昨年8月に公開された劇場アニメ『君の名は。』。公開から9カ月が過ぎてもなお一部で公開が続いているが、さすがに興行収入は落ち着いてきており、最終的な興行収入は249億~250億円程度でまとまりそう。これは日本アニメ映画歴代2位、日本で公開された映画としては歴代4位(1位から『千と千尋の神隠し』:308億円、『タイタニック』:262億円、『アナと雪の女王』:255億円)。 16年の劇場アニメでは、超ヒットとなった『君の名は。』以外にも、『聲の形』(23億円)や『この世界の片隅に』(25億円)も小規模公開ながらヒット作が多く、中にはわずか14館での公開ながら、SNS上の口コミなどで話題となり、約8億円のヒットとなった『KING OF PRISM by PrettyRhythm』といった作品もあり、『ドラえもん』や『名探偵コナン』、『クレヨンしんちゃん』といった定番劇場アニメ以外でもヒット作が多かった。 一般メディア、経済系メディアでも『君の名は。』や『この世界の片隅に』はよく取り上げられ、「なぜこれほどヒットしたのか?」をそれぞれ探ってみたり(SNSの口コミ効果を取り上げた記事が多かった印象)、“経済効果”について語ってみたり(“聖地巡礼”など波及効果について解説する記事も)、とにかく各地でよく話題となった。 そんな『君の名は。』や、劇場アニメではないが『シン・ゴジラ』の大ヒットで、今年4月14日に発表した東宝の17年2月期連結決算は売上高が前期比1.8%増の2,335億円、純利益が28.7%増の332億円となり、いずれも過去最高を記録。 アニメファン、映画ファンや配給会社や制作会社のみならず、ちょっと映画が好きというライト層もビジネスマンも「17年も『君の名は。』みたいに大ヒットする映画はあるの?」とおおいに期待していることであろう。春休み、ゴールデンウィークも終わり、6月は公開開始となる作品も少ない。映画公開カレンダー的には、本数だけでいえば折り返し地点に近いと思われるので、ここで17年前半の劇場アニメをざっくりと振り返ってみたい。 まず各週の「週末興行収入ランキング」で首位になったアニメ作品から。 ・2月18、19日 『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』 ・3月4、5日 『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』 ・3月18、19日 『SING/シング』 (※『SING/シング』はここから4月8、9日週まで4週連続首位) ・4月15、16日 『名探偵コナン から紅の恋歌』 『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』は、川原礫が描いた人気ライトノベルを原作に、2度のTVアニメシリーズ放送を経てから公開された劇場オリジナルアニメ。公開から約3カ月の5月24日時点で国内の観客動員数約175万人、興行収入25億円を突破。これは深夜TVアニメ発の劇場アニメとしては『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』や『ガールズ&パンツァー 劇場版』を上回る好成績だ。 『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』も公開開始から1カ月半後の4月16日に興行収入41億4,000万円をマークし、声優陣が一挙に交代となった05年以降では歴代最高記録を更新(新キャストの劇場版公開は06年より)。さらに『名探偵コナン から紅の恋歌』は5月27、28日で累計興収は63億5,090万2,500円となり、劇場版『名探偵コナン』シリーズ第21作目にして歴代最高記録を更新している。なお『名探偵コナン から紅の恋歌』は、日本で公開された映画の歴代興行収入ランキングベスト100位入り(99位)も果たしている。 また、その『名探偵コナン から紅の恋歌』と同日の4月15日公開だったため目立たなかったが、『映画 クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』も初週末の2日間で約3億2989万円、GW明けの5月7日時点で13億1,800万円とまずまずの成績を残している。 ――と、ここまでまとめると17年も劇場アニメは好調! のように見えるが、取り上げてきたのは『名探偵コナン』『ドラえもん』のように数十年に渡り展開を続けてきた定番人気シリーズであったり、原作のライトノベルがシリーズ累計1,300万部を発行、深夜TVアニメとしてしっかりと人気を積み上げてきた『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』であったりで、ある程度以上のヒットが公開前から見込める作品ばかり。 『君の名は。』のようなオリジナル作品、あるいは『この世界の片隅に』や『聲の形』のようなTVアニメ化を挟まない劇場アニメで、“大ヒット”と謳える作品は実はそう多くない。 たとえば『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズ、『東のエデン』シリーズなどで知られる神山健治が監督・脚本を務めた劇場オリジナルアニメ『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』は3月18、19日の、初週末の興行成績では9位。3連休の3月18、19、20日の3日間で動員12万6,200人、興収1億6,250万円と、そう悪くない数字に見えるが、2週目からはランキング外となってしまった。劇場オリジナルアニメとしては比較的大規模な200館以上での公開であったことを考えると、やや物足りない数字かもしれない。 またTVアニメ『四畳半神話大系』や『ピンポン』で知られる湯浅政明のオリジナル作品『夜明け告げるルーのうた』も、全国100館ちょっとという小規模公開とはいえ、初週末興行収入でベスト10入りもならずとなかなかの苦戦ぶり。 湯浅監督作品は、『四畳半神話大系』と同じ森見登美彦の小説を原作とした劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』も4月7日に公開を迎えている。W主人公の一人“先輩”役を星野源が演じることでも話題となったが、初週末興行収入ランキングは7位と健闘したものの、やはり2週目からはランキング外となってしまっている。 オリジナル作品、あるいはTVアニメ化を挟まない劇場アニメが大ヒットとなるのは難しく、ましてや宮崎駿が監督を務めるジブリ作品や『君の名は。』のような超ヒット作は、やはりそう簡単には誕生しないものなのだ。 とはいえ、今夏は監督がスタジオジブリ出身で、『借りぐらしのアリエッティ』(10年)、『思い出のマーニー』(14年)の米林宏昌、プロデューサーも元スタジオジブリで、『かぐや姫の物語』(13年)、『思い出のマーニー』でプロデューサーを務めた西村義明による新作劇場アニメ『メアリと魔女の花』(7月8日公開)。そして『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズを手掛けた新房昭之が総監督、プロデューサーを細田守監督作品や『君の名は。』の川村元気が務める『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(原作:岩井俊二/8月18日公開)といった、楽しみな作品が公開を控えている。どんな数字を残すのか注目したい。 なお、劇場アニメを一から制作しようと思えば、通常2~3年ぐらいの時間がかかる。普通に考えれば『君の名は。』を意識したような、「二匹目の泥鰌」を狙ったような作品が世の中に登場してくるのは来年夏以降になるだろう。実写作品ならもっと時期が早いかもしれないが、どの作品が『君の名は。』の影響を受けた作品なのか、想像・推理してみると楽しいかもしれない。『君の名は。』『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』『夜明け告げるルーのうた』、各公式サイトより
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新作ウルトラマン『ウルトラマンジード』放送直前! 特撮における“親子関係”とは
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。
昨年の『ウルトラマン』50周年の盛り上がりは記憶に新しいですが、今年は『ウルトラセブン』50周年を迎えます。半世紀以上にもわたってファンに愛され、日本特撮のオリジネイターでありながら現在でも新作がコンスタントに制作され続け、今や親子3世代にわたって愛されている円谷プロのウルトラシリーズから、新たなヒーローの情報が発表されました。
その名も『ウルトラマンジード』(以下、ジード/7月8日よりテレビ朝日系にて放送開始)。前作の『ウルトラマンオーブ』と同様に単独作品ということもあり、「ウルトラシリーズがまたテレビで見られるぞ!」という至上の喜びに包まれております。そして、何より一番期待が高いのは『ジード』の設定でしょう。ウルトラマンジードはウルトラシリーズ稀代のアンチヒーローにして特異な存在感を放つ「ウルトラマンベリアル」の実子という設定なのです! これまでの日本特撮の歴史を振り返っても親子関係にあるヒーローは存在しますが、ここまで明確に敵(とは言えベリアルは元・光の戦士、ヒーローではあるが)の息子が主役になるパターンはほとんどないと思います。新しい血を巡らせ新陳代謝を促し次世代にシリーズの魂を継承していくチャレンジ精神は、斬新な設定だけではありません。シリーズ構成・脚本に、小説・ライトノベルを中心に活躍し、幅広いファン層を持つ乙一さん。これまでに見たこともない新しいウルトラマンの物語が紡がれることが約束されているのです。 『ジード』は「血縁関係が明確に言及されているヒーロー」ということになりますが、そもそも特撮ヒーローの血縁関係が明確に言及され始めたのはどこからなのか。そして、その影響はどのように現在の作品に受け継がれているのか。今回の特撮自由帳では、その辺りについて色々と振り返りつつ考察してみたいと思います。 ・血縁関係もののパラダイムシフト 特撮作品で血縁関係を大々的に打ち出し二世ヒーローカテゴリの礎となる作品と言えば、やはり『ウルトラマンタロウ』(73~74年)でしょう。ウルトラマンケン(ウルトラの父)とウルトラウーマンマリー(ウルトラの母)の間に生まれた息子がウルトラマンタロウ、というのは今では一般常識レベルで浸透しています。しかし、ウルトラの父が初めて私たちの前に登場したのはタロウの父親としてではなく、前作に当たる『ウルトラマンA(エース)』(72~73年)第27話で、ヒッポリト星人の策略によりブロンズ像にされてしまったウルトラ兄弟のピンチを救うべく駆けつけた時です。この時ウルトラの父は「宇宙警備隊の大隊長」、いわばウルトラ兄弟の上司、上官的な立場でした。『ウルトラマンジード』公式サイトより
ここで注目すべきポイントは、実際の血縁関係を持たないウルトラ兄弟というつながりです。これは一体どういうものなのか。 すべての始まりであるウルトラマン(以下、初代マン)では、ゼットンに倒されてしまった初代マンのもとにゾフィーが駆けつけますが、この時のゾフィーは「初代マンと同じ星から来た宇宙人」であり、それ以上でもそれ以下でもない存在。『ウルトラセブン』では初代マンと同シリーズでのつながりはあれど、セブンの世界に初代マンが登場することはありません。 時代は70年代に入り、『帰ってきたウルトラマン』(以下、帰マン)(71~72年)で初代マン、セブンの客演があり、ここで彼らのつながりを「兄弟」という言葉で表現し始めます。兄弟という世界観は帰ってきたウルトラマンから始まり、エース以降では完全に兄弟の序列関係が定着していきます。 で、ウルトラの父です。前述の通り、ウルトラ兄弟のピンチに駆けつけたウルトラの父。 しかし待てよ、父って、誰の父だ? 宇宙警備隊という大きな組織を考えると、大隊長の呼び名は「キャプテン」などが妥当だと思うのですが、まあナナメに見ると「ウルトラ」で「キャプテン」は使えないよな、と思い至ります。 兄弟という関係性を持つ者たちをまとめる大きな存在、そうなればもう父しかいません。その道で多大な功績や発展を収めた人物を敬意を持って「○○の父」と呼ぶように、「ウルトラの父」も兄弟からの最大級の尊敬が表れた呼び方であり、その関係性は実の親子と同じと言っても過言ではありません。 ここからは個人的な解釈になりますが、 任侠の世界にも通じる血を飛び越えた関係性がウルトラシリーズにもたらされたことによって、父の実子・ウルトラマンタロウが誕生したのではないでしょうか。 これまでのヒーロー番組の醍醐味は、敵の驚異や恐怖との戦い、その戦いを通して主人公が心身ともに成長する物語、仲間との友情と決別、などなど。シリアスで骨太な手触りが多く、そのどれもが根底に「孤独感」があり、帰る場所もなく人知れず戦うヒーローの姿に私たちは胸を打たれます。 しかし、『ウルトラマンタロウ』は真逆の環境にいます。なんたってお父さんは宇宙規模に展開する組織の大隊長という超キャリアだし、お母さんは誰よりも深い愛でいつでも見守ってくれるし、そんな両親の元を離れ息子が頑張る。いわゆる親しみやすいホームドラマの構造なんです、『タロウ』は。親しみやすさは大事ですが、行き過ぎるとヒーローの神秘性がなくなってしまうリスクもあります。 では、なぜ『ウルトラマンタロウ』はきちんとヒーロー番組の面白さを体現しているのか。それは血縁関係を越えたウルトラ兄弟たちとウルトラの父の存在があるからです。 彼らが培った関係性は、隊長(ウルトラの父)の実子・タロウの特別扱いを良しとせず「兄弟の末っ子」として自分らの序列に組み込み、ひとりの戦士としてタロウとともに戦い、彼の成長を手助けします。タロウもその期待に応えるべく、持ち前の才能を開花させ一人の戦士として覚醒していきます。 家族設定にきちんと説得力があると、シリアスな展開からホームドラマ風の優しい展開まで作品の世界観を崩さずに幅広い物語を描くことが可能になるのです。そういった意味で、ウルトラマンタロウで提唱したヒーローの血縁関係は、以降の特撮作品に多大な影響を与えることになります。「ウルトラマンタロウ COMPLETE DVD-BOX」
・次の時代に受け継がれる親子の物語 特撮作品での「家族もの代表」は『ウルトラマンタロウ』ですが、親子もので考えると忘れてはならない作品があります。それは『ゴジラ』です。ゴジラが親父になる、そんな瞬間が映画『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(67年)で見られます。 ゴジラと言えば、善悪を超越した圧倒的なカタストロフィと人類への警鐘といったシリアスな作品性が特徴ですが、一方ではゴジラをヒーロー怪獣として扱う作品もあり、家族で楽しめる明るい活劇映画としての面も持ち合わせています。 ゴジラの息子・ミニラの誕生は、シリーズ全体を見ると異質な作風です。よちよち歩きのミニラに特訓をつける姿や、大きな怪獣にいじめられているところを助けたり、ゴジラらしからぬホンワカした雰囲気は、ともすれば時代の徒花となる作品の可能性もあったと思います。いわゆる「珍作」的な扱い。しかしミニラは怪獣島決戦から以降、『怪獣総進撃』(68年)、『ゴジラ・ミニラ・ガバラオール怪獣大進撃』(69年)、『ゴジラFINAL WARS』(04年)などに出演を果たし、今ではゴジラシリーズには欠かせない存在になっています。 ゴジラに息子がいるという概念は、作品全体にわたりゴジラの性格を大きく変える要因となっているのと同時に、ゴジラは完全一個体ではなく、その都度なんらかの原因で生まれ、代変わりしている、という新しい方向性を生み出しました。これにより作品ごとで起こるゴジラの造形や性格の違いは「別個体のゴジラ」と見ることができるのです。 つまり、よちよち歩きのミニラが立派に成長した姿が、のちの作品のゴジラである可能性も十分にあり得るのです。 その証拠に平成シリーズで登場するゴジラジュニアは、登場回数を重ねるたびに姿と名称を変え、最終的に「新しいゴジラ」に成長する過程が描かれています。厳密に言うとゴジラジュニアはゴジラの息子ではなく、あくまで「同種族」の個体ですが、先代ゴジラが死亡し、そのエネルギーを受け継ぎジュニアがゴジラに変貌していく様は、親の名前を襲名する儀式とも見えます。 ゴジラシリーズは破壊と戦いだけではなく、広い意味で親子の物語も内包されているのです。この懐の広さが「怪獣映画の金字塔」と評される一つの要因となっているのです。「怪獣島の決戦 ゴジラの息子 東宝DVD名作セレクション」
・対照的な家族の描かれ方 圧倒的な登場人物の多さを誇る『スーパー戦隊』シリーズでは、さすがに多作だけあり家族戦隊や兄弟戦隊といった血縁関係があるヒーローが多く存在します。戦隊がひと家族の『魔法戦隊マジレンジャー』(05~06年)では、追加戦士が娘(小津麗/マジブルー)と結婚するなど、大家族ものの様相を呈しています。明るく楽しいを基本的な方向性とするスーパー戦隊シリーズにおいて家族や兄弟などの血縁関係は、登場人物の関係性の説明を簡略化した上でギャグからシリアスまで幅広い作劇を可能にします。 一方で『仮面ライダー』シリーズでは、血縁関係のヒーローはほとんど見られません。親や兄弟は登場しますがそれはあくまでサブ的な立ち位置であって、親子変身や兄弟変身は数えるほどしかありません。『仮面ライダー』は苦悩や悲哀を持ったヒーローの代名詞であることから、シリーズにおいて親兄弟など血縁関係の描かれ方は、おしなべて「過酷な運命」や「凄惨な結末」になることが多いです。兄弟間、親子間でのバトルはあまりの過酷さに直視できない場面もありますが、逆に言うとそこが魅力にもなっているのです。 いかがだったでしょうか? ヒーローの血縁関係について色々と思いを巡らせましたが。何はともあれ『ウルトラマンジード』に期待大! 一体どんな親子の物語が見られるのか。ベリアル親子と言うことで、壮大な親子ゲンカとかになりそうだなー。 他にも兄弟ヒーロー、親子ヒーローは存在するので、『ウルトラマンジード』の予習として見返してみるのも良いのではないでしょうか。 ■モノブライト公式サイト http://www.monobright.jp/ ■「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」出演決定 日時:8月5日(土)・6日(日)・11日(金・祝)・12日(日) 会場:国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4) オフィシャルHP :http://rijfes.jp/ ※モノブライトの出演は8月6日(日) ■オワリカラ会場限定シングルリリースツアー「ベルトコンベアー時代」主演決定 日時:8月24日(木) 会場:名古屋 ell.SIZE オワリカラ公式サイト http://www.owarikara.com「魔法戦隊マジレンジャー VOL.1」
早くも支払いをせずにバックレか? 「神戸アニメストリート」入金の約束を果たさず、連絡も取れず……
マンガ・アニメを使った町おこしの大きな蹉跌となった「神戸アニメストリート」をめぐる問題に、新たな動きが起こっている。同社社長の岸建介氏は、未払い金を分割で支払う旨を被害企業に通達していたが、期日になっても、入金をしていなかったことが取材によって判明した。 支払いの約束を反故にされたのは、阿佐ヶ谷アニメストリートを運営する作戦本部株式会社。岸氏は、未払いが騒動になった4月下旬、同社社長の鴨志田由貴氏にメールで残金を5月末以降、毎月月末に4回に分割して支払うことを通知。だが、5月31日を過ぎても入金はなく岸氏からの連絡もないという。 「まったくの予想通りですよ」 と、鴨志田氏は怒るのも通り越して呆れるしかないといった雰囲気。 「このまま、潜伏してから、名前を変えてどこかで再出発する目論見なんじゃないでしょうか」 もしも、支払うつもりがあり、金策が上手くいかなかったとするのならば、その旨の連絡があってもよいはず。すでに「神戸アニメストリート」は6月での閉鎖が予定しているとされており、このまま雲隠れを狙っていると考えても不思議ではない。 そこで、岸氏の真意を聞こうと電話をしてみたところ、呼び出し音もなく「電波の届かないところにおられるか……」の声が流れるのみ。複数入手している岸氏の電話番号のうち、一つだけは呼び出し音が鳴ったものの、電話に出ることはなかった。 ならばと、「神戸アニメストリート」の電話番号に電話してみたところ「アルバイト」を名乗る男性が。さっそく、岸氏が支払いを飛ばした上、電話にも応答がないことを訊ねてみたところ、次のような答えが。 「昨日は来ていましたよ。今日はどこへいっているのかわかりません。アルバイトがそんなことを知る必要があるのですか?」 ならば、岸氏の行き先を知る社員なりに代わってほしい旨を告げると……。 「なぜですか? そんなことをする義務があるんですか」 その後も「自分はアルバイトなので、支払いのことなど知らない。報道されていることについて答える義務はない。自分はちゃんと給料はもらっている」と繰り返すのであった。 幾度となく「答える義務はない」と繰り返す男性。ならば「あなたも共犯ですか? あるいは被害者ですか?」と訊ねてみると……。 「何が目的ですか!! 報道の自由ならなんでもやっていいですか!! 聞きたいなら来ればいいじゃないですか!! 警察に言いますよ!!」 果たして、単に支払いが遅れているだけだとするならば、あまりにも不誠実な対応。もはや、信用の回復は困難だとしても、最低限の約束だけは果たしてほしいものだ。このような人物に事業委託した、神戸市や関係者の責任は極めて重い。 なお、この問題を追及している兵庫県の樫野孝人県議によれば、6月10日に市民団体・神戸を良くする会の主催で神戸アニメストリート問題など新長田再開発の問題を考える意見交換会を開催。樫野県議もゲストとして参加する予定だ。関西のこの問題について興味のある人々は、参加してみてはどうだろうか。 (文=昼間たかし) ■アニスト問題など新長田再開発の問題を考える会 主催:神戸を良くする会 日時:2017年6月10日(土)18:30~20:30 場所:新長田勤労市民センター別館ピフレホール 会議室A 参加料:100円(会場費) テーマ名:「副都心構想 新長田の現状」 *詳細はリンク先の樫野県議のブログにて。 「かしのたかひとマインドマップ」 https://ameblo.jp/kashibou/entry-12279179876.html「神戸アニメストリート」公式サイトより。
二次でも三次でもどんと来い!!『Amusement VR Show』で見た、ここ一年の超絶進化
昨年から盛り上がりを見せているアダルトジャンルにおけるVR技術。けれども、さまざまな新技術が開発されつつも、まだまだ普及しているとは言い難い状況。 どうも昨年からの動向を見ていると、昨年あたりに一度体験して「こんなものか」というところで止まっている様子。まだまだ「これは買わなくてはならない!!」と、かつての家庭用ビデオデッキのごとく消費者の心を躍らせるというところには、至っていないようだ。 かつての家庭用ビデオデッキが普及した理由は、なんといってもアダルトビデオの存在。それと同等の存在となれば、VRが普及するのは間違いないからである。 まだまだ歩みの遅いアダルトVR。でも、その技術は確実に、股間を驚かせるものへと進化を遂げている。とりわけ昨年あたり「まだ、この程度か……」と思った人々は驚くであろう水準に達している。 そんな最新のVR技術やサービスが集まったのが5月に開催された『Amusement VR SHOW(AVRS)』である。都内某所で開催されたこのイベントには、ここ一年で強烈なほどに進化を遂げたアダルトVR技術が集結。それは、まさに今までにない世界であった。モニターに映っている、こんなエロシーンがヘッドセットを装着するとヌルヌルと動いている!! 3Dで描かれたキャラは本物よりもエロいことが一目瞭然になる瞬間だ
まず、取材班が目撃した新技術として紹介したいのは、PORNOSが開発中の「立体音響VR(仮)」である。これは、すでにエロボイスの技術として利用されているバイノーラル録音を応用し、VRと組み合わせたもの。ヘッドセットをつけると目の前に女のコがいて、ささやいている感覚を味わえるというわけである。その新しさは、完全に受け身で楽しめること。別になんの操作もしなくとも、女のコのほうが勝手にあれこれと、エッチに責めてくれるわけである。すでにリリースされているVRのアダルトビデオでも、男性が受け身の作品のほうが人気が高いという。これ、なかなか思いつくようで思いつかなかった応用技術ではなかろうか。立体音響との組み合わせによって目の前で女のコが目の前でささやいてくれている感覚が。やりたい放題されている感が味わえるので製品化が楽しみ
続いて体験した「かりんとVR」は、VRコンテンツを見ながら実際に女の子がサービスしてくれるという新コンセプトの風俗店のコンテンツを展示。会場では現実の動き(手などの)とVR内の美少女の動きが連動する様子が見られた。昨年から開発が続いている、このタイプの技術だが、次第に動きも滑らかに。かつ、キャラクターも可愛くなってきている印象であった。VRの唯一の問題点は、楽しんでいるところを誰かに見られたら死ぬほど恥ずかしいということかも……。
そして、やはり人気の高さに行列もできていたのが「カスタムメイド」のブースである。すでにエロゲーとしても定評のある作品。これが人気なのは、やはり長い作品の歴史によって培われた本気のエロス。そして、完全に自分の好みのタイプのキャラクターをつくることができるからだ。そうしたエロ部分のスキルの高さゆえに、ともすれば体験ブースでフル勃起しそうな感覚すら味あわせてくれるのである。正直、これを体験してしまうと「もう、有り金はたいて最新のVRを自宅で楽しめるようにしてもいいんじゃないか?」と思う人も多いだろう。 そんな、バーチャルな世界から戻って来られない技術が目白押しの会場内。けれども、そこにはリアルならではのよさを教えてくれるブースもあった。大人気の「カスタムメイド」。コントローラーを用いて瞬時に色んな体位だとか、脱がせる部分とかも変更できるので、リアルの100倍は便利になっている感じがする
それが、人気風俗嬢を招いて展開していた「マンゾクVR」だ。風俗情報サイト「MAN-ZOKU」の、このサービス。風俗体験動画をVRで無料で提供するというもの。現在、すでに257本もの動画が公開されている。今や、風俗を利用する前に、お店のサイト以外に情報サイトなどをめぐって吟味をする人も多いもの。VRがこれほど、お店と女のコのセレクトに役立つとは……。今後、さらに普及して欲しいものだ。バーチャルもよいけど、リアルもいいよね……そんなことを教えてくれる「マンゾクVR」。確実に、お店選びでハズすことはなくなりそうなので、早く普及して欲しい
画面の向こうでは女のコにパンチされている状態。もっと強く殴って欲しかったよ……
さらに変わり種は、「hara-ueプロジェクト」が開発中の、女のコに腹パンされている感覚を味わえる技術。今回は、体験のため弱めに設定していたが、実際には強めのパンチとかも味わえるという。まだ、販売には至っていないが、その手の趣味の人ならば多少値段が張っても買いそう……。一番左の商品。本物に近いゆえに重量感はハンパない。質感は、もう本物
「踏まれたいVR」では、女のコに踏まれる感覚が味わえる。あと数年でマゾにも嬉しい世界が誕生するのか?
このほかにも、エロレイヤーによる謎の「喫茶店」など数々の面白ブースが展開した、今回のイベント。冒頭にも記したが、消費者サイドでは、まだまだVRは導入を足踏みしているのも事実。でも、こうした技術の発展を知れば、導入を決意する人も増えるのではなかろうか。さらなるアダルトVRの発展を期待したい。 (文=昼間たかし)ヘッドセットを通すと、この女のコがガシガシと踏んでくれているのである。最高だ……
エロ一辺倒ではなく、さまざまな開発中の技術も登場し賑わっていた
すっごい技術ばかりではなく。こんな展示もあるので文化祭的な楽しさが
一番左の商品。本物に近いゆえに重量感はハンパない。質感は、もう本物
冨樫義博『HUNTER×HUNTER』復活! ストーリーと“休載歴”をおさらいしておこう!
マンガ家なのに、マンガを連載するだけでニュースとなってしまい、油断しているとYahoo!トップニュースにまで取り上げられてしまうことでお馴染みの冨樫義博が、人気マンガ『HUNTER×HUNTER』の連載を6月26日発売の「週刊少年ジャンプ」30号より再開すること、あわせて最新34巻が同日に発売されることを「少年ジャンプ+」の特設ページにて告知! 1998年から連載開始、単行本33巻で累計発行部数は6,800万部。2度の長期TVアニメシリーズ、劇場版も制作されたほか、カード、舞台、ゲームなどなど幅広くメディア展開されるなど、誰もが人気マンガと認めるであろう『HUNTER×HUNTER』。しかし、長期休載が度重なることでも知られ、“冨樫義博”あるいは“HUNTER×HUNTER”でネット検索すると高確率で“休載”というワードが上位に浮上、皆大好き「ウィキペディア」では「概要」と並んで「休載」の欄が設けられているほど。 というわけで、『HUNTER×HUNTER』の長期休載歴と、休載明けの連載状況を少し調べてみた。 ・2006年2月~07年10月 →07年45号(07年10月6日号)~08年2号(07年12月10日号)まで10話掲載。 ・07年12月~08年2月 →08年14号(08年3月3日号)~08年24号(08年5月12日号)まで10話掲載。 ・08年5月~08年9月 →08年45号(08年10月6日号)~09年2号(08年12月8日号)まで10話掲載。 ・08年12月~2009年12月 →10年5・6合併号(10年1月4日号)~10年26号(10年5月31日号)まで20話掲載。 ・10年6月~11年8月 →11年35・36合併号(11年8月8日号)~12年16号(12年3月19日号)まで30話掲載。 ・12年3月~12年11月 →13年1号(12年12月3日号)~13年2号(12年12月10日)まで2話掲載。 ・12年12月~14年5月 →14年27号(14年6月2日号)~休載2回を挟み14年37、38合併号(14年8月11日)まで9話掲載。 ・14年8月~16年4月 →16年20号(16年4月18日号)~16年31号(16年7月4日)まで11話掲載。 ・16年7月~2017年6月 →17年30号(17年6月26日号)~? 連載が開始した98年3月から99年半ばぐらいまでは快調に連載されていたが、99年6月ぐらいからちょいちょい休載を挟むようになり、00年代に入ってからは毎年10回以上、コンスタントに休載をとるように。06年の長期休載以降は、単行本1冊分となる10話を目途に掲載されては休載と、連載の合間に休載が入るのではなく、休載の合間に連載されるような形になった。果たして今回は何話ぐらい連載が続くのだろうか。 なお、休載に入る直前にどんな物語が展開されていたかというと ・天空闘技場でヒソカとクロロがついに対戦。観客のコピーを次々と作成するクロロにヒソカは大苦戦。死を迎えたかと思われたが、死後に強まる念が発動。マチを拘束した上で、今後旅団員と遭遇した時はその場で殺すと宣言。まずはコルトピとシャルナークを葬る。 ・新大陸(暗黒大陸)への出航を控え、B・W1号にホイコーロ国王や王子らが乗り込み、“継承戦”がスタートする。クラピカは“緋の眼”を多数保有しているツェリードニヒ王子への接触を図りつつ、第14王子ワブルとその母・オイトを護衛しなければいけないが、早速護衛たちが死亡、さらに部屋中に無数の念獣が出現。護衛の一人で、ハンターのサイールドが念獣に取り憑かれ、護衛たちを殺傷。さらにクラピカに襲いかかる! ――といったところで、連載はストップしていた。振り返ってみると、改めてすごいところで休載に入ったものだと感心してしまうが、どんなストーリーが展開されるのかはやはり楽しみ。発行部数が200万の大台を割ってしまった(記事参照)「ジャンプ」の救世主になれるのか、いつまで連載が続くのか? というところとあわせて楽しみにしたい。 (以上、版元は全て集英社)「少年ジャンプ+」(集英社)より
まずいサンドウイッチの正体とは……!? 入場整理券が出るほどの人気!『東京喰種』CAFEの食レポ!!
2017年7月29日公開の新作映画『東京喰種トーキョーグール』の公開記念として、同名原作マンガ『東京喰種トーキョーグール』(作:石田スイ/集英社)とのコラボレーションした期間限定カフェが東京・池袋パルコ7階「THE GUEST cafe and diner」に5月27日にオープン(~6月28日)。マンガの世界観を表現したメニューが豊富とネット上で話題にもなっているが、オープン前日に行われた内覧会の模様をレポート。(C)石田スイ/集英社
池袋パルコ7階フロアの比較的中央にある「THE GUEST cafe and diner」。店の外観に『東京喰種』のイラストが飾られ、グッズショップも隣接しており、力の入り具合がハンパない。メニューは作中に登場するカフェ「あんてぃく」のメニュー。そして入口でお出迎えしてくれるのは、カネキのクールなイラスト。マニアはそこでもう興奮MAXかもしれない。 しかし、まだまだこれくらいで鼻血を出していてはいけない。「あんてぃく」のメニューを開くと、なかなか豊富なメニューで嬉しい。どれも写真入りで、ヴィジュアルもネーミングも見事だ。メイン、デザート、ドリンクもあり、全部食べたくなってしまうではないか。
特にオススメは「カネキの碧眼カレー」。このメニューをオーダーすると、「カネキの喰種マスク」の試着体験&写真撮影ができるのだ(注:写真はお客様のカメラで&マスクは顔に軽く装着する程度&混雑時はお待ちいただくこともあり)。でもって、このカレーもミョーな色合いと目玉付ながら、しっかりカレーとしての存在感を放っており、味もOK。 この手のメニューは、写真に比べると実物はビミョー、味はもっとビミョーと言う場合も多いかが、「THE GUEST cafe and diner」は、そんなことない。オーダーしたメニューも写真と変わらないから写真映えするし、食べる楽しみも満喫できる。
ほか、内覧会でいただいたのは、 ・「まずいサンドウイッチ」こちらパンではなく高野豆腐のサンドウイッチ。良く言えば、う~ん、ヘルシーな味わいというか……。 ・「カネキのコーヒー豆トースト」フツーにおいしい。バナナとコーヒーとフレンチトーストの相性よろしい。 ・「ウタのおやつゼリー」これはわた菓子の中に入っている目玉をいただきました。わた菓子にシロップをかけると出てくる目玉の正体は……モチっ、甘っ、みたらし団子。 ・「トーカのゼリードリンク」カラーイラスト付のエレガントなドリンクは血の色……お味はグレープ。中のプルプルは血の塊ではなくグレープゼリー、美味、2杯くらいイケる!。
こちらのカフェは来店すると数々のおまけがあるから、それも楽しみだ。 ・ドリンクを注文すると10種類のオリジナルステッカーのうち1枚をランダムで進呈。「呉緒の黒ごまバナナスムージー」を注文するとアタッシュケースにステッカーがイン。つまり2枚手に入るわけだ(ステッカーは選べません)。 ・カフェの利用でオリジナルランチョンマットを1枚進呈。 オープンしたばかりとはいえ、なかなかの混雑状態で、整理券を発行しているほど! 全国の「東京喰種」ファンが結集しているのか……。これから行こうとしているみなさん、早めに行って整理券を手に入れておこう(※「オープン時刻の10:00より入場整理券を配布させていただく場合がございます」などとなっているので、公式サイトを要チェック!)。
映画公開までまだちょっとあるゆえに「待ちきれない」というファンを楽しませようと企画されたコラボカフェ。グッズも購入できるし、マニアにとってはたまらん空間になっているようだ。 ■「東京喰種」CAFÉ ・会場:THE GUEST cafe&diner (池袋パルコ 本館7F) ・期間:2017/5/27 (土)~2017/6/28(水) ・時間:OPEN 10:00 / CLOSE 22:00(フードL.O. 21:00 / ドリンクL.O.21:30) ※最終日は CLOSE 19:00(フードL.O. 18:00 / ドリンクL.O.18:30) ・公式サイト:http://the-guest.com/tokyoghoul_ikebukuro/ <以下、次ページよりカフェ内の様子をどうぞ!>
グッズ売り場の様子
ウタのおやつゼリーのわか菓子の中の目玉
内覧会で提供されたハンバーグのつけあわせ、指ウインナー
花澤香菜の魂の叫びがこだまする! 花澤さんが制作陣にいじられまくった劇場アニメ『BLAME!』「シボ祭」レポート
5月28日、新宿ピカデリーにて、劇場アニメ『BLAME!』の舞台挨拶「シボ祭」が盛大に開催された。「シボ祭」とは、シボによる、シボのためのお祭り。作中何度も形態を変えていった「でっかいねえちゃん」こと白髪の彼女を愛でる催しだ。
シボ祭には、シボ役の花澤香菜、制作陣から瀬下寛之監督と吉平"Tady”直弘副監督、そして岩浪美和音響監督が登壇。「シボ祭」だけにトークの内容はシボ&花澤さん一色だ。どうも昼間にMOVIXさいたまとシネ・リーブル池袋で行われた回ではかなりいじられたとか……花澤さんの「あんなにいじられると思ってませんでした!」という言葉にすべての想いが詰まっていると言えるだろう。 ■クリオネが舞台に舞う日 瀬下監督は1~2回目の自由すぎる舞台挨拶で、花澤さんに対して一生分の「申し訳ない借り」を作ったそう。それほどまでか! また、しばらく口を閉ざしていた岩浪音響監督は、「今日は真面目にやる、ただの面白おじさんじゃないから」と断言。どうやらTwitterでファンに「ただの面白いおじさんだった」「酔っぱらいのおじさんだった」と書かれたため、「最後にリベンジする」とのことであった。左から岩浪美和音響監督、吉平"Tady”直弘副監督、花澤香菜、瀬下寛之監督。
それなのに再び始まる花澤いじり。彼女の真っ白な衣装について岩浪音響監督が「見て、一輪の白百合のよう!」と褒め称えると、これに対して「さっきまでクリオネとかウミウシとか言ってたじゃないですか!?」と花澤さんご立腹。なるほど、こんな風にいじられていたのか……若い子はいじりたくなるから仕方ないね。いつまでも少年の心を忘れない、大切大切。 気を取り直し、MCからシボはどんなキャラクターかと聞かれた花澤さんは、「シボがいろんな形に変わっていくじゃないですか。どういうふうな距離感で、どういう風に喋るのか中々想像しづらかったんですが、原作本があったおかげでわりとイメージできたので助かりました。原作の中に主任科学者時代のショートカットの彼女が出てきて、2m10cmのシボの声って言うよりかは、マンガの中に出てくるあの人の声でお喋りするように意識をしていました」と回答。
人型を保っていない腐っているバージョンについて聞かれると、「腐ってるのも同じ。うーうーっていう唸り声をどうしようかな、と思って、最初は色々試しました。しわがれ声でやってみたり、普通にやってみたり」したそう。最初は腐っていて、次はでっかい姉ちゃん、最後は“あれ”と、プレスコで画がなかったからこそ、自然にできたのではないか、と結論づけた。 ■ポリゴン・ピクチュアズ内での花澤シボの評価とは? ポリゴン・ピクチュアズ内でのシボ人気・花澤人気については、瀬下監督の口からシミジミこぼれた「人気あるに決まってますよねえ……」という言葉がすべてであり、ゾンビ状態のシボをこっそり「腐れシボ」と呼称しているという監督は、「腐れシボなのに、少しでも可愛くしようとするアニメーターの意志がぎゅうぎゅうに詰まっている」と語る。 また、一部で話題にもなったモデルウォークシボは吉平副監督の「歩かせたい」という思いで作られたことや、雑に持たれる腐れシボとその直し方……壁にガンガン打ち付けるあれにも言及。瀬下監督いわく「昭和の直し方」はアニメーションにも力が入っており、指示も出していないのにエフェクトが豪華になっていたそうだ。
ここで、霧亥やシボの視界について「シドニアの時には、ディスプレイグラフィックだけを観ても状況やストーリーがわかるように作った。『BLAME!』は、あえてちょっとわかりにくい、よーく観ると実はいろんなネタが書いてある、という状況で作っている」と瀬下監督。ディスプレイグラフィックも、キャラクターごとにスタイルを変えているのだ。霧亥だと、表示されている文字を読めば、彼の出自、存在や謎に近付けるものとなっており、あるキャラと似ていると分かるだろう。実際に映像に表示された内容から分かるので、これから観る方はぜひ注視していただきたい。 と、ここにきて制作陣のコメントを聞いていた“花澤香菜さま(いじられ役)”より 「真面目なこと喋れるんじゃないですか! なんだったの今までの!?」 という大変激おこな絶叫が。もちろんギャグ混じりの半ギレであったが、当日に行われた前2回の舞台挨拶ではスゴいことになっていたのだなあ、と実感する一コマであった。 ■おっぱいぶるんぶるん!
シボの義体については、瀬下監督の口から「胸は柔らかい素材で、アニメの中でも揺れている」と言及が。これはシドニアの頃から「パイリアルエンジン」と呼ばれているもので、弐瓶先生の設定集には指定でパイリアルエンジンと書かれているのだとか。ビーチボール及び格ゲーファンの中には聞き覚えのある者もいるかも知れない。やはり考えることはみな同じ、というわけだぶるんぶるん。この柔らかさについては花澤さんの口からも「柔らかくて良かった」というつぶやきが聞けた。やったぜ。この後はライティングについての技術的な話が続き、その真面目さに対する花澤さんの「さっきまでが悔やまれる……」というつぶやきが劇場内の笑いを誘った。 ◆◇◆◇ まだまだ語り尽くせない『BLAME!』の世界とシボ祭。霧亥の無口さと双璧をなすのが、「どんな姿形であろうとシボ」という彼女のスタイルだ。原作では形態の違いで人間らしさもあったが、今作ではゾンビと頭取戦の頃のイメージだろうか。その行動についても「あえてわからないように画面内に仕込んでいる」そうで、ライティングではライトがあたる面と陰の面で「自分の欲求を満たそうとしているのか、村を救おうとしているのかわからない」という二面性を表現しているのだ。映画での最終形態は女性らしさを重視してバレリーナの手の動きを再現、また、霧亥との別れのシーンにある秘密が隠されてもいる。 実は瀬下監督や吉平副監督、そしてスタッフが互いに仕込んだ部分も互いに知らない、隠されているという『BLAME!』。岩浪音響監督の「東亜重音もまだまだ増えるかも」という発言もあったので、もう観た方もまだの方も、映画館へ足を運んでほしい。 (取材・文/平工泰久) ■登壇者からの熱いメッセージ 岩浪音響監督:「東亜重音」は音のいい映画館で展開させていただいたんですけど、映画館はもしかしたら今後なくなってしまうかも知れない。本屋がなくなりCDショップがなくなり、テキスト、音、その次は映像なんですね。これは洒落にならない話で、映画館で映画を観るという娯楽はなんとか残したい。「そのためにボクができるのはなんだろうか」ということで、普通の映画館でも音を良くしたい。そのためにはちょっと目立つことをやらないとダメなんです。映画館で観なければクリエイターが作った本当のものを体験できない、映画館でないと体験しえない娯楽を作りたい。そのための試金石なんです。「ドルビーアトモス」という仕様を使わせていただいて、ボクの中ではアニメーションの音響革命の第一歩であると思っています。これからもどんどんいい音で、映画館でしか楽しめないものを作っていきたいと思っています。 花澤香菜:お話ししていてわかるんですけど、作ってるスタッフさんたちのわくわく感と、「ここにこういうものを入れてみて、どうだ」っていう、スタッフさん自身がスタッフ同士でもわからないことがあったりするっておっしゃっていて、「ああ、そういう遊び心もたくさん入っていて、素敵な作品だな」と。そこに関わらせていただいて、本当にうれしいなと思いました。みなさん、まだあと一週間も上映期間が残っておりますので、ぜひ何度も足を運んでいただければと思います! 吉平副監督:劇場公開ということを非常に重く受け止めていて、作っている時から、劇場で観ていただいたらどういう感動があるかを意識しながら、シネスコの画面サイズしかり、画面の情報密度しかり、まだ監督にもお伝えしていない各種演出しかり、さまざまな宝箱のようにボク自身もつめていきましたし、スタッフも愛情込めて作っていた作品です。長く愛していただけるような作品になるようにさまざまな場面で工夫を凝らして、何度観てもらってもシンプルな筋やアクションシーンもあれば、出てくるキャラクター一人一人の感情を追いかけて観ていただくと、きちんとキャラクタープロットが設計されていて、なぜその時そうしたかがわかるような演出をしております。ぜひぜひ、この作品を好きになっていただいて、何度も足を運んでいただければうれしいです。 瀬下監督:「この回の前2回の舞台挨拶がなんだったのか」というね(笑)。この回は素晴らしい回ですねえ。前の2回も素晴らしかったんですが(笑)。こうやって満席のお客様の前で自分たちの作品の話を観終わったお客様と一緒にできると言うのは、何度も舞台挨拶やらせてもらってますけどただただ幸せです。こういうことを続けさせていただいているのは、応援してくださっているみなさんのおかげだと思っております。シドニア、もちろん『BLAME!』の続編も含めてですね。もっともっとみなさんに楽しんでいただける作品を継続して作っていけるように、我々自身も頑張ってもっとより良いものを作り、劇場ならではの体感を作り、やっていきたいと思っておりますし、これからもぜひ、応援していただければと思っております。今日は本当にありがとうございました! ■『BLAME!』大ヒット上映中! 配給:クロックワークス 公式サイト :http://www.blame.jp/ 上映時間 :105分 (C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
【インタビュー】BOYS AND MEN・田中俊介も惚れた “狂気があるのに美しい”ダークBL映画『ダブルミンツ』の魅力
今ほどBLが市民権を得る前から、腐女子の熱い支持を集めてきたマンガ家・中村明日美子。2016年に劇場アニメ化もされた『同級生』(茜新社)や、長期シリーズ『Jの総て』(太田出版)といった代表作で知られている。そして中村明日美子の作品史上、最大の問題作とされているのが『ダブルミンツ』(茜新社)だ。 今から10年前の2007〜08年にかけて連載された同作は、高校時代に出会った同姓同名の同級生男子2人を主人公にしたBLマンガ。ごく普通の会社員・壱河光夫(ミツオ)の元に、かつての同級生・市川光央(みつお)から突然電話がかかってくる。 「女を殺した。今すぐ来い――」 ミツオは、冷酷な“みつお”の下僕として高校生活を過ごした。その記憶に抗えず、ミツオは“みつお”の元に向かい、久しぶりの再会を果たす。共犯者となった二人は頻繁に会うようになり、高校時代の主従関係とも違う、奇妙な関係を築きながら、共にどんどん道を踏み外してゆく――。冒頭から予感される通り、暴力や犯罪があふれ、ヤクザやチンピラが次々登場する、異色のダークBLとして当時話題をさらったのだった。(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子/茜新社
そして今年1月、『ダブルミンツ』の実写映画化が発表された。マンガ原作モノは批判されがちな現在、特に微妙なニュアンスが重要視されるBL作品とあって、「大丈夫なのか……?」と原作ファンからは不安の声も上がっていた。発表されたキャストは、名古屋を拠点に活躍するエンターテイメントグループ「BOYS AND MEN」の肉体派・田中俊介が“みつお”役、映画『東京プレイボーイクラブ』(11年)や『ミュージアム』(16年)などで近年注目度を上げている淵上泰史が“ミツオ”役。須賀健太や高橋和也、小木茂光といった経験豊富な面々が脇を固める布陣となった。 こうしたキャスティングに加えて、映画『下衆の愛』(15年)や『家族ごっこ』(15年)などの話題作を手掛けた内田英治監督が「原作に惚れ込んで映画化を直訴した」というエピソードも相まって、『ダブルミンツ』実写化への不安視は徐々に沈静化。そして5月11日に行われた完成披露試写後には、原作ファン・キャストファン双方から絶賛の声が多く上がったのだった。 今回本サイトでは、“みつお”を演じたBOYS AND MEN・田中俊介さんにインタビューを敢行。今年の夏冬公開の『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』への出演も発表され、役者としても注目度の高まる田中さんが、暴力と共依存と狂気の愛に満ちた『ダブルミンツ』を主演のひとりとしてどう捉えたのか、余すところなく聞いてみた。高校時代の“みつお”(須賀健太:写真左)と“ミツオ”(川籠石駿平:写真右)実写化不可能といわれてきた本作。冷酷で高飛車な“みつお”を田中俊介が熱演。
■「知らなかった世界がここにあった」一瞬で原作のファンに ――まずは、原作を読んだときの率直な感想を教えてください。 田中俊介(以下、田中) いわゆるボーイズラブのマンガを読むのは初めてで、まずは本当に衝撃を受けました。「なんて面白い作品なんだろう」って。 ――そちらの「衝撃」だったんですね。もともと「ボーイズラブ」という言葉はご存知でしたか? 田中 はい、知ってはいました。このお話をいただいてから中村明日美子先生のほかの作品も読んで、特有の美しさにすごく惹かれました。特に『ダブルミンツ』は、ものすごく狂気があるのに美しさを放っているものがあって、そこに完全に惚れましたね。僕の知らなかった世界がここにあった、なんて面白くて魅力的な作品なんだろう、と一瞬でファンになりました。 ――今回の“みつお”役での起用については、オーディションではなく、内田英治監督から田中さんに直接オファーがあったということですが、なぜ自分だったと思いますか? 田中 普段はBOYS AND MENというグループで歌って踊ってという活動をメインにしているんですが、僕はずっとお芝居もやりたかったんです。内田監督とは3〜4年ほど前にドラマの現場で面識ができて、そのときにもそういう話をしていたので、気持ちを汲んでくださったのかな、と思っています。それから監督も仰っていたのは、「田中くんは“みつお”に似ている」と。 ――確かに原作ファンとしても、映画を拝見して、最初に田中さんの“みつお”が登場するシーンで、「“みつお”だ!」と思いました。 田中 それは本当にうれしいですね。そういう意味でも、運命的というか、運が良かったというか。 ――では、かなり暴力的なボーイズラブ作品ですが、引き受けるにあたって抵抗はまったくなかった? 田中 そうですね。僕は本当にこの作品がすごく面白いと思って、市川光央を演じられるということがうれしかったのですぐ「やりたいです」と答えました。逆に返事が早すぎて、マネージャーや監督から「本当に大丈夫?」と聞かれました(笑)。 ――田中さんはクランクインの1年前から出演が決まっていたそうですね。どんな役作りをされましたか?映画『ダブルミンツ』で市川光央役を演じた「BOYS AND MEN」の田中俊介
田中 時間をかけて体を作りました。もともと僕はすごく体を鍛えるタイプで筋肉がゴリゴリだったから、「これは全然“みつお”じゃない」と思って有酸素運動と食事制限で体重を14キロくらい落としました。今まで大事に育ててきた筋肉も、この男だったらいらないな、と。 それから、この作品の特徴である同性愛のこと、共依存のこと、あとはギリシャ神話のアンドロギュヌスのことを勉強しました。男と女が合わさった2つの頭を持つ生き物、それが半分にわけられてしまったから自分の片割れを探しているんだという哲学的な部分ですね。そういうものをちゃんと勉強して、自分の中に落とし込む作業を繰り返しました。同性愛についても、出演のお話をいただいた時点ではまだ100%理解はできていなかったんです。でも「好きになる相手がたまたま同性だっただけで、異性じゃないといけないということはないんだ」というふうに、自分の中で偏見や壁みたいなものが一切なくなるところまでたどり着けました。 ■闇か光か? 主演者も捉え方の揺らぐ『ダブルミンツ』の魅力 ――原作者の中村明日美子さんから、演じるに当たってのアドバイスや要望は何かありましたか? 田中 撮影に入る前は、中村先生とお会いする機会がなかったんです。でも内田監督が2年間くらいかけて先生と脚本を話し合って、実写化に当たって互いの持っているイメージを固めていたので、監督には撮影前にいろいろ言われました。まず一番は、「お芝居をしないでくれ」ということですね。「お前が経験してきたことから感情を引っ張り出す作業をしてほしい」と。悲しかったときや腹が立ったときの気持ちを引っ張り出して、それを表現する。そこから“みつお”の考え方やキャラクター像にすり寄せていく作業をしろ、と言われていました。
――“みつお”のキャラクターは狂気的だったり刹那的だったり、暴力性をはらんでいて、自分の経験とすり合わせるのは難しそうに思いますが……。 田中 正直最初の頃は、考えても考えても、市川光央がどういう男なのかよくわからなかったです。だから原作と脚本をひたすら読み込んでいく中で、自分がなぜもうひとりのイチカワミツオを求めてしまうのか、なぜ彼と一緒にいてどこに向かおうとしているのか、なんでチンピラをやっているのかさえ、市川光央自身もよくわかってないんだ、というところに落ち着きました。 それと、最初は、"みつお”のカリスマ的なところをミツオが崇拝していて、そのせいで共依存みたいな関係になっているのかな、というイメージが強かったんです。でも監督と話していくうちに、「“みつお”はカリスマなんかじゃなくて、弱い男なんだ」と言われて。僕はその弱さを隠してしまう“みつお”を自分の中に作っていたんですが、泣くときは泣くし叫ぶときは叫ぶような人間らしさ、弱さをもっと表現してほしいということだったんですね。だから、自分でイメージしていたよりも弱さを意識して撮影に挑みました。 ――5月11日に行われた完成披露試写後のSNSを見ると、観た方がみなさんすごく映画『ダブルミンツ』に魅了されているように感じました。そうした反応はご覧になっていますか? 田中 はい。東京と名古屋で試写があって、終わった後に監督たちとご飯を食べに行って、そのときに監督が初めてエゴサーチを学んだんですね(笑)。それで試写会の反応をみんなで見ました。僕は正直怖くて自分ではできなかったんですが、本当にいい評判が聞こえてきてうれしかったです。原作ファンの方々も「面白かった」と仰ってくれているし、BOYS AND MENのファンの方も「BLの世界のことは全然知らなかったけど、初めて観て、今まであった抵抗がなくなりました」って言ってくれて。男性同士の間に愛を感じたし、美しいもの、光を放っているものを感じたという人がかなりいらっしゃいました。一方で、これが『ダブルミンツ』の魅力でもあると思うんですけど、「私は本当に“闇”に見えました」と言う人もいて。 これは僕もそうなんですが、「二人が愛で結ばれている」と思うときもあれば、「いや、愛じゃない、依存だ。この先二人はどんどん闇に落ちていくんじゃないか」と感じるときもあるんです。撮影が終わったときには「純愛モノだな」と思ったんですよ。でも役作りの段階では「どっちなんだ?」っていろいろ考えが入れ替わって、試写で見たときには“闇”のほうを強く感じました。二人の抱えている苦しみの部分がガツンと来て、観ていて泣きそうになるくらい締め付けられて。観る時々で捉え方が本当に変わるのも、この作品の魅力だと思います。
■製作側も全員原作ファン、だからこそ信じて観てほしい ――もうひとりのミツオを演じられた淵上泰史さんとは、本作で初対面ですよね。どんな印象を受けましたか? 田中 クランクイン前の本読みで最初にお会いしたんですが、伝達ミスがあって淵上さんは最初“みつお”を演じるんだと思っていたらしいんです。それで監督と話していくうちに「あれ? なんかおかしいぞ?」ってなったみたいで。そもそも最初に僕と顔を合わせた時に、「明らかに“みつお”に似てるヤツがいる」と思って、そこから「おかしい」と思っていたそうです(笑)。もともと淵上さんはミツオのほうを演じてみたいと思っていたそうで、結果的にはよかったんですが。 淵上さんは本当にお芝居に対してまっすぐな方で、撮影中もお芝居で引っ張ってくださるところがたくさんあってすごく助けられました。でも正直、撮影中はあまり親しくはならなかったんです。W主演だから、ある程度コミュニケーションを取って仲良くなったほうがいいのかな、とも思ったんですが、原作の持つミツオと“みつお”のなんともいえない微妙な距離感、空気感を作るには、そうじゃないほうが絶対活きてくると思って。撮り終わって宣伝関係でご一緒する中でやっと仲良くなれたというか、関係ない話もして打ち解けています。 ――映画の中のお二人の絶妙な間合いは、そうやって生まれていたんですね。最後に、これから映画を観る方に向けて、メッセージをお願いします。 田中 特に原作ファンの方は、実写化となると抵抗のある方もいると思います。内田監督はすごく映画愛の強い方で、だから周りに集まるスタッフもキャストも、同じように愛が強い人たちばかりなんですね。そんな監督が原作をたまたま見つけて、めちゃくちゃおもしろいから実写化したい、と惚れ込んだ。実現するかもわからないような話を、2年間もかけて原作者の先生と話しながら作っていくって、なかなかあり得ないんですよ。それが何よりの証だと思います。僕自身も本当に原作が好きになって、1年間ずっと市川光央のことを考えていたので、これまでにないくらい愛情を込めた作品でもあります。 作っている側ももう『ダブルミンツ』のファンなので、同じようにファンである方々の気持ちがわかるから、実写化することでその思いを裏切りたくなかった。リスペクトする原作にできるだけ近づけたいという思いでした。観ていただければその愛情は伝わると思うし、それを信じてやってきました。映画の中にはちゃんとふたりのイチカワミツオがいると思います。ひとりでも多くのファンの方に、ぜひ劇場で観てほしい。本当に、この気持ち、マジで伝わってくれ……! (構成:斎藤 岬、撮影:荻窪番長) ☆次ページにも写真あり! ■プロフィール 田中俊介(たなか・しゅんすけ) 1990年1月28日、愛知県生まれ。男性グループBOYS AND MENのメンバーとして、2010年にデビュー。グループとしての活動のほか、俳優としてテレビドラマや舞台、映画等で経験を重ねている。趣味は筋トレで、特技は雑誌を素手で引き裂くこと。
■作品情報 『ダブルミンツ』 2017年6月3日(土)よりシネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー 公式サイト:http://d-mints.jp/ 監督・脚本:内田英治 原作:中村明日美子 配給:アーク・フィルムズ、スターキャット (C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子/茜新社
広瀬アリス、アニメ好きでも初声優は「うまくいかなかった」と大反省会!? “辛口”の監督からも及第点か
アニメ好きとして知られている女優の広瀬アリス。これまでにも自身のカレンダーの発売イベントで、『東京喰種トーキョーグール』(作:石田スイ/集英社)の金木研が好きだと話したり、妹の広瀬すずが、実家のDVDデッキの録画欄にアニメしかないことが多く、「自分の(録画したい番組)が録画できなかったりするので、そこはなんとかしてほしいかな」とコメントするなど、“アニメ好き”エピソードは枚挙に暇がなほど。 そんな広瀬が映画『パワーレンジャー』(7月15日公開)のキンバリー・ハート/ピンク・レンジャー役に起用され、初めて声優業に挑むことになった。 『パワーレンジャー』といえば、日本で放送された『スーパー戦隊シリーズ』をベースにしたアメリカの特撮テレビドラマで、1993年からいまだに展開が続いている人気シリーズ。ドラマパートは現地で集めた俳優を使い、戦闘パートは日本版の流用して再編集するというハイブリッドな制作方法となっている。 今回の映画『パワーレンジャー』は、総製作費120億円をかけ、その『パワーレンジャー』TVシリーズ第1作『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』を甦らせたもの。その日本語吹き替え版の公開アフレコを17日、広瀬、勝地涼(ジェイソン・スコット/レッド・レンジャー役)、南海キャンディーズの山里亮太(機械生命体・アルファ5役)が行った。 「このイベント前に行われた本番のアフレコについて広瀬は、『すごく大変でした。初日は落ち込みすぎて、家に帰って大反省会したり』と振り返っていましたね、相当ヘコんだみたいですよ。『感覚が違うのでうまくいかないというか……自分で知っている感じはするので、全然ダメだという感じで』とも言っていました。アニメが好きなだけに、自分の至らなさ具合も肌で感じていたのかもしれません」(映画ライター) とはいえ、マスコミ向けに公開されたアフレコでは、さほど悪くもない演技を披露したとか。 「広瀬はレッド・レンジャー役の勝地涼と掛け合いをしていましたけど、あまり違和感のない演技になっていたように思いましたね。2人で表情まで作って演じていたのがも印象的でした。ブースから聞いていた監督も、本番より気持ちの入っているのではと評価していましたよ。逆に、この監督は山里に対しては『思い切っていきましょう。うまくないんだから』と辛口で、報道陣を笑わせていましたが、広瀬と勝地は及第点といったところだったのでは」(前出の映画ライター) 今後も活動をしていけばゲスト声優起用があるかもしれない広瀬。アニメファンの彼女が自分でも納得できる演技をすることができるのか、注目してみたい。映画『パワーレンジャー』公式サイトより
【劇場アニメレビュー】シリーズ初プレイのドキドキが甦る!?『バイオハザード:ヴェンデッタ』
カプコンの人気サバイバル・ホラー・ゲーム『バイオハザード』の映画化といえば、先ごろ完結を迎えたばかりの実写版シリーズがあまりにも有名ではあるが、フルCGアニメーション・シリーズも忘れてはいけない。 ストーリー的にはゲーム版『バイオハザード2』の続編とし、かつて米国中西部の工業都市ラクーンシティの人々を次々とゾンビ化していったアンブレラ社のT-ウィルスが、その後テロリストたちの手に渡ったという設定の元、バイオテロ撲滅のために戦い続けるレオン・S・ケネディ(大統領直属エージェント)とクレア・レッドフィールド(NGO「テラセイブ」に属し、バイオテロの被害者救済に尽力)を主人公とする『バイオハザード ディジェネレーション』(08年)。 『バイオハザード:ヴェンデッタ』はゲームをプレイしてなくてもまったく問題なく見られる作りにはなっているが、やはりこのふたりの登場はバイオ・ファンにとってはうれしいところで、マニア心をくすぐる設定も多々あり。またゲームからこの世界観に接した者からすると、実写よりもフルCGのほうが入り込みやすい利点もある。 その続編『バイオハザード ダムネーション』(12年)はゲーム版『5』と『6』の間に挟まる内容で、主人公はレオンだがクレアは登場せず、代わって『2』や『4』『6』でおなじみで謎の東洋女スパイ、エイダ・ウォンが暗躍。東欧の小国独立運動を背景に、生物兵器の実戦投入をめぐる危機が描かれる。 と、ここまでは『日本沈没』(06年)『GANTZ』(11年)などの特撮監督として著名な神谷誠監督によるダイナミックかつゲーム版の世界観にこだわった画作りがなされていた(この2作の経験が功を奏してか、彼は16年の実写ゾンビ映画大作『アイアムアヒーロー』の特撮監督を務めている)。 しかし最新第3作『バイオハザード:ヴェンデッタ』(17年)は、監督を『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズ(14年/エピソード2・4・8を担当)などの辻本貴則にバトンタッチ。制作会社も一新され、またエグゼクティブ・プロデューサーに『呪怨』シリーズで世界に名を馳せる清水崇を迎えている。 このことで、本作が前2作以上にホラー色に力を入れていることが予想できるかと思うが、特に今回、冒頭での武器密売拠点でもある謎の洋館における攻防戦でのショッキングな描出の数々は特筆的。主に画面の奥に蠢くゾンビがいきなりこちらに飛び出してくるかのような演出に、ゲームを初めてプレイしたときのドキドキ感が甦ってきたほどで、正直映画を見ながら幾度も椅子から飛び上がってしまったほどだ。 今回の主人公はクレアの兄で対バイオテロ組織「BSAA」に所属するゲーム版でも人気の高いキャラ、クリス・レッドフィールドと、元ラクーン市警特殊部隊「S.T.A.R.S.」に所属していたレベッカ・チェンバース。両者が国際指名手配犯グレン・アリアスの凶悪かつ狂大なるバイオテロの陰謀に対峙していくのだが、それに伴い、CGアニメ版の顔ともいうべきレオンも登場する。 クリスとレオン(前2作およびゲーム版の数々の戦いで疲弊しきったか、今回はすっかりやさぐれたおっさん状態で登場するあたりがナイスだ)のタッグは、ドラマ後半のNYバイオテロをめぐるスリリングな攻防戦でのバイオレンス・アクション・シークエンスで魅力を放つ。特にバイク・チェイスのくだりは、ガン・アクションにこだわりを持つ辻本監督の長所が最大限に発揮された白眉たるものといってもいいだろう。 そして、これらの秀逸な演出を裏付けするCG技術の躍進には本当に圧倒させられる。前2作を初めて見たときも、その都度斬新な映像に驚かされたものだが、今回はさらに進化した、リアルながらもどこかフルCGアニメ映画ならではの独自の味わいをきちんと湛えたセンスに感服させられる。ちょうど同時期、セルルックCGアニメ映画『BLAME!』のクオリティの高さに圧倒されたばかりだが、こちらも負けず劣らずのすばらしさ。 かつてはCGアニメのCG臭とでもいうべきのっぺり感や動きのぎこちなさなど、かなりの部分で見る側が補完しないといけないような時期もないわけではなかったが、今のCGアニメは、ある種実写にもセルアニメにもない魅力を発散するようになってきていて、その分新作を見るのが俄然楽しみになってきている。 一方で神谷誠にしろ辻本貴則にしろ、実写だの特撮だのアニメだのといった垣根を優に通り越したところでのエンタメ的活動に勤しむ優れたクリエイターがごく自然に増えてきている事実にも、今後の日本のエンタメ界に希望が持てるところで、あとは企画する側のセンスなどに期待したいところではある。 いずれにしてもこれからのCGアニメの躍進から当分目を離せなくなりそうである。 (文・増當竜也)映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』公式サイトより

















































