ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由 電車の冷房、車両や日により違うのはなぜ?どうやって調整?東急電鉄さんに聞いてみた “非”国営NHKの受信料は完全に合憲でも、なぜ強制徴収は国民の理解を得られない? ■特にオススメ記事はこちら! ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係 - Business Journal(7月19日)
NTTドコモ代々木ビル
(「Wikipedia」より/0607crp)
 スマートフォン(スマホ)商戦で苦戦が続くNTTドコモが、7月19日から、従来型携帯電話からスマホに買い換える自社の既存顧客に対し、約5000円の値引きを始める。7月16日付日本経済新聞をはじめ、多くのメディアがこのニュースを取り上げた。  ドコモといえば、5月中旬より、初めてスマホに買い換える顧客と10年以上の長期継続顧客に対し、ソニーとサムスン電子の2社製の端末を値引きする「ツートップ戦略」を展開してきた。日経新聞記事によれば、その結果として販売の8割以上が上記2社の端末に偏り、「他社より品ぞろえが多いドコモの強みを生かしきれず、販売全体には停滞感がある」という。今回の値引きは、販売好調なソニー製品を除く夏商戦向けスマホの大半が対象となっており、他社端末との購入負担額の差を縮め、販売の底上げをはかるという狙いがあるようだ。  そもそも「ツートップ戦略」には、「新しい契約者の獲得につながっていない」との指摘が相次いでいた。7月5日に発表された携帯電話各社の6月の契約数を見ると、ドコモの純増数は5カ月ぶりにマイナスに転落。7月6日付朝日新聞は、「米アップルのiPhone(アイフォーン)を売るKDDI(au)とソフトバンクの好調ぶりが目立つ半面、ドコモの『一人負け』が改めて印象づけられた」とした上で、ツートップ戦略が携帯メーカーに与えた打撃の大きさを指摘した。  ドコモの商品ラインナップで常に主役を張り、ガラケー時代に国内シェアのトップを争ってきたのは、NECとパナソニック。ドコモ向けの販売はその生命線であり、ツートップ戦略のあおりを受けた売り上げの低下も影響してか、「NECは中国レノボに携帯事業を売却する方針で交渉を進め、パナソニックは今年の冬モデルから個人向けのスマホ事業を大幅に縮小する検討に入った」(朝日新聞記事)という。同記事にコメントを寄せた携帯電話メーカー幹部は、「信頼関係をかなぐり捨てたツートップ戦略は、ドコモにとって捨て身の攻撃。不発に終わった以上、残る手はiPhone導入しかないだろう」と突き放すように話したという。 ●奨励金停止で顧客流出か  一方、ツートップ戦略が思うような効果を上げず、ドコモが「正念場」に追い込まれた要因として、7月15日付読売新聞は「販売数に応じて代理店に支払う奨励金を一時停止し、契約成績の悪化を招いた」ことを挙げている。ドコモは販売コストの大幅削減を狙い、6月から販売店への奨励金を停止していた。同記事では、そのことでKDDIやソフトバンクも扱う代理店が、ドコモの機種を積極的に販売しなくなったため、ツートップ戦略によるプラス効果を上回るペースで顧客が流出したと分析している。  また、ドコモは6月より、奨励金に代わる他社顧客の獲得策として、通信料金から13カ月で約1万円を割り引く優遇措置を開始。加えて、7月12日に奨励金を再開しており、結果として販売コストは以前より増加。読売新聞は「今後は、販売数が増えれば増えるほど利益を圧迫することになる」とまとめている。  前出の日経新聞記事によれば、ドコモの契約者数5000万人のうち、ガラケーユーザーは3000万人程度いるといわれる。「5000円値引き」を軸に、まずは自社の顧客にスマホを売ろうという戦略だが、顧客の流出に歯止めをかけるためには、やはり以前からたびたび噂される「iPhone導入」しかないのでは、との見方も広がっている。  夏のスマホ商戦で優位に立とうと、なりふり構わず次々と策を投入しているドコモだが、どこかチグハグな印象が否めない。スマホ市場でのドコモの苦悩は、この先も続きそうだ。 (文=blueprint) ■おすすめ記事 AKB篠田激白、卒業直前の心境と「潰すつもり」スピーチの真相、卒業に福岡選んだ理由 電車の冷房、車両や日により違うのはなぜ?どうやって調整?東急電鉄さんに聞いてみた “非”国営NHKの受信料は完全に合憲でも、なぜ強制徴収は国民の理解を得られない? 映画館の強すぎる冷房、言えば下げてくれる?設定基準は?TOHOシネさんに聞いてみた 行列店「俺のフレンチ」シリーズ、銀座へ集中出店する理由と“成功”戦略

フジ人気アナ、相次ぐ流出の陰に“合コン女王”高橋真麻?ついに見かねた上層部は…

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係 サッカー東アジア杯直前、韓国代表の迷走〜元Jリーガーの若き新監督抜擢と再建の行方 日本IBM、加速するリストラの実態 突然呼び出し即日解雇、組合活動で査定不利… ■特にオススメ記事はこちら! フジ人気アナ、相次ぐ流出の陰に“合コン女王”高橋真麻?ついに見かねた上層部は… - Business Journal(7月18日)
フジテレビジョン本社
(「Wikipedia」<Defchris>より)
 7月18日発売の「週刊文春」(文藝春秋/7月25日号)が、フジテレビ・アナウンス室が総崩れの危機に瀕していると報じている。    ジャニーズ事務所所属の俳優・生田斗真を兄に持つフジテレビの生田竜聖アナウンサーが、今月11日放送の『めざましテレビ』(同局系)内で、妻で同じくフジテレビアナウンサーの秋元優里が第1子を出産したと報告した。  夫婦ともにフジテレビ・アナウンス室所属となれば、さぞアナウンス室はおめでたムードにつつまれているかと思いきや、どうやらそうではないという。  文春の記事によれば「ご法度だったはずのアナウンス室内の恋愛をいとも簡単に破ったから」だという。また、それよりも深刻なのが寿退社による女子アナの流出だとも。  フジテレビの女子アナといえば、騎手の福永祐一と結婚する同局アナの松尾翠、そしてプロバスケットボール選手の五十嵐圭と結婚する本田朋子が、揃って今年9月に寿退社すると報じられている。また、昨年には人気女子アナだった中野美奈子と平井理央もフジテレビを退社。さらに、先月には『ニュースJAPAN』(同)のキャスターを務める大島由香里アナとフィギュアスケーター・小塚崇彦との熱愛が報じられた。こうした相次ぐ女子アナ流出のキーマンとして、フジテレビの上層部が目をつけたのが今年3月に同局を退社した高橋真麻だという。  高橋は俳優の高橋英樹を父に持ち、現在はIT企業社員と交際中だと報じられている。父と恋人が著名な高橋は幅広い人脈を持ち、後輩女子アナを連れて度々、会食や合コンを繰り返しているという。また「週刊ポスト」(小学館/7月19日・26日号)にも「会社を辞めた後も後輩たちを誘ってしょっちゅう飲み会を開いているようです。IT企業社員と交際しているからか、相手はベンチャー企業家やらIT企業の経営者が多く」(フジテレビの制作スタッフ)とある。  こうして高橋が女子アナと男性の間を取り持っているというのだ。上昇志向の強い女子アナにとって、IT系企業経営者のお財布は気になるところ。「週刊現代」(講談社/5月11日・18日号)に掲載された「日本の新しい大金持ち」によれば、1位のミクシィ・笠原健治社長の資産額1347億3200万円を筆頭に、同ランキング15位までにIT系企業経営者が8名ランクインしている。  また高橋は、局アナ時代から天然ぶりと歌唱力、そして全身タイツ姿もいとわないなどの度胸で密かな人気を博し、フリー転身後も人気が高い。しかし文春が今年行った「嫌いなアナ」ランキングでは堂々の第2位。また、6月に放送された『キャサリン3世』(同)の中での「イケメン男子を斬る」というコーナーでの発言で、ネット上では「その面でよくも他人の容姿のことをとやかく言うたな」「てめえ何様だよ」などと猛バッシングを受けた。またフジテレビへのコネ入社の噂や、ネット上では「31歳にしては老けている」などとの声もある。しかし、そうした他の女子アナとは違ったイロモノ的な雰囲気が、フリー転身後も人気が衰えない理由だともいわれている。    また文春の記事によれば、女子アナ流出に対してフジテレビ上層部は、カトパンこと加藤綾子アナ、ショーパンこと生野陽子アナの女子アナ2トップが辞めることを恐れているという。今年3月に放送された『みんなの声3』(同)の中で、加藤アナは「今の年収の何倍であれば、フリーに転身することを考えるか?」との質問に「2倍」と答えている。一部で年収1200万円と報じられている加藤。年収2400万円を保障されればフリー転身もあるのかもしれない。  2012年度年間視聴率ランキングで日本テレビ、テレビ朝日に抜かれ3位に転落し、かつての勢いに陰りが見え始めたフジテレビ。お台場という陸の孤島から、次は誰が逃げ出すのか、注目が集まる。 (文=本多カツヒロ) ■おすすめ記事 ドコモ、ツートップ戦略不発で高まるiPhone販売観測…崩れるメーカーとの信頼関係 サッカー東アジア杯直前、韓国代表の迷走〜元Jリーガーの若き新監督抜擢と再建の行方 日本IBM、加速するリストラの実態 突然呼び出し即日解雇、組合活動で査定不利… 危険な安倍政権の正体? 原発推進、米国の軍事費削減のために自衛隊を利用… アベノミクスへの誤解 「10年後に年収150万増」のウソ?…名目GNIのカラクリ

ドラマ『Woman』エグ過ぎで、スカっとする『ショムニ』へ乗り換える人が増殖中?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) フジ人気アナ、相次ぐ流出の陰に“合コン女王”高橋真麻?ついに見かねた上層部は… 日本IBM、加速するリストラの実態 突然呼び出し即日解雇、組合活動で査定不利… 危険な安倍政権の正体? 原発推進、米国の軍事費削減のために自衛隊を利用… ■特にオススメ記事はこちら! ドラマ『Woman』エグ過ぎで、スカっとする『ショムニ』へ乗り換える人が増殖中? - Business Journal(7月17日)
『ショムニ 2013』公式サイト(フジテレビHP)より
 今クール(7〜9月期)も数多くの連続テレビドラマが放送されているが、中でも毎週水曜夜10時〜のいわゆる“水10”ドラマ枠で同時間帯に放送される、『ショムニ 2013』(フジテレビ系)と『Woman』(日本テレビ系)の視聴率争いに注目が集まっている。  まず『ショムニ』は、会社でリストラ対象として庶務二課(ショムニ)に集められた、主役の江角マキコ扮する坪井千夏をはじめとするOLたちの孤軍奮闘ぶりを描いたコメディ・ドラマ。1998〜02年にかけ計3度にわたり放送された人気シリーズで、03年放送のスペシャル版以来10年ぶりの復活となり、待望していたファンも多い。  対照的に『Woman』(日本テレビ系)は、満島ひかり扮する青柳小春が、亡くなった最愛の夫との間に残された2人の小さな子どもを育てるという設定で、シングルマザーの苦悩を描いたヒューマンドラマとなっている。過去に人気恋愛ドラマの『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)、『最高の離婚』(同)のほか、加害者家族と被害者家族の関係を描いた『それでも、生きてゆく』(同)などの“シリアスもの”まで幅広く手掛けた実力派脚本家・坂元裕二の作品ということもあり、こちらも前評判が高かった。  初回放送分では、『ショムニ』(7月10日放送)が平均視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)18.3%をマークし、同13.9%の『Woman』(7月3日放送)を制したが、ドラマ好きの間からは、「テイストが正反対の2つだが、どちらもドラマとしての出来は高く、一方だけを選べない」という声も聞こえる。  そこで気になるのが、それぞれのドラマを、どのような視聴者がどういう理由で選んでいるのか? という点だろう。今回、これらのドラマを視聴した20〜40代の男女に話を聞いた。  まず、“ショムニ派”だという20代女性は、『ショムニ』の魅力を次のように語る。 「以前のシリーズを学生時代に見ていた頃は、単純にコメディとして楽しんでいたが、今、会社に勤める社会人の視点で見ると、違った面白さが味わえる。例えば、スポーツ入社したが挫折し会社で居場所がない本田翼を“ショムニ”に飛ばした元上司に対し、江角マキコが『部下を教育するのも上司の仕事。その分もあんたの高い給料に入ってるんだよ』と啖呵を切るシーンでは、『その通り!』と思わず拍手してしまいました。そういう普段会社で自分が思ってても言えない台詞を江角が放ち、見ていて“スカっ”とできるところがいい」  また、同じく“ショムニ派”の30代男性は、「人事部の鈴木浩介と安田顕の、自己保身や出世欲丸出しの言動が面白い。『ショムニ』特有の過剰な演出を差し引いても、私の周りにも鈴木や安田と同じような社員はたくさんいますね。なので、ドラマを見ながら、『あるある』とうなずけるシーンが多い」と感想を述べ、違った楽しみ方もあるようだ。  一方、“Woman派”だという2人の子どもを持つ40代女性は、「満島と子どもたちが、電車内やスーパーで買い物をしながらやりとりする会話やしぐさが本当に自然で、自分の子どもが小さかった頃を思い出して、見入ってしまう」と語る。ほかにも第2話(7月10日)で、田舎にある満島の友人宅に預けられた長女が逃げ出し、駅へ探しに出た満島が無事に娘を見つけ出したシーンについて、「子どもが逃げ出した理由を、『今度一緒にお母さんと花火しようって言ってたのに、花火しちゃった。ごめんなさい、ごねんなさい』と泣きながら説明すると、満島も泣きながら子どもを抱きしめるのを見て、今反抗期の自分の子どもにもこんな繊細さがあったなと思い、私も泣いてしまった」と、自身の経験を重ね合わせながら見ている様子がうかがえた。  また、満島演じる青柳と同じシングルマザーだという30代女性は、次のように少し違った見方をしているようだ。 「出勤前に子どもを託児所に預けるために、2人の子どもを抱えて満員電車に乗り、周囲の乗客から舌打ちされるシーンや、生活保護申請の窓口で区役所職員が見せる冷たい態度など、シングルマザーにとっては、まさに日々直面しているシーン。満島が劇中でつぶやく『(夫婦)2人なら普通にできることが、1人だとこんなに辛い』という台詞は、私も何度も心の中で思ったことがあります」  ただこの女性は、あまりにドラマの演出がリアル過ぎ、見ていて気持ちが苦しくなる時もあったため、「次回からは明るく日常を忘れられそうな『ショムニ』を見るかもしれない」と意外なコメントを寄せた。  これと反対の意見は“ショムニ派”からも聞かれ、ある30代の女性は、「初回は『ショムニ』を見たが、会社での嫌なことを思い出してしまった。また、独身の私からすれば、現実の“母と子”、もしくはシングルマザーの置かれた現状がどのようなものなのか、とても興味を惹かれる。次回は『Woman』を見ようと思う」と、“乗り換える”意向を示した。  どうやら、「働く独身女性=“ショムニ派”」vs.「子を持つ母親=“Woman派”」という単純な構図は成立しないようだ。この話題の2つのドラマ、視聴率は最終回を迎える9月頃にはどのように変わっているのか、今後の動向から目が離せない。 (文=編集部) ■おすすめ記事 フジ人気アナ、相次ぐ流出の陰に“合コン女王”高橋真麻?ついに見かねた上層部は… 日本IBM、加速するリストラの実態 突然呼び出し即日解雇、組合活動で査定不利… 危険な安倍政権の正体? 原発推進、米国の軍事費削減のために自衛隊を利用… アベノミクスへの誤解 「10年後に年収150万増」のウソ?…名目GNIのカラクリ 存在感高まるジェネリック家電って何? 量販店も積極的に販売、透ける消費者の変化

ユニクロ、過去最高益でも憂鬱のワケ…採算悪化続く国内事業と、値下げ販売のジレンマ

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 水10ドラマ『ショムニ』『Woman』あなたはどっち派?視聴者の意外な見方と感想 存在感高まるジェネリック家電って何? 量販店も積極的に販売、透ける消費者の変化 イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ ■特にオススメ記事はこちら! ユニクロ、過去最高益でも憂鬱のワケ…採算悪化続く国内事業と、値下げ販売のジレンマ - Business Journal(7月15日)
ユニクロ大阪心斎橋店
「Wikipedia」より
 7月11日、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、2012年9月~13年5月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比19.1%増の8858億円、営業利益は同4%増の1240億3700万円で、いずれも過去最高を記録した。  同日付時事通信記事によれば、ユニクロブランドは中国や台湾、韓国などを中心に海外進出が加速し、今年5月末時点で海外店舗数は410店と、前年同月末に比べて135店増加。既存店の好調に加え、出店による増収効果が増収増益に結びついたようだ。  同日付の日本経済新聞電子版でも、好調のアジア事業について、ファーストリテイリング最高財務責任者(CFO)・岡崎健氏の「知名度が高まり、出店すればするほど利益が出る」というコメントを紹介。ユニクロは6月にはインドネシアに進出したが、隣国のシンガポールでもすでに有名なため、楽しみにしていた顧客が多かったという。また、巨大市場である中国経済の減速懸念について問われると、「(ユニクロ製品は)生活に密着した使われ方をしている。景気が悪くなったから買わない、ということはない」と自信を見せた。  海外事業の成功で柳井正会長兼社長が目標として掲げてきた「売上高1兆円」の突破も視野に入ってきたが、「そう順調ではない」との見方も広がっている。  13年3月~5月、直近3カ月の第3四半期だけを見ると、売上高が前年同期比24%増の2709億円となった一方で、営業利益は同0.7%減の273億円にとどまっているからだ。7月12日付東洋経済オンライン記事で指摘されているように、「この要因を探ると、グループ売上高の約6割を稼ぐ国内ユニクロ事業の採算悪化に行き着く」。ここ数年、国内では客数の減少が続き、国内ユニクロ事業は前年度までに2期連続で既存店売上高が前年割れ、連続減益と収益力の低下が続いている。  同記事では、ユニクロが集客の起爆剤としてスタートした「4日連続セール」に注目。12年秋から、従来行っていた毎週土・日のセールを金・月も含む4日間に拡大し、一層の低価格路線を打ち出した結果、どうなったか。12年9月から13年5月までの累計で客数は前年同期比9.1%増と大幅に伸び、既存店売上高も同5.2%増と反発したが、大規模な値引き販売で商品販売の儲けが減り、広告宣伝や什器の入れ替えなどの費用が利益を圧迫することに。そして国内ユニクロ事業は、同4.7%の減益となった。  このことが市場に嫌気されたのか、7月12日の東京株式市場では、ファーストリテイリングの株価が大幅に下落。前日終値の3万8700円に対し、終値は2250円安(5.8%下落)の3万6450円に。7月12日付SankeiBizの記事によれば、「同社株は日経平均株価への影響力が大きく、この銘柄だけで日経平均株価を100円ほど引き下げる場面もあった」という。  ユニクロと同様、海外進出を加速させる低価格衣料ブランド「ジーユー(GU)」の伸びもあり、業績は好調といっていいファーストリテイリングだが、14年春に予定された消費増税について、柳井社長は実質値引きとなる価格の据え置きを表明しており、「来年度の国内ユニクロ事業は、今よりも儲けにくくなる可能性がある」(前出の東洋経済オンライン記事)という。噴出している「ブラック企業」との批判によるイメージダウンへの対処も含め、国内事業をどう建て直すか--過去最高の連結決算とは裏腹に、ファーストリテイリングの悩みは尽きないようだ。 (文=blueprint) ■おすすめ記事 水10ドラマ『ショムニ』『Woman』あなたはどっち派?視聴者の意外な見方と感想 存在感高まるジェネリック家電って何? 量販店も積極的に販売、透ける消費者の変化 イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ 高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情 就活後ろ倒し、どう対応?大学&就活否定論からの決別、抜け道活用…企業と大学への提言

ドラマ『DOCTORS 2』はコメディ?見所は高嶋政伸の“ほとばしるコント魂”

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「欲しいなら礼金払え」 高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情 イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ ■特にオススメ記事はこちら! ドラマ『DOCTORS 2』はコメディ?見所は高嶋政伸の“ほとばしるコント魂” - Business Journal(7月15日)
『DOCTORS 2~最強の名医~』公式サイト(テレビ朝日HP)より
 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。   暗躍するダークヒーロー系だと思っていたのに、すっかり医療コメディ、うっかりコント。ただし、仕掛けは巧妙で、決して陳腐な展開になっていない。それが連続テレビドラマ『DOCTORS 2~最強の名医~』(テレビ朝日系)だ。  前回放送が好評を博し、今回、シリーズ2を迎えた。初回の視聴率も高かったようで(平均視聴率:19.6%)、主演の沢村一樹もひと安心というところだろう。放送直前に「不倫密会疑惑」が浮上したのは、ちょっと、いや、かなり胡散臭いなと思いつつ。  でも、このドラマの主役は沢村のようでいて、実は沢村じゃない。昨年、プライベートでいろいろとこじれまくっていた高嶋政伸の、“ほとばしるコント魂”を堪能するドラマである。  物語はよくある「病院改革」モノで、プライドの高い医師たち、プロ意識に欠けるスタッフ、患者不足に経営難・資金難など、問題山積みの堂上総合病院が舞台。沢村が赴任し、裏でいろいろと操りながら、病院内部にメスを入れ、健全な病院へと導く。それが前回のシリーズ1の話だ。今回のシリーズ2では、立て直しに成功したように見えたのだが、再びスタッフの意識が低下していく。その源が、またしても高嶋である。  高嶋はそれなりに腕のいい外科医だが、プライドが高く、患者もスタッフも男も女も見下す性格。ボンボン育ちで我慢や辛抱が足りず、癇癪持ち。叔母で院長でもある野際陽子に泣きついたり、文句をたれたり、ほかの医師たち(高嶋の太鼓持ちの連中)と結束して、沢村をいびったり。好き勝手やり放題の高嶋は完全にコメディであり、コントだ。それがまた過剰で面白い。平成の時代でも、異様に濃くて独特な顔立ちがここまで生かされるドラマがあったとは。  シリーズ1と2の間に、スペシャルドラマも放映されたのだが(6月1日)、そこはまさに高嶋ワールド全開。大学病院の恩師に土下座して謝るというお題に、必死でチャレンジする高嶋。その姿は滑稽極まりなく、憐憫を覚えるほど。このスペシャル版で高嶋のファンがぐっと増えた気がする。もしかしたら、沢村の爽やかな面構えのダークヒーローに期待する人よりも、高嶋の矮小でちんけな傲慢さを観たい人のほうが多いのではないだろうか。  とはいえ、高嶋のコメディ演技だけが浮いている感じはない。ストーリーの伏線となったり、本筋の結末へとうまく絡めてあるので、全体にバランスがいいのだ。初回も病院への巨額融資と高嶋の院長昇格をリンクさせ、「なるほど!」と思わせる結末に導いていた。ベタなお題の割に、脚本にひねりがあって、ちっとも飽きさせない。  シーズン2に期待するのは、沢村のダークサイドのさらなる露出である。もっとアコギなやり口で、腹黒い一面を見せてほしい。爽やかさの裏にある業の深さをちょっとのぞかせてほしい。テレビ朝日にとってヒット作『相棒』に続くドル箱ドラマになるかどうかは、沢村の描き方にかかっていると思う。不倫疑惑をかますぐらい大物になったのだから、何をやらせても大丈夫。  今期のドラマは続編モノが多いが、キャストを替えず、前回とほぼ同じ顔ぶれにしているのはココだけ。役者陣に安定感もあるし、同じキャストだからこそ中身とストーリー展開に自信があるともいえる。他局の続編モノはキャスト総取っ替えで、とっちらかっちゃった失敗作がほとんどだからな。番組名は言わないが。 (文=吉田潮/ライター・イラストレーター) ■おすすめ記事 中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「欲しいなら礼金払え」 高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情 イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ ユニクロ、過去最高益でも憂鬱のワケ…採算悪化続く国内事業と、値下げ販売のジレンマ スタバ、急成長に曲がり角か…外食、コンビニ、コメダら競合台頭で過熱する喫茶市場

スタバ、急成長に曲がり角か…外食、コンビニ、コメダら競合台頭で過熱する喫茶市場

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ドラマ『DOCTORS 2』はコメディ?見所は高嶋政伸の“ほとばしるコント魂” 中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「欲しいなら礼金払え」 高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情 ■特にオススメ記事はこちら! スタバ、急成長に曲がり角か…外食、コンビニ、コメダら競合台頭で過熱する喫茶市場 - Business Journal(7月15日)
スタバのロゴ
 今年3月下旬、島根県松江市に新規出店したスターバックスジャパン(スタバ)の初日売上高が、同社としては過去最高額なり、地元メディアで大きなニュースになった。  今年3月末時点で、スタバのチェーン店数は46都道府県で985店。これでスタバの空白県は鳥取県だけとなった。今年中にチェーン店数が1000店を超え、空白県解消が確実視されている。 ●際立つスタバの躍進  スタバの好業績が続いている。同社の2013年3月期決算は売上高1165億円、営業利益97億円、当期純利益53億円で、いずれも2期連続で過去最高額を記録。14年3月期も過去最高額を更新、営業利益100億円の大台実現を見込んでいる。  好業績の要因は、既存店の売上高増加だ。昨年3月から今年5月まで、14カ月連続で前年同月比を上回っている。  スタバのコーヒーは1杯300円(定番のドリップコーヒー、ショートサイズ)。競合相手であるドトールコーヒーショップ(ドトール)の200円(定番のブレンドコーヒー、Sサイズ)より100円高い。さらに「季節のおすすめ」などの人気メニューとなると500〜600円台で、かなり高額。こちらは喫茶室ルノアールなどフルサービス喫茶の値段に引けを取らない。  それでも人気が高いのは、他のセルフ式コーヒーチェーンにない、おしゃれで居心地の良い雰囲気にあるといわれている。  スタバは米スターバックスのアジア進出第1弾として1996年8月、東京・銀座に1号店・銀座松屋通り店を開店。以降、毎年積極的な出店を続け、今年中に1000店超え(1号店開業から17年目)を狙うところまで急成長。今やセルフ式コーヒーチェーントップのドトールの1102店(13年2月末現在)に、あと一歩まで迫っている。  また、同じシアトル系でスタバから1年遅れで日本に上陸したタリーズが507店、99年1号店出店のサンマルクカフェが320店、一時は「ドトールのライバル」と目されたカフェ・ベローチェ(86年1号店出店)が181店にとどまっているのと比べても、その躍進ぶりは際立っている。  こうしたスタバの成功要因やビジネスモデルの特徴は、解説本が多数出版されているので省略する。  だが今は「スタバの勢いはどこまで続くのか」についての関心が、コーヒーチェーン業界関係者の間で絶えない。  そこで足元のコーヒーチェーン市場では、どんな変化が起きているかが気になるところだ。 ●スタバの成長に忍び寄る影  外食産業総合調査研究センターの推計によると、喫茶店市場は82年の1兆7396億円をピークに減少を続け、12年の市場規模は1兆197億円。ピーク時に比べ、41%も市場が縮小している。  また、総務省統計局の「事業所統計調査報告書」によると、喫茶店数は81年の15万4630店をピークに減り続け、09年の店舗数は7万7036店。こちらもピーク時の半分に減っている。  喫茶店市場縮小の最大要因は「個人経営喫茶店」の衰退といわれている。そのなかで過去20年ほどの間、成長し続けてきたのがセルフ式コーヒーチェーンだった。  このセルフ式コーヒーチェーンは、00年頃を境に「2強その他」の競争構造が明らかになってきた。  2強はドトールとスタバ、その他はタリーズ、サンマルクカフェ、プロント、カフェ・ベローチェなどを指す。売上高で見ると、2強で66%のシェアを占める寡占状態と推定されている。  しかし、スタバが1000店超え目前に、成長の曲がり角に来ている。  同社は集客力のある大都市にドミナント出店し、そこでビジネス層を中心に、多彩なコーヒーメニューと「寛ぎのサードプレイス(自宅、職場に次ぐ第3の居場所)」をコンセプトに強烈なブランドイメージを作り上げ、そのブランド力で成長してきた。今やそのブランド力は抜群。  ところが近年は大都市でのドミナント出店が飽和状態になり、現在はロードサイドのショッピングセンター、高速道路サービスエリアなどへの出店を強めている。これにより、客層がファミリー層にまで拡大した半面、ビジネス層の間でステータス的な存在にさえなっていた「スタバ」のブランドイメージが希薄化し、ブランド力の低下を招いている。  そんなスタバへ昨年頃から襲いかかってきたのが「異業種カフェ」だ。 ●スタバに襲いかかる対抗勢力  ここでいう異業種カフェとは、ハンバーガーチェーン、コンビニ、ファミレスなどが展開する店内カフェのこと。  例えば、マクドナルドは昨年7月、原宿表参道店(東京・渋谷)内に「マックカフェ バイ バリスタ」1号店を併設、今年末までに同カフェ併設店を200店まで拡大、さらに5年後をめどに1000店まで拡大する計画を明らかにしている。  マックが成功すれば、他のハンバーガー大手も一斉に追随するのは必至だ。  コンビニ業界でも、セブン-イレブンが今年1月から順次導入を開始していた淹れ立てコーヒーの「セブンカフェ」導入店を今年8月末までに国内全店(約1万5000店)に導入、同社持ち株会社のセブン&アイもイトーヨーカ堂をはじめ傘下のスーパーへ導入する計画を明らかにしている。  このほか、ローソンは店内カフェを来年2月までに国内全店の半分(約5600店)、ファミリーマートは来秋までに国内全店(約9600店)に導入する計画を打ち出している。  ファミレス大手もコンビニ同様の動きを示している。  加えて、フルサービスの喫茶チェーンも復活の様相を見せている。その代表格が、名古屋から興ったコメダ珈琲店だ。この1~2年、スタバに勝るとも劣るとはいえない伸びを見せている同店は「ストップ・ザ・スタバ」の存在になりつつある。68年に個人経営のフルサービス喫茶として開店した同店は、93年に株式会社コメダを設立して全国チェーン展開を開始。13年5月末現在、25都道府県に497店を展開、コーヒーチェーンとしてはタリーズに次ぐ4位に成長している。  同社の成長要因は、セルフ式コーヒーチェーンにない「居心地の良さ」と充実した軽食メニューといわれる。  客層もセルフ式コーヒーチェーンとは相当異なっている。客の大半が人口層の厚い団塊の世代以上。大半が現役を引退して悠々自適の生活を楽しんでいる世代だ。  彼らはかつての「純喫茶世代」でもある。セルフ式コーヒーチェーンに追われて廃れた純喫茶が郊外の自宅近くに「フルサービス喫茶」の装いで復活、この世代の郷愁を誘っている側面もあるようだ。  これまではセルフ式かフルサービスかの単純な2項対立的な構造だったコーヒーチェーンの競争環境が、昨年あたりから異業種カフェの台頭やフルサービス喫茶の復活により複雑な構造に一変。セルフ式コーヒーチェーンの魅力が大きく低下している。  つまり、消費者の最寄り性では、セルフ式コーヒーチェーンはハンバーガーチェーンやコンビニチェーンの数の足元にも及ばない。メニューの豊富さでは、セルフ式コーヒーチェーンのサイドメニュー(軽食)ではファミレスに敵わない。居心地の良さや快適さでは、フルサービス喫茶チェーンに負けてしまう。  それでもスタバに成長の伸び代があるのだろうか? ●試される本当の成長力  スタバの関根純CEO(最高経営責任者)は13年6月2日付日本経済新聞朝刊の取材に対して、コンビニ大手の店内カフェは「脅威に感じていない。1兆円規模のカフェ市場に比べコンビニの販売額は小さい」と余裕を示し、異業種カフェやフルサービス喫茶との差別化についても「これからは軽食にも注力する。特にデザートはコンビニに負けない品揃えで女性客を呼び込む」と自信たっぷり。あまり危機感は抱いていない様子だ。  これに対して業界関係者は「これまでの成功体験に安住した楽観論に思える」と言い、スタバの危うさを次のように指摘している。  スタバは「大都市のビジネス層」という畑で育ったブランド。この畑が飽和状態になっているのは客観的な事実。ならば、この畑で育ったブランドをファミリー層、郊外などの新しい畑に、いかにして移植するかが課題。「移植に失敗すればブランド崩壊の恐れもある。関根CEOには、その危機感が欠けている」と心配している。  これから同社の本当の成長力が試されそうだ。 (文=福井 晋/フリーライター) ■おすすめ記事 ドラマ『DOCTORS 2』はコメディ?見所は高嶋政伸の“ほとばしるコント魂” 中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「欲しいなら礼金払え」 高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情 イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ ユニクロ、過去最高益でも憂鬱のワケ…採算悪化続く国内事業と、値下げ販売のジレンマ

イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 阪神・和田監督、不倫暴露報道の裏に、“物言う”親会社の圧力と寂しい懐事情 Twitterは何を仕掛けようとしているのか?マーケ、テレビ、政治…日本法人に聞く 分譲マンションの居住者は毎月“無駄なお金”を払っている? ■特にオススメ記事はこちら! イオン家電、保湿効果やうるおいは無関係?度重なる改善命令でも誇大広告消えないワケ - Business Journal(7月14日)
「Thinkstock」より
●払拭されていないマイナスイオンのブランドイメージ  2013年6月、テレビショッピング番組で紹介された漬け物容器に関して、消費者庁は販売会社に対し、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)に基づく措置命令を出した。(http://www.caa.go.jp/representation/pdf/130627premiums.pdf)  「電気石タウマリン」を含んだ陶器から出る遠赤外線と「マイナス電子」が、容器内の乳酸菌の増殖を早め、通常のホーロー容器に比べて、短時間でおいしい漬け物ができるという触れ込みだった。  もちろん、そんな説明に科学的な根拠はない。遠赤外線が菌の増殖を促進するというのも怪しいが、「電気石タウマリン」や「マイナス電子」に至っては、他でほとんど聞かない名前の物質だ。恐らく「トルマリン」と「マイナスイオン」に独自の名称を付けたのだろう。  そもそも「マイナスイオン」も以前から「ニセ科学」の代表的な存在とされてきた。とはいっても、今でも「健康にいい」ものと思っている人がかなりいるのも事実。「ニセ科学批判」の情報が届いていない層は、まだまだ多いのが現状だ。  1990年代末から2000年代前半にかけて、「空気のビタミン」などと呼ばれたこともある「マイナスイオン」は、「健康にいい」とか、「癒し効果がある」などとテレビや雑誌でもてはやされた。だが、人によってその定義すら異なるなど、多くの疑問が呈されていたものだ。発生源も滝や森林、トルマリンから、プラズマ放電・コロナ放電に至るまで多岐にわたっており、結局のところ、喧伝されたような「健康効果」は確認されなかった。  さらに、マイナスイオンの効果を謳って販売された製品には、たびたび行政からチェックが入ってもいる。03年には健康器具が薬事法違反に問われ、06年には複数の会社が景品表示法に基づく指導を受けた。  だが、マイナスイオンは家電製品の機能として生き残った。当初はオールマイティな「健康効果」を宣伝していたメーカーも、次第に放電による「消臭」や「除菌」といった効果に絞っていったのだ。だが、それで十分だった。一時のブームが去ったとはいえ、「マイナスイオンは健康にいい」というイメージは広く消費者に定着していたからだ。  結局、「マイナスイオンとはなんだったのか?」という問題を棚上げにして、昔のイメージのまま定着してしまったというのが実態だ。しかも、日本を代表する大手家電メーカーが堂々と発売しているのだから、まさか「科学的な根拠がない」とは思いもよらない。 ●多様化するイオン式ヘアドライヤー  イオン発生機能を搭載した家電といえば、空気清浄機やエアコンなどの空調機器のイメージも強いが、普及度という点から見るとヘアドライヤーのほうが上だろう。11年度の国内販売台数約580万台のうち、7割以上がイオン機能付きの機種だといわれている。普段、気にせずに使っている機種も、よく見るとイオン機能付きかもしれない。  かつてはトルマリン粉末を混ぜただけのものもあったが、最近のイオン発生機は、プラズマ放電や静電霧化といった技術で空気中の水分子を帯電させるなどの改良が加えられている。さらに、メーカーが開発した発生方式を備えた製品に、「ナノイー」(パナソニック)、「プラズマクラスターイオン」(シャープ)、「ピコイオン」(東芝ホームアプライアンス)、「ナノイオン」(日立リビングサプライ)など、独自の名称をつけているところも多い。これらはイオンの名称ではないし、基本的なメカニズムは、マイナスイオンとさほど変わらない。  それでは、ヘアドライヤーに搭載された「イオン機能」にはどのような効果があるのか? よくいわれているのが「保湿効果と静電気防止効果」だ。さらに、各メーカーのカタログやホームページを見ると、「髪の水分バランスを整える」「キューティクルを引き締め」「艶のある髪に」といった表現が多用されているし、「皮脂をケア」して「地肌にうるおい」を与えるなどとも書かれている。  最近の機種の説明を読むと、放出されたイオンと結合した空気中の水分子が、髪の毛としっかり結びつくのだとか。メーカーによる実証検査のデータも公表されているので、効果は確かにあるようにも見える。だが、そうした「保湿効果」や「うるおい」がイオンによるものかどうか、判然としない面もある。イオンとは関係なく、風量や温度調整などの機能によるものではないかという意見もある。ちなみに、もう一つの「静電気防止効果」については、特に問題視されてはいないようだ。 ●性能表示に東京都が改善要請  結果が出たのは12年7月だった。東京都生活文化局が、国内の大手家電メーカーが製造する複数のイオン機能付きヘアドライヤーに関して、景品表示法に基づいて改善を要請した。対象となったのはパナソニック、シャープ、日立リビングサプライ、東芝ホームアプライアンスの4社。カタログなどに掲載されたデータも、「消費者の一般的な使用方法とは乖離した試験条件等による実証試験に基づいて効能効果を表示していたことが判明したため(中略)より適切な実証試験を行うよう改善を要請」したという。さらに業界関連団体である全国家庭電気製品公正取引協議会に対しても、性能や効能効果について、「消費者の一般的な使用方法に即した試験を行うこと」も要望している。(http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/07/20m7b300.htm)  東京都の示した改善点を要約すると、以下のようになる。 (1)「冷風モードで20~30分使用」など、一般的な消費者の使用実態とかい離した設定の実証試験を行って、効果があったと謳っている。(4社中3社) (2)実証試験の被験者が1人だけだったというケースもあり、誰が使用しても同一の効果があるとは言い難い。(4社中3社) (3)使用後に頭皮の皮脂が減少したとしているが、それがイオンによる効果であるかは実証されていない。(4社中2社)  つまり、通常の使用環境で使っても、カタログに表示された性能は発揮されないケースがあるということだ。これまではこうした「イオンの効能効果」を実証するための試験は、JISなどの公的基準も定められていない。各社の判断で独自に検証しているのが実態だった。 ●効果がないことを取り上げないメディア  ただし、こうした措置が取られても、製品そのものが発売中止されるわけではない。景品表示法は広告などの不当表示を防ぐための法律だ。基本的に、担当部局の指示に従って表現を修正すれば問題はない。  とはいえ、問題はこうした情報が一般消費者に承知してもらえるかどうかだ。昨今のツイッターやSNSを見ればわかるように、一度拡散したものは、後で取り消そうとしても手遅れのことが多い。元の投稿を削除・訂正しても、リツイート(RT)されてしまえば、投稿者の手を離れてどんどんと広まってしまうのだ。  メーカーとしてみれば、「こんな効果がある!」ということはどんどん宣伝したいが、「実は効果がなかった」となると積極的になることはない。メディアが独自に報道しなければ正しい情報は伝わらないのだが、それが難しい。  新聞には訂正記事が掲載されるが、ごく小さな扱いだ。テレビでは短いニュースくらいはあるものの、情報番組には登場しそうにない。雑誌も同様だ。健康・美容情報を扱うある雑誌の編集者に、こう聞かされたことがある。 「イオンは効かないだろうなと、個人的には思っていましたが、健康雑誌のテーマとして『効くか効かないか』は取り上げづらいのが実情です。『こんなに効く!』という情報なら取り上げますが、『いかに効かないか』は雑誌としても扱いにくい。人体に悪影響があるということが実証されれば、報道する必然性はありますが……」  このコメントに、「ニセ科学報道」の在り様は要約されている。「こんなに効く!」としてさんざんメディアで紹介された後に「効果はなかった」とわかっても、インパクトがないのだ。結果として消費者の意識には、最初の「こんなに効く!」という情報だけが残ってしまう。  この改善要請を受けた各社は、すぐにカタログやホームページの表示を訂正した。問題の箇所はすでに削除されるか修正されており、今ではどの部分が景品表示法に違反していたのかわからない。問題視される前に宣伝していたままのイメージを保って、同じ製品が売り続けられることになるのだ。  ちなみに、改善要請を受けた4社のうちの某社は、それから4カ月後、同じイオン発生器を搭載した掃除機で、景品表示法に基づく措置命令を消費者庁から受けることになる。 (文=六本木博之/フリーライター) ■おすすめ記事 阪神・和田監督、不倫暴露報道の裏に、“物言う”親会社の圧力と寂しい懐事情 Twitterは何を仕掛けようとしているのか?マーケ、テレビ、政治…日本法人に聞く 分譲マンションの居住者は毎月“無駄なお金”を払っている? 参院選の目玉・ブラック企業政策、各党の政策を検証~企業名公表、取り締まり強化… 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」

カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 セブン、独り勝ちのカラクリ 加速する強気出店とPB拡大…飽和説覆すコンビニ3強 参院選の目玉・ブラック企業政策、各党の政策を検証~企業名公表、取り締まり強化… ■特にオススメ記事はこちら! カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる - Business Journal(7月12日) post_2491.jpg
カジノ候補地のひとつである東京・お台場
(「Wikipedia」より/Sasanoha)
 IR(Integrated Resort=統合リゾート)推進法案(略称:IR法案、通称:カジノ法案)が秋にも国会に提出される公算が高まっている。カジノ法案はこれまで何度も経済活性化案として浮上してきたが、その都度、反対の声などが上がり立ち消えになってきた経緯がある。しかし、今夏~秋には大きく進展する可能性がある。  スケジュール的にはまず、7月21日投開票の参議院議員選挙の後だ。事前の予想通り安倍晋三内閣が率いる自公連立与党が勝利すれば、その後に成長戦略が打ち出されることになる。カジノの経済インパクトは極めて大きいと見られる。カジノは単独施設ではなく、大規模商業施設、レジャー施設、国際会議場などからなる統合リゾート(IR)として建設される。  観光客増のほか、雇用を生み、税収も増加させる効果が期待できるなど経済波及効果が大きい。世界190カ国のうち、カジノが合法化されているのは120カ国以上に達している。アジアではマカオやシンガポールが成功を収めている。また、安倍内閣では8月にも「戦略特区構想」をまとめる見通し。東京や大阪がカジノ特区的な内容をまとめていると見られる。  東京はお台場のほか数カ所が候補とされ、大阪や沖縄、宮城なども建設候補に挙がっている模様だ。参院選前に具体化しなかったのは、ギャンブルのイメージが先行するカジノを、参院選の争点にしたくないとの思惑が働いたものと見られる。 ●法案成立の公算も高い  カジノ合法化を進める議員の動きは2001年の「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」(通称・カジノ議連)にさかのぼる。当初は自民党の有志による議連だったが、09年に超党派の議連が設立された経緯がある。一時は民主党が主導したものの、今年4月に安倍政権発足後初のカジノ議連の総会が開催された。最高顧問には安倍首相、麻生太郎財務相が名を連ねており、実現への本気度がうかがわれる人事となっている。カジノ議連の会員数は140名で、うち85名を自民党が占めている。参院選での勝利となれば、法案提出に動くきっかけになるだろう。  また、自民党以外も、民主党、日本維新の会、公明党、みんなの党など超党派の布陣となっており、IR推進法案が国会に提出されれば成立する公算が大きい。カジノで得られた収益で、賭博依存症対策や周辺地域の安全確保対策を行えば、反対論者に理解を得やすいと見られる。収益金の一部を東北復興に充当するなどの案も検討課題となりそうだ。 ●外国人観光客増加にも追い風  政府は、将来的な訪日観光客を年間3000万人にまで増やすことを掲げた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を推進している。04年のスタート時の訪日数は同500万人程度だったが、まず16年に1800万人を目指している。カジノ構想は訪日観光客の増加にも直結するだけに、これも追い風になる。  外資系証券のアナリストは、順調に進めば参院選後の臨時国会での法案提出、年内にIR推進法の施行後、18年にもカジノの開設が実現する可能性もあると指摘している。場所はカジノ議連で10カ所程度を選定し、当面は首都圏3カ所程度に絞られるよう。  具体的な関連企業には、IR施設運営では例えば、セガサミーホールディングスがある。遊技機器大手のサミーとアミューズメント関連大手のセガが、04 年に統合して発足した持ち株会社。パチンコやパチスロ機器の展開と、ゲームセンター運営で培ったノウハウを有しているだけに、カジノ運営にも意欲的と見られている。ユニバーサルエンターテインメントは現在係争中ではあるものの、現地企業とカジノホテルの経営実績があるのは有利か。マシンや周辺機器では硬貨や紙幣処理機のグローリー工業、米国でカジノ向け紙幣識別機に実績がある日本金銭機械などにビジネスチャンスが生まれる可能性がある。建設では鹿島などのゼネコンや、三井不動産などの大手不動産企業にもビジネスチャンスになりそうだ。お台場(東京都・江東区)など都心にカジノができれば、JRをはじめとした電鉄や宿泊施設にもメリットになる。椿山荘運営の藤田観光、高級ホテル予約の一休などが挙げられよう。 (文=和島英樹/ラジオNIKKEI 記者) ■おすすめ記事 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 セブン、独り勝ちのカラクリ 加速する強気出店とPB拡大…飽和説覆すコンビニ3強 参院選の目玉・ブラック企業政策、各党の政策を検証~企業名公表、取り締まり強化… 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 スマホの動画SNS、新サービス続出で広がりの予感…TwitterやFBに投稿も

ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる ■特にオススメ記事はこちら! ワタミ“ブラック”批判を洞察する…「社会貢献もどき」に走る人たちが学ぶべきこと - Business Journal(7月12日)
DVD『社長 渡邉美樹』(ポニーキャニオン)
 今回は「ブラック・ユーモア」を一つ。  「ソーシャル・ビジネス」の拡充を提唱する渡邉美樹氏が創業したワタミのグループ企業であるワタミフードサービスが、去る6月27日、「第2回ブラック企業大賞2013」で1位を受賞した。選ばれた理由は次のサイトに記載の通り。  http://blackcorpaward.blogspot.jp/  それにしても、渡邉氏が参議院選挙立候補を前にワタミの経営から一切手を引いたのは意味深である。 ●ソーシャル・ビジネスに自己実現を夢見る若者たち  まさに、この笑えぬ笑い話は、現代の世相を反映している。  社会貢献を最大目的とする「ソーシャル・ビジネス」は、近年、若者たちに大変注目されている。資質があるかないかは別として、若者たちは「社会貢献」という言葉や概念が非常に好きである。「経済成長」を実感したことがない彼らは、「人生の最大目的は金儲けではなく社会に貢献することだ」「社会に良いことをしている人として認めてもらいたい」という思いが強い。前者が社会心理学者のアブラハム・マズローがいう自己実現欲求であり、後者が承認欲求に当たる。  そもそも、会社をつくるだけでなく、着実に成長させた、起業家ならぬ「企業家」と呼ばれる人たちは、事業を成功させることで自己実現したのだが、「ソーシャル・ビジネス」という言葉が好きな人は、社会に貢献するという行動自体で自己実現を感じているようだ。  このようなニーズをとらえてか、東京には社会起業大学なるものまでが存在する。「理事長」「学長」を名乗る人が表立って活動し、ホームページなどでは「社会起業家を育成するビジネススクール」を標榜している。  大学関係者だけでなく、社会人対象の大学院に少しでも関心のある人であれば、「ビジネススクール」と聞けば、「経営(学)大学院」を運営している「大学院大学」だと思うだろう。近年、大学院設立の規制が緩和され、株式会社型の大学院も誕生した。社会起業大学は、文部科学省が認可した大学や専門学校でないどころか、株式会社大学院でもない。実質的には、人材紹介ベンチャーのリソウル株式会社が運営しているセミナー事業である。  したがって、社会起業大学では「大学卒」や「大学院卒」の学位は取得できない。それにも関わらず、入学金や授業料は私立大学並みである。「大学」という名前がついているので、勘違いして入学してしまった人がいるのではないかと心配になるが、中を覗いてみると、本当に社会に役立ちたいという純粋な心を持つ若者たちがまじめに勉強している。  同大学は、2010年から「ソーシャルビジネスグランプリ」なる大々的なビジネスプラン発表イベントを東京都内の会場で年2回実施。今夏も「ソーシャルビジネスグランプリ2013夏」が8月4日に開催される。創業3年以上、同3年未満、社内起業などを対象に3部門の賞を決定し、審査員と一般観覧者が各部門の大賞を決定するイベントである。エン・ジャパン株式会社が特別協賛しており、最大1000万円の出資交渉権を提供している。  アカデミズムの世界では、「大学を名乗りソーシャル・ビジネス・ブームに便乗し、著名人を担ぎ出して、知名度を高めようとしている胡散臭い存在」と見ている向きも少なくない。「文部科学省も気にしている」といった声も聞く。筆者は同大学の学長に、このような見方があると指摘したことがあったが、まったく気にしていないようであり、「大学」という名称を使い続ける考えだ。  ただ、「著名人を担ぎ出している」と思われる時、気をつけなくてはならないのは、その著名人がどのようなブランドかという点である。  なんと、同大学は渡邉氏を招き「これからのソーシャル・ビジネスを語ろう!渡邉美樹 夢寺子屋 in社会起業大学」なる講演を依頼した。それだけではなく、ビジネスプランを提示した起業家の卵へのアドバイス役も頼んでいる。その様子が、夜の報道番組『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)で放送された。渡邉氏の指導を受けていた受講生は、教祖様の声をいただいたかの如く真剣そのものであった。渡邉氏の隣には社会起業大学の学長が座っていた。  この番組が放送された頃は、渡邉氏がテレビにもよく顔を出し「ベンチャーの旗手」「一代で外食チェーンを築き上げたやり手」というイメージが持続していた頃である。同大学もメディアでよく取り上げられる渡邉氏の、このイメージを活用しようとしていたのではないだろうか。  しかし、「事業を通して社会に貢献しよう」と訴えていた教祖様が、今や「ブラック企業」の権化として吊るし上げられているのだから皮肉な話だ。 ●素顔の渡邉氏は  筆者は渡邉氏にインタビューしたことがある。渡邉氏をモデルにした小説『青年社長』(角川文庫)を書いた作家・高杉良氏からも長時間、渡邉氏について話を聞いた。実は、この小説を書くに当たり、高杉氏は渡邉氏から日記を入手した。それだけに、渡邊氏の心の奥深くまで入り込めたのだろう。高杉氏の話を聞いた後に渡邉氏に会った。インタビューといっても、渡邉氏はほぼ一方的に話していた。その姿に触れ、「並外れた頑張り屋」であり、企業家に必須とされる「アニマル・スピリット」が溢れる人物であると痛感したものだ。  「外食チェーンステーキハンバーグ&サラダバー けん」などを運営するエムグラントフードサービス社長、井戸実氏 がツイッターで、ワタミへの“ブラック批判”に怒りをぶちまけ、話題になっている。 アニマル・スピリットを体現した人ゆえのアニマル・スピリット応援歌を送ったのだろう。同じ外食チェーンの大先輩であるだけに、筆が走ったのかもしれない。  筆者は、これまで対話してきた多くの著名な創業者から、同じような「溢れんばかりの情熱」を感じた。そのような情熱は「自分の理解」と「他者(従業員など)の理解」が一致したとき良い効果を発揮する。しかし、「私がやってこられたから、君にもできるはずだ」と考えたとき、実力、価値観の違う人は拒絶反応を起こす。本当の名経営者は、この点をよく理解し、行動していた。  筆者も、大学生を教えていると「この国はどうなっていくのだろうか」と心配になることが少なくない。今こそ、日本人は金太郎さんではないが「優しくて力持ち」にならなくてはならない。優しくはなってきているが、力に欠けているような気がしてならない。現在の渡邉氏には数々の問題点はあるが、氏の強調している「必死に働け論」が理解できないわけではない。そう言うと、ブラック企業を擁護しているように聞こえるかもしれないが、決してそうではない。より深く考えたい人、時間のある人には、以下の論を読んでもらいたい。 ●これからの日本に求められる人材と教育  2010年、日本はGDP(国内総生産)で中国に抜かれ世界3位になったが、いよいよ「本当に幸せな国」を目指す時代を迎えたのではないだろうか。それを実現できる企業こそ、真に価値ある組織といえよう。  「武士は食わねど高楊枝」の精神だけでは、日本、いや、世界を動かすような「愛ある経営」の実践は不可能だ。愛の実践には、しっかりとした志、計画性、そして行動力が求められる。その意味で、「社会貢献」という偽善とも思える甘い囁きで、若者を空虚な夢物語に巻き込もうとする現代的風潮は、罪深い行為といえよう。  ホスピタリティ教育の観点からも、大学(中学校・高校)では、社会貢献は絵空事ではないことを学生たちに知らしめるべきである。自らの食いぶちを見つけることもせず、「ボランティアもどき」に走る人間を大量生産する「夢物語教育」よりも、現実の厳しさを教える実学教育こそ、ホスピタリティ実践の基礎を築くのではないだろうか。これこそ「愛の鞭」と呼べよう。  「愛」という言葉からは、静的なニュアンスを感じるかもしれないが、前述の事例からも明らかなように、愛をベースにしたホスピタリティの実践には動的な「アニマル・スピリット」が必須である。だからこそ、今の日本人には「アベノミクスなどに頼らない」というほどの心意気が求められる。  戦後、焦土と化した日本から、ソニーや本田技研工業(ホンダ)といった「焼け跡派ベンチャー」が急成長しグローバル企業になった現実は、アメリカの経営学者の目には「経営史の奇跡」と映った。それがきっかけとなり、「日本的経営」の研究が始まる。米経営学者ジェイムズ・アベグレンはその成果をまとめ『日本の経営』(日本経済新聞社)として上梓した。  東日本大震災で見せた日本人の「絆」は外国の人びとに感動を与えた。それは、日本人として嬉しいことだが、お褒めの言葉に甘んじていていいのだろうか。「第二の敗戦」と言われた東日本大震災。「これで日本人も変わる」と期待した識者も少なくなかった。確かに、エネルギー問題を深刻に再考するなど、変わった部分もあるが、「創造」の意識が高まり、行動に移したとはいえない。相変わらず、諸先輩がつくった遺産にぶら下がり食っていこうとする意識に、大きな変化は見られない。そのシステムが錆びつき、「食いぶち」が少なくなってきているという厳しい現実を前にしても、誰かがなんとかしてくれると思っている節がある。今こそ、「焼け跡派ベンチャー」だけでなく、戦前に丁稚奉公から身を起こした大企業の創業者に学ぶべきではないか。  「草食系」という言葉がすっかり定着してしまったが、現在、求められているのは、決して「言われたことだけを的確にこなせるだけの人」ではない。新事業を創造できる「創職系」である。それは単に「起業家」だけを意味しているのではない。サラリーマンであっても社内に新事業を起こせる「社内企業家」、それをきっかけにグループ企業の社長に転じる人、小商いからスタートする「商売人」、さらには、就職活動に取り組もうとしている(取り組んでいる)大学生でも、「入社したら、私はこんな事業を始めたい」と自ら編み出した斬新なビジネスプランを、面接時に堂々とプレゼンできる人などを指している。  「草食系」をもじった「創職系」は駄洒落のようだが、是非とも、この言葉と概念を世の中に定着させたいものだ。筆者が考案したこの言葉が定着したときこそ、「日本人は変わった」と外国から再び注目されるようになるのではないか。ただし、利潤・時価総額の最大化のみを狙った人員削減、過度(無駄)な労働強化、部下を教育する余裕すら失う成果主義、低賃金雇用を狙った植民地型グローバル経営などに走ってはならない。一人ひとりの価値観、信念、自我を尊重しない環境では、創造性、相互信頼、共愛の関係は生まれない。「愛」を忘れた「創職系」が台頭すれば、再び「エコノミック・アニマル」の再来と揶揄されることだろう。日本企業が新事業を創造し「愛」を最大目的とする経営を展開すれば、「新日本的経営」として、外国から再び注目されるだけでなく、既存の「日本的経営」とは違った視点から尊敬の眼差しで見られるようになるだろう。  かつての大阪商人を表す言葉として「浪速のど根性」が使われた。非常に古典的な概念だが、今の日本人には何よりも「根性」が必要だ。実は「根性」にも愛が求められる。大学生と接している私は、頼りない若者を見ていると渡邉氏の言わんとするところが分からないわけではない。だが、単純な「根性論」が通じないという世論・現実も計算に入れ、発言・行動しないと、バッシングの嵐が吹き荒れる。  「ソーシャル・ビジネス」と「ブラック企業」という相反する概念が、同時に流行する今の世の中で、より深く考えれば「ベストな解」が求められそうだ。私は現在、それを研究しているところだ。 (文=長田貴仁/経営学者・ジャーナリスト) ■おすすめ記事 森下悠里整形告白に、岡村隆史「顔見た時から怖いと思ってた。注射でもあかんと思う」 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 カジノ合法化、参院選後に加速の観測強まる…幅広い業態で経済波及効果の期待高まる スマホの動画SNS、新サービス続出で広がりの予感…TwitterやFBに投稿も 広がる便利なスマホのワイヤレス充電、先行ドコモに強敵出現?早くも競争激化の予感

島田紳助氏「復帰まだキツイ…」引退突きつけた吉本社長が語る、吉本の裏歴史と真実

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 “ジャニーズの肉食系”NEWS手越、未成年SKE鬼頭と泥酔キス?…週刊文春報じる 中国、バブル崩壊阻止のため、シャドーバンキング潰しという“劇薬”…進む海外企業の撤退 ■特にオススメ記事はこちら! 島田紳助氏「復帰まだキツイ…」引退突きつけた吉本社長が語る、吉本の裏歴史と真実 - Business Journal(7月11日)
「『笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語』(幻冬舎/常松裕明)より
 現在、芸能関係者の間で一冊の新刊本が話題となっている。吉本興業・大崎洋社長の『笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語』(幻冬舎/常松裕明)だ。  大崎社長は関西大学社会学部卒業後、吉本興業に入社。1980年に上司であった“ミスター吉本”木村政雄氏と共に東京支社に異動。80年代の漫才ブームを支え、その後、ダウンタウンと出会い一時代をつくる。新人タレント養成所である吉本総合芸能学院(NSC)、心斎橋筋2丁目劇場、吉本新喜劇再生プロジェクトなど数々のプロジェクトを手がけてきたが、社内では傍流で左遷と出世を行ったり来たり。役員就任後も、世間を騒がせた創業者一族vs.現経営陣の吉本興業お家騒動の登場人物の一人でもある。 ●吉本興業の社長が語る数々の事件の裏側  本書には大崎社長が吉本で経験したさまざまなエピソードが満載で、あの『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)打ち切り事件の裏側についても書かれている。プロ野球中継のために、『ごっつええ感じ』の放映を延期されたダウンタウンが激怒し、番組打ち切りとなったこの一件。当時は、「天狗」になったダウンタウンの横暴のように報道されたが、実際には、「この枠では俺らの笑いは成立せえへん」と言い続けていたダウンタウンの笑いに対するこだわりと、フジテレビ側の間に募っていた、お互いの不信感が遠因だったという。  また、島田紳助氏の芸能界引退をめぐる舞台裏も明かされている。反社会的勢力との交流という事実に「アウト」を突きつけたのも大崎社長だ。芸能界引退後の紳助氏とメールや電話で連絡を取り合っていたという大崎社長とのやり取りからは、現在の紳助氏の複雑な心境を垣間見ることもできる。紳助氏は「一時は自殺しかねないほど落ち込んでいた」そうで、昨年8月に大崎社長が直接会って、復帰の意思があるかどうかを聞いた際には、「正直、まだキツいんや」「5年後か10年後、CSの番組かなんかでトークとかをできればええかな」と、独特の言い回しで答えたという。  ほかに、フジテレビ退社後に吉本興業の常務・東京本社代表に就任していた横澤彪氏の意外な素顔も興味深い。横澤氏といえば、『森田一義アワー 笑っていいとも!』『オレたちひょうきん族』を生み出したフジテレビの名物プロデューサーで、テレビでは温厚で好々爺のイメージだったが、実はキレやすい人物だったという。大崎社長に関する怪文書が飛び交っていた時期には、「テレビ局の誰々と組んで悪さをして金儲けをしているっていうじゃないか。怪文書も出回っているようだし、こんなことじゃ困るんだよ!」と激しく感情を爆発させ、大崎社長が取締役に選任される株主総会の前日にも「てめえなんかダメだ!俺は絶対許さねえ!」と激しく罵倒したという。  ところが翌日の株主総会では、「いや~、大崎ちゃん、おめでとう」と手のひらを返すような笑顔で、これには大崎社長も戸惑うばかりだったという。  横澤氏はどの会社にもいる裏表の激しい人物だったようだが、いずれにせよ、個性豊かな人間に囲まれた、「まるで吉本新喜劇のようなドタバタの35年間」はまさに波瀾万丈だ。  もうひとつこの本で気になるのは、自叙伝の体裁をとりながら、著者名が「常松裕明」と別名であることだ。実は常松氏は、元は泣く子も黙るスキャンダル月刊誌「噂の眞相」の芸能担当記者。いったいなぜ、この本を執筆することになったのか。常松氏に聞いた。  「もともと吉本興業は『噂の眞相』時代からの取材対象で、木村政雄さんが吉本を辞めた時にも直撃取材をしていますし、大崎社長にも当時から何度も話を聞きにいっていたんです。確か、最初はダウンタウンの降板騒動で、そのときは3時間も取材しておきながら、記事に書いたのは『大崎氏は疑惑のすべてを否定した』という1行のみだった(苦笑)。本にも出てきますが、まさに『大崎バッシング』をしていた記者の一人だったんです。  その後、『噂の眞相』が休刊してからも取材は続けていましたが、たまたま『日刊ゲンダイ』の依頼で『吉本の笑いと人々』という大崎氏のインタビュー連載をやることになり、これが本書のベースになっています。書籍化に当たっては、追加取材を重ねた上で自伝形式に書き直すことにしたんですが、その間にも紳助の事件が起きるなどいろいろあって、結局、形になるまで3年もかかってしまいました。  そういう経緯だったので、当初は名前を出さないゴースト執筆の予定でしたが、大崎社長から『せっかく書いたんだから、自分の名前で出しなよ』という申し出があって今回の体裁になりました」  本書は、あの“怪芸人”中田カウスも登場するお家騒動など、吉本のダークな側面にも迫っている。ただし、沖縄国際映画祭など社長就任後の仕事については、簡単に触れているだけで、「噂の眞相」に迫り切れていないようにも思えるが。  「今回の本は大崎氏が社長に就任するまでの物語ということで、それ以降の話は詳しく書いていません。沖縄に移住した岡留安則・噂の眞相元編集長には『ツッコミが甘い』と言われるかもしれませんけど(苦笑)、これはこれで岡留さんがよく言っていた『ヒューマン・インタレスト』のひとつ。いずれ機会があれば、別の形で書いてみたいですね」 (文=松井克明/CFP) ■おすすめ記事 特定大学へ1000億ばらまきに異論噴出…大学迷走の背景に潜む、旧態依然な経営の実態 “ジャニーズの肉食系”NEWS手越、未成年SKE鬼頭と泥酔キス?…週刊文春報じる 中国、バブル崩壊阻止のため、シャドーバンキング潰しという“劇薬”…進む海外企業の撤退 渡邉元ワタミ会長、参院選公示前に会社経費で選挙活動まがいの疑い 山岸舞彩が語る、NHKミニスカ姿誕生秘話と、『ZERO』で封印のワケ…クレームも