課税されると最高税率が50%にもなる。
昔はそれから逃れるために架空名義を作ったり金の延べ棒にして隠す者もいたが、国税当局の取り締まりが厳しくなったため、今では海外移住するのが一般的な「逃税」のやり方だそうだ。親子で海外に移住し、5年以上日本を離れていれば国内財産以外は贈与税の対象にならない。
相続税だけではなく、所得税や法人税も安いシンガポールやオーストラリアに移住した金持ちのケースが出てくる。日本有数の資産家、イエローハット創業者の鍵山秀三郎はこう憤っている。
「国に税を取られても、それが社会にどう生かされるかわからないことが増えています。だからみな、相続税を払いたくないと思ってしまう。(中略)そもそも個人が築いた資産は自分の子孫だけでなく、社会や後世のために使うべきだというのが私の考え方です。相続税を重税課することは一時的な財政再建には役立つかもしれませんが、人々の公共意識を壊すことにもなりかねない。私はそう危惧しています」
しかし、国税は容赦ない。徹底的に調べ上げ、来たときには逃れる術はないようだ。かつては資産隠しに使われたスイスやケイマン諸島なども、続々と日本との租税条約などの締結に踏み切っているそうだ。
相続税を払いたくない金持ちたちと、払わせようとする国税とのいたちごっこはまだまだ続くようである。
今週いちばん読ませたのは、新潮の歌舞伎俳優の18大目・中村勘三郎の記事。惜しくも若くして亡くなってしまったが、彼のモテぶりはすごい。
新潮によれば今年の5月29日の夜、とある銀座のバーで人目も憚らず女性に甘い声を投げかけていた。女性は今年の紅白のトリを務める、石川さゆり(54)だそうだ。
「ほの暗い店内に置かれた横長のソファーに、肩を寄せ合うようにして腰掛ける男女。男性はゴルフウェアにチノパンというラフな格好だが、女性は黒っぽいアルマーニのスーツに身を包み、シックな雰囲気を漂わせている。シャンパンのグラスを傾けながら、談笑する2人。他の客は目に入らないかのように、自分たちだけの世界を作っている。
笑みを湛えていた男性がやがて真顔になり、相手の目をじっと見つめて、こう囁いた。『俺たち、もっと早く出会っていれば、よかったね』」
この逢瀬があってから半年も経たない12月5日に、惜しまれながら勘三郎は57歳で不帰の人になってしまう。
勘三郎の女性遍歴のスタートは12歳年上の女優・太地喜和子だというのが定説になっているようだが、文春によれば、そうではなく、15歳の時に映画『幻の殺意』で共演した吉沢京子だとしている。
太地と別れて以後も、大竹しのぶ、牧瀬里穂、樋口可南子、米倉涼子など枚挙に暇がない。中でも、宮沢りえとの恋愛沙汰は今でも語りぐさである。当時、りえは角界のプリンス貴花田(現・貴乃花親方)と婚約するが、すぐに破局してしまう。
傷心のりえが相談相手になってもらっていたのが、勘三郎(当時は勘九郎)だった。だが、恋の糸がもつれてしまったのだろうか、りえは勘三郎が宿泊している同じ京都のホテルで自殺未遂を起こしてしまうのである。
新潮は石川さゆりだけではなく、シンガーソングライターの椎名林檎とも深く付き合っていたと書いている。
「勘三郎さん、私は、世界で一番幸せな女です」
こういうメールを椎名は勘三郎に宛てて送っている。勘三郎も嬉しそうにみんなに見せていたそうだ。
「勘三郎さんが“俺はこの子が大好きなんだ。もう離したくない”と言って抱きしめたのには驚きましたね」(勘三郎の知人)
記事中には、勘三郎と椎名が「恋人つなぎ」している写真も載っている。なぜそんなに彼がモテるのか? 某芸能デスクがこう解説している。
「子どものような純真な目で相手を見つめながら、相談に乗る。すごく聞き上手で、かつHトークもうまい。女性を飽きさせず、皆メロメロになってしまうんですね」
これではモテるのは当たり前か。
歌舞伎を愛し、女を愛し、酒を愛した勘三郎は、いまごろ親しかった天国の立川談志師匠に「やけに早かったな、ままいいか」と迎えられて、酒でも呑んでいるのだろうか。
今年も惜しい人が次々に亡くなってしまった。
(文=元木昌彦)
「週刊誌は売れてなんぼ」オリラジ“やらせ”熱愛報道を名物編集長が擁護!?

「週刊文春」12月13日号 中吊り広告より
グランプリ
「田中みな実&オリラジ・藤森慎吾フライデー熱愛報道でもみ消した妊娠・堕胎・慰謝料350万円」(「週刊文春」12月13日号)
第2位
「『就職に本当に強い大学』教えます」(「週刊文春」12月13日号)
第3位
「読売新聞幹部が交際女性の目の前で『飛び込み自殺』するまで」(「週刊ポスト」12月21・28日号)
秀逸タイトル賞
「政権奪取へ“腹痛総裁”安倍晋三『トイレへダッシュ』」(「フライデー」12月21日号)
今週はタイトル(だけ!?)が面白かったフライデーに賞を進呈する。奪取とダッシュをかけたところがいい。こうすればもっと良くなったろうに。
「“腹痛総裁”安倍晋三 政権奪取よりもトイレへダッシュ!」
今週も選挙特集ばかりでいささか食傷気味だ。そんな向きが多いと思うので、ポストのブチ抜き全28ページ大特集でザッとおさらいをして次へいこう。
まずは定番の議席予測から。政治ジャーナリストの野上忠興と本誌取材班によれば、自民党圧勝で246議席、民主党103議席、未来22議席、維新48議席と読んでいる。
選挙区ごとの当落は省いて、週刊誌、夕刊紙、新聞の「予想獲得議席」一覧がわかりやすくていい。
自民党の獲得議席を一番少なく見ているのが週刊現代で174(小選挙区117+比例57)。一番多く見ているのは朝日新聞で272(213+59)。 民主党の獲得議席を一番少なく見ているのがやはり現代で19(1+18)、一番多いのがAERAで132(77+55)。維新の最小はAERAで39(25+14)、一番多いのが現代で183(112+71)。こんなに取れるわけはないだろうが。未来の最小はAERAで9(3+6)、最大は日刊ゲンダイの60(30+30)。ゲンダイは小沢一郎贔屓ということもあって多いのだろう。
下に結果という欄があるから、選挙結果を入れて、どこが近かったかを採点してみるがいい。
どこの調査結果を見ても自民党大勝である。これは政党が乱立したことで、自民党が漁夫の利を得るからだろう。全得票数の3割程度でも圧勝してしまうのだ。だが、あまり大勝させるとバツイチ安倍総理がどう迷走するかわからない。
ポストは政権交代で「業界地図」が激変すると書いている。公共事業をばら撒くといっているのだから、ゼネコンが大喜びするのは当然。
電力会社も同じで、東電・柏崎原発と関電・高浜原発は再稼働の準備を始めたとしている。通信分野では、自民党系のNTTが民主党系のソフトバンクから覇権を奪取するのではないかと見ている。航空業界では、民主党政権下で再建を成し遂げたJALには厳しく当たるのではないかと見る。
気になる安倍の経済政策だが、「アベノミックス」は株式のプロたちにどう見られているのか。意外といっては失礼になるが、「自公で過半数なら千円高も」あると、大方のプロは増減に幅はあるが、12月14日の終値から12月17日の終値までに上がると見ている。
また選挙後の安倍総理の「愛人」選びには、民主党ではなく維新と合流するケースもあるのではないかと読む。石原慎太郎や平沼赳夫は自民党と近いし、そのときは橋下徹大阪市長を外して、合流するのではないかというのである。
これは真実味がある。選挙中でも石原と橋下の言い分はかなり食い違っていたし、そこを他党に突かれていたから、分裂は必至であろう。
大方の選挙予測を見る限り、安倍自民党の選挙ポスターを文字っていえば「古い自民を取り戻す」だけの選挙でしかないようだ。バツイチ&腹痛総理では、難問山積の時代の舵取りをするのは荷が重いだろう。また来年夏の参議院選挙が天下分け目の合戦場になりそうである。
今週の3位には、ポストの読売新聞の記事。清武英利元読売巨人軍取締役球団代表が渡辺恒雄主筆に刃向かって叛乱を起こした「清武の乱」以来、文春で書かれた渡辺主筆の“不法”な運転免許の更新(読売側は否定)など、読売の不祥事が次々に出てきている。
この記事は内容的にはイマイチだが、気にはなる。
11月30日21時20分頃に読売新聞東北総局長のAが、仙台市の広瀬川の左岸高台にある西公園から川へ飛び込んだというのだ。
警察は自殺と見ているようだ。このA総局長は単身赴任だったが、東日本大震災報道の総指揮役で、読売も大きな期待をかけていたという。
彼は着実に仕事をこなすタイプで、それまでは浮いたウワサがなかったというのだが、2~3カ月ほど前から、20~30代の若い女性と半同棲しているというウワサが出ていた。その女性は仙台の繁華街の飲食店に勤務しているようで、Aとはそこで知り合ったそうである。だが、このところ激しい喧嘩をするようになり、近隣住人の証言では3日に1度は言い争う声が聞こえていたという。
その女性が一緒にいるとき、彼女の目の前で飛び込んだというのだ。
仙台は単身赴任の多い街で、こうした愛憎のもつれによる悲劇が起こることもあるようだ。大メディア人といえども人間であるから、年の差を超えた恋愛感情を持つことはあるだろう。しかし気になるのは、読売新聞という大新聞が大きく揺れている中で、こうしたことが起きたことである。
私の亡くなった父親が長年禄を食み、愛した読売が少しずつ土台から崩れつつあるのではないか。この記事を読んで、その感を強くした。
ところで歌舞伎界の至宝、中村勘三郎が亡くなり、ワイドショーはこぞって取りあげ、多くの特別番組が組まれた。
今日(12月10日)また、映画や舞台、放送と幅広く活躍し、味のあるのエッセイを書いた俳優の小沢昭一が亡くなってしまった。享年83歳。
TBSラジオの『小沢昭一の小沢昭一的こころ』は楽しみで、録音して聞いていた時期もあった。
小沢昭一の息子が講談社にいて、一緒に仕事をしていた時期もある。小沢一郎というがあの小沢一郎とは違って、人当たりのいい好青年だった。乙武洋匡の『五体不満足』という大ミリオンセラーを出した優秀な編集者である。
さて、2位には少し変わったものを取り上げてみた。文春の「就職に本当に強い大学教えます」という特集である。就活には間に合わないが、これから大学を選ぼうという受験生や親たちには必読だ。
千葉科学大は危機管理学部を持ち、卒業生の10%が消防官になっている。北海道の旭川大や苫小牧駒澤大は自衛官に強い。八王子にある日本文化大は卒業生の約4分の1が警察官になるそうだ。
今年7月に日経新聞が主要企業の人事トップに「人材育成の取り組みで注目する大学」を聞いたところ、1位に選ばれたのは国際教養大で2位は東京大学だったが、3位には立命館アジア太平洋大が入った。
不明を恥じるが、私は国際教養大は知らなかったし、立命館は知ってはいるがアジア太平洋大は知らなかった。偏差値は国際教養大が67.5で早稲田大の法学部並みだが、アジア太平洋大学は50.0とさほど高くはない。
だが、就職実績は東京海上日動火災、JR東海、電通、味の素、みずほFGと人気企業が並んでいる。
2校の共通点は地方にあることだ。国際教養大は秋田、アジア太平洋大は大分の山間部に設立された新興大学で、海外からの留学生が多く、英語の講義も充実していて積極的に学生の留学を推進している。
寮生活だから仲間との関係も密になり、英語が話せなくとも仲間同士が教え合ってマスターしていくそうだ。
国際教養大の一期生である水野勇気は大学を出て起業した。彼がこう話す。
「AIU(国際教養大のこと=筆者注)は今でこそ立派な図書館もありますが、基本的に山奥で何もない。三年間辺鄙なド田舎に来るのを選択している時点で、首都圏の学生とは違う。自分が何かに取り組まないと意味がない学校なんです。逆に言えば、そこが他の大学の学生とは違う魅力なのかもしれません」
だが、外国語が話せるというだけで、両校の人気は説明できないと、「大学通信」の安田賢治ゼネラルマネジャーはいう。
「長い寮生活では密な人間関係にもまれ、留学では世界各国さまざまなところに一人で向かう。こうした環境と経験が生きる力を育んでいる。評判でよく聞くのは、どちらの学生も誰とでも憶せず話せること。しかも英語に慣れているので、外国人が相手でも気後れせず議論もできる。そういう人としての強さが企業にとって魅力なのだと思います」
今はコミュニケーション能力を求める企業が多くなっているという。首都圏の大学に通い、希薄な人間関係の中で閉じこもりがちな学生では、これからの超グローバル化の時代を乗り切ることはできないということなのだろう。
今週のグランプリは文春のフライデー(11月16日号)のスクープに異議あり! とする記事に捧げる。
フライデーがTBSアナウンサーの田中みな実とお笑いコンビ「オリラジ」の藤森慎吾の熱愛を報じた。だが文春によれば、そのスクープは藤森がモデルの女性を妊娠させて慰謝料を払っていたスキャンダルを隠すために、吉本興業側がフライデーとバーターしたというのだ。
佐々木希似のモデル・中村さゆり(仮名・20代)が藤森との馴れ初めをこう話す。
「藤森さんと出会ったのは今年の六月、大阪の『X』というクラブに遊びに行った時のことです。一緒にいた友達がオリラジのファンで、彼を見つけたのです。(中略)
お酒に弱いみたいで、目が合った時にはすでにベロベロ。彼は私が気に入ったらしく、『乾杯しよっか』と声をかけてきました。彼のネタの『キミかわうぃ-ね!』とは言われなかったですね(笑)」
帰りに宿泊していたホテルの部屋番号と連絡先を彼女に渡していったが、その日は行かず、後日メールしたという。食事に誘われたのは、そのメールから1週間ぐらい経ってから。彼女が続ける。
「当時、すでにTBS田中みな実アナとの噂が出てましたが、藤森さんは『みな実とはいろいろ言われてるけど、何の関係もない。何もしてないし、付き合ってはいない』と言ってました。
そして、『明日もロケがあるんだ。もう帰らなきゃいけないけど俺一人で帰れる自信がないから、ホテルまで送ってよ』と私に言ってきたのです。確かに足元もおぼつかず、一人で帰れる状態ではなかった。しょうがないと思って部屋まで送ってあげたんです。私がバカでした。それが彼の手口だったんです」
ホテルの部屋に入ると藤森は豹変した。
「いきなり覆いかぶさってきたんです。私はそんなつもりはまったくなかったのですが、抵抗するのも疲れてしまい、セックスに応じてしまいました。彼はコンドームを持っていなかったので、仕方なく生でやりました。
挿入が始まってから『絶対、中には出さないでね』と注意したんです。でも、『出さないで』と言った時には、もう射精された後だったんです。本当にびっくりするほどあっという間にイってしまって……」
この日から約3カ月後に、彼女は体の異変に気づく。妊娠検査薬を買ってきて試すと陽性反応が出た。
そのことを藤森に伝えると「ごめんね」と謝った。結局、手術費込みで350万円を彼女に支払ったという。だがこれで一件落着とはいかなかった。
「実は私は先にフライデーの取材も受けていたのです。藤森さんからどんな扱いを受けるかわからなかったので、何らかの“証拠”を持っておきたい。それで編集部に連絡し、私と藤森さんの話し合いの現場写真を撮ってほしいと頼んだのです。
フライデーの記者さんは、『ぜひ記事にしたい』と意気込んで取材に来てくれました。藤森さんとの話し合いの際は、記者さんからICレコーダを借り、藤森さんとのやり取りを録音し、記者さんに返しました。また、カメラマンがホテルに張り込み、私と藤森さんの出入りを撮っています」
しかし、フライデーはこれを記事化せず、代わりに先の田中との熱愛写真が掲載されたのだ。
“売れっ子”藤森のスキャンダルが出ることを恐れた吉本興業が動き、フライデーとバーターしたと文春は書いている。
フライデー側は「載せる載せないは、こちらの自由だと思いますが」と回答しているから、彼女のいい分は事実のようだ。文春は「“やらせスクープ”を掲載したのであれば、同誌の信頼が揺らぐ」というが、この見方には少々異議がある。
雑誌は売れてなんぼの世界である。売れなければいくら格調高い記事を掲載しても、休刊していくことになりかねない。
フライデー編集長は、吉本興業がただ圧力をかけてくるだけだったならば突っぱねていたと私は思うし、そう思いたい。
だが、吉本側はおいしい対案を出してきた。それに彼女は一夜の代償として藤森から350万円を受け取っている。それを天秤にかけて編集長は判断を下したのだろうが、それを「けしからん」と一方的に責めることは、週刊誌の現場を知る私にはできない。
私のことでいえばフライデーの編集長時代、プロダクションの圧力で記事を取り止めたことなどないが、一度だけ某カメラマンの身内のスキャンダルを撮りながら、カメラマンに泣きつかれて言い分を聞いたことがある。
そのとき彼は、代案として、当時超売れっ子だった女優をフライデーに出すことを申し出てきた。 その女優は頑なにフライデーが撮影を申し込んでも拒否していた。私は、そちらのほうが販売的にもプラスになると考え承諾した。予想通り、その号の売れ行きは好調だった。
さらにいえば、こうした「情報」は必ずほかに流れるものである。フライデーがやらなければ文春、文春がやらなければ新潮がやったであろう。
スキャンダルを完全に封じ込めるのは、大手プロダクションがどんなに圧力をかけても無理である。現代のようにネットが発達した社会では、特にそうだろう。
(文=元木昌彦)
“ウルトラタカ派”石原慎太郎もビックリ!? トンデモ発言連発の安倍晋三の不確かな未来

「週刊現代」12月15日号
グランプリ
「衝撃の選挙結果が判明『ナマ数字』ぜんぶ見せます!」(「週刊現代」12月15日号)
第2位
「維新149人の素顔」(「AERA」12月10日号)
同
「櫛の歯が欠けるように『維新』から降りた『元候補者』の言い分」(「週刊新潮」12月6日号)
第3位
「『安倍総理じゃダメだ!』大合唱早くも噴出」(「週刊文春」12月6日号)
選挙戦開幕である。自民党圧勝か、維新の台頭か、未来の党はどうなるのか。
今週は各誌の選挙記事を採点して、3位まで計4本を選んでみた。
週刊ポストは巻頭に、「新総理の条件」というジャーナリスト・櫻井よしこの文章を持ってきた。「日本がまともな国に復活するには、強いリーダーが必要」と考える櫻井が推す新総理は安倍晋三自民党総裁で、それ以外は見当たらないとしている。
彼女はTPPへの参加は、経済面でも中国の覇権拡大を牽制する意味でも、絶対に必要だと説く。
櫻井には『中国に立ち向かう覚悟』(小学館)という近著があるくらいだから、中国の脅威に対しては断固とした態度をとり、自衛隊を国防軍にするという安倍総裁の考えに賛同し、中国へ気兼ねをして公式参拝しない民主党歴代の総理のようにではなく、首相に就任したら「ごく自然に参拝してほしいと思います」(櫻井)といい、「中国に立ち向かう覚悟を持って、日本を真っ当な国家として再生してくれることを願っています」とエールを送っている。
この文章を巻頭に持ってきたのだから、ポスト編集部の考えとも近いのだろう。櫻井の考え方に賛意を示す人もいるだろうが、私はそうした考えには与しないので、これを選ばなかった。
サンデー毎日は東京都、大阪府、愛知県、福岡県で政党投票先を1,427人に電話で回答してもらって、そのランキングを発表している。
上位を見てみると、東京都は自民党22.5%、民主党14.7%、日本維新の会9.6%。大阪府は日本維新の会26.7%、自民党18.5%、公明党8.8%。愛知県は自民党21.6%、民主党15.6%、日本維新の会8.3%。福岡県では自民党22.0%、民主党14.0%、日本維新の会8.7%となっている。
面白いのは、この調査の前日に発表した日本未来の党が、4都道府県合計では公明党の6.6%に続いて6.1%で、6位に入っていることだろう。反原発を鮮明にすれば、東北だけではなく、全国的に無党派層を取り込めるかもしれない。
さて、第3位に選んだのは文春の安倍批判の記事である。
その中で安倍語録を拾ってみよう。
「日銀の独立性についてよく言われるけど、今は野党の党首だから何を言ってもいいんだよ。オレだって総理になったらそんなことは言わないよ。政策目標は言うけど、手段は言わない。それで今、言ってるんだ」
「政権に復帰したら経済諮問会議を復活させる。事務局を財務省にしたら終りだよね。消費税についても、上げなくてもいいんじゃないの。来年の四~六月期がマイナス成長になったら上げないよ」
「訪米は真っ先にする。中国は後回しでもいいだろう。集団的自衛権については、安保基本法で解釈を変える。ただオバマ政権なので訪米のタイミングではなく、参議院選挙までとっておいてもいいかな」
「猪瀬は世論調査の数字が良くて『オレの数字良かったでしよ』と菅(義偉・幹事長代行)に言ってきてさ。それを聞いて猪瀬って嫌な奴だなぁと思ったけど、勝たないといけないしね」
「総理になったら、(新聞、テレビ記者による)ぶら下がり取材は受けない。毎日、ひたすらFacebookで発信する!」
憲法改正、集団的自衛権の行使など、ウルトラタカ派の石原慎太郎・日本維新の会代表を凌ぐ過激な発言と、経済政策への言及が多い。だが、ナンバー2の石破茂幹事長は、自民党内で一番人気があるのは俺だと、ポスト安倍を虎視眈々と狙っているそうだ。
安倍総裁はFacebookにたいそう熱心で、ネトウヨと呼ばれるネット右翼からは熱烈歓迎されている。
だが、インフレ政策をとると公言しているので、総理になってからの「安倍不況」が心配だと、経済ジャーナリストの荻原博子がこう指摘する。
「インフレは、物価と同じように賃金も上がらなければ、増税と一緒です。ただ国際競争が激しい経済情勢で物価と同じように賃金を上げられるかと言えば、かなり難しいでしょう。また年金も物価と同じようには上がりません。派遣で働く人たちや、年金生活者などは大きな打撃を受けます」
景気がよくなっても、賃金が上がらなかったのは、前回の安倍政権時も同じだったと続ける。
「安倍さんが総理だった○六年から○七年は、いざなぎ景気を超える戦後最長の景気拡大期間で、富裕層は好況でしたが、民間給与は下がりっぱなしでした。この十年で平均給与は四十万円も減っています。給料に跳ね返らない景気回復が、前回と同じように起こるかもしれません」
安倍の唱える2~3%のインフレに近い状態になったのが、08年6月だった。この時、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)が前年同月比で1.9%アップしたが、原因は、原油や穀物の国際価格の高騰だった。その結果、食料品が高勝、中でもスパゲティが約3割、鶏肉が約1割値上がりし、企業は内容量を減らすなどで対応しようとしたが、消費者の購買意欲は大きく落ち込んだ。インフレは、主婦にとっても厳しいと文春は書いている。
大手銀行アナリストがこう嘆いている。安倍の経済政策をそのまま実行することは、日本国民をモルモットにした壮大な社会実験だが、失敗する確率が圧倒的に高く、その代償として国債暴落やハイパーインフレを起こし、日本を壊滅させるリスクが大きすぎるというのだ。
ちなみに新潮は、妻のアッキーこと昭恵のやっている居酒屋が大繁盛していると報じているが、「周囲の忠告に耳を貸さず、Facebookというネット空間での人気に酔う安倍氏」の危うさを指摘している。
2位には、今回の選挙で一番注目されている維新関連の記事を2本選んだ。
AERAは出馬選挙区が決まった維新の候補149人の経歴や肩書き、備考を一覧表にして掲載している。
維新の候補で目立つのは政治経験のない無名候補の多さだが、維新は比例区に重複立候補する際の供託金も含めて、すべてを自腹でまかなうため、医師や経営者など、資金に余裕のある公認候補が多い。
多くは政治素人だが、地方議員・首長から国会転身を狙う候補が29人、参議院からの鞍替え組と前衆議院議員が14人、落選している浪人が26人と合計69人もいる。
意外に少ないのは女性候補で、12人しかいない。だがその中には、国民的美魔女コンテストに出場歴のある海老沢由紀(38、茨城1区)や元グラビアアイドル佐々木理江(30、東京2区)など異色の候補がいる。
多くが縁もゆかりもない選挙区での落下傘候補が多く、佐々木の選挙事務所では、選挙区である各市の地図が開かれないまま置いてあるとAERAが書いている。
全額自腹のため資金がなくて候補を辞退する者も相次いで、すでに7人になる。
新潮に、維新の候補になったが降りてしまった東京都内の会社員・斎藤洋一郎(32)の話が載っている。
彼は維新が10月17日から始めた候補者の第2次に応募した。締め切りは11月1日。書類を送ったのはギリギリの10月31日だった。
「書類選考通過の連絡を受けた斎藤氏が面接のために大阪に赴いたのは11月17日。維新のスタッフ2名による約30分の面接を受け、その4日後の21日、再び大阪を訪れた彼は早くも公認決定を告げられたのだ」(新潮)
斎藤がこう語る。
「21日の最終面接ではさすがに橋下さんか石原さんに会うのかと思っていたのですが、違う人でしたね。驚いたのは、小選挙区の候補を4つ挙げられ“どこにするか決めてくれ”と言われたことです。僕の故郷の岐阜県は入っていなくて、静岡7区と静岡4区など。静岡7区を選んだのは、その中で比較的岐阜に近かったからです」
その日に慌しく写真撮影や選挙に関する簡単な説明会が行われ、供託金300万円と広報費100万円の計400万円を党に振り込むよう記した用紙も配られた。
早速知人が一人もいないところで活動を始めた彼に、翌日、維新から電話があり「静岡7区ではなく4区にしてほしい」といってきたというのだ。
彼はその翌日に辞退を申し出た。
選挙戦が始まる前からこのていたらくでは、選挙が始まると意外に維新は苦戦するかもしれない。
今週の選挙報道部門のグランプリは、現代にあげたい。自民党と維新の議席数が多すぎるとは思うが、全体的にバランスがよく、選挙記事とは違うがユニクロの柳井正社長の政治批判も面白く読めた。
現代は11月23日~26日にわたって、民間の調査会社を使って全国300選挙区で各100人の有権者から、インターネットで調査を行った。
合計3万人になる。このところ部数好調だと聞く現代だからできる大型調査であろう。
そうすると驚くべき結果が出たというのだ。自民党が294議席、民主党が26議席、維新が97議席、みんなの党が22、日本未来の党が16である。
いくらなんでもと思うが、まだ投票先を決めていない人が50%もいる。
そこで、数値を修正するなどしたシミュレーションが隣に載っている。50%もの人たちがどう投票するのかを入れ込んでシミュレーションすると、自民党は174に激減する。だが民主党は19とさらに減って、維新が何と183になるというのだ。みんなの党が43、日本未来の党が37となっている。
維新は候補者の数を追い越してしまっているのだが、これはどうしたことだろう。
次の総理には誰がいいかという質問には、小泉純一郎元首相という回答が61人もいたそうだ。
第2部「橋下が苦手 安倍がキモイ 野田は論外で 小沢だけは許せない」の中で内田樹神戸女学院大学名誉教授はこう語っている。
「二大政党時代になれば、『合従連衡』などという言葉は死語になると思っていましたが、ならなかった。この離合集散傾向は選挙の後も続くでしょう。それはこれからの日本にはもはや政策上の選択肢の幅があまりないということを意味しています。
解散時点での第1党や、第2党は原発と財政についてはほぼ同じ政策。外交についても言葉遣いの違いしかありませんでした。旧い第三極と新しい第三極──どう呼び分けたらよいのか──は新党を結成しては解党し、政策を『日替わり』にしている。『どんな政策を掲げれば選挙に勝てるのか』が優先的に配慮されており『勝とうが負けようが、これだけは譲れない』というような政策に殉じる気はなさそうです。社民党と共産党は『議席数より綱領の一貫性』を選択してきましたが、それを『立派だ』と賞賛する声は聞こえてきません」
要は、官僚、財界、検察がメディアまでをからめとり日本全土を覆い尽くしているから、誰が政権をとっても代わり映えしないと有権者が思ってしまっている。これではまた民主党政権の時と同じ失敗を繰り返すのではないだろうか。
この特集とは別に、ユニクロの柳井社長が政治批判を声高に語っている。
まずは民主党政権批判。
「現在の日本の政治は酷すぎる。もはや数々の『愚政』に、黙ってはいられません。とくに民主党政権を振り返って思うのは、『政治家であってはいけない人が政治家だった』ということです。政治家は、自分の言動に対して、責任を持たなければならない。民主党政権を担った政治家たちには、責任感がまったくなかったように思います。鳩山(由紀夫・元総理)さんが衆院選への出馬を見送ったことがニュースになりました。彼は政治家にまるで向いていなかった。評論家ならいいのかもしれませんが、言うなれば『夢想家』でしかなかった。政治家は国民のために政治をしなければならないはずです。しかし、その『国民のため』という感覚が、鳩山さんにはまるで見られませんでした(中略)民主党の政治家たちは、マニフェストの実現に命をかけるなんて言って、誰一人として命なんかかけていない。大嘘つきばかりですよ」
次には安倍自民党総裁をバッサリ。
「安倍(晋三・自民党総裁)さんは、右翼的なところと、自民党的な『バラマキ体質』が良くない。発言が軽すぎるし、もっと考えて発言したほうがいい。『国防軍』のようなタカ派的な発想や、『国土強靱化』を掲げて公共事業を増やすと公言したことで、支持率は落ちるのではないかと思います」
返す刀で橋下徹大阪市長と石原慎太郎日本維新の会代表も斬る。
「橋下(徹・大阪市長)さんには、以前は期待をしていました。彼は日本の統治機構を変えるという姿勢や、実行力を持っている。小泉純一郎(元総理)さん以来の強いリーダーかもしれないと。
しかし、石原(慎太郎・日本維新の会代表)さんと、主義主張が違うのにくっついてしまった。あれは良くない。橋下さんは目立つ存在だし、他の人に利用されてしまうのでは、と心配です。
石原さんは、根っこのところで、文学者なのではないかと思います。政治家ではない。非常に思想的です。国民と一緒に、という部分が欠落している。戦争してもいい、と言っているように聞こえますが、自分一人で立ち向かうのとは話が違います。政治家が、とくに日本を代表しようという人が、好戦的な発言をするというのは理解できません」
そしてこう結ぶ。
「国民のために政治をしようと、本心から思っている人に政治をして欲しいですね。今のままでは、日本は悪くなるばかりです」
タイトルにある「日本人よ もっと必死で カネを稼ごう」という主張には全面的に頷けないが、政治に対する考え方は頷ける。今の経団連の米倉弘昌会長に代えて、彼を会長にしたほうが日本のためにいいのではないか。
(文=元木昌彦)
「キターッ!」ゲイタウン“不動産王”発覚の織田裕二 もう言い逃れできない!?

「週刊文春」11月29日号 中吊り広告より
グランプリ
「織田裕二は『ゲイの街』8億円の不動産王だった!」(「週刊文春」11月29日号)
第2位
「国政にかまけて大阪市を疎かにした『橋下市長』の大罪」(「週刊新潮」11月29日号)
第3位
「『独立国家』を作った男・坂口恭平」(「週刊現代」12月8日号)
選挙戦突入直前、第三極の離合集散が目まぐるしい。各誌の議席予測を見てみよう。
文春は、久保田正志・政治広報システム研究所代表に予測をさせている。それによると、民主党86、自民党244、国民の生活が第一が16、みんなの党が21、維新が64と読んでいる。
週刊現代は「『橋下―石原維新』がこの選挙区でこんなに勝つ」の中で、前回選挙で自民党が獲得した119議席と同じぐらいの議席を得る可能性があると読んでいる。
週刊朝日は、政治評論家の森田実と田崎史郎に予測させている。森田は民主党93、自民党247、国民の生活が第一が19、みんなの党が23、維新が52。田崎は民主党110、自民党220、国民の生活が第一が10、みんなの党が30、維新が50である。
憲法改正、自衛隊を国防軍に名称変更など放言の目立つ安倍晋三自民党総裁のおかげで、野田民主党が当初よりも議席数を伸ばすのではないか。
維新は、橋下徹大阪市長がテレビに出て威勢のいいことをぶちあげてはいるが、石原代表の核兵器のシミュレーションをやるべきだなどという仰天発言で、ウルトラ右翼政党という顔が前面に出てきて、このままいけば人気は下降線をたどるに違いない。
維新は50議席前後というのが、私の周りにいる政治記者たちの感触である。
さて、今週の第3位は、一部では有名な人らしいが、政府に期待できないからと「独立国家」を熊本に作ってしまった坂口恭平(34)という痛快な男の話である。
建国のきっかけは原発事故。危険があるのに正確な情報を教えない、国民を守らない政府を見て、これは政府ではないと思い、生存権に特化した国と政府を作ってしまったのだ。 彼が目指したのは、土地と住宅からの解放。早稲田大学時代、建築学科に籍を置き、路上生活者たちの調査をした。彼らの中にはホームレスではなく、合法的に家を持っている人間がいた。調べてみると、係争の結果、誰も所有していない土地というのが都内にはいくつかあり、銀座にもあるということがわかった。それに、彼らにとって、段ボールハウスは寝室に過ぎないのだ。
図書館が本棚、公園は水場、スーパーは冷蔵庫。都市空間のすべてを自分の家と捉える発想があったことに気づいたという。そこから生み出したのがモバイルハウス。ベニヤ板だけで作った3畳間だけの小さな家だ。
モバイルハウスはリヤカーの車輪がついているのがミソで、これだけのことで車両扱いになる。建築基準法上の「家」ではないから、固定資産税はかからないし、建てるのに免許もいらない。
「実は僕も建築士の免許をもっているわけじゃない。これは『住む人自身が建ててみようよ』という提案なんです。モバイルハウスを売るのが目的じゃないので、図面もダダで配っています」
これなら材料費2~3万円だけで家が持てる。自分の生活はゼロから作れるんじゃないかと思い始めた。
昨年3月、坂口は東京を離れて故郷の熊本に戻った。福島第一原発事故で飛散した放射性物質を避けてのことだ。国民を守ろうとしない日本政府に愛想を尽かし、5月に新政府を樹立した。
「原発事故への対応を見て腸が煮えたぎったけど、不満は以前からあった。月給18万円の人がワンルームに住んで8万円も家賃を払うなんて異常。金のないやつは住む場所がなくてもいい、って話でしょう。もはや政府ではないと思った。だから、日本は無政府状態なんです。でも政府がないのはまずいから、自分が国を建てて、その国の内閣総理大臣になるしかないと」(坂口)
新政府は生存権を守るべく放射性物質からの避難を呼びかけ、0円で泊まれる避難場所を用意する。その中心がモバイルハウスだ。
使われていない土地を無償で借りてモバイルハウスを並べる。初期投資に2~3万円はかかるが、家賃はゼロ。井戸水を使い、自家発電を行えば、水道光熱費もゼロだ。
そこへ、構想に興味を持った熊本県知事直属の政策参与(現副知事)・小野泰輔が坂口を訪れる。新政府初の「外交」である。坂口はこう話す。
「モンテビデオ条約という国家の義務と権利について定めた条約があって、国家の条件は、国民、政府、領土、外交のできる能力の4つ、とある。僕はこれを本気で満たしてみようと思った」
坂口はTwitterのフォロワーを新政府の国民と定義していて、現時点で3万2,000人超、この半年で倍増したそうだ。
政府は作った。次に行ったのは、組閣。まず親交のある文化人類学者の中沢新一氏に電話し、文部大臣に任命。その後も、映画監督の鎌仲ひとみ氏を厚生労働大臣にした。近々、東京ミッドタウンにあるフリースペースの使用権を譲り受けて国会議事堂にするという。
坂口は、「ルールを破るのではなく視点をズラす」のだという。妻と4歳の子どもを持つ。収入は原稿料と、ドローイング(絵)の販売、それにカンパ。
面白い発想をする若者が出てきたものだ。
第2位は新潮の橋下大阪市長批判の記事。国政を目指すのはいいが、お膝元である大阪市が危うくなっているというのである。
「国政政党の代表が国会議員である必要はないと思っている」
そう強がってみせる橋下市長だが、その大阪で“二足のわらじ”を心配する市議は少なくないそうである。その上、選挙を前にして大阪市政は目に見えて滞り始めていると、中堅の市議はこう語っている。
「10月に開かれた“民生委員児童委員大会”は歴代市長が必ず出るのですが、橋下さんは政党回りを理由に欠席。また、大阪都構想を進める法定協議会の年内設置の見送りも早々に決めてしまったそうです。さらに改革の目玉にしていたバスの赤字路線の再編も来春に間に合わない。これでは、市政を後回しにしていると見られても仕方ありません」
橋下市長は、自分が忙しくなるのを見越してか府市統合本部に元官僚の古賀茂明や高橋洋一などのブレーン50人以上を送り込み、6月には自分の手足となる24人の区長を公募で選出したが、ベテラン市政担当記者によると、
「市長は市民のイベントなどにせっせと顔を出したりするものですが、橋下さんは端からそんな気はない。あの人は“仕組み”を変えるために市長になったのであって、本人の代わりを公募区長にやらせようと考えているのです」
市長の分身であるから、その力は強大だし、公募区長は副市長に次ぐ権限と予算を与えられている。給与も一般職職員の中で最高ランクの年収1400万円(市職員からの異動は1200万円)にもなるそうだ。
昨年12月に募集が始まると1,461人もの応募者が集まった。
最後は橋下市長や中田宏前横浜市長らが面接して選んだのが24人の新区長だが、彼らの評判がよくないと新潮は追及する。
城東の細井敦子区長(51)は、黒のピチッとしたミニスカートに濃い化粧、エルメスのバッグを提げて登庁するから、ついた渾名が「お水系」。
淀川の榊正文区長(44)は、笑福亭鶴瓶師匠に淀川の宣伝に一役買ってくれと頼み、自分は大阪でも淀川の人間でもないと断られたら、「偉そうにして。わしは淀川区長やど」と息巻いた。
都島の田畑龍生区長(37)は、区長公募で提出した論文に、東淀川区の同和地区を特定し、そこが原因で暗いイメージがあるかのような一文を書き、それが大阪市のホームページに載ってしまったのである。当然ながら部落解放同盟が見つけて、田端区長らを問い詰めている。
また浪速の玉置賢司区長(45)はTwitterに「近頃の日本は右翼があかん。政治家を殺したりせえへんようになった」「菅直人は殴らなあかん」と書き込んだことが明らかになった。
政治アナリストの伊藤惇夫は、橋下の動きを見ていると、今までやってきたことは国政に出るためのアリバイづくりではなかったのかと疑問を呈し、こう続ける。
「公募で決めた区長の評判がボロボロなのも、公募そのものが自分の名前を売るためのパフォーマンスだったからですよ」
衆議院選に出てくる維新の候補者は、大丈夫なのだろうか?
今週のグランプリは、織田裕二のゲイ疑惑(?)記事。
織田がゲイではないかというウワサは、以前からあったらしい。それは、彼がプライベートをまったく明かさないところからきているようだ。織田をよく知る映画関係者がこう話す。
「織田は私生活は親しい友人にも明かさないし、普段どんな暮らしをしているかもしゃべらない。本人も『ベタベタした人間関係は好きじゃない、馴れ合いはイヤだ』とはっきり言っていて、『共演者から住所を聞かれたんだけど、飲みに誘われたりするのを避けたいから、わざと嘘の住所を教えていた』と漏らしていました。かたくなで、他人を寄せつけないバリアはすさまじい」
文春は織田についてこう書いている。
「織田裕二、四十四歳。言わずと知れた、当代を代表する人気俳優である。『踊る大捜査線』シリーズの主演を務め、二○○三年公開の映画第二作目では日本映画歴代一位(アニメを除く)、百七十四億円の興行収入を叩き出している。今年九月に公開された『踊る大捜査線』のファイナル作も興行収入四十三億円を突破した。
一方、私生活は厚いベールに覆われており、親しく付き合っている芸能人も極めて限られている。二○一○年八月にモデルで美容研究家の野田舞衣子さんと電撃結婚しているが、その結婚生活もまったく見えてこない」
そんなプライベートを徹底して見せない織田が、はるか遠いアメリカ西海岸サンフランシスコの地にしばしば出没しているというのである。しかも、ここは有名なゲイタウンだというのだから、興味をそそられるではないか。
もう少し文春を引用してみよう。
「ゲイタウンというと、いわゆる『ゲイ・バー』のような店が並んでいる日本の新宿二丁目のようなイメージを持つかもしれないが、カストロストリートは、どちらかというと恵比寿や表参道のようなおしゃれな街にゲイ用のグッズショップなどが混在している。(中略)小誌記者が取材で訪れた際には、そのたもとの広場には、なんと、一糸まとわぬ全裸の男たちがたむろしていた。思わず目を疑ったが、この街では誰も驚かないし、眉をひそめる人もいない。日光浴なのか、一種のアピールなのか、定かではないが、ゲイの彼らは全裸にスニーカーという身なりで、新聞を読んだり、お茶を飲んだり、談笑したりして、“普段の生活”を楽しんでいるようだった。
『本来ならば、公然わいせつで警察が取り締まるのかもしれないけれど、そういうのはないですね。ここは開放的で自由。全裸のゲイは普通に見かける光景です。野放し状態だという批判もあるけれど、サンフランシスコはゲイのパワーが強いから、ある意味、権利として守られています』(カストロストリートの飲食店スタッフ)」
こうしたサンフランシスコに織田はたびたび現れ、スーパーマーケットで買い物をしたり、カフェで白人男性とお茶をしている姿が目撃されているという。
野田舞衣子との結婚も『踊る大捜査線』でタッグを組んだ仲間を含め、織田に近い関係者でさえ知らず、報道を見てみんな仰天したという。
「織田はお気に入りのサンフランシスコを自身の主演ドラマ『外交官・黒田康作』ロケ地にプッシュし、結婚発表後の一○年十月に現地で撮影をしたのです。共演の柴咲コウや香川照之らがダウンタウンにあるヒルトンホテルで撮影クルーと一緒に宿泊していたのに、織田だけは市内のどこか別の場所に泊まっていました。早朝集合場所に現れ合流し、ロケが終わるとなぜか別行動をとっていたのです」(現地のスタッフ)
そんな織田が足繁く通うサンフランシスコに何があるのだろう?
文春が現地で取材してみると、なんと織田は4棟もの高級アパートメントをそこに所有しているというのである。登記情報などによると、1997年10月から2008年にかけて購入していて、当時の為替レートで計算すると、総額8億1,950万円が投じられていると書いている。
そのいずれもが建築されてから100年も経っている年代物ばかりだから、不動産投機目的ではなく、相当なこだわりをもって織田が購入したことがわかる。地元不動産業者は、こうした物件はゲイの人たちが好みそうなものだと語っている。
入居している人間たちは一様に口を噤み、織田と共同で会社を設立している人間もノーコメントだ。
高倉健も撮影が終わると海外に出てしまう。日本より自由があるという理由だが、それだけではあるまいと憶測する人間も多くいる。
文春は織田がゲイ志向だと言っているわけではないが、人気者の気になる情報である。
(文=元木昌彦)
◆「週刊誌スクープ大賞」の過去記事はこちらから
「生存率は50~60%」急性呼吸不全を発症した中村勘三郎、本当の病状

「週刊新潮」11月22日号 中吊り広告より
注目記事1
「苦悶する『中村勘三郎』集中治療室の『人工肺』」(「週刊新潮」11月22日号)
注目記事2
「丹羽前駐中国大使 送別会の問題発言をすべて書く」(「週刊現代」12月1日号)
注目記事3
「高岡早紀7分間『精飲SEX』の失神アクメをスッパ抜く!」(「週刊アサヒ芸能」11月22日号)
注目記事4
「『日本人女性の外性器』私たちはここに感動しました」(「週刊現代」12月1日号)
特別付録
「各誌の解散・総選挙特集を読んでみた」
ようやく解散・総選挙になった。安倍晋三自民党総裁との党首討論で解散を明言するという奇襲攻撃に出た野田佳彦首相は、なかなかの迫力だった。慌てた安倍総裁は支離滅裂な受け答えで、この人の胆力のなさを暴露してしまったが、近年にない面白い国会中継であった。
都知事選挙とのダブルになったが、都知事選への関心が急速に失われ、これで自民党が推し、維新の会も推すであろう猪瀬直樹副知事の当選はほぼ間違いないだろう。
しかし、石原慎太郎前都知事と橋下徹大阪市長の変節はどうしたことだろう。あれだけ政策が合わなければ一緒にはやれないと言っていた橋下市長が、原発政策ひとつ取ってみても大きく違う石原たちと手を組むとは、野合などというレベルの話ではない。
橋下の正体見たりである。石原も持論をねじ曲げてまで橋下の軍門に下るとはどういう了見なのか。晩節を汚す、とはこういう生き方をいう。
だが、これだけはハッキリしている。もし万が一石原が総理になったら、橋下の言うことなど一顧だにしないだろう。新潮(11月8日号)が書いたように「『石原総理』なら譲らない『反米』『反中』『核武装』」を推し進め、日本を「別の国」にしてしまうはずだ。
今回の総選挙は、この石原・橋下連合がどこまで票を集めるのかが最大の関心事である。週刊朝日は「緊急議席予測」で政治評論家の森田実、野上忠興、選挙プランナー三浦博史に票読みをさせている。
森田は民主は75、自民は230、国民の生活が第一が15、みんなの党が25、維新が66と読む。
野上は民主党が70、自民党が227、国民の生活が第一が33、みんなの党が30、維新が65。
三浦は民主は92、自民は253、国民の生活が第一が11、みんなの党が23、維新が46である。
3人とも自民党が復活し、公明党と合わせると過半数に届くと見ている。
朝日の連載「ギロン堂」で田原総一朗は、小泉純一郎元首相の郵政民営化イエスかノーかの選挙の時のように、TPP参加か否かを争点に掲げ一点突破しようと、野田首相は考えているのではないかと見ている。だが、TPPを争点にするのは無理があるだろう。
現代は、選挙後に「安倍-橋下連立政権」ができるのではないかと読む。票読みでは、民主党が50議席の大惨敗、自民党は200議席に届かず、維新は75議席獲得するとしている。
新潮は「断末魔の『年内解散』」の中で、野田首相が突然解散に踏み切ったのは「約束は守る『良い人』でいたいから」だと、野田に近い民主党関係者に語らせている。
しかし、その結果は惨憺たるものになるという見方が多い。TPP参加をマニフェストに明記すれば、さらに十数人の離党者が出てくる。時間的にその選挙区へ候補者を立てられないから、
「仮に60以上の空白区を抱えたまま総選挙に突入したら悲惨ですよ。当然、比例区にも影響が出る。(中略)当選できるのはせいぜい60名程度。180人は落選すると言われています」(民主党関係者)
逆に浮かれているのは、安倍総裁。早くも「組閣名簿」を周囲に漏らしているというのだ。官房長官に側近の菅義偉幹事長代行、外務大臣に谷内正太郎元外務省事務次官、財務大臣に盟友の麻生太郎元総理だそうだ。
二審で無罪になった小沢一郎「国民の生活が第一」代表だが、こちらは年内選挙だと政党交付金がゼロだから「カネの問題が重くのしかかってくる」(政治部記者)そうだ。
同じように「日本維新の会」も、支持率低下と選挙資金の捻出で頭が痛いと書いている。
「240人を擁立するには、供託金だけで7億2,000万円が必要。維新にはそんな資金力はないので、橋下さんは候補者自身で賄うことを求めている。が、いざ選挙となった時、“やっぱり資金が捻出できない”という人が続出し、候補者の数が減る可能性もある」(市政担当記者)
総選挙後、野党に転落した民主党の顔になるのは、細野豪志政調会長だと読む。政調会長に決まった直後に若手・中堅議員十数人を集めて、勉強会=派閥をつくったそうだ。
週刊ポストは選挙よりも、民主党が大敗しても党に残る資金は200億円もあるというところに注目したり、民主党政権ができてからの官房機密費が、使われた13億3000万円を差し引いても30億円ぐらい残るのだから、即刻返納せよと、独自の視点で特集を組んでいる。
読んで感じるのは、今回の総選挙がさらなる政治混迷の始まりになるということである。ウルトラ保守の安倍や石原も嫌だが、民主党にはこりごりだし、女房にまで見捨てられた小沢一郎に入れる気にはならない。さて、どうしたものだろうか。
さて、現代が始めた「外性器」シリーズは、そこそこの注目を集めているのだろう。今週は週刊大衆でも、トップで「30カ国『行った!見た!試した!』世界の女性器大研究」をやっている。
今週、現代は女性たちの座談会を組んでいるが、これが意外に面白い。
「北原 週刊現代が『外性器』の特集をはじめて、何に感動したかといえば、まずこんなに堂々と『外性器』という言葉を、太文字でドンと出したことなんです。
なし子 袋とじでもない、普通のページで(笑)。
北原 そうそう。私は『女性が自分の欲望に素直になったらいけないのか、もっと自由に性を楽しんでもいいじゃないか』という疑問を持って、96年に女性目線で選んだバイブなどを女性向けに販売する『ラブピースクラブ』を立ち上げたんです。ところが、創業以来、取材を受けたりしたとき困っていたのが、私が『マンコ』と発言した部分がそのまま誌面に書いてもらえないことなんですよ。
ユキ 普段は、私たちみんな、そう言っているんですけどね。
満子 よそで友達と話すときは『あそこ』とかになるんですけど。ここではそう言うと怒られて(笑)。
北原 『なんで隠す必要があるの? おかしいじゃん』ってね(笑)。でもこのシリーズを読んで『普通に「外性器」「女性器」ならよかったんだ』と目から鱗が落ちたというか。いままであえて『マンコ』とはっきり言うことで世間の雰囲気に立ち向かってきたんだけど、メジャーな週刊誌が毎週『外性器』『女性器』と太文字で書いている。これでみんなが普通に『外性器がさあ』と言える世の中になるなら、面白いことになるぞ、と感じましたね。
なし子 でも、外性器特集と言いつつ、載っているのは膣のなかの写真だったりするんですよね。やっぱり外の写真はだめで(笑)」
北原というのは北原みのり、性教育の著作がある。なし子はろくでなし子、漫画家。ユキは25歳、満子は20代とある。
この外性器特集は、現代がリサーチした結果、女性読者が多くいることがわかったとリードに書いてある。
外性器という言葉が定着するのか? 私はもう少しキレイな言葉がいいと思うのだがね。
もう一本の軟派記事はアサ芸。女優・高岡早紀(39)のAVについての特集を組んでいる。篠山紀信が撮ったヘア・ヌード写真集の高岡の迫力バストは、その華麗な男性遍歴とともに語りぐさになっているそうである。
その魔性の女&美巨乳・高岡が、来年夏頃公開される映画『モンスター』で大胆な濡れ場に挑戦しているというのだ。
原作は百田尚樹の小説で、その大胆な艶技は、沢尻エリカが主演した『ヘルタースケルター』を凌ぐという。
そのために映画や、その後のDVD発売をめぐって、争いまで勃発しているというのである。
どんなシーンがあるのか。アサ芸からアノ場面を引用してみよう。
「国道沿いのラブホテルに吸い込まれる1台の車。人目を忍ぶようにホテルに入っていったのは、高岡早紀(39)と30代後半の男だ。場面が室内に切り替わる。と、円形のベッドをピンク色の照明が照らす中、男が高岡を抱いてキス。そして慌ただしくベッドに押し倒す。男の舌先を吸い返しながら、ハア、ハアと息を乱す高岡。男の手が豊満な乳房に伸びる。
「イヤ……」
そう言って高岡は手を振りほどこうとする。だが、男の手は離れない。それどころか、高岡の豊乳をグニュン、グニュンと執拗に操みしだくのだ。
やがて高岡は、体を起こされてワンピースを脱がされる。セクシーなTバックのパンティと、白い上乳がまる見えのピンクのハーフカップブラ姿だ。たちまち興奮した男のキスを背中に受けた高岡は、快感でビクンッと体を震わせる。
ブラが外されると神々しく輝く高岡の裸体があらわになる。何かに取りつかれたように、優しく円を描くように豊乳全体を操む男。(中略)
「男の人って、我慢できないんでしょう」
「口でしてあげる」
高岡はベッドに戻るとこう言って男の足元にひざまずき、男の腰のバスタオルを剥ぎ取る。ウブな感じを装おうとしたが、股間に顔をうずめ、くわえ始めると、舌を自然と駆使してありったけのテクで男を責めたてる」
アサ芸健在である。
3本目は現代の告発記事。11月14日に閉会した第18回中国共産党大会だが、それとともに北京を去った初の民間駐中国大使・丹羽宇一郎前大使が、在北京日本人記者クラブが主催して開かれた送別会で、以下のような問題発言をしたと報じている。
宴もたけなわになり、花束贈呈に続いて丹羽大使の締めの挨拶になった。
「日中関係の局面は、ここ最近で大きく変わった。これ以上中国と関係が悪くなったら、40年前の国交正常化前に戻ってしまう。そんな中で北京を離れるのは。正直言って心残りだ」
と、全体的な所感を述べていたが、まもなく離任という安心感もあってか、発言内容は次第に過激になっていったというのだ。
「だいたい日本政府は、『尖閣諸島について領土問題は存在しない』なんて言ってるだろう。いまどき『領土問題がない』なんて言ったら、世界中の笑いものだよ。こんな主張は、パンツを穿いてないのに、自分だけパンツを穿いてると主張しているようなものじゃないか。外国から見れば、日本がオチンチン丸出しで騒いでいるようなものなんだよ。つまり日本は裸の王様だ。こんな主張は、早く止めるべきだ!」
この発言に会場は凍りついたというのだ。
大使という肩書きで、日本の外交政策に楯をつく発言をしたというのは、確かに問題があるのだろう。それに例えに品がない。
もっと問題なのは、この発言を複数の記者が本社に送ったのに、過激な発言過ぎると掲載を見送ったことである。
丹羽大使(当時)とは、北京で会ったことがある。その前に南京で「南京大虐殺記念館」を見てきたので、私は反中国主義者ではないが、あれを見せられると、私のような者でも中国への嫌悪感を抑えられなくなったと話した記憶がある。
丹羽大使はそうですか、と頷いていた。民間大使らしく、気さくでソフトな話しぶりが印象に残っている。
日中関係が厳しい中、大使という重責から解き放たれたために、口が滑ったのだろうか。こういうことは新聞か雑誌に書いて、信を問うべきが筋であろう。
2本目は新潮の中村勘三郎の病状記事。文春もやっているが、新潮のほうが内容が濃い。
ところで、昨年の11月21日に立川談志師匠が亡くなって1年になる。早いものだ。毎年この頃になると、今日の高座で「芝浜」をやってくれるかなと期待しながら落語を聞きに行ったものである。
私事で恐縮だが、談志師匠を偲んでプロデュースした本『立川談志を聴け──涙がこぼれた「富久」を私は一生忘れない』(山本益博・プレジデント社)が先週初めに発売された。
中で、私と山本さんとで師匠の思い出を語り合っている。
談志師匠は若い人たちをかわいがった。爆笑問題の太田光もそうだが、一番かわいがり、人間としても役者としても評価していたのは中村勘三郎だったと思う。
その国民的な歌舞伎役者・十八代目中村勘三郎が病気で、それも重篤だというのである。
勘三郎は今年6月に食道がんが発見され、7月には無事手術も終わり、経過良好と見られていた。ところが急変し、その病院では設備が整っていないために転院したというのだ。
勘三郎はARDSを発症し、心肺停止に陥る恐れがあるので「エクモ」を使うためにICU(集中治療室)に運ばれたそうだ。
「『ARDS』とは『急性呼吸促迫症候群』の略称。『エクモ』とは、体外式膜型人工肺という医療装置のことだ。今年9月、いつ心肺停止に陥るやもしれぬ重篤な急性呼吸不全でこのICUに担ぎ込まれてきた患者こそ、他ならぬ勘三郎、その人である。彼がこの7月、食道ガンの切除手術を受けたことはご承知の通り。だが、施術した病院から、新たに別の病院へ転送されていた事実はほとんど知られていない。一体、何があったのか。転院先の大学病院の関係者が明かす。
『勘三郎さんは、手術後、重い肺炎を羅ってしまったのです。その後、さらに重篤なARDSを発症し、もはや酸素マスクや人工呼吸器など、肺に酸素を送り込む器具では酸欠状態が改善できず、予断を許さない容体に陥りました。これは肺で酸素と二酸化炭素を交換する場所である肺胞が浮腫を起こして機能しなくなり、“肺水腫”となる病態を指します。そこで体外に導いた血液に、直接、酸素を送り込む人工肺のエクモを使うことになったのです』
このエクモ、国際的な運用指針では、人工呼吸器による治療で低酸素状態が治らず、死亡率が8割以上と想定された時に使用を決断するとされている。いわば人工呼吸のための“最終手段”といった代物だ」(新潮)
談志師匠と同じ病気である。師匠が「寂しいからお前も来いよ」と呼んでいるのではないか。だが、まだ勘三郎は57歳。早すぎるよ師匠、もう少し待っててください。そう祈らずにはいられない。
勘三郎は女性にモテることでも当代一流だった。
「“遊びは芸の肥やし”とよくいう梨園の世界だが、その中でも勘三郎のモテぶりは海老蔵を凌駕するとさえ言われる。過去に浮名を流した相手として、道ならぬ恋に悩み、泥酔の末、京都のホテルで自殺未遂騒動まで起こした宮沢りえがよく知られている」(同)
それ以外にも牧瀬里穂や米倉涼子などとも浮き名を流した。
事務所の社長がこう語る。
「急性呼吸不全を発症したのは、8月末です。一般に生存率が50~60%以下だと言うのもその通り。この病気には薬もない。でもね、肺以外はいたって健康なんです。だから本人も必死になって復帰を目指し、頑張っているのです。ご飯を自力で食べられることもあるんですよ」
新潮も勘三郎の回復を祈り、こう結んでいる。
「勘三郎本人は寝たり覚めたりで、意識清明と混濁状態を繰り返す日々とされる。万一を案じ、病院につめている家族・親族が見守る中、苦悶の病床で強い意志のもと、懸命に生きる勘三郎。本人はもちろん、家族や関係者は今も奇跡を信じているのである」
今週は解散・選挙がらみの記事が多かったが、こうしたものは新聞、テレビが連日報じているから、どうしても後追いにならざるを得ない。それならば、ほかの話題を読ませてもらいたいと思うのは、読者の身勝手だろうか。
(文=元木昌彦)
