放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)。そのBPOが「2016年10月に視聴者から寄せられた意見」を公式サイトで公開した。今月もいろいろと興味深い“意見”が寄せられていたので、ざっくりと紹介してみたい。 まず、おたぽる的に気になったのが、「アニメ番組で主人公の男児が全裸になるシーンがあった。突発的かつ不本意な形で服を脱がされたシーンについては問題ないと思うが、教室で自ら全裸になるシーンは子どもの教育上問題があるのではないか」というご意見。 今クールでこれほどまでに攻めていた“紳士枠”アニメがあっただろうか? ちょっと調べてみたところ、どうも10月21日に放送されたTVアニメ『妖怪ウォッチ』(テレビ東京系)の、第143話の後半で放送された「妖怪総ナメ」を指してのご意見のようだ。 風呂場のアカを舐めるだけでは物足りなくなった妖怪“あかなめ”が、USAに進出し大スターに。必殺技の総舌レッドカーペットは、アカデミー賞から全ての賞を欲しいままにする誰もがうらやむ妖怪、という設定の妖怪“総ナメ”。 主人公のケータがフミちゃんに、賞を総ナメして、いいところを見せたいと、この妖怪“総ナメ”に舐められることになるのだが、ノリノリで全裸になってしまうのであった――というストーリー。平日夕方という放送時間帯を考えるとたしかにちょっとヤバイ気もする。放送時は実際、「PTAに怒られるぞwww」「これはアウト」といった声も、ネットやSNS上では一部上がっていたが、あくまで小学生向けのギャグの範囲内という気もする。BPOに寄せられる意見は相変わらずだなと思った次第。 今月の意見で数が多く、かつ目立っていたのは「豊洲市場移転」、そして「ミュージシャンの活動自粛」「芸人が大勢出ていた期首番組について」といったところ。 「ミュージシャンの活動自粛」とは、10月3日に川谷絵音が起こした不祥事により、“ゲスの極み乙女。”が当面の活動の自粛を発表したことに関する報道のあり方だろう。「ミュージシャンの外見を名指しで『気持ち悪い、ブサイク』とは何事か。(中略)私達ファンはみんな怒っている。番組が面白ければ一人の人間の人生なんかどうなってもいいのか」「出演者がその歌手の容姿を揶揄していた。容姿をあげつらって"いじって"いたが、学校でも同じようなことが起こっている。これはいじめに相当することだ」といった意見が。 ゲス川谷のルックスに関するコメントに、一部の視聴者は激怒のようす。たしかにいくらゲス川谷がゲスとはいえ、反撃を受けないであろうところから、一方的に叩きまくっていたようすはあまり気持ちがいいものではなかった。なお、「ゲス川谷 蔑称」などのキーワードでググると、ネットではもっと酷いあだ名や彼のルックスについてのコメントが溢れかえっている。さすがはゲス。 さて、「芸人が大勢出ていた期首番組について」という意見だが、これはすでに審議入りとなった『オール芸人お笑い謝肉祭 ’16秋』(TBS系)のこと。 BPOでは、「『オール芸人お笑い謝肉祭‛16秋』内のコーナー『大声厳禁 サイレント風呂』と『心臓破りのぬるぬる坂クイズ』について、視聴者から「男性同士が股間を触る行為などがあった。内容が下品だ。子どもに説明できないような番組はやめてほしい」「浜辺で芸人がローション階段を全裸や下半身露出で滑り落ちるシーンが放送された。"裸になれば笑いがとれる"という低俗な発想が許しがたい」といった意見が寄せられ、「『委員会としてこれまで何回も指摘していることが理解されていない。どのような経緯で放送に至ったのかなど確認したい』などの意見が出され審議入りを決めました。委員会では、質問書を当該放送局に送って回答を求めることにしました」と、審議入りの経緯を説明している。 改変期の特番で、芸人たちが騒ぎ、脱ぐ――いかにもBPOに意見が寄せられそうな番組ではあるが、今月は「神経質にならずに、あのような番組を潰さないでほしい。私はあのような番組を楽しく見て育った。」「時代が変わったとはいえ、こういう番組があってもいいと思う。」などといった、審議入りへの反対意見も掲載しているのが興味深いところ。はたして審議の結果はどうなるのか、そして来月以降はどんな意見が寄せられてしまうのか、成り行きにも注目してみたいと思う。「BPO」公式サイトより。
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瀧本美織、ダンス披露で「お尻の割れ目がセクシー!」 尾上松也との熱愛&ダサ私服姿にファン衝撃
1日、女優の瀧本美織が自身のブログに、ダンスのレッスン中の動画をアップ。「お尻の割れ目が薄っすら見えてセクシー!」「もっと露出の激しい衣装着て踊って欲しい」などとファンを興奮させた。 瀧本は、2003年から06年までボーカルダンスユニット・SweetSのメンバーとして活動。その頃に、TRFのSAMに指導を受けるなど、しっかりと基礎を積んだだけに、ダンススキルには定評がある。現在も本格的にレッスンを受ける姿をアップしたことで、ファンの間では「またユニット組むの?」と期待の声も高まっている。 「瀧本といえば、14年からボーカルとして参加していたガールズバンド・LAGOONが今年7月をもって解散してしまい、ファンを落胆させてしまっていましたが、今回のダンス動画アップにより、『新たな音楽プロジェクトが始まる?』と期待の声が広まっています。また、ダンスによって鍛え上げられた瀧本の肉体美にも注目が集まり、動画での薄っすらとお尻の割れ目ラインが見える姿には『筋肉質のお尻がセクシー』と尻フェチから称賛の声が寄せられ、先月24日に発売されたファッション雑誌『GQ JAPAN』(コンデナスト・ジャパン)で、“ザ・腹筋美女16人”の1人として、グラビアページで腹筋を披露した際には、男女問わず『カッコイイ!』と絶賛されていました」(芸能関係者) 肉体美を称賛される一方、瀧本は、今年8月に発売された「FRIDAY」(講談社)で、歌舞伎役者の尾上松也との熱愛疑惑を報じられた際には「私服、ダサ過ぎる!」「熱愛報道とダブルでショック」などとファンに衝撃を与えてしまっていた。 「瀧本と尾上は、今年8月に公演された『ミュージカル 狸御殿』で共演したのですが、稽古中の仲睦まじい様子を瀧本が自身のSNSにアップしていた頃から『この2人、付き合っちゃうのでは?』と臆測する声が流れていただけに、熱愛報道にファンからは『やっぱり!』と嘆く声が殺到。それと同時に、『FRIDAY』に掲載された隠し撮り写真では、瀧本も尾上も、絵の具を適当にぶちまけたような柄の服を着ていたため、ネット上では『ダセー!』『ある意味、お似合いのカップル』などと揶揄する声が飛び交ってしまっていました」(同) また、瀧本が8月20日付の自身のブログにアップした写真には、深田恭子が同じような柄のワンピースを着ていたものの、「可愛い」と評判となったため、「着る人の差かな?」などといった声が寄せられてしまっていた。瀧本美織公式インスタグラムより
当時は「おかしくなっていくアメリカ」を表現……トランプ氏の大統領就任を『ザ・シンプソンズ』が16年前に予知!?
日本時間の9日8時から開票が始まったアメリカ大統領選。開票前の予想では、民主党のヒラリー・クリントン元国務長官がやや優勢と見られていたが、まさかの形勢逆転。不動産王の共和党のドナルド・トランプがフロリダ、オハイオといった激戦州を制し、当選を果たした。 事前の予想を覆す、まさかの“トランプ当選”は世界中に波紋を呼んでおり、日本でも今日1日、為替と株価が激しく乱高下した。 トランプが大統領に就任するかもしれない――実は、そんな出来事を16年前に予想していたアニメが存在する。日本でも有名なアメリカの国民的アニメ『ザ・シンプソンズ』だ。 トランプが“大統領”として登場するのは、2000年に放送された第11シーズンの第17話『リサ大統領のホワイトハウス:Bart to the Future』。ストーリーは、シンプソンズの長男・バートが占い師に30年後の未来を見せてもらう、というもの。タイトルの“Bart to the Future”は言わずもがな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディだ。 30年後の未来では、妹のリザが女性初の大統領に就任しているのだが、その前任がなんと、“トランプ大統領”。作中では、本物のトランプにそっくりの同名キャラクターが登場している。しかし、後任のリザいわく、「トランプ前大統領のせいでかなり厳しい財政状態に陥っている」とのこと。アニメの中のトランプは、大統領に就任したものの、「強いアメリカを取り戻す」という公約は実現できなかったようだ。 『ザ・シンプソンズ』は風刺色の強い作品としても知られており、脚本家のダン・グリーニーも「The Hollywood Reporter」でのインタビューで、このストーリーはアメリカへの警告だったと語っている。その当時“トランプ大統領”の誕生は、おかしくなっていくアメリカにふさわしいアイデアとして採用されたそうだ。16年後、本当のトランプが大統領に就任する事態になっているが……。 そんな『ザ・シンプソンズ』は恐ろしい(?)ことに、これまでにも数々の予言を的中させており、未来を予知しているアニメとしても知られるのだ。12年に放送された回ではギリシャ危機を予知していたかのような表現が見られる。つい最近も、今年のノーベル経済学賞を受賞した教授の名前が10年放送の回、しかも“ノーベル賞の受賞者を予想する”というシーンに登場していたことが発覚し、話題になったばかりだ。 今回もトランプが当選しただけに、またもや『ザ・シンプソンズ』の予知が的中したが、アニメのように悪政を敷く結果になるのは、避けてほしいところだ。「Animation on FOX」(YouTube)より。
「AKBのVR公演とか出してくれ」秋元康のVR事業参入に、巻き起こる期待
今年9月には劇団、10月には新たなアイドルグループ「瀬戸内48」のプロデュースを発表、さらには“存在しない”2次元のデジタルアイドルプロジェクトを発表したばかりの秋元康氏が、今度はVR事業に着手することが明らかとなった。 スマートフォンアプリとスマートフォン向けゲームの企画、開発、運営を行う株式会社イグニスのプレスリリースによれば、同社は、VR(Virtual Reality:仮想現実)領域への進出を目的として今月4日に子会社の「パルス株式会社」を設立。企業の公式サイトで公開されている動画には、秋元氏の姿が見受けられる。 「VRコンテンツの企画・開発・運営」を行うというこの会社。動画には、秋元氏をはじめ、現在は執筆活動や講演、企業のアドバイザーなどをメインに活動しているメンタリストのDaiGoや、最先端の広告技術で様々なソリューションを提供する株式会社フリークアウトの最高執行役員でイグニスの取締役でもある佐藤裕介氏、東京大学にて、人口知能やウェブ、ビジネスモデルの研究を行っている松尾豊特任教授の姿もある。 音声はBGMのみのため会話の内容はわからないが、何やら会議を開きVRコンテンツの開発を進めているようすの4人。動画は、「ありえない融合、はじまる」という意味深な言葉で締めくくられており、その他の情報は現時点では一切明かされていない。一体、何が始まるというのか……。 秋元氏といえば、AKB48グループや乃木坂46、欅坂46の総合プロデューサーとしておなじみ。今年6月には、AKB48が出演する7月放送の音楽特番『THE MUSIC DAY 夏のはじまり。』(日本テレビ系)のPRとして、VR映像をYouTubeとFacebookで配信したり、8月にはAKB48や欅坂46のラジオ番組でVR配信に対応したライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」を利用して360度に広がる生配信を決行するなど、グループの新たなコンテンツとしてVRを取り入れているのだ。 それだけに、ファンからは、「SHOWROOMでは毎週のオールナイトニッポンでVR配信やっていて手応え感じているんじゃない」「これは早くやるべき アイドルと相性抜群やん」「AKBのVR公演とか出してくれ」「握手会VR化 公演VR化 VRじゃんけん」と、VRを利用したライブやイベント展開を望む声が上がっている。 だが、他の布陣を見ると、DaiGoはイグニスが開発した恋活アプリ『with』の監修を務め、最先端のベンチャー業界で活躍する佐藤氏ともタッグを組んでおり、松尾氏は人工知能研究の第一人者。また、親会社のイグニスは、今年3月にスマートフォン向けアプリの総ダウンロード数が累計1億を突破、8月には2015年2月にサービスを開始した『ぼくとドラゴン』が300万ダウンロードを突破するなど、急成長中の企業だ。さらに、パルスの公式サイトで公開されている動画には、ロボットスーツのようなものに身を包んだキャラクターのデザイン画が登場していることから、ファンの期待の声とは裏腹に、どうやらこのプロジェクトは、3次元のアイドルが登場するものではなく、2次元キャラクターがメインとなるVRコンテンツになりそうだ。 各分野の先駆者たちが顔を揃えているだけに、どのようなVRコンテンツが誕生するのか、続報を待ちたい。「パルス株式会社」公式サイトより。
「AKBのVR公演とか出してくれ」秋元康のVR事業参入に、巻き起こる期待
今年9月には劇団、10月には新たなアイドルグループ「瀬戸内48」のプロデュースを発表、さらには“存在しない”2次元のデジタルアイドルプロジェクトを発表したばかりの秋元康氏が、今度はVR事業に着手することが明らかとなった。 スマートフォンアプリとスマートフォン向けゲームの企画、開発、運営を行う株式会社イグニスのプレスリリースによれば、同社は、VR(Virtual Reality:仮想現実)領域への進出を目的として今月4日に子会社の「パルス株式会社」を設立。企業の公式サイトで公開されている動画には、秋元氏の姿が見受けられる。 「VRコンテンツの企画・開発・運営」を行うというこの会社。動画には、秋元氏をはじめ、現在は執筆活動や講演、企業のアドバイザーなどをメインに活動しているメンタリストのDaiGoや、最先端の広告技術で様々なソリューションを提供する株式会社フリークアウトの最高執行役員でイグニスの取締役でもある佐藤裕介氏、東京大学にて、人口知能やウェブ、ビジネスモデルの研究を行っている松尾豊特任教授の姿もある。 音声はBGMのみのため会話の内容はわからないが、何やら会議を開きVRコンテンツの開発を進めているようすの4人。動画は、「ありえない融合、はじまる」という意味深な言葉で締めくくられており、その他の情報は現時点では一切明かされていない。一体、何が始まるというのか……。 秋元氏といえば、AKB48グループや乃木坂46、欅坂46の総合プロデューサーとしておなじみ。今年6月には、AKB48が出演する7月放送の音楽特番『THE MUSIC DAY 夏のはじまり。』(日本テレビ系)のPRとして、VR映像をYouTubeとFacebookで配信したり、8月にはAKB48や欅坂46のラジオ番組でVR配信に対応したライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」を利用して360度に広がる生配信を決行するなど、グループの新たなコンテンツとしてVRを取り入れているのだ。 それだけに、ファンからは、「SHOWROOMでは毎週のオールナイトニッポンでVR配信やっていて手応え感じているんじゃない」「これは早くやるべき アイドルと相性抜群やん」「AKBのVR公演とか出してくれ」「握手会VR化 公演VR化 VRじゃんけん」と、VRを利用したライブやイベント展開を望む声が上がっている。 だが、他の布陣を見ると、DaiGoはイグニスが開発した恋活アプリ『with』の監修を務め、最先端のベンチャー業界で活躍する佐藤氏ともタッグを組んでおり、松尾氏は人工知能研究の第一人者。また、親会社のイグニスは、今年3月にスマートフォン向けアプリの総ダウンロード数が累計1億を突破、8月には2015年2月にサービスを開始した『ぼくとドラゴン』が300万ダウンロードを突破するなど、急成長中の企業だ。さらに、パルスの公式サイトで公開されている動画には、ロボットスーツのようなものに身を包んだキャラクターのデザイン画が登場していることから、ファンの期待の声とは裏腹に、どうやらこのプロジェクトは、3次元のアイドルが登場するものではなく、2次元キャラクターがメインとなるVRコンテンツになりそうだ。 各分野の先駆者たちが顔を揃えているだけに、どのようなVRコンテンツが誕生するのか、続報を待ちたい。「パルス株式会社」公式サイトより。
読めばゴジラもウルトラマンも、カッコよく描けるようになれる!? 『開田裕治 怪獣イラストテクニック』
10月15日に発売された、怪獣絵師・開田裕治の作画技術が詰め込まれた『開田裕治 怪獣イラストテクニック』(玄光社)。“イラストテクニック”とタイトル付けられているものの、イラストレーターやイラストレーター志望者にとってだけでなく、特撮ファンなら誰でも楽しめるような1冊だったので、紹介してみたい。 まず著者の開田裕治をざっくり説明すると、怪獣やロボットのイラストを手掛けてきたフリーのイラストレーター。『機動戦士ガンダム』シリーズのプラモデル、いわゆる“ガンプラ” や『機甲界ガリアン』、「ザ・特撮コレクションシリーズ」(ゴジラやウルトラシリーズ)のボックスアートを手掛けたほか、SF雑誌やゲームのポスターやカードなど多数描いている。1997年には、第28回星雲賞(アート部門)を受賞した怪獣、いやSF界を代表する絵師だ(なお奥さんは官能小説で知られる開田あや)。『開田裕治 怪獣イラストテクニック』(玄光社)表紙
さて本著は、まず第一章では『ゴジラ』『ウルトラ』シリーズを中心とした開田のイラストをズラッと掲載。本人の解説付きとなっており、これが結構楽しい。個人的なお気に入りは、珍しいデフォルメされて描かれた「ゴジラ対キングギドラ」と、「最終話で宇宙に旅立ったブースカが、20年後に大人になった大作の元に帰ってきた」という設定で描かれた「ブースカの夜」が可愛くて好き。また、開田オリジナル怪獣・ギガラも掲載されているのがうれしい。 第二章以降では、いよいよ“イラストテクニック”へ入っていく。パース、消失点、遠近法……などなど、聞いたことのある単語も、ない単語も入り乱れて誌面は進んでいく。こう書くと、怪獣やヒーローが好きなだけで、“描く”ことに興味がない人は「俺はいいや」と思ってしまうかもしれないが、少しずつ完成に近づいていく工程は、何となく眺めているだけでも楽しいし、語り口も軽くて楽しい。第一章より。左はゴモラ、右は上が「ミイラの叫び」、下が「ウルトラマン対ネロンガ」
何せ「前のページでは偉そうなことを書きましたが、私は大学で図法の講義を一年間受けたことがある程度で、パースの専門的な深い知識は持ち合わせていません」とか、書き出してしまうほど。“イラストテクニック”は段々と高度になっていくが、心配しなくても大丈夫。第二章より、ここでは怪獣の基本構造と描き方を説明
イラストを描けない自分としては、“イラストテクニック”で楽しかったのが「怪獣画の背景」。自分で撮影した写真を「ビル」「夜景」「空」「雲」などにわけてデータベースを作成している写真。これはライターにとっても何か流用・活用できそうと思った次第。そして第三章「実践編」の「ラフイメージの作成」も興味深かったところ。さらさらと描いているのだが、すでに開田画っぽくなっているし、こうやってイメージしているんだなと思えて楽しい。 ラストでは、開田と『ウルトラマンオーブ』メイン監督として知られる田口清隆との対談を収録。怪獣映画の出会いや思い出から始まり、作中で壊したい東京の建物についてなど語っている。ベーシックな内容となっているが、“怪獣の怖さ”についての、「人間みたいな白目と黒目をはっきりした怪獣を描く」「怪獣は生物としてありえない姿をしているからこそ、生物的にいようにリアルな部位が1箇所でもあると、そこがとても怖く感じますね」といった発言が印象的であった。なお1番おもしろかったのは『GODZILLA』(98年)に怒っていたところ。やっぱりプロでも怒りますよね……。 イラストレーターやイラストレーター志望者が読んだら、どんな感想を持つのかはわかならないが、特撮ファンであれば素直に楽しめる1冊。イラストレーターとして有名なだけに、開田の画集は何冊も出されているが、そのテクニックに迫るというテーマは珍しいので、気になる人はチェックしてみてはいかがだろうか。 ■『開田裕治 怪獣イラストテクニック』 ・発売中 出版元 : 株式会社玄光社 定価 : 本体2,500円+税 コード : ISBN978-4-7683-0762-5 判型 : A4変型判 160ページ 公式サイト: http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=11259第三章より。各パーツの着彩
『GANTZ:O』、実は2部作だった!? そして梶裕貴がイベント初登壇なのに、壇上でほとんどしゃべれなかったワケとは……
今年10月14日より公開、最初の週末映画興行成績(興行通信社)では6位にランクインするなど、存在感を見せたフル3DCGアニメーション『GANTZ:O』。 奥浩哉によるマンガ『GANTZ』(集英社)の中でもとくに強い人気のある『大阪編』を映像化したもの。総監督には“タイバニ”こと『TIGER & BUNNY』の監督・さとうけいいち。監督には日本初フル3DCG超大作『APPLESEED』でCGディレクターを手がけた川村泰を迎えているだけに、公開を楽しみに待つアニメファンも多く、公開後にはそのクオリティーにうなるようなコメントもネット上で見られた。 そんな本作が10月29日、第29回「東京国際映画祭」内で一夜限りながら英語版を特別上映。その舞台挨拶には、吹き替え版声優を務めた河北麻友子や、日本語版で玄野計役の梶裕貴、川村監督らが登壇していたという。20代女性がその様子をこうレポートする。 「梶さんは、実は『GANTZ:O』のイベントでは初めての舞台あいさつに登壇したんです。けれど、東京国際映画祭の舞台挨拶って、すべてキャストが話をした後に英訳するのがルールみたいで、それに時間がとられて、『英語版の完成はうれしいです』というような、さわりの部分に終始してしまって……。せっかく、初めて出てきてくれたので、もう少し突っ込んだところまで話してほしかっただけに、ちょっと物足りない感じがしました」 と、キャスト出演のパートは早足な感じで終わってしまったようだ。しかし、英語版終了後に行われた川村監督との“Q&A”コーナーは、裏話が連発したという。残って話を聞いていたという30代男性が語る。 「ギリシャから来たという外国の方が、本作のレーティングがPG12だったということに『子ども向けかなと思っていたんですが、予想をいい意味で裏切られた』と感想を寄せたんです。たしかに、凄惨なシーンもある作品ですけど、川村監督はこのことに『もともとR15+くらいで行こうといっていたんです。でも、ちょっと暴力シーンを削るとPG12でもいけるということで、そういうエンターテインメントがあってもいいのかなって』と、少し方針を変えたと語っていましたね」 観客たちの興味は尽きることなく、次から次へとさまざまな質問が上がったという。 「原作の奥先生の反応についての質問もありました。川村監督によると、映像化にあたって奥先生からは細かい指示はなく、ほぼお任せと自由にやれたそうで、逆に制作サイドからロボットの必殺技やXガンのリデザインをお願いしていたとか。奥先生は完成前から何度も映像を観ていたそうなんですけど、川村監督は『ずっと喜んでいただいて、それが心の支えになってました』と、話していました」(前出の30代男性) どうやら、原作者が後から出てきて、苦言を呈するということもなく、率直な反応が制作側のモチベーションにつながったよう。さらに、企画開始当初の構想も語られたそうで、「川村監督は、『もともとは東京編と大阪編を考えていたんです。でも、予算の都合で(苦笑)。それに奥先生のスケール感があまりにもあるので、押さえて』と、実は2部作構想というのがあったようですよ」(前出の30代男性)とも。 これだけのクオリティーだけに作るのも尋常ではない労力がかかりそうだが、ファンとしては東京編も機会があれば観てみたいものだが……。『GANTZ:O』公式Twitter(@GANTZ_O_movie )より。
【インタビュー】フリーランスになって「よかったことしかない」デビュー25周年、宍戸留美の現在地
1990年春、私は雑誌に載っていた記事を読んで、一人の少女に強く興味を引かれた。彼女の名前は宍戸留美。 彼女は、アイドルとなり、フリーランスのアーティストとなり、声優になり、フォトグラファーにもなっていった。 そして今年8月、クラウドファンディングによって集まった資金で、活動25周年記念CDと写真集を発売。その経緯と反響を中心に、これまで26年間の活動について、ファン目線でたっぷり話を聞かせていただいた。 ──8月に、クラウドファンディングで作ったCDと写真集を発売しましたが、反響はいかがですか? 宍戸 そうですね。去年のクラウドファンディングの資金で広告を出させていただいたんですが、「やっぱり今、雑誌は厳しいんだな」というのをすごく感じました。声優雑誌に載せたのですが、リアクションがひとつもなかったので。声優雑誌は、若い声優さんのフィールドなのかなと思いましたね。 ──今、宍戸さんのイベントに来るファンの方は、やはり声優時代からのファンが多いのでしょうか? 宍戸 それが、地方に行くと面白い現象が起きていて、中学2年生の女の子からOLさん、そしてアイドル時代からのファンの方などが集まっていて、いったい何の集まりかわからなくなっています(笑)。私はそこでパフォーマンスをするので、常にいろんな自分を出せるようにしています。 ──それでは、MCとかでも大変ですね。 宍戸 だから、余計研ぎ澄まされるというか、みんなに伝わるように意識しています。 ──今回、費用をクラウドファンディングにした理由はなんだったのでしょう? 宍戸 デビューして25年だったので、ただ記念ライブなどをするだけでは広がりがないなと思って、クラウドファンディングを使うことを考えました。また、同世代の人から、「親に家を建ててあげた」とか「高層マンションに住んでる」というような話を聞いて、「今まで私は、それが全部CDの制作費になってたんだなぁ」と思ったりしたことも理由のひとつです。 ──結果的に294人のコレクターから430万円ほどが集まりました。使い道の内訳を細かく開示していますが、なかなかここまでオープンにされている方は少ないですよね? 宍戸 自分が投資する側だったとして、何に使われるか謎のままだったらお金出したくないですよね。「このお金で焼肉食べられたらどうしよう」とか思っちゃう(笑)。だから、ちゃんと出してみようと思いました。 ──追加で募集したプロモーション費用の方も、明細は出されるんでしょうか? 宍戸 はい。どこの(旅行)パックを使って、ホテル代がいくらで、まで出そうと思います。今、細かくメモしてます。 ──「インディーズで活動しているミュージシャンやアイドルにとって『普通のこと』になったらいい」と書かれていますが、やはり後に続く人のためにというのも大きな動機ですか? 宍戸 そうですね。今はもう、いい年齢になってきたので、そのことしかないぐらいの気持ちです。後に続く若い人たちがいればいいなと思います。 ──そうすると、ご自身で若い人たちを育てたい、というな意識もあるんでしょうか? 宍戸 いや、それはないです(笑)。まずは、自分がなんとかならないと。 ──なるほど(笑)。これまでの経験を活かして前に進みたいということですね。 宍戸 いろいろやってきたことがごちゃごちゃになっているので、「それらをまとめたいな」という気持ちがあります。「歌だけ」とか「声優だけ」では食べられなかったので、いろんな発信をしてきました。「Oil in Life」という番組の司会や、サイゾーでの連載など。これは、自分から発信して見つけてもらうためのものです。 ──「発信」ということで言うと、Twitterの活用も多くされてますよね。 宍戸 Twitterに出会う前には、毎日泣いてるほどでした(笑)。いろんな人とお話ができるし、仕事の依頼が来ることもありますね。 ──リツイートやリプライも多いですよね。 宍戸 それが仕事だと思ってます(笑)。 ──クラウドファンディングの業者は、まだ少ないんでしょうか? 宍戸 いえ、かなり多くなっているんですが、ノウハウがちゃんとしないままで、潰れたり、達成しない人が多いところがあったりして、かわいそうだなと思います。見ていて「これじゃ入れないよな」っていう人も多いですよね。具体的なことや目的を書かないまま、目標金額を提示していたりして。例えば、人件費にしても人数が何人とか、宿泊費もキチンと書くとかしないと、いくらファンでも出さないですね。 ──すごくメジャーな人だったら、出すかもしれませんね。 宍戸 今は、事務所に所属してても、アルバムの制作費はクラウドファンディングで稼げって言われている人もいるみたいで。「それって事務所の意味あるのかな?」って思っちゃいます。 ──そうですね。何かあったときには守ってくれるんでしょうけど……。 宍戸 最近は、何かあっても守らないところも多いですよね。だから、自分の身は自分で守るしかない。自分でTwitterに書けば、広げることもできますから。
──今回の作品についてもお伺いしたいのですが、CDのクレジットに全曲日付が入ってますよね。これは収録をした日ということでしょうか? 宍戸 はい、そうです。 ──一番古いのが「早く抱いて」で、2010年。そこから、今回のアルバムを出すまでの間に『CHERBOURG→BRIGHTON』『女』『Ruminescence』という三部作を発表されています。この『東京幻想曲集』は、それらのアルバムとはまた違った流れで作られているんでしょうか? 宍戸 私は、一時下北沢に住んでいて、スタジオがあるのでいつでもレコーディングできるようにしていました。そのときに配信のみで出していたものや、アルバムのコンセプトから外れてしまっていた曲をまとめたいな、と思い作ったのが今回のアルバムです。 ──9曲中4曲を宍戸さんが作詞されています。宍戸さんの詞の世界は、どこか無国籍な印象を受けるのですが、何か意識してらっしゃいますか? 宍戸 それは多分、アレンジとか楽器の影響が大きいと思います。あとは、30代にひとり旅をたくさんして、そこで知った価値観もありますね。先日、外国人の女の子に曲を聴いてもらったら「カーラ・ブルーニみたい」と言われました。大好きだったので、うれしかったです。 ──写真集も同時に出されていますが、紙質などにもこだわられていますよね。 宍戸 どんな形にするか、いろいろ案があったんですが、こだわってみました。だいぶ予算はオーバーしてしまいましたが(笑)。 ──写真の選定もご自身でやられたんですか? 宍戸 はい。何万枚という写真の中から選びました。ずっと同じ人(増田賢一氏)が撮ってくれているというのは、例がないと思います。10年ぐらいならまだしも、25年ですからね。 ──今回は25周年ということで、CDと写真集を作られましたが、今後何か作ってみたいものはありますか? 宍戸 このクラウドファンディングは、毎年のルーティンにしていきたいと思っています。あとは、アニメのキャラクターとして歌った曲も別々のレコード会社から出ているので、それをセルフカバーしてCDにしたいですね。 ──先日、元アイドルの田中陽子さんとライブをされましたが、当時仲が良かった人とは今でもお付き合いがあるんですか? 宍戸 ありますね。今活躍している人以外にも、会ったりする人は多いです。 ──人とのつながりで言うと、今までたくさんの方とユニット活動をされたりしています。どういう経緯でユニットを組まれることが多いんでしょうか? 宍戸 きっかけは、ライブを一緒にやった時にコラボをしたりして、そこから始まることは多いですね。 ──先日、森下純菜さんと一緒にライブをされましたが、彼女の印象はいかがですか? 宍戸 彼女とは一緒にやっていて楽しいですし、「こんなすごい人いるよ」っていうのも伝えたいです。もう「アイドルの鑑」じゃないですか。次にやる大阪でのセットリストも作っていますが、とても楽しいです。衣装も振りも一生懸命頑張っています。
■「元祖地下アイドル」と呼ばれて ──フリーになった頃のお話も伺いたいのですが、宍戸さんは「元祖地下アイドル」とも言われますよね。当時はそのことを意識してましたか? 宍戸 ライブハウスで歌うようになったときは、もう自分がアイドルとは思っていなかったので、普通に歌手として歌ってる意識でしたね。 ──ずっとフリーでやってきたわけですが、一人でやることのメリットはどんなところでしょう? 宍戸 とにかくよかったことしかないです。番組とか作品のオファーが来たときでも、マネジャーさんや事務所の意向を気にすることなく、ダイレクトに内容をやりとりできますし、直接どういうものが求められているか、仕事の内容もわかるので。 ──それはもう、18歳でフリーランスになった当初から感じていましたか? 宍戸 でも、最初の頃は騙されたりもしてましたよ。レギュラーで番組やったのに、ギャラを支払ってもらえなかったり、営業をやってもお金がもらえなかったり。 ──いろいろ苦労もされてるんですね。今、フリーで活動されているアイドルなどもいますが、それについてはどう思いますか? 宍戸 いや、危ないですよね。もう学校始めようかと思いますよ。 ──学校? 宍戸 フリーランスアイドルについて教える学校。お客さんとの接し方とか。例えば、一人でお客さんと話していて、それと並行して物販でお金のやり取りをしたり。経験のない若い子には無理ですよ。もう、その学校を卒業した人しか活動できないようにしてもいいくらい。 ──今はいろんな売り方があって、歌手のありかたにもさまざまな意見が出ていますが、そのあたりで何か感じていることはありますか? 宍戸 ライブのパフォーマンスにしても、料金に見合うだけのことをしているかどうかは大事ですよね。きちんとした芸を見せてお金をいただくというのが正しいと思います。その努力なしに、物販だけに力を入れたりするのはちょっと違うかなと。確かに「元祖地下アイドル」と言われたりしますが、そこと同じジャンルに見られるのは、ちょっと心外ですね。 ──今でも「アイドル」と言われることについてはいかがでしょう? 宍戸 「アイドル」という言葉が一人歩きしていて、そういうくくりにされてしまうことはありますね。例えば「長嶋茂雄」さんとか「ビートルズ」とかを「アイドル」と言うのであればうれしいですが、いわゆる「ビジネスとしての女性アイドル」という意味では、私はアイドルではないです。アイドルというのは、若い人の一瞬の輝きを呼ぶのだと思っているので。 ──なるほど。アイドル時代から含めてですが、宍戸さんのファンの人は長く応援してる人が多いですよね。 宍戸 そうですね。この間ライブで仙台に行ってきたんですが、20人ぐらい来てくださいって、すごく一体感のあるライブができました。このくらいの人数だと、一人ひとりと熱く会話もできます。とても楽しかったし、充実していました。 ──地方のイベントだと、どのくらい人が集まるかわからないので、不安な部分はありませんか? 宍戸 クラウドファンディングでもそうですが、やる前から「失敗したらどうしよう」とかは全く考えないんですよ(笑)。かっこつける必要もないし、失敗したら失敗したで、そこで人生が終わるわけでもないですしね。別に恥ずかしいことではないですから。 ──CDが売れない時代といわれていますが、プロモーションなどについてはどう考えていますか? 宍戸 例えばテレビの「あの人は今」のようなものに出ても、それでCDが売れることはないと思います。「ああ、そんな人いたなぁ」という感想だけで。やはりお店で歌って、聴いてもらうというのが一番ですね。生で触れ合うとか、生でパフォーマンスを見てもらうというのがいいなぁと思います。その点は、昔のデパートの屋上でのアイドルイベントと変わらないですよね。 ──今、歌手や声優などいろいろなことをされていますが、今後やってみたいことはありますか? 宍戸 プラネタリウムの音声ガイドや、美術館のガイドとかやってみたいです。ああいうのって、公共の場ですけど、一対一で聴いてもらえるじゃないですか。それがとても楽しいし、作品が倍に広がる感じがします。また、声優としてはディズニーや外国映画の吹き替え、ナレーションなどもやってみたいです。
■「もし男に生まれていたら……」25年前の意外な人選 ──最後に、唐突なのですが、もし男に生まれてたら、どんな人になっていたと思いますか? 宍戸 そうですねぇ、どうでしょう。あまり性別を意識してないので、思いつかないですね。 ──なるほど。実は私が最初に宍戸さんを好きになったのは、デビュー前にある雑誌で同じ質問を受けて「宮崎勤みたいな人」と答えていたのを見てからなんですよ。 宍戸 あははは(笑)。何を思ってたんだろう! デビュー前ですよね、15~6才……全然覚えてない。注目されたかったのかなぁ。 ──今日はこの質問ができて満足です(笑)。ありがとうございました。
18歳でフリーとなり、セルフプロデュースで活動してきた彼女。インタビューでの印象も「美しくやわらかな女性」といったものだった。そんな中に、多くの才能と強さを秘め、私たちを楽しませてくれるのが、何よりの魅力だろう。 今後の活動に期待しつつ、いつまでも彼女の生み出す世界を感じていたいと思った。 (取材・文=プレヤード) ●宍戸留美(ししどるみ) 歌手、声優、役者、写真など様々な表現分野で活動中。 アイスクリームのオーディションで8万人の中からグランプリ受賞。1990年にCBSソニーから『コズミック・ランデブー』でデビュー。18歳でフリーアイドルとなって現在のインディーアイドルブームの先陣となる。1995年自主制作アルバム『SET ME FREE』を発売後『ニューヨーク・タイムズ』紙上で“CDを探し求める価値のある日本人アーティスト”として評さた。 声優では「ご近所物語」幸田実果子役「おジャ魔女どれみ」瀬川おんぷ役「はなかっぱ」ももかっぱ役等でも活躍中! デビュー20周年記念のUstreamライブでは世界一を獲得!昨年、25周年記念プロジェクトで制作した作品、CD「東京幻想曲集」写真集「東京幻想写真集」同時発売中! ■11/21(月) 「ひとりひとりにサリュー!vol.10~誕生日とクリスマスの間、世界編」 出演:宍戸留美 ゲスト:ナタリー、レイラ レイン、他 時間:開場 18時半/開演 19時 料金:前売り¥3,500(1D別)/当日¥4,000(1D別) 予約詳細: http://rumi-shishido.com ■11/26(土) タワーレコード難波店、5階イベントスペースにて18時~『東京幻想曲集』&『東京幻想写真集』のインストアライブ ■11/27(日) 「ルンルン&純菜姫ツーマンライブ大阪~秋冬コレクション~」南堀江ビレボア 12時~ 特別ゲスト:中川雅子 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido「オリコンウィークリー」1990年4月9日号
傲慢で残酷で美しい青春! 小松菜奈&菅田将暉主演で『溺れるナイフ』を映画化した平成生まれの才人って?
刃物のようにとがった自意識は周囲の人間だけでなく、自分自身も深く傷つける。ジョージ朝倉原作コミックの実写映画化『溺れるナイフ』(講談社)は、10代のまだ穢れを知らないナイーブな自意識がテーマだ。神さまが祀られる神聖な海に主人公たちの自意識は沈み、でもナイフのようにキラキラとまばゆい輝きを放つ。ここ数年は人気コミックを原作にした恋愛映画が次々と作られているが、小松菜奈&菅田将暉を主演に起用した『溺れるナイフ』は強烈なインパクトを観る者に与える。 同じくジョージ朝倉原作の映画化『ピース オブ ケイク』(祥伝社/15年公開)は多部未華子と綾野剛が濃厚な濡れ場を演じた大人のドロドロ恋愛劇だったが、『溺れるナイフ』はまっさらな中学生の男女の出会いから物語は始まる。東京でティーン誌のモデルをしていた15歳の夏芽(小松菜奈)は、親の都合で実家のある田舎に引っ越すことになった。海と山に囲まれたド田舎での生活に落胆する夏芽だったが、神さんが棲むという入江でタブーを恐れることなく泳ぐ地元の少年・コウ(菅田将暉)と遭遇する。髪を金髪に染めたコウは地元一帯を取り仕切る神主一族の跡取りで、傲慢にも「この町のもんは、全部俺の好きにしてええんじゃ」と言い放つ。2人は特別な輝きを放つ存在として、強く惹かれ合うことになる。小松菜奈と菅田将暉の顔合わせで『溺れるナイフ』を映画化。2人は『ディストラクション・ベイビーズ』に続いての共演。
同じ中学に通うコウと夏芽は、お互いに意識しすぎて反発しあう状態がしばし続く。夏芽が追いかければ、コウはするりと身をかわしてしまう。そんなもどかしい関係は、東京から来た著名なカメラマン・広能(志磨遼平)が夏芽の写真集を撮りたいと言い出したことから変わり始める。カメラの前で普段とは異なる表情を見せる夏芽。完成した写真集はまっさきにコウに見てほしい。そんな夏芽の想いが通じ、コウと夏芽は交際を始める。地元の中学生たちは誰もが憧れる、美男美女のカップルの誕生だった。さらに広能が監督する映画の主演オファーが届き、夏芽は幸せの絶頂を迎える。だが、地元で最大のイベントである火祭りの夜、夏芽とコウは思いがけない事件に巻き込まれてしまう。ずっと続くと思われた2人の輝きは、一夜にして色褪せていく。 かつて中上健次原作、北大路欣也・太地喜和子主演映画『火まつり』(85年)が撮影された和歌山県勝浦を舞台にした本作は、名シーンの目白押しだ。出会って間もないコウと夏芽が禁断の海で戯れる水中シーン、熊野信仰が伝わる熊野の森の中での写真集の撮影シーン、刷り上がった写真集をめぐってコウが夏芽を追いかける石畳のシーン、チャリンコに2人乗りしての海岸線の疾走、2人の運命を変える神秘的な火まつり……。夏芽のことをずっと見守ってきた同級生の大友(重岡大毅)と一緒に、夏芽がツバキの花の蜜を吸う場面も忘れがたい。本作の撮影が行なわれたのは、小松菜奈の10代最後の夏。10代の自意識を主題にした映画を撮る、ギリギリのタイミングだった。中上健次文学でおなじみ熊野地方でのロケ撮影。スピリチュアルムード漂う恋愛ドラマなのだ。
「女の子たちが、なぜ小松菜奈さんと菅田将暉さんに憧れるのか、きっと誰よりもわかるんです」と公言するのは本作を撮り上げた平成生まれの山戸結希監督。上智大学在学中に撮った処女作『あの娘が海辺で踊っている』(12年)がポレポレ東中野でレイトショー公開された早咲きの才人だ。続く『おとぎ話みたい』(13年)はテアトル新宿のレイトショー観客動員記録を更新。人気アイドル・東京女子流が主演した『5つ数えれば君の夢』(14年)では女子高に通う女の子たちのかわいらしさとえげつなさの両面を暴き出してみせた。また、小松菜奈のブレイク作『渇き。』(14年)のメイキング映像も手掛けている。山戸作品のヒロインたちは少女としての自分の寿命がとても限られたものだということを自覚しており、それゆえにガムシャラに生き急ぐ。本作では10代特有の透明感をたたえた美少女のその美しさをうまく飼い馴らすことができずにいる焦燥感と、怖いもの知らずの不良少年が抱く万能感とがスピリチュアルムード漂う勝浦の海で正面衝突し、まぶしい閃光を放つ。 小松菜奈&菅田将暉という売れっ子を起用した本作の撮影期間は、わずか17日間。もう少し腰を据えてじっくりロケ撮影していたら、映画史に残る大傑作青春映画に仕上がったのではないかという気もしないではない。そう感じるほど、完成した作品は荒々しさが残る。でも、原作コミック17巻分を1日1巻ペースで撮り切ったスタッフとキャストの集中力を考えれば、短期間ロケだったからこそ主人公たちの刹那的な輝きをカメラに収めることができたのだろう。本作が俳優デビューとなるドレスコーズ・志磨遼平のよそもの感、夏芽の母親役を演じた市川実和子(小松菜奈と並ぶと驚くほどそっくり!)などのキャスティングもハマっている。キャストも監督も2度と同じものは残せない、美しく、そして壊れやすい青春の輝きを本作の中にしっかりと刻印してみせた。 (文=長野辰次)進学した高校でも、女同士の憧れや妬みが渦巻いている。『君の名は。』の上白石萌音が演技派ぶりを発揮。
『溺れるナイフ』 原作/ジョージ朝倉 脚本/井土紀州、山戸結希 監督/山戸結希 出演/小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音、志磨遼平、斉藤陽一郎、嶺豪一、伊藤歩夢、堀内正美、市川実和子、ミッキー・カーチス 配給/ギャガ 11月5日(土)より全国ロードショー (c)ジョージ朝倉/講談社 (c)2016「溺れるナイフ」製作委員会 http://gaga.ne.jp/oboreruknife
傲慢で残酷で美しい青春! 小松菜奈&菅田将暉主演で『溺れるナイフ』を映画化した平成生まれの才人って?
刃物のようにとがった自意識は周囲の人間だけでなく、自分自身も深く傷つける。ジョージ朝倉原作コミックの実写映画化『溺れるナイフ』(講談社)は、10代のまだ穢れを知らないナイーブな自意識がテーマだ。神さまが祀られる神聖な海に主人公たちの自意識は沈み、でもナイフのようにキラキラとまばゆい輝きを放つ。ここ数年は人気コミックを原作にした恋愛映画が次々と作られているが、小松菜奈&菅田将暉を主演に起用した『溺れるナイフ』は強烈なインパクトを観る者に与える。 同じくジョージ朝倉原作の映画化『ピース オブ ケイク』(祥伝社/15年公開)は多部未華子と綾野剛が濃厚な濡れ場を演じた大人のドロドロ恋愛劇だったが、『溺れるナイフ』はまっさらな中学生の男女の出会いから物語は始まる。東京でティーン誌のモデルをしていた15歳の夏芽(小松菜奈)は、親の都合で実家のある田舎に引っ越すことになった。海と山に囲まれたド田舎での生活に落胆する夏芽だったが、神さんが棲むという入江でタブーを恐れることなく泳ぐ地元の少年・コウ(菅田将暉)と遭遇する。髪を金髪に染めたコウは地元一帯を取り仕切る神主一族の跡取りで、傲慢にも「この町のもんは、全部俺の好きにしてええんじゃ」と言い放つ。2人は特別な輝きを放つ存在として、強く惹かれ合うことになる。小松菜奈と菅田将暉の顔合わせで『溺れるナイフ』を映画化。2人は『ディストラクション・ベイビーズ』に続いての共演。
同じ中学に通うコウと夏芽は、お互いに意識しすぎて反発しあう状態がしばし続く。夏芽が追いかければ、コウはするりと身をかわしてしまう。そんなもどかしい関係は、東京から来た著名なカメラマン・広能(志磨遼平)が夏芽の写真集を撮りたいと言い出したことから変わり始める。カメラの前で普段とは異なる表情を見せる夏芽。完成した写真集はまっさきにコウに見てほしい。そんな夏芽の想いが通じ、コウと夏芽は交際を始める。地元の中学生たちは誰もが憧れる、美男美女のカップルの誕生だった。さらに広能が監督する映画の主演オファーが届き、夏芽は幸せの絶頂を迎える。だが、地元で最大のイベントである火祭りの夜、夏芽とコウは思いがけない事件に巻き込まれてしまう。ずっと続くと思われた2人の輝きは、一夜にして色褪せていく。 かつて中上健次原作、北大路欣也・太地喜和子主演映画『火まつり』(85年)が撮影された和歌山県勝浦を舞台にした本作は、名シーンの目白押しだ。出会って間もないコウと夏芽が禁断の海で戯れる水中シーン、熊野信仰が伝わる熊野の森の中での写真集の撮影シーン、刷り上がった写真集をめぐってコウが夏芽を追いかける石畳のシーン、チャリンコに2人乗りしての海岸線の疾走、2人の運命を変える神秘的な火まつり……。夏芽のことをずっと見守ってきた同級生の大友(重岡大毅)と一緒に、夏芽がツバキの花の蜜を吸う場面も忘れがたい。本作の撮影が行なわれたのは、小松菜奈の10代最後の夏。10代の自意識を主題にした映画を撮る、ギリギリのタイミングだった。中上健次文学でおなじみ熊野地方でのロケ撮影。スピリチュアルムード漂う恋愛ドラマなのだ。
「女の子たちが、なぜ小松菜奈さんと菅田将暉さんに憧れるのか、きっと誰よりもわかるんです」と公言するのは本作を撮り上げた平成生まれの山戸結希監督。上智大学在学中に撮った処女作『あの娘が海辺で踊っている』(12年)がポレポレ東中野でレイトショー公開された早咲きの才人だ。続く『おとぎ話みたい』(13年)はテアトル新宿のレイトショー観客動員記録を更新。人気アイドル・東京女子流が主演した『5つ数えれば君の夢』(14年)では女子高に通う女の子たちのかわいらしさとえげつなさの両面を暴き出してみせた。また、小松菜奈のブレイク作『渇き。』(14年)のメイキング映像も手掛けている。山戸作品のヒロインたちは少女としての自分の寿命がとても限られたものだということを自覚しており、それゆえにガムシャラに生き急ぐ。本作では10代特有の透明感をたたえた美少女のその美しさをうまく飼い馴らすことができずにいる焦燥感と、怖いもの知らずの不良少年が抱く万能感とがスピリチュアルムード漂う勝浦の海で正面衝突し、まぶしい閃光を放つ。 小松菜奈&菅田将暉という売れっ子を起用した本作の撮影期間は、わずか17日間。もう少し腰を据えてじっくりロケ撮影していたら、映画史に残る大傑作青春映画に仕上がったのではないかという気もしないではない。そう感じるほど、完成した作品は荒々しさが残る。でも、原作コミック17巻分を1日1巻ペースで撮り切ったスタッフとキャストの集中力を考えれば、短期間ロケだったからこそ主人公たちの刹那的な輝きをカメラに収めることができたのだろう。本作が俳優デビューとなるドレスコーズ・志磨遼平のよそもの感、夏芽の母親役を演じた市川実和子(小松菜奈と並ぶと驚くほどそっくり!)などのキャスティングもハマっている。キャストも監督も2度と同じものは残せない、美しく、そして壊れやすい青春の輝きを本作の中にしっかりと刻印してみせた。 (文=長野辰次)進学した高校でも、女同士の憧れや妬みが渦巻いている。『君の名は。』の上白石萌音が演技派ぶりを発揮。
『溺れるナイフ』 原作/ジョージ朝倉 脚本/井土紀州、山戸結希 監督/山戸結希 出演/小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音、志磨遼平、斉藤陽一郎、嶺豪一、伊藤歩夢、堀内正美、市川実和子、ミッキー・カーチス 配給/ギャガ 11月5日(土)より全国ロードショー (c)ジョージ朝倉/講談社 (c)2016「溺れるナイフ」製作委員会 http://gaga.ne.jp/oboreruknife

















