繁華街での番組収録ロケに、通行人がシラけた反応を示していた。9月19日の夜、キャバクラやガールズバーが立ち並ぶ東京・町田の繁華街で記者が遭遇したのは、日曜昼の情報番組『噂の東京マガジン』(TBS)のワンコーナー「平成の常識 やって!TRY」の収録現場だった。このコーナーは通行人をつかまえてその場で料理を作らせ、失敗する様を面白おかしく取り上げるもので、この日は若い女性にロールキャベツを依頼していた。 しかし、現場は水商売に携わる従業員が慌ただしく行き交い、酔客も多く混雑。場違いな番組ロケに「なんでこんな場所で」と迷惑そうな顔をする者が続出。さらに見物に足を止めた男性のもとに客引きのキャッチが現れ、「キャバクラ、どうですか?」と誘い始めるなど、なんとも妙な空気が出来上がっていた。そのうちに、このキャッチの勧誘が原因で、大声が飛び交い始めた。 「おまえ、この前はひとり3,000円って言ったけど、案内された店は金額がぜんぜん違ったじゃねえか!」 酔った男性は以前、キャッチの誘いに乗って「ぼったくり」被害に遭ったと主張。これにキャッチは反論して「誰かと間違えてるでしょ。俺が言ったという証拠を出せよ」と乱暴に言い返して、一触即発。これにはロケの見物人たちが収録風景そっちのけで気を取られ始め、その場にいた女性2人組からは「ヤラセ番組より、こっちの方がリアル」という声が上がって、周囲が失笑した。 番組で料理をさせられた女性は学生で、後で話を聞いたところでは「町田に遊びに来ていたら声をかけられ、いきなり料理をさせられた」とヤラセではなく“ガチ”を証言。ただ、同コーナーは視聴者の間から疑わしい番組作りが指摘されていたことでも有名だ。 「いかにも料理のできなそうなタイプを選んでいるように見える」 「上手にできると放送されないから、出演者がわざと大げさに失敗している感じがする」 「派手に失敗したものだけを笑い者にするのはひどい」 「最近の若い女性が料理もできないということを強調したい悪意がありすぎ」 そんな声がネット上でも聞かれるが、ジャーナリストの片岡亮氏はこれは「テレビでは昔からよくある手法」だという。 「テレビ番組は結論ありきで企画が進められることが多いので、面白い失敗があることを前提に作るものが少なくありません。10年以上前、テレビ東京がやっていた『クイズ赤恥青恥』では、街行く人に常識問題を出して、大ハズレなものだけを集めて放送していたことがありました。収録現場を見ると、ディレクターが回答者に『もっと面白い答えを言って』と何度も答えさせ、正解から一番かけ離れたものだけを切り取って放送していたんです」(片岡氏) そんなテレビ側の意図的な番組作りに冷めた見方があるからか、この日は「すぐそこにあるリアルなもめごと」の方が注目を集めていた。 キャッチに怒鳴っていた男性は、最後には「テレビ収録に足を止めたせいで、余計にもめたじゃないか」と不満を言って去っていき、この様子を見ていた飲食店の従業員らしき男性は「夜の街を歩く若い女性は料理ができなそうってことで、この場所を選んだのかな」と話した。 放送では上手に編集されるのだろうが、収録スタッフが気の毒なぐらい、現場では歓迎されていない様子だった。 (文=鈴木雅久)TBS『噂の東京マガジン』公式サイトより
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連続ドラマにとって“最終回”とは何か?『ど根性ガエル』最終話
ドラマ『ど根性ガエル』は全10話の作品であり、当然ながら第10話が最終回となる。そして『ど根性ガエル』が最終回のテーマに選んだのは、終わることについてだ。前回ピョン吉(声・満島ひかり)と別れてしまったひろし(松山ケンイチ)は、口ではそう言わないが、少しずつ大人になろうと努力している。母ちゃん(薬師丸ひろ子)に起こされる前に起きたり、ご飯をよそってもらったときに感謝を述べるなど、その変化は小さいがここまで一切変わることのなかったひろしにとっては大きいものだ。 こういった最終回の形というのも、当然あり得るし、むしろ自然なものだと言っていいだろう。主人公が唯一無二の仲間と去って、自分だけの人生を歩き始める。それはきっと「いい話」になるはずだ。だが我々の愛するひろしは「いい話」が何より苦手な男だった。「でもやっぱおかしい」と気付き、不満を口にする。 「なんで俺が大人になるためにピョン吉がいなくなんなきゃいけねえんだよ。ピョン吉は俺のために生きてたっていうのか? そりゃ失礼ってもんだ、ピョン吉っていう生き物に対してよ」 このひろしの面倒くささが『ど根性ガエル』の最終回を特殊なものにする。面倒くささ。あるいは、ひろしは嫌がるかもしれないが、優しさと言ってもいい。ピョン吉に限らず、ひろしは、というか『ど根性ガエル』は、ある人物がドラマを進めるためだけに配置されることを許さない。全ての人物はその人生を生きていて、役割はそのあとについてくる。誰もが自分の人生を選び取ることを許されているというのが『ど根性ガエル』の世界だからだ。 「つまんねえだろうが、このまま終わりなんてよ」 ひろしのこの言葉が、『ど根性ガエル』の最終回に、一人の新たな登場人物を産む。それはひろしとよく似た男(松山ケンイチ/二役)だ。言わばもう一人のひろしが町に現れ、いくつかの事件を起こし、そして結果として彼が黄色いアマガエルの上に倒れ込むことで、ピョン吉が復活する。 ひろしとよく似た男、ひろし2号(とピョン吉が呼んでいる)は、外見だけでなく境遇もひろしとよく似ている。ただ一つだけひろしと違うのは、ピョン吉と出会わなかったという点だ。だからどこか弱々しく、ひろしのように無駄な自信や空元気は持ち合わせていない。ピョン吉と出会うことがなかったため、ど根性を持っていないもう一人のひろしを叱りつけるのは、ヒロインの京子ちゃん(前田敦子)だ。 「あんたにね。いや、今の時代に足りないのは、ど根性だよ! 分かったか!」 京子ちゃんのこの台詞でも分かるように、ひろし2号が何を象徴しているかは明らかだ。彼はただの、ひろしによく似た男ではない。我々視聴者を象徴し、具現化した存在がひろし2号だ。我々はひろし2号という登場人物の体を借りて『ど根性ガエル』の世界へと迷い込んでいる。 『ど根性ガエル』とは、カエルがシャツの中で生きるという現実にはあり得ない設定の物語だ。だから、ひろしだけが成長するという結末では、実は我々視聴者にとっては、なんの解決にもなっていない。「結局、俺たちにはピョン吉がいないから」と、よその話になってしまう。だから我々を代表したひろし2号が語られなくてはならない。ピョン吉と出会うことのなかった我々視聴者をも、『ど根性ガエル』は強引にその物語の中に引きずり込むのだ。 ひろしの母ちゃんは、自分をいらない存在だと考えてしまっているひろし2号に「生まれてきたんだから、生きてていいんだよ」と告げる。そしてその上で、こう諭してくれる。 「自分でお話を終わりにするようなこと、考えちゃダメなんだよ」 自分でお話を終わりにするというのは、つまり自己の中で何かを完結させてしまうということだ。それは「ど根性」という考え方から最も遠い行為である。居心地は確かに良いかもしれない。余計な干渉や衝突もない。だがその生き方は、少なくとも、面白くはない。終わってしまったら、面白くないのだ。だから、多少強引でも、一般的なルールに抗うことになっても、一歩はみ出してみる。自分でお話を勝手に終わらせないために。そういった決意そのものが「ど根性」と呼ばれるものだ。 そして『ど根性ガエル』の最終回もまた、お話を終わりにしない。ひろし2号は自分の元いた場所に帰っていく。これまでよりもちょっとだけバカになって。「バカになれたなら、もう大丈夫だね」という台詞が、彼の、つまりは我々視聴者の、未来を保証している。ドラマ『ど根性ガエル』が一旦の最終回を迎えたとしても、ひろし2号は生き続ける。もちろん我々視聴者も。『ど根性ガエル』が教えてくれた愛おしさや、優しさや、だらしなさや、その全てを胸の中に入れて我々は我々の生活に戻っていく。そうして我々の生活は、終わることなく、新しい始まりを続けていくのだ。 ドラマ『ど根性ガエル』は全10話をもって最終回を迎えた。それでもなお、まだ何も終わってはいない。我々視聴者の心の中に『ど根性ガエル』がある限り、『ど根性ガエル』は終わらない。バトンは我々に渡された。「ど根性」を日々の生活でくらわせるのは、今度はぼくらの番だ。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは@aizawaaa日本テレビ『ど根性ガエル』
視聴者が戸惑うお笑い芸人の代表格!? フジ『さんまのお笑い向上委員会』で“ホリケン不要論”が勃発
4月からスタートした『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)。この番組は、司会の明石家さんまを“向上長”とし、若手お笑い向上委員会メンバーらがこれからのお笑い界の傾向を探っていくというトーク番組である。しかし、初回からレギュラー出演しているネプチューンの“ホリケン”こと堀内健の評判が、ネット上では散々なのだ。 「(初回から3回までレギュラーだった爆笑問題の)太田(光)が抜けて少しマシになるかと思ったけど、ホリケンが異次元のガヤで騒ぎまくっている」 「見ていて疲れる。一度ホリケン抜きでやってほしい」 「もう、本当に、ホリケンが無理になりました」 これからのお笑い界の傾向を探る、というテーマを掲げてはいるものの、その実は問題のホリケンによる突拍子もないボケで、まったくもって話が進まないのである。12日の放送回では、「自分のいない『向上委員会』を見てみたい」というホリケンの希望で、ホリケンの代わりにアンガールズ田中卓志が出演。トークは円滑に進み、土田晃之は「今日ちゃんとしてて、いいですね」と、ホリケン不在を歓迎するかのような発言。司会のさんまが「トーク的には、今日のほうがええの?」と尋ねると、「視聴者も、たぶんそう思ってるはずですよ」と断言した。この放送後、ネット上では、 「今日は、ホリケンがいないから見やすかった」 「ホリケンいなくてテンポ良く見られたけど、吉本ノリが強い」 「出演者のヘンな間がなくて良かった。いなくてホッとする芸人って、どうなんだろう」 と、おおむね好評の様子。 しかしホリケンは、どの番組に出ても、あの調子なわけではない。『しゃべくり007』(日本テレビ系)などでは状況を見てボケ、また、くりぃむしちゅーの上田晋也がうまく転がしている感がある。 処理する側の能力の問題であるなら、『向上委員会』では暴走するホリケンのストッパー役は誰一人、適任者がいない。関東芸人VS関西芸人、ひいては吉本VS他事務所の構図が中堅芸人あたりには脈々と残っているのだろう。吉本のおしゃべり上手が、ホリケンをうまく転がせていないのだから。 ホリケン不在の『向上委員会』は確かに見やすい。しかし、どこかで聞いたようなエピソードトークばかりで、特筆すべき点がなくなったことも事実。一瞬でお茶の間を混乱させる破壊力を持つホリケンは、この番組に、疎まれながらも必要なのかもしれない。所属事務所公式プロフィールより
“無個性”タカアンドトシ レギュラー番組が軒並み下降中!「芸人」としての力量に指摘も
お茶の間に完全に浸透していたはずだが、やはり、時の移ろいの中で変わらないものなどないらしい。 お笑いコンビ・タカアンドトシが苦境に立たされている。レギュラー番組10本、うちMC番組8本と好調をキープしているように見えるが、その中身は確実に下降線を描いていた。 フジテレビ系の『ペケ×ポン』は一時20%に届くかという勢いだったが、今では2ケタも遠のく有様。人気番組だった『お試しかっ!』(テレビ朝日系)も今年に入って終了と、いわば“代名詞”ともいえる番組が相次いで沈んでいる。だが一番の問題は、最近になって始まった新番組がことごとく“コケ”ている点だろう。今年春に始まった『世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?』(TBS系)は4%台、3月から放送開始した『タカアンドトシの道路バラエティ!? バスドラ』(テレビ朝日系)にいたっては2%台を叩く回もあるほどで、まさに惨状だ。 「これまでのタカトシは、番組の企画に恵まれていた部分は大きかった。『お試しかっ!』の『帰れま10』などはその最たるものでしょう。ただ、タカトシ自身の芸人としての“カラー”があるかといえば、他のMCや人気芸人と比較して大人しいと言わざるを得ません。企画がマンネリ化するのは制作サイドの責任ですが、それを覆す個性や番組の方向性を示すことができていれば、状況も変わったかもしれませんが……。“毒”にも“良心”にもなりきれない弱さでしょうね」(芸能関係者) 「欧米かっ!」のギャグなどでテレビの人気者になってから、タカアンドトシは長い間、軽やかに芸能界をわたってきた。凋落の原因はどこにあるのだろうか。 「まず、2013年に打ち切りになった『ほこ×たて』(フジテレビ系)の“やらせ疑惑”によるところが大きいでしょう。タカトシに直接的な責任はないかもしれませんが、あの一件で波風が立ってしまいました。ネット上でも『ほめるところがない』『タカは無理して面白い話をしようとしていて痛い』『ネタもずっと同じ』など、芸人としての力量を指摘する声も多くあります」(同) まさに芸能界の“栄枯盛衰”を体現してしまいそうなタカアンドトシ。常にコンビでテレビ出演する点には一定の好評価を得ているものの、たまにはピンで活動し、新たな方向性を模索してもいいのではないか。 東京で活躍できなくなれば、かくなる上は故郷である北海道に拠点を移すのも一つの手段かもしれない。そこはそこで、大泉洋を中心とした「TEAM NACS」が幅を利かせていて大変かもしれないが……。『吉本興業公式サイト』
なぜこの9人と一匹は、これほどまでに愛おしいのか?『ど根性ガエル』第9話
『ど根性ガエル』もいよいよ第9話となり、最終回も間近だ。主人公のひろし(松山ケンイチ)をはじめとする登場人物の9人、そしてピョン吉(声:満島ひかり)という一匹の平面ガエルとの別れも近い。この『ど根性ガエル』は、第1話からピョン吉との別れを想起させる形で描かれているが、視聴者である我々はピョン吉だけではなく彼ら9人と一匹、全員と別れざるを得ないわけで、当たり前の話ではあるが連続ドラマというフォーマットは寂しいものだ。作品が愛すべきものであればあるほど、その別れの寂しさは強くなる。 本連載ではこれまで主にひろしとピョン吉について語ってきたわけだが、『ど根性ガエル』という作品は、いわゆる主人公である彼らだけではなく、すべての人物に対して惜しみない愛を与えて描く。9人と一匹。ひろし、ゴリライモ(新井浩文)、五郎(勝地涼)、ひろしの母ちゃん(薬師丸ひろ子)、京子ちゃん(前田敦子)、よし子先生(白羽ゆり)、梅さん(光石研)、町田校長(でんでん)、京子ちゃんのおばあちゃん(白石加代子)、そしてピョン吉。この中の誰一人と誰一匹欠けても成立しない世界として『ど根性ガエル』は描かれている。 ではなぜ『ど根性ガエル』の登場人物はみな愛おしいのだろうか? それは、ドラマの作中で描かれていない部分がしっかりと描かれているからだ。少しわかりづらい言い方になってしまったが、たとえば『ど根性ガエル』の第9話では、こんな場面がある。 ピョン吉のために何かしてあげたいと思ったひろしは、自らの発案で「ピョン吉パン」という新商品を作る。そのことを、宝寿司で店番をしている町田校長と京子ちゃんのおばあちゃんに告げる場面だ。町田校長は、実はピョン吉のシャツを着ているのだが、ひろしはそれに気付かず、ピョン吉に対する本心をこっそり吐露するのだった。人生の先輩である2人に対して「いやもう俺はね、大変なのよ。ダメじゃないのにダメなフリしたりね。大人なのにガキのフリしたりね」と冗談めかしながらも、ひろしは言う。 「悲しいこともつらいことも全部一緒。どっちか一人じゃダメなんだよ。ひろし&ピョン吉だからな」 このセリフの奥の深さが『ど根性ガエル』の真骨頂だといえる。ドラマ『ど根性ガエル』は、原作マンガの16年後を描いた作品だ。この奇抜な設定にしっかりとした背骨を与えるために、『ど根性ガエル』がやらなくてはならないこととは何か。それは、描かれていない16年間を描くことだ。原作マンガの世界から今までに、何が起こり、彼らはどう過ごしていたのか。『ど根性ガエル』はその難問から逃げず、真摯に向き合っている。 上記の「悲しいこともつらいことも全部一緒」というたった一言が、16年分のひろしとピョン吉を描いている。16年間もたてば、いろいろある。悲しいこともつらいことも。それらを全部ピョン吉と一緒に過ごしてきたという自覚がひろしにはあり、だからこのセリフが生まれている。これが、ドラマの作中で描かれていない部分をしっかりと描くということだ。そしてこういった心遣いがすべての登場人物に対してなされるからこそ、『ど根性ガエル』の9人と一匹はこれほどまでに愛おしい。 第9話、福男を決めるレースの直前。ひろしとゴリライモと五郎がライバルとしてやり合っている。ひろしの母ちゃんと京子ちゃんの間でも、密かに女同士の戦いが始まっているようだ。よし子先生の靴はスタート早々脱げてしまうが、肝心の梅さんは事前の練習中に骨折していて役には立たない。町田校長は老体に鞭打ってスターターを務め上げ、京子ちゃんのおばあちゃんはうれしそうにシンバルを叩く。誰一人欠けてはいない。誰一人欠けてはならない。そしてピョン吉は、笑っている。 見事レースに優勝し、翌朝目覚めたひろしは、シャツからピョン吉がいなくなっていることに気付く。町中探しまわって家に帰ったひろしは、ピョン吉が去ったそのシャツを着て母ちゃんに言う。「飯にしようぜ、母ちゃん」と。 祭りには、いつものみんなが集まっている。誰もがピョン吉の不在に気付いているが、そのことを口にはしない。「おうゴリライモ、ゴリライモだね、相変わらずお前さんは」「よう京子ちゃん、相変わらずかわいいね」とはしゃぐひろしに、ゴリライモが声をかける。 「お前、相変わらずひろしだな」 このセリフにもまた、16年分が詰まっている。あるいはそれよりずっと昔から、幼いころからひろしを見てきたゴリライモの思いが「相変わらず」というたったひとつの言葉に込められている。言葉にしなくたってわかってしまう。そして、そのときドラマの登場人物は、我々視聴者と同じ地平に立つ、生きた人間としてそこにいる。彼らが声を上げて神輿をかつぐとき、誰を想っているのかがわかってしまう。だからこそこの9人と一匹はこれほどまでに愛おしく、そしてだからこそ、別れはこれほどまでに寂しいのだ。 次回、『ど根性ガエル』は最終回を迎える。待ち遠しいと思うと同時に、その日が来なければよいのにと思ってしまうのは、おそらく筆者だけではないだろう。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは@aizawaaa日本テレビ『ど根性ガエル』
菜々緒、Sキャラ女王様姿披露するも「ビニール感がハンパない!」と失笑の的に!
7日、コンビニのミニストップの新作スイーツ『ベルギーチョコプリンパフェ』のテレビCM発表会が行われ、イメージキャラクターに起用されたモデルの菜々緒が、CM出演時と同じ女王様衣装で登場。この衣装には、菜々緒もご満悦のようで、『やっぱり私はこういうSっ気のある女性を求められている。私が一番輝ける場所かも』と自信満々に語っていた。だが、「こういう衣装着ると、余計に肌のビニール感が強調されるな」「血の通わない人形にしか見えない」と、ネット上では失笑を買っているようだ。 「整形のウワサが絶えない菜々緒ですが、皮膚整形を繰り返していくと、肌の質感がビニールのようになっていくといわれています。美容業界ではビニール肌といわれ、一見するとツルッとして綺麗に見えるのですが、皮膚が薄くなって、肌理(キメ)が無くなっている状態なので、肌のバリア機能が衰え、肌トラブルがおこりやすくなるともいわれています」(芸能関係者) 整形には、ビニール肌だけではなく、他にもリスクが潜んでいるようだ。その兆候は、すでに菜々緒にも表れているという。 「美容整形を繰り返すと、表情筋が崩壊し、能面のようになってしまうといわれています。また、ちょっとの“お直し”のつもりが、気付いた時には整形中毒に陥り、精神的に不安定になってしまうケースもあるようです。さらに、年齢を重ねていけば当然皮膚が弛んできてしまうので、メンテナンスの為の整形が必要になってくるケースもあるようです」(同) 一昔前に比べれば、費用もリスクも低くなったとはいえ、やはり整形にはリスクがつきもの。菜々緒に関していえば、モデルとして活躍していく分には問題ないだろうが、女優として活躍していくには顔の表情は命ともいえるだけに、これ以上のお直しは文字通り命とりとなってしまう危険があるといえる。『菜々緒オフィシャルブログ』
タモリのすべてがここにあった……マニア度高めの深夜番組『ヨルタモリ』が遺したもの
『ヨルタモリ』(フジテレビ系)が、9月20日の放送をもって終了する。30年以上にわたってお昼の顔として続いた『笑っていいとも!』(同)を2014年3月に終了させたタモリが、半年後に満を持して、夜の顔としてカムバックした番組だ。 舞台は、東京・湯島あたりにあるバー。宮沢りえがママを務める店に、タモリ扮する常連客が飲みに現れるという設定のトークバラエティだ。りえママと、タモリにまざって“ご近所さん”のゲストが入れ替わり立ち代わりやってくる。 ゲストの人選も、普通のタレントにとどまらない。高橋幸宏、U-zhaan、大友良英など、ミュージシャンも多い。大友は『あまちゃん』(NHK総合)の音楽を手がけたことでも知られるが、実はおよそ40年前に放送されていた『タモリのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)のハガキ職人でもあり、筋金入りのタモリファンだ。 マニア度の高さで知られる同番組には、東北弁を操る“吉原さん”というキャラクターがたびたび登場した。なんの説明もなく登場したものの、彼にはしっかりとモデルが存在する。 「岩手県一関市でジャズ喫茶『ベイシー』を経営する、菅原正二氏がモデルですね。タモリさんも所属した早稲田大学のモダンジャズ研究会の先輩にあたる人物です。ベイシーは蔵を改造した建物で、音響にこだわったお店です。タモリさんもよく訪れています」(週刊誌記者) タモリとジャズのつながりは深い。芸名のタモリは、本名の森田(モリタ)を読み替えたものである。これは、銀座をザギン、寿司とシースーと呼ぶ、ジャズ業界の逆さ言葉から来ている。 番組内に挟まれる、ショートコントも、タモリの“密室芸”の世界が全開だ。 「タモリさんが、“四カ国語麻雀”をはじめとするインチキ語学ネタを作り上げたきっかけは、福岡時代に深夜にラジオをつけると、海の向こうから中国語や韓国語のラジオが聴こえてきたことによるものです。懐かしのネタを披露するのではなく、新ネタに挑戦しているのが、凄みを感じます」(同) いわば『ヨルタモリ』は原点回帰であるとともに、齢70歳を迎えるタモリの新たなチャレンジの場でもあったわけだ。当初の契約通り1年での終了となってしまったのは残念でならない。復活の日を待ちたい。 (文=平田宏利)フジテレビ『ヨルタモリ』公式サイトより
菅田将暉、遠藤憲一に萌える政治コメディ『民王』の、高橋一生というスパイス
「こうしたミゾウユ(未曾有)の自然災害というものを乗り越えて……」 かつて、一国の総理大臣が次々と漢字を誤読して失笑を買ったことがある。2009年頃のことだ。池井戸潤は、この状況が不思議でならなかったという。そして、天啓を受けた。 「そうか、総理はきっと、どこかのバカ息子と脳波が入れ替わってしまったんだ――」(「本の話」WEB) そんな発想で生まれたのが『民王』(テレビ朝日系)だった。 物語は、第100代内閣総理大臣の武藤泰山と、その息子である大学生の翔の人格が突然入れ替わってしまう。だが、国会は待ってくれない。翔に入れ替わった泰山は「お前が総理だ!」と、政治にまったく興味がない息子に言い放つ。「無理無理無理! 無理です! だってボク、スケジュールぎっしりだし、単位落としたらまた留年だし、お金かかっちゃいますよぉ! 明日(就活の)面接なんですよ!」と嫌がるが、泰山は冷静に言う。 「その顔でか?」 そう、翔は今、泰山のコワモテなのだ。結局、彼らは混乱を避けるため、原因を探りながら、泰山は就職活動、翔は国会に出席することに決めたのだ。そして現実同様、バカ息子である翔は「我が国はミゾウユウ(未曾有)の……」「危機にジカメン(直面)しており……」「ダツキャク(脱却)するために……」「しかるべきホチン(補填)をしながら」「ゼンドコロ(善処)するトコロアリ(所存)……」と、次々と読み間違いをしてしまう。 支持率は急落。だが、バカながらお人好しで優しい翔の言動で、徐々に人気を回復していく――という、とてもベタなストーリーである。だが、ドラマは原作者の池井戸が「今までいろいろな作品をドラマ化してもらったのですが、完パケが来るのがこんなに楽しみなドラマは初めてでした。原作をそのままドラマにして成功した作品は数あれど、原作から設定等を変えて成功する例というのはほとんどないし、難しいと思うんです。だけど今回のドラマ『民王』は、原作者の私が見ていても、何の違和感もないし、笑えて泣ける、コメディの王道のようないい作品になっていると思っております」(「ORICON STYLE」)と絶賛するほど、成功を収めている。 その魅力はなんといっても、個性的なキャラクターとそれを演じる俳優たちの魅力だ。 今回の脚本と演出は、そんな俳優たちのチャーミングさを引き出すことに特化している。主人公のひとり、泰山を演じているのは遠藤憲一。ヤクザ役などを多数演じてきたコワモテだ。ドラマでは「ワニ顔」と形容されている。また、さまざまな番組でナレーションも務める通り、渋い声も持ち味だ。だが、ドラマでは息子と入れ替わり、弱々しい声で、小動物のように怯える姿がチャーミングだ。 そして、泰山と入れ替わる翔を演じているのは菅田将暉。『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)で主演デビュー以来、NHK朝ドラ『ごちそうさん』、『泣くな、はらちゃん』(日本テレビ系)、『死神くん』(テレビ朝日系)、映画『海月姫』など、多数の作品で好演してきた若手実力派俳優だ。ちなみにNHK土曜ドラマ『ちゃんぽん食べたか』でも遠藤と親子役を演じている。 菅田はこのドラマでは、か弱い“女子力男子”から一変、威厳のある勝ち気で男らしいキャラを演じている。さらに、草刈正雄演じる政敵・蔵本も入れ替わってしまう。しかも、入れ替わったのは、知英演じる娘・エリカ。2枚目キャラだった草刈が「サイテー!」「もうパパったら、大股で歩くのヤメてってばぁ!」などという女言葉に豹変する。 「入れ替わり」ものは、これまでも数多く作られてきた。それは、設定そのものがコメディになるという理由のほかにも、役者の振り幅を見せることができるという点が大きいだろう。だから、芸達者な役者が演じれば演じるほど、その振り幅でチャーミングさが引き立つ。『民王』は、このキャスティングの時点で成功したといえるだろう。 だが、このドラマで“スパイス”となっているのは、入れ替わっている彼らのほかにもいる。泰山の第一秘書・貝原役の高橋一生だ。10歳で子役デビュー以来、『耳をすませば』などの声優、舞台、映画、ドラマとさまざまなキャリアを積み、各世代で強い印象を与えてきた高橋だが、30代半ばとなった現在、ますます充実している。高校時代の同級生である岡田准一と共演したNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』をはじめ、『モザイクジャパン』(WOWOW)、『ペテロの葬列』(TBS系)、『信長協奏曲』(フジテレビ系)、『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)と、重要な“助演”というポジションで強烈な存在感を放っている。 そんな高橋にとって、『民王』の秘書役はまさにハマり役。役柄でも、ドラマの役割としても、見事な“助演”を果たしている。常に冷静沈着で的確に総理親子をサポートしつつ、時折、「バカなの?」「変態じゃないか!」と短くスパっとツッコむ毒舌が心地いい。 政敵にヘッドハンティングされた時には「私の忠誠心は山よりも高い」とクールに言った直後に「参考までに……月おいくらで?」と聞いたり、真面目な顔でコミカル。 ナイトキャップ、アイマスク着用で寝る姿はかわいらしく、加えてなんと「童貞」設定。女の子に囲まれると突然、挙動不審になり、「メトロノーム……の音を聞くのが好きです」とわけのわからないことを言いだすのがたまらない。入れ替わらずとも、振り幅の大きいギャップを作り出しているのだ。 そのほか、菅田が『仮面ライダーW』で演じたフィリップの決めゼリフ「さあ、検索をはじめよう」をパロディするなど、やりたい放題。もはや、主役が入れ替わってしまったかのような“高橋一生劇場”が展開されているのだ。 9月4日放送の第6話では、泰山に入れ替わった翔が銃弾に倒れてしまうという急展開。ストーリー的にも、ますます目が離せなくなっている。総理の誤読など笑って済ませられた09年から、いまや政治は笑えない「ミゾウユウ」な状況になってしまっている。だが『民王』は、そんなおカタい政治の世界を、キャラクターと俳優たちの魅力で、萌え要素満載の痛快コメディに“入れ替えた”のだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらからテレビ朝日『民王』公式サイトより
内村光良快進撃の裏で、南原清隆は……ウッチャンナンチャン“格差”は、なぜ開いたか
ウッチャンナンチャン・内村光良の快進撃が続いている。9月いっぱいで『そうだ旅(どっか)に行こう。』(テレビ東京系)、『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)が終了するものの、フジテレビ系で火曜夜に新番組『優しい人なら解けるクイズ! !』がスタート。内村は、同局では月曜夜に『痛快TV スカッとジャパン』のレギュラーを持っており、2夜連続でゴールデンタイムの番組を受け持つことになる。 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)でのMCや、『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK総合)でのコント師としての姿など、マルチな活躍を見せている内村。 一方で、相方の南原清隆は、レギュラー出演は『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)と『Get Sports』(テレビ朝日系)にとどまっている。『ヒルナンデス!』は月曜から金曜までの帯番組なれど、南原に対するネット上の意見としては「置物」「存在感なし」「やる気が感じられない」など、批判的なものが多い。番組開始5年目にして、宿敵であった『笑っていいとも!』(フジテレビ系)が持っていたマンネリズムに至っている。 ウンナンに生じた“コンビ格差”の理由は、いったいなんなのか? 「ウンナンのイメージとして、内村さんが繊細で神経質、南原さんはおおらかで社交的というものがあるでしょう。しかし、実際はまったく逆です。内村さんはスタッフを信頼し、きちっと企画を立てればそこに乗ってくれる。一方の南原さんは、いろいろと企画に物言いをしてくることもあるそうです。自身のこだわりが強いということなのでしょうが、どうしても組みやすいのは内村さんということになりますね」(番組制作会社スタッフ) しかしウンナンの歴史を見れば、内村は“人間嫌い”キャラとして知られた。『ウンナン世界征服宣言』(日本テレビ系)では、視聴者にお金を貸し、返してもらうことで信頼関係を作る企画も行われたほどだ。 「内村さんは人間嫌いというよりは、打ち解けるまでに時間のかかる“人見知り”キャラといえるかもしれません。『内村プロデュース』(テレビ朝日系)以降、さまざまな若手芸人とも積極的に絡むようになりました。もともとソフトな人ですから、番組MCなどにはぴったりでしょう」(同) コンビ間格差の理由は、双方のキャラクターの違いということになるのだろう。しかし、異なるキャラクターがぶつかり合ってこそ、新たな面白みが出るのも事実。実質解散状態にあるウンナンの新境地が見たいと思うのは、昔からのファンならば誰しもが望むことだろう。 (文=平田宏利)
NHK“社会派番組”出演のAKB48・高橋みなみに壮絶な違和感!「“あやつり人形”でかわいそう」
「世代の代表」としては弱すぎるし、コメンテーターという知的なポジションが似合うとも思えない。理解しがたいキャスティングだ。 AKB48グループの「総監督」である高橋みなみが9日、NHK『クローズアップ現代』 (月~木曜後7・30)に生出演。「私たちは“内向き”ですか?~若者たちは今~」というテーマでコメンテーターを務めた。『クローズアップ現代』という社会派番組に、AKB48のメンバーという時点で、これ以上ない違和感を拭いきれない。 番組で高橋は「最近の若者は将来の不安について自分自身よりも国や社会全体への不安が多い」という意識調査結果に対して意見を求められ、「将来の不安はありますね。 自分が50代、60代になって日本はどうなっているのか、 戦争は起きていないか、年金はもらえるのかなど不安に思ったことはあります」と回答。それに続けて「いまの若い世代は自分の思いを話すのが苦手」「メールだとすごくきちんとした考えを持っているが、誰かが言ってくれるのを待っている。でも1対1で話すと 熱い気持ちを持っている」と持論を述べた。 特段コメントに問題がなく、「思っていたよりも安定感があった」とファンの間では好評だったようだが、ネット全体では「ほとんどしゃべってないじゃん」「こいつが言う必要ある?」「AKBが出ると番組の質が落ちる」など、やはりキャスティングに対しての散々な意見が目立った。 「まあ、高橋みなみに知性は感じられませんからね(笑)。NHKのお堅い番組には明らかにミスマッチな人選です。もともとNHKとAKBグループの関係は“蜜月”。高橋の出演は、それをあからさまに示した格好です」(芸能関係者) NHKは、『AKB48 SHOW!』(NHK BSプレミアム)のレギュラー放送や頻繁な特集など、かねてからAKBを猛プッシュしていた。秋からスタートするNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌もAKB48。この曲で“センター”をつとめる山本彩(NMB48)には「朝ドラ出演」の情報もある。関係は未だ“密接”と断言できるだろう。 「ただ、高橋みなみにとっては気の毒な出演でしたね。今回の出演に関するバッシングの中で『母親が淫行・逮捕された人間の意見も聞きたい』など、過去の醜聞を掘り返すアンチも多かった。出演中の表情も固く、自分が番組に似つかわしくないことはわかっていたのかもしれません。事務所やグループの意向に逆らえないがゆえの出演だった可能性もあります」(同) 高橋もアイドルを始めてすでに10年近く。さすがに自分が世の中からどう見られ、何を求められているかは分かるだろう。『クローズアップ現代』のような毛色の違う番組に出演したのは、自分の意志などではなく“人形”として命令に従っただけなのかもしれない。そう考えると少しかわいそうな気もする。高橋みなみ









