「一人はモー娘。一人は宝塚女優……」“女を運んだ”当事者が明かすバーニング肉弾接待の実情

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「週刊文春」9月12日号
今週の注目記事 第1位「中途半端すぎるオバマの選択」 (「ニューズウィーク日本版」9月10日号) 同第2位「NHKが頭を抱える『八重の桜』プロデューサー モー娘。肉弾接待騒動」 (「週刊文春」9月12日号) 同第3位「知らないのは日本人だけ 世界から見たニッポン」 (「週刊現代」9月21・28日号) 同第4位「ジェームズ・ワトソンが登場!『老化を防ぐ方法』教えます」 (「週刊現代」9月21・28日号) 同第5位「参院選投票日に誕生した『山本太郎参院議員』の隠し子」 (「週刊新潮」9月12日号) 今週のワースト記事「藤圭子『転落死写真』撮影者の目撃談」 (「フライデー」9月20日号)  日曜日(9月8日)は、私にとっていいことが何もなかった。  朝3時起きして見た2020年五輪招致国に、まさかの東京が選ばれてしまった。予想外の安倍首相の英語スピーチのうまさに感心はしたが、汚染水漏洩問題について「抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」と発言したのは納得がいかない。  これまで東電任せで国が十分に関与してこなかったからこそ、このような事態になってしまったのだ。五輪目当てで慌てて「責任を持ってやります」といわれても、日本国民はだまされない。  私が五輪招致に反対してきたのは、五輪のためにゼネコンが東京中を掘り返し、今以上の殺伐とした街になることを嫌うからである。  昭和39年の東京五輪は、敗戦から立ち上がった日本を世界の人たちに見てもらいたいという熱い想いがあった。  新幹線に象徴されるようなインフラ整備への期待もあった。そして何よりもベトナム戦争の「特需」があり、高度成長路線を進み始め、明日は今日よりよくなるという夢が持てた時代だった。  その夢をもう一度と考える政治屋たちが五輪招致に躍起になったのだろうが、ソウルも北京も、五輪がきっかけで経済成長率が伸びたという話は聞かない。  日本が20年のオリンピックを経済成長のきっかけにするには、第2のベトナム戦争が必要になる。それがシリア戦争になるのかもしれないが、集団的自衛権を容認する国になってしまえば、日本も戦争に参加しなくてはならなくなるのである。  ベトナム戦争のように「遠い戦争は買い」などといっていられなくなるのだ。  東京五輪決定でガックリして、競馬も惨敗。夕刻からは友人で名編集者だった中川六平氏の通夜に行ってきた。享年53歳。数々の名著を世に送り出し、無類の酒好きだった六ちゃんの通夜には、昔のべ平連仲間が大勢来ていた。  飾られた写真を見ても涙は出なかったが、心から寂しいと思った。  フライデーが「藤圭子の自殺直後の写真」と大きなタイトルを打った記事を読んでみた。  マンションの前の道路に人影のようなものは映っているが、モザイク処理されているのでよくわからない。遺体を運んだ後の血糊のようにも見える。飛び降りた死体を前にしているにもかかわらず、歩道にいる男たちが慌てていないのも「直後」とは思えないが、これ以上の詮索はやめにしておこう。何も無惨な写真をそのまま掲載しろというわけではないが、写真を使うのであればもっと編集上の工夫がほしかった。そこで今週のワーストにした。  フライデーも今や400円である。新潮370円、文春380円に比べると割高感は大きい。値段に見合う内容の充実がないと、読者は離れていく。もっと危機感を持つべきであろう。  アサヒ芸能には、新宿2丁目の「ウリ専バー」に昔、藤がよく来ていたという話が出ている。気に入った男を連れ出しても性的な興味はなく、話し相手をしてもらうためだったという。  事実だとすれば、腹を割って話せる身内も友達もいなかったのだろう。藤圭子の救いようのない寂しさが伝わって来る。  注目記事には載せなかったが、現代とポストの軟派記事のエスカレートが激しい。といってもタイトルの上だけだが、現代は袋とじ特別付録が「女性外性器のしくみ」。最新技術を駆使して「見えないところまで見える」というのだが、そのものズバリが出ているわけではない。  ポストはオナニーグッズ「TENGA」の代理店になったのではないかと思えるほどに、TENGAの発売する大人のオモチャ(ラブグッズというんだそうだ)の紹介と、他のグッズの製品紹介を小雑誌にして、W袋とじとしてやっている。  そのうちポストで大人のオモチャの通信販売でも始めるのだろうか。私見だが、現代・ポストどちらでもいいが、大人のオモチャやアダルトビデオなど中高年のためのセックスグッズを売る通信販売を本格的に始めたらいいと思う。  現代はうまいものの通販はすでにやっているが、それよりなんぼか儲かると思うけどな。早いもん勝ちやで。  ポストに「謎の美女YURI」のグラビアがあり、写真集が遂に発売と書いている。  先日、飯田昌宏編集長から写真集を送っていただいた。『YURI愛のアルバム』(小学館)というタイトルで1,300円。こうしてまとめてみると一層彼女の魅力が伝わってくる。私のようなYURIフアンには堪らない一冊である。  週刊新潮はよほど山本太郎(38)参議院議員が嫌いと見える。今週も彼の隠し子が参院選投票日に誕生していたと報じている。これが第5位。  8月24日に妻と離婚し、それを隠して参議院選を戦ったことは以前報じたが、参院選投票日に付き合っていた女性、下村恵子さん(仮名・39)に子供が生まれていたというのである。  新潮によれば、女優の満島ひかりに似た美人。東日本大震災後の反原発運動を通じて知り合い、深い仲になっていったようだ。  事情を知る関係者はこう語っている。 「子供を欲しがったのは、太郎のほうだったと言います。恵子さんも子供をつくれる年齢を考えてそれを了承し、“子供をつくろう”と2人で決めて行為に及んだ。そうしたらすぐに妊娠した、ということのようです。  その後、太郎の母親が“私も同居することが結婚の条件”と言い出したのです。恵子さんがそれに難色を示すと、マザコンの太郎は“お袋に認めてもらわないと結婚はできない”と言う。恵子さんは“2人で子供つくるって決めて妊娠したのに責任を取ってくれないなんて”と泣いて訴えたそうです。(中略)  太郎と恵子さんと赤ちゃんで、大阪にいる太郎の母親に会いに行ったという。そこで恵子さんは母親から“太郎の財産目当てなのか”などとヒドイことを散々言われたそうです」  この取材の時点ではまだ子供を認知していなかったそうだが、取材をしている間に「東スポ」が「スクープ公開 山本太郎議員 隠し子」という記事を掲載し、それで発売前に認知したそうである。  妻と離婚したのだからさっさと結婚すればいいのに、逃げ隠れするからこうして書かれるのだ。反原発を訴えるときのように堂々とナゼできないのだろう。このままでは在任中顰蹙を買い続けた横峰さくらプロの親父のようになってしまいかねないと、心配になるが。  お次は現代の「世界の知性に聞く」第3回。今回は分子生物学者の第一人者ワトソン氏で、ノーベル生理学・医学賞を受賞している。  タイトルにあるような「老化防止」について詳しく話しているわけではないが、所々に注目すべきところがあるので紹介しよう。脳についてどれぐらいわかっているのかという質問に対して、こう話している。 「いま、脳の老化について唯一の糸口となっているのは、『運動する人はしない人に比べて認知症を発症する人が若干少ない』ということです。運動をする人はまた、がんを発症する割合も約30%少なく、ある種の糖尿病になる可能性も少ないことがわかってきています。(中略)  また、糖尿病の治療薬はアルツハイマー病の発症を遅延するという研究報告もあるため、うまくいけば脳の機能を高い状態に維持するための、最初の薬になるかもしれません」  がん克服についてはこう述べている。 「がんについてはもうすぐ対処法が見つかるかもしれません。がんは細胞の突然変異により起こされますが、科学はやっと細胞を理解するところまで来ています。たとえば、がん細胞を飢えさせる方法があります。つまり、糖分を控えること。がん細胞は正常の細胞より、より多くの糖分を必要とします。こうしたがんの基本は分かってきています」  脳をいつまでも活性化させておくために必要なことを話しているが、ここが私には一番興味深かった。 「大事なのは、自分にとって何が重要かを判断することです。例えば85歳の人にとって重要なことは何でしょうか? それは脳を生き続けさせることかもしれません。あるいは歴史が好きな人や、経済学者になりたい人にとっては何が重要か。そして、自分にとって重要なことを判断したら、過去から最良のものを学び、打ち込み、思考することです。  そしてその際、何が必要かと言えば、人はもっと『なぜなのか?』という疑問にフォーカスすべきなのです。  私の野心は科学的偉業を成し遂げて有名な科学者なることでした。アインシュタインを除けば、今、私はダーウィン以降では最も有名な科学者でしょう。しかし、有名になったからといってそのことを気にかけてはいません。いまも、科学的問題をいかに解決するかを考え続けながら生きているのです」  脳を老化させないためには常に「?」を持ち、考え続けること。あたりまえだが、たしかにその通りであろう。  3位には現代の巻頭特集。五輪は日本に決まった! と、いち早く報じていた現代だが、東京五輪決定前に作られたからか、意外に日本や安倍政権に辛口の論調である。  たとえば福島第一原発の汚染水漏れ事故に対してはこうである。 「安倍首相は、9月4日から9日までの2泊6日の外遊中、『福島問題は7年後の2020年にはまったく問題ない』と強調した。だが世界は誰も、安倍首相のことを信じていない」  日中、日韓についてもこう書いている。 「アメリカの東アジア研究の権威であるハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル名誉教授がアドバイスする。 『日本はとにかく、東アジアを不安定にさせないことを心がけるべきです。尖閣諸島の問題が「蟻の一穴」となり、日中戦争に発展することだってないとは言えない。東アジアの安定は、日本の国益にも直結するのです』  安倍政権の面々は、周辺諸国の挑発的な言動は控え、無用な争いを起こさないようにすべきだろう」  安倍首相がオバマのシリア攻撃を支持したことについても、こう批判している。 「ドイツの中央銀行にあたるドイツ連銀は、こうした事態を見越してか、8月に出した月例報告で、アベノミクスを酷評した。 <アベノミクスによる景気の押し上げは、『藁についた火』のようなもので、一時的な効果で終わるだろう。具体的には、2013年のGDPは1.25%増加するだろうが、’14年には効果は大幅に縮小し、’15年には逆に景気のマイナス要因となると見込まれる>  たしかに、今後のシリア情勢は、アベノミクス全体を狂わせていくリスクを秘めている。オイル価格の上昇と消費税増税のダブルパンチになれば、消費は低迷し、スタグフレーション(インフレ下の不況)という最悪の事態が現実化する可能性もあるからだ」  論調はやや弱いが、雑誌のもつ重要な役割「反権力」に少し目覚めてきたかなと思わせる記事である。  第2位は天下のNHKの花形プロデューサーに噴出したスキャンダルを取り上げた文春の記事。まずはこういう内容である。 《『八重の桜』で注目を浴びているNプロデューサー。いまでこそエグゼクティブプロデューサーと持ち上げられているが、いまだにバーニング周防郁雄(社長*編集部注)との関係を切ることができないでいるため、本人も困っていると関係者に話していると言う。  NがまだNHKエンタープライズ時代から仕事も遊びも周防に抱きかかえられ育ってきたからだ。特に関西に仕事で来た折には必ず、京都に足を運んで御茶屋『H』で我々と一緒に羽目を外したものだ。  特に記憶に残っているのは、女性関係。私もテレビで見たことのあるモーニング娘の二人が途中で参加してきたのだ。周防から言われたので、小遣いを数十万づつ渡してやると喜んでいた。後に周防とNが宿泊している京都ブライトンホテルに送ってやったのだが、『周防さんもNさんも変な趣味があるのでいやなんです』と二人が酔った勢いでしゃべりながら周防とNの部屋に消えていった。  先日、当時の立て替えた御茶屋の支払い代金をNHK・Nプロデューサー宛に請求したがなんの返答もないので、少額訴訟でもしようかと思っている!》(原文ママ。イニシャル表記はホームページでは実名)  これは「大日本新政會」というホームページにある文章である。  この會は神戸に本拠を置く暴力団「松浦組」系の民族派団体で、上の文章を書いているのは、バーニングの周防氏と、かつて“兄弟分”のような付き合いをしていた大日本新政會の笠岡和雄総裁だという。  千葉の産業廃棄物処理場建設で両者の間に金銭トラブルが起こり、2年前に2人の仲は決裂したそうである。  ここに出ているN氏はNHKの花形プロデューサー(56)で、大河ドラマ『天地人』で平均20パーセントを超える高視聴率を叩き出したドラマ制作のエキスパート。放送中の『八重の桜』の制作統括でもあり、全国各地の講演にもひっぱりだこの、NHKの顔だという。  そんな売れっ子プロデューサーの醜聞だが、芸能界のドンと暴力団がらみでは、NHKとしても弱っているのではないか。  NHKの制作担当者がこう話している。 「Nさんは“バーニングの人間”ですよ。周防さんに可愛がられ、便宜を図ってもらい出世したというのが局内の定説です。ドラマ制作にはジャニーズ派とバーニング派という派閥があって、バーニング派の首領が彼なんです。温厚な人柄ですが、外見とは裏腹にエリート意識が強く、したたかな人物です」  文春は京都へ飛び、事情を知っている人間を当たっていく。そして「ついに小誌は事件の“当事者”に辿り着いたのである」 「女を運んだのは私です」と語るのは、松浦組とも周防氏とも近い関係者。 「実はあの夜、周防は祇園のお茶屋『T』に、ひそかに二人の女性タレントを待機させていました。周防がNを接待した『H』の宴会が終わった後に、周防からホテルに連れて来てくれないかと連絡があり、人目につかないよう気をつかって二人をホテルまで運んだんです」  この御仁、2人の女性芸能人の実名を出しながら、「一人はモー娘。のメンバー、一人は宝塚出身の女優だった。二人は笠岡氏のポケットマネーを受け取った」と説明し、こう続ける。 「女たちは意外にもサバサバした様子でした。二人のうちハキハキした女の子は周防、もうひとりの無口な方がNの担当ということでした」  事実だとすれば、芸能界のドンだけあって豪勢な“接待”である。私も現役時代は何度か周防氏と食事はしたが、こんなことはまったくなかった。やはりNHKだからだろうか。  ちなみにNHK朝の人気ドラマ『あまちゃん』の主人公・能年玲奈や小泉今日子、小池徹平らがバーニング系俳優というのは業界では知らぬ者のない事実だと、文春は書いている。これも接待の賜物か?  N氏は周防氏と密接な関係かという取材に対して、こう答えている。 「そんなことはないですけど、密接って、何をもってそう言うのか……あのお、周防さんの接待は受けてません」  周防氏のほうも否定しているが、一方の笠岡氏は取材に対し、こういっている。 「あそこに書いたのは本当の話です。私はホテルの部屋の前で、周防の紹介でNと名刺交換をした。お茶屋代は私が払いました。秘密は墓場まで持ってくつもりやったんやけど、周防とのことやら、いろいろと許せないことがあってね」  NHK側はN氏の事情聴取をしたそうだが、ホームページの書き込みには抗議などしていないという。ここまで具体的に書かれた以上、視聴者に対してNHK側は何らかの説明をすべきであろう。  今週の1位は、G20でロシア、中国と意見が真っ二つに分かれたシリア攻撃を巡るオバマ大統領への批判記事。  シリア政府が反体制派を化学兵器で殺戮したというのが攻撃する根拠だが、アメリカ国内では議論百出で、オバマへの批判も強まっているとニューズウィーク日本版が報じているのである。 「米政府は先週末、シリアのバシャル・アサド政権による化学兵器の使用で1400人以上が死亡したと発表。バラク・オバマ米大統領は限定的な武力行使を検討していると述べた。  シリア内戦は、アメリカの国益と複雑に絡み合っている。その複雑さ故に、米政府が実現すべき国益上の目標も、そのための戦略も多数ある。  それだけにシリアへの軍事介入については、積極論にも慎重論にもなるほどと思える部分がある。だが残念ながら、オバマは不可解で最悪のアプローチを選択したようだ。  オバマ政権はシリアへの介入に慎重な立場を繰り返し表明してきた。だが同時に、アサド大統領の排除を強く主張し、化学兵器の使用は『越えてはならない一線』だと政権側に警告する一方、反体制派への小規模な軍事支援を行ってきた」  だが、このやり方は最悪の選択だという。 「中途半端な対応を重ねるうちに、目標を達成できないまま泥沼にはまる──ベトナムの二の舞だ。何もしないか、それとも『限定的』ではない本格的な介入に踏み切るか。オバマはどちらかを選ばなくてはならない。  介入慎重論の根拠は、シリアはアメリカの国益にとって死活的に重要ではないというものだが、その背景には軍事介入がもたらす結果への懸念がある。  アサドは残忍な暴君だが、反体制派の内部ではイスラム過激派が勢力を増している。彼らが権力を握れば、イスラム教アラウィ派、同ドルーズ派、キリスト教徒といった少数派を虐殺しかねない。(中略)  大掛かりな介入に踏み切るか、まったく手を出さないかのどちらかであるべきだ。シリア内戦を終結させ、ましてやアメリカにとって好ましい結果をもたらすためには、地上軍の投入が不可避とまでは言わないまでも、現在オバマ政権が考えているよりはだいぶ大規模で長期の活動が必要になる。(中略)  唯一の誤った選択は、シリアにおけるアメリカの長期的な目標と戦略を考慮せずに、行動を決めることである。しかし不幸なことに、いまのアメリカはまさにそういう選択を行おうとしているように見える」  また「今の反体制派にはアサド政権という共通の敵がいる。だが体制崩壊後は全員が敵になる」とも書いている。  オバマはベトナム戦争の教訓から学ばず、再び、泥沼の戦争へと足を踏み入れようとしているようである。  このところ安倍首相に素っ気なかったオバマが、急に電話会談やG20で首脳会談をしたのも、同盟国のイギリスやドイツがシリア攻撃に参加せず、孤立感を深めているからだろう。  それに2月に会ったとき、安倍首相は「集団的自衛権を容認する」といってしまっているのだ。そうなればオバマは、自衛隊をシリアに派遣してくれと要請してくることは間違いない。  私も、そうはいっても集団的自衛権など、平和憲法がある限り容易いことではあるまいと高をくくっていた。  だが、先日、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏と対談したとき、驚く話を聞いた。安倍首相は集団的自衛権を行使できる「国家安全基本法」を、憲法改正なしに「議員立法」で成立させようと企んでいるというのである。議員立法で提出すれば、過半数の賛成で成立してしまう。  これは半田氏の書いた『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)に詳しいが、これをやられたら憲法九条は有名無実化し、戦争のできる国へとあっという間に大転換してしまうのだ。  半田氏がいうには、第二次大戦後のベトナムやアフガニスタン、イラクなどの紛争の大義名分は「集団的自衛権」の行使で、しかもそれを行使した国はどこも勝利していないという。  10月に安倍首相は消費税増税をどうするか決断する。それが終わったら、いよいよウルトラタカ派の本性を現し、自衛隊を国防軍に変容させるつもりではないか。  しかし大新聞も他のメディアも、これほどの重大問題に触れようとさえしないのは「メディアの劣化」ですまされることではあるまい。猛省を促したい。 (文=元木昌彦)

汚染水地獄に、首都直下型地震の可能性も……2020年五輪東京開催は茨の道

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「週刊文春」9月5日号 中吊広告より
今週の注目記事 1「『東京五輪』を脅かすフクシマ『ダダ漏れ汚染水地獄』」 (「サンデー毎日」9月15日号) 2「藤圭子自殺 実兄藤三郎独占告白『家族をバラバラにした宇多田照實を許さない』」 (「週刊文春」9月5日号) 3「ジャレド・ダイアモンド『なぜ人間は60歳になってもセックスがしたいのか』」 (「週刊現代」9月14日号) 4「『秋田書店』に何が起きている」 (「サンデー毎日」9月15日号) 今週のワースト記事 「あなたの会社にいる『中国スパイ』」 (「週刊現代」9月14日号)  NHKの朝ドラ『あまちゃん』がいよいよ3.11東日本大震災に入ってきた。宮藤官九郎がどういう描き方をするのか、ラストまで目が離せない。  TBSの『半沢直樹』も好調だ。9月2日のasahi.comがこう伝えている。 「1日に放送されたTBS系のドラマ『半沢直樹』の視聴率は、関東地区で30.0%、関西地区で31.2%、北部九州地区23.1%で、名古屋地区で29.2%だった」  劇画調、都合のいいストーリーの作り方に、面白いが違和感がある。このドラマが受けているのは、日頃からの銀行への鬱憤が背景にあることは間違いない。  アサヒ芸能(9月5日号)の「井筒監督の毒舌ストレート時評 アホか、お前ら!」を愛読しているが、今週の彼の言うとおりである。 「銀行というのは世界でいちばんの悪行や。どうして自分の貯金を下ろすだけで手数料を払わなあかんのか。ペテンもいいとこ。こちら金貸してやってるんやぞって。何が“お手数”じゃバカタレが。人様からむしり取った金を人に貸し付けて食ってけつかる集団や。ヤツらは元から悪知恵だけしか働かない。で、『半沢直樹』か。社会派でチョー面白い? 誰が言うとんねん。あのドラマのどの辺が社会をエグってるねん? どんなピンチになろうが毎回助かって、あぁよかった? ワルが土下座して善が勝つ? オマエら初めから全員ワルやないか! 何が『倍返し』や、子供にアホな言葉覚えさせるな!」  さて、今週は月曜日発売組の圧勝で、文春・新潮には精彩がなかった。  だが、ワーストも現代の記事。要は中国政府の指示で、日本の企業に入りこんだ中国人従業員が、その会社の企業秘密を盗み出しているから気をつけろというのであるが、一歩間違えれば、中国人差別につながりかねない“危ない”記事だと思う。  現代はこう書いている。 「法務省によれば、11年には5344人の中国人留学生が、留学終了後、本国へ帰らずに、日本企業に就職している。だがこうした優秀な中国人社員たちが、中国当局に、次々にピックアップされていっているのである。これまで発覚したケースから推定すると、最初はカネをチラつかせ、それでも動かないと、今度は法治国家では考えられない社会主義国家特有の脅しに出るというパターンだ。こうした硬軟両用の手法によって、中国人社員たちは、いとも簡単に『転ぶ』というわけだ」  スパイ活動をしている人間が皆無だとはいわないが、日本語を学び、日本人より優秀な多くの中国人が日本で一生懸命働いているのに、周囲にいるバカどもから「スパイ」呼ばわりされたらどう思うか。そういうことを考慮に入れたら、こういう記事は作れないと思うのだが。  秋田書店といえば、「少年チャンピオン」を出している老舗漫画出版社である。そこが「読者プレゼントの当選者を水増ししていた」ことが、元女性社員の告発によって明らかになった。  だが、会社側は、不正を止めるよう訴えていた社員を、逆に解雇してしまったのである。その上、「元社員は、あたかも社内の不正を指摘し、改善を訴えたために解雇されたなどと主張しておりますが、解雇の理由は、元社員が賞品をほしいままに不法に窃取したことによるものです。また、元社員は業務上ではなく、私傷病による休職です」と開き直っている。  こうした問題を出版社系週刊誌は、自分のところも脛に疵を持つからか扱わない。  毎日が短い記事だがこう書いている。 「この女性や女性が加入する労働組合『首都圏青年ユニオン』によれば、景品を盗んでいたどころか、不正をやめるように上司に訴えていたというのだ。上司は『この会社にいたかったら、文句を言わずに黙って仕事をしろ』と言い放ったという。  その後もパワハラは続き、睡眠障害などを発症した女性は11年9月から休職。懲戒解雇は休職中に行われた。同ユニオンの神戸紅事務局次長は『不正を強制されたのに、それに抗議した彼女に罪をなすりつけた。許されない』と憤る。(中略)  消費者庁の指摘に同社も不正を認めた期間に注目すると、女性が担当していた『ボニータ』では、11年2月号から12年5月号までとある。11年9月に彼女が休職した後も延々と複数媒体で不正が続いている。そのことへの説明はない。(中略)  消費者庁幹部は記者会見で『個人の不正ではない。会社が組織ぐるみで行ったもの』と明言した」  凋落の出版界に、さらに追い打ちをかけるような恥さらしな“事件”である。こんなことは日常茶飯事なのかもしれない。次に出てくるのはどこだろうかと、出版社の経営者たちは戦々恐々なのであろう。  今週も現代は「『昭和のSEX』全公開」、ポストは「60歳からの『アダルトビデオ』」をやっている。実用という点ではポストに軍配をあげるが、強く勧める気にはならない。  ポストはポスト「YURI」にしようというのだろうか、「台湾からやってきた謎の美女『U』」というカラーグラビアをやっている。確かにかわいいが、ただそれだけ。YURIを超える娘ではない。  読める軟派記事といっては失礼だろうか。現代で始まった「『世界の知性』に聞く」で『続・病原菌・鉄』の著者・ジャレド・ダイアモンドUCLA教授にセックスについて聞いているが、こちらのほうが面白いので紹介しよう。  日本で高齢者がセックスに積極的になっている(実態は現代とポストが煽っているだけではないか?)ことについて聞かれ、こう答えている。 「(中略)多くのアメリカ人高齢者はセックスに興味持っています。面白いのは、高齢者が伴侶を亡くした際、よく聞く再婚の理由が『セックスのため』というものです。50年前には、こんなことは恥ずかしくて口に出せなかった。『高齢者はセックスをしないものだ』『80歳でセックスなんて気持ち悪い』と考えていたんです。でも今はそうではありません」  興味深いのは、昔々、女性が排卵日を隠すというのは生物学的に意味があったというのである。 「われわれの祖先の猿人の女性たちは、排卵日を隠すことによって、多くの男性たちが持つ敵意を抑えることができるようになったのです。どういうことかと言うと、それまで男性は、周囲にいる自分の遺伝子を持っていない子供、つまりライバルの子を平気で殺していました。しかし女性が排卵日を隠せば、目の前の子は自分とセックスして生まれた子かもしれないので、男性側はその子供に危害を加えることができないのです。  そしてまた、人間の女性は、排卵日以外にも男性にセックスさせることによって、男性を自分のもとにとどめておくことができるようになったのです。人間の女性は、妊娠期や出産期、子育て期に男性に庇護してもらう必要があるからです」  父母がセックスして自分がこの世に生を受けた意味については、こう考えているという。 「人間の存在というのは、自然淘汰の法則の結果、あなたの父母が性欲を得てあなたに遺伝子を残した。生物学的進化論の結果として、あなたが存在しているということです。それは犬や猫がこの世に存在していることと同じです」  したがって人生の意味については、こう考えたらいいという。 「自分の有限の人生を、存分に楽しめばよいのです。伴侶や子供、友人など愛する周囲の人々に満足感を与え、未来の世界の人々の満足度を増やすように生きていけばいい。自分の生が遺伝子の引き継ぎでしかないと知ってこそ、人生の楽しみ愛する人の大切さが分かってきます。  生物学的進化の結果ということで言えばセックスも同じで、先ほど排卵日の隠蔽の話をしましたが、これによってヒトは一夫一妻制というスタイルに変わり、『受精』という呪縛を超えた、『楽しみのためのセックス』を手に入れました。(中略)  私たちは一夫一妻制という夫婦関係がどれほど安寧をもたらしてくれるのか、また、セックスがどんなに楽しいものかを知っているのです。そして私は、それはとても素晴らしいことだと思うのです」  世界の知性がセックスについて語ると、何やらありがたくなるから不思議である。このダイアモンド氏、37年生まれだから75歳ぐらい。まだセックスのほうも現役なのだろうか。  “怨歌歌手”藤圭子の死は週刊誌も挙って取り上げている。文春と現代が実兄の藤三郎氏のインタビューを掲載しているが、発売日の関係で文春のほうを注目記事にした。  三郎氏はこう語っている。 「22日の午前中に、ある方から『圭子ちゃんが飛び降りた!』という一報を聞きました。翌日、遺体が安置されている新宿署に駆けつけました。『実の兄です』と言ったら、警察は慇懃な感じで『証明書を見せろ』という。証明書を見せて、『遺体と面会したい』と言っても、のらりくらりと拒否をするのです。  そして『もし、娘の宇多田ヒカルさんが遺体を引き取れないということがあるなら、私が引き取りますと申し出たら、警察は『それは100%ありえません』と断言するのです。  おかしいのは遺体の身元引き受け人が宇多田(照實)君だということなんです。圭子は宇多田君とは離婚して籍が抜けているし、他人なのです。  せめて面会だけでもと思い、警察に電話番号を渡して、『宇多田君に電話をくれるように伝えてくれ』と言いました。しかし、連絡は一切ありません。彼には圭子を私に会わせるつもりがないのでしょう。  宇多田君はこれまでも圭子と家族を切り離し、会わせないようにしてきました。圭子が死んでもなお、同じことを続けるのかと絶望的な気持ちになりました」  離婚している元夫の宇多田照實氏が葬儀を取り仕切り、ほとんど人を寄せ付けないやり方に、藤の親族からも、後援者からも不満が出ているようである。  三郎氏は藤と宇多田の結婚生活をこう語る。 「圭子と宇多田君は、六、七回くらい離婚と再婚を繰り返していますよね。そのうち何回かは、宇多田君が勝手に籍を入れていたこともあった。圭子が宇多田君と上手くいかなくて、おふくろのところに逃げ帰ってきたことがあったんです。その後、圭子は体調を崩して入院した。そこに宇多田君が現れて、連れていこうとしたけど、離婚して身内じゃないんだからと追い返されたんです。そうしたら、今度は勝手に籍を入れた上で、『亭主だから』と圭子を病院から連れだしアメリカに帰ってしまったのです。二人は何回も離婚をするけど、すぐに宇多田君がお金に困り圭子のところに戻ってくる。それの繰り返しだった」  ヒットを次々に飛ばす藤は、安保闘争で挫折した若者たちの熱烈な支持を受け社会現象にまでなったが、デビューのときの“貧しい17歳の少女”というキャッチは、売り出すために作られたと、三郎氏は話している。 「赤貧の中で育った、みたいなことをデビューしてから言われていましたが、あの頃はみんな貧しかったのですからね。両親からは運動会の時にバナナを買ってもらったり、正月に新しい洋服を買ってもらったりしていました。同級生に比べて特に貧しかったということはないと思いますよ。赤貧、というのは芸能界で売り出すためのストーリーだったのでしょう。  彼女のキャッチフレーズは『演歌の星を背負った宿命の少女』。少女で18歳というのも何だかなということで、1つ年をごまかして17歳ということにしたんですね」  人気絶頂の19歳で歌手の前川清と結婚したが1年で破綻している。  79年、28歳のとき突然引退を発表してアメリカへ居を移し、82年に宇多田氏と結婚、83年に長女・光(宇多田ヒカル)を出産するのだ。  新潮(9月5日号)は前川との離婚の原因は性の不一致だったと、前川の告白を紹介している。 「『僕らには夫婦生活と呼べる期間があったのですかね。いや、なんというか……とにかく、セックスがなかったのですよ、ぼくらには、ホント。/初夜だけだった、といって間違いないところだなあ。一回だけですよ』(『週刊現代』72年8月31日号)」  推測するに、ヒカルが生まれた頃からヒカルが歌手デビューするまでの間が、藤の人生の中で一番平穏なときではなかっただろうか。  娘が莫大なカネをもたらし、それが三人の中を引き裂いていったようだ。  三郎氏は藤の金遣いの荒さについて、こういう見方をしている。 「圭子はもともと麻雀や競馬もしていましたが、お金には無頓着でした。カジノで五億円を散財するみたいな異常な使い方をしていると聞いたとき、圭子はお金に復讐をしているのではないかと感じました。人間を狂わせ、愛娘のヒカルを遠ざけてしまったもの。そのお金を無駄に使うことで、ヒカルちゃんを母親へと振り向かせたかった。そんな思いがあったのではないでしょうか」  娘・ヒカルも結婚・離婚を経験し、3年前に母親同様、突然無期限の音楽活動休止を宣言し、今は8歳年上の福田天人氏とロンドンに暮らしているという。 「二人が同棲を始めてからのことです。ある夜、突然、藤さんがいらっしゃったんだそうです」と語るのは福田氏の祖母である。  恋人の母親の急な来訪。当然、福田氏は驚いた。そんな彼の困惑をよそに、こう藤は告げたそうだ。 「娘を、よろしくお願いします」  これだけ言うと、藤は帰っていった。  藤圭子の家系は目が弱く、母親も盲目で長年付き人と生活を共にしていた。兄の三郎氏も加齢とともに視力が弱くなったといい、藤圭子も同様だった。宇多田ヒカルの『光』という名前は、圭子が娘の目にいつまでも光があるようにとの願いを込めて付けたものだという。  三郎氏の宇多田氏を恨む口調は弱まることがない。 「彼が苦しむ圭子の傍らに最後までいてくれた人間だったら私は何も言いません。でも離婚して、娘とも会えず、圭子は孤独と絶望の淵に追いやられていた。そして死んでもなお、彼女は孤独のままなのです。  宇多田君は藤圭子を四十年来応援してきた後援者の前で彼女のことを説明できるのか。天国のおふくろに顔向け出来るのでしょうか。そして、亡くなった圭子の顔をまともに見ることができたのでしょうか。彼には真実を話して欲しい。このままでは圭子は成仏できません──」  藤圭子が誰にも知られず西新宿で過ごしていた日々。ある知人は彼女のこんな言葉を聞いて、絶句したという。 「日本は自由に見えるけど、厚いガラスの壁に囲まれた国よ。寂しい。毎日が辛い。誰も話す人がいないの」  命までもと好いた男に捨てられても、京都から博多まで追っていく“バカな女”の怨み節は、他人から押し付けられた「借り着」だったのだろう。それを脱ぎ捨てたくてアメリカまで逃げていったのに、彼女が普通の女に戻ることは叶わなかった。  娘の歌手としての成功は、彼女の中にかつての“悪夢”を甦らせたのかもしれない。そんな自分と葛藤している間に夫と娘は離れていってしまった。  さすらい流れた果てに、彼女は新宿へ戻ってきて自死を選んだ。娘・ヒカルが藤の亡骸と対面したのは彼女の死から6日後である。ヒカルは自分のブログにこう書いた。 「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」  “彼女”といういい方が二人の距離を表しているようで、哀れである。  9月7日(日本時間8日の朝)に2020年のオリンピック開催国が決まる。それを各誌取り上げているが、内容的には五十歩百歩である。  ポストによれば現在の「票読み」はこうなっているという。 「●東京…東アジア、オセアニアを中心とした約3割前後 ●マドリード…欧州と南米を中心とした約4割強 ●イスタンブール…北アフリカや中東などイスラム圏を中心に約2割強」  1回目の投票で過半数を取る国はないだろうから、東京としては2・3位連合を画策して、招致を決めたいと、猪瀬都知事ばかりでなく、安倍首相も精力的に動いているようだ。  だが「東京決定」に大きな壁になるのが福島第一原発の「汚染水地獄」だと、毎日が巻頭特集を組んでいる。これが今週の第1位。毎日はこう書いている。 「安倍首相自ら先頭に立つ五輪招致も、ここへきて『黄色信号』(超党派の五輪招致議連の自民党議員)が灯っている。その原因は、東京電力福島第一原発の放射能汚染水事故を巡るつたなさだ。原子力規制委員会は8月28日、汚染水の国際原子力事象評価尺度の暫定評価を『レベル3』(重大な異常事態)に引き上げた」  原発問題への関心は、海外で非常に高い。 「たとえば、米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は『汚染水をコントロールできない』と痛烈に批判、英紙『インディペンデント』も『事故は収束できるのか』と疑問を呈した。また米CNNや英BBCなどの報道番組も専門家のインタビューなどをまじえ、『技術的、政治的に解決は困難』と報じている」(毎日)  外務省OBもこうも話している。 「海外の反応が高まり始めたのは、7月22日に東電が発表した“汚染水が海に流れた”という時点から。東日本大震災の瓦礫が太平洋を越えて米国にも流れ着いた。潮の流れや海産物には国境がない。そこへきてダダ漏れタンクの問題も発覚した。東電がやったこと、と釈明しても海外から見れば、すべて『日本政府の責任』になるのは当然です」  それなのに安倍首相には危機感がないと、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は語っている。 「福島第1原発からの汚染水漏れが明らかになった8月20日、安倍首相は山梨県のゴルフ場で山本有二衆院予算委員長らとゴルフに興じていた。汚染水問題に危機感が足りないのではないか。10月の臨時国会は間違いなく“汚染水国会”になる」  その上、2020年に首都直下型地震が東京を襲う危険があると、ポストが書いている。  防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がこう話す。 「貞観地震の9年後に、関東大震災クラスの南関東地震が起きている。史実は、震災の9年後にあたる2020年に首都直下型の地震が起きる可能性を示しているのです」  放射能に大地震の危険のある都市に五輪をやらせるのか? 私は難しいと思う。  ポストは開催が決まっても、放射能問題に敏感な外国人選手の多くが来ないこともあり得るとしているが、汚染水問題が処理できなければ、そうした声も上がるはずである。  五輪招致国はもうすぐ決まるが、もし東京に決まったとしても“茨の道”はその後も続くことになる。五輪よりも被災地の復旧・復興、原発事故の収束をこそ急がなければならないこと、言うまでもないはずである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「フクイチ汚染水漏れ」を扱うのは週刊朝日のみ……週刊誌ジャ-ナリズムは崩壊寸前?

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「週刊朝日」9月6日号 中吊広告より
今週の注目記事 1「故・吉田元所長の“遺言”を無視した東電の大罪」(「週刊朝日」9月6日号) 2「エイベックス松浦勝人社長『女とクスリ』」(「週刊文春」8月29日号) 3「馬券裁判男が使った『馬王』データ大公開」(「週刊アサヒ芸能」8月29日号) 4「知られざるニッポンの《公的差別》一覧」(「週刊ポスト」9月6日号) 5「消費税はやっぱり上げない? 安倍総理が財務省幹部に『君たちは切腹しろ』」(「週刊文春」8月29日号) 6「藤圭子さん 壮絶死の真相」(「週刊朝日」9月6日号) 7「IOC委員98人の票読み! さあ困った! 五輪が東京にやってくる!」(「週刊新潮」8月29日号) 8「美しすぎる『ファーストレディ』のゴルフスイング」(「週刊新潮」8月29日号)  ルポライターの日名子暁さんが亡くなった。体調が悪いとは聞いていたが、早すぎる死だ。  今井照容責任編集の「文徒」(2013年8月26日)で今井氏がこう書いている。 「日名子暁、言うまでもなく週刊誌ジャーナリズムの黎明期を支えたトップ屋である。特に創刊直後の『週刊ポスト』には『週刊現代』から移籍して深く関わった。別冊宝島の黄金時代でも活躍した。そうえいば、大学を中退しマナセプロで坂本九のマネジャーをしていた時代もある。南米、ジャパゆき、パクリ屋、パチンコ、裏社会など。ひたすら権威や権力とは無関係な方向にフィールドを求めたのが矜持だった。  そんな日名子暁さんが亡くなった。もしかすると、ルポライターという言葉がこれから死語になるかもしれない」  今週のグラビアで一番“衝撃的”だったのは、安倍晋三首相・夫人“アッキー”こと昭恵さんの写真だ。新潮のモノクログラビアにドライバーをトップに構えた写真が載っているが、このフォームがスゴイ。  私のようなヘタなゴルファーから見ても、素晴らしいのがよくわかる。プロゴルファーの沼沢聖一氏がこう評している。 「上半身がしっかりと捩れているのは下半身が安定しているから。ボールを左目で見る顔の角度も完璧です。素人の女性でここまで美しいトップを取れる人はいませんよ。90点は上げても良いですね」  安倍首相は口だけではなく、ゴルフでも妻には勝てないようである。  先日は現代が2020年の五輪開催は東京に決まったという“スクープ”を特集したが、今週は新潮が、どうやら東京になりそうだと報じている。これが注目記事の7。  だが現代のようにバンザイではなく、「さあ困った!」と喜んではいない。  スポーツ紙の五輪担当記者が、こう票読みをする。 「イスタンブールは、評価委員会の評価報告書でもかなり厳しく書かれ、まだ“時期尚早”と読み取れる。何より、5月末から続いている反政府デモの影響が大きい。第1回の投票では、イスタンブールが最下位。東京とマドリードの決戦投票になるという見方が圧倒的に多いですね」 「ズバリ、東京はマドリードに6割の確率で勝てると見ています」と話すのは、五輪招致委員会の幹部。 「IOC委員が最も多いのは欧州で40名超。欧州諸国はマドリード支持が多いと思われがちですが、東京は欧州票をかなり固めています。まず、24年に五輪招致を目指しているフランス(3名)とイタリア(3名)は、確実に東京に投票してくれる。マドリードで五輪が開催されれば、次は同じヨーロッパの可能性は低くなる。敵の敵は味方の論理です」  だがアジア票の中国(3名)、韓国(2名)、北朝鮮(1名)は見込めないし、中国の影響の強いアフリカ票(12名)も期待できないから、まだまだ予断を許さないようである。  新潮の言うように「百害あって利は僅少」の五輪よりも、震災復興、景気回復を急がなくてはいけないはずである。私は今でもマドリードが有力だと思っているのだが。  次は、藤圭子(62)の飛び降り自殺についての記事。69年に「新宿の女」でデビューし、70年には「女のブルース」「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットした。作家の五木寛之氏が彼女の歌を評して、彼女の歌は「演歌」ではなく怨みの歌「怨歌」であるといったことで、70年安保で挫折し、先に希望の見えなかった私のような若者たちに熱狂的に迎えられた。  「15、16、17と、私の人生暗かった~」と歌う彼女の「夢は夜ひらく」は、まだ青線の名残のある新宿ゴールデン街によく似合った。  自殺のニュースが流れたのが先週木曜日だから、現代、ポストはギリギリ突っ込んだはずだが、現代はかなり突っ込んだ取材をしている。だが、時間的な余裕のあった週刊朝日のほうが読み応えがある。  目の不自由な母親の手を引きながら、浅草、錦糸町を流していた藤の子ども時代を、芸能レポーターの石川敏男氏はこう語っている。 「藤が『ジャムパンを食べたい』というのを映画で共演した女優が聞いて買ってあげたところ、藤は『子どものころ、ずっと食べたかったけれど、食べられなかった』と言って泣きだした。夜になると藤がその女優のホテルの部屋に『寂しいから一緒にいて』と訪ねてきて、一晩中、それまでの苦労話を語ったそうです」 「藤が世に出るきっかけになった「新宿の女」の作詞をした石坂まさを氏は著書で、藤が売れ出した直後、両親がカネを無心しに来た話を明かしている。藤は両親から逃れるように、人気絶頂の71年、歌手の前川清と結婚。これを境に、芸能生活が暗転していく。『夫婦仲はすぐ冷め、前川は家で水槽の鯉をじっと眺めているばかりで、藤はその横でよそを向いている、などと言われました』」  その前川とは1年で離婚。28歳で芸能界引退を表明し、渡米する。82年にアメリカで知り合った宇多田照實氏と結婚。ヒカルが生まれる。  ヒカルは15歳でデビューするといきなり800万枚を売上げ大スターになっていくが、夫や娘との距離は次第に離れていってしまったそうである。  そして06年3月、JFK空港で米司法省麻薬取締官が藤が持ち込もうとした現金約4900万円相当を差し押さえる。麻薬への関与はなかったという主張は認められ、カネは返却されたが「異常な金銭感覚が世に知られることになった」(同)  その後も離婚を繰り返し、実の母とも疎遠になり、娘とも離れて東京へ戻り、人知れず新宿のマンションで30代の男と暮らしていたという。  06年に藤自らが電話して出演したというテレビ朝日のインタビューで、藤はこう話している。 「私はもう藤圭子でもなんでもない。(藤圭子は)お金もうけのために、人からもらった歌を歌って、喜びも悲しみもわかちあって、10年で幕を閉じた」  元夫の照實氏はTwitterで、4月に自殺した牧伸二についてこうつぶやいている。「福島被災者慰問で彼(牧)は『やんなっちゃった』って50年も言ってると本当にやになっちゃった。藤圭子も言ってます。救いのない歌詞を長年歌っていると何だか人生救いが無くなるって」  彼女の人生が、彼女の歌っていた歌詞の通りでいいはずはない。だが、彼女の訃報を聞いて、彼女らしい人生の閉じ方をしたのかもしれないと、思ったのも事実である。  宇多田ヒカルが公式サイトで、こうコメントしている。 「彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました」「母が長年の苦しみから解放されたことを願う」「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」「悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、笑っている彼女です。母の娘であることを誇りに思います」  藤が生きているとき聞かせてあげればよかったのにと、思わざるを得ない。  安倍首相が8月15日に靖国神社へ参拝しなかったことが、さまざまな臆測、批判を呼んでいるが、来年4月に8%にアップする消費税も、どうやら上げない方向に舵を切ったらしいというのが、週刊誌大方の見方のようである。  文春は11日間に及ぶ長い夏休みを取った安倍首相が、「消費税3%に懸念を表明している内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授とゴルフをしたり、慎重派の中川秀直元幹事長と食事をしたりするなど、(財務省の=筆者注)規定方針通りにはいかせないことを匂わせている」(政治部デスク)と報じている。  このところ読売新聞の渡邊恒雄主筆が、消費増税に反対の態度を取り始めていることに自信を深め、ブレーンの高橋洋一嘉悦大学教授も「凍結を判断すれば支持率が上がり、政治的にもスーパーパワーを持つことが出来る。悲願の憲法改正も近づくことになる」といっている。  スーパーパワーを持つかどうかはわからない。株は1万3,000円台をうろうろし、円高も思ったほど進まない。一方で輸入品の値段は上がり続け給与は上がらないのでは、増税凍結は当然の帰結であろう。  注目記事の4はポストの記事。来年度から70歳になる人の医療負担が2倍になったり、43歳以上の女性は「出産不適格」とみなされ、不妊治療の助成を制限する。1961年4月生まれ以降は、それ以前に生まれた人と比べると大幅に年金が減額されるなど「公的差別」が甚だしいと怒っている。  ポストの言い分はこうである。 「見落とせないのは、国家が『格差』をつくり出す背景に、国民の不安を分散させる『分断統治』の状態をつくり出す狙いがあることだ。  年金でいえば、政府があえて『得する世代』と『損する世代』という世代間格差を作ることで、すでに年金を受給している60歳以上の3000万人は、現役世代の負担がどんどん増えても“得させてもらっている”という負い目から政府を批判できない。健康保険料の地域格差も同じ構造だ。  そうやって社会保障制度に対する矛盾や不満から国民が結束することを防ぎ、真綿で首を絞めるように負担を増やしていく。『格差を是正するのは国民のため』といいながら、本当は官僚や政治家に都合のいいシステムを維持するために社会に官製差別がつくられ、上塗りされているのである。  たとえ国民はそれに気づいても、容易には変えることができない。  官僚が心血を注いで築いたこの差別のメカニズムこそ〈国民を不幸にする日本というシステム〉の根底にある病巣なのだ」  世代間格差などという、官僚や政治家たちの悪巧みに乗せられてはいけないこと、言うまでもない。  アサヒ芸能に、競馬ソフトを駆使して約5億7,000万円の払い戻しを受けていたことを「脱税」とされ、裁判を受けたA氏の馬券戦術のことが載っている。判決では外れ馬券も経費と認められ、脱税額は5,000万円に減額された。  競馬ファンには参考になるはずだ。 「被告人は回収率に影響を与え得るファクターについて、それが回収率と普遍的な傾向が認められるか否かを、予想ソフトの機能を用いて検証した。その結果、回収率との関係に明確・普遍的な傾向が見出せないファクターについては、ユーザー得点(独自の設定により導き出された出走馬の得点)に反映させなかった。前走着順、競走馬の血統、騎手、枠順、性別及び負担重量など、最終的に約40のファクターを採用した」(判決文より一部要約)  A氏は競馬のさまざまな予想ファクターの一つ一つを検証して、回収率を高めることができるデータに着目し、出走馬に独自の得点を定めていたというのだ。  A氏が使っていた競馬ソフトは、JRA-VAN(JRAの競馬予想サービス)のビッグデータを取り込める予想ソフト「馬王」である。それに「JRDB社」のデータも使用していたという。「JRDB社」の奥野憲一氏がこう話す。 「的中率軽視で回収率に注目した結果、約5レースに一回当たれば利益が得られるような馬券購入スタイルを構築したわけです」  さらに奥野氏は、こう続ける。 「A氏は持ち時計やコース実績など、数値化できる予想ファクターを吟味していたと思います。逆に、当日のパドックや返し馬といった、具体的な数値に置き換えられないファクターは無視していたようです。また、裁判でも明らかになっていたようですが、新馬戦や障害戦を買わなかったのは、実力判断におけるデータが不足していることと、落馬や気性的なトラブルによる不測の事態を懸念してのことでしょう。そのわりに1番人気の勝率が高いわけですから、理想的回収率の妨げになる。購入しなかったのは当然の策でしょうね」  競馬ライターの後藤豊氏も、こう言う。 「A氏の狙いはオッズ5~7番人気の馬だったようです。また、穴馬を見つけた場合、普通は総流しをかけたくなりますが、A氏は購入馬を予想ソフトで得点の高い5~6頭にしぼり、馬連や馬単など複数の買い方をしていたのです」  また、馬単で断然の人気馬を1着固定で流しても、馬連と配当は変わらず、妙味がない。逆に、人気馬の、いわゆる“ウラ目”買いは、馬連の3~4倍になることもよくあるから、妙味ありだという。  それでもA氏の07~09年の3年間の回収率は104%である。これほどの知識や実践力があっても、競馬で儲けるのは至難の技であると、アサ芸は結んでいる。  よくわかるな~、その気持ち。  芸能界のスキャンダルをやらせたら文春に敵うところはどこにもないだろう。その文春が今週は芸能界の雄・エイベックスの松浦勝人社長に噛みついている。 「EXILE、浜崎あゆみ、安室奈美恵、倖田來未ら多くの人気アーティストを抱えるエイベックス(エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社を持ち株会社とするエイベックス・グループ。以下同)は、一九八八年に松浦氏らによって設立された。貸しレコード屋のアルバイトから始め、同社を東証1部上場の日本を代表するエンタテインメント企業に成長させた松浦氏は、若手起業家の鏡として経済誌にも取り上げられる。創業からちょうど四半世紀を超えた今、二〇十三年三月期決算では売上高一千三百八十七億円、営業利益は百四十億円、ともに過去最高を達成した。今では『夢を実現したカリスマ経営者』『クリエイティビティの天才』と称賛される」(文春)  そのカリスマが女性好きで、クスリにも手を出しているというのだ。松浦氏の自宅パーティによく出ていたという常連が、こう語っている。 「地下一階は完璧なダンスクラブになっていて、DJブースと大きなソファが四つ並んでいました。中央にミラーボールが煌めいていて、参加者や社員が踊り狂うんです。松浦さんはそこで酒を飲むと、エレベーターで2階に上がり、そこは八十インチ以上もあるテレビがあって、大音量で音楽を流していました。  中央に彼の特等席のソファ、右側に三つのベッドルームがありました。連れてきた女の子をそこに連れ込んで、セックスをする。で、ことが終わると、ニヤニヤしながら戻ってきて、大麻を吸うんです。それがパーティーのパターンでした」  松浦氏の友人もこう話す。 「長い間、大麻とコカインは常習していましたね。あとMDMA(合成麻薬)が好きで、懇意にしているヤクザにそういった薬物の調達を頼んでいました」  今をときめく芸能界のカリスマに薬物疑惑。だが以前にも、文春がやった沢尻エリカの薬物疑惑の際、彼女に松浦氏が「ドラッグならいつでも用意できる」という発言をしたと報じたが、エイベックス側は「事実無根」だと回答するだけで、名誉毀損で訴えたりはしていないようである。  今回の記事に対して、松浦氏はどういう反応をするのだろうか?  このところの週刊誌に抱いてる私の不満は、大事なことに目をつぶり、どうでもいいことばかりにページを割いていることだ。  たとえば、秘密保全法案がそれである。朝日新聞(8月24日付朝刊)でこう報じている。 「安倍政権は秋の臨時国会に提出する秘密保全法案で、国の機密情報を漏らした公務員らへの罰則を最長で懲役10年とする方針を固めた。対象となる情報は防衛や外交など安全保障に関する4分野で『特定秘密』と指定されたもの。同盟国の米国などと情報共有を進める必要があるため、漏洩(ろうえい)に対して厳罰化を図る」  告発サイト「ウィキリークス」に米外交公電などを流出させてスパイ罪などに問われたブラッドリー・マニング上等兵(25)に、禁錮35年の判決が言い渡されたが、アメリカ・オバマ大統領が、機密漏洩に対して厳罰化で臨んでいるのと同じ流れにある。  国家の秘密を漏洩した者は許さないという「脅し」をかけて、自分たちのやっている悪事を国民に知らせないという企みは、国民の知る権利に抵触し、憲法違反にもなるはずである。  こんな法律ができたら、メディアに情報を漏らす公務員はいなくなる。新聞はもっと反対キャンペーンをやらなくてはいけないのに、個人情報保護法の時と同じように、動きが鈍く、まるで当事者意識がない。週刊誌には残念ながらもっとない。  福島第一原発の汚染水たれ流しは由々しき事態であるが、ほとんどの週刊誌が触れようともしないのは、雑誌ジャ-ナリズムの死を予感させる。  特集で扱っているのは、朝日だけというていたらく。「冷やし中華大研究」(ポスト)に割く5分の1でもこの問題に触れるべきではないか。そこで今週は朝日を1位に推す。  フクイチ幹部が、吉田昌郎元所長(享年58)がこう語っていたと話す。 「吉田氏は病床でも汚染水の問題を気にしていて、『一歩間違えると取り返しのつかない惨事になる』『レベル3や4の事故が再び起きてもおかしくない』と語っていたんです」  その言葉通り、東電は8月21日までに汚染水が地下水を通じて海に漏れ出していたことをようやく発表し、漏れ出した放射性ストロンチウムが最大10兆ベクレル、セシウムは最大20兆ベクレルという天文学的な数値を公表したのである。  言うまでもなく、東電のずさんな汚染処理への対応とコストをケチったことが、これほどの深刻な事態を招いているのだ。  これから周囲の土地を凍らせて原子炉建屋への地下水の流入を防ぐ「凍土方式」の遮水壁を建設するというが、その効果は未知数だという。  京大原子炉実験所の小出裕章助教がこう語る。 「原子炉が冷えるまでには、あと何十年もかかる。遮水壁でせき止め続けると、行き場を失った地下水の水位が上昇し、周囲はいずれ汚染水の沼地になってしまう。貯水タンクを置く場所も早晩、足りなくなる。水での冷却を続ける限りトラブルは止まらず、いたちごっこになるでしょう」  いまだに有効な手を打てない東電と安倍政権には期待しても仕方ないが、吉田元所長のこんな予言が実際のものになるとしたら、福島周辺はもちろん、日本の周辺海域が放射能汚染水で死の海になってしまうかもしれないのだ。 「一つがダメになると、連鎖的に瓦解する。原発が次々と爆発したように……」  「福島第一原発の危機は終わっていない」「国民の知る権利を封じる秘密保全法案に反対」という特集が載る日を、心待ちにしているのだが。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「第2の原子力ムラ」と化した製薬業界の闇と、寄生する“マスゴミ”の醜態

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「週刊ポスト」(小学館)
今週の注目記事1 「問題の薬品メーカーとベッタリだった日経の『言い訳』」(「週刊現代」8月31日号) 「東大教授が爆弾告発!『白い巨塔は第二の原子力ムラと化した』」(「週刊ポスト」8月30日号) 同2 「中国人社員に機密文書を盗まれた日本の有名企業30社」(「週刊現代」8月31日号) 同3 「中国・韓国は日本を千年恨み続ける」(「週刊ポスト」8月30日号) 同4 「amazonが日本の大新聞を買収する日」(「週刊ポスト」8月30日号) 同5 「ニッポン郷土大紛争『あの町だけは許せねェ!』」(「週刊ポスト」8月30日号) 同6 「死ぬことは怖くない 死後の世界は必ずあるから」(「週刊現代」8月31日号)  土曜日(8月17日)に発売された現代とポスト。現代は特大号ではないが特別定価で420円。ポストは400円。私が買った中野駅の「NEWDAYS」では現代がポストの倍積まれてあったが、20円の差は響かないのだろうか。  現代のW袋とじ。一方は「中島知子 衝撃のフルヌード」。これはフライデーの二番煎じ。  もう一つの「新企画 動くフルヌード 壇蜜の美乳を揉みまくる」は何が動くのかと思って開けたら、何のことはない。壇蜜主演の映画『甘い鞭』のURLがあって、そこへ飛べば週刊現代独占の動画が見られますという仕掛け。  だが、ポストの「武井咲 美しすぎる20歳」もどうということはない。  前半後半合わせて16ページのポストの大特集は「丸ごとエロ実話 投稿雑誌『性生活報告』の世界」。この雑誌、購読者は70歳以上という性生活報告雑誌で、発売元はサン出版。現在も部数1万部以上を誇る熟年投稿雑誌だという。  たしかに熟練の作家にはない生々しさはあるが、この猛暑の中では読む気が起こらない。  読む気が起こらないということでいえば、残念だが週刊朝日は丸ごと読む気が起こらない。この雑誌は読者のほうを向いて作っていないのではないか。そう思えてならないほど、今号は読むところがなかった。  さて、今週の注目記事の最初は“時期もの”で死後の世界を扱った特集からいこう。  人間死んだらどうなるのかは人類最大の疑問である。死後の世界は必ずあるというのは京都大学こころの未来研究センター教授のカール・ベッカー氏。 「文化に関係なく、あの世のイメージで最も多いものは、『花園』『庭園』『広い草原』、そして『トンネル』です。ただ、あの世とこの世の境が日本では三途の川ですが、砂漠地帯のアラビアなどでは臨死体験者の多くが『燃える砂漠』があったと証言しています。また、海に囲まれたポリネシアでは『荒れた海』が、切り立った崖が多いスコットランドでは『断崖絶壁』が、あの世との境界になっている。こうした現象を、バリア体験と呼んでいます」  ベッカー氏は51年、米国シカゴに生まれ、ハワイ大学で宗教哲学の博士号を取得後、大阪大学、筑波大学の教員などを歴任。92年に出版した『死の体験──臨死現象の探求』(法蔵館)は、作家の遠藤周作氏から「臨死体験について書かれた最高の一冊」と絶賛された。  こんな奇跡があったと現代が紹介している。 「当時15歳の少年・A君の事例だ。A君はある日、学校帰りにバスを降りたところで自動車にはねられ、頭蓋骨から脳の一部が飛び出すほどの重傷を負い、49日間も生死の境をさまよった。  だが50日目、奇跡が起きた。意識が戻ったのだ」  ベッカー氏が駆けつけ、A君から話を聞いた。 「私が会ったとき、A君は人工呼吸器も外れ、話ができる状態になっていました。彼いわく、意識を失ってる間に“暗いトンネル”を3回ほど通ると長い“川”に出て、船でその川を遡った、と。すると向こう岸に“花園”が見えたので、船を降りてそこで遊ぼうとした。ところが、知らないお爺さんが出てきて『お前はXか』と聞かれた」  Xというのはその少年の名前だ。話を続ける。 「話を聞いたA君のお母さんは、その容姿や動作、話し方が、自分の祖父に非常に似てることに驚き、A君に古い写真を見せました。A君はそれまで、曾祖父と会ったことも写真を見たこともなかったはずなのに、写真を見るや『この人だ』と言ったのです」  人は死を恐れる。だから死の直前、死の恐怖と苦痛を緩和するために、脳はその主に一種の“夢”を見せるのだという考え方もあるそうだ。  だが、死の淵から生還した多くの人たちがいっていることにも何らかの“真実”があるのではないだろうか。死ねば無である。そう考えている私でも、ちょっぴり死後の世界を信じたいと思っている。ベッカー氏はこういっている。 「先に亡くなった肉親らがお迎えに来るのだから死はまったく怖くない。それを知れば、残される人も『いずれ愛する人のところに行ける』と安心し、死に対する恐怖が減ります。肉体は死んでも、故人の意識は別の世界に行くのだという気持ちになれば、日本でしばしば起きる、遺族の後追い自殺などの悲劇もなくなるでしょう。病気と闘うのは良いが、死と闘おうとしても勝てません。少々の延命はできても決して死は直せないのだから」  この記事を取り上げようと思ったのは、私と一緒に仕事をしていた講談社の元『フライデー』編集長で現・編集総務局長の谷雅志さんが亡くなったからでもある。享年58歳。8月16日の通夜に行ってきたが、講談社関係者はもとより、彼の人脈の広さを示すように、門前仲町駅近くの富岡斎場は人であふれた。  現代の「音羽の杜から」で藤田康雄編集長はこう書いている。 「谷雅志さんが亡くなった。享年58歳。谷さんは新入社員時代の小誌デスク。一番印象に残っているのは、渡辺謙氏インタビュー。取材窓口の対応はけんもほろろ。谷さんに相談したら、2~3本電話をして、あっという間に取材のアポをとってくれた。その人脈は政界、財界、芸能界、至るところに張り巡らされて、色んな人を紹介してくれた。どうすれば谷さんのような編集者になれるのか、途方に暮れた新人時代を思い出す」  この歳になると、自分より若い人の死は応える。  ポストで小沢一郎氏のインタビューを多くしていた渡辺乾介氏も亡くなった。享年69歳。彼とは若い頃よく一緒に遊んだ。当時から政界通で、多くの人脈をもっていた。  宮崎吉政さんのところの秘書をやっていた今村富也さん、中曽根康弘総理の秘書だった築比地さんたちと一緒に、赤坂、銀座を飲み歩いたものだった。何をやっても面白い時代だった。  そういえば谷さんの通夜でフライデーの編集者からこういわれた。 「元木さんが以前、フライデーが休刊するかもしれないと書かれたので、社外から問い合わせが多く来て大変だったんですよ」  私の真意は、休刊しないよう頑張ってという励ましのつもりだったが、編集部には少し迷惑をかけたようである。ここでお詫びしておく。  ポストの「ニッポン郷土大紛争」が意外におもしろい。  NHKの大河ドラマ『八重の桜』は明治維新を「敗者」である会津藩の視点から描いたものだから、新政府軍の中核である長州藩が会津に対して行った仕打ちが残酷なものとして描かれている。だが約150年の時を経ても長州山口県と会津福島県の遺恨は、現在に至ってもまだ続いているのは有名である。  日本全国、そうした「郷土紛争」ともいうべき争いが各地であるというのだ。 「青森vs.八戸の津軽藩、南部藩の時代からの小競り合い」青森や弘前は津軽藩で八戸や下北半島は南部藩。八戸の人は戊辰戦争であっさり官軍に寝返った津軽藩は信用できないと考えているそうだ。 「山形vs.宮城の『牛肉醤油味』vs『豚肉味噌味』芋煮対決」。芋煮は牛で醤油味が基本。豚で味噌味というのは芋煮というより豚汁だ山形県人はいっている。 「浜松vs.宇都宮の『餃子の街』を賭けて激突」。浜松が06年に突然「餃子の消費量日本一」と名乗りを上げたのには驚いた。戦後引き上げてきた兵隊が中国で覚えてきた餃子を作って広まったという説があると、宇都宮の餃子日本一、こっちのほうがおいしいと譲らない。  他にも「山梨vs.新潟の信玄vs.謙信の『川中島の戦い』の恨みが今も」「大分vs.群馬の『おんせん県』の名称を巡って大バトル」「兵庫vs.大阪の阪神タイガースの“地元”を巡ってファンが大論争」「高崎vs.前橋の新幹線停車駅と県庁所在地はどっちが都会?」「山梨vs.静岡の世界遺産・富士山頂はどっちのもの!?」「彦根vs.薩摩の今も残る『桜田門外の変』の恨み」「兵庫vs.愛知の『赤穂浪士』と『吉良上野介』の怨念」などなど。  アマゾンのジェフ・ベゾス氏(49)が2億5,000万ドルでアメリカの名門新聞ワシントン・ポスト紙を買収したニュースは世界に衝撃を与えた。  その2日前にはボストン・グローブ紙が7,000万ドルで身売りすると発表していた。  ポストはアマゾンが日本の新聞の買収まで目論むのではないかと報じている。 「もはやジリ貧だった。アメリカの日刊紙発行部数は、80年代まで6200万部を保っていたが、ネット登場後に激減し11年には4442万部へ激減。ワシントン・ポストも最盛期の半分の40万部に落ち込んでいた。  皮肉にもそこに手をさしのべたのが、ネット企業の王者、アマゾンCEOのベゾス氏だっただけに買収劇は憶測を呼んだ」(ポスト)  今回はベゾス氏個人の買収だが、彼は何を考えて買収したのか。東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦氏はこう語る。 「アマゾンにとって、世界中の人々の購買データは最大の財産。新聞社を持てればアマゾンの持つ顧客データがさらに拡充される。読者がどんな記事を選び何に興味があるのかを把握すればe-コマース(電子商取引)は更に進化する」  顧客データだけではなく、アマゾンのコンテンツの充実を考えていると話すのは、在米ジャーナリスト北丸雄二氏だ。 「アマゾンキンドルに配信するコンテンツの1つ、キンドル・シングルズ(短編電子書籍)に力を入れている。これは新聞や雑誌の記事としては長く、かといって単行本としては短い、1万語~5万語未満の作品を、5ドル未満で販売するというもの。ベゾスはワシントン・ポストの記者にもシングルズで作品を発表させて、この流れを加速させたいのではないか」  米国の印税は25%未満だが、シングルズは70%にもなる。先の佐々木氏はこういう。 「すでにアマゾンの出版部門アマゾンパブリッシングには30人弱の編集者がいて、自前でコンテンツを配信できる態勢を整えている。小売業同様、メディアの“中抜き”を狙ってるのかもしれない」  振り返ってみれば、日本の新聞の部数減、電子版購読者の少なさは悲劇的でもある。  朝日新聞の公称部数は760万部。いずれ来る500万部時代を想定して地方支局縮小に向けて動いているという。  朝日は電子新聞を2年前から導入した。表向き10万突破といっているが、単独で電子版を購読しているのは1割に満たないようである。 「今年5月、アメリカのネット大手AOL傘下のハフィントン・ポスト・メディアグループと合弁会社を作り、ハフィントン・ポスト日本版を開始。ニュースやブログをベースに、ユーザーが意見を交換する参加型コミュニティという触れ込みだったが、期待を大きく裏切った。 『なかなかページビュー(PV)が上がらず早くもハフィントン・ポストへの出資は“大失敗”という声が上がっている』(ジャーナリストの山田順氏)  朝日は紙にかわる新たなプラットフォーム作りを模索するがいずれも失敗。もちろん厳しい状況にあるのは他社も同じだ」(ポスト)  それに比べてウォールストリート・ジャーナルは全購読者208万のうち約4割の89万人が電子版の読者。ニューヨーク・タイムズは190万人の購読者のうち110万人が電子版購読者。  いずれも購読料は月約20ドル(約2,000円)で、日本の半分。日本の新聞界はアメリカに比べて10年遅れているともいわれているそうである。 「いずれ新聞社がアマゾンのコンテンツサプライヤーに成り下がる可能性は否定できない。前出の朝日新聞関係者は呟く。 『発行部数を維持できなくなり、電子版も伸びない新聞社が、アマゾンに記事を配信する“下請け”と化す。これはアマゾンが直接、日本の新聞社を買収するよりも現実的かもしれない」(同)  さらに日本の新聞には弱点があり、さらに悪いシナリオが考えられるというのは北丸氏だ。 「日本語で作られる新聞は海外への訴求力に乏しい。日刊新聞法(51年に施行された法律。新聞社の株式譲渡に制限が加えられているため、買収されにくい=筆者注)に守られているため世の中の動きにも鈍感。欧米からも相手にされず気づいたら根元から腐って再起不能、といった事態にもなりかねない」  このままでは日本の新聞、出版に明日はなさそうである。  安倍晋三首相は8月15日に靖国に参拝するかどうかが注目されていたが、結局見送った。当然ながら「弱腰」だという批判が出ているが、ポストはこう難じている。これが注目記事の3番目。 「6年前の首相在任当時、靖国神社を参拝しなかったのは、『行かなかった』のではなく、険悪化していた日中関係を配慮すると、『したくても参拝できなかった』のだ。しかし、振り返ると、当時の私の判断は『痛恨の極みだ』。今回こそは、中国や韓国の反発を承知した上で、万難を排して参拝する」  安倍はこういう主旨のことをいっていたではないか。 「そう決意しながら、なお参拝を回避したのだから、今回の不参拝はできなかったのではなく、安倍首相が積極的に参拝しなかったといえるだろう」(ポスト)  その上、不参拝を中国側に連絡していたのだから二重の裏切りだと切り捨てる。それはこういうニュースを8月7日のTBSが報じていたからである。 「安倍政権内部では、安倍総理、麻生副総理、菅官房長官、岸田外務大臣の4人については、15日に参拝しないという方針を固めていたことが明らかになりました。(中略)政府関係者によりますと、安倍総理ら4人が参拝しないという方針は、複数のルートで非公式に中国側に伝えているということです」  こうした報道に対して、安倍首相は説明責任があるはずだが、夏休みをとってオバマ流にゴルフ三昧だという。  私は、参拝しなかったのは賢明な選択だと思うが、あれだけ靖国に参拝しなかったことを悔やんでいたのに行かなかったことは、安倍熱烈支持者にとっては「裏切られた」という思いがあるのであろう。結局、この人の“弱腰”“決断力の無さ”は生まれつきで、治る見込みはないようである。  次の注目記事は、現代の日本の大手企業内部文書が大量に中国人によって盗まれていると告発している記事。  以下は中国トヨタ社員の「月別査定基準」と題された資料である。 「出社後にオフィスで朝食を食べた社員は、0.5点減点。就業時間中に勝手に外出した社員は0.5点減点。遅刻早退は1回ごとに0.5点減点。就業時間中に私的な長話をしたり、私的なインターネットやゲーム、株式情報のチェックをした社員は1回発見されるたびに1点減点。オフィスで食べ物を口にしたり、退社時に消灯やパソコンの電源オフ、ロッキングを忘れた社員は、3点減点……」  中国には「百度(バイドウ)」という検索エンジンがあるが、その中のデータ共有サイト「百度文庫」に、膨大な日本企業の資料が流出しているのだという。  現代の取材に対してトヨタ自動車は「現在、事実関係を確認中で、今後は適正に対処します」(同社広報部)、ソニーは「サイト運営会社に対し、不適切なものについて削除を依頼しました。流出対策としては、社員教育を徹底させていきます」(同社広報センター)と答えている。  中国における知的財産権保護問題の第一人者・分部悠介弁護士によれば「私たちが調査した中では、全体の78%は従業員漏洩型」だそうだ。  中国人には自分の会社の文書を他へ渡すことなど、何の痛痒も感じないのだろう。  中国の日系企業9,000社を顧客とする会員制日本語ビジネス月刊誌『日商快訊』の発行人である深セン在住の加藤康夫氏は、日本人の危機管理が甘過ぎるとこう話す。 「例えば、わが社の会員データが入ったパソコンは、LANに繋いでおらず、インターネット回線すら繋いでいません。さらに厳重に施錠し、『このパソコンは厳重に保管されている』と記した顧問弁護士の証明書をパソコンの脇に貼っています。中国ではパソコン一台にしても、そのくらいの警戒心を払わなければ、容易に情報漏洩してしまうのです」  上海にある日系の人材派遣会社の幹部が退職し、その際3万人もの会員データをコピーして、このデータを持っていることを売りにして再就職活動をしていた。面接の時、日本人面接官が「違法入手ではないか」と指摘すると、私は誰もがコピーできるものを持ち出したに過ぎないので、違法行為ではないと答えたという。  広東省の複数の日系企業の顧問弁護士をしていた日本語の堪能な中国人が、仲間と密かに特許会社を設立。顧客の日系企業の先端技術を次々に入手し、中国で特許を取ったり中国の同業企業に売り歩いたりしていたそうだが、これなぞ立派な犯罪ではないか。  先の加藤氏がこうも話す。 「中国はカネがすべての社会なので、カネになるものなら基本的に何でも流出します。特に日系企業の最先端技術に関する機密は危険です。中国企業は、技術を開発する時間と労力を省略するため、日系企業の機密情報をカネで買おうとする傾向が顕著だからです」  自分の愛人だった中国人女性が会社の最高機密をもって退社し、機密を買い取らなければ「ある機関に持ち込む」と脅しをかけたケースもあったという。  ベテランの中国人弁護士はこう言う。 「上海一帯の公安にとって、日系企業の動向は、何よりも欲しい情報です。なぜなら、3,000人の工場を拡張するのか閉鎖するのかといった情報は、地元の雇用と税収、消費などに直結する重要問題だからです。そのため、日本人社長に愛人がいると分かると、その愛人をカネで釣って工作員に仕立てあげていく。これが最近のハニートラップのパターンです。愛人以外にも、ギャンブル好きだったり、借金を抱えているような日系企業の中国人幹部がいれば、公安はすかさず忍び寄ってきます」  中国でビジネスをするというのはつくづく難しいと思う。  今週の注目記事の1番目は、現代とポストがやっている「製薬業界」の闇の問題である。  スイス大手製薬会社ノバルティス(以下ノバ社)が、日本で販売する降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を依頼した京都府立医科大学に寄付金を出し、同社の社員が身分を伏せて統計解析を担当していて、データの捏造や改ざんをしたのではないかと言われている。  このノバ社は病院だけではなく、メディアへもジャブジャブカネを流し、自分たちに都合のいい記事を書いてもらっていたのだと、現代は告発している。 「このバルサルタンが大問題を引き起こしている。効能の証明として09年に京都府立医科大学が発表した論文の、『血圧を下げる以外に、他の降圧剤より脳卒中を45%、狭心症を49%減らす効果がある』という研究データが、ノバ社の元社員によって不正に操作されていたのだ。  論文発表以来、その効能が関心を呼び、また日経メディカル誌上でのキャンペーンも奏功して、毎年1000億円以上を売り上げ、ノバ社のドル箱商品となったバルサルタン。しかし、その効能がとんだインチキだったと判明したのだから、医療界、さらに薬を服用していた患者に与える衝撃ははかり知れない。  東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大においても元社員の研究への関与の可能性が指摘されているノバ社。同社は現在、今月9日に始まった厚労省による検討委員会によって、一連の疑惑を追及されている。  だが、忘れられていることがある。この薬を専門誌上で宣伝しまくった、日経の責任である」(現代)  日経BP社が発行する医療専門誌「日経メディカル」は、バルサルタンを賛美した企画記事や関連記事、ノバ社からの広告で相当潤ったという。  現代の試算によれば、09年から現在までに、少なくとも1億円以上の金が「日経メディカル」に広告収入として入った計算になるという。  その上、厚労省が立ち上げた、ノバ社の疑惑を検証する検討委員会のメンバーに、当の日経BP社の社員である宮田満氏が含まれているというのだ。  宮田氏の選出によって委員会の信頼性を失うとするのは、同じく検討委員に選ばれたNPO法人臨床研究適正評価教育機構理事長の桑島巌氏である。  また日経BPの認識は甘過ぎると批判するのは弁護士で企業コンプライアンスの専門家・郷原信郎氏だ。 「今回の問題は、バルサルタンのプラスアルファの効能に関する研究データの不正操作にあった。そのため『誇大広告の禁止の規定』(薬事法)への抵触が考えられます。(中略)  いずれにせよ、刑事事件にまで発展する可能性がある悪質なものです。日経は、ノバ社との利害関係が疑われているという自覚を欠いていると言えるでしょう」  先日、慶應大学病院の近藤誠氏にビジネス情報誌『エルネオス』のインタビューで会ったが、その際もこの問題が出た。近藤氏はこう語っている。 「ノバルティスの問題で言うと、あれは試験に製薬会社の社員がかかわって統計解析までやっていたのに、そのことを公表してなかったことが問題だと、まずそこから始まりました。利益相反とは両方の代理人になるという意味なんだけど、一人の人間が製薬会社の代理人で論文を書く人でもあるというのは利益相反行為です。  多くのがんの論文を見ると利益相反だらけなんです。なにしろ製薬会社の社員が何人も堂々と著者の欄に名前を連ねている。本来、製薬会社の社員が統計解析にかかわってたら、それはおかしいと、その論文は排除されるべきなんだけれど、実際にはそういう論文が欧米の超一流雑誌に載ってしまう。だから次々に出てくる新薬というのは全然信用できないわけです」  製薬メーカーを頂点に、病院、医師、官僚、それにメディアまで絡め取られている構図は、原子力ムラと同じなのである。  ポストでは東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門で、医療ガバナンスを研究している上昌広特任教授が、白い巨塔は「第二の原子力ムラと化した」と告発している。  薬価は政府が一律に決めて、製薬会社は自由な値引き競争ができない。そこで以前は、医者たちを飲ませ食わせする「接待合戦」が行われていたが、最近は製薬協(日本製薬工業協会)が定めたガイドラインができたため、おおっぴらな接待ができなくなった。そこで製薬会社が考えたのが「奨学寄付金」だという。 「奨学給付金とは、製薬会社から大学に研究費を提供できる制度で、バルサルタンの臨床研究も、ノバルティスファーマ社から提供された奨学寄付金が使われました。京都府立医大など5大学に対して支払われたのは計11億3290万円にものぼっています。  奨学寄付金は一見、研究支援のように聞こえますが、実態は製薬会社の営業経費です。大学担当の営業担当者が持っている予算で、自社製品の処方と引き換えに、“研究に使ってください”と医師に持ちかける。読売新聞の拡張員が巨人戦のチケットや洗剤を持っていくのと同じです」  また今回の事件の背景にはこういうことがあるという。 「バルサルタン事件に加担した教授たちは予算がなく、製薬会社の言いなりにならざるを得なくなった。その一方、東大や国立がん研究センターは予算があるから、まともに研究しない医師は余ったカネを不正に使う。予算配分や価格統制権を一部の官僚たちが握ってしまってることの弊害です。(中略)  いまこそ、医療業界の膿をすべて出すべきです。すべての問題を徹底調査し、もう一度医療への信頼を取り戻さなければなりません。  原子力ムラの経年劣化が、福島第一原発事故という悲劇を招いたといわれます。次々と発覚する医療問題は、官僚、大学、製薬会社がつくりだす『白い巨党ムラ』が崩壊を迎えつつある予兆なのかもしれません」  原発の次には医療という巨大なムラを解体し、利権をむさぼる輩たちを一掃しなければいけない。もちろんそこに寄生しているマスゴミも含めてである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

TBS安住紳一郎アナに、初のセックススキャンダル「コンドームとキャベツ太郎と、美人OL」

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「週刊文春」8月8日号 中吊広告より
今週のグランプリ 「シャブ&飛鳥の衝撃」(「週刊文春」8月8日号) 今週の注目記事 「CM出演『一流女優たち』は白斑化粧品を使っていたのか?」(「週刊新潮」8月8日号) 「裏切りの総理官邸を『ヘイトスピーチ』が包囲する日」(「週刊ポスト」8月16・23日号) 「スクープ 大逆転!2020年オリンピック 東京に内定」(「週刊現代」8月17・24日号) 「安住紳一郎の元カノ告白『コンドームとキャベツ太郎の夜』」(「週刊ポスト」8月16・23日号) 「週刊現代VS.週刊ポスト『袋とじ対決』」  8月4日から5日にかけて福島県の川内村へ行ってきた。川内村は約4割が原発20キロ圏内で、避難指示解除準備区域、居住制限地域など複雑に分かれている。  村の復興対策課の井出寿一課長に、3.11当時の「何度も死を覚悟した」緊迫した状況の話から、帰村が認められた地域でも、まだ半数以上の人たちが戻ってこない現状まで、ユーモアも交えて話していただいた。遠藤雄幸村長とも、短時間ではあったが話をすることができた。除染作業は進んではいるが、まだ農業地域は0.2%程度で、村民が生活していくための企業誘致もいくつかは進んでいるが、雇用数でいったらまだわずかである。  帰りに富岡町から楢葉町を川内村の知人に案内してもらって回ったが、地震、津波、原発被害の三重苦に見舞われた町は、被害当時の爪痕を残したまま静まりかえっていた。  楢葉町だったと思うが、荒れ果てた海岸の壊れた堤防のすぐ後ろに、ポツンと一棟だけ残っている3階建ての白亜の豪邸がある。知人によれば、キムタクがサーフィンをやるために建てた家だそうである。震災前には、たびたびキムタクがサーフィンをやっている姿が目撃されたという。頑丈に造られたのであろう。ほかの家屋は流されたり潰されたりしたのに、その豪邸だけが、外見からは何事もなかったかのよう仁王立ちしている。だが、主のいないその豪邸は、津波の被害のすごさを後世に伝えるモニュメントのように思えた。  6日、広島市で平和記念式典が開かれたが、松井一實市長の平和宣言がなかなかよかった。核兵器を「非人道兵器の極みであり、『絶対悪』」とし廃絶を訴え、政府が進めているインドとの原子力協定交渉に懸念を表明したのである。  そのときの、安倍晋三首相の顔をしかめるような表情が見物であった。原爆で多くの住民が殺されたにもかかわらず、核の平和利用という偽りの美名によって多くの原発を作り続け、福島第一原発事故という最悪の結果を招いた。それなのに、また原発再稼働に踏み切ろうとしている安倍自民党政権への批判の声を、もっと強めていかなければいけない。「世界第3位の経済大国日本は、自らが作り上げた原発のために亡びた」と、世界の国の歴史教科書に書かれないためにも。  今週は現代とポストが合併号である。まずは、二誌の売り物である「袋とじ企画」の勝者を決定してみたい。  現代は「史上もっとも危険なグラビア 世界初 3Dプリンタで作った触れる外陰部」。ポストは「医学のための女性器写真」。ともに女性のアソコに絞った企画である。  あわよくば、袋とじを開ければアソコの実物写真が飛び出してくるのではないか。当然ながら、そういう期待は見事に裏切られる。  現代は3Dプリンタという、いま最も注目されているIT機器と女性器を結びつけたところに「苦心の跡」がうかがえる。  ポストのほうは、かつて8330もの女性器を写真に撮った「禁断の医学書」があったという前ぶりで、あたかもその医学書を掲載しているかのように書いているが、そのようなものを掲載できるわけはない。  多少苦心の跡がうかがえるということでいえば現代に分があるが、どっちもどっちもであろう。それよりも現代のカラーグラビア「最高のヌードコレクション」の関根恵子と鰐淵晴子がいい。何度も見た写真ではあるが、いま見ても色あせていない。  ポストの「秋吉久美子」もだいぶ古いものがあるが、こちらも見て損はない。  今週の注目記事の最初はポスト。TBSのエースアナウンサー・安住紳一郎氏(40)のセックススキャンダルである。  元カノが告白しているのだが、話しはやや古く、出会いが04年の秋で、4年ほど続き自然消滅したという。いくら当代人気の独身アナとはいえ、少し可哀想な気がするほど告白内容は赤裸々である。彼女は33歳の美人OLらしい。少し紹介してみよう。 「安住さんは警戒心が強い人なんですが、それはエッチの時も同じ。必ずコンドームを着け、行為が終わった後は精液の溜まったゴムをじっと眺めます。そしてゴムの口を縛ってブンブンと振り回すんです。何をしているかというと、ゴムに穴が空いていないかをチェックしているんです。(中略)  家でイチャイチャしていて、いざ、という雰囲気になった時、ゴムがないことに気づいたんです。わたしはこのままでもいいかなって思ったのですが、彼はサッと下着を穿いて、“コンビニまでダッシュするよ”と、家を飛び出していきました。(中略)それだけを買うのが恥ずかしいのでしょう。缶ビールや缶チューハイと一緒に大好物の『キャベツ太郎』というスナック菓子を買ってきていました。それを4、5袋も買い、一晩で食べきっていました」  安住アナの用心深さが、彼女選びにも発揮されていたらと思わざるを得ない。これから安住アナは「キャベツ太郎ちゃん」と呼ばれること必定であろう。  お次は現代の“大スクープ”。何しろ、2020年のオリンピックの開催地に東京が決まったというのだから。  このところの現代の“勇気”には、驚かざるを得ない。アベノミクスで株高・円安が始まった頃、いち早く株を買えと煽り、一時は日経平均株価が4万円もあるぞ! と大きくタイトルを付けて、ビックリさせられた。  直後に株の暴落が始まると、今度は一転して株を買うな、アベノミクスは危ないという記事を、読者への説明責任なしに始めたのには、こちらも拍子抜けした。  それから比べると、今回の記事はそれほどの大博打ではない。候補地はトルコのイスタンブールとスペインのマドリードと東京の3都市だけだからである。確率は3分の1。悪い賭ではないが、猪瀬直樹都知事がほかの候補地を“批判”する発言などもあり、東京の確率は少ないと思っている私のような者には意外な報道だ。  さすれば、よほどの根拠があるのかと読んでみたが、どうしてこれで東京に内定したといえるのか、という内容である。  要は、招致推進議員連盟の会長を務める麻生太郎副総理兼財務大臣が「確たる情報を得ているのでしょう」(現代)というだけなのだ。9月7日のIOC総会の投票で決定されるが、大勢は決したと、財務官僚たちが開催決定を前提に動き出しているというのである。  イスタンブールはトルコ情勢が不安定なため、私もどうかなと思っているが、マドリードがダメだという理由の中に「スペインでは7月24日に列車事故が起き、79名もの死者を出したばかり。(中略)オリンピックにおける大量の人員輸送を考えれば、鉄道の安全対策不備は大きなマイナス要因となった」(現代)というのは肯きがたい。  東京だって、福島第一原発事故の影響で放射能汚染の心配がある。外国から見れば、福島と東京は指呼の距離であるはずだ。  誌面の大半は、決まったとしたらどんなことが起きるのかということに割かれている。前提があやふやなので、これ以上読み進める気にならない。  東京の可能性はゼロではないと思うが、合併号の巻頭特集としてはいかがなものであろうか。現代OBとしては、当たることを祈ってはいるが。  ポストは、安倍首相がこれから行おうとしていることは、彼を支持してきた人たちへの裏切りになると難じている。  対中国姿勢について安倍首相は、「変節」してきているという。口では「尖閣問題で譲歩してまで、中国との首脳会談をやる必要はない」と言いながら、外遊先では「中国の首脳と親しく話し合える日を期待している」などと発言し、帰国すると事務方のトップである斎木昭隆・事務次官を訪中させるなど「明らかに日中首脳会談に前のめりになっている」(ポスト)というのだ。  またTPPでも、アメリカとの事前協議で、日本車にかける輸入関税(最高25%)の撤廃を最長10年猶予するという大幅譲歩をしてしまった。  保険業界は長年、自民党に多額の政治献金を行ってきたのに、参院選が終わるや、かんぽ生命がアメリカのアメリカンファミリー(アフラック)と業務提携して、郵便局の窓口で同社のがん保険を販売すると発表してしまったのである。  公明党に対する裏切りは社会保障制度改革だという。自民党は国民の負担を増やしながら福祉を切り捨てていく政策を実行しようとしているが、さらに、都市部の高齢者を地方に移す「現代の姥捨山」政策が官邸の産業競争力会議で議論されているというのだ。  ポストはこう結ぶ。 「国民はそう遠くない将来、この政権が“安倍バンザイ”と叫んでいた人々から突き上げを食う光景を目にするだろう」  そうなっても与党独裁、野党はないに等しい現状では、負け犬の遠吠えを吠え続けるしかないのかもしれない。  新潮は、カネボウの美白化粧品のCMに出ていた「一流女優たちは白斑化粧品」を使っていたのかという“皮肉”な特集をやっている。こういう目の付けどころがいい。  この化粧品のCMに出ていたのは、知花くらら(31)や深津絵里(40)、藤原紀香(42)、中谷美紀(37)などである。 「知花くららの事務所の担当者に聞くと、『知花がその化粧品を使用してるかどうかということや、契約の内容に関しては答えられません。知花の肌はいたって健康です』  深津絵里の事務所は、『契約に関することは一切答えられません。深津が使用していたかどうかもお話しできません。こちらから申し上げられるのは、確かに09年に深津が“ブランシール スペリア”のCMに出演していたということ、深津の肌には問題はないということ。事務所にクレームなどは入っていないということだけです』」  カネボウ化粧品の広報部は「契約期間の間、タレントが出演するブランドの商品を積極的に使用するよう最善の努力を行うようお願いしています」と答えているが、大金を払っていた女優たちが自社の製品を使っていないのでは、ガッカリしたことだろう。  某化粧品会社販売員も、こう語っている。 「彼女たちが普段はカネボウの化粧品を使ってないからでしょう。CMで紹介している商品を使っていないなんて、と一般の方は驚かれるかもしれませんが、これは化粧品業界では常識なのです。律儀にCMの商品を使っている女優さんのほうが稀だと思います」  カネボウ化粧品は、基礎化粧品の品質では世界ナンバーワンといわれ、社員たちもそれを誇りにしていたそうだ。その誇りが崩れてしまった今、再びカネボウ化粧品への信頼を築くのは容易ではあるまい。  今週は久しぶりにグランプリが出た。文春の「シャブ&飛鳥」はタイトルもさることながら、内容的にも衝撃度は高レベルである。  人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAが、クスリ漬けだというのだ。  ASKAが覚せい剤を吸引しているビデオが「一部の暴力団関係者など、闇ルートに流出している」(文春)そうで、以下はその映像の描写である。 「映像はシンプルな部屋を映し出す。あまり物を置いておらず、掃除が行き届いている清潔そうな室内には、中央に三人掛けの大きなソファが置いてある。その真ん中にゆったりと腰掛けるのは大物人気デュオ『CHAGE and ASKA』(以下、チャゲアス)のASKA(飛鳥涼、本名=宮崎重明、55)だ。(中略)  ASKAはテレビで見るようなシャープな輪郭ではなく、顔が病的にむくんでいる。そんなASKAに何者か分からない男が、『はい、これ』と言って、小さなビニール袋に入った何かをテーブル越しに手渡す。少し前かがみになって受け取るASKA。白い結晶のようなものが光っている。ASKAは慣れた手つきでビニール袋を指でなぞるように確認し、かたわらにある透明なガラスのパイプを取り出した。  その動きに淀みはないが、終始無言でピリピリとした緊張感が漂っている。ビニール袋から白い結晶のようなものをパイプに入れたASKAは、軽くパイプを口にくわえた。その後、右手でライターを取り、おもむろにパイプを下から火であぶると、結晶が気化した白い煙を深く吸い込んだのだった。  一服するとASKAはソファーの背もたれに深く体を預け、足を大きく開いて座りなおした。その姿勢のまま目を閉じ、まるで霊的な気体を吐くように口をゆるませ、恍惚の表情を浮かべた」 「CHAGE and ASKA」は大学在学中に結成され、ヤマハ・ポプコンで入賞した「ひとり咲き」でデビュー。91年に「SAY YES」が300万枚の大ヒット、93年には「YHA YHA YHA」がダブルミリオンを記録している。  しかし、デビュー30周年の2009年1月に「無期限活動休止」を発表し、事実上解散していたが、今年1月、唐突に復活を宣言してファンを喜ばせた。だが6月になって、ASKAの事務所の公式ホームページで、ASKAの体調が悪いため延期すると発表していた。  ASKAのクスリ疑惑は、知る人ぞ知るだったようだ。  そのきっかけは、札幌に拠点を置く山口組系暴力団の山本(仮名)だというである。山本とASKAは中学時代の同級生だった。ASKAと親しい芸能関係者がこう語る。  「ASKAは山本にクスリの手配を依頼し、山本は頼まれたブツを持ってわざわざ北海道から東京に来ていました。またASKAは6年前に札幌円山公園近くのタワーマンションを購入し隠れ家にしていて、山本は頻繁にそこを訪れているのです」  ASKAはコカインやマリファナも好きで、くだんの山本によると、シャブをひと月に30グラムも使用しているという。麻薬Gメンによれば、ヘビー麻薬常習者でもひと月4~5グラム程度だというから、相当な末期麻薬中毒者であろう。  だが、その山本ともカネのことで揉め、件のビデオはその山本が隠し撮りしたというのだ。  ASKAの体を心配したCHAGEがライブの延期を言い出し、ASKAが殴りつけたという情報もある。確かに、文春のインタビューに答えるASKAの言葉は支離滅裂で、聞き取りにくい。だがクスリで揉めていることには、こう答えている。 「──山口組系暴力団員からクスリのことでゆすられていると聞いていますが。 『(少し間があり)……そうそう、それはね「お金を貸してくれ」って言われたの。それで、俺は嫌だって言ったらね。「嫌だ」って。そうそうそうそう、それで揉めただけでぇ』」  以前から言われていることだが、芸能界の麻薬汚染は相当に拡がっているのは間違いない。警察は動くのか?  ASKAの所属事務所は1日、公式サイトでこう否定した。 「報道内容は事実に反しており、大変遺憾です。弊社としてはこれらの報道に対し、厳重に抗議します」  しかし「厳重抗議」ではなく、事実でないなら告訴すべきであろう。ASKAの音楽生命が絶たれるかどうかの瀬戸際である。この事務所の対応からも、この問題の深刻さがうかがえる。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

“痴漢で検挙”の警視庁元スゴ腕刑事を黙殺した、大手メディアの罪 

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「週刊現代」8月10日号 中吊広告より
●今週の注目記事 「スクープ 痴漢で『検挙』された警視庁の元スゴ腕刑事 知ってて報じなかった新聞・テレビ」(「週刊現代」8月10日号) 「カネボウ美白化粧品 被害者告白『体がマダラになっていく恐怖』」(「週刊文春」8月1日号) 「現代の『八つ墓村』山口金峰5人殺しで囁かれる『平家落人伝説』と『祟り』」(「週刊ポスト」8月9日号) 「参院選“仁義なき”裏ドラマ」(「週刊文春」8月1日号) 「池上彰さん選挙特番の『タブーなき質問』」(「週刊ポスト」8月9日号) 「中国『闇金バブル』崩壊 アベノミクスがけし飛ばされる」(「週刊ポスト」8月9日号) ●ワースト 「史上初の快挙『アノ声が出る袋とじ』作りました」(「週刊現代」8月10日号)  現代の軟派特集はまたまた外性器ではない「外陰部」。こちらはどうということはないが、グラビアでは「じぇじぇじぇ! 開けてビックリ 史上初『声が出る袋とじ』」をやっている。  早速、女のあえぎ声が聞こえてくるのかと開いてみたが、なんのことはない、URLが書いてあって、そこにアクセスすると、グラビアで裸になっている「野乃」という女性が自ら朗読してくれるという仕掛けである。  試しに聞いてみたが、素人の語りで、ちっとも興奮しない。早かったせいもあるが、見に来ている人数は1ケタ台だった。私も同じようなことを十数年前のインターネットマガジン「Web現代」でやったことがあるが、朗読のプロを使いもっと本格的だった。もう少し工夫をしてほしいという思いを込めて、ワーストにした。  注目記事の5番目は、このところ話題になっている中国の「影の銀行」問題に言及しているポストの記事。  「影の銀行」とは、簡単にいえば、当局の規制下にある通常の銀行とは違う金融業態の総称で、一部には日本でいわれる「闇金融」に近いものもあるという。  「影の銀行」の融資手段は、主に2つあるそうだ。 「1つ目は『理財商品』と呼ばれる財テク金融商品だ。運用会社が組成して、銀行窓口で販売され、主に個人が購入する。集まった資金は、中小企業や、不動産やインフラ開発を行う地方政府のダミー会社『融資平台』に融資される。2つ目は『委託融資』と呼ばれるものだ。お金が余っている大手国有企業が余剰資金を銀行に預金し、そのお金が銀行の紹介で中小企業や『融資平台』に融資される」  委託融資とは銀行の迂回融資であるケースが多いようで、銀行が大手企業に非常に安い金利で過剰融資をして、その金がまた銀行に預けられ、高金利で中小企業や『融資平台』に融資されるやり方だという。  これが中国版「リーマンショック」になる可能性大だというのである。  ポストによれば、中国のヤミ金バブル崩壊は2つのレベルで中国を揺るがすという。 「1つは一般大衆の生活に直接ダメージを与えることだ。財テク商品の購入者の多くは中間所得者層以下の一般市民。銀行の預金金利がインフレ率よりも低いことがあるため、預金すればするほど損をしかねないのが中国の現状だ。だから、彼らは生活資金までも影の銀行での運用に回しているケースが多い。彼らがダメージを受ければ個人消費の大きな落ち込みは避けられない。(中略) もう一つは、銀行まで経営危機に陥り、金融危機が起こることだ。『先に述べたように、銀行が大企業を挟んで“迂回融資”しているという側面がある。融資先の地方政府が放漫経営をして経済が滞ったりすれば、企業が連鎖倒産し、さらには銀行にも倒産危機が広がる可能性があります』(金融ジャーナリスト・永山卓也氏)」  そうなれば、アベノミクスなどけし飛んでしまうというのだ。アベノミクスどころか世界大恐慌にもつながる大変な事態になり、中国経済そのものが大打撃を受けることは間違いない。上辺だけのアベノミクスに浮かれていないで、万が一を考えておくことは、現代に生きる者として大事なことであろう。  お次は、7月21日に投開票が行われた第23回参議院選挙についての記事。投票率は前回よりも5.31ポイント下がって52.61%という、「戦後3番目」に低いものだった。  自民党が65議席(選挙区47議席、比例区18議席)を獲得して第一党に返り咲き、公明党の11議席(選挙区4議席、比例区7議席)と合わせて過半数を上回る135となり、参議院における“ねじれ”は解消した。  一方の野党は、民主党が結党以来最少となる17議席(選挙区10議席、比例区7議席)と惨敗。日本維新の会・みんなの党も議席は伸びず、共産党だけが5議席増の8議席と躍進した。  当然ながら、両院で圧倒的多数を占めた安倍首相の動向に注目が集まっている。来年の消費税3%引き上げはあるのか。8月15日の靖国公式参拝はするのか。憲法96条を改正して憲法9条を含めた全面的な憲法改正に踏み込むのか。尖閣諸島問題で話し合いさえできない中国との関係はどうなるのか。  全体的に見て、文春のワイド特集が読みごたえがあったと思うので、文春を中心に他誌も紹介してみよう。  まずは消費税問題。文春では安倍首相の経済ブレーンである浜田宏一イェール大学名誉教授と本田悦朗静岡県立大教授が、共に「一気にプラス3%となる増税は慎重にすべき」だとしている。さらに本田教授はこう話す。 「いま、アベノミクスで希望が見えつつありますが、本当に一気にプラス3%となる増税に耐えられるのかは疑問です。まだ、駆け込み需要も含めた見せかけの数字に過ぎない。 日本は財政再建を真剣にやっているんだと内外に示しつつ、よくなりつつある景気の中折れを防ぐには、消費税を1%ずつ、5年間かけて上げていくというのが一番現実的です」  だが、もしこれをやるとなると「新法」を制定しなくてはならないそうである。  そうなれば、昨年苦労して三党合意をまとめた谷垣禎一総裁(当時)をはじめとする派閥領袖クラスがこぞって猛反発することが予想され、ことはそう簡単ではない。  現代はモスクワで開かれたG20(主要20カ国・地域財務相中央銀行総裁会議)に出席した麻生太郎副総理兼財務相が「消費税増税は予定通りやりたい」と宣言したことで、増税を「国際公約」にしたことを重視し、政治ジャーナリスト山田惠資氏がこう読む。 「消費税増税に関しては、安倍首相が前回のG8サミットでドイツのメルケル首相から注文を受け、OECD(経済協力開発機構)は日本に消費税の引き上げを求めています。さらに、財務省も圧力をかけており、結局安倍首相は、『消費税増税やむなし』と決断することになるでしょう」  個人的には、幕末の志士気取りの安倍首相は、増税やむなしに傾くのではないかと思う。  次に靖国参拝問題。文春は「参拝の時期に関しては総理自らが適切に判断されるでしょう」(安倍側近の衛藤晟一首相補佐官)と、判断保留している。  この問題で新潮は、さる官邸関係者にこう言わせている。 「彼は、2016年夏の衆参ダブル選挙で勝利した上での長期政権を目指しています。したがって、一歩間違えば命取りになりかねない『歴史問題』には、16年まで本格的に手をつけるつもりはありません」  だが、第1次政権時代、靖国参拝できなかったことは「痛恨の極み」と常々言っている安倍首相だから、政治ジャーナリストの山村明義氏のように「ラストチャンスは、10月17日から20日までの秋の例大祭です」(新潮)と見る向きもあるようだ。新潮は、この問題で悩む安倍首相をこう評している。 「真夏の選挙戦を制した安倍総理だが、靖国参拝に腐心し、身悶える、寝苦しい夏の夜はまだ続きそうだ」  憲法改正については、今のところ公明党が慎重である。新潮で政治評論家の浅川博忠氏が、こう解説する。 「創価学会の中でも、憲法九条の改正を絶対許さないという立場を取っているのが『婦人部』です。公明党は、護憲ではなく“加憲”という立場ですが、その中身は環境やプライバシーに関するものばかり」  安倍自民は公明党が改憲に賛同しない場合は、改憲に前向きな維新やみんなの党と手を組めばいいから、公明党は苦しい立場に追い込まれるかもしれないと新潮は見ている。  現代も「首相は周囲に、『憲法については急がない』などと話しているという。だがその意味は『急がない』だけで、やる気は十分ということでもある」と、任期中にやってくる可能性はあると見ている。  戦後最悪といわれる中国・韓国との関係については「ニューズウイーク日本版」(7月30日号)が「安倍外交、半年間の通信簿」でこう書いている。 「中国政府は東シナ海における覇権の拡大という長期的目標の追求を続け、安倍はそれを阻止する手を打てずにいる。日中双方に譲歩する気がなく、それぞれの立場に固執するばかりだ。さらに安倍政権は、いわゆる尖閣防衛について、アメリカからこれまで以上に踏み込んだ発言を引き出せずにいる」  日韓関係もお先真っ暗な状態だから、評価はCと厳しい。  安倍首相関連はこれくらいにして、参院選のこぼれ話を拾ってみよう。新潮は日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、9月29日に投開票される堺市長選で負けるようなことがあれば、次はないと報じている。  この選挙では橋下市長の政策の中核である「大阪都構想」が争点になるからだ。だが、現職の竹山修身市長は「大阪都構想」に反対の立場をとっているため、引きずり下ろさなければならないのだが、この時点で候補者さえ決まっていない“異常事態”なのだそうである。  東国原英夫氏の擁立も検討されているというが、敗色濃厚のようだ。もう一人の共同代表・石原慎太郎氏がトボトボと東京・広尾の路上を歩いている写真が新潮に載っている。  選挙戦のラスト3日間、一度も街頭に出なかった石原氏だが、広尾の病院で診察を受けていたという。この姿から見ても、代表の座を退くのは時間の問題だろう。  その維新から立候補し、当選を果たした“燃える闘魂”アントニオ猪木氏が24年ぶりに永田町に戻ってくる。  70という年齢、政策らしきものが何もないこのタレントに、年間2,400万円の議員報酬と1,000万円を超える文書通信交通滞在費が支給され、6年間で収入は総額2億円を超えると新潮は書き「それも国民の度量か」と嘆息している。同感ですな。  文春は猪木氏の妻子はアメリカにいて、選挙期間中は「愛人」同伴だったと報じている。この人、今もスキャンダルの宝庫である。  その文春でブラック企業と批判キャンペーンされたワタミ前会長の渡邉美樹氏は、自民党の全国比例18議席のうちの16番目でなんとか当選を果たした。  その渡辺氏、よほど文春が憎いのか、選挙中にFacebookにこう書き込んだと文春が報じている。 「ワタミの桑原豊社長が応援に来てくれました。『週刊文春なめんなよ!!』ダメだって桑原さん、Facebookでそんなこと言っちゃ…(笑)」  ところがこの文章は、30分もたたずに削除されたそうだ。文春対渡辺のバトル第2ラウンドは永田町に移ったが、先が楽しみである。  東京選挙区・第3位で堂々当選したのは共産党の吉良よし子氏。12年ぶりに共産党は議席を取り戻した。彼女は選挙中、ワタミをはじめとするブラック企業追及を舌鋒鋭くしたと文春が書いている。  彼女は共産党とも思えない美形で、支持者たちからアイドル的な存在として人気があり、支持者たちは彼女の写真集まで制作したそうだ。『KIRAry☆Diary』と題された写真集は、発売10日で1,000部が完売した。彼女はブラック企業についてこう語る。 「労働者を生きていけないような状態に追いやっている。人を燃料のように使い捨てるやり方は、同じ人間として許しがたいんです」  文春の言うように、国会で渡邉氏との対決が楽しみである。  今回の選挙で一番注目を集めたのは、やはり東京選挙区から出馬した反原発の星・山本太郎氏であろう。見事4位当選を果たしたが、新潮は山本氏の横にいるべき夫人の姿が見えないと訝っている。  彼女は選挙中も、山本の母親とフィリピンに滞在していたそうだ。新潮がその理由を聞くと、こう答えている。 「僕ひとりでも殺害予告されているんです。だって(妻が姿を現せば)マトが2つになっちゃうじゃないですか。僕が直接狙われなくても、あちらが狙われると……その手には乗りません!」  大変な覚悟で挑んだ選挙だったようである。  みんなの党の渡辺喜美代表は相変わらず、妻のまゆみさんの尻に敷かれているようだ。東京都議選で議席を増やしたため、まゆみさんが「もっと候補者を擁立すべき」だと言い出し、バタバタで候補者を擁立したため、多くが惨敗してしまった。  党ナンバー2の江田憲司幹事長が「候補は役員会で決めるべきだ」と主張しても、渡辺代表は聞きもせず、江田氏が党を出るという話まで出ているというのである。野党再編の口火を切るのはみんなの党かとウワサされているそうだが、いっそのこと奥さんを代表にしたらいいのではないか。  ポストは選挙特番で民放視聴率トップだった池上彰氏が聞くはずだったが、相手が出てこないため「幻の質問」に終わったいくつかを紹介している。  丸川珠代氏(自民)に対しては、 「07年の参院選の際、期日前投票をしようとして選挙人名簿に登録されていないことが明らかになりました。これはテレビ局勤務時代の海外赴任から帰国した後、3年間転入届を出しておらず、投票権が消失した状態だったためです。ということは、05年の衆院選も07年の都知事選も投票に行かなかったですよね? ご本人にその確認と、最近は投票に行ってますか? と聞いてみたかったですね」  石原慎太郎氏(維新)については、 「今回の選挙で維新が思うように伸びなかったのは、橋下さんの例の発言(慰安婦)が響いているのだと思います。その点、石原さんが橋下さんのことを見るとき、困ったヤンチャ坊主だと思う一方で、憎みきれないという顔をするんですよね。ですから政治的な意味ではなく、石原さんの個人的な橋下さんへの思いを聞きたかったですね」  渡邉美樹氏(自民)には、 「番組のVTRの中で、“たまたま1つの事故を取り上げてブラック企業だと責められるなら、日本中には千・万のブラック企業がある”とおっしゃったんですね。でも、それは開き直りなのでは? 自分の会社の社員がたった1人でも自殺をして、それが過労死だと認定を受けたことに対する責任なり、言葉がないのでしょうかと質問したかったですね。それと渡邉さんは以前、都知事選に出ている。今回は参院選。都知事と参議院議員の仕事は当然違いますよね。一体あなたは何をやりたいのか? という問いに対する答えを聞きたいですね」  池上氏が注目される理由がここにある。  現代の八つ墓村かと騒がれた、山口県金峰郷(周南市)で起きた5人殺し事件をポストが報じている。この事件、75年前に同じ中国地方の岡山県津山市の農村で発生した「津山30人殺し」事件を彷彿とさせるというのである。 「作家・横溝(正史)の『八つ墓村』のモデルである同事件は、結核で徴兵検査丙種合格(実質的に不合格)となった21歳の無職青年・都井睦雄が、結核伝染を恐れる村人から冷たい仕打ちを受け、その恨みから故郷に復讐しようと思い立ったとされる。計画は周到かつ残虐だった。午前2時前、頭に懐中電灯を二本縛り付けた都井は、夜陰に乗じて村民たちを日本刀と猟銃で殺害。さらに育ての親である祖母の首を斧で刎ねた。約1時間半の間に30人がほぼ即死の状態で命を落とした。ちなみに凶行を終えた都井は、村を見晴らせる高台に登り、そこで自らの胸にピストル当てて自死している」(ポスト)  この金峰集落は、平家の落人たちが逃げ込んだ地域だというが、今では典型的な限界集落である。 「周南市役所によれば、6月末時点で金峰郷には8世帯14人が住んでいたという。男性7人、女性7人。そのうち60歳未満は3人しかいない超高齢過疎地帯である。今回亡くなった5人の被害者も、70歳を優に超えている。『ここの主要産業は林業で、その林業に付随した産業としてのシイタケ栽培も盛んでした。でも、そういった産業が斜陽化してくるに伴い、過疎化が進んでいきました。現時点では具体的な復興策も見つかってない』(周南市役所中山間地域復興課)」  犯人も63歳。この村に住む家の次男坊として生まれ、中学卒業と共にこの村を出て、神奈川県に行ったという。  30年たって、職を捨てて老親の面倒を見るために村に戻った。だが、老親も亡くなり、長く離れていたため村の人々とは断絶があったようだ。「都会から隔絶された限界集落でのさらなる孤立」(ポスト)が、惨劇に結びついたのではないか。  ノンフィクション・ライターにとって格好の素材ではないか。  次は文春のカネボウについての記事。短い記事だが、カネボウ側には激震を与えたのではないだろうか。  カネボウの売り出した美白化粧品で、肌がまだらに白くなる白斑の被害が拡がっている。 「カネボウ化粧品(東京都中央区)は23日、自主回収中の美白製品について、19日までに肌がまだらに白くなる「白斑」の症状があるとの申し出が2250人あったと発表した。 今月4日の自主回収発表後、10万人を超える問い合わせがあり、6808人が肌の不安を訴えた。このうち、『3カ所以上』『5センチ以上』『顔に明らかな白斑』という重い症状を訴える顧客は2250人にのぼった。自主回収発表時に把握していたのは39例だった」(7月24日付朝日新聞朝刊)  文春は被害女性の生々しい告白を掲載し、「カネボウにとって最大のミスは2011年に『白斑』を発症した顧客からの相談を“黙殺”してしまったことだろう」と批判している。  文春の発売が24日。カネボウは今月4日に自主回収を発表しているが、被害が広範囲に拡がっているのを公表したのは、文春発売前日の23日である。文春に書かれることを察知したカネボウ側が、一日早くしたと思えないこともない。  カネボウを傘下に持つ花王の株価が急落し、事態の深刻さを浮き彫りにしている。  新潮と現代が警察の不祥事を追及している。読みごたえ、注目度は現代が上なので、こちらを今週の第1位に推す。  新潮の記事も紹介しよう。  ことは09年の名古屋場所、角界の木瀬親方が一般には販売されていない“維持席”を、山口組の中核団体・弘道会の幹部に手配していたことが発覚した。  その捜査に当たったのが本田敦警部(仮名)だったが、以来、脅迫電話が頻繁にかかってくるようになった。それも妻や娘の実名を出して「どうなっても知らないよ」と脅す。そのために本田の自宅は覆面の警察車両が配置されていたが、その任に当たっていた班の名前まで正確に知っていたことで、本田警部はこう確信した。「県警に内通者がいる」と。  この脅迫を指示したのは佐藤義徳(55)という男で、名古屋を中心にファッションヘルスやキャバクラを展開する風俗チェーンの実質オーナーで、弘道会の有力資金源とみられていた。  一昨年4月、弘道会のナンバー2と共に詐欺容疑で逮捕されている。  佐藤の公判で先の話も出てきているし、県警OBが検察側証人として出廷し、佐藤に頼まれて警察の動向や捜査情報を教える見返りに、飲食の接待や現金をもらっていたことを証言している。  佐藤の元愛人は佐藤から「なんでもカネで買える。警察の人間もカネで買っている。一番ランクが上の人を2000万円くらいで買ったこともある」と聞いたと証言しているのである。  しかし県警は、疑惑を持たれた警官の口座も確認することなく、OBに至っては触ってもいないと、県警関係者が語っている。愛知県警と組織暴力団との深い闇は、まだまだ晴れそうにないようである。  さて、現代は警視庁の元スゴ腕刑事が「痴漢で検挙された」にもかかわらず、報じなかった新聞・テレビを批判している。  この事件は6月18日の午後7時頃、東武東上線池袋発川越方面行きの急行電車車内で起きた。車内は満員状態だった。電車が成増に近づいたところで、車内に女性の叫び声が響き渡った。 「この人、痴漢です!」  声の主は女子高生で、隣には60代半ばの男。女子高生は周囲の男性の協力を得てこの男を取り押さえ、駅事務所に向かった。普通であれば、痴漢容疑者は駅事務所を経て所轄の警察署に身柄を引き渡され、ほぼ間違いなく逮捕されるのだが、このケースは違ったという。  所轄である警視庁高島平署の捜査員は女子高生にも件の男にも事情聴取をせず、男はそのまま帰宅が許されたというのである。  その謎を解くのは、この男の素性にある。この男、捜査員の先輩に当たる警視庁の元スゴ腕刑事だったからだ。耐震偽装事件で名を上げたことがあるそうだ。それだけではない。現高島平署長は、この男の直属の部下だったのである。  この事件を知っているマスコミは数社あるそうだが、どこも報じていない。それはこの男が「検挙」であって、逮捕されていないからだが、現代はJR西日本の執行役員が痴漢で逮捕されたときと違いすぎると批判する。  執行役員の場合、警察が発表した数時間後に新聞・テレビが一斉に実名で報じた。役員は逮捕から4日後、公園で首を吊って自殺してしまった。  あまりにも違う、今回の警察とマスメディアの扱いの違い。新聞・テレビは警察が発表するまで書きはしないから、現代はこう難じる。 「身内の犯行なので、事件をうやむやにしたい警察。警察の都合の悪いことは報じたくない新聞・テレビ。この国は、いつでもこんな感じなのである」  痴漢犯罪は被害者が「この男が痴漢です」と言えば、裁判でそれを覆すことがなかなか難しい。私は、この元刑事が「冤罪」である可能性もあると思うが、一般人と警察関係者の扱いの違いには憤りを感じる。  確かにメディアの対応に問題はあるが、痴漢犯罪という難しい事件が、警察が逮捕して発表したからといって、メディアが裏取りもせず実名報道していいのかという点にも言及すべきだったと、現代にも注文を付けておきたい。 (文=元木昌彦)

『失楽園』渡辺淳一が週刊誌“老人セックス”特集に渇「死ぬまでセックスなんてできるわけないだろ!」

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「週刊新潮」7月25日号 中吊広告より
今週の注目記事 「のたうつ赤龍『中国』の凄まじき貧富」(「週刊新潮」7月25日号) 「親友を殺害した広島県16歳『スケバン少女』の複雑家庭」(「週刊新潮」7月25日号) 「自民党圧勝!『終わり』の始まり」(「週刊ポスト」8月2日号) 「江川卓『大谷くん、藤波くんに伝えたいこと』」(「週刊現代」7月27日・8月3日号) 「『激安ニセモノ食品』が危ない 回転寿司チェーン編」(「週刊文春」7月25日号) 「ポストよ!そろそろ『死ぬまでSEX』はやめたらどうだ」(「週刊ポスト」8月2日号)  週刊朝日まで、50歳からのセックスについて「1,000人対象に緊急アンケート実施 50歳からの恋愛に本当に必要なもの」という特集をやっていたが、結論は「50歳からの恋愛に最も大切なものを7項目から選んでもらったところ、『セックスの相性』を挙げた女性1.4%、男性9.6%。なお、この質問で一番多かった選択肢は男女共に『思いやり』」であった。  現代はまだまだいけると「死ぬまでセックス 攻撃編 男たちよ、このすごい体位で圧倒せよ──ただし、ケガに注意」というものすごい特集をやっているが、ポストは自虐的なタイトルのつけ方が面白く、こちらを注目記事に選んだ。  作家の渡辺淳一さんに老人のセックスについて聞いてみたが、怒られたそうだ。 「『あなたたちは、何もわかっていない』  開口一番、本紙記者に向けられたのは、お叱りの言葉だった。これまで『失楽園』や『愛の流刑地』など数々の官能的な恋愛小説を世に送り出してきた渡辺淳一氏。本誌の大人気企画『死ぬほどセックス』シリーズにぜひご登場願いたいと、取材に応じてもらったのだが……。 『死ぬまでセックス? そんなことできるわけがありません。人体というもの、雄というものが、何もわかっていない。「ポスト」を作っているのは30~40代か、せいぜい50代の男性でしょう? 70、80の男の何がわかるのかね?(中略)男性は勃起と射精に囚われすぎています。もちろん自分のペニスを女性の中に挿入したいと思う、これは男本来の願望でしょう。挿入して、射精しないかぎり満たされないと考える、人間の雄とはそういう生き物です。しかし、だからといって『死ぬまでセックスしたい』なんていうのは完全に間違っています。勃起して射精するというのは、大変なエネルギーと労力、そして気力が必要で、そんなことを死ぬ直前までできるわけありません」  渡辺氏も、年をとったらセックスより、優しく声をかけたり、肌を愛撫することが重要だと語る。現代の編集長も、70、80になればわかるのだろうか。  ポストが過日報じた、世界27カ国に2,000万人の会員を持つ不倫相手紹介SNS「アシュレイ・マディソン」が、日本でも瞬く間に登録者が殺到し、その後も順調に増やして7月17日現在、登録者は25万人を突破し30万人に迫りつつあるという。サービス開始後に記録した登録者数の増加ペースは、これまでこのSNSが進出してきたどの国よりも早い「新記録」だったというのだ。  この国の“セックス死ぬほど好き老人”の数は、確実に増えているのであろうか。  お次は、文春の「『激安ニセモノ食品』が危ない」キャンペーン。今週は「回転寿司チェーン」を取り上げている。  まずは、都内の回転寿司チェーンに8年間勤めているA氏の言葉。 「うちの店は、シャリに乗せるだけでいい形に調理加工された寿司ネタを仕入れています。半分は外国産冷凍パックのものです。中国やタイ、ベトナム、ロシアや南米など、世界中から運ばれてきます。カットされている白身魚やイカなどは、見た目では種類はわかりません。従業員は袋の表示で何の魚かを判断するだけ。ネギトロ用のパックにはネギトロとしか書いていないので、何のマグロなのかわかりません。店には魚の目利きができる職人なんて存在しません。海外で作られた冷凍食品を解凍して出してるようなものですから」  また、食品化学や魚介類に詳しいサイエンスジャーナリストの中川基氏がこう解説する。「寿司ネタのえんがわは、本来はヒラメを使うものですが、回転寿司で出ることはまずありません。ヒレを動かす筋肉の部分であるえんがわは、一匹のヒラメからは4貫ほどしか取れない。なので、多くの回転寿司店では、巨大魚のオヒョウやカラスガレイを代用魚にしています。ただヒラメのえんがわと表示していなければ、違法ではありません」  文春には失礼だが、今さらこんなことを、という思いで読んだ。回転寿司でヒラメのえんがわを食べられると思って行く人は、ほとんどいないだろう。私は回転寿司愛好家だから、安くて寿司らしい味がすればよしとする。  先日、大間の鮪を売り物にしているチェーン店に行ってみたが、マグロのひどいこと……。  あれは正月に買ったものを冷凍して保存しておいたのか。それにしても「大間」らしい味がまったくしなかった。だが、そんなものだ。回転寿司に安さと旨さを求めるのは、ない物ねだり。だが、体に悪い抗生剤や抗菌剤、ホルマリンなどが使われているという指摘は気になる。  次は久しぶりに野球ものを取り上げる。といっても、スキャンダルではない。元巨人のエース・江川卓氏が、今年の大物新人について語っているのだ。日ハムの大谷翔平についてはこう言っている。 「投手としては常時160km、打者としては打率4割。いずれも誰も見たことのない世界ですが、彼にはそれを成し遂げられる素質が十分にあります。投手としての大谷は、現時点では未完成。おそらく持っている力の7~8割しか出せていません。投球フォームを見ていると、フィニッシュのとき、上体が浮いてしまっているのがわかる。まだ1年目ですから、下半身ができていないんですね。それでもMAX157kmまで出せていますから、今後トレーニングを積んで下半身が強くなれば、常時160kmを超えてくるのは確実です。打者・大谷にも、天性のものを感じます。アウトコースの球を逆らわずに打ってヒットゾーンに飛ばすのが上手なので、打率を残しやすい。今の段階でも打率3割を楽に打てるでしょう」  しかし、大きな問題があるという。 「ただし、160kmも4割もどちらかに専念した場合です。二刀流には、一つ大きな壁がある。それは『数字』という壁です。プロの世界で評価されるのは、規定の投球回数・打席数といった数字をクリアしたうえで成績を残した選手だけなんです。(中略)  たとえば10年、二刀流でやっていたとします。大谷を見ていた世代は『すごかった』と言えますが、数十年後、彼を知らない人にとっては、数字の残っていない大谷という選手はいないことになってしまう」  長嶋茂雄のように記録も残し、記憶にも残る選手は稀である。早くにどちらかに決めれば、野球史に残る選手になると太鼓判を押している。 「大谷のライバルの阪神の藤波晋太郎も、体の線が細いので疲労が出ると思っていましたが、ここまで5勝。体の芯の強さと、197cmという長身を生かすフォームが、活躍の大きな要因でしょう。それに、藤波は運がいい。いまピッチャーが手薄になっている阪神に入団したことが、藤波の運の強さの証明です」  さらに、この2人に並ぶ新人は巨人の菅野智之だという。 「制球力は、すでに球界で五指に入る。15勝前後まで勝ち星を伸ばすと思いますよ。かつては、いまほどコントロールはよくなかった。学生時代はスピードで押せたため、さほど制球を意識せずともよかったのでしょう。浪人中の1年間にプロのレベルを研究し、自分の球の速さでは難しいという結論にたどり着いたのだと思います。プロ入り前に、その結論に至ったことが素晴らしい」  今年は10年に一度という新人の当たり年のようだ。今夜は野球を見ながらビールといきますか。  残念だが、参議院選挙で自民党が大勝した。これは自民党が強いのではなく、野党が四分五裂した結果だから、自民党はそこを忘れてはならない。だが、安倍首相は、勘違いしやすい人に見えるから、参院選後に諸々の“不祥事”が必ず出てくるはずだ。  まずは、8月15日の靖国参拝は強行するはずだ。何しろ、強い日本を取り戻すというのだから、「中国や韓国何するものぞ」だ。  尖閣に自衛隊は常駐させないだろうが、領海侵犯する中国船へは今まで以上に厳しく対処するだろう。  次に、アベノミクスの賞味期限切れである。日銀を言いなりにして、なんとか参議院選までは株を持ちこたえ円安も維持したが、もう息切れして、物価はどんどん上がっていく。  来年の消費税増税はやり通す腹づもりだろうが、そう発言したとたん、景気は急降下を始める。  ポストも「自民党圧勝!『終わりの始まり』」で、自民党は先祖返りすると見る。麻生太郎副総理の地元の福岡と佐賀にまたがる背振山系の地下にトンネルを建設して、両端から電子と陽電子を光速で発射し「ビッグバン状態」をつくり出し、宇宙誕生の謎を解明するという超大型実験施設を建設するそうだ。  また、安倍首相と石破茂幹事長の地元をつなぐ「新・新幹線」計画など、公共事業へカネをばらまくことばかり考えていると書いている。  この一連の特集の中で、ジャーナリスト長谷川幸洋氏と対談している古賀茂明元経産官僚はこう批判する。 「今度の選挙は自民党の原点回帰で、業界団体にフル活動してもらっている。農協であり医師会であり電事連であり、候補者の事務所を見れば一目瞭然じゃないですか、為書き(支援者・団体の名が入った応援ポスター)がたくさんあって。そういう選挙やって、受かった人たちが手のひらを返して『農協改革だ、あなたたちを改革します』なんて言えますか?」  自民党という党は、歴史的に安定多数を取ったときは内部から崩れていく。どういう崩れ方をするか、注目して見ていたい。  このところ、週刊誌が事件を扱わなくなっている。事件取材は取材費が嵩(かさ)んで手間もかかる。今はワイドショーで事件を毎日扱うから、よほどの大きな事件でないと部数には反映しないからだ。  しかし、事件取材は記者の取材力、編集者の判断力を養うのに、これほどいいものはない。新聞記者はサツ回り、週刊誌は事件取材で鍛えられるのだ。 「新聞記者と同じことはやるな」が先輩諸氏の教えだった。現場を重ね試行錯誤しながら自分のスタイルを築いていくのである。  事件はほかの週刊誌との競争でもあった。特に週刊新潮は事件に強く、警察には相当食い込んでいた。そんなことを思い出しながら、今週の新潮の「親友を殺した広島県16歳『スケバン少女』の複雑家庭」を読んだ。  7月12日に警察へ自首してきたA子は母子家庭。中学時代から、学内でも恐れられる不良だったという。中学校の後輩がこう話す。 「A子先輩は、小学校の頃は普通だったのですが、中学に入ると一変してしまいました。はっきり言って近寄りたくないタイプです。スカートなんか1年生の頃から異状に短くて、パンツが見えるくらいだった。赤とか茶色に髪も染めていました。学校には来ていたけど、授業に出ないことが多かった。廊下でウロウロしたり、体育館の裏でたむろったり。タバコも普通に吸っとったなあ。先生が注意しても、“だまれや!”とか言って全然聞かないんです。(中略)その一方で、男関係は派手だった。自分が知る限りでも、10人以上はおる。年上が多かったね。20代前半とか。ホストあがりの男もおったと思う。男と付き合うと、金を借りてはトラブルになって、別れたなんて話もありました」  殺害された黒瀬恵利華さんは、A子の親友だった。彼女の近所の住民がこう話す。 「お母さんは、やはりしばらく前に離婚しています。娘の恵利華さんは、すらっとした感じの綺麗な娘さんです。ちょっとヤンキーっぽいけど、こちらが挨拶をすれば必ず笑顔で挨拶を返す、気持ちのいい女の子でした」  新潮によると彼女はA子と同じ商業専修学校に進み、知り合ったが、2カ月ぐらいで不登校になったという。仲のいい2人がなぜ? A子の中学時代の同級生がその原因をこう語る。 「ケンカするたびに、A子は恵利華さんのことを“殺したい”と言っていました。恵利華さんに3万円ぐらいを貸して、なかなか返してもらえなかったこともあったみたい。2人は裏切ったり裏切られたりの関係みたいでした」  カネのトラブルが殺人にまでエスカレートしたのか。A子の証言をもとに6人の男女が死体遺棄などの容疑で逮捕された。  A子は出頭前に、LINEを使って友人たちにこんなメッセージを書いていた。 「けじめつけてきます。ぢゃあ、いってきます」  男顔負け、いっぱしのヤクザ気取りである。ヤンキーの世界も、女主導になりつつあるのだろうか。  事件は刻々動いていく。新潮が取材した時点では、共犯者はいるだろうが、6人もいるというのは掴んでいない。だが、それを恐れて事件取材を控えるのでは週刊誌の役割も果たせないし、編集者や取材記者も育たない。  事件が動けば第2、第3弾を書けばいいのだ。われわれの頃は、事件が長引くと現場近くに部屋を借りて、何週間も帰れないことがあった。こういうことも、昔話になってしまったようである。  今週最後の注目記事は、新潮の中国のすさまじい貧富の格差をルポした特集。  まずは、中国共産党の高官の息子「太子党」の話から。 「ピカピカに磨き上げられた真っ黄色のランボルギーニを乗り回し、バカンスに出掛ける時はプライベートジェットを利用する。週末は自らクルーザーを操縦し、夜な夜なモデル級の美女を連れてパーティー三昧……。酒とバラの日々を約束された特権階級は、これまでアラブの王族と相場は決まっていた。しかし、中国広東省に住む16歳の少年が、そんな世界の常識を塗り替えてしまったのだ」  ある香港紙が6月に報じたところによれば、北京市内だけで総資産1,000万元(約1億6,000万円)以上を保有する富裕層が約18万人にのぼるという。  今度は最貧層の話。 「『鼠族』とは、地方から大都市へ出稼ぎに来た低賃金の労働省を指す俗称だ。賃料の高騰により、まともな部屋に住めない彼らは、主にビルの地下をねぐらにしている。管理者に払う6畳一間の家賃は月3,000円程度で、そこに無理矢理3段ベッドを2つ置き、夫婦とそれぞれの両親、子供と3世代7人が住むのは当たり前だ。  窓もなく、炊事洗濯をする場所もないので、食事はインスタントラーメンが主で、むろんトイレは共同。それどころか、電気を勝手に引き込み、公衆トイレの用具入れに住み込んだケースが報じられたこともある」  北京市には鼠族が100万人以上いると推定されるという。中国の抱えるすさまじい格差や不平等は、辺境においてさらに拡大しているそうだ。 「雲南省のチベット族自治州を訪れたジャーナリストはその惨状を伝える。『外国人の寄付で建設された全寮制の学校を訪れましたが、給食に出されたご飯は腐って甘酸っぱい匂いを発し、野菜炒めも中身は雑草。子供たちの楽しみは週に一度、野菜炒めにわずかな肉が混じることです。自然環境も厳しいため、栄養不足に由来する病気で両親を亡くした孤児が大半で、集落の平均寿命は40歳前後と聞きました。雲南省や政府からの援助も一切ありません」  この国が世界第2位の経済大国だなんて信じられない。このひどすぎる格差社会は、どこかで破綻すること間違いない。  もっと恐ろしいのは、そうした不満を外に求めることである。高まる反日感情がどこかで暴発したらと考えると、日中間は非常に危ないところにあると思わざるを得ない。  安倍首相は海上保安庁長官に佐藤雄二海上保安監(59)を充てる人事を内定した。海保長官にはこれまで国土交通省のキャリア官僚が就いていたが、現場を担う海上保安官出身者の就任は初めてだという。  緊張が高まる尖閣をめぐる動きに、新たな火種を投じることにならなければいいのだが。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

転落人生ここに極まれり! “お騒がせ女”今井メロ、今度は薬物疑惑で芸能界追放か

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「週刊文春」7月18日号 中吊広告より
今週の注目記事 「沢村一樹OL27歳マンション“通い愛”撮った!」(「週刊文春」7月18日号) 「『騎手の一分』巨大組織JRAにたった一人で牙を剥く男」(「週刊文春」7月18日号) 「朝日記者が堕ちた中国人美女の罠」(「週刊文春」7月18日号) 「東電・吉田昌郎さんへのレクイエム」(「週刊現代」7月27日・8月3日号) 「今井メロ『薬物疑惑』で芸能界追放危機!」(「週刊文春」7月18日号) 「SKEグラビア女王とジャニーズ肉食男の泥酔キス」(「週刊文春」7月18日号)  朝日新聞にこんな記事が出た。 「AKB関連会社、請求認められず 人気アイドルグループ・AKB48のイベントの企画、運営などを行う会社『AKS』(東京都千代田区)が、週刊新潮の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の新潮社などに慰謝料など3300万円の支払いと謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、東京地裁(宮坂昌利裁判長)は16日、AKSの請求を棄却した。  問題とされたのは、2011年6月9日号の『バカ騒ぎ「AKB48」総選挙の裏に「酒と男」の私生活』と題する記事。関係者の証言を紹介し、AKB48のメンバーの私生活が乱れている、などと報じた」  記事は、複数のメンバーと交際したという私大生と学生企業家が、AKB48メンバーとの“情事”を生々しく語るという内容だ。今後、運営会社社長などが文春、新潮を訴えている裁判の行方次第では、AKBは内部から崩壊していかざるをえないかもしれない。  今週の文春には、フライデー(6月28日号)に掲載されたジャニーズ1の肉食男子、NEWSの手越祐也(25)と熱烈キスの相手をした女を突き止めたという記事がある。  手越が友人と2対2で合コンした後、2次会で訪れた六本木の会員制バーで、美女と「ハッテン」してしまったことは報じられたが、相手女性の詳細が記されていないことから、いろいろなデマが飛び交ったという。  ズバリ女性の正体は鬼頭桃菜(19)。SKE48のメンバーで、二期生。毎年総選挙では圏外だが、B83 W59 H88の豊満ボディで、グラビア界では期待の星なんだそうである。  その上、彼女は肉食系で、男遍歴も半端じゃないとSKE関係者が語る。 「2010年、ファンのイケメンと遊んでいたことが運営や他のオタクにバレて研究生に降格されている。さらに今年、元カレと思われる男性がツイッターでキス写真やプライベート画像を暴露しました。他にも鬼頭は高校時代、別のファン数人と交際した過去がある。SKEきっての肉食女子なんです」  ここに、手越とのかなり乱れた写真が掲載されている。未成年にあるまじき、というのはヤボだが、かなり激しい。  手越の所属するジャニーズ事務所のメリー喜多川副社長は事実を認め、はっきりとこう言っている。 「手越もバカ! 私も叱りましたし、彼も反省しています。店も初めての客にテキーラを出すなんて……」  それにしても文春のAKB関連記事の中に出てくる女の子たちは、よく飲む。それもラムやテキーラを一気飲みするらしい。  文春に直撃された鬼頭は、手越とイチャついたことも、飲酒の事実も否定した。だが、友人でSKEの井口栞里にこう話したという。 「ヤバいヤバい。週刊誌に直撃されたんだけどマジきもい。記事になってたらヤバいよね。どうしよう……」  こんな話は、掃いて捨てるほどあるんだろうな。  お次の注目記事も文春。今年4月に講談社からヌード写真集を出版して話題を集めた今井メロ(25)という女の子の話。  スノーボード日本代表としてメダルを期待されたが、トリノ五輪で惨敗。以来7年、彼女は着地を失敗した後のように、人生の坂道を転げ落ちていったと報じている。  キャバクラ嬢、デリヘル嬢への転身。2度の離婚、生活保護受給、整形手術をし、転落人生をカミングアウトして芸能活動を始め、ヌード写真集も出したが、思うようにはいかなかったようだ。  その上、男と付き合いだしたが「薬物を吸引している写真や動画をネタに、男から脅されている、数百万のギャラはその男のために費やしてしまった」と、泥沼のトラブルになっているというのである。  メロ自身がこう語る。 「元恋人Aとの間でトラブルが続いていることは事実です。でも、私は薬物はやってないし、そんな写真や動画は存在しません。Aとは昨年10月に私の誕生パーティで知り合い、今年1月から交際を始めました。当初はシングルマザーの私を気遣ってくれるいい人でしたが、しばらくして豹変した。私とのセックスのハメ撮り動画をばらまくと脅しお金をせびるようになったのです。これまで約500万円を彼に脅し取られました」  だが、Aに言わせると、お金はすべてメロが貢いできたのだと主張している。真相はやぶの中だが「もはやメロが芸能活動を続けられる状態ではないことは間違いない」と文春は書いている。  オリンピックで一時的にスポットライトが当たったために、そのことが忘れられず、人生を狂わせてしまう元選手は多い。彼女もその中のひとりなのだが、まだ若い。もう一度、一から始めるしか再生の道はないだろう。  東電の吉田昌郎元福島第一原発所長の死は、日本中にあの頃の“悪夢”を思い出させ、吉田所長の献身的な働きがなかったらどうなっていたかと、感謝の念を新たにした。  現代で吉田さんのインタビューをしたジャーナリストの門田隆将氏が、食道がんの手術をし抗がん剤治療を終えた吉田さんに会ったのは2012年の7月だったと書いている。184センチの長身でやや猫背気味の吉田さんの容貌が、ニュース映像とはまったく違っていたという。  だが、吉田さんは人なつっこい顔で「私は何も隠すことはありません」と、こう言ったという。 「チェルノブイリの10倍です」  続けてこう話した。 「福島第1には、6基の原子炉があります。ひとつの原子炉が暴走を始めたら、もうこれを制御する人間が近づくことはできません。そのために次々と原子炉がやられて、当然、(10キロ南にある)福島第2原発にもいられなくなります。ここにも4基の原子炉がありますから、これもやられて10基の原子炉がすべて暴走を始めたでしょう」  門田氏はこう書く。 「吉田さんたち現場の人間が立っていたのは、自分だけの『死の淵』ではなく、日本という国の『死の淵』だったのである」  吉田さんは、全電源喪失の中で暴走しようとする原子炉を冷却するには海水を使うしかないと決断し、すぐに自衛隊に消防車の出動を要請し、原子炉への水の注入ラインの構築に着手した。 「彼らは、放射能を遮断する全面マスクをつけて原子炉建屋に何度も突入し、この作業を展開している」(門田氏)  吉田さんらしさが最も出たのは、官邸に詰めていた東電の武黒一郎フェローから、官邸の意向として海水注入の中止命令が来たとき、敢然と拒絶したときのことである。  しかし、東電本社からも中止命令が来ることを予想した吉田さんは、あらかじめ担当の班長にこう言った。「テレビ会議の中では海水注入中止を言うが、その命令を聞く必要はない。そのまま注入を続けろ」と。  この機転によって、原子炉の唯一の冷却手段だった海水注入は続行され、なんとか最悪の格納容器爆発という事態は回避されたのである。  門田氏は「奇蹟のように日本を救い、風のように去っていった男」吉田さんに「お疲れさまでした。本当にありがとうございました」とお礼を述べている。  電力各社は赤字を理由に原発再稼働を申請し、安倍首相は認める方針だ。彼はまた原発を世界に売り歩いている。原発事故の現場で何度も死ぬ寸前までいった吉田さんは、どういう思いで、この日本の“あさましい”姿を見ていたのであろう。  猛暑日が続く中、参議院選挙で「脱原発」は争点にも上らない。再び原発事故が起きなければ、福島を除く日本人の多くは原発の恐ろしさに目覚めないのかもしれない。だがその日が来れば、日本に人が住めなくなるのは間違いないのである。  文春に朝日新聞記者が「中国美人」の罠に堕ちたと、思わせぶりな記事が載っている。この記者A氏は、優れた国際報道をした記者に贈られる「ボーン・上田賞」を受賞したことがあるという。  文春によれば「A記者の名声が社内外で高まるきっかけとなったのは、上海支局長時代の2011年7月に発生した中国版新幹線の衝突事故だった。中国当局が証拠隠滅のため、脱線した新幹線の先頭車両を地中に埋めたことをA記者がスクープ。この一報は世界中でトップニュースとして報道され」、それにより受賞したそうだ。  現在は北京の中国総局に在籍し、精力的に記事を書いているエース記者である。  そんな彼に、上海時代の不倫話があるというのである。中国特派員が相手の彼女のことをこう語る。 「彼女は、テレビ東京の上海支局に勤務する中国人スタッフのBさん(30)ですね。彼女は天津財経大学を卒業後、テレビ東京の現地スタッフとして採用されました。日本語、英語も堪能で非常に優秀な女性です」  彼女は、女優並みの美貌の上に巨乳だそうだ。そんな彼女と手をつないで歩いているところを何度も目撃されるようになったというのである。それだけではなかった。朝日新聞関係者が驚くべき証言をしたという。 「A記者は、しばしば支局にBさんを連れ込んでいたようです。2人が中で何をやっていたかまでは知りません。しかし、彼女が支局の端末を使ったことがアクセス履歴から発覚したのです。他社の関係者、しかも中国人を支局内に連れ込んで、そのうえ機密情報が入っているパソコンを触らせていたのはさすがにマズいのではないかと、内部でも問題視されました」  中国特派員の経験がある人間が、支局に勤める助手や運転手は、中国当局の管理下にあると考えて間違いないと言っている。要は、あまりにも脇が甘いということのようである。  さらに悪いことに、彼女は相当気性が激しいらしく、A記者が上海を離れ北京に異動することになって、彼からBさんに別れ話を持ち出したことから、ひと騒動になったという。  事情を知る関係者がこう語る。 「Bさんは気性が激しい上に酒好き。彼女の微博(中国版Twitter=筆者注)の自己紹介欄には“酒鬼”と書かれていましたが、これは酒乱という意味です(笑)。A記者に別れ話を切り出された後、酔った勢いなのか、彼女はA記者との写真など不倫関係を暴露するメールを各方面に流出させたのです。『A記者から弄ばれた上に捨てられた』と、怒りがにじみ出た文面でした」  こうしたことが影響したのか、A記者は北京赴任から1年と経たないのに、近くワシントンに異動することが内定したというのだ。  朝日新聞広報は、プライバシーに配慮のため説明できないとしているが、パソコン端末を操作させていたことはなく、異動はこの件とは関係ないと回答している。ということは、こうした女性とのトラブルがあったことは否定していないようである。  げに恐ろしきは女の執念。このA記者も心から思い知ったかもしれない。  さて、藤田伸二騎手(41)が書いた、現行の競馬界とJRA(中央競馬会)のあり方を批判した『騎手の一分』(講談社現代新書)が売れている。文春が藤田にインタビューしている。  今週は文春がやたら多いが、お許しいただきたい。新潮はワイド大特集だが、細切れ記事ばかりで読むところがない。  藤田は、ファンが馬券を買う上で何より求める公正確保という点でも、JRAには重要な課題があると指摘している。レース中の走行妨害などの不利や危険な場面があった時、失格や降着処分を下す裁決委員について、こう語る。 「3人の裁決委員が多数決で処分を決めるけど、誰も競馬に乗った事がない素人。とにかくレベルが低くてハナクソみたいなジャッジ。言葉の端々から騎手を見下してるのも分かるしね。まあこっちは中卒で向こうは大学卒の『おりこうさん』だから、議論しても言葉では勝てん。ただ、あの人らは相撲のように物言いがついた時にお客さんの前に出てきて説明をする訳でもないし、ファンに見えない密室で処分を決めてる。競馬に乗ったこともない連中が!  実は処分に対して異議申し立てはできるんやけど、三万円かかる。おまけにこれまで申し立てが通った事が一度もない。岡部さん(幸雄・元騎手)がアドバイザーになってるけど、本当に一緒に議論してるんかいな。俺はその事自体も疑ってるよ。本来、異議申し立てをしたら裁決委員、岡部さん、それから騎手会代表が顔を合わせて話をするべきだけど、そういう機会が一度もないっちゅうのはどういう事なんやろね」  毎週の競馬にも、改善すべき点は多々あるという。 「日本の馬場は固くてスピードが出る分、馬の故障が発生しやすいんです。ヨーロッパのように時計のかかるタフな馬場にした方が馬の負担は少ない。騎手はみんなそう言ってますけど、JRAは『芝の長さは規定通りです』とか言う。いやいや、同じ長さの芝でも季節や根付きよっても違うやろ、と。なんで長さにこだわるのかが分からん。  他にも、パドックを出てから発走するまでの時間が長すぎる。スタート地点でぐるぐる回って発走時間が来るのを待ってるんだけど、あれは何のためなの? 海外ではパドックを出て、スタート地点に行ったらすぐ発走ですよ。ぐるぐる回っているうちに馬のテンションが上がってきて、走る前に競馬が終わってしまう事もある。まあ、たまらんよ。  俺らは馬でメシを喰わせてもらってる。だから馬のことを一番労わらないといけないのに、それが出来てない。杓子定規な規則ばかりでね」  この覚悟ある告発にJRAが黙ったままでは、ファンが黙ってはいない。私は高校生の頃、シンザンのダービーを見て競馬ファンになった。命の次に大事なおカネを握りしめて競馬場や場外に行くファンを大事にしなければ、競馬ファンはますます少なくなること間違いない。  競馬が他のギャンブルと違うところは、公正にレースが行われているというファンからの信頼が厚いところであろう。しかし今年になっても減らないレース中の斜行や妨害、ラフプレー。こうしたことに毅然とした裁決をしなければ、ファンは納得しない。  負けても勝っても競馬は楽しい。レースが公正に行われているという前提があればだが。  俳優の沢村一樹(46)は“エロ男爵”のニックネームを持つ。下ネタがらみの発言で話題になることが多い変わったモデル出身のイケメン俳優だ。  彼は現在3人の男の子のパパ。デビューが29歳と遅咲きだが、これまでに『ショムニ』(フジテレビ系)や『篤姫』(NHK)など多くのドラマに出演。今月11日からは、主演ドラマ『DOCTORS 2』(テレビ朝日系)がスタートしている。  文春によると、沢村の近所に住んでいる27歳のOLにご執心で、頻繁に彼女のマンションに出入りしているところを何度か撮られている。  この日も、彼女と飲んで別れたところを直撃され、ややシドロモドロになりながらも“懸命に”答えているところが、スキャンダル童貞らしく微笑ましい。 「恋人?……彼女は気になる女性です。話をしてて面白い。そりゃ、ゆくゆくは彼女を狙ってますよ。脈がなきゃ誘わないでしょ。今日も飲んでました。まぁ、手を触ったりしますよ。何か物が欲しいといったら、もしかしたら買ってあげるかもしれません。(中略)隠してることもありますよ。(話してることは)100パーセントじゃないですよ。60パーセントくらい。彼女と僕が性的関係があるかないかで言うと、そりゃ彼女に興味はありますよ。でも行為はないですよ。セックスはしたいですけど、ないですよ。  記事が出たら彼女と出来ないですからね。こうやって邪魔されたらできないじゃないですか。どうしたらいいんですか、僕は! 3カ月泳がしてくださいよ、ヤリますから。もっとスクープに仕上げてあげますよ(笑)。でも、彼女はヤラせてくれないです。会ってみて話したらわかりますよ。彼女は下ネタが大嫌いですから。ウチのカミさんだって下ネタ大嫌いですからね(笑)。(中略)セックスをしたかしてないかは、皆さんの想像にお任せします。いやもう、してたでもいいですよ。バックでしました。(張り込みの場所から)見えないもんなんですか? してましたって書いておいてください。それでいいです(笑)」  彼が奥さんと交わした「浮気の条件」があるそうだ。「決して貢がない」「必ず1回で終わること」「絶対にバレないこと」。貢いでいるかどうかはわからないが、2条件は破ってしまった彼に、どんな“お仕置き”が待っているのだろうか。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

週刊誌も真っ向対立! 未婚出産の安藤美姫“父親捜し”狂想曲

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今週のグランプリ 「不倫露見で私生活が『死のロード』『阪神和田監督』と『モノマネ女王』修羅7年の記録」(「週刊新潮」7月11日号) 今週の注目記事 「未婚の母『安藤美姫』秘密の核心」(「週刊新潮」7月11日号) 「安藤美姫の『恋人』が断言『ボクは父親ではない」(「フライデー」7月19日号) 「モロゾフの子を生んだ安藤美姫『女の意地』」(「週刊現代」7月20日号) 同「日本人への警告」(「週刊現代」7月20日号) 今週のワースト記事 「安藤美姫シングルマザー すべてがわかる10問10答」(「週刊朝日」7月19日号)  私が週刊現代の一兵卒時代、編集長からこう言われていた。「うちは文春や新潮のようなスクープなんていらない。サラリーマンに必要な記事をやってりゃ売れるんだから」。そのとおり、毎週毎週、これを知らないと君は出世できない! という類の記事を飽きもせず繰り返していた。  私が編集長になったときはバブルが弾け、年功序列、終身雇用が崩れ、現代の3つの柱であった「イロ・カネ・出世」は売り物にならなくなっていた。  私の嗜好もあって、他誌に負けないスクープや切り口を見つけてなんとか凌いだが、また、現代とその“亜流”のポストは、二昔以上前に戻った誌面づくりをしているように思える。  特に今週のポストは、これが週刊誌? と思わざるをえない記事のオンパレードである。  「小沢一郎と西郷隆盛」(いまなお小沢を取り上げて何を言おうとしているのか、その真意がわからない)「皇太子・雅子妃バッシングの“元凶”は安倍晋三である 小林よしのり」(安倍首相が女性宮家創設の方針を完全に白紙化してしまったことへの批判だが、あとは、いつもながらの小林節だけ)、「『ブラック企業叩き』のなんとなくイヤーな感じ」(文春のワタミ渡辺美樹叩きを意識してのことなのであろうか。だが、ホリエモンのTwitterの「ブラック企業」についての発言、「嫌だと思ったら辞めればいいのでは? 辞めるの自由よん」「会社行かなきゃいいじゃん。起業すりゃいいじゃん」には、私は違和感を感じる。こうした自己責任説は、ブラック企業で働いて本当に悩んでいる人たちへの配慮がなさ過ぎる)、「女尊男卑行きすぎてやしませんか?」(世の中なんで「レディース割引」ばかりなんだ。「合コン」で男が高くつくのはおかしくないか。安倍首相が言った「役員の半数を女性に」に違和感。女性の「育休3年」は男女ともにためにならない等々。セックスだって辛いのは男ばかりじゃないかということまで持ち出してくると、セックスをやれやれ、死ぬまでやれ、20代の女とやりてぇーと煽っているのはポストじゃないかと言いたくもなろう。女性が子どもを生んでも働ける職場環境をつくらなければ、少子化など解決するはずがない。日本は欧米に比べればまだまだ女性の地位は高くない。私の経験からも、バカな男より賢い女のほうがなんぼかいい)。「袋とじ」の「女性器アートの4代巨匠」に至っては言うべき言葉がない。  節電キャンペーンのいかがわしさや参院不要論は、ごもっともだが、で、それでどうしたと突っ込みたくなる。開高健風にいえば「耳が勃(た)つ」記事がないのである。週刊誌がやるべきことは、もう少し違うところにあるように思うのだが。  さて、フィギュアスケートの安藤美姫の出産は、かなりの話題を呼んでいる。その核心は安藤の子どもの父親は誰かということだが、各誌それぞれ違っているので判然としない。  そのことは後で触れるとして、一番後から出た週刊朝日のタイトルを見て、早速読んでみたが、何じゃこれ? という内容に唖然呆然。「気になる父親はだれ?」は、他誌の報道を両論併記するだけで、独自ネタは何もなし。  朝日は橋下徹大阪市長の記事の件で休刊かと思われたが、かろうじて存続が決まった。それ以来見ているが、前にも増してつまらなくなってしまった。何も権力者のスキャンダルができないからダメだというわけではない。扇谷正造編集長時代は、スキャンダルなしでも100万部を出していたのだから、その当時の特集をもう一度読み直したらどうか。温故知新である。だが、その当時は出版社系週刊誌は出ていなかったがね。  今週は少数精鋭。まずは、すっかり安倍信者から“転向”した現代の記事から。  米国の著名な学者、投資家30人に安倍政権批判をさせている。いくつか紹介しよう。  ワシントンの保守系シンクタンク、ヘリテージ財団のデレク・シザーズ上級研究員。 「私はアベノミクスは結局、失敗に終わる可能性があると見ている。安倍首相は株価が半年で急上昇したことを誇っているが、これは単に資金が流動化しただけであり、日本経済が復活したわけではない。  その意味では、大事なのは参院選後だ。そこで強い経済改革案が実行されなかったら、日本は『失われた20年』に逆戻りだ。それどころか、スタグネーション(インフレ下の経済停滞)が起きて、日本国債が危機に陥るだろう」  当然ながら、安倍政権が推進しようとしている原発再稼働についても、アメリカの専門家たちから疑問の声が上がっている。元米エネルギー省長官上級政策アドバイザーのロバート・アルバレス氏が、こう警告する。 「安倍政権は、使用済み核燃料の問題から目をそらしてはならない。福島第一原発にある使用済み核燃料を合わせると、それらに含まれる放射性物質『セシウム137』はチェルノブイリから出た放射能の85倍もの量になるのだ。それにもかかわらず、日本はなんら対策を進めていない。安倍政権はいますぐに、危険極まりない日本国内の原発を放棄すべきだ」  原子力エンジニアのアーニー・カンダーセン氏も同意見だ。 「安倍首相は、日本が世界有数の地震大国であるという事実を、どうやら忘れてしまったようだ。日本は原発を稼働させるには、世界最悪の土地なのだ。それにもかかわらず、安倍首相は原発を再稼働しようというのだから、これは日本にとっても世界にとっても過ちである」  安倍首相が主張している憲法改正にも、アメリカ側から反対意見がある。ニューヨーク・タイムズのハント記者は、憲法改正は日本にとって大きな損失になると警鐘を鳴らす。 「なぜなら、日本が憲法改正をして国防軍ができれば、アメリカは待ってましたとばかりに、中東その他へ軍事展開する際に、日本軍にも出動を要請するだろう。つまり日本軍がアメリカ軍とともに参戦するということに他ならないのだ。  もう一つは、日本に国防軍ができれば、近隣諸国の反発は必至なので、それらの国と日本が軍事衝突を起こす懸念が出てくる。安倍政権は、それでも憲法改正するのか」  当たり前のことを言っているに過ぎないが、こうしたことさえ、日本の大メディアははっきり言わない。参院選で投票する前に、もう一度読み直してほしい特集である。  さて、人気スケーター安藤美姫が極秘に生んだ子どもの父親は誰か。可能性は、現在一緒に住んでいるといわれる元フィギュア選手の南里康晴(26)、かつて公私ともにパートナーだったニコライ・モロゾフ、それ以外の第三者。  南里派の論拠をあげてみよう。まずは文春。 「赤ちゃんの父親が南里くんであることは間違いないようです。子供の頃から試合でよく一緒になっていました。互いに有名になる前からの仲良しで、南里くんはミキちゃんの相談相手にもなってきた。親の明美さんも公認の仲で、ミキちゃんが練習している新横浜のスケート場近くのマンションで一緒に生活しているはずです。ミキちゃんは常に恋愛をしていたいタイプですが、ニコライとの背伸びした恋愛で疲れた彼女にとって、南里くんの存在は何よりも安らぎになったのでしょう」  女性セブン(7月18日号)も南里だと書いている。 「子供の父親は南里さんですよ。でも安藤さんがインタビューで話した通り、出産を決意するまでには周囲の猛反対があったんです。フィギュア界での彼女の立場はますます四面楚歌状態ですし……」(スポーツ紙関係者)  しかし、南里の生活力が安藤の母親には気がかりだったという。こう続ける。 「お母さんはずいぶん苦労したんですよね。だからこそ美姫ちゃんには幸せになってもらいたかったから、格下の男性とのでき婚を許すわけにはいかなかったんです」(安藤家を知る人)  それでも安藤は引き下がらなかったという。 「どうしても譲らない美姫ちゃんに、母親は条件を3つ出したそうです。ひとつは南里さんが婿養子になること。スケーターとしての“安藤美姫”という名前を残したかったからです。ふたつめが南里さんが生活の基盤を整えること。今はアイスショーなどに出演してますが、その収入は微々たるもの。安藤さんほどの一流選手であれば別ですが、南里さんがコメンテーターや指導者として生計を立てるには難しい世界です。だったら他の仕事でもいいから、美姫ちゃんと子供の安定した生活が見込める収入が得られる定職に就いてほしいということでした」(知人)  現在、南里が都内の居酒屋でアルバイトをしているのは、安藤の母親の意向をくんでのことだろうと推察している。  これに対して新潮はモロゾフ派である。 「実は、去年の8月ごろ、普段は寡黙なモロゾフ氏が珍しく取り乱し、“ミキに子供ができたんだ。中絶してくれと頼んだのに、全然聞いてくれないんだよ”と困り果てていると聞きました。彼にはすでに三度の離婚歴がある。そのため、弁護士からは“君は安藤と結婚してもまた離婚する。慰謝料が大変なことになるので、もう結婚はするな”と止められているようでした」  安藤を語る上で欠かすことのできない存在であるモロゾフ氏との出会いは、安藤が18歳の時。トリノ五輪(06年)で重圧から15位に終わり、失意のどん底にあった安藤は、モロゾフ氏に指示を仰ぐ。その独特の指導で見事に再生し、07年、11年と世界選手権を制したのだ。  師弟の関係が恋愛に発展し、結婚かと騒がれたが、11年に2人の関係は破局したといわれ、安藤はそのまま表舞台から遠ざかってしまった。そして今度の衝撃発言。しかもソチ五輪を目指すというのである。  新潮では、モロゾフ氏周辺の関係者がこう言っている。 「愛娘の父親が、同棲中の南里ではなく、モロゾフ氏だったとすれば、テレビカメラの前で彼女が子供の父親の名前を伏せた理由や、結婚も入籍もせず、極秘に出産した理由なども理解できる」(新潮)  新潮は続けて、 「なるほど、確かに南里は父親候補のようではある。が、彼の福岡の実家に“孫誕生”のニュースを訊ねると、 『は、そうですか』  南里の実夫から、妙に淡泊な反応が帰ってきた。(中略)他にも『南里父親説』には、合理的に説明がつかない点がある。長らくスケートの取材に携わってきた民放関係者は、『これまで交際が報じられてきた南里が父親なのであれば、そのまま公表するのに何の支障もないはず。なぜ、彼と結婚、入籍をしないままで出産を公表したのかわからない。一説には、安藤の母親がアスリートとして格下の南里が父親になるのを渋り、自分たちの望む形で公表したがったのだと言われていますが、完全には納得できませんよね』」  フライデーがこの説を裏付けるように、安藤の恋人・南里康晴への直撃インタビューに成功し、こう言わせている。 「──南里さん、お父さんになられたんですよね? 『いや、僕は……。安藤選手について話すことがないので』 ──お付き合いされていると思いますが、お父さんは南里さんですか? 『いや、違います』 ──父親が誰か知ってはいる、と? 『……はい』 ──スケート関係の方? 『だと思いますよ』 ──では、モロゾフ氏ですか? 『いやぁ、そこまでは言えないですね』 ──安藤さんに口止めされている? 『いやいや、そういうワケじゃないんですけど』」  じぇじぇじぇである。このやり取りを読む限りは、モロゾフ父親説が有力になってくる。  フライデーで、あるスケート関係者が次のように明かしている。 「結婚についてはパートナーと調整中ということでしたが、このパートナーというのは南里のことで、将来的には彼と家庭を持つことになるのでしょう。しかし、子供の父親が誰なのかは、当人たちのみぞ知るところ。南里ならロシアの国花『ひまわり』と娘に名付けるのも、父親を隠すのも不自然でしょう」  現代は、絶対匿名を条件にある人物がこう説明する。 「実は、安藤が妊娠をしたのは、今回が初めてではないのです。彼女は過去に一度、モロゾフ氏との間に子を授かっています。しかしその時には出産に踏み切る決心がつかず、中絶せざるを得なかった」  フライデーの南里のコメント、子どもにロシアの国の花「ひまわり」と名付けたことなどを勘案すれば、私は、モロゾフ氏父親説に傾いている。  安藤のソチ五輪を目指す発言はどうか。現代で、あるスケート連盟関係者がこう語っている。 「普通の選手だったら、2年間のブランクがある上に、なおかつ妊娠、出産をしたら、骨盤が開き、筋肉が全部落ちてしまってジャンプなんてとてもできません。特に日本のスケーターは、一日でも練習しないと勘が鈍ると考える勤勉な選手が多い。彼女のように復帰半年後の五輪選考大会に出るという表明など絶対しないでしょう。  でも、安藤は彼らとまったく違って、短期集中の練習でも試合に臨めるという天才型です。彼女なら、このブランクを乗り越えられるかもしれません」  彼女が出場するアイスショーは、チケットが飛ぶように売れているそうである。未婚の母のがんばりに拍手を送りたい。  私は親子二代の由緒正しい巨人ファンだが、今年は永遠のライバル・阪神といい競り合いをしている。  去年は巨人の原監督に女性スキャンダルが出て大騒ぎになったが、今週は阪神を率いる和田豊監督(50)の女性スキャンダルを新潮がすっぱ抜いた。この記事に久しぶりのグランプリを贈りたい。私がアンチ阪神だからというわけではありませんぞ。念のため。 「和田さんは元々、松田聖子さんの大ファン。それで、聖子さんのモノマネもしている私のファンになったそうです。初めて会ったのは、03年の冬。(中略)それからしばらくの間は友人としての関係が続きました。(中略)  初めて肉体関係を持ったのは05年の10月。この年、阪神はリーグ優勝し、日本シリーズの相手はロッテだった。で、日本シリーズの4戦目、この日負けたら終わり、という試合を甲子園まで見に行ったのです。結局、試合には負けてしまい、その日は和田さんの友人たちも一緒に居酒屋で残念会になった。(中略)  その後、和田さんがホテルまでタクシーで送ってくれ、一緒に部屋に入り、キスをしてベッドに倒れこんで……。避妊はしなかった。和田さんと付き合い始めてから、私はピルを飲むようになりました。  同じ年の12月、ハワイの優勝旅行があったのですが、和田さんから頼まれて同行しました」  こう語っているのは松田聖子などのモノマネで知られるタレントの星奈々さん(40)。星さんは93年にテレビのモノマネ番組に出演して芸能界デビュー。以降、フジテレビの『ものまね王座決定戦』の常連となり、2000年までに優勝3回。幅広いレパートリーを誇る「女王」としてモノマネ界に一時代を築いた。  男と女の関係になったのは和田氏が42歳、星さんが32歳のときになる。和田氏はその当時、阪神の一軍の打撃コーチだったそうだ。  しかし、甘い交際は長くは続かなかった。06年1月に、和田氏の奥さんから「もうやめていただけますか?」というメールが来るのだ。  自宅のパソコンにあった2人のやり取りを、すべて見られてしまったのである。  それからの和田家の惨状は凄かったようだ。奥さんのほうは一度は離婚も考えたようだが、子どもがいるため踏みとどまった。  その後も和田氏のほうが煮え切らずズルズルと関係を続けていくが、07年の末に、あることがきっかけで2人の仲は決裂してしまう。  彼女はそのことでうつ病になり、声が出なくなる。歌が歌えないので仕事も来なくなり、借金をするまでになってしまったという。  和田氏は新潮の取材に、俯いたまま何も答えなかったが、弁護士からの回答文で、彼女との関係を認め、深く反省しているとしている。彼女は、和田氏が無言だったということに憤り、こう語る。 「しかし、彼はまたしても逃げた。私から逃げ、取材からも逃げた。曖昧な態度に終始して逃げ続けたことが今のこの事態を招いたという事実。彼は未だにそれが理解できていないのでしょうか」  阪神ファンの反応はどうなのか。甲子園で和田監督へのヤジは飛ぶのだろうか。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

参院選への影響は!? 自民党要人に相次ぐ売春疑惑「1回4万円で女子大生とラブホ」

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「週刊新潮」7月4日号 中吊広告より
第1位 「『佐田玄一郎』議運委員長常習的買春の現場報告」(「週刊新潮」7月4日号) 注目記事 「安倍側近 西村康稔副大臣『ベトナム買春』スッパ抜き!」(「週刊文春」7月4日号) 「辛坊治郎『ヨット遭難』で消えた税金4000万円とジャーナリストの矜持」(「週刊文春」7月4日号) 「サムスンの落日」(「週刊ポスト」7月12日号) 「雅子さまの苛立ち 美智子さまの無念」(「週刊文春」7月4日号) 「橋下徹は現在も売春街の顧問弁護士だった!」(「週刊文春」7月4日号)  朝日新聞(7月1日)が、連続世論調査(電話)で参院比例区の投票先が、自民党は44%で前回よりやや落ち、安倍晋三首相の経済政策を「評価する」人も50%で、前回より13%減ったと報じている。  参院選まであとわずかしかないが、何かが起こる予感はする。  週刊ポストが、都議選で共産党が野党第一党になったことについて、巻頭で論じている。こういうところは時代に敏感なポストであるが、内容はイマイチ。ポストによれば、戦後の政治史をたどると、共産党が議席を伸ばすときには共通の政治状況があるという。  古くは今太閤・田中角栄が登場して国民の人気を得ていた72年の総選挙で、自民党は284議席の安定多数を得たが、その一方で共産党も14議席から38議席へと大躍進した。大平正芳内閣が「大型間接税」導入を打ち出した79年の総選挙では、共産党は最高の39議席を獲得している。  政治評論家の森田実氏は、こう解説する。 「共産党支持を増すのは日本の政治が危険な状況にあることの映し鏡でもある」  ポストは「参院選での自民党圧勝ムードに絶望感を感じる有権者にとって、共産党員はいわば“暴力装置”である」と書いているが、ほとんどの政党が保守化・自民党化していく中で、貴重な存在であることは間違いない。共産党を躍進させることは、安倍自民党へ「NO!」を突き付けることである。共産党がどれだけ議席を増やすか、それしか楽しみがない選挙ということでもあるが。  週刊現代がアベノミクス評価でまたまた乱高下している。「日本経済7月に起きること」の中で「中国情勢などが不透明な間は動きづらいとしても、何かきっかけがあれば、再び日本株への資金流入が始まる可能性は非常に高いといえる」と、再び株への期待を煽っているのだ。  いつもこういう記事で不思議に思うのは、コメンテーターに証券アナリストや証券アドバイザーを起用することだ。彼らは基本的に株で飯を食っている人たちである。自分たちに都合のいいことしか言わないと、眉にツバをつけて聞く必要があるはずだ。  7月21日の参院選投開票が終われば起きる「確かなこと」は、消費税増税、原発再稼働へ向けての歩みが加速されることである。この参院選挙が、それに歯止めをかける最後の選択の時だということを、有権者一人ひとりが肝に銘じて一票を投じなければいけない。  これも注目記事には取り上げなかったが、ポストは先週の「80歳まで現役宣言 20代を抱いて死にたい」という特集に対して、女性、男性から批判やお叱りの電話やメールが殺到したという「反響記事」を掲載し、この特集のどこが悪いのですかと、タイトルで開き直っている。  お叱りの代表的な声は、この65歳の主婦。 「週刊ポストの記事には激しい怒りを覚えました。世の男どもは、自分の老いを棚に上げておいて、20代の若い女性とセックスしたいなんて、色ボケもいい加減にして! そういう勘違いジイさんは、鏡を見て自分の姿がどんななのか確認してみることですね。若い女性とどれほど不釣り合いなのか、一目瞭然でしょう」  ごもっともすぎて何も言えないのか、この特集のどこを読んでもポスト側の反論がない。  私見だが、これからはジジイが若い娘を抱くのではなく、ババが再評価される時代になると思う。  昨今の「美魔女」なんぞはな垂れ娘で面白くない。「美ババ」の時代が必ず来る。「美ババ」は「VIVA」に音が似ているから、ババたちも悪い気はしないはずである。  いまの70代、80代は「セックスできれいになる」「セックスで長生きできる」とせっせとお肌を磨き、スポーツジムやフラダンスで体を整え、化粧もうまくなっているから、ジジイだけではなく、同世代の女が苦手な若い男たちも「優しさ」を求めて群がって来くかもしれない。  いいアイデアがある。「美ババ写真集」を作り、新聞の全面広告を使って大々的に宣伝するのだ。「美ババセクシー」「美ババコンテスト」「美ババAV」。ギャラは安くて済むし、需要の裾野は広いから当たること間違いない。  どこぞの週刊誌でやらないか。企画謝礼は話し合いで。ここまで来たら、そこまでやらなければ週刊誌じゃない!  さて、今週の注目記事の1番手は文春の、橋下市長は「現在も売春街の顧問弁護士だった」と追及している記事。  大阪最大の売春街といわれる飛田新地の顧問をしていたことを、橋下市長は外国特派員協会での質問に答え、認めているが、現在はやっていないとした。だが、飛田新地料理組合の幹部が、こう話している。 「知事就任を機に、本人が顧問を続けるのは無理になった。しかし、橋下綜合法律事務所が引き継いだ形になり、現在も顧問契約は続いています。  実際には組合員が各々で抱えている弁護士もいるし、顧問弁護士を継続する必要はないという意見もある。今の担当弁護士とは面識もなく、相談窓口が残っている程度。でも、『辞めてくれ』とはなかなか言いにくいので、ズルズル橋下さんとの関係が続いているのが正直なところです」  この件で懲戒請求されれば、退会命令が出る可能性があると、樺島正法弁護士が言っている。そうなれば橋下市長にとって泣きっ面に蜂であろう。  雅子妃バッシングがますます激しくなっている。個人的には、そっとしてあげなさいと思っているから、ここでもほとんど取り上げてはいないが、今週の文春の書き出しにはドキッとさせられたので紹介しよう。 「白髪頭のその男が現れたのは夜七時前だった。大きく曲がった背中、いびつに傾いた背中はガックリと落ち、俯いたまま足元しか見ていないような傾いだ立ち姿。  白いビニール袋を手に下げ、薄暗くなった自宅マンション前の路上を、狭い歩幅でトボトボと力なく歩く姿からは、明らかに尋常ではない“不健康なオーラ”が滲み出ている。小誌は声をかけた。 ──小町大夫、ご体調は。 『いえいえ……報道室を、通して下さい』  力ない小さな声。これが皇太子ご夫妻に仕える東宮職のトップ小町恭士東宮大夫の現在の姿である。  宮内記者の間でも噂に上るほど、最近の小町大夫の様子はおかしかった。 『精神的にかなり衰弱している様子で、会見でもまるで生気がない。東宮御所に引き籠もる雅子さまとは話ができず、宮内記者からは突き上げをくらう。オランダでも小和田家の手足となって働かされる、疲労困憊して当然ですよ』(宮内庁担当記者)」  天皇、美智子皇后と皇太子夫妻の意思疎通がうまくいってないのは事実であろうが、どこの親でも子を思う気持ちは同じ、周りでやきもきしてもどうにもならないことである。  雅子妃は知らないが、美智子皇后は雑誌に書かれたものをよく読んでいると、かつて報じられたことがある。一連の雅子妃批判の記事を、どう読んでおられるのだろうか。そのほうが気になる。  お次はポストの「サムスンの落日」の記事。ポストによれば、サムスングループの中核企業の「サムスン電子」の株価が低迷を続けているという。  拓殖大学客員教授の姜英之氏はこう話す。 「家電製品からプラント製品まで多岐に展開するサムスンですが、収益は一点集中方式であげてきました。80年代は半導体、90年代~00年代半ばまではテレビ、そしてここ最近はケータイ・スマホ──と10年ごとに中核事業を変え、時代の流れに対応してきました」  しかし、先進国ではスマホ市場は飽和化しつつあり、一方の新興国市場では中国メーカやかつての世界シェア1位のノキア(フィンランド)の猛追にあっている。それに加えて廉価なケータイ・スマホが高い人気を誇る新興国市場で、シェアを伸ばしたからといって収益には結びつかないという。  韓国の輸出産業の競争力はウォン安経済によって支えられていたが、昨年6月以降、右肩上がりでウォン高が進み、異例の金融緩和を実施した安倍政権誕生後、ウォン高傾向はさらに加速し、この1年で3割近くもウォンは上昇した。  韓国経済を牽引してきたモンスター・サムスンは凋落していくのか? しかし、サムスン関係者は、サムスン製品の部品の多くに日本製が採用されていて、液晶パネル、スピーカー、携帯のバイブ機能用モーターなど、サムスンが傾けば困るのは日本経済ですと、警告している。  さらに日本の大手メガバンクも、韓国企業に向けた貸し出し額は1兆円を超えているという。サムスンの急ブレーキで韓国経済が傾けば、これらの融資が不良債権化するリスクが出てくるというのである。韓国企業の凋落は日本企業のさらなる凋落に結びつくかもしれないのだ。  全盲セーラーとヨットで太平洋横断を試みた辛坊治郎キャスター(57)だったが、わずか6日目、宮崎県沖1200キロ付近で、マッコウクジラのようなものにぶつかられて遭難。海上自衛隊の救難飛行艇に救助されたことが、波紋を呼んでいる。  新潮では、辛坊氏をインタビューしている。 「私は、救助された直後、この命を果たして海上自衛隊や海上保安庁の方々が危険を冒してまで助けてもらうに値するのかと自問自答しました。メディアで、財政再建を口酸っぱく訴えてきた身なのに、結果的に皆さんが支払った税金で助けられることになってしまって、本当に申し訳なく、恥じるばかりです。(中略)数年前、イラクで人質にされた高遠菜穂子さんたちに対し、自己責任論を持ち出して批判しました。これでは、言っていることとやっていることが違うじゃないかという厳しい指摘があるのも承知しています。私には反論できません」  救助にかかった費用は4000万円ともいわれる。  関連記事では文春のほうが辛辣なので、こちらを注目記事にした。  辛坊氏がこれまで「税金のムダ遣い」を厳しく批判してきたのに、これから、そうしたジャーナリストとしての姿勢を貫けるのかと問うている。その論調のせいだろう、文春に「救助にかかった費用を払う考えがあるのか」と聞かれた辛坊氏はこう答えている。 「『払います』と言えば、助けてくれた自衛隊員が喜ぶと思いますか。命をかけて助けてもらって、それが金かよって思わないか。目の前で命がけの彼らを見ていて、それで金払いますとは言えないだろう……」  このヨットでの太平洋横断が、文春の言うように“無謀”だったのか、私には判断できない。だが、彼が「有名人」だったから、この迅速で果敢な救助が行われたと思わざるを得ない。一般人が遭難したら、ここまでしてくれただろうか?  官の力とカネに助けられたことで、これまでのような野放図な在野的批判精神が発揮できるのか? 本人はできると言っているが、そこのところをこれから注視していきたい。  今週の注目記事のラスト2本は、ともに自民党の要職者2人の記事である。  まずは文春。安倍首相側近の西村康稔副大臣(50)の「ベトナム買春」をすっぱ抜いている。西村氏は自民党の次世代のエースと見なされているそうだ。  その彼が昨年7月、ベトナムの首都ハノイに行った際、彼の地で“蛮行”に及んだというのである。  カラオケ店で横に侍った女性たちをお持ち帰りして、ホテルで遊んだというのだ。そのうちのひとりAさんがこう話す。 「私たち三人は部屋にあった大きなソファーに寝そべった彼をマッサージしてあげた。頭や胴体、足をそれぞれね。それからベッドルームでセックスしたわ。とにかくニシムラはジェントルマンだった。最後は私たち三人にチップもくれたのよ。三人あわせて六百ドルに満たないくらいだった」  西村氏は文春に対して、弁護士を通じて「ベトナムに出張したことは事実です。しかし、ご指摘のように、私が客室にナイトクラブのホステスらを連れ立って入室した事実はありません」と答えている。  こちらのほうはasahi.com(6月27日)によれば、 「菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、内閣府の西村康稔副大臣がベトナムで買春をしたと週刊誌で報じられたことについて『本人から話を聞いたが、事実関係を否定していた』と述べ、現段階で辞任の必要はないとの認識を示した」 というから、お咎めなしらしい。お咎めありは、新潮の佐田玄一郎氏(60)のほうだ。彼は現在、議院運営委員長の役職にある。  佐田氏は東京六大学に通う20歳の現役女子大生と、彼女が上野のキャバクラでアルバイトをしているときに知り合い、“常習的に”エッチをしていたというのである。  彼女の告白を聞こう。 「名前は寺井玄。群馬の生まれで、バツイチの建築会社の社長と言っていました。本名が佐田玄一郎だなんて知りませんでしたし、ましてや国会議員だったなんて……。お店で、別のお客さんから私のお客さんに議員がいると言われたことがありましたけど、誰のことかも分かりませんでした。てっきり建築会社の人だと思っていました。(中略)外で手を繋いだり、腕を組んだりしたことはないです。この半年でエッチしたのは20回ほど。最近は、会えばエッチばかりです。(中略)1回のエッチの時間は短い方で、大体20分くらいだったと思います。でも、少し時間をおくと、復活してまた20分。1回会えば、2回エッチしていました」  この佐田氏、要職にあるわりに知名度は低いが、90年の総選挙(群馬1区)で初当選して以来当選8回、平成研(額賀派)の副会長を務めるベテラン代議士だ。  祖父は元参議院議員の佐田一郎氏で、群馬県内の建設最大手で東証1部上場の佐田建設の御曹司でもある。  新潮によれば、カネは豊富にあるが議員としての功績は特になく、有名なのは「あっちのほう好き」であることだという。  2人が関係を持ったのは今年1月のことだった。  6月24日、議運の理事会が終了し、議員会館から黒塗りのクルマで佐田氏が出発したのは17時30分頃。御茶ノ水駅近くでクルマを降り、タクシーに乗り換えて湯島駅近くで再び降りた佐田氏が入って行ったのは、湯島天神近くのラブホテルであった。  そこで彼女と待ち合わせしていたのであろう、佐田氏が出てきたのは90分後だったと、新潮は書き、2人が別々にホテルを出てくるところを写真に収めている。 「議院運営委員長殿は、つくづくお暇のようだ。1回で4万円。20回ホテルへ行ったとすると、じつに80万円の“お小遣い”が彼女の手に渡った計算になる」(新潮)  いやはやである。佐田氏は新潮の取材に対して「何も知らん」といっていたが、27日のFNNニュースはこう報じている。 「佐田氏は26日夜、伊吹衆議院議長と会談し、一部週刊誌の女性問題に関する記事について説明し、委員長の職を辞任したい考えを伝えた。伊吹衆議院議長は、これを受け入れたという。(中略)佐田氏をめぐっては、参議院選挙に悪影響を与えるとして、与党内から辞任を求める声が強まっていて、政府内でも『早期に辞めさせるべきだ』との声が出ていた」  佐田氏は、2006年の第1次安倍内閣で行革担当相として入閣したが、事務所費問題で辞任に追い込まれている。懲りない御仁だ。  最後に、新潮が先週取り上げたドッグトレーナーの田辺久人氏は、あのスキャンダルがきっかけとなって、自民党公認を取り消しになったと報じている。彼は安倍首相夫人・昭恵さんが押し込んだ人物だけに、夫人の面目は丸潰れになった。またまた安倍首相との夫婦ゲンカが勃発するのか。夫人は安倍首相にとって最大の火薬庫なのかもしれない。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。