胸元を美しくする照明技術『脱衣麻雀バトルロワイアル』

_MG_8136.jpg
――アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『脱衣麻雀バトルロワイアル』 監督:マック・P・フォーエヴァー 女性主演:Nina、佐々木杏、宇佐野瞳、東尾真子、霜月るな  ご無沙汰しております。私の新作『こたつと、みかんと、ニャー。』という作品の公開で、バタバタしておりました。
majan_br.jpg
『脱衣麻雀バトルロワイアル』
闇の組織が運営する番組
「ザ・脱衣麻雀」は、ワケあ
りの女たちが集められ、自ら
の衣服を賭けて対局に挑む
“リアル脱衣麻雀”。優勝者
には賞金一千万円が、全裸の
敗者は心も身体も犯された後
に死の制裁が下る。そして運
命の対局が始まった──。
(Amazonより引用)販売元:
アルバトロス/税込価格:
3,990円/(c)2011「脱衣麻雀
バトルロワイアル」製作委員会
 木嶋のりこ、福見真紀、鎌田紘子を主演に迎えた……いや、この3人しか出てこない百合物の映画を撮り、おかげさまで大好評でした。タイトルは、こたつ、みかん、ニャー(ネコ)という、冬の風物詩的な匂いをさせながら、こたつ=タチ、みかん=間、ニャー=ネコ、と、百合だからこその深い意味を隠し、タイトルだけでは内容がわからないようにしました。  冬の風物詩の中に隠されたメッセージ。タイトルだけではどんな内容なのかもわからない……。そして今回、そのまったく逆で、タイトルだけで、それこそ物語、内容、もしかしたらエンディングまで読めてしまう作品を見つけました!  それが、この『脱衣麻雀バトルロワイアル』……わかりやすい~~~!! 内容当てクイズやっても正解者99%でしょう!!  物語は、ワケありの女たちがリアル脱衣麻雀を繰り広げるスリラー。闇の組織が運営するネット番組『ザ・脱衣麻雀』に参加した女子高生アイドル・優花、エリート弁護士・葵ら4人の女たち。優勝者には賞金1,000万円、全裸の敗者には死の制裁が待っている!  うん! そのまんま!! 意外性、どんでん返し、まったなし!! わははははは!……いやいや、これでいい! これでいいのだ!  もともと「脱衣麻雀」とは、ゲームセンターの麻雀テレビゲームから出てきた。当時、シューティングやアクションばかりだったゲームセンターの中で産声を上げた麻雀ゲーム。それが「ジャンピュータ」。もーね、流行しすぎちゃって、ゲーセンに住んでたような人もいた。  このテレビゲームの麻雀の特徴。それは対局のみということ。4人いないのだ。(後に4人打ちも出てきます)  だとしたら、相手は女の子のほうがいいよね、ゲームだし。負けたら脱いでってほしいよね!! ゲームだしーーー! ってな感じ。
_MG_8013.jpg
 今思えば、よくもまぁ、マリオブラザーズくらいドットの粗い女の子のイラストで興奮したよな~~~~。「脱衣麻雀」とは男の永遠の夢……ドリーム・ギャンブルなのであります。そのVシネ化!!  解説に書いてあるように、プレイヤーはワケアリで一攫千金を狙う女ばかり。負けては命を奪われ、イカサマあり、友情あり、裏切りありの物語。4人は正直、芝居はうまくないが、そんなことはどうでもよい。  かわいい女の子がいろんなパターンで脱がされていく。ソフトSM、スパンキング、「ブラ一本釣り」(なんのこっちゃ)、「鉛筆最強」(もっとわからん)……and more.  芝居がヘタッピだからこそ、リアルすぎず笑えるエロ麻雀。楽しい♪  そんな中でも、この作品が“ただの脱衣”で終わらないところ。それが、ライティング。つまり照明。  ホラーではよくあるシチュエーション物、狭いひと空間で起こる物語っぽく作られているので、仄暗い雰囲気~なのだが、ここで照明さんが頑張っている。この仄暗い世界観の中、まるで『トロン』『トロン:レガシー』のような蛍光灯系のライトを使っている。それにより、仄暗い世界観の中にものすごくキレイな発色が生きている。  特に胸元! おっぱい近辺のこの発色は、自然光の次に好きかもしれない。  カメラがおっぱいに寄る時も、「おお~~~~。なんだ!? このキレイなおっぱいは……」光と闇の祭典におっぱい……それはまるで、デビルズタワーの上に降りてきた『未知との遭遇』のUFOの如く(オーバーだろ)。東京鼠ランドのデコレーションパレードの如く(夢も魔法もないよ!)。  ちょいエッチな気持ちを求めている時は、ものすごく楽しい。なんたってタイトルで物語のすべてがわかっちゃうんだから! なんて安心なVシネなんでしょ!! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/ ●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第28回】AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』 【第27回】ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』

DSC09349.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』 監督:友松直之 女性主演:吉沢明歩、鈴木杏里、里見瑶子、山口真里  名作である。数ある“命を与えられた人形”系の作品の中ではダントツの出来。あ、殺人人形チャッキーの『チャイルド・プレイ』は別ね。出演者の見事な脱ぎっぷりから、ジャンル的にアダルトコーナーに置かれそうだけど、過去のどの“人形映画”よりも、深く、熱く、もっともっとヒットせにゃならんっ! っていう作品である。
DJM020a.jpg
『AI高感度センサー搭載 メイド
ロイド』

20XX年。マリアが上野の家にやっ
てきたのは、彼がまだ子どもの頃。
メイドロイド開発メーカーに勤務
する多忙な両親が、彼の世話をさ
せるために連れてきた社内モニタ
ー用のドジッ娘プログラム機体だ
った……。
 男の虚しさ、しゃべれない人形の哀しさ、女の儚さ、すべてが1つの映像、1つのおっぱいの中に詰め込まれている。ここまでメッセージ性の強い脚本! ここまで見事な脱ぎっぷり! なのに、安っぽくない! ここまで演じたAV女優! ここまで切ない男優たち! 拍手喝采の65分。男側の言い分を吐き出しまくった妄想作品。とことん分析してみようと思う。  物語は20XX年。メイドロイド「マリア」が彼の家にやってきたのは、まだ子どもの頃のお話。  メイドロイド開発メーカーに勤務する多忙な両親が、彼の世話をさせるために連れてきた社内モニター用のドジッ娘プログラムのメイドロイドだった。両親は中学生になった彼を残して他界。マリアと二人きりの生活は両親の他界後もずっと続き、大人になった彼は当然ながらマリアにセックス機能を搭載しようとするが、モニター用試作機なのでまったく対応できない。深く愛し合いながらも抱き合えない切なさを抱えたまま数十年の月日が流れ、年老いた彼はバッテリー切れで機能停止したマリアを前に、独り思い出話を語りかける日々を送っていた。  こんな空しさと寂しさの世界観の中なのに、同時進行で、レイプマシンによる連続強姦事件の物語が進行。  おいおい『空気人形』(2009)と『デモン・シード』(※コンピュータが人間の女性を妊娠させちゃう映画/1977)を、一緒に見てるようなもんだ~~と言いながらも、展開のリズムがものすごくいいので、全然違和感なし。 DSC09347.jpg  この映画は、吉沢姉さんが主役って時点で、脱ぎっぷりや、おっぱいについて申し分ないのは言うまでもないが、ものすごくお勧めしたいポイントの1つに、現在社会の性状況を引っ掛けたブラックなセリフが満載だということがある。  いくつか引用させてもらうと、 「それに生身の女は裏切るからね。その点、メイドロイドは大丈夫。メイドロイドの恋愛は永遠なの」 「もうね、やめようよ、生身にこだわるの。結局、恋愛妄想を押し付けてるだけじゃん」 「化粧だって工業製品じゃん。美容整形もそうだけど、結局、工業製品が作り出した架空のイメージに欲情してるわけだよね」 「だったらいいじゃん。工業製品オンリーで。メイドロイドと幸せな恋愛しようって」  メイドロイドの販売員のセリフ1つ取っても、男と女が生きていく上での根本を覆した感じがものすごくいい。この世界がこうなって、性というものが歪んできた状況をしっかりユーザーに植え付けている。お見事ですよ。 DSC09360.jpg  でもって、そのメイドロイド役の方々なのですが、吉沢姉さんはじめ、ちゃんと“機械+人間”という微妙なさじ加減がうまくて、スイッチの切り替えによって、いろんなところのサイズが変わったり(いろんなところね)、いろんな液体も選べたり(いろんな液体ね)、いろんな回転や、ねじれや、ひねりや、もがきや、くねりや……(字では限界)ちゃんと切り替わった時の動きや顔、も~~~~~うまいうまい♪ さすがAV女優っ!!  カメラワークというより、画像演出(文字やハメコミの画像の出方とかね)等のタイミングや、先ほども書いたセリフの見事さが女の子……いや、メイドロイドたちをよりいい女にさせている。そうそう! SEも! SEも思いっきり女を感じさせまくってます!  ものすごいCGや、金をかけたA級感はないけど、逆にあったら成立していない作品。安っぽさが未来の崩れ具合にリンクしている。AV女優の名演技と、物語の切なさと、この手のジャンルではダントツNo1の世界観を十分に楽しんでほしいです。  なんか、今回はネタもなく、まじめに語ってしまった。いやいや、それほどの深い作品ですぞ! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/ ●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第27回】ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』

DSC09349.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』 監督:友松直之 女性主演:吉沢明歩、鈴木杏里、里見瑶子、山口真里  名作である。数ある“命を与えられた人形”系の作品の中ではダントツの出来。あ、殺人人形チャッキーの『チャイルド・プレイ』は別ね。出演者の見事な脱ぎっぷりから、ジャンル的にアダルトコーナーに置かれそうだけど、過去のどの“人形映画”よりも、深く、熱く、もっともっとヒットせにゃならんっ! っていう作品である。
DJM020a.jpg
『AI高感度センサー搭載 メイド
ロイド』

20XX年。マリアが上野の家にやっ
てきたのは、彼がまだ子どもの頃。
メイドロイド開発メーカーに勤務
する多忙な両親が、彼の世話をさ
せるために連れてきた社内モニタ
ー用のドジッ娘プログラム機体だ
った……。
 男の虚しさ、しゃべれない人形の哀しさ、女の儚さ、すべてが1つの映像、1つのおっぱいの中に詰め込まれている。ここまでメッセージ性の強い脚本! ここまで見事な脱ぎっぷり! なのに、安っぽくない! ここまで演じたAV女優! ここまで切ない男優たち! 拍手喝采の65分。男側の言い分を吐き出しまくった妄想作品。とことん分析してみようと思う。  物語は20XX年。メイドロイド「マリア」が彼の家にやってきたのは、まだ子どもの頃のお話。  メイドロイド開発メーカーに勤務する多忙な両親が、彼の世話をさせるために連れてきた社内モニター用のドジッ娘プログラムのメイドロイドだった。両親は中学生になった彼を残して他界。マリアと二人きりの生活は両親の他界後もずっと続き、大人になった彼は当然ながらマリアにセックス機能を搭載しようとするが、モニター用試作機なのでまったく対応できない。深く愛し合いながらも抱き合えない切なさを抱えたまま数十年の月日が流れ、年老いた彼はバッテリー切れで機能停止したマリアを前に、独り思い出話を語りかける日々を送っていた。  こんな空しさと寂しさの世界観の中なのに、同時進行で、レイプマシンによる連続強姦事件の物語が進行。  おいおい『空気人形』(2009)と『デモン・シード』(※コンピュータが人間の女性を妊娠させちゃう映画/1977)を、一緒に見てるようなもんだ~~と言いながらも、展開のリズムがものすごくいいので、全然違和感なし。 DSC09347.jpg  この映画は、吉沢姉さんが主役って時点で、脱ぎっぷりや、おっぱいについて申し分ないのは言うまでもないが、ものすごくお勧めしたいポイントの1つに、現在社会の性状況を引っ掛けたブラックなセリフが満載だということがある。  いくつか引用させてもらうと、 「それに生身の女は裏切るからね。その点、メイドロイドは大丈夫。メイドロイドの恋愛は永遠なの」 「もうね、やめようよ、生身にこだわるの。結局、恋愛妄想を押し付けてるだけじゃん」 「化粧だって工業製品じゃん。美容整形もそうだけど、結局、工業製品が作り出した架空のイメージに欲情してるわけだよね」 「だったらいいじゃん。工業製品オンリーで。メイドロイドと幸せな恋愛しようって」  メイドロイドの販売員のセリフ1つ取っても、男と女が生きていく上での根本を覆した感じがものすごくいい。この世界がこうなって、性というものが歪んできた状況をしっかりユーザーに植え付けている。お見事ですよ。 DSC09360.jpg  でもって、そのメイドロイド役の方々なのですが、吉沢姉さんはじめ、ちゃんと“機械+人間”という微妙なさじ加減がうまくて、スイッチの切り替えによって、いろんなところのサイズが変わったり(いろんなところね)、いろんな液体も選べたり(いろんな液体ね)、いろんな回転や、ねじれや、ひねりや、もがきや、くねりや……(字では限界)ちゃんと切り替わった時の動きや顔、も~~~~~うまいうまい♪ さすがAV女優っ!!  カメラワークというより、画像演出(文字やハメコミの画像の出方とかね)等のタイミングや、先ほども書いたセリフの見事さが女の子……いや、メイドロイドたちをよりいい女にさせている。そうそう! SEも! SEも思いっきり女を感じさせまくってます!  ものすごいCGや、金をかけたA級感はないけど、逆にあったら成立していない作品。安っぽさが未来の崩れ具合にリンクしている。AV女優の名演技と、物語の切なさと、この手のジャンルではダントツNo1の世界観を十分に楽しんでほしいです。  なんか、今回はネタもなく、まじめに語ってしまった。いやいや、それほどの深い作品ですぞ! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/ ●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第27回】ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』

maikousomitai04.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『実写版 マイコうそみたい!』 監督:Yosshi.com 女性主演:小林万桜、愛川萌、朝倉みかん、倉田みな、日美野梓、片岡さき  日本は世界に誇るロリコン王国である。ロリコンといっても、犯罪的なほうではなく、ジュニアアイドルの女の子たちがグラビアなどで活躍することを世間がちゃんと認めている王国なのである。
81lacL+d1wL._AA1441_.jpg
『実写版 マイコうそみたい!』
バトミントン部に所属する中学3年
生のマイコは夏の合宿へ来ていた。
昼はライバルと競い合い、夜は肝
だめし大会に怪談話と盛り上がる。
しかしそんな中、マイコに驚愕の
事実が襲い掛かる...。
(Amazonより引用)
DVD発売中/3,990円(税込)
 確かにコンビニに行けば、中高生のアイドルが水着で表紙を飾るマンガ誌や、情報誌が普通に置いてある。今人気の大物若手女優の方々もジュニアアイドル時代はグラビアをガンガンやってますし、モー娘。も、SPEEDも、デビューは小学生。子どものころから芸能界を目指す女の子たちにとっては、日本は最高のエンタメ王国なのである。  お菓子系(ブルセラ専門)雑誌や、女子中学生専門グラビア誌が定着し、市場も一息ついた2000年代。ジュニアアイドルたちを使ったオリジナル・ビデオ・シネマもたくさん発売された。その中で、U-15サポーターからすると夢のような共演......いや、言いすぎた。何でもミックスしちゃえ~~~的なキャスティングで、ちょっと話題になった(私の周りではね)作品が今回の『実写版 マイコうそみたい!』である。  物語はというと、アキバ中学3年生の真地マイコは、クラスの人気者。だけど、ちょっぴりドジな女の子。バドミントン部に所属するマイコの目標は、インターハイへの出場だ。そんなバドミントン部の夏合宿が始まった。ライバルの妙子をはじめ、美佳や、和美や、ハルと腕の競い合いに張り切るマイコ。夜は、テニス部の伝統の肝だめし大会。2人1組になって、キャーキャー叫びながら怖がる部員たち。怪談話大会には、なぜか旅館の番頭の太郎も参加する。彼が語る「本当にあった恐い話」とは? そして、マイコに襲いかかる驚愕の事実とは!? 「も~、マイコうそみた~い!!」 maikousomitai02.jpg  もー、ものすごい作品でした。全体のセリフの70%はアドリブ......いや、アドリブとはいわないな、キャーキャー遊んでるだけだもんな。要は30%しか台本がないと思っていい。4人の女の子たちは本気で戯れ、本気で叫び、本気で笑い、本気で楽しむ。  セリフとフリートークの境界線もしっかりわかる。肝だめしや、怪談のシーンの驚きはマジ。ちょっと引いちゃうナレーションが結構入り、ツッコミだけをする。でも、物語は存在し、ちゃんと進んでいく。  つなぎは粗いし、大きく遅刻してきた女の子に遅刻理由も聞かず、普通に溶け込んでたり(マジの遅刻っぽいな、たぶん)「うそみた~~~~い!」はこっちのセリフじゃ~~~~い!......って叫びたくなる作品なのに、最後まで見てしまう大きなポイントがある。それは、制服パンチラ? スク水? ブルマ? それもあるが、台本のセリフ以外のシーン、すべてにおいて、カメラ目線がひとつもないことなのだ! maikousomitai03.jpg  例えば、制服から水着への展開(脱衣のこと。業界用語です)シーンを4人一挙にしてくれるシーンも、一切カメラ目線なし。女の子たちはペチャクチャ喋りながら、徐々に脱いでいく。ひとりは大胆に、ひとりは隠しながら、ひとりは喋りに夢中~といった具合に。  それを誰一人としてカメラを見ない。そこだけはプロ! カメラを見ないってことは、こっちの存在感がない。つまり! ヘルスの女の子選びマジックミラールームの様!! それのジュニアアイドル版!(例えがあぶねーな)  例えば、風呂場での掃除のシーンは、みんなスク水(スクール水着のこと)なんですが、狭い温泉でスク水でキャッキャする画って素晴らしすぎるじゃないですか。お互いで泡を塗り合ったり、お尻をブラシでこすったり、男の存在がなく、ガールズトーク、いや、ガールズ・ボディランゲージが繰り広げられていく......それはまるで、ペットショップの子イヌをガラス越しに好き勝手に見ているのと一緒!! スク水パラダイス!! maikousomitai01.jpg  カメラを意識しないから、ヘタな芝居も、"安っぽさ"ではなく、"かわいいお遊戯"に、変わる。ここの境界線は大きい。そして、一番効果的なシーンが、物語の中でうれしいくらい数多くあるパンチラ......いや、そんなレベルじゃないな、パンモロシーンの数々だ。カメラマンが、ちょっとしたチャンスがあると、すぐ下からあおったアングルになる。スカートの中のパンツがチラリ~ではなく、スカートの中に入りたいんじゃーい!! どりゃ!! って感じ。そんなムチャパン撮影にも、女の子たちはカメラを意識しない。お見事! この作品で、女の子のことを褒めると思ってなかったよ。  そんなポイントが楽しい作品なんだけど、1つだけ『シックス・センス』を彷彿させる(言いすぎか?)物語が仕込んである。ありきたりといえば、ありきたりなんだけど、ありきたりじゃないお遊戯作品なだけに、ほほーって終われるところも面白ポイントとしてお勧めしたい。  まー最後に文句で〆るとしたら......「DVDのパッケージがカッコよすぎだろー! 騙されるじゃーん! うそみた~~~い!」 (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
実写版 マイコうそみたい! うっそ~ん! amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』

maikousomitai04.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『実写版 マイコうそみたい!』 監督:Yosshi.com 女性主演:小林万桜、愛川萌、朝倉みかん、倉田みな、日美野梓、片岡さき  日本は世界に誇るロリコン王国である。ロリコンといっても、犯罪的なほうではなく、ジュニアアイドルの女の子たちがグラビアなどで活躍することを世間がちゃんと認めている王国なのである。
81lacL+d1wL._AA1441_.jpg
『実写版 マイコうそみたい!』
バトミントン部に所属する中学3年
生のマイコは夏の合宿へ来ていた。
昼はライバルと競い合い、夜は肝
だめし大会に怪談話と盛り上がる。
しかしそんな中、マイコに驚愕の
事実が襲い掛かる...。
(Amazonより引用)
DVD発売中/3,990円(税込)
 確かにコンビニに行けば、中高生のアイドルが水着で表紙を飾るマンガ誌や、情報誌が普通に置いてある。今人気の大物若手女優の方々もジュニアアイドル時代はグラビアをガンガンやってますし、モー娘。も、SPEEDも、デビューは小学生。子どものころから芸能界を目指す女の子たちにとっては、日本は最高のエンタメ王国なのである。  お菓子系(ブルセラ専門)雑誌や、女子中学生専門グラビア誌が定着し、市場も一息ついた2000年代。ジュニアアイドルたちを使ったオリジナル・ビデオ・シネマもたくさん発売された。その中で、U-15サポーターからすると夢のような共演......いや、言いすぎた。何でもミックスしちゃえ~~~的なキャスティングで、ちょっと話題になった(私の周りではね)作品が今回の『実写版 マイコうそみたい!』である。  物語はというと、アキバ中学3年生の真地マイコは、クラスの人気者。だけど、ちょっぴりドジな女の子。バドミントン部に所属するマイコの目標は、インターハイへの出場だ。そんなバドミントン部の夏合宿が始まった。ライバルの妙子をはじめ、美佳や、和美や、ハルと腕の競い合いに張り切るマイコ。夜は、テニス部の伝統の肝だめし大会。2人1組になって、キャーキャー叫びながら怖がる部員たち。怪談話大会には、なぜか旅館の番頭の太郎も参加する。彼が語る「本当にあった恐い話」とは? そして、マイコに襲いかかる驚愕の事実とは!? 「も~、マイコうそみた~い!!」 maikousomitai02.jpg  もー、ものすごい作品でした。全体のセリフの70%はアドリブ......いや、アドリブとはいわないな、キャーキャー遊んでるだけだもんな。要は30%しか台本がないと思っていい。4人の女の子たちは本気で戯れ、本気で叫び、本気で笑い、本気で楽しむ。  セリフとフリートークの境界線もしっかりわかる。肝だめしや、怪談のシーンの驚きはマジ。ちょっと引いちゃうナレーションが結構入り、ツッコミだけをする。でも、物語は存在し、ちゃんと進んでいく。  つなぎは粗いし、大きく遅刻してきた女の子に遅刻理由も聞かず、普通に溶け込んでたり(マジの遅刻っぽいな、たぶん)「うそみた~~~~い!」はこっちのセリフじゃ~~~~い!......って叫びたくなる作品なのに、最後まで見てしまう大きなポイントがある。それは、制服パンチラ? スク水? ブルマ? それもあるが、台本のセリフ以外のシーン、すべてにおいて、カメラ目線がひとつもないことなのだ! maikousomitai03.jpg  例えば、制服から水着への展開(脱衣のこと。業界用語です)シーンを4人一挙にしてくれるシーンも、一切カメラ目線なし。女の子たちはペチャクチャ喋りながら、徐々に脱いでいく。ひとりは大胆に、ひとりは隠しながら、ひとりは喋りに夢中~といった具合に。  それを誰一人としてカメラを見ない。そこだけはプロ! カメラを見ないってことは、こっちの存在感がない。つまり! ヘルスの女の子選びマジックミラールームの様!! それのジュニアアイドル版!(例えがあぶねーな)  例えば、風呂場での掃除のシーンは、みんなスク水(スクール水着のこと)なんですが、狭い温泉でスク水でキャッキャする画って素晴らしすぎるじゃないですか。お互いで泡を塗り合ったり、お尻をブラシでこすったり、男の存在がなく、ガールズトーク、いや、ガールズ・ボディランゲージが繰り広げられていく......それはまるで、ペットショップの子イヌをガラス越しに好き勝手に見ているのと一緒!! スク水パラダイス!! maikousomitai01.jpg  カメラを意識しないから、ヘタな芝居も、"安っぽさ"ではなく、"かわいいお遊戯"に、変わる。ここの境界線は大きい。そして、一番効果的なシーンが、物語の中でうれしいくらい数多くあるパンチラ......いや、そんなレベルじゃないな、パンモロシーンの数々だ。カメラマンが、ちょっとしたチャンスがあると、すぐ下からあおったアングルになる。スカートの中のパンツがチラリ~ではなく、スカートの中に入りたいんじゃーい!! どりゃ!! って感じ。そんなムチャパン撮影にも、女の子たちはカメラを意識しない。お見事! この作品で、女の子のことを褒めると思ってなかったよ。  そんなポイントが楽しい作品なんだけど、1つだけ『シックス・センス』を彷彿させる(言いすぎか?)物語が仕込んである。ありきたりといえば、ありきたりなんだけど、ありきたりじゃないお遊戯作品なだけに、ほほーって終われるところも面白ポイントとしてお勧めしたい。  まー最後に文句で〆るとしたら......「DVDのパッケージがカッコよすぎだろー! 騙されるじゃーん! うそみた~~~い!」 (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
実写版 マイコうそみたい! うっそ~ん! amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』

yuri001.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『平成百合族 ある愛の詩』 監督:大寺俊吾 女性主演:今野由愛、椎名りく  今回はあえて、映画という文化を「娯楽」と言い切り、「それは真の"作品"ではないだろう」というカテゴリーに入りそうな作品をレビューしてみようと思う。『平成百合族 ある愛の詩』タイトル通り、百合系の物語であります。
hirano_.jpg
平成百合族 ある愛の詩
互いに孤独の由愛とりく。りくは
由愛に寄り添おうとするが、由愛
は昔りくに因縁を付け性的虐待を
行ったことを気にしており......。
(Amazonより引用)
DVD発売中/2,940円(税込)
 先日、『魚介類 山岡マイコ』のインタビュー(※記事参照)の最中にアイドル論になったとき、「最近の女の子はアイドルのグラビアを見る子が多いですよね」って話をしたら、ライターの女性が「女の子は基本、バイなんですよ」って......そりゃそーだ。頭では分かっていたけど、露骨に言葉で言われてなるほどって思った。  女の子同士で、手をつなぎ合う子、抱きつく子、イチャイチャする子。普通にどこでもいる。男の場合は、"そっち"の方々じゃない限り、そんな奴はいない。  まー女の子の場合、それがキレイだからいいんだけどね。そんな作品で最近面白かったのが、この『平成百合族 ある愛の詩』です。  物語は以下のようなもの。  登校拒否の由愛は、教師と援助交際をしていた。由愛がひさしぶりに学校へ行くと、そこには病気で登校拒否のりくがいた。  最初は由愛によるイジメに遭っていたりくだが、ふたりは徐々に惹かれ合っていく。ふたりは愛を育んでいくが、実は、りくが大きな病に侵されていることを由愛は知る......。
yuri004.jpg
 短い物語説明ですが、それで十分~ってくらい、分かりやすいエロ&涙の物語。学生が3人しか出てこない学園もの。  で、なんで冒頭で「こりゃ映画じゃないよ!」なんて言ったかといいますと、実はこの作品、『放課後レズビアン 思春期のビラビラ』というAVの、U15発売可能焼き直し作品なのである。  思春期のビラビラ!! ものすごいタイトルだなー、ビラビラ! 自分のタイトルにも使おうかな『魚介類 山岡ビラビラ』......意味分からん。  AVって私の中では"見たいとこだけ映像"という認識があり、ロマンポルノが777のパチンコ台だとしたら、AVは玉が入るまでの工程を端折ったパチスロかなと。  そんな"見たいとこだけ映像"から、U15発売可能焼き直しってことは......ほとんど中身なくね? とか思ったし、だいたい焼き直すってことは、AVによくある手法で、ひとつ撮ったんでタイトル変えてちょい編集してもう1回売っちゃおうぜ~ウッシッシみたいな感じなので、まーそこまで悪意はないにしても、作品魂よりも、商売魂重視なタイトルであることには変わりないわけです。  そのような作品なのに、あえて、どうして、アイドル映画評で、取り上げたのか。あえて取り上げる魅力があったのか?  あった。あったんです。ずばり、女の子たちの眼です。ピュアなんですよ! なぜか! この作品は添い寝をしているシーンが多いのですが、その時のふたりの眼の優しさに撃たれました。病気が原因で友達ができなかったりくと、りくにイジメ行為をしたことで心を開いた由愛、このふたりの添い寝しているときの優しい眼は、レズシーンにもかかわらず、変にふたりを見守ってあげたくなる感覚に変化していきます。 yuri003.jpg  基本はAVのカメラワークなのですが、ふたりの会話の最中のちょっと素人臭いかわいらしさと、添い寝中も教室内のふたりのシーンも、本当に温かく「最後は死んじゃうのかな......」という先入観もあいまって、1分でも長くふたりを一緒にいさせてあげたいと思ってしまいます。  どうしてそのような空気がこの映像の中から生まれたのか。エロ先行なのに、この温かさは......? この作品、気持ちよく見るには、絶対の条件があります。 【1】『放課後レズビアン 思春期のビラビラ』を見たことない人。 【2】あくまでも、ヌくこと前提ではなく、物語として見れる人。  この2つの要点から生まれた効果は、 【1】モザイクが入るような股間中心な映像をCUTしたことにより、エロさがモロではなく、ピュアに変わった。 【2】AV女優なので、褒められるような芝居ではない演技が、本番でごまかしてないため、ピュアな芝居に変わった。  この思いもよらない科学変化! 「メインデイッシュのハンバーグがなくなったらOUTなはずなのに、添え物のポテトがおいしかった!」とか、「レッドカードでワントップのフォワードが居なくなったから生まれた、残り10人の予想以上の力!!」とか!! そんな予想不可のピュアレズ女の子同性愛作品『平成百合族 ある愛の詩』、この手の棚ぼた作品は、作りたくても作れないんじゃないでしょうかね~。 (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
平成百合族 ある愛の詩 美しい......。 amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』

ushiromae.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『後ろから前から』 監督:増本庄一郎 女性主演:宮内知美、琴乃、街田しおん、木下ほうか  いやいや、ものすごく久しぶりで申し訳ございません。  10月22日から上映される自分の監督作品『魚介類 山岡マイコ』の準備で、他のアイドル映画を見る時間が失われてしまいました。
『後ろから前から』
営業成績がまったく振るわないタクシ
ー運転手の桃子(宮内知美)は同僚の
乱子(琴乃)と女の武器を使う秘策を
一計! 成績をグングン上げていくが、
会社にバレてクビに。売春容疑で警察
に追われタクシーで逃走する桃子は、
最後の客・怪しい町田(金橋良樹)を
拾う。ガス欠になったタクシーを捨て
道中を行き自然に求め合う2人。驚愕
の過去が2人を結びつけているのも知
らずに......。(Amazonより引用)
DVD発売中/3,990円(税込)/
販売元:Happinet
 といってもアイドル映画好きな私としては、そんなに長い時間見ないと体が悪い方向へトランスフォームしてしまうので、「ひさびさに見るんだ! 元気が出まくる作品にしよう!」といって選んだのが、今回の作品『後ろから前から』です。あぁ、昭和......いや、昭和を再現したかった平成が作った妄想昭和......。  なぜかセクシーな運転手ばかりのタクシー会社のドライバー桃子。売り上げはいつも最下位。このままではマズいと思い、売り上げを増やすために、女の武器を使う作戦を思いついたのであった。  おかげで営業成績はうなぎ上りだったが、会社に思いっきりバレて辞めさせられてしまう。その上、売春容疑で警察に追われ、もういいところ無し。最後の客として迎えた男、石田。この男もタダでは済まない過去を持っていて、2人で逃避行するハメになってしまう......。  いうまでもなく、1980年のにっかつの堂々たる正月映画! 畑中葉子さん主演の『後から前から』のリメークです。  ♪後から前から~どうぞ~♪ ってメッチャクチャ流行ったんですよ。当時16歳だった私にはハチ切れそうなインパクトで、さらに歌詞からしてゴールデンタイムで流れるわけがないので、深夜番組でしか聞けないところにも魅力がありました。  そのリメークを? 誰だれ? 平成の畑中葉子を狙ってるのは誰!? 宮内知美! 前作から脱いでますね!  で、その宮内知美ちゃん。映画の中では脱いでいるというものの、必要最小限で、まーこんな感じですかねっていうレベルで終始進む。レズなシーンはキレイだけど、これって内容もちゃんと『後前』なの???  だいたいね、元々のお話は暴走族の話だし、脱ぐわ脱ぐわキャバレーやるわ、パンティーの雨あられのシーンがあるわ、もうハチャメチャエロだったんですよ!  それが、背景、世界観、時代、そして主人公・宮内知美。すべてにおいて昭和のにおいもない、かといって平成の新しさもない。  あえていうなら、どこの時代でもない中途半端な世界観がここには存在する。中途半端。このフレーズは一生懸命やってることに関しては、ものすごく失礼な言葉だけど、もし、「中途半端を売りにした映画です」と割り切ってみたら、それはそれで武器になるかもしれない。  オープニングは謎の......いや、ものすごく無理のある3人プレーから始まる。テーマソング中のPV的演出から、逃亡者・石田のキャラから、宮内知美の何ともいえないうまくはないセリフから、そして、エンディングのオチから、すべてが中途半端!  だいたい、ちゃんと脱いでないことがすべてもの中途半端! しかし! しかしですよ!  一つ一つが確立してて、「ここだけが中途半端~」というより、「もう全部中途半端です~~!!」という今作、そう思って映像を見ていると、宮内知美がどんどんかわいく見えてくる! 琴乃とのレズ的なシーンも、真剣に見ていた時よりも色っぽく感じる! 不思議でしょ! それは何故か!? 中途半端な世界観で、どっちつかずのセリフを話しまくる宮内知美! 彼女の行動すべてが原因である。  普通の映画であれだけベッタベタな演出もしくは、自でしゃべった場合、白々し過ぎて私ならテイクを重ねるだろう。  そして後で気づく。「あ......中途半端な方が映画としてまとまってたのか......」  なんともいえないセリフの羅列の宮内知美だからこそ、いい頃合いの中途半端な名作が生まれたと言えよう。  まーでも、真の『後から前から』ファンには、全然話が違うので、お勧めしない。しかし、ここまで確立された"THE 中途半端"、もうこうなったら『桃尻娘』とかも、このテイストで見たいっす~~~!! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。第2回したまちコメディ映画祭 in 台東にて、新作『魚介類 山岡マイコ』を上映。2010年に長編版として劇場上映が予定されている。現在、ニコニコ動画チャンネル『魚介類TV』(毎週日曜日20時~)に出演中。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
後ろから前から このタクシー乗りたい。 amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』

AA_DSC01193.jpg
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 田代さやか、徹底追及! 『18倫』 監督:城定秀夫 女性主演:田代さやか、紗奈、持田茜、木下あかり  いきなり何ですけど、この映画大好きです。とことん高得点です。女の子をかわいく表現するっていうのは、こういうことを言うんです!
18rinjk.jpg
『18倫』
松本タカ原作コミックを映画化。
ある日、突然お嬢様からホーム
レス状態になってしまった女子
高生が、自力で生活するため
に飛び込んだAV制作会社で奮
闘する姿を描く青春コメディー!
田代さやか、河合龍之介ほか出演。
 最初は「どうして田代さやかなんだろう?」って思いました。原作マンガのキャラにそこまで合ってるとも思えないし、芝居が上手いわけでもない。まー『かにゴールキーパー』のインパクトがあり過ぎて、どんな映画に出演してもそんな印象しか持てないか。  それでも、見れば見るほど、分からなくなってくる。なんで田代さやかなんだ? けど、その反面、見れば見るほど、映画自体は面白くなってくる。1回見ただけでも十分面白いんだけど、複数回見ることによって、味が変わっていく。なんだ、この深みはっ......いや、深くないのに、味が変わる......いや、変わらないんだ。これ、きっと変わらないんだ!  今はやりの長続きガムと一緒で、変わらないところがすごいんだ! そういう映画なんだ! なんでだいっ!!??  超お嬢様学校の優等生で、医者を志す超超清純派お嬢様の池内倫子(田代さやか)。 AA_DSC00236.jpg  ある日、学校から帰宅したらいつもの豪邸はカラッポ。そして父からの1枚の置き手紙。手紙には会社の倒産と、母親との離婚と、「一人で生きてくれ」の言葉。  あっという間にホームレス女子高生になってしまった倫子。路頭に迷った倫子は、生きていくために仕事を探すが、女子高生だから......いや、超お嬢様過ぎて常識がないことから、仕事はまったく決まらない。そんな倫子が内容もよく分からないまま、飛び込んだ会社は......なんとAV制作会社だった!  まぁそんな、タイトルからも、ビジュアルからも、想像できる範疇の作品ではあるのですが、この手のアイドルの女の子を使って、エッチを題材に物語を展開しよう~的な作品は過去にもよくあったわけで、今の日本の映画&Vシネ市場を考えれば分かりやすいことなのですが、それだけ出まくっているこの手の作品の中で、この『18倫』をどうしてそこまで私は絶賛してしまったのでしょうか。  まず、この映画、65分という枠の中で「いろんなことを詰め込んじゃえ~~~」っていうアイドル映画にありがちな迷走が、まったくない。 AA_DSC00261.jpg  65分間、徹底して、メインどころに悪人がいない。どうしよーもないチンピラがちょっとした役で出てくる以外は、とにかくいい人ばかりの映画だ。  ドMのくせに倫子を温かく見守る社長、口はものすごく悪いのに実は優しい撮影班。最初は嫌な女なのに倫子の優しさに心打たれるAV女優。  嫌なやつの設定にもできたはずの倫子の友達。ちょっと脚本を変えれば、『キャリー』に等しいイジメ映画に成りかねないところを心の底からラブ&ピースの世界を満喫できる......。うむむ、そこまで幸せだけの物語が面白い理由はなんだ?  普通、苦あれば楽ありだから楽しい。いわゆる「負け」のない漫画で成り立ってるのは、初期の『テニスの王子様』くらいだ。  ここで、田代さやかが何故起用されたのかが、浮かび上がってくる。分析してみよう。冒頭に書いた通り、どうして田代さやか??  別に巨乳で売る役柄じゃないのに......たどたどしいお嬢様言葉&医学用語......テキパキとしてないチンタラした芝居......しかし......しかし......頭にこない。  ムカつかない......気持ちのいいイライラが楽しい......うむっ!? ここか!? これって、作中のAV制作会社スタッフ側と同じ感触なのでは??? AA_DSC01820.jpg  この映画で田代さやかは、先輩たちにとことん怒られるが、社長が温かく見守っていることにより、怒られている倫子に悲壮感はなく、なんか、微笑ましい。ということは、田代さやかのドジっ子っぷりは、芝居なのか、本当なのかは別にして、劇中内とバーチャルということか。  田代さやかの起用理由は、上手くない美味さと、危なっかしいヤバさということなのか。このジャンルだから許されるのかもしれないけど、そうだとしたら、この倫子の役は、田代さやか以外、出来ない。大抜擢。うむむ、お見事である。おっぱいを売らずしてここまでやるとは! お見事!  挙句の果てに、毎回毎回、衣装がコスプレ。Vシネにはありがちな手法でも、この作品には無理がない。  だって、ホームレス状態で入社、宿は会社。着る服は、AV制作会社に山ほど置いてあるコスプレ衣装。うん、納得。  このお嬢様言葉と、言えてないようで言えている哲学的医学用語を65分間、聞いてるだけで楽しくなる。  スタッフ&キャストは全員楽しい映画でした。このテイストのまま行くんであれば、とことん続いてほしい!! 『男はつらいよ』みたいに"撮影不可能"な状態になるまで続けてほしい! 妹はさくらって名前にして欲しい! タコ社長も出てきてほしい! ロケ地を葛飾柴又で~(話が壊れてきたのでこの辺で)! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。第2回したまちコメディ映画祭 in 台東にて、新作『魚介類 山岡マイコ』を上映。2010年に長編版として劇場上映が予定されている。現在、ニコニコ動画チャンネル『魚介類TV』(毎週日曜日20時~)に出演中。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
18倫 いいコなんですよ。 amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』

oh01.jpg
(c)2010中西やすひろ/少年画報社/インターフィルム 
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 覗きを越えた見せたがる演出 『Oh!透明人間』 監督:右田昌万 女性主演:柳本絵美、村上友梨  この世に、"透明人間を"題材にした映画はいくつあるだろうか? その映画のほとんどが、消えるのは男性で、その男性が"透明"になることで興味を示す=日常を覗かれるのは女性という図式だろう。もちろん、それは女性の私生活を覗きたい、という欲求から来ている。透明人間の利点――つまり"見つからない覗き"である。
Oh.jpg
『Oh!透明人間』
荒方透留(標永久)は、親戚の家
に下宿する高校1年生。しかし、
この下宿先:萩谷家は、何と全員
女性のパラダイスだった! ある
日、夕食に嫌いなイクラが出され、
恐る恐る食べてみたところ、なん
と体が消えてしまった!? イクラ
を食べればいつでも透明になるこ
とができる不思議な能力を身に付
けた透留は、密かに思いを寄せる
次女の良江(柳本絵美)のムフフ
な秘密を覗こうと動き出す。さら
には、学校でも透留の欲望は暴走
し、エッチな事件を巻き起こす。
そんなある日、隣家の陽子(村上
友梨)宅へ出掛けたまま良江が行
方不明になってしまう。いてもた
っても居られなくなった透留は、
イクラ瓶を手に取り、良江を探し
に家を飛び出すのだが......果た
して、2人の運命は!?
<http://www.interfilm.co.jp/
tohmeiningen/
>
 今回紹介する作品は、1982~87年にかけて「月刊少年マガジン」(講談社)にて連載されたマンガ『Oh!透明人間』を原作とした映画である。その後も「スーパージャンプ」や「オースーパージャンプ」(いずれも集英社)で『Oh!透明人間21』として続編が発表された。  カルト的な人気はあるとは言え、講談社の続きが集英社で読めるとは。覗きの美学は大手出版社のマンガ誌が持つ閉鎖性を超えた、ということか......。しかもこの作品、殿方の"透明人間になりたい欲"を満たすため、ひじょーに分かりやすい設定だ。  女性だらけの家に下宿することになった主人公が、イクラを食べると体が消えてしまうことに気づく。事に乗じて主人公はエッチな妄想を実行に移す......うーむ、分かりやすい......。なぜイクラなのかというのは、この際どーでもいい。この映画はそんな設定にツッコミを入れる間を与えないほど、あることに長けている。想像してください。あなたが今、一番、プライベートが見たい女の子のことを。それは、グラビアアイドルでもいいし、好きな女の子でもいい。それこそ裸体を想像しやすいようにAVのお姉さんでもOK。あなたがイクラを食べて、体が消える。ターゲットの女の子の部屋へ入る。女の子は、体が消えているあなたがそこにいることを知らない。うひひひひ。も~~好き勝手に見放題~♪(30分経過)......うーむ、なかなか動かないぞ。思ったより暇だな。。。(1時間経過)......寝そべって友達と電話しながら、おっ! ようやく起き上がった!! つ、ついにって、おい、菓子食ってる場合じゃねーだろ! なんなんだよ! 女子のプライベートってこんなかよ! なんて具合になる。 oh03.jpg  もちろん、筆者の趣味は覗きではないが、自分の行動パターンを考えても、これが現実だろう。そんなにいつもいつも、しずかちゃんだって風呂には入りませんよ。そんなに簡単に女の子(男の子もそうだ!)が裸になるわけない。  なもんで、過去に映画化された透明人間ネタのほとんどが、透明中(どんな時間だ)に必ず、お風呂行ったり、着替えたりする。それを見て、「く~~~~!! 覗いてる気分~~~」......に、なりますか? なりませんよね?? だってそんなシーン、お色気系映画ならありがちのシーンだから。"覗き"がテーマの映画なら、まわりをぼかして覗いてるっぽい演出が出来ますが、透明人間なのでぼかす必要がないのでサービスカットが淡々とあるだけなんです。透明だろうが、何だろうが、映画で見る分にはカメラがその女の子の裸を映すだけ。  つまり、透明人間が意味を持たない。そんな透明人間ムービーがはびこる中(そんなにはびこってないけど)この作品はダントツに、見事に割り切った演出をしているのです。それはっ! 女の子たちの"見せ方"が抜群に上手い! 上手いというか、どうせ表現できないなら女の子たちは見せたがっちゃえ! という開き直りが凄いんです。 oh02.jpg  だって見えないはずの主人公に向かって、女の子の方から見せにくるんですよ! オイオイ、それはねーだろっていうくらい、お尻をわざと近づけてきたり、おっぱいも寄ってきたり! 「透明人間の追及!? ム~リムリ! どうせ無理なら開き直っちゃえ!」っていう一線を越えたバカバカしい演出がテンコ盛りなんです。  セリフもものすごくて、主人公が透明人間の状態でスカートめくりをした時のセリフが「もぅ、エッチな風さんねぇ~」  おい! 昭和だっ! "エッチな風さん"だって! 女の子がみんな可愛かったころの良き昭和だぁ!! エンコーやら、見せパンやら、ギャルやら、少子化やら、今の子、言いますか? 言いませんよね!!?? これです! この開き直りの局地! 見られる恥ずかしさではなく、見られたい女の露出感! そこに重点を置いた演出! お見事! たまんねぇっす! oh04.jpg  女の子を露出狂にしただけでなく、ラストシーンなんて、透明人間なのに棒持って戦うから「......いや、その棒のおかげで、どこにいるのかバレてんじゃん」みたいなノリ! もう透明の意味なし! 無いから面白い♪ いいね~こういう開き直り。  実はこの映画で私が一番好きなシーンは、透明人間になって女子更衣室から逃げるシーンなんです。「こらまてー!」とか言って追いかけるのですが、その追いかけている女の子たちが、裸の子、ランジェリーの子! 体操着の子! スク水の子! うっひー! ブルセラコンプリートじゃないっすか!! この4種が一緒に一挙に学校内を走る!! なんたる衝撃!「レッドクリフ」で1万本の弓矢が飛んでくる時に等しい衝撃の嵐! そこだけでもいい! そこだけでもいいから見てください! 憧れるわぁ~~。 (文=梶野竜太郎) (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。第2回したまちコメディ映画祭 in 台東にて、新作『魚介類 山岡マイコ』を上映。2010年に長編版として劇場上映が予定されている。現在、ニコニコ動画チャンネル『魚介類TV』(毎週日曜日20時~)に出演中。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
Oh!透明人間21 6 どうにかなれないものか。 amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』

5N4D0228.jpg
(C)2010 板場広志/竹書房
アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 バレない浮気の疑似体験MOVIE 『セブンカラーズ』 監督:蒲原生人 女性主演:あいださくら、成瀬心美、浅乃ハルミ、倖田李梨
sevencolors_v1_.jpg
『セブンカラーズ』
彼女の美貴(あいださくら)と同
じ大学に通うため、美貴の母親
(倖田李梨)が経営するアパート
越してきた秀一。しかしそこは、
某一流企業の社長秘書・若葉(西
野翔)、国際線CA・夏樹(夏川
亜咲)、女医・静(浅乃ハルミ)、
女教師・あずみ(成瀬心美)たち
美女だらけの楽園だった!? 若葉た
ちは毎夜、秀一の部屋に押しかけ
宴会三昧。美貴との半同棲生活を
夢見ていたが、ままならない状況。
しかも、秀一のモノが大きすぎて、
美貴とのHもお預け状態。はたして
若葉たちの誘惑に打ち勝ち、美貴
と初Hをすることができるのか......。
 グラビアデビューを果たし、「なんつ~ビーバー顔の女の子なんだろ~」と思ったら、いきなりの着エロや脇毛の剃毛シーンで話題となり、それからわずか2年後、18歳でAVデビュー......。  映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が、往復29万6,000光年の旅を2時間18分で説明しちゃったのと同じくらい早い展開、それが、あいださくらだ。  グラビア&AV道まっしぐらの、あいださくらに芝居ができるか!? いきなり主人公に持って来ちゃったよ~! というのが、今回の作品です。  恋人と同じ大学に通うために、彼女の母親が経営するアパートへと越してきた主人公。なんとそこは、一流企業の社長秘書、国際線CA、女医、女教師たちが住む"ドキッ! 美女だらけの楽園"だった――。しかもこの美女たち、毎晩毎晩主人公の部屋へ転がりこみ宴会三昧。彼女と同じアパートに住むことで半同棲生活を夢見るも、まったくままならない生活だ。しかもこの彼氏、異常な巨根なほどのため、彼女からは拒否されお預け状態、美女たちは誘惑されまくり......。果たしてこのカップルは無事に(?)エッチすることができるのか?  この手の"同じアパートLOVE実写映画"としては、安田美沙子の『ルナハイツ』や、七瀬なつみの『ツルモク独身寮』や、石原真理子の『めぞん一刻』などが有名である。ゆく手を阻むアパートの住民をかわしながら、愛しの彼女のもとへ......という展開が一般的。実は、アパート題材って映画にとって最適なんですよ。個性的な隣人が描きやすいからね。 5N4D3513.jpg  この『セブンカラーズ』も同じく、ジャマする隣人をかわして、愛しの彼女へ! なんですが、ジャマする隣人全員が、「ゴールの愛しの彼女より美人」というとんでもないお話。腹ぺこで牛ヒレステーキの誘惑を乗り越え、ゴールに置いてある牛丼を食え! というものですな。さぁ! 美女軍団の誘惑を乗り越え、憧れのビーバー系アイドルAVにたどりつけるかぁ!! しかし、ほとんどが男子と思われる視聴者の気持ちを鑑みたら、「あいださくらをGETせよっ!」ではなく、「ジャマする者に捕まっちゃえ!」という気持ちになるのが本心。この作品が上手なところは、実はそこなんです。  「がんばれ!」という気持ちと「捕まれ!」という気持ちを両方とも網羅しちゃってるワケですが、この喜も怒も哀も楽も、美人に囲まれたハッピーオンリーの作品をどう楽しく見ていくか。  この作品、ズバリ「バレない浮気の疑似体験MOVIE」なのです。  どうですか! 男にとって「バレない浮気」って、最強じゃないですか!? どんなに彼女を愛していたとしても、物凄い自分の好みのロリでキャピでおっぱい大きい女の子が現れても、理性に悩まなくてもいいっていうことですよ!? 愛しているけど、はに丸に似ている彼女と、絶対にバレない原幹恵クラスの美女との浮気! そんな疑似体験のつもりで見るとたまらないんです。 5N4D3647.jpg  では、一体、この作品の何が疑似体験なのか?「そんな美味しい話の映画、山ほどあるじゃないか!」と思う人も多いですが、この作品、ちゃんとその時の男の眼になってるんです。これを撮った監督さん、さすがです。  意図的なのか、本心なのか。  恋人のあいださくらと毎回うまくいかないSEXの場合、なんかカメラが攻めに入らず、ちょい引きで2人を撮影。まるで、AVの導入部分のように。ぎこちなく、うまくなく。なのに、あいださくらの裸はしっかり拝める。そう、つまり、手に入れたくても入らない彼女にまだ勇気を出しきれない弱さと、理性が格闘するように撮影されています。  一方、本命ではないけど、ムチャクチャ美女軍団とのエッチシーン。これこそ本命ではないはずなのにそりゃもーおっぱいは大きいわ、こっちは何もしなくてもするだけしてくれるわ、ある意味、楽園パラダイス!(同じだよ)  そして、このシーンの場合、物凄いんです! カメラの寄りがっ! これぞ男心!! これぞ性欲! これぞ快楽! これぞ3Dじゃないけど、3D級映像!! こうなるんですよ、浮気が絶対にバレsないという安心感と、巨乳のお姉ちゃんを好き放題できるという気持ちをカメラで表現すると!!  同じ女でもその2パターンをカメラで表現したこの作品。無駄に気持ちいいハッピー性欲作品であります。どうせならさ! ジャマする美女たちを4人なんていう少ない数字にしないで、48人行っちゃいませんか!! はやりのフォーティエイトでっ!! 現実的にはありえないので、せめて映像でっ! 予算下さい!! 予算くれたら、私が撮りますっ!!!! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。第2回したまちコメディ映画祭 in 台東にて、新作『魚介類 山岡マイコ』を上映。2010年に長編版として劇場上映が予定されている。現在、ニコニコ動画チャンネル『魚介類TV』(毎週日曜日20時~)に出演中。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
セブンカラーズvol.1 vol.2もあるようで。 amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点