予告!サイゾーテレビ【小明の副作用】第46回生放送は19日(木)22時です

前回の番組冒頭で「マンコー!」と叫んだことが功を奏したのか、ヴィレッジヴァンガード下北沢でのサイン会(詳細)やタワーレコード新宿でのインストアライブ(詳細)など身に余る仕事がぞくぞく決まって頭が痛くなっちゃったアイドルライター小明がお送りするサイゾーテレビ『小明の副作用』第46回生放送は、4月19日(木)の22時より公開となります。いつも通りニコ生&Ustreamの二元生中継です。 ●会場はこちら Ustreamhttp://www.ustream.tv/user/cyzo_tv 上は、前回分。マンコー!

「ぬるま湯もウソではないけれど――」入江悠監督『SR3』が叫んだボンクラたちの夢の後先

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『SR』シリーズの大ファンで『SR』イベントにゲスト出演したこともある小明さん。
インタビュー後半には入江監督に意外な要求も……!?
 『SR サイタマノラッパー』シリーズが大好き! そして入江監督も大好き! ということで、己のアイドル特権をフルに活用し、入江悠監督にお話をうかがってきました! アイドル10年もやってて良かったー!! ――お久しぶりです! 唐突ですが、監督は事務所に入ってるんですね、アイドルの私も入っていないというのに。事務所に入って、何か変わりましたか? 入江悠監督(以下、入江) 『SR2』の公開ぐらいに入ったんですけど、とくに変わったことは……。あ、こないだドラマの撮影をしていて病院に行く暇がなかったときに、“飲む点滴”っていうのを差し入れてもらえるようになりましたね。 ――飲む点滴? それってシャ……いや、それ飲むとしばらく献血に行けなくなるとか言われませんでした? 入江 それ、本気のやつじゃないですか(笑)。ちゃんとした病院でもらえる薬です。 ――ドラマの撮影は忙しすぎて、眼球が炎症を起こしたそうですね。『SR』でも、出演者のトム(水澤紳吾)さんのシワが増えたり、イック(駒木根隆介)が太ったり、今回の『SR3』の主役のマイティ(奥野瑛太)も円形脱毛症になったそうで、撮影の過酷さが伝わってきます……。けど、『SR』シリーズも有名になって、埼玉の人たちもうれしいと思いますよ! 入江 それが、埼玉で上映してもぜんぜんお客さんが入らなかったんですよ。以前、浦和のシネコンで上映したとき、みんな吸い込まれるように『踊る大捜査線』とかに入って行っちゃって……。 ――……。でも、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』、すごく良かったです。SHO-GUNGのイックとトムを捨てて東京に行って転落したマイティのやりきれなさ、号泣しながら何度も見ました。あと、マイティのシーンが壮絶なだけに、相変わらずのんきなイックとトムが出てくるとホッとしました。あいつらどうやって生活してるんだ……。 入江 イックとトムはどんどん生活感がなくなっていきますからね。“ラップの妖精”みたいな感じです。あの2人がいなかったら、ものすごくハードになっちゃいますよね、映画もマイティの人生も。 ――『SR3』は今までと趣向を変えて、バイオレンスな方向にいったのはなぜですか? 入江 東映の深作欣二監督の映画が好きで、『仁義なき戦い』とか、ああいうのをやりたいって思っていたから。それに震災以降、いろんなことが剥き出しになったじゃないですか。生きるか死ぬか、いろいろリアルになった。今までの、コタツの中にいるみたいな、ぬるま湯もウソではないけど、もう『SR』シリーズを始めた2009年とは変わってきちゃったんじゃないかな。 IMG_7282_.jpg ――確かにそうですね。『SR2』が群馬のくすぶってる女の子たちに火をつけにいく話だったので、てっきり今回も栃木でそうだろうと思っていたら、主役がまさかのマイティで驚きました。 入江 よぼよぼのお爺さんラッパーとか、ガキんちょラッパーとか、いろいろ考えたんですけど、どっちも撮るのが大変だな、と思って(笑)。 ――栃木、老人だけはいっぱいいますからね……。最近、千葉にあった私の実家が母親の実家近くの栃木に移ったんですけど、母が「千葉ではお婆ちゃん扱いだったけど、栃木だと若者扱いになった」って喜んでました。 入江 そんなに格差が!? ――行ってみたら、確かに市内にいる人間が母よりも年上の、それこそ腰が曲がった方と、たまにその息子夫婦+孫、みたいな感じで……。でも、さすがにあんなにモヒカンだらけの労働者の集う修羅の街ではなかったですよ! 監督、栃木にどんな印象を持っているんですか? 入江 世紀末(笑)。いや、うちの父親も宇都宮出身なんですよ。『北斗の拳』みたいなのがいっぱいいる、殺伐とした街として栃木を描いちゃいましたけど、本当に若い人は昼いないですよね。栃木も全域を回って日光のほうまで行ったんですけど……あ、佐野にはいます。でっかいショッピングモールがあるんで。 ――ああー、行ったことがあります。佐野に限らず、地元のデカいショッピングモールに行くと、必ず同級生が家族連れで来ていたりして……。丸腰でいくと精神的に大けがをする、鬱スポットのひとつです。しかしながら、そんな土地で、よくあのフェスシーンを完成させましたね、インディペンデント映画なのに、出演者が2,000人超えなんてあり得ない! 入江 エキストラさんはみんな自腹で来てくれて、北海道から来てくれている人もいて、そういう人に助けられました。 ――それだけ規模が大きくなったのに、セリフには放送禁止用語がたくさん出てきて……。監督は、これがテレビで流れることなんか考えていないんだなと思いました。
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(c)2012「SR3」製作委員会
入江 なんか、『踊る大捜査線』のときのトラウマで。逆をいってやろうと思って……。 ――(笑)。でも、インディペンデントじゃなくても、予算がなくてエキストラを呼べないってこともけっこうありますよね。たとえばゾンビ映画なら、ラストでゾンビがワーって集まって主人公が襲われるシーンなのに、ゾンビが超少ないとかよくありますもん。監督はメジャーでもできないことをインディペンデントでやってのける。かっこいいです。 入江 そうですね。今回の『SR3』でやりたいことは全部やってやろうと思ってたし、とりあえず、今回でこのシリーズは区切ろうと思ってます。一応、海のない北関東は。 ――なんで!? 私が育った千葉だって充分ダサいですよ! 千葉にも来てくださいよ! 入江 だって、千葉だとディズニーとかまであるんですよ? ――ぐぬぬ……。でも、本当にやってほしい県はいっぱいあるんですよ。シリーズが終わるのは寂しいです。 入江 じゃあ、サイズダウンして、千葉とか神奈川とか茨城とか、興味ないところを5分ぐらいでバババっとYouTubeで……。 ――あからさまに興味ないじゃないですか……。ところで先日、「映画秘宝」(洋泉社)で『SR』シリーズファンの座談会をしたんです。その際に、小説版が面白いと聞き、恥ずかしながら今さら読んだんですけど、いやぁ面白いですね。とくにイックとトムの学生時代の話が最高でした! 文庫化もされるそうで、印税が楽しみなんじゃないですか(いやらしい笑み)? 入江 いや、すごい頑張って1年がかりで書いたんですけど、書き込みすぎて想定よりもかなり分厚くなっちゃって、手に取りにくくなったんですよ。そのせいか、全然売れてないし……。せっかく表紙も『デトロイト・メタル・シティ』の若杉公徳さんが描いてくださったのに。 ――そうなんですか……。でも、映画では描かれなかったイックたちの陰鬱な高校時代の話は本当に素晴らしかったです。勉強ができなくてグレる気力もないけど性欲だけは余ってる、みたいなリアルさ。監督がどんな学生時代を送られたのか興味津々です。 sr32s.jpg 入江 僕は、中学はもう動物園みたいなところで、高校は男子校です。平和というか「週刊少年ジャンプ」みたいな生活ですよね。ステイタス持っているやつが偉い。基本、ぼんくらでした。 ――男子校ですか。そういえば以前、『SR』のイベントのゲストに呼んでいただいた際、『SR2』の女の子たちが「こっちは仲良くやりたいと思ってるのに、監督やイックたちはいつも男子だけでキャッキャやってて入る余地がない」と言っていましたね。 入江 そうなんですよ。男子校出身なんで、女子と距離をつめるのが苦手なんです。大人になっても全然苦手です。小説ではイックの高校は共学なんですけど、それも全部妄想。同じ教室で女子と席が並んでいるとか、想像もできないですからね。中学の頃の記憶をかろうじて思い出しながら書きました。 ――イックは女子に対する警戒心も半端ないですよね。ひょんなことから仲良くなったスクールカースト上位の小暮千夏(みひろ)に対する「お前の完璧な自己演出の手段になってたまるか」みたいな捻くれた受け取り方がすごい(笑)。 入江 「こんな子が俺のところに来るわけない」ってやつね。 ――映画の長回しのシーンのふとした間とか、俳優の呼吸と呼吸の間にはこんなに色んな葛藤があったのか、と驚きました。 入江 故・川勝正幸さんに「イックってこんなIQ高かったんだ!」って言われて。それも、まぁ、小説で書いていたら、つい自分のこととリンクしてきちゃってね……。 ――やっぱり、イックはご自分がモデルなんですか? 入江 そうなんです。自分も基本的にインドアで、イックの部屋は自分の部屋ですからね。一応、自分のぼんくらな部分を書いているんですけど、書き込んでいるうちにどんどんその部分を追求したくなっちゃって……。そんなところに熱くなっちゃってるから、分厚くなっちゃうんですよね(笑)。 ――読んでからまた映画を見ると、二度三度と楽しめて良かったです! イックが高校を卒業してから音楽の専門学校に行ったように、監督も大学時代に映画の勉強を始められたんですよね。そこで初めて東京に? sr34s.jpg 入江 そうです。でも、日大の芸術学部が所沢で……。なぜかいつも池袋でUターンしなければならない。東京に出るために大学行ったのに。 ――(笑)。ちなみに、以前ブログに「映画を見せようと努力すればするほど貧乏になる」と書いていましたが、宣伝に行くときは基本的に自腹なんですか? 入江 そう。乗り合いで新潟まで行ったり、北海道まで飛行機で自腹で行っていましたね。最初は旅行気分で楽しかったんですよ。Tシャツとか持って行って物販もやって、なんとかメシ代ぐらいを稼いで、みたいな。札幌では、イックとマイティはパチスロで帰りの交通費とか稼いでましたよ。ろくでなしですよね。 ――そうでもしないと帰れないから(笑)。インディペンデント映画は制作側も出演者側も、想像以上にハードなんですね……。 入江 でも、その札幌で、マイティがそれまでにないぐらいパチスロに大当たりして、人生初の風俗に行ったらしいんです。そしたら、出てきたのがイックみたいな女だったっていう(笑)。 ――そこは『SR』愛で、ぜひチェンジなしでいってほしいですよね! 入江 ね(笑)。そういうことやっていると、赤字になっていくんですよ。 ――あはは! でも、監督みたいな人がお金がなくて映画を撮れないっていう状況がファンとしてはいちばん辛いので、『SR3』は絶対にたくさんの方に見に来てほしいところです。 入江 『SR2』から、もう1年以上空いちゃったんでね。もうちょっと間隔を空けずにやっていかないと、トムさんの老い感が(笑)。もう、あんまりアップが撮れなくなってきたんですよ。早くしないとやばい。あの人、俳優としての欲がないんですよ。カメラに写りたいとかいう気持ちもなくなってきたみたいで、着替えもゴミ袋に入れて持ち運びしていますからね。 ――すごいいい俳優さんなのに、なぜそんなことに……。ちなみに、監督は『SR1』を撮った際に、「この映画が当たらなかったら監督を辞めよう」と思っていたそうですが、その時、監督は29歳ですよね。まだ若いじゃないですか。どうして辞めようと思われたんですか? 入江 僕、19歳のときに映画を勉強しようと思って、東京に……っていうか所沢に出てきて、そこからちょうど10年経つ時期だったんです。10年ってひとつの区切りじゃないですか。映画って、文筆と違って、あんまり晩年でデビューとかってないんですよね。感覚的なセンスもあるし、29歳ぐらいがいろいろ考える節目だろうな、と思っていて。 IMG_7289_.jpg ――監督は劇団も立ち上げていらっしゃいますけど、劇団の人も30歳前後で一気に人数が減っていきますよね。みんな、やりたいことか現実とか、プレッシャーとか家族の事情に挟まれて、だいたいそのあたりでフェードアウトしていく。私は今アラサーで、売れないアイドルも10年目になってるんですけど、もう挟まれすぎて苦しいですもん。完全に節目が来てます。 入江 おお、そうなんですね、すごいですね。 ――最近CDなどを出し始めたので、これでまたしばらくアイドルを名乗ってやろうと思ってるんですが、なにぶん知名度もありませんし……。でも『SR3』で、どん底にいながら叫び続けるマイティを見たら、ついつられて「私はまだアイドルを続けるぞ!」みたいな気持ちになっちゃって……どんどん辞めるタイミングを失っていくんですよ、売れてもないのに。これはもう責任問題だと思うんですよ。だから、もう、ちょっと、嫁に、嫁……。 入江 ああ、嫁に行くか、アイドルを続けるか、みたいな? ――いや、ちょっと監督の嫁に……監督が嫁にもらっ……えーと……(赤面)。 入江 いやぁ、でも10年続けるってすごいですよ。アイドルとして、「これをやりたい!」みたいなものはあるんですか? ――話をそらされた……? いや、明確な目標はそんなにないんですけど、続けているといいことがあるじゃないですか。イックとトムが寅さんみたいに旅をしながらいろんな人に出会うように、私もアイドルライターというのを続けていると、その道すがらでこうして入江監督と会えたり、辞めていたら絶対に不可能だったうれしいことがある。だから続けてる感じです。続けるって大事ですよね。 入江 そうね。ただ、イックとトムは、とにかく食べたり歩いたりしているだけですけどもね。マイティは一度辞めちゃうけど、イックたちは1と2の後にリセットボタン押されて、全部忘れて戻ってくるから(笑)。 ――そういうの、憧れます。けど、どこかで折り合いをつけたり、新しい生き方を見つけて辞めていった人たちも自分が持ってない幸せを持っているし、辞めることと続けること、どっちが正解なのか全然わかりません。監督はどう思いますか? 入江 全然わからなくて。僕も撮りながらも答えが出なくて、折り合いがつけられなくて、だからああいう終わり方になっているんです。だけど、映画を通して伝えたいことっていうのは、やっぱり“続ける”っていうことですね。まぁ難しいし、悪いこともあるんだけど、やっぱり続けてほしいですよね。  * * *  と、映画について熱く語ってくださる監督の話を赤面しながら聞き、頷きながらも随所随所で「嫁にしてくれ」というアピールを挟みましたが、すべてスルーされました。さらに、そのインタビュー後の道すがら、編集さんが宣伝の方に「すみません、次はちゃんとした映画ライターを呼びますので」と謝っているのも聞きました。しかしながら、監督のおっしゃるようにすべては“続ける”こと。言い続けていれば、きっといつか嫁にもらってくれることでしょう。どんどん立場が厳しくなってまいりますが、私もまだまだあきらめない! SHO-GUNGよろしく伸びるグンググーン! (取材・文=小明) ●『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 監督・脚本・編集/入江悠 出演/奥野瑛太、駒木根隆介、水澤紳吾、斉藤めぐみ、北村昭博、永澤俊矢、ガンビーノ小林、美保純 配給/SPOTTED PRODUCTIONS 4月14日(土)より渋谷シネクイントほかにて全国順次ロードショー、4月21日(土)より渋谷シネクイントほかにて『SR』シリーズ全作上映 <http://sr-movie.com> (c)2012「SR3」製作委員会 ●いりえ・ゆう 1979年生まれ。幼少期から19歳までを過ごした埼玉県深谷市を舞台にした『SR サイタマノラッパー』で2009年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門グランプリを受賞しブレイク。『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』など意欲的に作品を発表し続け、インディーズとメジャーの枠を超えた活躍で業界内外の注目を集めている。 ●あかり 1985年生まれ。1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。著作に『アイドル墜落日記』(洋泉社)。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中 ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「ぬるま湯もウソではないけれど――」入江悠監督『SR3』が叫んだボンクラたちの夢の後先

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『SR』シリーズの大ファンで『SR』イベントにゲスト出演したこともある小明さん。
インタビュー後半には入江監督に意外な要求も……!?
 『SR サイタマノラッパー』シリーズが大好き! そして入江監督も大好き! ということで、己のアイドル特権をフルに活用し、入江悠監督にお話をうかがってきました! アイドル10年もやってて良かったー!! ――お久しぶりです! 唐突ですが、監督は事務所に入ってるんですね、アイドルの私も入っていないというのに。事務所に入って、何か変わりましたか? 入江悠監督(以下、入江) 『SR2』の公開ぐらいに入ったんですけど、とくに変わったことは……。あ、こないだドラマの撮影をしていて病院に行く暇がなかったときに、“飲む点滴”っていうのを差し入れてもらえるようになりましたね。 ――飲む点滴? それってシャ……いや、それ飲むとしばらく献血に行けなくなるとか言われませんでした? 入江 それ、本気のやつじゃないですか(笑)。ちゃんとした病院でもらえる薬です。 ――ドラマの撮影は忙しすぎて、眼球が炎症を起こしたそうですね。『SR』でも、出演者のトム(水澤紳吾)さんのシワが増えたり、イック(駒木根隆介)が太ったり、今回の『SR3』の主役のマイティ(奥野瑛太)も円形脱毛症になったそうで、撮影の過酷さが伝わってきます……。けど、『SR』シリーズも有名になって、埼玉の人たちもうれしいと思いますよ! 入江 それが、埼玉で上映してもぜんぜんお客さんが入らなかったんですよ。以前、浦和のシネコンで上映したとき、みんな吸い込まれるように『踊る大捜査線』とかに入って行っちゃって……。 ――……。でも、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』、すごく良かったです。SHO-GUNGのイックとトムを捨てて東京に行って転落したマイティのやりきれなさ、号泣しながら何度も見ました。あと、マイティのシーンが壮絶なだけに、相変わらずのんきなイックとトムが出てくるとホッとしました。あいつらどうやって生活してるんだ……。 入江 イックとトムはどんどん生活感がなくなっていきますからね。“ラップの妖精”みたいな感じです。あの2人がいなかったら、ものすごくハードになっちゃいますよね、映画もマイティの人生も。 ――『SR3』は今までと趣向を変えて、バイオレンスな方向にいったのはなぜですか? 入江 東映の深作欣二監督の映画が好きで、『仁義なき戦い』とか、ああいうのをやりたいって思っていたから。それに震災以降、いろんなことが剥き出しになったじゃないですか。生きるか死ぬか、いろいろリアルになった。今までの、コタツの中にいるみたいな、ぬるま湯もウソではないけど、もう『SR』シリーズを始めた2009年とは変わってきちゃったんじゃないかな。 IMG_7282_.jpg ――確かにそうですね。『SR2』が群馬のくすぶってる女の子たちに火をつけにいく話だったので、てっきり今回も栃木でそうだろうと思っていたら、主役がまさかのマイティで驚きました。 入江 よぼよぼのお爺さんラッパーとか、ガキんちょラッパーとか、いろいろ考えたんですけど、どっちも撮るのが大変だな、と思って(笑)。 ――栃木、老人だけはいっぱいいますからね……。最近、千葉にあった私の実家が母親の実家近くの栃木に移ったんですけど、母が「千葉ではお婆ちゃん扱いだったけど、栃木だと若者扱いになった」って喜んでました。 入江 そんなに格差が!? ――行ってみたら、確かに市内にいる人間が母よりも年上の、それこそ腰が曲がった方と、たまにその息子夫婦+孫、みたいな感じで……。でも、さすがにあんなにモヒカンだらけの労働者の集う修羅の街ではなかったですよ! 監督、栃木にどんな印象を持っているんですか? 入江 世紀末(笑)。いや、うちの父親も宇都宮出身なんですよ。『北斗の拳』みたいなのがいっぱいいる、殺伐とした街として栃木を描いちゃいましたけど、本当に若い人は昼いないですよね。栃木も全域を回って日光のほうまで行ったんですけど……あ、佐野にはいます。でっかいショッピングモールがあるんで。 ――ああー、行ったことがあります。佐野に限らず、地元のデカいショッピングモールに行くと、必ず同級生が家族連れで来ていたりして……。丸腰でいくと精神的に大けがをする、鬱スポットのひとつです。しかしながら、そんな土地で、よくあのフェスシーンを完成させましたね、インディペンデント映画なのに、出演者が2,000人超えなんてあり得ない! 入江 エキストラさんはみんな自腹で来てくれて、北海道から来てくれている人もいて、そういう人に助けられました。 ――それだけ規模が大きくなったのに、セリフには放送禁止用語がたくさん出てきて……。監督は、これがテレビで流れることなんか考えていないんだなと思いました。
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(c)2012「SR3」製作委員会
入江 なんか、『踊る大捜査線』のときのトラウマで。逆をいってやろうと思って……。 ――(笑)。でも、インディペンデントじゃなくても、予算がなくてエキストラを呼べないってこともけっこうありますよね。たとえばゾンビ映画なら、ラストでゾンビがワーって集まって主人公が襲われるシーンなのに、ゾンビが超少ないとかよくありますもん。監督はメジャーでもできないことをインディペンデントでやってのける。かっこいいです。 入江 そうですね。今回の『SR3』でやりたいことは全部やってやろうと思ってたし、とりあえず、今回でこのシリーズは区切ろうと思ってます。一応、海のない北関東は。 ――なんで!? 私が育った千葉だって充分ダサいですよ! 千葉にも来てくださいよ! 入江 だって、千葉だとディズニーとかまであるんですよ? ――ぐぬぬ……。でも、本当にやってほしい県はいっぱいあるんですよ。シリーズが終わるのは寂しいです。 入江 じゃあ、サイズダウンして、千葉とか神奈川とか茨城とか、興味ないところを5分ぐらいでバババっとYouTubeで……。 ――あからさまに興味ないじゃないですか……。ところで先日、「映画秘宝」(洋泉社)で『SR』シリーズファンの座談会をしたんです。その際に、小説版が面白いと聞き、恥ずかしながら今さら読んだんですけど、いやぁ面白いですね。とくにイックとトムの学生時代の話が最高でした! 文庫化もされるそうで、印税が楽しみなんじゃないですか(いやらしい笑み)? 入江 いや、すごい頑張って1年がかりで書いたんですけど、書き込みすぎて想定よりもかなり分厚くなっちゃって、手に取りにくくなったんですよ。そのせいか、全然売れてないし……。せっかく表紙も『デトロイト・メタル・シティ』の若杉公徳さんが描いてくださったのに。 ――そうなんですか……。でも、映画では描かれなかったイックたちの陰鬱な高校時代の話は本当に素晴らしかったです。勉強ができなくてグレる気力もないけど性欲だけは余ってる、みたいなリアルさ。監督がどんな学生時代を送られたのか興味津々です。 sr32s.jpg 入江 僕は、中学はもう動物園みたいなところで、高校は男子校です。平和というか「週刊少年ジャンプ」みたいな生活ですよね。ステイタス持っているやつが偉い。基本、ぼんくらでした。 ――男子校ですか。そういえば以前、『SR』のイベントのゲストに呼んでいただいた際、『SR2』の女の子たちが「こっちは仲良くやりたいと思ってるのに、監督やイックたちはいつも男子だけでキャッキャやってて入る余地がない」と言っていましたね。 入江 そうなんですよ。男子校出身なんで、女子と距離をつめるのが苦手なんです。大人になっても全然苦手です。小説ではイックの高校は共学なんですけど、それも全部妄想。同じ教室で女子と席が並んでいるとか、想像もできないですからね。中学の頃の記憶をかろうじて思い出しながら書きました。 ――イックは女子に対する警戒心も半端ないですよね。ひょんなことから仲良くなったスクールカースト上位の小暮千夏(みひろ)に対する「お前の完璧な自己演出の手段になってたまるか」みたいな捻くれた受け取り方がすごい(笑)。 入江 「こんな子が俺のところに来るわけない」ってやつね。 ――映画の長回しのシーンのふとした間とか、俳優の呼吸と呼吸の間にはこんなに色んな葛藤があったのか、と驚きました。 入江 故・川勝正幸さんに「イックってこんなIQ高かったんだ!」って言われて。それも、まぁ、小説で書いていたら、つい自分のこととリンクしてきちゃってね……。 ――やっぱり、イックはご自分がモデルなんですか? 入江 そうなんです。自分も基本的にインドアで、イックの部屋は自分の部屋ですからね。一応、自分のぼんくらな部分を書いているんですけど、書き込んでいるうちにどんどんその部分を追求したくなっちゃって……。そんなところに熱くなっちゃってるから、分厚くなっちゃうんですよね(笑)。 ――読んでからまた映画を見ると、二度三度と楽しめて良かったです! イックが高校を卒業してから音楽の専門学校に行ったように、監督も大学時代に映画の勉強を始められたんですよね。そこで初めて東京に? sr34s.jpg 入江 そうです。でも、日大の芸術学部が所沢で……。なぜかいつも池袋でUターンしなければならない。東京に出るために大学行ったのに。 ――(笑)。ちなみに、以前ブログに「映画を見せようと努力すればするほど貧乏になる」と書いていましたが、宣伝に行くときは基本的に自腹なんですか? 入江 そう。乗り合いで新潟まで行ったり、北海道まで飛行機で自腹で行っていましたね。最初は旅行気分で楽しかったんですよ。Tシャツとか持って行って物販もやって、なんとかメシ代ぐらいを稼いで、みたいな。札幌では、イックとマイティはパチスロで帰りの交通費とか稼いでましたよ。ろくでなしですよね。 ――そうでもしないと帰れないから(笑)。インディペンデント映画は制作側も出演者側も、想像以上にハードなんですね……。 入江 でも、その札幌で、マイティがそれまでにないぐらいパチスロに大当たりして、人生初の風俗に行ったらしいんです。そしたら、出てきたのがイックみたいな女だったっていう(笑)。 ――そこは『SR』愛で、ぜひチェンジなしでいってほしいですよね! 入江 ね(笑)。そういうことやっていると、赤字になっていくんですよ。 ――あはは! でも、監督みたいな人がお金がなくて映画を撮れないっていう状況がファンとしてはいちばん辛いので、『SR3』は絶対にたくさんの方に見に来てほしいところです。 入江 『SR2』から、もう1年以上空いちゃったんでね。もうちょっと間隔を空けずにやっていかないと、トムさんの老い感が(笑)。もう、あんまりアップが撮れなくなってきたんですよ。早くしないとやばい。あの人、俳優としての欲がないんですよ。カメラに写りたいとかいう気持ちもなくなってきたみたいで、着替えもゴミ袋に入れて持ち運びしていますからね。 ――すごいいい俳優さんなのに、なぜそんなことに……。ちなみに、監督は『SR1』を撮った際に、「この映画が当たらなかったら監督を辞めよう」と思っていたそうですが、その時、監督は29歳ですよね。まだ若いじゃないですか。どうして辞めようと思われたんですか? 入江 僕、19歳のときに映画を勉強しようと思って、東京に……っていうか所沢に出てきて、そこからちょうど10年経つ時期だったんです。10年ってひとつの区切りじゃないですか。映画って、文筆と違って、あんまり晩年でデビューとかってないんですよね。感覚的なセンスもあるし、29歳ぐらいがいろいろ考える節目だろうな、と思っていて。 IMG_7289_.jpg ――監督は劇団も立ち上げていらっしゃいますけど、劇団の人も30歳前後で一気に人数が減っていきますよね。みんな、やりたいことか現実とか、プレッシャーとか家族の事情に挟まれて、だいたいそのあたりでフェードアウトしていく。私は今アラサーで、売れないアイドルも10年目になってるんですけど、もう挟まれすぎて苦しいですもん。完全に節目が来てます。 入江 おお、そうなんですね、すごいですね。 ――最近CDなどを出し始めたので、これでまたしばらくアイドルを名乗ってやろうと思ってるんですが、なにぶん知名度もありませんし……。でも『SR3』で、どん底にいながら叫び続けるマイティを見たら、ついつられて「私はまだアイドルを続けるぞ!」みたいな気持ちになっちゃって……どんどん辞めるタイミングを失っていくんですよ、売れてもないのに。これはもう責任問題だと思うんですよ。だから、もう、ちょっと、嫁に、嫁……。 入江 ああ、嫁に行くか、アイドルを続けるか、みたいな? ――いや、ちょっと監督の嫁に……監督が嫁にもらっ……えーと……(赤面)。 入江 いやぁ、でも10年続けるってすごいですよ。アイドルとして、「これをやりたい!」みたいなものはあるんですか? ――話をそらされた……? いや、明確な目標はそんなにないんですけど、続けているといいことがあるじゃないですか。イックとトムが寅さんみたいに旅をしながらいろんな人に出会うように、私もアイドルライターというのを続けていると、その道すがらでこうして入江監督と会えたり、辞めていたら絶対に不可能だったうれしいことがある。だから続けてる感じです。続けるって大事ですよね。 入江 そうね。ただ、イックとトムは、とにかく食べたり歩いたりしているだけですけどもね。マイティは一度辞めちゃうけど、イックたちは1と2の後にリセットボタン押されて、全部忘れて戻ってくるから(笑)。 ――そういうの、憧れます。けど、どこかで折り合いをつけたり、新しい生き方を見つけて辞めていった人たちも自分が持ってない幸せを持っているし、辞めることと続けること、どっちが正解なのか全然わかりません。監督はどう思いますか? 入江 全然わからなくて。僕も撮りながらも答えが出なくて、折り合いがつけられなくて、だからああいう終わり方になっているんです。だけど、映画を通して伝えたいことっていうのは、やっぱり“続ける”っていうことですね。まぁ難しいし、悪いこともあるんだけど、やっぱり続けてほしいですよね。  * * *  と、映画について熱く語ってくださる監督の話を赤面しながら聞き、頷きながらも随所随所で「嫁にしてくれ」というアピールを挟みましたが、すべてスルーされました。さらに、そのインタビュー後の道すがら、編集さんが宣伝の方に「すみません、次はちゃんとした映画ライターを呼びますので」と謝っているのも聞きました。しかしながら、監督のおっしゃるようにすべては“続ける”こと。言い続けていれば、きっといつか嫁にもらってくれることでしょう。どんどん立場が厳しくなってまいりますが、私もまだまだあきらめない! SHO-GUNGよろしく伸びるグンググーン! (取材・文=小明) ●『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 監督・脚本・編集/入江悠 出演/奥野瑛太、駒木根隆介、水澤紳吾、斉藤めぐみ、北村昭博、永澤俊矢、ガンビーノ小林、美保純 配給/SPOTTED PRODUCTIONS 4月14日(土)より渋谷シネクイントほかにて全国順次ロードショー、4月21日(土)より渋谷シネクイントほかにて『SR』シリーズ全作上映 <http://sr-movie.com> (c)2012「SR3」製作委員会 ●いりえ・ゆう 1979年生まれ。幼少期から19歳までを過ごした埼玉県深谷市を舞台にした『SR サイタマノラッパー』で2009年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門グランプリを受賞しブレイク。『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』など意欲的に作品を発表し続け、インディーズとメジャーの枠を超えた活躍で業界内外の注目を集めている。 ●あかり 1985年生まれ。1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。著作に『アイドル墜落日記』(洋泉社)。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中 ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

予告!サイゾーテレビ【小明の副作用】第45回生放送は5日(木)22時です

TBSラジオ月曜JUNK『伊集院光 深夜の馬鹿力』などでおなじみのアイドルライター小明がお送りするサイゾーテレビ『小明の副作用』第45回生放送は、4月5日(木)の22時より公開となります。45回が4月5日!もちろん、いつも通りニコ生&Ustreamの二元生中継です。 ●会場はこちら Ustreamhttp://www.ustream.tv/user/cyzo_tv 上は、前回分。Amazonの販売ページはこちら。
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予告!サイゾーテレビ【小明の副作用】第45回生放送は5日(木)22時です

TBSラジオ月曜JUNK『伊集院光 深夜の馬鹿力』などでおなじみのアイドルライター小明がお送りするサイゾーテレビ『小明の副作用』第45回生放送は、4月5日(木)の22時より公開となります。45回が4月5日!もちろん、いつも通りニコ生&Ustreamの二元生中継です。 ●会場はこちら Ustreamhttp://www.ustream.tv/user/cyzo_tv 上は、前回分。Amazonの販売ページはこちら。
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予告!サイゾーテレビ【小明の副作用】第44回生放送は22日(木)22時です


というわけで番組テーマソングCD発売イベントで無事に生歌などを披露して灰になっているアイドルライター小明がお送りするサイゾーテレビ『小明の副作用』第44回生放送は、3月22日(木)の22時より公開となります。もちろん、いつも通りニコ生&Ustreamの二元生中継です。 s24vl2dx.jpg ●会場はこちら Ustreamhttp://www.ustream.tv/user/cyzo_tv 上は、前回分。Amazonの販売ページはこちら。
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予告!サイゾーテレビ【小明の副作用】第43回生放送は8日(木)22時です

いよいよ番組テーマソングCD発売イベントが10日後に迫って青ざめているアイドルライター小明がお送りするサイゾーテレビ『小明の副作用』第43回生放送は、3月8日(木)の22時より公開となります。もちろん、いつも通りニコ生&Ustreamの二元生中継です。今回も重大発表あるかなー。ないかなー。 s24vl2dx.jpg ●会場はこちら Ustreamhttp://www.ustream.tv/user/cyzo_tv 上は、前回分。結局、雑誌の方の連載もどうにかなったような。

予告!サイゾーテレビ【小明の副作用】第43回生放送は8日(木)22時です


いよいよ番組テーマソングCD発売イベントが10日後に迫って青ざめているアイドルライター小明がお送りするサイゾーテレビ『小明の副作用』第43回生放送は、3月8日(木)の22時より公開となります。もちろん、いつも通りニコ生&Ustreamの二元生中継です。今回も重大発表あるかなー。ないかなー。 s24vl2dx.jpg ●会場はこちら Ustreamhttp://www.ustream.tv/user/cyzo_tv 上は、前回分。結局、雑誌の方の連載もどうにかなったような。