『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』ファン・ジョンミンとチョンウのメッセージ&冒頭映像公開

【リアルサウンドより】  7月30日に公開される映画『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』より、ファン・ジョンミンとチョンウのメッセージ映像と本編の冒頭映像が公開された。  本作は、山岳史上最も壮絶な挑戦を行った、実在の登山家オム・ホンギルと仲間たちの軌跡を描いた山岳ドラマ。オム・ホンギル率いる“ヒューマン遠征隊”が、エベレストで死んだ仲間の亡骸を探すため、記録には残らない過酷な遠征に挑む模様を描く。『パイレーツ』のイ・ソクフン監督がメガホンを取り、『国際市場で逢いましょう』のファン・ジョンミン、『応答せよ1994』のチョンウ、『サスペクト 哀しき容疑者』のチョ・ソンハ、『王になった男』のキム・イングォン、『トガニ 幼き瞳の告発』のチョン・ユミらが出演する。

『ヒマラヤ』冒頭映像&グリーティング映像

 このたび公開されたのは、登山家オム・ホンギル役を演じたファン・ジョンミンと、後輩ムテク役を演じたチョンウによる、日本のファンに向けたメッセージ映像と、本編の冒頭映像が合わさったもの。2人が「ヒマラヤ ファイティン!」「カミングスーン」などメッセージを送る映像に続き、ホンギルが雪崩に襲われるシーンや、ホンギルとムテクの出会いのシーンなどが収められた本編映像が映し出される。 ■公開情報 『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』 7月30日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー 監督:イ・ソクフン 出演:ファン・ジョンミン、チョンウ、チョ・ソンハ、キム・イングォン、チョン・ユミ 配給:CJ Entertainment Japan 協力:大韓航空 後援:全国山の日協議会 2015年/韓国映画/124分/シネスコ/カラー/5.1chデジタル/日本語字幕:小寺由香 (c)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved. 公式サイト:himalayas-movie.jp

「障がい者を殺せば税金が浮く」植松容疑者の狂気は自民党政権の障がい者切り捨て、新自由主主義政策と地続きだ

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YouTube「ANNnewsCH」より
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  神奈川県相模原市の障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」での 大量殺傷事件をめぐっては、容疑者の犯行予告を把握しながら事件を防げなかった警察の不手際ではないかという声のほか、措置入院を解除した指定医と自治体に判断ミスはなかったのか、そもそも植松聖容疑者に責任能力はあるのかなど、さまざまな指摘がなされている。  だが、今回の事件では、特異なひとりの人物の狂気ということだけでは語れない問題がある。それは、植松容疑者に、障がい者をターゲットにすることの正当性を与えた思想だ。  植松容疑者は通っていた理容室の店員に「(障がい者)ひとりにつき税金がこれだけ使われている」「何人殺せばいくら税金が浮く」というようなことを語っていたことがわかっている。 「身障者のせいで税金が」かかる−−−−。これは、実は小泉政権から始まり、安倍政権でエスカレートした新自由主義的身障者政策と完全にシンクロするものだ。  そもそも以前は、サービスを利用した場合の費用負担は障がい者の支払い能力に応じた「応能負担」だった。ところが、2005年、小泉政権下で障害者自立支援法が成立すると、サービスにかかる費用の1割を当事者が負担する「応益負担」となった。そのため、障がいをもつ人やその家族は急激な負担増を強いられ、なかにはサービスを受けられなくなるケースもあり、障がい者の尊厳と生存権さえ奪うものだと大きな批判を受けた。  その後、障害者自立支援法は民主党の野田政権で廃止が閣議決定されたものの、骨格はほぼ同じままに障害者総合支援法へと名称を変更。そして問題は今年5月、この障害者総合支援法を安倍政権がさらに「改悪」させたことだ。法改正では新サービスの提供の一方でグループホームに入所している軽度障がい者が追い出しの対象になる懸念や、批判の強かった65歳になった障がい者には半強制的に自己負担が発生する介護保険に移行させられる制度がそのままになるなど、給付の削減を押し進めるものとなった。  他方、障がい者施設のほうは、こうした支援法のもとで競争原理や営利主義に走らざるを得ず、入所する障がい者に早期退所を迫るなど"間違った福祉"への傾向を強めた。同時に、補助金や支援金が削られるなどの減収によって厳しい施設運営を強いられ、現場のヘルパーの報酬も大幅に引き下げられた。そのため慢性的な人手不足に陥ったり、財政難で人員がギリギリといった施設は増加。しかも、安倍政権は昨年4月、介護報酬を9年ぶりに引き下げた。その結果、人手不足に拍車がかかり、介護事業所の倒産が相次いだ。職員はどんどんと過酷な労働環境へと追い込まれていったのだ。  当然、職員の賃金はまったく上がらない。2014年には全国平均で介護職員の給料は常勤で21万9700円であり、全産業平均の32万9600円より11万円も低い。今回、事件が起きた「津久井やまゆり園」でも、ハローワークのパート募集情報によると、入所者の生活支援員の時給は夜勤でも905円。これは神奈川県の最低賃金と同じ金額だ。  厳しい労働環境にくわえて、働いても働いても給与が上がらない現実──。知的障がい者施設では、職員や介護ヘルパーによる障がい者への虐待、暴行が相次いでいるが、こうしたストレスのはけ口になっている部分はあるだろう。  人手不足による劣悪な労働と、労働にまったく見合わない給料。そうして生まれた過度なストレスが罪のない入所者にぶつけられる──。このような問題を防ぐためには、介護職の労働問題をすみやかに是正するべきだが、しかし、今回の植松容疑者には、もっと深いゆがみが見え隠れする。  それは、植松容疑者の場合、自分の置かれた劣悪な労働環境を生み出した側の論理に憑依し、自分の狂気を正当化していったきらいがあるからだ。  前述した「(障がい者)ひとりにつき税金がこれだけ使われている」「何人殺せばいくら税金が浮く」といった植松容疑者の発想は明らかに、この十数年にわたる政治家たちの発言から影響を受けたものだ。  現に、石原慎太郎元東京都知事は、1999年に障がい者施設を訪れ、「ああいう人ってのは人格があるのかね」「絶対よくならない、自分が誰だか分からない、人間として生まれてきたけれどああいう障害で、ああいう状況になって......」「おそらく西洋人なんか切り捨てちゃうんじゃないかと思う」「ああいう問題って安楽死なんかにつながるんじゃないかという気がする」と、到底、都知事とは思えない暴言を吐いている。  また、慎太郎の息子である石原伸晃・経済再生担当相は、12年9月に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)で社会保障費削減について問われた際、生活保護をネット上の蔑称である「ナマポ」という言葉で表現し、社会保障費の話の最中に"私なら延命治療などせずに尊厳死を選択する"という趣旨の発言を行った。さらに、麻生太郎元首相は今年6月、老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言している。  これらの政治家たちは一様に、障がい者、生活保護受給者、高齢者といった社会福祉の当然の対象である弱者を差別的な視点から俎上に載せた上で、"生きる価値がない"と烙印を押しているに等しい。そして、彼らの共通点は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量る新自由主義を信奉していることだ。  社会福祉は人の命にかかわる問題であり、本来はひとりひとりが生きやすい世の中をつくることが政府や行政には求められる。しかし、弱肉強食が基本となる新自由主義政策の前では、そうした社会保障にかかる費用も「個人の責任」にすり替えられる。事実、安倍首相が信奉し、新自由主義に基づく政治を断行したイギリスのサッチャー元首相は「福祉国家の縮小」を掲げて社会保障費を削減、経済格差を拡大させた。安倍首相が目指すのも同じかたちの社会だ。  そして、市場原理優先の新自由主義の考え方は、障がい者をコストのかかる存在と見なす優生思想が深く結び付き、社会に広く共有されるようになってしまった。障がいをもった子はコストがかかるから産まないほうがいい──そう考える人が現在、圧倒的であるという事実は、新型出生前診断で"異常"が判明したときに約96パーセントの人が中絶を選択しているというデータが指し示しているだろう。  自身も障がいをもっているという学者・野崎泰伸氏は、著書『「共倒れ」社会を超えて 生の無条件の肯定へ!』(筑摩書房)のなかで、〈より多くのコストをかけて育てなければいけない生は、資源を無駄遣いする劣った生であると捉えられている〉という現実を指摘し、命を選別したり、障がい者に生きる苦労を強いて〈かわいそうな存在〉にしてしまう社会の構造そのものに疑問を投げかける。さらに、その社会のあり方に踏み込むかたちで、〈現安倍政権は、異質な人間を排除し、同質な人間をのみ成員とする社会を作ろうとしているように思えてなりません〉と言及している。 〈この社会において私たちは、「生そのもの」を一般化・抽象化していく圧倒的な権力に巻きこまれています。しかも、その状況は、「どうせこの社会は、すぐには変わらない」「そんなことをしても仕方ない」と口にしてしまいたくなるほど、深刻なところまできています。福島第一原発が起きても原発がなくならないのは「仕方ない」、ヘイトスピーチがあるのは「仕方がない」、この社会の役に立たない人間に社会保障なんて必要ないし、死んでいったとしても「仕方がない」......。こうした風潮が、「生そのもの」を一般化・抽象化し、私たちに「犠牲」を強いたり、自ら率先して「犠牲」を受け入れるよう仕向けたりするのです〉(前掲書より)  役に立たない人間は死んでも仕方がない。こうした弱者排除の思想によって得をする人間は、一部の支配層だけだ。だが、そうした「強者」の論理を、ほんとうはその社会システムのなかで「弱者」という同じ境遇に立たされている植松容疑者のような人間が、なぜか熱烈に支持をする。それは新自由主義者たちが社会保障をことさらに「特権」などという言葉を用いて、"もっと楽をし、得をして生きている人間がいる"と強調してきたからだろう。前述したように障がい者に対して、石原慎太郎などは生きる価値さえ認めようとはしていないのだ。  今回の相模原市における事件は「狂気の犯行」と呼ぶべきものだが、障がい者を「金がかかる存在」として狂気の矛先を向けた事実は、けっして無視することはできない。この狂気は、新自由主義と排他主義のなれの果て。そう捉えることもできるからだ。  そして、この国ではすでに、平然と弱者排除を口にする政治家たちが幅をきかせ、それにより「障がい者は金がかかる」という"狂気的な"価値観が広がっていることを、看過してはいけない。 (編集部)

ザ・ビートルズの公式ドキュメンタリー予告編公開 伝説のライブ映像も4Kリマスター版で上映へ

【リアルサウンドより】  9月22日に公開される映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』の予告編が全世界で一斉公開され、あわせてザ・ビートルズの“シェイ・スタジアム”でのライブ映像が、4Kリマスター版で全世界同時上映されることが決定した。  本作は、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』以来21年ぶりのアップル公式作品。ザ・ビートルズの多数のライブ映像と、著名人や関係者のインタビューとともに、彼らの曲の変遷と人気の理由に迫る。『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワード監督がメガホンを取った。

 このたび公開されたのは、全世界で一斉解禁となった予告編。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人が記者会見でおどける様子や、ザ・ビートルズの世界ツアーの様子が、「デイ・トリッパー」「ヘルプ!」などの楽曲に乗せて映し出される。当時モノクロだった映像もカラーで鮮明に蘇り、彼らが来日した際の映像も使用されている。映像の後半では、ポール・マッカートニーやリンゴ・スターらがインタビューに答えるシーンも含まれている。  さらに、劇場限定で、本編映像に加え“シェイ・スタジアム”でのライブ映像の上映も決定した。予告編の冒頭にも登場する、1965年8月15日にニューヨークのシェイ・スタジアムで行われたコンサートは、56,000人以上の観衆を前に、野球場で行われた最初のロック・コンサート。14台の35mmカメラを使って撮影されたライブ映像が、アビー・ロード・スタジオでの4Kリマスター編集を経て蘇る。セットリストには、「ア・ハード・デイズ・ナイト」「ヘルプ!」「アイム・ダウン」など全11曲が含まれる。 ■公開情報 『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』 9月22日(木・祝)より角川シネマ有楽町ほか全国公開 出演:ザ・ビートルズ 監督:ロン・ハワード プロデューサー:ナイジェル・シンクレア、スコット・パスクッチ、ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード エグゼクティブ・プロデューサー:ジェフ・ジョーンズ、ジョナサン・クライド、マイケル・ローゼンバーグ、ガイ・イースト、 ニコラス・フェラル、マーク・モンロー、ポール・クラウダー 配給:KADOKAWA 提供:KADOKAWA、テレビ東京、BSジャパン 協力:ユニバーサル ミュージック合同会社 2016年/イギリス/英語/カラー (c)Apple Corps Limited. 公式サイト:thebeatles-eightdaysaweek.jp

綾野剛が映画界で強まる自主規制、検閲の内面化を批判!「ここまでできるのかと思った自分が弱体化している」

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映画『日本で一番悪い奴ら』公式サイトより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  政権への忖度、ネトウヨの電凸などによるテレビの萎縮がクローズアップされているが、それは映画も同じらしい。 「良くも悪くもですが、表現の自主規制とかコンプライアンスとか、やや日本が潔癖症になっている中で、こういった作品が打ち出せるのは非常に重要です」  これは、人気俳優の綾野剛が、主演をつとめる映画『日本で一番悪い奴ら』公開時の舞台挨拶で語った言葉だ。  この『日本で一番悪い奴ら』は北海道警察の警察官が逮捕・摘発点数を稼ぐため暴力団と癒着してでっちあげ捜査を敢行。さらに覚せい剤の密売にまで手を染めていたことが明るみになり大スキャンダルとなった実際の事件「稲葉事件」をモチーフとする映画だ。  明らかにモラルに反した、手段を選ばない捜査を生々しく描くこの映画はその過激さから公開を危ぶむ声すらあった。  最近の日本映画ではなかなかお目にかかれない過激な描写のオンパレードに、業界関係者は「よくここまでやってくれた」と喝采を送ったが、そんな声を聞き、綾野はこんなことを思ったと言う。 「そういう声を聞いて、いかに日本の映画が弱体化していたかを実感しました。正直、僕も最初に脚本を読んだ時、『本当にここまでできるのか』と思いました。つまり、僕自身も弱体化していた」(「AERA」2016年6月27日号/朝日新聞出版)  映画を含めたあらゆる表現が「自主規制」の名のもと、どんどん窮屈になってしまっているのはなぜなのだろうか? それにはまず「マーケティング」「ビジネス」上の制約があげられる。そういった点は、大きい予算で動くハリウッド映画においてより露骨に現れる。映画評論家の町山智浩は「ローリングストーン日本版」(セブン&アイ出版)16年6月号でこのように語っている。 「製作費が150億円以上の映画を作った場合、中国市場で当たらないと絶対にペイしないので、中国の厳しいレイティングを潜り抜けないといけない。その際はアメリカのレイティングは無意味ですから」 「バイオレンスや過激な性的描写が減ってきているのも、マーケットによるものです。実際、『ワールド・ウォーZ』(2013年)はプロデューサーも務めていたブラッド・ピットが、クライマックスを全て変えて、バイオレンスをゼロにしてかなりの利益をあげました」  その傾向は日本映画においても変わらない。1970年代の日本は『トラック野郎』シリーズや『仁義なき戦い』シリーズをはじめ、エロとバイオレンスが入り交じった過激な映画を量産した国として知られていたが、80年代に入りだんだんとその潮目が変わっていく。2013年8月6日放送「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ)内の「映画が残酷・野蛮で何が悪い特集」と題された対談のなかで、映画ライターの高橋ヨシキはその変化についてこのように語っている。 「やっぱりそのマーケティング志向みたいなことがあってですね。ちょっとイヤらしいんですよ。元々。で、何でマーケティングがイヤらしいかっていうと、結局忖度をするからなんですよね」  マーケティング的思考というお題目のもと、クレーム回避のため過激な描写はどんどん押さえ込まれ、表現の送り手側も、いつしか行き過ぎたポリティカル・コレクトネスを内面化していってしまう。しかし、果たしてそれは正しいことなのだろうか? 『はだしのゲン』を「間違った歴史認識を植え付ける」「首を切ったり、女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」などとして学校の図書館から撤去するよう全国の自治体で相次いで運動が起きた件は記憶に新しい。だが、一読すれば誰でも分かる通り、『はだしのゲン』は、ただ面白おかしく興味本意でそのようなシーンを描いたわけではない。それらは「戦争」の渦中で実際に行われたむごたらしい事象を描いたものであり、それは現実に起きたことで、今後もし日本が戦争に巻き込まれれば確実に起きることの予言でもある。  フィクションには、目を背けたくなるようなショッキングな出来事を敢えて見せることで、受け手に現実の真の姿を疑似体験させるという役割がある。『はだしのゲン』の目的はまさに、戦争の残酷さを生々しく見せることで、絶対に戦争を繰り返してはいけないと読者に強く思わせることだ。そのためには、戦争の残酷さをリアルに描くことは絶対に必要な描写である。それを「過激」であるとして押さえ込もうとするのは、端的に言って、作者の意図を何も読み取れていない馬鹿としか言いようがない。前述の番組内で、高橋氏はこのようにも語っている。 「人に影響を与えないんだったら、それは表現じゃないんですよ」 「何か、人に悪い影響がって言われちゃうんですけど、いい影響とか悪い影響って、誰が決めるのみたいなね、ことにもなりますよね」  とはいえ、表現が世に出るにあたり、社会との関わりのなかである程度の規制と折り合いをつけていかざるを得ない局面もある。では、表現者たちはどう折り合いをつけていくべきなのか。その対処法のひとつを『あなたは自主規制の名のもとに検閲を内面化しますか』(ARTIST’S GUILD+NPO法人芸術公社/torch press)のなかで、現代美術画廊「かんらん舎」オーナーの大谷芳久氏はこう提案する。 「権力を持つあらゆる組織が表現を検閲していることが問題ではないんです。むしろ、検閲があるなら、それをそのまま×××にして出せばいい。黒く塗りつぶされた部分に時代の意思が宿る。言われたまま×をつけて、自分の表現を完徹すればいい。権力側と対話してお互いの妥協点を探るより、すれ違うならすれ違うまま見せればいいんです。でも、その時点で作品の魂は消えてしまっている。ただ、×××は自分から入れたらダメですよ。それこそ、検閲の内面化ですから。権力側に入れさせればいい」  大阪の指定暴力団・二代目東組二代目清勇会を取材し、暴力団の日常生活をモザイクなしで見せたドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』は話題となったが、その作品を手がけた土方宏史監督も、映画をつくるにあたりまったく同じ抵抗を考えていたと言う。 「実は僕らも、もし作品の一部が失われる可能性に直面したら、そういう見せ方をしようと考えていました。プロデューサーが、「全部真っ黒でやろう」って(笑)。「それを見て、察してください」ということですよね。真っ黒にすることは僕らの自由ですから」(前掲『あなたは自主規制の名のもとに検閲を内面化しますか』より)  映画、小説、漫画、音楽、美術──すべての表現は庶民が持ちうる権力と戦うための重要な武器である。表現をつくる者たちが自主規制を内面化させれば、その役割を担うことはできなくなってしまう。性や暴力に関する表現をいたずらに規制し、その規制を良しとしてしまうことは、すなわち権力の暴走を招くことをも意味するのである。 (新田 樹)

コメディドラマ『Ballers/ボウラーズ』Huluにて配信へ D・ジョンソンが元NFLスター選手役に

【リアルサウンドより】  “ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン主演のTVドラマシリーズ『Ballers/ボウラーズ』が、7月30日よりオンライン動画配信サービスHuluにて日本独占配信されることが決定し、あわせて予告編が公開された。  本作は、2015年よりアメリカの放送局HBOで放送されたコメディドラマ。現在はファイナンシャル・アドバイザーとして働く、元NFLスター選手スペンサーの第2の人生と、現役アメフト選手たちの豪快な日常を描く。  『カリフォルニア・ダウン』のジョンソンが主人公スペンサーを演じるほか、共演には、デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デイビッド・ワシントン、『バトルフロント』のオマール・ミラー、『ウォーム・ボディーズ』のロブ・コードリーらが名を連ねる。また、『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のスティーブン・レビンソン、『テッド』シリーズのマーク・ウォールバーグが制作総指揮として参加している。

『Ballers/ボウラーズ』予告編

 あわせて公開された予告編では、試合中の怪我により引退を余儀なくされたアメフト選手スペンサーが、選手の人生マネージメントという第2の人生を送る模様が描かれる。
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■配信情報 『Ballers/ボウラーズ』 7月30日(土)配信スタート 以降、毎週土曜日1話ずつ配信予定(全10話) 製作総指揮:スティーブン・レビンソン、マーク・ウォールバーグ 出演:ドウェイン・ジョンソン、ジョン・デイビッド・ワシントン、オマール・ミラー、ドノバン・カーター、ロブ・コードリーほか (c)2016 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

「ポケモンGO」ブームで自民党が姑息な政治利用、マスコミは批判の意味を込めたシリアからのSOSメッセージを歪曲

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『Pokémon GO』公式サイトより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  いま、世界中で大ブームになっている任天堂のスマートフォンゲーム「ポケモンGO」。今月22日に日本国内でもローンチされるや否や大きな社会現象に。テレビや新聞などのマスメディアもその“熱狂”を連日報じるなど乱痴気騒ぎだ。  このポケモンGOブームに便乗して、さっそく党勢拡大に利用し始めたのが安倍自民党だ。  菅義偉官房長官は国内配信の始まった22日の会見で、「我が国のコンテンツが海外も含めて幅広く親しまれていることは非常に歓迎することだ」と述べ “日本礼賛言説”を称揚した。内閣府のセイバーセキュリティーセンターも「ポケモントレーナーのみんなへおねがい♪」なる注意喚起のチラシをしたり顔で公開。また自民党の金子恵美衆院議員にいたっては、ブログで「議員会館の私の部屋にもポケモンがいました!」と人気ポケモン・ゼニガメとのツーショット写真を投稿する有様だ。  安倍政権によるポケモンGOの政治利用は、こういう“アピール”だけにとどまらない。  すでに、自民党のネット監視、世論工作のキーマンである平井卓也衆院議員率いるIT戦略特命委員会は、ポケモンGOを地方創生に活用するよう、任天堂や運営会社の米ナイアンティックなどに協力を求めることを明言している。平井議員は「一種の社会貢献ができるゲーム」だと述べているが、レアなポケモンを政府や自民党関係施設、イベント等に恣意的に配置すれば、巨大な宣伝につなぐことができる。  事実、その“露骨な仕掛け”を想起させる事案も明らかになっている。たとえば、ゲーム内で永田町の自民党本部はアイテムを入手できる「ポケストップ」の一つに指定されており、そこには自民の看板入りの写真とともに、説明文として「自由民主党 永遠の与党」との表示まである。他方、野党の民進党本部はテナントビルの名称が表記されるだけで党名すらない。米ナイアンティックはポケモンGOのシステムの元になったゲームアプリの情報が引き継がれていた可能性があるとしており、この件については自民党の直接的関与は薄そうだが、しかし、こうしたポケモンGOを使った“広報の仕掛け”はいくらでも可能だ。  実際、安倍政権以外にも、たとえばイスラエルのルーベン大統領が自身のFacebookで「誰か警備員を呼んでくれ」というコメントとともに、ゲーム内の大統領官邸にポケモンが現れたことを投稿している。そして、こうした政治権力のアピール合戦をメディアは嬉々として報じる。その危険性にまったく触れることなく、だ。  さらに、このポケモンGOをめぐる報道では、もうひとつ、日本のメディアのどうしようもなさを痛感させられる事態が起きている。それは、長引く内戦に巻き込まれているシリアからの悲痛なメッセージを無視、もしくは歪曲してしまった問題だ。  先週、シリアで西側の支援を受ける活動家や反体制派の統一組織である「シリア国民連合」が、ポケモンのイラストを手に持った現地の子どもたちの写真を発表。可愛らしいピカチュウの絵の下には、「助けに来て」という叫びが刻まれていた。  また、自身も難民であるシリア人グラフィックデザイナー、サイフ・ターハンさんは、ポケモンGOを模した架空のゲーム「シリアGO」の画面を作品として公開した。これは、先進国でポケモンを探す代わりに、衣料品や学習のための教科書など、いま実際にシリアで必要なものを紛争地で見つけ、モンスターボール(ポケモンを捕縛する玉)で捕まえるというゲームだ。  これらはSNS で一気に拡散し、世界中で大きなニュースになった。欧米各国の主要メディアもこぞって、このメッセージを取り上げ、改めてシリアの子どもたちの惨状をクローズアップした。  ところが、日本のテレビや新聞はこのメッセージをほとんど報じなかった。また、これらを取り上げたニュースも、多くは「シリアでもポケモン人気を使って子どもたちの惨状を訴える動きがあった」という表層的なものだった。  しかし、シリアから発せられたメッセージは、たんなるポケモンを使ったPRなどではない。ポケモンGOブームへの批判的な意味合いも込められたものだ。たとえば、これを報じた英BBCは、ウェブサイトの日本向けの翻訳記事で、このように記している。 「ポケモンの絵を掲げた子どもたちの写真は、ソーシャル・メディアで多くの人が共有した。そこに込められたメッセージは次のようなものだろう。不思議な想像上の生き物を追いかける暇があるなら、なぜ、戦火の下で大きくなる子どもたちを助けに来ないのだと」  また、ゲーム「シリアGO」を公開したターハンさんのこんなコメントも記されている。 「(みんながいま熱中している)ポケモンの代わりに、シリア問題やシリア人が直面する苦難に関心を持ってもらいたいと思って制作したんです」  実際、シリアの子どもたちの現実を知ったら、「ポケモンGO」どころではないのは明らかだ。ユニセフは今年3月の報告で、シリアの子どもの80パーセントにあたる40万人が内戦の影響を受けていると発表した。これによれば、推定370万人、すなわち3人に1人の子どもが内戦の後に生まれているとされている。また、昨年には軍や武装勢力に徴用される子どものうち15歳未満の子どもが半数を上まわり、戦闘参加や武器運搬などをしているという。  戦地の子どもたちがポケモンの絵を掲げるのは、まさにBBCがいうように「不思議な想像上の生き物を追いかける暇があるなら、なぜ、戦火の下で大きくなる子どもたちを助けに来ない」という訴えに他ならない。それは同時に、「なぜ世界のメディアは私たちの現実を無視しているのか」という報道機関へのメッセージでもある。  しかし、たとえば日本のNHKはこれをどう報じたか。「NHK NEWS WEB」の見出しは「ポケモンGOの人気を利用してシリアで支援の呼びかけ」。ネットニュースも含めて、他の報道もほとんど同じトーンだった。ようするに、日本発祥のポケモンGOがとくに欧米先進国で大ブームを巻き起こしているという“日本スゴイ!”文脈のなかで、“戦地でもポケモンが”とハシャいでいるにすぎないのだ。……平和ボケとはまさにこのことを言うのだろう。  テレビや新聞などのマスメディアが、「ポケモンGOブームスゴイ」的な報道をまったくしてはならないとは言わない。だが、報道機関には、何をどう伝えるべきかという順序と深度がつねに求められているはずだ。そして、それはなにより“一番の弱者”に寄り添うためのものでなければならない。彼らにはそれができるだけの金も体力もある。  しかし、彼らはそのもっとも重要なことを伝えなかったばかりか、ブームに乗っかるあさましい官邸や政権与党のPRを嬉々として垂れ流している。  いま、この瞬間も、大人の戦争によって子どもたちが殺されている。一刻でも早く止めなければならない。そんな現実すら伝えなくなってしまった彼らにはもう、報道機関としての矜持も、使命も、期待してはいけないのだろうか。 (小杉みすず)

チェ・ミンシク×大杉漣共演『隻眼の虎』など4作品を上映 「WEC2016」開催決定

【リアルサウンドより】  特集上映「ワールド・エクストリーム・シネマ2016」が、10月1日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催されることが決定した。
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 「ワールド・エクストリーム・シネマ」は、“世界中のガツン!とくる映画集めました。”をテーマに2014年と2015年に開催されてきた特集上映。3回目の開催となる今回は、韓国映画『隻眼の虎』、カナダ映画『ハイエナ・ロード』、フランス映画『ザ・クルー』、イタリア映画『ハングリー・ハーツ』の4本がラインナップ。  『隻眼の虎』は、朝鮮最後の虎を巡る戦いを描いた史劇。『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクと大杉漣が共演し、『新しき世界』のパク・フンジョン監督がメガホンを取った。  『ハイエナ・ロード』は、カナダ版アカデミー賞で3部門を受賞した戦争アクション。カナダを中心に活躍しているポール・グロスが監督・脚本・出演を務めるほか、キーファー・サザーランドの義弟ロッシフ・サザーランドが出演している。  『ザ・クルー』は、『フランス特殊部隊 GIGN』のジュリアン・ルクレルク監督が手がけた、武装強盗団とギャングの戦いを描いたクライム・アクション。キャストには、『彼女たちの時間』のサミ・ブアジラ、『ぼくを探しに』のギョーム・グイ、『あの夏の子供たち』のアリス・ドゥ・ランクザンらが名を連ねている。  第27回東京国際映画祭でも上映された『ハングリー・ハーツ』は、『素数たちの孤独』のサヴェリオ・コスタンツァ監督が手がけたサスペンス。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のアダム・ドライヴァー、と『眠れる美女』のアルバ・ロルヴァルケルは、本作で第71回ヴェネツィア国際映画祭主演男優書と女優賞をW受賞している。  なお、「ワールド・エクストリーム・シネマ2016」で上映される4作品すべてを鑑賞した観客に、もれなく“限定海外ビジュアルチラシ”がプレゼントされる「ワールド・エクストリーム・チラシ キャンぺーン」の実施も決定している。
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『隻眼の虎』

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『ハイエナ・ロード』

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『ザ・クルー』

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『ハングリー・ハーツ』

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『隻眼の虎』海外版ポスター

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『ハイエナ・ロード』海外版ポスター

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『ザ・クルー』海外版ポスター

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『ハングリー・ハーツ』海外版ポスター

■公開情報 「ワールド・エクストリーム・シネマ2016」 10月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催 上映作品: 『隻眼の虎』 監督:パク・フンジョン 出演:チェ・ミンシク、大杉漣、チョン・マンシク、キム・サンホ 2015/韓国/カラー/139分(予定)/シネスコ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:대호(英題:TIGER) 『ハイエナ・ロード』 監督・脚本・出演:ポール・グロス 出演:ロッシフ・サザーランド、クリスティーン・ホーン、クラーク・ジョンソン 2015/カナダ/カラー/120分(予定)/シネスコ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:HYENA ROAD 『ザ・クルー』 監督・脚本:ジュリアン・ルクレルク 出演:サミ・ブアジラ、ギョーム・グイ、アリス・ドゥ・ランクザン 2015/フランス/カラー/81分(予定)/シネスコ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:BRAQUEURS(英題:THE CREW) 『ハングリー・ハーツ』 監督・脚本:サヴェリオ・コスタンツァ 出演:アダム・ドライヴァー、アルバ・ロルヴァルケル、ロバータ・マクス ウェル 2014/イタリア/カラー/109分(予定)/ビスタ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:HUNGRY HEARTS 配給:クロックワークス 公式サイト:http://world-extreme-cinema.com/

雨宮塔子が「子ども捨てた」バッシングに反論! 日本の異常な母性神話とフランスの自立した親子関係の差が

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プントリネアHPより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  これは、彼女なりのバッシングへの反論ということなのだろう。『NEWS23』(TBS)でキャスターに復帰する雨宮塔子が本日発売の「婦人公論」(8月9日号/中央公論新社)のインタビューに応じ、復帰を決意するまでにあった子どもたちとのやりとりを公開した。  雨宮に、「母親失格」の異様なバッシングが起こったことは、先日、本サイトでもお伝えしたとおりだ。  雨宮はフランスでパティシエの青木定治氏と結婚して2児をもうけたものの、2014年3月に離婚しているのだが、今回、キャスター復帰に当たって、フランスにいるその前夫に子どもたちを託す決断をしていた。  ところが、これに対して、青木氏の妻が「2人の子供を押しつけておいて、自分は帰国するなんてあまりに身勝手。私はベビーシッターじゃない!」と憤慨していると、「女性自身」(光文社)7月19日号が報じた。  記事はただの伝聞だったが、ネット上では、「中山美穂と同じ臭いがする」「離婚だけでも身勝手なのに仕事のために子供を捨てるなんてあり得ない」「雨宮のわがまま」「最近子供捨てる母親増えてきたわ」「ニュースキャスター失格だな!」といった激しいバッシングが巻き起こったのだ。  しかし、今回、「婦人公論」に掲載され、「子どもをパリに残して、45歳の再出発」というタイトルが付けられていた雨宮のインタビューを読むと、一連のバッシングがいかに的外れであるか、そして子どもと離れる決断をするだけで「母親失格」と攻撃する日本社会の価値観がいかにナンセンスであるか、がよくわかる。  そもそも、今回の雨宮の決断は、彼女の子どもたちから提案されたものだった。当初、TBSからのオファーがあったとき、雨宮のいちばんの気掛かりは子どもたちの学校のことだったという。そのことがあったため、即答できずに「お断りするなら誠意を持ってお伝えしないと」とも考えていた。 「最初に言われたのも『学校がかわっちゃうの?』という台詞でしたから、それ以降、あまりこの話には触れないようにしていました」  たしかに、パリで生まれ育ち、パリの学校に通う小学生と中学生の子どもにとって転校、しかも異国の地である日本への転校は、抵抗があるのは当然だろう。客観的に見ても、人生を左右しかねない問題である。  だが、子どもたちは苦悩しながら、母親の人生を後押しした。ある日、12歳の娘が泣きながら雨宮にこう言ったという。 「でもママ、この仕事は諦めちゃダメだよ」 「ママはママの人生を生きてほしいけど、自分たちはこの環境を変えたくない」  12歳の雨宮の娘は自分の意思をはっきりと表明したのだ。それだけではなかった。子どもたちの意志を知った雨宮のフランス人のパートナーは、雨宮にこう言ったという。 「子どもたちの面倒を見る心構えはできているよ」  しかし、子どもたちは再び自分たちの意志を伝えてきたという。「その気持ちは嬉しい。でも、パパという選択肢はないの?」と。そのため前夫であるパティシエの青木定治氏に話したところ、引き受けると即答してくれたことから、雨宮の決心が固まったのだ。  日本で起こった“子どもを捨てた”といったゲスなバッシングがいかに事実無根であるかがよくわかるだろう。  しかも、重要なのは、この雨宮の話がたんに「心温まる親子のいい話」「感動物語」として語られているわけではないことだ。  親と子どもが依存しあうのではなく、お互いの意思をきちんと伝え合う。フランス社会にはこうした自立した親子関係が根付いていることを雨宮は提示している。  その結果、母親と子どもが離れて暮らす決心をしただけで「母親失格」「子どもを捨てた」とバッシングを繰り広げる、日本の母親観がいかに歪であるかが浮き彫りになったと言えるだろう。  おそらく、こうした母親観の背景には、日本社会の母親への育児押し付け、母性神話がある。そして、この価値観はたんに女性を社会から疎外するだけでなく、子どもを過保護にし、子どもの自立を妨げる弊害を生み出しているのだ。  実は、雨宮は自分の体験に寄せるかたちでそのことも語っている。雨宮自身も以前は母子密着的な価値観からまったく抜け出せず、幼稚園の壁によじ登って子どもの様子を覗いたこともあったほどだったという。そして、雨宮はそのとき、フランス人から言われた言葉と、フランスの母親像をこう語っている。 「フランス人からは、『あなたは子どもとの距離が近すぎる』と言われてしまって。長期で子どもと離れたことがないので実際どうなるかわかりませんが、子どもが大丈夫でも、私のほうがキツいかもしれません」 「フランスでは、女性は母親であると同時に妻であり女であるという部分がないといけない、という考え方。だから女性は女である自分を楽しむために(ベビーシッターを雇うなど)赤字を覚悟で子どもを人に預けて、外へ繰り出します。そういう母親を見ているから子どもも親離れがしやすいし、母親にも働いてほしいと思えるようになるのでしょう」  フランス的な考え方すべてが正しいわけではないが、しかし、日本の母子密着に代表される母性神話にもとづいた考え方が子離れ、親離れを阻み、「子の面倒は母親がみるのが当たり前」という育児問題を生み、女性の社会進出を拒んでいることは否めない事実だ。  ところが、安倍政権の周りにいる保守勢力はむしろ逆に、この母性神話を強化し、いびつな母子密着をさらにエスカレートさせようとしている。  こんな封建時代へのノスタルジー的価値観に支配されているかぎり、少子化問題が解決することなど絶対にありえないだろう。雨宮のインタビューは、歪な母性神話に縛られていない女性がニュース番組に登場することへの期待とともに、日本社会の残念な現実をあらためて我々に突きつけたというべきかもしれない。 (伊勢崎馨)

『スーサイド・スクワッド』ウィル・スミス、マーゴット・ロビーら来日へ 来日キャスト特別映像も

【リアルサウンドより】  9月10日に公開される『スーサイド・スクワッド』より、ウィル・スミス、マーゴット・ロビー、福原かれんらが来日することが決定。あわせて特別映像が公開された。  本作は、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に続く、DCコミックスの映画プロジェクト“DCフィルムズ”の第2弾。バットマンらに捕まり、死刑や終身刑の判決をくらったヴィラン(悪役)たちが、減刑などの個人的な理由で、世界崩壊の危機に立ち向かう模様を描く。  このたび来日が決定したのは、今回が約3年ぶり13回目の来日となるデッドショット役のウィル・スミスをはじめ、ヒロインであるハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビー、本作がハリウッドデビューとなるカタナ役の福原かれんの3人。8月25日に実施予定のジャパンプレミアにて、日本のファン数千人の前に登場する予定だ。

『スーサイド・スクワッド』特別映像

 一方の特別映像には、スミス、ロビー、福原が演じる3キャラクターの暴れっぷりが収められている。バットを振り回し、笑顔で近づいてくるハーレイ・クインの登場シーンに始まり、ポップなイラストのミサイルが飛び交うなか、両腕のマシンガンから銃をぶっ放すデッドショット、浮世絵風な大波をバックに、妖刀を振りぬく日本人女剣士・カタナの姿が捉えられている。 ■公開情報 『スーサイド・スクワッド』 9月10日(土)全国ロードショー 監督・脚本:デヴィッド・エアー 製作:チャールズ・ローブン、コリン・ウィルソン、リチャード・サックル 出演:ウィル・スミス、ジョエル・キナマン、マーゴット・ロビージャレッド・レト、ジェイ・コートニー、カーラ・デルヴィーニュ、福原かれん 配給:ワーナー・ブラザース映画 (c)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC 公式サイト:suicidesquad.jp

さんま・中居のSMAP問題トークでマスコミが触れなかった最もヤバい部分とは? キムタクとの仲、SMAP復活が…

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中居と木村の溝は想像以上に深い?
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  昨晩の『FNS27時間テレビフェスティバル!』(フジテレビ)で、明石家さんまが中居正広に「SMAP解散騒動」をツッコんだことが話題になっている。しかも、そのツッコミの鋭さは予想以上。たんに騒動を振り返って、当時のメンバーのギクシャクぶりを暴露しただけでなく、SMAPの不自然な現在の状態を指摘し、最後はあの飯島三智マネージャーの名前まで口にしていたのだ。  また、ツッコミを受けた中居正広の様子も興味深かった。答えに窮してタジタジになっただけと感じた人も多かったかもしれないが、注意深く見てみると、SMAPのこれからについて、中居は重要なメッセージを発していた。  もっとも、このテレビではめったにお目にかかれないタブーに踏み込んだやりとりも、芸能マスコミはジャニーズに遠慮してかほとんど報じなかった。テレビはもちろん、スポーツ新聞もウェブニュースにしたのはスポーツニッポンくらい。Yahoo!トピックスもなぜかこのニュースは取り上げなかった。他のネットニュースも、さんまのツッコミの様子を面白おかしくクローズアップしただけで、一番大事な部分を伝えていない。  ならば、リテラが2人のやりとりの問題部分をあらためて紹介しながら、それがどういう意味をもっていたのか、解説しよう。 「もう世間も、SMAP騒動のことここでちょっと、もうぶっちゃけた話するわ。もうぶっちゃけた話、ごめん。もう黙って聞け。俺もな、野暮じゃない」  こんな前置きをした後、さんまがまず切り込んだのは、SMAPが各民放の夏の音楽特番をすべて辞退したことだった。 「だからな、中居、俺もどうなってんねんとは訊かへん。ただ、ただな。中居、ファンのために、な、お前、歌番組になんで出えへんねん!」  たしかに、SMAPが今年、例年出演していた『音楽の日』(TBS)や『FNSうたの夏まつり2016 ~海の日スペシャル~』(フジテレビ)といった音楽特番を軒並み出演辞退したのは、不自然だった。とくに『音楽の日』は中居がMCにもかかわらず、SMAPの出演はなし。辞退理由は「新曲を出していないから」と発表されたが、昨年9月に発売された最新曲はこれらの番組ではまだ披露していないし、そもそも最新曲でなく「世界に一つだけの花」や「夜空ノムコウ」などの代表曲を歌うことも多いので、この理由が建前でしかないことは明らかだった。  もう、SMAP5人でいっしょに歌うつもりはないのか。その問題をさんまは、ファンに代わって追及しはじめたのだ。  これに対し、中居は「もうダメー!」とさんまの顔面をメガホンで叩いて止めようとするが、さんまは「俺は引き下がらへん! 俺はホンマに引き下がらへん!」と追及をやめない。  中居はしようがなく「調子が悪かった。体調。俺ちょっとそのとき声ちょっととばしちゃってて」と言い訳しはじめるのだが、さんまは「とばしちゃってて、FNS出れなかったの? 日テレの歌の番組のほうは?」「いやいや、そんなんで片づけられへん」とさらに追い込んでいく。  そして、「中居な、もうな、しつこいようやけどな。お前、俺がどんだけ迷惑こうむったか。知ってるよね? 去年の年末から、なあ?」と、今度は年末に番組収録で共演したときのことをもち出しはじめた。  これは、毎年、年末に放映される『さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル』(日本テレビ)のこと。昨年末、この番組の収録が行われたときは、SMAP独立、解散の動きはまだ報道されていなかったが、噂は業界に広まっており、さんまの耳にも入っていた。さんまは後に、ラジオで番組の収録のときの様子を「雰囲気が最悪で、1秒でも早く終われと思っていた」と語っていたが、中居に対してそのことを蒸し返したのだ。 「あの放送、俺、再放送でも見てほしくない。あんなおもしろくない俺初めてやわ」 「誰かがしゃべったらいつもならな、かぶせていくのにやな、誰がしゃべってもかぶせていかへん。俺がかぶせとこ思てやな、変なかぶせ方してやな、なんかトークへたくそみたいに見えたよね、俺が」  さらにさんまは、CM中の凍りついた空気まで暴露する。 「ほいで、CM中のあの空気。いやいや中居、俺はもう言う!」 「こうして1分間のCM待ってる。みんな顔も合わせず、まっすぐ見たまま。なあ」  中居がこれに「バタバタはしましたけど、いまもう全然円滑にいってますから」と反論すると、さんまはわざと「んー?」ととぼけて笑いを誘い、「この表情でウケるっておかしいやろ」とさらに混ぜ返す。そして、今度は「曲つくってないやん。お前25周年やろ、お前。わかってるか?」と、SMAPが25周年なのにグループとしてまったく活動していないことを責めはじめる。 「25周年やからコンサートをやると思って、それなりに期待してました。また観に行かしてもらおうと思ってました。そしたらコンサートもない。曲も出さない。書いたろか? 曲」  また、さんまはこんなことも言っていた。 「あのね、ディレクターもみんな一生懸命ネタ考えてやってはんねん。な? もう世間も知ってることやから言うわ。みんなもうフジテレビの社員なったはいいけど、SMAPと仕事できました。あー嬉しいな。それがここにきてや……」  これはおそらく『SMAP×SMAP』(フジテレビ)のことだろう。唯一5人が番組収録で揃うといわれる『スマスマ』だが、5人一緒なのは「BISTRO SMAP」と歌のコーナーだけで、それもギクシャクした雰囲気ややる気のなさが伝わってくる。さんまはそのことをチクリと言ったのだ。ただ、中居の反応を見てまずいと思ったのか、さんまは途中でギャグに話を変えていたが。  さらに、さんまは、みんなが見て見ぬふりをしている中居と木村拓哉の対立にまで踏み込んだ。最初は、さんまが12月くらいから騒動を聞いていたことを明かして、中居から「誰から聞いたんですか?」と質問されたときだった。「それは言えない。もう、知ってるくせに。いや、知ってるくせに、って、ちゃうちゃう。アイツからとは違う。アイツからとは違うホンマに」と、自分がキムタク派だと思われていることを逆手にとって、ノリツッコミで、キムタクのことをもちだした。  そして、自分とSMAPの付き合いが20年以上に及ぶと言ったうえで、いきなり「お前はなんか俺を木村派みたいな目で見てるやん?」「俺は木村派でもなんでもないねん。SMAP派!」とぶっこんだのである。  中居が慌てて「派なんかないですよ。考えたことないですし、僕ら5人も派閥もなんもないです」と弁明すると、さんまも「ないないない。俺が間違うてた」とフォローしたが、しかし、そこはさんまである。「でも、俺この件に関してはアイツからは一切聞いてないぞ。言うとくけど。怖いから、いろんなこと聞くの」と言い訳をするふりをして、中居と木村の溝を明らかにして、2人を和解させたいとギャグまじりに言いはじめた。 「なんか、なんかね。『さんまが大活躍!和解!』とかなんか、そういうの。なんかねー、そういうポジションでいたいな」  和解させたいというのがギャグか本気かはわからないが、いずれにしても、テレビというメディアで、木村と中居の対立にふれたのは、これが初めてだろう。  いや、木村のことだけじゃない。さんまは中居のつれない態度に「そんなこと言うたらお前、俺、嵐に乗り換えるよ」と言い出し、中居が「嵐も嵐で応援してくださいよ」と答えると、「嵐も嵐で……ややこしーな、お前んとこ」とつぶやいてもいた。これは明らかに、ジャニーズ内の派閥抗争を指したものだろう。  そして、きわめつきが、SMAP産みの親である飯島マネージャーとメリー喜多川副社長への言及だ。さんまは、「最後に一つだけ聞かしてくれ」と言って、こう語りはじめた。 「な? 中居もう、いい? いい? 飯島さんはどうしてはんの? それだけ言うてくれたら俺引き下がる。もうそれだけ。ともに歩んできた、まあ戦友みたいなもんや。俺からしても。せやろ? どうしてはるかだけ言うとけ。元気でやってますでもいいし」  そのうえで「俺はメリーさん派やからな、どっちかというたら。あの、ホンマに。俺イタリアンレストランでごちそうになったことあんねん」と混ぜ返した。  深夜とはいえ全国ネットで、騒動の根っこ、ジャニーズ事務所が公式に否定している飯島氏VSメリー副社長の派閥抗争があることを公言したのだ。  このように、さんまはすべてギャグにしつつも、SMAP解散騒動のもっとも本質の部分に踏み込み、ファンがいちばん知りたい疑問や求めていることを中居にぶつけた。まさに、さんましかできない芸当だと言えよう。  ただ、このさんまのツッコミは、SMAPファンにとってはちょっと残酷な現実を突きつけることになったかもしれない。というのも、さんまにツッコまれた中居の反応から、SMAP復活がほぼ絶望的であることが、明らかに読み取れたからだ。  中居はさんまから、「なんで歌番組出えへんねん」「歌なんで歌わへんねん」「ファンのために、歌だけは歌ってやってくれ」「いついつレコード出すって言うまで(言い続けるぞ)」と執拗に迫られ続けたが、結局、中居は歌番組も、コンサートも、新曲も、「やる」とは一度たりとも明言しなかった。いつとは言えないけれどいつかは、とすら言わなかった。「大丈夫です」「僕らで相談して決めます」とだけ。ウソでもいいからファンを安心させろと言われても、何一つ先のことを語らなかった。  中居と木村の対立の深刻さも浮き彫りになった。実は、中居はこのさんまとのやりとりで、たった一回だけ、木村の名前を口にしている。それはこんなセリフだった 「なんで僕……僕じゃなくて木村に聞けばいいじゃないですか」  これは、中居たちの立場からすれば解散の危機をつくり出したのはキムタクであって、自分が問われるのは違うという気持ちが出たものではないだろうか。  中居は明らかに、SMAPに対して後ろ向きだった。騒動の際、ファンや国民の反発で事務所はSMAPを解散させられなくなったが、実際はもうSMAPは死んでいること、もとには戻れないことを中居がいちばんわかっているのではないか。そして、本音ではジャニーズに残る意味ももてず、けれども解散しないでほしいというファンの気持ちのためだけに、身動きとれなくなっている、ということではないか。  そして、もっとも気になったのは、飯島マネージャーに話が及んだときのことだ。さんまから「最後に一つだけ聞かせてくれ、飯島さんはどうしてはんの?」と聞かれた中居は、この夜いちばん困ったような顔を見せ、慎重に言葉を選びながら、こう答えた。 「うーん、えー、いま見てるでしょ」  ジャニーズ事務所の手前、はっきりとは言えなかったが、これはいまも「連絡をとっている」ということだろう。これをもって、中居独立の可能性はまだ消えていない、と考えるのは穿ちすぎだろうか。 (時田章広)