お笑い芸人、有名女医、格闘家……芸能界をドン底に突き落とす診療詐欺事件と暴力団の闇

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吉本興業公式サイトより
 芸能界を揺るがす、大規模な診療詐欺事件が明るみになりつつある。いまテレビ関係者はヒヤヒヤだ。  あるテレビのバラエティ番組に関わった制作会社スタッフは「疑惑の人物のひとりを、春ごろ番組に出演させたんですが、それ自体に問題がなくても、局員でその問題人物とかなり仲が良いのがいて、警察から事情を聞かれることがあるかも……」  単に出演者が事件に関わったというだけならまだしも、今回の詐欺事件は、暴力団が深く関与した大規模な組織犯罪。医師らがタレントやアスリートにアルバイト代わりにニセ患者役をさせていたという疑惑だけに、波紋は大きく広がりそうだ。 「番組を通じて知り合ったタレント仲間が犯罪グループ化している恐れもありますし、局内の人間がこれに加担している疑いが出てきているんです」(同)  事件は経営不振の医師などが患者と組んで虚偽の診療をでっち上げ、自治体などからの療養給付費を騙し取ったものだ。協力するニセ患者は医師らが声をかけていたほか、この仕組みの仕掛け役となった暴力団と直接やり取りをするケースも判明。ニセ患者となった者は保険証の番号を医療機関側に提供し、架空のカルテを作ってアルバイト代を受け取る形だった。これまで指定暴力団、住吉会系三次団体の組長や都内コンサルタント会社の役員、杉並区の接骨院の元経営者である柔道整復師、キックボクシングジムの代表ら中心人物が続々と逮捕されているが、協力者としてタレントやスポーツ選手の名前が次々と判明してきている。 「今テレビ局はどこも事件の情報収集を急いでいて、ウチでも心当たりがある者は局に名乗り出て事情を説明するよう言われました。できれば警察から聴取されるより早く状況をつかみたいといった感じです」(同)  吉本興業所属の芸人・しあつ野郎は、同じ事務所の芸人十数名を仲介していたブローカーとして関与。しあつから協力を求められた芸人Aは「1度に1万円の報酬をもらっていた」と話しているという。同様に協力していたお笑いコンビの片割れBについては、テレビ関係者が出演番組の予定を白紙にするという話も聞かれる。  また、関与は未確定ながら、中堅事務所に所属の20代の女性タレントBは、この疑惑で11月5日に決まっていた仕事予定を「体調不良」としてキャンセル。さらに逮捕された柔道整復師が募っていた協力者には格闘家の名前が続々と判明しつつある。  ある格闘技関係者からは「バイトしながら試合をしている貧乏格闘家に片っ端から声をかけていた元格闘家の興行主催者がいる」という話だが、この主催者は周囲に「犯罪だと知らなかった」と言っているという。  そして、この事件において早くから関与がウワサされてきたのが、テレビに多数出演して「年収数千万円」を自慢していたバブリーな女医で、一部スポーツ紙が名前を伏せて報道。前出の番組スタッフによると「局は彼女をブラックリスト入りさせていて、夏ごろに出演オファーをしないよう通達があった」という。女医はブログやTwitterを何事もなく更新しているが、最近は患者との金銭トラブルや経営していたクリニックの閉院のウワサが持ち上がっていた。  今回の事件は暴力団組織も関わった大掛かりなものとあって、捜査も暴力団担当の警視庁組織犯罪対策4課が担当しているが「大規模なので順を追って逮捕していく」と捜査関係者が今後続々と逮捕者が出ることをほのめかしている。 「診療報酬の詐欺は健康保険の制度を悪用した社会的悪影響の大きなものだから中途半端に捜査が打ち切られることは絶対ない。隅々までやれと警視庁から言われている」(捜査関係者)  それだけに、少しでも関与していたタレントやアスリートにとってはただごとではない。「万一、関与が発覚した場合、その度合いに関係なくこの業界にはいられなくなると思う」と芸能プロ関係者。 「前にネットオークションの嘘の落札情報を書きこんだペニオク詐欺があったとき、一部タレントが『詳しい仕組みを知らずに協力してしまった』と言い逃れをしたけど、今回はそれが通用しないほど重い問題。事情を知らなかったと言って警察に逮捕されなかったとしても仕事は一切なくなると思った方がいい」  想像以上に広がりを見せる可能性があるこの事件、たとえブログで平静を装っていても、その更新がストップするのは時間の問題かもしれない。 (文=片岡亮)

ファンに1,000万円を貢がせた女子プロレスラー「結婚詐欺」の疑いも!?

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 ある女子プロレスラーに、結婚詐欺疑惑が浮上中だ。都内40代の会社員男性が、美女レスラーの多数在籍するプロレス団体にハマっていたところ、知り合った20代の女子レスラーAに結婚の準備資金として総額1,000万円もの金を渡したが、結局は結婚に至らず、金も戻ってきていないという。いった、何があったのか。  「50万円から400万円まで7回に分けて渡した」という男性が貯金の大半を預けたとする女子プロレスラーAとは、2年半ほど前に別の元プロレスラーがマスターを務めるバーで出会ったという。Aのファンだった男性は興奮し、閉店まで一緒に飲み、帰り際にメールアドレスを交換。「最初は彼女の方から“試合のチケットを買ってくれ”という連絡があった」と男性。 「それまでチケットは団体の公式ホームページから買っていたんですが、彼女に“選手が手売りしなきゃいけないノルマがある”と言われ、直接買うようになったんです。そのうちに“複数枚を買えないか”と言われ“ノルマは何枚なのか”と聞くと20枚だというので、全部買い取って、不要な19枚をネットオークションで安く売りさばいたんです」  以来、男性は興行があるたびにAから20枚のチケットを購入し、会場内で顔を合わせると親しく立ち話をする関係になったという。そんな関係が、さらに密なものになったのは、約1年前。地方興行でAの宿泊先が1泊4,000円程度の格安ビジネスホテルだったことを知り「スターなんだから、もっと良い場所に泊まってほしい」と男性は1泊2万円以上する上級ホテルを用意。東京からは選手用のマイクロバスで来ていたが、帰りは男性の用意した航空券で一緒にフライトして帰ったという。  それから月1~2度のペースで食事する関係になったところ、男性は「食事の帰りに手をつないでも拒否されなかったので、思わず交際してほしいと告白した」とする。 「すると彼女は“私もあなたが好きだけど、人気商売している手前、結婚するまでは表にできない。でも結婚前提なら、結婚のための準備は一緒にできる”と言ったんです」  ただ、Aは男性の求愛を受け入れた様子だったが、手をつなぐ以上の“密着”は「結婚するまで純潔でいたい」と拒否。一方で「知り合いが持っている土地を安く譲ってもらえるから、まずはそれを購入したい」と頭金400万円を男性から受け取った。それ以降も「結婚する前に治したい体のアザの治療費」や「式場の予約費用」など、理由をつけては金を受け取っていたという。  しかし、総額1,000万円を超えた段階で男性は不審に思い「本気で結婚する気があるのか」と問い詰めたところ、Aは逆ギレ。 「“焦る人とは話したくない”などと叫ばれて口論となり、携帯に電話しても出てもらえなくなり、試合会場でも無視されました。そこで別の女子レスラーに相談したんですが、Aは妻子持ちの専門誌ライターと不倫中だという話を聞かされたんです。頭が真っ白になってAに問いかけたんですが、まともに向き合ってもらえないままなんです」(男性)  こうなると、ファン心理を悪用した結婚詐欺である可能性が出てくる。そこで当の女子レスラーに話を聞くと、大金を受け取ったことは認めたが「ファンの彼が、プロレス界で成功するように投資をしてくれたもの。結婚資金ではありません」と否定。恋愛関係については「いい人だから、これからそうなるかもしれないし、未来は分かりません」と曖昧なまま。さらに詐欺の意図はなかったかと聞いたが、すると態度は一変。ヤンキー口調で「なんだとこの野郎! 文句あんのか」と怒鳴り、一方的に電話を切られてしまった。  男性はAについての恋愛感情を捨てきれず、現時点では「騒ぎを大きくしたくない」とは言うが「騙されていたと100%分かったら、法的に対応する」としている。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

ALSの知名度上昇を利用して……「アイス・バケツ・チャレンジ」詐欺が横行中!?

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浜崎あゆみ オフィシャルFacebookページより
 次々に著名人が氷水をかぶったALS(筋萎縮性側索硬化症)支援のチャリティー「アイス・バケツ・チャレンジ」を悪用した詐欺が現れていたことが分かった。 「●●さんからご指名がありました。寄付か、氷水をかぶるか選択してください。氷水をかぶる場合はインターネット上に画像を。寄付する場合は以下の口座に」  都内在住40代女性の元にはこんなメールが届き、そこには送金先がALSとはまったく無関係の口座が載っていたとして、警察署などに苦情が寄せられたという。  著名人たちの氷水をかぶるパフォーマンスが話題となって一気に広がった同チャリティーは、「やり方がふざけている」「売名行為に利用されている」など批判も多いが、支援団体の日本ALS協会には、8月末までで例年の約4倍、約2,700万円の寄付が集まったという。そんなブームに乗じた「寄付金詐欺」が登場したわけだ。  まだ被害者から実害が報告されたという話は届いてこないが、悪質な詐欺メールに書かれた送金先の銀行口座は、なんと8月上旬に起こったネットオークショントラブルで使われていたものと一致。くだんのネットオークションでは「送金したのに商品が送られてこない」という被害が刑事事件となっており、警察が捜査中。被害者のひとりは「担当刑事からは、犯人がオレオレ詐欺のグループの関係者である可能性が高い、という話を聞いた」という。  幸い、この口座はすでに銀行による利用停止の措置で送金ができなくなっており、これ以上の被害が生まれることはないが、別の新たな口座に書き換えて送信されれば被害拡大の可能性は十分。  また、オレオレ詐欺グループらしく、ほかでは電話で「ALSのチャリティーをやっている」という寄付の勧誘があったとする報告もある。こちらは、氷水をかぶるかの選択ではなく、いきなり寄付を募るというもので、ALSという病名が広まったことに付け込んだもののようだ。  こうした誘導型の詐欺は、専門家によれば「寄付金を募るからには、きちんとした団体の名称を名乗るはずで、『寄付のNPOをやっている者ですが』など曖昧なのは危険。そもそもメールや電話で寄付を募るのは、ほとんどが詐欺」だという。  氷水をかぶるか寄付するか、そしてその後、24時間以内に3人指名しろという「アイス・バケツ・チャレンジ」だが、ヘタすればその急速な広がり同様に詐欺をも広めてしまうかもしれない。 (文=ハイセーヤスダ)

被害額過去最高 振り込め詐欺分業化の陰で暗躍する中国人出し子

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※イメージ画像 photo by MJ/TR from flickr
 振り込め詐欺による被害が止まらない。  警察庁によると、昨年1年間の「振り込め詐欺」の被害件数は1万1,998件に達し、被害総額では前年より122億円以上多い486億9,325万円となり、過去最悪を記録した。1日に平均1億3,000万円以上の被害が出た計算になる。  振り込め詐欺の被害額は、金融機関や警察による対策が功を奏し、2009年に前年比で6割減を達成したものの、その後は再び右肩上がりに増加している。    背景には、現金を被害者から直接受け取る「手渡し型」など、新しい手口が出現していることが指摘されている。  一方、振り込め詐欺の分業化が進んでいることを被害増加の一因として挙げるのは、元振り込め詐欺実行犯の男だ。 「振り込め詐欺は、被害者とファーストコンタクトを取るかけ子組織と、架空口座に振り込まれた金を引き出し、また被害者から金を受け取る出し子・受け子組織による分業で行われている。出し子・受け子組織は引き出した金額の2%を徴収し、それぞれの実行犯に成功報酬として詐取した金額の0.5パーセント前後を渡している。これまでは出し子・受け子が捕まると、芋づる式に組織ごと摘発されていたが、分業により、出し子が捕まってもかけ子側までは警察の捜査が及ばない仕組みになっている」  被害増加の一方、振り込め詐欺犯の検挙率は上昇しているが、実際は「トカゲの尻尾切り状態」にあるというわけだ。  また、振り込め詐欺のグローバル化も、犯人たちの一網打尽を困難にしている。中国を拠点に国際電話で日本人をカモにするかけ子組織の存在も報告されているが、出し子組織の多国籍化も進んでいる。 「出し子には、中国人を中心とした外国人も多い。彼らは観光客として入国して数日の間に仕事をして帰国する。そのため、防犯カメラに顔が映っていても、日本の警察は捕まえようがない」(同)  政府は経済効果を狙いとして外国人観光客に対するビザ発給・入国管理の簡略化を進めているが、思わぬ副作用もあるようだ。 (文=牧野源)

裏社会が関与か――慶大生ファンド詐欺事件の容疑者は、もう死んでいる?

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※イメージ画像 photo by  MJ/TR from flickr
 慶応大学の元学生が、投資ファンドを設立して投資家から20億円ともいわれる出資金を集めたまま海外に逃亡している“慶大生ファンド詐欺事件”で、被害者の一人が刑事告訴に踏み切った。  しかし元学生は、今年5月、秘書兼恋人の女性とシンガポールにいたという情報を最後に、その足取りはプッツリと途絶えており、事件解決には時間を要しそうだ。  そんな中、「彼はもうこの世にいないかもしれない」と語るのは、今年1月、失踪直前の彼に面会したというFXトレーダーのM氏だ。 「彼とは、あるトレーダー仲間からの紹介で会いました。『かなりの損失を出してしまい、このままでは配当が支払えない。2億円ほどを代わりに運用してほしい』というのが彼の用件で、ひどく焦った様子に見えました。この時、私は彼が裏社会のカネを預かってしまったんだな、とピンときました。この世界では、ちょっと有名になるとすぐに裏社会の人間から『うちのカネを回してくれ』と声がかかる。ヤバい筋のカネは預からないのが鉄則だが、若い彼は相手の口車に乗せられてしまったのでは」  トラブルに巻き込まれることを警戒したM氏は、彼の頼みをその場で断った。彼が海外に渡ったことを紹介者のトレーダー仲間から知らされたのは、それから約2週間後のことだったという。 「個人的な印象では、彼は少なくとも進んで人を騙すような人間には見えなかった。裏社会の人間に無理な利回りを約束させられた挙げ句、追い込みをかけられていたのかもしれない。ネット情報では数億円を持ち逃げしたといわれているが、そこまで彼の手元に残っていなかったはず。何より、シンガポールのような小さな国に逃げて、いまだに足取りがつかめないというと、最悪の事態も想像してしまう」    元学生が無事に姿を現し、被害者の元にできるだけ多くの出資金が戻ることを祈りたい。 (文=牧野源)

まるで探偵!? 新オレオレ詐欺は家族情報を調べあげて実行

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 【対談】岩瀬大輔・中川淳一郎「仕事がデキない人の条件」 ゼネコンを次々とのみ込む大和ハウスが鹿島を超える日 ルネサス、エルピーダ失墜で、技術者の海外流出が止まらない ■特にオススメ記事はこちら! まるで探偵!? 新オレオレ詐欺は家族情報を調べあげて実行 - Business Journal(8月21日)
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『悪魔のささやき「オレオレ、オレ」: 
日本で最初に振り込み詐欺を
始めた男』(光文社)
 某金融機関に、上品な中年女性から、「息子が長野の病院に勤務しているのだが、病院名で振り込みは可能か」と問い合わせがあった。前例のない特殊詐欺(オレオレ詐欺)が、今まさに実行に移されようとしている瞬間だった。  今年6月東京で、これまでには考えられないような“オレオレ詐欺”が発生した。それは、あたかも“オレオレ詐欺の新時代”を告げるかのような、非常に巧妙に仕組まれたものだった。事の経緯をつぶさに追ってみよう。 「車上荒らしにあって、鞄を盗まれた。携帯電話も鞄の中に入っていたので、今は病院のPHSを使っている。携帯電話を新しくするまで、このPHSで連絡を取ることになる。実は鞄の中には病院の書類が入っていた。その中には、医療事故の書類も入っている。これがマスコミに漏れると大変なことになる」  都内で病院を経営する裕福な経営者の夫人に、息子と名乗る男から上記のような電話がかかってきたのは、6月の中旬だった。  夫人は息子の不始末に動揺し、すぐに現金を振り込むことにする。振り込みが可能か問い合わせを受けた金融機関では、10万円を超える金額を振り込むためには、振込先の病院の謄本が必要である旨を説明し、振り込みを断った。  すると、夫人は、「息子名義で振り込んで欲しい」と依頼。30分ほど後に夫人は現金400万円を持参して、金融機関に来店した。  夫人はこの金融機関にとっては、超優良取引先であり、来店時には常に管理職が応接室で対応を行っていた。この時も、いつもどおりに支店長が応対にあたった。息子への多額の現金の振り込みを不審に思った支店長は、理由を尋ねると、夫人はうつむきかげんで小さな声で、「医療ミスの関係で……」と答える。  60歳手前であり、良識をわきまえた夫人の言葉に、よほど明かせない理由があるのだろうと思った支店長は振り込みの手続きを行った。ここから、この新たな“オレオレ詐欺劇”の過激さは度を増していく。  4日後、再び、同じ金融機関に夫人が現金400万円を持参して来店する。この時には次長が応対し、理由を尋ねたが夫人からは同様の理由が述べられ、追加資金として400万円が振り込まれた。  翌日、夫人が来店し、普通預金から200万円を振り込んで欲しい、と依頼し、同様に振込手続きがとられた。そのまた翌日も、夫人は400万円の現金を持参し振り込みを依してきたという。その上、帰り際、夫人は「午後に自宅に集金に来て欲しい」と依頼する。次長が自宅を訪ねると、振込資金として300万円の現金を預かった。  この事件が新たな展開を見せたのは、2日後だった。夫人が息子の勤務する長野の病院を訪ね、息子本人に確認したところ、すべてが詐欺であることが明らかになった。一連の振込による被害額は1700万円。そのほかにも、別の金融機関から300万円を行っていたことが判明し、被害総額は2000万円にのぼった。  婦人はなぜ、こんなに簡単に多額のオレオレ詐欺の被害にあってしまったのか? 実は、最初の電話の際に、夫人のほかにも娘が電話に出ており、電話の相手が息子本人だと判断している。息子が長野の病院に勤務していること、家族構成など、被害者に関連する情報を細部まで調べ上げ、母親と兄妹が電話で会話をしても、息子本人だと判断してしまうほど巧妙さで詐欺が実行されている。  その手口も巧妙だ。医者という職業にとって他人に口外できない“医療ミス”を詐欺の材料として使い、現金の振込先を、まずは病院を指定して、夫人を信用させている。おそらく犯人は、病院への振り込みが簡単にできないことを知っていたのであろう。その上で、息子本人に振り込むように仕向けている。  振込先はすべてゆうちょ銀行の口座。ゆうちょ銀行への振り込みは、「ゆうちょ銀行123支店」といったように、郵便局名の表記がなく、口座がどの郵便局に作られたものなのかは、すぐには分からない。  さらに、2回目以降の振り込みからは、振込先がその度ごとに変わっている。そのために犯人は、「弁護士費用の支払い」など、さまざまな理由を付けているのだ。  息子本人と簡単に連絡が取れないように、携帯電話も盗難に遭っていることにして、さらに病院関係者が仕事ではPHSを使っているという知識を持った上で、PHSの電話番号を教えているなど、これまでのオレオレ詐欺のように、行き当たりばったりの単純さではなく、詳細な家族情報をベースに緻密なシナリオの下で詐欺が実行されている。その賢さには舌を巻くばかりだ。 (文=鷲尾香一/ジャーナリスト) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 【対談】岩瀬大輔・中川淳一郎「仕事がデキない人の条件」 ゼネコンを次々とのみ込む大和ハウスが鹿島を超える日 ルネサス、エルピーダ失墜で、技術者の海外流出が止まらない 介護職員の年収は4倍に!?「日本再生戦略」のウソ 【対談】岩瀬大輔・中川淳一郎「“低い”意識を持て!」 銀行の強引勧誘で4千万円損害 被害者が語るデリバティブの罠 介護職員の年収は4倍に!?「日本再生戦略」のウソ  

「彼がいないなら学校を辞める!?」 保険金詐欺で逮捕の"名物高校野球監督"、地元の評判

 高校野球部の人気監督が逮捕され、生徒や出身選手にショックを与えている。  岡山県の私立倉敷高校の野球部監督、山本セキ容疑者(42)が11日、岡山県警に詐欺容疑で逮捕された。今年2月、野球部のバスを修理に出した際、自身が所有するバスを代車として父親の崔再鉉容疑者(同罪で逮捕)から借りたように装い、保険会社から約47万円を騙し取った疑いだ。  本人は「正規の代車契約」と容疑を否認しているが、同校は既に6月の時点で山本容疑者を解雇している。  山本容疑者は英語教員ながら野球部監督を務め、一昨年ドラフト2位で巨人に入団した宮本武文を育てた人物としても知られる"地元の大物指導者"だ。同校の関係者はこう語る。 「宮本選手は"素材は良いがルーズな性格で大成はしない"と言われていたが、山本監督が夜遅くまで練習に付き合い、生活態度に至るまで指導したんです。宮本選手にとっては恩人と言える存在でしょう」  山本容疑者は学生時代、4番打者として県大会ベスト8の記録を残した後、一時は韓国プロ野球チームに所属したこともあった。海外留学経験を生かし英語教員として勤務しながらアマチュア資格を取得、07年の津田大樹(元日本ハム)と宮本、2年連続でプロ野球選手を輩出した。 「特に投手指導は"ヤマモトメソッド"と呼ばれる独自の指導法が知られていて、野球誌でも紹介されたほど。彼に教わりたいという入学者も多かった」(前出関係者)  柔道金メダリスト山下泰裕氏に似た体格の良い人物で「特に金に困っているという話は聞いたことがなかった」と同関係者。バス代の保険金詐欺とはあまりにもお粗末な話だが、問題は逮捕前から野球部にも動揺が広がっていたことだという。 「つい先日まで、なぜ彼がいなくなったか、ほとんど誰も知らなかったと思います。説明もなく監督が解任されたことで"山本監督がいないなら転校する"と言い出す生徒もいましたし、今後有力な生徒を集めるのは難しくなるという不安も高まっています」  野球部にも危機をもたらした名監督の逮捕、その影響は大きい。 (文=鈴木雅久)
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「秋本治も推奨」は大嘘! 人気コミック『こち亀』がマルチ商法の宣伝に使われていた

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 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で長期連載され、昨年はテレビドラマ化した人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が、ネットワークビジネス、いわゆるマルチまがい商法の宣伝材料となっていたことが分かった。  『こち亀』を宣伝に使っていたのは、千円札タイプのガチャガチャをネットワークビジネスとして販売していた株式会社マリーンワークの会員たちだ。  元会員だったN氏が見せてくれた会社資料によると、同社は約32万円する機械本体の代理店登録者を大々的に募集。勧誘人数によってボーナスとして利益から分配金を支払い、成績によって「ダイヤモンドリーダー」など肩書きを設定するなど、典型的なネットワークビジネスの形だったと見られる。  平成13年に設立されたと見られる同社だが、同年7月に「週刊少年ジャンプ」が掲載した『こち亀』が、偶然にもこの千円ガチャガチャを扱った物語だった。「ガチャガチャコチャゴチャパラダイス!の巻」と題されたストーリーは、主人公の両津勘吉が廃棄されたガチャガチャを拾って、千円という価格設定に改造。商品を高級品にして大ヒットを記録するというもの。実際に千円ガチャガチャを販売する側にとっては、この上ない追い風となったわけだ。  N氏もその『こち亀』で入会を決めたというひとり。
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「この『こち亀』のストーリーを複製したものを幹部の人から資料と一緒に渡され、『作者の秋本治さんもこのビジネスを推薦している』なんて話をされたのんです」  こう証言するN氏から実際の資料を見せてもらった。約20ページの漫画のコピーがホチキスで綴じられ、ネットワークビジネスの解説と一緒のファイルケースに入れられていた。  これについて発行元の集英社に聞いたところ、「全く初耳で、宣伝に使用することを認めたことはない」との返答。無断で利用されたと見られるが、業務のために複製している時点で違法行為の疑いがある。  このマリーンワーク、過去の日本流通産業新聞では、「紹介販売が好調」と大々的に紹介され、清水道訓社長も顔写真つきで登場していたが、今回の件でパンフレットにある電話番号にかけると、女性が出て「うちはただの民家ですが、その手の問い合わせ電話が絶えない」と激怒されてしまった。
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 N氏によると「会員が増えなくなっても、カプセルの中身を販売し続けるので永久的に続くと説明を受けましたが、実際には会員が増えなくなってきたところで勝手に解散されてしまった」という。 「もう機械が壊れたりしても何のサポートも受けられないんです。連中はそのまま、健康食品とか別の商材でも同じようなネットワークビジネスをやっていたようです。いまもこち亀を見るたびに嫌な気分になる」とN氏。  『こち亀』には何の罪もないだけに、何とも迷惑な話ではある。
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