小向美奈子や小阪由佳のように輝きたい! アイドルライター・小明が選んだ「サイゾー」記事3選

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小明さんの撮りおろしグラビア満載
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【サイゾーpremium】より 12月無料購読キャンペーン開催! ――1999年の創刊以来、芸能界から政財界、ヤクザにIT業界まで、各業界のウラ側を見てきた「サイゾー」。巷間騒がれる小誌の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい! そんな思いから、「サイゾー」を愛読している物好きな(失敬!)有名人からおなじみの識者の方々に、「サイゾー」でしか読めないオススメ記事を選んでもらう『あの有名人&識者が選ぶサイゾーレコメンド!』企画。今回は小誌ではすっかりお馴染みとなったアイドルライターの小明さん! 小誌とも付き合いの長い彼女が選んだ「サイゾー」の記事をご紹介します!  サイゾーさんには2005年に「おかしなアイドルがいる」と中野ブロードウェイのタコシェさんでグラビアの撮影をしていただいたのをきっかけに、今まで遭ってきた痴漢遍歴を綴った『モテすぎてこまっちゃう』、告知にかこつけて各界の大御所に自分の悩みを相談する『アイドルライター小明の「大人よ、教えて!」"逆"お悩み相談』等々、本当に長く連載をさせていただき、その都度たくさんのものを得たり、失ったりさせていただきました。  売れもしないのにアイドルを続けるにあたって、いろんな葛藤もありましたが、そんな時、いつもサイゾーさんが側にいてくれた……I'm proud。サイゾーが私の小室です。悩める私に「あ、もう少しやってみよう」と思わせてくれた記事をいくつか紹介しますね。 『ホリエモン×小向美奈子 「覚せい剤より、ストリップと買収のほうが気持ちイイ!」』 (2010年1月号「特別インタビュー」より)  小向美奈子と言えば私がグラビアで鳴かず飛ばずだった頃の大スターです。そんな彼女がいつの間にやら覚醒剤でお縄となり、フィリピンに潜伏し、ストリッパーになり、今ではAV界のスターに。昔から『BUBKA』にアレな写真が出回る方ではありましたが、まさかここまで来るなんて! 本人の悲壮感の無さや豪快な性格に「意外となんとかなるもんだなー」とこちらも楽観的な気持ちに。謎の激太りをしてブログで電波な罵詈雑言を綴った後、見事ダイエットに成功して復帰した小阪由佳さんにも同じような多幸感がありますよね。不死鳥のように人間は輝ける。そんな希望を、彼女たちはくれます。 『「ブログ広告で毎月300万円」本業よりもはるかに儲かる芸能人のブログ広告の実態』 (2012年12月「限定ニュース」より)  流行のステマ事件、私のところには一切話が来ませんでした。この記事によると、『商品のPRである1記事あたりに対するギャラはアクセス数や芸能人のランクによってS~Eまでにランク付けされており、Sだと2000万円でEだと60万円程度』……!! アイドルとして一番輝いていた時期でもB級だったので、今現在は恐らくE級以下と判断されたのでしょう。悔しい……! 60万円あれば私は家賃と光熱費を払っても(都落ちしたので家賃が安いんです)半年ほどは食い繋いでみせます。ブログのアクセスだって悪くはないはずです(全くテレビに出ていないのに、一日に数万アクセスあるんですよ)。何ならヤプログ!からアメブロに移籍したってかまいませんし、誰よりもさりげなく宣伝してみせましょう。あまり懲りていらっしゃらない企業の方、ここに穴場がありますよ。なにとぞよろしくお願いいたします。 『人生達成率0~1割のキンコメ・高橋が嘆く「もっとドキドキできるアイドルと仕事したい」』 (2011年11月号「連載」【『卑屈の国の格言禄』】より)  私の前連載、『大人よ、教えて!』が終わってそろそろ死のうかと思っていた頃に始まった新連載。ただし単体でなく、同じ「サイゾーテレビ」(サイゾーの動画チャンネルですよ、ご存じですか)で番組をやっているキングオブコメディの高橋健一さんと抱き合わせです。ついに単体から抱き合わせに……AV女優でいったら単体女優から企画女優になったようなもので、これからいろいろNGも解禁しなきゃいけないのかな……と複雑な気分で対談に臨むと、私よりも更に不満でいっぱいな高橋さんがいました。「もっとドキドキできるアイドルと仕事がしたい」「本当は相方とこういうのがやりたい(相方の今野さんのみ、多忙)」「小明さんって、処女のブタじゃん」  暴言も吐かれすぎると心が強くなってくるというもので、これは私が小向美奈子、小阪由佳よろしくアッパーでアヴァンギャルドな精神を手に入れるための試練なのかもしれません……。 「サイゾーさんへ」  今回いろいろな記事を読み返して、私がサイゾーさんに初登場した2005年から、もう7年以上も経過していることに驚きが隠せません。その間ずっと定期的にお仕事をさせていただいていますが、未だに一度も表紙にはしていただけませんね。これって一体どういうことなんでしょうか。そんなに有名じゃなくても、編集部の一押しの女の子を表紙にしたりしてるじゃないですか。私もそろそろいいんじゃないですか? たまにいただくカラーページでも、だいたいゾンビのグラビアとか、幽霊とか、顔がうつらない何かの広告とか、だんだん酷い扱いになっていませんか? けっこう連載も続いているのに、書籍化の話がぜんぜん出ないのもどうしてですか? 私ってそんなに将来性ないですか? もしかして、私のことめんどくさいって思ってますか? ちょっとひとつよろしくお願いしますよ。お願いしましたからね。ね。ね。 (文/小明) 小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ。2002年、ホットドッグプレスドリームガールズ準グランプリを受賞。現在、月刊サイゾーにて、キングオブコメディ・高橋健一と共に「卑屈の国の格言禄」を連載中。サイゾーテレビ『小明の副作用』出演し、サイゾーよりCD「君が笑う、それが僕のしあわせ」も発売中。芸能生活10周年を迎えている。 今なら無料で読める!サイゾーpremiumでは他にも不死鳥のように蘇ったアイドルたちを応援する記事が満載です!】【福田明日香】「カラオケでモーニング娘。も」結成メンバー・福田明日香の復帰理由【加護亜依】──活動休止、現状、そしてこれからにすべて答えます。【限定インタビュー】夏目三久が心中を激白! 「踏み出さなければどうにもならなかった」
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「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド

 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の20回目です! 今回は、『はなかっぱ』のベーヤちゃんや、ももかっぱちゃんのお兄ちゃんでお馴染み栗田エリナさんが来てくれました! ちなみに妹のももかっぱちゃんを演じるのは宍戸留美さん……ももかっぱちゃんとお兄ちゃんのコラボですよー! ――はじめまして、今日はよろしくお願いします!  すみません、よろしくお願いします、すみません。 ――なぜ謝って……? 今までこういった取材や撮影の経験は?  あ、もう何もかも初めてです。まったく機会がなくて、撮影はプロフィールと、成人式とか。それっきりですね。 ――今日はがっつりよろしくお願いします! それにしても、容姿と声にギャップがありますね。昔から声優さんになろうと思っていたんですか?  そうですね。小ちゃい頃から夢でした。昔はアニメ自体がしゃべってたと思ってたんですけど、えーっと、年が軽くバレるんですけど、『セーラームーン』とか『幽☆遊☆白書』がボーンと流行った時に「中に人がいる……!」って事に気付いて(笑)。昔から学芸会とかで張り切るタイプだったんで、やってみたいと思って、大学の時から養成所に通って、最終的に居たのが今の事務所のワークショップで「東京に来ますか?」みたいな事を言われたんで、仕事を辞めて兵庫から東京に来ました。 ――東京はどうですか?  元々関西がすごく好きで、時間あったら帰るんですよ。だからいまだに東京よりもあっちの方が楽しいなって……。あんまり東京に友だちがいないんです。外にも積極的に出ないんで。 ――なるほど、肌の色もかなり白いですもんね。  そうなんですよ。これでもちょっと焼けてしまったんですけど。 ――何焼けですか?  GLAY焼けです。 ――えっ。そういえば、栗田さんのツイッターを見たら、わざわざGLAYのライブの前日にリハの音漏れだけを聞きに行ったりしてましたよね。GLAYの誰が好きなんですか?  TERUさん! もう日差しに負けながらうっすら聞こえる音で「あー早く明日になんないかなぁー」って思いながら。 ――あ、ライブにも行くのにリハも聞くんですね。それはもうなかなかハードな活動をされてますね。  はい。もう本業がGLAYかもしれない。 ――GLAYの他に、休みの日はどんなことされてるんですか?  ほぼ家で座ってます。 ――おおー。座ってるだけ偉いですね。だいたい横になっちゃいますもんね。  あ、そうですね。ちょっと盛り過ぎたかも。寝てます寝てます。 kuritaerina04.jpg ――なかなかダウナーな休日を過ごされてるんですね。でも、外出る方が気持ちが落ち込むこともありますしね。  そう、外でても特にする事がないなーって。 ――東京に来てからはよくおもちゃショーに行かれていると伺ったんですが、おもちゃが好きなんですか?  おもちゃが大好きだったんで、おもちゃショーに行くのが夢だったんです。あの広い国際展示場の中いっぱいにおもちゃが詰まってるって夢のような世界じゃないですか……! 学生時代におもちゃ屋さんでアルバイトしてて、店長さんがおもちゃショーのパンフレットをもらって帰ってくるんですけど、それをずーっと次のパンフレットが来るまでバァーっと見てました。小さい時から本当におもちゃへの執着が半端なかった。とにかくおもちゃが欲しかったけど、なかなか買ってもらえなかったから、百貨店とかスーパーのおもちゃ売り場の試供品で遊んだりとか友だちの家で遊んだり……あ、でもちゃんと買ってもらえてたっていうのも書いてもらわないと親に……最低限のものはちゃんと買ってもらえてました! ――あはは! そういう思いが強いと、大人になってから変に収集してしまったりしますよね。  そうなんですよ、収集癖もひどいですね~。最近はだいぶマシになったんですけど、やっぱり何かシリーズがあったら全部集めないと気がすまないタイプですね。 ――家がカオスになるんですよね。  本当に、もう、なんでこんなに物あるんだろうってくらい物に溢れてますね……。自分の生活圏が侵されていきますからね。それでも捨てられない。捨てようかなと思ったら、物が「やめてくれ」って言ってるみたいな。私、キティちゃんが好きで、妹が上京する時に大きいキティちゃんのクッションをくれたんですよ。使い勝手が良くってバンバン使ってたら、もう洗っても落ちないくらい汚れちゃったんですよ。なので、これはもう妹には申し訳ないけど、ほかそうって思ってゴミ袋にエイっと詰めたんですよ。そしたらクッションってフカフカだから、ボンって上がってくるんですよ。もうキティーちゃんがこっち見ながらどんどんどんどん「閉めないで閉めないで」って。「ごめん! ごめん!」て思いながら一生懸命ゴミ袋の口を縛った事が……。 ――ハートが痛くなるエピソードですね……目がついてる物は捨てづらいですよね、目が合うから……。  あと、ブライスっていう人形もめちゃくちゃ持ってるんですよ。実家に一学級くらいあるんですけど、それもそんなキレイに飾ったりできないんで……。 ――収集癖があるのにきれいに飾れないっていうのは、本当に残念な部屋になりますね。  そうです、ほんと残念なんです。さすがに一学級も東京に持って来たら私の寝る場所がなくなるんで、選抜して4~5人だけ連れて来て、後はもう実家にゴロゴロゴロって転がってるんですけど、『トイストーリー』とか見てて、あのブライスたちが命を持ったら真っ先に私を刺しにくるだろうな、と。だからもうダメだって思って……。 ――ブライスはリアルなんで、動いたら『チャイルド・プレイ』みたいで怖いですね……。あ、あと、写真も趣味なんですよね? ブログにピントの合ったハイクオリティな写真がたくさんあって綺麗でした。写真が趣味なんて良いじゃないですか!  ピントだけは合わせるのに命をかけてます。なんかもう、とにかくそういうもんで自分を目くらまししたい、みたいな。 ――目くらまし(笑)! いったい何をそんなに隠したいんですか?  何を隠したいんでしょうね。恥ずかしがり屋なんだと思います。 ――シャイだから、あえて派手な服を着たり、ごっついアクセサリーを付けるとか?  向かってくる目線を散らして散らして、でもちょっと目立ちたい、みたいな……。でも本当にすっごいシャイなんですよ。「ここだ!」って時は人よりも出ちゃうんですけど、そうじゃない時は全然目立たないところで気配を消すように生きています。 kuritaerina02.jpg ――そんな人が、なんでまた声優業界に!  はじめに思った事をずっと続ける性分みたいで……。“声優”っていうのも、やりたいなって思って、ずーっとじんわり夢を持ってそのままですし、GLAYもGLAYで、もう13~4年くらいずっとGLAYだけ好きなんですよ。 ――ちなみに、ご家族は今のお仕事は応援してくれてますか?  いやぁ、もう応援というか、心配しかしてないですね。大丈夫なのかって。 ――決して安定する業界ではないので、夢を続ける事も困難ですよね。「声優になる!」っていう事が目標なときとか、苦労のジャンルが違ってきそうです。  やっぱり実際なってみないと、そこは分からなかったところですね。もう、なれたらそれでパァーって毎日楽しい生活が待ってると思ってたら、別にそんなこともないっていうか、今までよりも地味になってるっていうか……。 ――将来とか、日々の生活に不安はありますか?  不安だらけですよ。2~3日先何してるかも分からない。 ――そういう時はどうされてますか? 不安の解消法というか。  そうですねー。同じ事しか言わないですけど、溜めて溜めてGLAYで発散みたいな。後はもう不安だなって思いながら、ただ転がってる。ただ「不安だなー」って転がりながら、『相棒』の再放送とか見て、「杉下右京の走り方は今日も面白いなぁー」と思ったり。朝、友だちにうっとしいメールを送りつけるとか。もう気が遠くなる。夢が見えない。先も夢も見えない。 ――あはは! 面白がってはいけないけれど、面白い!  それでも何か他に才能があればいいけど……写真も別に仕事になるわけでなく、知識もなく撮ってるだけですからね。だれもそんなの見たくないですよ。 ――なるほど、歌とかはどうですか?   今、ボイトレに……。私、本当に歌にコンプレックスがあって、去年『はなかっぱ』でストロベリーズってユニットをやったんですけど、その時も死ぬかと思ったんです。でも、バンドにはすっごい憧れてて、大学の時にちょっと中2病をこじらせて軽音のサークルに入ったんですよ。それで2回くらいサークルのライブに出て、歌とかギターとかやったけど、やっぱりあんまり上手くないっていうか……自分の好きな曲がキーが結構高めだけど、私こんな声なんで、高い声の出し方も分かんないから……。 ――好きと得意は別ジャンルですもんね。  そうそう。だから本当にやってても楽しいけど楽しくない……って感じでフェイドアウトして、カラオケも未だにすっごい苦手で、年に1回行けば「よく行ったなぁー!」って思う程度で。でも未だに「バンドがやってみたいなー!」って。でも何もできないから、誰も何も誘ってくれない。 ――そうとう現実と理想の差に喘いでますね。  そうなんですよ。もうほんとそれですよ。 ――しかしながら、今、小さい頃からなりたかった声優になってるわけじゃないですか。これからに自分はどのようになっていきたいですか?  ああ、なんか、すごい現実的な世界になってきたんで……この道を、今後、どうしていったらいいんだろう? ――今後の野望が疑問系って新しいですね。  皆さん、「何かその声でひとつ当たり役があったらいいよね」って言って下さるんですけど、それをもう10年近く聞いていて、今まで特に何もなく……。だから、誰か私を見つけて下さい。本当に色々回りの友だちとか親とかに迷惑かけまくってるので、みんなが喜んでくれるような未来が私に来たら。みなさんの幸せが私の幸せです(棒読み)。 kuritaerina01.jpg ――最後に、何か告知などあれば!  あ、本当に何もないです。『はなかっぱ』。『はなかっぱ』をくれぐれもよろしくお願いします。 ――今日はどうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/取材・構成=小明) ●くりた・えりな 誕生日: 9月14日生まれ 出身地: 兵庫県 身長: 153cm 血液型: B型 主な出演作品:『はなかっぱ』(ベーヤちゃん、ももかっぱちゃんのお兄さん、他 )『夢喰いメリー』『クイーンズブレイド』『クローザー4』他 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.19】「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド

 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の20回目です! 今回は、『はなかっぱ』のベーヤちゃんや、ももかっぱちゃんのお兄ちゃんでお馴染み栗田エリナさんが来てくれました! ちなみに妹のももかっぱちゃんを演じるのは宍戸留美さん……ももかっぱちゃんとお兄ちゃんのコラボですよー! ――はじめまして、今日はよろしくお願いします!  すみません、よろしくお願いします、すみません。 ――なぜ謝って……? 今までこういった取材や撮影の経験は?  あ、もう何もかも初めてです。まったく機会がなくて、撮影はプロフィールと、成人式とか。それっきりですね。 ――今日はがっつりよろしくお願いします! それにしても、容姿と声にギャップがありますね。昔から声優さんになろうと思っていたんですか?  そうですね。小ちゃい頃から夢でした。昔はアニメ自体がしゃべってたと思ってたんですけど、えーっと、年が軽くバレるんですけど、『セーラームーン』とか『幽☆遊☆白書』がボーンと流行った時に「中に人がいる……!」って事に気付いて(笑)。昔から学芸会とかで張り切るタイプだったんで、やってみたいと思って、大学の時から養成所に通って、最終的に居たのが今の事務所のワークショップで「東京に来ますか?」みたいな事を言われたんで、仕事を辞めて兵庫から東京に来ました。 ――東京はどうですか?  元々関西がすごく好きで、時間あったら帰るんですよ。だからいまだに東京よりもあっちの方が楽しいなって……。あんまり東京に友だちがいないんです。外にも積極的に出ないんで。 ――なるほど、肌の色もかなり白いですもんね。  そうなんですよ。これでもちょっと焼けてしまったんですけど。 ――何焼けですか?  GLAY焼けです。 ――えっ。そういえば、栗田さんのツイッターを見たら、わざわざGLAYのライブの前日にリハの音漏れだけを聞きに行ったりしてましたよね。GLAYの誰が好きなんですか?  TERUさん! もう日差しに負けながらうっすら聞こえる音で「あー早く明日になんないかなぁー」って思いながら。 ――あ、ライブにも行くのにリハも聞くんですね。それはもうなかなかハードな活動をされてますね。  はい。もう本業がGLAYかもしれない。 ――GLAYの他に、休みの日はどんなことされてるんですか?  ほぼ家で座ってます。 ――おおー。座ってるだけ偉いですね。だいたい横になっちゃいますもんね。  あ、そうですね。ちょっと盛り過ぎたかも。寝てます寝てます。 kuritaerina04.jpg ――なかなかダウナーな休日を過ごされてるんですね。でも、外出る方が気持ちが落ち込むこともありますしね。  そう、外でても特にする事がないなーって。 ――東京に来てからはよくおもちゃショーに行かれていると伺ったんですが、おもちゃが好きなんですか?  おもちゃが大好きだったんで、おもちゃショーに行くのが夢だったんです。あの広い国際展示場の中いっぱいにおもちゃが詰まってるって夢のような世界じゃないですか……! 学生時代におもちゃ屋さんでアルバイトしてて、店長さんがおもちゃショーのパンフレットをもらって帰ってくるんですけど、それをずーっと次のパンフレットが来るまでバァーっと見てました。小さい時から本当におもちゃへの執着が半端なかった。とにかくおもちゃが欲しかったけど、なかなか買ってもらえなかったから、百貨店とかスーパーのおもちゃ売り場の試供品で遊んだりとか友だちの家で遊んだり……あ、でもちゃんと買ってもらえてたっていうのも書いてもらわないと親に……最低限のものはちゃんと買ってもらえてました! ――あはは! そういう思いが強いと、大人になってから変に収集してしまったりしますよね。  そうなんですよ、収集癖もひどいですね~。最近はだいぶマシになったんですけど、やっぱり何かシリーズがあったら全部集めないと気がすまないタイプですね。 ――家がカオスになるんですよね。  本当に、もう、なんでこんなに物あるんだろうってくらい物に溢れてますね……。自分の生活圏が侵されていきますからね。それでも捨てられない。捨てようかなと思ったら、物が「やめてくれ」って言ってるみたいな。私、キティちゃんが好きで、妹が上京する時に大きいキティちゃんのクッションをくれたんですよ。使い勝手が良くってバンバン使ってたら、もう洗っても落ちないくらい汚れちゃったんですよ。なので、これはもう妹には申し訳ないけど、ほかそうって思ってゴミ袋にエイっと詰めたんですよ。そしたらクッションってフカフカだから、ボンって上がってくるんですよ。もうキティーちゃんがこっち見ながらどんどんどんどん「閉めないで閉めないで」って。「ごめん! ごめん!」て思いながら一生懸命ゴミ袋の口を縛った事が……。 ――ハートが痛くなるエピソードですね……目がついてる物は捨てづらいですよね、目が合うから……。  あと、ブライスっていう人形もめちゃくちゃ持ってるんですよ。実家に一学級くらいあるんですけど、それもそんなキレイに飾ったりできないんで……。 ――収集癖があるのにきれいに飾れないっていうのは、本当に残念な部屋になりますね。  そうです、ほんと残念なんです。さすがに一学級も東京に持って来たら私の寝る場所がなくなるんで、選抜して4~5人だけ連れて来て、後はもう実家にゴロゴロゴロって転がってるんですけど、『トイストーリー』とか見てて、あのブライスたちが命を持ったら真っ先に私を刺しにくるだろうな、と。だからもうダメだって思って……。 ――ブライスはリアルなんで、動いたら『チャイルド・プレイ』みたいで怖いですね……。あ、あと、写真も趣味なんですよね? ブログにピントの合ったハイクオリティな写真がたくさんあって綺麗でした。写真が趣味なんて良いじゃないですか!  ピントだけは合わせるのに命をかけてます。なんかもう、とにかくそういうもんで自分を目くらまししたい、みたいな。 ――目くらまし(笑)! いったい何をそんなに隠したいんですか?  何を隠したいんでしょうね。恥ずかしがり屋なんだと思います。 ――シャイだから、あえて派手な服を着たり、ごっついアクセサリーを付けるとか?  向かってくる目線を散らして散らして、でもちょっと目立ちたい、みたいな……。でも本当にすっごいシャイなんですよ。「ここだ!」って時は人よりも出ちゃうんですけど、そうじゃない時は全然目立たないところで気配を消すように生きています。 kuritaerina02.jpg ――そんな人が、なんでまた声優業界に!  はじめに思った事をずっと続ける性分みたいで……。“声優”っていうのも、やりたいなって思って、ずーっとじんわり夢を持ってそのままですし、GLAYもGLAYで、もう13~4年くらいずっとGLAYだけ好きなんですよ。 ――ちなみに、ご家族は今のお仕事は応援してくれてますか?  いやぁ、もう応援というか、心配しかしてないですね。大丈夫なのかって。 ――決して安定する業界ではないので、夢を続ける事も困難ですよね。「声優になる!」っていう事が目標なときとか、苦労のジャンルが違ってきそうです。  やっぱり実際なってみないと、そこは分からなかったところですね。もう、なれたらそれでパァーって毎日楽しい生活が待ってると思ってたら、別にそんなこともないっていうか、今までよりも地味になってるっていうか……。 ――将来とか、日々の生活に不安はありますか?  不安だらけですよ。2~3日先何してるかも分からない。 ――そういう時はどうされてますか? 不安の解消法というか。  そうですねー。同じ事しか言わないですけど、溜めて溜めてGLAYで発散みたいな。後はもう不安だなって思いながら、ただ転がってる。ただ「不安だなー」って転がりながら、『相棒』の再放送とか見て、「杉下右京の走り方は今日も面白いなぁー」と思ったり。朝、友だちにうっとしいメールを送りつけるとか。もう気が遠くなる。夢が見えない。先も夢も見えない。 ――あはは! 面白がってはいけないけれど、面白い!  それでも何か他に才能があればいいけど……写真も別に仕事になるわけでなく、知識もなく撮ってるだけですからね。だれもそんなの見たくないですよ。 ――なるほど、歌とかはどうですか?   今、ボイトレに……。私、本当に歌にコンプレックスがあって、去年『はなかっぱ』でストロベリーズってユニットをやったんですけど、その時も死ぬかと思ったんです。でも、バンドにはすっごい憧れてて、大学の時にちょっと中2病をこじらせて軽音のサークルに入ったんですよ。それで2回くらいサークルのライブに出て、歌とかギターとかやったけど、やっぱりあんまり上手くないっていうか……自分の好きな曲がキーが結構高めだけど、私こんな声なんで、高い声の出し方も分かんないから……。 ――好きと得意は別ジャンルですもんね。  そうそう。だから本当にやってても楽しいけど楽しくない……って感じでフェイドアウトして、カラオケも未だにすっごい苦手で、年に1回行けば「よく行ったなぁー!」って思う程度で。でも未だに「バンドがやってみたいなー!」って。でも何もできないから、誰も何も誘ってくれない。 ――そうとう現実と理想の差に喘いでますね。  そうなんですよ。もうほんとそれですよ。 ――しかしながら、今、小さい頃からなりたかった声優になってるわけじゃないですか。これからに自分はどのようになっていきたいですか?  ああ、なんか、すごい現実的な世界になってきたんで……この道を、今後、どうしていったらいいんだろう? ――今後の野望が疑問系って新しいですね。  皆さん、「何かその声でひとつ当たり役があったらいいよね」って言って下さるんですけど、それをもう10年近く聞いていて、今まで特に何もなく……。だから、誰か私を見つけて下さい。本当に色々回りの友だちとか親とかに迷惑かけまくってるので、みんなが喜んでくれるような未来が私に来たら。みなさんの幸せが私の幸せです(棒読み)。 kuritaerina01.jpg ――最後に、何か告知などあれば!  あ、本当に何もないです。『はなかっぱ』。『はなかっぱ』をくれぐれもよろしくお願いします。 ――今日はどうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/取材・構成=小明) ●くりた・えりな 誕生日: 9月14日生まれ 出身地: 兵庫県 身長: 153cm 血液型: B型 主な出演作品:『はなかっぱ』(ベーヤちゃん、ももかっぱちゃんのお兄さん、他 )『夢喰いメリー』『クイーンズブレイド』『クローザー4』他 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.19】「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

【鳥居みゆき×小明】小説とDVDとゾンビ映画と白ブタと永遠の女子高生についてのパラグラム

torii_akari0001.jpg  小説『余った傘はありません』(幻冬舎)、巨匠・山岸伸によるファースト写真集撮影ドキュメントDVD『世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン』(コンテンツリーグ)、続いて私もゾンビ役で出演させてもらった映画『ゾンビデオ』の公開も控えて絶好調の鳥居みゆきさん。鳥居さんには何回もインタビューさせていただいているし、今日も楽しみだなぁとのんきに扉を開けて元気に挨拶をすると、鳥居さんが「えっ……そんなにフランクにくる感じ?」「なんか、どんどんお金かけない服になってきてるね。一応アイドルなのに」と苦笑いで迎えてくれました。出鼻をくじかれ、とめどなく流れる冷や汗の中で取材スタートです。 小明 このたびは、小説やDVDが立て続けにリリース、そして映画『ゾンビデオ』の公開ももうすぐのようで……。 鳥居 『ゾンビデオ』っていつ公開なの? ℃-uteと一緒に完成披露試写会をやったけど、それもけっこう前なのよ。 小明 それ観に行きましたけど、確か去年の夏でしたよね。公開は今年の春か夏って言ってた気がするんですけど……。 鳥居 夏きちゃったよ! 小明 完成から一年たちますね。鳥居さん、ほぼ主演だったのに。 鳥居 違うよ、主演は℃-uteだよ。みゆきは小明ちゃんと一緒だよ。 小明 私、素顔が一瞬しか映らないゾンビですよ(笑)。ずっと白目のコンタクトレンズで角膜が剥がれるかと思いました。 鳥居 それはそれでいいと思う(興味なさそうに)。 小明 DVD『世界鳥居紀(奇)行 in サイパン』では、海に沈んだり溺れたりとひどい目に遭いすぎて、ゾンビのようになってましたね。あんなに素顔でゾンビっぽくなれる人、他にいないですよ。 鳥居 そんなシーンないよ(きっぱり)。でも本当クソッタレだよ。だって、あんなの、やる予定じゃなかったんだよ。なのにコンテンツリーグさんが宣伝を勝手に進めちゃってさ、そこに「アクティビティに挑戦!」って書いてあってさ。 torii_akari0002.jpg 小明 「アクティビティ」って、また大ざっぱですよね(笑)。具体的に何をやるのか、ちょっとピンとこないですし。 鳥居 どうせ、アクティブな人間がラウンドワンとかでやるようなことでしょ? 宣伝に載っちゃったんなら、やるしかないでしょ。恐ろしいよ、コンテンツリーグ。 小明 前作の『世界鳥居紀(奇)行 in タイ』は、まだ鳥居さんも楽しんでいる感じがしましたけども、今回のは逃げ場なしといった感じで。 鳥居 タイは一応、楽しかった。今回は、楽しめないってことが最初からわかってたから。なんか、カメラが好きなカメラ小僧のおじさんがついてくるっていうし。 小明 山岸伸さんは巨匠ですよ! 山岸さんの撮影はどうでした? 鳥居 汗すげぇかくなぁって思った(笑)。汗かくのに痩せない人っているよね(笑)。 小明 写真の方はさすがにきれいに写ってましたね。 鳥居 ね。あの人、カメラ小僧のわりに意外とうまいよね? 小明 だから巨匠なんですよ! グラビア撮影はどうでしたか? 鳥居 私、毛がないんで、どこが出てもかまわないんですけど、肌が嫌なの。 小明 あの、ほとんど外に出てない感じの肌の質感に親近感が湧きました。 鳥居 バレた? 引きこもってる感あった? 外嫌い(笑)。 小明 でも、今の時代にグラビアでサイパンなんてすごいんですよ。篠崎愛さんとか吉木りささんじゃないと、連れて行ってもらえないんじゃないですかね。 鳥居 ……吉木りさちゃんに似てるよね。言われない? 小明 すごく疲れているときの吉木さんと、すごく調子がいいときの私がたまに似てるって言われます。 鳥居 そういうことだよね。イルカとクジラの境界線みたいなもんでさ。デカさで分けてんじゃん、あれ。それと同じで、めっちゃ疲れさせたら、吉木さんのグレードが下がるから、そのときに小明ちゃんがめっちゃ頑張れば、ギリ。境はあるんだけどね、確実に。 小明 そうなんですよね。境は確実にあるので、並べられたくはないなって思います。吉木さんは自分が勝っているのが本能でわかってるから、似てるって言われてるのを耳にしても「小明さんと絡みたい(笑)」とか言ってくれてるんですよ。でもこっちとしては、それってそうとうキツイんですよ。 鳥居 それは余裕がある人の発言だよね。ドジョウとウナギの差だもんね。ドブだもんね、小明ちゃん。 小明 ドブ……? えっと、DVDの話に戻りますが、海では奇声を上げたり地べたを這い回ったり、けっこうなはしゃぎっぷりで、さぞかし体を傷めたことだと思います。 鳥居 大丈夫、血がちょっと出るぐらいしか。 小明 あ、ちょっと跡が残ってる! っていうか、なんか傷だらけ! 鳥居 そう。毎日、毎日、傷ができるよ。ここも城咲仁のせいでパックリいっちゃうしさ。本の宣伝しようとしたら城咲仁が「おい、今、宣伝するなよ」っておどけてきて、その時に紙で皮膚がやられて城咲仁に「ジーンってやっちゃった」ってナチュラルダジャレ言っちゃって「ああああああ」ってなって……(赤面)! 本当にナチュラルダジャレほど恥ずかしいものはないよ。血も出たし、ちょう痛かった。映像も全然繋がらないし、ぜんぶ仁のせいです。(「実際は血なんて全然出てませんよ」担当マネージャー談) torii_akari0003.jpg 小明 流血といえば、小説で、そっくりな双子が似ていないところを作ろうとリストカットする場面はジーンときました。 鳥居 本当に? 私、全然きてないよジーンと。『余った傘はありません』ってタイトルは、どう取る? 小明 読みはじめは双子が憎み合って「お前にやる傘なんてねぇよ」みたいな意味かと思ってましたけど、ラストまで読んだら違いました。意外とあたたかかったです。 鳥居 よかった、わかってくれて。私が思う『余った傘はありません』っていうのは、例えば、好きな人がいて、私だけが傘を持っている時に「一緒に入ろう」って言えない、ちょっとした心の歪みというか……私が人に対して素直になれない部分が込められています。 小明 やっぱり、ご自分がモデルになった話も多いんですか? 鳥居 なんかね、エッセイって自分を良いように書いちゃうけど、実は小説の方が自分が出ちゃうんだって。 小明 自分が考えていることを整理できて、セラピーにもなるって聞きますよね。小説の中で双子が互いに比べ合って、劣等感から「いい子でいなくちゃ」って追い詰められていく感じはよくわかります。鳥居さんも、お姉さんがいらっしゃいますよね。 鳥居 私、超デブだったの。おねぇは、変わらずキレイなままなの。読者モデルとかいろいろやってて。 小明 読者モデル! それって一番いいやつですよね。あえて女子アナを狙わない、欲のない美しさ。 鳥居 そう! そうなの! 一番モテるもん。そこと比較されて、白ブタって呼ばれてたから、私。 小明 白ブタ(笑)! 奇遇ですね、私もギャルの姉にガンハクトン(意味:顔が白い豚)って呼ばれてました! いつ、お痩せになったんですか? 鳥居 中2になって、背がいきなり伸びて、ちょうどいい感じになりました。よかったー。 小明 いい感じになっても、内面には比べてられていた時期の自分が根付いているから……。 鳥居 そう、暗いんですよね、結局は。すごい暗かったし、髪もどっちが前かわからないビッグフットみたいな感じで、人と目を合わせなくてもいいようにしてました。 小明 未確認動物状態だと、卒業アルバムもつらい感じになりそう。 鳥居 卒アルの集合写真って、目立っている人を重点的に良くしようとしてない? ずるいよね! 私、ひとりだけすげぇブレてるんだもん。あれ、ヒドイよ。でも、写真の上にひとりで載るやつも憧れる。 小明 私、昔それを狙って集合写真の日に学校休んだんですけど、上に別個で掲載もなくて、普通にクラスに存在しない人になってて悲しかったです。 鳥居 それはそれでいいね! ……ねぇ、あれって死んだら白黒? 小明 ひとりだけ白黒の黒縁にされても暗い気持ちになりますし、普通じゃないですか? っていうか、その枠には憧れちゃダメですよ! もう大人なんですから! 鳥居 でもね、私、高校生のとき、何があっても毎日学校行ってたの。で、卒業式だけ行かなかったの。だからね、私、永遠の女子高生なの。まだ、卒業証書もらってないの。すごくない? 「取りに来て」って言われたんだけど、まだ行ってないから、まだ女子高生のままなの。すごくない? 永遠のJK。 torii_akari0004.jpg 小明 ……。小説は、どれぐらいの期間で書かれたんですか? 鳥居 1年くらい幻冬舎で連載してたの。毎月書いてるから、全然繋がってなくて(笑)。いろいろ直して、量も増やして、タイトルも変えたって感じ。前は『4月1日』ってタイトルだったんだけど、「なんか違うな」って思って。「なんだそれ」って。「バカじゃねぇの?」「クソだな」って。 小明 そこまで思わなくても。最後はそれぞれの人生が交差して、ちゃんと繋がってましたよ。泣ける話もあって……。 鳥居 泣ける話あった? ひとつも泣いてないよ。『乾杯』が評判いいんですけど、女の子がすごい「感動した」とか言って、ホロッときてる感を出して、純粋な女の子と思われようとしてるんですよ(笑)。バカだな(笑)。 小明 自分で書いておいて見下すって、もう意味わかんないですよ! 鳥居 ひねくれてるの! あと、わかりづらいよね。『←ラブレター』には、ちょっとした仕掛けがあるのよ。親切心のやじるしがついてるでしょ。 《一部抜粋》 すみません、初めてお手紙を書きます。 きのう駅であなたに財布を拾ってもらった者です。 できたらお礼がしたいのです。 すごく嬉しかったものですから、連絡ください。 小明 わ! 気づかなかった! この章ぜんぶ縦読みじゃないですか! 意味も本文と交差してるんだ、わー!! 鳥居 気づいても気づかなくても楽しめる作品。 小明 テクニカル! お互いに劣等感を持った双子の姉妹を軸に、登場人物のねじれた恋愛模様や心の闇がいくつも交差して、最後はあたたかい気持ちになる、これかなり良い小説ですよね。 鳥居 大人になったからこそわかる余裕みたいな、そういう感じのお話にしました。ふふふ。 小明 たくさん重版がかかりますように! この本は、どんな人に読んでもらいたいですか? 鳥居 子どもから大人まで幅広く読んで欲しいですね(棒読み)。 小明 子ども、歪むなぁー! 鳥居 じゃあ、(村上)春樹に飽きた人とか東野圭吾に飽きた人が読めばいいよ。 torii_akari0006.jpg 小明 投げやり! 個人的には、愛情表現が下手でこじれちゃった人には、きっとハマると思いますよ! 最近は舞台もやられていますし、次の単独もありますし、ずいぶんお忙しそうですね。単独のネタはもう固まりましたか? 鳥居 固まってはきてて、どういう組み立てにしたらいいか考えている。無意義と有意義をプラマイゼロにしたい感じ。メッセージ性ってさ、強く長く出すとダサいじゃん。 小明 努力、希望、仲間、絆、生きていく意味、みたいな? ひねくれた性格だと、メッセージ性が強いと引いちゃいますしね。 鳥居 そうそう。今、舞台の稽古をやってるんですよ。人が書いた本ってものにもまだ馴染めないし、今、けっこうストレス抱えてる。 小明 稽古って時間もかかるし、ギャラも出ないし、知らない人との団結を求められて……よほど好きじゃないと胃にきますよね。 鳥居 そう、「このカンパニーで~」とか言いだすのよ? 最近の劇団は。寒気するわーって思って。 小明 カンパニー? ベビースター? 鳥居 おやつカンパニー以外で聞かないよね? だから、「私、劇団員じゃなくてビジネスなんで。そういうノリじゃないんで」ってハッキリ言いました。そしたら、若い、初めて舞台に出る女の子とかが、「劇団員じゃないけど、みんなでカンパニーとして、仲良くなっていきたくて、前向きにぃ……」とか言いだして、さっきのは全否定かいと思って。(※ちなみに舞台は大好評で幕を閉じたそうです) 小明 うわー、DVDのアクティビティもそうですけど、ストレスになるのが分かってる仕事の前の晩はつらいですよねぇ。 鳥居 あぁ、それは昨日のことだな。 小明 ……もしかして、ちょっと飽きてきてますか? 鳥居 気づいていると思うけど、ちょっとじゃないよ。 小明 わー、どうもありがとうございました!  好きな人に「一緒に入ろう」が言えなくて「余った傘はありません」と突き放す鳥居さんですから、この私とのやりとりの中にも、きっとどこかに不器用な愛が隠れているはず……と一生懸命さがしてみましたが、特には見付からなかったので、本当に早く帰りたかったんだと思います。単独ライブも、昨年秋から一切情報が更新されない『ゾンビデオ』も楽しみですね! (取材・構成=小明) ●とりい・みゆき 1981年、秋田県生まれ。07年頃から、白いパジャマでテディベアを抱えた「マサコ」キャラでブレイク。以降、テレビ、映画、ラジオ、出版など幅広い活動を続けている。近著『余った傘はありません』(幻冬舎)発売中。DVD『世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン』(コンテンツリーグ)は8月22日発売。映画『ゾンビデオ』(http://www.zomvideo.com/)年内公開予定。 鳥居みゆき 単独ライブ 狂宴封鎖的世界「方舟」 9月27日(木)~9月30日(日) 全6回公演 【場所】草月ホール(住所:東京都港区赤坂7-2-21) 【チケット発売情報】8月18日(土) CNプレイガイドにて午前10:00発売!

「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ

morinomako_01.jpg  元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の19回目です! 今回は『はなかっぱ』のアゲルちゃんでおなじみ、杜野まこさんが来てくれました! ――今日はよろしくおねがいいたします! 唐突ですが、見事な脚線美!! 杜野 いやいや、むきむきマッチョですよ(笑)。 ――良い筋肉がついてる人はやっぱり体のラインがきれいですよね。杜野さんは14年間もバレーをやられてたとか。 杜野 小学校のときから、大学までです。 ――私、そのすべての時間を漫画読んでゴロゴロして過ごしましたよ……。プロになろうとは思わなかったんですか? 杜野 小学生の時はそんな夢も抱いてたんですけど……。私、アタックが打ちたくて始めたんです。けど、中学の時にリベロ制度が導入されて、自動的にリベロにされたんですよ、身長的に。アタックが打てないポジションにもやもやして「やーめた!」と。 _MG_5971.jpg ――それでも大学まで続けたことがすごいです。中学、高校とずっと運動部ですか? 杜野 そうです。先生も超スポ根で、高校終わってからカラオケ行ったり、プリクラ撮ったりっていう普通のことができなかったから、渋谷のギャルみたいな子たちが今でも憧れ(笑)。洋服も、制服とチームジャージしか持ってなかったです。 ――えっ、私服ゼロ? 杜野 休みの日も部活だし、使う機会がないもんで……。 ――スポーツ漫画のような青春! 杜野さんは大学を卒業後に芸能界に入ったんですよね。それは前から決めていたんですか? 杜野 いえ、普通に就活してました(笑)。化粧品会社に入りたくて、東京と仙台で就活してたら「興味ない?」ってお話をいただいて、正直興味はあったけど、「私なんて……」って思っていて……。だけど、「やれるんだったらやってみたい」って言ったら、ぽんぽん進んでいって、いろんな人と会って、事務所にたどり着いて、どんどん自分もそっちの方に入っていて、化粧品会社のことも忘れちゃって、気づいたら『あらあらかしこ』(仙台放送)に出ていたんで、大学を卒業して『あらあらかしこ』に就職したみたいな感じです(笑)。 ――『あらあらかしこ』は東京でいったら『王様のブランチ』みたいな華やかな情報番組ですよね、ジャージ姿のバレー少女が、そんな華やかな世界へ……! 杜野 放送の時にはよく黄色やピンクを着せられてたまげましたね。「こんな華やかなセットの中に、こんな華やかな衣装を着た自分? ありえない!!」って。 ――「なんで私が東大に!?」っていう塾の広告みたい! 急な環境の変化で、いろいろ大変だったのでは? 杜野 メイクさんやスタッフさんも女性の方が多かったので、女子校みたいで本当に楽しくて、テレビに出ているっていう感覚よりも、文化祭みたいな感じでした。ただ、芸能界っていうのに抵抗はありましたね。私は初めてだけど、他の皆さんは芸能界で何年もやっている方たちだったので、最初は怖かったかも(笑)。でも、この番組に出逢えてなかったら今の私はあり得ないし、最高の番組でデビューさせていただいたこと、今でも感謝してます……(しみじみ)。 ――そうですよねぇ。活動の拠点を東京に移す際に番組を卒業されてますが、その時の心情は、やっぱり……? 杜野 嫌でしたね~(笑)! 毎週土曜日の番組だったので、「土曜日だけ仙台に行って、他の日は東京で頑張る!」って事務所にもお願いしたんですけど、「ここは一度けじめとして区切りをつけないと。生半可な世界じゃないから」って。 ――非常に厳しい!! 東京ではひとり暮らしですか? 杜野 最初は寮でした。それはもう、女の子がわしゃわしゃと。しかも年齢層もバラバラで、私が1番上だったんですよ。 ――えー! 当時まだ23歳で、1番上!? 杜野 1番下の子は中学生とかで、ビックリすることばかりでしたよ。みんなでKARAダンスを夜中踊ったりしてるんですよ。「まこちゃんもやろうよ!」って言われて「いや、いいです……」って断って、寝て起きるとみんながクスクス笑っていて、「なんだ?」と思うと、顔に落書きされていたり……。 _MG_6073.jpg ――楽しそうだけど、毎日だと疲れそう! そして年上の威厳があまり感じられない! 杜野 年齢でいったら上だけど、業界でいったら1番下だし、体育会系だから先輩の言うことは絶対で「何でも買ってきます!」って感じ。でも、それがすごい楽しかったんですよ(笑)! ――そんな賑やかな場所からひとり暮らしになると、さぞさみしかったことでしょう。 杜野 んー……(笑)? 「こんなに自分のタイミングでお風呂やトイレに入れるなんて!」って開放感がパァァーッって(笑)。ゴミとか食べ終わったお皿をその辺に置いといても誰にもなんにも言われないことも「なんてステキなの!!」って、楽しんでます。さみしくなったら、Twitterとかでみんな返事をくれるし(笑)。 ――杜野さんは、Twitterで「天気が良かった」とか「お母さんが喜んでた」とか、「今日あった嬉しかったこと」をほぼ毎日綴ってますよね。あれには一体どういう意味が? 杜野 恥ずかしい!! 私、すごいネガティブだったんですよ、生まれてから、こないだまで!! ――超最近まで! そんな風には見えないですよ! 杜野 本当ですか? 超ミラクルスーパーネガティブですよ。たとえば、道でつまずいても、「私の日頃の行ないが悪いせいだ……」と思ったり、手にササクレとか出来ると、「親不孝なんだ、お父さん、お母さんごめんなさい……」みたいな。けど、ポジティブな人に憧れて、私もポジティブになりたくて、その訓練として始めたんです。だって、1日の間に嬉しいことはたくさんあるのに、忘れちゃってる自分がもったいないじゃないですか。だから書いていこうって。そしたら、「明日はどんな良いことがあるんだろう?」って思えるようになったんです。 ――なるほど~。そのかいあってか、ハマの番長の三浦大輔さんと一緒に番組をやられたり、週間アスキーでパソコンの連載をされていていたり、TCGチャンネルでカードゲームをされたり、「はなかっぱ」で声優をされたり、すごく幅の広いお仕事をされていますね。 杜野 そうですね。ありがたいです。この仕事をしていなかったら、カードゲームもしていなかったし、野球も知らなかったと思うんです。宍戸留美さんと一緒にアニメの声優にチャレンジさせてもらうことだって、経験することはなかったと思うので、本当に今、この世界に入れてすごくよかったなって思っています。毎日、嬉しいことがどんどん増えちゃう(笑)。 _MG_5963.jpg ――「はなかっぱ」のアゲルちゃん役はオーディションだったんですよね、すごい! 杜野 嬉しかったですね。けど、2代目だから、大変でした。名前も一緒だし……。 ――ほんとだ! MAKOさんから杜野まこさんに! ちなみに芸名といえば、昔からずいぶん色々と変わらたんですよね。「うし子」→「萩の月子」→「杜野みや子」→「ささかまこ」……って、何が起きてこんなに変わられたんですか! 「うし子」の時代に何をされてたのかな、と思って検索したんですけど、牛しか出てこなかったですよ! 杜野 (笑)! 事務所に入ってすぐにテレビで仕事をするようになったので、「せっかく仙台で仕事をするんだから、仙台っぽい名前にしよう」って話していたら、マネージャーさんが真顔で「うし子でいこう!」って……。「うそっ!? 芸能界ってなんて恐ろしいところなんだ!!」って思って、「あの~、他には何かアイデアはないですか……?」って打診したら「萩の月子はどう?」「ずんだもちこ、漢字はどうする?」って言われて。 ――それ、マネージャーがちょっと(自主規制)! 杜野 あは! 何度も名刺を確認して、「もしかしてお笑い事務所に入ったのかも」って思いました。そっち方面でどんどん盛り上がってしまって、仙台は“森の都”って呼ばれているので「杜野みや子」が出てきた時には、「それならまだ可愛い」と思って、最初「杜野みや子」になったんですよ。恥ずかしいですよ。東京の人が「東京バナナ」とか「雷おこし」で活動するようなもんだから、「それだけは嫌です……」って言いまくったらミックスされて今の「杜野まこ」に、記者会見の3時間前に決まって……。番組が始まって友達とかから電話くるわけですよ。「何? お前の名前、超ダサいんだけど(笑)」って……。 _MG_5656.jpg ――か、可愛い名前だと思いますよ!! 最後に、芸能界4年目の杜野さんですが、今後はどんなお仕事をしていきたいですか? 杜野 もちろん今のお仕事も続けていきたいし、何事もまだまだなので、とにかくもっともっと広く、色んなことにチャレンジしていきたいです。やってみないとわからないことって、たくさんあるので。杜野、手帳真っ白でーす! よろしくお願いします! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) _MG_5890.jpg ●もりの・まこ MCやレポーター、女優と多方面で活躍。現在、声優としてNHKのアニメ『はなかっぱ』にレギュラー出演中。 最新情報はオフィシャルブログ『真実のくち MAKOのくち』(http://ameblo.jp/morino-mako/)をチェック!! ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

< LIVE INFORMATION > ■6/29(金)「撫子歌魂 葵」 @江古田マーキー vs/馬渡松子 19:00 OPEN /19:30 START 前売¥3000/当日¥3500 ■ 7/14(土) 「宍戸留美~「女」旅ツアー京都編~」 @SOLE CAFE 18:30 OPEN / 19:00 START スペシャルゲスト/コトネ 前売¥3000/当日¥3500 (共に天然酵母パン付、1D別) ☆ワンマンライブです。 ■7/16(祝月)「宍戸留美~「女」旅ツアー大阪編~」 @マンボ・カフェ 16:00 OPEN / 17:00 START スペシャルゲスト/妹分☆コトネ.石田アキラ監督 ※弾語りLIVEと上映会の2部構成となっております。 前売¥3000/当日¥3500 (1ド別) ☆ワンマンライブです。 ■7/24(火)[AtQue★夏ノ陣2012 vs series] @下北沢CLUB Que 宍戸留美[Key:高野勲 Ba:金戸覚 Dr:亀井亨(GRAPEVINE)] vs 三宅伸治 18:30 OPEN / 19:00 START 前売¥3300/当日¥3500 (1ド別) ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ

morinomako_01.jpg  元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の19回目です! 今回は『はなかっぱ』のアゲルちゃんでおなじみ、杜野まこさんが来てくれました! ――今日はよろしくおねがいいたします! 唐突ですが、見事な脚線美!! 杜野 いやいや、むきむきマッチョですよ(笑)。 ――良い筋肉がついてる人はやっぱり体のラインがきれいですよね。杜野さんは14年間もバレーをやられてたとか。 杜野 小学校のときから、大学までです。 ――私、そのすべての時間を漫画読んでゴロゴロして過ごしましたよ……。プロになろうとは思わなかったんですか? 杜野 小学生の時はそんな夢も抱いてたんですけど……。私、アタックが打ちたくて始めたんです。けど、中学の時にリベロ制度が導入されて、自動的にリベロにされたんですよ、身長的に。アタックが打てないポジションにもやもやして「やーめた!」と。 _MG_5971.jpg ――それでも大学まで続けたことがすごいです。中学、高校とずっと運動部ですか? 杜野 そうです。先生も超スポ根で、高校終わってからカラオケ行ったり、プリクラ撮ったりっていう普通のことができなかったから、渋谷のギャルみたいな子たちが今でも憧れ(笑)。洋服も、制服とチームジャージしか持ってなかったです。 ――えっ、私服ゼロ? 杜野 休みの日も部活だし、使う機会がないもんで……。 ――スポーツ漫画のような青春! 杜野さんは大学を卒業後に芸能界に入ったんですよね。それは前から決めていたんですか? 杜野 いえ、普通に就活してました(笑)。化粧品会社に入りたくて、東京と仙台で就活してたら「興味ない?」ってお話をいただいて、正直興味はあったけど、「私なんて……」って思っていて……。だけど、「やれるんだったらやってみたい」って言ったら、ぽんぽん進んでいって、いろんな人と会って、事務所にたどり着いて、どんどん自分もそっちの方に入っていて、化粧品会社のことも忘れちゃって、気づいたら『あらあらかしこ』(仙台放送)に出ていたんで、大学を卒業して『あらあらかしこ』に就職したみたいな感じです(笑)。 ――『あらあらかしこ』は東京でいったら『王様のブランチ』みたいな華やかな情報番組ですよね、ジャージ姿のバレー少女が、そんな華やかな世界へ……! 杜野 放送の時にはよく黄色やピンクを着せられてたまげましたね。「こんな華やかなセットの中に、こんな華やかな衣装を着た自分? ありえない!!」って。 ――「なんで私が東大に!?」っていう塾の広告みたい! 急な環境の変化で、いろいろ大変だったのでは? 杜野 メイクさんやスタッフさんも女性の方が多かったので、女子校みたいで本当に楽しくて、テレビに出ているっていう感覚よりも、文化祭みたいな感じでした。ただ、芸能界っていうのに抵抗はありましたね。私は初めてだけど、他の皆さんは芸能界で何年もやっている方たちだったので、最初は怖かったかも(笑)。でも、この番組に出逢えてなかったら今の私はあり得ないし、最高の番組でデビューさせていただいたこと、今でも感謝してます……(しみじみ)。 ――そうですよねぇ。活動の拠点を東京に移す際に番組を卒業されてますが、その時の心情は、やっぱり……? 杜野 嫌でしたね~(笑)! 毎週土曜日の番組だったので、「土曜日だけ仙台に行って、他の日は東京で頑張る!」って事務所にもお願いしたんですけど、「ここは一度けじめとして区切りをつけないと。生半可な世界じゃないから」って。 ――非常に厳しい!! 東京ではひとり暮らしですか? 杜野 最初は寮でした。それはもう、女の子がわしゃわしゃと。しかも年齢層もバラバラで、私が1番上だったんですよ。 ――えー! 当時まだ23歳で、1番上!? 杜野 1番下の子は中学生とかで、ビックリすることばかりでしたよ。みんなでKARAダンスを夜中踊ったりしてるんですよ。「まこちゃんもやろうよ!」って言われて「いや、いいです……」って断って、寝て起きるとみんながクスクス笑っていて、「なんだ?」と思うと、顔に落書きされていたり……。 _MG_6073.jpg ――楽しそうだけど、毎日だと疲れそう! そして年上の威厳があまり感じられない! 杜野 年齢でいったら上だけど、業界でいったら1番下だし、体育会系だから先輩の言うことは絶対で「何でも買ってきます!」って感じ。でも、それがすごい楽しかったんですよ(笑)! ――そんな賑やかな場所からひとり暮らしになると、さぞさみしかったことでしょう。 杜野 んー……(笑)? 「こんなに自分のタイミングでお風呂やトイレに入れるなんて!」って開放感がパァァーッって(笑)。ゴミとか食べ終わったお皿をその辺に置いといても誰にもなんにも言われないことも「なんてステキなの!!」って、楽しんでます。さみしくなったら、Twitterとかでみんな返事をくれるし(笑)。 ――杜野さんは、Twitterで「天気が良かった」とか「お母さんが喜んでた」とか、「今日あった嬉しかったこと」をほぼ毎日綴ってますよね。あれには一体どういう意味が? 杜野 恥ずかしい!! 私、すごいネガティブだったんですよ、生まれてから、こないだまで!! ――超最近まで! そんな風には見えないですよ! 杜野 本当ですか? 超ミラクルスーパーネガティブですよ。たとえば、道でつまずいても、「私の日頃の行ないが悪いせいだ……」と思ったり、手にササクレとか出来ると、「親不孝なんだ、お父さん、お母さんごめんなさい……」みたいな。けど、ポジティブな人に憧れて、私もポジティブになりたくて、その訓練として始めたんです。だって、1日の間に嬉しいことはたくさんあるのに、忘れちゃってる自分がもったいないじゃないですか。だから書いていこうって。そしたら、「明日はどんな良いことがあるんだろう?」って思えるようになったんです。 ――なるほど~。そのかいあってか、ハマの番長の三浦大輔さんと一緒に番組をやられたり、週間アスキーでパソコンの連載をされていていたり、TCGチャンネルでカードゲームをされたり、「はなかっぱ」で声優をされたり、すごく幅の広いお仕事をされていますね。 杜野 そうですね。ありがたいです。この仕事をしていなかったら、カードゲームもしていなかったし、野球も知らなかったと思うんです。宍戸留美さんと一緒にアニメの声優にチャレンジさせてもらうことだって、経験することはなかったと思うので、本当に今、この世界に入れてすごくよかったなって思っています。毎日、嬉しいことがどんどん増えちゃう(笑)。 _MG_5963.jpg ――「はなかっぱ」のアゲルちゃん役はオーディションだったんですよね、すごい! 杜野 嬉しかったですね。けど、2代目だから、大変でした。名前も一緒だし……。 ――ほんとだ! MAKOさんから杜野まこさんに! ちなみに芸名といえば、昔からずいぶん色々と変わらたんですよね。「うし子」→「萩の月子」→「杜野みや子」→「ささかまこ」……って、何が起きてこんなに変わられたんですか! 「うし子」の時代に何をされてたのかな、と思って検索したんですけど、牛しか出てこなかったですよ! 杜野 (笑)! 事務所に入ってすぐにテレビで仕事をするようになったので、「せっかく仙台で仕事をするんだから、仙台っぽい名前にしよう」って話していたら、マネージャーさんが真顔で「うし子でいこう!」って……。「うそっ!? 芸能界ってなんて恐ろしいところなんだ!!」って思って、「あの~、他には何かアイデアはないですか……?」って打診したら「萩の月子はどう?」「ずんだもちこ、漢字はどうする?」って言われて。 ――それ、マネージャーがちょっと(自主規制)! 杜野 あは! 何度も名刺を確認して、「もしかしてお笑い事務所に入ったのかも」って思いました。そっち方面でどんどん盛り上がってしまって、仙台は“森の都”って呼ばれているので「杜野みや子」が出てきた時には、「それならまだ可愛い」と思って、最初「杜野みや子」になったんですよ。恥ずかしいですよ。東京の人が「東京バナナ」とか「雷おこし」で活動するようなもんだから、「それだけは嫌です……」って言いまくったらミックスされて今の「杜野まこ」に、記者会見の3時間前に決まって……。番組が始まって友達とかから電話くるわけですよ。「何? お前の名前、超ダサいんだけど(笑)」って……。 _MG_5656.jpg ――か、可愛い名前だと思いますよ!! 最後に、芸能界4年目の杜野さんですが、今後はどんなお仕事をしていきたいですか? 杜野 もちろん今のお仕事も続けていきたいし、何事もまだまだなので、とにかくもっともっと広く、色んなことにチャレンジしていきたいです。やってみないとわからないことって、たくさんあるので。杜野、手帳真っ白でーす! よろしくお願いします! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) _MG_5890.jpg ●もりの・まこ MCやレポーター、女優と多方面で活躍。現在、声優としてNHKのアニメ『はなかっぱ』にレギュラー出演中。 最新情報はオフィシャルブログ『真実のくち MAKOのくち』(http://ameblo.jp/morino-mako/)をチェック!! ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

< LIVE INFORMATION > ■6/29(金)「撫子歌魂 葵」 @江古田マーキー vs/馬渡松子 19:00 OPEN /19:30 START 前売¥3000/当日¥3500 ■ 7/14(土) 「宍戸留美~「女」旅ツアー京都編~」 @SOLE CAFE 18:30 OPEN / 19:00 START スペシャルゲスト/コトネ 前売¥3000/当日¥3500 (共に天然酵母パン付、1D別) ☆ワンマンライブです。 ■7/16(祝月)「宍戸留美~「女」旅ツアー大阪編~」 @マンボ・カフェ 16:00 OPEN / 17:00 START スペシャルゲスト/妹分☆コトネ.石田アキラ監督 ※弾語りLIVEと上映会の2部構成となっております。 前売¥3000/当日¥3500 (1ド別) ☆ワンマンライブです。 ■7/24(火)[AtQue★夏ノ陣2012 vs series] @下北沢CLUB Que 宍戸留美[Key:高野勲 Ba:金戸覚 Dr:亀井亨(GRAPEVINE)] vs 三宅伸治 18:30 OPEN / 19:00 START 前売¥3300/当日¥3500 (1ド別) ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

ヒロシさんの至言「女の人はね、僕と約束してる日にカゼひくんですよ」

hiroshi_akari01.jpg モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第33回のゲストは、DVD『ドキュメンタリーオブヒロシ~空白の1500日~』が絶賛発売中のヒロシさんです! [今回のお悩み] 「相談に答えてほしいのですが……」 ──わーヒロシさんだ! 本日はよろしくお願いいたします!  すいません。はい。すいません。 ──……なんで謝るんですか?  いや、謝っとけば間違いないんで……。 ──……。えっと、うちは親子そろってヒロシさんのファンで、ヒロシさんと対談させてもらえるって言ったら母親が凄く喜んで、デコメで「よろしく伝えて(はぁと)」って言ってました(笑)。  お母さんでしょ? よく言われるんですよ、「お母さんがファンです」とか「おばあちゃんがヒロシのネタに反応するんです」とか……。最近、久しぶりに本を出したんですけど、読書カードってのが挟んであるじゃないですか? それを見てたら、全部60オーバーなんですよ。若い人でも40代。若い人で「私がファンなんです」って人、あんまりいないんですよね。タレントさんとかでも、人づてに「この子、ヒロシのファンなんだってよ~」って聞いてたのに、現場で会ったら「あ、どうも」みたいな……なんなんでしょう? ――え? いや、あの、えーと、私、ファンです……よ? 気を取り直して、ヒロシさんの新しいDVD『ドキュメンタリーオブヒロシ~空白の1500日~』(コンテンツリーグ)はすごい内容でしたね~! ただ……発売がたった200枚っていうのは本当なんですか?  愕然としましたね……。作ったのはもっと多いんですけど、実際に店頭に並んだのは200枚だって。ぼく、本とか出すときは、「だいたいどれくらい売ればトントンになるんですか?」って聞いて、そこを目指すんですけど、一番最初の打ち合わせで「1,500枚」って言われて、「じゃ、1,500枚売れば元も取って、みなさんにギャラを払えるレベルか~」と思ってたのに、200枚って……。 ──どんだけ売れてないアイドルでもその数字はあり得ないですよ! だってヒロシさんの『ヒロシです。』(単行本/扶桑社/2004年)は30万部ですよ!?  そう。DVDだと『ヒロシ会』(ユニバーサルミュージック/05年)が4万5,000枚くらいかな。それで、これが200枚(笑)。 ──笑ってないで、怒ったほうがいいですよ!  怒ってもね、しょうがないよね。 ──しかも発売イベントはスタッフが会場を取り忘れて、場所が……土浦でしたっけ?  そう、土浦のイオンモール。よくご存知で。で、「とりあえず場所は押さえたから行ってくれ」って言われて、バタバタでチケット取って行ったんですけど、振り返って考えたら、ぼく、交通費だけで7,000円くらい使ってるんですよ。このDVDは3,000円なんで、そのお金で2枚買っほうがいいですよ。どうせぼくには1円も入ってこないだろうし……。そのイオンモールでも、ぼく、ネタを2回やってね、サイン会もやって、80枚も売ったんですよ? 現物がないのに。 ──えっ、現物ないんですか? 発売イベントなのに?   そうですよ! 「どっかにないんですか?」って聞いたら「静岡の倉庫にしかない」って……おかしいでしょ!? ──DVDないのに、何にサインするんですか?  えっとね、小さいサイン色紙を買って行ったの。さらにそこで買ってくれたお客さんは、送料の分、500円多く払わなきゃいけないんですよ? ほんと申し訳なくてね……。 ──アマゾンで買った方が安いですね……。  ほんとにそうなの……。ぼく、Twitterとかブログをやってるんですけど、コメントを見たら、やっぱり「売ってねぇんだけど?」っていうのばっかりで、「買いました!」っていうのが全然ないんだもの! 最初はそれに「申し訳ありません」って返事してたけど、だんだん「なんでこんなことやってるんだ」って思ってきちゃって……。 ──なぜかヒロシさんがすごい謝ってましたね。  そう。なんで俺が謝んなきゃいけないんだろう……。 ──発売後までネタになる話が満載ですね!  そんなつもりは全然ないのに……。やっぱりこれはドカンと売って、「ヒロシ、やっぱり作ったら売れるんだな!」とか、そういう風に思われたかった……。 ──でも、DVD自体はすごくいいドキュメンタリーでしたよね。お笑いブームの時に密着していたスタッフが、ブームが去っていくとともに密着をやめて、ヒロシさんの立場がどんどん危うくなっていく様子とか、切なすぎてお腹が痛くなりましたもん。こういうドキュメンタリーって、どれくらい台本があるものなんですか?  台本っていうのはほとんどなくて、大まかなことしか決めてないですよ。あとの流れは全部アドリブで。 ──離れていくドキュメントのスタッフに「前にNG出した九州の実家取材の話ですけど、アレ、やっぱりOKなんで!」って食い下がる様子とか、AVの人がだんだんNG事項を減らしていくのってこういう感じなのかな、と感慨深かったです……。でも一番ズーンときたのは、九州の実家取材のために自分でわざわざレンタカーを借りて、その車内でヒロシさんがスタッフにめちゃめちゃ気を使っておどけて、それでもやっぱり無視されたりして……もう、自分の学生時代を見ているようで……!  はははっ! ああー伝わってる、ちゃんと伝わってるんだねぇ……。 ──沈黙を恐れてはしゃぐ感じとか、学生時代に間違ってレベルの高いグループに入っちゃって、がんばって盛り上げるけど、やっぱり会話に入れてもらえない、みたいな思い出が蘇って、胃がキリキリしました。  そうそうそう! コンパとか行ってもしゃべれなくて、しゃべらなきゃと思って下ネタ言ってスベる、みたいな。ワンランク上に行こうとしてね……。でも、小明さんってそんな人ですか? 中学高校のときも一軍だった女の人みたいに見えるけど。 ──ありがとうございます、中学をひきこもりで過ごさせていただきました。  あ~、そうですか~(うれしそうに)。 ──それで高校からがんばり始めて、調子に乗ってグラビアを始めて、売れなくて、こじらせ続けて、現状です。  なるほどね~。そっかそっか~(すごくうれしそうに)。 ──このドキュメンタリーは、ヒロシさんの自叙伝の『沈黙の轍』(単行本/08年/ジュリアン)を読んでから見ると余計に辛いですよね。炭鉱の町で純粋に生きていた健一少年が、どうしてこんなことに……と。  えー! 読んだんですか? ありがとうございます! ──文章がお上手でびっくりしました、すごくちゃんとした短編集ですよね。  おー! おー! おー! だんだん気持ちよくなってきましたよ! でも、そんなこと言って帰りにエレベーター乗った後に舌をぺろっと出すんじゃないでしょうね? 「言ってやった(笑)」みたいに言うんじゃないでしょうね? もう人を信じられないから、俺は。危うく気持ちよくなったけど、もう気持ちよくなりませんから。騙されませんから。 ──なんでそんなに人を信じられないんですか! でも、本当にこういう文才も、世間の人にいまいち届いていない感じで残念ですよね。  そう。だから引き出せないんですよ、事務所が。俺はいろいろ提示するけど、「それはない」とか言われるから、辞めてやろうと思ってんの。ははは。 ──ヤケになっている! この『沈黙の轍』もご自分で書かれて、ご自分で持ち込みに行かれたとか。  そうですよ、全部そうです! 打ち合わせも全部ひとりで行って、編集の人を家まで車で送ったりして……。その『沈黙の轍』の表紙は実家がある炭鉱の町で撮ったんですけど、まずスタッフのみんなで福岡まで飛行機で行って、そこから俺が自分で車を運転してみんなを地元まで連れて行きましたから。 ──うわ! リアル『ドキュメンタリーオブヒロシ』! ちなみにこの本はどれくらい売れたんですか?  これはね、2万5,000部て聞いてたんですけど、おとといくらいに、「実は1万5,000部しかはけてなくて、1万部在庫が残ってる」っていうのを聞いて……。 ──でも、出版不況の中、それだけいったらかなり立派ですよ! 前の『ヒロシです。』とその続編もあわせたら、全部でどれくらい売れたんですかね?  えっとね、あわせて50万部くらいかな。 ──家が建つくらいの額じゃないですか!!  そうですね、普通に考えて、小さい家なら建ちますね。けどね、持って行くから。事務所が。税金も持って行くから。 ──ああ……。なんか、言葉を失います。えっと、ヒロシさんは、昔39万円の家賃の部屋に住んでいたと聞きますが、今もやっぱりそれなりに良いところにお住まいなんですよね?  今は4万3,000円。 ──嘘でしょ!?  いとこの家に住んでます。もう、ぼくね、贅沢いらないんですよ。ほんとは千葉に家を買おうと思ったけど、実際に見てみたらすごい山の中でね~。これはひとりじゃ鬱がひどくなると思って。 ──鬱は悪化しますよね。私、今都心を離れて窓からの景色が畑っていう戸建てに住んでるんですけど、都心で感じる孤独と、人がいないところで感じる孤独は桁違いです。  でた! マジですか!? 思い切ったことやりますね~! ──とりあえず、寝酒が進みます。あは……。  え~? そんなところ行こうと思わないですもん~! ちょっとした旅行になりますもんねぇ(やっぱりうれしそうに)。 ──ええ……。  ぼくもねぇ、そういう場所に家を借りてやっていこうかと思いましたけど、そこまでの勇気がなくて、結局川崎の一軒家を借りたんです。二階建てで屋上があって、ぼくはそこで家庭菜園なんか楽しめると思って借りたんですけどね、そのー、ひとりで一軒家って、すごい苦痛だなって思いましたね。「屋上がいいな~」と思って借りたんですけど、階段で行くからキツイんですよ。だから、結局は二階の一部屋を半分に仕切って、わざわざ狭いスペースを作ってそこだけで生活してました。 ──私も見事に一部屋の隅しか使ってないです。  そうでしょー? ただぼくの場合、ずっと狭い場所に住んでたから、一回は良いところに住みたいと思って、家賃39万の東京タワーが見える部屋を不動産屋に乗せられて借りちゃったんですけど、実際住んだら、「いらねえな……」って。 ──でも、そんな部屋だったら女性も連れ込み放題ですね!  そのときは超忙しくて、39万払ってもほとんど家に帰れてないんですよ。意味ないんです。 ──ホスト時代、冴神剣さんだった頃に住めればもろもろうまくいきそうなのに、都合良くいなかいものですね~。ホスト時代は公園で暮らしてたんですよね?  公園には3週間くらい住みましたね。完全歩合で、ぜんぜん指名がなかったので、基本的に給料がないんですよ。月曜から土曜までホストやって、えー……だいたい月に3万円くらいだったかな、給料。それでお金が足りないから日曜はコンビニでバイトしてましたもん。そんなんじゃ、どんな安いところでも借してもらえないから、2年間くらい家がなかったですね。 ──その当時はもう芸人さんだったんですよね、どんなお仕事をされてたんですか?  当時は別の事務所に所属していて、コンビで売れようと思っていたから、相方がいたんです。で、相方が辞めるって言いだして……。それから滅多に受からないオーディションに受かったんです。内容は教えてもらえなかったんですけど、「とりあえず2~3日分の着替えだけ持ってこい」って言われて、変なワゴン車に乗せられて、埼玉のえらい奥の方に連れて行かれて、「あそこの家を訪ねなさい」って言われて行ったら土建屋の親父が「遅い! 着替えろ!」って怒ってて、そのままとび職の現場に連れて行かれて、そこで住み込みで働いて……。 ──……え? すみません、それ芸人さんの仕事ですよね?  そういう企画だったみたい……。一応テレビの特番なんですけど、2カ月間しっかり土木作業をやって働いて、給料振り込まれてるの見たら、2万5,000円。もう携帯も止められてるし……。 ──テレビの企画にかこつけて、タコ部屋で働かされたような……。でもやっぱりテレビですし、放送後の反響は?  なーんもない。 ──……。  (失笑)。 ──……えっと! 音楽活動の話とかも聞かせてもらっていいですか!? ヒロシさんは学生時代にコピーバンドをやられてたんですよね、何のコピーバンドをされてたんですか?  なんだろ、結局、流行ってるのをやったんで、最初はXがまだメジャーにいく前のCDをコピーしたりとか、BOφWYとか、ZIGGYとか、そういうのをやってました。 ──バンドブーム世代ですし、バンドってモテますよね。  そうなんです。だからそれ目当てでやったんです。 ──でしょ? モテるはずなんです。なので、いまいち、そのヒロシさんのひねくれた根っこが見えなくて。あの、青春時代を謳歌できた人って……。  ひねくれない、でしょ? 学生時代にバンドやってるって、一見、謳歌してるように見えるでしょ? でも実は何も謳歌してないんですよ。バンドブームって言ったって、モテない人が作った童貞バンドなんか何も潤わないよ。みんな童貞なんだもん。やっぱ、人気あるバンドはみんな彼女がいてチヤホヤされるし、バンドでもそこにもう確実な格差があるもん。 ──あわわ、でも今でもかなりまじめに続けられてますし、人気なんじゃないですか?  結局ぼくのファンしか来ないから、何人か残存している、コアな8人くらいが来てくれるくらいです。 ──お笑いとバンドって、モテるツートップですけれども。  そうですよね、うふふ。……あれ? なんで? おかしいですよ。なんでモテないんですか? ──なんででしょう……。あの、試しにご自分からガツガツいかれてみては?  自分からいっても気に入られないから、どうしようもないよね。だって、ネタにもしてるけど、みんなカゼ引くんですよ、約束してる日に。 ──私もカゼひいたことあります(笑)。  カゼひくでしょ? ひいていないのに。 ──前日の夜になると急にひくんですよ、なぜなんでしょうね。  そうでしょ? それですよ。女の人と一生会えないんじゃないかと思うもん。あと、「犬に餌あげなきゃいけない」とか、「友達が泣いてるから慰めなきゃいけない」とかさー、よくわかんないこと言ってさー。 ──そこから生まれたのか分からないですけど、「コンドームが減りません」って言うネタが好きです。  コンドームが減らないんですよ……! ドンキホーテでダース買いしたのに、下手したらまだ封もあけてないっていう……。 ──私も4~5年前に海外に行くとき、友達から「海外は危ないから!」って持たされたコンドームが、先日そのままの姿で出てきましたよ。海外も国内もぜんぜん危なくなかったです。ネタってかなり実話が多いんですね……。  だいたいそうですよ、分かりやすくはしてますけど。 ──売れた後も、なおひねくれて続けているのはすごいですね、どこかで満足してしまいそうなのに!  モテないからですよ、単純に。 ──『ヒロシ会』のDVDでは観客の女の人が「ヒロシさんかわいかったですー」って頬赤らめてましたよぅ。  女性ってブームに弱いじゃないですか。現にもういなくなってるじゃないですか。今、だーれもいないじゃないですか。この『ヒロシ会』は一日だけやった単独ライブを収録したものなんですけど、恵比寿エコー劇場で、もう満員で入れないのに「入れろ! 入れろ!」って外でケンカが起きて、救急車で女性がひとり運ばれてるんですよ? ──ギャー! すっごい!  いま来りゃあ普通に入れるのにね? いまぼくがやってるバンドなんか、普通に来て普通にしゃべってるんですから、全然救急車呼ばなくてもいいのに、来ないでしょ? だから、「いまブームだから」っていう理由で来てるんですよ。そのときからそう思ってたから、もう一切信用できないですよね。 ──ヒロシさんの「一生応援します」ってファンレターに書いてた人が一切いなくなったけど、みんな死んだんでしょうか……ってネタ、ゲラゲラ笑いましたけど、実話と思うと悲しいですね。  そうですよ!「一生」「死ぬまで」って言ってたの来ないんだから、死んだんだなって。死んでるんですよ、みんな。 ──なんか……大変な人生ですね。  ほんとですよ。普通の人がぼくと同じ経験してきてたらね、どっかで自殺してますよ。 ──父親が炭鉱で働いてる時点で、ちょっとこう、背負うものがありますもんね。  あるでしょ? 炭鉱ってきいて絵が浮かぶでしょ? なんかその風情が。 ──うちの父親は炭鉱じゃないんですけど、地下鉄作業員の下請けの下請けで……。  ああっ、似たようなもんだよねぇ(うれしそう)。 ──しかもリアルにそこをリストラされてるところとかを見てしまって、子供心に複雑でしたよ。ヒロシさんは、ご家族とは仲いい方ですか?  えっと、ぼく弟がいるんですけど、20数年話してないですね。会ってないです。 ──あはは! 上京から一切連絡とってない感じ!  そうそう。こないだ実家に帰ったら知らない女の子がいて、「誰?」って聞いたら弟の子どもで、もう小学校4年生だって。それでぼくは弟の娘に人見知りして……しばらく無言でいたら「おじちゃん、しゃべんないんですね」ってボソって言われて……。 ──子どもに敬語を使われるってのもまた妙に辛いですよね、いっそバカな子どもだったらよかったのに……。  そうなんですよね、ワーッ! って来てくれればまだ対応できたかもしれないけど、「しゃべんないんですね」って言われたら、もうたまらなくなって家を出ようとしたら、「おじちゃん、また遊びに行くんですか?」って言われて……会話はその二言だけでしたね。はぁ。 ――あ、あはは……。あの、なんていうか、ヒロシさんは、テレビとインタビューではしゃべりが微妙にちがうんですね。  そうなんですよ……! ぼく、テレビ出ると緊張するんですよ、華やかでおしゃべり達者な人たちが並んる中になんて入って行けないじゃないですか? 打ち合わせだったらしゃべれるんです。けど、本番になったら黙って座ってるだけ。たまに振られて「ヒロシです……」って言うだけなんですよ。 ──なんかこう、えーと、残念ですね……。  残念なんですよ……。小学校のとき、クラスで「はい! はい!」って手を挙げるタイプじゃなかったでしょ? ──はい。できるだけ先生と目を合わせないようにしてました。  ね? でも、そこで「はい! はい!」って言わなきゃいけないんですよ、テレビに出たら。前へ前へ行かないと……! ──もう、ヒロシさんがひな壇に座ってるのが奇跡のように思えてきました。確かに、みんなと一緒に立ち上がって「ちょっとちょっとー!」って言ってるヒロシさんは想像がつきません。  そう、言えないんですよ。でも言わなきゃっていう、もやもやっとした感じ。もう、「ああああああああああ!」って言いそうになるもん。画面上では、だまーってるだけに見えるけど、ぼくは発狂しそうになっている。「あああああああああああ!」って言いたくなるのを我慢して、じーっとしてるんです。 ──思ってたよりずっとギリギリな精神状態でテレビに出られてたんですね……。でも、ヒロシさんの著書には、よく後書きの部分にモテない人や報われない人生を歩んでいる人への暖かいメッセージが書かれているじゃないですか。あれ、泣けるんですよ。ヒロシさんのネガティブなネタに、そんな熱い想いが込められていたと気づいて、ハッとします。  そうなんです。そういうのはなかなか伝わりづらいけどね。ぼく、いちばん悔しいのは、中学生とかで自殺しちゃう人いるでしょ? そういうの、いたたまれなくてねぇ。いじめてるやつなんて、絶対たいしたことないのに、そのときは大きな存在じゃないですか? 学校の先生もたいしたことないのに偉そうに言うから、「俺が悪いのかな?」って思うかもしれない。けど、絶対そんなことはないんだよっていうのを伝えていきたいなって。でも、ぼく自身がバカにされてる存在だから、それはなかなか伝わんない。だから、本にちょっとだけそういうのを入れたりとかね。 ──今まで何の気なしに笑ってた自分が恥ずかしいですよ。『ヒロシです。華も嵐も乗り越えて』(東邦出版)に書いてあった、「九九が覚えられなくて教室に残されて、人よりも劣ってる欠陥人間なんだっていう気持ちをずっと引きずってる」っていうの、すごくわかります。私もずっと給食が食べ終わらなくておもらししそうになったり、いくら残って練習しても、ひとりだけ逆上がりができなかったり……。  ねー。でもねー、逆上がりなんかできなくたってね、金儲けはいくらでもできるんですよ。でも、そのときの子どもには、それがすべてじゃないですか。逆上がりができたほうがモテるわけじゃないですか。足が速いほうがモテるわけじゃないですか。でも、いろんな才能があるわけじゃないですか。例えば写真を撮る才能があっても、小学校でそんな授業なんかないし、それだけじゃない、いろんな商売があるってことを知ってもらいたいですよね。だってこうやって愚痴言って金もらう仕事も、作ったわけですから、ぼくが。ずっと愚痴言い続けて。 ──本当ですね。なんだか思いもよらず良い言葉をいただきました。ありがとうございます!  そうでしょ。あと、メッセージとか発信してると、なんか、ちょっとかっこいいじゃない。モテそうじゃない。ちょっと尾崎豊っぽくて、ふふふ! 「こういう一面もあるのね、ヒロシちゃん」って思われたらいいな、と思って(笑)。 ──あっぶな! まんまと手中にハマるところでした! でも、この『ヒロシです。』に書いてある「マイナス要素を抱えながらも、絶対にモテてやろうと思ってます。だから、あなたも諦めないで」っていうくだりは、すごく希望になりますよ。ヒロシさん、絶対モテてくださいね!!  そんなん言いながら、やっぱりモテてはないんですけども、ただ、あのー……実家に帰ってね、同級生とかと会うとね、当時イケメンって言われてた人たちが、どんどん劣化してるんですよ(笑)。ぼくは学生の時に超くやしい思いしてるから、そういう一軍の男子たちがハゲてたりしてると、もう、たまらない幸福感に包まれて……(満面の笑み)! ──また、地元にいる人たちって、ちゃんと働いたり子どもを育てたりで忙しいから、外見的に年をとるのが早い感じがしますよね。  そう! ふはははは! 早いんですよー! そうそう、こないだね、たまたまテレビでぼくの地元までロケに行ったんです。そしたらそこの観光協会かなんかで働いてる作業服の人が、「斉藤くん」って、ぼくの本名を呼んできてね、話聞いたら高校んときにヤリまくってた男で、「チッ」と思って終始覚えてないふりをしてやりましたね、ふははは! たまんなかったなアレは! 他にも「俺だよ、なんとかだよ」って言われて、「あ~あいつか」って分かっても気づかないふりをしますよ。一瞬「誰だっけ?」って間を空けてから、「あ~!」ってね。 ──「当時の自分だって、お前なんて別に眼中になかったから」っていう強がり!  そうそう、それがぼくの復讐です。たまんないです。今すごい幸せです。 ──幸せが、暗い……! ヒロシさんは普通に職につこうと思ったことはないんですか?  こういう仕事する人って、たぶん、普通の生活できない人たちでしょ? ぼくも一回だけサラリーマンになったんですけど、1カ月目で「辞めさせてくれ」って言いに行ったくらいだから、耐えられなかったんです。サラリーマンに。 ──ちなみに、どういう仕事内容だったんですか?  保険を売る仕事です。 ──またずいぶん社交性の求められるものを!  そう、知らないところにいっぱい電話しなきゃいけない。1カ月で心が折れて、出勤しないで家で寝てたんですけど、家に偉い人がきて、「おめえ何やってんだ!」って起こされて、「ああっ」って……。「せめて半年はやりなさい」って言われて、半年やって辞めました。 ──さっきから他人とは思えないエピソードばかりです。性別と時空を超えて、すごく共感をしています。  やっぱりねぇ、そういう人って話があいますよねぇ。だから、ダメなスパイラルがずーっと続くわけですよ。ぼくも、暗くてB型の人とよく話が合うからね。 ──うわ、私、暗くてB型です……!  そうでしょ(笑)? で、そういう人とばっか接してると、「こっちの思考が王道だ」って勘違いするようになるから、よくないんですよ。 ──そうなんですよね。たまに明るい人たちと話すと、「うわ、自分ってゴミ」と実感して落ち込んだりします。  そうそう。でもこっち側にいると、「やっぱおかしいよねー?」「あんなところであんなカラオケ歌うのおかしいよねー?」って。全然おかしくないんだけど、「わかるわかるー!」ってなるわけですよ、だから良くないんですよ。 ――わああ、私だ、私がここにいる! 私はもう本当にますますヒロシさん大好きですよ!  ほんとですか? なんだかうれしいなぁ。 ──そんなところで、ちょっと私の相談に答えてほしいんですけどもー。  無理ですよー。こっちが答えてもらいたいくらいですー。 ──(無視して)私もけっこうネガティブなんですけど、やっぱり、こう、「ネガティブは良くない」って言われがちじゃないですか? ぼやいたり愚痴を言ったり卑屈になったりとか、そういうことをずっとしてると、そのうちそれに飲み込まれて、もう戻れなくなる、と。  言われますよねぇ。 ──でも、なかなか直るものではないし……。  直らないです。でも、こうやって、取材して書くっていう立場にいらっしゃるわけじゃないですか。ぼくも本気でネガティブなんですけど、たぶん、大まかにはポジティブなんですよね。 ──私はポジティブというか、根が図々しいような気がしてます。  そう。一個一個は図々しくないんだけど、なんか大胆なところで多分そうなんです。だって、普通ネガティブな人がグラビアアイドルなんかならないでしょ? どっかで「私はあいつらよりモテるんだ」「イケるはずだ」って考えられたくらいのポジティブさがあったわけでしょう? ぼくもそうなんです。一個一個は全部ネガティブだけど、すごく、大きな流れではポジティブなんですよ。だってモテない人が「お笑いやってモテてやろう」と思ったんですから。自分で言うのもなんだけど、そういう人はまだ良いんじゃないですか? こういう風に仕事として、お金もらうわけじゃないですか。 ──確かにそうですよね……。今はまだネガティブな部分に対して、憤ったり、妬んだり、僻んだり嫉んだりする体力がありますけど、年をとったらどうなってしまうんだろう。  そう、危険なのが、こうやって注目されてるうちは愚痴がお金になるからいいけど、飽きられるでしょ? ──そうなったら、大ピンチですよ!  ピンチとネガティブさだけが残っていくから、やっぱりキツイですよね……! ぼくだってテレビに出なくなってからもネガティブな思考はそのまま残ってるわけだから、キツかったですよ。今は仕事してるから笑って話せるけど、これがなくなったら、ほんとキツイもんな、人と話す機会もないし。これは……ちょっとどうにか解決しなきゃいけないですよね……。 ──積極的に幸せになりにいくのが一番いいと思うんですけど、ヒロシさんは幸せになったら、もうネタが増えないじゃないですか? そうして無意識に幸せから遠ざかろうとしているのでは?  いやいや、幸せになったほうがいいですよ! 絶対! ──たとえば、所帯をもってみたりとか。  いやーそれは危険だなー。浮気されたらどうしよう、とか。 ──え~そこですか? 大丈夫でしょう、それは~。  だって結婚したら離婚するときにお金半分あげなきゃいけないんでしょ? 冗談じゃないよ! 実際、浮気されて離婚して金とられたって人が何人もいるんすよ、ぼくの周りに! でも法律ではそうしなきゃいけないらしくて、最悪じゃないですかー。 ──「浮気はしないと言っていた彼女の家に行ったら、便座があがっていたとです」ってネタもありましたけど、あれも実話だったんですねぇ。  そうそう、毎回あがってるんですもん! 便座あげるときって掃除するときくらいでしょ? 別に綺麗になってないのにあがってるんですよ! もっと言っちゃえば、ゴミ箱から精子のにおいがするんですよ? ぼく、なんにもしてないのになんでにおいがするんだろうって……。 ──だんだん、本当に付き合っていたのかどうかも心配になってきますね……。  そうなんですよ。もう「人間のお付き合いってなんだ?」ってことですよ。もっと言えば、「結婚ってなんだ?」ってことになってくるですよね。「病めるときも~」って神様の前で約束するのに……お前らは簡単に破るじゃないか!! ──女性不信すぎますよ!! でも、ほら、えーと、最近またテレビにも出るようになられて、また波が来てるじゃないですか!  来てますか? そんな感じは一切しないですけど……。 ──ヒロシさんの場合は、「最近見ないよね」「消えたよね」って言われてても、本を出したりラジオをやったり、普通に活動はされてるんですよね。でも地上波に出てないだけで消えたような扱いになっちゃう。私はグラドルでデビューして、最初だけほんの少しだけ出て、すぐ売れなくなったんですけど、今でも希に「あー昔グラビアで見たよね、今いないね」って言われることがあります。でも、ページがカラーグラビアから白黒の文字ページに移動しただけで、微妙に消えてはいないんですよ。でも可愛いグラドルが好きな人たちなんて、誰もこっちまで見てくれない。  うんうん。でもね、「サイゾー」でページを持ってるなんて立派ですよ。俺なんてアレくらいのブレイクを見せて、何も残ってないじゃないですか。 ――そんなことないじゃないですか、なんか、確執みたいなものが残ってると思いますよ。  確執だけ残ってもしょうがないじゃないですか! ほんと、いつまた落とされるかわかりませんし、「サイゾー」なんて良いですよ、しかも連載でしょ? ……サイゾーさん、このページで、ぼくでひとつ、なんかやってくださいよ……。 ──え! ちょっと、普通に私の連載枠を狙わないでください!  いや、あの、ノーギャラとかでも全然いいんで、あ、この、こことかでもぜんぜん大丈夫なので!(編集雑記を指さしながら) ――ちょ、やめてください! きょ、今日はどうもありがとうございました! (取材・構成=小明) ●ヒロシ 1972年、熊本県生まれ。コンビ芸人、ホストなどを経て、2003年ころからピン芸人としてブレイク。「ヒロシです……」で始まる自虐ネタで一世を風靡した。DVD『ドキュメンタリー オブ ヒロシ~空白の1500日~』発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中 ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://cyzo.shop-pro.jp/> 月刊サイゾーにて「卑屈の国の格言録」連載中。 小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第32回】 ジャルジャルさんの至言「僕らのネタに深い意味なんかないんです」 【第31回】 オリエンタルラジオさんの至言「"変わってるって思われたい自分"も見透かされてる」 【第30回】 大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」 【第29回】 辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」 【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

ヒロシさんの至言「女の人はね、僕と約束してる日にカゼひくんですよ」

hiroshi_akari01.jpg モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第33回のゲストは、DVD『ドキュメンタリーオブヒロシ~空白の1500日~』が絶賛発売中のヒロシさんです! [今回のお悩み] 「相談に答えてほしいのですが……」 ──わーヒロシさんだ! 本日はよろしくお願いいたします!  すいません。はい。すいません。 ──……なんで謝るんですか?  いや、謝っとけば間違いないんで……。 ──……。えっと、うちは親子そろってヒロシさんのファンで、ヒロシさんと対談させてもらえるって言ったら母親が凄く喜んで、デコメで「よろしく伝えて(はぁと)」って言ってました(笑)。  お母さんでしょ? よく言われるんですよ、「お母さんがファンです」とか「おばあちゃんがヒロシのネタに反応するんです」とか……。最近、久しぶりに本を出したんですけど、読書カードってのが挟んであるじゃないですか? それを見てたら、全部60オーバーなんですよ。若い人でも40代。若い人で「私がファンなんです」って人、あんまりいないんですよね。タレントさんとかでも、人づてに「この子、ヒロシのファンなんだってよ~」って聞いてたのに、現場で会ったら「あ、どうも」みたいな……なんなんでしょう? ――え? いや、あの、えーと、私、ファンです……よ? 気を取り直して、ヒロシさんの新しいDVD『ドキュメンタリーオブヒロシ~空白の1500日~』(コンテンツリーグ)はすごい内容でしたね~! ただ……発売がたった200枚っていうのは本当なんですか?  愕然としましたね……。作ったのはもっと多いんですけど、実際に店頭に並んだのは200枚だって。ぼく、本とか出すときは、「だいたいどれくらい売ればトントンになるんですか?」って聞いて、そこを目指すんですけど、一番最初の打ち合わせで「1,500枚」って言われて、「じゃ、1,500枚売れば元も取って、みなさんにギャラを払えるレベルか~」と思ってたのに、200枚って……。 ──どんだけ売れてないアイドルでもその数字はあり得ないですよ! だってヒロシさんの『ヒロシです。』(単行本/扶桑社/2004年)は30万部ですよ!?  そう。DVDだと『ヒロシ会』(ユニバーサルミュージック/05年)が4万5,000枚くらいかな。それで、これが200枚(笑)。 ──笑ってないで、怒ったほうがいいですよ!  怒ってもね、しょうがないよね。 ──しかも発売イベントはスタッフが会場を取り忘れて、場所が……土浦でしたっけ?  そう、土浦のイオンモール。よくご存知で。で、「とりあえず場所は押さえたから行ってくれ」って言われて、バタバタでチケット取って行ったんですけど、振り返って考えたら、ぼく、交通費だけで7,000円くらい使ってるんですよ。このDVDは3,000円なんで、そのお金で2枚買っほうがいいですよ。どうせぼくには1円も入ってこないだろうし……。そのイオンモールでも、ぼく、ネタを2回やってね、サイン会もやって、80枚も売ったんですよ? 現物がないのに。 ──えっ、現物ないんですか? 発売イベントなのに?   そうですよ! 「どっかにないんですか?」って聞いたら「静岡の倉庫にしかない」って……おかしいでしょ!? ──DVDないのに、何にサインするんですか?  えっとね、小さいサイン色紙を買って行ったの。さらにそこで買ってくれたお客さんは、送料の分、500円多く払わなきゃいけないんですよ? ほんと申し訳なくてね……。 ──アマゾンで買った方が安いですね……。  ほんとにそうなの……。ぼく、Twitterとかブログをやってるんですけど、コメントを見たら、やっぱり「売ってねぇんだけど?」っていうのばっかりで、「買いました!」っていうのが全然ないんだもの! 最初はそれに「申し訳ありません」って返事してたけど、だんだん「なんでこんなことやってるんだ」って思ってきちゃって……。 ──なぜかヒロシさんがすごい謝ってましたね。  そう。なんで俺が謝んなきゃいけないんだろう……。 ──発売後までネタになる話が満載ですね!  そんなつもりは全然ないのに……。やっぱりこれはドカンと売って、「ヒロシ、やっぱり作ったら売れるんだな!」とか、そういう風に思われたかった……。 ──でも、DVD自体はすごくいいドキュメンタリーでしたよね。お笑いブームの時に密着していたスタッフが、ブームが去っていくとともに密着をやめて、ヒロシさんの立場がどんどん危うくなっていく様子とか、切なすぎてお腹が痛くなりましたもん。こういうドキュメンタリーって、どれくらい台本があるものなんですか?  台本っていうのはほとんどなくて、大まかなことしか決めてないですよ。あとの流れは全部アドリブで。 ──離れていくドキュメントのスタッフに「前にNG出した九州の実家取材の話ですけど、アレ、やっぱりOKなんで!」って食い下がる様子とか、AVの人がだんだんNG事項を減らしていくのってこういう感じなのかな、と感慨深かったです……。でも一番ズーンときたのは、九州の実家取材のために自分でわざわざレンタカーを借りて、その車内でヒロシさんがスタッフにめちゃめちゃ気を使っておどけて、それでもやっぱり無視されたりして……もう、自分の学生時代を見ているようで……!  はははっ! ああー伝わってる、ちゃんと伝わってるんだねぇ……。 ──沈黙を恐れてはしゃぐ感じとか、学生時代に間違ってレベルの高いグループに入っちゃって、がんばって盛り上げるけど、やっぱり会話に入れてもらえない、みたいな思い出が蘇って、胃がキリキリしました。  そうそうそう! コンパとか行ってもしゃべれなくて、しゃべらなきゃと思って下ネタ言ってスベる、みたいな。ワンランク上に行こうとしてね……。でも、小明さんってそんな人ですか? 中学高校のときも一軍だった女の人みたいに見えるけど。 ──ありがとうございます、中学をひきこもりで過ごさせていただきました。  あ~、そうですか~(うれしそうに)。 ──それで高校からがんばり始めて、調子に乗ってグラビアを始めて、売れなくて、こじらせ続けて、現状です。  なるほどね~。そっかそっか~(すごくうれしそうに)。 ──このドキュメンタリーは、ヒロシさんの自叙伝の『沈黙の轍』(単行本/08年/ジュリアン)を読んでから見ると余計に辛いですよね。炭鉱の町で純粋に生きていた健一少年が、どうしてこんなことに……と。  えー! 読んだんですか? ありがとうございます! ──文章がお上手でびっくりしました、すごくちゃんとした短編集ですよね。  おー! おー! おー! だんだん気持ちよくなってきましたよ! でも、そんなこと言って帰りにエレベーター乗った後に舌をぺろっと出すんじゃないでしょうね? 「言ってやった(笑)」みたいに言うんじゃないでしょうね? もう人を信じられないから、俺は。危うく気持ちよくなったけど、もう気持ちよくなりませんから。騙されませんから。 ──なんでそんなに人を信じられないんですか! でも、本当にこういう文才も、世間の人にいまいち届いていない感じで残念ですよね。  そう。だから引き出せないんですよ、事務所が。俺はいろいろ提示するけど、「それはない」とか言われるから、辞めてやろうと思ってんの。ははは。 ──ヤケになっている! この『沈黙の轍』もご自分で書かれて、ご自分で持ち込みに行かれたとか。  そうですよ、全部そうです! 打ち合わせも全部ひとりで行って、編集の人を家まで車で送ったりして……。その『沈黙の轍』の表紙は実家がある炭鉱の町で撮ったんですけど、まずスタッフのみんなで福岡まで飛行機で行って、そこから俺が自分で車を運転してみんなを地元まで連れて行きましたから。 ──うわ! リアル『ドキュメンタリーオブヒロシ』! ちなみにこの本はどれくらい売れたんですか?  これはね、2万5,000部て聞いてたんですけど、おとといくらいに、「実は1万5,000部しかはけてなくて、1万部在庫が残ってる」っていうのを聞いて……。 ──でも、出版不況の中、それだけいったらかなり立派ですよ! 前の『ヒロシです。』とその続編もあわせたら、全部でどれくらい売れたんですかね?  えっとね、あわせて50万部くらいかな。 ──家が建つくらいの額じゃないですか!!  そうですね、普通に考えて、小さい家なら建ちますね。けどね、持って行くから。事務所が。税金も持って行くから。 ──ああ……。なんか、言葉を失います。えっと、ヒロシさんは、昔39万円の家賃の部屋に住んでいたと聞きますが、今もやっぱりそれなりに良いところにお住まいなんですよね?  今は4万3,000円。 ──嘘でしょ!?  いとこの家に住んでます。もう、ぼくね、贅沢いらないんですよ。ほんとは千葉に家を買おうと思ったけど、実際に見てみたらすごい山の中でね~。これはひとりじゃ鬱がひどくなると思って。 ──鬱は悪化しますよね。私、今都心を離れて窓からの景色が畑っていう戸建てに住んでるんですけど、都心で感じる孤独と、人がいないところで感じる孤独は桁違いです。  でた! マジですか!? 思い切ったことやりますね~! ──とりあえず、寝酒が進みます。あは……。  え~? そんなところ行こうと思わないですもん~! ちょっとした旅行になりますもんねぇ(やっぱりうれしそうに)。 ──ええ……。  ぼくもねぇ、そういう場所に家を借りてやっていこうかと思いましたけど、そこまでの勇気がなくて、結局川崎の一軒家を借りたんです。二階建てで屋上があって、ぼくはそこで家庭菜園なんか楽しめると思って借りたんですけどね、そのー、ひとりで一軒家って、すごい苦痛だなって思いましたね。「屋上がいいな~」と思って借りたんですけど、階段で行くからキツイんですよ。だから、結局は二階の一部屋を半分に仕切って、わざわざ狭いスペースを作ってそこだけで生活してました。 ──私も見事に一部屋の隅しか使ってないです。  そうでしょー? ただぼくの場合、ずっと狭い場所に住んでたから、一回は良いところに住みたいと思って、家賃39万の東京タワーが見える部屋を不動産屋に乗せられて借りちゃったんですけど、実際住んだら、「いらねえな……」って。 ──でも、そんな部屋だったら女性も連れ込み放題ですね!  そのときは超忙しくて、39万払ってもほとんど家に帰れてないんですよ。意味ないんです。 ──ホスト時代、冴神剣さんだった頃に住めればもろもろうまくいきそうなのに、都合良くいなかいものですね~。ホスト時代は公園で暮らしてたんですよね?  公園には3週間くらい住みましたね。完全歩合で、ぜんぜん指名がなかったので、基本的に給料がないんですよ。月曜から土曜までホストやって、えー……だいたい月に3万円くらいだったかな、給料。それでお金が足りないから日曜はコンビニでバイトしてましたもん。そんなんじゃ、どんな安いところでも借してもらえないから、2年間くらい家がなかったですね。 ──その当時はもう芸人さんだったんですよね、どんなお仕事をされてたんですか?  当時は別の事務所に所属していて、コンビで売れようと思っていたから、相方がいたんです。で、相方が辞めるって言いだして……。それから滅多に受からないオーディションに受かったんです。内容は教えてもらえなかったんですけど、「とりあえず2~3日分の着替えだけ持ってこい」って言われて、変なワゴン車に乗せられて、埼玉のえらい奥の方に連れて行かれて、「あそこの家を訪ねなさい」って言われて行ったら土建屋の親父が「遅い! 着替えろ!」って怒ってて、そのままとび職の現場に連れて行かれて、そこで住み込みで働いて……。 ──……え? すみません、それ芸人さんの仕事ですよね?  そういう企画だったみたい……。一応テレビの特番なんですけど、2カ月間しっかり土木作業をやって働いて、給料振り込まれてるの見たら、2万5,000円。もう携帯も止められてるし……。 ──テレビの企画にかこつけて、タコ部屋で働かされたような……。でもやっぱりテレビですし、放送後の反響は?  なーんもない。 ──……。  (失笑)。 ──……えっと! 音楽活動の話とかも聞かせてもらっていいですか!? ヒロシさんは学生時代にコピーバンドをやられてたんですよね、何のコピーバンドをされてたんですか?  なんだろ、結局、流行ってるのをやったんで、最初はXがまだメジャーにいく前のCDをコピーしたりとか、BOφWYとか、ZIGGYとか、そういうのをやってました。 ──バンドブーム世代ですし、バンドってモテますよね。  そうなんです。だからそれ目当てでやったんです。 ──でしょ? モテるはずなんです。なので、いまいち、そのヒロシさんのひねくれた根っこが見えなくて。あの、青春時代を謳歌できた人って……。  ひねくれない、でしょ? 学生時代にバンドやってるって、一見、謳歌してるように見えるでしょ? でも実は何も謳歌してないんですよ。バンドブームって言ったって、モテない人が作った童貞バンドなんか何も潤わないよ。みんな童貞なんだもん。やっぱ、人気あるバンドはみんな彼女がいてチヤホヤされるし、バンドでもそこにもう確実な格差があるもん。 ──あわわ、でも今でもかなりまじめに続けられてますし、人気なんじゃないですか?  結局ぼくのファンしか来ないから、何人か残存している、コアな8人くらいが来てくれるくらいです。 ──お笑いとバンドって、モテるツートップですけれども。  そうですよね、うふふ。……あれ? なんで? おかしいですよ。なんでモテないんですか? ──なんででしょう……。あの、試しにご自分からガツガツいかれてみては?  自分からいっても気に入られないから、どうしようもないよね。だって、ネタにもしてるけど、みんなカゼ引くんですよ、約束してる日に。 ──私もカゼひいたことあります(笑)。  カゼひくでしょ? ひいていないのに。 ──前日の夜になると急にひくんですよ、なぜなんでしょうね。  そうでしょ? それですよ。女の人と一生会えないんじゃないかと思うもん。あと、「犬に餌あげなきゃいけない」とか、「友達が泣いてるから慰めなきゃいけない」とかさー、よくわかんないこと言ってさー。 ──そこから生まれたのか分からないですけど、「コンドームが減りません」って言うネタが好きです。  コンドームが減らないんですよ……! ドンキホーテでダース買いしたのに、下手したらまだ封もあけてないっていう……。 ──私も4~5年前に海外に行くとき、友達から「海外は危ないから!」って持たされたコンドームが、先日そのままの姿で出てきましたよ。海外も国内もぜんぜん危なくなかったです。ネタってかなり実話が多いんですね……。  だいたいそうですよ、分かりやすくはしてますけど。 ──売れた後も、なおひねくれて続けているのはすごいですね、どこかで満足してしまいそうなのに!  モテないからですよ、単純に。 ──『ヒロシ会』のDVDでは観客の女の人が「ヒロシさんかわいかったですー」って頬赤らめてましたよぅ。  女性ってブームに弱いじゃないですか。現にもういなくなってるじゃないですか。今、だーれもいないじゃないですか。この『ヒロシ会』は一日だけやった単独ライブを収録したものなんですけど、恵比寿エコー劇場で、もう満員で入れないのに「入れろ! 入れろ!」って外でケンカが起きて、救急車で女性がひとり運ばれてるんですよ? ──ギャー! すっごい!  いま来りゃあ普通に入れるのにね? いまぼくがやってるバンドなんか、普通に来て普通にしゃべってるんですから、全然救急車呼ばなくてもいいのに、来ないでしょ? だから、「いまブームだから」っていう理由で来てるんですよ。そのときからそう思ってたから、もう一切信用できないですよね。 ──ヒロシさんの「一生応援します」ってファンレターに書いてた人が一切いなくなったけど、みんな死んだんでしょうか……ってネタ、ゲラゲラ笑いましたけど、実話と思うと悲しいですね。  そうですよ!「一生」「死ぬまで」って言ってたの来ないんだから、死んだんだなって。死んでるんですよ、みんな。 ──なんか……大変な人生ですね。  ほんとですよ。普通の人がぼくと同じ経験してきてたらね、どっかで自殺してますよ。 ──父親が炭鉱で働いてる時点で、ちょっとこう、背負うものがありますもんね。  あるでしょ? 炭鉱ってきいて絵が浮かぶでしょ? なんかその風情が。 ──うちの父親は炭鉱じゃないんですけど、地下鉄作業員の下請けの下請けで……。  ああっ、似たようなもんだよねぇ(うれしそう)。 ──しかもリアルにそこをリストラされてるところとかを見てしまって、子供心に複雑でしたよ。ヒロシさんは、ご家族とは仲いい方ですか?  えっと、ぼく弟がいるんですけど、20数年話してないですね。会ってないです。 ──あはは! 上京から一切連絡とってない感じ!  そうそう。こないだ実家に帰ったら知らない女の子がいて、「誰?」って聞いたら弟の子どもで、もう小学校4年生だって。それでぼくは弟の娘に人見知りして……しばらく無言でいたら「おじちゃん、しゃべんないんですね」ってボソって言われて……。 ──子どもに敬語を使われるってのもまた妙に辛いですよね、いっそバカな子どもだったらよかったのに……。  そうなんですよね、ワーッ! って来てくれればまだ対応できたかもしれないけど、「しゃべんないんですね」って言われたら、もうたまらなくなって家を出ようとしたら、「おじちゃん、また遊びに行くんですか?」って言われて……会話はその二言だけでしたね。はぁ。 ――あ、あはは……。あの、なんていうか、ヒロシさんは、テレビとインタビューではしゃべりが微妙にちがうんですね。  そうなんですよ……! ぼく、テレビ出ると緊張するんですよ、華やかでおしゃべり達者な人たちが並んる中になんて入って行けないじゃないですか? 打ち合わせだったらしゃべれるんです。けど、本番になったら黙って座ってるだけ。たまに振られて「ヒロシです……」って言うだけなんですよ。 ──なんかこう、えーと、残念ですね……。  残念なんですよ……。小学校のとき、クラスで「はい! はい!」って手を挙げるタイプじゃなかったでしょ? ──はい。できるだけ先生と目を合わせないようにしてました。  ね? でも、そこで「はい! はい!」って言わなきゃいけないんですよ、テレビに出たら。前へ前へ行かないと……! ──もう、ヒロシさんがひな壇に座ってるのが奇跡のように思えてきました。確かに、みんなと一緒に立ち上がって「ちょっとちょっとー!」って言ってるヒロシさんは想像がつきません。  そう、言えないんですよ。でも言わなきゃっていう、もやもやっとした感じ。もう、「ああああああああああ!」って言いそうになるもん。画面上では、だまーってるだけに見えるけど、ぼくは発狂しそうになっている。「あああああああああああ!」って言いたくなるのを我慢して、じーっとしてるんです。 ──思ってたよりずっとギリギリな精神状態でテレビに出られてたんですね……。でも、ヒロシさんの著書には、よく後書きの部分にモテない人や報われない人生を歩んでいる人への暖かいメッセージが書かれているじゃないですか。あれ、泣けるんですよ。ヒロシさんのネガティブなネタに、そんな熱い想いが込められていたと気づいて、ハッとします。  そうなんです。そういうのはなかなか伝わりづらいけどね。ぼく、いちばん悔しいのは、中学生とかで自殺しちゃう人いるでしょ? そういうの、いたたまれなくてねぇ。いじめてるやつなんて、絶対たいしたことないのに、そのときは大きな存在じゃないですか? 学校の先生もたいしたことないのに偉そうに言うから、「俺が悪いのかな?」って思うかもしれない。けど、絶対そんなことはないんだよっていうのを伝えていきたいなって。でも、ぼく自身がバカにされてる存在だから、それはなかなか伝わんない。だから、本にちょっとだけそういうのを入れたりとかね。 ──今まで何の気なしに笑ってた自分が恥ずかしいですよ。『ヒロシです。華も嵐も乗り越えて』(東邦出版)に書いてあった、「九九が覚えられなくて教室に残されて、人よりも劣ってる欠陥人間なんだっていう気持ちをずっと引きずってる」っていうの、すごくわかります。私もずっと給食が食べ終わらなくておもらししそうになったり、いくら残って練習しても、ひとりだけ逆上がりができなかったり……。  ねー。でもねー、逆上がりなんかできなくたってね、金儲けはいくらでもできるんですよ。でも、そのときの子どもには、それがすべてじゃないですか。逆上がりができたほうがモテるわけじゃないですか。足が速いほうがモテるわけじゃないですか。でも、いろんな才能があるわけじゃないですか。例えば写真を撮る才能があっても、小学校でそんな授業なんかないし、それだけじゃない、いろんな商売があるってことを知ってもらいたいですよね。だってこうやって愚痴言って金もらう仕事も、作ったわけですから、ぼくが。ずっと愚痴言い続けて。 ──本当ですね。なんだか思いもよらず良い言葉をいただきました。ありがとうございます!  そうでしょ。あと、メッセージとか発信してると、なんか、ちょっとかっこいいじゃない。モテそうじゃない。ちょっと尾崎豊っぽくて、ふふふ! 「こういう一面もあるのね、ヒロシちゃん」って思われたらいいな、と思って(笑)。 ──あっぶな! まんまと手中にハマるところでした! でも、この『ヒロシです。』に書いてある「マイナス要素を抱えながらも、絶対にモテてやろうと思ってます。だから、あなたも諦めないで」っていうくだりは、すごく希望になりますよ。ヒロシさん、絶対モテてくださいね!!  そんなん言いながら、やっぱりモテてはないんですけども、ただ、あのー……実家に帰ってね、同級生とかと会うとね、当時イケメンって言われてた人たちが、どんどん劣化してるんですよ(笑)。ぼくは学生の時に超くやしい思いしてるから、そういう一軍の男子たちがハゲてたりしてると、もう、たまらない幸福感に包まれて……(満面の笑み)! ──また、地元にいる人たちって、ちゃんと働いたり子どもを育てたりで忙しいから、外見的に年をとるのが早い感じがしますよね。  そう! ふはははは! 早いんですよー! そうそう、こないだね、たまたまテレビでぼくの地元までロケに行ったんです。そしたらそこの観光協会かなんかで働いてる作業服の人が、「斉藤くん」って、ぼくの本名を呼んできてね、話聞いたら高校んときにヤリまくってた男で、「チッ」と思って終始覚えてないふりをしてやりましたね、ふははは! たまんなかったなアレは! 他にも「俺だよ、なんとかだよ」って言われて、「あ~あいつか」って分かっても気づかないふりをしますよ。一瞬「誰だっけ?」って間を空けてから、「あ~!」ってね。 ──「当時の自分だって、お前なんて別に眼中になかったから」っていう強がり!  そうそう、それがぼくの復讐です。たまんないです。今すごい幸せです。 ──幸せが、暗い……! ヒロシさんは普通に職につこうと思ったことはないんですか?  こういう仕事する人って、たぶん、普通の生活できない人たちでしょ? ぼくも一回だけサラリーマンになったんですけど、1カ月目で「辞めさせてくれ」って言いに行ったくらいだから、耐えられなかったんです。サラリーマンに。 ──ちなみに、どういう仕事内容だったんですか?  保険を売る仕事です。 ──またずいぶん社交性の求められるものを!  そう、知らないところにいっぱい電話しなきゃいけない。1カ月で心が折れて、出勤しないで家で寝てたんですけど、家に偉い人がきて、「おめえ何やってんだ!」って起こされて、「ああっ」って……。「せめて半年はやりなさい」って言われて、半年やって辞めました。 ──さっきから他人とは思えないエピソードばかりです。性別と時空を超えて、すごく共感をしています。  やっぱりねぇ、そういう人って話があいますよねぇ。だから、ダメなスパイラルがずーっと続くわけですよ。ぼくも、暗くてB型の人とよく話が合うからね。 ──うわ、私、暗くてB型です……!  そうでしょ(笑)? で、そういう人とばっか接してると、「こっちの思考が王道だ」って勘違いするようになるから、よくないんですよ。 ──そうなんですよね。たまに明るい人たちと話すと、「うわ、自分ってゴミ」と実感して落ち込んだりします。  そうそう。でもこっち側にいると、「やっぱおかしいよねー?」「あんなところであんなカラオケ歌うのおかしいよねー?」って。全然おかしくないんだけど、「わかるわかるー!」ってなるわけですよ、だから良くないんですよ。 ――わああ、私だ、私がここにいる! 私はもう本当にますますヒロシさん大好きですよ!  ほんとですか? なんだかうれしいなぁ。 ──そんなところで、ちょっと私の相談に答えてほしいんですけどもー。  無理ですよー。こっちが答えてもらいたいくらいですー。 ──(無視して)私もけっこうネガティブなんですけど、やっぱり、こう、「ネガティブは良くない」って言われがちじゃないですか? ぼやいたり愚痴を言ったり卑屈になったりとか、そういうことをずっとしてると、そのうちそれに飲み込まれて、もう戻れなくなる、と。  言われますよねぇ。 ──でも、なかなか直るものではないし……。  直らないです。でも、こうやって、取材して書くっていう立場にいらっしゃるわけじゃないですか。ぼくも本気でネガティブなんですけど、たぶん、大まかにはポジティブなんですよね。 ──私はポジティブというか、根が図々しいような気がしてます。  そう。一個一個は図々しくないんだけど、なんか大胆なところで多分そうなんです。だって、普通ネガティブな人がグラビアアイドルなんかならないでしょ? どっかで「私はあいつらよりモテるんだ」「イケるはずだ」って考えられたくらいのポジティブさがあったわけでしょう? ぼくもそうなんです。一個一個は全部ネガティブだけど、すごく、大きな流れではポジティブなんですよ。だってモテない人が「お笑いやってモテてやろう」と思ったんですから。自分で言うのもなんだけど、そういう人はまだ良いんじゃないですか? こういう風に仕事として、お金もらうわけじゃないですか。 ──確かにそうですよね……。今はまだネガティブな部分に対して、憤ったり、妬んだり、僻んだり嫉んだりする体力がありますけど、年をとったらどうなってしまうんだろう。  そう、危険なのが、こうやって注目されてるうちは愚痴がお金になるからいいけど、飽きられるでしょ? ──そうなったら、大ピンチですよ!  ピンチとネガティブさだけが残っていくから、やっぱりキツイですよね……! ぼくだってテレビに出なくなってからもネガティブな思考はそのまま残ってるわけだから、キツかったですよ。今は仕事してるから笑って話せるけど、これがなくなったら、ほんとキツイもんな、人と話す機会もないし。これは……ちょっとどうにか解決しなきゃいけないですよね……。 ──積極的に幸せになりにいくのが一番いいと思うんですけど、ヒロシさんは幸せになったら、もうネタが増えないじゃないですか? そうして無意識に幸せから遠ざかろうとしているのでは?  いやいや、幸せになったほうがいいですよ! 絶対! ──たとえば、所帯をもってみたりとか。  いやーそれは危険だなー。浮気されたらどうしよう、とか。 ──え~そこですか? 大丈夫でしょう、それは~。  だって結婚したら離婚するときにお金半分あげなきゃいけないんでしょ? 冗談じゃないよ! 実際、浮気されて離婚して金とられたって人が何人もいるんすよ、ぼくの周りに! でも法律ではそうしなきゃいけないらしくて、最悪じゃないですかー。 ──「浮気はしないと言っていた彼女の家に行ったら、便座があがっていたとです」ってネタもありましたけど、あれも実話だったんですねぇ。  そうそう、毎回あがってるんですもん! 便座あげるときって掃除するときくらいでしょ? 別に綺麗になってないのにあがってるんですよ! もっと言っちゃえば、ゴミ箱から精子のにおいがするんですよ? ぼく、なんにもしてないのになんでにおいがするんだろうって……。 ──だんだん、本当に付き合っていたのかどうかも心配になってきますね……。  そうなんですよ。もう「人間のお付き合いってなんだ?」ってことですよ。もっと言えば、「結婚ってなんだ?」ってことになってくるですよね。「病めるときも~」って神様の前で約束するのに……お前らは簡単に破るじゃないか!! ──女性不信すぎますよ!! でも、ほら、えーと、最近またテレビにも出るようになられて、また波が来てるじゃないですか!  来てますか? そんな感じは一切しないですけど……。 ──ヒロシさんの場合は、「最近見ないよね」「消えたよね」って言われてても、本を出したりラジオをやったり、普通に活動はされてるんですよね。でも地上波に出てないだけで消えたような扱いになっちゃう。私はグラドルでデビューして、最初だけほんの少しだけ出て、すぐ売れなくなったんですけど、今でも希に「あー昔グラビアで見たよね、今いないね」って言われることがあります。でも、ページがカラーグラビアから白黒の文字ページに移動しただけで、微妙に消えてはいないんですよ。でも可愛いグラドルが好きな人たちなんて、誰もこっちまで見てくれない。  うんうん。でもね、「サイゾー」でページを持ってるなんて立派ですよ。俺なんてアレくらいのブレイクを見せて、何も残ってないじゃないですか。 ――そんなことないじゃないですか、なんか、確執みたいなものが残ってると思いますよ。  確執だけ残ってもしょうがないじゃないですか! ほんと、いつまた落とされるかわかりませんし、「サイゾー」なんて良いですよ、しかも連載でしょ? ……サイゾーさん、このページで、ぼくでひとつ、なんかやってくださいよ……。 ──え! ちょっと、普通に私の連載枠を狙わないでください!  いや、あの、ノーギャラとかでも全然いいんで、あ、この、こことかでもぜんぜん大丈夫なので!(編集雑記を指さしながら) ――ちょ、やめてください! きょ、今日はどうもありがとうございました! (取材・構成=小明) ●ヒロシ 1972年、熊本県生まれ。コンビ芸人、ホストなどを経て、2003年ころからピン芸人としてブレイク。「ヒロシです……」で始まる自虐ネタで一世を風靡した。DVD『ドキュメンタリー オブ ヒロシ~空白の1500日~』発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中 ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://cyzo.shop-pro.jp/> 月刊サイゾーにて「卑屈の国の格言録」連載中。 小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第32回】 ジャルジャルさんの至言「僕らのネタに深い意味なんかないんです」 【第31回】 オリエンタルラジオさんの至言「"変わってるって思われたい自分"も見透かされてる」 【第30回】 大槻ケンヂさんの至言「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」 【第29回】 辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」 【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン

sonosakimie01.jpg ――初めまして! 毎回、この連載に出てくださる方には「何かしら告知していって下さい!」ってお願いしてるんですけど、園崎さんの場合、わざわざ日刊サイゾーで告知しなくてもいいようなメジャー作品が多くて、何を願えばいいのやらですよ。  はは(笑)。今は『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』と、『ストライクウィッチーズ劇場版』が公開中で、あとつい先日まで関東ローカルとDVDなんですけど、『私に嘘をついてみて』っていう韓国ドラマではヒロインをやらせていただいてました。 ――『ドラゼミ』のCMも観ましたよ、滝のように涙を流すお母さん役が決まってましたね!  観ちゃいましたか(笑)。『ドラゼミ』は埼玉の映画館で流れてるらしくて、あんな大画面で大丈夫なのかしら……って、若干心配なんですけど(笑)。 ――大丈夫ですよ! 声のお仕事から顔の出るCMまで、かなり幅広くお仕事をされてる園崎さんですけれど、一番多いお仕事はやはり映画の吹き替えでしょうか? 一番初めに吹き替えをした映画はなんでしたか?  あまりにも古くてタイトルが思い出せないです(笑)。確か15年前くらいだったかな……? メインキャストが、『クレヨンしんちゃん』の矢島晶子さんと小杉十郎太さんが吹き替えの作品で、すごい緊張したのを覚えています。 ――今までの出演作品を見ると、本当に名だたるタイトルが並んでいて感動します、『24』、『ワイルドスピード』、『スパルタンX』、『オースティン・パワーズ』ではブリトニー・スピアーズの声をやられてましたね。  そうなんです。わたし頭が爆発しちゃうんですけど(笑)。 _MG_4338.jpg ――さらに『ジェイソン』に『ドーンオブザデッド』、『遺体安置室 死霊の目覚め』『悪魔の毒々バーガー』とか……妙にグロい映画が多いです!  あはは! ホラーが多かったんですよ! ホラーは楽しいですよ。猟奇殺人的な映画はちょっと苦手なんですけど、それでも「もう辛い!!」と思いながら観ちゃう(笑)。 ――すばらしい! はじめから声優業に興味があったんですか?  そうですね。もともと声のお仕事にも興味はあったんですけど、まずはお芝居がしたくて、俳協演劇研究所という養成所に入ったんですよ。そこで小劇場で舞台をやったりとか……。 ――はまりこむと抜け出せないと噂の小劇場の世界!  そう! 「ほんとうに辛いんだよ!!」って思いながらも、楽日を迎えると「次は何やろうかな~!」って考えちゃう、あの感じがキライじゃなくって(笑)。それと、ご縁があって劇場のアナウンスの仕事をさせていただいたんですね。区や市の文化芸術祭などでのアナウンスもアルバイトでやりつつ、舞台でお世話になっていた音響さんに連れられて、本番の補佐とか、音作りの補佐をやりつつ……そんな感じでずっと表舞台に出ない時期もあって、たまに「役者は辞やめちゃったの?」って聞かれたりしてましたね。 ――裏方に徹しすぎて(笑)。   そんな時に、「表の仕事をやるつもりがあるなら、新しく事務所を立ち上げるからうちに来ない?」って言われたのが、真田アサミちゃんとかがいたTABという会社でして、入ってみたら声のお仕事がすごく多くて……ちょうどPCゲームから声が出るのが全盛期だったんですよ、PC-98の頃かな。そこで頂いたお仕事がゲームの声優だったので、それがきっかけで本格的に声優業を始めました。 _MG_4437.jpg ――なるほど。しかしながら15年の芸歴の中、ゲームでは『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』に『ぷよぷよ』シリーズ、アニメでは『下級生』に『ストライクウィッチーズ』、そして実写の映画や海外ドラマも数え切れないほど……ずっと素晴らしいお仕事をされていて凄いです! ちなみになんですけど、実写とゲームやアニメの吹き替えって、演じ方を変えていらっしゃるものなんでしょうか?  人それぞれだとは思うんですけど、やっぱり結構違うんじゃないかな。吹き替えにもアニメにも、独特の台詞回しや発声の仕方があると思うんです。私はどちらかと言うと洋画寄りのお芝居なので、アニメの現場に行くと「ちょっとナチュラルすぎるかな」って演出の方に言われたこともありますね。アニメは二次元に声を入れるものですから、どこかお芝居にデフォルメを入れなければならなかったり、逆に実写…吹き替えは向こうが生身の人間なので、どれだけ日常の延長のような感じでその人の声に聞こえるかっていうものだとわたしは思っているんですけど。でも、最近はアニメでも実写みたいなナチュラルな芝居を要求される現場もあるし、反対に、吹き替えで「こういう作品なので、かなり作ってください!」って言われたり……その境目はわからなくなってきてますね。 ――なるほど。例えば声優さんや声優さんを目指す人が、「アニメよりも外国映画の吹き替えをやりたい」と考えた場合、どういう道筋を辿るのが良いんでしょうか? オーディション雑誌には載っていなそうですし……。  そうですねー、わたしがお仕事させて頂くようになってから劇団所属の俳優さんが吹き替えの現場には多くいらっしゃいます。吹き替えのお芝居がよりナチュラルを求められるようになったからそうなのかなと思いますね。 私の勝手な印象なんですけど、アニメはどこか“歌舞伎”っていうイメージがあるんですよ。決まりごとがあって、型があって、見栄を切る、みたいな。外国映画のお芝居はそういうのがほとんど無くで「生」のやりとり。アニメは“歌舞伎”で、吹き替えは“新劇”みたいなものなのかなぁって。なので、アニメのお芝居の型を作ってきた人は、一度それを取っ払って、根本的なセリフのやり取りや、演劇をするに当たってのごく当たり前のことをやらないといけない。 _MG_4450.jpg ――それは難しそうですね……!  意外と難しいんですよね。 でも、不思議なんですけど、お芝居をやっていない人のほうが上手なんですよ。 ――あ、「芝居してないところがいい」ってやつですか?  そうそう。昔の白黒の映画は間や台詞回しなど「作りこまれた舞台のお芝居が映像になりました」っていうのが多いんですけど、最近の海外ドラマは、「日常生活にカメラを持ち込んだような芝居」というのが主流になっていて、展開も早いし、“キメ”とかそういう決まりごとをやっていると間に合わないんですよね。だから、型を知らないまま入って声を当てている人のほうがうまく絵にハマるというか。だから、タレントさんとかがいっぱい声をやっているんじゃないかなぁ。 ――なるほど、面白いですね! でもやっぱり好きな映画の吹き替えをタレントさんにやられるのはちょっと……。もちろん「全然気づかなかった、この人うまいんだなー」って人もいますけど、「アチャー、本業の人に任せてほしい」と思うことも多いですよ。ちなみに、ご自分で映画を見に行かれる時は吹き替えで見観ることが多いですか?  吹き替えがあれば、そちらで観ますね。吹き替えで『特攻野郎Aチーム』とか、NHKの『シャーロックホームズ』とか『奥様は魔女』とか『頑固じいさん孫三人』とか見て育ってきちゃったので、吹き替えの文化をすごく大事にしていきたいと思っているんです。ただ、ひとつ問題があって……自分がこういう職業についてしまったので、映画を観ても内容じゃなくて、「この〇〇さんかっこいいな、ここの芝居いいなー!」って、つい気になっちゃって、本編がそっちのけになって、感動が違う方向に行っちゃうのが本当に損したなって思いますね(苦笑)。 ――あはは! 本当にお仕事がお好きなんですね! しかしながら、こういう業界はどうしても安定しないものですし、不安になったりはしないですか?  不安にもなりますし、普通に1回しか仕事してないということもあったし……ま、15年もやっていたら、そういう時期もありますよ(笑)。幸いなことに私は実家暮らしだったので、とりあえず住まいに苦労するということはなかったので、そこは本当にありがたかったと思います。まぁ実家にいたらいたで、「あんた今月何やってんの?」 みたいなのをしつこく言われるんですけど(笑)。 ――かなり古風なお家柄なんですよね。良く演劇系の道を許してもらえましたね~、説得が大変だったんじゃないでしょうか。 _MG_4527.jpg  あ、いえ、反対をされる隙もなく、「私ここに行きます」って養成所の案内を出して、親は“きょとーーーん”、みたいな(笑)。「あんたは普通に就職してくれると思ってたのに……」って言われましたね。兄も兄で自由な感じで、音楽をしてるもんですから。 ――お母様もバレエの先生をされてるし、芸術一家ですね。  そうですね。だから仕方ないよねって(笑)。 ――決めてから報告! その行動力が凄い! あ、凄いと言えば、園崎さんはTwitterも凄いですよね。色んなファンの方にぽんぽん返事を返していて見ていて楽しいです。  ああ、ついこないだも祭りを起こしてしまって……。 ――よく祭られてますよね。園崎さんのお名前でネットで検索すると、やたらと2ちゃんねるのスレが出てくるっていう(笑)。  アレはなんなんですかね? なんでそんなにマメなの? ――愛されているというか……ふとした一言で立ったりしますよね。  そう! しかも誰かしらが教えてくれちゃうんですよ! それでつい見ちゃうんですけど、なんでそれでスレが立つのかわからないものばかりで(笑)。 ――そういうのって面白いですよね。ネットにもたくさんファンがいらっしゃるのは、ブログやHPをかなり昔からされてるのも影響してるんでしょうか。凄くしっかり書かれてますよね。  昔はひとつの読み物として成立するようにと思って書いてました。暇だったし(笑)。 ――ネットの更新で一番大事なのは時間ですよね。私なんて毎日すごい勢いでブログ書いてますよ……。ただ、時間が余っている時は仕事がない時なので、更新することがないっていうジレンマも抱えてます……。ちなみに、どうしてご自分でHPを立ち上げたんですか?  アニメのお仕事は専門の雑誌もあるぐらいですから、誰がどんなお仕事をしているかっていう何かしらの情報って分かるんですけど、わたしの場合は吹き替えとナレーションがお仕事の軸になっていたものですから、自分の仕事を知ってもらう手だてがなかなかなかったんですよね。なので、HPを作ったんです。作っておくと自分のアーカイブにもなるし、後から見直して「こういうのをやっていたな」というのが分かるから、いいかなと思って。Twitterは即時性が高くて便利だけれど、利用者も増えてTLの速度が速くなっているので、ぽつっと書いても情報が流れていってしまうし……いかんせん私もいろいろつぶやいているので(笑)。 _MG_4542.jpg ――毎日たくさんつぶやかれているので、お休みの日もツイッターで忙しそうです! お仕事もつぶやきもしていない時は、何をされて過ごすことが多いですか?  だいたい、うちで音楽を聞いているか、おもしろい動画を見たり、マンガを読んだり……家から出ないな。見たい映画もいろいろあるんですけど、ついつい仕事モードになっちゃうので…。おうちに帰ると出不精になるんですよ。なにをするにもめんどくさくなって、日がな一日ごろごろしている。なんというか、いっさい表に出たくない時期と、積極的に出たい時期が結構明確にあって……ちょうどいま出たくない時期です(笑)。去年は表に出ていく一年で、お仕事の関係のお友だちやプライベートのお友達がいろいろ誘ってくれるので、クラブに遊びに行ったり……。 ――クラブに!? すごい!! はじけてますね!!  ははは。アニメ系のですけどね。コスプレして踊ってるお客さんがいたり、アニソンオンリーだったり……楽しいですよ。私はハウスやテクノが好きなんですけど、そんなジャンルのイベントがあると「姉さん、今日は面白いと思うよ!」っていろんなお友達がいろいろ教えてくれるので、一人でもふらふら出かけちゃうんです。それで隅っこで見てるの(笑)。あとは、温泉に行ったりもしますね。温泉は大好き。 ――そうだ、園崎さんは温泉ソムリエなんですよね。その資格はどうやって取るのでしょうか?  意外と簡単なんですよ。講義を受けて、テキストを読んで、規定の授業を受ければテストもなしに取れるんです。ただ、ランクアップの講義があって、それの時に前の抗議の内容を覚えていないといけないみたいなんですけど。 ――なるほど! それならイケそうな気がします! アイドル業界も資格を取っておけば色々強いですからかなり気になるところです! ちなみに、園崎さんは温泉ソムリエになってどんなお仕事につながりましたか?  全然つながってないですね(きっぱり)。 ――……。  資格で言えば、中国茶の茶芸の資格も持っているんですけど……。 ――ちゅ、中国茶の茶芸?  中国の国家資格で、今は国内でも取りやすくなったんですけど、もともとは中国に行かないと取れない資格だったんです。けど、たまたま先生が日本にきて、カタコトの日本語で教えられて、テキストも全部中国語と英語で、実技と筆記をやって……。 ――すごい! 中国語が出来るんですか?  出来ません(きっぱり)。でも、漢字なのでなんとなく何が書いてあるかはうっすら分かるんですよ中国語。それでがんばって勉強したんですが、そんなに勉強したのは大学生以来で、いつも使ってない脳みその部分がすごく活性化した感覚です。一応“優良”って書かれて点数も良かったんですよ! 認定証ももらったけど、中国語で読めなくて(笑)。 ――その行動力がすごいですよ……! そもそもどんな方が取るんでしょうか、その資格は。  まぁ、実際に中国茶のお店で働いている方や、卸などでお茶に関わっている人が多いですね。 ――園崎さんもそういう副業が?  いえ、まったく。「お茶好きだし、なんか資格があるんだったらとってみようかなぁ」程度の軽いノリで踏み込んでしまったら、結構大変でした。 ――ちなみに、私も台湾に留学していたので、少しくらいなら中国語も出来る気が! お茶も好きですし、その資格も気になるところです! 茶芸師の資格から、どんなお仕事に繋がりましたか?  ないですね(きっぱり)。 ――……。  あとアロマテラピーの資格もとってみたいなぁと思ってるんですけど、試験日がいつも仕事なんですよ。でもいつかと思ってます、うふふ。 ――吹き替えだけじゃなく、次はユーキャンのCMにも出られそうです……。今日はありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●そのざき・みえ 1973年、東京都生まれ。映画『ストライクウィッチーズ劇場版』ゲルトルート・バルクホルン役、映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』メアリー・モースタン役、ともに公開中。DVD『劇場版NARUTO-ナルト- ブラッド・プリズン』竜舌役、発売中。『ニキータ/NIKITA』ニキータ役ほか、海外ドラマ吹替多数出演中。 公式HP http://hp.kutikomi.net/sonozaki_mie/ ・イベント情報 7月1日(日) 近藤佳奈子×園崎未恵LiveEvent[ぱんだと金魚の波乗り大作戦] お知らせblog http://yaplog.jp/ginger_drop/ ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

5/23「デビュー22周年「女」ライブ 下北沢440 開演 20:00 前売 \3,500 (1D代別途必要・整理番号付・自由・税込) (問)サンライズプロモーション東京(0570-00-3337)ぴあ、ローソンでも発売中! 6/15 19:00~ミニライブ&サイン会 タワーレコード新宿店(03-5360-7811) 宍戸留美オフィシャルサイト http://rumi-shishido.com/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン

sonosakimie01.jpg ――初めまして! 毎回、この連載に出てくださる方には「何かしら告知していって下さい!」ってお願いしてるんですけど、園崎さんの場合、わざわざ日刊サイゾーで告知しなくてもいいようなメジャー作品が多くて、何を願えばいいのやらですよ。  はは(笑)。今は『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』と、『ストライクウィッチーズ劇場版』が公開中で、あとつい先日まで関東ローカルとDVDなんですけど、『私に嘘をついてみて』っていう韓国ドラマではヒロインをやらせていただいてました。 ――『ドラゼミ』のCMも観ましたよ、滝のように涙を流すお母さん役が決まってましたね!  観ちゃいましたか(笑)。『ドラゼミ』は埼玉の映画館で流れてるらしくて、あんな大画面で大丈夫なのかしら……って、若干心配なんですけど(笑)。 ――大丈夫ですよ! 声のお仕事から顔の出るCMまで、かなり幅広くお仕事をされてる園崎さんですけれど、一番多いお仕事はやはり映画の吹き替えでしょうか? 一番初めに吹き替えをした映画はなんでしたか?  あまりにも古くてタイトルが思い出せないです(笑)。確か15年前くらいだったかな……? メインキャストが、『クレヨンしんちゃん』の矢島晶子さんと小杉十郎太さんが吹き替えの作品で、すごい緊張したのを覚えています。 ――今までの出演作品を見ると、本当に名だたるタイトルが並んでいて感動します、『24』、『ワイルドスピード』、『スパルタンX』、『オースティン・パワーズ』ではブリトニー・スピアーズの声をやられてましたね。  そうなんです。わたし頭が爆発しちゃうんですけど(笑)。 _MG_4338.jpg ――さらに『ジェイソン』に『ドーンオブザデッド』、『遺体安置室 死霊の目覚め』『悪魔の毒々バーガー』とか……妙にグロい映画が多いです!  あはは! ホラーが多かったんですよ! ホラーは楽しいですよ。猟奇殺人的な映画はちょっと苦手なんですけど、それでも「もう辛い!!」と思いながら観ちゃう(笑)。 ――すばらしい! はじめから声優業に興味があったんですか?  そうですね。もともと声のお仕事にも興味はあったんですけど、まずはお芝居がしたくて、俳協演劇研究所という養成所に入ったんですよ。そこで小劇場で舞台をやったりとか……。 ――はまりこむと抜け出せないと噂の小劇場の世界!  そう! 「ほんとうに辛いんだよ!!」って思いながらも、楽日を迎えると「次は何やろうかな~!」って考えちゃう、あの感じがキライじゃなくって(笑)。それと、ご縁があって劇場のアナウンスの仕事をさせていただいたんですね。区や市の文化芸術祭などでのアナウンスもアルバイトでやりつつ、舞台でお世話になっていた音響さんに連れられて、本番の補佐とか、音作りの補佐をやりつつ……そんな感じでずっと表舞台に出ない時期もあって、たまに「役者は辞やめちゃったの?」って聞かれたりしてましたね。 ――裏方に徹しすぎて(笑)。   そんな時に、「表の仕事をやるつもりがあるなら、新しく事務所を立ち上げるからうちに来ない?」って言われたのが、真田アサミちゃんとかがいたTABという会社でして、入ってみたら声のお仕事がすごく多くて……ちょうどPCゲームから声が出るのが全盛期だったんですよ、PC-98の頃かな。そこで頂いたお仕事がゲームの声優だったので、それがきっかけで本格的に声優業を始めました。 _MG_4437.jpg ――なるほど。しかしながら15年の芸歴の中、ゲームでは『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』に『ぷよぷよ』シリーズ、アニメでは『下級生』に『ストライクウィッチーズ』、そして実写の映画や海外ドラマも数え切れないほど……ずっと素晴らしいお仕事をされていて凄いです! ちなみになんですけど、実写とゲームやアニメの吹き替えって、演じ方を変えていらっしゃるものなんでしょうか?  人それぞれだとは思うんですけど、やっぱり結構違うんじゃないかな。吹き替えにもアニメにも、独特の台詞回しや発声の仕方があると思うんです。私はどちらかと言うと洋画寄りのお芝居なので、アニメの現場に行くと「ちょっとナチュラルすぎるかな」って演出の方に言われたこともありますね。アニメは二次元に声を入れるものですから、どこかお芝居にデフォルメを入れなければならなかったり、逆に実写…吹き替えは向こうが生身の人間なので、どれだけ日常の延長のような感じでその人の声に聞こえるかっていうものだとわたしは思っているんですけど。でも、最近はアニメでも実写みたいなナチュラルな芝居を要求される現場もあるし、反対に、吹き替えで「こういう作品なので、かなり作ってください!」って言われたり……その境目はわからなくなってきてますね。 ――なるほど。例えば声優さんや声優さんを目指す人が、「アニメよりも外国映画の吹き替えをやりたい」と考えた場合、どういう道筋を辿るのが良いんでしょうか? オーディション雑誌には載っていなそうですし……。  そうですねー、わたしがお仕事させて頂くようになってから劇団所属の俳優さんが吹き替えの現場には多くいらっしゃいます。吹き替えのお芝居がよりナチュラルを求められるようになったからそうなのかなと思いますね。 私の勝手な印象なんですけど、アニメはどこか“歌舞伎”っていうイメージがあるんですよ。決まりごとがあって、型があって、見栄を切る、みたいな。外国映画のお芝居はそういうのがほとんど無くで「生」のやりとり。アニメは“歌舞伎”で、吹き替えは“新劇”みたいなものなのかなぁって。なので、アニメのお芝居の型を作ってきた人は、一度それを取っ払って、根本的なセリフのやり取りや、演劇をするに当たってのごく当たり前のことをやらないといけない。 _MG_4450.jpg ――それは難しそうですね……!  意外と難しいんですよね。 でも、不思議なんですけど、お芝居をやっていない人のほうが上手なんですよ。 ――あ、「芝居してないところがいい」ってやつですか?  そうそう。昔の白黒の映画は間や台詞回しなど「作りこまれた舞台のお芝居が映像になりました」っていうのが多いんですけど、最近の海外ドラマは、「日常生活にカメラを持ち込んだような芝居」というのが主流になっていて、展開も早いし、“キメ”とかそういう決まりごとをやっていると間に合わないんですよね。だから、型を知らないまま入って声を当てている人のほうがうまく絵にハマるというか。だから、タレントさんとかがいっぱい声をやっているんじゃないかなぁ。 ――なるほど、面白いですね! でもやっぱり好きな映画の吹き替えをタレントさんにやられるのはちょっと……。もちろん「全然気づかなかった、この人うまいんだなー」って人もいますけど、「アチャー、本業の人に任せてほしい」と思うことも多いですよ。ちなみに、ご自分で映画を見に行かれる時は吹き替えで見観ることが多いですか?  吹き替えがあれば、そちらで観ますね。吹き替えで『特攻野郎Aチーム』とか、NHKの『シャーロックホームズ』とか『奥様は魔女』とか『頑固じいさん孫三人』とか見て育ってきちゃったので、吹き替えの文化をすごく大事にしていきたいと思っているんです。ただ、ひとつ問題があって……自分がこういう職業についてしまったので、映画を観ても内容じゃなくて、「この〇〇さんかっこいいな、ここの芝居いいなー!」って、つい気になっちゃって、本編がそっちのけになって、感動が違う方向に行っちゃうのが本当に損したなって思いますね(苦笑)。 ――あはは! 本当にお仕事がお好きなんですね! しかしながら、こういう業界はどうしても安定しないものですし、不安になったりはしないですか?  不安にもなりますし、普通に1回しか仕事してないということもあったし……ま、15年もやっていたら、そういう時期もありますよ(笑)。幸いなことに私は実家暮らしだったので、とりあえず住まいに苦労するということはなかったので、そこは本当にありがたかったと思います。まぁ実家にいたらいたで、「あんた今月何やってんの?」 みたいなのをしつこく言われるんですけど(笑)。 ――かなり古風なお家柄なんですよね。良く演劇系の道を許してもらえましたね~、説得が大変だったんじゃないでしょうか。 _MG_4527.jpg  あ、いえ、反対をされる隙もなく、「私ここに行きます」って養成所の案内を出して、親は“きょとーーーん”、みたいな(笑)。「あんたは普通に就職してくれると思ってたのに……」って言われましたね。兄も兄で自由な感じで、音楽をしてるもんですから。 ――お母様もバレエの先生をされてるし、芸術一家ですね。  そうですね。だから仕方ないよねって(笑)。 ――決めてから報告! その行動力が凄い! あ、凄いと言えば、園崎さんはTwitterも凄いですよね。色んなファンの方にぽんぽん返事を返していて見ていて楽しいです。  ああ、ついこないだも祭りを起こしてしまって……。 ――よく祭られてますよね。園崎さんのお名前でネットで検索すると、やたらと2ちゃんねるのスレが出てくるっていう(笑)。  アレはなんなんですかね? なんでそんなにマメなの? ――愛されているというか……ふとした一言で立ったりしますよね。  そう! しかも誰かしらが教えてくれちゃうんですよ! それでつい見ちゃうんですけど、なんでそれでスレが立つのかわからないものばかりで(笑)。 ――そういうのって面白いですよね。ネットにもたくさんファンがいらっしゃるのは、ブログやHPをかなり昔からされてるのも影響してるんでしょうか。凄くしっかり書かれてますよね。  昔はひとつの読み物として成立するようにと思って書いてました。暇だったし(笑)。 ――ネットの更新で一番大事なのは時間ですよね。私なんて毎日すごい勢いでブログ書いてますよ……。ただ、時間が余っている時は仕事がない時なので、更新することがないっていうジレンマも抱えてます……。ちなみに、どうしてご自分でHPを立ち上げたんですか?  アニメのお仕事は専門の雑誌もあるぐらいですから、誰がどんなお仕事をしているかっていう何かしらの情報って分かるんですけど、わたしの場合は吹き替えとナレーションがお仕事の軸になっていたものですから、自分の仕事を知ってもらう手だてがなかなかなかったんですよね。なので、HPを作ったんです。作っておくと自分のアーカイブにもなるし、後から見直して「こういうのをやっていたな」というのが分かるから、いいかなと思って。Twitterは即時性が高くて便利だけれど、利用者も増えてTLの速度が速くなっているので、ぽつっと書いても情報が流れていってしまうし……いかんせん私もいろいろつぶやいているので(笑)。 _MG_4542.jpg ――毎日たくさんつぶやかれているので、お休みの日もツイッターで忙しそうです! お仕事もつぶやきもしていない時は、何をされて過ごすことが多いですか?  だいたい、うちで音楽を聞いているか、おもしろい動画を見たり、マンガを読んだり……家から出ないな。見たい映画もいろいろあるんですけど、ついつい仕事モードになっちゃうので…。おうちに帰ると出不精になるんですよ。なにをするにもめんどくさくなって、日がな一日ごろごろしている。なんというか、いっさい表に出たくない時期と、積極的に出たい時期が結構明確にあって……ちょうどいま出たくない時期です(笑)。去年は表に出ていく一年で、お仕事の関係のお友だちやプライベートのお友達がいろいろ誘ってくれるので、クラブに遊びに行ったり……。 ――クラブに!? すごい!! はじけてますね!!  ははは。アニメ系のですけどね。コスプレして踊ってるお客さんがいたり、アニソンオンリーだったり……楽しいですよ。私はハウスやテクノが好きなんですけど、そんなジャンルのイベントがあると「姉さん、今日は面白いと思うよ!」っていろんなお友達がいろいろ教えてくれるので、一人でもふらふら出かけちゃうんです。それで隅っこで見てるの(笑)。あとは、温泉に行ったりもしますね。温泉は大好き。 ――そうだ、園崎さんは温泉ソムリエなんですよね。その資格はどうやって取るのでしょうか?  意外と簡単なんですよ。講義を受けて、テキストを読んで、規定の授業を受ければテストもなしに取れるんです。ただ、ランクアップの講義があって、それの時に前の抗議の内容を覚えていないといけないみたいなんですけど。 ――なるほど! それならイケそうな気がします! アイドル業界も資格を取っておけば色々強いですからかなり気になるところです! ちなみに、園崎さんは温泉ソムリエになってどんなお仕事につながりましたか?  全然つながってないですね(きっぱり)。 ――……。  資格で言えば、中国茶の茶芸の資格も持っているんですけど……。 ――ちゅ、中国茶の茶芸?  中国の国家資格で、今は国内でも取りやすくなったんですけど、もともとは中国に行かないと取れない資格だったんです。けど、たまたま先生が日本にきて、カタコトの日本語で教えられて、テキストも全部中国語と英語で、実技と筆記をやって……。 ――すごい! 中国語が出来るんですか?  出来ません(きっぱり)。でも、漢字なのでなんとなく何が書いてあるかはうっすら分かるんですよ中国語。それでがんばって勉強したんですが、そんなに勉強したのは大学生以来で、いつも使ってない脳みその部分がすごく活性化した感覚です。一応“優良”って書かれて点数も良かったんですよ! 認定証ももらったけど、中国語で読めなくて(笑)。 ――その行動力がすごいですよ……! そもそもどんな方が取るんでしょうか、その資格は。  まぁ、実際に中国茶のお店で働いている方や、卸などでお茶に関わっている人が多いですね。 ――園崎さんもそういう副業が?  いえ、まったく。「お茶好きだし、なんか資格があるんだったらとってみようかなぁ」程度の軽いノリで踏み込んでしまったら、結構大変でした。 ――ちなみに、私も台湾に留学していたので、少しくらいなら中国語も出来る気が! お茶も好きですし、その資格も気になるところです! 茶芸師の資格から、どんなお仕事に繋がりましたか?  ないですね(きっぱり)。 ――……。  あとアロマテラピーの資格もとってみたいなぁと思ってるんですけど、試験日がいつも仕事なんですよ。でもいつかと思ってます、うふふ。 ――吹き替えだけじゃなく、次はユーキャンのCMにも出られそうです……。今日はありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●そのざき・みえ 1973年、東京都生まれ。映画『ストライクウィッチーズ劇場版』ゲルトルート・バルクホルン役、映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』メアリー・モースタン役、ともに公開中。DVD『劇場版NARUTO-ナルト- ブラッド・プリズン』竜舌役、発売中。『ニキータ/NIKITA』ニキータ役ほか、海外ドラマ吹替多数出演中。 公式HP http://hp.kutikomi.net/sonozaki_mie/ ・イベント情報 7月1日(日) 近藤佳奈子×園崎未恵LiveEvent[ぱんだと金魚の波乗り大作戦] お知らせblog http://yaplog.jp/ginger_drop/ ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

5/23「デビュー22周年「女」ライブ 下北沢440 開演 20:00 前売 \3,500 (1D代別途必要・整理番号付・自由・税込) (問)サンライズプロモーション東京(0570-00-3337)ぴあ、ローソンでも発売中! 6/15 19:00~ミニライブ&サイン会 タワーレコード新宿店(03-5360-7811) 宍戸留美オフィシャルサイト http://rumi-shishido.com/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート