『LEGO(R)ムービー』に続く新作、2017年4月公開へ LEGOバットマンが主人公に

【リアルサウンドより】  「The Lego Batman Movie」が『レゴバットマン ザ・ムービー』の邦題で、2017年4月1日に日本公開されることが決定した。  本作は、2014年に公開され、世界興行収入469,160,692ドル(Box Office Mojo調べ)を記録した映画『LEGO(R)ムービー』に続く、新たなレゴ・アドベンチャー。前作でヒーロー軍団を率いていたLEGOバットマンが、ジョーカーの乗っ取り計画から街を救うため一匹オオカミの自警団をやめ、ほかのヒーローたちと共に戦う模様を描く。  前作に引き続き、クリス・マッケイ監督がメガホンを取り、ブルース・ウェイン(レゴバットマン)の声優をウィル・アーネットが務めるほか、ジョーカーの声を『ハング・オーバー!』シリーズのザック・ガリフィナーキス、孤児ディック・グレイソンの声を『JUNO/ジュノ』のマイケル・セラ、バーバラ・ゴードン(バッドガール)の声を『白い沈黙』のロザリオ・ドーソン、執事のアルフレッドの声を『ハリー・ポッター』シリーズのレイフ・ファインズがそれぞれ担当する。  LEGOシステムASの提携によりLEGOコンストラクション・トイズに基づいて、脚本に追加される構成要素については、『インターンシップ』のジャレッド・スターンとジョン・ウィッティントンが担当する。  ライアン・ハリスとともに製作総指揮にも携わったマッケイ監督は「バットマンは前作の『LEGO(R)ムービー』でも主要登場人物の一人でした。作品の中でもかなり人気のあるキャラクターだったし、前作の本編でも“これは映画になるぞ”とバットマンが10回くらい言っているし、このチャンスを使って、作り手たちを窮地に追い込んで、バットマンのシリーズを作らざるを得ない状況にしようと思ったのさ(笑)」と語った。  また、アーネットは「バットマンは孤児で孤独な男だから、何においても自分を頼りにするしかない。だからいろんな葛藤を抱えている。これは監督と話していたことなのだけど、この映画はバットマンが敵をやっつけるだけの映画ではなく、自身の中にある葛藤を克服する話でもある。あれだけ虚勢を張っている男は、たいがい何がしかの性格的な欠点を補おうとしている」とコメント。  なお、レゴのテーマパーク「レゴランド」が2017年4月1日、名古屋にオープンする。敷地面積9.3万平方メートル、総事業費は320億円。レゴブロックで作った高さ2メートルの名古屋城や、アトラクション、ジェットコースター、飲食店や物販店などの建設が予定されている。 ■公開情報 『レゴバットマン ザ・ムービー』 2017年4月1日(土)全国公開 配給:ワーナー・ブラザース映画 原題:「The Lego Batman Movie」 (c)The LEGO Group. TM & (c)DC Comics. (c)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

「残酷な天使のテーゼ」の作詞・及川眠子、『エヴァ』での儲けは6億円!? 作詞の裏事情を赤裸々に語る!!

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テレビ東京公式サイト『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告』無料配信より
 25日深夜、テレビ東京系で放送されたバラエティ番組『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告』に、作詞家の及川眠子が出演し、作詞の裏側や儲けのからくりなど、驚きの内情を暴露した。  アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、エヴァ)でおなじみの楽曲「残酷な天使のテーゼ」や「魂のルフラン」などの作詞を手掛けたことで有名な及川。昨年9月放送の『アウト×デラックス』(フジテレビ系)に出演した際も、「企画書と最初の2話を早送りで見て2時間ほどで書き上げた」「『エヴァ』のおかげでこの四半世紀(25年)年収が3000万円を切ったことがない」「『エヴァ』のパチンコの印税で(年収が)億行きました」と、仰天のエピソードを明かし、話題となった。  今回及川は、その『エヴァ』楽曲の作詞や印税についてさらに詳細な裏事情を明かした。  ネット配信も含め、100万枚以上の売り上げを誇る「残酷な天使のテーゼ」は、キングレコードのプロデューサーから、「難しい歌詞にしてくれ」という依頼があったそう。悩んだ及川は、「萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』(小学館)という漫画を見て、パッと閃いて、これを使おうと思った」と、名曲誕生の背景を告白。アニメが出来上がっていない状況で、渡された企画書のみを参考に作詞をしたというが、「『14歳の少年少女』と『お母さん』と『年上の女』というキーワードが浮かんで。(高橋)洋子ちゃんが歌うのならば、14歳の子供の立場からでは変だ。母親や年上の立場からにしようって」と、作詞センスの高さを感じさせるエピソードも。  一方の「魂のルフラン」については、「1話分だけビデオをプロデューサーに渡され、『これ観て感じたことを書いて』と言われた。それが“死んで生き返る”という内容で、『ああ~“輪廻”ね』って書いたのがアレ」とサラッと告白。これには番組MCの次長課長・河本から「一番エヴァンゲリオンを愛している人が書いた詞だなって思うくらいですよ(苦笑)」と思わず突っ込みが。  番組ではさらに、“儲けのからくり”も暴露。通常、作詞家の印税は、CD一枚の低下の6%からJASRAC(日本音楽著作権協会)の手数料を引いたものを作詞家・作曲家・音楽出版社で分ける。つまり、CD1枚1,000円の場合、全曲作詞していれば約15円ほどの印税が入る仕組みだ。    作詞だけでも数千万円の儲けがある「残酷な天使のテーゼ」は、パチンコによる印税も大きく、『エヴァ』のパチンコ台の場合、1曲につき1台約30円の契約料が入る契約で、これに「魂のルフラン」を加えた2曲が採用されたため、1台60円。一番多いときには全国で20万台以上設置され、これまでシリーズ第10弾まで展開されていたというから、その収入はすさまじいものだ。『エヴァ』関係で、6億円以上の収入を手にし、25年間年収3,000万円以上をキープ、「とりあえず3,000万円くらいは下がったことはないんですよ」という及川に、出演者たちからは驚きの声と、ため息にも似た声が漏れた。  そんな及川だが、14年に離婚した18歳年下のトルコ人男性に3億円つぎこみ、現在は借金生活を送っている。今月4日放送の『アウト×デラックス』に再び出演した際は、「(借金は)あと5,000万円くらい」「もう回収に入りましたから。発売中でございます。『破婚—18歳年下のトルコ人亭主と過ごした13年間—』(新潮社)」と、自身のエッセイを宣伝。この自伝には、元夫との超劣悪婚を綴った衝撃の内容が綴られているようなので、及川がいかにして借金生活へと転落したか気になる人は、チェックしてみては。

『ファインディング・ドリー』併映短編『ひな鳥の冒険』も抜かりなし! 「450枚から700枚の羽を描いた」「水だけで約10億円かかった」

 現在全国で公開中の長編映画『ファインディング・ドリー』。その『ファインディング・ドリー』と同時上映されている短編『ひな鳥の冒険』(原題『PIPER』)も、愛らしさもさることながら、リアルな質感表現でも注目を集めている。
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画像:『ひな鳥の冒険』(c)PIXAR ANIMATION STUDIOS 
 第16回広島国際アニメーションフェスティバルの会期2日目にあたる8月19日、ピクサーが『ひな鳥の冒険』の上映とメイキングセミナーを行った。ピクサーは毎回、広島フェスで短編のセミナーを実施しており、前回(2014年)は『LAVA』を取り上げていた(記事参照 http://otapol.jp/2014/09/post-1521.html )。日本では『LAVA』よりもむしろ、翌15年に『インサイド・ヘッド』の併映となった『南の島のラブソング』という邦題で覚えている人も多いだろう。  今回のセミナーに登壇したのは監督のアラン・バリラーロとプロデューサーのマーク・ソンドハイマー。アランは『ひな鳥の冒険』について「作り始めた時には、映画にすることは全く考えていなかった。最初の時はテストとして作っていた」と述懐、制作の動機は「ピクサーに20年間勤めていて、アニメーターやエンジニアとして技術的なテストをしたいなと思った」ためだったという。 「アニメーションを作る時のツールというものは発展途上にあり、今後アニメーションをどのように制作していくか、どのようにしたらアニメーターが表現できるかということでテストしていた。テクニカルチームの仲間と一緒にアイデアを出し合っていた時に浮かんできた」(アラン)  ちなみにアニメーターと聞くと2D手描きのみを思い浮かべるかもしれないが、実写・VFX・ゲームまで念頭においた場合は3DCGも含まれることを留意しておきたい(例えばスタッフの求人でもアニメーターの項目に、要求されるスキルや使用するCGソフト名などが付記されている)。
『Piper』- First Look - Official Disney Pixar | HD
 ピクサーの社屋は海岸の近くにあることでも知られる。アランは「毎朝ランニングをしている時にこの小さな鳥(シギ)をよく見ているけど、普段から色んなものがキャラクターのように見えていて、波から逃げるシギを見た時にキャラクターにしたら面白いだろうな」と着想を得たようだ。  シギのCGモデルについてアランは「『アナと雪の女王』に出てくるカラスに少しづつデザインを加えて新しいデザインにしていった」という。「ジョン・ラセターとアンドリュー・スタントンも、このテストを見てとても気に入ってくれて、最終的に短編にしたらどうかと言ってくれた」ことから実現に至った。 「作品を作っていく際に個性を出すため、子供の視点だけでなくて親の視点も入れたい」と思ったアランは今回が初監督。どれだけ難しいのかを制作しながら感じていた。初めに「自分が10cmくらいのサイズだったら、どのように世界が見えるか」「どういう風に景色が見えるのかをCGで表した。コンピューターから一旦離れ、浜辺に行ってシギたちの生態を観察した。プロダクションの人たちと水の中の見え方も調査したが、泥っぽくてなかなか上手くいかない部分もあり、ハワイまで撮影に行った」(アラン)
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写真:サイン会にてアラン・バリラーロ(右)とマーク・ソンドハイマー(左)
 アランは普段から色んなものがキャラクターのように見えていると語っていた。その例として「浜辺にあるものを身近に感じていたが、全く違う視点から捉えるのを大変楽しく思った。草の描き方を変えていくことで、暖かで落ち着ける場所が急に恐ろしくなってしまうなど、檻の中にいるように見える」と、シギの巣がある草むらにもキャラクター性を見出していた。  キャラクターを見出すとはいえ、アランはその誇張にも気を遣っている。「シギは自然のままでも大変面白くて、非常に表情も豊か。だからキャラクターをアニメーション的にしていく必要がなかった。そうやって作っていくのも個性的でユニークであると感じた」。鳥に関しては「人間のような動きを排除するということ。新しいやり方で表現したいと思った」とのこと。  アランは制作プロセスの中で、羽が非常に重要な役割を担っていると気づいた。「羽を上手く使うことで、眉などを使わなくても表現できた。通常は表面の部分だけのところ、450枚から700枚の羽を描いた」。新規にシェーダーを開発したかと思いきや、まさかの手描き。部位ごとにパターン化すれば複製も可能ではあるものの、風でなびいていたり、水で濡れていたりするカットもあるのだから、その労力は圧巻だ。 「もう1つは自然界のものを利用すること。部分に分けていって、それぞれがどう動くかということで、実写で撮っている時にシギが風をどう感じているかに気づくことができた。また羽の下の表皮を動かすという『ドリー』でも使われた同じ技法を用いた」(アラン)
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写真:サインの書かれたポスターを掲げるマーク・ソンドハイマー
 質疑応答ではプロデューサーのマーク・ソンドハイマーが応じる場面が多かった。「制作期間はツールのテストも含めて2年くらい」とマーク。「アニメーションは一定ではなく、常に変化し続けていくものだと思っている。正直言って、何で上層部の人たちが関心を持ってくれて、短編にすべきだと言ってくれたのか分からない」と感謝の念を述べた。  制作予算について問われた際には、マークは「水を作るだけでもおよそ1千万ドル(約10億円)かかった。詳しくは話せないが、これまでの短編と比較しても同じくらい」と明かした。短編には長編を制作するための技術開発や試作といった側面もあるにしろ、ここまでの膨大な予算を費やせるのもピクサーならではだろう。  マークはさらに「水のほかにも砂や羽については大変お金のかかるところで、短編を作ると決めてくれたのが良いことだった」と続けた。また、その後の質問を受けて「CGとか実写とか関係なくストーリーが大事になってきていて、アニメーターがどういうことを伝えていきたいかを考えていける時代になったと思っている」と展望した。 「監督たちにとっても、自分たちが表現したいと思うことを表現しやすくなった。技術が発展してきているので、同じものであってもピクサーであれば違ったストーリーを作っていくことができる。話の中で個性を出せたり、CGでやっていけたりするのは興味深い」(マーク)  ここまでの話を聞いて改めて『ひな鳥の冒険』を見てみると、ますますその凄みが伝わってくるのではないだろうか。 (取材・文/真狩祐志) ■広島国際アニメーションフェスティバル http://hiroanim.org/

中国4大女優、シュー・ジンレイの品格と知性 大塚シノブが『あの場所で君を待ってる』を観る

【リアルサウンドより】  徐姐(シュー姉さん)は、相変わらずスゴい女性だなと思う。中国映画『あの場所で君を待ってる』の監督であり、主演の一人も務めるシュー・ジンレイのことである。シュー・ジンレイは日本での知名度はあまり高くはないが、チャン・ツィーイー、ヴィッキー・チャオ、ジョー・シュンらと並ぶ中国4大女優の一人であり、ブログの女王とも呼ばれる、中国では誰もが知る非常に有名な女優である。そして42歳という若さで、すでに6作もの映画を撮っている映画監督でもある。  実はシュー姉さんは、私が中国で良くしていただいた内の一人で、とても尊敬する女性でもある。プライベートな付き合いであるが、自宅に呼んでいただいたり、食事をしたり、カラオケに行ったり。日本に来た時、私が銀座をアテンドしたこともあった。大女優でありながら飾り気もなく自然体。自宅には本がぎっしり詰まった一面の大きな本棚に、一つ一つ選んで置かれたセンスのいい骨董家具。その本棚から一冊、中国語の小説もいただいた。芸術家気質で勉強家、聡明な女性。私が胃の調子のよくないことを知ると、胃カメラの予約を取ってくれようとしたり、何人かで一緒にいる時には、帰り時間のことまでも気にかけてくれたりもする。気遣いもできる、物腰の柔らかい優しい人である。男性を含めた数人で食事に行っても、さらっとお会計までしてくれる男前ぶり。それはそれで大物は大変だなと思ったけれど。  私が当時、演技と並行して監督の勉強をしていたことを知り、自身が監督する映画の撮影現場に呼んでくれたこともあった。「監督もやりたいんでしょ? ここに座って勉強したらいいよ」と、彼女が座る監督チェアに惜しげもなく私を座らせ、撮影の説明もしてくれた。なんて懐の深い人なのだと、その粋な計らいに感謝した。自身の監督する作品に自身が出演するというのが、シュー・ジンレイ作品の恒例だが、監督から演者へ演者から監督へと、撮っては出て、出ては撮るを繰り返す。映画撮影に没頭するその姿はプロそのもので、現場を束ね、とても器用でもあった。  私は結構、人の言動や感情に敏感な方であるが、彼女には驕りも嫌味も一切感じたことがない。今まで女優のみならず、様々な著名な方や地位のある方にもお会いしてきたが、人間としてこうも心から尊敬申し上げたいと思った女性は、シュー姉さんが初めてだったかもしれない。特に女性同士の場合、嫉妬というのか威圧感というのか、多少なりとも感じる瞬間が正直ないわけではない、友人間でさえも。中国人だから寛大なのか、ってそんなわけでもない。ここまでのレベルになると余裕というのか、人間としての成熟度が違うのかもしれないと思い知らされ、こんな人間になりたいと思った。  子供とか男性に対する母性とはまた違う、人を包み込むような母性のようなものがある、そうも感じた。「私は痛みに弱いから、多分子供は生まないと思う」とシュー姉さんは言っていたが、予言通りというか、いまだ出産はしておらず、その愛情を今も変わらず映画に注ぎ続けている。個人的には、私は彼女のような生き方は素敵だと思うし、シュー姉さんにはそれが似合うような気がする。  今回の映画はプラハを舞台にしたラブストーリーだ。中国人でありながら、韓国の人気アイドルグループEXOのメンバーKRISとして活躍したクリス・ウー演じる、シングルファーザーのチェリスト、パン・ズーヤンと、“素顔の女神”と呼ばれるナチュラルな演技が人気のワン・リークン演じる、ジンティエンとの「現代の恋」。そこに、シュー・ジンレイ演じるジンティエンの祖母ランシンが生涯かけて愛した外国人男性との「過去の恋」が交錯する。2015年中国で公開され、興行成績は初登場1位となった。
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 プラハの景色は美しく、電灯の灯る夜の石畳はロマンティックなムードを醸し出す。甘さと切なさ、夕暮れの空に包まれるような温もりを感じる。アイドル顔のクリス・ウー効果で一瞬、韓流ドラマを観ている錯覚にも襲われながらも、シュー・ジンレイの人柄がそのまま作品に投影されたような、文学的香りのする、余韻の残る女性的な映画である。  実はシュー姉さんも、以前日本に進出しかけたことがあるが「私はあまり日本では通用しないみたい、日本語も話せないしね。でも英語勉強してる」と言っていたのを思い出した。ちなみに、この映画での彼女の台詞はすべて英語。そして日本で女優として活躍しなくても、こうして自身の監督作品が日本で公開されている。それは映画に懸ける想いと、努力の賜物だろう。
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■大塚 シノブ 5年間中国在住の経験を持ち、中国の名門大学「中央戯劇学院」では舞台監督・演技も学ぶ。以来、中国・香港・シンガポール・日本各国で女優・モデルとして活動。日本人初として、中国ファッション誌表紙、香港化粧品キャラクター、シンガポールドラマ主演で抜擢。現在は芸能の他、アジア関連の活動なども行い、枠にとらわれない活動を目指す。 ブログ:https://otsukashinobu5.wordpress.com/ 日本の芸能に関してのお問い合わせはこちらへ :http://www.breathinc.com/ ■作品情報 『あの場所で君を待ってる』 8月27日よりシネマートほかにてロードショー 出演:クリス・ウー(呉亦凡)、ワン・リークン(王麗坤)、 シュー・ジンレイ(徐静蕾)、レイザ(?依扎)、チャン・チャオ(張超) 他 監督:シュー・ジンレイ(『見知らぬ女からの手紙』) 脚本:ワン・シュオ 撮影:リー・ピンビン(『ノルウェイの森』『花様年華』) 配給:コムストックグループ、ミッドシップ  2015/中国/109分/原題:≪有一个地方只有我?知道≫/英題:Somewhere Only We Know (C)2015 Beijing Kaila Pictures Company Ltd. All Rights Reserved.  公式サイト:http://anobasyo.com/

高畑裕太事件の裏に芸能界の体質? 千原ジュニアがキム兄と女性連れ込み暴行を『すべらない話』で笑い話に…

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吉本興行株式会社HPより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  俳優の高畑裕太容疑者の強姦致傷事件が勃発以降、各局ワイドショーは連日のようにこれをトップ扱いで大きく報じ続けている。そこにコメンテーターとして出演する芸能人たちもこの事件を深刻そうに語っている。  千原ジュニアもそのひとりだ。千原は8月25日に放送された『白熱ライブ ビビット』(TBS系)で高畑容疑者が俳優デビューして以降、環境が激変したとしてこんなことを語っていた。 「道を歩いていても、"ファンです"とか"握手して、サインして"とか、環境が変わった中で、どこかで"俺やで"っていうのがあったんじゃないか」  つまり、"自分は芸能人だから何をしても許される"という傲慢さが高畑容疑者にあり、その甘えや慢心が事件を起こしたのではないかと言うのだ。高畑の事件の真相はまだはっきりわかってはいないが、芸能人だから許されるという驕りは確かに芸能界に蔓延しており、うなずける部分はある。  だが、千原ジュニアのこの解説を聞きながら、頭をよぎったのは「それ、お前が言うか」というツッコミだった。  というのも、ジュニアには、それこそ、「芸能人の奢り」丸出しで、女性を暴行しようとした事件の現場に"共犯者"として同席していた過去があるからだ。  言っておくが、これは噂話で書いているわけではない。ジュニア自身が公共の電波で笑い話として語っているのだ。  それはいまから6年前の2010年6月26日に放送された『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)でのことだった。番組に登場した千原ジュニアは先輩芸人の木村祐一とある女性と、3人で食事をしたエピソードを語りだした。 「まあ、ええ感じになって、お互い大人ですから。当時キム兄が住んでいた、ひとり暮らししていたマンションに、ちょっと一緒に行こうと」  だが、部屋に入った木村は女性に「ごそごそごそ」と"何か"をしようとしたという。 「夜も更けてるんですよ。大人ですから、そりゃ、そうなるでしょうということで。そんで行ったんです。マンションに。ほんで部屋に入りはって、なんか、ごそごそごそ、と。ほな、ばーって女性が出てきて。どうやら『私はそんなつもりで来たじゃない』と。夜中も1時2時ですよ? そんなつもりじゃない言われたって、いやいや、それ以外何があるんですか?と。お互い大人で」 「それ以外何があるんですか?」という千原の感覚にまず唖然とするが、問題はその後、キム兄がこの女性に対してやったことだった。 「これはキム兄キレてるぞと、ばっと見てみたら、鬼通り越して、素の顔してるんですよ。ほんで『帰れー!』とか『出て行けー!』とかということで、声を荒げて終わんのやろと思った」 「なぜか冷蔵庫の上、冷凍室を開け、冷凍室をパッて開けたんですよ。え? 何すんのやろと思ったら、『これなあ』って、カッチカチの鶏肉を『これな、いらん鶏肉やから、俺はいまからこれを捨てんねん』って言ってて、いまもう帰ろうとしている、ハイヒールを履こうとしている女の子の足元にゴーンっと」  女性が自分の意のままにならないとキレて、当たれば大怪我をしかねないものを投げつけて威嚇する。とんでもない話だが、しかし、ジュニアは木村を非難したわけではない。鶏肉を投げるポーズや、玄関に凍った鶏肉が転がる様子をジェスチャー付きで説明しながら、この話をまさに「すべらない話」として面白おかしく語り始めたのだ。  しかも、話はこれだけで終わらなかった。キム兄はその後も、帰ろうとする女性に、「いらん鶏肉を捨ててるだけや」と鶏肉を投げ続けたのだという。 「なんとかハイヒール履いて、女の子がバーっと出て、エレベーター押すねんけどキム兄ももちろん出てきて。『俺は、いらん鶏肉を投げてるだけや』。コーーンと。エレベーターの前で待ってる女の子の足元にコーンと。全然エレベーター開かないんですよ。ほんで女の子は階段でカカカカーンと走っているなか、『いらん鶏肉捨ててるだけやね〜ん!』と(周囲は爆笑)。鶏肉がハイヒールを追いかける(笑)」  これはもはや「威嚇」どころではない。被害者が訴え出ていれば、暴行罪、脅迫罪が成立してもおかしくない事件ではないか。  そして、千原ジュニアの話を聞くかぎり、ジュニアもその場にいて、木村の行為を目の辺りにしながら、止めることもせず、笑って見ていたとしか思えない。それどころか、女性に対して「そんなつもりじゃない言われたって、それ以外何があるんですか?」という理不尽なセリフを投げつけていたのを聞くと、千原もある種の"共犯"だったんじゃないかという印象さえ受ける。  しかも、もっと呆れるのは、千原ジュニアがこれを"武勇伝""笑い話"としてテレビ番組で披露し、松本人志はじめ共演者の芸人もこのジュニアの話に大爆笑していたことだ。  つまりこれは、この松本人志まわりの芸人たちに、そういう女性をモノ扱いする価値観、「芸能人に口説かれたらやらせるのが当然」という傲慢な感覚が共有されているということだろう。実際、芸人の世界では、後輩にナンパさせ、合コンをセッティングさせて、強引に女性を口説くということが日常茶飯事になっており、週刊誌ではレイプまがいの噂もしばしば書き立てられてきた。事件になっていないのは、女性が泣き寝入りしているからというだけではないのか。  今回、高畑裕太のやったことは絶対に許されることではないが、こうした女性をモノ扱いする姿勢、芸能人だからという特権意識は芸能界に蔓延している。いや、芸能界だけじゃなく、フジテレビがこんなトークを平気で放送したことからもわかるように、テレビ業界もそうした価値観からまったく抜け出せていない。  これでよく自分たちのことを棚上げして高畑裕太を弾劾できるものだ、とその厚顔ぶりにうんざりさせられるが、しかし、彼らを注意深く見ていると、その意識はそこかしこに表れている。  たとえば、今回の事件で、ワイドショーの司会者やコメンテーターたちが、高畑裕太の何を責めているかをチェックしてみればいい。彼らがいちばん熱心に口にしているのは「どれだけ周りに迷惑をかけたのか」「撮り直しでどれだけの人がカバーしなきゃいけなくなったのか」ということで、被害者の女性のからだや心に一生残るような傷をつけたことについては、ほとんど申し訳程度にしか語らないのだ。これだけを見ても、彼らがいかに、「レイプ」という犯罪を甘く考えているかがよくわかるだろう。  さらに、千原ジュニアにいたっては、先の『白熱ライブ ビビット』でこんなことも言っていた。 「憶測ですがフロントの女性に歯ブラシを部屋まで持ってきてもらった時に"俺やで"ってことで、そこで自分が思っていた言動とは違う動きを女性がされたのでは、と思ってしまう」  オブラートに包んだ話し方をしているので、なんとなく聞き逃してしまいそうになるが、「芸能人の"俺"なのに、女性がそうした対応をしなかったから事件が起こったのでは」と言っているのだ。これは、まさに6年前に『すべらない話』でキム兄の暴行話を面白可笑しく語っていたときとジュニアの感覚が変わっていないことの証明ではないか。  今回の事件報道で浮き彫りになったのは、高畑裕太という駆け出し二世タレントの特別な犯罪ではなく、その背後にある芸能界とテレビ業界の女性を性処理の道具としてしか見ていない、女性差別丸出しの体質だ。  こうした事件を二度と起こさせないためにも、この機会に、テレビ局員や芸能人にひどい目にあわされた女性たちが勇気をふりしぼって声を上げてくれることをぜひ願いたい。 (林グンマ)

佐藤健主演・本広克行監督で人気コミック『亜人』実写映画化へ

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『亜人』公式サイトより
「ここのところ、またマンガの“実写化”が相次いで発表されていますが、映画『るろうに剣心』を大ヒットさせた佐藤健も、再びマンガ原作の作品に挑むそうです。監督は『踊る大捜査線』の本広克行監督で、作品は桜井画門の『亜人』(講談社)だそうです」(出版社関係者)  5月に公開された映画『世界から猫が消えたなら』で主演した佐藤健。この作品も原作物だったが、マンガではなく小説だった。 「やはり、この映画がコケたことで、佐藤健といえばマンガモノ、しかもアクションモノじゃないかということで、佐藤さんありきで『亜人』の映画化が決まったそうです。マンガそのものはまだ続いているのですが、原作に沿ったオリジナルストーリーになる予定です」(芸能事務所関係者)  マンガ『亜人』は2015年11月からは劇場アニメ化が、今年の1月からはテレビアニメ化もされている人気作品だ。 「アクションシーンも多いですし、CGを多用する作品になるでしょうね。撮影は11月から12月に行われるそうですが、アクションシーンは佐藤さんたっての希望で、スタントをほとんど使わない予定だそうです。まだ佐藤さん以外のキャストは、ほとんど決まってないそうですよ」(テレビ局関係者)  公開は来年の夏になるというが、この作品が佐藤と本広克行監督にとって正念場となりそうだ。 「佐藤さんはやはり『ヒット作=マンガ原作物』というイメージがついてしまう恐れがあります。『るろ剣』のあとにヒットした『バクマン。』もマンガ原作ですしね。それでも、2作続いて主演作品がコケるよりはマシです。本広さんも『踊る』以降はヒット作もありませんしね。東宝としても興収は最低でも20億を見込んでいるみたいです。特に佐藤さんは“色”がついてしまう恐れはありますが、ヒットさせないと、また何を言われるかわかりませんからね」(映画関係者)  どちらも新たな代表作となるか――。

佐藤健主演・本広克行監督で人気コミック『亜人』実写映画化へ

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『亜人』公式サイトより
「ここのところ、またマンガの“実写化”が相次いで発表されていますが、映画『るろうに剣心』を大ヒットさせた佐藤健も、再びマンガ原作の作品に挑むそうです。監督は『踊る大捜査線』の本広克行監督で、作品は桜井画門の『亜人』(講談社)だそうです」(出版社関係者)  5月に公開された映画『世界から猫が消えたなら』で主演した佐藤健。この作品も原作物だったが、マンガではなく小説だった。 「やはり、この映画がコケたことで、佐藤健といえばマンガモノ、しかもアクションモノじゃないかということで、佐藤さんありきで『亜人』の映画化が決まったそうです。マンガそのものはまだ続いているのですが、原作に沿ったオリジナルストーリーになる予定です」(芸能事務所関係者)  マンガ『亜人』は2015年11月からは劇場アニメ化が、今年の1月からはテレビアニメ化もされている人気作品だ。 「アクションシーンも多いですし、CGを多用する作品になるでしょうね。撮影は11月から12月に行われるそうですが、アクションシーンは佐藤さんたっての希望で、スタントをほとんど使わない予定だそうです。まだ佐藤さん以外のキャストは、ほとんど決まってないそうですよ」(テレビ局関係者)  公開は来年の夏になるというが、この作品が佐藤と本広克行監督にとって正念場となりそうだ。 「佐藤さんはやはり『ヒット作=マンガ原作物』というイメージがついてしまう恐れがあります。『るろ剣』のあとにヒットした『バクマン。』もマンガ原作ですしね。それでも、2作続いて主演作品がコケるよりはマシです。本広さんも『踊る』以降はヒット作もありませんしね。東宝としても興収は最低でも20億を見込んでいるみたいです。特に佐藤さんは“色”がついてしまう恐れはありますが、ヒットさせないと、また何を言われるかわかりませんからね」(映画関係者)  どちらも新たな代表作となるか――。

『サラダデイズ-SALAD DAYS-』、イアン・マッケイらのインタビュー映像含む予告編公開

【リアルサウンドより】  10月1日に公開されるドキュメンタリー映画『サラダデイズ-SALAD DAYS-』より、予告編と場面写真が公開された。
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『サラダデイズ-SALAD DAYS-』ポスタービジュアル

 本作は、80年代のワシントンで生まれた音楽シーン、ハードコアパンクに迫ったドキュメンタリー映画。ハードコアパンクは、DIYパンクとも呼ばれ、マイナー・スレットのイアン・マッケイを筆頭に、レコードの作成からレーベルの立ち上げ、ライブ会場や前座で演奏するバンド、入場料の決定など、全て自由に自分たちの手で行っていた。  マッケイや、ブラックフラッグのヘンリー・ロリンズ、ダイナソーJr.のJ・マスシスなどが出演する。また、写真家としてこのシーンの第一人者であるジム・サーが撮影した本邦初公開の写真や、バッド・ブレインズなどの当時のライブ映像も収録されている。  このたび公開された予告編は、日本のパンクロックバンドeastern youthの吉野寿が寄せたメッセージから始まり、デイヴ・グロールやマッケイのインタビュー映像、バンドマンが裸になってアンプを蹴り倒すライブの様子などが収められている。

『サラダデイズ-SALAD DAYS-』予告編

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■公開情報 『サラダデイズ-SALAD DAYS-』 10月1日(土)新宿K's cinemaほか全国順次公開 監督:スコット・クロフォード 撮影監督・編集:ジム・サー 製作総指揮:スコット・クロフォード、ジム・サー 出演:デイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、イアン・マッケイ (マイナー・スレット、フガジ)、J・マスシス(ダイナソーJr.)、サーストン・ムーア(ソニック・ユース)、ヘンリー・ロリンズ(ブラッグ・フラッグ)、バッド・ブレインズ 配給:CURIOUSCOPE 宣伝:アンプラグド アメリカ/2015/108分/16:9/英語/モノクロ・カラー/ドキュメンタリー  (c)2014 New Rose Films, LLC 公式サイト:http://www.curiouscope.jp/SALADDAYS/

『サラダデイズ-SALAD DAYS-』、イアン・マッケイらのインタビュー映像含む予告編公開

【リアルサウンドより】  10月1日に公開されるドキュメンタリー映画『サラダデイズ-SALAD DAYS-』より、予告編と場面写真が公開された。
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『サラダデイズ-SALAD DAYS-』ポスタービジュアル

 本作は、80年代のワシントンで生まれた音楽シーン、ハードコアパンクに迫ったドキュメンタリー映画。ハードコアパンクは、DIYパンクとも呼ばれ、マイナー・スレットのイアン・マッケイを筆頭に、レコードの作成からレーベルの立ち上げ、ライブ会場や前座で演奏するバンド、入場料の決定など、全て自由に自分たちの手で行っていた。  マッケイや、ブラックフラッグのヘンリー・ロリンズ、ダイナソーJr.のJ・マスシスなどが出演する。また、写真家としてこのシーンの第一人者であるジム・サーが撮影した本邦初公開の写真や、バッド・ブレインズなどの当時のライブ映像も収録されている。  このたび公開された予告編は、日本のパンクロックバンドeastern youthの吉野寿が寄せたメッセージから始まり、デイヴ・グロールやマッケイのインタビュー映像、バンドマンが裸になってアンプを蹴り倒すライブの様子などが収められている。

『サラダデイズ-SALAD DAYS-』予告編

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■公開情報 『サラダデイズ-SALAD DAYS-』 10月1日(土)新宿K's cinemaほか全国順次公開 監督:スコット・クロフォード 撮影監督・編集:ジム・サー 製作総指揮:スコット・クロフォード、ジム・サー 出演:デイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、イアン・マッケイ (マイナー・スレット、フガジ)、J・マスシス(ダイナソーJr.)、サーストン・ムーア(ソニック・ユース)、ヘンリー・ロリンズ(ブラッグ・フラッグ)、バッド・ブレインズ 配給:CURIOUSCOPE 宣伝:アンプラグド アメリカ/2015/108分/16:9/英語/モノクロ・カラー/ドキュメンタリー  (c)2014 New Rose Films, LLC 公式サイト:http://www.curiouscope.jp/SALADDAYS/

井筒監督が「在日差別」描いた映画めぐるマスコミの差別的対応を暴露! 電通が土下座、産経は取材ドタキャン

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講演依頼.comホームページより
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  ヘイトスピーチ対策法が施行されてから2カ月ちょっと。しかし、同法が罰則などは設けない理念法であるためか、ネット上では今も露骨な差別表現が飛び交い、ヘイトデモも頻繁に行われている。  それどころか、マスコミではむしろ逆の現象が続いている。反差別、反ヘイトの理念をもった映画やテレビが圧力や自主規制によって公開できない、放送できないという現象だ。  映画監督の井筒和幸氏と、映画プロデューサーの李鳳宇氏が「ローリングストーン日本版」(セブン&アイ出版)2016年8月号のヘイト問題特集で、そんなマスコミの実態を語っている。  2人は在日差別問題をテーマにした05年の大ヒット映画『パッチギ!』の監督とエグゼクティブプロデューサーとしてタッグを組んだ関係なのだが、改めてこの『パッチギ!』という作品をめぐって、既成のメディアがどれだけ腰が引けた対応を行っていたのかを暴露しているのだ。  11年前の映画なので、覚えていない人のために、まずはざっくりとあらすじを説明しておく。舞台は1968年の京都。同地の府立東高校と朝鮮高校は反目し合って常日頃からケンカが絶えず、鉄ゲタなどの凶器を用いて殴り合うなどの暴力が横行していた。その背景には、もちろん、日本人による在日コリアンへの差別や、それに対する朝鮮高校の生徒たちの怒りがある。そんななか、ひょんなきっかけで塩谷瞬演じる松山康介が沢尻エリカ演じるリ・キョンジャに一目惚れ。時に二人は国籍の壁によって引き裂かれそうになったりもするが、それでも恋の力をバネに周囲も巻き込みながら相互理解を深めていくという青春映画である。  2007年にはキャストを一新して続編となる『パッチギ!LOVE&PEACE』が公開。ここでは、舞台が1974年の東京に移り、女優への道を歩み出したリ・キョンジャ(沢尻エリカに代わり、二作目では中村ゆりが演じている)が芸能界における在日差別の壁に苦しんだりと、前作の登場人物たちが大人になってぶち当たる困難が描き出されていた。  前述の対談では、まずプロデューサーの李氏がテレビCMを打とうとした時に直面したトラブルをこう明かす。 「『パッチギ!』公開の時ってワールドカップの予選をやってたんですよ。で、日本対北朝鮮戦にスポットCMを打とうとしたんです、沢尻エリカ演じるリ・キョンジャが鴨川沿いで『このままずっと私と付き合って結婚したら、あんた朝鮮人になれる?』って言うシーンの。で、CMを作り考査も通ったんですけど、オンエアの1週間ぐらい前に、電通の人とテレビ朝日の部長が訪ねてきて『変えてくれないか』って。でもあの台詞があの映画を象徴している言葉なので『変えられない』って何度も断ったんですが、最後は『自分たちはこのままじゃクビになっちゃう』って言って帰られないんですよ。もう土下座みたいな感じで......参ったなと思って」  このシーンは、それまでも何となく好き合っているという空気はあったものの、完全な恋仲ではなかった二人が遂にお互いの恋心を理解し、それと同時に、この恋には障壁があるということを理解するシーンだ。確かに、この映画のなかで最も重要なシーンである。ただ、あくまでも画としてはロマンチックなシーンであり、街中の建物が破壊されるパニック映画やゾンビがうごめくホラー映画のCMは何の問題もなく、これがダメというのは、理解しがたいメディアの保守性を象徴するようなエピソードである。  ただ、メディアのダメさを表すエピソードはこれだけにとどまらない。李氏は続けてこんな思い出を語る。 「それと、監督に名古屋のラジオに出てもらった時の話もすごかった(笑)」 「そのラジオ番組のスタッフの方が、"いやー素晴らしかったですよ、泣きました"って言ってね。"映画の話をして、じゃあこの辺で1曲"っていう流れだったんです。事前にリクエストしていたわけです。もちろん『イムジン河』を。そしたら"『パッチギ!』、素晴らしい!"って言ってたその人が、"いや『イムジン河』は流せないんですよ"って(笑)」 「ちょっと待ってください。これ、流しちゃいけない歌なんかないっていう映画なんだよ。その映画を観て、素晴らしいって言ってくれたのに、今まで語ってきたこと全部、吹っ飛びますよ、って(笑)」  ここで語られる「イムジン河」は、言うまでもなく、朝鮮歌謡の原曲をザ・フォーク・クルセダーズが日本語に訳して歌い話題となった名曲。北と南で故郷が分断された朝鮮半島の悲しみを歌ったこの曲は、政治的配慮から当時、発売中止および放送自粛の憂き目にあっている。  映画のなかで主人公は、大友康平演じるラジオ局のディレクターに誘われ、素人参加の歌番組で「イムジン河」を弾き語りすることになるのだが、いよいよ出番という段になってプロデューサーから「これは北朝鮮の歌だ」とストップがかかる。そこで大友康平は「歌っちゃいけない歌なんてないんだ!」と怒鳴って上司であるプロデューサーをボコボコに殴ったうえスタジオから締め出し、放送を強行するという感動的なシーンがあるのだが、これとまったく同じ自粛が、21世紀に入ってからも残り続けていたという、もはや苦笑するしかない話である。結局、映画とは違い、現実ではそのまま放送は自粛となってしまったらしい。  そして、極めつきは、映画に関して取材を申し込んでおきながら、映画の内容を見て急にドタキャンしてきたメディアまであったということだ。二人はこう語っている。 李「産経新聞なんてインタヴューを申し込んできて、やっぱり無理ですって言ってきて。なぜですか?って聞いたら、上から"うちの社は、強制連行は無かったという方針なので掲載できません"と。思い返すと、そういうことばっかりだったんですよ」 井筒「やっぱりスゴい新聞社でほんとに笑った」  産経新聞のひどさは井筒監督にして「スゴい」と皮肉を言わせるほど一貫していたものであったわけだが、一連の軋轢から李氏はこんな感想を漏らす。 「結局、メディア側の人たちが最も臆病で、最も何かを変えたくない人たちなんだなっていうのは凄く身に染みてわかりましたね」  そのようなマスコミの差別意識に関する遅れは、これまで挙げてきたような広告や報道の世界だけではない。芸能界も同様だ。先ほど紹介した通り、続編となる『パッチギ!LOVE&PEACE』では、女優となったリ・キョンジャが徹底してその出自を隠すことを迫られたり、在日であることが分かると一斉にバッシングが起こるという理不尽な状況が描かれる。同対談で井筒監督はこのように語る。 「実際、映画界もテレビ界も多いし、露骨だよ。10年前、『パッチギ!』の時でも、キャンペーンでテレビにたくさん出たけど、控室にいたらプロデューサーが『監督! 映画、すごいっすねぇ』って来てね。『ありがとうございます』言ったら、『僕らも若い時にチョン高のヤツら、殺してやろうかと思いましたよ。まんまですもんね、この映画』って。それ、ただの懐かしさだけで片付けてんのか? って(笑)」  差別があった過去を振り返り、その反省をこれからの未来につなげようという映画のメッセージがこのプロデューサーには何も伝わっていなかったわけである。  芸能界における差別意識はひどいものだ。「キネマ旬報」(キネマ旬報社)07年5月15日で井筒監督はこのようにも語っている。 「芸能界というのは、いい加減な社会の縮図ですよ。突飛なことをすれば撥ね除けられ、朝鮮人だと分かるとスポイルされる。力やコネクションを持った人だけが生き残る。これは典型的な日本社会の縮図です。でもキョンジャのような在日の若い子たちは、OLや銀行員にはなれませんから、ホルモン屋で働くか、華やかなことをしたいと思うと芸能界に入るしかない。その芸能界は、何か共同体が生まれるわけではなくて、自分の出自を隠して絶えず孤独に晒される、ゲットーみたいなものなんです。そのことを描きたかった」  井筒監督のフィルモグラフィーをたどっていくと、初の一般映画にして出世作である『ガキ帝国』にも在日コリアンが登場したりと、『パッチギ!』のみならず、差別があるという現実とその差別を強いられている人々の姿を描こうとしてきたが、彼はその理由を前述「ローリングストーン日本版」の対談でこのように語っている。 「運命というか、宿(しゅく)ですね、これが例えば東京の高級住宅街・成城で生まれたとしたら、宿命じゃなかったでしょうね。ところが、関西には在日の人間って数多くいるから、物心ついた頃から近所に在日の人がおって、ブタの飼育ゴミ集めとかしてたわけよ。何の隔たりもなく、普通に接してた」  彼が不当な差別を受けている人々に勇気を与える作品をつくり続けているのは、そんな子どもの頃の思い出があったからなのである。  ところで、『パッチギ!』には、「俺はセックスと暴力が描かれてこそ映画だと思ってる」(「週刊文春」12年6月14日号/文藝春秋)という井筒イズム溢れる突出した暴力描写が多く登場する。  対立する高校生同士のケンカシーンでは、口いっぱいにビー玉を含ませた状態で顔を殴りつけたり、ボコボコにされてのびてしまった相手に放尿したうえセメントを浴びせかけたり、見ているだけで痛みが伝わってくるような描写が多く登場するわけだが、これにも井筒監督のメッセージが込められている。「オリコン」(オリコン)05年2月7日号で監督はこのように語っている。 「"ケンカしたらあかんで、いいかげんにしときや"って映画なんです。今の日本人は、日本の視点だけでものを見すぎているんじゃないか、アジアの他の国があるから日本がある、人間も自分がいて他者がいて両者があって、それで生きている。それを僕と李鳳宇プロデューサーは伝えたかった」  しかし、ヘイトスピーチが大手をふって流通している一方で、こうした表現は自主規制によってますます居場所をなくしつつある。ヘイトスピーチ規制法ができても、この国の状況はますます悪化している。 (新田 樹)