元プロ野球選手の“大魔神”こと佐々木主浩氏が大激怒だ。プロ野球は2月1日、12球団の春季キャンプが一斉にスタート。いよいよ球春が到来し、ファンの胸の高鳴りも大きくなってきたが、そんなキャンプイン直後に事件が起きたという。 「佐々木氏が横浜DeNAベイスターズの春季キャンプを取材するために、沖縄県宜野湾市の球場を訪れたのですが、その球場の受付で止められてしまったんです。あろうことか、受付の係員が『誰ですか?』と質問。『佐々木ですけど』と言ったものの、係員はピンとこなかったのか『どちらの佐々木さんでしょうか? 誰かの紹介ですか? 取材パスはありますか? なければ、1日パスを発行しますので、記帳をお願いします』と、びっくりするようなやりとりをしてしまったんです」(プロ野球関係者) 佐々木氏といえば、横浜ベイスターズに所属した、かつてのスーパースター。フォークボールを武器に、守護神として活躍、三振の山を築いた。2000年からはメジャーリーグのシアトル・マリナーズに移り、日米通算381セーブを記録するなど、言わずと知れた名プレーヤーだ。 プライベートでは1991年に元タレントと結婚。その後、当時女優だった榎本加奈子との不倫が発覚、前妻と離婚して、2005年に榎本とできちゃった再婚するなど、派手な交友関係が話題となった。近年では馬主として名をはせ、6頭の馬を所有。G1でも、3勝を挙げている。 「球界は昨年、巨人の投手による野球賭博事件や、清原和博氏の覚せい剤事件を受け、コンプライアンスが厳しくなりました。その余波で、球場での受付もだいぶ厳しくなってしまった。今年は、取材パスの発行枚数も、だいぶ限られているようです。今回の件にはそういった背景があり、受付の係員が忠実に仕事をしてしまったことが原因です」(同) 受付で止められた佐々木氏は、DeNA球団に猛然と抗議。球団側は平謝りだったという。いくら新興球団とはいえ、あまりにお粗末な対応……。係員、社員の教育を進めたほうがよさそうだ。『奮起力。』(創英社/三省堂書店)
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投手か、打者か――プロ野球シーズンオフをにぎわせた、現役&レジェントたちの「日ハム・大谷翔平評」
プロ野球はキャンプイン間近。WBCに挑む侍ジャパンのメンバーもほぼ出そろい、いよいよ「球春到来」といった感じだ。プロ野球の季節が始まる、ということは、オフシーズンのお楽しみ、選手たちのメディア出演も一気に減っていくことを意味する。 振り返ればこのオフ、メディアで引っ張りダコだった選手といえば、大みそかには紅白審査員を務め、元日には嵐と共演した日本ハムの“二刀流”大谷翔平をおいてほかにはいない。ホリプロとマネジメント契約を結んだことも影響してか、メディアでその名を聞かない日はなかった。大谷の出演がなくとも、大谷特集でなくとも、野球絡みの企画であれば、ほぼ間違いなく「大谷」の名が登場。「大谷って、実際どうなの?」「投手と打者は、どっちがすごいの?」といった質問を、ほかのプロ野球選手に質問する番組がやたらと目立った。 では、そこで大谷は、どのように評価されていたのか? そして大谷は、自分の言葉でどんなコメントを残していたのか? キャンプインを前に、今一度おさらいしてみたい。 ■現役組たちの「大谷評」 まず、「打者・大谷」を評価したのが元ヤンキースの松井秀喜。『神ってる!野球伝説55〜教えて松井秀喜先生~』(12月28日放送/テレビ東京系)の中で、大谷がメジャー挑戦するならば、という問いに「バッターで見たい。(日本人)投手の素晴らしさはもう示したので、バッターで(日本人選手の素晴らしさを)示せる稀有な存在」と評した。 同様に「打者・大谷」を推したのが巨人の高橋由伸監督。『たまッチ!』(12月30日放送/フジテレビ系)において、MCの中居正広から「監督として投手と打者、どちらで使いたい?」と質問されると、「僕はバッターで使いたいですね。毎日出せるんで」と評価した。 中居が司会を務める野球番組では、この「大谷は投手と打者どっち問題」が必ずテーマになっていた。その中で、『中居正広のプロ野球魂』(12月27日放送/テレビ朝日系)では、出演した5人のプロ野球選手(巨人・阿部慎之助、ロッテ・涌井秀章、角中勝也、楽天・則本昂大、ソフトバンク・武田翔太)が全員そろって「打者・大谷」推し。 涌井の「僕、投げ勝ってますから」という理由はともかく、則本は「大谷選手のバッティング練習って、ご覧になったことあります? 東京ドームの看板に当ててますからね」と興奮気味。パ・リーグ首位打者・角中をはじめ、最も間近で接している「現役組」が打者評価だった、というのは実に興味深かった。 ■レジェンドたちの「大谷評」 現役組や、世代が近い松井&高橋由伸といった面々がそろって「打者推し」だったのに対して、はるか上の世代はまったく違う評価を示した。 前述した『たまッチ!』で中居から促され、大谷について語ったのが長嶋茂雄と王貞治という球界屈指のレジェンド2人。王が「自分が率いていたら、ピッチャー。絶対勝ってくれる存在ですから」と語ると、長嶋も「ピッチャーですね。バッティングも素晴らしいですよ。それ以上に、ピッチングの内容、投げ方。ピッチャーとして魅力を感じるね」と続いた。 かつて、「大谷はピッチャーで勝負すべし。二刀流なんてけしからん」と語ったことがある野村克也は、『フルタチさん』(12月11日放送/フジテレビ系)で「最初は反対してたんだけど、やっぱり、俺が監督でも(二刀流を)やらせたくなるわ」とコメント。「大谷さん、すみませんでした」と頭まで垂れた。 一方、同じ『フルタチさん』の中で、「(二刀流に)成功したっていうけど、成功のうちに入らない」と語ったのは“エモやん”こと江本孟紀。「記憶に残っても、記録に残らない。早くやめたほうがいい。今年が目いっぱい。投手一本なら、25~30勝していた可能性がある」と、二刀流を完全否定。 同様に400勝投手・金田正一も、『サンデーモーニング』(1月8日放送/TBS系)で「ピッチャーならピッチャー、バッターならバッターでいいから一本にせい!」といまだに二刀流には否定的。その頭の固さ、頑固さもいかがなものかと思う一方、ここまで意見を曲げないのであれば、むしろすがすがしいと感じてしまう。いずれにせよ、レジェンドOBと現役組とで意見が割れる点に、大谷翔平という存在の唯一無二性が見て取れる。 ■大谷翔平は、何を語ってくれるのか? 解説者目線で大谷の魅力をとことん掘り下げていたのが、『スポーツ酒場“語り亭”』の「とことん大谷翔平」回(12月30日放送/NHK-BS)。投球フォーム、肉体、目的意識など、さまざまな視点から「大谷翔平165キロの理由」を探っていたのだが、イチローと大谷の共通点を「ともに二刀流(イチローも投手経験あり)で右投げ左打ち」という点から探っていたのは新しい発見だった。 このように、さまざまな番組で「大谷翔平評」が盛り上がっていたわけだが、その実、大谷自身のコメントはなかなか注目されない。そこが、大谷の次の課題ではないだろうか? どうにもコメントが真面目すぎるのだ。雑誌でのインタビュー記事はさすがに読ませるものも多いが、テレビでは照れもあるのか、単語レベルでのやりとりが多かった。だが、名選手やスター選手ほど、「自分の言葉」を持っているもの。このへん、過去のスター選手たちと比べると、なんとも物足りない。 そんな中、大谷の魅力をうまく引き出していたのが『リポビタンD presents あなたの夢、何ですか? KAZU×大谷翔平』(12月25日放送/テレビ朝日系)だ。この番組に関しては、カズのホスピタリティもあって、徐々に大谷が雄弁になっていくのが面白かった。 「(高卒で即メジャーに進まなかったことを)後悔もないですし、今の自分に期待しています」と語る大谷は、実に頼もしい。ただ、そうはいっても、カズとの“役者の違い”が顕著だったのも事実。もっともっと、大谷自身の言葉を届けてほしい。 ……と思っていたら、大谷、2月末に初の自著『不可能を可能にする 大谷翔平120の思考』(ぴあ)を刊行予定だ。メディアで気の利いたコメントを出すよりも、こっちを読んでほしいということかもしれない。 (文=オグマナオト)「大谷翔平(北海道日本ハムファイターズ) 2017年 カレンダー」(トライエックス)
阪神・糸井嘉男外野手の故障に、関西財界が真っ青!「企業広告も凍結」「代わりがいない」
関西の広告代理店関係者や、テレビ局関係者の顔が青ざめた。プロ野球・阪神タイガースの糸井嘉男外野手が、右膝関節炎で春季キャンプを別メニューでスタートすることになったのだ。 京都府育ちの糸井は、4年総額18億円(推定)で今季、オリックスから阪神に移籍した。身体能力の高さは球界随一ともいわれ、プレーでは、強肩、強打、俊足でファンを魅了する。その一方、性格は超がつくほどの天然キャラ。数々の伝説や語録を残し、「超人」として、地元の関西では抜群の人気を誇っている。 そんな糸井の故障に、在阪広告代理店関係者は「企業広告のイメージキャラクターにしようという企画が上がっていたのですが、一時凍結になりそうです。今のところ、ケガは重症ではなく、大したことないと聞いています。でも、もし長引いてしまったら、せっかくの目玉選手が消えることになる。CMや広告塔に使いたいという企業からのオファーはたくさんあるので、そうなったら頭が痛いですね」と話す。 そもそも、糸井には両膝に故障歴がある。右膝は2013年に「内側側副靱帯」を損傷した。15年には左膝を痛めている。 在阪テレビ局関係者は「うちの局でも、糸井選手のキャラクターを生かしたインタビュー企画が持ち上がっていたのですが、なくなりそうです。野球選手には珍しく、自分のエピソードや、自身のコンディションについてきちんと話してくれる、とても貴重な選手。本当に惜しい。天然キャラなので、阪神にゆかりのある元プロ野球選手や芸能人との対談も考えていた。しかし、リハビリ中の選手にそれら企画対談をお願いするわけにはいかないから、ボツになりそうです」と肩を落とす。 地元関西圏の大きな期待を背負うだけに、一刻も早い回復が待たれる。前出のテレビ局関係者は「あのキャラクターは代わりがいない。阪神ファンに愛されるタイプの選手なので、オープン戦はともかく開幕戦にはなんとか戻ってきてほしい。早くテレビを通じて、元気であることを伝えられたらいいのですが」と切実だった。【プロ野球オーナーズリーグ】糸井嘉男 北海道日本ハムファイターズ スター <OWNERS LEAGUE 2011 04>
「勝利+セーブで250なら……」“投手に厳しすぎる”日本プロ野球名球会、ついに資格改定へ
実績ある名選手でつくる「日本プロ野球名球会」の入会資格が、2020年頃の改定に向け、準備が進められているという衝撃情報を入手した。 ご存じ日本プロ野球名球会の入会資格は、投手が通算200勝以上、もしくは通算250セーブ以上。バッターは通算2,000本安打以上となっている。ちなみに、いずれも日本プロ野球で記録がスタートする場合に限り日米合算しても認められている。 この歴史ある名球会の入会資格だが、その裏で、とんでもない不公平感があるという。 「はっきり言って、現代野球においてはバッターの入会資格は十分達成可能な設定だが、ピッチャーの入会資格は難易度が高く、不可能に近い数字となっている。ピッチャーの入会資格を150勝もしくは、『勝利数+セーブ数』で250にしようという動きが出てきていて、規定が東京オリンピック前後に変わる可能性がある」(プロ野球関係者) ここ最近、バッターの入会者が急増。今年も、メジャーリーガーの青木宣親や中日の荒木雅博が2,000本安打達成目前となっている。ところが、ピッチャーの加入者はここ5年で、元広島の黒田博樹だけ。今後達成しそうな候補をみても、米・マリナーズの岩隈久志は残り30勝、ソフトバンクの松坂大輔は残り36勝と、まだまだ実現しそうにない。 前出のプロ野球関係者は「昔は先発完投が当たり前。登板間隔も短かった。でも、今はピッチャーの分業制が発達した上に、先発投手は中6日や中7日でしか投げない。1年で20勝以上を挙げることが難しくなり、実際最多勝も15勝前後で決まる。その一方で、バッターは選手寿命も延び、昔に比べて1年143試合と試合数も増えた。10年ちょっとレギュラーに定着すれば、名球会入りは目前なんて言われている。バッターの入会者が次々出ている一方で、ピッチャーはなかなか出ない。そんなこともあって投打の不公平感が激しいのは明らか」と指摘する。 今月行われた日本プロ野球名球会総会では、実際、ピッチャーの入会資格緩和が審議された。一部、強硬に反対する会員もいたというが、流れは緩和へと向かっていきそうだという。プロ野球の発展のためにも、より良い議論をしてもらいたい。
日ハム・大谷翔平に“本気”の童貞説が浮上! 熱愛説は当の女子アナの「作り話」
昨年大車輪の活躍だったプロ野球・北海道日本ハムファイターズの大谷翔平に“童貞説”が流れている。 190センチ超の高身長に甘いマスク、そして球界No.1スタープレーヤーとくれば、モテないわけがない。しかし、担当記者の間では「割とマジで大谷の童貞説は信じられている」というから驚きだ。 街中がカップルであふれ返るクリスマスイブの昨年12月24日も、翌日のクリスマスも、大谷は千葉県鎌ヶ谷市の2軍施設で自主トレに打ち込んだ。キャッチボールでは相手がいなかったため、壁当て。球団関係者に頼んで、スマホで自身の投球フォームを撮影してもらっていたという。 練習後も大谷は宿舎に“引きこもり”。クリスマスケーキも食べず、普段と同じ生活を送っていたという。 「大谷の来季の年俸は2億7,000万円。でも物欲がないため、お金の管理は両親に任せている。入団から今まで野球のことしか考えていない。それはそれで素晴らしいことなんだけど……」とはスポーツ紙記者。 昨春には一部で名古屋の某局女子アナとの熱愛がウワサされた。いわく「結婚前提の真剣交際」「試合後に繁華街でデートしていた」というものだったが……。 舞台裏を知る関係は「大谷本人も、そのウワサは耳にしていたが『誰ですか?』という反応だった。詳しく調べると、熱愛情報の出処は、当の女子アナ。局内でも『彼(大谷)と付き合ってるの』と吹聴しているんだとか。周囲も“作り話”ということには、とっくに気付いていますよ(笑)」と話す。 とはいえ、何もないのは、なんとなく心配になる。前出の担当記者は「あまりにも女性関係の浮いたウワサがない。彼は記者と一線を引くタイプ。心の中までは絶対に見せないから、本当にわからない」と話す。 現時点では「野球が恋人」ということにしておくしかないようだ。『北海道日本ハムファイターズ 大谷翔平 投手三冠への軌跡』(ポニーキャニオン)
日ハム・大谷翔平に“本気”の童貞説が浮上! 熱愛説は当の女子アナの「作り話」
昨年大車輪の活躍だったプロ野球・北海道日本ハムファイターズの大谷翔平に“童貞説”が流れている。 190センチ超の高身長に甘いマスク、そして球界No.1スタープレーヤーとくれば、モテないわけがない。しかし、担当記者の間では「割とマジで大谷の童貞説は信じられている」というから驚きだ。 街中がカップルであふれ返るクリスマスイブの昨年12月24日も、翌日のクリスマスも、大谷は千葉県鎌ヶ谷市の2軍施設で自主トレに打ち込んだ。キャッチボールでは相手がいなかったため、壁当て。球団関係者に頼んで、スマホで自身の投球フォームを撮影してもらっていたという。 練習後も大谷は宿舎に“引きこもり”。クリスマスケーキも食べず、普段と同じ生活を送っていたという。 「大谷の来季の年俸は2億7,000万円。でも物欲がないため、お金の管理は両親に任せている。入団から今まで野球のことしか考えていない。それはそれで素晴らしいことなんだけど……」とはスポーツ紙記者。 昨春には一部で名古屋の某局女子アナとの熱愛がウワサされた。いわく「結婚前提の真剣交際」「試合後に繁華街でデートしていた」というものだったが……。 舞台裏を知る関係は「大谷本人も、そのウワサは耳にしていたが『誰ですか?』という反応だった。詳しく調べると、熱愛情報の出処は、当の女子アナ。局内でも『彼(大谷)と付き合ってるの』と吹聴しているんだとか。周囲も“作り話”ということには、とっくに気付いていますよ(笑)」と話す。 とはいえ、何もないのは、なんとなく心配になる。前出の担当記者は「あまりにも女性関係の浮いたウワサがない。彼は記者と一線を引くタイプ。心の中までは絶対に見せないから、本当にわからない」と話す。 現時点では「野球が恋人」ということにしておくしかないようだ。『北海道日本ハムファイターズ 大谷翔平 投手三冠への軌跡』(ポニーキャニオン)
イチローやダルビッシュの“本音”を引き出す、元日ハム・稲葉篤紀のインタビュー力
「神ってる」をはじめ、今年もさまざまな言葉でにぎわいを見せたプロ野球。「野球は言葉のスポーツ」とよく言われるが、実際に選手・監督らから言葉を引き出し、紡ぎ出す記者やインタビュアーの力量次第で、野球報道はいかようにも面白くなり、深みを増していく。 その中で、今季もっとも神がかっていたインタビュアーは、間違いなく元・北海道日本ハムファイターズの稲葉篤紀だろう。 まずは春先、『報道ステーション』(テレビ朝日系)でのイチロー独占インタビューが素晴らしかった。 稲葉×イチローの絡みは、昨年、マイアミ・マーリンズに移籍したばかりのイチローをアポなしで訪れ、「稲葉さんなら」とイチローが快諾したもの。出身地が隣町同士という間柄だからこその軽快なやりとりは、これまでのどのイチローインタビューとも趣が違っていた。 イチローインタビュー、というか、イチローの言葉は、取材者を通り越して視聴者にも緊張を強いることがある。それもまたイチローらしさのひとつではあるのだが、稲葉を介したときのイチローの言葉は不思議と重さが取り除かれ、スッと耳に入ってくる。 迎えた今年の第2弾では、高校からプロ入りして数年までイチローがイップス(運動障害)に悩んでいたという、これまでどこにも語られていなかった事実が語られた。そして、最大の注目点は、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有や日本ハムの大谷翔平が率先して取り組み、昨今の球界トレンドのひとつとなっている「巨大化トレーニング」の是非について、イチローの見解を引き出したことだ。 「持って生まれたバランスがあるから、それを崩しちゃダメですよ。トラとかライオンは、ウエイトトレーニングしないですから」 「筋肉は大きくできても、それを支える関節や腱は鍛えられない。だから、けがをする」 というイチローの回答は、他のメディアでも拡散されたので、ご存じの方も多いだろう。 インタビュアー稲葉が素晴らしかったのは、このイチローインタビューへのアンサーソングともいうべき、別なインタビューを行ったことだ。10月16日の『Get Sports』(同)で特集された「ダルビッシュ有×稲葉篤紀 スペシャルインタビュー」がそれ。イチローの筋トレ不要論をダルビッシュはどう考えるのか? 稲葉が直撃取材した。こちらは深夜帯という時間も影響してか、イチローインタビューほど話題にならず、拡散も少なかったので、知らない人も多いかもしれない。 「今、シマウマがトレーニングを始めて、ライオンたちよりも強くなっている。だから、ライオンだってトレーニングをしなきゃいけない時代になった」 「イチローさんは、もともとめちゃくちゃ頭のいいライオン。ほかのライオンにはできない特殊能力があるから、今までもずっとエサを獲ることができた。日本はいつまでもシマウマじゃ、これから先、どんどん食べられてしまう」 Twitterやブログで自ら言葉を発信し、イチロー同様、普段はあまりメディア取材を受けないダルビッシュからこの回答を引き出したという点で、稲葉の功績は間違いなく大きい。 イチロー、ダルビッシュ以外でも、日本ハムの大谷、栗山英樹監督、中田翔、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智といった、今季の球界を支えた人物たちを継続して追いかけていた稲葉。興味深かったのは、ソフトバンクと日本ハムが直接対決した今季のパ・リーグ天王山(9月21日)の試合直前、栗山監督にインタビューした際、「2点先に獲って、大谷で逃げ切りたい」というコメントを引き出したこと。果たして試合はその言葉通り、日本ハムがホームランで2点を先制し、大谷が見事に完投勝利。この試合で、ほぼ今季のパ・リーグの雌雄が決した、といわれる試合だっただけに、実に意義のあるインタビューとなった。 普段、メディアの取材を受けないことで知られるイチローやダルビッシュが稲葉の前では胸襟を開くのは、稲葉がどこまでも謙虚であることが大きな要因だろう。 《人気にあぐらをかいてはいけない。クールになってもいけない。謙虚な気持ちを抱きつつ、初心を忘れることなく、つねに挑戦者のつもりで熱く闘わなければいけない。僕たちこそ、マンネリズムに陥ってはいけないのです》 これは、引退した際に上梓した自著『THANKS FANS! 北海道に僕が残したいもの』(宝島社)に収められた一節。日本ハムが今後も強く、人気を保つために必要な心構えについて書いたものだが、これはそのまま、情報を伝える側に回った稲葉自身のモットーのように思えてならない。 そんな稲葉は以前、イチローにインタビュアーの心構えを聞かれて、こう答えている。 「選手の立場がすごくわかるから、もうしわけない。これ聞いて大丈夫かなと。視聴者は『コレを聞いて欲しいんだろうな』というのもわかるけど……まだまだ」 プロフェッショナルとしては変わらなきゃいけないと思う、と語る稲葉だったが、むしろ変わる必要はない。選手たちから慕われ、視聴者にも好印象を与えられるインタビュアーは、それだけで稀有な存在だ。2017年も魅力的な言葉を選手たちから引き出し、野球報道に一石を投じてほしい。 (文=オグマナオト) ■「熱血!スポーツ野郎」過去記事はこちらから稲葉篤紀 Aiプロジェクト公式HPより
マニアックすぎ!! ネタの「狭さ」で勝負をかけるNHK『球辞苑』とフジ『スポーツの神様たち』
年末年始はスポーツ系特番も花盛り。12月5日放送のテレビ朝日系『中居正広のスポーツ!号外スクープ狙います!』を皮切りに、ここから怒濤のようにアスリートを「ネタ」にした特番でにぎわうはずだ。 プロ野球やJリーグが束の間のオフシーズンを迎える今、アスリートの素顔に迫るコンテンツは、それはそれで価値がある。ただ、年末特番という性質上、ターゲットを広く構える必要があるため、どうしたって薄くてぬるくて物足りない企画に陥りがちだ。 冒頭で挙げた『中居正広のスポーツ!』にしても、その内容に「スクープ」と呼べるようなネタは(当たり前だが)なく、むしろ、TBSの『プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達』と『壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち』の二番煎じ的な話題も多かった。個々のキャラクターでの面白さや発見はあっても、見終わった後に何か心に残るものはほとんどない。 そんな低温調理が並ぶスポーツ特番をあざ笑うかのように、レギュラー番組で圧倒的な熱量を誇るスポーツ番組がある。NHK-BS『球辞苑~プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち~』(毎週土曜23時~)だ。 究極の野球辞典「球辞苑」の編さんを目的に、野球界で話題となったキーワードを、選手・研究者のVTR証言を基にスタジオトークで研究していく、というこの番組。2014年から不定期な特番として回を重ね、今年7月、第6回衛星放送協会オリジナル番組アワードで「情報番組・教養番組部門」の最優秀賞を獲得。この受賞が決め手となったのか、11月から満を持してのレギュラー昇格を果たしたのだ。野球ファンが今、最も見るべき番組が、この『球辞苑』だと思う。 ランチビュッフェのように、企画もタレントもとにかく数を並べようとする多くのスポーツ特番と違い、『球辞苑』の魅力は「一品」勝負であること。そしてその「一品」が、本来であればメニューの裏面に小さく載っているようなキーワードばかりなのがたまらない。 たとえば、レギュラー放送1回目のテーマが「クイックモーション」。MC(球辞苑編集長)のチュートリアル・徳井義実をして、「第1回にして、くっそ地味でしょ!」が第一声だった。ちなみに、先週放送の第3回テーマ「インハイ」では、「また狭いですねぇ……球種でもなく、コースに絞ってお送りするという」が第一声。自ら重箱の隅をつついていくようなこの「狭さ」こそが、『球辞苑』の肝だ。狭い分、とにかく深く深く掘り下げていく。 野球という競技は、プレーや試合の価値を「技術」「データ」「歴史」「キャラクター性」など、さまざまな側面から語り合えるのが魅力のひとつだ。そこで『球辞苑』では、「技術」については解説者と現役選手が、「データ」についてはアナリストが、「歴史」は野球ライターが、「キャラクター」は徳井とリポーターのナイツ・塙宣之が……といった具合にうまく役割分担がなされていて、にぎやかしの女性タレントなどひとりもいないが、見ていて飽きることがない。 そして、取材VTRがまた見どころばかりで、名言もよく飛び出す。稀代の名捕手・野村克也が語った「クイックモーション開発秘話」は、さながら同局の『プロジェクトX~挑戦者たち~』のようだったし、世界の盗塁王・福本豊がいたからこそクイックモーションは生まれた、として語った「ライバルこそが最大の功労者」は、さすがの野村節だ。 今後の放送予定はというと、明日12月10日が「外野手の補殺」。以降、「リード(離塁)」「ホームランキャッチ」「ファウル」「球持ち」……と渋すぎるラインナップが続く。このままブレずに続いてほしい。 この『球辞苑』同様、「狭さ」勝負を挑んでいるのがフジテレビ系『村上信五とスポーツの神様たち』だ。この秋から新企画「○○だけで30分」がスタート。「他のスポーツ番組ではぜったいに扱わないネタだけで構成。果たしてこれで30分持つのか!?」というコンセプトで、ここまで「ヒーローインタビュー」「胴上げ」「ユニフォーム」「ロッテファン」の4回を放送。ひな壇のタレントの数も少しずつ減らし、洗練度も増してきている。 『球辞苑』がどちらかといえば、データと理論、VTRが中心とすれば、『スポーツの神様たち』はパッションとエピソード重視。「ロッテファン」の回では、熱狂的ロッテファンとして知られるリットン調査団・藤原光博がプレゼンター。地上波は4年ぶりの出演だったというが、タレントありきではなく、企画ありきだからこその人選は好感が持てた。 にぎやかしばかりの特番が続いて、食傷気味になりそうな年末年始。コツコツと地道な企画を積み重ねるレギュラー番組たちの狭くて深い魅力も、ぜひとも味わってもらいたい。 (文=オグマナオト) ◆「熱血!スポーツ野郎」過去記事はこちらから◆NHK-BS『球辞苑~プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち~』
気配りの人、中居正広が語った「野球と自分とSMAPと」
SMAP・中居正広にとって激動の1年が、間もなく終わろうとしている。振り返れば今年、彼は自分の境遇が騒がれているはずなのに、周りを慮ってばかりだった。 SMAP解散騒動に揺れる中、むしろ番組では、それをネタにして場を和ませる姿を何度となく披露した。またある時は、引退危機にすら追い込まれていたベッキーのテレビ復帰を、見事にプロデュースした。先月放送された『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2016』(フジテレビ系)では、徳光和夫とみのもんたという、立教大学放送部の先輩後輩による不毛ないざこざを軽快にいなしていた。 解散決定の報が世に出たのは、自身がTBSの五輪キャスターを務めているまっ最中。だからこそ彼はラジオ番組を通して、「リオのオリンピックの期間中に発表ということになったことを、スポーツ関係者の皆さま、アスリートの方々、それを支える方々、そして日本中で応援している方々、自分がキャスターとしてやらせてもらっているにもかかわらず、水を差すような時期だったことは申し訳なく思っております。深くお詫び申し上げます」と謝罪した。 いつも、周りの誰かに気を使っていた。 そんな中、先日放送された、フジテレビ系『たまッチ!』(11月13日深夜)では、今年現役引退を表明した巨人・鈴木尚広を交えて、こんなやりとりがあった。 「でもね、会見すら、試合すら、コメントすら残らず、本当に1行で『戦力外通告・引退』。これすら載らない選手のほうが、圧倒的に多いんですよね。そういう選手もいるっていうことを、頭に入れてほしいなって」 今の中居が発するからこそ、より重みのあるメッセージだった。 言いたいことも言えない状況だからなのか、野球を通して、何かを伝えようとする姿が目立った1年でもあった。そんな彼にとって救いだったのは、雑誌「週刊ベースボール」(ベースボール・マガジン社)で月1連載コラム「中居正広のとことん野球好き!!」が始まったことだったのではないだろうか。 好きな野球について、好きに語れる場。テレビでもその機会はあるだろうが、野球専門誌という立ち位置で語れることに対する喜びも大きかったはず。だが、彼の書くコラムは、マニアックな内容ではあるものの、決して好き勝手な話題ではなく、野球選手への配慮と尊敬、そしてここでも「気配り」が前に出る内容ばかりだった。 《(選手や監督と)仕事でご一緒することはありますけど、彼らと僕とでは立っているステージがまったく違うもの。それこそ1球で自分だけでなく、周りの人生にまで影響するような、すごい勝負をしているわけですから。あくまでも僕は一ファンとして「ああだ、こうだ」と考えて野球を満喫しているだけ。でも、それこそが野球ファンの醍醐味でもあるんですよね》(コラム第1回より) そんな彼は、この連載コラムを通して、野球以上に「自分」を語っていた。 自分が野球を好きになったキッカケ。 父親との、野球を通したコミュニケーション。 元野球少年から、今の野球少年へのメッセージ……etc. それは、SMAPファンやジャニーズファンでなくとも、ひとりの野球少年の歩んできた道程として、味わい深いものだった。 そして、ときにSMAPについての言及もあった。 《野球漬けの生活を過ごした小学校時代、僕は野球を通して学んだことがたくさんありました。その中の1つが「全員がエースや四番にはなれない」ということです。(中略)そのとき、ようやく分かったんです。自分の役割は“エースで四番”ではないんだ、ということが。(中略)例えばSMAPの中で僕の役割って何なのかなと考えたときに、まず歌ではないなと(笑)。もちろん僕だってセンターで歌いたいと思っているんですよ、一番華のあるポジションですからね。でも、まあ違うなと。(中略)歌は他のメンバーに任せて、自分はおしゃべりで一番になれるように精いっぱい頑張ろうと。》(コラム第4回より) 大好きな野球というフィルターを通して語る、大好きな(はずの)SMAPについて。それは、中居だからこそできる芸当であり、今さらながら伝わるものがあった。 そんな彼が、SMAPのメンバーであるのは、残り1カ月。いまや彼のライフワークのひとつともいえる『たまッチ!』は、12月30日にも放送される。NHK紅白出場がなくなった(とされる)今、ひょっとして「SMAP中居」としては、最後のテレビ出演かもしれない。好きな野球を通して、ファンにどんなメッセージを届けるのか? SMAPファンでなくても、注目して待ちたい。 (文=オグマナオト)
いまだに「宇野ヘディング事件」頼みって……フジ『プロ野球珍プレー好プレー大賞2016』に足りないもの
2016年も残りわずかだというのに、いまだに80年代・90年代を生きる放送局がある。ご存じ、フジテレビのことだ。 11月5日、『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2016』がゴールデン帯(21時~)で放送された。が、その内容は「2016」よりも「在りし日のプロ野球」を振り返ってばかりだった。 伝説のスポーツ番組『プロ野球ニュース』の番組内コーナーだった「珍プレー好プレー」が特番化され、人気を博したのは1983年のこと。以降、年2回のペースで放送され、野球人気の下支えに貢献してきた。 ところが、球界再編騒動が起きた翌年の2005年、プロ野球が新しく生まれ変わろうというときに、まるで役目を終えたかのように終焉を迎えた。 そんな名物番組が中居正広をMCに据え、『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2015』としてゴールデンで復活を果たしたのが昨年のこと。だが、「2015」をうたいながら、その年の名場面は少なく、ただただ往年(『プロ野球ニュース』と『珍プレー好プレー大賞』が人気だった80年代中盤~90年代)のプロ野球名珍場面を振り返るばかり。 その番組構成に、多くの野球ファンは失望を覚えた。 野球はこんなにも進化しているのに、スポーツバラエティのあり方だって進化しているのに、なぜ90年代で時を止めてしまうのか? ただ、副題として「安心してください!33年分ありますよSP」と掲げていただけに、過去を振り返ることは想定内だった。だからこそ、今年の番組に期待していたのだ。 ちなみに、今年の副題は「番組史上初!プロ野球選手が投票No.1を決定」というもの。現役選手500人にアンケートを行い、「これぞ!」と思う珍プレー好プレーに投票してもらったことを“売り”としていた。 てっきり、『すぽると!』時代の名物企画、「プロ100人が選ぶ部門別トップ5 1/100」に倣ったものだと期待していたら、それは完全なる見込み違い。いや、勝手に期待したこちらが悪いのだが、それにしたって、現役選手が選ぶNo.1珍プレーが「1981年・宇野ヘディング事件」って本気だろうか? 確かに、「宇野ヘディング事件」は球史に残る“名・珍場面”であり、『珍プレー好プレー大賞』の代名詞的存在でもある。これまでにも何度もリプレイされているからこそ、現役選手が選んだ、ということは考えられる。 だが、プロ野球選手の平均年齢は27.5歳。つまり、1980年代後半生まれがボリュームゾーンだ。そんな選手たちが、自分が生まれる前の珍場面をNo.1に選ぶとは、とてもではないが、考えにくい。申し訳ないが、「宇野ヘディング事件」ありきのアンケート作り、番組作りをしていた、と疑わざるを得ない。 そもそも、「宇野ヘディング事件」と宇野勝選手については、珍プレー好プレー大賞への貢献が大きいとして、過去に「珍プレー名人」として番組で表彰したはずだ。なのに、なぜまた引っぱり出す必要があるのか? 過去の番組スタッフにも、宇野選手にも失礼だし、過去の資産に頼りすぎだ。 冒頭でも触れたが、この「宇野ヘディング事件」以外でも、今回番組で取り上げたプレーの半分近くが80年代と90年代のもの。監督コーナーで登場したのは長嶋茂雄、野村克也、星野仙一の3人だった。 2016年の今、それらを見せられてどうすればいいのだろう? 野球ファン・スポーツファンが見たい・知りたいことは、「今」の野球界のことなのに。プレーの質も、記録も、身体能力レベルも、プロ野球はこの10年で間違いなく一段階上がった。だが、番組が、そこに追いついていないのだ。 競技も観客もレベルが上がったことで、「珍」プレーが少なくなった、ということはあるかもしれない。であるならば、番組タイトルのもう一方である「好プレー」のほうを増やせばいいのだ。 今回、「好プレー」で取り上げられた選手はたったの10名のみ。圧倒的に少なすぎる。500人アンケートを行ったのであれば、「選手が選ぶ好プレー50選」くらいやってほしい。今年の日本シリーズが高視聴率を生んだように、質の高いプレーを見たい視聴者の数は少なくないはずだ。 実際、NHKでは、今年『NHKドキュメンタリー 3000本へ!見せますイチロー全安打』なる、気が狂っているとしか思えない番組をつくって、野球ファンをうならせていた。 視聴者が求めているのは、使い古した映像でも、知ったかぶりの知識で番組の流れを止めていたタレントでも、無駄な演出でもない。熱量なのだ。 「珍プレー好プレー大賞」の“生みの親”でもあり、この日も「珍の殿堂」として登場したみのもんた自身が、かつて野球報道のあり方について、こんなコメントを残していたので最後に引用したい。 《司会者と解説者とプレーヤーは三位一体。『プロ野球ニュース』はこのバランスが抜群だったと思う。それがいつしか、解説者やキャスターと呼ばれる人がメインになり始め、バランスが崩れだした。演出に走りすぎる姿勢も気になる。(中略)生感覚を大事にし、もっと誠実に、そしてシンプルに》(『野球小僧』2010年12月号「プロ野球ニュース革命」より) (文=オグマナオト)『プロ野球ニュースで綴るプロ野球黄金時代 vol.13』(ベースボールマガジン社)








