スカートが修正された「駅乃みちか」は、性的なのか? 今一度問われる“萌えキャラ”の是非

1610_michika_01.jpg
修正済の駅乃みちか(「鉄道むすめ」公式サイトより)。
 企業や地方自治体などにおける“萌えキャラ”の是非が今一度問われている。  今回、その発端となったのは、萌えキャラ化した東京メトロのキャラクター「駅乃みちか」。タカラトミーの子会社・トミーテックが展開する鉄道キャラクターコンテンツ「鉄道むすめ」とのコラボで、萌えキャラ化した駅乃みちかだったが、そのキャラクターデザインに「性的すぎる」「いやらしい」といった非難の声が上がったのだ。 「性的」だと言われてしまっている駅乃みちかのイラストを見てみると、足をくねらせ、頬を赤らめ、恍惚とした表情を浮かべている。膝上丈のスカートは、太ももにぺったりと吸い付いており、足のラインが強調されている。見る人によっては、性的なイラストに見えるのかもしれない。実際、股間部分の影の描き込みを見て、「スカートが透けて見える」という声も見受けられる。  ただ、スカート部分の描き込みはさておき、オリジナル版も「困ったような八の字眉」で「頬をピンクに染め」、笑顔を浮かべているので、キャラクターそのものの要素は変わっていないようにも思えるが……。
1610_michika_02.jpg
オリジナル版の駅乃みちか(公式Facebookより)。
 ついには、「女性蔑視だ」という意見まで上がった萌えキャラ版・駅乃みちかのイラストだが、このような意見を受けてか、現在はスカート部分のみ修正が入っている。スカート部分の影の描き込みはほとんど消され、のっぺりとしたデザインに変更されている。  それでも今もなお、萌えキャラ版のイラストは不快だと物申す声や、これが性的だと批判する人はおかしいと意見する声など、ネット上では議論が繰り広げられている状態だ。  こうした萌えキャラの騒動だが、今回が初めてではなく、過去にもたびたび起きている。2015年には、三重県志摩市が公認していた萌えキャラ「碧志摩メグ」をめぐって、現役の海女を含む市民が市に対して公認撤回を求める署名活動を繰り広げて話題に。碧志摩メグも露出した足や強調された胸のデザインに対し、「性的だ」「セクハラ」「海女を侮辱している」といった非難の声が上がっていた。結局、碧志摩メグ側の申し入れで公認は取り下げとなり、現在は非公認として活動している。  そんな騒動が起きる一方で、萌えキャラそのものは地方の町おこしや企業の宣伝キャラクターなどといった目的で、さまざまな場所で採用されている状態だ。つい先日にも、環境省が温室効果ガスを削減する運動「COOL CHOICE」の認知度を上げるべく、クラウドワークスと共同で萌えキャラのコンセプトやデザインの募集をすると発表したばかりだ。  そもそも萌えキャラは、アニメの聖地巡礼が流行りだした2000年代、“萌え”が経済効果をもたらすとして誕生したもので、アニメ文化の盛り上がりと共に増加してきたもの。しかし、アニメ文化そのものが一部の層から受け入れられないとの同様に、今回のような騒動が起きているのもまた事実。萌えキャラを採用する側は、騒動を避けるためにも、落としどころを探っていかなくてはならないのだろうか――。

スカートが修正された「駅乃みちか」は、性的なのか? 今一度問われる“萌えキャラ”の是非

1610_michika_01.jpg
修正済の駅乃みちか(「鉄道むすめ」公式サイトより)。
 企業や地方自治体などにおける“萌えキャラ”の是非が今一度問われている。  今回、その発端となったのは、萌えキャラ化した東京メトロのキャラクター「駅乃みちか」。タカラトミーの子会社・トミーテックが展開する鉄道キャラクターコンテンツ「鉄道むすめ」とのコラボで、萌えキャラ化した駅乃みちかだったが、そのキャラクターデザインに「性的すぎる」「いやらしい」といった非難の声が上がったのだ。 「性的」だと言われてしまっている駅乃みちかのイラストを見てみると、足をくねらせ、頬を赤らめ、恍惚とした表情を浮かべている。膝上丈のスカートは、太ももにぺったりと吸い付いており、足のラインが強調されている。見る人によっては、性的なイラストに見えるのかもしれない。実際、股間部分の影の描き込みを見て、「スカートが透けて見える」という声も見受けられる。  ただ、スカート部分の描き込みはさておき、オリジナル版も「困ったような八の字眉」で「頬をピンクに染め」、笑顔を浮かべているので、キャラクターそのものの要素は変わっていないようにも思えるが……。
1610_michika_02.jpg
オリジナル版の駅乃みちか(公式Facebookより)。
 ついには、「女性蔑視だ」という意見まで上がった萌えキャラ版・駅乃みちかのイラストだが、このような意見を受けてか、現在はスカート部分のみ修正が入っている。スカート部分の影の描き込みはほとんど消され、のっぺりとしたデザインに変更されている。  それでも今もなお、萌えキャラ版のイラストは不快だと物申す声や、これが性的だと批判する人はおかしいと意見する声など、ネット上では議論が繰り広げられている状態だ。  こうした萌えキャラの騒動だが、今回が初めてではなく、過去にもたびたび起きている。2015年には、三重県志摩市が公認していた萌えキャラ「碧志摩メグ」をめぐって、現役の海女を含む市民が市に対して公認撤回を求める署名活動を繰り広げて話題に。碧志摩メグも露出した足や強調された胸のデザインに対し、「性的だ」「セクハラ」「海女を侮辱している」といった非難の声が上がっていた。結局、碧志摩メグ側の申し入れで公認は取り下げとなり、現在は非公認として活動している。  そんな騒動が起きる一方で、萌えキャラそのものは地方の町おこしや企業の宣伝キャラクターなどといった目的で、さまざまな場所で採用されている状態だ。つい先日にも、環境省が温室効果ガスを削減する運動「COOL CHOICE」の認知度を上げるべく、クラウドワークスと共同で萌えキャラのコンセプトやデザインの募集をすると発表したばかりだ。  そもそも萌えキャラは、アニメの聖地巡礼が流行りだした2000年代、“萌え”が経済効果をもたらすとして誕生したもので、アニメ文化の盛り上がりと共に増加してきたもの。しかし、アニメ文化そのものが一部の層から受け入れられないとの同様に、今回のような騒動が起きているのもまた事実。萌えキャラを採用する側は、騒動を避けるためにも、落としどころを探っていかなくてはならないのだろうか――。

平子理沙、くびれ修正疑惑払拭も「顔は?」の声 ラムちゃんコスプレには「オタク媚び失敗だっちゃ」

hirako1017.jpg
 5日に放送された『モシモノふたり ザワつく女たちの素顔のぞき見スペシャル!』(フジテレビ系)に、モデルの平子理沙がVTR出演。今年8月に自身のインスタグラムにアップした、ピンク色のビキニ姿にまつわる、くびれ修正疑惑についての真偽を、タレントのりゅうちぇるに追及されていたのだが、ネット上では「それよりも、顔の整形疑惑の方が気になる」という声が多く寄せられていた。  ビキニ姿のみならず、インスタグラムに画像をアップする度に、画像修正疑惑が飛び交う平子だが、「絶対これいじってるんですよね。くびれおかしくない?」と迫るりゅうちぇるの目の前で、生くびれを披露。画像と寸分違わぬ美ボディで、「ガチじゃん、すいません疑って!」とりゅうちぇるを恐縮させ、視聴者からも驚きと称賛の声が殺到していたのだが、その一方で、「唇の膨らみ具合が気になるんだが」「見る度に顔が違う気がする」などと、画像修正疑惑に勝るとも劣らないぐらいに多くささやかれている、整形疑惑を指摘する声が殺到していた。 「かつては、“アラフォーの星”などと、マスコミに持ち上げられていた平子ですが、最近では『不自然』『ビニール感が増してきている』などと、アンチエイジングのための美容整形を疑う声が増し、『整形依存症になっているのでは?』と心配する声も広まっています。また、くびれ修正疑惑を払拭することに成功したものの、りゅうちぇるが疑惑を追及する前、番組の意図を伝えずにランチに密着した際、平子がハンバーグセットをぺろりと平らげ、普段から食事制限していないことを明かしていたことについては、『本当は少食なんでしょ?』『鵜呑みにした一般女性を罠にはめようとしてるな?』などと、ヤラセを疑う声が少なくありませんでした」(芸能関係者)  平子は、昨年12月に吉田栄作との離婚を発表。そして、今年2月には45歳の誕生日を迎え、アラフォーからアラフィフへと足を踏み入れたということで、イメージチェンジを図ろうとしたのか、5月に自身のインスタグラムに「ラムちゃん風だっちゃ」と、人気漫画『うる星やつら』(小学館)の登場人物であるラムちゃん風のコスプレ姿を披露したのだが、「痛々しい」「オタク媚び失敗だっちゃ」などと、批判の声が殺到してしまった。 「平子は、14年にもアニメ『化物語』(TOKYO MX)に登場するキャラクター・羽川翼のコスプレを披露し、『年齢を考えましょう』と揶揄されていたのですが、羽川翼以上に人気の高いラムちゃん風コスプレには、怒りの声すら寄せられ、ハッシュタグに人気カメラマン・蜷川実花の名前が貼り付けられていたことから、『何で、止めなかったの?』と、蜷川にまで怒りの矛先が向けられてしまう事態に。その一方で、怖いもの見たさで、『メイクと画像修正なしバージョンアップしてみて』と要望する声も少なくありませんでした」(同)  平子は、自身のSNSに頻繁に自撮り画像をアップしているだけに、「重度のSNS依存症なのでは?」と、整形依存症と同じぐらい、SNS依存症を心配する声が寄せられてしまっている。

平子理沙、くびれ修正疑惑払拭も「顔は?」の声 ラムちゃんコスプレには「オタク媚び失敗だっちゃ」

hirako1017.jpg
 5日に放送された『モシモノふたり ザワつく女たちの素顔のぞき見スペシャル!』(フジテレビ系)に、モデルの平子理沙がVTR出演。今年8月に自身のインスタグラムにアップした、ピンク色のビキニ姿にまつわる、くびれ修正疑惑についての真偽を、タレントのりゅうちぇるに追及されていたのだが、ネット上では「それよりも、顔の整形疑惑の方が気になる」という声が多く寄せられていた。  ビキニ姿のみならず、インスタグラムに画像をアップする度に、画像修正疑惑が飛び交う平子だが、「絶対これいじってるんですよね。くびれおかしくない?」と迫るりゅうちぇるの目の前で、生くびれを披露。画像と寸分違わぬ美ボディで、「ガチじゃん、すいません疑って!」とりゅうちぇるを恐縮させ、視聴者からも驚きと称賛の声が殺到していたのだが、その一方で、「唇の膨らみ具合が気になるんだが」「見る度に顔が違う気がする」などと、画像修正疑惑に勝るとも劣らないぐらいに多くささやかれている、整形疑惑を指摘する声が殺到していた。 「かつては、“アラフォーの星”などと、マスコミに持ち上げられていた平子ですが、最近では『不自然』『ビニール感が増してきている』などと、アンチエイジングのための美容整形を疑う声が増し、『整形依存症になっているのでは?』と心配する声も広まっています。また、くびれ修正疑惑を払拭することに成功したものの、りゅうちぇるが疑惑を追及する前、番組の意図を伝えずにランチに密着した際、平子がハンバーグセットをぺろりと平らげ、普段から食事制限していないことを明かしていたことについては、『本当は少食なんでしょ?』『鵜呑みにした一般女性を罠にはめようとしてるな?』などと、ヤラセを疑う声が少なくありませんでした」(芸能関係者)  平子は、昨年12月に吉田栄作との離婚を発表。そして、今年2月には45歳の誕生日を迎え、アラフォーからアラフィフへと足を踏み入れたということで、イメージチェンジを図ろうとしたのか、5月に自身のインスタグラムに「ラムちゃん風だっちゃ」と、人気漫画『うる星やつら』(小学館)の登場人物であるラムちゃん風のコスプレ姿を披露したのだが、「痛々しい」「オタク媚び失敗だっちゃ」などと、批判の声が殺到してしまった。 「平子は、14年にもアニメ『化物語』(TOKYO MX)に登場するキャラクター・羽川翼のコスプレを披露し、『年齢を考えましょう』と揶揄されていたのですが、羽川翼以上に人気の高いラムちゃん風コスプレには、怒りの声すら寄せられ、ハッシュタグに人気カメラマン・蜷川実花の名前が貼り付けられていたことから、『何で、止めなかったの?』と、蜷川にまで怒りの矛先が向けられてしまう事態に。その一方で、怖いもの見たさで、『メイクと画像修正なしバージョンアップしてみて』と要望する声も少なくありませんでした」(同)  平子は、自身のSNSに頻繁に自撮り画像をアップしているだけに、「重度のSNS依存症なのでは?」と、整形依存症と同じぐらい、SNS依存症を心配する声が寄せられてしまっている。

【無料イベント】霊能者・秋山眞人の霊視を受けられる! “スピ好き”中島知子との異色トークイベント開催

1014pho54to.jpg
画像は、タレントの中島知子と霊能者の秋山眞人
 タレントの中島知子と霊能者の秋山眞人との異色のトークイベントが東京神保町・書泉グランデで開催される。  なぜこの2人が?かというと……実は昨年、「早く結婚したい!」という中島のために、秋山氏が選りすぐった開運パワースポットを一緒にめぐるという書籍『婚活開運旅日記〜女40代駆け込みパワスポ顛末記』を共著で出版。間違いなく以前よりも結婚運に恵まれるはずだったが……その後も中島は結婚する気配はなく、周囲には男の匂いもしない始末。
27494400_1.png
画像は、『婚活開運旅日記〜女40代駆け込みパワスポ顛末記
 ということで、「なぜ中島知子は結婚できないのか?」をあらためてスピリチュアル的に検証してみようというのが今回イベントの主旨らしいが、見どころは同書の制作裏話や、秋山氏による最新パワースポット案内、最新オカルトニュース解説など盛りだくさん。さらに、秋山氏が参加者を霊視(リーディング)するという特別企画(希望者多数の場合は抽選)も実施するそうだ。2人の著作を持参または購入した人を対象にしたサイン会も行う。 【イベント詳細】 ●場所 書泉グランデ@神保町 ●日時 10月23日(日)17時~19時 ●参加費無料 ●詳細 https://www.shosen.co.jp/event/40908/ ●問い合わせ・申し込み 書泉グランデ(代表電話:03-3295-0011) ●中島知子プロフィール 埼玉県生まれ、京都府育ち。京都精華大学人文学部卒業。現在はタレントとして幅広く活躍。映画「ハダカの美奈子」(2013年)で主役を務めるなど女優として活動。写真集に『黒扉 KOKUHI』(2016年、講談社)がある。 ●秋山眞人さんプロフィール 静岡県出身。国際気能法研究所代表。精神世界(スピリチュアル)、超常現象、超能力の分野で研究、執筆をする。世界および日本の神話・占術・伝承・風水などにも精通している。これらの関連著作は60冊以上。

【無料イベント】霊能者・秋山眞人の霊視を受けられる! “スピ好き”中島知子との異色トークイベント開催

1014pho54to.jpg
画像は、タレントの中島知子と霊能者の秋山眞人
 タレントの中島知子と霊能者の秋山眞人との異色のトークイベントが東京神保町・書泉グランデで開催される。  なぜこの2人が?かというと……実は昨年、「早く結婚したい!」という中島のために、秋山氏が選りすぐった開運パワースポットを一緒にめぐるという書籍『婚活開運旅日記〜女40代駆け込みパワスポ顛末記』を共著で出版。間違いなく以前よりも結婚運に恵まれるはずだったが……その後も中島は結婚する気配はなく、周囲には男の匂いもしない始末。
27494400_1.png
画像は、『婚活開運旅日記〜女40代駆け込みパワスポ顛末記
 ということで、「なぜ中島知子は結婚できないのか?」をあらためてスピリチュアル的に検証してみようというのが今回イベントの主旨らしいが、見どころは同書の制作裏話や、秋山氏による最新パワースポット案内、最新オカルトニュース解説など盛りだくさん。さらに、秋山氏が参加者を霊視(リーディング)するという特別企画(希望者多数の場合は抽選)も実施するそうだ。2人の著作を持参または購入した人を対象にしたサイン会も行う。 【イベント詳細】 ●場所 書泉グランデ@神保町 ●日時 10月23日(日)17時~19時 ●参加費無料 ●詳細 https://www.shosen.co.jp/event/40908/ ●問い合わせ・申し込み 書泉グランデ(代表電話:03-3295-0011) ●中島知子プロフィール 埼玉県生まれ、京都府育ち。京都精華大学人文学部卒業。現在はタレントとして幅広く活躍。映画「ハダカの美奈子」(2013年)で主役を務めるなど女優として活動。写真集に『黒扉 KOKUHI』(2016年、講談社)がある。 ●秋山眞人さんプロフィール 静岡県出身。国際気能法研究所代表。精神世界(スピリチュアル)、超常現象、超能力の分野で研究、執筆をする。世界および日本の神話・占術・伝承・風水などにも精通している。これらの関連著作は60冊以上。

VR元年、ついに山が動く……! 今秋に配信をスタートする「DMM.com」が放つVR動画とは!?

1610_dmmvr00.jpg
 もはや使い古された慣用句のようになりつつあるが、Oculus RiftやHTC Vive、Gear VRが国内でも発売され、そして10月13日に「PlayStation VR」(以下、「PSVR」)も発売となり、“VR元年”と称される2016年。  先月開催された「東京ゲームショウ2016」(9月15~18日/以下「TGS」)でも、VRモードを搭載したゲームやデバイス、専用機器が数多く展示され、ゲーム・アニメ専門誌から経済系、一般メディアにまで注目され、無数のニュースが生み出されたのは印象に新しいところ。  PSVRと同時に発売となる『アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション』(バンダイナムコエンターテインメント)など、楽しみなゲームもあるが、男性としてやはり気になるのはもっと直接的に女の子とイチャイチャできるようなゲームや、エッチな方向でVR技術を満喫できるような動画はあるのか? というところではないだろうか。  というわけで、動画・ゲームの配信といえば今や真っ先に名前が挙がる巨大コンテンツ配信サイト「DMM.com」の執行役員であり、動画配信事業部・電子書籍事業部の事業部長でもある山本弘毅氏を直撃! 今秋からの配信を予定しているというDMM.comのVR動画コンテンツについて、いろいろと聞いてみた。 ■デバイスは“質と量”でスマホとGear VRに ―― 今秋からVR動画の配信がスタート予定ということですが具体的にいつごろから、またどんなラインナップとなりそうなのか、解説からお願いできますか? 山本弘毅(以下、「山本」) 配信開始時期は今年の秋です、細かい日時はまだお話できないんですが……なぜ16年秋かというと、VR元年といわれている中で、Oculus RiftやPSVR、HTC Viveも普及してきたと思いますし、今回の「TGS」でもVRの展示は多かったし、記事にもなって、だいぶ認知度も高まってきていると考えています。14年にVR動画のLPを作るだけ作ってずっと放置していましたけど(笑)、この秋こそベストだろうと判断したわけです。で、コンテンツに関してですが、一般向けと成人向け、あわせて100タイトルぐらいは第1弾として配信できそうかなと。 ―― 一気に100タイトルも! ちなみにデバイスはどうなるんでしょうか?
1610_dmmvr02.jpg
VRまみれだった今年のTGS(TGS公式サイトより)
山本 スマートフォンとGear VRですね。 ―― その2種類に絞られた理由は? 山本 スマホはなんといっても圧倒的な普及台数の多さ。今VRの開発をしている、(開発を)予定されている方の多くもスマホメインで考えているでしょうし。ただ、やっぱスマホVR、ダンボールゴーグルだけではクオリティが……VRの良さが伝わりきらないのではないかと。そこである程度のクオリティを担保できるであろうGear VRも選ばせていただいたという感じです。まずはこの2種類から始めて、その後どうするか、市場の様子を見極めていければと思います。 ―― スマホなら、すでに先行してVRモード搭載のアプリゲームも配信されていますし、たしかにユーザーさんがそれなりにいそうです。 山本 スマホだけでも良かったぐらいなんですが、でもそれだと“VR=ダンボールで見た映像=そこまでのものでもない”と受け取ってしまわれる懸念があるなと感じたんです。スマホVRだけで「DMMのVRはこんなものか」となるのはちょっと残念ですから(笑)。Gear VRであれば、VRをかなりのクオリティで楽しめますから、そこから口コミで広がっていってほしいなと思います。 ―― 「TGS」などでOculus Riftとスマホを試遊してみたんですけど、差はありますよね、やっぱり。 山本 そうなんですよね。ただ現状、Oculus Riftなどを試遊したことがある人もまだ少ないと思います。とりあえず今はGear VRとスマホで、質と量の両方を狙ったというイメージです。 ■配信コンテンツの基本は実写動画に ―― 先ほど最初の配信動画は100本ぐらい、というお話がありました。「TGS」ではDMMさんは『刀剣乱舞』のVR体験会(「DMM GAMES VR x 刀剣乱舞-ONLINE- 三日月宗近Ver.体験会」)を行い、すごい行列ができるなど人気になっていましたよね。2次元、アニメやゲームのVR動画などもプランとしてあるものですか? 山本 リリース時にもアニメ動画が数本だけありますけど、基本は実写です。それに我々はコンテンツを作っているわけではありません。そういった作品を制作されている会社さんがあれば、ぜひ我々のプラットフォームで配信させていただければと思いますけど、まだ数が少ないですから。 ―― とりあえず新技術を試してみました、デモ映像を作ってみました、というところが多いですよね。 山本 弊社の場合は有料課金です。課金用のコンテンツはやっぱりそれなりのクオリティやボリュームが必要になりますし、下手なものを作ってしまうと、コンテンツホルダーさんのブランドが傷つくことになりかねない。VRに限らず、プロモーション用、無料配布用に作った動画をお持ちのメーカーさんに、それを有料で配信しませんか? と聞いてみても「いやこのクオリティでは……」と断られるケースも結構あるんですよ。
1610_dmmsasikae.jpg
成人向けVR動画の配信、期待しています!
―― それこそ「TGS」のようなイベント時にブースで流すPVであったり。 山本 そうですね、メーカーとして新しいことにも取り組んでいますよ、というブランドイメージを持ってもらうためのもので、商品化の段階には至っていない。ブランディングですよね。実際にVRコンテンツを売るというところまでいってないメーカーさんが多いんですよ、DMMが秋からVRの配信を始めると、お伝えしたのも今年の春から夏にかけてぐらいでしたし。ただ、他の配信サイトさんでも取り扱うところが増えてきて、DMMも含めて何社かあるようだったら始めてみようかな、というところは増えてきたみたいです。販売先、配信サイトが1社や2社だけだと、なかなか踏み切れないんでしょうね。 ―― VR動画の制作は手探りの部分も多いでしょうし、時間も手間もかかると思いますが、メーカーさんたちはどんなテンションで制作に取り組んでいるものですか? 山本 我々はプラットフォームで、メーカーさんが作ってくれたものを仕入れて配信しているだけですけれど、メーカーさん方としてはやはり新しいことをやっているというブラインディング、あと今数百社ぐらいDVDをリリースしているメーカーさんがあって、その競争は実に激しい。その中でまだVRに参入しているメーカーさんは少ないですから、今やると目立ちやすいというのはあるかもしれませんね。これだけメーカーさんがあって、その中で上位にくる大手さんというのがある程度固まっています。VRは、まだどこかがトップになるのかわかりませんから。そういった部分でチャレンジするメーカーさんが増えて、今は10社以上あります。 ■新技術普及にはやっぱりエロ!? 期待を背負うDMM ―― VRのアダルトコンテンツ展示会が盛況だったり、やっぱ新しい技術が採用され、広まっていくのにはエロのパワーが必要と思われる風潮があります。そういった風潮をどう捉えていますか? 山本 それは僕らがというよりも、周囲の皆さんがVRが市場に出回るためには成人向けコンテンツが必ず必要で、普及にも一役買うだろうと思われているんですよね。VHS、ネット、DVDと新技術が出るたびに、成人向けコンテンツが普及に一役買ってきたという歴史もありあますし。 ―― 『洗濯屋ケンちゃん』の時代からずっとですよね(笑)。 山本 そうですね(笑)。没入感とかを考えると、男性なら皆そっちを最初に期待されるでしょうから。また、VRで楽しめる成人向け動画や同人系のアニメ、ゲームのVRを期待される層と、新しいガジェットが好きという層はかぶっていると思うんですよ。ガジェット好きはやっぱり男性が多いでしょうし、そういった親和性を考えるとやっぱり男性向け作品から普及していくんだろうと思います。
1610_dmmvr04.jpg
多様な一般動画も配信を控えているとか。いろんな用途が考えられそう
―― 我々みたいなアニメ・ゲーム系、ガジェット系、それに経済系のニュースをやっているようなメディアも興味を持ちそうですね。 山本 VRというキーワードがあって、DMMなら何かやるんでしょ? DMMが本格的にやるなら市場も動いてくるだろう――とお考えになるのか、取材もたくさんご相談をいただいています。これはやっぱりVRだからですよね、普通の動画だとここまではこないでしょう。 ―― 実際、「VR 成人向け」といったワードでネット検索すると、DMMさんの2年前に作った動画やインタビューが上位にきますし。 山本 時期がきたら最初に参入しますよ、というメッセージ、決意表明だったんですが、おかげさまでそういったイメージを持っていただいたみたいです。 ―― 実際「TGS」でも美少女系VRが多かったですものね、海外のゲームメーカーだとレースゲームだったりするのに。 山本 やっぱ日本のユーザーさんが特殊なんだと思います、それに特にコアな層にそういうハードウェア好きが多い。マスに向けていきなりVRといっても伝わりづらいですよね、体験できる機会もなかなかありませんし。 ―― VRが難しいのはそこですよね。超高画質であるとか、3DCGの技術のおかげで動画がすごいみたいなところは画像や映像でもそこそこは伝わりますけど、VRはデバイスを被ってみないことには魅力が伝わらない。 山本 そうですね。また、先ほどのお話とも被りますけど、ダンボールVRでも、充分には伝わりきらないですよね。一回でもOculus RiftやGear VRを被ってみていただければ、「おっ!」となると思いますけど。 ―― DMMさんの動画もどこかで体験できる機会があるといいのかもしれませんね。 山本 ああ、なるほど……そういうイベントは現在、予定していませんね。ただ、配信を始めるときに手に取ってもらいやすいように、無料で見られるコンテンツを何本か用意するつもりです。それでまずは体験していただいて、と考えています。  一気にVR動画を100タイトルも配信予定! さすがDMM.comはやることがデカい! といったところで、インタビューは明日配信予定の後編へと続く。お楽しみに。 ■DMM.com http://www.dmm.com/ ■VR動画β - DMM.com http://www.dmm.com/digital/vr/

セーラー服の少女が男たちの首を斬り、腸をえぐる! 終戦直後の日本の“裏社会”を生きる美貌の殺人鬼を描く

161012_ohara01_2.jpg
発売中の『青猫について』第1巻 (c)小原愼司  小学館
「ビッグコミックスピリッツ」「月刊!スピリッツ」に続く“第3のスピリッツ”として、“ゆるい漫画”を配信しているWEBコミックメディア「やわらかスピリッツ」(すべて小学館)。同サイトにて、今年3月より連載されている『青猫について』http://yawaspi.com/aoneko/index.html)が、「まったくゆるくない」と話題を呼んでいる。  同作の舞台は終戦直後の闇市。開始早々、セーラー服の少女がヤクザたちの首を斬り、腸をえぐり、脳みそをぶち抜く。さらには、親を失い浮浪児となった子どもたちが“ヒロポン漬け”にした大人たちを操っている。  そんな暗く重い世界を描くのが、昨年完結した『地球戦争』(小学館)でも話題となった漫画家・小原愼司だ。  探偵モノや古典SF、そして今回の戦後日本と、どこかレトロな作品を独特の世界観で描き続ける小原氏は、1993年のデビューから一度も拠点を東京に移すことなく、大阪で執筆活動を行ってきた。  今回はそんな小原氏に、大阪へのこだわりと、現在の漫画界について話を聞いた——。 * * * ——小原さんにとっては初となるWEB連載『青猫について』が、10月12日についに単行本として発売されました。同作では、重いテーマをさらっと散りばめていて、「やわらかスピリッツ」読者も衝撃を受けているのではないかと思います。テーマについては、何か思い入れがあったのでしょうか? 小原愼司(以下、小原) テーマと言えるかどうかわかりませんが、子どもの頃から、父親の話なんかを聞いては、「戦後の、何もかもすっからかんになった日常の中で、自分ならどうなってたかな?」と、妄想してたんですよ。その妄想から、戦後に生きたさまざまな人たちをエンターテイメントで描いていこう、と形にしたのが『青猫について』です。まあ、結構な確率で、彼らの生き方を(主人公の)青猫が台無しにしちゃうんですけど(笑)、力や精神がやたら強い人々をどんどん描きたいと思っているので、応援してもらえたら嬉しいですね。 ——もともと「やわらかスピリッツ」は、比較的女性向けのマンガが多い印象でしたが、ここ2年ほどですっかり男性向けマンガが増えました気がします。読者層については、何か意識されていることはありますか? 小原 WEBでの漫画連載が初めてだった事もあって、読者層については、具体的には意識してないんです。薄ぼんやりと、(性別、年齢層共に)幅は広いのかな? と思っているくらいで。どの年齢のどの性別に向けてと言うより、この漫画(『青猫について』)を面白いと思ってくれる人々みんなにアプローチできる機会になればと思ってます。 ——最近では、WEB漫画の台頭もあり、『青猫について』のようなスプラッタ要素のある作品や、いわゆるエログロと言われるような過激な作品がどんどん増えています。書き手側としても、意識する部分はありますか? 小原 エログロ作品に限らず、漫画で表現できる幅はどんどん広くなってるとは思いますね。「昔やったら、こんなことマンガでは成立しなかったよな」という話がネタとして成立して、漫画という形になって、しかもそれを読者の人が面白がれる土壌もできているという。  僕は、大ヒットを出そうというわけではないけど、漫画家として「こういうのをやっても面白がってくれるかな?」という可能性を、考え続けないといけないと思ってるんです。その上で、面白いものを描きたいけど、僕が面白いと思うものを、読者のみんなに伝える時にどうやって読みやすくするかっていう工夫をいっぱいしないといけない。その結果、「こんなの描いてもわかりづらいだろうな」と思って、描かずにいたことってけっこうたくさんあるんです。ところが、その「わかりづらいこと」すら、今ではひとつのジャンルとして成立するようになりました。 ——具体的に、これが漫画として成り立つのか! と、驚かれた作品とかってありますか? 小原 『ダンジョン飯』(KADOKAWA)とか、あんなの昔だったら考えられないですよ。架空の世界の生き物の料理について延々描いて、しかも面白い。20年前だったら、一部の人は「面白い!」って言うかもしれないけど、読む人の多くはキョトンとしたんじゃないかな。何を描いても、どこかに必ず読者が存在しているというのが、今の漫画界だと思います。  ただその一方で、最近の若い子の漫画をブログなんかで見たりすると、変に戦略練っているところがあって、「小賢しい!」と思うこともありますけどね(苦笑)。
161012_ohara02_2.jpg
気さくにお話しくださった小原さん!
■東京に行くタイミングを失って、今 ——小原さんは、1993年にデビューされてから、一度も東京進出はされていらっしゃらないですよね? 大阪にこだわった理由は、何かあるのでしょうか? 小原 東京に行こうって思ったことはあるんですよ。ただ、ちょうどそのタイミングで父親が亡くなって、長男なんで、ここで大阪を離れるのは違うなと思って。父親がやってた印刷会社をたたむかどうかって話にもなってたし、そうこうしているうちにタイミングを失った感じですね。 ——そもそも、漫画家になるきっかけはなんだったんですか? 小原 ベタですけど、子供の頃に『ドラえもん』を読んで、自分も漫画を描きたいなと思ったことが始まりです。ただ、その頃はまだリアルに職業として考えていたわけじゃなかったし、高校卒業後は普通に就職したんです。それから4年近く働いて、「やっぱり漫画描きたいな」って気持ちが芽生えて。 ——別の仕事をしている間も、漫画は描いてたんですか? 小原 いや、それがその4年間はまったく描いてなかったんですよね。やろうと思ったら、働きながらでも漫画を描ける人はいるんだろうけど、俺はできなかった。だからスパッと会社を辞めて、1年間真剣に漫画を描いて、いろんな賞に応募してダメだったらまた働こうと思ってたんです。というか、1年頑張ってダメだったら、そもそも漫画家にはなれないだろうなって思ってたんで。 ——お笑いの世界とかだったら、何もしなくても、辞めさえしなかったら突然チャンスが巡ってくることがありますけど、漫画はそうじゃない、と。 小原 うーん、漫画は描いた作品が結果として残るじゃないですか。それを何本か描いて、1本も結果が出ないなら、その先はもう、大して変わらないんじゃないかなと思ってたんです。  まあ、今考えたら、1年って限定することはなかったんだけど、自分は期限を設けないとできないタイプだったんで。結局1年で3本描いて、3本目で「アフタヌーン四季賞」の四季大賞をもらった。本当は1本目から「これはいける!」と思ってたんですけどね(笑)。 ——デビューが決まって、担当編集とのやり取りが始まるじゃないですか。大阪にいながら東京の編集者とやり取りするっていうのは、ストレスじゃなかったですか? 小原 そこについては、いい点と悪い点があるかな。まったくひとりで作る漫画ってデビュー作が最初で最後なわけで、次からは編集の人と一緒に作っていくことになる。仕事が続けていけるかは、そこからが勝負なんですよね。その点で、漫画の打ち合わせとかが電話になる分、コミュニケーション能力は絶対必要だと思ってます。ただね、例えばネームチェックしてもらう時、こちらがメールで送って、担当がチェックして、その翌日に電話がかかってくるんですよ。その一晩で心の準備ができるっていうのは大きいなと思ってます。直接東京の編集部にネームを持って行ったことも1、2回あるんですけど、目の前で読み始められた時、どうしたらいいのかわからなくなってしまって(笑)。ものすごく手持ち無沙汰になるんですよね。だから、目の前でネームを読まれて、その場で話で評価されるのも、それはそれで怖いなって。  もちろん、東京にいたほうが、ちょっとした相談でもすぐに担当編集に会えるし、編集部にいる時に偶然イラストの仕事を頼まれたりするっていう利点はあると思います。1度、編集部にお邪魔した時に、横で違う仕事の打ち合わせが始まって、その打ち合わせをしている人が俺の顔をパッと見て、「そうだ、小原さんにも1枚頼もう」って、すぐに仕事が決まったことがありました。目があった奴に仕事がいく。そのチャンスは東京にいないと難しいんだろうな、とは思いますね。  まあでも、大阪が大好きで、どうしても大阪から出たくなかったわけではないけど、自分はそこで仕事が成り立ったから、そのまま今に至ってる。今はもう、原稿もデータでやり取りできちゃうし、不便は感じてませんよ。 ■「もうちょっと読みたい」のちょうどよさ ——ところで、ずっと聞いてみたかったんですが、漫画のタイトルって小原さんが考えてるんですか? 小原 編集の人の意見が入ることもありますけど、だいたいは自分で考えてますよ。漫画を描きながらタイトルを考えて、徐々に案を絞ってくんですけど、結局、決まるのはいつも一番最後ですね。ギリギリまで考えちゃうんで、予告の時には「なんだったら(仮)ってつけておいてください!」ってことがよくあります。 ——全体像が見えないと、タイトルつけるのって難しいじゃないですか。その点、漫画っていつまで続くかとか始まった段階では決まってないことも多いし、悩むだろうなって思います。 小原 考え始めると、「まだ何かほかにいいのがあるんじゃないか」って、ずっと思いますしね。例えば『星のポン子と豆腐屋れい子』(講談社)は、俺が原作を書いて、トニーたけざきさんが作画してるんだけど、俺の考えたタイトルは『ポン子とれい子』だったんですよ。それが最初に浮かんで、それからはもう何も出てこなくて。でもトニーさんが、最後の最後まで「もうちょっと、もうちょっと」って、こだわったんですね。 ——たまたまその時に、お会いしましたよね? 小原 そうそう(笑)。最初は、俺の仕事場で、俺とトニーさんと編集の人と3人で考えてたんですけど、1時間以上かかって、タイトルを書いた紙が山のようになっても決まらなくて。「もうここでこれ以上考えても出てこないから、メシ食いにいきましょう!」って外に出て、それから、ぶっちょさんのお店(ぶっちょ柏木氏がオーナーを務めるバー「なんば紅鶴」)に行って、そこでもトニーさんが「これかな? これかな?」って粘ってたんですよね。 ——トニーさんが店にいる人に、「豆腐っていうたら、なんや?」って聞いて回って、「◯◯です!」って答えたら、「それはもう出たんや!!」って怒られるという(笑)。 小原 お客さんは何がもう出てるかなんて知らないのに、ほんと理不尽でしたよね(笑)。でも、おかげで決まったタイトルが、『星のポン子と豆腐屋れい子』。ひとりで描いてたら『ポン子とれい子』で終わってたんで、これが合作の面白さだなと思いました。 ——個人的に、『星のポン子と豆腐屋れい子』、すごく好きなんですよ。豆腐屋の子ども・れい子とヒロシが出会った奇妙な生物ポン子が、宇宙から来たセールスウーマンで、豆腐屋の再建を手助けする……って、一見ほのぼのSF系かと思いきや、いきなり予想外の展開になったり、いい意味で期待を裏切られるというか。話にまったく無駄がないなと思いました。 小原 それは嬉しいですね。それは、「アフタヌーン」(講談社)での掲載が決まった段階で、単行本1冊で完結するって決まってたんです。なので、最初からオチを決めることができたし、あとはもう、そのオチに向かうために“騙し”とかをどうしようって考えることができて。  終わりが見えてるからこそできた作品というか、あれが長期連載だったら、途中で破綻してた可能性がある。もちろん、上手い人なら破綻させずに見せていけるんですけどね。『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)とか、どんどん話をひっくり返しながら続けて、上手いやないですか。でも、そういうストーリー作りは、俺は1冊が限界かな、と思ってたんです。 ——冒頭の話から、1話完結と言われてもおかしくない感じだったんで、入りやすかったですね。それでいて、どんどん急展開していくから、飽きずに読めて、「もっと読みたい」という感じで終わる。 小原 漫画って、「もうちょっとだけ読みたい」くらいがよくないですか? それが俺のベストです。「この先どうするんやろう」的な“気持ち悪さ”っていうのが、欲しいんです。読んだ人の頭の中で、何度も繰り返して反芻する余地が残ってるほうが個人的に好きなので。ほら、『エヴァンゲリオン』だって、テレビじゃ終わってないですか(笑)。 ——そうか! だから『エヴァ』は人気があるんですね! 小原 いやいや、もちろんそれだけじゃないと思うけどね(笑)。 (インタビュアー/ぶっちょ柏木) ■小原愼司(おはら・しんじ) 1969年、大阪生まれ。93年、アフタヌーン四季賞春のコンテストにて『お姉さんといっしょ』(『ぼくはおとうと』第1話)で四季大賞を受賞し、デビュー。『菫画報』(講談社)、『地球戦争 THE WAR OF THE HUMAN』(小学館)など、古典SF系ストーリーを得意としている。08年には、『二十面相の娘』(メディアファクトリー)がテレビシリーズとしてアニメ化された。 ■イベント情報 青猫について 単行本発売記念トークイベント! 〜Web漫画の現在とこれから~ 会場:なんば紅鶴(〒542-0074 大阪府大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F) 日時:10月29日(土) start 19:30 入場料:2000円 (1drink別) 出演 :小原愼司、凸ノ高秀、B・カシワギ、林人生 『菫画報』『二十面相の娘』『地球戦争』と独自のレトロ感漂う世界観を描き切る漫画家・小原愼司の最新作、『青猫について』の単行本1巻が発売された。これを記念して、「なんば紅鶴」では小原氏のトークイベントを敢行!  この『青猫について』は、「やわらかスピリッツ」(小学館)というWEB媒体での連載作品である。現在、紙媒体とネット媒体の移り変わりの過渡期でもあり、我々読み手も、そして漫画の描き手もその変化に何を感じているのか? また、表現は変わるのか?——そんなテーマについても言及すべく、WEB上でも広く活動する漫画家・凸ノ高秀氏もゲストとしてお招きし、これからのWEB漫画の可能性についても掘り下げていきたい。当日はWEBでは見れない生原稿も公開! 詳細は、公式サイトへ→http://benitsuru.net/archives/15935

興収200億円も視野に入る『君の名は。』の大ヒットと、新海誠“次回作”への「たったひとつの不安」とは

1609_kiminonaha.jpg
『君の名は。』公式サイトより。
 興業収入が130億円を突破し、その先に150億円、いや200億円までも視野に入り始めた『君の名は。』。配給の東宝内では、早くも「正月の映画が1本増えたつもりで全力でこの映画に力を注げ」と号令があがっているという。  毎日のようにこの作品のニュースが流れる中、新海誠監督が「第21回釜山国際映画祭」で次回作に言及し、「思春期の男女を扱ったものを3年以内に作る」ことを明らかにした。「思春期の男女を扱ったもの」という新海監督の最も得意とする題材での新作宣言ということもあり、早くもファンや業界からは期待の声が上がっている。  しかし一方で、『君の名は。』があまりにヒットしすぎたことで、否定的な声も多数あがってきている。例えば「おたぽる」でもすでに記事となったが、漫画家の江川達也氏の発言がそうであろう(参考記事)。また、放送作家である堀田延氏もTwitter(@nobubu1)で同作品に対して否定的な投稿をし、話題となった。  どんな大ヒット作品であってもアンチが存在してしまうのは仕方のないことだ。好きになる人が増加する一方で、好きになれなかった人も比例して増えていくのは『君の名は。』に限ったことではないし、アンチが増えることが大ヒット作のバロメーターともいえる。  ただ、これまで新海監督作品を全て追いかけてきた人たちにとって、ここまでヒットしてしまったことで、3年以内に公開されるであろう新作に対して不安の声がちらほらあがっているのも事実だ。  それは、『君の名は。』がある意味、新海監督の集大成のような作品で、過去作品で見られた演出や構図のオンパレードだったからだ。  例えば、予告編でも見られる三葉がティアマト彗星を見上げるシーンは、『秒速5センチメートル』の第2話で酷似した演出のシーンがあるし、雨の中、傘をさして三葉と瀧がすれ違うシーンは、同じく『秒速5センチメートル』の最終話の演出と酷似している。死後の世界に触れて現実に変化を与えるモチーフは『星を追う子ども』、夢でつながる世界と記憶の消失は『雲のむこう、約束の場所』でも見られたテーマだった。このように『君の名は。』を観たら、このシーンは過去作のどこそこの演出と同じだね、といった既視感を持つ瞬間がたくさんあるのだ。  ディープな新海ファンにとっては、この「前の作品でも見た」「どこかで見たことがある」モチーフを圧倒的な情景描写と抒情的なセンチメンタリズムで描ききることこそが魅力であり、新海作品と既視感は常にセットともいえた。それこそが新海監督らしさであり、期待されている部分でもあっただろう。しかし、次回作も『君の名は。』のように新海節のオンパレードになれば、ディープなファンは期待通りだとしても、そうでないファンには許容されず「前回と同じ」「引き出しがない」などと言われ、飽きられてしまう可能性も否定できない。 『君の名は。』は、さまざまな声があるものの実際面白いし、実に新海監督らしい演出でファンからすれば大満足の作品であることはまちがいないが、今回のメガヒットはこれまでの新海監督が描く空気感の演出に触れたことがない人たちが、初めてそれに触れたことで情景の美しさに感動し、ヒットにつながったという部分もあるだろう。 「日本を代表するアニメ監督」という座を用意された今、次回作への期待はいやがおうにもの大きなものになるし、新海監督自身がそれを一番理解しているはずだ。次回作で新海監督が本当に日本を代表するようなアニメ監督の座に就けるか、真価が問われるかもしれない。 (文=Leoneko)

興収200億円も視野に入る『君の名は。』の大ヒットと、新海誠“次回作”への「たったひとつの不安」とは

1609_kiminonaha.jpg
『君の名は。』公式サイトより。
 興業収入が130億円を突破し、その先に150億円、いや200億円までも視野に入り始めた『君の名は。』。配給の東宝内では、早くも「正月の映画が1本増えたつもりで全力でこの映画に力を注げ」と号令があがっているという。  毎日のようにこの作品のニュースが流れる中、新海誠監督が「第21回釜山国際映画祭」で次回作に言及し、「思春期の男女を扱ったものを3年以内に作る」ことを明らかにした。「思春期の男女を扱ったもの」という新海監督の最も得意とする題材での新作宣言ということもあり、早くもファンや業界からは期待の声が上がっている。  しかし一方で、『君の名は。』があまりにヒットしすぎたことで、否定的な声も多数あがってきている。例えば「おたぽる」でもすでに記事となったが、漫画家の江川達也氏の発言がそうであろう(参考記事)。また、放送作家である堀田延氏もTwitter(@nobubu1)で同作品に対して否定的な投稿をし、話題となった。  どんな大ヒット作品であってもアンチが存在してしまうのは仕方のないことだ。好きになる人が増加する一方で、好きになれなかった人も比例して増えていくのは『君の名は。』に限ったことではないし、アンチが増えることが大ヒット作のバロメーターともいえる。  ただ、これまで新海監督作品を全て追いかけてきた人たちにとって、ここまでヒットしてしまったことで、3年以内に公開されるであろう新作に対して不安の声がちらほらあがっているのも事実だ。  それは、『君の名は。』がある意味、新海監督の集大成のような作品で、過去作品で見られた演出や構図のオンパレードだったからだ。  例えば、予告編でも見られる三葉がティアマト彗星を見上げるシーンは、『秒速5センチメートル』の第2話で酷似した演出のシーンがあるし、雨の中、傘をさして三葉と瀧がすれ違うシーンは、同じく『秒速5センチメートル』の最終話の演出と酷似している。死後の世界に触れて現実に変化を与えるモチーフは『星を追う子ども』、夢でつながる世界と記憶の消失は『雲のむこう、約束の場所』でも見られたテーマだった。このように『君の名は。』を観たら、このシーンは過去作のどこそこの演出と同じだね、といった既視感を持つ瞬間がたくさんあるのだ。  ディープな新海ファンにとっては、この「前の作品でも見た」「どこかで見たことがある」モチーフを圧倒的な情景描写と抒情的なセンチメンタリズムで描ききることこそが魅力であり、新海作品と既視感は常にセットともいえた。それこそが新海監督らしさであり、期待されている部分でもあっただろう。しかし、次回作も『君の名は。』のように新海節のオンパレードになれば、ディープなファンは期待通りだとしても、そうでないファンには許容されず「前回と同じ」「引き出しがない」などと言われ、飽きられてしまう可能性も否定できない。 『君の名は。』は、さまざまな声があるものの実際面白いし、実に新海監督らしい演出でファンからすれば大満足の作品であることはまちがいないが、今回のメガヒットはこれまでの新海監督が描く空気感の演出に触れたことがない人たちが、初めてそれに触れたことで情景の美しさに感動し、ヒットにつながったという部分もあるだろう。 「日本を代表するアニメ監督」という座を用意された今、次回作への期待はいやがおうにもの大きなものになるし、新海監督自身がそれを一番理解しているはずだ。次回作で新海監督が本当に日本を代表するようなアニメ監督の座に就けるか、真価が問われるかもしれない。 (文=Leoneko)