林真理子が“夫のネトウヨ化”に嘆き節!「定年したおじさんが右傾化するのは産経の無料アプリのせい」

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作家・林真理子が指摘する中高年ネトウヨ化の原因とは(画像は『美女入門スペシャル 桃栗三年美女三十年』マガジンハウスより)
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  最近、ノンポリ、あるいは保守的と言われていた作家や芸能人が安倍政権とその改憲への動きに危機感を表明するケースが増えている。  作家の林真理子もそのひとりだ。林はもともと、安倍首相直轄の有識者会議「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」のメンバーであり、安倍首相や昭恵夫人とも旧知の仲。典型的な安倍応援団と目されてきた作家だったが、昨年の安保法制論議のころからその右傾化政策を批判するようになった。  今年2月には「週刊朝日」(朝日新聞出版)2月12日号の高橋源一郎との対談でこんな不安を口にしている。 「それにしても私、安倍(晋三)さんがこれほど長期政権になって力を持つとは思わなかった。今年になって「改憲」をはっきり言うようになったでしょう。「えっ、ウソ!いつの間に世の中そんなふうに進んだの?」って感じ」 「ほんとにちょっとまずいんじゃないかと思う」  あの林までがこんなことを言い始めるくらい、いまの日本は危ないということだろうが、その林が先日、安倍政権だけでなく、自分の夫の“ネトウヨ化“を憂う発言をして、ちょっとした話題になっている。  発言があったのは、6月27日に復刊された「朝日ジャーナル」(朝日新聞出版社)でのこと。同誌には「『若者たちの神々』のそれから」と題された林と作家・島田雅彦の対談が掲載されているのだが、その対談で林が1961年生まれの島田の年齢を聞いた後、いきなりこんな話を切り出しているのだ。 「うちの夫は団塊の世代ですが、朝日新聞を読みながら『なんだこの記事は。もう朝日をとるのはよせ』と言うのが毎朝の儀式なんです」  これに対し島田は「といっても、産経じゃないでしょう」とフォロー(?)するのだが、どうやら原因は「産経」だったらしい。林は続けて高齢者にありがちな右傾化が産経新聞のネット版によって引き起こされていると分析し始めたのだ。 「私、定年退職したオジサンってどうして右傾化していくんだろうと思っていたんですが、みんなアプリで無料の産経を読むんですよ。お金がなくて新聞とれないから。それを毎朝読んでいるからじゃないかと」  定年退職したオジサンがお金がなくて新聞が取れないかどうかはともかく、ネットにおいて産経新聞のニュースサイトの存在は確かに大きい。というのも、産経は大手メディアのなかでももっとも早くニュース配信の無料化を行ってきたからだ。  2007年10月、産経新聞は日本マイクロソフトが運営するポータルサイトと提携し「MSN産経ニュース」をスタートさせた。  当時既に「YOMIURI ONLINE」(読売新聞)、「アサヒ・コム」(朝日新聞)、「NIKKEI NET」(日本経済新聞)などがあったが、無料なのは記事冒頭だけで、その後は有料だった。しかし「MSN産経ニュース」だけはすべて無料だったことで、多くのポータルサイトも「MSN産経ニュース」をピックアップする割合が大きくなっていく。  幸いなことにMSNは2014年10月に産経との提携を解消し、複数紙の配信を開始したが、ネットにおける産経の影響力は未だに残ったままだ。実際、その影響力についてニュース解説の第一人者である池上彰もこう言っている。 「ニュースについては、最初にネットで無料配信を始めたのは産経新聞です。いまは他紙も公開するようになりましたが、産経の流通量は多いから、基本若者たちが得るニュースは産経新聞のものです。紙では産経新聞は部数が少なく影響力は極めて低いけれど、ネットでは圧倒的なのです」(「世界」2014年12月号/岩波書店)   新聞じたいの発行部数は少ないが、ネット界では絶大な影響力を誇る産経。たしかに、“オジサン”たちが 無料の産経ニュースによっていつしか洗脳されネトウヨ化したというのは、よくあるケースらしい。  しかも、1990年に林と見合い結婚した夫は、典型的な理系人間で、当時売れっ子作家の林の存在すら知らなかった浮世離れした人物として知られる。また、ことあるごとに林に“妻らしさ”を求めてくることも、林自身が面白おかしくエッセイなどに綴ってきた。  世間知らずで、もともと権力的な体質をもっている林の夫はある意味、産経にコロッと騙されてしまうタイプの人物だったということなのかもしれない。  もっとも、林はこの対談でたんに“夫のネトウヨ化”の愚痴を言いたかったわけではない。林は夫の例を引き合いに出しながら、日本のメディア状況、そして朝日の現状にこう喝を入れている。 「私は右側のものも左側のものも読んでいますが、朝日は暴力的なくらい左にいってもいいと思うんですよ。そうでもしないと、世論がどんどん右側にいっちゃう」  これはまさしく正論だ。いまでもたまに上から目線の説教をして炎上を繰り返している林だが、さすが、世の中の空気やメディアに対する嗅覚は衰えていないということだろう。  ちなみに、対談でこうした鋭い発言を連発した林に、相手の島田は「『男のメンツ』とか言ってるバカなオッサンたちをたしなめる伯爵夫人的なポジション二ングを目指すべき。(略)林さんは今まさに、そういう役割をされてますね」と話していたが、それに対する林の答えもまたふるっていた。 「してませんよ。それは曽野綾子さんとかじゃない? 曽野さんって、何を言っても怒られないし。以前も『出産したら会社はお辞めなさい』という発言しても許されている希有な存在です」  謙遜するふりをして微妙に曽野をディスる林。この怖いもの知らずの感じを見ていると、林が曽野のポジションにとって代わる可能性は十分あるかもしれない。そして、そのほうがずっとマシであることは言うまでもない。 (伊勢崎馨)

林真理子が“夫のネトウヨ化”に嘆き節!「定年したおじさんが右傾化するのは産経の無料アプリのせい」

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作家・林真理子が指摘する中高年ネトウヨ化の原因とは(画像は『美女入門スペシャル 桃栗三年美女三十年』マガジンハウスより)
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  最近、ノンポリ、あるいは保守的と言われていた作家や芸能人が安倍政権とその改憲への動きに危機感を表明するケースが増えている。  作家の林真理子もそのひとりだ。林はもともと、安倍首相直轄の有識者会議「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」のメンバーであり、安倍首相や昭恵夫人とも旧知の仲。典型的な安倍応援団と目されてきた作家だったが、昨年の安保法制論議のころからその右傾化政策を批判するようになった。  今年2月には「週刊朝日」(朝日新聞出版)2月12日号の高橋源一郎との対談でこんな不安を口にしている。 「それにしても私、安倍(晋三)さんがこれほど長期政権になって力を持つとは思わなかった。今年になって「改憲」をはっきり言うようになったでしょう。「えっ、ウソ!いつの間に世の中そんなふうに進んだの?」って感じ」 「ほんとにちょっとまずいんじゃないかと思う」  あの林までがこんなことを言い始めるくらい、いまの日本は危ないということだろうが、その林が先日、安倍政権だけでなく、自分の夫の“ネトウヨ化“を憂う発言をして、ちょっとした話題になっている。  発言があったのは、6月27日に復刊された「朝日ジャーナル」(朝日新聞出版社)でのこと。同誌には「『若者たちの神々』のそれから」と題された林と作家・島田雅彦の対談が掲載されているのだが、その対談で林が1961年生まれの島田の年齢を聞いた後、いきなりこんな話を切り出しているのだ。 「うちの夫は団塊の世代ですが、朝日新聞を読みながら『なんだこの記事は。もう朝日をとるのはよせ』と言うのが毎朝の儀式なんです」  これに対し島田は「といっても、産経じゃないでしょう」とフォロー(?)するのだが、どうやら原因は「産経」だったらしい。林は続けて高齢者にありがちな右傾化が産経新聞のネット版によって引き起こされていると分析し始めたのだ。 「私、定年退職したオジサンってどうして右傾化していくんだろうと思っていたんですが、みんなアプリで無料の産経を読むんですよ。お金がなくて新聞とれないから。それを毎朝読んでいるからじゃないかと」  定年退職したオジサンがお金がなくて新聞が取れないかどうかはともかく、ネットにおいて産経新聞のニュースサイトの存在は確かに大きい。というのも、産経は大手メディアのなかでももっとも早くニュース配信の無料化を行ってきたからだ。  2007年10月、産経新聞は日本マイクロソフトが運営するポータルサイトと提携し「MSN産経ニュース」をスタートさせた。  当時既に「YOMIURI ONLINE」(読売新聞)、「アサヒ・コム」(朝日新聞)、「NIKKEI NET」(日本経済新聞)などがあったが、無料なのは記事冒頭だけで、その後は有料だった。しかし「MSN産経ニュース」だけはすべて無料だったことで、多くのポータルサイトも「MSN産経ニュース」をピックアップする割合が大きくなっていく。  幸いなことにMSNは2014年10月に産経との提携を解消し、複数紙の配信を開始したが、ネットにおける産経の影響力は未だに残ったままだ。実際、その影響力についてニュース解説の第一人者である池上彰もこう言っている。 「ニュースについては、最初にネットで無料配信を始めたのは産経新聞です。いまは他紙も公開するようになりましたが、産経の流通量は多いから、基本若者たちが得るニュースは産経新聞のものです。紙では産経新聞は部数が少なく影響力は極めて低いけれど、ネットでは圧倒的なのです」(「世界」2014年12月号/岩波書店)   新聞じたいの発行部数は少ないが、ネット界では絶大な影響力を誇る産経。たしかに、“オジサン”たちが 無料の産経ニュースによっていつしか洗脳されネトウヨ化したというのは、よくあるケースらしい。  しかも、1990年に林と見合い結婚した夫は、典型的な理系人間で、当時売れっ子作家の林の存在すら知らなかった浮世離れした人物として知られる。また、ことあるごとに林に“妻らしさ”を求めてくることも、林自身が面白おかしくエッセイなどに綴ってきた。  世間知らずで、もともと権力的な体質をもっている林の夫はある意味、産経にコロッと騙されてしまうタイプの人物だったということなのかもしれない。  もっとも、林はこの対談でたんに“夫のネトウヨ化”の愚痴を言いたかったわけではない。林は夫の例を引き合いに出しながら、日本のメディア状況、そして朝日の現状にこう喝を入れている。 「私は右側のものも左側のものも読んでいますが、朝日は暴力的なくらい左にいってもいいと思うんですよ。そうでもしないと、世論がどんどん右側にいっちゃう」  これはまさしく正論だ。いまでもたまに上から目線の説教をして炎上を繰り返している林だが、さすが、世の中の空気やメディアに対する嗅覚は衰えていないということだろう。  ちなみに、対談でこうした鋭い発言を連発した林に、相手の島田は「『男のメンツ』とか言ってるバカなオッサンたちをたしなめる伯爵夫人的なポジション二ングを目指すべき。(略)林さんは今まさに、そういう役割をされてますね」と話していたが、それに対する林の答えもまたふるっていた。 「してませんよ。それは曽野綾子さんとかじゃない? 曽野さんって、何を言っても怒られないし。以前も『出産したら会社はお辞めなさい』という発言しても許されている希有な存在です」  謙遜するふりをして微妙に曽野をディスる林。この怖いもの知らずの感じを見ていると、林が曽野のポジションにとって代わる可能性は十分あるかもしれない。そして、そのほうがずっとマシであることは言うまでもない。 (伊勢崎馨)

笑って泣けるホラー『死霊館 エンフィールド事件』のワイルド・スピード的方法論

【リアルサウンドより】  「笑って泣ける〇〇」とは、宣伝でよく使われる定型句の一つであるが、現在公開中の『死霊館 エンフィールド事件』は「笑って泣けるホラー映画」と言うべきだろう。  本作は、アメリカに実在する心霊研究家ウォーレン夫妻が、実際に体験した怪事件を描く! という触れ込みの『死霊館(13年)』の続編だ。前作は『SAW』(04年)でデビュー後、『狼の処刑宣告』(07年)『インシディアス』(10年)など、快作を連発し続けていたジェームズ・ワンが監督を務め、幽霊屋敷モノという古典的なテーマながら、「音」と「映像」を巧みに使うことで新鮮な恐怖映画に仕上がっていた。その続編である『エンフィールド事件』では、もちろんワン監督と主要キャストが続投。舞台をイギリスに移し、ウォーレン夫妻が再び悪霊の住む家の恐怖に挑むわけだが……その映画の方向性は、前作とは明らかに異なっている。ワン監督の見事な恐怖演出に加えて(ワン監督の必殺技とも言える、独特のカメラワークが連発!)、今までのワン監督にはなかったとも言える、エモーショナルな部分が加味されているのだ。つまり、怖いところはとことん怖く、その一方で笑えるところは笑えて、しかも胸に来るようなエモーショナルさがあるのだ。俗にも「恐怖と笑いは紙一重」と言うが、それゆえに、そのバランスをコントロールするのは難しい。「恐怖」に傾き過ぎれば「ドン引き」に、笑いに傾きすぎれば「どっちらけ」の状態になりがちだ。しかも「泣ける」的な要素を加えるとなると――、三つの要素を全て立たせるのは至難の業だ。しかし、ワン監督はそれを成し遂げている。これはちょっと異常と言ってもいいだろう。いったいワン監督は何故、こんな難しい仕事をやってのけることができたのか?
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 ここで注目すべきはワン監督の前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)だ。『ワイルド・スピード』と言えば、2016年現在、最も成功しているフランチャイズ映画であり、まさにハリウッド・エンタテイメントの超王道と言っていいだろう。『SKY MISSION』も、ロスの暴走族が世界を救うために車で空を爆走する娯楽大作であり、同時に主演のポール・ウォーカーの事故死という不幸に見舞われた作品でもある。この映画でワン監督はロスの街中でミサイルが飛び交う大アクションを演出しつつ、ポール・ウォーカーとの映画史上に残る感動的な「別れ」を描いてみせた。この別れのシーンは世界中を涙で包み、ここで印象的に使われたウィズ・カリファの楽曲『See You Again』は12週連続ビルボードチャート1位という特大ヒットになった。  ワン監督は恐らくここで何かを掴んだのだろう。その何かとは……、ワイルド・スピード的な方法論、つまり「ワイスピメソッド」とも言うべきものである。つまり、驚異的なテンポの良さと、友情の尊さという普遍的なテーマを主題に置き、その友情が最高に高まる瞬間を音楽で印象的に盛り上げるやり方だ。そう思って見ると、本作の随所にワイスピ的な部分が確認できる。ウォーレン夫妻や、心霊現象に苦しむイギリスの絆を感じさせる描写は、明らかに前作より強くなっている。この「ファミリー感」はワイスピのそれに近い。さらに、特筆すべきは音楽の使い方である。本作ではエルヴィス・プレスリーの『好きにならずにいられない』が使われているが、これがワイスピの『See You Again』にも勝るとも劣らないエモーショナルなシーンを作り上げている。それに、心なしかウォーレン旦那は前作以上にタフガイになっているし、クライマックスは、ほとんどアクション映画のテンションだ。劇中でチラっと出てくる車を走らせるシーンも、若干ワイスピっぽくカッコいい撮り方をしている。
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 本作はワイスピのノリがあるホラー映画である。もちろん、このようなワイスピのノリを持ち込んでおきながら、怖いところはちゃんと怖い。しかも、人を選ぶグロテスクなシーンもほとんどなく、家族やカップルで見るのにも最適だろう。本作は、怖くて、笑えて、泣ける、極上のエンタテイメント映画である。まさに夏休みにピッタリの映画だと言えよう。 ■加藤ヨシキ ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。 『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。 ■公開情報 『死霊館 エンフィールド事件』 7月9日(土)新宿ピカデリーほか全国公開 監督:ジェームズ・ワン 原案:チャド&ケイリー・ヘイズ、ジェイムズ・ワン 脚本:チャド&ケイリー・ヘイズ、ジェイムズ・ワン、デイビッド・レスリー・ジョンソン 出演:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、マディソン・ウルフ、フランカ・ポテンテほか 配給:ワーナー・ブラザース映画 2016/アメリカ/シネスコ/デジタル/原題:The Conjuring 2  (c)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED 公式サイト:www.shiryoukan-enfield.jp

笑って泣けるホラー『死霊館 エンフィールド事件』のワイルド・スピード的方法論

【リアルサウンドより】  「笑って泣ける〇〇」とは、宣伝でよく使われる定型句の一つであるが、現在公開中の『死霊館 エンフィールド事件』は「笑って泣けるホラー映画」と言うべきだろう。  本作は、アメリカに実在する心霊研究家ウォーレン夫妻が、実際に体験した怪事件を描く! という触れ込みの『死霊館(13年)』の続編だ。前作は『SAW』(04年)でデビュー後、『狼の処刑宣告』(07年)『インシディアス』(10年)など、快作を連発し続けていたジェームズ・ワンが監督を務め、幽霊屋敷モノという古典的なテーマながら、「音」と「映像」を巧みに使うことで新鮮な恐怖映画に仕上がっていた。その続編である『エンフィールド事件』では、もちろんワン監督と主要キャストが続投。舞台をイギリスに移し、ウォーレン夫妻が再び悪霊の住む家の恐怖に挑むわけだが……その映画の方向性は、前作とは明らかに異なっている。ワン監督の見事な恐怖演出に加えて(ワン監督の必殺技とも言える、独特のカメラワークが連発!)、今までのワン監督にはなかったとも言える、エモーショナルな部分が加味されているのだ。つまり、怖いところはとことん怖く、その一方で笑えるところは笑えて、しかも胸に来るようなエモーショナルさがあるのだ。俗にも「恐怖と笑いは紙一重」と言うが、それゆえに、そのバランスをコントロールするのは難しい。「恐怖」に傾き過ぎれば「ドン引き」に、笑いに傾きすぎれば「どっちらけ」の状態になりがちだ。しかも「泣ける」的な要素を加えるとなると――、三つの要素を全て立たせるのは至難の業だ。しかし、ワン監督はそれを成し遂げている。これはちょっと異常と言ってもいいだろう。いったいワン監督は何故、こんな難しい仕事をやってのけることができたのか?
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 ここで注目すべきはワン監督の前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)だ。『ワイルド・スピード』と言えば、2016年現在、最も成功しているフランチャイズ映画であり、まさにハリウッド・エンタテイメントの超王道と言っていいだろう。『SKY MISSION』も、ロスの暴走族が世界を救うために車で空を爆走する娯楽大作であり、同時に主演のポール・ウォーカーの事故死という不幸に見舞われた作品でもある。この映画でワン監督はロスの街中でミサイルが飛び交う大アクションを演出しつつ、ポール・ウォーカーとの映画史上に残る感動的な「別れ」を描いてみせた。この別れのシーンは世界中を涙で包み、ここで印象的に使われたウィズ・カリファの楽曲『See You Again』は12週連続ビルボードチャート1位という特大ヒットになった。  ワン監督は恐らくここで何かを掴んだのだろう。その何かとは……、ワイルド・スピード的な方法論、つまり「ワイスピメソッド」とも言うべきものである。つまり、驚異的なテンポの良さと、友情の尊さという普遍的なテーマを主題に置き、その友情が最高に高まる瞬間を音楽で印象的に盛り上げるやり方だ。そう思って見ると、本作の随所にワイスピ的な部分が確認できる。ウォーレン夫妻や、心霊現象に苦しむイギリスの絆を感じさせる描写は、明らかに前作より強くなっている。この「ファミリー感」はワイスピのそれに近い。さらに、特筆すべきは音楽の使い方である。本作ではエルヴィス・プレスリーの『好きにならずにいられない』が使われているが、これがワイスピの『See You Again』にも勝るとも劣らないエモーショナルなシーンを作り上げている。それに、心なしかウォーレン旦那は前作以上にタフガイになっているし、クライマックスは、ほとんどアクション映画のテンションだ。劇中でチラっと出てくる車を走らせるシーンも、若干ワイスピっぽくカッコいい撮り方をしている。
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 本作はワイスピのノリがあるホラー映画である。もちろん、このようなワイスピのノリを持ち込んでおきながら、怖いところはちゃんと怖い。しかも、人を選ぶグロテスクなシーンもほとんどなく、家族やカップルで見るのにも最適だろう。本作は、怖くて、笑えて、泣ける、極上のエンタテイメント映画である。まさに夏休みにピッタリの映画だと言えよう。 ■加藤ヨシキ ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。 『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。 ■公開情報 『死霊館 エンフィールド事件』 7月9日(土)新宿ピカデリーほか全国公開 監督:ジェームズ・ワン 原案:チャド&ケイリー・ヘイズ、ジェイムズ・ワン 脚本:チャド&ケイリー・ヘイズ、ジェイムズ・ワン、デイビッド・レスリー・ジョンソン 出演:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、マディソン・ウルフ、フランカ・ポテンテほか 配給:ワーナー・ブラザース映画 2016/アメリカ/シネスコ/デジタル/原題:The Conjuring 2  (c)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED 公式サイト:www.shiryoukan-enfield.jp

痴漢事件を起こしたHey! Say! JUMP中島裕翔のドラマがお咎めなしでそのまま放送開始! マスコミはジャニーズに甘すぎだ

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フジテレビ『HOPE~期待ゼロの新入社員~』番組ページより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  本日21時から始まるフジテレビの新ドラマ『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』。芸能マスコミはこの作品が韓国で大人気を博したドラマ『ミセン─未生─』のリメイク版であるとか、久しぶりにスピッツが主題歌に起用されたといったどうでもいい話をやたら話題にしているが、その前に、もっと指摘することがあるだろう。  それは、このドラマで主演をつとめているHey! Say! JUMPの中島裕翔が、痴漢行為で警察沙汰にまでなったのに、降板させられることもなく、そのまま放送が始まってしまうということだ。  中島のスキャンダルといえば、吉田羊との7連泊熱愛報道が真っ先に思い浮かぶかもしれないが、実は、そのお泊りの翌日、4月1日の早朝に酔っぱらって痴漢行為をはたらいていたのだ。そのことを報じた「週刊文春」(文藝春秋)5月26日号によると、30代の女性会社員から「男性に路上で抱きつかれ、上半身をさわられるなどした」という110番通報があり、警察が駆けつけると、そこには泥酔した中島がいたという。  この事件に関しては、ジャニーズ事務所も事実だと認めており、「文春」の取材に対してもこう答えている。 「泥酔下とはいえ、このような事態になりました点について、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。本人も深く反省しております」  結局、女性が被害届けを出さなかったため事件化することはなかったが、酔っぱらって見知らぬ女性に抱きつくなど、立派な痴漢行為である。ジャニーズ事務所はエクスキューズのように「泥酔下とはいえ」などと言っているが、会社員や公務員が泥酔して電車の中で女性の身体にさわるなどして逮捕される事件は頻繁に報道されている。  同じ芸能人でいえば、市川海老蔵が関東連合関係者に暴行を受けた際など、被害者であったにも関わらず、マスコミは酒癖や態度の悪さをこれでもかと責め立てた。まして、中島は痴漢行為の加害者だ。ほかの芸能人なら、番組降板や謹慎は不可避、場合によっては芸能界追放に追い込まれかねない不祥事だ。  実際、一部のメディア関係者のあいだでは、「さすがに今回はなんらかのペナルティが中島に課せられるだろう」「おそらくドラマ主演は流れるのではないか」という見方もあった。 「『文春』にもスポンサーとペナルティを相談しているという情報が書かれていましたし、最低でも、草なぎ剛の全裸騒動のような短期休養は免れないんじゃないか、と言われていましたね。当然、ドラマも企画そのものがなくなってしまうだろう、と」(芸能関係者)  ところがフタを開けてみると、『HOPE』の7月17日からの放送開始というスケジュールも、中島が主演というのもまったく変更なし。6月末には何事もなかったかのように番宣がスタートし、あげく7月5日には後楽園ホールでドラマの“壮行会”なる番宣イベントまで大々的に開催するという厚顔無恥ぶりだった。  このイベントは、中島にとって一連の騒動後はじめての公の場だったが、本人が事件について謝罪することはなく、何食わぬ顔でドラマへの意気込みを語るだけだった。さらに情けないのは、集められたマスコミだ。ドラマの宣伝以外で、記者たちが質問したのは吉田羊との熱愛についてのみ。痴漢騒動について触れるものは、誰ひとりとしていなかった。本人と事務所がだんまりを決め込んだだけでなく、メディア総出で事件自体を完全に“なかったこと”として葬り去ってしまっているのだ。  信じ難い弱腰ぶりだが、しかしこの間の芸能マスコミの様子を考えれば、これもある意味、予想通りではある。というのも、事件発覚以来、ジャニーズ事務所の圧力とそれに服従する芸能マスコミの共犯によって、この中島の不祥事は隠蔽されてきたからだ。 「Hey! Say! JUMPは、飯島(三智)マネージャーを追い出してジャニーズの全権を握りつつある藤島ジュリー景子副社長がいまイチオシのグループ。事務所は事件発生当初から、中島が警察の聴取を受けたことなどを把握していましたが、ジュリー副社長が『なんとしてでも不祥事を抑え込め』と厳命を出し、徹底的に事件潰しに動いていたようです。警察にも手を回していましたし、被害者対策もして、事件化しないよう動いた。『週刊文春』にスッパ抜かれた後も、一応、謝罪コメントを出しましたが、マスコミ各社に報じないようにと箝口令を敷き、フジにはそのままドラマを放送するようにと圧力をかけたと聞いています」(ジャニーズ関係者)  実際、ワイドショーはこの事件のことを1秒たりとも扱わなかったし、中島と吉田羊の7連泊については大々的に報じたスポーツ紙も、痴漢事件についてはほとんど触れなかった。  これがいかに理不尽な状況であるかは、たとえば今年前半のワイドショーを席巻したベッキー不倫騒動、あるいは先日の石田純一の政治的発言問題と比較すれば一目瞭然だろう。  いくら優等生キャラだったとはいえ、ベッキーはたかだか“不倫”というプライベートの問題で、犯罪行為を行ったわけではない。しかしワイドショーを筆頭にしたマスコミはベッキーを糾弾し、すべてのCMを降板、芸能界休養にまで追い込んだ。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)での懺悔インタビュー、復帰会見を経た現在も、本格復帰にはいたっていない。  石田も政権に批判的な発言をしたというだけで、なんの犯罪行為もはたらいていないにもかかわらず、スポンサーから莫大な違約金を請求され、CMやテレビ番組の降板をちらつかされた。  ところが、痴漢騒動という刑事事件に発展する可能性すらあった中島は、会見を開いたり芸能界を休養するどころか、謝罪コメントの一言すらなく、痴漢騒ぎなどなかったかのように一切を無視したまま、連続ドラマ初主演という晴れ舞台に立っているのだ。  ジャニーズ事務所に言われれば、犯罪まがいの行為をはたらいても何事もなかったかのようにドラマ主演の座に居座り続けられる。一方で、弱小事務所のタレントは不倫やご近所トラブル、酒癖、態度の悪さといった些細なことでも猛バッシングを浴びる。なんなら、ベッキーの不倫にくらべれば中島の痴漢行為などまるで些末なことのような錯覚すら視聴者に抱かせてしまう。  ジャニーズ事務所の圧力とそれに服従する芸能マスコミの弱腰ぶりはいつものことだが、いくらなんでもこの理不尽さは異常だ。  野党議員の失言とも言えないような発言がバッシングされるなか、安倍政権の閣僚の賄賂は追及されない。芸能報道に限らず、マスコミの「強きを助け弱きを挫く」体質は、日本社会の“事の大小”を完全に狂わせている。 (島原らん)

痴漢事件を起こしたHey! Say! JUMP中島裕翔のドラマがお咎めなしでそのまま放送開始! マスコミはジャニーズに甘すぎだ

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フジテレビ『HOPE~期待ゼロの新入社員~』番組ページより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  本日21時から始まるフジテレビの新ドラマ『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』。芸能マスコミはこの作品が韓国で大人気を博したドラマ『ミセン─未生─』のリメイク版であるとか、久しぶりにスピッツが主題歌に起用されたといったどうでもいい話をやたら話題にしているが、その前に、もっと指摘することがあるだろう。  それは、このドラマで主演をつとめているHey! Say! JUMPの中島裕翔が、痴漢行為で警察沙汰にまでなったのに、降板させられることもなく、そのまま放送が始まってしまうということだ。  中島のスキャンダルといえば、吉田羊との7連泊熱愛報道が真っ先に思い浮かぶかもしれないが、実は、そのお泊りの翌日、4月1日の早朝に酔っぱらって痴漢行為をはたらいていたのだ。そのことを報じた「週刊文春」(文藝春秋)5月26日号によると、30代の女性会社員から「男性に路上で抱きつかれ、上半身をさわられるなどした」という110番通報があり、警察が駆けつけると、そこには泥酔した中島がいたという。  この事件に関しては、ジャニーズ事務所も事実だと認めており、「文春」の取材に対してもこう答えている。 「泥酔下とはいえ、このような事態になりました点について、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。本人も深く反省しております」  結局、女性が被害届けを出さなかったため事件化することはなかったが、酔っぱらって見知らぬ女性に抱きつくなど、立派な痴漢行為である。ジャニーズ事務所はエクスキューズのように「泥酔下とはいえ」などと言っているが、会社員や公務員が泥酔して電車の中で女性の身体にさわるなどして逮捕される事件は頻繁に報道されている。  同じ芸能人でいえば、市川海老蔵が関東連合関係者に暴行を受けた際など、被害者であったにも関わらず、マスコミは酒癖や態度の悪さをこれでもかと責め立てた。まして、中島は痴漢行為の加害者だ。ほかの芸能人なら、番組降板や謹慎は不可避、場合によっては芸能界追放に追い込まれかねない不祥事だ。  実際、一部のメディア関係者のあいだでは、「さすがに今回はなんらかのペナルティが中島に課せられるだろう」「おそらくドラマ主演は流れるのではないか」という見方もあった。 「『文春』にもスポンサーとペナルティを相談しているという情報が書かれていましたし、最低でも、草なぎ剛の全裸騒動のような短期休養は免れないんじゃないか、と言われていましたね。当然、ドラマも企画そのものがなくなってしまうだろう、と」(芸能関係者)  ところがフタを開けてみると、『HOPE』の7月17日からの放送開始というスケジュールも、中島が主演というのもまったく変更なし。6月末には何事もなかったかのように番宣がスタートし、あげく7月5日には後楽園ホールでドラマの“壮行会”なる番宣イベントまで大々的に開催するという厚顔無恥ぶりだった。  このイベントは、中島にとって一連の騒動後はじめての公の場だったが、本人が事件について謝罪することはなく、何食わぬ顔でドラマへの意気込みを語るだけだった。さらに情けないのは、集められたマスコミだ。ドラマの宣伝以外で、記者たちが質問したのは吉田羊との熱愛についてのみ。痴漢騒動について触れるものは、誰ひとりとしていなかった。本人と事務所がだんまりを決め込んだだけでなく、メディア総出で事件自体を完全に“なかったこと”として葬り去ってしまっているのだ。  信じ難い弱腰ぶりだが、しかしこの間の芸能マスコミの様子を考えれば、これもある意味、予想通りではある。というのも、事件発覚以来、ジャニーズ事務所の圧力とそれに服従する芸能マスコミの共犯によって、この中島の不祥事は隠蔽されてきたからだ。 「Hey! Say! JUMPは、飯島(三智)マネージャーを追い出してジャニーズの全権を握りつつある藤島ジュリー景子副社長がいまイチオシのグループ。事務所は事件発生当初から、中島が警察の聴取を受けたことなどを把握していましたが、ジュリー副社長が『なんとしてでも不祥事を抑え込め』と厳命を出し、徹底的に事件潰しに動いていたようです。警察にも手を回していましたし、被害者対策もして、事件化しないよう動いた。『週刊文春』にスッパ抜かれた後も、一応、謝罪コメントを出しましたが、マスコミ各社に報じないようにと箝口令を敷き、フジにはそのままドラマを放送するようにと圧力をかけたと聞いています」(ジャニーズ関係者)  実際、ワイドショーはこの事件のことを1秒たりとも扱わなかったし、中島と吉田羊の7連泊については大々的に報じたスポーツ紙も、痴漢事件についてはほとんど触れなかった。  これがいかに理不尽な状況であるかは、たとえば今年前半のワイドショーを席巻したベッキー不倫騒動、あるいは先日の石田純一の政治的発言問題と比較すれば一目瞭然だろう。  いくら優等生キャラだったとはいえ、ベッキーはたかだか“不倫”というプライベートの問題で、犯罪行為を行ったわけではない。しかしワイドショーを筆頭にしたマスコミはベッキーを糾弾し、すべてのCMを降板、芸能界休養にまで追い込んだ。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)での懺悔インタビュー、復帰会見を経た現在も、本格復帰にはいたっていない。  石田も政権に批判的な発言をしたというだけで、なんの犯罪行為もはたらいていないにもかかわらず、スポンサーから莫大な違約金を請求され、CMやテレビ番組の降板をちらつかされた。  ところが、痴漢騒動という刑事事件に発展する可能性すらあった中島は、会見を開いたり芸能界を休養するどころか、謝罪コメントの一言すらなく、痴漢騒ぎなどなかったかのように一切を無視したまま、連続ドラマ初主演という晴れ舞台に立っているのだ。  ジャニーズ事務所に言われれば、犯罪まがいの行為をはたらいても何事もなかったかのようにドラマ主演の座に居座り続けられる。一方で、弱小事務所のタレントは不倫やご近所トラブル、酒癖、態度の悪さといった些細なことでも猛バッシングを浴びる。なんなら、ベッキーの不倫にくらべれば中島の痴漢行為などまるで些末なことのような錯覚すら視聴者に抱かせてしまう。  ジャニーズ事務所の圧力とそれに服従する芸能マスコミの弱腰ぶりはいつものことだが、いくらなんでもこの理不尽さは異常だ。  野党議員の失言とも言えないような発言がバッシングされるなか、安倍政権の閣僚の賄賂は追及されない。芸能報道に限らず、マスコミの「強きを助け弱きを挫く」体質は、日本社会の“事の大小”を完全に狂わせている。 (島原らん)

蒼井優、オダギリジョーと密室2人きりに“地獄”発言で「天国だろ」の声 近親相姦で新たなエロス開眼?

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『映画「オーバー・フェンス」』オフィシャルサイトより
 9月17日公開予定の映画『オーバー・フェンス』の完成披露試写会が行われ、主演を務めたオダギリジョーや蒼井優など、主要キャスト陣と山下敦弘監督が登壇したのだが、約10年ぶりにオダギリと共演したという蒼井が、10年前を振り返ったエピソードを披露した際には、オダギリファンの間で波紋の声が広がったようだ。  蒼井とオダギリは、2007年に公開された映画『蟲師』で共演をしたのだが、蒼井いわく、2人は「人見知りが激しい」者同士のようで、撮影時には一言も会話をせず、一度だけ、スタッフがいなくなり、密室でオダギリと2人きりになってしまった際には、「地獄のよう」だったと告白。これには当然、オダギリファンから「そんなシチュエーション、天国としか思えない」という声が聞かれた一方で、蒼井といえば、共演者キラーとして名高いだけに、「意外」という声もネット上では多く寄せられていたようだ。 「『蟲師』は、同名の人気コミックが原作なのですが、蒼井とオダギリのぎこちなさが画面を通じて観客に伝わってしまったのか、あるいは、04年に公開されたアニメーション映画『スチームボーイ』が惨敗して以降、『腕が衰えた』とささやかれていた大友克洋監督の手腕が冴えなかったためなのか、映画は原作ファンから酷評を受け、興行的にも振るわず。しかし、10年ぶりの共演となった今回は、共演者の満島真之介や山下監督らに連れられ、よく飲みに行ったということで、すっかり打ち解けたようで、オダギリ演じる失業男と、蒼井演じるホステスが織り成す大人の恋愛を描いた『オーバー・フェンス』は好評。特に蒼井に関しては、昨年30歳になったということで、『大人の色気がグッと増した』と、業界内でも注目が集まっているようです」(芸能関係者)  蒼井は、今年6月に公演された舞台『あわれ彼女は娼婦』では、近親相姦という禁忌を犯してしまう兄妹の妹役を熱演したのだが、兄役を務めた浦井健治との絡みには、「まさに大人の艶技!」「美しいエロス」などと、高評価を受けていたようだ。 「蒼井は、映画初出演となった、01年に公開された『リリイ・シュシュのすべて』では、援助交際をする女子中学生役を演じ、10年に公開された映画『雷桜』では、岡田将生との濃厚なキスシーンを披露するなど、これまでにも衝撃的な役柄や演技を披露したことはあったのですが、『あわれ彼女は娼婦』に関していえば、近親相姦というテーマで、しかも生の舞台上でラブシーンを披露するという、今までにない過激さでファンを驚かせると同時に、改めてその演技力の高さを見せつけ、『エロス路線開眼か?』『これからさらに進化していくのでは?』などと、業界内でも大きな話題を呼び、さらなる進化を期待する声が寄せられているようです」(同)  蒼井といえば、かつては、堤真一や大森南朋、鈴木浩介、岡田准一などとウワサになるなど、恋多き女優として知られていたのだが、13年に三浦春馬との熱愛を報じられて以降は、浮いた話が流れてこなくなったため、「結婚するのでは?」「Xデーは近い?」とささやかれているようだ。

『エイミー』プロデューサーが語る、亡きシンガーの本当の才能「ゴシップ的な扱いをするべきではなかった」

【リアルサウンドより】  第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に輝いた映画『AMY エイミー』が公開中だ。全世界興行収入約28億円のヒットを記録している本作は、“Rehab”、“Tears Dry On Their Own”、“Back To Black”などのヒット曲を生み、グラミー賞5部門を受賞した歌手、エイミー・ワインハウスの生涯を描いたドキュメンタリー映画。『アイルトン・セナ 音速の彼方へ』の制作スタッフである、アシフ・カパディア(監督)とジェームズ・ゲイ=リース(プロデューサー)が再びタッグを組み、エイミーの波瀾万丈な半生を映し出す。リアルサウンド映画部では、本作のプロデューサーを務めるジェームズ・ゲイ=リースにインタビューを行い、本作の制作秘話をはじめ、エイミー・ワインハウスの魅力、そしてドキュメンタリーを制作する上での考えなどを聞いた。

「彼らと共に生きている感覚を味わってもらいたい」

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ーー今回、エイミー・ワインハウスのドキュメンタリーを撮る上で重要視したのはどんな点でしょうか。 ジェームズ・ゲイ=リース(以下、ジェームズ):最も重要視したことは、エイミーのリアルな姿を描くことだ。アメリカとイギリスでは、彼女はゴシップ紙の見出しにばかりなっていたので、本当の彼女の姿を描くことで、エイミーの人物像を一度リセットしてあげたかった。本来の彼女は本当に才能豊かなアーティストで、ユーモアにも富んだ素敵な人だった。精神的な問題を抱えているのは明らかだったからこそ、ゴシップ的な扱いをするべきではなかったと思う。 ーーただ、監督自身がエイミーの気持ちを代弁しているわけではなく、ちゃんと一線は引いているとも感じました。 ジェームズ:亡くなった人は自らを語ることはできない。だからこそ、ストーリーは彼らに語らせなければいけないと考えているんだ。墓場の向こう側から語らせるようなイメージに近いかな。本作でも、取材対象者を劇中には登場させていないし、当時のことを振り返らせようともしていない。鑑賞者には、彼らと共に生きている感覚を味わってもらいたいんだ。ドキュメンタリーの対象者の思い出を共有するのではなくてね。オアシスのドキュメンタリーが近々公開されるんだけど、それもギャラガー兄弟のインタビューはほぼ取っていないんだ。当時の映像と音楽で、彼らがどんな時代を生きてきたのか感じてもらいたいね。 ーードキュメンタリーを制作する過程で、エイミーの新たな発見はありましたか? ジェームズ:繰り返しになるけれど、彼女の魅力は非常に聡明で才能豊かなところなんだ。大体の人が何気なく彼女の音楽を聴いていると思うけど、よくよく聴くと彼女の作る歌詞は、優れた洞察とウィットに富んでいる。この世に欠点のない人間なんて存在しないし、ただ彼女は周りの人よりも少しだけ問題を多めに抱えていただけ。だからこそ、共感できる部分も多いと思っている。実際に会ったことのない人のドキュメンタリーを作るのは、非常に抽象的な作業だけれど、制作の過程で彼女を知ることができた。いや、知っている気になれた。アイルトン・セナのドキュメンタリーを撮った時も感じたけど、とても彼女が近い存在に感じられるような、奇妙な感覚を覚えたよ。 ーーちなみに、劇中に使用する曲や映像はどんな基準で選びましたか? ジエームズ:多くの人が反応できる曲を入れることは大事だね。でも、それ以上に彼女の物語を語るのに最適な楽曲はどれか、という基準で選んだよ。今回の作品は非常にボリウッド的な作品になっていて、曲が物語を語っていく。だからこそ、選んだ楽曲と映像のシナジーも意識したよ。例えば、恋人のブレイク・フィールダー・シヴィルとホテルで喧嘩して、外に飛び出していくシーンには、“Love Is a Losing Game”という楽曲を使っている。どうしようもない関係と理解していながらもやめられない……エイミーが客観的に自分の状況を理解していることが、この歌からもよく分かる。セナの場合は、彼の栄枯盛衰がストーリーとして明確化されていたから分かりやすかったが、彼女の場合は人間味に溢れていた分、複雑なストーリーでとらえどころがなかった。だが、エイミーのことをいろいろと探っていく中で、彼女の楽曲には物語を雄弁に語るだけの力とヒントが詰まっていると気づいたんだ。

「唯一気に入らないと言っているのがエイミーの父親」

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ーートニー・ベネットやマーク・ロンソンにも取材を行ったそうですが、彼らはエイミーについてどんなことを語っていましたか? ジェームズ:トニー・ベネットは、エイミーが良い結末を迎える子ではないことを直感的にわかっていたようだ。長い芸歴を持ち、彼自身も多くの問題を抱えてきたからこそ、わかったのだろうけど、非常に興味深かったよ。こんなに才能を持っていながら、それをどう使っていいかわからず、上手く捌けていない印象を持っていたそうだ。一方、マーク・ロンソンは、いかに彼女が魅力的だったかということを雄弁に語ってくれたよ。今はポップソングを一曲作るのに、20人くらいのスタッフで作るらしいが、彼女の場合はふっとスタジオに現れて、三回歌って、その三回すべてが完璧な歌だったそうだ。あそこまで高い表現力を備えていて、自己表現ができる人はなかなかいない、とね。工場のように曲やアーティストを製造している状況の中で、彼女は珍しい存在だったと語っていたよ。 ーードキュメンタリー作品は、実際に起きた事件や存在した人物を扱う分、観た人の賛否が分かれると思います。実際、本作に関しても、エイミーの父であるミッチ・ワインハウスが否定的な意見を述べていますが、そのようなネガティブな意見はどう受け止めていますか? ジェームズ:意外なことにブレイクは好意的に受け止めてくれているんだけど、唯一気に入らないと言っているのがミッチなんだ。彼としては、もっと違う映画を作って欲しかったのだろうと思うし、父親の視点から彼女を見てきたからこそ違和感を覚えたんだと思う。だからと言って、私たちは彼女を父親の目線で見ることはできないし、ここに描かれているのは彼女の人生の一部であることは間違いない。彼が良い父親であったか、悪い父親であったかは置いておいて、我々は誠実な映画を作ったと思っているよ。もちろん、彼のこともリスペクトしているしね。 (取材・文=泉夏音) ■公開情報 『AMY エイミー』 公開中 監督:アシフ・カパディア 製作:ジェームズ・ゲイ=リース 出演:エイミー・ワインハウス、ミチェル・ワインハウス、マーク・ロンソン、サラーム・レミ、トニー・ベネットほか 翻訳:石田泰子 字幕監修:ピーター・バラカン 配給:KADOKAWA 2015年/イギリス・アメリカ/英語/カラー&モノクロ/ヴィスタサイズ/デジタル5.1ch/128分 (c)2015 Universal Music Operations Limited. 公式サイト:http://amy-movie.jp/

石田純一が「言論の自由」を剥奪された! 事務所が「今後一切の政治発言ができなくなりました」と発表

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SKY CORPORATIONホームページより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  今週14日に告示された東京都知事選。各候補者が街頭演説をスタートさせたが、もうひとつ注目されたのは、出馬を断念した石田純一が選挙応援に登場するのかどうかだった。だが、昨日15日、石田の所属事務所がこんな驚きの発表を行った。 「11日の会見をもちまして、今後一切、政治に関する発言はできなくなりました」  この国は憲法で言論の自由が保障されており、どのような立場の人間も自由に政治的な発言をすることが認められているはず。しかし、石田の事務所は「政治発言は今後一切できなくなった」と、石田についてその言論の自由を取り上げる宣言をしたのだ。  これは、スポンサーやテレビ局、代理店と石田の所属事務所の間で、そういう取り決めをしたということだろう。  周知のように8日の会見の後、テレビ局は石田が出演するCMを差し替えたり、放送予定の番組を休止させたりと過剰な対応を行い、石田側はそのことによって相当額の違約金を請求される可能性が高まった。  結果的にそれが石田の都知事選出馬断念につながったのだが、どうもその際に、所属事務所や広告代理店から「今後、政治的発言をしたり、特定の候補者を応援したら、他のCMやテレビもすべて出演中止になり、莫大な違約金が発生する」と脅されたらしい。その結果、石田自身も「今後一切政治的発言をしない」という約束を呑まざるをえなくなったのではないか。  しかし、これは明らかにおかしい。たしかに選挙に出馬したら、テレビのレギュラー番組やCMを降板しなければならず、違約金が発生するケースはあるが、石田は8日の会見で出馬を表明したわけではない。  石田はこの会見で「野党統一」を訴え、参院選を控えたなかで安倍首相が憲法改正という争点隠しを行っていることを批判し、マスメディアのカメラのまえで「選挙の争点は憲法改正」だと口にした。そして、自分ではない統一候補が出馬するのなら「応援はもちろんしていきます」と表明したのだ。  つまり、石田の眼目は“暴挙ともいえる憲法改正を阻止するためには野党協力が不可欠”と広めることにあり、都知事選の出馬についてはあくまで「野党統一候補」であるなら、という条件を提示したに過ぎなかった。  まず、これだけの発言で、CM差し替えや番組出演中止をさせられ、違約金を請求されるということ自体おかしいが、さらに、今後、特定の候補者を応援したり政治について発言してはならない、それをやったら違約金を請求する、というのはめちゃくちゃだ。明らかに憲法違反だろう。  実際、特定の政治勢力や政治家を応援するなど、石田以上に政治的発言をしているケースなんて山ほどある。昨日放送の『バイキング』(フジテレビ)で石原良純が鳥越俊太郎への支持ともとれる発言を行ったことが話題となっているが、良純はそれ以前から、父親の石原慎太郎の選挙応援には必ず参加しているし、ワイドショーでは安倍政権の応援役として政策を肯定する発言を繰り返してきた。  もっと言うなら、津川雅彦などは「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人を務め、『たかじんのそこまで言って委員会』(現『そこまで言って委員会NP』読売テレビ)などで必死になって安倍首相のアピールに尽力。昨年には安倍首相直轄の有識者会議「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」の座長にまでおさまっている。  さらに、その『委員会』の司会者である辛坊治郎や、お笑い芸人のたむらけんじ、小藪千豊なども、橋下徹大阪市長を熱烈に支持し、大阪都構想の住民投票の際には中立を装いつつも巧妙に維新の会を応援してきた。  しかし、彼らが番組出演の自粛を強要されたり、CMを降ろされたという話は聞いたことがない。  ふだんの政治発言だけではない。選挙時に芸能人が候補者の応援に駆けつけることも、めずらしいことではない。それこそ、鈴木宗男の熱狂的な支持者である松山千春や、石原時代の都知事選では舘ひろしや神田正輝といった石原軍団が選挙戦をバックアップしてきたし、公明党は久本雅美や岸本加世子、山本リンダといった学会員の芸能人が応援演説を行っている。  また、2005年の衆院選では、自民党支持を表明していたデヴィ夫人が「靖国神社は日本の文化です。大切にしてください」「小泉首相ほどりりしい政治家はいない」(朝日新聞より)などと演説。さらに14年の都知事選では次世代の党から出馬していた田母神俊雄の応援演説を行い、メルマガ登録者にメールで投票を呼びかけたことが公職選挙法違反だとして警視庁から警告まで受けている。  だが、こうした芸能人たちも、出演番組の放送休止やCM打ち切りを迫られてはいない。  では、なぜ石田純一だけがあの発言だけでテレビ番組やCMの出演を休止させられ、「今後一切、政治に関する発言はできなく」なってしまったのか。その答えは簡単で、石田の姿勢が現政権に批判的なものだったからだ。そのため、テレビ局やCMスポンサーに圧力がかかり、そして、これを受けたテレビ局や代理店が石田の所属事務所に“政治的発言をやめなければ契約を見直す”と通達したのである。  実際、石田の事務所側は〈CMなどのスポンサー契約やテレビのレギュラー番組がある限り、政治問題に携わることは難しい〉(スポーツ報知より)と説明している。  では、テレビ局やスポンサーへの圧力はどういうかたちで行われたのか。先の記事でも書いたように、石田については、官邸や自民党議員もテレビ局の担当記者やコメンテーターを通じて、石田のことを扱わないよう働きかけていたことがわかっている。しかし、それ以上にプレッシャーになったのは、スポンサーや放送局にとてつもない数の抗議電話が寄せられたことだったという。  つまり、政権批判を行った石田に対して、ネット右翼がお決まりの“電凸”攻撃を仕掛けた──その結果、スポンサーやテレビ局は怖気づいて、石田をおろしたのである。 “電凸”は、わたしたちが想像する以上に絶大な効果をもっている。本サイトで先日紹介したが、池上彰はメディアによる安倍政権の忖度とともに、“電凸”がどのような力をもっているのかを、こう語っている。 「さらに深刻なのは『電凸』です。『電話で突撃する』という意味のインターネット用語ですが、一般の読者や視聴者が、気に食わない報道があると、スポンサー企業に一斉に抗議電話をかける。『不買運動をする』なんて言われるとビックリするんですね。昨年6月に自民党の議員が、マスコミを懲らしめるためにスポンサーに圧力をかけることを提案して、問題になりました。それも実際にはすでに行われているんです」(「朝日ジャーナル」朝日新聞出版)  この“電凸”というシステムは、安倍首相が下野時代に自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)というかたちでネトウヨを組織し、その下地をつくってきたものだ。実際、池上は「第1次安倍政権(06〜07年)の時に、メディアへの抗議が増えたんです。ところが、安倍さんが辞めた後にパタリとなくなりました。福田政権、麻生政権、民主党政権の時は抗議が大量にくるようなことはなかった。それが第2次安倍政権(12年〜)になって復活しました」(同前)と述べている。  石原良純や津川雅彦などがテレビに出演して安倍政権の応援をどれだけ行っても、“電凸”する人間は皆無に近いだろう。だが、これが逆で政権の批判をすれば、組織化されたネトウヨたちが大量に抗議に動き出す、というわけだ。  つまり、芸能人の政治的発言が問題視されて石田は追い込まれたのではない。石田が“反政権”の意見を口にしたからターゲットとされ、萎縮したスポンサーやテレビ局によって自由な発言を封じられなくてはならなくなってしまったのだ。  それこそ津川や辛坊治郎といった安倍応援タレントたちは、嫌韓反中の差別を助長するかのようなヘイトまがいの発言もテレビで平然とおこなっている。それが許容される一方で、ただ政権に批判的な態度を見せただけでタレント活動に圧力をかける。──この国は民主主義とは名ばかりの、もはや中国や北朝鮮と同じ状態だ。  石田の手足をもぐような方法で政治的発言を封じ込めたのはスポンサーやテレビ局、広告代理店だが、それらの今回の行動は、独裁的な安倍政権の体質をそのまま反映したものだ。そして、憲法改正によって、今度は市民が自由に発言を行える権利さえ封じようと目論んでいる。  もちろん、圧力に屈してしまった石田に対して「だらしない」という意見もあるだろう。したり顔で「石田に覚悟がなかっただけのこと」などと冷笑する連中も少なくない。  しかし、本当にそうなのだろうか。繰り返すが、石田とは対照的に、安倍政権の応援団たちは何の覚悟もないまま政治発言や差別発言を行っても、一切責任を追及されないどころか、これまで以上にメディアで重用され、甘い汁を吸い続けているのだ。政権を批判する者だけが「覚悟を求められる」社会の異常性をわたしたちはもっと自覚すべきだろう。 (編集部)

パンツァーフォー! 「オタク陸上チームを作りたい」“日本最速のガルパニスト”コトブキヤ・稲田翔威のガルパン愛に迫る!

――実は各ジャンルに結構いるらしい“とある道のプロだけど、ガチなオタク”。どうしてそこまで好きになってしまったのか。その経緯、そしてその愛と魅力について存分に語ってもらいつつ、その趣味が本業や生活にどんな影響を与えているのか。“一芸に秀でる者は多芸に通ず”は本当なのか? そこんところを探ります。
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コトブキヤの“ガルパニスト”稲田翔威さん(撮影:松沢雅彦)
 毎年、オタクな選手が多数出場するということで、何かと話題になる大学駅伝。今回取材する稲田翔威さんもそんなオタクランナーの一人で、スポーツ新聞などでも「一人抜かれるごとに、グッズが一個ずつコーチに没収される」という報道が掲載されたり、それを見たホビーメーカー「コトブキヤ」の宣伝Twitterが反応して、実際にグッズが贈られたりと数多くの話題を提供してきた。  さらに今年正月の箱根駅伝では、区間賞を取れなかったら、罰ゲームとしてアニメ『ガールズ&パンツァー』で登場した「あんこう踊り」なるダンスを披露すると約束。結果、賞を逃してしまったことでダンスを披露することになってしまっている。  そんな日本最速(?)のガルパニストこと稲田翔威さんに、オタク趣味と陸上競技の意外な関連性から『ガールズ&パンツァー』への熱すぎる愛情を大いに語ってもらった! それでは、お楽しみください。パンツァーフォー! ■陸上選手とアニメの意外な関連性 ――今春、大学を無事卒業されて、現在コトブキヤで働いてらっしゃる稲田さんですが、今も陸上競技は続けてらっしゃるんですか? 稲田翔威(以下、稲田) 職場の秋葉原と皇居が近いので、仕事が終わったら皇居まで走って周囲を3周して戻ってくるというのを毎日やっていますね。だから大体20キロくらいを毎日こなしていることになると思います。でもジョギングのようなものなので、大学生の頃と比べたらかなり体力は落ちていますね。いずれは現役の頃のような体に戻していきたいと考えています。 ――こういうお話を伺っていると、まさにアスリートという感じなんですが、個人Twitter(@runner_syoui)を拝見すると、本当にただのアニメファンというような発言が多くて、そのギャップに驚いてしまいます。改めて聞くまでもないのですが、好きなアニメは……。 稲田 それはもう『ガールズ&パンツァー』です(笑)。 ――劇場版は、何回くらい見に行かれましたか? 稲田 17回ですね。実は今日も、この後に行くつもりです。走った後に映画館に行こうかと。 ――ランナーとしてもオタクとしても現役バリバリですね! 毎年駅伝が近づくと、各大学のオタクランナーが話題になることが多いですが、実際にオタク属性のランナーというのは多いのでしょうか? 稲田 多いと思います。ひとりでじっくりとアニメを見るというスタイルと、自分の世界に入って、ひとりでコツコツがんばるという競技のスタイルは、相性がいいんじゃないでしょうか。それにスポーツをやっていると体調やコンディションを気にして、休みの日もみんなで飲みに行ったりする機会があまりないんです。あと、あんまりアウトドアな趣味を持ってしまうと、それでけがしてしまったりする可能性もあります。となると、やっぱり家でアニメを見るような趣味になっちゃうのかな(笑)。 ――なるほど! テレビアニメは最終話ラッシュの時期ですが(※取材当時)、今期はどんな作品を見ていますか? 稲田 やっぱり『甲鉄城のカバネリ』ですね。あとはタイムリープものが好きなので、『Re:ゼロから始める異世界生活』。そして『ガルパン』の水島努監督作品『迷家 -マヨイガ-』です。続きが気になる展開で、毎回楽しみに見ています。自分は水島監督作品はたくさん見ているので、影響を受けた部分も多いと思います。 ■「一人抜かれるごとにグッズ一個没収」の真相!
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――稲田さんがオタクになったきっかけを教えてください。 稲田 中学生の頃に見たアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』です。友達が見ていたEDテーマ「ハレ晴レユカイ」のダンスを見たときにグッとくるものがあり、それがきっかけで自分も視聴するようになりました。その後、いつの間にか自分も『ハルヒ』にハマってしまい、やがて『みなみけ』や『喰霊-零-』など、ほかの作品もいろいろ見るようになりました。 ――グッズも、いろいろと持っているそうですが。 稲田 最初はキーホルダーやストラップなど小物を買っていたのですが、最近はBlu-rayやタペストリー、イベント限定グッズなどを買ったりしています。そこまでたくさん持っているわけではないのですが、フィギュアもちょくちょく買っています。専用の棚も買って、そこに飾っています。 ――大学時代は「一人抜かれるごとに、一個ずつフィギュアをコーチに没収される」というエピソードが話題になりましたね。 稲田 コーチも、フィギュアだけじゃなくタペストリーやポスターも大学の寮にいっぱい貼っていたのを知っていたので、「次抜かれたらグッズを一個ずつ持ってくよ」と言われたんです(笑)。最初にそう言われたのが、ちょうど伸び悩んでいたスランプの時期で、このままでは箱根も走れないかもというくらい調子が悪かったんです。そこで、まずは「練習でタレる(先頭集団から切り離される)ごとにグッズを一個没収」というルールが設けられて、「これはまずい」と危機感を覚えました。そこで本気を出してがんばっていたら徐々に調子が出てきて、スランプから抜け出すきっかけになったんです。グッズ没収というのが、本当に怖かったんです(笑)。 ――アニメ好きのアスリートの中には、「趣味とスポーツの成績は別」という方もいらっしゃいますが、稲田さんの場合は両者が直結しちゃったわけですね。 稲田 そうですね。直結してますね(笑)。 ――アニメが、走るときの励みになるようなことはありますか? 稲田 『ガルパン』はスポーツをやっている人にとって、共感できることがたくさんあるのではないかと思います。そういうアニメを見て元気づけられたり、自分もがんばろうと思えたり、モチベーションにつながることがあるんじゃないでしょうか。ちゃんと本編を見てみると、女の子たちが一つの目的のために協力しつつ、各個人が成長していくというアニメなので、ただの萌えアニメではないとわかると思います。 ――アニメソングを聴きながら走って、モチベーションを上げたりすることはありますか? 稲田 たまにやります。ゆっくり走っているときは、アニソンやアニラジを聴いていたりします。 ■稲田選手の異常な(?)『ガルパン』への愛情 ――ところでオタクな陸上選手の間には、「“嫁がいる”やつは速い」みたいなジンクスはあるんでしょうか? 稲田 何かを楽しみにこの試合をがんばろうと思うと、しっかり走れることはあります。結果をうまく残せていないと、そのあとの楽しみも半減してしまうじゃないですか。例えば自分も、「昨日の練習は、うまくできなかったな」とか、「試合のタイムが良くなかったな」とか心残りがあると、すっきりアニメを見れなくなっちゃうんです。逆に、「ここで結果を残せば、このあとのアニメの最終回もばっちり見れる!」とか思って走ると、やっぱりタイムも良くなったりします。そういう意味では、“嫁”がいれば気も引き締まって、成績につながることもあると思います。
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私物の『ガールズ&パンツァー』キューポッシュ 西住みほ!!
――ちなみに、稲田さんの嫁は……? 稲田 うーん……難しいですね(笑)。『ガルパン』のケイさんか、西住みほです。特に、最初に好きになった『ガルパン』キャラのみほが好きですね。普段はおどおどしていて引っ込み思案な性格なのに、いざ試合が始まったらしっかりチームのみんなをまとめる、というギャップにやられました。でも、やっぱり誰か一人を選ぶのは難しいです。 ――『ガルパン』関連のイベントも結構行かれていますよね。この時期に行って大丈夫かなという時期にも……。 稲田 大洗にはちょくちょく行ってます。劇場版が公開された時期は大会前だったんですが、9回くらいは(劇場版を見に)行っています(笑)。 ――良い走りでしたが、区間賞を取ることはできなかったわけですが……。 稲田 区間賞は狙っていたんですけど、思いのほか強い選手がいて、達成できませんでしたね。がんばったんですけど……。ただ公約は公約なので、あんこう踊りは踊ります! 具体的な時期は、準備が整い次第、といったところです。おそらく、近いうちに公約が果たせるのではないかと。 ――もう、ばっちり踊れますか? 稲田 はい。原曲のテンポで踊れます!(原曲のテンポは、かなり速い) しっかりアニメを再現したいと思います。 ――この後、18回目の『ガールズ&パンツァー 劇場版』を鑑賞されるとのことですが、どんなところが印象に残っていますか? 稲田 感動したのは、カチューシャがやられそうなときに、プラウダ高校の仲間が盾になって守るシーンですね。最初見たときはそこでぼろ泣きしてしまいました。特にキャラクターが死ぬわけではないんですが、なぜか見入って感動してしまう。そこが『ガルパン』の魅力なんでしょうね。 ――ちなみに、先日初めて戦車のプラモデルを作られたそうですが、それも『ガルパン』がきっかけですか? 稲田 はい。小学生の頃に作ったガンプラ以来、まったくプラモデルを作ったことはなかったんですが、『ガルパン』を見て、戦車のプラモを作りたいと思うようになりました。コトブキヤで働く以上、プラモデルの知識も必要だと思いますので、これからは仕事のためにも、ちょっとずつ作っていこうと思っています。 ■夢はオタクランナーチーム結成!
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“オタク”が人生を変えた!?
――先ほど、「一人抜かれるごとに、一個ずつフィギュアを監督コーチに没収される」というエピソードについて伺いましたが、そのニュースにコトブキヤさんがTwitter上で反応して、その後、「フィギュアを補充します」というアナウンスがあり、話題になりました。実際に、フィギュアは補充されたんでしょうか? 稲田 実際にコトブキヤから『魔法少女まどか☆マギカ』のフィギュアをもらいました。このときのやりとりが縁になり、今回コトブキヤに就職することになりました。実は大学4年生の頃、卒業後も陸上を続けるかどうかを迷ってたり、一時期は陸上をやめて陸上自衛隊に入ろうかとも思っていたんです。でも、当時のコーチに「せっかく大学まで陸上を続けたんだから、これからもずっと続けた方がいい。やめるのはもったいない」「好きなことを続けながら、企業の宣伝ランナーとして走ればいいんじゃないか」って言われたんです。そこで考え直して就職活動をしたところ、コトブキヤに就職することになりました。 ――オタク趣味を通じて、人生を切り開いている感がありますね。 稲田 そうですね。正直、オタク趣味で人生が変わっていってます(笑)。趣味で仕事が決まり、趣味を仕事にできるということに、本当に感謝していますし、恵まれていると思います。 ――コトブキヤのランナーとしては、いつ頃から活動されるのでしょうか? 稲田 夏の大きな大会からスタートする予定です。会社のユニフォームを着て走るのは、そこが最初になると思います。今後しばらくは、コトブキヤ秋葉原館で働きながら走ることになります。 ――最後に、稲田さんの夢を教えていただけますか? 稲田 オタクだけで陸上チームを作りたいですね。そのチームでニューイヤー駅伝に出たいので、興味がある方は、ぜひコトブキヤに入ってください! (取材・文:有田シュン[シティコネクション])
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【プロフィール】 稲田翔威(いなだ・しょうい) 茨城県出身。順天堂大学駅伝部を経て、今年4月フィギュアメーカー「コトブキヤ」に入社。順大時代から『ガールズ&パンツァー』好きの“オタクランナー”と有名で、コトブキヤでは宣伝ランナーとして活躍する。自身のTwitter(@runner_syoui)では、陸上……というよりオタ活をかなり満喫している様子がうががえる。今年の駅伝で公約に掲げていた「区間賞取れなかったらあんこう踊り」は近々公開予定とのこと。