
TBS『ピラミッド・ダービー』番組ホームページより

TBS『ピラミッド・ダービー』番組ホームページより

『ジェイソン・ボーン』新ビジュアル
『ジェイソン・ボーン』30秒トレーラー

「ユリイカ」(青土社)2016年6月号

『ゴーストバスターズ』本ポスタービジュアル

ニコニコ動画「森喜朗チャンネル」より
「VR(バーチャルリアリティ)元年」と呼ばれて久しい今年2016年。10月に予定されているPlayStation VRの発売までも残り数カ月となり、VRが本格的に我々の生活に入り込んでくる日もいよいよ近づいてきた。それにともない、メディアでも取り上げられる機会が激増。5月31日放送『クローズアップ現代+』(NHK)をはじめ、多くのメディアで特集されるようになっている。 そんなVR熱の高まりを受けてか、あるVR製品の見本市が、来場客を集め過ぎてしまったがために中止に追いこまれるという騒ぎまで起きた。 その見本市とは、6月12日に開催された「アダルトVRフェスタ」。タイトル通り、18禁のアダルトVR製品に特化した見本市である。秋葉原で行われたこのイベントには、一般来場者入場時間の14時の時点で会場前の歩行者天国が歩行困難になるほど人が押し寄せてしまい、15時前にはイベントの中止を余儀なくされてしまった。主催者は今回の反省を踏まえ、8月にもっと大きい会場でもう一度「アダルトVRフェスタ」開催し直す予定だと発表している。 VHSをお茶の間に普及させた大きな要因は、当時のアダルトビデオの人気にあったわけだが、それと同じように、注目度は高いもののまだまだ認知されていないVR技術が一般家庭に広がるのには、アダルト方面でのVR技術の発達が欠かせないといわれている。 ヘッドマウントディスプレイを装着し、専用の動画を流すと、その動画内で起きていることがまるで現実に起きているかのように錯覚してしまう──VRの技術の肝はここにあるわけだが、アダルト系のVRコンテンツにおいて、より期待されているのが「VR+1D」という技術だ。 「1D」とは、ビデオの映像に様々な周辺機器を連動させるシステムのこと。この技術を用いると、映画やゲームのアクションシーンに合わせてソファなどを動かし、より臨場感を増した映像体験ができるようになる。映画館で導入されている「4D」のようなものだと言えば分かりやすいだろうか。 これを、主観もののAVやエロゲーのVR映像と同期させれば、映像に出演している相手と本当にイチャついているような錯覚を味わうことができる。具体的には、映像の動きに合わせてオナホールが動いて疑似フェラや疑似手コキを楽しむなどの応用が考えられる。そういった技術はすでに実現段階にまで来ており、「アダルトVRフェスタ」でも、映像連動型のオナホール「MAIKO-DOS」「A10 CYCLONE SA」といったものが出展されていた。また、胸に貼り付けると動画に連動してバイブレーターが乳首を責めてくれる、チクニー用のパッド「U.F.O. SA」といった変わり種まである。 そんななかでも、ひと際注目を集めていたのが、「なないちゃんとあそぼ」というゲームだ。「なないちゃんとあそぼ」は空気で膨らませた人型のバルーンにスマートフォンをくくりつけ、その風船を性行為のようにピストンして遊ぶ。ヘッドマウントディスプレイには全裸になった美少女ゲームのキャラクターが映し出されているのだが、バルーンにくくりつけたスマートフォンがセンサーの役割を果たしており、風船の体位を変えればそれに合わせて映像内のキャラの体位が変わったり、ピストンに合わせておっぱいが揺れたりと、かなり高次元で疑似セックス体験を可能にしているという。 しかし、ここまで没入感が強く、リアルなセックスを疑似体験できるコンテンツが普及してしまったら、ただでさえ少子化・若者のセックス離れが叫ばれる最中、さらにその傾向が進行してしまうのではないだろうか? 「SPA!」2016年6月28日・7月5日号(扶桑社)で、セクシュアリティ・ジェンダーの問題に詳しい、京都教育大学の関口久志教授はこう警鐘を鳴らしている。 「障害や医療、介護の面でロボットが登場するのは望ましいこと。ただ、人間の性欲を満たすことを手助けするために、過度にテクノロジーが採用されるのは危険ではないでしょうか」 「日本性教育協会の統計を見ると、今の若者のデート率やセックス率は下降傾向にある。男性を中心に“性の不活性化”が起こっているんです。その背景には、経済的な格差が密接に関係していると分析されていますが、もし安価かつ手軽に、また刺激的に性を満たせるテクノロジーが普及すれば、ますます対人間コミュニケーションが減ってしまいます」 当のアダルトVR製作の担い手たちも、もちろん関口教授が危惧しているような状況は認識している。いや、むしろ、だからこそVR技術の開発に力を入れているのだ。日本アダルトVR推進機構の吉田健人氏は、ウェブサイト『電ファミニコゲーマー』のインタビューでこのように語っている。彼らが目指しているのは、まさに生身の人間とのセックスを「オワコン」化させることなのである。 「真面目な話をすると、世の中は異性とのやりとりやデートへの誘いなど、性交に対するコストが高いと思うんです」 「いまの段階では没入感が軸になっていますが、今後アダルトVRの研究が進めば、インタラクティブに映像とコミュニケーションが取れるようになっていくと思います。 そうなると現実の代わりができるようになると思っているんです」 「近いうちに、性行為は完全にバーチャルでするものとなり、概念も変わっていっていると思いますね。 むしろ変えていくことを活動目標としていますので、期待していてほしいです」 ただ、このインタビューのなかで吉田氏も「デバイスやコンテンツが出揃っていません」と語っているのだが、現状ではアダルトVRの開発は進んでいるとは言い難い面がある。 「週刊プレイボーイ」(集英社)16年7月4日号で、VRゴーグルの開発も手がける家電メーカーの社員は、アダルトVRコンテンツの前に立ちふさがる障壁をこのように語っている。 「現在、VR関連に最も力を入れているのはGoogle、Facebookなどエロご法度のグローバル企業です。なのでアダルトとの連携はありえません。だからこそ、DMMのような体力がありアダルトにも強い企業に頑張ってもらいたいですね」 前述「なないちゃんとあそぼ」も、「アダルトVRフェスタ」以前にVR関係の見本市に出展していたときは、空気人形をピストンするとビームが撃てるシューティングゲームという形に偽装していたそうだが、それでも多方面から強い批判を浴びたという。 そんな事情もあり、アダルト系VRコンテンツ開発には大きい障壁があるのだが、それでもDMMはすでにアダルトVR動画の配信をスタート済み。今後も、各メーカーと連携して作品を増やしていく予定だという。 日本国内における「おとなのおもちゃ」メーカーといえば、まずはTENGAが思い浮かぶが、もちろんTENGAもこういった最新技術の導入に向けた開発は行っているものの、その商品化ということを考えると、なかなか艱難辛苦があるようだ。株式会社TENGA取締役、広報宣伝担当の松浦隆氏はこう語っている。 「新しい技術が出てくると、どう商品に絡めるかという部分ばかりが強調されます。ただ、本当に重要なのは、新技術が導入された製品をユーザーが満足し、認めてくれるかどうか。また、価格の問題もあります。今、巷で騒がれている商品が、ユーザーに認められるレベルで実現するには、まだまだ時間と研究が必要になるのでは」(前述「SPA!」) 今日明日ですぐにアダルトVRが我々の日常に溶け込むということはなかなか難しそうだが、アダルトVRが一般化されれば、我々の性意識は根本から覆されてしまう、ということは間違いなさそうだ。 (田中 教)アダルトVRフェスタ公式ページより
「VR(バーチャルリアリティ)元年」と呼ばれて久しい今年2016年。10月に予定されているPlayStation VRの発売までも残り数カ月となり、VRが本格的に我々の生活に入り込んでくる日もいよいよ近づいてきた。それにともない、メディアでも取り上げられる機会が激増。5月31日放送『クローズアップ現代+』(NHK)をはじめ、多くのメディアで特集されるようになっている。 そんなVR熱の高まりを受けてか、あるVR製品の見本市が、来場客を集め過ぎてしまったがために中止に追いこまれるという騒ぎまで起きた。 その見本市とは、6月12日に開催された「アダルトVRフェスタ」。タイトル通り、18禁のアダルトVR製品に特化した見本市である。秋葉原で行われたこのイベントには、一般来場者入場時間の14時の時点で会場前の歩行者天国が歩行困難になるほど人が押し寄せてしまい、15時前にはイベントの中止を余儀なくされてしまった。主催者は今回の反省を踏まえ、8月にもっと大きい会場でもう一度「アダルトVRフェスタ」開催し直す予定だと発表している。 VHSをお茶の間に普及させた大きな要因は、当時のアダルトビデオの人気にあったわけだが、それと同じように、注目度は高いもののまだまだ認知されていないVR技術が一般家庭に広がるのには、アダルト方面でのVR技術の発達が欠かせないといわれている。 ヘッドマウントディスプレイを装着し、専用の動画を流すと、その動画内で起きていることがまるで現実に起きているかのように錯覚してしまう──VRの技術の肝はここにあるわけだが、アダルト系のVRコンテンツにおいて、より期待されているのが「VR+1D」という技術だ。 「1D」とは、ビデオの映像に様々な周辺機器を連動させるシステムのこと。この技術を用いると、映画やゲームのアクションシーンに合わせてソファなどを動かし、より臨場感を増した映像体験ができるようになる。映画館で導入されている「4D」のようなものだと言えば分かりやすいだろうか。 これを、主観もののAVやエロゲーのVR映像と同期させれば、映像に出演している相手と本当にイチャついているような錯覚を味わうことができる。具体的には、映像の動きに合わせてオナホールが動いて疑似フェラや疑似手コキを楽しむなどの応用が考えられる。そういった技術はすでに実現段階にまで来ており、「アダルトVRフェスタ」でも、映像連動型のオナホール「MAIKO-DOS」「A10 CYCLONE SA」といったものが出展されていた。また、胸に貼り付けると動画に連動してバイブレーターが乳首を責めてくれる、チクニー用のパッド「U.F.O. SA」といった変わり種まである。 そんななかでも、ひと際注目を集めていたのが、「なないちゃんとあそぼ」というゲームだ。「なないちゃんとあそぼ」は空気で膨らませた人型のバルーンにスマートフォンをくくりつけ、その風船を性行為のようにピストンして遊ぶ。ヘッドマウントディスプレイには全裸になった美少女ゲームのキャラクターが映し出されているのだが、バルーンにくくりつけたスマートフォンがセンサーの役割を果たしており、風船の体位を変えればそれに合わせて映像内のキャラの体位が変わったり、ピストンに合わせておっぱいが揺れたりと、かなり高次元で疑似セックス体験を可能にしているという。 しかし、ここまで没入感が強く、リアルなセックスを疑似体験できるコンテンツが普及してしまったら、ただでさえ少子化・若者のセックス離れが叫ばれる最中、さらにその傾向が進行してしまうのではないだろうか? 「SPA!」2016年6月28日・7月5日号(扶桑社)で、セクシュアリティ・ジェンダーの問題に詳しい、京都教育大学の関口久志教授はこう警鐘を鳴らしている。 「障害や医療、介護の面でロボットが登場するのは望ましいこと。ただ、人間の性欲を満たすことを手助けするために、過度にテクノロジーが採用されるのは危険ではないでしょうか」 「日本性教育協会の統計を見ると、今の若者のデート率やセックス率は下降傾向にある。男性を中心に“性の不活性化”が起こっているんです。その背景には、経済的な格差が密接に関係していると分析されていますが、もし安価かつ手軽に、また刺激的に性を満たせるテクノロジーが普及すれば、ますます対人間コミュニケーションが減ってしまいます」 当のアダルトVR製作の担い手たちも、もちろん関口教授が危惧しているような状況は認識している。いや、むしろ、だからこそVR技術の開発に力を入れているのだ。日本アダルトVR推進機構の吉田健人氏は、ウェブサイト『電ファミニコゲーマー』のインタビューでこのように語っている。彼らが目指しているのは、まさに生身の人間とのセックスを「オワコン」化させることなのである。 「真面目な話をすると、世の中は異性とのやりとりやデートへの誘いなど、性交に対するコストが高いと思うんです」 「いまの段階では没入感が軸になっていますが、今後アダルトVRの研究が進めば、インタラクティブに映像とコミュニケーションが取れるようになっていくと思います。 そうなると現実の代わりができるようになると思っているんです」 「近いうちに、性行為は完全にバーチャルでするものとなり、概念も変わっていっていると思いますね。 むしろ変えていくことを活動目標としていますので、期待していてほしいです」 ただ、このインタビューのなかで吉田氏も「デバイスやコンテンツが出揃っていません」と語っているのだが、現状ではアダルトVRの開発は進んでいるとは言い難い面がある。 「週刊プレイボーイ」(集英社)16年7月4日号で、VRゴーグルの開発も手がける家電メーカーの社員は、アダルトVRコンテンツの前に立ちふさがる障壁をこのように語っている。 「現在、VR関連に最も力を入れているのはGoogle、Facebookなどエロご法度のグローバル企業です。なのでアダルトとの連携はありえません。だからこそ、DMMのような体力がありアダルトにも強い企業に頑張ってもらいたいですね」 前述「なないちゃんとあそぼ」も、「アダルトVRフェスタ」以前にVR関係の見本市に出展していたときは、空気人形をピストンするとビームが撃てるシューティングゲームという形に偽装していたそうだが、それでも多方面から強い批判を浴びたという。 そんな事情もあり、アダルト系VRコンテンツ開発には大きい障壁があるのだが、それでもDMMはすでにアダルトVR動画の配信をスタート済み。今後も、各メーカーと連携して作品を増やしていく予定だという。 日本国内における「おとなのおもちゃ」メーカーといえば、まずはTENGAが思い浮かぶが、もちろんTENGAもこういった最新技術の導入に向けた開発は行っているものの、その商品化ということを考えると、なかなか艱難辛苦があるようだ。株式会社TENGA取締役、広報宣伝担当の松浦隆氏はこう語っている。 「新しい技術が出てくると、どう商品に絡めるかという部分ばかりが強調されます。ただ、本当に重要なのは、新技術が導入された製品をユーザーが満足し、認めてくれるかどうか。また、価格の問題もあります。今、巷で騒がれている商品が、ユーザーに認められるレベルで実現するには、まだまだ時間と研究が必要になるのでは」(前述「SPA!」) 今日明日ですぐにアダルトVRが我々の日常に溶け込むということはなかなか難しそうだが、アダルトVRが一般化されれば、我々の性意識は根本から覆されてしまう、ということは間違いなさそうだ。 (田中 教)アダルトVRフェスタ公式ページより
元俳優の高知東生の覚せい剤逮捕を受け、6月30日に会見を開き「本当にすみませんでした」と謝罪した妻で女優の高島礼子。だが、この会見をめぐって、 ちょっとした議論が巻き起こっている。それは“夫の犯罪に妻が謝罪する必要があるのか”という問題だ。 7月1日放映の『バイキング』(フジテレビ)でも配偶者の責任、謝罪会見の是非が俎上にのぼった。ジャーナリストの江川紹子がゲストとして登場し、謝罪会見にこんな問題提起を行ったのだ。 「彼女は被害者じゃないですか、どっちかっていうと。家族がこういう風になって混乱してるところに、引っ張り出されていろいろ問われるということ自体が、見ていて気の毒でしょうがない」 「こんな公開の場で言わなきゃいけないような、そういうのを言わないと自分の立つ瀬がないような雰囲気、空気っていうのが、イヤだなと思うんです。犯罪を犯したひとの家族ってそうでなくても苦しんでる人が多いんですね。今回の場合は被害者がいないので、その分ちょっとちがうかもしれないですけど、家族が犯罪を犯したことで白い目で見られたり、仕事に支障をきたしたり、そういうことが、わたしは絶対おかしいと思うんですよね」 ところが、これに対しスタジオのほとんどが江川に反発の声を上げた。その筆頭が梅沢富美男。梅沢は、高島夫妻が芸能人なんだから謝るのは当然だとしてこう声を荒らげた。 「芸能人っていうのはそういうもんなんだよ! だから、重いって言ってんの!(覚せい剤を)やめりゃいいって、更正できるだろうなんてそんな甘いもんじゃない! 一般人だって、薬やったら会社クビだよ」 「俺だって、もしも俺の女房が覚せい剤で捕まったとするよ、そしたら、俺だって、(会見)やんなきゃいけない、しゃべんなきゃいけない」 司会の坂上忍も同様に「自分が同じ立場になったとき、やっぱり責任ゼロはないんだなって思う。梅沢さんもおっしゃってるように、やっぱり芸能人イコール公人、準公人だから、ゼロとは言えない」と妻は謝罪をすべきだと主張。 さらに、東国原英夫にいたっては、妻の謝罪が日本の伝統だという珍理論を展開した。 「それは日本のいい慣習。ケースはちがうけど、乙武さんが不祥事起こしたときに、奥さんが『私にも責任があった』と、そのとき僕は、この奥さん立派だなあと思ったんですね。伝統的ないい面での慣習だと僕は思う」 唯一、江川に賛同したのはパネラーでは渡辺えり。渡辺は「別人格だって思わないと、殺人犯の奥さんもおわびしなくちゃいけない、みたいなそういう感じになっちゃう」「旦那さんが15歳だったら責任あると思う。けど、51歳でしょ。だったら、自分で責任とって」と語ったが、しかし、それも坂上や土田から「では旦那さんに何かあっても謝らないのか」などと猛反発された。 こうしたスタジオの空気に対し、江川はこう反論している。 「芸能人の行動は、報道されたり注目されたりするわけですから。それが当たり前みたいな、スタンダードになってしまう可能性がある。わたしは、それがすごく気になる。芸能人がこういうことしたからっていうんじゃなくて、連帯責任を求めるような社会の風潮がちがうんじゃないかと」 だが、こうした江川の主張はまったく相手にされず、番組は完全に「妻も謝罪すべき」という結論のまま、終わってしまった。 しかし、高島礼子は本当に梅沢や坂上、東国原の言うように謝罪しなければならないのか。たしかに、高島夫妻は揃って芸能界で活動するカップルだった。しかもおしどり夫婦としてこれまで多くのメディアに登場し、夫婦でドラマ共演を果たすなどある意味プライバシーを売りにしてきた芸能カップルでもある。 しかしそれでも夫が犯罪を犯したからといって芸能人妻が公開謝罪するのが“美徳”だなんていう論理はちゃんちゃらおかしい。覚せい剤で逮捕されたのはあくまで高島の夫であり、高島ではない。家族が犯罪を犯せば連帯責任を負わされ、公開謝罪させられ、仕事さえ奪われるというのはまるで封建社会ではないか。 しかも、一番懸念されるのは、江川も主張していたように、芸能人たちが家族の犯罪や不祥事に対して謝罪を繰り返せば、“家族の連帯責任”なるものが一般化されスタンダードになり、芸能人だけではなく一般市民にまで波及する危険性があることだ。 いや実際、“家族に対する連帯責任主義“は既に現実となって現れている。その最たる例が2004年に起きたイラク人質事件と14年から15年にかけてのイスラム国人質殺害事件だろう。 この際人質になったジャーナリストやボランティアなどの人質家族に対し、日本国中が「迷惑をかけたことをあやまれ」などと謝罪要求やバッシングまで巻き起こっている。彼らは人質になった被害者であり犯罪者でもなんでもないにもかかわらず、だ。 また乙武洋匡の不倫騒動の際も妻の謝罪が“美談”として大きく賛美されたのもそうした風潮、認識からだった。 こうした背景には芸能マスコミによる“弱者の生け贄”を求める傾向だけでなく、過剰な家族・夫婦に対しての道徳主義が存在する。 そもそも夫婦関係は性と生殖を国家が管理しするために作りだされたシステムにすぎない。しかもこの“家族”とやらをことさら強調しているのが他ならぬ安倍政権だ。自民党による憲法改正草案24条には“家族”を強調するこんな追加条項がある。 「家族は、社会の自然かつ基本的な単位として、尊重される。家族は、お互いに助け合わなければならない」 憲法にわざわざ“お互い助け合う”などと義務として明記しているのは、本来、国が担うべき社会保障を家族に押しつけるのと同時に、家族に連帯責任を負わせることで、個人の自由を奪おうとするものだ。当然、その先には安倍政権が狙う戦前回帰、家族を戦争協力の基本単位として再構築するという目的がある。 こうした政府の姿勢に、ベッキー騒動でも明らかになったような道徳ファシズムが加わり、今、犯罪や不祥事が起きたら、家族に対して「謝罪せよ」と声高に叫ぶ風潮がどんどんエスカレートしているのだ。今回、高知が義父の介護をしていないことも批判材料とされているが、これにしても「介護は家族がするべき」という規範意識がベースになっている。 今回、テレビ各局は高島の謝罪会見をトップ扱いで長時間にわたり取り上げた。さらに辛辣なはずのコメンテーターたちも高島が謝罪したことやその態度を手放しで絶讃している。 もともと連帯責任、家族の責任論が好きな日本社会とメディアだが、その傾向は恐ろしいほどに加速している。 (伊勢崎馨)太田プロダクションホームページより








Ad Plugin made by Free Wordpress Themes